JP2007066949A - 平板型電波吸収体 - Google Patents

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貴士 田上
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Abstract

【課題】薄くて軽く、屋外に設置しても雨などの影響を受けずに優れた電波吸収性を維持できる平板型電波吸収体を提供する。
【解決手段】中しんおよびライナの少なくとも1層に電気的損失材を含む段ボールまたは段ボールの積層体を、電波透過性を有する防水性シートで被覆したことを特徴とする平板型電波吸収体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電波吸収体に関する。特に、たとえば、屋外の船舶、航空機等の移動体や、橋梁、鉄塔等の構造物や、無線通信のための装置、設備等に装着して電波障害を防止するのに用いる平板型電波吸収体に関する。
例えばレーダーなどの大型の装置について性能試験を行う場合、屋外にて試験を行う必要があるが、通常屋外には橋梁、鉄塔、ビルなどの大型の構造物が存在するため、これらの存在による電波測定への影響を排除しておく必要がある。また場合によっては地面による反射の影響も排除する必要がある。そこで、これら大型の構造物の壁面や地面に設置して、電波を吸収させるための平板型電波吸収体が望まれる。
平板型電波吸収体としては、たとえば特許文献1〜3には、高分子材料に磁性粉末や導電性カーボン粉末を配合した組成物を圧延やプレス形成してシート状にしたものが開示されている。しかしこれらは、薄くても重量が重いため、設置に手間がかるなどの施工性、取扱い性の問題や、落下した時の安全性に対する懸念などの問題がある。またそのため、大型化が難しいという問題もある。
また例えば特許文献4には、段ボール構造からなる電波吸収体用シート材が開示されている。しかしこれは、裁断し折り曲げて中空立体構造体に組み立てて電波吸収体として使用することが前提となっており(同文献、請求項11参照。)、用途が異なる。また、電波暗室、すなわち屋内で使用することを前提とするものであり(同文献、段落番号0001参照。)、これをそのまま主に屋外で使用することを前提とする本発明の用途に適用しようとしても、例えば雨に濡れると電波吸収性能が低下したり、場合によってはシート材自体が損傷するという問題があった。
特開2000−151183号公報 特開2003−17888号公報 特開2004−179385号公報 特開2004−253760号公報
本発明の目的は、薄くて軽く、屋外に設置しても雨などの影響を受けずに優れた電波吸収性を維持できる平板型電波吸収体を提供することにある。
すなわち本発明は、中しんおよびライナの少なくとも1層に電気的損失材を含む段ボールまたは段ボールの積層体を、電波透過性を有する防水性シートで被覆したことを特徴とする平板型電波吸収体である。
本発明によれば、軽量で、屋外に設置しても雨などのを受けずに安定した電波吸収性能を維持する電波吸収体を提供することができる。
本発明の平板型電波吸収体は、段ボールまたはその積層体を構成する中しんおよびライナの少なくとも1層に電気的損失材を含むことが重要である。電気的損失材は、電波エネルギーを微少な電流に変換し、さらに熱エネルギーに変換することで電波の減衰作用を行う。
中しんとライナとのうち、電気的損失材は、特に中しんに含ませることが、電波吸収性を効率よく発揮する上で好ましい。
このような電気的損失材としては、導電性繊維が好ましい。繊維形状とすることにより、中しんやライナに直接混抄できるので電気的損失材の塗布のためのバインダー樹脂等を要さず、また、次述するように粒状体よりも電気的損失の効率が高いため電気的損失材の使用量が少なくて済み、平板型電波吸収体として軽量化に資する。またさらに、導電性繊維は、近接する導電性繊維同士が接触して媒質全体に電流が流れることに起因する電波的損失の他に、単独で存在する導電性繊維にも電流を誘起することによる損失が加わる。この現象は原理的には共鳴現象であり、繊維長が媒質内波長の半波長の整数倍で導電性繊維に誘起される電流が大きくなる。すなわち、導電性繊維を電波的損失材にしたときの電波的損失には共鳴現象による損失も加わるので、カーボンブラックのような粒状の損失材のように周波数が高くなるにつれて電波的損失が低下するという現象は生じない。そのため導電性繊維は、低周波からマイクロ波、ミリ波までの広帯域をカバーできるという点でも電波吸収体用損失材として優れている。
導電性繊維としては例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイル、合成繊維の表面を金属および/または金属酸化物薄膜で被覆した繊維等を挙げることができる。また、炭素繊維や炭化ケイ素繊維の通常の焼成温度1000℃以上に対して焼成温度を500〜700℃の低温とすることにより得られる半導体繊維でもよい。
導電性繊維の平均繊維長としては、0.5〜20mmが好ましい。平均繊維長を0.5mmより長くすることで、シートにした際に繊維同士が重なりやすくなり、電波吸収効果を発現することができる。また、平均繊維長を20mmより短くすることで、シート加工時に導電性繊維が折れることなく、少量で加工できるため、シートにした後の後加工が容易となる。
導電性繊維の中しんまたはライナに対する配合量としては、0.08〜20質量%が好ましい。0.08質量%以上とすることで、電波吸収効果が発現でき、20質量%もあれば十分である。
中しんやライナは、難燃性繊維を含んでいることが好ましい。前述のように電波吸収は電波エネルギーを熱エネルギーへ変換して行うものであるので、強い電波が継続的に照射され熱がたまっても発火しないようにしておくことが好ましく、難燃繊維を用いることにより、電波吸収体としての難燃性を向上させることができる。また、難燃性を向上させることにより、住宅や病院など、防火基準が高い場所での使用もできる。
難燃性としては、実施例において後述する、燃焼性試験UL−94安全規格に定める難燃規格VTM−0またはVTM−1を満足するものであることが好ましい。
難燃性繊維としては、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキザゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などを好ましく採用することができる。また、非難燃性の繊維に難燃剤を含む樹脂混合物を含浸などさせて付与すること難燃性繊維としたものも好適に用いることができる。かかる難燃剤としては、環境負荷の大きいハロゲン元素を含まないものであることが好ましく、縮合燐酸エステル、燐酸エステル、芳香族時フォスフェート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび赤リンから選ばれる少なくとも1種であると、添加量が少なくても高い難燃性向上の効果が得られるため好ましい。
中しんやライナは、熱可塑性繊維を含んでいることも好ましい。熱可塑性繊維を用いることで、加熱圧着するだけでシート状に加工することができ、十分溶融させることで導電性繊維をシート内部に強固に保持することができる。また、十分溶融させることで透明度を持ったフィルム状のシートにも成形することができ、透明な平板型電波吸収体とすることで、ビルなどを覆っても外観や日常的な使用への影響を極力抑えることができる。また、中しんやライナから段ボール構造にする際、接着剤を使用せず熱だけでシート同士を接着することができる。
熱可塑性繊維としては例えば、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンなどが好ましい。また鞘部の融点または軟化点を芯部の融点または軟化点よりも低くした芯鞘型複合繊維を用いても良い。
また、熱可塑性繊維に替えて熱可塑性樹脂を使用してもよい。
中しんやライナシートの製造法としては、繊維と水とを混合したスラリーを抄きあげる湿式抄紙法や、繊維を空気中で攪拌混合し、これをシート状に捕集する乾式抄紙法を挙げることができる。また湿式抄紙法と乾式抄紙法とでは、湿式抄紙法が、導電性繊維を傷つることなくその性質を保持したまま均一に抄くことができる点でより好ましい。
これらの抄紙法においては、必要に応じて水酸化アルミニウムなどの無機結合材や、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、パラフィン、アクリル繊維等の有機結合材を添加することも好ましい。結合材を添加することにより、紙の機械的強度が向上しシートとしての形状を保つことができる。さらに中でも水酸化アルミニウムは、耐火性、耐熱性に優れた物質であり、これを添加することで、難燃性を持たせることができるため好ましい。
その他の例として、熱可塑性繊維等を含んでなる複数枚のからなる不織布やフィルムなどのシートの間に導電性繊維を分散させ、加熱圧着または接着剤により接着させて狭持させた不織布としてもよい。また、各種の繊維の短繊維を混合し、ニードルパンチなどを用いて不織布としてもよい。また、セラミックス材料と導電性繊維とを混合してシート化し、段ボール構造体積層体としたものを焼成してセラミック製の段ボール構造積層体としてもよい。
中しんやライナの表面あるいは裏面には、導電性繊維を保護するために、撥水剤などをコーティングしてもよい。
本発明の平板型電波吸収体は、中しんおよびライナから構成される段ボールをシート有する。段ボール構造により、軽量かつ高強度な平板型電波吸収体とすることができ、運搬性や施工性を良好にすることが出来る。
本発明における段ボールを得る方法としては、コルゲータなど、通常の段ボールと同様の製造方法を利用することができる。
段ボールの1段当たりの厚さとしては、1〜5mmが好ましい。1mm以上とすることで軽量かつ高強度な段ボール構造の効果を得ることができ、また5mm以下とすることで内部が空虚な構造となりすぎて強度が低下するのを防ぐことができ、また複数枚の中しんを積層しても嵩張るのを防ぐことができる。
段ボールの構造としては、片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、トリプルウォール等から選択することができる。
また、段ボールまたは段ボールの積層体が、中しん同士またはライナ同士の積層関係において電波入射側に位置する中しんまたはライナの電気的損失材の含有率よりも奥側に位置するものの電気的損失材の含有率が高い関係をその積層関係の少なくとも一部に有することが好ましい。例えば、電波入射側から奥側に向かう段ボールほど電気的損失材の濃度を高くする濃度勾配を設け、電気的損失材の濃度を電波入射側から奥側へ順次高くすることにより、表面での電波の反射をできるだけ抑え、内部の深い部分で吸収するので、より効率的に電波吸収を行うことができる。
また、電波入射側から順次奥側へ段ボールの厚さを小さくするように積層してもよい。このように各段の段ボールの厚さを順次小さくすることにより、上記と同様の濃度勾配をつけ、同様の電波吸収効果を得ることができる。
また、段ボールまたは段ボールの積層体において段方向が互いに交差するような複数の中しんを有することが、平板型電波吸収体としての電波吸収性の等方性を向上させ、曲げに対する強度も向上させることができるため、好ましい。
前述のとおり、中しんとライナとのうち、電気的損失材は特に中しんに含ませることが好ましいが、中しんに電気的損失材を含ませた場合、段ボールまたは段ボールの積層体における最表面や最裏面には、ライナを配することが好ましい。平板のライナを最表面や最裏面に配することによって、波形の中しんを保護し、また中しんに含ませた電気的損失材の脱落等を防ぎ、ひいては段ボールの構造・強度や電波吸収性能を安定して維持することができる。
また、電波入射側を最表面としたとき、その反対側の最裏面には、金属層が設けられていることも好ましい。金属層を設けることにより、電波入射側から入射した電波が段ボールに吸収されきれず反対側の最裏面に到達しても、金属層において反射して再び段ボールに吸収され、被遮蔽物の形状の影響を受けることなく均質な電波吸収性能を得ることができる。
金属層としては例えば、鉄、アルミニウム、銅、あるいは、これらの合金等を用いることができる。このうち、安価で腐食しにくいことからアルミニウムの使用が好ましい。
尚、金属層は、段ボールに直接積層させる形で設けてもよいし、次述する電波透過性を有する防水性シートの外側に設けてもよい。
また、本発明の平板型電波吸収体は、電気的損失材を含む段ボールまたは段ボールの積層体を、電波透過性を有する防水性シートで被覆してなることが重要である。そうすることにより、雨水や塵等による電波吸収性能の劣化や段ボール等の損傷を防ぐことができる。
電波透過性としては、シートの複素比誘電率の実数部εおよび虚数部εがε=1〜10、ε=0〜1であると、入射してきた電波の殆どを段ボールまたはその積層体に到達させることができ、効率よく電波を吸収することができる。
防水性としては、JIS L 1092−1998 耐水度試験A法(低水圧法)において耐水度1000mmHO以上であることが好ましい。
電波透過性を有する防水性シートとしては例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、メタクリル樹脂、EVA樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ乳酸樹脂などを挙げることができる。
電波透過性を有する防水性シートは、光触媒を含むものであることが好ましい。光触媒は光の照射によってその触媒反応を促進させるもので、その超親水効果により、付着した汚れなどを取れやすくしたり、電波吸収体の表面に水滴をつきにくくして、水滴による電波吸収性能の低下を抑制することができる。光触媒としては例えば、酸化チタンなどの金属酸化物やフラーレンなどを好適に用いることができる。また、光触媒に白金、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの金属、酸化ルテニウム、酸化ニッケルなどの金属酸化物を担持させることによって、光触媒の機能を一層高めることも可能である。また、シートやバインダーが光触媒により直接接触して酸化分解を受けて劣化する事を防止する目的で、セラミックスやシリカ、アパタイト等の、光触媒として不活性かつ光触媒によって分解されにくい無機物で上記の光触媒の表面を一部被覆することも好ましい。
光触媒を防水性シートに担持するためのバインダーとしては、バインダー自体から揮発性有機化合物を発生することが少ない、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等が好適に用いられる。
光触媒を防水性シートに付与する方法としては例えば、スプレー法、パイロゾル法、化学気相成長法の様な吹き付け法や、ディップ法、スピンコーティング法、ロールコーティング法等の塗布法がある。
また、電波透過性を有する防水性シートは、抗菌・防かび剤を含むものであることも好ましい。抗菌・防かび剤により、電波吸収体の表面におけるカビの発生を抑制することができ、カビの付着による電波吸収特性低下を防ぐことができ、設置後のメンテナンスも容易となる。有機系の抗菌・防カビ剤としては例えば、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、ニトリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、界面活性剤系、有機金属系が挙げられる。また無機系の抗菌・防カビ剤としては例えば、オゾン系、塩素化合物系、ヨウ素化合物系、過酸化物系、ホウ酸系、イオウ系、カルシウム系、シリコフルオロトナトリウム系、金属イオン系が挙げられる。
また、電波透過性を有する防水性シートは、紫外線吸収剤を含むものであることも好ましい。紫外線吸収剤は、少なくとも波長400nm以下の光エネルギーを吸収し、熱エネルギー、燐光、蛍光等に変換することで、樹脂中の成分の光励起、光化学反応を抑制し、劣化を防止する働きを有する化合物で、これにより、防水性シートおよびその内部の段ボールの紫外線による劣化を防止することができる。紫外線吸収剤としては例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ベンゾエート系等を挙げることができる。
また、電波透過性を有する防水性シートは、撥水剤を含むものであることも好ましい。撥水剤により、電波吸収体表面に水滴がつきにくくなり、水滴による電波吸収性能の低下を抑制することができる。撥水剤としては例えば、ワックス、シリコーン、フッ素化合物等が挙げられる。
防水性シートの厚みとしては、0.05〜1mmが好ましい。0.05mm以上とすることで、外的衝撃等による破損を防ぐことができ、1mm以下とすることで、防水性シートにより電波吸収体の重量が重くなりすぎるのを防ぐことができる。
電波透過性を有する防水性シートもまた、難燃性を有するものであることが好ましい。
本発明の平板型電波吸収体は、電波透過性を有する防水性シートによる被覆の内部が減圧されていることが好ましい。被覆の内部を減圧することで、段ボールまたはその積層体と防水性シートとの間の余分な空気を排除し、電波吸収体が嵩高くなるのを防ぎ、施工性や搬送性の低下を防ぐことができる。減圧手段としては、吸引機などを用いることができる。
本発明の平板型電波吸収体において電波透過性を有する防水性シートを接合する方法としては、接着剤による接着、熱融着等の融着、縫製等から適宜選択することができる。
特に前述のように被覆の内部を減圧する場合には、減圧状態を維持しながら容易に密閉できる融着による接合が好ましい。融着による接合は、段ボールまたはその積層体を防水性シートで覆った周辺部を超音波、加熱などにより溶融することで行うことができる。
また、接着剤を使用する場合は、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤などを用いることができる。
また、縫製により接合する場合、オーバーロック縫い、かがり縫い、平縫い、本縫い等で縫製し、さらに防水性や気密性を保つために、縫製箇所をシール材でシーリングすることも好ましい。
[測定・評価方法]
(1)難燃性
機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験UL−94安全規格における薄手材料垂直燃焼試験に基づき評価した。
シート材料を長さ200mm、幅50mmに切り取った。尚、紙の試料については、抄紙方向を試験試料の長さ方向とし、段ボールの試料については、1段分を測定単位とした。
試験試料は、切断された一端(下部)から125mmの所で、試料の幅を横切って標線を入れた。試料の縦軸を直径12.7±0.5mmのマンドレルの縦軸に固く巻き付けて、125mmの標線が外側に出た、長さ200mmの巻かれた円筒になるようにした。試料の外にはみ出た縁は、125mmの標線(筒の上部)の上方75mmの間で粘着テープにより固定した。そしてマンドレルを引き抜いた。これを1組の試料につき5枚ずつ準備した。
次いで、試料の縦軸を垂直にして、上端の長さ6mmの位置でクランプに固定した。ただし、筒の上端が閉じて試験中に煙突効果を生じないようにした。また、試料の下端は標識用脱脂綿から300mm上にあるようにした。
バーナーへのガスの供給とバーナーの空気入口を調節して、20±1mmの先の黄色な青い炎が出るようにした。そして先の黄色がちょうど消えるまで空気の供給を増やした。再度炎の高さを測って、必要に応じて再調節した。
炎は、試料の巻かれていない方の下方の中心線を中心にあて、バーナーの先端は試料の下端のその点から10±1mm下にあるようにし、その距離で3±0.5秒間接炎し、炎を遠ざけて残炎時間t1を測定した。残炎が消滅した時点で、再びバーナーを試料の下に持ってきて、3±0.5秒間接炎し、炎を遠ざけて残炎時間t2及び残燼時間t3を測定した。
次表の基準条件に従い、VTM−0、VTM−1、VTM−2または不適合に分類した。
Figure 2007066949
(2)電波吸収特性
大きさ30cm×30cmで厚さ1mm厚さのアルミニウム板に垂直に電波を当てた時の反射レベル(単位:dB)と平板型電波吸収体に同様に電波を当てた時の反射レベル(単位:dB)との差から求めた。測定には、アジレントテクノロジー(株)製のネットワークアナライザーを使用した。
(3)電波吸収体内部への水の侵入試験
縦50cm×横50cm×高さ60cmの大きさの水槽に水を入れ、その中の深さ10cmに平板型電波吸収体を完全に浸けて12時間静置した後、平板型電波吸収体の防水性シート内部への水の浸入を目視で確認した。
[実施例1]
(抄紙)
シートA
以下の材料を以下の質量比で混合して湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量100g/mの、電気的損失材を含むシートAを得た。
平均繊維長3mmの炭素繊維: 0.8
チョップドガラス繊維 :50
アラミドパルプ : 9.2
水酸化アルミニウム :40 。
シートB
以下の材料を以下の質量比で混合して湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量100g/mの、電気的損失材を含むシートBを得た。
平均繊維長6mmの炭素繊維: 0.3
チョップドガラス繊維 :50
アラミドパルプ : 9.7
水酸化アルミニウム :40 。
シートC
以下の材料を以下の質量比で混合して湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量100g/mの、電気的損失材を含むシートCを得た。
平均繊維長3mmの炭素繊維: 0.1
チョップドガラス繊維 :50
アラミドパルプ : 9.9
水酸化アルミニウム :40 。
シートD
以下の材料を以下の質量比で混合して湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量100g/mの、電気的損失材を含まないシートDを得た。
チョップドガラス繊維 :50
アラミドパルプ :10
水酸化アルミニウム :40 。
(段ボールの作製)
段ボールE
コルゲータを用いて、シートAを段高さ2.5mmの中芯(中芯Aと呼ぶ。)にコルゲート加工した。また、シートDをライナ(ライナDと呼ぶ。)に使用し、デンプン系接着剤を段ボール1mあたり2.5g用いて片面段ボールEを作製した。段ボールEの難燃性は、JIS A 1322試験で防炎1級、UL−94薄手材料垂直燃焼試験でVTM−0クラスであった。
段ボールF
コルゲータを用いて、シートBを段高さ2.5mmの中芯(中芯Bと呼ぶ。)にコルゲート加工した。また、シートDおよびシートCをライナ(それぞれ、ライナD、ライナCと呼ぶ。)に使用し、デンプン系接着剤を段ボール1mあたり2×2.5g用いて両面段ボールFを作製した。段ボールFの難燃性は、JIS A 1322試験で防炎1級、UL−94薄手材料垂直燃焼試験でVTM−0クラスであった。
(段ボールの積層体の作製)
段ボールEを30cm×30cmに裁断したものを2枚採取した。また、段ボールFを30cm×30cmに裁断したものを1枚採取した。
裁断した段ボールE2枚を、ライナD/中芯A/ライナD/中芯Aの順で、かつ、隣り合う段ボールの段方向が互いに交差するようにして積層し、積層面間を段ボール1mあたり2.5gのデンプン系接着剤を用いて接着した。
更に、積層した段ボールE2枚の上に段ボールE1枚を、段ボールE2枚(ライナD/中芯A/ライナD/中芯A)/段ボールF(ライナD/中芯B/ライナC)の順で、かつ、隣り合う段ボールの段方向が互いに交差するようにして積層し、積層面間を段ボール1mあたり2.5gのデンプン系接着剤を用いて接着した。
(電波透過性を有する防水性シートによる被覆)
電波透過性を有する防水性シートとして、PP系/EVA系/PP系の3層構造からなる厚み0.2mmのフィルム(オカモト株式会社製エコロフィン(R)スーパートーメー)を用いた。
このフィルムを32cm×32cmに裁断したものを2枚採取した。
採取した2枚のフィルムを重ね合わせ、その正方形の3辺を、高周波ウェルダー装置にて破線状の間隔なく接着し、袋状物を作製した。
前記袋状物の中に上記で得た段ボールの積層体を挿入し、袋内の空気を吸引してから残る1辺を先の3辺と同様にして接着した。
(金属層の設置)
段ボールの積層体:段ボールE2枚(ライナD/中芯A/ライナD/中芯A)/段ボールF(ライナD/中芯B/ライナC)における、最外側の段ボールEのライナD側に、電波透過性を有する防水性シートの上から、厚み0.5mmのアルミニウム板を貼り付け金属層を設置した。
(平板型電波吸収体の評価)
得られた平板型電波吸収体について、段ボールの積層体における、最外側の段ボールFのライナC側を電波入射側として、7〜12GHzにおける電波吸収特性を測定した。その結果、20dB以上の電波吸収性能が周波数8.5GHzを中心に帯域巾2.8GHzにわたり得られた。また、電波吸収体内部への水の侵入試験を行ったところ、水の浸入は無かった。また、電波吸収体内部への水の浸入試験の前後で、20dB以上の電波吸収性能が周波数8.5GHzを中心に帯域巾2.8GHzにわたり得られた点に変化はなかった。また、単位面積当たりの質量は0.7kg/mと、非常に軽量なものであった。
[比較例1]
(抄紙・段ボールの作製・段ボールの積層体の作製)
抄紙・段ボールの作製・段ボールの積層体の作製については、実施例1と同様にして行った。
(電波透過性を有する防水性シートによる被覆)
電波透過性を有する防水性シートによる被覆は行わなかった。
(金属層の設置)
段ボールの積層体:段ボールE2枚(ライナD/中芯A/ライナD/中芯A)/段ボールF(ライナD/中芯B/ライナC)における、最外側の段ボールEのライナD側に、直接、厚み0.5mmのアルミニウム板を貼り付け金属層を設置した。
初期の電波吸収特性については実施例1と同様の性能を得ることができたものの、電波吸収体内部への水の浸入試験を行ったところ、水により形状が崩れてしまった。また、電波吸収体内部への水の浸入試験後の電波吸収特性については、7〜12GHzの周波数領域にわたり、20dB以上の電波吸収特性は得られなかった。
[比較例2]
磁性粉末を配合した厚さ2.2mmのゴムシート(TDK社製 IR−K090)は、実施例1で得られた平板型電波吸収体と同等の電波吸収特性を有するものの、単位面積当たりの質量が5.2kg/mと、実施例1で得られた平板型電波吸収体の7.5倍もの質量であった。

Claims (4)

  1. 中しんおよびライナの少なくとも1層に電気的損失材を含む段ボールまたは段ボールの積層体を、電波透過性を有する防水性シートで被覆したことを特徴とする平板型電波吸収体。
  2. 電気的損失材が導電性繊維である、請求項1に記載の平板型電波吸収体。
  3. 段ボールまたは段ボールの積層体が、中しん同士またはライナ同士の積層関係において電波入射側に位置する中しんまたはライナの電気的損失材の含有率よりも奥側に位置するものの電気的損失材の含有率が高い関係をその積層関係の少なくとも一部に有する、請求項1または2に記載の平板型電波吸収体。
  4. 段ボールまたは段ボールの積層体において段方向が互いに交差するような複数の中しんを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の平板型電波吸収体。
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