JPWO2016203722A1 - 電極触媒材料、及び燃料電池 - Google Patents

電極触媒材料、及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

電極触媒材料は、グラファイト粒子と触媒粒子とを備える。グラファイト粒子は、外殻を含む中空構造を有し、外殻が貫通孔及び凹部の少なくとも一方を有する。触媒粒子は、貫通孔及び凹部の少なくとも一方によって担持される。

Description

本開示は、電極触媒材料、及び燃料電池に関する。
燃料電池は、水素と酸素とから電気エネルギーを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギーや運動エネルギーの過程を経ずに化学エネルギーから直接発電するので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギーを有効に利用でき、環境にやさしい特性を備えるため、21世紀を担うエネルギー供給システムとして期待されている。そして、燃料電池は、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、また大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる有望な発電システムとして注目され、技術開発が本格化している。
特許文献1には、電解質膜と、電解質膜の両面に積層された一対の触媒層と、一対のガス拡散層とで構成される燃料電池が開示されている。触媒層とガス拡散層とを含む部分が電極を構成する。この燃料電池が備える各触媒層は電極触媒材料として、白金等の触媒と、炭素粒子等の触媒担体とを含んでいる。
燃料電池を高電流密度領域で作動させるためには、触媒活性を向上させるだけではなく、水素などの燃料ガスや空気などの酸化剤ガスを触媒層に均一に供給する必要がある。なぜならば、これらのガスの拡散が律速されることによって、発電性能が大きく悪化するからである。触媒層には炭素粒子の凝集体が存在するため、炭素粒子同士の間の空隙をガスの拡散経路としてガスが通過することで、触媒層全体にガスが供給されている。
特開2009−059524号公報
本開示の第1の態様は、電極触媒材料である。当該電極触媒材料は、グラファイト粒子と、触媒粒子とを備える。グラファイト粒子は、外殻を含む中空構造を有し、外殻が貫通孔及び凹部の少なくとも一方を有する。触媒粒子は、貫通孔及び凹部の少なくとも一方によって担持されている。貫通孔及び凹部の少なくとも一方の一部は、グラファイト粒子を構成するグラファイトのエッジから構成されている。
本開示の第2の態様は、電極触媒材料である。当該電極触媒材料は、炭素部材の一次粒子と、触媒粒子とを備える。炭素部材の一次粒子は、外殻を含む中空構造を有し、外殻が貫通孔を有する。触媒粒子は、外殻の表面上に担持されている。貫通孔のうち少なくとも2つは、触媒粒子により閉塞されずに開口している。
本開示の第3の態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、電解質膜と、電解質膜の一方の面側に配置されるアノード触媒層と、電解質膜の、上記一方の面と反対の面側に配置されるカソード触媒層と、を備える。アノード触媒層及びカソード触媒層の少なくとも一方は、上記第1または第2の態様の電極触媒材料を含む。
本開示によれば、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
図1は、第1の実施の形態に係る燃料電池の構造を模式的に示す斜視図である。 図2Aは、カソード触媒層の一部を拡大した模式図である。 図2Bは、グラファイト粒子の一部を拡大した模式図である。 図2Cは、グラファイト粒子の貫通孔近傍を拡大した模式図である。 図3は、第2の実施の形態に係る燃料電池のカソード触媒層の一部を拡大した模式図である。 図4は、グラファイト粒子を模式的に示す正面図である。 図5は、グラファイト粒子の貫通孔近傍を拡大した模式図である。 図6は、カソード触媒層の一部を拡大した模式図である。
本開示の実施の形態の説明に先駆け、従来の構成における問題点を説明する。本願発明者は、上述した触媒層に用いられる電極触媒材料について鋭意研究を重ねた結果、従来の電極触媒材料には、燃料電池の発電性能を向上させる上で改善の余地があることを認識するに至った。
また、特許文献1に開示された触媒層構造では、ガス拡散層/触媒層の界面へはガスが十分に供給されているが、触媒層/電解質膜の界面にガスを十分に供給することはできない。そのため、触媒層内でガスの濃度分布が生じ、発電が局所的に起こるという弊害が発生している。触媒層内で均一に発電を生じさせるためには、触媒層内にガスを十分に行き渡らせることが必要である。しかし、特許文献1に開示された触媒層構造では、ガスの拡散経路が少ないため、触媒層全体にガスを十分に供給することが困難となっている。
本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、燃料電池の発電性能を向上させるための技術を提供する。
以下、本開示の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、実施の形態は、開示を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも開示の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
本実施の形態を具体的に説明する前に、概要を述べる。本実施の形態は、電極触媒材料に関する。電極触媒材料は、触媒担体と、この触媒担体に担持された触媒粒子とを含む。従来の電極触媒材料には、触媒担体としてアセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素粒子が用いられていた。本願発明者らは、電極触媒材料について鋭意研究を重ねた結果、従来の電極触媒材料では燃料電池の発電性能の向上を図る上で改善の余地があることを見出した。
すなわち、従来の触媒担体では、燃料電池の使用にともなって、触媒担体に担持されていた触媒粒子が徐々に凝集していく場合がある。あるいは、電極触媒材料の製造過程において、触媒粒子が凝集した状態で触媒担体に担持されてしまう場合もある。触媒粒子が凝集すると、電極反応に寄与する触媒粒子の数が減ってしまうため、燃料電池の発電性能が低下する。このような触媒粒子の凝集に対応するために、本実施の形態に係る電極触媒材料は、特定のグラファイト粒子を用いている。以下、本実施の形態に係る電極触媒材料と、この電極触媒材料を含む燃料電池とについて詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る燃料電池の構造を模式的に示す斜視図である。本実施の形態の燃料電池1は、略平板状の膜電極接合体10と、アノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40とを備える。アノードガス拡散層20とカソードガス拡散層40とは、膜電極接合体10を挟んで互いの主表面が対向するように設けられる。また、アノードガス拡散層20の膜電極接合体10とは反対側の表面には、セパレータ2が設けられ、カソードガス拡散層40の膜電極接合体10とは反対側の表面には、セパレータ4が設けられる。本実施の形態では、一組の膜電極接合体10、アノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40を示すが、セパレータ2,4を介して複数組が積層されることにより、燃料電池スタックが構成されてもよい。本実施の形態の燃料電池1は、固体高分子型燃料電池(PEFC)である。
膜電極接合体10は、電解質膜12と、アノード触媒層14と、カソード触媒層16とで構成される。アノード触媒層14は、電解質膜12の一方の主表面に対向して配置される。カソード触媒層16は、電解質膜12の一方の面と反対側の他方の主表面に対向して配置される。本実施の形態では、アノード触媒層14とカソード触媒層16とは、電解質膜12を挟んで両側に配置される。
電解質膜12は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示し、アノード触媒層14とカソード触媒層16との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜12は、例えば含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成される。電解質膜12の材料としては、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例としては、ナフィオン(デュポン社製、登録商標)112等が挙げられる。非フッ素重合体の例としては、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトンやポリスルホン等が挙げられる。電解質膜12の厚さは、例えば5μm以上、50μm以下である。
アノード触媒層14及びカソード触媒層16は、本実施の形態に係る電極触媒材料を含む。電極触媒材料の構成については、後に詳細に説明する。アノード触媒層14及びカソード触媒層16の各々の厚さは、例えば1μm以上、100μm以下である。
アノードガス拡散層20は、膜電極接合体10のアノード触媒層14が設けられた主表面に積層される。カソードガス拡散層40は、膜電極接合体10のカソード触媒層16が設けられた主表面に積層される。アノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40は、電子伝導性を有する多孔体であればよく、その材料として公知のものを使用することができる。例えば、アノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40には、金属板、金属フィルム、導電性高分子、カーボンペーパー、カーボンの織布又は不織布等を使用することができる。
また、アノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40は、導電性粒子及び導電性繊維の少なくとも一方と、熱可塑性樹脂との混合材料で構成されてもよい。導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛等のカーボン粒子や、金属粒子等を用いることができる。導電性繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、カーボンナノチューブ等のカーボンファイバーや、金属繊維等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)等のフッ素系樹脂を用いることができる。アノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40の厚さは、例えば150μm以上、550μm以下である。
セパレータ2は、アノードガス拡散層20の主表面に積層される。セパレータ2のアノードガス拡散層20に対向する主表面には、ガス流路2aが設けられる。水素ガス等の燃料ガスは、燃料供給用のマニホールド(図示せず)からガス流路2aに分配され、ガス流路2aを通じてアノードガス拡散層20に供給される。そして、燃料ガスは、アノードガス拡散層20からアノード触媒層14に供給される。セパレータ2のガス流路2aが設けられる主表面と反対側の主表面には、冷却水流路(図示せず)が設けられる。
セパレータ4は、カソードガス拡散層40の主表面に積層される。セパレータ4のカソードガス拡散層40に対向する主表面には、ガス流路4aが設けられる。空気等の酸化剤ガスは、酸化剤供給用のマニホールド(図示せず)からガス流路4aに分配され、ガス流路4aを通じてカソードガス拡散層40に供給される。そして、酸化剤ガスは、カソードガス拡散層40からカソード触媒層16に供給される。また、ガス流路4aは、カソード触媒層16で生成される水の排水路としても機能する。セパレータ4のガス流路4aが設けられる主表面と反対側の主表面には、冷却水流路(図示せず)が設けられる。
セパレータ2,4は、導電性と耐腐食性とを有していればよく、その材料として公知のものを使用することができる。例えば、セパレータ2,4には、カーボンの平板や、ステンレス、チタン等の金属板等を使用することができる。セパレータ2,4の厚さは、例えば50μm以上、300μm以下である。
なお、アノード触媒層14とアノードガス拡散層20とが積層された構造をアノードと称し、カソード触媒層16とカソードガス拡散層40とが積層された構造をカソードと称する場合がある。
上述した固体高分子型の燃料電池1では、以下の反応が起こる。すなわち、アノードガス拡散層20を介してアノード触媒層14に燃料ガスとしての水素ガスが供給されると、アノード触媒層14において下記式(1)で示す反応が起こり、水素がプロトンと電子に分解される。プロトンは、電解質膜12中をカソード触媒層16へ移動する。電子は、アノードガス拡散層20及びセパレータ2を経由して外部回路(図示せず)に移動し、外部回路からセパレータ4及びカソードガス拡散層40を経由してカソード触媒層16に流れ込む。一方、カソードガス拡散層40を介してカソード触媒層16に酸化剤ガスとしての空気が供給されると、カソード触媒層16において下記式(2)で示す反応が起こり、空気中の酸素がプロトン及び電子と反応して水になる。この結果、外部回路においてアノードからカソードに向かって電子が流れることとなり、電力を取り出すことができる。
アノード触媒層14:H→2H+2e (1)
カソード触媒層16:2H+(1/2)O+2e→HO (2)
続いて、アノード触媒層14及びカソード触媒層16に含まれる電極触媒材料について詳細に説明する。ここでは、カソード触媒層16に含まれる電極触媒材料を例に挙げて説明する。アノード触媒層14に含まれる電極触媒材料は、カソード触媒層16に含まれるものと同様の構成を有する。図2Aは、カソード触媒層16の一部を拡大した模式図である。図2Bは、グラファイト粒子110の一部を拡大した模式図である。なお、電子eは、実際には主にグラファイト粒子110の表面に沿って移動するが、図2Aでは電子eの移動の様子を視認しやすくするために、移動経路を示す矢印をグラファイト粒子110の中空部分に通している。図2Cは、グラファイト粒子の貫通孔近傍を拡大した模式図である。
電極触媒材料100は、グラファイト粒子110と、触媒粒子120とを備える。また、本実施の形態では、電極触媒材料100は、さらにイオン交換樹脂130を備える。
グラファイト粒子110は、導電性を有する触媒担体として機能する。グラファイト粒子110は、外殻を含む中空構造を有し、外殻は貫通孔112及び凹部114を有する。貫通孔112は、グラファイト粒子110の外表面から内表面にかけて貫通する。凹部114は、グラファイト粒子110の外表面から、グラファイト粒子110のグラファイト層の途中まで延在する、有底の穴である。グラファイト粒子110としては、グラファイト化中空カーボン等を使用することができる。
グラファイト粒子110の内部空間を形成する外殻は、炭素6員環が並んだ層(グラフェン)が複数積み重なった積層構造(グラファイト)を有する。グラファイト粒子110は、隣接する層(グラフェン)の炭素6員環同士のπ−π相互作用によって、積層構造が維持される。また、図2Bに示すように、グラファイト粒子110は、平坦なベーサル面110aが、屈曲部を介して連結されることで、略球形状となる。グラファイトのエッジ110bは、ベーサル面110aに比べてより高い電子移動活性を有する。このため、グラファイトのエッジ110bには、正の電荷を帯びた電荷担体である触媒粒子120が結合しやすい。
貫通孔112は、グラファイト粒子110を構成するグラファイトエッジ110bから構成されている。触媒粒子120は、エッジ110bが有する高い電子移動活性と、貫通孔112への嵌合とによって、貫通孔112においてグラファイト粒子110に安定的に担持される。貫通孔112の最小径は、例えば1nm以上、20nm以下である。貫通孔112の最小径とは、グラファイト粒子110の外表面における貫通孔112の開口からグラファイト粒子110の内表面における貫通孔112の開口までの間で、貫通孔112の内径が最小となる部分の内径を意味する。貫通孔112の最小径は、例えば以下のように決定される。すなわち、グラファイト粒子110を切断し、その切断面をTEM(Transmission Electron Microscope)観察する。TEM画像における貫通孔112の幅を、貫通孔112の内径と定義する。切断面には複数の貫通孔112が現れるので、各貫通孔112について、外表面側開口から内表面側開口までの間で幅が最小となる部分の寸法を、仮最小径D1として測定する。そして、全ての貫通孔112の仮最小径D1のうち、最も大きいものを貫通孔112の最小径Dとする。切断面に現れる貫通孔112の数が多い場合は、例えば10個毎に1個の仮最小径D1を測定するというように、仮最小径D1の測定数を減らしてもよい。なお、各貫通孔112の仮最小径D1は、グラファイト粒子110の内表面における貫通孔112の内径となる場合が多い。
凹部114の内側面は、グラファイト粒子110を構成するグラファイトのエッジ110bから構成されている。触媒粒子120は、エッジ110bが有する高い電子移動活性と、凹部114への嵌合とによって、凹部114においてグラファイト粒子110に安定的に担持される。凹部114の最小径は、例えば1nm以上、20nm以下である。凹部114の最小径とは、グラファイト粒子110の外表面における凹部114の開口から凹部114の底面までの間で、凹部114の内径が最小となる部分の内径を意味する。凹部114の内径及び最小径は、貫通孔112の内径及び最小径と同様に決定される。また、凹部114の最大深さは、例えば1nm以上、20nm以下である。凹部114の最大深さとは、グラファイト粒子110の外表面における凹部114の開口から凹部114の底面までの距離の内、最大となる距離を意味する。
貫通孔112及び凹部114の合計数は、例えば電極触媒材料の全質量に対して触媒粒子120が30質量%以上、70質量%以下となるように、調整される。また、貫通孔112及び凹部114は、グラファイト粒子110の外表面上でおおよそ均等に(等間隔で)配置される。
触媒粒子120は、例えば、触媒金属である白金(Pt)の粒子である。触媒粒子120の平均粒子径は、例えば1nm以上、20nm以下である。触媒粒子120の平均粒子径は、例えば以下のように決定される。すなわち、触媒粒子120の平均粒子径は、電子顕微鏡像の画像2値化解析から得られる円相当直径の算術平均粒子径である。
図2Cに示すように、貫通孔112の最小径Dは、触媒粒子120の平均粒子径d未満であることが好ましい。これにより、触媒粒子120が貫通孔112からグラファイト粒子110の内部空間に進入することを抑制することができる。この結果、電極反応に寄与する触媒粒子の数が減ることを抑制することができる。さらに、貫通孔112の最小径Dは、触媒粒子120の平均粒子径の1/2(d/2)以上であることが好ましい。これにより、貫通孔112において触媒粒子120をより安定的に保持することができる。このため、触媒粒子120の凝集をより確実に抑制することができる。
また、グラファイト粒子110の外表面における貫通孔112の開口から貫通孔112の内径が最小となる位置までの距離tは、触媒粒子120の平均粒子径dよりも小さいことが好ましい。また、グラファイト粒子110の外殻の厚さは、1nm以上、50nm以下であり、より好ましくは、1nm以上、10nm以下である。ここで、貫通孔112の最小径Dが、グラファイト粒子110の内表面における貫通孔112の内径から決まる場合、グラファイト粒子110の外表面における貫通孔112の開口から貫通孔112の内径が最小となる位置までの距離tは、グラファイト粒子110の外殻の厚さである。これにより、触媒粒子120をグラファイト粒子110の表面上に突出させることができるため、触媒粒子120をより確実に電極反応に寄与させることができる。その結果、発電量が多い場合にも、発電性能を向上させることができる。
さらに、グラファイト粒子110の外表面における貫通孔112の開口から貫通孔112の内径が最小となる位置までの距離t(貫通孔112の最小径Dが、グラファイト粒子110の内表面における貫通孔112の内径から決まる場合、グラファイト粒子110の外殻の厚さ)は、触媒粒子120の平均粒子径dの0.3倍以上、0.7倍以下(t=0.3〜0.7d)が好ましい。これにより、触媒粒子120をグラファイト粒子110の表面上に安定的に担持しながら、突出させることができるため、触媒粒子120をより確実に電極反応に寄与させることができる。その結果、発電量が多い場合にも、発電性能をさらに向上させることができる。
なお、図2Cは、説明のため、グラファイト粒子110の内表面において最小径Dと同じ内径を有する貫通孔112、平均粒子径dと同じ粒子径を有する触媒粒子120を例として示している。
また、図示はしていないが、貫通孔112と同様に、凹部114の最小径Dは、触媒粒子120の平均粒子径dの1/2以上、触媒粒子120の平均粒子径d未満であることが好ましい。これにより、凹部114において触媒粒子120をより安定的に保持することができる。このため、触媒粒子120の凝集をより確実に抑制することができる。また、凹部114の最大深さtは、触媒粒子120の平均粒子径よりも小さいことが好ましい。より好ましくは、凹部114の最大深さtは、触媒粒子120の平均粒子径dの0.3倍以上、0.7倍以下(t=0.3〜0.7d)である。これにより、触媒粒子120をグラファイト粒子110の表面上に突出させることができるため、触媒粒子120をより確実に電極反応に寄与させることができる。
イオン交換樹脂130(アイオノマー)は、触媒粒子120と電解質膜12との間においてプロトンHを伝達する役割を果たす。イオン交換樹脂130としては、電解質膜12と同様の高分子材料を使用することができる。
図2Aに示すように、カソード触媒層16では、カソードガス拡散層40から移動してきた電子(e)が、グラファイト粒子110を介して触媒粒子120が位置する反応点まで移動する。また、電解質膜12から移動してきたプロトン(H)が、イオン交換樹脂130を介して反応点まで移動する。また、カソードガス拡散層40からカソード触媒層16に供給された酸素(O)が反応点まで移動する。そして、触媒粒子120の作用により、反応点において上記式(2)で示す反応が起こり、水(HO)が生成される。
ここで、グラファイト粒子110を構成するグラファイトのエッジ110bは、フッ素で終端された構成としてもよい。即ち、グラファイトのエッジ110bに、フッ素が存在している。これにより、貫通孔112及び凹部114の内側面にフッ素が結合しているため、撥水性が向上し、触媒粒子120上での反応によって生成された水(HO)が貫通孔112や凹部114近傍に留まらずに排出される。そのため、酸素等の酸化剤ガスが、水に阻害させずに、触媒粒子120の反応点に到達することができる。その結果、発電量が多い場合にも、発電性能を向上させることができる。
電極触媒材料100は、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、後述する焼成処理後に炭素5員環を比較的多く生成し得る原料と、後述する焼成処理後に炭素5員環をほぼ生成しない原料、例えば炭素6員環の原料とを所定の比率で混合して、グラファイト化中空カーボン原料を得る。炭素5員環を比較的多く生成し得る原料としては、例えば不溶化処理が施されたPAN(Polyacrylonitrile)系原料、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチ等を使用することができる。炭素6員環の原料としては、例えば、PAHs(多環芳香族炭化水素:Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ベンゾピレン、ベンゾペリレン、またはグラフェン等を使用することができる。
次いで、このグラファイト化中空カーボン原料を、窒素(N)等の不活性ガスの存在下、2000℃以上、3000℃以下で焼成し、グラファイト化中空カーボンを形成する。炭素5員環は、グラファイト化中空カーボンを構成するグラファイト中にほぼ等間隔で位置する。
続いて、得られたグラファイト化中空カーボンを、酸素(O)の存在下、500℃以上、650℃以下で焼成して、グラファイト化中空カーボン中の炭素5員環を熱分解して消失させる。これにより、グラファイトのエッジ110bにより構成される貫通孔112及び凹部114を有するグラファイト粒子110が得られる。グラファイトにおいて全グラフェンの炭素5員環が消失した場合は貫通孔112が得られ、一部のグラフェンの炭素5員環が消失した場合は凹部114が得られる。なお、炭素5員環の熱分解にともなって、この炭素5員環の周囲に位置する炭素6員環も熱分解して消失する場合もある。
その後、テトラクロリド白金酸(HPtCL)溶液等を触媒粒子120の供給源として、液相還元法によって、グラファイト粒子110の貫通孔112及び凹部114に触媒粒子120を結合させる。なお、白金金属等を触媒粒子120の供給源として、スパッタリング等の気相法によって、グラファイト粒子110の貫通孔112及び凹部114に触媒粒子120を結合させてもよい。以上の工程により、電極触媒材料100を得ることができる。
また、得られた電極触媒材料100を電解質膜12の主表面に塗布することで、アノード触媒層14及びカソード触媒層16が形成される。これにより、膜電極接合体10が得られる。得られた膜電極接合体10にアノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40を積層し、さらにセパレータ2,4を積層することで、燃料電池1を得ることができる。
炭素5員環の原料と炭素6員環の原料との混合比率は、必要とされる触媒粒子120の量に基づいて設定することができる。すなわち、電極触媒材料100中の触媒粒子120の目標含量から、グラファイト粒子110に形成すべき貫通孔112及び凹部114の数が定まる。この貫通孔112及び凹部114の合計数は、理論上は炭素5員環の数と等しい。このため、貫通孔112及び凹部114の数から、炭素6員環の原料に対する炭素5員環の原料の割合を決定することができる。
以上説明したように、本実施の形態の電極触媒材料100は、グラファイト粒子110と、触媒粒子120とを備える。グラファイト粒子110は、外殻を含む中空構造を有するとともに、外殻が貫通孔112及び凹部114を有する。触媒粒子120は、貫通孔112及び凹部114によって担持される。貫通孔112及び凹部114の少なくとも一方の一部は、グラファイト粒子110を構成するグラファイトのエッジ110bから構成されている。貫通孔112及び凹部114の少なくとも一方の一部を、グラファイト粒子110を構成するグラファイトのエッジ110bから構成することにより、貫通孔112及び凹部114に触媒粒子120を結合させやすくできる。また、貫通孔112及び凹部114に触媒粒子120を結合させることで、グラファイト粒子110上で触媒粒子120を均等に配置することができる。また、触媒粒子120を安定的に保持することができるため、触媒粒子120の凝集を抑制することができる。この結果、燃料電池1の発電性能を向上させることができるとともに、経時的な発電性能の低下を抑制することができる。また、貫通孔112及び凹部114の形成により、グラファイト粒子110の表面積を増大させることもできる。
また、本実施の形態に係る燃料電池1は、電解質膜12と、アノード触媒層14と、カソード触媒層16とを備え、アノード触媒層14及びカソード触媒層16の少なくとも一方が電極触媒材料100を含む。電極触媒材料100は、上述のように初期状態において触媒粒子120が均等に分散されており、且つ、触媒粒子120の分散状態を長期間維持することができる。このため、燃料電池1の発電性能を向上させることができる。
以下、本実施の形態に係る実施例を説明するが、これら実施例は、本開示を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本開示を限定するものではない。
(実施例1)
まず、電解質膜、アノード触媒層及びカソード触媒層を備える膜電極接合体を形成した。電解質膜としては、水素イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルフォン酸ポリマーからなる固体高分子電解質膜を用いた。また、以下の手順により、アノード触媒層とカソード触媒層とを形成した。まず、焼成処理後に炭素5員環を比較的多く生成し得る原料として、PAN(三菱レーヨン製)を350℃の熱処理により不溶化したPAN系原料を用意した。また、炭素6員環の原料として、ピレン(東京化成工業社製)を用意した。そして、これらの原料を混合し、グラファイト化中空カーボン原料を得た。
このグラファイト化中空カーボン原料を、窒素ガスの存在下で2500℃で焼成し、グラファイト化中空カーボンを形成した。このグラファイト化中空カーボンは、耐酸化性が高い。次いで、グラファイト化中空カーボンを温度625℃の空気雰囲気に曝して熱処理を施し、貫通孔あるいは凹部を形成した。続いて、貫通孔あるいは凹部の最小径より大きい平均粒子径を有する白金粒子(触媒)を、スパッタリングにより貫通孔に結合させた。以上の工程により、電極触媒材料を得た。そして、この電極触媒材料を電解質膜の主表面に塗布して、アノード触媒層とカソード触媒層とを形成した。
その後、アノード触媒層の上にアノードガス拡散層を積層し、カソード触媒層の上にカソードガス拡散層を積層した。アノードガス拡散層及びカソードガス拡散層として、カーボンペーパーからなるガス拡散層を用いた。そして、アノードガス拡散層、膜電極接合体及びカソードガス拡散層で構成される積層体を挟むように、一対のセパレータを積層した。一対のセパレータとして、カーボン成形セパレータを用いた。以上の工程により、実施例1の燃料電池セルを得た。
(比較例1)
多孔質カーボンであるケッチェンブラックに白金を担持した電極触媒材料を用いてアノード触媒層及びカソード触媒層を形成した点、及び、ケッチェンブラックへの白金の担持に通常の液相還元法を用いた点を除いて、実施例1と同様の方法で比較例1の燃料電池セルを形成した。
(性能評価)
実施例1及び比較例1の燃料電池セルの発電性能を評価した。具体的には、アノードに70%の利用率となるように燃料ガスを供給した。燃料ガスの露点は、約55℃であった。また、カソードに50%の利用率となるように酸化剤ガスを供給した。酸化剤ガスの露点は、65℃であった。そして、電流が一定に流れるように負荷制御手段を制御し、アノード及びカソードの電極面積に対する電流密度を2.0A/cmとした。この状態での各燃料電池セルの電圧(初期電圧)を測定した。その後、200時間の耐久試験を実施し、耐久試験後の電圧(耐久試験後電圧)を測定した。
実施例1の燃料電池セルは、初期電圧が650mVであり、耐久試験後電圧は643mVであった。一方、比較例1の燃料電池セルは、初期電圧が648mVであり、耐久試験後電圧は321mVであった。実施例1と比較例1とを比較すると、比較例1では耐久試験前に比べて耐久試験後の電池電圧は約1/2に低下した。これに対し、実施例1では耐久試験の前後で電池電圧の変化はほとんど見られなかった。以上より、実施例1の燃料電池セルは、比較例1の燃料電池セルに比べて発電性能が向上したことが確認された。
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態に係る燃料電池について、詳細に説明する。第2の実施の形態は、アノード触媒層14あるいはカソード触媒層16に用いられる電極触媒材料が異なる点で、第1の実施の形態と相違する。その他の構成については、第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
次に、第2の実施の形態におけるアノード触媒層14及びカソード触媒層16に含まれる電極触媒材料について詳細に説明する。ここでは、カソード触媒層16に含まれる電極触媒材料を例に挙げて説明する。アノード触媒層14に含まれる電極触媒材料は、カソード触媒層16に含まれるものと同様の構成を有する。図3は、第2の実施の形態に係る燃料電池のカソード触媒層16の一部を拡大した模式図である。図4はグラファイト粒子210を模式的に示す正面図である。図5は、グラファイト粒子210の貫通孔212近傍を拡大した模式図である。
図3に示すように、電極触媒材料200は、グラファイト粒子210と、触媒粒子290とを備える。また、本実施の形態では、電極触媒材料200は、さらにイオン交換樹脂280を備える。グラファイトは炭素部材の一例であり、グラファイト粒子210は炭素部材の一次粒子の一例である。
グラファイト粒子210は、導電性を有する触媒担体として機能する。グラファイト粒子210は、中空部214を覆う外殻216を有し、外殻216に貫通孔212を有する。貫通孔212は、グラファイト粒子210の外表面218から内表面220にかけて延在する。
図5に示すように、グラファイト粒子210の外殻216は、炭素6員環が並んだ層(グラフェン)が複数積み重なった積層構造(グラファイト)を有する。グラファイト粒子210は、隣接する層(グラフェン)の炭素6員環同士のπ−π相互作用によって、積層構造が維持される。また、グラファイト粒子210は、平坦なベーサル面210aが、屈曲部を介して連結されることで、略球形状となる。
貫通孔212は、グラファイト粒子210のグラファイトに配置される。貫通孔212の平均開口径は、例えば0.5nm以上、20nm以下である。貫通孔212の開口径とは、グラファイト粒子210の外表面218における貫通孔212の直径である。貫通孔212の平均開口径は、走査透過電子顕微鏡(STEM)JEM−2800(日本電子株式会社製)のTEM画像から得られる円相当直径を、無作為に数十個抽出し、その直径を測定し、平均値を算出することで求められる。
貫通孔212の平均開口径が0.5nm未満である場合、ガスの拡散経路としては小さ過ぎるため、ガス拡散性が悪化する。一方、貫通孔212の平均開口径が20nmより大きい場合、グラファイト粒子210の中空構造を維持することが困難となる。
貫通孔212は、グラファイト粒子210の外殻216においておおよそ均等に(等間隔で)配置される。図3に示すように、グラファイト粒子210には複数の貫通孔212が形成されているが、貫通孔212のうち少なくとも2つは、いずれも、外表面218での端部及び内表面220での端部の両方とも触媒粒子290により閉塞されずに開口している。すなわち、グラファイト粒子210は、少なくとも2つの貫通孔212により、中空部214がグラファイト粒子210の外側と連通している。
よって、図3及び図4において矢印L1で示すように、酸化剤ガスOが、貫通孔212から中空部214へ流入し、他の貫通孔212からグラファイト粒子210の外側へ流出することができる。従来の電極触媒材料に比較して電極触媒材料200は、グラファイト粒子210同士が形成する空隙の他に、貫通孔212−中空部214−貫通孔212をガスの拡散経路として備えているので、ガス拡散性が向上している。
ガス拡散性の向上により、高電流密度領域における最大出力密度が増加する。また、白金などの触媒粒子290の利用率が向上するため、電極触媒材料200における触媒含有量の低減が可能となる。
触媒粒子290は、例えば、触媒金属である白金(Pt)の粒子である。触媒粒子290の平均粒子径は、例えば1nm以上、8nm以下である。触媒粒子290の平均粒子径は、以下のように定義される。すなわち、触媒粒子290の平均粒子径は、走査透過電子顕微鏡(STEM)JEM−2800(日本電子株式会社製)のTEM画像から得られる円相当直径を、無作為に数十個抽出し、その直径を測定し、平均値を算出することで求められる。
グラファイト粒子(一次粒子)210の重量と触媒粒子290の重量の和に対する触媒粒子290の重量の比である触媒担持率[触媒粒子重量/(グラファイト粒子重量+触媒粒子重量)]は、10wt%以上、60wt%以下である。触媒粒子290の触媒担持率が10wt%以上である場合、発電に必要な量の電極触媒材料を電解質膜12の主表面に塗布した場合に触媒層の厚みが厚くなりすぎることを防ぐことができる。そのため、供給ガス(酸化剤ガス)がカソード触媒層16内を移動する距離を小さくすることができ、燃料電池の発電効率が向上する。
なお、触媒担持率は走査透過電子顕微鏡(STEM)のJEM−2800(日本電子株式会社製)のSTEM-EDS測定により求められる。
触媒粒子290同士の距離が小さすぎると電流集中が起こり、発電効率が落ちてしまう。触媒粒子290の触媒担持率を60wt%以下とすることで、触媒粒子290同士の距離が小さくなりすぎず、発電に必要な量のガスの供給律速を抑制することができるため、燃料電池の発電効率の低下を回避できる。
イオン交換樹脂280(アイオノマー)は、触媒粒子290と電解質膜12との間においてプロトンHを伝達する役割を果たす。イオン交換樹脂280としては、電解質膜12と同様の高分子材料を使用することができる。
カソード触媒層16では、図3において破線L2で示すように、カソードガス拡散層40から移動してきた電子(e)が、グラファイト粒子210を介して触媒粒子290が位置する反応点まで移動する。また、電解質膜12から移動してきたプロトン(H)が、イオン交換樹脂280を介して反応点まで移動する。また、カソードガス拡散層40からカソード触媒層16に供給された酸素(O)が反応点まで移動する。そして、触媒粒子290の作用により、反応点において上記式(2)で示す反応が起こり、水(HO)が生成される。
図6は、カソード触媒層16を構成する電極触媒材料100に形成されているグラファイトの二次粒子300を示す模式図である。グラファイトの二次粒子300は、個々のグラファイト粒子210(一次粒子)が複数個集まって形成されている。なお、同図では、二次粒子の態様を視認しやすくするために、触媒粒子290とイオン交換樹脂280を省略している。
グラファイトの二次粒子300を構成する複数の一次粒子210の間には間隙310が形成されている。二次粒子300の一次粒子210間の平均間隙量は、一次粒子210の平均開口径よりも大きい。二次粒子の平均間隙量は例えば10nm以上、200nm以下である。また、一次粒子210の貫通孔212の平均開口径は0.5nm以上、20nm以下である。二次粒子300の平均間隙量が、一次粒子210の貫通孔212の平均開口径よりも大きいため、燃料ガスや酸化剤ガスなどの供給ガスだけでなく、生成水を平均間隙量の大きい二次粒子300の間隙310に優勢的に通過させることができる。そのため、1次粒子の貫通孔212は、触媒層全体に供給ガスを行き渡らせる分流経路の役目を果たす。また、開口径が小さく、グラファイト粒子210の表面は疎水性を有するため、生成水はグラファイト粒子210の貫通孔212を通過し難い。そのため、供給ガスを優先的に通過する経路として貫通孔212を利用できる。このように、触媒層全体で発電を効率よく行うためには、すばやく供給ガスを行き渡らせることが重要となる。
二次粒子300の一次粒子110間の平均間隙量は、水銀ポロシメータよる細孔分布測定から得ることができる。より具体的には、オートポアIV9500(島津製作所製)を使用し、測定条件は、圧力範囲:3.45kPa(360μm相当)〜414MPa(0.003μm相当)である。この水銀ポロシメータを用いて二次粒子300の平均間隙量を測定することができる。
電極触媒材料200は、例えば以下の中空構造体製造工程、触媒担持工程、貫通孔形成工程を含む製造方法により製造することができる。
(中空構造体製造工程)
まず、後述する焼成処理後に炭素5員環を比較的多く生成し得る原料と、後述する焼成処理後に炭素5員環をほぼ生成しない原料、例えば炭素6員環の原料とを所定の比率で混合して、グラファイト化中空カーボン原料を得る。炭素5員環を比較的多く生成し得る原料としては、例えば不溶化処理が施されたPAN(Polyacrylonitrile)系原料、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチ等を使用することができる。炭素6員環の原料としては、例えば、PAHs(多環芳香族炭化水素:Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ベンゾピレン、ベンゾペリレン、またはグラフェン等を使用することができる。
次いで、このグラファイト化中空カーボン原料を、窒素(N)等の不活性ガスの存在下、2000℃以上、3000℃以下で焼成し、グラファイト化中空カーボンを形成する。炭素5員環は、グラファイト化中空カーボンを構成するグラファイト中にほぼ等間隔で位置する。
(触媒担持工程)
続いて、液相還元法により、塩化白金酸を白金(Pt)源として、液相還元法により、グラファイト化中空カーボンの外殻の外表面に触媒粒子290を結合させる。なお、白金金属等を触媒粒子290の供給源として、スパッタリング等の気相法によって、グラファイト化中空カーボンの外殻の外表面に触媒粒子290を結合させてもよい。このようにして、外殻の外表面に触媒粒子290を担持させる。
(貫通孔形成工程)
その後、触媒粒子290を担持したグラファイト化中空カーボンを、酸素(O)の存在下、500℃以上、650℃以下で焼成して、グラファイト化中空カーボン中の炭素5員環を熱分解して消失させる。これにより、外殻216に貫通孔212を有するグラファイト粒子210が得られる。外殻216において全グラフェンの炭素5員環が消失することにより貫通孔112が得られる。なお、炭素5員環の熱分解にともなって、この炭素5員環の周囲に位置する炭素6員環も熱分解して消失する場合もある。
焼成前に外殻216のグラフェンの炭素5員環の近くに担持された触媒粒子290の多くは、焼成による炭素5員環の消失と共に外表面218から離脱する。一方、焼成前に外殻216のグラフェンの炭素5員環から離れた位置に担持された触媒粒子290の多くは、焼成による炭素5員環の消失にかかわらず外表面218に担持されたままである。すなわち、触媒粒子290は、貫通孔212を除く外殻216の表面においてグラファイト粒子210に担持されている。
以上の工程により、電極触媒材料200を得ることができる。
また、得られた電極触媒材料200を電解質膜12の主表面に塗布することで、アノード触媒層14及びカソード触媒層16が形成される。これにより、膜電極接合体10が得られる。得られた膜電極接合体10にアノードガス拡散層20及びカソードガス拡散層40を積層し、さらにセパレータ2,4を積層することで、燃料電池を得ることができる。
炭素5員環の原料と炭素6員環の原料との混合比率は、必要とされる貫通孔212の数に基づいて設定することができる。貫通孔212の合計数は、理論上は炭素5員環の数と等しい。このため、貫通孔212の数から、炭素6員環の原料に対する炭素5員環の原料の割合を決定することができる。
なお、触媒担持工程と貫通孔形成工程の順序は入れ替わっても良い。この場合、貫通孔形成工程により貫通孔212が形成され、触媒担持工程により外殻216の外表面218に触媒粒子290が担持される。触媒担持工程においては既に貫通孔212が形成されているため、外表面218だけでなく、内表面220にも触媒粒子290が担持される。この場合、内表面220に担持された触媒粒子290の平均粒子径を貫通孔212の平均開口径よりも小さくすることが望ましい。これにより、貫通孔212近傍に触媒粒子290が担持されても、貫通孔212を塞ぐことを抑制することができる。なお、触媒担持工程において、液相還元法を用いることにより、触媒粒子290の供給源である塩化白金酸溶液等がグラファイト粒子210内部に入り込むため、スパッタリング等の気相法に比べて、内表面220に触媒粒子290が担持されやすい。
カソード触媒層16では、カソードガス拡散層40から移動してきた電子(e−)が、内表面220に担持された触媒粒子290が位置する中空部内反応点まで移動する。また、電解質膜12から移動してきたプロトン(H+)が、イオン交換樹脂280を介して中空部内反応点まで移動する。また、カソードガス拡散層40からカソード触媒層16に供給された酸素(O)が中空部内反応点まで移動する。そして、触媒粒子290の作用により、中空部内反応点において上記式(2)で示す反応が起こり、水(HO)が生成される。
図3に示すように、グラファイト粒子210の中空部214に流入した酸化剤ガスOと、内表面220に担持された触媒粒子290によって式(2)で示す反応が起こるので、燃料電池の発電性能を向上させることができる。ただし、触媒粒子290は、グラファイト粒子(一次粒子)210の外殻216の内表面220よりも外表面218に多く担持されているのが好ましい。触媒粒子290が外表面218に多く担持されることで、供給ガスの触媒反応が容易に行われる。また、内表面220にも触媒粒子290を担持できることで、触媒粒子290を担持できる箇所が多くなるため、触媒粒子290同士の距離を大きくすることが可能となる。よって電流集中を回避することができ、発電効率の低下を抑制することができる。
以上説明したように、電極触媒材料200は、グラファイト粒子210すなわち炭素部材の一次粒子と、触媒粒子290とを備える。炭素部材の一次粒子は中空部214を覆う外殻216を有すると共に外殻216に貫通孔212を有する。即ち、炭素部材の一次粒子は、外殻216を含む中空構造を有し、外殻216が貫通孔212を有する。触媒粒子290は、外殻の表面上に担持される。貫通孔212のうち少なくとも2つは、触媒粒子290により閉塞されずに開口している。これにより、アノード触媒層14あるいはカソード触媒層16におけるガスの拡散経路を増やしてガス拡散性を向上させることによって、触媒層内におけるガスの濃度分布及び局所的発電を回避して燃料電池の発電性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る燃料電池は、電解質膜12と、アノード触媒層14と、カソード触媒層16とを備え、アノード触媒層14及びカソード触媒層16が電極触媒材料200を含む。このため、この燃料電池は、電極触媒材料200の項で説明した有利な作用効果を奏することができる。
本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本開示の範囲に含まれうるものである。
上述した第1の実施の形態において、グラファイト粒子110は、貫通孔112及び凹部114の両方を有する。しかしながら、特にこの構成に限定されず、グラファイト粒子110は、貫通孔112及び凹部114の少なくとも一方を有していればよい。また、触媒粒子120は、貫通孔112及び凹部114の少なくとも一方において、グラファイト粒子110に担持されていればよい。
上述した第1の実施の形態において、電極触媒材料100は、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、フラーレンスート、ポーラスカーボン、活性炭等の嵩高い炭素材料を含有してもよい。これにより、電極触媒材料100を含む触媒層におけるガス拡散性、排水性、及び電子伝導性を高めることができる。
上述した第2の実施の形態において、電極触媒材料200は、炭素部材の一次粒子としてグラファイトに替えて多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、フラーレンスート、ポーラスカーボン、活性炭等の嵩高い炭素部材を含有してもよい。また、電極触媒材料200は、炭素部材の一次粒子としてグラファイトと共に多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、フラーレンスート、ポーラスカーボン、活性炭等の嵩高い炭素部材を含有してもよい。すなわち、炭素部材の一次粒子としては中空構造を有するものであれば良く、球状、扁平した球状、楕円体状などのような粒状の他、棒状のものであっても、電極触媒材料200を含む触媒層におけるガス拡散性、排水性、及び電子伝導性を高めることができる。なお、棒状の場合は、長手方向の両端以外に貫通孔が1つ以上あるほうが望ましい。棒状炭素部材の中空部を通るガスの移動経路が短くなるからである。ただし、棒状の一次粒子よりも粒状の一次粒子の方が、中空部を通るガスの移動経路が短いのでより好ましい。また、棒状の一次粒子よりも粒状の一次粒子の方が、一次粒子間の平均間隙量の制御が容易であるという利点がある。
また、上述した第1及び第2の実施の形態において、電極触媒材料100、200は、フッ化カーボン等の撥水性を有する炭素部材を含有してもよい。あるいは、グラファイト粒子110、210に撥水性を付与してもよい。これらにより、電極触媒材料100、200を含む触媒層における排水性を高めることができる。
また、上述した第1及び第2の実施の形態において、燃料電池は、固体高分子型燃料電池である。しかしながら、特にこの構成に限定されず、燃料電池は、アルカリ電解質型燃料電池(AFC)等の他の型の燃料電池であってもよい。
また、上述した第1及び第2の実施の形態では、アノード触媒層14及びカソード触媒層16がこれらの実施の形態に係る電極触媒材料100あるいは電極触媒材料200を含んでいる。しかしながら、特にこの構成に限定されず、アノード触媒層14又はカソード触媒層16の内の一方のみが電極触媒材料100あるいは電極触媒材料200を含んでもよい。
本開示による燃料電池は、高い発電性能を有し、家庭用電源、車載用電源や携帯機器用電源など幅広い用途に適用可能である。
1 燃料電池
12 電解質膜
14 アノード触媒層
16 カソード触媒層
100 電極触媒材料
110 グラファイト粒子
112 貫通孔
114 凹部
120 触媒粒子
200 電極触媒材料
210 グラファイト粒子
212 貫通孔
214 中空部
216 外殻
218 外表面
220 内表面
290 触媒粒子
300 二次粒子
310 間隙
グラファイト粒子(一次粒子)210の重量と触媒粒子290の重量の和に対する触媒粒子290の重量の割合である触媒担持率[触媒粒子重量/(グラファイト粒子重量+触媒粒子重量)]は、10wt%以上、60wt%以下である。触媒粒子290の触媒担持率が10wt%以上である場合、発電に必要な量の電極触媒材料を電解質膜12の主表面に塗布した場合に触媒層の厚みが厚くなりすぎることを防ぐことができる。そのため、供給ガス(酸化剤ガス)がカソード触媒層16内を移動する距離を小さくすることができ、燃料電池の発電効率が向上する。

Claims (9)

  1. 外殻を含む中空構造を有し、前記外殻が貫通孔及び凹部の少なくとも一方を有するグラファイト粒子と、
    前記貫通孔及び前記凹部の少なくとも一方によって担持された触媒粒子と、を備え、
    前記貫通孔及び前記凹部の少なくとも一方の一部は、前記グラファイト粒子を構成するグラファイトのエッジから構成されている電極触媒材料。
  2. 前記貫通孔又は前記凹部の最小径は、前記触媒粒子の平均粒子径未満である請求項1に記載の電極触媒材料。
  3. 前記外殻の厚さは、1nm以上、50nm以下である請求項1又は2に記載の電極触媒材料。
  4. 前記エッジに、フッ素が存在している請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極触媒材料。
  5. 外殻を含む中空構造を有し、前記外殻が貫通孔を有する、炭素部材の一次粒子と、
    前記外殻の表面上に担持された触媒粒子と、を備え、
    前記貫通孔のうち少なくとも2つは、前記触媒粒子により閉塞されずに開口している電極触媒材料。
  6. 前記貫通孔の平均開口径は、0.5nm以上、20nm以下である請求項5に記載の電極触媒材料。
  7. 前記一次粒子が複数集まった二次粒子を備え、
    前記二次粒子における前記一次粒子間の平均間隙量は、前記一次粒子の平均開口径よりも大きい請求項5又は6に記載の電極触媒材料。
  8. 前記一次粒子の重量と前記触媒粒子の重量の和に対する前記触媒粒子の重量の比である触媒担持率は、10wt%以上、60wt%以下である請求項5〜7のいずれか1項に記載の電極触媒材料。
  9. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面側に配置されるアノード触媒層と、
    前記電解質膜の、前記一方の面と反対の面側に配置されるカソード触媒層と、を備え、
    前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも一方は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極触媒材料を含む燃料電池。
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