JPWO2017029768A1 - 振動伝達構造、及び圧電スピーカ - Google Patents

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Abstract

圧電素子(1)を用いた場合であっても、良好な振動特性を実現することができる振動伝達構造(300)、及び圧電スピーカ(400)を提供する。本発明の一態様にかかる振動伝達構造(300)は、両端が支持された板状の圧電素子(1)と、圧電素子(1)と対向して配置された振動板3と、圧電素子(1)と振動板(3)とを連結する複数のスペーサ(5)と、振動板(3)の周縁部(3a)に設けられた弾性体(24)と、を備えたものである。

Description

本発明は振動伝達構造、及び圧電スピーカに関する。
電気信号を振動(音響信号)に変換するスピーカとしては、電磁スピーカと圧電スピーカがある。特許文献1には、圧電スピーカが開示されている。特許文献1に開示された圧電スピーカは、電気信号が入力されて振動する圧電素子と、その圧電素子が接合材を介して接合される振動体とを備えている。
具体的には、圧電素子は、電圧を印可することで伸縮する。そして、圧電素子の伸縮によって、板状の振動体が撓む。このように、圧電スピーカでは、撓み運動により、音を発生している。
国際公開第2014/045645号
電磁スピーカの音圧計算式に着目すると、音圧(Pa)は振動板面積と振動速度の積に依存している。具体的には、音圧(Pa)は、以下の式(1)で表される。
音圧(Pa)=
(空気密度)×(振動板面積)×(振動速度)×(周波数/21/2)/マイクとの距離)
・・・(1)
(振動板面積)×(振動速度)より、振動板全域を角速度ωでピストン運動(直線振動)させることが前提と理解することができる。また、式(1)を鑑みると、撓みを利用する場合、相対的には、速度低下すなわち音圧低下することが判る。また、撓み運動により、2次モード、3次モードの振動が派生する。音響的には、高調波歪が音の劣化の原因となる。
圧電素子には、d33モードとd31モードとがある。d33モードでは、電極面に垂直(厚み方向)に伸縮する。d31モードでは、圧電素子が電極面に沿った方向に伸縮する。d33モードは、非共振周波数でナノメートル以下の振幅となるため、広帯域再生が必要な音響用途に適していない。
音響用途には、少なくとも数十マイクロメートルの振幅が必要である。d31モード(バイモルフ/ユニモルフ)では、非共振周波数においても、振幅を数十マイクロメートル以上にすることが可能である。d31モードでは、撓み振動になる。したがって、圧電スピーカでは、良好な特性のピストン運動(直進運動)を発生させることが困難になる。例えば、広帯域で高い音圧を発生させることが困難になる。
本発明は、圧電素子を用いた場合であっても、良好な振動特性を実現することができる振動伝達構造、及び圧電スピーカを提供する。
本発明の一態様にかかる振動伝達構造は、両端が支持された板状の圧電素子と、前記圧電素子と対向して配置された振動板と、前記振動板と前記圧電素子とを連結する複数のスペーサと、前記振動板の周縁部に設けられた弾性体と、を備えるものである。
本発明の一態様にかかる振動伝達構造は、両端が支持された板状の圧電素子と、前記圧電素子と対向して配置された弾性体と、前記弾性体の前記圧電素子と反対側の面に設けられた振動板と、前記圧電素子と前記弾性体との間に配置され、前記圧電素子と前記弾性体との間で振動を伝達する複数のスペーサと、を備えたものである。
上記の振動伝達構造において、前記複数のスペーサが、前記圧電素子の中央から外れた位置に配置されていてもよい。
上記の振動伝達構造において、前記複数のスペーサが、前記圧電素子の中央から前記圧電素子の一方の支持端までの間に配置された第1のスペーサと、前記圧電素子の中央から前記圧電素子の他方の支持端までの間に配置された第2のスペーサと、を備えていてもよい。
上記の振動伝達構造において、前記複数のスペーサが、前記圧電素子の支持端に沿った板状の部材であってもよい。
本発明の一態様にかかる圧電スピーカは、上記の振動伝達構造と、前記振動伝達構造を収容する筐体と、ホーン形状を有する放音孔を有し、前記筐体を覆うカバーと、を備え、前記振動板が、前記放音孔と重なるように設けられているものである。
上記の圧電スピーカにおいて、前記振動伝達構造、及び前記放音孔のそれぞれが複数設けられ、複数の前記振動伝達構造が前記筐体に収容されていてもよい。
本発明によれば、圧電素子を用いた場合であっても、良好な振動特性を実現することができる振動伝達構造、及び圧電スピーカを提供することができる。
実施の形態1にかかる振動伝達構造の構成を示す斜視図である。 実施の形態1にかかる振動伝達構造の振動を示す画像である。 実施の形態1にかかる振動伝達構造の振動を示す画像である。 周波数に対する音圧を示すグラフである。 周波数に対する音圧を示すグラフである。 実施の形態2にかかる圧電スピーカの要部の下面図である。 スペーサの配置を説明するための図である。 実施の形態3にかかる振動伝達構造の構成を示す斜視図である。 図8の振動伝達構造を用いた圧電スピーカを示す図である。 圧電スピーカの内部構成を模式的に示す斜視図である。
本実施の形態にかかる振動伝達構造は、圧電スピーカに好適である。したがって、本実施の形態では、振動伝達構造として圧電スピーカを例示して説明を行う。しかしながら、本実施の形態にかかる振動伝達構造は、音響用途の圧電スピーカに限らず、広帯域のトランスデューサ等にも適用可能である。
実施の形態1.
図1を参照して、実施の形態1にかかる振動伝達構造100について説明する。図1は、実施の形態1にかかる振動伝達構造100の斜視図である。振動伝達構造100は、圧電素子1と、支持部2、振動板3と、弾性体4と、スペーサ5とを備えている。
以下の説明では、説明の明確化のため、図1に示す3次元直交座標を用いて説明を行う。Z方向が振動板3の厚さ方向である。X方向、及びY方向は、矩形状の振動板3の端辺に平行又は垂直な方向である。また、以下の説明では、+Z側、すなわち、音が出力される面側を前面側として説明する。
圧電素子1は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するアクチュエータである。ここでは、圧電素子1は、例えば、圧電バイモルフを用いているが、圧電ユニモルフを用いることも可能である。圧電素子1は、Z方向を厚さ方向とする平板状になっている。圧電素子1は、XY平面視において、矩形状になっている。X方向が圧電素子1の長手方向であり、Y方向が圧電素子1の短手方向である。
圧電素子1の両端には支持部2が設けられている。支持部2は圧電素子1を支持する。具体的には、圧電素子1は、支持部2を介してフレーム(不図示)等に固定される。例えば、圧電素子1の両端が両面テープや接着剤などでフレームに貼り付けられる。
このように、圧電素子1は、その両端で支持されている。ここでは、X方向における両端で、圧電素子1が支持部2を介して支持される。すなわち、2つの支持部2は、圧電素子1の長手方向に間隔を開けて配置されている。それぞれの支持部2は、Y方向に沿って設けられている。ここでは、圧電素子1のY方向に沿った端辺全体に支持部2が設けられている。圧電素子1の両端以外はフリーとなっている。
両端支持された圧電素子1の前面側には、弾性体4が配置されている。弾性体4は、圧電素子1と平行な平板状となっている。弾性体4は、圧電素子1と対向して配置されている。XY平面視において、弾性体4は、圧電素子1とほぼ同じ形状となっている。具体的には、弾性体4は、圧電素子1とほぼ同じ大きさの矩形状となっている。そして、弾性体4と、圧電素子1とは、スペーサ5を介して対向配置されている。
弾性体4の前面には、振動板3が配置されている。振動板3は、例えば金属シムである。振動板3は、弾性体4と平行な平板状となっている。XY平面視において、振動板3は矩形状であり、弾性体4よりも若干小さくなっている。振動板3は弾性体4の前面に接合される。具体的には、振動板3の外周が両面テープなどで振動板3の前面に貼り付けられている。これにより、振動板3が弾性体4を介して保持される。よって、振動板3が柔らかく保持される。
そして、弾性体4と圧電素子1との間には、複数のスペーサ5が介在している。すなわち、スペーサ5の一端が弾性体4の背面に取り付けられ、他端が圧電素子1の前面に取り付けられる。これにより、振動板3と圧電素子1とがZ方向に間隔を開けて対向配置される。図1では2つのスペーサ5が設けられているが、スペーサ5の数は特に限定されるものではない。スペーサ5は複数設けられていればよい。したがって、3以上のスペーサ5が圧電素子1と弾性体4との間に配置されていてもよい。スペーサ5は、圧電素子1と弾性体4との間に配置されている。複数のスペーサ5は、圧電素子1と弾性体4との間で振動を伝達する。
複数のスペーサ5はX方向に間隔を開けて配置されている。複数のスペーサ5は、圧電素子1の中央から外れた位置に配置されている。すなわち、振幅(音圧)が一番大きくなる中央部分での振動伝達は避けている。具体的には、2つのスペーサ5の一方が、圧電素子1の中央から+X側にずれており、他方が−X側にずれている。よって、一方のスペーサ5が圧電素子1の中央から一方の支持部2までの間に配置され、他方のスペーサ5が圧電素子1の中央から他方の支持部2までの間に配置されている。XY平面視において、複数のスペーサ5は、対称に配置されていてもよい。例えば、図1では、圧電素子1の中心を通るY方向の直線に対して、2つのスペーサ5が線対称に配置されている。
図1において、スペーサ5は、X方向を厚さ方向とする矩形板状となっている。そして、2つの平板状のスペーサ5がYZ平面に沿って配置される。すなわち、スペーサ5は、圧電素子1の支持端に沿った板状の部材でとなっている。2つのスペーサ5の大きさはほぼ同じとなっている。Y方向におけるスペーサ5の大きさは、圧電素子1の大きさと同程度になっている。なお、スペーサ5の形状は特に限定されるものでない。例えば、スペーサ5は、テフロン(登録商標)などの樹脂を用いることができる。
このように、圧電素子1と振動板3とがスペーサ5を介して連結される。圧電素子1に電気信号を与えると、圧電素子1が伸縮する。ここでは、圧電素子1は、d31モードで動作する。圧電素子1の伸縮により発生した振動が、スペーサ5を介して、弾性体4に伝達する。これにより、弾性体4に貼り付けられた振動板3が振動する。振動板3の振動によって音が出力される。よって、振動伝達構造100が圧電スピーカとして動作する。
このように圧電素子1の振動が、振動板3に伝達する際、圧電素子1の撓み運動がスペーサ5によって、Z方向におけるピストン運動(直線運動)に変換される。このようにすることで、音圧を高くすることができるとともに、広帯域での振動が可能になる。
以下、本実施の形態における効果を比較例と対比して説明する。比較例では、単純に圧電バイモルフ又は圧電ユニモルフに振動板と接合した構成を圧電スピーカとして用いている。比較例の構成では、バイモルフ又はユニモルフの機械的品質係数Qmが振動板の機械的品質係数とほぼ等しくなる。したがって、比較例の構成では、音圧を高くすることができるが、広帯域再生が必要なスピーカ用途には適していない。
そこで、本実施の形態では、スペーサ5を介して、弾性体4と圧電素子1とを対向配置させている。すなわち、音圧を高くするため、かつ機械的品質係数Qmを下げる為に複数のスペーサ5を振動板3と圧電素子1との間に配置している。このようにすることで、圧電素子1の撓み運動をZ方向に平行なピストン運動(直線運動)に変換される。したがって、広帯域で高い音圧を発生させることができる。よって、良好な振動特性を実現することができる。
図2、及び図3に実施例と比較例にかかる圧電スピーカでの振動の測定結果を示す。実施例では、図1の振動伝達構造100を圧電スピーカとして用いている。比較例では、上記の通り、圧電バイモルフに振動板を貼り合せた構成となっている。図2、及び図3は、弾性体4の振動をスキャニング振動計で測定した3次元画像である。図2が実施例、図3が比較例での測定結果を示す。
図2、図3を比較すると、実施例では、振動板3の動作がよりピストン運動(直線運動)に近づいていることが判る。すなわち、実施例では、振動板3の振動がXY平面内でより均一になっている。一方、比較例では、撓み運動に近くなっているため、図3に示すよう振動板3が波打っている。
次に、実施例と比較例にかかる圧電スピーカの周波数特性について説明する。ここで、実施例と比較例の圧電スピーカで、同じ圧電素子を用いている。具体的には、23mm×3.3mmの矩形状の圧電バイモルフを用いている。また、圧電素子の厚さは1.1mmとしている。また、圧電素子1の静電容量は1.2μFである。
図4は、音圧周波数特性の測定結果を示すグラフである。図4において、Aが実施例での音圧周波数特性を示し、Bが比較例での音圧周波数特性を示している。
実施例では、いずれの周波数においても音圧が比較例よりも高くなっている。体的には、実施例では比較例より10dB以上高い音圧となっている。よって、広帯域で高い音圧を出力することができる。本実施の形態の構成によれば、優れた周波数特性を実現することができる。
図5に、圧電スピーカでの歪み率の測定結果を示す。図5において、Aが実施例での歪み率を示し、Bが比較例での歪み率を示している。また、図5は、1kHz〜10kHzの全高調波歪み率の測定結果を示している。具体的には、テストエレメントに1kHzの正弦波を入力して、その応答を測定する。テストエレメント自身が持つ非線形性に因り、(1kHZの応答)+(2kHzの応答)+(3kHzの応答)・・・が得られる。この時の、(2kHzの応答の物理量)/(1kHzの応答の物理量)=2次の歪み率とし、(3kHzの応答の物理量)/(1kHzの応答の物理量)=3次の歪み率とする。そして、1〜10kHzの高調波歪の二乗平均=全高調波歪み(T.H.D:Total Harmonic Distorion)としている。
図5に示すように、実施例では、比較例に比して歪み率が低くなっている、具体的には、実施例では比較例の1桁低い高調波歪みとなっている。
このように、上記の構成の振動伝達構造100を有する圧電スピーカによれば、高音圧、低歪み率を得ることができる。
実施の形態2.
本実施の形態にかかる圧電スピーカ200について、図6を用いて説明する。図6は、圧電スピーカ200の構成を模式的に示す断面図である。本実施の形態では実施の形態1で示した図1の構成の振動伝達構造100が3つ用いられている。ここで、図1の構成の振動伝達構造100をそれぞれ振動伝達構造100a、100b、100cとする。なお、振動伝達構造100a〜100cの構成については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
さらに、本実施の形態では、3つの振動伝達構造100a〜100cがケース10の内部に収容されている。ケース10は、筐体11と、フレーム12と、カバー13と、を備えている。
筐体6は、箱形状を有しており、+Z側のXY平面が開放している。すなわち、筐体6は、一面が開放した直方体状の箱となっている。そして、カバー13が筐体11の開放面を覆っている。カバー13はフレーム12を介して、筐体11に取り付けられている。すなわち、フレーム12は、カバー13と筐体11との間に配置されている。フレーム12は、筐体11に取り付けられている。カバー13はフレーム12に取り付けられている。筐体11には、例えば、アルミニウムなどの金属材料を用いることができる。もちろん、筐体11にアクリルなどの樹脂材料を用いてもよい。フレーム12は、例えば、厚さ1mm程度の剛体とすることが好ましい。
筐体11とカバー13とフレーム12とで形成される内部空間15に3つの振動伝達構造100a〜100cが配置されている。振動伝達構造100a〜100cはそれぞれ異なるサイズとなっている。具体的には、X方向におけるサイズが異なっている。したがって、振動伝達構造100a〜100cをそれぞれ異なる周波数特性を有している。サイズの異なる振動伝達構造100a〜100cを設けることで、それぞれの特性を補完することができる。図6では、振動伝達構造100aが最も大きく、振動伝達構造100cが最も小さくなっている。
カバー13は、放音孔13a〜13cを備えている。ここで、3つの振動伝達構造100a〜100cに対応して、カバー13には、3つの放音孔13a〜13cが設けられている。振動伝達構造100aの振動が放音孔13aを通って外部に出力される。振動伝達構造100bの振動が放音孔13bを通って外部に出力される。振動伝達構造100cの振動が放音孔13cを通って外部に出力される。
振動伝達構造100a〜100cが異なるサイズとなっているため、放音孔13a〜13cも異なるサイズとなっている。振動伝達構造100aに対応する放音孔が最も大きく、振動伝達構造100cに対応するカバー13cが最も小さくなっている。放音孔13a〜13cは、例えば、振動伝達構造100a〜100cのサイズに応じた矩形状となっている。
放音孔13a〜13cはホーン形状を有している。すなわち、ケース10の外側から内側に向かうにしたがって、放音孔13a〜13cの孔(開口)が徐々に小さくなっている。したがって、カバー13の放音孔13a〜13cと接する部分は、テーパ形状(斜面)となっている。
振動伝達構造100a〜100cのそれぞれは図1で示した構成となっている。すなわち、振動伝達構造100a〜100cは同様の取り付け構造によって、ケース10に固定されている。以下の説明では、振動伝達構造100aの構成を中心に説明を行う。
圧電素子1の両端が、フレーム12に支持された支持部2となっている。例えば、両面テープにより、圧電素子1の両端をフレーム12に貼り付ける。これにより、フレーム12が圧電素子1の両端を支持する。支持部2の幅は1mm程度になっている。例えば、1mm程度の幅を有する両面テープを圧電素子1とフレーム12との間に配置して、フレーム12と圧電素子1とを貼り合せている。支持部2以外では、圧電素子1はフレーム12に接着されていない。両端以外では、圧電素子1をフリーとするため、フレーム12には穴が開いている。
上記したように、スペーサ5を介して、圧電素子1と弾性体4とが連結されている。弾性体4は、圧電素子1と対向配置されている。弾性体4の前面側には、振動板3が配置されている。振動板3は、カバー13の背面側に配置される。そして、外部から放音孔13aを通して振動板3が見えるようになっている。すなわち、XY平面視において、振動板3がカバー13の放音孔13aと重なっている。
また、カバー13が振動板3の外周部を覆っている。すなわち、放音孔13aは、振動板3よりも一回り小さくなっている。したがって、振動板3の外周部がカバー13と重なって配置されている。
振動板3の外周部が、固定材14によって、フレーム12に固定されている。固定材14は例えば、幅1mmの両面テープとすることができる。そして、固定材14は、フレーム12の前面と振動板3の背面とを接着する。
このような構成によって、良好な特性を有する圧電スピーカ200を提供することができる。なお、上記の実施の形態では、ケース10内に3つの振動伝達構造100a〜100cが配置されていたが、振動伝達構造100の数は特に限定されるものではない。ケース10内に1つ振動伝達構造100が配置されていればよい。また、ケース10内に、複数の振動伝達構造100を配置してもよい。ケース10内に複数の振動伝達構造100を配置する場合、振動伝達構造100を異なるサイズにしてもよい。
また、スペーサ5の取り付け位置を調整することで、高調波歪みを抑制することができる。例えば、矩形型の圧電素子1が2次モードで動作した場合に振幅が最大となる位置にスペーサ5を配置することが好ましい。具体的には、図7に示すように、(圧電素子1の一端から一方のスペーサ5までの間隔):(2つのスペーサ5の間隔):(圧電素子1の他端から他方のスペーサ5までの間隔)=1:2:1とする。2次モードでの振幅最大の位置にスペーサ5を配置することで、2次モードの振幅を打ち消すことができる。この理由について以下に説明する。
矩形型の圧電素子1を用いた場合、特定の周波数に高調波歪みが発生しやすい。例えば、100kHzの正弦波を入力した時に、2次モードが2kHzに有ったとしたら、矩形型の圧電素子1の非線形性により、振動板3が屈曲動作として1kHzと2kHZで動作することになる。2kHzは高調波歪みとなり、音を劣化する主原因となる。
このため本実施の形態では、音圧を上げると同時に、高調波歪みを低減して音を良くする目的として、2次モード、3次モードには、音響的な動作をさせないようにスペーサ5を配置している。具体的には、振動板3が振動していても、音圧的には相対的にキャンセルできる位置に、スペーサ5が配置されている。
このように、図7のようにスペーサ5を配置している。図7では、圧電素子1に撓みが生じているため、振動板3が傾いている。振動板3が傾くと、音が発生するようにも見えるが、振動板3が音響中立線を跨いで傾いている。したがって、振動板3の右側の傾きと、左側の傾きとで、音圧がキャンセルされる。よって、音は出さない、すなわち、2次の高調波を出さないようにすることができる。
2次モードを使用しないことにより、スピーカとしては広帯域(ブロードバンド)にはならないが、図6に示すように、複数の振動伝達構造100を用いることで、広帯域化することができる。すなわち、サイズの異なる振動伝達構造100を複数用いることで、1次モードの共振周波数をずらして多段接続することができる。
実施の形態3.
本実施の形態にかかる振動伝達構造300について、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態3にかかる振動伝達構造300の構成を模式的に示す斜視図である。本実施の形態では実施の形態1の構成と弾性体4の構成が異なっている。具体的には、図1の弾性体4の代わりに弾性体24が設けられている。なお、振動伝達構造300の弾性体24以外の基本的構成につては、実施の形態1の振動伝達構造100と同様であるため、適宜説明を省略する。
具体的には、弾性体24が枠状に形成されている。すなわち、弾性体24の中央部は矩形状に開口している。弾性体24は振動板3の周縁部3aに対向して配置されるよう、矩形枠状に形成されている。そして、振動板3の周縁部3aのみに弾性体24が取り付けられている。したがって、振動板3の周縁部3aの内側の中央部には、弾性体24が設けられていない。また、弾性体24は、振動板3を図示しないフレームに固定する固定材として機能する。弾性体24は、例えば、弾性を有する両面テープである。弾性体24は、振動板3の外側にはみ出さないように形成されている。
スペーサ5は、矩形枠状の弾性体24の中を通って、振動板3に取り付けられている。したがって、スペーサ5は振動板3に直接固定されている。スペーサ5が弾性体24を介さずに、振動板3に取り付けられている。換言すると、Z方向におけるスペーサ5の一端は、振動板3に取り付けられ、他端は圧電素子1に取り付けられている。このように、圧電素子1と振動板3とはスペーサ5を介して連結されている。図8では2つのスペーサ5が圧電素子1と振動板3との間に介在している。
支持部2は板状の圧電素子1の両端を指示している。圧電素子1は、振動板3と対向して配置されている。さらに、圧電素子1と振動板3との間にはスペーサ5が設けられているため、圧電素子1と振動板3はスペーサ5の大きさを隔てて対向配置されている。スペーサ5は実施の形態1と同様に、X方向における圧電素子1の中央から外れた位置に配置されている。具体的には、一方のスペーサ5が、圧電素子1の中央から圧電素子11の一方の支持端までの間に配置され、他方のスペーサ5が圧電素子1の中央から圧電素子の他方の支持端までの間に配置されている。スペーサ5は、圧電素子1の支持端に沿った板状の部材である。
圧電素子1に電気信号を与えると、圧電素子1が伸縮する。ここでは、圧電素子1は、d31モードで動作する。圧電素子1の伸縮により発生した振動が、スペーサ5を介して、弾性体4に伝達する。これにより、弾性体4に貼り付けられた振動板3が振動する。振動板3の振動によって音が出力される。よって、振動伝達構造100が圧電スピーカとして動作する。
このように圧電素子1の振動が、振動板3に伝達する際、圧電素子1の撓み運動がスペーサ5によって、Z方向におけるピストン運動(直線運動)に変換される。このようにすることで、音圧を高くすることができるとともに、広帯域での振動が可能になる。このような構成によっても、実施の形態1と同様に良好な振動特性を得ることができる。
次に、振動伝達構造300を用いた圧電スピーカ400について、図9を用いて説明する。図9は、圧電スピーカ400の構成を模式的に示す断面図である。本実施の形態では図8の構成の振動伝達構造300が3つ用いられている。ここで、図6と同様に、図8の構成の振動伝達構造300をそれぞれ振動伝達構造300a、300b、300cとする。なお、振動伝達構造300a〜300cの構成については、図8と同様であるため、説明を省略する。また、圧電スピーカ400の基本的構成は、図6の圧電スピーカ200と同様であるため説明を省略する。
弾性体24は両面テープである。図9に示すように、弾性体24の一方の接着面は、振動板3の周縁部3aに貼り付けられ、他方の接着面はフレーム12に貼り付けられている。振動板3の周縁部3aが弾性体24を介して、フレーム12に固定されている。
各弾性体24の中央部には、開口部24aが設けられている。1つの開口部24a内には、2つのスペーサ5が配置されている。スペーサ5は開口部24aを通って、振動板3に取り付けられている。例えば、スペーサ5と振動板3とは接着剤等を介して、接合されていてもよい。振動伝達構造300a〜300cでは、振動板3及び圧電素子1のサイズが異なっているため、弾性体24、及び開口部24aのサイズも異なっている。
圧電スピーカ400の実施例の構成を図10に示す。図10は、圧電スピーカ400の内部構成を示す分解斜視図である。図10は、図9に示す構成と同様に、3つの振動伝達構造300a〜300cを有している。そして、振動伝達構造300a〜300cは異なるサイズとなっている。例えば、振動伝達構造300aの圧電素子1のサイズは、21mm×4mmとなっている。振動伝達構造300bの圧電素子1のサイズは、16mm×4mmとなっている。振動伝達構造300cの圧電素子1のサイズは、12mm×4mmとなっている。なお。全ての圧電素子1の厚さは、1.1mmとなっている。
図10に示すように、平板状の圧電素子1と振動板3との間には、スペーサ5が配置されている。圧電素子1と振動板3とはスペーサ5によって連結されている。なお、3つの圧電素子1は、FPC(Flexible Printed Circuits)8と接続されている。FPC8は、圧電素子1に電気信号を供給する。
そして、矩形枠状の弾性体24が振動板3の周縁部3aに貼り付けられている。弾性体24は、例えば、両面テープを2重に重ねたものである。なお、弾性体24は、振動板3の周縁部3aの全周に渡って貼り付けられるよう、閉じた矩形枠状に形成されているが、弾性体24は周縁部3aの全周に渡って貼り付けられていなくてもよい。例えば、周縁部3aの一部は、弾性体24が貼り付けられていなくてもよい。
振動板3、及びフレーム12は、例えば、SUSによって形成されている。また、弾性体24は、フレーム12に弾性体24を固定する。また、フレーム12は、各振動伝達構造300に対応する開口部を有している。フレーム12は、圧電素子1の両端を支持している。例えば、フレーム12の−Z側の面に圧電素子1の両端が固定されている。
このような、実施の形態2と同様に、高調波歪みを抑制することができる。複数の振動伝達構造300を用いることで、広帯域化することができる。すなわち、サイズの異なる振動伝達構造300を複数用いることで、1次モードの共振周波数をずらして多段接続することができる。
以上、本発明を上記実施の形態および実施例に即して説明したが、上記実施の形態および実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
この出願は、2015年8月20日に出願された日本出願特願2015−162759を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
100、300 振動伝達構造
1 圧電素子
2 支持部
3 振動板
4 弾性体
5 スペーサ
10 ケース
11 筐体
12 フレーム
13 カバー
13a〜13c 放音孔
14 固定材
15 内部空間
24 弾性体
24a 開口部
200、400 圧電マイク

Claims (7)

  1. 両端が支持された板状の圧電素子と、
    前記圧電素子と対向して配置された振動板と、
    前記振動板と前記圧電素子とを連結する複数のスペーサと、
    前記振動板の周縁部に設けられた弾性体と、を備える振動伝達構造。
  2. 両端が支持された板状の圧電素子と、
    前記圧電素子と対向して配置された弾性体と、
    前記弾性体の前記圧電素子と反対側の面に設けられた振動板と、
    前記圧電素子と前記弾性体との間に配置され、前記圧電素子と前記弾性体との間で振動を伝達する複数のスペーサと、を備えた振動伝達構造。
  3. 前記複数のスペーサが、前記圧電素子の中央から外れた位置に配置されている請求項1、又は2に記載の振動伝達構造。
  4. 前記複数のスペーサが、
    前記圧電素子の中央から前記圧電素子の一方の支持端までの間に配置された第1のスペーサと、
    前記圧電素子の中央から前記圧電素子の他方の支持端までの間に配置された第2のスペーサと、を備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動伝達構造。
  5. 前記複数のスペーサが、前記圧電素子の支持端に沿った板状の部材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動伝達構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項の振動伝達構造と、
    前記振動伝達構造を収容する筐体と、
    ホーン形状を有する放音孔を有し、前記筐体を覆うカバーと、を備え、
    前記振動板が、前記放音孔と重なるように設けられている圧電スピーカ。
  7. 前記振動伝達構造、及び前記放音孔のそれぞれが複数設けられ、
    複数の前記振動伝達構造が前記筐体に収容されている請求項6に記載の圧電スピーカ。
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