JPWO2017002863A1 - 電波吸収体部材用難燃紙 - Google Patents
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Abstract
本発明は、電波吸収体の部材に好適であり、難燃紙単体で優れた難燃性を発揮するとともに、更に、発泡プラスチック等と貼合わせた貼合わせ品においても優れた難燃性を発揮することができ、加えて、高湿度環境下でも高い難燃性を維持する、生産性と取り扱い性の良好な電波吸収体部材用難燃紙を提供することを課題とする。本発明の電波吸収体部材用難燃紙は、パルプを10〜35質量%、水酸化アルミニウムを55〜70質量%およびポリホウ酸塩を3〜15質量%含有する電波吸収体部材用難燃紙である。
Description
本発明は、電波吸収体部材用難燃紙、電波吸収部材および電波吸収体に関する。
電波吸収体は、各種電子機器や通信機器から発生する電波ノイズの評価、および電波による誤作動がないかを評価する施設である電波暗室や、近年では、ETC、無線LANおよびRFIDなどの無線通信システムにおいて、電波干渉のような電波障害を低減させるために使用されている。
これらの電波吸収体は、電波エネルギーを熱エネルギーに変化することにより電波を吸収するため、高エネルギーの電波が照射された際、電波吸収体が燃えてしまう可能性があり、特に電波暗室に用いられる電波吸収体においても火災などに対する安全性を確保するため、難燃性を有するものが求められている。
このような要求を解決すべく、難燃性繊維や含水無機化合物を含む電波吸収シート材が提案されている(特許文献1参照。)。
更に、電波暗室で使用される電波吸収体などは、10年以上の長期間にわたって使用されるが、その間に変色したり難燃性が低下したりしないことも必要である。
上記のような要求を解決すべく、パルプ、水酸化アルミニウム粉末およびポリホウ酸塩から成る難燃剤を含む電波吸収体部材用難燃紙が提案されている(特許文献2参照。)。
上記の特許文献1および2で提案された電波吸収シート材や電波吸収体部材用難燃紙は、それら単体では、UL94 V−0を満たすなど優れた難燃性を示すことができる。しかしながら、例えば、発泡スチロールや発泡ポリプロピレン等の発泡プラスチックと上記の電波吸収シート材等とを貼合わせなどして接合した部材では、その部材全体としての難燃性が不十分となる傾向がある。
そこで、本発明の目的は、電波吸収体の部材に好適であり、難燃紙単体で優れた難燃性を発揮するとともに、更に、発泡プラスチック等と接合しても得られた部材が優れた難燃性を発揮することができ、加えて、高湿度環境下でも高い難燃性を維持する、生産性と取り扱い性の良好な電波吸収体部材用難燃紙を提供することにある。
本発明は、上記の課題を達成せんとするものであり、本発明は、パルプ、水酸化アルミニウムおよびポリホウ酸塩を含む電波吸収体部材用難燃紙であって、前記電波吸収体部材用難燃紙に対し、
パルプの含有量が10〜35質量%であり、
水酸化アルミニウムの含有量が55〜70質量%であり、
ポリホウ酸塩の含有量が3〜15質量%である電波吸収体部材用難燃紙である。
パルプの含有量が10〜35質量%であり、
水酸化アルミニウムの含有量が55〜70質量%であり、
ポリホウ酸塩の含有量が3〜15質量%である電波吸収体部材用難燃紙である。
本発明の電波吸収体部材用難燃紙の好ましい態様によれば、前記の電波吸収体部材用難燃紙が、更に、導電性物質を0.05〜5質量%含有しているものである。
また上記いずれかの電波吸収体部材用難燃紙と別の成形体とが接合している電波吸収体部材である。さらに上記いずれかの波吸収体部材用難燃紙、または請求項3記載の電波吸収体部材を含む電波吸収体である。
本発明の電波吸収体部材用難燃紙は、電波吸収体の部材に好適で、難燃紙単体で優れた難燃性を発揮し、長期使用において高湿環境下でも高い難燃性を維持する、生産性と取り扱い性に優れている。更に、発泡プラスチック等と接合した部材としても優れた難燃性をもつ。
次に、本発明の電波吸収体部材用難燃紙について、詳細に説明する。
本発明の難燃紙は、難燃紙の質量に対して、パルプを10〜35質量%、水酸化アルミニウムを55〜70質量%およびポリホウ酸塩を3〜15質量%含有している。ここで難燃紙の質量は、難燃紙を構成する材料が大気から持ち込む水分を含まないものである。水分を除いた質量は難燃紙を120℃、2時間保管したものを測定することにより算出できる。
本発明の難燃紙に用いられるパルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、リンターパルプおよび麻パルプなどの植物繊維からなるパルプ、レーヨンなどの再生繊維からなるパルプ、およびビニロンやポリエステルなどからなる合成繊維パルプなどが挙げられる。これらの中でも、電波吸収体部材用難燃紙に十分な引張り強度と剛性を付与できることに加え、低価格である針葉樹パルプおよび広葉樹パルプを用いることが好ましい。
本発明の難燃紙は、10〜35質量%のパルプを含有していることが重要である。パルプの含有量が10質量%を下回る場合には、電波吸収体部材用難燃紙の十分な引張り強度が得られず、電波吸収体部材用難燃紙の抄紙時に破断等が発生し、安定した製造が困難になる。また、発泡プラスチックとの貼り合わせなどの二次加工時に、破断する等、生産性が著しく低下してしまう。
一方、パルプの含有量が35質量%を上回る場合には、電波吸収体部材用難燃紙のUL94 V−0の難燃性を達成することが困難になる。UL94 V−0については下で説明する。また、発泡プラスチックなど別の成形体と接合している部材では、十分な難燃性が得られない。
更に、本発明の難燃紙に用いられるポリホウ酸塩は、パルプを硬化させる作用があるため、パルプの含有量が多くなると難燃紙が硬くなり、他の材料との貼合わせ加工や、印刷加工等の後加工で難燃紙が破断する等、工程通過性が悪化する傾向がある。
このように、パルプの含有量を10〜35質量%の範囲とすることにより、発泡プラスチックと貼合せた貼合わせ品において優れた難燃性と、二次加工を施すために適した剛性および引張り強度を得ることができる。パルプの含有量は12質量%以上が好ましく、一方で、31質量%以下が好ましい。
次に、本発明の難燃紙は、水酸化アルミニウムを55〜70質量%含有していることが重要である。水酸化アルミニウムは、難燃紙に均一に担持されることが好ましい。またそれが粉末状であることが好ましい。
水酸化アルミニウムは白色粉末であり、高温になるとに脱水分解し、その際の吸熱作用により難燃効果が得られる。また、この難燃性は保存によっても経時的に低下せず、長期間難燃効果を維持する。
また、水酸化アルミニウムは白色であるため、本発明の難燃紙を電波暗室用の電波吸収体に使用した際、室内の照明効果を高めることができる。更に、一般にパルプは、経時変化により徐々に黄色に変色していくが、水酸化アルミニウムは変色せず、電波吸収体を白色に維持することができる。抄紙時にカチオン高分子化合物あるいはアニオン高分子化合物からなる歩留まり向上剤や紙力増強剤などの抄紙用薬剤を適宜添加することにより、水酸化アルミニウムはパルプに吸着され、紙の難燃性に寄与する。
難燃紙に対する水酸化アルミニウムの量が少なくなると、難燃紙がUL94 V−0の難燃性を達成することができない。また、発泡プラスチックと接合している部材も、十分な難燃性を得ることができない。また、電波吸収体部材用難燃紙中のパルプ分が多くなり、経時変化による変色が目立つようになる。
一方、水酸化アルミニウムの量が多くなると、電波吸収体部材用難燃紙は高い難燃性は得られるが、発泡プラスチックと貼合せた部材においては発泡プラスチックなど高分子材料の燃焼速度が早くなり、部材の難燃性が低下してしまう傾向にある。更に、電波吸収体部材用難燃紙としての十分な引張り強度が得られず、紙の安定した製造が困難になる。水酸化アルミニウムの含有量の上の方の値は65質量%以下であることが好ましい。水酸化アルミニウムは、和光純薬工業株式会社およびシクマアルドリッチジャパン株式会社等から購入できる。
また、本発明の難燃紙は、ポリホウ酸塩を含有することが必要である。これは、このポリホウ酸塩がセルロース素材に対して極めて高い難燃効果を示すためである。リン酸グアニジン、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、縮合リン酸アルキルエステル誘導体、スルファミン酸グアニジン、スルファニン酸アンモニウムなど、リン酸およびスルファミン酸系の難燃剤は、溶媒を酸性とする必要があるために、パルプの変色が進行しやすかった。ポリホウ酸塩を溶解する溶媒を中性とすることができ、その結果パルプの変色を助長しにくい。更に、リン酸やスルファミン酸系の難燃剤は、吸湿性が高く高湿度下では湿度の影響により難燃剤が脱落して難燃性が低下してしまうことがある。一方ポリホウ酸塩は高湿度下でも安定した高い難燃性を発揮することができる。
ポリホウ酸塩としては、ポリホウ酸ナトリウムおよびポリホウ酸カルシウムなどが挙げられる。難燃効果と価格の点からポリホウ酸ナトリウムが好ましく用いられる。また、ホウ酸塩やケイ酸塩などの難燃剤も電波吸収体部材用難燃紙に含有させることができる。
本発明の難燃紙において、ポリホウ酸塩の含有量は、3〜15質量%である。ポリホウ酸塩の含有量が少ない場合、目標とするUL94 V−0の難燃性を達成することができない可能性があることに加え、発泡プラスチックと接合した部材の難燃性も低下してしまう可能性がある。
ここで、本発明に用いるポリホウ酸塩は、ポリホウ酸塩のみからなるものであってもよいし、本発明の効果を害しない範囲において、ポリホウ酸塩の他にもメタノールおよびエタノールなどのアルコール、エチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどのジオール、グリセリンなどのトリオール、ポリフェノール並びに界面活性剤などの浸透剤に代表される添加剤等を含有するものであってもよい。
一方、ポリホウ酸塩の含有量が多い場合は、作業時に難燃紙からポリホウ酸塩の粉末が脱落する場合がある。更に、ポリホウ酸塩にはパルプを硬化させる作用があるため、得られる難燃紙が硬くなり、難燃紙の取り扱い時に割れたり、発泡プラスチックとの貼合わせや印刷加工等の二次加工時に難燃紙が破断したりする等、取り扱い性や工程通過性が悪化する。また、難燃剤は高価なため難燃紙の製造コストが上がる。更に、十分な難燃性への観点からポリホウ酸塩の含有量は4質量%以上が好ましい。一方で、製造コストおよび工程通過性の観点から、ポリホウ酸塩の含有量は12質量%以下が好ましい。
また、本発明の難燃紙は、ガラス繊維、ロックウール、バサルト繊維等の無機繊維を含有させてもよい。これらは、無機繊維であるため難燃性を向上できるとともに、剛性が高い繊維であることから難燃紙で高度な剛性を発現でき、難燃紙の取り扱い性を向上できるようになる。前記無機繊維の含有量としては、本発明の難燃紙の全材料に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましい。さらに15質量%以下であることが、より好ましい。この範囲とすることで、高度な剛性を有する難燃紙が安定して製造できる。
本発明の難燃紙は、必要に応じて、一般の紙材料で用いられる湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、歩留向上剤およびバインダーなどを添加剤として添加することができる。
また、電波吸収体部材用難燃紙の柔軟性を高めるために、電波吸収体部材用難燃紙に柔軟剤を含ませることができる。柔軟剤の含有により電波吸収体部材用難燃紙の剛性を適度なものとすることにより、電波吸収体部材用難燃紙を折り曲げたり、引っ張ったりする際にかかる負荷によって、電波吸収体部材用難燃紙が割れたり破断したりしないように、貼合わせや印刷加工等の後加工をするために条件をより広くとることができる。
本発明で用いることができる柔軟剤としては、例えば、グリセリン、パラフィン乳化物、第4級アンモニウム塩、脂肪族アルコールおよび尿素等が挙げられる。これらの中で、速やかに水分を取り込み、難燃性を向上できることから、尿素が好ましい。
柔軟剤の含有量は、ポリホウ酸塩に対して、30〜100質量%の範囲であることが好ましい。さらに40質量%以上であることが好ましい。一方さらに80質量%以下であることが好ましい。柔軟剤の含有量をこの範囲とすることにより、柔軟剤の使用量の増大や難燃性等の性能低下を招くことなく、工程通過性を十分に向上させることができる柔軟性が得られる。
また、柔軟剤の含有の有無に関わらず、難燃紙の柔軟性を改善するという観点から、難燃紙を調湿して、水分を含まない難燃紙、100質量部に対して水分率を1〜10質量部の範囲に調整することができる。難燃紙に水分を取り込むことにより、柔軟性の改善に加えて、難燃性も向上させることができる。水分率を1〜10質量部の範囲にすることにより、適度な柔軟性と剛性をバランスよく確保できる。水分率は2質量部以上であることがより好ましく、一方で、7質量部以下であることがより好ましく、6質量部以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の難燃紙は、温度が60℃、湿度が90%で、処理時間が1000時間という処理の前後で、難燃性が共にUL規格のUL94 V−0であることが好ましい。ここで、ULとは、米国Underwriters Laboratories Inc.が制定し、許可している電子機器に関する安全性規格であり、UL94は難燃性の規格である。電波暗室は様々な気候の地域で使用されるため、電波吸収体が高湿度の状況に長期間晒される可能性もある。
通常は高い湿度では、難燃剤が脱落して難燃効果が低下してしまうことが懸念される。これに対し、本発明の難燃紙は、湿度によって難燃効果が変化しない水酸化アルミニウム粉末、およびパルプに対して高度な難燃効果を付与することができるポリホウ酸塩が存在している。その組成により高湿度環境に長期間晒されても、高い難燃性を維持できる。難燃効果の耐湿性は、温度が60℃、湿度が90%および処理時間が1000時間という高湿度環境による加速試験で評価することができる。このような状況での処理後に、UL94V−0が維持されていれば、高湿度環境における難燃効果の耐湿性が許容範囲内とすることができる。
本発明の難燃紙の坪量は、50〜200g/m2の範囲であることが好ましい。坪量がこのような範囲であると、難燃紙の引張り強度が向上し、難燃紙の生産や、印刷や、粘着剤塗工等の二次加工する際に、破断が抑制できる。また難燃紙の剛性が適度なものとなりハンドリング性が向上する。坪量は80g/m2以上がより好ましい。一方で、150g/m2以下がより好ましい。
本発明の難燃紙には、電波吸収性を得るために導電性物質を含有させることができる。本発明で用いられる導電性物質は、電波エネルギーを微小な電流に変換し、更に熱エネルギーに変換することにより電波の減衰作用、すなわち電波の吸収を行う材料である。このような導電性物質としては、例えば、金属粒子、カーボンブラック、カーボンナノチューブ粒子、カーボンマイクロコイル粒子およびグラファイト粒子などの導電性粒子や、炭素繊維ならびにステンレス、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウムおよび鉄などからなる金属繊維などの導電性繊維を挙げることができる。また、非導電性の粒子もしくは繊維に、金属をめっき、蒸着および溶射するなどして導電性を付与したものも導電性物質として挙げることができる。
本発明の難燃紙における導電性物質の含有量は0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましい。さらにその含有量は0.1質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましい。一方で、その含有量は4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
これら導電性物質の中でも、導電性繊維を用いることがより好ましく、導電性繊維の中でも、導電性短繊維を用いることがさらに好ましい。導電性短繊維は、アスペクト比が大きいので、繊維同士が接触しやすく、粉体に比べて少量でも効果的に電波吸収性能を得ることができる。また、導電性短繊維の中でも、炭素繊維は、繊維自体が剛直であり基材内に配向させやすいこと、および長期間の使用においてほとんど性能の変化がないことから、特に好ましく用いられる。導電性短繊維について、繊維同士の接触のしやすさと、後述する抄紙製造工程におけるスラリーへの分散性から、導電性短繊維の長さの0.1mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。一方で、15.0mm以下が好ましく、10.0mm以下がより好ましい。
次に、本発明の電波吸収体部材用難燃紙の製造方法について説明する。
本発明の難燃紙の製造方法としては、公知の紙材料の抄紙による方法を利用することができる。本発明の電波吸収体部材用難燃紙の構成材料である、繊維(パルプ)、水酸化アルミニウム粉末などと水とを混合したスラリーとし、抄紙機で抄きあげる湿式抄紙法などである。
抄紙機としては、円網、短網、長網、パーチフォーマー、ロトフォーマーおよびハイドロフォーマーなど、いずれも用いることができる。また、乾燥機も、ヤンキー型、多筒型およびスルー型などのいずれの乾燥機も用いることができる。
更に、ポリホウ酸塩を難燃紙に含有させる方法としては、例えば、含浸塗布やコーティング塗布を例示することができる。また、含浸塗布やコーティング塗布には、サイズプレスコーター、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーターおよびエアーナイフコーターなどの塗工装置を用いることができる。
ポリホウ酸塩は、発泡プラスチック等と貼り合わせた複合体においても優れた難燃性を発揮するために、電波吸収体部材用難燃紙の内部に含浸するよりも表面に塗工した方が、貼り合せた発泡プラスチックにも優れた難燃効果を発揮することができる。また、上記の塗工装置は、オンマシンもしくはオフマシンで用いることができる。
また、難燃紙に導電性物質を添加する方法としては、上記のスラリー中に導電性物質を混合して電波吸収体部材用難燃紙の中に抄きこむ方法や、バインダー樹脂材料に導電性物質を混合し、サイズプレスコーター、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーターおよびエアーナイフコーターなどの装置で、電波吸収体部材用難燃紙に塗布するなどの方法が挙げられる。
本発明の難燃紙は、単体で電波吸収体に用いることができる。また、電波吸収体として、ピラミッド形やくさび形等の構造体の形状を維持するために、剛性の高い部材が必要となる場合がある。その場合、本発明の難燃紙と別の成形体とが接合した電波吸収体部材とするのが好ましい。たとえば、電波吸収体部材用難燃紙の少なくとも片面に粘着層を設け、プラスチックや発泡プラスチックなどの高分子材料、フェライトタイル等の剛性のある物体に貼付けることができる。特に、本発明の電波吸収体部材用難燃紙は、発泡プラスチックと接合した場合に、優れた難燃性を発揮することができる。また別の成形体としてはシート状物に限らず、段ボール板も用いることができる。
次に、実施例により本発明の難燃紙について、さらに詳細に説明する。実施例に示す性能値は、次の方法で測定したものである。
〔測定方法〕
(1)難燃紙の坪量
難燃紙を一辺300mmの正方形にカットして質量を測定し、1m2当たりの質量に換算して坪量を算出した。
(1)難燃紙の坪量
難燃紙を一辺300mmの正方形にカットして質量を測定し、1m2当たりの質量に換算して坪量を算出した。
(2)難燃紙の難燃性
UL94安全規格(「装置及び器具部品のプラスチック材料燃焼性試験」)における20mm垂直燃焼試験(UL94 V−0)に基づいて、評価した。
UL94安全規格(「装置及び器具部品のプラスチック材料燃焼性試験」)における20mm垂直燃焼試験(UL94 V−0)に基づいて、評価した。
また、この燃焼性試験を、高湿度処理(温度60℃、湿度90%、処理時間1000時間)前後の難燃紙に対して実施した。次のように、合格と不合格を評価した。
・合格:5本全ての水準が、100mm間(25mmラインから125mmラインまで)の燃焼時間を測定し燃焼速度を算出し、40mm/分を超える燃焼速度で燃えるサンプルであってはならない、または、燃焼あるいは火種が125mmマークに達する前に消火するサンプルでなくてはならない。
・不合格:5本の内少なくとも1本が上記合格の基準を満たさない。
・合格:5本全ての水準が、100mm間(25mmラインから125mmラインまで)の燃焼時間を測定し燃焼速度を算出し、40mm/分を超える燃焼速度で燃えるサンプルであってはならない、または、燃焼あるいは火種が125mmマークに達する前に消火するサンプルでなくてはならない。
・不合格:5本の内少なくとも1本が上記合格の基準を満たさない。
(3)難燃紙と発泡スチロールとの貼合わせた部材の難燃性(燃焼速度)
難燃紙と厚み10mmの発泡スチロールとを両面テープ(再生紙両面テープ NWBB−15、ニチバン株式会社製)で貼合わせて、難燃紙と発泡スチロールとが接合している部材を作成した。
難燃紙と厚み10mmの発泡スチロールとを両面テープ(再生紙両面テープ NWBB−15、ニチバン株式会社製)で貼合わせて、難燃紙と発泡スチロールとが接合している部材を作成した。
上記部材をUL94安全規格(「装置及び器具部品のプラスチック材料燃焼性試験」)における発泡材料水平燃焼性試験(UL94 BHF)に準拠して燃焼速度を評価した。
また、この燃焼性試験を、高湿度処理(温度60℃、湿度90%、処理時間1000時間)後の難燃紙を用いた部材に対しても実施した。
・タテ15cm、ヨコ5cmのサンプル5本について、タテ100mm間(25mmラインから125mmラインまで)の燃焼時間を測定し燃焼速度を算出し、125mmラインに到達する前に消火した場合は、25mmラインから消火した位置までの距離と経過時間から燃焼速度を算出し、5本の平均値を算出した。
・タテ15cm、ヨコ5cmのサンプル5本について、タテ100mm間(25mmラインから125mmラインまで)の燃焼時間を測定し燃焼速度を算出し、125mmラインに到達する前に消火した場合は、25mmラインから消火した位置までの距離と経過時間から燃焼速度を算出し、5本の平均値を算出した。
(4)複素誘電率
方形導波管を用い、Sパラメータ法により500MHzにおける複素誘電率を求めた。Sパラメータ法とは、伝送線路の途中に挿入した試料の反射(S11)と透過(S21)をネットワークアナライザで測定して複素誘電率を求める方法である。複素誘電率の実部をεR、虚部をεJとした。
方形導波管を用い、Sパラメータ法により500MHzにおける複素誘電率を求めた。Sパラメータ法とは、伝送線路の途中に挿入した試料の反射(S11)と透過(S21)をネットワークアナライザで測定して複素誘電率を求める方法である。複素誘電率の実部をεR、虚部をεJとした。
方形導波管は、(株)関東電子応用開発製 Sパラメータ法による誘電率即静養サンプルホルダを用いた。ネットワークアナライザはアジレント・テクノロジー(株)製を用いた。
複素誘電率の実数部分εRは、通常の比誘電率に相当する項で、あまり小さいと電波を吸収材内部へ取り込んだ波長の圧縮が小さいため電波を効率よく減衰させることができない。また、大きいと電波を表面反射する傾向にある。
複素誘電率の虚数部分εJは、電気的損失に起因する項であり、この項によって電波エネルギーが熱エネルギーに変換され電波は減衰を受ける、あまりに小さいと電波の減衰が小さく、大きすぎると表面反射が大きくなる傾向にあるものである。
(5)抄紙生産性
連続式抄紙方法で湿式抄紙法において、次の評価によって、安定して連続生産性を確認した。
A:安定して抄紙生産ができた。
B:抄紙中に紙が破断した、又は抄紙後やサイズプレスコーターの後工程からの巻き取り時にしわが発生し、安定した抄紙生産ができなかった。
連続式抄紙方法で湿式抄紙法において、次の評価によって、安定して連続生産性を確認した。
A:安定して抄紙生産ができた。
B:抄紙中に紙が破断した、又は抄紙後やサイズプレスコーターの後工程からの巻き取り時にしわが発生し、安定した抄紙生産ができなかった。
〔実施例1〕
パルプとして繊維長5mmの針葉樹晒パルプを30質量%、水酸化アルミニウム粉末(和光純薬工業株式会社製)を60質量%およびガラス繊維を2質量%混合して連続式抄紙方法で湿式抄紙し、サイズプレスコーターにより、ポリホウ酸ナトリウム難燃剤(製品名SOUFA(商品名)、株式会社SOUFA製)を8質量%となるように含有させて、坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性はAの評価であった。
パルプとして繊維長5mmの針葉樹晒パルプを30質量%、水酸化アルミニウム粉末(和光純薬工業株式会社製)を60質量%およびガラス繊維を2質量%混合して連続式抄紙方法で湿式抄紙し、サイズプレスコーターにより、ポリホウ酸ナトリウム難燃剤(製品名SOUFA(商品名)、株式会社SOUFA製)を8質量%となるように含有させて、坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性はAの評価であった。
得られた難燃紙について、高湿度処理(温度60℃、湿度90%、処理時間1000時間)前後の電波吸収体部材用難燃紙と発泡スチロールとの貼合わせした部材の難燃性について評価した。その結果を表1に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールとの貼合わせした部材の難燃性も優れていた。
〔実施例2〕
実施例1のパルプを15質量%、ガラス繊維を15質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を10質量%とし、湿式抄紙したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを15質量%、ガラス繊維を15質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を10質量%とし、湿式抄紙したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた電難燃紙について評価を行い、その結果を表1に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせた部材の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼合わせした部材の難燃性も優れていた。
〔実施例3〕
実施例1のパルプを26質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を4質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の坪量100g/m2の電難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを26質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を4質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の坪量100g/m2の電難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表1に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼合わせした部材の難燃性も優れていた。
〔実施例4〕
実施例1のパルプを20質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを20質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表1に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせした部材の燃焼速度も遅く、発泡スチロールとの貼合わせ品の難燃性も優れていた。
〔実施例5〕
実施例1のパルプを17質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を13質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを17質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を13質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表1に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールとの貼合わせした部材の難燃性も優れていた。
〔実施例6〕
実施例1のパルプを27質量%、水酸化アルミニウム粉末を55質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを27質量%、水酸化アルミニウム粉末を55質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表1に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼合わせした部材の難燃性も優れていた。
〔実施例7〕
実施例1のパルプを17質量%、水酸化アルミニウム粉末を65質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを17質量%、水酸化アルミニウム粉末を65質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表1に示す。難燃性評価は、UL94 V−0に合格し、また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼合わせした部材の難燃性も優れていた。
〔実施例8〕
実施例2の水酸化アルミニウムを59質量%とし、これに繊維長12.0mmの炭素繊維チョップドファイバー(東レ株式会社製)を1質量%混合して湿式抄紙したこと以外は、実施例2と同様にして実施例8の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例2の水酸化アルミニウムを59質量%とし、これに繊維長12.0mmの炭素繊維チョップドファイバー(東レ株式会社製)を1質量%混合して湿式抄紙したこと以外は、実施例2と同様にして実施例8の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた電難燃紙について評価を行い、その結果を表2に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼合わせした部材の難燃性も優れていた。
〔実施例9〕
実施例2のパルプを14.5質量%、水酸化アルミニウムを58質量%、ガラス繊維を14.5質量%とし、これに繊維長12.0mmの炭素繊維チョップドファイバー(東レ株式会社製)を3質量%混合湿式抄紙したこと以外は、実施例2と同様にして実施例9の坪量100g/m2の用難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例2のパルプを14.5質量%、水酸化アルミニウムを58質量%、ガラス繊維を14.5質量%とし、これに繊維長12.0mmの炭素繊維チョップドファイバー(東レ株式会社製)を3質量%混合湿式抄紙したこと以外は、実施例2と同様にして実施例9の坪量100g/m2の用難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行い、その結果を表2に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼合わせした部材の難燃性にも優れていた。
〔実施例10〕
実施例2の水酸化アルミニウムを59.6質量%とし、これに繊維長12.0mmの炭素繊維チョップドファイバー(東レ株式会社製)を0.4質量%混合湿式抄紙したこと以外は、実施例2と同様にして実施例10の坪量100g/m2の部材用難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例2の水酸化アルミニウムを59.6質量%とし、これに繊維長12.0mmの炭素繊維チョップドファイバー(東レ株式会社製)を0.4質量%混合湿式抄紙したこと以外は、実施例2と同様にして実施例10の坪量100g/m2の部材用難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行い、その結果を表2に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性にも優れていた。
〔実施例11〕
実施例1のパルプを15質量%、ガラス繊維を15質量%とし、湿式抄紙したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを15質量%、ガラス繊維を15質量%とし、湿式抄紙したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行い、その結果を表2に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性にも優れていた。
〔比較例1〕
実施例1のサイズプレスコーターによるポリホウ酸ナトリウム難燃剤を含有させなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、良好であった。その場合の素材配合比を算出すると、パルプは33質量%、水酸化アルミニウムは65質量%およびガラス繊維は2質量%であった。
実施例1のサイズプレスコーターによるポリホウ酸ナトリウム難燃剤を含有させなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、良好であった。その場合の素材配合比を算出すると、パルプは33質量%、水酸化アルミニウムは65質量%およびガラス繊維は2質量%であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表3に示す。難燃紙の難燃性評価はUL94 V−0に不合格で、難燃紙と発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も速く、上記の貼合わせ品は難燃性に劣るものであった。
〔比較例2〕
実施例2のサイズプレスコーターによるポリホウ酸ナトリウム難燃剤を含有しなかったこと以外は、実施例2と同様にして比較例2の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、良好であった。その場合の素材配合比を算出すると、パルプは16質量%、水酸化アルミニウムは65質量%、ガラス繊維は16質量%および炭素繊維は3質量%であった。
実施例2のサイズプレスコーターによるポリホウ酸ナトリウム難燃剤を含有しなかったこと以外は、実施例2と同様にして比較例2の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、良好であった。その場合の素材配合比を算出すると、パルプは16質量%、水酸化アルミニウムは65質量%、ガラス繊維は16質量%および炭素繊維は3質量%であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表3に示す。難燃紙はUL94 V−0に合格した。しかし、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度は速く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性に劣るものであった。
〔比較例3〕
実施例1のパルプを7質量%、水酸化ナトリウム粉末を75質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の坪量100g/m2の難燃紙を得た。湿式抄紙中に紙の破断が何度も発生し、抄紙生産性は悪かった。
実施例1のパルプを7質量%、水酸化ナトリウム粉末を75質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の坪量100g/m2の難燃紙を得た。湿式抄紙中に紙の破断が何度も発生し、抄紙生産性は悪かった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表3に示す。難燃紙はUL94 V−0に合格した。発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度は速く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性に劣るものであった。
〔比較例4〕
実施例1のパルプを37質量%、水酸化ナトリウム粉末を45質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、良好であった。
実施例1のパルプを37質量%、水酸化ナトリウム粉末を45質量%およびガラス繊維を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、良好であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表3に示す。難燃紙はUL94 V−0に合格した。発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度は速く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性に劣るものであった。
〔比較例5〕
実施例1のパルプを29質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を1質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例5の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
実施例1のパルプを29質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を1質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例5の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は、Aの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表3に示す。難燃紙はUL94 V−0に合格した。発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度は速く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性に劣るものであった。
〔比較例6〕
実施例1のパルプを13質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を17質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例6の坪量100g/m2の難燃紙を得た。湿式抄紙中に紙の破断が何度も発生し、サイズプレスコーターの後の巻き取り時にしわが発生して抄紙生産性はBの評価であった。
実施例1のパルプを13質量%、ガラス繊維を10質量%およびポリホウ酸ナトリウム難燃剤を17質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例6の坪量100g/m2の難燃紙を得た。湿式抄紙中に紙の破断が何度も発生し、サイズプレスコーターの後の巻き取り時にしわが発生して抄紙生産性はBの評価であった。
得られた難燃紙について評価を行った。その結果を表3に示す。
難燃紙はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性にも優れていた。
難燃紙はUL94 V−0に合格した。また、発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅く、発泡スチロールと貼り合わせた部材の難燃性にも優れていた。
〔比較例7〕
実施例1のポリホウ酸ナトリウム難燃剤を、リン酸グアニジン難燃剤(製品名“ノンネン”(登録商標)985と丸菱油化工業株式会社製)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例7の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は良好であった。
実施例1のポリホウ酸ナトリウム難燃剤を、リン酸グアニジン難燃剤(製品名“ノンネン”(登録商標)985と丸菱油化工業株式会社製)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例7の坪量100g/m2の難燃紙を得た。抄紙生産性は良好であった。
得られた難燃紙について、評価を行った。その結果を表3に示す。高湿度処理前の難燃紙はUL94 V−0に合格し、高湿度処理前の難燃紙と発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も遅かった。しかしながら、高湿度処理後の難燃紙はUL94 V−0は不合格であり、高湿度処理後の難燃紙と発泡スチロールとの貼合わせ品の燃焼速度も早く、この難燃紙等は高湿度耐久性に劣るものであった。
実施例1〜7において、難燃紙と貼り合わせ品の難燃性、高湿度処理後の難燃性、および抄紙の生産性に優れた電波吸収体部材用難燃紙を得ることができた。
一方、比較例1では、抄紙生産性に優れるものの、難燃紙と貼り合わせ品の難燃性に劣るものであった。また、比較例2、4および5は、難燃紙の難燃性と抄紙生産性に優れるものの、貼り合わせ品では燃焼速度が早く難燃性に劣るものであった。比較例3は、難燃紙の難燃性に優れるものの、貼り合わせ品の難燃性と抄紙生産性に劣るものであった。比較例6では、難燃紙と貼り合わせ品の難燃性には優れるものの、抄紙中に紙切れが頻繁に発生して生産性に劣るものであった。比較例7では、難燃紙と貼り合わせ品とも初期の難燃性は優れるものの、高湿度処理中に難燃性が劣化し、高湿度下での耐久性に劣るのであった。
また、電波吸収性特性について、各実施例の電波吸収体部材用難燃紙の複素誘電率から、実施例1〜7のものに比べ、実施例8〜11のものの方が優れる結果となった。
また、実施例8〜11の電波吸収体部材用難燃紙について、実施例8〜10は実施例11のものよりも複素誘電率の値が小さく、表面反射が発生しにくく、電波吸収特性に優れるものであった。
また、実施例8〜11の電波吸収体部材用難燃紙について、実施例8〜10は実施例11のものよりも複素誘電率の値が小さく、表面反射が発生しにくく、電波吸収特性に優れるものであった。
Claims (4)
- パルプ、水酸化アルミニウムおよびポリホウ酸塩を含む電波吸収体部材用難燃紙であって、前記電波吸収体部材用難燃紙に対し、
パルプの含有量が10〜35質量%であり、
水酸化アルミニウムの含有量が55〜70質量%であり、
ポリホウ酸塩の含有量が3〜15質量%である電波吸収体部材用難燃紙。 - 更に、導電性物質を含有し、
導電性物質の含有量が電波吸収体部材用難燃紙に対し0.05〜5質量%である請求項1に記載の電波吸収体部材用難燃紙。 - 請求項1または2記載の電波吸収体部材用難燃紙と別の成形体とが接合している電波吸収体部材。
- 請求項1もしくは2記載の電波吸収体部材用難燃紙、または請求項3記載の電波吸収体部材を含む電波吸収体。
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