JPWO2016199800A1 - トリチウム水蒸留装置及びトリチウム水蒸留方法 - Google Patents

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Abstract

分離性能(比揮発度)が格段に向上し、理論段数を実用可能レベルまで小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができるトリチウム水蒸留装置及びトリチウム水蒸留方法を提供する。トリチウム水蒸留装置1は、原液として供給される、トリチウム水(HTO又はT2O)を含む軽水(H2O)を、原液よりも高濃度のトリチウム水と原液よりも低濃度のトリチウム水とに分離する装置である。蒸留装置1は40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行う蒸留塔2を有し、蒸留塔2は充填材として吸着剤を使用する。蒸留塔2は塔頂部に凝縮器3を備え、凝縮器3には真空ポンプ5が接続されている。真空ポンプ5によって蒸留塔2内部が所定の高真空度に保持され、蒸留塔2において原液を40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行う。尚、蒸留を行う温度範囲は、好ましくは、50〜70℃である。

Description

本発明は、低濃度で且つ大量のトリチウムを含む汚染水の処理に際して、分離性能が向上し、理論段数が小さく、装置の小型化が図れることによって、実用的なレベルでの処理を可能としたトリチウム水蒸留装置及びトリチウム水蒸留方法に関する。
原発の汚染水処理として、多核種除去設備(ALPS)では62種の放射性物質の除去が可能になっているが、トリチウムだけは除去できずタンクに貯蔵されている。そのため、トリチウムを含む汚染水の処理が問題となっており、トリチウムを含む汚染水のトリチウム濃度を法的規制値(6×10Bq/L)以下まで下げることが要請されている。
ここで、トリチウムは水素の同位体であり、トリチウム水(HTO又はTO)の形態で存在するため、軽水(HO)とトリチウム水(HTO又はTO)との分離が困難とされている。
トリチウム除去技術の従来例としては、水蒸留法がある。この水蒸留法は軽水(HO)とトリチウム水(HTO又はTO)の蒸気圧の違いにより分離する方法である。
しかし、低濃度でかつ大量のトリチウムを含む汚染水を処理するには、分離性能が小さく、理論段数が大きくなり、装置の大型化やエネルギー消費が大きいという問題がある(下記の非特許文献1の193頁、右欄5行目〜10行目参照)。なお、非特許文献1には、低濃度の重水について分離性能が小さく、理論段数が大きくなることが記載されており、当該記載はトリチウムについても当てはまる。
日本海水学会誌、第43巻、第4号、「重水製造法と蒸発法海水淡水化装置における重水の濃縮」
そこで、分離性能(比揮発度)が向上し、理論段数が小さくできる水蒸留法を用いた装置が所望されていた。
本願発明は、上記課題に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、分離性能(比揮発度)が格段に向上し、理論段数を実用可能レベルまで小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができるトリチウム水蒸留装置及びトリチウム水蒸留方法を提供することである。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、蒸留塔を備え、原液として供給される、トリチウム水(HTO又はTO)を含む軽水(HO)を、原液よりも高濃度のトリチウム水と原液よりも低濃度のトリチウム水とに分離するトリチウム水蒸留装置であって、前記蒸留塔の充填材として吸着機能を有する充填材を使用すると共に、この蒸留塔によって40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行うことを特徴とする。
「吸着機能を有する充填材」とは、吸着剤そのものを充填材として使用する場合、規則充填物に粉状または球状の吸着剤を入れて使用する場合、及び、充填材に吸着層が形成されている場合を含む。
(1)「吸着剤そのものを充填材として使用する場合」とは、シリカゲル等の吸着剤そのものを充填材として使用する場合である。「吸着剤」としては、シリカゲルの他に、モレキュラーシーブ、ゼオライト(例えばNaX型ゼオライト、Y型ゼオライト、Mg型ゼオライト等の合成ゼオライト)、活性アルミナ、活性炭、メソポーラスシリカ等(例えばFSM−16、MCM−41、MCM−48)等が含まれる。
(2)「規則性充填物に粉状または球状の吸着剤を入れて使用する場合」とは、Katapak−SPのような市販の触媒用規則充填物に、粉状または球状の吸着剤を入れて使用する場合である。
(3)「充填材に吸着層が形成されている場合」とは、所定形状の充填基材(例えばラシヒリング)の表面に、選択吸着性材料から成る吸着層(例えばNaX型などのゼオライト層)が形成された充填材を使用する場合である。
(A)「所定形状の充填基材」とは、ラシヒリングのような市販の不規則充填物を意味する。「不規則充填物」としては、ラシヒリングの他に、ベルルサドル、インターロックスサドル等であってもよい。また、所定形状の充填基材は、金属製、樹脂製、セラミック製、ガラス製のいずれであってもよい。
(B)「選択吸着性材料」としては、選択吸着性がある材料であれば特に限定されず、NaX型以外のゼオライトも適用可能である。また、シリカゲルや吸着機能を様々にデザインして製造されるメソポーラスシリカ等(例えばFSM−16、MCM−41、MCM−48)の粉末状で得られる材料も、泳動電着法で金属の表面に電着させることができ、また、ガラス基板上に薄膜としてこれらを作製することも可能である。
なお、「選択吸着性材料」と「所定形状の充填基材」とを用いて本発明に係る充填基材を製造する方法としては、選択吸着性材料を基板表面に成膜する公知の製造方法を利用すればよい。以下に、代表的な製造方法を例示する。
(b1)金属製基板にメソポーラスシリカを成膜
泳動電着法により、メソポーラスシリカ粉末を金属製基板上に固定化する。具体的には、電着浴としてアセトンを用いて、このアセトン溶液にメソポーラスシリカ粉末を入れてメソポーラスシリカ粒子を分散・懸濁状態とし、アセトン溶液中の電極に10分間直流電流を流す。これにより、帯電したメソポーラスシリカ粒子が金属製基板上に堆積していき、10分間経過後には膜厚約250μmのメソポーラスシリカ膜が形成さる。次いで、メソポーラスシリカ膜が基板を空気中300℃で8時間焼成する。これにより、金属製基板上にバインダーなしでメソポーラスシリカ膜が固定化される(「Adsorption News」Vol.22,No.1(March2008) p8参照)。
上記方法を利用することにより、金属製充填基材表面にメソポーラスシリカ膜(吸着層)が形成され充填材を製造することができる。
(b2)ガラス基板にシリカ薄膜を成膜
具体的には、有機テンプレート剤にセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)やドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、DDAを用い、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、水等を原料として透明な前駆体溶液を調整する。この溶液をガラス基板上にスピンコートすることにより、ガラス基板上にシリカ薄膜が作製される(「メソポーラスを中心とした多孔質物質の合成とその応用」Nanotechnology,Materials 東海大学出版参照)。
上記方法を利用することにより、ガラス製充填基材表面にメソポーラスシリカ膜(吸着層)が形成され充填材を製造することができる。
(b3)多孔質基板でない基板にゼオライト膜を成膜
Al(NO・9HOとコロイダルシリカ(触媒化成 Cataloid SI-30)を含む水溶液に、TPABr(tetrapropylammonium bromide)、NaOHを添加し、均一に撹拌して水和ゲルを調製する。ゲルの組成は、HO/SiOモル比を80に、0.1TPABr−0.05NaO−0.01AlO3−SiO−80HOの組成のものを調整した。次いで、このゲル組成物を、テフロン(登録商標)製内筒を有する30mlのステンレス製オートクレーブに入れ、板状物を溶液に浸漬し、無撹拌状態で、温度170℃、48時間の条件下で水熱反応を行う。この結果、内筒壁面及び板状物面にZSM−5型のゼオライト膜が生成される(特開平06−127937参照)。なお、HOとSiOとのモル比、及び温度条件としては、HO/SiOモル比が50以上、温度は100℃以上、200℃未満の条件が必要である。
上記方法を利用することにより、多孔質でない充填基材表面にゼオライト膜(吸着層)が形成され充填材を製造することができる。
(C)吸着層は基材の表面全面に形成されていても又はその一部に形成されていてもよい。また、吸着層の厚みは、特に限定されるものではない。
なお、蒸留塔の充填材として、所定形状の充填基材の表面に、選択吸着性材料から成る吸着層が形成された充填材を用いることにより、還流比及び理論段数を大幅に小さくし、且つ、蒸留塔の圧力損失を実用的なレベルにすることが可能となる。
上記の如く、蒸留塔の充填材として「吸着機能を有する充填材」を使用すると、比揮発度が向上することが知られており、この充填材として吸着剤を使用する構成に加えて、40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行うことにより、分離性能が格段に向上し、理論段数を実用可能レベルまで小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができる。
ここで、上記の如く、蒸留塔で蒸留を行う温度範囲を40℃よりも大きく70℃以下に規制するのは以下の理由による。即ち、例えば、以下の請求項2のようなリボイラーの加熱源とするヒートポンプを備えた構成のような場合において、40℃以下の低温で蒸留を行うと、分離性能が向上し、理論段数が小さくできるという利点はあるが、ヒートポンプ(蒸気圧縮機)を容量の大きい大型のものを使用する必要があり、却ってコストの増加、装置の極端な大型化を招き、実用化に不向きなものとなる。
一方、70℃よりも大きい温度で蒸留を行うと、ヒートポンプ(蒸気圧縮機)を容量の大きい大型のものを使用する必要はないが、分離性能(比揮発度)の向上が得られず、実用化に不向きなものとなる。
そこで、分離性能を向上でき、且つ、実用化レベルの容量を備えたヒートポンプの使用を可能として、トリチウム水蒸留装置の実用化を可能とすべく、最適な温度範囲として40℃よりも大きく70℃以下に規制したものである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のトリチウム水蒸留装置であって、前記40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲に代えて、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことを特徴とする。
50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことにより、分離性能の向上と装置の小型化の両者をより最適に実現することが可能となる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のトリチウム水蒸留装置であって、前記蒸留塔は塔底部に貯まった貯留液を加熱するリボイラーを備えるとともに、前記蒸留塔からの蒸気を圧縮昇温し、リボイラーの加熱源とするヒートポンプを備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、蒸留塔からの蒸気を圧縮昇温しリボイラーの加熱源とすることにより、エネルギー効率がよく、省エネルギー化が図られる。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のトリチウム水蒸留装置であって、前記リボイラーが水平管式熱交換器であることを特徴とする。
上記の如く、水平管式熱交換器を用いることにより、より少ない温度差で溶液を再加熱することができ、省エネルギー化が図れる。
また、請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載のトリチウム水蒸留装置であって、前記蒸留塔、前記リボイラー、及び前記ヒートポンプを備えた第1蒸留塔群と、前記第1蒸留塔群と同一構成である第2蒸留塔群であって、第1蒸留塔群の後段に配置され、且つ第1蒸留塔群に直列に連結された第2蒸留塔群と、を備え、これら第1蒸留塔群と第2蒸留塔群を1つのユニットとして構成し、該ユニットを1又は複数個配置して構成されることを特徴とする。
上記構成により、第1蒸留塔群と第2蒸留塔群とは同一構成であるため、各蒸留塔群での分離性能は同じである。従って、例えば、各蒸留塔群で10倍濃縮される機能に設定した場合において、トリチウム濃度を第1蒸留塔群において1桁低下させ、更に第2蒸留塔群において1桁低下させることが可能となり、全体としてトリチウム濃度を2桁落す構成を容易に設計配置できることになる。よって、蒸発濃縮すべき原液量、及び蒸発濃縮された後の処理水に要請されるトリチウム濃度に応じて、第1蒸留塔群と第2蒸留塔群とから成るユニットを1又は複数個配置すれば、現実に必要とされるトリチウム水蒸留装置を設計配置することができる。このように、本発明によれば、トリチウム水蒸留装置の全体構成を効率的かつ機能的に設計することが可能となる。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載のトリチウム水蒸留装置であって、原液は前処理として蒸発濃縮装置により非揮発性成分が除去されていることを特徴とする。
上記構成によれば、前処理として蒸発濃縮装置により非揮発性成分(例えば塩分、スケール成分など)が除去されることにより、不純物含有量の少ない原液が得られ、蒸留塔で高濃度まで濃縮されても非揮発性成分の付着なしで運転することができる。
また、請求項7記載の発明は、蒸留塔を備え、原液として供給される、トリチウム水(HTO又はTO)を含む軽水(HO)を、原液よりも高濃度のトリチウム水と原液よりも低濃度のトリチウム水とに分離するトリチウム水蒸留方法であって、前記蒸留塔の充填材として吸着機能を有する充填材を使用すると共に、この蒸留塔によって40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、分離性能を向上でき、且つ、実用化レベルの容量を備えたヒートポンプの使用を可能とし、実用化が可能なトリチウム水蒸留方法が構築される。
本発明によれば、比揮発度(分離性能)が格段に向上し、この結果、理論段数を実用可能レベルまで小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができる。
実施の形態1に係るトリチウム水蒸留装置1の全体構成図。 実施の形態2に係るトリチウム水蒸留装置1Aの全体構成図。 実施の形態3に係るトリチウム水蒸留装置1Bの全体構成図。 実施の形態4に係るトリチウム水蒸留装置1Cの全体構成図。 実施の形態5に係るトリチウム水蒸留装置1Dの全体構成図。 実施の形態6に係るトリチウム水蒸留装置1Eの全体構成図。
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係るトリチウム水蒸留装置1の全体構成図である。
ここで、本発明のトリチウム水蒸留装置に供給される原液は、トリチウム水(HTO又はTO)を含む軽水(HO)である。また、本発明のトリチウム水蒸留装置とは、原液として供給される、トリチウム水(HTO又はTO)を含む軽水(HO)を、原液よりも高濃度のトリチウム水と原液よりも低濃度のトリチウム水とに分離する装置を意味する。
トリチウム水蒸留装置1は50〜70℃の温度範囲で蒸留を行う蒸留塔2を有する。蒸留塔2は充填式の多段の蒸留塔であって、充填材として吸着剤が使用されている。「吸着剤」としてはシリカゲルが用いられている。「吸着剤」としては、シリカゲルの他に、モレキュラーシーブ、ゼオライト(例えばNaX型ゼオライト、Y型ゼオライト、Mg型ゼオライト等の合成ゼオライト)、活性アルミナ、活性炭、メソポーラスシリカ等(例えばFSM−16、MCM−41、MCM−48)等を用いてもよい。なお、後述する実施の形態2−4において使用する「吸着剤」も、実施の形態1と同様であり、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト(例えばNaX型ゼオライト、Y型ゼオライト、Mg型ゼオライト等の合成ゼオライト)、活性アルミナ、活性炭、メソポーラスシリカ等(例えばFSM−16、MCM−41、MCM−48)等を用いてもよい。
蒸留塔2は塔頂部に凝縮器3を備えている。凝縮器3には真空ポンプ5が接続されている。この真空ポンプ5によって蒸留塔2の内部が所定の高真空度に保持され、この結果、蒸留塔2において、原液を50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことができるように構成されている。
また、蒸留塔2は塔底部には加熱循環経路Llが配管されている。加熱循環経路Llには、塔底部の貯留液を循環させる循環ポンプ6と、貯留液を加熱する加熱器(リボイラーに相当)4とが設けられている。加熱器4には蒸気が供給され、加熱循環経路Llを循環する貯留液を加熱するようになっている。なお、加熱器(リボイラーに相当)4は水平管式熱交換器であってもよい。
原液は蒸留塔2の塔頂部に供給される。なお、原液は、前処理によって62種の放射性物質及びスケール成分が除去されている。即ち、汚染水を多核種除去設備(ALPS)により62種の放射性物質(トリチウムを除く)が除去され、更に蒸発濃縮装置により塩分、スケール成分などの非揮発性成分が除かれている。
なお、後述する実施の形態2のトリチウム水蒸留装置1A及び実施の形態3のトリチウム水蒸留装置1Bにおいても、原液は上記と同様の前処理がなされている。
次いで、上記構成のトリチウム水蒸留装置1の処理動作について説明する。
先ず、25℃の原液は蒸留塔2の塔頂部に供給され、蒸留塔2内を流下し、蒸留塔2の塔底部に貯留する。この貯留液は、加熱循環経路Llを循環し、加熱器4において加熱されて蒸発し塔底部に供給される。加熱されて塔底部に供給された液は、フラッシュ蒸発によって蒸気を発生させる。発生蒸気は蒸留塔2内を上昇し、蒸留塔2内を下降する原液と気液接触が行われる。即ち、蒸留塔2に充填されている吸着剤の表面において上昇蒸気と下降液体とが気液接触し、液体が蒸発するのに必要な熱、即ち蒸発潜熱がやり取りされる。そして、蒸留塔2内が所定の真空度に維持されていることから、下降液が50〜70℃の温度範囲で蒸発し、それぞれ発生した蒸気は塔頂部に上昇していく。この気液接触の過程で、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。
そして、気液接触後の上昇蒸気は塔頂部に到達し、更に、凝縮器3に導かれる。凝縮器3では、供給された蒸気が冷却水によって冷却され、原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水として排出される。一方、気液接触後の下降液体は塔底部に貯留され、この貯留液の一部は原液よりもトリチウム濃度の高い高濃度トリチウム水として回収される。
このようにして、蒸留塔の充填材として吸着剤を使用すると共に、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことにより、分離性能が格段に向上し、理論段数を実用可能レベルまで小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができる。
(実施の形態2)
図2は実施の形態2に係るトリチウム水蒸留装置1Aの全体構成図である。トリチウム水蒸留装置1Aは、1つの蒸留塔を備えている構成である点において上記実施の形態1に係るトリチウム水蒸留装置1と同様であり、ヒートホンプ11を備えている点において、上記実施の形態1に係るトリチウム水蒸留装置1と相違する。以下、図2を参照して、トリチウム水蒸留装置1Aの構成を説明する。
トリチウム水蒸留装置1Aは、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行う蒸留塔10を有する。蒸留塔10は充填式の多段の蒸留塔であって、充填材として吸着剤が使用されている。蒸留塔10の塔頂部には配管L2を介して圧縮機としてのヒートポンプ11が接続されている。ヒートポンプ11は蒸留塔10の塔頂部からの蒸気を圧縮昇温し、この圧縮昇温された蒸気はリボイラー12に供給され、リボイラー12の加熱源とされる。リボイラー12には、真空ポンプ14が接続されている。この真空ポンプ14によって蒸留塔10及びヒートポンプ11の内部が所定の高真空度に保持され、この結果、蒸留塔10において、原液を50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことができるように構成されている。なお、リボイラー12は水平管式熱交換器であってもよい。
また、蒸留塔10の塔底部には、塔底部貯留液をリボイラー12に供給する供給ラインL3が設けられている。
なお、本実施の形態2は起動用加熱器13を備えており、起動時における場合及び運転温度を維持するための補助熱源が必要な場合に外部熱を供給できるようになっている。即ち、蒸留塔10の塔底部には、起動用加熱ラインL6が配管されており、この起動用加熱ラインL6には循環ポンプ15と起動用加熱器13とが設けられている。起動時には、循環ポンプ15が駆動され、蒸留塔10塔底部貯留液は、起動用加熱ラインL6を循環し、起動用加熱器13において加熱されて蒸発し塔底部に供給されるようになっている。
次いで、上記構成のトリチウム水蒸留装置1の処理動作について説明する。先ず、25℃の原液は蒸留塔10の塔頂部に供給され、蒸留塔10内を流下し、蒸留塔10の塔底部に到達して貯留される。この蒸留塔10の塔底部貯留液は、起動用加熱ラインL6を循環し、起動用加熱器13において加熱されて塔底部に供給され、フラッシュ蒸発によって蒸気を発生させる。この塔底部で発生した加熱蒸気は蒸留塔10内を上昇し、蒸留塔10内を下降する原液と気液接触が行われる。即ち、蒸留塔に充填されている吸着剤の表面において上昇蒸気と下降液体とが気液接触し、液体が蒸発するのに必要な熱、即ち蒸発潜熱がやり取りされる。そして、蒸留塔10内が所定の真空度に維持されていることから、下降液が50〜70℃の温度範囲で蒸発し塔頂部に上昇していく。この気液接触の過程で、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。
そして、気液接触後の上昇蒸気は蒸留塔10の塔頂部に到達し、更に、ヒートポンプ11に導かれる。ヒートポンプ11では、供給された蒸気を圧縮昇温し、リボイラー12の熱源とする。リボイラー12では、供給ラインL3を経て供給された塔底部貯留液が加熱され、供給ラインL4を経て塔底部に戻されるとともに、リボイラー12でフラッシュ蒸発した蒸気は供給ラインL5を経て塔底部に戻される。そして、塔底部に戻された加熱蒸気は再び蒸留塔10内を上昇し、蒸留塔10内を下降する原液と気液接触が行われ、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。そして、このような一連の処理が繰り返し行われる。
一方、上記一連の処理が繰り返し行われることにより、蒸留塔10の塔底部では、貯留液が高濃度となり、貯留液の一部が供給ラインL3、排出ラインL7を通って、原液よりもトリチウム濃度の高い高濃度トリチウム水として回収される。また、ヒートポンプ11からリボイラー12に供給された蒸気は、リボイラー12において塔底部貯留液と熱交換されて冷却凝縮され、原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水として排出される。
このようにして、本実施の形態2においても、蒸留塔の充填材として吸着剤を使用すると共に、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことにより、分離性能が格段に向上し、理論段数を実用可能レベルまで小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができる。加えて、蒸留塔10の塔頂部からの蒸気を圧縮昇温しリボイラー12の加熱源とすることにより、エネルギー効率がよく、省エネルギー化が図られる。
ここで、上記の如く、蒸留塔で蒸留を行う温度範囲を50〜70℃に規制する理由をより詳しく説明する。即ち、例えば、リボイラーの加熱源とするヒートポンプを備えた構成のような場合において、50℃以下の低温で蒸留を行うと、分離性能が向上し、理論段数が小さくできるという利点はあるが、ヒートポンプ(蒸気圧縮機)を容量の大きい大型のものを使用する必要があり、却ってコストの増加、装置の極端な大型化を招き、実用化に不向きなものとなる。
一方、70℃よりも大きい温度で蒸留を行うと、ヒートポンプ(蒸気圧縮機)を容量の大きい大型のものを使用する必要はないが、分離性能(比揮発度)の向上が得られず、実用化に不向きなものとなる。
そこで、分離性能を向上でき、且つ、実用化レベルの容量を備えたヒートポンプの使用を可能として、トリチウム水蒸留装置の実用化を可能とすべく、最適な温度範囲として50〜70℃に規制したものである。
(実施の形態3)
図3は実施の形態3に係るトリチウム水蒸留装置1Bの全体構成図である。本実施の形態3は、実施の形態1に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付す。上記実施の形態1では、原液は蒸留塔2の塔頂部に供給するように構成されていたが、本実施の形態3では、図3に示すように原液は蒸留塔2の中間部に供給すると共に、凝縮器3からの凝縮水(トリチウム水)は一部が蒸留塔2の塔頂部に還流され、一部が原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水として排出されるように構成されている。このような原液を蒸留塔2の中間部に供給する構成により、原液の濃度と蒸留塔2内の濃度とが略同一となるため、より好ましい蒸留処理が可能となる。
(実施の形態4)
図4は実施の形態4に係るトリチウム水蒸留装置1Cの全体構成図である。本実施の形態4は、実施の形態2に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付す。上記実施の形態2では、原液は蒸留塔10の塔頂部に供給するように構成されていたが、本実施の形態4では、図4に示すように原液は蒸留塔10の中間部に供給すると共に、リボイラー12からの凝縮水(トリチウム水)は一部が蒸留塔10の塔頂部に還流され、一部が原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水として排出されるように構成されている。このような原液を蒸留塔10の中間部に供給する構成により、原液の濃度と蒸留塔10内の濃度とが略同一となるため、より好ましい蒸留処理が可能となる。
なお、参考まで述べると、以下の実施の形態5、6においては、上記実施の形態3,4において示した(1)原液を蒸留塔の中間部に供給する構成、及び、(2)蒸留塔の塔頂部からの蒸気が凝縮器(リボイラー等の熱交換器を含む)に導かれて凝縮し、この凝縮水(トリチウム水)の一部が蒸留塔の塔頂部に還流する構成が適用されている。
(実施の形態5)
図4は実施の形態5に係るトリチウム水蒸留装置1Dの全体構成図である。トリチウム水蒸留装置1Dは複数個(本実施の形態では3個)の蒸留塔群を備えている。即ち、トリチウム水蒸留装置1Dは、第1蒸留塔群F1、第2蒸留塔群F2及び第3蒸留塔群F3を有している。第1蒸留塔群F1は、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行う第1蒸留塔A1、圧縮機としての第1ヒートポンプB1、第1リボイラーR1及び第1循環ポンプP1を有している。第2蒸留塔群F2及び第3蒸留塔群F3も第1蒸留塔群F1と同様な構成を有している。即ち、第2蒸留塔群F2も、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行う第2蒸留塔A2、第2ヒートポンプB2、第2リボイラーR2及び第2循環ポンプP2を有しており、第3蒸留塔群F3も、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行う第3蒸留塔A3、第3ヒートポンプB3、第3リボイラーR3及び第3循環ポンプP3を有している。これら蒸留塔A1、A2,A3は充填式の多段の蒸留塔であって、充填材として吸着剤が使用されている。
なお、第2蒸留塔A2には原液が供給され、原液は、第2蒸留塔A2内で処理されているトリチウム水濃度と原液のトリチウム水濃度とが同じ濃度となるように、第2蒸留塔A2の中間部へ給液されるようになっている。また、リボイラーR1,R2,R3には真空ポンプPが接続されており、ヒートポンプB1,B2,B3及び蒸留塔A1、A2,A3の内部が所定の高真空度に保持され、この結果、蒸留塔A1、A2,A3において、原液を50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことができるように構成されている。
また、第1蒸留塔群F1は起動用加熱器20を備えている。即ち、蒸留塔A1の塔底部には、起動用加熱ラインL20が配管されており、この起動用加熱ラインL20には循環ポンプP1と起動用加熱器20とが設けられている。起動時には、第1蒸留塔A1塔底部の貯留液は、起動用加熱ラインL20を循環し、起動用加熱器20において加熱されて蒸発し塔底部に供給されるようになっている。
また、トリチウム水蒸留装置1Dは原液予熱器21を備えており、トリチウム水蒸留装置1Dによって原液よりもトリチウム濃度が減少した低濃度トリチウム水と、25℃の原液とが熱交換されるようになっている。なお、リボイラーR1,R2,R3は水平管式熱交換器であってもよい。
次いで、上記構成のトリチウム水蒸留装置1Dの処理動作について説明する。先ず、原液は第2蒸留塔A2の中間部に供給され、第2蒸留塔A2内を流下し、第2蒸留塔A2の塔底部に貯留する。この第2蒸留塔A2の塔底部貯留液は、循環ポンプP2→供給ラインL21を経て、第1蒸留塔A1の充填部60の中間部に供給され、更に、第1蒸留塔A1内を流下して第1蒸留塔A1の塔底部に到達して貯留される。この第1蒸留塔A1の塔底部貯留液は、起動用加熱ラインL20を循環し、起動用加熱器20において加熱されて蒸発し塔底部に供給される。この塔底部に供給された加熱蒸気は第1蒸留塔A1内を上昇し、第1蒸留塔A1内を下降する原液と気液接触が行われる。ここで、蒸留塔A1内が所定の真空度に維持されていることから、下降液が50〜70℃の温度範囲で蒸発し塔頂部に上昇していく。この気液接触の過程で、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。
そして、気液接触後の上昇蒸気は第1蒸留塔A1の塔頂部に到達し、更に、第1ヒートポンプB1に導かれる。第1ヒートポンプB1では、供給された蒸気を圧縮昇温(58℃)し、第1リボイラーR1の熱源とする。第1リボイラーR1では、供給ラインL22を経て供給された第1蒸留塔A1の塔底部貯留液は加熱され供給ラインL23を経て第1蒸留塔A1の塔底部に戻されるとともに、リボイラーR1で加熱蒸発した55℃の蒸気は供給ラインL24を経て第1蒸留塔A1の塔底部に戻される。このようにして、第1蒸留塔A1の塔底部では、貯留液が高濃度となり、この塔底部貯留液の一部は排出ラインL40を通って原液よりもトリチウム濃度の高い高濃度トリチウム水として回収される。一方、第1ヒートポンプB1から第1リボイラーR1に供給された蒸気は、第1リボイラーR1において熱交換され冷却凝縮し、この第1リボイラーR1からの凝縮水(トリチウム水)は排出ラインL50、L51を経て第1蒸留塔A1の塔頂部に還流される。また、この第1リボイラーR1からの凝縮水(トリチウム水)は、排出ラインL50、L52を経て、第1蒸留塔A1の塔底部貯留液よりもトリチウム濃度が減少処理されたトリチウム水として第2蒸留塔A2の中間部に供給される。
次いで、第2蒸留塔A2においては、第2蒸留塔A2の塔底部貯留液が第2リボイラーR2によって加熱され、加熱蒸気として塔底部に戻される。この加熱蒸気は第2蒸留塔A2内を上昇し、下充填部51においては、上充填部50を下降する下降液および下充填部51を下降する原液の混合液と気液接触が行われる。また、加熱蒸気は、第2蒸留塔A2の上充填部50を上昇する際に、上充填部50を下降する下降液(第2リボイラーR2から排出ラインL53、L54を経て第2蒸留塔A2の塔頂部に還流される凝縮水(トリチウム水))と気液接触が行われる。ここで、第2蒸留塔A2が所定の真空度に維持されていることから、下降液が50〜70℃の温度範囲で蒸発し塔頂部に上昇していく。この気液接触の過程で、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。
そして、気液接触後の上昇蒸気は第2蒸留塔A2の塔頂部に到達し、更に、第2ヒートポンプB2に導かれる。第2ヒートポンプB2では、供給された蒸気を圧縮昇温(58℃)し、第2リボイラーR2の熱源とする。第2リボイラーR2では、供給ラインL25を経て供給された第2蒸留塔A2の塔底部貯留液は加熱され供給ラインL26を経て第2蒸留塔A2の塔底部に戻されるとともに、第2リボイラーR2で加熱蒸発した55℃の蒸気は供給ラインL27を経て第2蒸留塔A2の塔底部に戻される。一方、第2ヒートポンプB2から第2リボイラーR2に供給された蒸気は第2リボイラーR2において熱交換され冷却凝縮し、この第2リボイラーR2からの凝縮水(トリチウム水)は排出ラインL53、L54を経て第2蒸留塔A2の塔頂部に還流される。また、この第2リボイラーR2からの凝縮水(トリチウム水)は、排出ラインL53、L55を経て、第2蒸留塔A2の塔底部貯留液よりもトリチウム濃度が減少処理されたトリチウム水として第3蒸留塔A3の充填部61の中間部に供給される。
次いで、第3蒸留塔A3においては、第3蒸留塔A3の塔底部貯留液が第3リボイラーR3によって加熱され、加熱蒸気として塔底部に戻される。この加熱蒸気は第3蒸留塔A
3内を上昇し、第3蒸留塔A3内を下降する下降液(第3リボイラーR3から排出ラインL29、L31を経て第3蒸留塔A3の塔頂部に還流される凝縮水(トリチウム水))と気液接触が行われる。ここで、蒸留塔A3内が所定の真空度に維持されていることから、下降液が50〜70℃の温度範囲で蒸発し塔頂部に上昇していく。この気液接触の過程で、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。
そして、気液接触後の上昇蒸気は第3蒸留塔A3の塔頂部に到達し、更に、第3ヒートポンプB3に導かれる。第3ヒートポンプB3では、供給された蒸気を圧縮昇温(58℃)し、第3リボイラーR3の熱源とする。第3リボイラーR3では、供給ラインL32を経て供給された第3蒸留塔A3の塔底部貯留液は加熱され、供給ラインL33を経て第3蒸留塔A3の塔底部に戻されるとともに、第3リボイラーR3で加熱蒸発した55℃の蒸気は供給ラインL34を経て第3蒸留塔A3の塔底部に戻される。一方、第3ヒートポンプB3から第3リボイラーR3に供給された蒸気は、第3リボイラーR3において熱交換されて冷却凝縮され、この第3リボイラーR3からの凝縮水(トリチウム水)は、一部が第3蒸留塔A3の塔頂部に還流され、一部が排出ラインL29、L30、予備熱交換器21を経て原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水として排出される。
このようにして、本実施の形態5においては、第1蒸留塔A1、第2蒸留塔A2、第3蒸留塔A3の順に、塔底部貯留液のトリチウム濃度が高濃度、中濃度、低濃度と低下していくことになる。
また、上記実施の形態1−4と同様に、蒸留塔の充填材として吸着剤を使用すると共に、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことにより、分離性能が格段に向上し、理論段数を実用可能レベルまで小さくでき、実用可能な装置の小型化を図ることができる。
なお、トリチウム水蒸留装置1Dは蒸留塔を3塔とした構成であったけれども、実用に際しては、原液の処理量、トリチウム濃度をどの程度まで減少させるか等によって、必要な理論段数から蒸留塔の数を決定すればよい。勿論、比揮発度が格段に向上することから、従来例よりも格段に理論段数が小さく、実用化可能なレベルの設備の小型化が可能となり、コストも実用化レベルまで低減が図れる。従って、上記トリチウム水蒸留装置1、1A、1B、1C、1Dの発明思想を、原発の汚染水処理装置に適用すれば、実用化レベルで汚染水処理の解決策となり得るものと考えられる。
(実施の形態6)
図6は実施の形態6に係るトリチウム水蒸留装置1Eの全体構成図である。トリチウム水蒸留装置1Eは、2つの同一構成の蒸留塔群を直列に連結して1つのユニットとして構成し、1又は複数ユニットを配置して構成したことを特徴とする。本実施の形態6では、1つのユニットを配置構成した例である。
以下、図6を参照して、トリチウム水蒸留装置1Eの具体的な構成を説明する。トリチウム水蒸留装置1Eは、第1蒸留塔群D1と、この第1蒸留塔群D1に直列に連結された第2蒸留塔群D2とを備えている。第1蒸留塔群D1と第2蒸留塔群D2とは同一構成である。
第1蒸留塔群D1は、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行う第1蒸留塔E1、圧縮機としてのヒートポンプG1及びリボイラーH1を有している。本実施の形態では、リボイラーH1として水平管型蒸発器(水平管式熱交換器に相当)が使用されている。このような水平管型蒸発器を用いることにより、より少ない温度差で溶液を再加熱することができ、省エネルギー化が図れる。
水平管型蒸発器は蒸発缶I1を含み、この蒸発缶I1は筒形に形成されており、内部に原液を貯留することができるようになっている。蒸発缶I1の上部には、左右一対のヘッダーa1,b1と、この両ヘッダーa1,b1の間を繋ぐ多数本の水平伝熱管c1とから成る加熱器J1が設けられている。また、水平管型蒸発器は、処理水(凝縮水)の循環流路K1を有する。循環流路K1には、凝縮水(分離水)ポンプM1及び散布器N1が配置されている。凝縮水ポンプM1は、ヘッダーb1の底部に接続されている。ヒートポンプG1からの加熱蒸気はヘッダーa1に進入し、水平伝熱管c1の内側に導かれ、水平伝熱管c1の外側に散布された循環液(原液)を蒸発させると同時に凝縮し、凝縮水となり、ヘッダーb1、凝縮水ポンプM1、管d1を通って散布器N1に移送されるようになっている。また、凝縮水の一部は、ヘッダーb1、凝縮水ポンプM1、管g1を経て第2蒸留塔群D2の蒸留塔E2の充填部71に供給されるようになっている。
また、水平管型蒸発器は、原液の循環流路h1を有する。循環流路h1には、循環ポンプQ1及び散布器S1が配置されている。循環ポンプQ1は、第1蒸留塔E1の塔底部に接続されている。循環ポンプQ1は、管m1を通して、第1蒸留塔E1の塔底部に貯留する原液(原液が濃縮された濃縮液を含む)を散布器S1に移送することができるように形成されている。また、循環ポンプQ1は、管t1を通して、原液が濃縮された濃縮液の一部を回収して高濃度トリチウム水として系外に排出することができるように形成されている。散布器S1は、原液を水平伝熱管c1の上方から水平伝熱管c1に向けて散布するように形成されている。
なお、ヒートポンプG1の出口側は加熱器J1のヘッダーa1に接続されている。加熱器J1のヘッダーa1には、抽気スクラバーV1を介して真空ポンプT1が接続されている。この真空ポンプT1によって蒸発缶I1の内部及びヒートポンプG1内部が真空に保持される。
抽気スクラバーV1の上部には散布器W1を備えており、この抽気スクラバーV1の下部にはヘッダーa1内部に残留する抽気蒸気が供給されるようになっている。加熱器J1底部の貯留液は、凝縮水ポンプM1によって管r1を通って散布器W1から散布されるようになっており、これにより、ヘッダーa1から抽気スクラバーV1に吸引される抽気蒸気が冷却され、抽気蒸気に含まれるトリチウムが外部に排出されることが防止されるようになっている。また、真空ポンプT1に接続される排気ラインe1には、貯留タンクU1と冷却器Z1が備えられている。抽気スクラバーV1の上部に残留する蒸気は、真空ポンプT1を介して冷却器Z1に導かれ、冷却器Z1で冷却される。これによって、冷却器Z1に導かれる排気蒸気に含まれるトリチウムが外部に排出されることが防止されるようになっている。このように、抽気スクラバーV1、及び冷却器Z1によって、ヘッダーa1に残留する抽気蒸気を外部に排出するに際して、抽気蒸気に含まれるトリチウムが外部に排出されることが可及的に防止される。なお、貯留タンクU1の貯留液は、封水ポンプX1によって一部系外に排出されると共に、その大部分は冷却されて真空ポンプT1及び冷却器Z1に移送されるようになっている。
第2蒸留塔群D2は第1蒸留塔群D1と同一な構成を有しており、第1蒸留塔群D1の各構成部分に対応する第2蒸留塔群D2の各構成部分には、参照符号に添え字2を付して示す。例えば、第2蒸留塔群D2の蒸留塔は参照符号E2で、第2蒸留塔群D2のヒートポンプは参照符G2で、第2蒸留塔群D2のリボイラーは参照符号H2で示す。その他の第2蒸留塔群D2の構成部分についても、同様の表記で示す。
次いで、上記構成の蒸留装置1Eの処理動作について説明する。先ず、第1蒸留塔群D1の処理動作について説明する。真空ポンプT1の駆動により、蒸発缶I1、蒸留塔E1、及びヒートポンプG1の内部が所定の高真空度に保持される。原液は原液供給管50を通って蒸留塔E1の充填部70の中間部に供給される。次いで、循環ポンプQ1の駆動により、蒸留塔E1の塔底部に貯留する循環液(原液及び濃縮水を含む)は管m1を通って散布器S1に供給され、散布器S1から水平伝熱管c1に向かって散布される。散布器S1にて散布された循環液は、水平伝熱管c1の表面で薄膜蒸発し、加熱蒸気が発生する。この加熱蒸気は蒸留塔E1の塔底部に供給されて蒸留塔E1内を上昇する。一方、凝縮水ポンプM1により、ヘッダーb1から管d1を通って蒸留塔E1の塔頂部に供給された処理水(凝縮水)は、蒸留塔E1内を流下する。そして、蒸留塔E1内部の各段において、蒸留塔E1内を上昇する加熱蒸気と蒸留塔E1内を流下する処理水(凝縮水)とが気液接触することにより、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。そして、トリチウム濃度は減少した蒸気は塔頂部から取り出される。
塔頂部から取り出された蒸気はヒートポンプG1に導かれる。ヒートポンプG1では、供給された蒸気を圧縮昇温し、リボイラーH1の熱源とする。即ち、ヒートポンプH1に導かれた蒸気は、ヒートポンプH1にて断熱圧縮されて温度及び圧力が上昇した後にヘッダーa1に送られる。ヘッダーa1に進入した蒸気は、水平伝熱管c1の内側に導かれ、水平伝熱管c1の外側に散布された循環液を薄膜蒸発させる。薄膜蒸発により発生した蒸気は再び蒸留塔E1内を上昇し、塔頂部から蒸留塔E1内を下降する処理水(凝縮水)と気液接触が行われ、この結果、下降液中のトリチウム濃度は増加し、上昇蒸気中のトリチウム濃度は減少する。一方、薄膜蒸発しなかった残余の循環液は、蒸発缶I1底部に貯留する。そして、このような一連の処理が繰り返し行われることにより、循環液は濃縮され、管t1から高濃度とリチウム水として系外に排出される。
また、上記薄膜蒸発により、水平伝熱管c1の内側に導かれ蒸気は同時に凝縮し、ヘッダーb1に導かれ、その一部は凝縮水として再び管d1を通って蒸留塔E1の塔頂部に供給され、その一部は処理水(原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水)として管g1を経て第2蒸留塔群D2の蒸留塔E2の充填部71に供給される。
次いで、第2蒸留塔群D2の処理動作について説明する。第2蒸留塔群D2の処理動作は、基本的には第1蒸留塔群D1の処理動作と同様である。なお、異なる処理動作としては、以下の通りである。即ち、蒸留塔D2の充填部71の中間部には、第1蒸留塔群D1において蒸留分離された処理水(原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水)が供給される。また、第2蒸留塔群D2の処理動作により高濃度となった高濃度トリチウム水は蒸留塔E2の塔底部から管51を通って第1蒸留塔群D1の蒸留塔E1の充填部70に戻される。更に、第2蒸留塔群D2においてヘッダーb2に導かれた凝縮水の一部は、管d2を通って蒸留塔E2の塔頂部に供給され、その一部は原液よりもトリチウム濃度の低い低濃度トリチウム水として管52を経て系外に排出される。
ここで、本実施の形態6では、各蒸留塔群D1,D2を10倍濃縮される機能に設定されている。この結果、トリチウム濃度を第1蒸留塔群D1において1桁低下させ、更に第2蒸留塔群D2において1桁低下させることが可能となり、全体としてトリチウム濃度を2桁低下させる構成を容易に設計配置できることになる。
なお、本実施の形態6では、2つの蒸留塔群D1,D2を直列に連結して配置したけれども、これら2つの蒸留塔群D1,D2を1ユニットとして構成し、蒸発濃縮すべき原液量、及び蒸発濃縮された後の処理水に要請されるトリチウム濃度に応じて、第1蒸留塔群と第2蒸留塔群とから成るユニットを1又は複数個配置すれば、現実に必要とされるトリチウム水の高濃度減容化と低濃度化処理を可能とする蒸留装置を容易に設計配置することが可能となる。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態1−6では、「吸着機能を有する充填材」としては、吸着剤そのものを充填材として使用する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、(a)Katapak−SPのような市販の触媒用規則充填物に、粉状または球状の吸着剤を入れて使用する場合であってもよく、(b)また、所定形状の充填基材(ラシヒリング)の表面に、選択吸着性材料から成る吸着層(例えばNaX型などのゼオライト層)が形成された充填材を使用する場合であってもよい。
(2)上記実施の形態1−6では、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うように構成されていたが、40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行う構成であってもよい。なお、好ましい温度範囲としては、50〜70℃である。
本発明は、トリチウム水蒸留装置及びトリチウム水蒸留方法等に適用することが可能である。
1,1A,1B,1C、1D、1E:トリチウム水蒸留装置
D1:第1蒸留塔群
D2:第2蒸留塔群
2,10,A1,A2,A3,E1.E2:蒸留塔
11,B1,B2,B3,G1,G2:ヒートポンプ
12,R1,R2,R3,H1,H2:リボイラー
5,14,P,T1,T2:真空ポンプ

Claims (7)

  1. 蒸留塔を備え、原液として供給される、トリチウム水(HTO又はTO)を含む軽水(HO)を、原液よりも高濃度のトリチウム水と原液よりも低濃度のトリチウム水とに分離するトリチウム水蒸留装置であって、
    前記蒸留塔の充填材として吸着機能を有する充填材を使用すると共に、この蒸留塔によって40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行うことを特徴とするトリチウム水蒸留装置。
  2. 前記40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲に代えて、50〜70℃の温度範囲で蒸留を行うことを特徴とする請求項1記載のトリチウム水蒸留装置。
  3. 前記蒸留塔は塔底部に貯まった貯留液を加熱するリボイラーを備えるとともに、前記蒸留塔からの蒸気を圧縮昇温し、リボイラーの加熱源とするヒートポンプを備えている請求項1又は2記載のトリチウム水蒸留装置。
  4. 前記リボイラーが水平管式熱交換器である請求項3記載のトリチウム水蒸留装置。
  5. 前記蒸留塔、前記リボイラー、及び前記ヒートポンプを備えた第1蒸留塔群と、
    前記第1蒸留塔群と同一構成である第2蒸留塔群であって、第1蒸留塔群の後段に配置され、且つ第1蒸留塔群に直列に連結された第2蒸留塔群と、
    を備え、これら第1蒸留塔群と第2蒸留塔群を1つのユニットとして構成し、該ユニットを1又は複数個配置して構成されることを特徴とする請求項3又は4記載のトリチウム水蒸留装置。
  6. 原液は前処理として蒸発濃縮装置により非揮発性成分が除去されている請求項1〜5の何れかに記載のトリチウム水蒸留装置。
  7. 蒸留塔を備え、原液として供給される、トリチウム水(HTO又はTO)を含む軽水(HO)を、原液よりも高濃度のトリチウム水と原液よりも低濃度のトリチウム水とに分離するトリチウム水蒸留方法であって、
    前記蒸留塔の充填材として吸着機能を有する充填材を使用すると共に、この蒸留塔によって40℃よりも大きく70℃以下の温度範囲で蒸留を行うことを特徴とするトリチウム水蒸留方法。
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