JPWO2017010417A1 - 高機能間葉系幹細胞、その調製方法、および調製用培地 - Google Patents

高機能間葉系幹細胞、その調製方法、および調製用培地 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017010417A1
JPWO2017010417A1 JP2017528653A JP2017528653A JPWO2017010417A1 JP WO2017010417 A1 JPWO2017010417 A1 JP WO2017010417A1 JP 2017528653 A JP2017528653 A JP 2017528653A JP 2017528653 A JP2017528653 A JP 2017528653A JP WO2017010417 A1 JPWO2017010417 A1 JP WO2017010417A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mesenchymal stem
stem cells
function
medium
inflammatory agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017528653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6928555B2 (ja
Inventor
芳史 池山
芳史 池山
浩之 西田
浩之 西田
栄子 宇野
栄子 宇野
真代 湯本
真代 湯本
スアン チュン ノ
スアン チュン ノ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohto Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Publication of JPWO2017010417A1 publication Critical patent/JPWO2017010417A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6928555B2 publication Critical patent/JP6928555B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

本発明は、高機能間葉系幹細胞、その調製方法およびその調製用培地を提供することを課題とする。少なくとも一種の抗炎症剤により間葉系幹細胞を処理する工程を含む高機能間葉系幹細胞の調製方法。高機能間葉系幹細胞は、抗炎症機能、免疫調節機能、抗腫瘍機能、組織修復機能、上皮系細胞のタイトジャンクション形成によるバリア増強機能からなる群より選択される少なくとも一種の機能が、無処理の間葉系幹細胞と比較して亢進している。

Description

本発明は、高い治療効果を有する間葉系幹細胞の調製方法、その調製方法により得られた高機能間葉系幹細胞、および調製用培地に関する。
昨今、生体の細胞あるいは組織を利用した医薬品の開発や再生医療の研究が進み、注目されている。特に、ES細胞、iPS細胞等の多能性幹細胞を用いた臓器再生技術の研究が加速されている。一方、骨髄幹細胞等の体性幹細胞を利用する細胞療法は、病気により障害を受けた組織を修復する本来の体性幹細胞の機能を利用するもので、再生医療の中でもより実現性の高いものとして注目され、研究が進められている。
間葉系幹細胞(以下、MSCともいう)は、通常、骨髄、脂肪組織、臍帯、または末梢血から単離可能な多能性の体性幹細胞であり、多数の異なる種類の細胞に分化する能力を有している。
特許文献1には、MSCは、種々の組織や臓器における血管形成の促進、自己免疫疾患の治療、アレルギー応答の治療、癌の治療、炎症性疾患と障害の治療、創傷治癒の促進、炎症の治療、及び上皮傷害の修復に用い得ること、また、MSCは、IL−10のような抗炎症性サイトカインの分泌を促進し、マクロファージ遊走阻止因子の活性を阻害すると考えられることが記載されている。
また、MSCは、炎症性サイトカインであるTNF−αとともにインキュベートすると、活性化してTSG−6の発現量が増大すること、TSG−6の発現量が増大したMSCの投与は心臓障害の修復に有用であることが、特許文献2に記載されている。しかし、MSCを抗炎症剤で処理することにより、治療効果の高い細胞に調製可能であることは知られていない。
特表2010−505764号公報 特表2011−525355号公報
本発明は、高い治療効果を有する間葉系幹細胞の調製方法、その調製方法により得られた高機能間葉系幹細胞、その高機能間葉系幹細胞を含む医薬組成物、および調製用培地を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明者が種々検討した結果、少なくとも一種の抗炎症剤により間葉系幹細胞を処理すると高機能間葉系幹細胞が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)少なくとも一種の抗炎症剤により間葉系幹細胞を処理する工程を含む、高機能間葉系幹細胞の調製方法。
(2)高機能間葉系幹細胞において、抗炎症機能、免疫調節機能、抗腫瘍機能、組織修復機能、上皮系細胞のタイトジャンクション形成によるバリア増強機能からなる群より選択される少なくとも一種の機能が、無処理の間葉系幹細胞と比較して亢進している、(1)に記載の方法。
(3)抗炎症剤が、非ステロイド性抗炎症剤である、(1)または(2)に記載の方法。
(4)非ステロイド性抗炎症剤が、プロピオン酸系抗炎症剤である、(3)に記載の方法。
(5)非ステロイド性抗炎症剤が、抗アレルギー剤である、(3)に記載の方法。
(6)間葉系幹細胞が、臍帯由来である、(1)〜(5)いずれか一に記載の方法。
(7)(1)〜(6)のいずれか一に記載の方法によって調製された、高機能間葉系幹細胞。
(8)(7)に記載の高機能間葉系幹細胞を含有する医薬組成物。
(9)少なくとも一種の抗炎症剤を含む、高機能間葉系幹細胞調製用培地。
本発明の調製方法により、高機能間葉系幹細胞を得ることができる。高機能間葉系幹細胞は、抗炎症機能、免疫調節機能、抗腫瘍機能および組織修復機能、上皮系細胞のタイトジャンクション形成によるバリア増強機能等に優れ、ヒトを含む哺乳動物に投与されると、高い治療効果を発揮することができる。
抗炎症剤処理間葉系幹細胞の、TSG−6遺伝子発現量を示すグラフであり、(a)は抗炎症剤処理1日、(b)は抗炎症剤処理2日、(c)は抗炎症剤処理3日のTSG−6遺伝子発現量を示す。 抗炎症剤処理(4日)の間葉系幹細胞の、TSG−6遺伝子発現量を示すグラフである。 間葉系幹細胞とマウスマクロファージ細胞株Raw264.7の共培養下、LPSで刺激した後の培養上清中のIL−6量を示すグラフである。 抗炎症剤処理間葉系幹細胞とマウスマクロファージ細胞株Raw264.7の共培養下、LPSで刺激した後の培養上清中のIL−6量を示すグラフである。 抗炎症剤処理間葉系幹細胞とマウスマクロファージ細胞株Raw264.7の共培養下、LPSで刺激した後の培養上清中のIL−6量を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
<高機能間葉系幹細胞の調製方法>
本発明の高機能間葉系幹細胞の調製方法は、少なくとも一種の抗炎症剤により間葉系幹細胞を処理する工程を含む。
抗炎症剤により間葉系幹細胞を処理する工程とは、例えば、抗炎症剤含有培地で間葉系幹細胞を培養する工程が挙げられる。また、抗炎症剤を間葉系幹細胞含有溶液に添加する工程が挙げられる。
本発明における高機能間葉系幹細胞の調製方法は、以下の工程を含む方法として説明することもできる。
(1)間葉系幹細胞を培養する工程
(2)上記(1)で得られた間葉系幹細胞を抗炎症剤で処理する工程
(3)高機能間葉系幹細胞を回収する工程
(1)間葉系幹細胞を培養する工程
本工程においては、各組織から得られた間葉系幹細胞を培養する。組織から単離した間葉系幹細胞の培養方法は、それぞれの細胞に適した方法であれば特に限定されず、従来と同様の方法が用いられる。通常、30℃〜37℃の温度、2%〜7%CO環境下、5%〜21%O環境下で行われる。また、間葉系幹細胞の継代の時期及び方法も間葉系幹細胞に適していれば特に限定されず、間葉系幹細胞の形態を観察しながら、従来と同様に行うことができる。
間葉系幹細胞培養用培地は、間葉系幹細胞の培養に適する培地であれば特に制限されず、当業者に従来公知の培地を用いることができる。間葉系幹細胞培養用培地としては、例えば、Promo Cell社、Life Line社、Lonza社等の間葉系幹細胞培養用培地等が挙げられる。培地は、生物由来原料(例えば、動物血清)を含有してもよい。得られる細胞を動物(ヒトを含む)の疾患の治療に用いることを考慮すると、できるだけ生物由来原料を含まない培地(例えば、無血清培地)であることが好ましい。
上記で培養した間葉系幹細胞について、細胞の状態を勘案して適切な回数の継代を行った後、通常その1日後〜5日後、好ましくは1日後〜4日後、より好ましくは1日後〜3日後にトリプシン、コラゲナーゼ等の酵素で処理して剥離させ、遠心分離して間葉系幹細胞を回収する。または、培養上清を除去する。
(2)上記(1)で得られた間葉系幹細胞を抗炎症剤で処理する工程
本工程は、間葉系幹細胞含有溶液に抗炎症剤を添加して、一定の時間インキュベートする工程である。間葉系幹細胞含有溶液は培地であってよく、また、培地ではない処理用溶液であってもよい。
抗炎症剤添加培地での間葉系幹細胞の培養方法は、それぞれの細胞に適した方法であれば特に限定されず、従来と同様の方法が用いられる。培地中の抗炎症剤の濃度に制限はないが、好ましくは、0.0001〜1.0重量%であり、より好ましくは、0.0002〜0.1重量%、さらに好ましくは、0.0003〜0.05重量%、特に好ましくは、0.0005〜0.01重量%である。通常、30℃〜37℃の温度、2%〜10%CO環境下、5%〜21%O環境下で行われる。また、抗炎症剤と間葉系幹細胞を接触させる時間に制限はなく、間葉系幹細胞の継代の時期及び方法もそれぞれの間葉系幹細胞に適していれば特に限定されず、間葉系幹細胞の形態を観察しながら、従来と同様に行うことができる。なお、抗炎症剤との接触時間として好ましくは、12時間〜2週間、好ましくは1日〜10日、より好ましくは、2日〜1週間である。なお、培養は、細胞の全培養期間に渡って無血清培地を用いて行われてもよい。
培地ではない処理用溶液中で抗炎症剤による処理を行う場合は、処理用溶液中の抗炎症剤の濃度に制限はないが、好ましくは、0.0001〜1.0重量%であり、より好ましくは、0.0002〜0.1重量%、さらに好ましくは、0.0003〜0.05重量%、特に好ましくは、0.0005〜0.01重量%である。抗炎症剤との接触時間として好ましくは、12時間〜2週間、好ましくは1日〜10日である。
(3)高機能間葉系幹細胞を回収する工程
(2)において抗炎症剤により処理された間葉系幹細胞について、細胞の状態を勘案して適切な時間に、トリプシン、コラゲナーゼ等の酵素で処理して細胞を剥離させ、またはトリプシン、コラゲナーゼ等の酵素処理なしで、遠心分離して高機能間葉系幹細胞を回収する。
回収した高機能間葉系幹細胞はそのまま、またはリン酸緩衝液等で洗浄した後、治療用高機能間葉系幹細胞として治療に使用することができる。保存する場合は、保存用の溶液を用いて保存用容器中に保存する。
本発明の調製方法により得られる高機能間葉系幹細胞は、サイトカイン等の分泌タンパク質、細胞内発現タンパク質の種類と量が変化しており、優れた治療効果を有する幹細胞である。本発明の調製方法により得られる高機能間葉系幹細胞は、抗炎症剤で処理をしない間葉系幹細胞に比較して、治療のための機能の少なくとも一つの機能が亢進している細胞である。該治療のための機能としては、例えば、抗炎症機能、免疫調節機能、抗腫瘍機能または組織修復機能、上皮系細胞のタイトジャンクション形成によるバリア増強機能が挙げられる。
抗炎症機能が亢進している本発明の間葉系幹細胞は、抗炎症サイトカインの分泌が亢進されている細胞、または、炎症性サイトカインの分泌が抑制されている細胞である。本細胞をヒトを含む哺乳動物に投与することにより、炎症が関与する各種疾患を治療することができる。炎症が関与する疾患はとしては、特に制限はなく、例えば、外傷、敗血症、火傷、手術、感染性疾患、組織障害、潰瘍、並びに、腸、肝臓、目、脳、肺、脊髄、皮膚、骨、関節等の各組織の炎症性疾患が挙げられる。
免疫調節機能が亢進している本発明の間葉系幹細胞は、ヒトを含む哺乳動物に投与されることにより、免疫系が関与する各種疾患を治療することができる。免疫系が関与する疾患としては、特に制限はなく、例えば、自己免疫疾患、臓器移植後の拒絶反応、アレルギー疾患、クローン病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、膠原病等が挙げられる。
抗腫瘍機能が亢進している本発明の間葉系幹細胞は、ヒトを含む哺乳動物に投与されることにより、各種腫瘍を治療することができる。腫瘍としては、特に制限はなく、良性腫瘍、悪性腫瘍を含み、例えば、胃癌、脳腫瘍、白血病が挙げられる。
組織修復機能が亢進している本発明の間葉系幹細胞は、ヒトを含む哺乳動物に投与されることにより、損傷している組織を修復することができる。組織が損傷している疾患は特に制限はなく、各種潰瘍(例えば、糖尿病性潰瘍)、骨関節炎、血管の梗塞による組織の損傷、組織の欠損等を挙げることができる。
上皮系細胞のタイトジャンクション形成によるバリア増強機能が亢進している本発明の間葉系幹細胞は、ヒトを含む哺乳動物に投与されることにより、上皮又は内皮のバリア機能の低下に起因する疾患の予防又は治療のために用いられることができる。疾患としては、例えば、癌、前癌性症状、炎症性疾患、免疫疾患、神経変性疾患、代謝疾患、心血管疾患、骨疾患、胃腸疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患等が挙げられる。
また、本発明の調製方法により得られる高機能間葉系幹細胞は、抗炎症剤で処理をしない間葉系幹細胞に比較して、間葉系幹細胞から発現される特定のサイトカインの量の増大により特徴づけられる。抗炎症剤で処理をしない間葉系幹細胞に比較して特定のサイトカインの発現量が2倍以上であることが好ましい。3倍以上であるとより好ましい。特定のサイトカインとしては、例えばTSG−6、IL−10、IL−1ra(receptor antagonist)、TGF−β、IL−4、IL−11、IL−13等の抗炎症性サイトカインを挙げることができる。
さらに、本発明の調製方法により得られる高機能間葉系幹細胞は、抗炎症剤で処理をしない間葉系幹細胞に比較して、間葉系幹細胞から発現する特定のサイトカインの量の減少によっても特徴づけられる。抗炎症剤で処理をしない間葉系幹細胞に比較して特定のサイトカインの発現量が1/2以下であることが好ましく、1/10以下であるとより好ましい。特定のサイトカインとしては、例えばIL−6、IL−8等の炎症性サイトカインを挙げることができる。
間葉系幹細胞(MSC)は多能性幹細胞であり、多数の異なる種類の細胞に分化することができる細胞である。骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、または筋細胞の少なくとも1つに分化することができ、任意の組織から単離されうる。通常、MSCは、骨髄、脂肪組織、臍帯、または末梢血から単離される。本発明の好ましい態様では、MSCは臍帯から得られる。
本発明で用いられる抗炎症剤は、抗炎症作用を有する薬剤であれば特に制限はない。例えば、非ステロイド性抗炎症剤、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤等に分類される抗炎症剤が挙げられる。具体的な薬剤名を例示すると、アセチルサリチル酸、インドメタシン、エトドラク、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェンナトリウム二水和物、プラノプロフェン、ピロキシカム、メロキシカム、グリチルリチン、アルドステロン、グアイアズレン、ブロメライン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ケトチフェンフマル酸塩、クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、エメダスチンジフマル酸塩、プロメタジン塩酸塩、エバスチン、エピナスチン塩酸塩、イブジラスト、モンテルカストナトリウム、スプラタストトシル酸塩、アクタリット、プレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、フルオロメトロン、トリアムシノロンアセトニド等であるが、本発明における抗炎症剤を何ら限定するものではない。
好ましい抗炎症剤としては、非ステロイド性抗炎症剤であり、より好ましくはシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤であり、さらに好ましくはプロピオン酸系抗炎症剤である。例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、シクロプロフェン、ベノキサプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、カルプロフェン、サプロフェン、オキサプロジン、アミノプロフェン、ザルトプロフェン、プラノプロフェン等が挙げられる。
また、好ましい抗炎症剤として、抗アレルギー剤を挙げることができる。より好ましくは、メディエーター遊離抑制薬であり、例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、タザノラスト、ペミロラスト等が挙げられる。
また、好ましい抗炎症剤として、グリチルリチン(グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸塩も含む)を挙げることもできる。
<高機能間葉系幹細胞調製用培地>
本発明の高機能間葉系幹細胞調製用培地は、少なくとも一種の抗炎症剤を含む培地である。本発明の培地は、間葉系幹細胞培養用培地に少なくとも一種の抗炎症剤が添加された培地である。間葉系幹細胞培養用培地は、間葉系幹細胞の培養に適する培地であれば特に制限されず、当業者に従来公知の培地を用いることができる。間葉系幹細胞培養用培地としては、例えば、Promo Cell社、Life Line社、Lonza社等の間葉系幹細胞培養用培地等が挙げられる。培地は、生物由来原料(例えば、動物血清)を含有してもよい。必要に応じて、アルブミン、FCS等の生物由来原料を添加することもできる。例えば、DMEM/F−12培地等、またはこれらの基本培地にFCSを、0.1%〜10%の範囲で含む培地等が挙げられる。得られる細胞を動物(ヒトを含む)の疾患の治療に用いることを考慮すると、できるだけ生物由来原料を含まない培地(例えば、無血清培地)であることが好ましい。
前記無血清培地は、添加剤として動物血清を含まない培地であればよく、特に限定されない。公知の基本培地に、動物血清を除くその他添加剤を含有した組成を有するものを用いることができる。基本培地の組成は、培養するべき細胞の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、イーグル培地のような最小必須培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地α(MEM−α)、間葉系細胞基礎培地(MSCBM)、Ham’s F−12及びF−10培地、DMEM/F12培地、Williams培地E、RPMI−1640培地、MCDB培地、199培地、Fisher培地、Iscove改変ダルベッコ培地(IMDM)、McCoy改変培地等が挙げられる。
培地中の抗炎症剤の濃度に制限はない。好ましくは、0.0001〜1.0重量%であり、より好ましくは、0.0002〜0.1重量%、さらに好ましくは、0.0003〜0.05重量%、特に好ましくは、0.0005〜0.01重量%である。
添加する抗炎症剤は、抗炎症作用を有する薬剤であれば特に制限はない。例えば、非ステロイド性抗炎症剤、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤等に分類される抗炎症剤が挙げられる。本発明の培地が含む具体的な抗炎症剤としては、本発明の方法において記載した抗炎症剤と同じ抗炎症剤を挙げることができ、好ましい抗炎症剤についても同様である。
基本培地に加えるその他の添加剤としては、アミノ酸類、無機塩類、ビタミン類及び炭素源や抗生物質等の他の添加剤を挙げることができる。これらの添加剤の使用濃度は特に限定されず、通常の哺乳動物細胞用培地に用いられる濃度で用いることができる。
アミノ酸類としては、例えば、グリシン、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−シスチン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン等が挙げられる。
無機塩類としては、例えば、塩化カルシウム、硫酸銅、硝酸鉄(III)、硫酸鉄、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、コリン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB4、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB12、ビタミンB13、ビタミンB15、ビタミンB17、ビタミンBh、ビタミンBt、ビタミンBx、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンM、ビタミンP等が挙げられる。
他の添加剤として、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、内皮細胞増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポエチン(TPO)、肝細胞増殖因子(HGF)等の増殖因子;ペニシリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン等の抗生物質;グルコース、ガラクトース、フルクトース、スクロース等の炭素源;マグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウム、カリウム、ナトリウム、銅、セレン、コバルト、スズ、モリブデン、ニッケル、ケイ素等の微量金属;β−グリセロリン酸、デキサメタゾン、ロシグリタゾン、イソブチルメチルキサンチン、5−アザシチジン等の幹細胞分化誘導剤;2−メルカプトエタノール、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、N−アセチルシステイン等の抗酸化剤;アデノシン5’−一リン酸、コルチコステロン、エタノールアミン、インスリン、還元型グルタチオン、リポ酸、メラトニン、ヒポキサンチン、フェノールレッド、プロゲステロン、プトレシン、ピルビン酸、チミジン、トリヨードチロニン、トランスフェリン、ラクトフェリン、アルブミン、Wntシグナル活性化剤、ROCK阻害剤、増殖因子、ステロイド性化合物、PTEN阻害剤、p53阻害剤、p38阻害剤等が挙げられる。
本発明における間葉系幹細胞を得るための好適な無血清培地としては、市販の無血清培地が挙げられる。この無血清培地は、抗酸化剤、動物血清アルブミン、成長因子、界面活性剤、Edgリガンド、セロトニンリガンド、Wntシグナル活性化剤、ROCK阻害剤、増殖因子、ステロイド性化合物、PTEN阻害剤、p53阻害剤、p38阻害剤等から選択される成分をさらに含有してもよい。
<高機能間葉系幹細胞>
本発明は、上述の本発明の調製方法により得られた高機能間葉系幹細胞も含む。本発明の高機能間葉系幹細胞は、サイトカイン等の分泌タンパク質、細胞内発現タンパク質の種類と量が変化しており、優れた治療効果を有する幹細胞である。本発明の高機能間葉系幹細胞は、抗炎症剤で処理をしない間葉系幹細胞に比較して、治療のための機能の少なくとも一つの機能が亢進している細胞である。該治療のための機能としては、例えば抗炎症機能、免疫調節機能、抗腫瘍機能または組織修復機能、上皮系細胞のタイトジャンクション形成によるバリア増強機能が挙げられる。本発明の高機能間葉系幹細胞の具体的な特徴については、本発明の調製方法における説明を適用できる。
<医薬組成物>
本発明の医薬組成物は、本発明の調製方法により得られた上記高機能間葉系幹細胞を含む。さらに、高機能間葉系幹細胞以外の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。その他の成分としては、一般的な医薬品、医薬部外品等が含むことができる有効成分以外の成分が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、上述した高機能間葉系幹細胞に、前記その他の成分を混合して製造することができる。
本発明の医薬組成物は、疾患の予防および/または治療に用いることができる。疾患としては、例えば、軟骨分解、関節リウマチ、乾癬性関節炎、脊椎関節炎、変形性関節症、痛風、乾癬、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、腎不全、狼瘡、膵炎、アレルギー、線維症、貧血、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、化学療法/放射線関連合併症、I型糖尿病、II型糖尿病、自己免疫性肝炎、C型肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、劇症肝炎、セリアック病、非特異性大腸炎、クローン病、アレルギー性結膜炎、糖尿病性網膜症、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎アレルギー性鼻炎、喘息、石綿症、珪肺、慢性閉塞性肺疾患、慢性肉芽腫性炎症、嚢胞性線維症、サルコイドーシス、糸球体腎炎、脈管炎、皮膚炎、HIV関連悪液質、大脳マラリア、強直性脊椎炎、らい病、COPD、肺線維症、線維筋痛、食道癌、胃食道逆流症、バレット食道、胃癌、十二指腸癌、小腸癌、虫垂癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、肛門癌、膵臓癌、肝臓癌、胆嚢癌、脾臓癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、甲状腺癌等があげられる。
本発明の医薬組成物は、常法によって適宜の製剤とすることができる。製剤の剤型としては、優れた予防・治療効果を得る観点からは、溶液剤、懸濁剤などの液剤とすることが好ましい。本発明における医薬組成物の製剤においては、製剤上の必要に応じて、適宜の薬学的に許容される担体、例えば、等張化剤、緩衝剤、安定化剤などの任意成分を配合することができる。また、一般的な細胞製剤が含む成分を配合することができる。
本発明の医薬組成物の投与方法としては特に制限されないが、血管内投与(好ましくは静脈内投与)、腹腔内投与、腸管内投与、皮下投与等が好ましく、中でも、血管内投与がより好ましい。
本発明の医薬組成物の投与量としては、疾患の種類や、その症状の度合い、剤型、投与対象の体重等によって変わり得るが、1日当たり、間葉系幹細胞を1X10個〜1X10個の範囲で投与することができる。なお、本発明の医薬組成物の投与は、1日のうち1〜複数回に分けて行ってもよい。また、本発明の医薬組成物の投与は、単回投与でもよいし、継続的に行ってもよい。継続的に行う場合は、例えば、3日に1回以上の頻度で、2回以上継続して投与することができ、中でも、2日に1回以上の頻度で、3回以上継続して投与することが好ましく、1日に1回以上の頻度で4回以上継続して投与することがより好ましい。
本発明の医薬組成物の投与対象となる哺乳動物としては、特に制限されないが、ヒト、サル、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ等が好ましく、中でもヒトがより好ましい。また、本発明の医薬組成物に含まれる間葉系幹細胞は、本発明の医薬組成物の投与対象となる哺乳動物の種類と一致していることが、疾患に対するより安定して優れた予防及び/または治療効果を得る観点から好ましい。
以下に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<抗炎症剤処理高機能間葉系幹細胞の取得>
臍帯由来間葉系幹細胞(UC−MSC;Umbilical Cord derived Mesenchymal Stem Cells Wharton’s Jelly(HMSC−WJ)、FC−0020、LifeLine社)を、37℃、5%COの条件下、推奨培地にて馴化し、2〜3日おきに継代しながら培養を行った。
継代6−12回目のUC−MSCを1×10cells/well〜2×10cells/wellとなるよう24well plate(0.5ml、LifeLine社推奨培地)に播種した。1日後、プラノプロフェン(CAS No.52549−17−4、培地中0.025%)、またはトラニラスト(CAS No.53902−12−8、培地中0.0125%)を添加した。添加1日後、2日後または3日後にリン酸緩衝液で2回洗浄し、抗炎症剤処理高機能UC−MSCを得た。一部の細胞については、さらに、IL−1βを添加(1ng/ml)して刺激した後、約5時間で細胞を回収し、抗炎症剤処理高機能UC−MSCを得た。
抗炎症剤処理高機能UC−MSCのTSG−6遺伝子の発現量を、細胞からmRNA抽出後cDNAを合成し、リアルタイムPCR法により測定した。抗炎症剤処理UC−MSCの相対的TSG−6遺伝子発現量を図1の(a)、(b)および(c)にそれぞれ示した。(a)は抗炎症剤処理期間が1日、(b)は2日、(c)は3日である。IL−1β添加なしのコントロールのTSG−6発現量を1とした。IL−1β無刺激でも抗炎症剤処理期間が2日、3日の細胞においては、トラニラスト処理により、またはプラノプロフェン処理により、TSG−6の遺伝子発現が亢進された。IL−1β刺激を行うと、1日処理および3日処理細胞においては、その効果は増大した。以上のとおり、トラニラスト処理により、およびプラノプロフェン処理により、TSG−6の遺伝子発現が亢進し、UC−MSCの抗炎症機能の亢進が認められた。
[実施例2]
<抗炎症剤処理高機能間葉系幹細胞の取得>
プラノプロフェン処理、またはトラニラスト処理を4日に延長した以外は、実施例1と同様にして、抗炎症剤処理高機能UC−MSCを得た。
得られた抗炎症剤処理UC−MSCの相対的TSG−6遺伝子発現量を図2に示した。IL−1β添加なしのコントロールのTSG−6発現量を100とした。IL−1β無刺激でもトラニラスト処理により、またはプラノプロフェン処理により、TSG−6の遺伝子発現を亢進させるが、IL−1β刺激を行うとその効果は増大した。したがって、トラニラスト処理により、およびプラノプロフェン処理により、UC−MSCの抗炎症機能の亢進が認められた。
<抗炎症機能の評価系の確立>
UC−MSCを5×10cells/well〜2×10cells/wellとなるよう6well plate(2ml、LifeLine社推奨培地)に播種し、翌日細胞を回収した。
マウスマクロファージ細胞株Raw264.7を24または48well plate(1mlまたは0.5ml、10%FCS含有DMEM/F−12培地)に播種し、コンフルエント状態になるまで、培養した。細胞数は2×10cells/ml〜5×10cells/mlであった。Raw264.7の細胞数に対し、1/10、1/100、1/1000、1/10000の細胞数の上記UC−MSCを添加し共培養を行った。共培養開始から4時間後にLPS(100ng/ml)添加し、18時間後に上清を回収し、IL−6量をELISA法により測定した(図3)。なお、陽性対照としてデキサメタゾン(和光純薬製:DEXと表記)を使用した。Raw264.7の細胞数に対し、1/10〜1/1000の細胞数のUC−MSCを添加した場合は、UC−MSC細胞比率に対応して抗炎症効果が認められた
[実施例3]
<抗炎症機能評価1>
継代6−12回目のUC−MSCを5×10cells/well〜2×10cells/wellとなるよう6well plate(2ml、LifeLine社推奨培地)に播種した。1日後、プラノプロフェン(CAS No.52549−17−4、培地中0.005%および0.025%)を添加した。添加4日後にリン酸緩衝液で2回洗浄し、抗炎症剤処理高機能UC−MSCを得た。この抗炎症剤処理UC−MSCについて、上記抗炎症機能の評価系を用いて評価した。Raw264.7の細胞数に対し、抗炎症剤処理UC−MSCの細胞数を1/500とした。プラノプロフェン0.025%で処理されたUC−MSCは、無処理のUC−MSCと比較して、IL−6産生抑制効果がより高まっていたことから、抗炎症機能が高い細胞となっていることがわかった(図4)。なお、抗炎症剤処理したUC−MSCは共培養前に十分に洗浄しているため、残存する抗炎症剤そのものの効果ではなく、事前処理によってUC−MSCを改質し、抗炎症機能を増強したことが示唆された。
[実施例4]
<抗炎症機能評価2>
継代6−12回目のUC−MSCを5×10cells/well〜2×10cells/wellとなるよう6well plate(2ml、LifeLine社推奨培地)に播種した。1日後、プラノプロフェン(CAS No.52549−17−4、培地中0.004%)、イブプロフェン(CAS No.15687−27−1、培地中0.001%)又はグリチルリチン酸(CAS No.1405−86−3、培地中0.004%)を添加した。添加5日後にリン酸緩衝液で2回洗浄し、抗炎症剤処理高機能UC−MSCを得た。この抗炎症剤処理UC−MSCについて、上記抗炎症機能の評価系を用いて評価した。Raw264.7の細胞数に対し、抗炎症剤処理UC−MSCの細胞数を1/250とした。
プラノプロフェン0.004%処理、イブプロフェン0.001%処理、グリチルリチン酸0.004%処理によって、UC−MSCを共培養した際のIL−6産生抑制効果がより高まっていたことから、上記処理によってUC−MSCの抗炎症機能が高められたことがわかった(図5)
[実施例5]
<抗炎症機能評価3>
継代6−12回目のUC−MSCを2×10cells/wellとなるよう6well plate(2ml、LifeLine社推奨培地)に播種した。1日後、プラノプロフェン(CAS No. 52549−17−4、培地中0.004%)、イブプロフェン(CAS No. 15687−27−1、培地中0.001%)又はグリチルリチン酸(CAS No. 1405−86−3、培地中0.004%)を添加した。添加5日後にリン酸緩衝液で2回洗浄し、抗炎症剤処理高機能UC−MSCを得た。得られた抗炎症剤処理高機能UC−MSCにおける各種遺伝子発現(IL−4、IL−10、IL−11、IL−1RA、IL−6、IL−8)をマイクロアレイ又はqPCRにより確認した。結果を下記表1に示す。「n.d.」は、実験を行っていないことを示す。「Fold change」は、抗炎症剤処理をしなかったUC−MSCでの各遺伝子発現強度を1としたときの各細胞における発現強度を示す。
プラノプロフェン0.004%処理、イブプロフェン0.001%処理、グリチルリチン酸0.004%処理によって、抗炎症性サイトカイン(IL−4、IL−10、IL−11、IL−1RA)の遺伝子発現が増強した。一方、炎症性サイトカイン(IL−6、IL−8)の遺伝子発現は減少した。このことから、UC−MSCを上記抗炎症剤で処理することで、抗炎症機能が高められる方向に遺伝子発現が変化していることがわかった。
本発明の高機能間葉系幹細胞は、高い治療効果を奏し、各種疾患の治療に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも一種の抗炎症剤により間葉系幹細胞を処理する工程を含む、高機能間葉系幹細胞の調製方法。
  2. 高機能間葉系幹細胞において、抗炎症機能、免疫調節機能、抗腫瘍機能、組織修復機能、上皮系細胞のタイトジャンクション形成によるバリア増強機能からなる群より選択される少なくとも一種の機能が、無処理の間葉系幹細胞と比較して亢進している、請求項1に記載の方法。
  3. 抗炎症剤が、非ステロイド性抗炎症剤である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 非ステロイド性抗炎症剤が、プロピオン酸系抗炎症剤である、請求項3に記載の方法。
  5. 非ステロイド性抗炎症剤が、抗アレルギー剤である、請求項3に記載の方法。
  6. 間葉系幹細胞が、臍帯由来である、請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一に記載の方法によって調製された、高機能間葉系幹細胞。
  8. 請求項7に記載の高機能間葉系幹細胞を含有する医薬組成物。
  9. 少なくとも一種の抗炎症剤を含む、高機能間葉系幹細胞調製用培地。
JP2017528653A 2015-07-10 2016-07-08 高機能間葉系幹細胞、その調製方法、および調製用培地 Active JP6928555B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562190880P 2015-07-10 2015-07-10
US62/190,880 2015-07-10
US201662353356P 2016-06-22 2016-06-22
US62/353,356 2016-06-22
PCT/JP2016/070242 WO2017010417A1 (ja) 2015-07-10 2016-07-08 高機能間葉系幹細胞、その調製方法、および調製用培地

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017010417A1 true JPWO2017010417A1 (ja) 2018-04-19
JP6928555B2 JP6928555B2 (ja) 2021-09-01

Family

ID=57758019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017528653A Active JP6928555B2 (ja) 2015-07-10 2016-07-08 高機能間葉系幹細胞、その調製方法、および調製用培地

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6928555B2 (ja)
WO (1) WO2017010417A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116590227A (zh) * 2017-03-03 2023-08-15 日本乐敦制药株式会社 间充质干细胞和肝疾病治疗剂

Also Published As

Publication number Publication date
JP6928555B2 (ja) 2021-09-01
WO2017010417A1 (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7108537B2 (ja) Cd201、cd46、cd56、cd147及びcd165からなる群より選択される少なくとも1種の細胞表面マーカーを発現する間葉系幹細胞及びその調製方法、並びに上記間葉系幹細胞を含む医薬組成物及びその調製方法
JP6962814B2 (ja) 間葉系幹細胞培養用培地、間葉系幹細胞の培養方法及び間葉系幹細胞
Das et al. The role of hypoxia in bone marrow–derived mesenchymal stem cells: considerations for regenerative medicine approaches
Zhou et al. Glutamine metabolism is essential for stemness of bone marrow mesenchymal stem cells and bone homeostasis
WO2018164228A1 (ja) Ror1陽性の間葉系幹細胞を含有する、線維症を伴う疾患の予防又は処置のための医薬組成物、及びその調製方法、並びにror1陽性の間葉系幹細胞を用いる線維症を伴う疾患の予防又は処置方法
JP6998768B2 (ja) Ror1陽性の間葉系幹細胞及びその調製方法、ror1陽性の間葉系幹細胞を含む医薬組成物及びその調製方法、並びにror1陽性の間葉系幹細胞を用いる疾患の予防又は治療方法
JP5926447B2 (ja) 血管内投与に適した大きさを持つ幹細胞の製造方法
Lim et al. Trichostatin A enhances differentiation of human induced pluripotent stem cells to cardiogenic cells for cardiac tissue engineering
WO2009084662A1 (ja) 哺乳動物体細胞用培地及びそのための添加剤
JP6944165B2 (ja) 間葉系幹細胞用培地
Wang et al. Melatonin reverses the loss of stemness induced by TNF-α in human bone marrow mesenchymal stem cells through upregulation of YAP expression
JP6960120B2 (ja) 肝疾患治療剤及び肝疾患を治療する方法
Liu et al. Mesenchymal stem cells show little tropism for the resting and differentiated cancer stem cell-like glioma cells
WO2017010417A1 (ja) 高機能間葉系幹細胞、その調製方法、および調製用培地
JP7057557B2 (ja) 上皮疾患に対する治療及び/又は予防有効性を評価する方法、上皮疾患治療剤のスクリーニング方法、及び上皮疾患治療剤
Cancedda et al. Transit Amplifying Cells (TACs): a still not fully understood cell population
JP2022504722A (ja) 造血幹細胞および造血前駆細胞の増殖システム
WO2017170925A1 (ja) Egfr及びmic-abからなる群より選択される少なくとも1種の細胞表面マーカーを高発現する間葉系幹細胞及びその調製方法、並びに上記間葉系幹細胞を含む医薬組成物及びその調製方法
JP2009001509A (ja) 脂肪組織由来幹細胞を用いた組織再生用組成物
KR20190112668A (ko) 편도 유래 중간엽 줄기세포로부터 운동신경세포의 분화방법
WO2021200744A1 (ja) 増殖細胞の生産方法、細胞生産物の生産方法、間葉系幹細胞集団およびその生産方法、幹細胞の培養上清およびその生産方法、並びに治療剤
Wang et al. Effects of TGF-β1 and alginate on the differentiation of rabbit bone marrow-derived mesenchymal stem cells into a chondrocyte cell lineage
Eriksson et al. Common Challenges in Tissue Regeneration

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200512

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210806

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6928555

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150