JPWO2017033966A1 - オートタキシン阻害活性を有する5位カルボニルアミノアルキル置換縮合ピラゾール誘導体 - Google Patents

オートタキシン阻害活性を有する5位カルボニルアミノアルキル置換縮合ピラゾール誘導体 Download PDF

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Abstract

次式(I)の式で示される化合物またはその製薬上許容される塩:
Figure 2017033966

(式中、R、R2a、R2b、R、R、R、R9a、R9b、R10、R11、X、Y、およびZは明細書で定義した通りである)。

Description

本発明はオートタキシン阻害活性を有する5位カルボニルアミノアルキル置換縮合ピラゾール誘導体、ならびに該5位カルボニルアミノアルキル置換縮合ピラゾール誘導体を有効成分とする医薬に関する。
リゾホスファチジン酸(Lysophosphatidic acid、LPA)は、細胞増殖、細胞内カルシウム流入、細胞骨格変化、細胞遊走など多彩な作用を発揮する脂質メディエーターであり、細胞膜表面上に発現するG蛋白質共役型受容体(LPA1-6)を介して情報伝達がなされている。この脂質は、線維化、疼痛、癌、炎症、動脈硬化などの生体の異常に関与することが報告されている(非特許文献1)。
LPAはいくつかの代謝経路により生合成されうるが、主な経路はリゾホスファチジルコリンがオートタキシン(autotaxin、ENPP2、ATX)によって加水分解されて産生されることによる。ATXはENPP(Ectonucleotide pyrophosphatase and phosphodiesterase)ファミリー(ENPP1-7)に属する分泌型蛋白でありENPP2とも呼ばれているが、ファミリーのうち、リゾホスホリパーゼD活性を有してLPA産生に関わるのはATXのみである。ATXの酵素活性を阻害してLPAの生成を抑えることが線維化疾患の治療に有効であることが報告されている(非特許文献1)。
線維化はあらゆる組織で起こりうるが、その発症の引き金の種類に関わらず、共通した機序で進行しうる。
一方、動物の組織や臓器は、コラーゲン等の線維により構造が維持されているが、組織が何らかの傷害を受けると、コラーゲン産生を伴う創傷治癒の過程により元の組織に修復される。しかしながら、組織が免疫的、化学的、機械的、代謝的、あるいはその他の傷害を複数回にわたって受けたり、その傷害の程度が大きいと、過剰な線維性結合組織の蓄積が生じる場合がある。このような結合組織の蓄積は不可逆的であり、線維が異常に増えてしまうと、組織や臓器が正常な機能を果たさなくなる線維化疾患が引き起こされる。
例えば、慢性腎臓病の病理学的特徴として糸球体や尿細管間質の線維化が挙げられる。末期腎不全の病理像は実質細胞の脱落と線維化が顕著である。慢性腎臓病患者において尿細管間質の線維化を示す患者は、線維化を示さない患者と比較してより腎機能悪化の進行が早いことが知られている。
慢性腎臓病の予防・治療法としては、生活指導・食事指導に加えて、アンギオテンシン受容体拮抗薬やカルシウム拮抗薬などの降圧療法による治療が行われている。しかし、既存の治療法によって得られる効果は十分とは言えず、より優れた腎機能障害の予防・治療剤が求められている。
特許文献1〜3および6には、mGluR5受容体アロステリックモジュレーターであるジヒドロピラゾロピラジノン誘導体が開示されている。
非特許文献2には、MK2阻害作用を有するジヒドロピラゾロピラジノン誘導体が開示されている。
特許文献4、5および非特許文献3には、HIVインテグレース阻害作用を有するジヒドロピラゾロピラジノン誘導体が開示されている。
一方、特許文献7および非特許文献4には、抗ガン作用を有するジヒドロピラゾロピラジノン誘導体が開示されている。
しかしながら、当該化合物がオートタキシン阻害作用を有することや慢性腎臓病の治療剤になるうることについては何ら記載も示唆もされていない。
一方、特許文献8および9には、オートタキシン阻害活性を有するイミダゾピリミジノン誘導体が開示されている。
国際公開第2013/192350号 国際公開第2013/192346号 国際公開第2012/83224号 国際公開第2007/50510号 国際公開第2005/120516号 国際公開第2014/195311号 中国公開公報第101367819号 国際公開第2014/133112号 国際公開第2015/064714号
Nature, 411巻、494−498頁、2001年 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, Volume: 21, Issue: 12, 3818−3822 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, Volume: 18, Issue: 2, 721−725 Bioorganic & Medicinal Chemistry, Volume: 16, Issue: 24, 10165−10171、2008年
本発明の目的は、優れたオートタキシン阻害活性を有する縮合ピラゾール誘導体を提供することにある。さらには、バイオアベイラビリティーが高い医薬品を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、優れたオートタキシン阻害活性を有する5位カルボニルアミノアルキル置換縮合ピラゾール誘導体を見出し、本願発明を達成した。
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)式(I):
Figure 2017033966

(式中、
は水素、ハロゲン、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり、
2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり、またはR2aおよびR2bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシまたは置換もしくは非置換のアミノであり、
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノであり、
XはC(R)またはNであり、
YはC(R)またはNであり、
ZはC(R)またはNであり、
はハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシであり、
、RまたはRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシであり、
9aおよびR9bはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはR9aおよびR9bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
10は置換もしくは非置換のアルキルである。)で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
(2)Rが水素である、上記(1)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(3)R2aおよびR2bがともに水素である、上記(1)または(2)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(4)Rが置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(5)Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環でオキシある、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(6)Rが置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(7)XがC(R)であり、YがC(R)であり、ZがC(R)である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(8)R、RまたはRがそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシである、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(9)Rがハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(10)R9aおよびR9bが共に水素である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(11)R10が置換もしくは非置換のメチルである、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(12)R10がメチルである、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(13)式(I)が、式(I’):
Figure 2017033966

で示される化合物である、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(14)上記(1)〜(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
(15)オートタキシン阻害剤である、上記(14)記載の医薬組成物。
(16)上記(1)〜(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、オートタキシンの関与する疾患の治療または予防方法。
(17)オートタキシンの関与する疾患を治療または予防するための、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩。
(18)オートタキシンの関与する疾患の治療剤または予防剤を製造するための、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(1’)式(I):
Figure 2017033966

(式中、
は水素、ハロゲン、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり、
2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり、またはR2aおよびR2bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり、
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノであり、
XはC(R)またはNであり、
YはC(R)またはNであり、
ZはC(R)またはNであり、
はハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシであり、
、RまたはRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシであり、
9aおよびR9bはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはR9aおよびR9bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
10は置換もしくは非置換のアルキルである。)で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
(2’)Rが水素である、上記(1’)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(3’)R2aおよびR2bがともに水素である、上記(1’)または(2’)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(4’)Rが置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノである、上記(1’)〜(3’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(5’)Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシである、上記(1’)〜(3’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(6’)Rが置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノである、上記(1’)〜(5’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(7’)XがC(R)であり、YがC(R)であり、ZがC(R)である、上記(1’)〜(6’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(8’)R、RまたはRがそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシである、上記(1’)〜(7’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(9’)Rがハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシである、上記(1’)〜(8’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(10’)R9aおよびR9bが共に水素である、上記(1’)〜(9’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(11’)R10が置換もしくは非置換のメチルである、上記(1’)〜(10’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(12’)R10がメチルである、上記(1’)〜(10’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(13’)式(I)が、式(I’):
Figure 2017033966

で示される化合物である、上記(1’)〜(12’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(14’)以下のいずれかの式で示される上記(1’)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
Figure 2017033966

(15’)以下のいずれかの式で示される化合物である、上記(1’)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
Figure 2017033966

(16’)上記(1’)〜(15’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
(17’)オートタキシン阻害剤である、上記(16’)記載の医薬組成物。
(18’)上記(1’)〜(15’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、オートタキシンの関与する疾患の治療または予防方法。
(19’)オートタキシンの関与する疾患を治療または予防するための、上記、(1’)〜(15’)のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩。
(20’)オートタキシンの関与する疾患の治療剤または予防剤を製造するための、上記、(1’)〜(15’)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
本発明化合物は優れたオートタキシン阻害活性を示し、特にオートタキシンの関与する疾患の治療または予防において有用である。
以下に本明細書中で使用する各用語を説明する。なお、本明細書中、各用語は単独で使用されている場合もまたは他の用語と一緒になって使用されている場合も、特に記載の無い限り、同一の意義を有する。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。特にフッ素および塩素が好ましい。
「アルキル」とは、炭素数1〜10の直鎖または分枝状の炭化水素基を意味する。炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜3のアルキル等を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n−へプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
における「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ブチルメチル等が挙げられる。特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、tert−ブチルメチルが好ましい。
における「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチルが好ましい。
、RまたはRにおける「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。特に、メチルが好ましい。
10における「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられる。特に、メチルが好ましい。
11における「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。特に、メチルが好ましい。
「アルキルオキシ」の場合には、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、tert−ブチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソブチルメチルヘキシルオキシ、n−ノニルオキシ等が挙げられる、特に、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ等が挙げられる。
における「アルキルオキシ」としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ等が挙げられる。特に、メチルオキシ、エチルオキシが好ましい。
における「アルキルオキシ」としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ等が挙げられる。特に、メチルオキシが好ましい。
「ハロアルキル」および「ハロアルキルオキシ」とは、アルキルおよびアルキルオキシ等のアルキル部分に、1〜5個(好ましくは、1〜3個)の上記「ハロゲン」が置換可能な任意の位置に置換した基を意味する。
例えば、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル等が挙げられる。特に、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル等が好ましい。
における「ハロアルキル」としては、特にフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル等が好ましい。
「アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する炭素数2〜10の直鎖または分枝状の炭化水素基を意味する。炭素数2〜8のアルケニル、炭素数3〜6のアルケニル等を包含する。例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等が挙げられる。
「アルキニル」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する炭素数2〜10の直鎖状または分枝状の炭化水素基を意味する。炭素数2〜8のアルキニル、炭素数3〜6のアルキニル等を包含する。例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等が挙げられる。アルキニルは任意の位置の1以上の三重結合の他、さらに二重結合を有していてもよい。
「芳香族炭素環」とは、単環または縮合環の芳香族炭化水素環を包含する。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。特にベンゼン環が好ましい。
「芳香族炭素環式基」とは、上記「芳香族炭素環」から導かれる1価の基を意味する。例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。特にフェニルが好ましい。
における「芳香族炭素環式基」としては、フェニルが好ましい。
「シクロアルカン」とは、炭素数が3〜10の単環式または多環式飽和炭素環を包含する。単環式シクロアルカンとしては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン等が挙げられる。多環式シクロアルカンとしては、ノルボルナン、テトラヒドロナフタレン、アダマンタン等が挙げられる。
「シクロアルキル」とは、上記「シクロアルカン」から導かれる1価の基を包含する。単環式シクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。多環式シクロアルキルとしては、ノルボルニル、テトラヒドロナフタレン−5−イル、テトラヒドロナフタレン−6−イル、アダマンチル等が挙げられる。
「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル等が挙げられる。特に、炭素数3〜6の「シクロアルキル」、炭素数5または6の「シクロアルキル」が好ましい。
「シクロアルケン」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭素数3〜10の非芳香族単環または多環式環を包含する。単環式シクロアルケンとしては、シクロペンテン、シクロヘキセン等が挙げられる。多環式シクロアルケンとしてはノルボルネン、インデン等が挙げられる。
「シクロアルケニル」とは、上記「シクロアルケン」から導かれる1価の基を包含する。単環式シクロアルケニルとしては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙げられる。多環式シクロアルケニルとしてはノルボルネニル、インデン−1−イル、インデン−2−イル、インデン−3−イル等が挙げられる。特に炭素数5または6の「シクロアルケニル」が好ましい。
「非芳香族炭素環式基」とは、上記「シクロアルキル」および「シクロアルケニル」、ならびに、これらに「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」および/または「芳香族炭素環」が1または2個縮合した基を包含する。結合手は、いずれの環から出ていてもよい。
たとえば、以下の基も非芳香族炭素環式基に含まれる。
Figure 2017033966

における「非芳香族炭素環式基」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルが好ましい。
における「非芳香族炭素環式基」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましい。
「芳香族複素環」とは、環内に窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子を少なくとも1個有する5〜6員の芳香環であるものを包含する。
例えば、ピロール、ピラゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、テトラゾール、イミダゾール、トリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン等の単環の芳香族複素環;
インドール、イソインドール、インダゾール、インドリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、ナフチリジン、キノキサリン、プリン、プテリジン、ベンズイミダゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンズオキサジアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、トリアゾロピリジン、イミダゾチアゾール、ピラジノピリダジン、ベンズイミダゾリン、ベンゾピラン等の、縮合した芳香族複素環が挙げられる。
「芳香族複素環式基」とは、上記「芳香族複素環」から導かれる1価の基を包含する。
例えば、ピロリル、ピラゾリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、テトラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル等の単環の芳香族複素環式基;
例えば、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリニル、イソインドリニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、ベンズイミダゾリニル、ベンゾピラニル等の、縮合した芳香族複素環式基が挙げられる。
における「芳香族複素環式基」としては、ピロリル、ピラジニル、ピラゾリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル等が好ましく、特にピラゾリルが好ましい。
「非芳香族複素環」とは、環内に窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子を少なくとも1個有する5〜7員の非芳香族環、
それらが独立して2個以上縮合した非芳香族環、
環内に窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子を少なくとも1個有する5〜7員の芳香族環が、1以上の上記「シクロアルカン」、上記「シクロアルケン」または上記「非芳香族複素環」と縮合した環、
環内に窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子を少なくとも1個有する5〜7員の非芳香族複素環が、1以上の上記「芳香族炭素環」または「非芳香族炭素環」と縮合した環を包含する。
例えば、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピリジン、ジヒドロピリダジン、ジヒドロピラジン、ジオキサン、オキサチオラン、チアン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチアゾリン、テトラヒドロイソチアゾリン等の単環の非芳香族複素環、
例えば、インドリン、イソインドリン、ベンゾピラン、ベンゾジオキサン、テトラヒドロキノリン、ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン、テトラヒドロベンゾチオフェン等の、縮合した非芳香族ヘテロ芳香環が挙げられる。
「非芳香族複素環式基」とは、上記「非芳香族複素環」から導かれる1価の基を包含する。
例えば、ピロリニル、ピロリジノ、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペリジル、ピペラジノ、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピリダジニル、ジヒドロピラジニル、ジオキサニル、オキサチオラニル、チアニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアゾリニル、テトラヒドロイソチアゾリニル等の、単環の非芳香族複素環式基、
ベンゾジオキサン、テトラヒドロキノリン、ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン、テトラヒドロベンゾチオフェン等の縮合した複素環式基が挙げられる。
「多環の非芳香族複素環式基」として、具体的には、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル、イソマンニル等が挙げられる。多環の非芳香族へテロ環式基である場合、結合手をいずれの環に有していてもよい。
例えば、以下の基も非芳香族複素環式基に含まれる。
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966

における「非芳香族複素環式基」としては、オキセタニルが好ましい。
置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基は、1または2個のオキソ、チオキソまたは置換もしくは非置換のイミノで置換されていてもよい。
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換非芳香族炭素環式基」、「置換芳香族炭素環式基」、「置換芳香族複素環式基」または「置換非芳香族複素環式基」の置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、アミノ、カルボキシ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、置換カルバモイル、置換スルファモイル、置換アミジノ、式:−O−Rで示される基、式:−O−C(=O)−Rで示される基、式:−C(=O)−Rで示される基、式:−C(=O)−O−Rで示される基、式:−S−Rで示される基または式:−SO−Rで示される基(ここでRは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、カルバモイル、スルファモイルまたはアミジノ)が挙げられる。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」の置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、カルボキシ、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、カルバモイル、置換カルバモイル、スルファモイル、置換スルファモイル、アミノ、置換アミノ、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、非芳香族炭素環オキシ、芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環チオ、芳香族炭素環チオ、芳香族複素環チオ、非芳香族複素環チオ、非芳香族炭素環スルフィニル、芳香族炭素環スルフィニル、芳香族複素環スルフィニル、非芳香族複素環スルフィニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、非芳香族複素環スルホニル等が好ましい。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」の置換基としては、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、カルバモイル、アルキルスルファモイル、アルキルスルホニル、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、非芳香族複素環式基、オキソ非芳香族複素環式基、アルキル非芳香族複素環式基、芳香族複素環式基またはアルキル芳香族複素環式基が特に好ましい。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
における「置換アルキル」の置換基としては、置換基群A(ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキルオキシおよび非芳香族炭素環式基)から選択される1以上の基が好ましい。
、RまたはRにおける「置換アルキル」の置換基としては、ヒドロキシ、アミノが好ましい。
「置換非芳香族炭素環式基」、「置換芳香族炭素環式基」、「置換芳香族複素環式基」または「置換非芳香族複素環式基」の置換基としては、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイルおよび置換もしくは非置換のスルファモイル等が挙げられる。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
「置換非芳香族炭素環式基」、「置換芳香族炭素環式基」、「置換芳香族複素環式基」または「置換非芳香族複素環式基」の置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、カルボキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、カルバモイル、置換カルバモイル、スルファモイル、置換スルファモイル、アミノ、置換アミノ、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、非芳香族炭素環オキシ、芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環カルボニルオキシ、芳香族炭素環カルボニルオキシ、芳香族複素環カルボニルオキシ、非芳香族複素環カルボニルオキシ等が好ましい。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
「置換非芳香族炭素環式基」、「置換芳香族炭素環式基」、「置換芳香族複素環式基」または「置換非芳香族複素環式基」の置換基としては、オキソ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環式基、非芳香族複素環式基または芳香族複素環式基が特に好ましい。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
における「置換非芳香族炭素環式基」の置換基としては、置換基群B(シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキルおよびアルキルオキシアルキル)から選択される1以上の基が特に好ましい。
「置換アミノ」、「置換カルバモイル」、「置換スルファモイル」、「置換アミジノ」または「置換イミノ」の置換基としては、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、カルバモイル、スルファモイル、アミジノ、式:−O−Rで示される基、式:−C(=O)−Rで示される基、式:−C(=O)−O−Rで示される基、または式:−SO−Rで示される基(ここでRは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基または非芳香族複素環式基)が挙げられる。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜2個、置換されていてもよい。
「置換アミノ」、「置換カルバモイル」、「置換スルファモイル」、「置換アミジノ」または「置換イミノ」の置換基としては、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換のカルバモイルおよび置換もしくは非置換のスルファモイル等が挙げられる。これらの置換基で、1または2個、置換されていてもよい。
「置換アミノ」、「置換カルバモイル」、「置換スルファモイル」、「置換アミジノ」または「置換イミノ」の置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、シアノ、アジド、ホルミル、カルボキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、カルバモイル、置換カルバモイル、スルファモイル、置換スルファモイル、アミノ、置換アミノ、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、非芳香族炭素環オキシ、芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環カルボニルオキシ、芳香族炭素環カルボニルオキシ、芳香族複素環カルボニルオキシ、非芳香族複素環カルボニルオキシ等が好ましい。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
「「置換アミノ」、「置換カルバモイル」、「置換スルファモイル」、「置換アミジノ」または「置換イミノ」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、非芳香族複素環式基または芳香族複素環式基が特に好ましい。これらの置換基で、置換可能な任意の位置が1〜数個、置換されていてもよい。
式(I):
Figure 2017033966
で示される化合物における、R、R2a、R2b、R、R、R、R9a、R9b、R10、R11、X、Y、およびZの好ましい態様を以下に示す。下記の可能な組合せの化合物が好ましい。
は水素、ハロゲン、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルが挙げられる。
の好ましい態様としては、水素、ハロゲン、シアノまたは置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
のさらに好ましい態様としては、水素が挙げられる。
2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり、またはR2aおよびR2bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、が挙げられる。
2aおよびR2bの好ましい態様としては、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
2aおよびR2bのさらに好ましい態様としては、ともに水素が挙げられる。
2aおよびR2bの別の好ましい態様としては、R2aおよびR2bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、が挙げられる。
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアル
ケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルが挙げられる。
の好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルまたは置換もしくは非置換のアミノが挙げられる。
の好ましい態様としては、置換基群C(ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、非芳香族炭素環式基および芳香族炭素環式基)から選択される置換基で1以上置換されていてもよいアルキル、置換基群Cから選択される置換基で1以上置換されていてもよいアルキルオキシ、非芳香族炭素環式基で置換されていてもよい非芳香族炭素環式基、芳香族炭素環式基、非芳香族複素環式基、アルキルで置換されていてもよい芳香族複素環式基またはアルキルで置換されていてもよいアミノが挙げられる。
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノが挙げられる。
の好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換のアルキルオキシが挙げられる。
のさらに好ましい態様としては、アルキルオキシで置換されていてもよいアルキル、アルキルオキシ、置換基群D(ハロゲン、シアノ、1以上のハロゲンで置換されていてもよいアルキル、1以上のアルキルオキシで置換されていてもよいアルキル)から選択される置換基で1以上置換されていてもよい非芳香族炭素環式基が挙げられる。
はハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシが挙げられる。
の好ましい態様としては、ハロゲン、シアノまたは置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
のさらに好ましい態様としては、ハロゲンまたはシアノが挙げられる。
XはC(R)またはNが挙げられる。
Xの好ましい態様としては、はC(R)が挙げられる。
Xの別の好ましい態様としては、Nが挙げられる。
YはC(R)またはNが挙げられる。
Yの好ましい態様としては、C(R)が挙げられる。
Yの別の好ましい態様としては、Nが挙げられる。
ZはC(R)またはNが挙げられる。
Zの好ましい態様としては、C(R)が挙げられる。
Zの別の好ましい態様としては、Nが挙げられる。
、RまたはRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシが挙げられる。
、RまたはRの好ましい態様としては、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
、RまたはRの好ましい態様としては、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシで1以上置換されていてもよいアルキルが挙げられる。
9aおよびR9bはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはR9aおよびR9bが結合する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、が挙げられる。
9aおよびR9bの好ましい態様としては、ともに水素が挙げられる。
9aおよびR9bの別の好ましい態様としては、R9aおよびR9bが結合する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、が挙げられる。
10は置換もしくは非置換のアルキルが挙げられる。
10の好ましい態様としては、置換もしくは非置換のメチルが挙げられる。
10のさらに好ましい態様としては、メチルが挙げられる。
式(I)の好ましい態様としては、式(I’):
Figure 2017033966

で示される化合物が挙げられる。
式(I)の別の好ましい態様としては、式(I’’):
Figure 2017033966

で示される化合物が挙げられる。
式(I)で示される化合物の好ましい態様としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017033966

式(I)で示される化合物の別の好ましい態様としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017033966

本発明化合物は、特に断りのない限り、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(例えば、ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。
本発明化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。本発明化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、本発明化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。
本発明化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)で示されるトリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、式(I)で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。他のトリチウム標識化合物を調製するための適切な方法としては、文書Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)を参照にできる。14C−標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
本発明化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
本発明化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)、共結晶および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物、共結晶および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、本発明化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。本発明化合物またはその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、本発明化合物またはその製薬上許容される塩を、再結晶することでそれらの結晶多形を形成する場合がある。「共結晶」は、式(I)で示される化合物または塩とカウンター分子が同一結晶格子内に存在することを意味し、任意の数のカウンター分子と形成していてもよい。
本発明化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて本発明化合物に変換される化合物、胃酸等により加水分解されて本発明化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam 1985に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。
本発明化合物またはその製薬上許容される塩がヒドロキシル基を有する場合は、例えばヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物、適当なスルホニルクロライド、適当なスルホニルアンハイドライドおよびミックスドアンハイドライドとを反応させることにより或いは縮合剤を用いて反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体やスルホニルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。例えばCHCOO−、CCOO−、t−BuCOO−、C1531COO−、PhCOO−、(m−NaOOCPh)COO−、NaOOCCHCHCOO−、CHCH(NH)COO−、CHN(CHCOO−、CHSO−、CHCHSO−、CFSO−、CHFSO−、CFCHSO−、p-CH-O-PhSO−、PhSO−、p-CHPhSO−が挙げられる。
「慢性腎臓病」とは、(1)腎臓の障害(微量アルブミン尿を含む蛋白尿などの尿異常、尿沈渣の異常、片腎や多発性のう胞腎などの画像異常、血清クレアチニン値上昇などの腎機能低下、尿細管障害による低K血症などの電解質異常、腎生検などで病理組織検査の異常など)もしくは(2)GFR(糸球体濾過量)が60mL/分/1.73m未満の腎機能低下のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続するものを意味する。
以下に、本発明化合物の一般的な製造方法を説明する。なお、本発明化合物は以下に示す合成方法以外の方法でも、有機化学の知識に基づいて、製造することができる。
化合物a1の製造方法
Figure 2017033966

(式中、Ra1は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニル、Ra2はハロゲン等の脱離基、その他の記号は上記と同意義。)
化合物a1の溶液に、トリフェニルホスフィンおよび縮合剤の存在下、化合物a2を反応させることにより、化合物a3を得ることができる。
反応溶媒としては、THF、DCM、酢酸エチル、水、メタノール、DMF、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、トルエン等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
トリフェニルホスフィンは、化合物a1に対して、1〜10当量、好ましくは1〜3当量用いることができる。
縮合剤としては、アゾジカルボン酸 ジイソプロピル、アゾジカルボン酸 ジ−tert−ブチル、アゾジカルボン酸 ジエチル、酸化アルミニウム、硫酸、五酸化二リン、三酸化硫黄、ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられ、化合物a1に対して、1〜10当量、好ましくは1〜3当量用いることができる。
反応温度は、0℃〜加熱還流下、好ましくは0℃〜室温である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間である。
化合物a4の製造方法
Figure 2017033966

(式中の記号は上記と同意義。)
化合物a3の溶液に、脱保護剤と反応させることにより、化合物a4を得ることができる。用いる脱保護剤の種類によって、種々の塩として得ることができる。
反応溶媒としては、酢酸エチル、メタノール、水、エタノール、2−プロパノール、DCM、THF、1,4−ジオキサン等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
脱保護剤としては、塩酸/酢酸エチル、水酸化ナトリウム、パラジウム炭素、トリクロロエチルクロロホルメート、ピペリジン、モルホリン、テトラブチルアンモニウムフルオリド等が挙げられ、化合物a3に対して、1〜100当量、好ましくは1〜20当量用いることができる。
反応温度は、0℃〜加熱還流下、好ましくは室温である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間である。
化合物a5の製造方法
Figure 2017033966

(式中の記号は上記と同意義。)
化合物a4を加熱することにより、化合物a5を得ることができる。化合物a4が塩の場合は、塩基存在下で反応させることができる。
反応溶媒としては、エタノール、水、DCM、THF、DMF、メタノール、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、化合物a4に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量用いることができる。
反応温度は、50℃〜加熱還流下、好ましくは加熱還流下である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間である。
化合物a6の製造方法
Figure 2017033966

(式中、Ra5はハロゲン等の脱離基、その他の記号は上記と同意義。)
化合物a5を、塩基存在下、求電子剤a5’と反応させることにより、化合物a6を得ることができる。
反応溶媒としては、THF、エタノール、水、DCM、DMF、メタノール、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
求電子剤a5’としては、ハロゲン化物、メシレート、トシレート等が挙げられ、求電子剤5に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量用いることができる。
塩基としては、tert−ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU等が挙げられ、求電子剤a5に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量用いることができる。
反応温度は、氷冷下〜加熱還流下、好ましくは氷冷下〜室温である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは0.1時間〜5時間である。
化合物a7の製造方法
Figure 2017033966

(式中、Ra3は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、その他の記号は上記と同意義。)
化合物a6を、加水分解することにより、化合物a7を得ることができる。
反応溶媒としては、THF、エタノール、水、DCM、DMF、メタノール、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等が挙げられ、化合物a6に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量用いることができる。
反応温度は、氷冷下〜加熱還流下、好ましくは室温である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは0.1時間〜5時間である。
化合物a8の製造方法
Figure 2017033966

(式中、PGはBoc等のアミノ基の保護基、その他の記号は上記と同意義。)
化合物a7を、塩基存在下、DPPAと反応させることにより、化合物a8を得ることができる。
反応溶媒としては、tert−ブタノール、水、DCM、DMF、エタノール、THF、メタノール、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、ベンゼン等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、等が挙げられ、化合物a7に対して、1〜10当量、好ましくは1〜3当量用いることができる。
DPPAは、化合物a7に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量用いることができる。
反応温度は、室温〜加熱還流下、好ましくは加熱還流下である。
反応時間は、1時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間である。
化合物a10の製造方法
Figure 2017033966

(式中、Ra4はそれぞれ独立して、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシまたは2つのRa4が一緒になって置換もしくは非置換のアルキレンジオキシを形成してもよく、その他の記号は上記と同意義である。)
化合物a8を、金属触媒および塩基存在下、化合物a9と反応させることにより、化合物a10を得ることができる。
反応溶媒としては、DMF、THF、ジオキサン等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等が挙げられ、化合物a8に対して、1〜10当量、好ましくは1〜3当量用いることができる。
化合物a9は、化合物a8に対して、1〜10当量、好ましくは1〜3当量用いることができる。
金属触媒としては、金属触媒としては、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体、酢酸パラジウム等が挙げられ、化合物a8に対して、0.01〜0.5当量、好ましくは0.05〜0.2当量用いることができる。
反応温度は、室温〜加熱還流下、好ましくは室温〜100℃である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間である。
化合物a12の製造方法
Figure 2017033966

(式中、Ra5はハロゲン等の脱離基、その他の記号は上記と同意義である。)
化合物a10を、塩基存在下、化合物a11と反応させることにより、化合物a12を得ることができる。
反応溶媒としては、DMF、THF、ジオキサン等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、DIEA等が挙げられ、化合物a10に対して、1〜5当量、好ましくは1〜3当量用いることができる。
化合物a11は、化合物a10に対して、1〜3当量、好ましくは1〜1.5当量用いることができる。
反応温度は、0℃〜加熱還流下、好ましくは室温である。
反応時間は、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間である。
化合物a13の製造方法
Figure 2017033966

(式中の記号は上記と同意義。)
化合物a12を、脱保護剤と反応させた後に、塩基存在下、酸無水物または酸ハロゲン化物と反応させることにより、化合物a13を得ることができる。
脱保護の溶媒としては、酢酸エチル、水、DCM、DMF、エタノール、THF、メタノール、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
脱保護剤としては、塩酸/酢酸エチル、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、ヨードトリメチルシラン、三塩化アルミニウム、ブロモカテコールボラン、トリメチルシリルクロリド、トリメチルシリルトリフレート等が挙げられ、化合物a12に対して、1〜100当量、好ましくは1〜50当量用いることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、炭酸セシウム、炭酸カリウム、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、化合物a12に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量用いることができる。
酸無水物または酸ハロゲン化物は、化合物a12に対して、1〜5当量、好ましくは1〜3当量用いることができる。
反応溶媒としては、メタノール、水、ジクロロメタン、DMF、エタノール、THF、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル等が挙げられ、単独または混合して用いることができる。
反応温度は、0℃〜加熱還流下、好ましくは室温である。
反応時間は、1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間である。
このようにして得られた本発明化合物は、各種の溶媒で結晶化させて精製することができる。用いられる溶媒としては、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等)、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、クロロホルム、DCM、THF、DMF、トルエン、ベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ヘキサン、ジオキサン、ジメトキシエタン、水またはそれらの混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒に加温下で溶解し、不純物を除去した後、徐々に温度を下げて、析出した固形物または結晶を濾取すればよい。
本発明に係る化合物は、オートタキシン阻害活性を有する。したがって、本発明に係る化合物を含有する医薬組成物は、オートタキシンの関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。オートタキシンが関与する疾患としては、例えば、尿排泄障害、慢性腎臓病もしくは腎線維症、間質性肺炎、慢性閉塞肺疾患もしくは肺線維症、強皮症、疼痛、線維筋痛症、関節炎リウマチ、血管新生、癌、腫瘍の形成、成長および伝播、動脈硬化症、眼疾患、脈絡膜血管新生および糖尿病網膜症、炎症性疾患、関節炎、神経変性、再狭窄、創傷治癒もしくは移植片拒絶反応または子宮内膜症等が知られており、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、これら疾患の治療剤および/または予防剤として有用である。さらに好ましくは、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、尿排出障害、間質性肺炎、慢性閉塞肺疾患もしくは肺線維症、腎線維症、肝線維症、強皮症、疼痛、線維筋痛症、関節炎リウマチ、多発性硬化症または子宮内膜症等の治療剤および/または予防剤として有用である。本発明化合物は、オートタキシン阻害活性のみならず、医薬としての有用性を備えており、下記いずれか、あるいは全ての優れた特徴を有し得る。
a)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4等) に対する阻害作用が弱い。
b)高いバイオアベイラビリティー、適度なクリアランス等良好な薬物動態を示す。
c)貧血誘発作用等の毒性が低い。
d)代謝安定性が高い。
e)水溶性が高い。
f)腎移行性が高い。
g)消化管障害(例えば、出血性腸炎、消化管潰瘍、消化管出血等)を起こさない。
h)FU値が高い。
さらに、本発明化合物はENPP1、3〜7受容体に対する親和性は低く、高いENPP2受容体選択性を有し得る。
本発明の医薬組成物を投与する場合、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。経口投与は常法に従って錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、シロップ剤、バッカル剤または舌下剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。非経口投与は、例えば筋肉内投与、静脈内投与等の注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等、通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。
本発明化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合し医薬組成物とすることができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤とすればよい。
賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウムまたは結晶セルロ−ス等が挙げられる。結合剤としてはメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末またはラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウムまたはマクロゴ−ル等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴ−ルまたはメチルセルロ−ス等を用いることができる。また、液剤または乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良い。経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、成人に経口投与する場合、通常0.05〜100mg/kg/日であり、好ましくは0.1〜10mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005〜10mg/kg/日であり、好ましくは0.01〜1mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回〜数回に分けて投与すれば良い。
以下に本発明の実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
また、本明細書中で用いる略語は以下の意味を表す。
Me:メチル
Et:エチル
Bu:ブチル
Ph:フェニル
PPh、TPP:トリフェニルホスフィン
AcOEt:酢酸エチル
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
TFA:トリフルオロ酢酸
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
DIEA、Hunig‘s Base:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオライド
SEM:2−(トリメチルシリル)エトキシメチル
OAc:酢酸基
mCPBA:メタクロロ過安息香酸
NMP:1−メチルピロリジン−2−オン
LAH:水素化リチウムアルミニウム
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM:塩化メチレン
TEA:トリエチルアミン
TMS:テトラメチルシラン
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩
DPPA:ジフェニルリン酸アジド
PdCl(dppf)−DCM :1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体
(DHQ)2PHAL:ヒドロキニン−1,4−フタラジンジイルジエーテル
(DHQD)2PHAL:ヒドロキニジン−1,4−フタラジンジイルジエーテル
各実施例で得られたNMR分析は300MHzで行い、d−DMSO、CDClを用いて測定した。
明細書中にRTとあるのは、LC/MS:液体クロマトグラフィー/質量分析でのリテンションタイムを表す。
LC/MSは以下の条件で測定した。
(Method A)
カラム:Shim−pack XR−ODS (2.2μm、i.d.50x3.0mm) (Shimadzu)
流速:1.6mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3分間で10%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
(Method B)
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18
流速:0.55 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
(Method C)
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm) (Waters)
流速:0.8mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
(Method D)
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm) (Waters)
流速:0.8mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は10mM炭酸アンモニウム含有水溶液、[B]はアセトニトリル
グラジェント:3.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
実施例1 化合物11の製造方法
第1工程 化合物2の製造方法
Figure 2017033966

(R)−1−アミノプロパン−2−オール(2.4g, 32.0mmol)のDCM(40mL)溶液に氷冷下、ジ‐tert‐ブチルジカーボネート(6.91 mL, 32.0 mmol)を加え1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、THF(40mL)を加えた。氷冷下、化合物1(5g, 22.83mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(5.84mL, 29.7mmol)およびトリフェニルホスフィン(7.78g, 29.7mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、化合物(8.4g, 収率: 98%)を無色油状物として得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=376.[M+H]+、保持時間:2.36分
第2工程 化合物3の製造方法
Figure 2017033966

化合物2(8.4g, 22.33mmol)の酢酸エチル(40mL)溶液に、氷冷下、4mol/L塩酸/酢酸エチル溶液(27.9mL, 112mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮することにより、化合物3の粗生成物を白色固体として得た。
第3工程 化合物4の製造方法
Figure 2017033966

化合物3のエタノール(40mL)溶液に、トリエチルアミン(12.4mL, 89mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮した後、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチルで懸濁精製することにより、化合物4(4.5g, 収率: 88%)を白色固体として得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=229. [M+H]+ 、保持時間:1.20分
第4工程 化合物5の製造方法
Figure 2017033966

化合物4(1.5g, 6.52mmol)のTHF(15mL)溶液に、氷冷下、tert−ブトキシカリウム(1.02g, 9.13mmol)およびメチル2‐ブロモアセテート(862μL, 9.13 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮することにより、化合物5(1.97g, 収率: 100%)を得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=302. [M+H]+、保持時間:1.50分
第5工程 化合物6の製造方法
Figure 2017033966

化合物5(1.97g, 6.52mmol)のTHF(10mL)およびメタノール(5mL)の混合溶液に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3.26mL, 6.52mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、化合物6(1.45g, 収率: 77%)を白色固体として得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=287. [M+H]+、保持時間:1.25分
第6工程 化合物7の製造方法
Figure 2017033966

化合物6(1g, 3.47mmol)のtert‐ブタノール(20mL)溶液に、トリエチルアミン(722μL, 5.21mmol)およびDPPA(1.12mL, 5.21mmol)を加え、1時間30分加熱還流した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、化合物7(800mg, 収率: 64%)を得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=359. [M+H]+ 、保持時間:1.87分
第7工程 化合物8の製造方法
Figure 2017033966

化合物7(600mg, 1.67mmol)のTHF(10mL)溶液に、5‐クロロ‐2‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)アニリン(551mg, 2.17mmol)、クロロ(2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2’,4’,6’‐トリイソプロピル‐1,1’‐ビフェニル)[2‐(2’‐アミノ‐1,1’‐ビフェニル)]パラジウム(II)(119mg, 0.167mmol)および1mmol/Lリン酸三カリウム水溶液(3.34mL, 3.34mmol)を加え、50℃で2時間30分攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製することにより、化合物8(800mg, 収率:100%)を白色固体として得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=406. [M+H]+ 、保持時間:2.18分
第8工程 化合物9の製造方法
Figure 2017033966

化合物8(300mg, 0.739mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、氷冷下、ピリジン(119μL, 1.478mmol)およびクロロギ酸メチル(68.7μL, 0.887mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液にメタノールを加え減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより、化合物9(200mg, 収率:58%)を白色アモルファスとして得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=464. [M+H]+ 、保持時間:2.42分
第9工程 化合物10の製造方法
Figure 2017033966

化合物9(100mg, 0.216mmol)の酢酸エチル(1mL)溶液に、4mol/L塩酸/酢酸エチル溶液(539μL, 2.16mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮することにより、化合物10の粗生成物を得た。
第10工程 化合物11の製造方法
Figure 2017033966

化合物10のDMF(1mL)溶液に、トリエチルアミン(90μL, 0.647mmol)、2−シアノ酢酸(27.5mg, 0.323mmol)およびHATU(123mg, 0.323mmol)を加え、室温で攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、化合物11(64mg, 収率: 69%)を白色固体として得た
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=431. [M+H]+ 、保持時間:1.99分
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 10.77 (1H, s), 9.08 (1H, t, J = 6.0 Hz), 8.77-8.54 (1H, m), 8.26 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.94 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.46 (1H, s), 7.17 (1H, dd, J = 8.5, 2.3 Hz), 4.88 (1H, dd, J = 13.3, 5.8 Hz), 4.80 (1H, dd, J = 13.4, 6.4 Hz), 4.71-4.69 (1H, m), 3.96 (1H, dd, J = 13.1, 4.5 Hz), 3.73-3.71 (5H, m), 3.65 (1H, dd, J = 13.2, 8.2 Hz), 1.54 (3H, d, J = 6.5 Hz).
実施例2 化合物17の製造方法
第1工程 化合物13および14の製造方法
Figure 2017033966

化合物12(2g, 8.02mmol)のTHF(800μL)溶液に、−10℃で硫酸(20ml, 8.02mmol)を加え、40分間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより、化合物13および化合物14の混合物(2.2g, 収率:93%)として得た。
LC/MSメソッド:A、保持時間:2.18分
第2工程 化合物15および16の製造方法
Figure 2017033966

化合物13と14の混合物(1.7 g, 5.77 mmol)のTHF(20 mL)溶液に、−78℃で水素化ジイソブチルアルミニウム(14.4 ml, 14.4 mmol)を加え、徐々に0℃まで昇温した。反応液を酢酸エチルとメタノールの混合溶媒に注ぎ、その後にロッシェル塩水溶液を加えた。分液後、有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより、化合物15および16の混合物(1.65 g, 収率:quant)として得た。
LC/MSメソッド:A、保持時間:1.79分, 1.87分
第3工程 化合物17の製造方法
Figure 2017033966

化合物15および16の混合物(1.55 g, 5.82 mmol)のエタノール(10 mL)および水(2.5 mL)の混合溶液に、塩化アンモニウム(933 mg, 17.45 mmol)および鉄(974 mg, 17.45 mmol)を加え、80℃で20分間攪拌した。反応液を濾過し、濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサンにて懸濁精製することにより、化合物17(620 mg, 収率:45%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 6.74 (1H, d, J = 2.8 Hz), 6.69 (1H, d, J = 2.5 Hz), 5.58 (2H, s), 5.41 (1H, t, J = 5.6 Hz), 4.40 (2H, d, J = 5.0 Hz).
LC-MS: m/z=235. [M+H]+
実施例3 化合物19の製造方法
Figure 2017033966

化合物18(250mg, 0.696mmol)の1,4‐ジオキサン(4mL)溶液に、ピナコールジボロン(212mg, 0.835mmol)、PdCl2(dppf)‐DCM(56.8mg, 0.07mmol)および酢酸カリウム(205mg, 2.088mmol)を加え、100℃で2時間30分攪拌した。反応液をジオールシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製することにより、化合物19の粗生成物を褐色油状物として得た。
LC/MSメソッド:B、LC-MS: m/z=283. [M-C6H9]+ 、保持時間:0.89分

同様にして、以下の化合物を合成した。
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966

Figure 2017033966
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Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
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Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966
Figure 2017033966

Figure 2017033966
試験例1(Method A)オートタキシン阻害剤の評価
25mM Tris-HCl緩衝液 (pH7.5)、100mM NaCl、5mM MgCl2、0.1% BSAからなる溶液Aを調製し、DMSOに溶解した化合物に、溶液Aで希釈したマウスオートタキシン酵素(R&D systems社製)5μlを添加した。さらに、溶液Aで希釈した0.5μM TG-mTMPを5μl添加し、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応液に、溶液Aで希釈した150mM EDTAを5μl添加して反応を停止させ、反応により生成される蛍光色素TokyoGreenを検出した。
TokyoGreenの検出には測定機器ViewLux(PerkinElmer社製)を用い、励起波長480nm/蛍光波長540nmの条件で蛍光を測定した。
化合物を含まない時の値を0%阻害、酵素添加なしの時の値を100%阻害とし、化合物の各濃度での阻害率をプロットした濃度依存性曲線を作成した。50%阻害を示す化合物濃度をIC50値とした。
Figure 2017033966
試験例2(Method B)オートタキシン阻害剤の評価
25mM Tris-HCl緩衝液 (pH7.5)、100mM NaCl、5mM MgCl2、0.1% BSAからなる溶液Aを調製し、DMSOに溶解した化合物に、溶液Aで希釈したヒトオートタキシン酵素(R&D systems社製)を5μl添加した。さらに、溶液Aで希釈した0.5μM TG-mTMPを5μl添加し、室温で2時間反応させた。反応終了後、反応液に、溶液Aで希釈した150mM EDTAを5μl添加して反応を停止させ、反応により生成される蛍光色素TokyoGreenを検出した。
TokyoGreenの検出には測定機器ViewLux(PerkinElmer社製)を用い、励起波長480nm/蛍光波長540nmの条件で蛍光を測定した。
化合物を含まない時の値を0%阻害、酵素添加なしの時の値を100%阻害とし、化合物の各濃度での阻害率をプロットした濃度依存性曲線を作成した。50%阻害を示す化合物濃度をIC50値とした。
試験例3(Method C)オートタキシン阻害剤の評価
100mM Tris-HCl緩衝液 (pH7.5)、150mM NaCl、5mM MgCl2、0.05% Triton X-100からなる溶液Bを調製し、DMSOに溶解した化合物に、溶液Bで希釈したヒトオートタキシン酵素(R&D systems社製)を2.5μl添加した。さらに、溶液Bで希釈した200μM 18:0 Lyso PC(Avanti Polar Lipids社製)を2.5μl添加し、室温で2時間反応させた。反応終了後、100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)、5mM MgCl2、77μg/mLコリンオキシダーゼ、10μg/mL ペルオキシダーゼ、25μM 10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジン、過剰のオートタキシン阻害剤からなるコリン定量試薬を15μl添加して室温で20分間反応させた。反応により生成される蛍光色素レゾルフィンを検出した。
レゾルフィンの検出には測定機器ViewLux(PerkinElmer社製)を用い、励起波長531nm/蛍光波長598nmの条件で蛍光を測定した。
化合物を含まない時の値を0%阻害、酵素添加なしの時の値を100%阻害とし、化合物の各濃度での阻害率をプロットした濃度依存性曲線を作成した。50%阻害を示す化合物濃度をIC50値とした。
本発明化合物について、上記試験例3に記載した試験方法により得られた結果を以下の表に示す。
アッセイ方法:
Method A:試験例1;Method B:試験例2;Method C:試験例3
酵素阻害活性:
A:IC50 < 10 nM, B:10 nM ≦ IC50 < 100 nM, C:100 nM ≦ IC50 < 1000 nM,
D:1000 nM ≦ IC50 ≦10000 nM
Figure 2017033966
Figure 2017033966
試験例4 CYP阻害試験
市販のプールドヒト肝ミクロソームを用いて、ヒト主要CYP5分子種(CYP1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)の典型的基質代謝反応として7−エトキシレゾルフィンのO−脱エチル化(CYP1A2)、トルブタミドのメチル−水酸化(CYP2C9)、メフェニトインの4’−水酸化(CYP2C19)、デキストロメトルファンのO脱メチル化(CYP2D6)、テルフェナジンの水酸化(CYP3A4)を指標とし、それぞれの代謝物生成量が被検化合物によって阻害される程度を評価した。
反応条件は以下のとおり:基質、0.5 μmol/L エトキシレゾルフィン(CYP1A2)、100 μmol/L トルブタミド(CYP2C9)、50 μmol/L S−メフェニトイン(CYP2C19)、5μmol/L デキストロメトルファン(CYP2D6)、1 μmol/L テルフェナジン(CYP3A4);反応時間、15分;反応温度、37℃;酵素、プールドヒト肝ミクロソーム 0.2mg タンパク質/mL;被検化合物濃度、1、5、10、20 μmol/L(4点)。
96穴プレートに反応溶液として、50mM Hepes 緩衝液中に各5種の基質、ヒト肝ミクロソーム、被検化合物を上記組成で加え、補酵素であるNADPHを添加して、指標とする代謝反応を開始し、37℃、15分間反応した後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液を添加することで反応を停止した。3000rpm、15分間の遠心操作後、遠心上清中のレゾルフィン(CYP1A2代謝物)を蛍光マルチラベルカウンタで、トルブタミド水酸化体 (CYP2C9代謝物)、メフェニトイン4’水酸化体(CYP2C19代謝物)、デキストロルファン(CYP2D6代謝物)、テルフェナジンアルコール体(CYP3A4代謝物)をLC/MS/MSで定量した。
被検化合物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、被検化合物溶液を加えたそれぞれの濃度での残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。
試験例5 代謝安定性の評価
ヒト肝ミクロソームによる代謝安定性評価:トリス塩酸バッファー(pH7.4)中にNADPH(終濃度1mM,酸化的代謝の場合)、肝ミクロソーム(終濃度0.5 mg protein/mL)および被検化合物(終濃度2μM)を添加し、37℃で0分および30分間反応させた。グルクロン酸抱合の場合は、NADPHに代えてUDPGA(終濃度5mM)を添加した。反応液の倍量のアセトニトリル/メタノール=1/1(v/v)を添加し反応を停止した後、その遠心上清中の化合物をHPLCで測定した。0分および30分の値の比較から代謝反応による消失量を算出し、本発明化合物の代謝安定性を確認した。
試験例6 粉末溶解度試験
適当な容器に検体を適量入れ、JP−1液(塩化ナトリウム2.0g、塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとした)、JP−2液(pH6.8のリン酸塩緩衝液500mLに水500mLを加えた)、20mmol/L TCA(タウロコール酸ナトリウム)/JP−2液(TCA 1.08gに水を加え100mLとした)を200μLずつ添加した。試験液添加後に溶解した場合には、適宜原末を追加した。密閉し37℃で1時間振とうした。濾過し、各濾液100μLにメタノール100μLを添加して2倍希釈を行った。希釈倍率は、必要に応じて変更した。気泡および析出物がないかを確認し、密閉して振とうした。絶対検量線法によりHPLCを用いて定量を行った。
試験例7 BA試験
経口吸収性の検討実験材料と方法
(1)使用動物:マウスあるいはSDラットを使用する。
(2)飼育条件:マウスあるいはSDラットは、固形飼料および滅菌水道水を自由摂取させる。
(3)投与量、群分けの設定:経口投与、静脈内投与を所定の投与量により投与する。以下のように群を設定する。(化合物ごとで投与量は変更有)
経口投与 1〜30mg/kg(n=2〜3)
静脈内投与 0.5〜10mg/kg(n=2〜3)
(4)投与液の調製:経口投与は溶液または懸濁液として投与する。静脈内投与は可溶化して投与する。
(5)投与方法:経口投与は、経口ゾンデにより強制的に胃内に投与する。静脈内投与は、注射針を付けたシリンジにより尾静脈から投与する。
(6)評価項目:経時的に採血し、血漿中の本発明に用いられる化合物の濃度をLC/MS/MSを用いて測定する。
(7)統計解析:本発明に用いられる化合物の血漿中濃度推移について、血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUC)を算出し、経口投与群と静脈内投与群のAUCから本発明に用いられる化合物のバイオアベイラビリティ(BA)を算出する。
試験例8:Fluctuation Ames Test
本発明に用いられる化合物の変異原性を評価する。
凍結保存しているネズミチフス菌(Salmonella typhimurium TA98株、TA100株)20μLを10mL液体栄養培地(2.5% Oxoid nutrient broth No.2)に接種し37℃にて10時間、振盪前培養する。TA98株は7.7mLの菌液を遠心(2000×g、10分間)して培養液を除去する。7.7mLのMicro F緩衝液(KHPO:3.5g/L、KHPO:1g/L、(NHSO:1g/L、クエン酸三ナトリウム二水和物:0.25g/L、MgSO・7H0:0.1g/L)に菌を懸濁し、120mLのExposure培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mLを含むMicroF緩衝液)に添加する。TA100株は3.42mL菌液に対しExposure培地130mLに添加し試験菌液を調製する。本発明に用いられる化合物のDMSO溶液(最高用量50mg/mLから2〜3倍公比で数段階希釈)、陰性対照としてDMSO、陽性対照として非代謝活性化条件ではTA98株に対しては50μg/mLの4−ニトロキノリン−1−オキシドDMSO溶液、TA100株に対しては0.25μg/mLの2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミドDMSO溶液、代謝活性化条件ではTA98株に対して40μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液、TA100株に対しては20μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液それぞれ12μLと試験菌液588μL(代謝活性化条件では試験菌液498μLとS9 mix 90μLの混合液)を混和し、37℃にて90分間、振盪培養する。本発明に用いられる化合物を暴露した菌液460μLを、Indicator培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mL、ブロモクレゾールパープル:37.5μg/mLを含むMicroF緩衝液)2300μLに混和し50μLずつマイクロプレート48ウェル/用量に分注し、37℃にて3日間、静置培養する。アミノ酸(ヒスチジン)合成酵素遺伝子の突然変異によって増殖能を獲得した菌を含むウェルは、pH変化により紫色から黄色に変色するため、1用量あたり48ウェル中の黄色に変色した菌増殖ウェルを計数し、陰性対照群と比較して評価する。変異原性が陰性のものを(−)、陽性のものを(+)として示す。
試験例9:hERG試験
本発明に用いられる化合物の心電図QT間隔延長リスク評価を目的として、human ether−a−go−go related gene (hERG)チャネルを発現させたCHO細胞を用いて、心室再分極過程に重要な役割を果たす遅延整流K電流(IKr)への本発明に用いられる化合物の作用を検討する。
全自動パッチクランプシステム(QPatch;Sophion Bioscience A/S)を用い、ホールセルパッチクランプ法により、細胞を−80mVの膜電位に保持し、−50mVのリーク電位を与えた後、+20mVの脱分極刺激を2秒間、さらに−50mVの再分極刺激を2秒間与えた際に誘発されるIKrを記録する。発生する電流が安定した後、本発明に用いられる化合物を目的の濃度で溶解させた細胞外液(NaCl:145mmol/L、KCl:4mmol/L、CaCl:2mmol/L、MgCl:1mmol/L、グルコース:10mmol/L、HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸):10mmol/L、pH=7.4)を室温条件下で、10分間細胞に適用させる。得られたIKrから、解析ソフト(Falster Patch;Sophion Bioscience A/S)を使用して、保持膜電位における電流値を基準に最大テール電流の絶対値を計測する。さらに、本発明に用いられる化合物の適用前の最大テール電流に対する阻害率を算出し、媒体適用群(0.1%ジメチルスルホキシド溶液)と比較して、本発明に用いられる化合物のIKrへの影響を評価する。
製剤例
以下に示す製剤例は例示にすぎないものであり、発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
製剤例1 錠剤
本発明化合物 15mg
デンプン 15mg
乳糖 15mg
結晶性セルロース 19mg
ポリビニルアルコール 3mg
蒸留水 30mL
ステアリン酸カルシウム 3mg
ステアリン酸カルシウム以外の成分を均一に混合し、破砕造粒して乾燥し、適当な大きさの顆粒剤とする。次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形して錠剤とする。
製剤例2 カプセル剤
本発明化合物 10mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
乳糖 80mg
上記成分を均一に混合して粉末または細粒状として散剤をつくる。それをカプセル容器に充填してカプセル剤とする。
製剤例3 顆粒剤
本発明化合物 30g
乳糖 265g
ステアリン酸マグネシウム 5g
上記成分をよく混合し、圧縮成型した後、粉砕、整粒し、篩別して適当な大きさの顆粒剤とする。
本発明は、医薬品の分野、例えば線維化疾患等の治療薬の開発および製造の分野において利用可能である。

Claims (19)

  1. 式(I):
    Figure 2017033966

    (式中、
    は水素、ハロゲン、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり、
    2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ホルミル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルケニルチオ、置換もしくは非置換のアルキニルチオ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環チオ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換の芳香族複素環チオ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり、またはR2aおよびR2bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
    は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり、
    は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノであり、
    XはC(R)またはNであり、
    YはC(R)またはNであり、
    ZはC(R)またはNであり、
    はハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシであり、
    、RまたはRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシまたは置換もしくは非置換のアルキニルオキシであり、
    9aおよびR9bはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはR9aおよびR9bが結合する炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成してもよく、
    10は置換もしくは非置換のアルキルである。)で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
  2. が水素である、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  3. 2aおよびR2bがともに水素である、請求項1または2記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  4. が置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  5. が置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  6. が置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換のアルキルオキシまたは置換もしくは非置換のアミノである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  7. XがC(R)であり、
    YがC(R)であり、
    ZがC(R)である、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  8. 、RまたはRがそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  9. がハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  10. 9aおよびR9bが共に水素である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  11. 10が置換もしくは非置換のメチルである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  12. 10がメチルである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  13. 式(I)が、式(I’):
    Figure 2017033966

    で示される化合物である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  14. 以下のいずれかの式で示される化合物である、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
    Figure 2017033966
  15. 以下のいずれかの式で示される化合物である、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
    Figure 2017033966
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  17. オートタキシン阻害剤である、請求項16記載の医薬組成物。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを特徴とする、オートタキシンの関与する疾患の治療または予防方法。
  19. オートタキシンの関与する疾患を治療または予防するための、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩。
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