JPWO2016204162A1 - 導電性接着剤、導電性構造体、及び電子部品 - Google Patents

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Abstract

導電性の低下や抵抗のばらつきを抑制できる導電性接着剤、導電性構造体、及び電子部品を提供する。導電性接着剤は、(A)架橋性ケイ素基を有する有機重合体と、(B)導電性フィラーと、(C)還元剤とを含有する。

Description

本発明は、導電性接着剤、導電性構造体、及び電子部品に関する。特に、本発明は、低温で硬化可能であり、還元作用を有する導電性接着剤、導電性構造体、及び電子部品に関する。
従来、銀微粒子と、銀レジネートと、バインダ樹脂と、溶剤とを含有する導電性接着剤であって、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が0.2〜1.6wt%である導電性接着剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の導電性接着剤によれば、低い温度で熱処理した場合でも低い抵抗率の導電膜を得ることができる。
特開2012−150920号公報
しかし、特許文献1に記載されている導電性接着剤等を用いて導電膜を形成する場合、この導電膜が接触する対象である金属表面に酸化膜が形成されていると、導電性の低下や金属表面の位置によって抵抗にばらつきが生じる場合がある。
したがって、本発明の目的は、導電性の低下や抵抗のばらつきを抑制できる導電性接着剤、導電性構造体、及び電子部品を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、(A)架橋性ケイ素基を有する有機重合体と、(B)導電性フィラーと、(C)還元剤とを含有する導電性接着剤が提供される。
また、上記導電性接着剤において、(C)還元剤が、アルデヒド化合物、ギ酸化合物、及びフェノール系化合物からなる群から選択される1種類以上の化合物を含むこともできる。
また、上記導電性接着剤において、(B)導電性フィラーが、複数種類の導電性フィラーを含むこともできる。
また、上記導電性接着剤は、少なくとも80℃の温度雰囲気で硬化可能である。
また、上記導電性接着剤において、(C)還元剤が、導電性接着剤が接する対象物の表面を、導電性接着剤が硬化する際に還元することができる。
また、本発明は上記目的を達成するため、上記のいずれか1つに記載の導電性接着剤を硬化して得られる導電性構造体が提供される。
また、本発明は上記目的を達成するため、上記のいずれか1つに記載の導電性接着剤が硬化した導電性構造体を有する電子部品が提供される。
本発明に係る導電性接着剤、導電性構造体、及び電子部品によれば、導電性の低下や抵抗のばらつきを抑制できる導電性接着剤、導電性構造体、及び電子部品を提供できる。
[導電性接着剤の概要]
本発明に係る導電性接着剤は、電気導電性(以下、「導電性」と表す場合がある。)を有する部材の接着用途、又は導電性を有する部材の形成等に用いられる。例えば、本発明に係る導電性接着剤は、ICチップ、半導体素子、チップ部品、及び/又はディスクリート部品等の電力が供給されることで所定の機能を発揮する電子部品を、プリント基板の回路や所定のデバイスの電極に電気的導通を確保しつつ固定する用途に用いられる。また、導電性接着剤を硬化させることにより得られる導電性構造体は、例えば、配線、回路パターン、バンプ、及び/又は電極材料等として用いることもできる。更に、導電性構造体は、例えば、電子部品を構成する配線、回路パターン、バンプ、及び/又は電極等として用いることもできる。
そして、導電性接着剤は、対象物の表面(例えば、半導体素子の電極の表面)に接触した状態で硬化する場合に、この表面を還元しつつ硬化する。この場合において導電性接着剤は、80℃程度の低温で硬化する。したがって、本発明に係る導電性接着剤は、例えば、対象物の表面に自然酸化膜等の酸化膜が存在していた場合であっても、この酸化膜を除去しつつ低温で硬化するので、熱による損傷を対象物に与えることを抑制できると共に、導電性の低下や対象物の表面の位置による抵抗のばらつきを抑制できる。
[導電性接着剤の詳細]
本発明に係る導電性接着剤は、少なくともはんだ等のリフロー温度(例えば、260℃程度)やエポキシ樹脂系組成物の硬化温度(例えば150℃以上200℃以下程度)より低温(例えば、80℃程度)で硬化すると共に対象物の表面を還元できる導電性接着剤であって、(A)架橋性ケイ素基を有する有機重合体と、(B)導電性フィラーと、(C)還元剤とを含有する。
(有機重合体:(A)成分)
架橋性ケイ素基を有する有機重合体としては、架橋性ケイ素基を有し、かつ、主鎖骨格が、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体、及び(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される1種類以上を含む有機重合体が用いられる。
有機重合体が有する架橋性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有する基であって、架橋性ケイ素基の水酸基又は加水分解性基が他の架橋性ケイ素基の水酸基又は加水分解性基との間でシロキサン結合を形成することで架橋し得る基である。シロキサン結合を形成した状態は、例えば、下記の一般式(1)で表される。
一般式(1)において、Rは、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数3以上20以下のシクロアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数7以上20以下のアラルキル基、又はR SiO−(Rは前記と同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基を示す。Rが2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Xは水酸基、又は加水分解性基を示す。Xが2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、0≦a≦3、0≦b≦2、及び0≦n≦19(ただし、a、b、及びnは整数)を満たす。ただし、a+(bの和)≧1を満足するものとする。また、一般式(1)を構成するn個の下記一般式(2)の部分のそれぞれにおいて、bは同一でなくてもよい。
有機重合体が有する加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1個以上3個以下の範囲で結合でき、a+(bの和)は1以上5以下の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性ケイ素基中に2個以上結合する場合は、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。架橋性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上でもよい。ここで、有機重合体にシロキサン結合等により連結されたケイ素原子が存在する場合、架橋性ケイ素基を形成するケイ素原子は20個程度、存在していてもよい。
架橋性ケイ素基としては、下記一般式(3)で表される架橋性ケイ素基が、入手の容易性の観点から好ましい。
一般式(3)において、R、X、aは一般式(1)と同じである。ここで、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、若しくはR SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が好ましい。
また、Xで示される加水分解性基としては、各種の加水分解性基が挙げられる。具体的に加水分解性基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、及びアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が更に好ましい。一例として、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からは、アルコキシ基を用いることが好ましい。アルコキシ基においては炭素数が少ない基の方が反応性が高くなるので、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなる順で反応性が低下する。したがって、導電性接着剤の使用目的、及び/又は使用用途に応じて適切な加水分解性基を選択する。
更に、一般式(3)で示される架橋性ケイ素基において、導電性接着剤の硬化性を向上させる観点からは、aは2以上であることが好ましく、aが3であることがより好ましい。
架橋性ケイ素基の具体的な構造としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、−Si(OR)、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基、−SiR(OR)等が挙げられる。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。また、架橋性ケイ素基は1種類のみ用いることも2種類以上併用することもできる。架橋性ケイ素基は、主鎖若しくは側鎖のいずれかに存在するか、又は主鎖及び側鎖の双方に存在する。そして、架橋性ケイ素基を構成するケイ素原子は1個以上である。また、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子を含む場合には、架橋性ケイ素基を構成するケイ素原子は20個以下であることが好ましい。
架橋性ケイ素基を有する有機重合体は、直鎖状であるか、又は分岐を有することができる。有機重合体の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)におけるポリスチレン換算において500以上100,000以下程度、より好ましくは1,000以上50,000以下であり、特に好ましくは3,000以上30,000以下である。導電性接着剤が硬化して得られる導電性構造体の伸び特性の観点からは数平均分子量は500以上が好ましく、導電性接着剤の良好な作業性を確保する観点からは数平均分子量は100,000以下であることが好ましい。
有機重合体中に含有される架橋性ケイ素基の数は特に制限はないが、強度が高く高伸びで、低弾性率のゴム状の導電性構造体を得ることを目的として、有機重合体1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1.1個以上5個以下存在することが好ましい。導電性接着剤の硬化性を確保すると共に、導電性接着剤が硬化して得られる導電性構造体の良好なゴム弾性挙動を発揮させることを目的として、有機重合体に含まれる架橋性ケイ素基の数は、平均して1個以上であることが好ましい。
なお、架橋性ケイ素基は、有機重合体鎖の主鎖の末端、若しくは側鎖の末端のいずれに存在していてもよい。また、架橋性ケイ素基は、有機重合体鎖の主鎖の末端及び側鎖の末端の双方に存在していてもよい。特に、架橋性ケイ素基が分子鎖の主鎖の末端のみにある場合、最終的に形成される導電性構造体としての硬化物に含まれる有機重合体成分の有効網目長が長くなるので、高強度であると共に高伸びであり、かつ、低弾性率を示すゴム状の導電性構造体が得られやすくなる。
有機重合体として用いられる架橋性ケイ素基を含有するポリオキシアルキレン系重合体としては、下記一般式(4)で示される繰り返し単位を有する重合体が挙げられる。
−R−O− ・・・(4)
一般式(4)中、Rは炭素数が1以上14以下の直鎖状若しくは分岐アルキレン基であり、炭素数が1以上14以下、好ましくは2以上4以下の直鎖状若しくは分岐アルキレン基が好ましい。
一般式(4)で示される繰り返し単位の具体例としては、例えば、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位から構成されていても、2種類以上の繰り返し単位から構成されていてもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、KOH等のアルカリ触媒による重合法が挙げられる。一例として、有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる有機アルミ−ポルフィリン錯体触媒による重合法、複金属シアン化物錯体触媒による重合法等が挙げられる。なお、有機アルミ−ポルフィリン錯体触媒による重合法や複金属シアン化物錯体触媒による重合法を用いた場合、数平均分子量が6,000以上で、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.6以下の高分子量であり分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体を合成できる。
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、ウレタン結合成分等の他の成分を含むこともできる。ウレタン結合成分としては、例えば、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体との反応から得られる成分を挙げることができる。
なお、分子中に不飽和基、水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性ケイ素基を有する化合物を反応させることにより、ポリオキシアルキレン系重合体中に架橋性ケイ素基を導入できる(以下、高分子反応法という)。
高分子反応法の具体例としては、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体に架橋性ケイ素基を有するヒドロシランや架橋性ケイ素基を有するメルカプト化合物を作用させてヒドロシリル化反応やメルカプト化反応を進行させ、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得る方法が挙げられる。不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体は、水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を有する活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させることで合成できる。
また、高分子反応法の他の具体例としては、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体とイソシアネート基及び架橋性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法や、末端にイソシアネート基を有するポリオキシアルキレン系重合体と水酸基やアミノ基等の活性水素基及び架橋性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法が挙げられる。イソシアネート化合物を用いると、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を容易に合成できる。
上述した架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で用いることも、2種類以上併用することもできる。
ここで、有機重合体として用いられる架橋性ケイ素基を含有する飽和炭化水素系重合体は、炭素−炭素不飽和結合(ただし、芳香環は除く)を実質的に含有しない重合体であり、その骨格を構成する重合体は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等の炭素数が2以上6以下のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させて得ることができる。また、当該骨格を構成する重合体は、ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物を単独重合させるか、若しくはジエン系化合物と上述のオレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する等の合成法により得ることができる。そして、末端へ官能基を導入しやすくすること、分子量を制御しやすくすること、及び/又は末端官能基の数を増加させることを目的とする場合、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体を用いることが好ましく、イソブチレン系重合体を用いることが特に好ましい。
なお、主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体である場合、耐熱性、耐候性、耐久性、及び/又は湿気遮断性に優れた導電性接着剤を得ることができる。
イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、他の単量体との共重合体でもよい。また、イソブチレン系重合体は、優れたゴム特性を発揮させることを目的とする場合、イソブチレンに由来する繰り返し単位を50質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上99質量%以下含有することが特に好ましい。
飽和炭化水素系重合体の合成法としては、各種の重合方法を用いることができる。また、飽和炭化水素系重合体の合成法としては、リビング重合法を用いることもできる。飽和炭化水素系重合体、特にイソブチレン系重合体の場合、イニファー重合法を用いることもできる。イニファー重合法を用いる場合、500以上100,000以下程度の分子量を有するイソブチレン系重合体を、分子量分布1.5以下で容易に重合でき、かつ、分子末端に各種官能基を導入することができる。
架橋性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法としては特に限定されない。各種の製法を採用することができる。そして、架橋性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で用いることも2種類以上併用することもできる。
架橋性ケイ素基を有する有機重合体として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては各種のモノマーを用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルジエトキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共に、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマー及び/又はビニル系モノマーは、単独で用いることも複数種類のモノマーを共重合させることもできる。特に、生成物の良好な物性等を確保する観点からは、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる重合体を用いることが好ましい。アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーからなる(メタ)アクリル系重合体がより好ましく、アクリル酸エステルモノマーからなるアクリル系重合体が特に好ましい。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させてもよく、その場合、これらの好ましいモノマーが質量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお、例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、及び/又はメタクリル酸を表す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体のガラス転移温度Tには特に制限はなく、高Tタイプと低Tタイプとのいずれも用いることができる。なお、導電性接着剤の接着性の観点からは、高Tタイプの(メタ)アクリル酸エステル系重合体を用いることが好ましく、この場合、Tは10℃以上180℃以下が好ましく、20℃以上120℃以下がより好ましい。また、この範囲のTを有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とこの範囲外のTを有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とを併用することもできる。なお、Tは下記式(I)により算出される計算ガラス転移温度である。
式(I)において、Tは架橋性ケイ素基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の計算ガラス転移温度、Wは単量体i(ただし、架橋性ケイ素基含有化合物を除く)の重量分率、Tgiは単量体iのホモポリマーのガラス転移温度を示す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成法としては、各種の合成法が挙げられる。ここで、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いるフリーラジカル重合法を用いた場合は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、高粘度の重合体が合成される。したがって、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を合成することを目的とする場合、リビングラジカル重合法を用いることが好ましい。なお、架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で用いることも2種類以上併用することもできる。
架橋性ケイ素基を有する有機重合体は、単独で用いることも2種類以上併用することもできる。例えば、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、架橋性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体、及び架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される2種類以上の重合体をブレンドして得られる有機重合体を用いてもよい。
架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とをブレンドして得られる有機重合体の製造方法は、様々な製造方法を用いることができる。一例として、架橋性ケイ素基を有し、分子鎖が実質的に下記一般式(5)で表される炭素数が1個以上8個以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、及び下記一般式(6)で表される炭素数が10個以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を混合する製造方法を用いることができる。
−CH−C(R)(COOR)− (5)
−CH−C(R)(COOR)− (6)
一般式(5)において、Rは水素原子、又はメチル基を示し、Rは炭素数が1個以上8個以下のアルキル基を示す。一般式(5)のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数が1個以上8個以下、好ましくは1個以上4個以下、更に好ましくは1個以上2個以下のアルキル基が挙げられる。なお、Rが複数存在する場合、Rのアルキル基は1種類でも2種類以上混合していてもよい。
一般式(6)において、Rは上記と同じであり、Rは炭素数が10以上のアルキル基を示す。一般式(6)のRとしては、例えば、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素数が10個以上、好ましくは炭素数が10個以上30個以下、より好ましくは10個以上20個以下の長鎖のアルキル基が挙げられる。なお、Rが複数存在する場合、Rの場合と同様に、1種類でも2種類以上混合していてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の分子鎖は実質的に一般式(5)及び一般式(6)の単量体単位を含んで構成される。ここで、「実質的に」とは、この共重合体中に存在する一般式(5)及び一般式(6)の単量体単位の合計が50質量%を超えることを意味する。一般式(5)及び一般式(6)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。また、一般式(5)の単量体単位と一般式(6)の単量体単位の存在比は、質量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40が更に好ましい。この共重合体に含有されていてもよい一般式(5)及び一般式(6)を除く他の単量体単位としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
なお、架橋性ケイ素官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をブレンドして合成される有機重合体の製造方法としては、架橋性ケイ素基を有する有機重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合させる方法を用いることもできる。
(導電性フィラー:(B)成分)
導電性フィラーとしては、炭素粒子、又は銀、銅、ニッケル、金、スズ、亜鉛、白金、パラジウム、鉄、タングステン、モルブデン、はんだ等の金属粒子若しくは合金粒子、又はこれらの粒子表面を金属等の導電性コーティングで覆って調製した粒子等の導電性粒子を用いることができる。また、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、若しくはベンゾグアナミン樹脂から構成される非導電性粒子であるポリマー粒子、又はガラスビーズ、導電性接着剤、黒鉛、若しくはセラミックから構成される無機粒子の表面に金属等の導電性コーティングを施して得られる導電性粒子を用いることもできる。
導電性フィラーの形状としては、種々の形状(例えば、球形状、楕円、円筒形、フレーク、針状、樹脂状、ウィスカー、平板、粒塊、粒状、結晶、又はアシキュラー状等)を採用できる。なお、フレーク状とは、扁平状、薄片状、又は鱗片状を含み、球状や塊状等の立体形状の導電性フィラーを一方向に押し潰した形状である。また、粒状とは、フレーク状を除く他の形状を意味する形状であり、例えば、ブドウの房状に粉体が凝集した形状、略球状、塊状等、又はこれらの形状を有する銀粉の混合物等が挙げられる。
導電性フィラーは、やや粗いか、又はぎざぎざの表面を有することもできる。導電性フィラーの形状は特に制限されない。導電性フィラーの粒子形状、大きさ、及び/又は硬度を組み合わせて導電性接着剤で用いることができる。また、形成される導電性構造体の導電性をより向上させることを目的として、導電性フィラーの粒子形状、大きさ、及び/又は硬度が互いに異なる複数種類の導電性フィラーを組み合わせることが好ましい。一例として、粒状の導電性フィラーとフレーク状の導電性フィラーとを混合して用いることが好ましい。なお、組み合わせる導電性フィラーは2種類に限られず、3種類以上であってもよい。また、導電性フィラーの大きさは、製造する導電性構造体の大きさ以下であることが好ましい。
ここで、導電性フィラーとしては、一例として、銀から主として構成される導電性フィラーを用いることができる。例えば、導電性フィラーとして、銀製の導電性フィラー(例えば、銀粉)、又は複数種類の銀製の導電性フィラーを用いることができる。具体的に、導電性フィラーとして銀粉を用いる場合、導電性接着剤に含有される銀粉は、それぞれ所定の比表面積及びタップ密度を有する第一の銀粉(b1)と第二の銀粉(b2)とを含む。(b1)と(b2)との混合割合[(b1)/(b2)]は、質量比で1/10〜10/1であり、1/4〜4/1が好ましく、3/2〜4/1がより好ましい。
また、第一の銀粉(b1)の比表面積は0.5m/g以上2m/g未満、好ましくは1.0m/g以上2.0m/g未満であり、タップ密度は2.5g/cm以上6.0g/cm以下、好ましくは3.0g/cm以上5.0g/cm以下である。また、第一の銀粉(b1)の50%平均粒径は、1μm以上15μm以下が好適である。なお、銀粉の比表面積はBET法(気体吸着法)により測定でき、タップ密度はJISK5101−1991の20.2タップ法に準じた方法により測定できる。また、50%平均粒径は、レーザー回析散乱式粒度分布測定法により測定される体積累積50%における粒径を意味する。
第一の銀粉(b1)の形状は特に制限はなく、フレーク状、粒状等の種々の形状を用いることができる。第一の銀粉としてはフレーク状銀粉が好適である。
第二の銀粉(b2)の比表面積は2m/g以上7m/g以下、好ましくは2.0m/g以上3.0m/g以下であり、タップ密度は1.0g/cm以上3.0g/cm以下である。また、第二の銀粉(b2)の50%平均粒径は、0.5μm以上3.0μm以下が好適である。
第二の銀粉(b2)の形状は特に制限はなく、フレーク状、粒状等の種々の形状を用いることができる。第二の銀粉としては粒状銀粉が好適である。すなわち、第一の銀粉の形状と第二の銀粉の形状とは互いに相違する。
銀粉の製造方法は、様々な製造方法を用いることができる。例えば、銀粉としてのフレーク状銀粉は、一例として、球状銀粉、塊状銀粉、粒状銀粉等の銀粉をジェットミル、ロールミル、又はボールミル等の装置を用いて機械的に粉砕等することで製造できる。また、銀粉としての粒状銀粉は、一例として、電解法、粉砕法、熱処理法、アトマイズ法、又は還元法等を用いて製造できる。なお、タップ密度の低い導電性フィラーとしての粉末を製造することを目的とする場合、還元方法を制御することができる還元法を用いることが好ましい。
銀粉の含有率は、導電性接着剤の全量に対し、65質量%以上85質量%以下であり、70質量%以上80質量%以下がより好ましい。十分な導電性を有する導電性接着剤、及び導電性構造体を製造することを目的として、銀粉の含有率は65質量%以上であることが好ましく、導電性接着剤の十分な接着性と作業性とを確保することを目的として、銀粉の含有率は85質量%以下にすることが好ましい。
(還元剤:(C)成分)
導電性接着剤は、還元剤を含有する。還元剤は、導電性接着剤が接する対象物の表面を、導電性接着剤が硬化する際に還元する。本発明に係る導電性接着剤は低温で硬化するので、還元剤も低温で還元作用を発揮する化合物である。具体的に、導電性接着剤は、アルデヒド化合物、ギ酸化合物、及びフェノール系化合物からなる群から選択される1種類以上の還元剤を含有する。
アルデヒド化合物としては、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、p−メトキシアルデヒド等の芳香族アルデヒド、若しくはプロピオンアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、グリオキサール等の脂肪族アルデヒド等、各種のアルデヒド化合物が挙げられる。良好な分散性や取扱いの容易性を確保する観点から、常温環境下(23℃)で液状の還元剤を用いることが好ましい。また、アルデヒド化合物の長期的な安定性の確保を考慮した場合、1級アミンとの縮合物であるアルジミン化合物として用いることが好ましい。
ギ酸化合物としては、各種のギ酸化合物を用いることができる。ここで、ギ酸化合物の長期的な安定性、若しくはギ酸化合物を含有する導電性接着剤の安定性を向上させる観点からは、ギ酸プロピル、ギ酸イソアミル、ギ酸ペンチル、ギ酸フェニル等のギ酸エステル化合物を用いることが好ましい。
フェノール系化合物としては、カテコール、レゾルシノール、p−ハイドロキノン、ピロカテコール、カテコールアミン等が挙げられる。本発明では、特に限定されないものの、有機重合体への良好な相溶性を確保し、常温で液状若しくは液状化しやすい融点(つまり、低融点)を有する低分子量のフェノール系化合物を用いることが好ましい。
なお、還元剤として、ヒドラジン化合物、アジピン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド等を用いることもできる。ただし、これらの還元剤は融点が高いので、低温における導電性接着剤の還元作用を十分に発揮させることを目的とする場合、アルデヒド化合物、ギ酸化合物、及び/又はフェノール系化合物を用いることが好ましい。
還元剤は、例えば、架橋性ケイ素基を有する有機重合体100質量部に対し、1質量部以上5質量部以下が好ましく、2質量部以上4質量部以下であることがより好ましい。
(腐食防止剤)
導電性接着剤は、腐食防止剤を更に含有することができる。腐食防止剤は、導電性接着剤が接触する対象である金属材料(例えば、電子デバイスの電極やプリント基板の回路パターン等)の腐食を防止する。
腐食防止剤としては、1,10−フェナチオジン、フェノチアジン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ジシアンジアミド、3−イソプロピルアミノ−1−ブチン、プロパルギルキノリニウムブロミド、3−ベンジルアミノ−1−ブチン、ジプロパルギルエーテル、ジプロパルギルチオエーテル、プロパルギルカプロエート、ジアミノヘプタン、フェナントロリン、アミン、ジアミン、トリアミン、ヘキサメチレンイミド、デカメチレンイミド、ヘキサメチレンイミンベンゾエート、ヘキサメチレンイミン−3,5−ジニトロベンゾエート、イソシアヌレート、ヘキサメチレンテトラミン、d−オキシミノ−b−ビニルキヌクリジン、アニリン、6−N−エチルプリン、1−エチルアミノ−2−オクタデシルイミダゾリン、モルホリン、エタノールアミン、アミノフェノール、2−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、ピリジン及びその誘導体、キノリン及びその誘導体、アクリジン、イミダゾール及びその誘導体、トルイジン、メルカプタン、チオフェノール及びその誘導体、スルフィド、スルホキシド、チオホスフェート、チオウレア、及びピペリジン、並びにこれら化合物から選択される複数種類の化合物の混合物等が挙げられる。
(マイグレーション防止剤)
導電性接着剤は、マイグレーション防止剤を更に含有することができる。マイグレーション防止剤は、導電性フィラーを構成する金属成分の導電性接着剤が接触する対象への拡散を抑制若しくは防止する。例えば、導電性フィラーが銀を含んで構成される場合、マイグレーション防止剤は銀成分の接触対象物への拡散を抑制若しくは防止する。
(シリカ)
導電性接着剤は、有機重合体、導電性フィラー、及び還元剤に加え、導電性接着剤の導電性の安定性を向上させるシリカを更に含有できる。
具体的に、導電性接着剤は、所定の表面処理剤により疎水化処理された疎水性シリカ、及び親水性シリカからなる群から選択される1種類以上のシリカを更に含有してもよい。シリカは、導電性構造体を薄膜状に形成することや微小サイズの形状に形成することを考慮した場合、シリカ微粉末が好ましい。この場合、シリカ微粉末は、7nm以上16nm以下の平均粒径を有することが好ましく、7nm以上14nm以下の平均粒径を有することがより好ましい。
親水性シリカとしては、様々な親水性シリカを用いることができる。親水性シリカとしては、表面にシラノール基(Si−OH基)を有するヒュームドシリカが好ましい。親水性シリカを用いることにより、導電性接着剤の粘度を上昇させずにフロー性を確保しながらブリードを防止できる。フロー性を有する導電性接着剤は、フロー性を要求される用途、例えば、基板へスクリーン印刷方式で塗布し、50μm程度の薄膜でパターン形成する用途等に用いられる。
疎水性シリカとしては、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、(メタ)アクリルシラン、オクチルシラン(例えば、トリメトキシオクチルシラン等)、及びアミノシランからなる群から選択される1種類以上の表面処理剤により疎水化処理された疎水性シリカが用いられる。導電性接着剤に所定の表面処理剤で疎水化処理を施した疎水性シリカを添加することで、導電性接着剤の吐出性、及び/又は導電性接着剤により形成された形状を保持しながらブリードを防止できる。形状保持性を有する導電性接着剤は、形状保持性を要求される用途、例えば、基板へスクリーン印刷方式で塗布し、所定のパターンを形成する場合において、100μm以上の膜厚が要求される場合、及び/又ははんだによる接続部分を導電性接着剤で代替する場合等に適している。
表面処理剤によるシリカ表面の疎水化処理方法には様々な方法を選択できる。例えば、未処理のシリカに所定の表面処理剤を噴霧する方法、又は未処理のシリカと気化させた表面処理剤とを混合して加熱処理する方法等が挙げられる。なお、この疎水化処理は窒素雰囲気下の乾式で実行することが好ましい。
導電性接着剤における親水性シリカ、及び/又は疎水性シリカの導電性接着剤に対する配合割合に特に制限はない。例えば、有機重合体100質量部に対して3質量部以上20質量部以下添加することが好ましく、5質量部以上10質量部以下添加することがより好ましい。なお、導電性接着剤には、1種類のシリカのみ添加することも、2種類以上のシリカを添加することもできる。
(アミン化合物)
導電性接着剤は、一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物や、水と反応して当該アミン化合物を生成する化合物を更に含むことができる。この場合、導電性接着剤の対象物に対する接着性を向上させることができる。アミン化合物の製造方法は特に限定されず、公知の製法を採用できる。
一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物としては、例えば、一般式(7)で示される化合物が挙げられる。
一般式(7)において、0≦n≦2(ただし、nは整数)を満たし、nは0又は1が好ましい。また、R及びRは、互いに同一、若しくは異なる官能基であってよい。例えば、R及びRはそれぞれ、炭素数が1個以上4個以下の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基等が好ましく、特にアルキル基が好ましい。Rは炭素数が1個以上10個以下の炭化水素基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、アルキレンアリーレン基等が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。Zは、水素原子、又は炭素数が1個以上4個以下のアミノアルキル基である。
一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物としては、一例として、下記式(8)〜(15)で示される化合物や、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類等を挙げることができる。これらの中では、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が、導電性接着剤の接着性を向上させる観点から特に好ましい。
水と反応して一般式(7)で示されるアミン化合物を生成する化合物としては、具体的には、原料入手の容易性、貯蔵安定性の良好性、水との反応性等の観点から、一分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物のケチミン化合物、エナミン化合物、及び/又はアルジミン化合物等が挙げられる。ケチミン化合物、エナミン化合物及びアルジミン化合物はそれぞれ、一分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有する一般式(7)で示されるアミン化合物とカルボニル化合物との脱水反応により製造できる。
このようなカルボニル化合物としては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−アミルアルデヒド、イソヘキシルアルデヒド、ジエチルアセトアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等のアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、トリメチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、プロピオフェノン等の芳香族ケトン;アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、ジベンゾイルメタン等の下記一般式(16)で示されるβ−ジカルボニル化合物等が挙げられる。これらのうち、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、フェニルアセトアルデヒド、及び/又は活性メチレン基を有するβ−ジカルボニル化合物がより好ましい。
一般式(16)において、R及びR10は、互いに同一、若しくは異なる官能基であってよい。例えば、R及びR10はそれぞれ、炭素数が1個以上16個以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ヘキサデシル基等)、炭素数が6個以上12個以下のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ヘキシル基、ナフチル基等)、又は炭素数が1個以上4個以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロキシ基、プトキシ基等)である。
上述した水と反応することにより一般式(7)で示されるアミン化合物を生成する化合物は特に限定されない。例えば、一般式(7)で示されるアミン化合物を生成する化合物として、モノマー純度が50%以上95%以下、好ましくは70%以上95%以下、更に好ましくは80%以上95%以下で、かつ、アミノ基封鎖率が90%以上、好ましくは95%以上の化合物を用いることが好ましい。なお、係る化合物は、公知の製法により製造できる。
一般式(7)で示されるアミン化合物、及び一般式(7)で示されるアミン化合物を生成する化合物の配合割合に特に制限はない。有機重合体100質量部に対してこれらのアミン化合物を1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。なお、一般式(7)で示されるアミン化合物、及び水と反応することにより一般式(7)で示されるアミン化合物を生成する化合物は、導電性接着剤に1種類のみ添加することも、2種類以上添加することもできる。
(その他の添加材)
導電性接着剤は、導電性接着剤の粘度及び/又は物性を調整することを目的として、硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着付与剤、安定剤、着色剤、物性調整剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、ラジカル重合開始剤等の物質や、トルエンやアルコール等の各種溶剤を配合することもできる。また、導電性接着剤に、相溶する他の重合体をブレンドすることもできる。
硬化触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合物;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、又はこれらとカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;r−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤等のシラノール複合触媒等が挙げられる。これらの触媒は、1種類のみ添加することも、2種類以上添加することもできる。
充填剤としては、フューム導電性接着剤、沈降性導電性接着剤、結晶性導電性接着剤、溶融導電性接着剤、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、及びカーボンブラック等の補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末等の樹脂粉末等の充填剤;石綿、ガラス繊維、及びフィラメント等の繊維状充填剤等が挙げられる。
充填剤を導電性接着剤に添加する場合、充填剤の添加量は、有機重合体100質量部に対して1質量部以上250質量部以下、好ましくは10質量部以上200質量部以下である。充填剤は1種類のみ添加することも、2種類以上添加することもできる。
充填剤は、例えば、酸化カルシウム等の脱水剤と均一に混合した後、気密性素材で構成された袋に封入し、所定の時間放置することにより予め脱水乾燥できる。脱水乾燥した充填剤を導電性接着剤に添加することにより、一例として導電性接着剤を一液型組成物とする場合、貯蔵安定性を向上できる。
また、導電性接着剤に充填剤を添加することで導電性接着剤から構成される導電性構造体の強度をより向上させる場合、主としてヒューム導電性接着剤、沈降性導電性接着剤、結晶性導電性接着剤、溶融導電性接着剤、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、及びカーボンブラック、表面処理を施した微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、並びに活性亜鉛華等から選択される充填剤を用いることが好ましい。この場合、架橋性ケイ素基を有する有機重合体100質量部に対し、1質量部以上200質量部以下の範囲で充填剤を添加することが好ましい。
また、破断伸びが大きな導電性構造体を製造する場合、主として酸化チタン、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、及びシラスバルーン等から選択される充填剤を、架橋性ケイ素基を有する有機重合体100質量部に対して5質量部以上200質量部以下の範囲で添加することが好ましい。なお、一般的に炭酸カルシウムは、比表面積の値が大きいほど硬化物の破断強度、破断伸び、接着性の改善効果が向上する。充填剤として炭酸カルシウムを用いる場合、表面処理を施した微細炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウム等の粒径が大きな炭酸カルシウムとを併用することが好ましい。表面処理を施した微細炭酸カルシウムの粒径は0.5μm以下が好ましく、表面処理は脂肪酸や脂肪酸塩で実行することが好ましい。また、粒径が大きな炭酸カルシウムは1μm以上の粒径を有することが好ましく、表面処理されていないものを用いることもできる。
また、導電性接着剤の作業性(キレ等)向上や硬化物表面を艶消し状にすることを目的として、有機バルーン、及び/又は無機バルーンを導電性接着剤に添加することができる。これらの充填剤には表面処理を施すこともできる。充填剤は、1種類のみ添加することも、2種類以上添加することもできる。また、充填剤は、1種類のみで用いることも、種類以上混合して用いることもできる。なお、作業性(キレ等)を向上させる場合、バルーンの粒径は0.1mm以下が好ましい。一方、硬化物表面を艶消し状にする場合、バルーンの粒径は5μm以上300μm以下が好ましい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類を用いることができる。
また、可塑剤として、高分子可塑剤を用いることもできる。高分子可塑剤を導電性接着剤に添加することで、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を添加した場合に比べて、導電性接着剤の初期の物性を長期にわたり維持できる。高分子可塑剤としては、ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールとから得られるポリエステル系可塑剤;分子量が500以上、更には分子量が1,000以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール若しくはこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に置換した誘導体等のポリエーテル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン等が挙げられる。
これらの高分子可塑剤のうちで、架橋性ケイ素基を有する有機重合体(A成分)と相溶する化合物を用いることが好ましい。この観点からは、高分子可塑剤としてポリエーテル類やビニル系重合体が好ましい。また、ポリエーテル類を可塑剤として用いる場合、導電性接着剤の表面硬化性、及び深部硬化性が改善され、貯蔵後の硬化遅延も起こらないことから好ましく、中でもポリプロピレングリコールがより好ましい。また、相溶性、及び耐候性、耐熱性の観点からはビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でもアクリル系重合体、及び/又はメタクリル系重合体が好ましく、ポリアクリル酸アルキルエステル等のアクリル系重合体が更に好ましい。この重合体の合成法としては、分子量分布が狭く、低粘度の重合体を合成できるリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法が更に好ましい。また、アクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合させる、いわゆるSGOプロセスによって製造される重合体を用いることもできる。
高分子可塑剤の数平均分子量は、好ましくは500以上15,000以下であるが、より好ましくは800以上10,000以下であり、更に好ましくは1,000以上8,000以下、特に好ましくは1,000以上5,000以下である。高分子可塑剤の数平均分子量として最も好ましくは、1,000以上3,000以下である。熱等による可塑剤の経時的な流出を抑制することで初期の物性を長期にわたり維持することを目的として、高分子可塑剤の数平均分子量は所定の分子量以上にすることが好ましい。また、高分子可塑剤を用いる場合に、高粘度になることに起因する作業性の低下を抑制することを目的として、高分子可塑剤の数平均分子量は所定の分子量以下にすることが好ましい。なお、高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、分布は狭いことが好ましく、1.80未満が好ましい。当該分子量分布は1.70以下がより好ましく、1.60以下がなお好ましく、1.50以下が更に好ましく、1.40以下が特に好ましく、1.30以下が最も好ましい。ここで、数平均分子量はビニル系重合体の場合はGPC法で、ポリエーテル系重合体の場合は末端基分析法で測定できる。また、分子量分布(Mw/Mn)は、GPC法(ポリスチレン換算)で測定できる。
また、高分子可塑剤は、架橋性ケイ素基を有することは必須ではないが、架橋性ケイ素基を有していてもよい。架橋性ケイ素基を有する場合、反応性可塑剤として作用し、硬化物からの可塑剤の移行を抑制できる。架橋性ケイ素基を有する場合、高分子可塑剤1分子あたり平均して1個以下、更には0.8個以下の架橋性ケイ素基を有することが好ましい。なお、架橋性ケイ素基を有する可塑剤として、特に架橋性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を用いる場合、その数平均分子量は、(A)成分の有機重合体の数平均分子量より低いことを要する。
可塑剤は、導電性接着剤に1種類のみ添加することも、2種類以上添加することもできる。また、低分子可塑剤と高分子可塑剤とを併用してもよい。なお、これら可塑剤は、導電性接着剤の製造時に導電性接着剤を構成する他の原料と共に混合してもよい。可塑剤の添加量は、有機重合体100質量部に対して5質量部以上150質量部以下、好ましくは10質量部以上120質量部以下、更に好ましくは20質量部以上100質量部以下である。可塑剤の添加量は、可塑剤としての効果を発現させることを目的として、有機重合体100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、また、導電性接着剤から形成される導電性構造体の機械的強度を所定の強度以上にすることを目的として、有機重合体100質量部に対して150質量部以下であることが好ましい。
接着付与剤としては、シランカップリング剤等を用いることができる。安定剤としてヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物等を用いることができる。着色剤としては、チタンホワイト、カーボンブラック、又はベンガラ等を用いることができる。
粘着付与剤としては、石油樹脂系、ロジン・ロジンエステル系、アクリル樹脂系、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂やそのフェノール樹脂共重合体、フェノール・フェノールノボラック樹脂系等が挙げられる。粘着付与剤は、導電性接着剤の被着体へのぬれ性を向上させることや、はく離強度を高めることができる。
また、導電性接着剤の目的が達成される範囲で、作業性の改善、及び/又は導電性接着剤の粘度を低下させることを目的として、溶剤、及び/又は希釈剤を配合してもよい。溶剤の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。希釈剤の例としてはノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。
導電性接着剤は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。また、導電性接着剤は、低温で硬化するので、低温硬化型導電性接着剤として用いることができる。なお、導電性接着剤は、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させることもできる。
導電性接着剤は、対象物としての基材に塗布又は印刷して硬化させることにより、対象物の表面の酸化膜を除去しつつ導電性構造体を形成する。そして、導電性構造体は、高い導電性を有するので、一例として、はんだ材料を代替できる。更に、導電性構造体は、例えば、電子回路パターン、半導体素子チップ部品やディスクリート部品等の電子部品を搭載するプリント基板の配線、電気部品・電子部品等の電極接合材料、電気部品・電子部品等の接着・固定材料、バンプ、及び/又は電子部品に用いられる導電膜として用いることができる。
また、導電性接着剤は、有機系及び/又は無機系の基材上に、メッシュスクリーン版、ステンシル版、グラビア、オフセット、フレキソ、インクジェット、スプレー、ローラーコーター、ディスペンサー、ディッピング等の手法を用いて、塗布、印刷、若しくは吹き付けることができる。
[導電性構造体の製造]
導電性構造体は、上記において説明した導電性接着剤を用いて製造される。まず、流動性を有する導電性接着剤を準備する(組成物準備工程)。すなわち、所定量の有機重合体、所定量の導電性フィラー、所定量の還元剤、及び/又はその他の所定量の添加剤を秤量し、混合することで流動性を有する導電性接着剤を準備する。
次に、準備した導電性接着剤を対象物の予め定められた領域に塗布若しくは配置する(塗布/配置工程)。なお、対象物の表面には、インクジェット、スプレー、印刷等の手法を用いて導電性接着剤を塗布若しくは配置する。そして、対象物に塗布若しくは配置した導電性接着剤を硬化させる(硬化工程)。硬化工程においては、硬化速度を促進させることを目的として、導電性接着剤を加熱することもできる。これにより、所望の形状を有する導電性構造体が形成される。なお、導電性構造体の形状は、薄膜状、又は薄膜よりも厚い平板状(シート状)等にすることができ、塗布工程において予め定められたマスクパターンを形成することにより、所望のパターンの導電性構造体を対象物上に形成することができる。
一例として、導電性構造体は、プリント基板の回路配線自体、又は回路配線と電子部品の電極とを電気的に接続する接合部として用いることができる。導電性構造体は、電子部品の実装において各部品を電気的に接合する部材として機能する。すなわち、導電性構造体は、各種の電子部品を構成する一部材として機能する。
(実施の形態の効果)
本発明に係る導電性接着剤は、有機重合体及び導電性フィラーと共に還元剤を含有しており、硬化過程において還元剤が対象物表面の酸化膜に作用し、この酸化膜を除去できる。これにより、本発明に係る導電性接着剤によれば、対象物表面をいわばフレッシュな状態にして接着できるので、良好な導電性を実現できると共に、対象物表面の位置の違いよる抵抗のばらつきを低減できる。
更に、導電性接着剤は、少なくとも80℃以上100℃以下程度の温度雰囲気で硬化可能であり、150℃以上200℃程度の温度を要するエポキシ樹脂系の接着剤や260℃程度の温度で硬化するはんだに比べて低温で取扱うことができる。これにより、本発明に係る導電性接着剤によれば、熱によるダメージを実質的に電子部品等に与えることなく、電子部品等を接着/固定できる。
[実施例]
以下、導電性接着剤、及び導電性構造体について、実施例を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1に係る導電性接着剤は、以下のようにして製造した。まず、架橋性ケイ素基を有する有機重合体として100質量部の変性シリコーン樹脂(サイリルMA440、(株)カネカ製)と、導電性フィラーとして300質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)及び200質量部の銀還元粉(シルコートAgC−G、福田金属箔粉工業株式会社製)と、還元剤として2質量部のアルデヒド化合物(ALD−1M:ベンズアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)と、添加材である酸化防止剤として3質量部の2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール テトラ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンプロパノエイト(AO−60、株式会社ADEKA製)と、添加材である老化防止剤として3質量部の4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(ノクラックCD、大内新興化学工業(株)製)と、揺変性剤として5質量部の疎水性フュームドシリカ(アエロジルR972、日本アエロジル(株)製)と、希釈剤として10質量部のパラフィン系希釈剤(カクタスノルマルパラフィン N−11、ジャパンエナジー(株)製)、10質量部のパラフィン系希釈剤(カクタスノルマルパラフィン N−12、ジャパンエナジー(株)製)、及び10質量部のプロピレン系グリコールジエーテル(プログライドDMM、ダウ・ケミカル製)と、接着付与剤として2質量部のトリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(シリコーンKBM−9659、信越シリコーン社製)及び0.2質量部の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(シリコーンKBM−903、信越シリコーン社製)と、硬化触媒として0.2質量部の錫触媒(ネオスタン U−830、日東化成株式会社製)と、硬化促進剤として1質量部のDBU−オクチル酸塩(SA102、サンアプロ(株)製)と、ビタミンE系加工熱安定剤として3質量部のイルガノックスE201(BASF製)をそれぞれ秤量した。そして、秤量した各原料を混合することにより、実施例1に係る導電性接着剤を製造した。
なお、アルデヒド化合物(ALD−1M:ベンズアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)の23℃における性状は液状である。
(体積抵抗率の測定法)
続いて、得られた実施例1に係る導電性接着剤を、スペーサーとしての厚さが50μmのカプトンテープを両端部に貼ったガラス板上のカプトンテープが貼られていない領域に伸延した。そして、この状態の導電性接着剤を、温度雰囲気を120℃に調整した熱風循環式乾燥機で30分間、硬化させた。これにより、実施例1に係る導電性構造体が得られた。次に、得られた導電性構造体としての硬化被膜の体積抵抗率を、三菱化学株式会社製ロレスター(MCP−T360)を用い、4端針法により測定した。
(還元性の評価方法1:還元性1)
実施例1に係る導電性接着剤の還元性を以下のように評価した。まず、Ni/Sn合金電極を備えた100Ωの固有抵抗を有するチップ部品の電極部に、ディスペンサーを用いて実施例1に係る導電性接着剤を塗布した。そして、この導電性接着剤を、80℃、90分間の条件で硬化させた。続いて、硬化した導電性接着剤を介した電極間の抵抗値を、共立電気(株)製のKEW1052を用いて測定した。そして、測定結果を、以下の基準に基づき評価した。
〇:100Ω以上1kΩ以下の抵抗値を発現した場合を示す。
×:導通が認められなかった場合を示す。
(還元性の評価方法2:還元性2)
実施例1に係る導電性接着剤の還元性を更に以下のように評価した。まず、Sn/Bi合金電極を備えたボールグリッドアレイの電極部に、ディスペンサーを用いて実施例1に係る導電性接着剤を塗布した。そして、この導電性接着剤を、80℃、90分間の条件で硬化させた。続いて、硬化した導電性接着剤を介したデイジーチェーン間の抵抗値を、共立電気(株)製のKEW1052を用いて測定した。そして、測定結果を、以下の基準に基づき評価した。
〇:100Ω以上1kΩの抵抗値を発現した場合を示す。
×:導通が認められなかった場合を示す。
(実施例2)
実施例2に係る導電性接着剤は、実施例1とは還元剤の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例2においては、還元剤としてALD−1Mの代わりに2質量部のアルデヒド化合物(シンナムアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)を用いた。なお、アルデヒド化合物(シンナムアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)の23℃における性状は液状である。
(実施例3)
実施例3に係る導電性接着剤は、実施例1とは還元剤の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例3においては、還元剤として2質量部のアルデヒド化合物(ALD−1M:ベンズアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)と、2質量部のギ酸化合物(ギ酸ペンチル)とを用いた。なお、ギ酸ペンチルの23℃における性状は液状である。
(実施例4)
実施例4に係る導電性接着剤は、実施例1とは還元剤の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例4においては、還元剤としてALD−1Mの代わりに2質量部のフェノール系化合物(レゾルシノール)を用いた。なお、フェノール系化合物(レゾルシノール)の23℃における性状は固体であり、融点は110℃である。
(実施例5)
実施例5に係る導電性接着剤は、実施例1とは還元剤の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例5においては、還元剤としてALD−1Mの代わりに2質量部のフェノール系化合物(ハイドロキノン)を用いた。なお、フェノール系化合物(ハイドロキノン)の23℃における性状は固体であり、融点は172℃である。
(比較例1)
比較例1に係る導電性接着剤は、実施例1とは構成成分が一部異なる点を除き、略同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。比較例1においては、実施例1で用いた還元剤としてアルデヒド化合物(ALD−1M:ベンズアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)を添加せずに導電性接着剤を製造した。その他の構成は実施例1と同一である。
(比較例2)
比較例2に係る導電性接着剤は、実施例1とは構成成分が一部異なる点を除き、略同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。比較例2においては、実施例1で用いた還元剤としてアルデヒド化合物(ALD−1M:ベンズアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)を添加せずに2質量部のアスコルビン酸化合物(6−O−パルミトイル−L−アスコルビン酸)を添加して導電性接着剤を製造した。その他の構成は実施例1と同一である。なお、アスコルビン酸化合物(6−O−パルミトイル−L−アスコルビン酸)の23℃における性状は固体であり、融点は115℃である。
(比較例3)
比較例3に係る導電性接着剤は、実施例1とは構成成分が一部異なる点を除き、略同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。比較例3においては、実施例1で用いた還元剤としてアルデヒド化合物(ALD−1M:ベンズアルデヒドとノルボルネンジアミンとの縮合物)を添加せずに2質量部のロジン(アラダイムR−95、荒川化学工業株式会社製)を添加して導電性接着剤を製造した。その他の構成は実施例1と同一である。なお、ロジンを用いた場合、例えば、260℃等の高温でのリフロー工程を経なければ、導電性接着剤が接触している対象に対する還元作用は実質的に発生しない。また、ロジン(アラダイムR−95、荒川化学工業株式会社製)の23℃における性状は固体であり、融点は103℃である。
実施例1乃至実施例5、比較例1乃至比較例3に係る導電性接着剤の原料組成、並びに導電性構造体の各試験結果について表1に示す。
(体積抵抗率)
実施例1乃至実施例5に係る導電性接着剤が硬化した導電性構造体は、7.20×10−4Ω・cm以上8.50×10−4Ω・cm以下の体積抵抗率であり、良好な体積抵抗率であることが示された。
(還元性1、還元性2)
実施例1乃至実施例5に係る導電性接着剤においてはいずれも、還元性1及び還元性2の評価は「○」であった。一方、比較例1乃至比較例3に係る導電性接着剤においてはいずれも、還元性1及び還元性2の評価は「×」であった。
したがって、実施例に係る導電性接着剤はいずれも、80℃という低温で硬化して良好な体積抵抗率を示すと共に、還元性も優れていることが示された。還元性においては、比較例に係る導電性接着剤はいずれも、少なくとも80℃という硬化条件下においては硬化はするものの、対象物表面を還元しにくい(若しくは還元しない)ことから、還元性1及び還元性2の評価が「×」になったと考えられる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せのすべてが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。

Claims (7)

  1. (A)架橋性ケイ素基を有する有機重合体と、
    (B)導電性フィラーと、
    (C)還元剤と
    を含有する導電性接着剤。
  2. 前記(C)還元剤が、アルデヒド化合物、ギ酸化合物、及びフェノール系化合物からなる群から選択される1種類以上の化合物を含む請求項1に記載の導電性接着剤。
  3. 前記(B)導電性フィラーが、複数種類の導電性フィラーを含む請求項1又は2に記載の導電性接着剤。
  4. 少なくとも80℃の温度雰囲気で硬化可能な請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性接着剤。
  5. 前記(C)還元剤が、前記導電性接着剤が接する対象物の表面を、前記導電性接着剤が硬化する際に還元する請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性接着剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性接着剤を硬化して得られる導電性構造体。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性接着剤が硬化した導電性構造体を有する電子部品。
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