JPWO2017014098A1 - ガス検知装置およびガス検知方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のガス検知装置およびガス検知方法では、周波数変調した検知光が走査されながら照射され、前記検知光の反射光を受光して得られた受光出力信号が位相敏感検波され、その検波出力信号がサンプリングされ、サンプリング結果に基づいて検知対象のガスGAが検知される。そして、走査速度に基づいて前記検知光の変調周波数が制御される。

Description

本発明は、検知対象のガスを検知するガス検知装置およびガス検知方法に関する。
例えば、可燃性ガス、毒性ガスおよび有機溶剤の蒸気等のガスが配管やタンク等から漏洩した場合、早期に対処する必要がある。このため、ガスを検知する装置が研究、開発されている。ガスを検知する技術の一つとして、ガスの光吸収スペクトルにおける吸収線を利用した技術がある。この技術は、吸収線の周波数(波長)を持つ光の減衰量がガス濃度に比例することを利用する。原理的には、まず、吸収線の周波数を持つレーザー光がガスに照射され、ガスを透過したレーザー光の減衰量が測定され、この測定結果に予め設定された変換係数を乗算することで、ガス濃度が測定される。この原理に基づく測定方法は、代表的には、2波長差分方式および周波数変調方式(2f検波法)がある(例えば特許文献1参照)。
この周波数変調方式(2f検波法)では、まず、吸収線の周波数fcを持つレーザー光が変調周波数fmで周波数変調され、この吸収線の周波数fcを中心周波数fcとして変調周波数fmで周波数変調されたレーザー光がガスに照射され、ガスを透過した後に受光部で受光される。ここで、ガスの光吸収スペクトルは、吸収線の周波数近傍の範囲において、例えば2次関数のプロファイルのような、吸収線の周波数fcに対し線対称なプロファイルになっているので、受光部の出力信号には、変調周波数fmの成分だけでなく、その2倍の周波数2fm(2倍波)の成分も含まれる。この2倍波2fmの成分が位相敏感検波され、この位相敏感検波された2倍波2fmの成分に基づいてガス濃度が求められる。なお、2倍波2fmの成分の位相敏感検波と同時に変調周波数fmの成分も位相敏感検波して受光光量を規格化することによって(変調周波数fmの成分に対する2倍波2fmの成分の比を求めることによって)、ガスを除く他の要因による受光強度変動(ノイズ)の影響が低減できる。
このような周波数変調方式を用いた装置の1つとして、例えば、特許文献2に開示されたガス濃度測定装置がある。この特許文献2に開示されたガス濃度測定装置は、検出光を放射する検出光放射部と、前記検出光が物体に照射された場合に前記物体から反射される反射光を受光する受光部と、前記受光部が受光した前記反射光から、被検出ガスのコラム密度を測定するコラム密度測定部と、前記検出光放射部から前記物体に至る前記検出光の光路長を測定する光路長測定部と、前記コラム密度および前記光路長に基づき、前記被検出ガスの濃度を計算する濃度計算部と、を有する。そして、前記濃度計算部は、前記コラム密度を前記光路長で割ることにより、前記検出光の光路に沿った前記被検出ガスの平均濃度を計算する。
ところで、前記レーザー光を走査して測定する場合、走査速度を高速化すると、走査方向に沿った測定間隔が走査速度の高速化前に較べて拡がるため、検知箇所(測定点)の密度が粗くなってしまう。このため、前記走査方向に沿ったサンプリング周期(サンプリング間隔、サンプリング周波数)を走査速度の高速化に応じて短周期化(短間隔化、高周波化)すると、前記測定箇所の密度の粗化(疎化)が低減される。例えば、走査速度を2倍にする場合、前記走査方向に沿ったサンプリング周期を半分にすれば、前記測定箇所の密度は、走査速度の高速化の前後で同じになる。しかしながら、この場合、1つの測定箇所における受光信号のサンプル数が減少するため、検知精度が劣化(低下)してしまう。
一方、前記特許文献2では、ガス濃度を求めることを主題としており、上述の走査速度の高速化に伴う事情は、記載も示唆もされていない。
特開平7−151681号公報 特開2014−55858号公報
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、走査速度を高速化しても、検知精度の劣化を低減できるガス検知装置およびガス検知方法を提供することである。
本発明にかかるガス検知装置およびガス検知方法では、周波数変調した検知光が走査されながら照射され、前記検知光の反射光を受光して得られた受光出力信号が位相敏感検波され、その検波出力信号がサンプリングされ、サンプリング結果に基づいて検知対象のガスGAが検知される。そして、走査速度に基づいて前記検知光の変調周波数が制御される。したがって、本発明にかかるガス検知装置およびガス検知方法は、走査速度を高速化しても、検知精度の劣化を低減できる。
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
実施形態におけるガス検知装置の構成を示すブロック図である。 前記ガス検知装置における第1位相敏感検波部の構成を示す図である。 前記ガス検知装置における第2位相敏感検波部の構成を示す図である。 周波数変調方式(2f検波法)を説明するための図である。 走査速度と測定箇所の密度との関係および距離と測定箇所の密度との関係を説明するための図である。 前記検知装置の動作を示すフローチャートである。 走査速度と変調周波数との関係および距離と変調周波数との関係を説明するための図である。 前記第1および第2位相敏感検波部において、出力信号に対する同期信号の検波同期タイミングを説明するための図である。 変形形態におけるガス検知装置の検波同期タイミングの調整を説明するための図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。
図1は、実施形態におけるガス検知装置の構成を示すブロック図である。図2は、実施形態のガス検知装置における第1位相敏感検波部の構成を示す図である。図2Aは、第1位相敏感検波部の全体構成を示すブロック図であり、図2Bは、第1位相敏感検波部における第1LPF部の構成を示す回路図である。図3は、実施形態のガス検知装置における第2位相敏感検波部の構成を示す図である。図3Aは、第2位相敏感検波部の全体構成を示すブロック図であり、図3Bは、第2位相敏感検波部における第2LPF部の構成を示す回路図である。図4は、周波数変調方式(2f検波法)を説明するための図である。
実施形態におけるガス検知装置は、いわゆる周波数変調方式(2f検波法)によって検知対象のガスGAを検知する装置であり、例えば、所定の周波数fcを中心周波数fcとして所定の変調周波数fmで周波数変調した検知光Lcを照射し、この検知光Lcの物体による反射光(戻り光)Lcrを受光し、この受光した反射光Lcrに基づいて検知対象のガスGAを検知する。
このようなガス検知装置Dは、より具体的には、例えば、図1に示すように、第1光源部1と、第2光源部2と、第1駆動部3と、第2駆動部4と、波長選択部5と、第1受光部6と、第2受光部7と、第1位相敏感検波部8と、第2位相敏感検波部9と、増幅部10と、制御処理部11と、記憶部17と、偏向部18と、アナログ−デジタル変換部(AD部)20とを備える。
第1光源部1は、第1駆動部3に接続され、検知対象のガスGAを検知するために、所定の第1周波数fcを中心周波数fcとして所定の変調周波数fmで周波数変調した検知光Lcを連続光(CW光)で照射する装置であり、例えば、波長を変えてレーザー光を発光できる波長可変半導体レーザー等を備える。変調周波数fmは、適宜に設定され、例えば10kHzや50kHzや100kHz等に設定される。第1周波数(中心周波数)fcは、検知対象のガスGAの光吸収スペクトルにおける所定の吸収線の周波数であり、前記検知対象のガスGAの種類に応じて適宜に設定される。例えば、前記検知対象のガスGAがメタン(CH)である場合には、第1周波数(中心周波数)fcは、メタンの光吸収スペクトルにおける所定の吸収線の周波数に設定される。メタンの光吸収スペクトルにおける吸収線は、複数あるが、本実施形態では、メタンの最も吸収の強い、R(3)線である波長1653nmまたはR(4)線である波長1651nmの吸収線が採用され、第1周波数(中心周波数)fcは、波長1653nmまたは波長1651nmに相当する周波数である。
なお、検知対象のガスGAは、メタンに限定されるものではなく、表1に示すように、種々のガスであって良い。表1には、検知対象のガスGAの一例として、ガス種とその吸収線の波長(μm)とが示されている。
Figure 2017014098
第1駆動部3は、制御処理部11に接続され、制御処理部11の制御に従って、前記所定の第1周波数fcを中心周波数fcとして所定の変調周波数fmで周波数変調した検知光Lcを連続光(CW光)で照射するように、第1光源部1を駆動する装置である。例えば、第1駆動部3は、制御処理部11の制御に従って、検知光Lcを変調周波数fmで周波数変調するために変調された駆動電流を前記可変波長半導体レーザーに供給することで、前記検知光Lcを第1光源部1に照射させる。
第2光源部2は、第2駆動部4に接続され、測距するために、検知光Lcの第1周波数fcと異なる第2周波数fx(≠fc)を持つ所定の測距光Ldをパルス光で照射する装置であり、例えば、半導体レーザー等を備える。第2周波数fdは、検知光Lcの第1周波数fcと異なるように適宜に設定される。本実施形態では、検知光Lcの第1周波数fcは、前記検知対象のガスGAにおける吸収線の周波数であるので、測距光Ldの第2周波数fdは、前記検知対象のガスGAにおける吸収線の周波数fcを除く周波数である。一例として、本実施形態では、検知光Lcの第1周波数fcは、波長1651nmまたは波長1653nmに相当する前記周波数であるので、波長1651nmまたは波長1653nmとは異なる、800nmないし1000nmの波長範囲内のいずれかの波長(例えば800nmや870nmや905nmや1000nm等)に相当する周波数である。なお、好ましくは、測距光Ldの第2周波数fdは、前記検知対象のガスGAの存在する空間に存在すると想定される、前記検知対象のガスGAと異なる他のガスにおける吸収線の周波数を除く周波数である。
第2駆動部4は、制御処理部11に接続され、制御処理部11の制御に従って、第2周波数fx(≠fc)を持つ所定の測距光Ldをパルス光で照射するように、第2光源部2を駆動する装置である。例えば、第2駆動部4は、制御処理部11の制御に従って、パルス状の駆動電流を前記半導体レーザーに供給することで、前記測距光Ldを第2光源部2に照射させる。
偏向部18は、第1光源部1から射出された検知光Lcが入射され、互いに異なる複数の方向へ検知光Lcを順次にそれぞれ照射して複数の検知箇所で検知するために、所定の走査方向に沿って走査しながら検知光Lcを照射する装置である。本実施形態では、検知光Lcが照射され検知光Lcに基づく前記反射光Lcrを生成する物体Obまでの距離Dsを測定できるように、偏向部18には、第2光源部2から射出された測距光Ldも入射され、偏向部18は、検知光Lcと同方向へ測距光Ldを所定の走査方向に沿って走査しながら照射する。そして、本実施形態では、偏向部18には、検知光Lcが照射された物体Obで検知光Lcに基づいて生成された第1反射光Lcrおよび前記物体Obに測距光Ldが照射されることで前記物体Obで測距光Ldに基づいて生成された第2反射光(第2戻り光)Ldrも入射され、偏向部18は、これら第1および第2反射光Lcr、Ldrを波長選択部5へ射出する。このような偏向部18は、例えば、平板状の偏向ミラー(反射鏡)と、前記偏向ミラーを所定の軸回りに回転するための例えばモータ等のアクチュエータと備え、前記アクチュエータで前記偏向ミラーを前記所定の軸回りに回転することで、第1光源部1から射出された検知光Lcの第1入射角および第2光源部2から射出された測距光Ldの第2入射角を順次に変える。これによって、偏向部18は、検知光Lcの照射受光箇所(照受光点、この例では前記偏向ミラーの回転軸AXの位置)を中心に検知光Lcを放射状に照射し、放射方向と交差する周方向(この例では前記所定の軸回りの周方向)を前記所定の走査方向として、前記走査方向に沿って走査しながら検知光Lcを照射する(後述の図5参照)。なお、図1に示す例では、偏向ミラーは、紙面に垂直であるが傾いていても良い(紙面の法線方向に対し傾いていても良い)。
そして、本実施形態では、図1に示すように、検知光Lcの第1光軸と測距光Ldの第2光軸とは、互いに平行である。すなわち、検知光Lcの第1光軸と測距光Ldの第2光軸とが互いに平行となるように、第1光源部1および第2光源部2が偏向部18に対して配置される(偏向ミラーに対する検知光Lcの第1入射角と前記偏向ミラーに対する測距光Ldの第2入射角とは互いに等しい)。好ましくは、反射光Lcrを生成する前記物体Obまでの距離Dsをより好適に測距するために、検知光Lcの第1光軸と測距光Ldの第2光軸とは、互いに近接して平行であり、より好ましくは、互いに重ならないで最近接して平行である。
波長選択部5は、検知光Lcの第1反射光Lcrおよび測距光Ldの第2反射光Ldrが入射され、検知光Lcの第1反射光Lcrと測距光Ldの第2反射光Ldrとを略別々に射出するための装置である。波長選択部5から射出された検知光Lcの第1反射光Lcrは、第1受光部6に入射され、波長選択部5から射出された測距光Ldの第2反射光Ldrは、第2受光部7に入射される。このような波長選択部5は、例えば、波長選択部5から射出された検知光Lcの第1反射光Lcrを、第1受光部6へ向けて反射し、波長選択部5から射出された測距光Ldの第2反射光Ldrを、第2受光部7で受光するように透過するダイクロイックミラー等を備える。また例えば、波長選択部5は、入射光を2分岐する例えばハーフミラーと、前記ハーフミラーで分岐(反射)した一方が入射され、検知光Lcの第1反射光Lcrを含む波長帯域を透過する第1バンドパスフィルターと、前記ハーフミラーで分岐(透過)した一方が入射され、測距光Ldの第2反射光Ldrを含む波長帯域を透過する第2バンドパスフィルターとを備え、第1受光部6には、前記第1バンドパスフィルターから射出された光(検知光Lcの第1反射光Lcrを主に含む)が入射され、第2受光部7には、前記第2バンドパスフィルターから射出された光(測距光Ldの第2反射光Ldrを主に含む)が入射される。
第1受光部6は、第1および第2位相敏感検波部8、9それぞれに接続され、波長選択部5から射出された検知光Lcの第1反射光Lcrを受光し、光電変換することによって、第1反射光Lcrの光強度に応じたレベルの電気信号(第1出力信号)SG1を第1および第2位相敏感検波部8、9それぞれへ出力する装置である。
第2受光部7は、増幅部10に接続され、波長選択部5から射出された測距光Ldの第2反射光Ldrを受光し、光電変換することによって、第2反射光Ldrの光強度に応じたレベルの電気信号(第2出力信号)SG2を増幅部10へ出力する装置である。
そして、本実施形態では、第1受光部6の第1受光感度波長帯と第2受光部7の第2受光感度波長帯とは、所定の感度閾値(最大感度に対する例えば40%、50%および60%等)以上で互いに異なる。第1受光部6の第1受光感度波長帯と第2受光部7の第2受光感度波長帯とは、所定の感度閾値未満で互いに重畳しても良いが、好ましくは、このような重複部分が無く、互いに異なる。より具体的には、本実施形態では、検知光Lcの波長は、1651nmまたは1653nmであるので、第1受光部6は、波長1600nm帯に対し受光感度を優位に持つInGaAs(インジウムガリウムヒ素)の受光素子(InGaAsホトダイオード)を備える。測距光Ldの波長は、800nmないし1000nmの波長範囲内のいずれかの波長であるので、第2受光部7は、波長800nmないし1000nm帯に対し受光感度を優位に持つSi(シリコン)の受光素子(Siホトダイオード)を備える。高感度であることから、より好ましくは、第2受光部7は、Siのアバランシェホトダイオード(avalanche photodiode)を備える。
第1位相敏感検波部8は、制御処理部11に接続され、制御処理部11の制御に従って、検知光Lcを周波数変調した変調周波数fmに基づいて第1受光部6の第1出力信号SG1を位相敏感検波する装置である。第1位相敏感検波部8は、位相敏感検波した結果(第1位相敏感検波結果)を制御処理部11へ出力する。このような第1位相敏感検波部8は、例えば、図2Aに示すように、第1検波部21と、第1ローパスフィルター部(第1LPF部)22と、第1同期信号生成部23と、第1移相部24とを備える。
第1同期信号生成部23は、制御処理部11および第1移相部24に接続され、制御処理部11の制御に従って、変調周波数fmであってディーティ比50%の矩形パルス状である第1同期信号SS1を生成する回路であり、例えば発振器等を備える。第1同期信号生成部23は、この生成した第1同期信号SS1を第1移相部24へ出力する。
第1移相部24は、第1検波部21に接続され、第1同期信号SS1が変調周波数fmの成分に同期するように予め設定された所定のタイミングに、第1同期信号生成部23の第1同期信号SS1における位相を変える(進める、または、遅らせる)回路であり、例えば位相シフター等を備える。第1移相部24は、所定の位相に変えた第1同期信号SS1を第1検波部21へ出力する。
第1検波部21は、第1LPF部22に接続され、第1移相部24から入力された第1同期信号SS1に基づいて、第1受光部6から入力された第1受光部6の出力信号を同期検波する回路であり、例えば、乗算器等を、またはスイッチング素子等を備える。この同期検波によって第1受光部6の出力信号から第1同期信号SS1と等しい周波数成分、すなわち、変調周波数fmの成分が取り出される。第1検波部21は、同期検波した結果を第1LPF部22へ出力する。
第1LPF部22は、制御処理部11に接続され、第1検波部21から入力された同期検波結果をフィルタリングし、所定の遮断周波数fcut以下の成分のみを通過させる回路である。第1LPF部22は、このフィルタリングした結果を、第1位相敏感検波部8の第1位相敏感検波結果として制御処理部11へ出力する。そして、本実施形態では、第1LPF部22は、その低域通過帯域を、すなわち、その遮断周波数fcutを制御処理部11の制御に従って変更可能に構成されている。
このような第1LPF部22は、例えば、図2Bに示すように、第11および第12抵抗素子R11、R12と、互いに異なる容量を持つ3個の第11ないし第13コンデンサC11、C12、C13と、第1オペアンプOP1と、1入力3出力の第1選択スイッチSW1とを備え、いわゆる積分回路である。
第1検波部21の出力端子は、第11抵抗素子R11を介して第1オペアンプOP1の反転入力端子(−)に接続される。第1オペアンプOP1の非反転入力端子(+)には、予め設定された所定の参照電圧(基準電圧)Vrefが入力される。第1オペアンプOP1の反転入力端子(−)と第1オペアンプOP1の出力端子との間には、第12抵抗素子R12が接続される。そして、第1オペアンプOP1の反転入力端子(−)には、第1選択スイッチSW1の入力端子が接続される。第1選択スイッチSW1の第11出力端子は、第11コンデンサC11を介して第1オペアンプOP1の出力端子に接続される。第1選択スイッチSW1の第12出力端子は、第12コンデンサC12を介して第1オペアンプOP1の出力端子に接続される。第1選択スイッチSW1の第13出力端子は、第13コンデンサC13を介して第1オペアンプOP1の出力端子に接続される。第1選択スイッチSW1の入力端子と第11ないし第13出力端子との接続状態は、制御処理部11の制御信号に応じて設定される。すなわち、第1選択スイッチSW1は、制御処理部11の制御信号に応じて入力端子を第11ないし第13出力端子のうちのいずれか1つに接続する。第1オペアンプOP1の出力(出力端子)は、第1位相敏感検波部8の出力(出力端子)である。
このような回路構成の第1LPF部22における遮断周波数fcutは、第12抵抗素子R12の抵抗値および第1オペアンプOP1における反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されるコンデンサCの容量で規定されるので、第1LPF部22は、第1選択スイッチSW1によって第1オペアンプOP1における反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されるコンデンサCを切り換えることで、遮断周波数fcutを、すなわち、低域通過帯域を変更できる。変調周波数fmは、後述するように変更されるが、第12抵抗素子R12の抵抗値および第11ないし第13コンデンサC11〜C13の各容量は、前記変調周波数fmの変更範囲に応じて適宜に設定される。
第2位相敏感検波部9は、制御処理部11に接続され、制御処理部11の制御に従って、検知光Lcを周波数変調した変調周波数fmの2倍の周波数(2倍波)2fmに基づいて第1受光部6の第1出力信号SG1を位相敏感検波する装置である。第2位相敏感検波部9は、位相敏感検波した結果(第2位相敏感検波結果)を制御処理部11へ出力する。このような第2位相敏感検波部9は、基本的に第1位相敏感検波部8と同様であり、例えば、図3Aに示すように、第2検波部31と、第2ローパスフィルター部(第2LPF部)32と、第2同期信号生成部33と、第2移相部34とを備える。
第2同期信号生成部33は、制御処理部11および第2移相部34に接続され、制御処理部11の制御に従って、変調周波数fmの2倍の周波数2fmであってディーティ比50%の矩形パルス状である第2同期信号SS2を生成する回路であり、例えば発振器等を備える。第2同期信号生成部33は、この生成した第2同期信号SS2を第2移相部34へ出力する。
第2移相部34は、第2検波部31に接続され、第2同期信号SS2が変調周波数fmの2倍の周波数2fmの成分に同期するように予め設定された所定のタイミングに、第2同期信号生成部33の第2同期信号SS2における位相を変える(進める、または、遅らせる)回路であり、例えば位相シフター等を備える。第2移相部34は、所定の位相に変えた第2同期信号SS2を第2検波部31へ出力する。
第2検波部31は、第2LPF部32に接続され、第2移相部34から入力された第2同期信号SS2に基づいて、第1受光部6から入力された第1受光部6の出力信号を同期検波する回路であり、例えば、乗算器等を、またはスイッチング素子等を備える。この同期検波によって第1受光部6の出力信号から第2同期信号SS2と等しい周波数成分、すなわち、変調周波数fmの2倍の周波数2fmの成分(2倍波2fmの成分)が取り出される。第2検波部31は、同期検波した結果を第2LPF部32へ出力する。
第2LPF部32は、制御処理部11に接続され、第2検波部31から入力された同期検波結果をフィルタリングし、所定の遮断周波数fcut以下の成分のみを通過させる回路である。第2LPF部32は、このフィルタリングした結果を、第2位相敏感検波部9の位相敏感検波結果として制御処理部11へ出力する。そして、本実施形態では、第2LPF部32は、その低域通過帯域を、すなわち、その遮断周波数fcutを制御処理部11の制御に従って変更可能に構成されている。
このような第2LPF部32は、例えば、図3Bに示すように、第21および第22抵抗素子R21、R22と、互いに異なる容量を持つ3個の第21ないし第23コンデンサC21、C22、C23と、第2オペアンプOP2と、1入力3出力の第2選択スイッチSW2とを備え、いわゆる積分回路である。
第2検波部31の出力端子は、第21抵抗素子R21を介して第2オペアンプOP2の反転入力端子(−)に接続される。第2オペアンプOP2の非反転入力端子(+)には、予め設定された所定の参照電圧(基準電圧)Vrefが入力される。第2オペアンプOP2の反転入力端子(−)と第2オペアンプOP2の出力端子との間には、第22抵抗素子R22が接続される。そして、第2オペアンプOP2の反転入力端子(−)には、第2選択スイッチSW2の入力端子が接続される。第2選択スイッチSW2の第21出力端子は、第21コンデンサC21を介して第2オペアンプOP2の出力端子に接続される。第2選択スイッチSW2の第22出力端子は、第22コンデンサC22を介して第2オペアンプOP2の出力端子に接続される。第2選択スイッチSW2の第23出力端子は、第23コンデンサC23を介して第2オペアンプOP2の出力端子に接続される。第2選択スイッチSW2の入力端子と第21ないし第23出力端子との接続状態は、制御処理部11の制御信号に応じて設定される。すなわち、第2選択スイッチSW2は、制御処理部11の制御信号に応じて入力端子を第21ないし第23出力端子のうちのいずれか1つに接続する。第2オペアンプOP2の出力(出力端子)は、第2位相敏感検波部9の出力(出力端子)である。
このような回路構成の第2LPF部32は、第2選択スイッチSW2によって第2オペアンプOP2における反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されるコンデンサCを切り換えることで、遮断周波数fcutを、すなわち、低域通過帯域を変更できる。第22抵抗素子R22の抵抗値および第21ないし第23コンデンサC21〜C23の各容量は、前記変調周波数fmの変更範囲に応じて適宜に設定される。
なお、第1および第2LPF部22、32それぞれは、その遮断周波数fcutを3個のうちのいずれかに変更できるように、3個のコンデンサC(C11〜C13;C21〜C23)を備えて構成されたが、第1および第2LPF部22、32それぞれは、変更可能な遮断周波数fcutの個数に応じた個数のコンデンサCを備えて構成される。
増幅部10は、AD部20に接続され、第2受光部7から入力された第2受光部7の第2出力信号SG2を増幅する回路である。増幅部10は、この増幅した第2出力信号SG2をAD部20を介して制御処理部11へ出力する。
AD部20は、制御処理部11に接続され、増幅部10から出力されたアナログ信号の第2出力信号SG2をデジタル信号の第2出力信号に変換し、この変換したデジタル信号の第2出力信号を制御処理部11へ出力する回路である。
記憶部17は、制御処理部11に接続され、制御処理部11の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、ガス検知装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、所定の周波数fcを中心周波数fcとして所定の変調周波数fmで周波数変調した検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光照射プログラムや、第1および第2位相敏感検波部8、9それぞれの各検波出力信号を所定のサンプリング周期Spでそれぞれサンプリングするサンプリングプログラムや、前記サンプリングプログラムのサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知プログラムや、検知光Lcが照射され検知光Lcに基づく第1反射光Lcrを生成する物体Obまでの距離Dsを測定する測距プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、上述の各プログラムを実行する上で必要なデータや、検知対象のガスGAを検知する上で必要なデータ等が含まれる。記憶部17は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。記憶部17は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部11のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。
制御処理部11は、ガス検知装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、検知対象のガスGAを検知するための回路である。制御処理部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部11は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部12、サンプリング処理部13、検知処理部14および測距処理部15を機能的に備える。
制御部12は、ガス検知装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、ガス検知装置Dの全体制御を司るものである。例えば、制御部12は、周方向の走査方向に沿った互いに異なる複数の検知箇所で検知するために、前記周方向(走査方向)に沿った互いに異なる複数の方向へ順次に検知光Lcおよび測距光Ldをそれぞれ放射状に照射し、その第1および第2反射光Lcr、Ldrを波長選択部5で順次にそれぞれ受光するように、偏向部18を制御する。また例えば、制御部12は、変調周波数fmで周波数変調した検知光LcをCW光で照射するように、第1駆動部3を介して第1光源部1を制御する。また例えば、制御部12は、測距光Ldをパルス光で照射するように、第2駆動部4を介して第2光源部2を制御する。
測距処理部15は、測距光Ldを照射した照射時点t1と測距光Ldの第2反射光Ldrを受光した受光時点t2とに基づいて前記物体Obまでの距離Dsを求めるものである。より具体的には、測距処理部15は、受光時点t2から照射時点t1を減算することで、測距光Ldが第2光源部2から射出され前記物体Obで第2反射光Ldrとなりこの第2反射光Ldrが第2受光部7で受光されるまでの伝播時間τ(=t2−t1)を求め、この求めた伝播時間τの半分を測距光の伝播速度に乗算することで当該ガス検知装置Dから前記物体Obまでの距離Dsを求める(TOF(Time Of Fright)方式)。測距処理部15は、この求めた距離Dsを制御部12へ通知する。
サンプリング処理部13は、第1および第2位相敏感検波部8、9それぞれの各検波出力信号を所定のサンプリング周期Spでそれぞれサンプリングするものである。サンプリング処理部13は、これらサンプリングした各検波出力信号の各サンプリング結果を検知処理部14へ通知する。なお、本実施形態では、サンプリング処理部13は、制御処理部11に機能的にソフトウェアで設けられたが、第1および第2位相敏感検波部8、9それぞれと制御処理部11との間に介設されたハードウェア回路であっても良い。
検知処理部14は、サンプリング処理部13における各検波出力信号の各サンプリング結果に基づいて検知対象のガスGAを検知するものである。より具体的には、検知処理部14は、いわゆる周波数変調方式(2f検波法)を利用して検知対象のガスGAを検知している。ガスの光吸収スペクトルは、図4に示すように、吸収線の周波数fc近傍の範囲において、例えば2次関数のプロファイルのような吸収線の周波数fcに対し線対称なプロファイルになっている。このため、上述したように、吸収線の周波数fcを中心周波数fcとして変調周波数fmで周波数変調されたレーザー光がガスに照射されると、中心周波数fcより短波長側の半周期の振動で、ガスを透過した後のレーザー光の強度は、1周期振動し、中心周波数fcより長波長側の半周期の振動で、ガスを透過した後の前記レーザ光の強度は、もう1周期振動する。この結果、ガスを透過した後のレーザー光は、変調周波数fmに対し2倍の周波数(2倍波)2fmを持つ強度成分を含む。この2倍波2fmの成分の強度は、図4から分かるように、ガス濃度に比例するので、この2倍波2fmの成分を検出することでガス濃度が測定できる。そして、この2倍波2fmの成分を変調周波数fmの成分で規格化することで、検知対象のガスGAによる吸収を除く他の要因による受光強度の変動(ノイズ)が低減できる。このため、より詳しくは、検知処理部14は、変調周波数fmの成分を表す第1位相敏感検波部8の第1検波出力信号に対する第1サンプリング結果および2倍波2fmの成分を表す第2位相敏感検波部9の第2検波出力信号に対する第2サンプリング結果に基づいて検知対象のガスGAを検知する。
検知処理部14は、検知対象ガスGAの有無を判定することで前記検知対象のガスGAを検知しても良いが、好ましくは、検知処理部14は、第1受光部6で受光した第1反射光Lcr、すなわち、第1および第2位相敏感検波部8、9の第1および第2検波出力信号それぞれに対する第1および第2サンプリング結果に基づいて検知対象のガスGAにおける濃度厚み積を求めることで前記検知対象のガスGAを検知する。より具体的には、2倍波2fmの成分(第2サンプリング結果)を変調周波数fmの成分(第1サンプリング結果)で除算した除算結果と濃度厚み積との対応関係を表す関数式やルックアップテーブル等が予め求められて記憶部17に記憶され、検知処理部14は、第2位相敏感検波部9の第2検波出力信号に対する第2サンプリング結果を第1位相敏感検波部8の第1検波出力信号に対する第1サンプリング結果で除算し、この除算結果を前記関数式や前記ルックアップテーブル等によって濃度厚み積を変換して求めて前記検知対象のガスGAを検知する。
また好ましくは、測距処理部15で物体Obまでの距離Dsを求めているので、検知処理部14は、上述のように濃度厚み積を求め、この求めた濃度厚み積を前記測距処理部15で測距した距離Dsで除算して平均ガス濃度を求めることで前記検知対象のガスGAを検知する。
そして、本実施形態では、制御部12は、上述の偏向部18の制御における走査速度(この例では偏向ミラーにおける前記軸回りの回転速度(角速度))Vsを取得し、この取得した走査速度Vsおよび測距処理部15で求めた前記物体Obまでの距離に基づいて、第1駆動部3を介して第1光源部1を制御し、第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2同期信号生成部23、33ならびに第1および第2LPF部22、23それぞれを制御し、そして、サンプリング処理部13を制御する。好ましくは、制御部12は、前記取得した走査速度Vsおよび前記求めた前記物体Obまでの距離に基づいて、第1駆動部3を介して第1光源部1から照射される検知光Lcの変調周波数fmを制御し、第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2同期信号生成部23、33の第1および第2同期信号の各周波数ならびに第1および第2LPF部22、23の各遮断周波数fcutそれぞれを制御し、そして、サンプリング処理部13のサンプリング周期Spを制御する。より好ましくは、制御部12は、前記取得した走査速度Vsおよび前記求めた前記物体Obまでの距離に応じた周波数(例えば高周波化した周波数)となるように、第1駆動部3を介して第1光源部1から照射される検知光Lcの変調周波数fmを制御し(fm→fm+△f=fmc、△fは、正または負の値)、この周波数変更後の前記変調周波数fmcに対応するように第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2同期信号生成部23、33の第1および第2同期信号の各周波数それぞれを制御し、この周波数変更後の前記変調周波数fmcに対応するように第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2LPF部22、23の各遮断周波数fcutそれぞれを制御し、この周波数変更後の前記変調周波数fmcに対応するように、サンプリング処理部13のサンプリング周期Spを制御する。
本実施形態では、上述から分かるように、制御部12は、走査速度Vsを取得する走査速度取得部と兼用され、前記走査速度取得部の一例に相当している。なお、走査速度Vsは、予め所定値で記憶部17に記憶される。あるいは、ガス検知装置Dは、図1に破線で示すように、走査速度Vsを取得する走査速度取得部19を備えても良い。この走査速度取得部19は、例えば、外部から走査速度Vsを受け付けて入力する例えばテンキー等であって良い。また例えば、走査速度取得部19は、偏向部18の角速度を実測し、この実測した角速度に基づいて前記走査速度Vsを求める角速度計等であって良い。また例えば、走査速度取得部19は、偏向部18の角加速度を実測し、この実測した角加速度に基づいて前記走査速度Vsを求める角加速度計等であって良い。
次に、ガス検知装置Dの動作について説明する。図5は、走査速度と測定箇所の密度との関係および距離と測定箇所の密度との関係を説明するための図である。図5Aは、走査速度と測定箇所の密度との関係を説明するための図であり、図5Bは、距離と測定箇所の密度との関係を説明するための図である。図6は、実施形態におけるガス検知装置の動作を示すフローチャートである。図7は、走査速度と変調周波数との関係および距離と変調周波数との関係を説明するための図である。図7の横軸は、距離であり、その縦軸は、走査速度(角速度、角加速度)である。
まず、走査速度と測定箇所の密度との関係および距離と測定箇所の密度との関係について説明する。走査速度と測定箇所の密度との関係では、検知光Lcを走査して測定する場合、走査速度Vsを高速化すると、図5Aに示すように、走査方向に沿った検知間隔が走査速度Vsの高速化前に較べて拡がるため、検知箇所(測定点)の密度が粗くなってしまう。なお、図5Aでは、高速化前の検知箇所が白丸(○)で示され、高速化後の検知箇所が黒丸(●)で示されている。また、図5Aに示す例では、検知光Lcの照射受光箇所(照受光点)を中心に検知光Lcが放射状に照射され、放射方向と交差する周方向を走査方向として走査されているが、検知光Lcが走査方向に沿って移動する場合も同様である。この検知箇所の密度が粗くなるため、前記走査方向に沿ったサンプリング周期Sp(サンプリング間隔、サンプリング周波数)を走査速度Vsの高速化に応じて短周期化(短間隔化、高周波化)すると、前記測定箇所の密度の粗化(疎化)が低減される。例えば、走査速度Vsを2倍にする場合、前記走査方向に沿ったサンプリング周期Spを半分にすれば、前記測定箇所の密度は、走査速度Vsの高速化の前後で略同じになる。なお、図5Aでは、高速化後で短サンプリング周期化の検知箇所が×で示されている。しかしながら、この場合、1つの測定箇所における受光信号のサンプル数が減少するため、検知精度が劣化(低下)してしまう。
一方、図5Bに示すように、検知光Lcの照射受光箇所(照受光点)を中心に検知光Lcを放射状に照射し、放射方向と交差する周方向を走査方向として走査して検知する場合、前記物体までの距離Dsが延びると、走査方向(周方向)に沿った検知間隔が距離延長前に較べて拡がるため、走査速度Vsの高速化に伴って生じる上述と同様の事情が生じる。この結果、同様に、1つの測定箇所における受光信号のサンプル数が減少するため、検知精度が劣化(低下)してしまう。
このため、本実施形態におけるガス検知装置Dでは、制御部12が走査速度Vsおよび前記物体Obまでの距離Dsに基づいて第1駆動部3を介して第1光源部1、第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2同期信号生成部23、33および第1および第2LPF部22、32、ならびに、サンプリング処理部13それぞれを次のように制御し、走査速度Vsの高速化および前記物体までの距離Dsの延長に伴う検知精度の劣化を低減している。
より具体的には、ガス検知装置Dは、次のように動作している。ガス検知装置Dは、起動すると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。また、制御処理プログラムの実行によって、制御処理部11には、制御部12、サンプリング処理部13、検知処理部14および測距処理部15が機能的に構成される。そして、ガス検知装置Dは、走査中において、次のように動作している。
図6において、まず、制御処理部11の制御部12は、前記物体までの距離Dsを取得する(S1)。より具体的には、制御部12は、第2光源部2から、測距光Ldをパルス光で射出するように、第2駆動部4を介して第2光源部2を制御し、前記測距光Ldの第2反射光Ldrを波長選択部5を介して第2受光部7で受光し、第2受光部7は、その光電変換した第2受光部7の第2出力信号SG2を増幅部10およびAD部20を介して制御処理部11へ出力し、制御処理部11は、測距処理部15によって前記物体Obまでの距離Dsを求める。より詳しくは、第2光源部2から射出された測距光Ldは、偏向部18に入射され、偏向部18で偏向され、前記物体Obに照射される。測距光Ldが照射された前記物体Obは、例えば、正反射や散乱反射等によって測距光Ldに基づく第2反射光Ldrを生成する。この第2反射光Ldrは、偏向部18に入射され、偏向部18で波長選択部5へ偏向され、波長選択部5を介して第2受光部7に受光される。第2受光部7は、その光電変換した第2受光部7の第2出力信号SG2を、増幅部10で増幅し、AD部でデジタル化して制御処理部11へ出力する。制御処理部11では、測距処理部15は、受光時点t2から照射時点t1を減算することで、パルス光の測距光Ldを第2光源部2から射出してから前記測距光Ldの第2反射光Ldrを第2受光部7で受光するまでの伝播時間τ(=t2−t1)を求め、この求めた伝播時間τの半分を測距光Ldの伝播速度(この例では光速)に乗算することで当該ガス検知装置Dから前記物体Obまでの距離Dsを求める。
次に、制御部12は、走査速度Vsを取得する(S2)。本実施形態では、制御部12は、偏向部18の制御に用いた走査速度Vsを取得する。なお、上述したように、走査速度Vsは、外部から走査速度取得部19によって受け付けられて入力されることで取得されて良く、また、例えば角速度計や角加速度計等の走査速度取得部19によって偏向部18の角速度を実測することで取得されて良い。
次に、制御部12は、処理S1で取得した前記物体Obまでの距離Dsおよび処理S2で取得した走査速度Vsに基づいて第1駆動部3を介して第1光源部1、第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2同期信号生成部23、33および第1および第2LPF部22、32、ならびに、サンプリング処理部13それぞれを制御する(S3)。より具体的には、制御部12は、処理S1で取得した前記物体Obまでの距離Dsおよび処理S2で取得した走査速度Vsに応じた周波数となるように、第1駆動部3を介して第1光源部1から照射される検知光Lcの変調周波数fmを制御し(fm→fmc)、この周波数変更後の前記変調周波数fmcに対応するように第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2同期信号生成部23、33の第1および第2同期信号の各周波数それぞれを制御し、この周波数変更後の前記変調周波数fmcに対応するように第1および第2位相敏感検波部8、9における第1および第2LPF部22、23の各遮断周波数fcutそれぞれを制御し、この周波数変更後の前記変調周波数fmcに対応するように、サンプリング処理部13のサンプリング周期Spを制御する。
より詳しくは、本実施形態では、走査速度Vsおよび距離Dsと変調周波数fmc、遮断周波数fcut(第1LPF部22の第1遮断周波数fcut1と第2LPF部32の第2遮断周波数fcut2)およびサンプリング周期Sp(第1位相敏感検波部8の出力に対する第1サンプリング周期Sp1と第2位相敏感検波部9の出力に対する第2サンプリング周期Sp2)との対応関係が予め記憶部17に記憶されている。制御部12は、まず、処理S1で取得した前記物体Obまでの距離Dsおよび処理S2で取得した走査速度Vsから、前記対応関係で変調周波数fmc、遮断周波数fcut(fcut1、fcut2)およびサンプリング周期Sp(Sp1、Sp2)を求める。そして、制御部12は、この求めた変調周波数fmcで周波数変調した検知光Lcを照射するように第1駆動部3を介して第1光源部1を制御し、この求めた変調周波数fmcの第1同期信号SS1を生成するように、第1位相敏感検波部8の第1同期信号生成部23を制御し、この求めた変調周波数fmcの2倍の周波数2fmcの第2同期信号SS2を生成するように、第2位相敏感検波部9の第2同期信号生成部33を制御し、この求めた第1遮断周波数fcut1となるように第1選択スイッチSW1を切り換えることで第1LPF部22を制御し、この求めた第2遮断周波数fcut2となるように第2選択スイッチSW2を切り換えることで第2LPF部32を制御し、第1位相敏感検波部8から出力された第1検波出力信号を第1サンプリング周期Sp1でサンプリングし第2位相敏感検波部9から出力された第2検波出力信号を第2サンプリング周期Sp2でサンプリングするように、サンプリング処理部13を制御する。
前記対応関係は、一例では、図7に示すように、距離別および走査速度別に9個の領域に区分けされ、各領域には、互いに異なる第1ないし第5変調周波数fmc、互いに異なる第1ないし第5遮断周波数fcut(第1LPF部22の第1遮断周波数fcut1と第2LPF部32の第2遮断周波数fcut2)および互いに異なる第1ないし第5サンプリング周期Sp(第1位相敏感検波部8の出力に対する第1サンプリング周期Sp1と第2位相敏感検波部9の出力に対する第2サンプリング周期Sp2)のいずれかが割り付けられている。より詳しくは、距離Dsは、ガス検知装置Dから近距離(0≦Ds1≦Ds<Ds2)、中距離(Ds2≦Ds<Ds3)および遠距離(Ds3≦Ds<Ds4)の3個に区分けされ、走査速度Vsは、低速(0≦Vs1≦Vs<Vs2)、中速(Vs2≦Vs<Vs3)および高速(Vs3≦Vs<Vs4)の3個に区分けされる。そして、これら3個の近距離、中距離および遠距離と3個の低速、中速および高速との3×3のマトリクスにより、前記対応関係は、前記9個の領域に区分けされている。前記低速における近距離、中距離および遠距離の各領域には、それぞれ、第1種類(Zone1)、第2種類(Zone2)および第3種類(Zone3)が割り当てられている。前記中速における近距離、中距離および遠距離の各領域には、それぞれ、第2種類(Zone2)、第3種類(Zone3)および第4種類(Zone4)が割り当てられている。前記高速における近距離、中距離および遠距離の各領域には、それぞれ、第3種類(Zone3)、第4種類(Zone4)および第5種類(Zone5)が割り当てられている。そして、変調周波数fmcは、第1種類から第5種類へ順次に高くなるように設定されている(第1種類の変調周波数fmc1<第2種類の変調周波数fmc2<第3種類の変調周波数fmc3<第4種類の変調周波数fmc4<第5種類の変調周波数fmc5)。第1LPF部22の第1遮断周波数fcut1は、第1種類から第5種類へ順次に高くなるように設定されている(第1種類の第1遮断周波数fcut11<第2種類の第1遮断周波数fcut12<第3種類の第1遮断周波数fcut13<第4種類の第1遮断周波数fcut14<第5種類の第1遮断周波数fcut15)。第2LPF部32の第2遮断周波数fcut2は、第1種類から第5種類へ順次に高くなるように設定されている(第1種類の第2遮断周波数fcut21<第2種類の第2遮断周波数fcut22<第3種類の第2遮断周波数fcut23<第4種類の第2遮断周波数fcut24<第5種類の第2遮断周波数fcut25)。第1位相敏感検波部8の出力に対する第1サンプリング周期Sp1は、第1種類から第5種類へ順次に短くなるように設定されている(第1種類の第1サンプリング周期Sp11>第2種類の第1サンプリング周期Sp12>第3種類の第1サンプリング周期Sp13>第4種類の第1サンプリング周期Sp14>第5種類の第1サンプリング周期Sp15)。第2位相敏感検波部9の出力に対する第2サンプリング周期Sp2は、第1種類から第5種類へ順次に短くなるように設定されている(第1種類の第2サンプリング周期Sp21>第2種類の第2サンプリング周期Sp22>第3種類の第2サンプリング周期Sp23>第4種類の第2サンプリング周期Sp24>第5種類の第2サンプリング周期Sp25)。
このように処理S3によって検知光Lcの変調周波数fm(=fmc)、第1位相敏感検波部8における第1同期信号の周波数fmcおよび第1遮断周波数fcut1、第2位相敏感検波部9における第2同期信号の周波数2fmcおよび第2遮断周波数fcut2、ならびに、サンプリング処理部13の第1および第2サンプリング周期Sp1、Sp2が設定されると、制御部12は、検知光Lcを照射し、その第1反射光Lcrを受光し、位相敏感検波し、その検波結果をサンプリングする(S4)。より具体的には、制御部12の制御によって、第1光源部1は、中心周波数fcを中心に変調周波数fmcで周波数変調した検知光Lcを連続光で射出し、この検知光Lcの第1反射光Lcrを波長選択部5を介して第1受光部6で受光し、第1受光部6は、その光電変換した第1受光部6の第1出力信号SG1を第1および第2位相敏感検波部8、9それぞれへ出力し、制御部12の制御によって、第1および第2位相敏感検波部8、9それぞれは、第1出力信号SG1を位相敏感検波し、第1および第2検波出力信号を制御処理部11へ出力し、制御部12の制御によって、サンプリング処理部13は、第1位相敏感検波部8からの第1検波出力信号を第1サンプリング周期Sp1でサンプリングし、第2位相敏感検波部9からの第2検波出力信号を第2サンプリング周期Sp2でサンプリングする。
そして、制御処理部11は、検知処理部14によって、サンプリング処理部13における各検波出力信号の各サンプリング結果に基づいて検知対象のガスGAを検知し、この検知結果を他の機器へ出力する(S5)。本実施形態では、検知処理部14は、第2位相敏感検波部9の第2検波出力信号に対する第2サンプリング結果(2倍波2fmcの成分)を第1位相敏感検波部8の第1検波出力信号に対する第1サンプリング結果(変調周波数fmcの成分)で除算し、この除算結果を、予め記憶部17に記憶された例えば前記ルックアップテーブル等によって濃度厚み積に変換して求めて前記検知対象のガスを検知する。好ましくは、検知処理部14は、さらに、この求めた濃度厚み積を測距処理部15で求めた前記距離Dsで除算して平均ガス濃度を求めてもよい。
そして、このような動作が走査中、繰り返し、実施される。
なお、上述から分かるように、第1光源部1、第1駆動部3、偏向部18および制御処理部11が検知光光源部の一例に相当し、第2光源部2、第2駆動部4、偏向部18、波長選択部5、第2受光部7、増幅部10、AD部20および制御処理部11が測距部の一例に相当する。
以上説明したように、本実施形態におけるガス検知装置Dおよびこれに実装されたガス検知方法は、制御部12が前記走査速度Vsおよび前記距離Dsに基づいて第1光源部1の検知光Lc、第1および第2位相敏感検波部8、9の第1および第2同期信号生成部23、33および第1および第2LPF部22、32、ならびに、サンプリング処理部13それぞれを制御するので、走査速度を高速化しつつ前記物体Obまでの距離Dsが延びても、高速化した走査速度Vsおよび前記物体Obまでの距離Dsに応じて検知光Lcの変調周波数fm、第1および第2同期信号SS1、SS2の周波数、第1および第2LPF部22、32の第1および第2遮断周波数fcut1、fcut2およびサンプリング処理部13の第1および第2サンプリング周期Sp1、Sp2それぞれの制御が可能であるから、走査速度Vsの高速化および前記物体Obまでの距離Dsの延長に伴う検知精度の劣化を低減できる。
上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、検知光Lcの第1光軸および測距光Ldの第2光軸が互いに平行であるので、検知光Lcと測距光Ldとの干渉を防止できるから、より高精度にガスを検知できる。特に、前記第1および第2光軸は、互いに近接して平行、より好ましくは、互いに重ならないで最近接して平行とすることで、このようなガス検知装置Dおよびガス検知方法は、互いの干渉を防止しつつ、前記物体Obまでの距離をより正確に測距できるから、より高精度にガスを検知できる。
上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、第1受光部6の受光感度波長帯と第2受光部7の第2受光感度波長帯とが所定の感度閾値以上で互いに異なるので、第1受光部6で第2反射光Ldrの受光を低減でき、第2受光部7で第1反射光Lcrの受光を低減できる。このため、上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、第1受光部6で第2反射光Ldrの受光によるノイズを低減でき、第2受光部7で第1反射光Lcの受光によるノイズを低減できるから、より高精度にガスを検知できる。また、このため、上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、第1受光部6における、第2反射光Ldrの受光を低減するためのフィルターや、第2受光部7における、第1反射光Lcrの受光を低減するためのフィルターを、上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法に要求される精度によっては省略できる可能性がある。
上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、検知光Lcとしてメタンの最も吸収の強い、R(3)線である波長1653nmまたはR(4)線である波長1651nmのレーザー光を用いるので、検知対象のガスGAとしてメタンを好適に検知できる。また、検知光Lcの波長を波長1653nmまたは波長1651nmに設定することで、上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、波長1600nm帯に対し受光感度を持つInGaAsの受光素子を好適に第1受光部6として利用できる。
上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、測距光Ldの波長を800nmないし1000nmの波長範囲のいずれかの波長に設定するので、この波長範囲800nm〜1000nmに対し受光感度を持つSiの受光素子を好適に第2受光部7として利用できる。
上記ガス検知装置Dおよびガス検知方法は、検知対象のガスGAを検知するシステム系と測距するシステム系とは、別系統で独立している。
なお、上述の実施形態では、検知光Lcの第1光軸と測距光Ldの第2光軸とは、互いに近接して平行であったが、検知光Lcの第1光軸と測距光Ldの第2光軸とは、略同軸であってもよい。すなわち、検知光Lcの第1光軸と測距光Ldの第2光軸とが互いに略同軸となるように、第1光源部1および第2光源部2が偏向部18に対して配置される。これによれば、前記第1および第2光軸が互いに略同軸であるので、このようなガス検知装置Dは、確実に、反射光Lcrを生成する物体Obまでの距離Dsを測距できるから、より高精度にガスを検知できる。
また、上述の実施形態では、制御部12は、前記走査速度Vsおよび前記距離Dsに基づいて第1光源部1の検知光Lc、第1および第2位相敏感検波部8、9の第1および第2同期信号生成部23、33および第1および第2LPF部22、32、ならびに、サンプリング処理部13それぞれを制御したが、制御部12は、前記走査速度Vsに基づいて第1光源部1の検知光Lc、第1および第2位相敏感検波部8、9の第1および第2同期信号生成部23、33および第1および第2LPF部22、32、ならびに、サンプリング処理部13それぞれを制御してもよい。この場合では、図7において、例えば、低速における近距離、中距離および遠距離の各領域が走査速度Vsと変調周波数fmc、遮断周波数fcut(fcut1、fcut2)およびサンプリング周期Sp(Sp1、Sp2)との対応関係として用いられる。また例えば、中速における近距離、中距離および遠距離の各領域が上記対応関係として用いられる。また例えば、高速における近距離、中距離および遠距離の各領域が上記対応関係として用いられる。これによれば、走査速度を高速化しても、高速化した走査速度Vsに応じて検知光Lcの変調周波数fm、第1および第2同期信号SS1、SS2の周波数、第1および第2LPF部22、32の第1および第2遮断周波数fcut1、fcut2およびサンプリング処理部13の第1および第2サンプリング周期Sp1、Sp2それぞれの制御が可能であるから、走査速度Vsの高速化に伴う検知精度の劣化を低減できる。
あるいは、制御部12は、前記距離Dsに基づいて第1光源部1の検知光Lc、第1および第2位相敏感検波部8、9の第1および第2同期信号生成部23、33および第1および第2LPF部22、32、ならびに、サンプリング処理部13それぞれを制御してもよい。この場合では、図7において、例えば、近距離における低速、中速および高速の各領域が距離Dsと変調周波数fmc、遮断周波数fcut(fcut1、fcut2)およびサンプリング周期Sp(Sp1、Sp2)との対応関係として用いられる。また例えば、中距離における低速、中速および高速の各領域が上記対応関係として用いられる。また例えば、遠距離における低速、中速および高速の各領域が上記対応関係として用いられる。これによれば、前記物体Obまでの距離Dsが延びても、前記物体Obまでの距離Dsに応じて検知光Lcの変調周波数fm、第1および第2同期信号SS1、SS2の周波数、第1および第2LPF部22、32の第1および第2遮断周波数fcut1、fcut2およびサンプリング処理部13の第1および第2サンプリング周期Sp1、Sp2それぞれの制御が可能であるから、前記物体Obまでの距離Dsの延長に伴う検知精度の劣化を低減できる。
また、これら上述の実施形態において、第1および第2光源部1、2が半導体レーザーを備える場合に、前記半導体レーザーを安定的に動作させるために、例えば温度センサおよびペルチェ素子等を備え、温度管理されても良い。
また、これら上述の実施形態において、ガス検知装置Dは、ノイズを低減するために、第1受光部6の入射側に、検知光Lcの反射光Lcrの波長を含む所定の波長帯域内の光を透過する第1バンドパスフィルターをさらに備えて良い。同様に、ガス検知装置Dは、ノイズを低減するために、第2受光部7の入射側に、測距光Ldの反射光Ldrの波長を含む所定の波長帯域内の光を透過する第2バンドパスフィルターをさらに備えて良い。
また、これら上述の実施形態において、第1および第2位相敏感検波部8、9は、例えばDSP(Digtal Signal Processor)等に機能的に構成され、デジタル信号処理によって位相敏感検波が実行されても良い。この場合、第1受光部6の第1出力信号SG1は、アナログ−デジタル変換器を介して前記DSP等に入力される。
また、これら上述の実施形態において、ガス検知装置Dは、実測した前記物体Obまでの距離Dsに基づいて位相敏感検波部の同期検波タイミングを調整するタイミング調整部をさらに備えてもよい。例えば、ガス検知装置Dには、図1に破線で示すように、前記タイミング調整部として、測距処理部15で求められた前記物体Obまでの距離Dsに基づいて第1および第2位相敏感検波部8、9の同期検波タイミングを調整するタイミング調整処理部16が制御処理部11に機能的にさらに設けられる。
図8は、第1および第2位相敏感検波部において、出力信号に対する同期信号の検波同期タイミングを説明するための図である。図8Aは、出力信号と同期信号との間で位相差0度の場合を示し、図8Bは、出力信号と同期信号との間で位相差90度の場合を示し、そして、図8Cは、出力信号と同期信号との間で位相差0度の場合を示す。図8Aないし図8Cの各図において、上段から下段へ順に、出力信号、同期信号、検波部の出力およびLPF部の出力それぞれが示されており、その横軸は、時間であり、その縦軸は、信号レベル(信号強度)である。図9は、この変形形態におけるガス検知装置の検波同期タイミングの調整を説明するための図である。図9において、上段から下段へ順に、検知光(送信波)Lc、変調周波数(基本波)fmの成分、第1同期信号SS1、2倍波2fmの成分および第2同期信号SS2それぞれが示されており、その横軸は、時間であり、その縦軸は、信号レベル(信号強度)である。
まず、第1および第2位相敏感検波部8、9における検波同期タイミング(位相調整)の意義について説明する。位相敏感検波では、その検波出力信号(LPF部の出力)は、図8に示すように、検波対象の出力信号と同期信号との間で位相差によって異なる。出力信号と同期信号との間の位相差が0度である場合(すなわち、出力信号と同期信号とが互いに同期(ロック)している場合)には、図8Aに示すように、検波部は、出力信号を適正に検波でき、LPF部から適正な出力が得られる。一方、例えば、出力信号と同期信号との間の位相差が90度である場合や前記位相差が180度である場合(すなわち、出力信号と同期信号とが同期(ロック)していない場合)には、図8Bや図8Cに示すように、検波部は、出力信号を適正に検波できず、LPF部から適正な出力が得られない。このため、位相敏感検波では、出力信号と同期信号との間の位相差が0度となるように同期信号の位相を調整する必要がある。
周波数変調方式(2f検波法)では、変調周波数fmを高周波化すると、検知光の伝播時間による同期信号の位相遅れが生じる。変調周波数fmを高周波化した結果の周波数が数kHzや10kHz程度では、予め設定された所定のタイミングで同期を実施しても、この位相遅れにより検知精度の劣化は、目立たない(問題とならない)が、より高速に検知するために、変調周波数fmをより高周波化すると、伝播時間による同期信号の位相遅れが大きくなり、伝播時間の影響が大きい。例えば、同距離の物体Obにおいて、相対的に低周波な変調周波数(例えば10kHz等)fmでは、約1度の位相遅れであった場合に、変調周波数fmを10倍に高周波化すると(上記の例では100kHz)、約10度の位相遅れになってしまう。
このため、上述のタイミング調整処理部16がさらに備えられ、このようなガス検知装置Dは、前記物体Obまでの距離Dsを実測するので、検知光Lcおよびその第1反射光Lcrの伝播時間を求めることができ、この伝播時間に基づく同期検波タイミングを求めることができる。そして、このガス検知装置Dは、この求めた同期検波タイミングで第1および第2位相敏感検波部8、9の同期検波タイミングを調整するので、変調周波数fm(fmc)をより高周波化しても、検知精度の劣化を低減できる。
より具体的には、第1受光部6は、ガス検知装置Dから照射されたCW光の検知光Lcが前記物体Obまで伝播し前記物体Obで第1反射光Lcrとなって再びガス検知装置Dまで伝播して来た第1反射光Lcrを受光し、第1出力信号SG1を出力する。このため、第1受光部6から出力される第1出力信号SG1に含まれる変調周波数fm(fmc)の成分の位相が0度となるタイミング(変調周波数fm(fmc)の成分において、その振幅がマイナスからプラスへ変わる際の前記振幅が0となるタイミング)は、図9に示すように、検知光Lcの位相が0度となるタイミング(周波数変調された検知光Lcの周波数が中心周波数fcとなるタイミング)から、前記物体Obまでを往復する距離2Dsの伝播時間△T1だけ遅れることになる(第1遅延時間△T1)。そして、第1受光部6から出力される第1出力信号SG1に含まれる2倍波2fmの成分の位相が0度となるタイミング(2倍波2fmの成分において、その振幅がマイナスからプラスへ変わる際の前記振幅が0となるタイミング)も、検知光Lcの位相が0度となるタイミングから、前記伝播時間(遅延時間)△T1だけ遅れることになる。そして、本実施形態では、図9に示すように、例えば回路における遅延や周波数変調の中心ずれ等の影響を考慮して予め設定された調整遅延時間△T12が前記伝播時間(遅延時間)△T1に加えられている。すなわち、第1受光部6から出力される第1出力信号SG1に含まれる2倍波2fmの成分の位相が0度となるタイミングは、第2遅延時間△T2=△T1+△T12で調整されている。
したがって、このような第1受光部6から出力される第1出力信号SG1に含まれる変調周波数fm(fmc)の成分を同期検波するために、タイミング調整処理部16は、測距処理部15で求められた物体Obまでの距離Dsから、前記物体Obまでを往復する距離2Dsの伝播時間△T1を求めて前記第1遅延時間△T1を求め、検知光Lcの位相が0度となるタイミングから第1遅延時間△T1だけ遅れて0度の位相(パルスの立ち上がり)となる第1同期信号SS1を第1検波部21へ出力するように、第1移相部24を制御する第1位相調整信号を第1移相部24へ出力し、第1移相部24を制御する。これによって第1位相敏感検波部8では、変調周波数fm(fmc)の成分と第1同期信号SS1とが互いに同期し(変調周波数fm(fmc)の成分において、その振幅がマイナスからプラスへ変わる際の前記振幅が0となるタイミング=第1同期信号SS1におけるパルスの立ち上がりタイミング)、第1出力信号SG1に含まれる変調周波数fm(fmc)の成分が検波され、第1位相敏感検波部8から制御処理部11へ出力される。同様に、このような第1受光部6から出力される第1出力信号SG1に含まれる2倍波2fm(2fmc)の成分を同期検波するために、タイミング調整処理部16は、測距処理部15で求められた物体Obまでの距離Dsから、前記物体Obまでを往復する距離2Dsの伝播時間△T1を求めて前記第2遅延時間△T2(=△T1+△T12)を求め、検知光Lcの位相が0度となるタイミングから前記第2遅延時間△T2だけ遅れて0度の位相(パルスの立ち上がり)となる第2同期信号SS2を第2検波部31へ出力するように、第2移相部34を制御する第2位相調整信号を第2移相部34へ出力し、第2移相部34を制御する。これによって第2位相敏感検波部9では、2倍波2fm(2fmc)の成分と第2同期信号SS2とが互いに同期し(2倍波2fm(2fmc)の成分において、その振幅がマイナスからプラスへ変わる際の前記振幅が0となるタイミング=第2同期信号SS2におけるパルスの立ち上がりタイミング)、第1出力信号SG1に含まれる2倍波2fm(2fmc)の成分が検波され、第2位相敏感検波部9から制御処理部11へ出力される。このような検波同期タイミング△Tの調整処理S11は、例えば、図6に破線で示すように、処理S4と処理S5との間に実行される。
このように制御処理部11のタイミング調整処理部16によって第1および第2移相部24、34それぞれを制御することで、測距処理部15で求めた物体Obまでの距離Dsに基づいて、第1出力信号SG1と第1同期信号SS1とが互いに同期し第2出力信号SG2と第2同期信号SS2とが互いに同期するように、第1および第2同期信号SS1、SS2が調整される。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
一態様にかかるガス検知装置は、ガスを検知するガス検知装置であって、所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光光源部と、前記検知光の物体による反射光を受光する検知光受光部と、前記検知光受光部の受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波部と、前記位相敏感検波部の検波出力信号をサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて、当該ガス検知装置と前記物体との間のガスを検知するガス検知部と、前記検知光光源部の走査速度を取得する走査速度取得部と、前記走査速度取得部で取得した走査速度が速いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光光源部を制御する制御部とを備える。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記位相敏感検波部は、前記検知光受光部の受光出力信号を同期信号で同期検波する検波部を含み、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づき、前記同期信号を変更する。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記位相敏感検波部は、前記検波部の出力信号が入力され、遮断周波数よりも高い周波数の成分を低下させるローパスフィルター部を含み、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づき、前記遮断周波数を変更する。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度が速いほど短い周期でサンプリングするように、前記サンプリング部を制御する。好ましくは、他の一態様において、ガス検知装置は、所定の周波数を中心周波数として所定の変調周波数で周波数変調した検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光光源部と、前記検知光の反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波部と、前記位相敏感検波部の検波出力信号を所定のサンプリング周期でサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知部と、前記検知光光源部の走査速度を取得する走査速度取得部と、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づいて前記検知光光源部、前記位相敏感検波部および前記サンプリング部それぞれを制御する制御部とを備え、前記位相敏感検波部は、前記変調周波数の2倍の周波数の同期信号を生成する同期信号生成部と、前記受光部の受光出力信号を前記同期信号生成部の同期信号で同期検波する検波部と、前記検波部の同期検波出力信号を濾波するローパスフィルター部とを備え、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づいて前記検知光光源部、前記位相敏感検波部の同期信号生成部および前記ローパスフィルター部、ならびに、前記サンプリング部それぞれを制御する。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づいて前記検知光光源部の変調周波数、前記位相敏感検波部の同期信号生成部における前記同期信号の周波数、前記位相敏感検波部の前記ローパスフィルター部における過遮断周波数、および、前記サンプリング部のサンプリング周期それぞれを制御する。より好ましくは、上述のガス検知装置において、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に応じた周波数(例えば高周波化した周波数)となるように前記検知光光源部の変調周波数、周波数変更後の前記変調周波数に対応するように前記位相敏感検波部の同期信号生成部における前記同期信号の周波数、周波数変更後の前記変調周波数に対応するように前記位相敏感検波部の前記ローパスフィルター部における遮断周波数、および、周波数変更後の前記変調周波数に対応するように前記サンプリング部のサンプリング周期それぞれを制御する。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記検知光光源部は、所定の周波数を中心周波数として所定の変調周波数で周波数変調した検知光を射出する光源部と、前記光源部から射出された前記検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する偏向部を備える。周波数変調方式(2f検波法)で検知対象のガスを検知する観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記位相敏感検波部は、前記所定の変調周波数に基づいて前記受光部の出力信号を位相敏感検波する第1位相敏感検波部と、前記所定の変調周波数に対する2倍の周波数に基づいて前記受光部の出力信号を位相敏感検波する第2位相敏感検波部とを備え、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づいて、前記第1位相敏感検波部の第1ローパスフィルター部および前記第2位相敏感検波部の第2ローパスフィルター部それぞれを制御する。前記検知対象のガスにおける濃度厚み積を求める観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記ガス検知部は、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて検知対象のガスにおける濃度厚み積を求めることで前記検知対象のガスを検知する。
このようなガス検知装置は、制御部が走査速度取得部で取得した走査速度に基づき検知光光源部を制御するので、走査速度を高速化しても、高速化した走査速度に応じて検知光の変調周波数の制御が可能であるから、走査速度の高速化に伴う検知精度の劣化を低減できる。
他の一態様では、上述のガス検知装置において、前記物体までの距離を測定する測距部をさらに備え、前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度および前記測距部で測定した前記物体までの距離に基づいて前記サンプリング部のサンプリング周波数を制御する。測距部で距離を測定していることを活用する観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記ガス検知部は、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて検知対象のガスにおける濃度厚み積を求め、この求めた濃度厚み積を前記測距部で測距した距離で除算して平均ガス濃度を求めることで前記検知対象のガスを検知する。
このようなガス検知装置は、前記走査速度取得部で取得した走査速度および前記測距部で測定した前記物体までの距離に基づいて前記サンプリング部のサンプリング周波数を制御するので、走査速度の高速化に伴う検知精度の劣化を低減できる。
他の一態様にかかるガス検知装置は、ガスを検知するガス検知装置であって、所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光光源部と、前記検知光の物体による反射光を受光する検知光受光部と、前記検知光受光部の受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波部と、前記位相敏感検波部の検波出力信号をサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて、当該ガス検知装置と前記物体との間のガスを検知するガス検知部と、前記物体までの距離を測定する測距部と、前記測距部で測定した前記物体までの距離が遠いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光光源部を制御する制御部とを備える。好ましくは、他の一態様において、ガス検知装置は、所定の周波数を中心周波数として所定の変調周波数で周波数変調した検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光光源部と、前記検知光の反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波部と、前記位相敏感検波部の検波出力信号を所定のサンプリング周期でサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知部と、前記検知光が照射され前記検知光に基づく前記反射光を生成する物体までの距離を測定する測距部と、前記測距部で測定した前記物体までの距離に基づいて前記検知光光源部、前記位相敏感検波部および前記サンプリング部それぞれを制御する制御部とを備え、前記検知光光源部は、前記検知光を放射状に照射することで前記検知光を走査しながら照射し、前記位相敏感検波部は、前記変調周波数の2倍の周波数の同期信号を生成する同期信号生成部と、前記受光部の受光出力信号を前記同期信号生成部の同期信号で同期検波する検波部と、前記検波部の同期検波出力信号を濾波するローパスフィルター部とを備え、前記制御部は、前記測距部で測定した前記物体までの距離に基づいて前記検知光光源部、前記位相敏感検波部の同期信号生成部および前記ローパスフィルター部、ならびに、前記サンプリング部それぞれを制御する。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記制御部は、前記測距部で測定した前記物体までの距離に基づいて前記検知光光源部の変調周波数、前記位相敏感検波部の同期信号生成部における前記同期信号の周波数、前記位相敏感検波部の前記ローパスフィルター部における過遮断周波数、および、前記サンプリング部のサンプリング周期それぞれを制御する。より好ましくは、上述のガス検知装置において、前記制御部は、前記測距部で測定した前記物体までの距離に応じた周波数(例えば高周波化した周波数)となるように前記検知光光源部の変調周波数、周波数変更後の前記変調周波数に対応するように前記位相敏感検波部の同期信号生成部における前記同期信号の周波数、周波数変更後の前記変調周波数に対応するように前記位相敏感検波部の前記ローパスフィルター部における遮断周波数、および、周波数変更後の前記変調周波数に対応するように前記サンプリング部のサンプリング周期それぞれを制御する。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記検知光光源部は、所定の周波数を中心周波数として所定の変調周波数で周波数変調した検知光を射出する光源部と、前記光源部から射出された前記検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する偏向部を備える。周波数変調方式(2f検波法)で検知対象のガスを検知する観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記位相敏感検波部は、前記所定の変調周波数に基づいて前記受光部の出力信号を位相敏感検波する第1位相敏感検波部と、前記所定の変調周波数に対する2倍の周波数に基づいて前記受光部の出力信号を位相敏感検波する第2位相敏感検波部とを備え、前記制御部は、前記測距部で測定した前記物体までの距離に基づいて、前記第1位相敏感検波部の第1ローパスフィルター部および前記第2位相敏感検波部の第2ローパスフィルター部それぞれを制御する。前記検知対象のガスにおける濃度厚み積を求める観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記ガス検知部は、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて検知対象のガスにおける濃度厚み積を求めることで前記検知対象のガスを検知する。測距部で距離を測定していることを活用する観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記ガス検知部は、前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて検知対象のガスにおける濃度厚み積を求め、この求めた濃度厚み積を前記測距部で測距した距離で除算して平均ガス濃度を求めることで前記検知対象のガスを検知する。
このようなガス検知装置は、制御部が測距部で測定した前記物体までの距離に基づき検知光光源部を制御するので、前記物体までの距離が延びても、前記物体までの距離に応じて検知光の変調周波数の制御が可能であるから、前記物体までの距離の延長に伴う検知精度の劣化を低減できる。
また、他の一態様では、これら上述のガス検知装置において、前記測距部で測定された前記物体までの距離に基づいて前記位相敏感検波部の同期検波タイミングを調整するタイミング調整部をさらに備える。
周波数変調方式(2f検波法)では、変調周波数を高周波化すると、検知光の伝播時間による同期信号の位相遅れが生じる。変調周波数を高周波化した結果の周波数が数kHzや10kHz程度では、この位相遅れにより検知精度の劣化は、目立たない(問題とならない)が、より高速に検知するために、変調周波数をより高周波化すると、伝播時間による同期信号の位相遅れが大きくなり、伝播時間の影響が大きい。例えば、同距離の物体において、相対的に低周波な変調周波数(例えば10kHz等)では、約1度の位相遅れであった場合に、変調周波数を10倍に高周波化すると(上記の例では100kHz)、約10度の位相遅れになってしまう。上記ガス検知装置は、前記物体までの距離を前記測距部で実測するので、前記検知光および前記反射光の伝播時間を求めることができ、前記伝播時間に基づく同期検波タイミングを求めることができる。そして、上記ガス検知装置は、この求めた同期検波タイミングで位相敏感検波部の同期検波タイミングを調整するので、変調周波数をより高周波化しても、検知精度の劣化を低減できる。
他の一態様では、これら上述のガス検知装置において、前記測距部は、前記検知光の周波数と異なる周波数を持つ測距光を照射し、前記測距光の物体による第2反射光を受光し、前記測距光を照射した照射時点と前記第2反射光を受光した受光時点とに基づいて前記物体までの距離を測定する光学式測距部を備え、前記検知光光源部における前記検知光の第1光軸と前記測距部における前記測距光の第2光軸とは、略同軸である。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記検知光の周波数は、前記検知対象のガスにおける吸収線の周波数であり、前記測距光の周波数は、前記検知対象のガスにおける吸収線の周波数を除く周波数である。
このようなガス検知装置は、前記第1および第2光軸が互いに略同軸であるので、確実に、反射光を生成する前記物体までの距離を測距できるから、より高精度にガスを検知できる。
他の一態様では、これら上述のガス検知装置において、前記測距部は、前記検知光の周波数と異なる周波数を持つ測距光を照射し、前記測距光の前記物体による第2反射光を受光し、前記測距光を照射した照射時点と前記第2反射光を受光した受光時点とに基づいて前記物体までの距離を測定する光学式測距部を備え、前記検知光光源部における前記検知光の第1光軸と前記測距部における前記測距光の第2光軸とは、平行である。好ましくは、上述のガス検知装置において、前記第1および第2光軸は、互いに近接して平行であり、より好ましくは、互いに重ならないで最近接して平行である。
このようなガス検知装置は、前記第1および第2光軸が互いに平行であるので、前記検知光と前記測距光との干渉を防止できるから、より高精度にガスを検知できる。
他の一態様では、これら上述のガス検知装置において、前記測距部は、前記検知光の周波数と異なる周波数を持つ測距光を照射し、前記測距光の物体による第2反射光を測距光受光部で受光し、前記測距光を照射した照射時点と前記第2反射光を受光した受光時点とに基づいて前記物体までの距離を測定する光学式測距部を備え、前記検知光受光部の受光感度波長帯と、前記測距光受光部の第2受光感度波長帯とは、所定の感度閾値以上で互いに異なる。波長1600nm帯の光を好適に受光する観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記受光部は、InGaAs(インジウムガリウムヒ素)の受光素子を備える。波長800nmないし1000nm帯の光を好適に受光する観点から、好ましくは、上述のガス検知装置において、前記光学式測距部における前記第2受光部は、Si(シリコン)の受光素子を備え、より好ましくは、Siのアバランシェホトダイオード(avalanche photodiode)を備える。
このようなガス検知装置は、前記受光部の受光感度波長帯と前記第2受光部の第2受光感度波長帯とが所定の感度閾値以上で互いに異なるので、前記受光部で前記第2反射光の受光を低減でき、前記第2受光部で前記反射光の受光を低減できる。このため、上記ガス検知装置は、前記受光部で前記第2反射光の受光によるノイズを低減でき、前記第2受光部で前記反射光の受光によるノイズを低減できるから、より高精度にガスを検知できる。また、このため、上記ガス検知装置は、前記受光部における、前記第2反射光の受光を低減するためのフィルターや、前記第2受光部における、前記反射光の受光を低減するためのフィルターを、上記ガス検知装置に要求される精度によっては省略できる可能性がある。
他の一態様では、これら上述のガス検知装置において、前記検知光光源部における検知光の波長は、1651nmまたは1653nmである。
波長1651nmまたは波長1653nmは、メタンの最も吸収の強いR(4)線やR(3)線であり、上記ガス検知装置は、前記検知対象のガスとしてメタンを好適に検知できる。また、前記検知光の波長を波長1651nmまたは波長1653nmに設定することで、上記ガス検知装置は、波長1600nm帯に対し受光感度を持つInGaAsの受光素子を好適に前記受光部として利用できる。
他の一態様では、これら上述のガス検知装置において、前記光学式測距部における測距光の波長は、800nmないし1000nmの波長範囲内のいずれかの波長である。
前記測距光の波長を800nmないし1000nmの波長範囲のいずれかの波長に設定することで、上記ガス検知装置は、この波長範囲800nm〜1000nmに対し受光感度を持つSiの受光素子を好適に前記光学式測距部における前記第2受光部として利用できる。
他の一態様にかかるガス検知方法は、所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光照射工程と、前記検知光の物体による反射光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られた受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波工程と、前記位相敏感検波工程で得られた検波出力信号をサンプリングするサンプリング工程と、前記サンプリング工程で得られたサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知工程と、前記検知光照射工程での走査速度を取得する走査速度取得工程と、前記走査速度取得工程で取得した走査速度が速いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光光源部を制御する制御工程とを備える。好ましくは、他の一態様において、ガス検知方法は、所定の周波数を中心周波数として所定の変調周波数で周波数変調した検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光照射工程と、前記検知光の反射光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られた受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波工程と、前記位相敏感検波工程で得られた検波出力信号を所定のサンプリング周期でサンプリングするサンプリング工程と、前記サンプリング工程で得られたサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知工程と、前記検知光照射工程での走査速度を取得する走査速度取得工程と、前記走査速度取得工程で取得した走査速度に基づいて前記検知光光源工程、前記位相敏感検波工程および前記サンプリング工程それぞれを制御する制御工程とを備え、前記位相敏感検波工程は、前記変調周波数の2倍の周波数の同期信号を生成する同期信号生成工程と、前記受光工程で得られた受光出力信号を前記同期信号生成工程で生成した同期信号で同期検波する検波工程と、前記検波工程で得られた同期検波出力信号をローパスフィルター部で濾波するローパスフィルター工程とを備え、前記制御工程は、前記走査速度取得工程で取得した走査速度に基づいて前記検知光照射工程、前記位相敏感検波工程の同期信号生成工程および前記ローパスフィルター工程ならびに前記サンプリング工程それぞれを制御する。
このようなガス検知方法は、制御工程が走査速度取得工程で取得した走査速度に基づき検知光光源部を制御するので、走査速度を高速化しても、高速化した走査速度に応じて検知光の変調周波数の制御が可能であるから、走査速度の高速化に伴う検知精度の劣化を低減できる。
他の一態様にかかるガス検知方法は、所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光照射工程と、前記検知光の物体による反射光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られた受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波工程と、前記位相敏感検波工程で得られた検波出力信号をサンプリングするサンプリング工程と、前記サンプリング工程で得られたサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知工程と、前記物体までの距離を測定する測距工程と、前記測距工程で取得した前記物体までの距離が遠いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光照射工程を制御する制御工程とを備える。好ましくは、他の一態様において、ガス検知方法は、所定の周波数を中心周波数として所定の変調周波数で周波数変調した検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光照射工程と、前記検知光の反射光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られた受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波工程と、前記位相敏感検波工程で得られた検波出力信号を所定のサンプリング周期でサンプリングするサンプリング工程と、前記サンプリング工程で得られたサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知工程と、前記検知光が照射され前記検知光に基づく前記反射光を生成する物体までの距離を測定する測距工程と、前記測距工程で取得した前記物体までの距離に基づいて前記検知光光源工程、前記位相敏感検波工程および前記サンプリング工程それぞれを制御する制御工程とを備え、前記検知光照射工程は、前記検知光を放射状に照射することで前記検知光を走査しながら照射し、前記位相敏感検波工程は、前記変調周波数の2倍の周波数の同期信号を生成する同期信号生成工程と、前記受光工程で得られた受光出力信号を前記同期信号生成工程で生成した同期信号で同期検波する検波工程と、前記検波工程で得られた同期検波出力信号をローパスフィルター部で濾波するローパスフィルター工程とを備え、前記制御工程は、前記測距工程で取得した前記物体までの距離に基づいて前記検知光照射工程、前記位相敏感検波工程の同期信号生成工程および前記ローパスフィルター工程ならびに前記サンプリング工程それぞれを制御する。
このようなガス検知方法は、制御工程が測距工程で測定した前記物体までの距離に基づき検知光光源部を制御するので、前記物体までの距離が延びても、前記物体までの距離に応じて検知光の変調周波数の制御が可能であるから、前記物体までの距離の延長に伴う検知精度の劣化を低減できる。
この出願は、2015年7月17日に出願された日本国特許出願特願2015−143045を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、ガス検知装置およびガス検知方法を提供できる。

Claims (14)

  1. ガスを検知するガス検知装置であって、
    所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光光源部と、
    前記検知光の物体による反射光を受光する検知光受光部と、
    前記検知光受光部の受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波部と、
    前記位相敏感検波部の検波出力信号をサンプリングするサンプリング部と、
    前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて、当該ガス検知装置と前記物体との間のガスを検知するガス検知部と、
    前記検知光光源部の走査速度を取得する走査速度取得部と、
    前記走査速度取得部で取得した走査速度が速いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光光源部を制御する制御部とを備える、
    ガス検知装置。
  2. 前記位相敏感検波部は、前記検知光受光部の受光出力信号を同期信号で同期検波する検波部を含み、
    前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づき、前記同期信号を変更する、
    請求項1に記載のガス検知装置。
  3. 前記位相敏感検波部は、前記検波部の出力信号が入力され、遮断周波数よりも高い周波数の成分を低下させるローパスフィルター部を含み、
    前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度に基づき、前記遮断周波数を変更する、
    請求項2に記載のガス検知装置。
  4. 前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度が速いほど短い周期でサンプリングするように、前記サンプリング部を制御する、
    請求項1に記載のガス検知装置。
  5. 前記物体までの距離を測定する測距部をさらに備え、
    前記制御部は、前記走査速度取得部で取得した走査速度および前記測距部で測定した前記物体までの距離に基づいて前記サンプリング部のサンプリング周波数を制御する、
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のガス検知装置。
  6. ガスを検知するガス検知装置であって、
    所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光光源部と、
    前記検知光の物体による反射光を受光する検知光受光部と、
    前記検知光受光部の受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波部と、
    前記位相敏感検波部の検波出力信号をサンプリングするサンプリング部と、
    前記サンプリング部のサンプリング結果に基づいて、当該ガス検知装置と前記物体との間のガスを検知するガス検知部と、
    前記物体までの距離を測定する測距部と、
    前記測距部で測定した前記物体までの距離が遠いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光光源部を制御する制御部とを備える、
    ガス検知装置。
  7. 前記測距部で測定された前記物体までの距離に基づいて前記位相敏感検波部の同期検波タイミングを調整するタイミング調整部をさらに備える、
    請求項5または請求項6に記載のガス検知装置。
  8. 前記測距部は、前記検知光の周波数と異なる周波数を持つ測距光を照射し、前記測距光の物体による第2反射光を受光し、前記測距光を照射した照射時点と前記第2反射光を受光した受光時点とに基づいて前記物体までの距離を測定する光学式測距部を備え、
    前記検知光光源部における前記検知光の第1光軸と前記測距部における前記測距光の第2光軸とは、略同軸である、
    請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のガス検知装置。
  9. 前記測距部は、前記検知光の周波数と異なる周波数を持つ測距光を照射し、前記測距光の前記物体による第2反射光を受光し、前記測距光を照射した照射時点と前記第2反射光を受光した受光時点とに基づいて前記物体までの距離を測定する光学式測距部を備え、
    前記検知光光源部における前記検知光の第1光軸と前記測距部における前記測距光の第2光軸とは、平行である、
    請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のガス検知装置。
  10. 前記測距部は、前記検知光の周波数と異なる周波数を持つ測距光を照射し、前記測距光の物体による第2反射光を測距光受光部で受光し、前記測距光を照射した照射時点と前記第2反射光を受光した受光時点とに基づいて前記物体までの距離を測定する光学式測距部を備え、
    前記検知光受光部の受光感度波長帯と、前記測距光受光部の第2受光感度波長帯とは、所定の感度閾値以上で互いに異なる、
    請求項5ないし請求項9のいずれか1項に記載のガス検知装置。
  11. 前記検知光光源部における検知光の波長は、1651nmまたは1653nmである、
    請求項1ないし請求項10のいずれか1項にガス検知装置。
  12. 前記光学式測距部における測距光の波長は、800nmないし1000nmの波長範囲内のいずれかの波長である、
    請求項8ないし請求項10のいずれか1項にガス検知装置。
  13. 所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光照射工程と、
    前記検知光の物体による反射光を受光する受光工程と、
    前記受光工程で得られた受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波工程と、
    前記位相敏感検波工程で得られた検波出力信号をサンプリングするサンプリング工程と、
    前記サンプリング工程で得られたサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知工程と、
    前記検知光照射工程での走査速度を取得する走査速度取得工程と、
    前記走査速度取得工程で取得した走査速度が速いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光光源部を制御する制御工程とを備える、
    ガス検知方法。
  14. 所定の周波数を中心周波数として周波数変調された検知光を所定の走査方向に沿って走査しながら照射する検知光照射工程と、
    前記検知光の物体による反射光を受光する受光工程と、
    前記受光工程で得られた受光出力信号を位相敏感検波する位相敏感検波工程と、
    前記位相敏感検波工程で得られた検波出力信号をサンプリングするサンプリング工程と、
    前記サンプリング工程で得られたサンプリング結果に基づいて検知対象のガスを検知するガス検知工程と、
    前記物体までの距離を測定する測距工程と、
    前記測距工程で取得した前記物体までの距離が遠いほど高い変調周波数で前記検知光を周波数変調するように、前記検知光照射工程を制御する制御工程とを備える、
    ガス検知方法。
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