JPWO2016195095A1 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

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Abstract

プランジャーの眼内レンズ挿入器具から眼内への急な、意図しない突出を防止することが可能な眼内レンズ挿入器具を提供する。眼内レンズ挿入器具を、眼内レンズが収納される収納部と眼内レンズを患者の眼内に放出するための挿入筒部とを有する器具本体と、器具本体内を移動可能に設けられたプランジャーと、を備え、プランジャーが挿入筒部側に移動してプランジャーの先端によって収納された眼内レンズが押圧されることで、眼内レンズが挿入筒部から放出可能となる、眼内レンズの挿入器具であって、プランジャーは、プランジャーの眼内レンズに対する押圧力が所定閾値以上になるとプランジャーの移動を抑止する抑止部を有する構成とする。

Description

本発明は、眼内レンズ挿入器具に関する。
白内障治療においてヒト混濁水晶体を置換して屈折を補正するために水晶体の代用として挿入される眼内レンズが実用に供されている。白内障治療における眼内レンズ挿入手術においては、例えば角膜、強角膜などの縁に数ミリの切開の創口(切開創)が設けられ、超音波水晶体乳化吸引術などにより水晶体が粉砕されて切開創から取り除かれた後、眼内レンズ挿入器具により眼内レンズが挿入及び固定される。そして、近年においては、眼内レンズ挿入器具を用いた眼内レンズの眼内への挿入を補助する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2、3)。
特開2010−082288号公報 特表2012−505066号公報 特開平11−113939号公報
眼内レンズは軟質アクリル材料、シリコン系材料などの軟質素材を用いて形成されるため、ある程度の粘着性を有する。また、眼内レンズを眼内に挿入する際には、眼内レンズ挿入器具内の眼内レンズの移動路がヒアルロン酸などの粘弾性物質で満たされる。さらに、術者は、眼内レンズを眼内レンズ挿入器具の先端から放出する際に、眼内レンズの押出部材であるプランジャーを用いて、眼内レンズを眼内レンズ挿入器具の先端に移動させた状態で一旦移動を中断し、眼内レンズの姿勢が正常であるか否かおよび損傷などがあるか否かなどを確認することがある。
このとき、眼内レンズの移動を中断した状態で時間が経過すると、眼内レンズが眼内レンズ挿入器具の内壁と接触したままとなり、眼内レンズが当該内壁に固着してしまう可能性がある。また、眼内レンズ挿入器具内における眼内レンズの移動の潤滑剤として用いられる粘弾性物質が眼内レンズ挿入器具の先端から漏れ出てしまい、その後の眼内レンズの移動に支障をきたす可能性がある。
この結果、眼内レンズの移動を再開すると、眼内レンズ挿入器具内において眼内レンズが意図しない方向に回転したり、正常でない折り畳み状態に変形したり、眼内レンズを眼内で位置決めするための支持部が正常にタッキングしないなどの異常が生じる可能性がある。このような異常が発生すると、眼内レンズを眼内レンズ挿入器具から放出するためにプランジャーを押圧移動する際に、通常の押圧力よりも大きな押圧力をプランジャーに与える必要がある可能性がある。
そして、このような押圧力をプランジャーに与えて眼内レンズを移動させると、眼内レンズが眼内レンズ挿入器具の先端から勢いよく放出されると共に、押し進めているプランジャーの一部も眼内レンズ挿入器具の先端から突出する可能性がある。眼内レンズ挿入器具の先端から突出したプランジャーが角膜などの眼球組織に触れると、当該組織が損傷する可能性もある。
本件開示の技術は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プランジャーの眼内レンズ挿入器具から眼内への急な、意図しない突出を防止することが可能な眼内レンズ挿入器具を提供することである。
本件開示の一態様に係る眼内レンズ挿入器具は、眼内レンズが収納される収納部と眼内レンズを患者の眼内に放出するための挿入筒部とを有する器具本体と、器具本体内を移動可能に設けられたプランジャーと、を備え、プランジャーが挿入筒部側に移動してプランジャーの先端によって収納された眼内レンズが押圧されることで、眼内レンズが挿入筒部から放出可能となる、眼内レンズの挿入器具であって、プランジャーは、プランジャーの眼内レンズに対する押圧力が所定閾値以上になるとプランジャーの先端の移動を抑止する抑止部を有する。これにより、術者が眼内レンズ挿入器具内の眼内レンズに異常が生じていることに気付かずに、通常よりも大きな押圧力でプランジャーを押圧移動しても、当該押圧力が所定の大きさ以上になったときに、プランジャーの押圧移動が中断される。この結果、プランジャーが眼内レンズ挿入器具から勢いよく突出する現象を回避することができる。
また、抑止部は、眼内レンズと接触しない位置に設けられたプランジャーの断面積が小さくなる断面積減少部であり、断面積減少部は、プランジャーの眼内レンズに対する押圧力が所定閾値以上になると変形する。さらに、断面積減少部は、プランジャーの側面に設けられたプランジャーの上下方向に延伸する切欠部である。さらに、切欠部は、プランジャーの側面であってかつ薄板状の扁平部に設けてもよい。または、断面積減少部は、プランジャーの移動の方向とは異なる方向にプランジャーを貫通する孔である。このように断面積減少部をプランジャーに設けることでも、当該押圧力が所定の大きさ以上になったときに、断面積減少部に応力集中が生じ、断面積減少部がプランジャーの変形ひいては破壊の起点となる。そして、断面積減少部に変形ひいては破壊が生じることで、プランジャーの押圧移動が中断される。
あるいは、抑止部は、互いに連結される第1の軸部と第2の軸部とを有し、第2の軸部に加えられる押圧力が第1の軸部に伝達されることで、プランジャーの移動が生じ、第2の軸部に加えられる押圧力が所定閾値以上になると、第1の軸部と第2の軸部とが相対移動する構成としてもよい。これにより、プランジャーを押圧移動する際にプランジャーに加えられる押圧力が所定の大きさ以上になったときに、第1の軸部と第2の軸部とが相対移動することで、プランジャーの押圧移動が中断される。
さらに、抑止部は、第2の軸部の一部を収納可能な第1の領域および第2の領域と、第2の軸部の一部を第1の領域内に係止する係止部とを有し、第1の領域および第2の領域は、プランジャーの移動方向において、係止部を挟んで設けられ、係止部は、第2の軸部の一部から所定閾値以上の押圧力を受けると、第2の軸部の一部を第1の領域から第2の領域に移動させ、抑止部は、第1の軸部に設けられる。このように抑止部を構成することでも、当該押圧力が所定の大きさ以上になったときに、係止部によって第1の領域に係止されていた第2の軸部が、係止部による係止が解除されて第2の領域に移動することで、プランジャーの押圧移動が中断される。
なお、眼内レンズ挿入器具の流通前に、挿入筒部に眼内レンズが収納されていてもよい。
本件開示の技術によれば、プランジャーの眼内レンズ挿入器具から眼内への急な、意図しない突出を防止することが可能な眼内レンズ挿入器具を提供することができる。
図1(a)および図1(b)は、一実施形態における眼内レンズ挿入器具の概略構成を示す図である。 図2(a)および図2(b)は、一実施形態における眼内レンズの概略構成を示す図である。 一実施形態におけるノズル本体の概略構成を示す図である。 図4(a)および図4(b)は、一実施形態における位置決め部材の概略構成を示す図である。 図5(a)および図5(b)は、一実施形態におけるプランジャーの概略構成を示す図である。 一実施形態におけるプランジャーを模式的に示す図である。 図7(a)および図7(b)は、一実施形態におけるプランジャーの概略構成を示す図である。 図8は、一実施形態におけるプランジャーを模式的に示す図である。 図9(a)および図9(b)は、一実施形態におけるプランジャーの概略構成を示す図である。 図10は、一実施形態におけるプランジャーを模式的に示す図である。 図11(a)および図11(b)は、一実施形態におけるプランジャーの概略構成を示す図である。 一実施形態におけるプランジャーを模式的に示す図である。 図13(a)および図13(b)は、一実施形態におけるプランジャーの概略構成を示す図である。 一実施形態におけるプランジャーを模式的に示す図である。 図15(a)および図15(b)は、一実施形態におけるプランジャーの概略構成を示す図である。 一実施形態におけるプランジャーを模式的に示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態の詳細な説明は例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
〔第1の実施形態〕
図1(a)および図1(b)に、第1の実施形態の眼内レンズ挿入器具1の概略構成を示す。図1(a)はステージ蓋部13を開蓋した場合の眼内レンズ挿入器具1の平面図、図1(b)はステージ蓋部13を閉蓋した場合の眼内レンズ挿入器具1の側面図を示している。眼内レンズ挿入器具1は、大きく分けて器具本体と眼内レンズの押出部材から構成される。器具本体はノズル本体10と眼内レンズの収納部であるステージ部12及びステージ蓋部13とを有する。また、眼内レンズの押出部材は、プランジャー30を有する。ステージ部12は、ノズル本体10に一体又は別体に設けられる。ノズル本体10にはプランジャー30が挿入されている。ステージ部12には、眼内レンズ2がセットされる。ステージ部12は、ステージ蓋部13と一体に形成されている。図1(a)および図1(b)には、ステージ蓋部13を開けた状態を示す。
眼内レンズ挿入器具1のノズル本体10は、断面略矩形の筒状に形成されており片側の端部は大きく開口し(以下、大きく開口した側を後端部10bという。)、別の側の端部には細く絞られた先端部10aを備える。図1(b)に示すように、先端部10aは斜めに開口している。プランジャー30は、ノズル本体10に挿入されてノズル本体10の長手方向に往復運動が可能である。
以下の説明において、ノズル本体10の後端部10bから先端部10aへ向かう方向を前方向、その逆方向を後方向、図1(a)において紙面手前側を上方向、その逆方向を下方向、図1(b)において紙面手前方向を左方向、その逆方向を右方向とする。また、この場合、上側はステージ部にセットされたレンズ本体2aの光軸前側に、下側はステージ部にセットされたレンズ本体2aの光軸後側に、前側はプランジャー30による押圧方向前側に、後側はプランジャー30による押圧方向後側に相当する。
ノズル本体10の後端部10b付近には、板状に迫り出し、使用者がプランジャー30をノズル本体10の先端側に押し込む際に指を掛けるホールド部11が一体的に設けられている。また、前述のように、ノズル本体10には、眼内レンズ2をセットするステージ部12が設けられている。このステージ部12は、ステージ蓋部13を開蓋することでノズル本体10の上側が開放されるようになっている。また、ステージ部12には、ノズル本体10の下側から位置決め部材50が取り付けられている。この位置決め部材50によって、使用前(輸送中)においてもステージ部12内で眼内レンズ2が安定して保持されている。
すなわち、眼内レンズ挿入器具1においては、製造時に、ステージ蓋部13が開蓋し位置決め部材50がステージ部12に取り付けられた状態で、眼内レンズ2がステージ部12に、光軸前側が上になるようにセットされる。そして、ステージ蓋部13を閉蓋させた後出荷され、市場に流通し、販売される。そして、使用者はヒアルロン酸などをステージ蓋部13に設けられた挿入孔13dから供給したのちステージ蓋部13を閉蓋したままで位置決め部材50を取り外し、その後プランジャー30をノズル本体10の先端側に押し込む。これにより、プランジャー30によって眼内レンズ2を押圧し、先端部10aより眼内レンズ2を眼球内に射出する。なお、眼内レンズ挿入器具1におけるノズル本体10、プランジャー30、位置決め部材50はポリプロピレンなどの樹脂の素材で形成される。ポリプロピレンは医療用機器において実績があり、耐薬品性などの信頼性も高い素材である。
図2(a)および図2(b)は、眼内レンズ2の概略構成を示した図である。図2(a)は平面図、図2(b)は側面図を示す。眼内レンズ2は、いわゆるワンピース型である。なお、以下の説明では、眼内レンズ2はワンピース型であるとして説明するが、ワンピース型の眼内レンズ2の代わりに、いわゆるスリーピース型の眼内レンズやプレート型の眼内レンズなどを用いてもよい。眼内レンズ2は、所定の屈折力を有するレンズ本体2aと、レンズ本体2aに連結された、レンズ本体2aを眼球内で保持するための平板状の2本の支持部2bとから形成されている。
図3にはノズル本体10のみの平面図を示す。前述した図1に示したようにノズル本体10においては、眼内レンズ2はステージ部12にセットされる。そして、その状態でプランジャー30によって眼内レンズ2が押圧されて先端部10aから射出される。なお、ノズル本体10の内部には、ノズル本体10の外形が先端にいくほど細くなっているという形状に応じて断面形状も先端にいくほど小さくなっている貫通孔10cが設けられている。なお、貫通孔の断面形状は実施例図ではオーバル形状(卵形)になっているが使用レンズや仕様の都合で円形や長円形としても差し支えない。また、貫通孔が眼内レンズを眼内に挿入する挿入路の一例に相当する。そして、眼内レンズ2が射出される際は、眼内レンズ2は、ノズル本体10内の貫通孔10cの断面形状の変化に応じて変形して折り畳まれた状態となり、患者の眼球に形成された切開創に入り易い形に変形した上で射出される。
また、先端部10aは、ノズル本体10の上側の領域が下側の領域より前側になるように斜めにカットされている、いわゆるベベルカットが施されている形状となっている。なお、この先端部10aのベベルカットが施された形状については、左右方向から見て直線的に斜めにカットされていてもよいし、外側に膨らみを持つように、すなわち曲面形状となるように斜めにカットされていてもよい。
ステージ部12には、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径より僅かに大きな幅を有するステージ溝12aが形成されている。ステージ溝12aの前後方向の寸法は、眼内レンズ2の両側に延びる支持部2bを含む最大幅寸法よりも大きく設定されている。また、ステージ溝12aの底面によってセット面12bが形成されている。セット面12bの上下方向位置は、ノズル本体10の貫通孔10cの底面の高さ位置よりも上方に設定されており、セット面12bと貫通孔10cの底面とは底部斜面10dによって連結されている。
ステージ部12とステージ蓋部13とは一体に形成されている。ステージ蓋部13はステージ部12と同等の前後方向の寸法を有している。ステージ蓋部13は、ステージ部12の側面がステージ蓋部13側に延出して形成された薄板状の連結部14によって連結されている。連結部14は中央部で屈曲可能に形成されており、ステージ蓋部13は、連結部14を屈曲させることでステージ部12に上側から重なり閉蓋することができる。
ステージ蓋部13において、閉蓋時にセット面12bと対向する面には、ステージ蓋部13を補強し、眼内レンズ2の位置を安定させるためにリブ13a及び13bが設けられている。また、プランジャー30の上側のガイドとして案内突起13cが設けられている。また、ステージ蓋部13には、ステージ蓋部13が閉蓋された状態で眼内レンズ2に粘弾性物質を供給するための挿入孔13dが設けられている。粘弾性物質は、眼内レンズ2をノズル本体10の先端部10aに移動させる際の潤滑剤の一例であり、ヒアルロン酸などが用いられる場合が多い。
ステージ部12のセット面12bの下側には、位置決め部材50が取外し可能に設けられている。図4(a)および図4(b)に、位置決め部材50の概略構成を示す。図4(a)は位置決め部材50の平面図を示し、図4(b)は位置決め部材50の左側面図を示している。位置決め部材50はノズル本体10と別体として構成されており、一対の側壁部51が連結部52で連結された構造とされている。それぞれの側壁部51の下端には、外側に向けて延出して広がる保持部53が形成されている。
そして、それぞれの側壁部51の上端部には、上方から見た形状が円弧形状であり上側に突出した一対の第1載置部54が形成されている。さらに、第1載置部54の上端面における外周側には、第1位置決め部55が突出して形成されている。第1位置決め部55の内径どうしの距離は、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径寸法よりも僅かに大きく設定されている。
また、連結部52の前後方向の両端には、上方から見た形状が矩形状であり上側に突出した一対の第2載置部56が形成されている。第2載置部56の上面の高さは、第1載置部54の上面の高さと同等になっている。さらに、第2載置部56の上面において外側の部分には、第2載置部56の左右方向の全体にわたって上側にさらに突出する第2位置決め部57が形成されている。第2位置決め部57の内側どうしの離隔は、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径寸法よりも僅かに大きく設定されている。加えて、第2載置部56の上端部には左右方向の全体にわたり、前後方向に僅かに突出した係止爪58が形成されている。
上記の位置決め部材50は、ノズル本体10のセット面12bの下側から組み付けられる。ノズル本体10のセット面12bには、厚さ方向にセット面12bを貫通するセット面貫通孔12cが形成されている。セット面貫通孔12cの外形は、位置決め部材50の第1載置部54及び第2載置部56を上側から見た形状に対し僅かに大きな略相似形状とされている。そして、位置決め部材50がノズル本体10に取り付けられる際には、第1載置部54及び第2載置部56が、セット面12bの下側からセット面貫通孔12cに挿入され、セット面12bの上側に突出する。
その際、第2位置決め部57に設けられた係止爪58がセット面貫通孔12cを介してセット面12bに突出し、セット面12bの上面に係止される。このことによって、位置決め部材50がノズル本体10の下側から組み付けられ、第1載置部54及び第2載置部56がセット面12bから突出した状態で固定される。そして、眼内レンズ2がセット面12bにセットされる際には、レンズ本体2aの外周部底面が、第1載置部54及び第2載置部56の上面に載置される。また、レンズ本体2aは第1位置決め部55及び第2位置決め部57によって水平方向(セット面12bに水平な方向)に対して位置規制される。
次に、図5(a)および図5(b)に、プランジャー30の概略構成を示す。プランジャー30は、ノズル本体10よりもやや大きな前後方向長さを有している。そして、円柱形状を基本とした先端側の作用部31と、矩形ロッド形状を基本とした後端側の挿通部32とから形成されている。そして、作用部31は、円柱形状とされた円柱部31aと、円柱部31aの左右方向に広がる薄板状の扁平部31bとを含んで構成されている。
作用部31の先端部分には、第1の切欠部31cが形成されている。第1の切欠部31cは、図5(a)に示すように、作用部31の上方向に開口し左右方向に貫通する溝状に形成されている。また、図5(b)に示すように、第1の切欠部31cの先端側の溝壁は作用部31の先端側に行くに連れて上方に向かう傾斜面で形成されている。一方、挿通部32は、全体的に概略H字状の断面を有しており、その左右方向及び上下方向の寸法は、ノズル本体10の貫通孔10cよりも僅かに小さく設定されている。また、挿通部32の後端には、上下左右方向に広がる円板状の押圧板部33が形成されている。
挿通部32の前後方向の中央より先側の部分には、挿通部32の上側に向けて突出し、プランジャー30の素材の弾性により上下に移動可能な爪部32aが形成されている。そして、プランジャー30がノズル本体10に挿入された際には、ノズル本体10の上面において厚さ方向に設けられた図3に示す係止孔10eと爪部32aが係合し、このことにより初期状態におけるノズル本体10とプランジャー30との相対位置が決定される。なお、爪部32aと係止孔10eの形成位置は、係合状態において、作用部31の先端が、ステージ部12にセットされた眼内レンズ2のレンズ本体2aの後側に位置し、レンズ本体2aの後側の支持部2bを第1の切欠部31cが下方から支持可能な場所に位置するよう設定されている。
さらに、本実施形態においては、作用部31の円柱部31aに、第1の切欠部31cとは別の第2の切欠部35が設けられている。第2の切欠部35は、円柱部31aにおいて上下方向に延伸する溝である。第2の切欠部35が設けられている部分では、円柱部31aの断面積が他の部分よりも小さくなっている。また、第2の切欠部35は、第1の切欠部31cとは異なり、眼内レンズ2の支持部2bとは接触しない位置に設けられている。すなわち、第2の切欠部35は、眼内レンズと接触しない位置に設けられたプランジャーの断面積が小さくなる断面積減少部の一例に相当する。
上記のように構成された眼内レンズ挿入器具1の眼内レンズ2の収納前においては、プランジャー30がノズル本体10に挿入されて初期位置に配置される。また、上記の通り、位置決め部材50が、セット面12bの下方からノズル本体10に取り付けられる。これにより、位置決め部材50の第1載置部54及び第2載置部56がセット面12bに突出した状態に保持される。
次に、眼内レンズ2のレンズ本体2aが支持部2bをノズル本体10の前後方向に向けた状態で第1載置部54および第2載置部56の上面に載置され位置決めされる。この状態において、眼内レンズ2の後側の支持部2bの一部がプランジャー30の第1の切欠部31cに入り、その底面によって支持された状態となる。また、プランジャー30の先端は、眼内レンズ2の光学部2aに当接した状態となる。
眼内レンズ2を眼球内に挿入する際は、まずノズル本体10の先端部10aや挿入孔13dから注射器の針を挿入して、眼内レンズ2がノズル10内を移動するのに必要な潤滑剤であるヒアルロン酸を注入する。必要量が注入できたら、次に、位置決め部材50をノズル本体10から取り外す。これにより、眼内レンズ2のレンズ本体2aを支持していた第1載置部54および第2載置部56がセット面12bから後退し、眼内レンズ2がセット面12b上に移動可能に載置される。そして、プランジャー30によって、眼内レンズ2が所定の位置まで押し進められる。
続いて、眼組織に設けた切開創に、ノズル本体10の先端部10aを挿入し、先端部10aと切開創との位置関係が決定される。このようにノズル本体10の先端部10aが切開創に対して位置決めされた後に、術者が再度プランジャー30の押圧板部33をノズル本体10の先端側に押し込む。これにより、セット面12aにセットされた眼内レンズ2のレンズ本体2a外周にプランジャー30の作用部31の先端が当接し、プランジャー30によって眼内レンズ2が先端部10aに向けて案内される。
術者は、眼内レンズ2がノズル本体10の貫通孔10cの先細り部分に移動したところで、プランジャー30の押圧移動を中断し、眼内レンズ2のタッキングが正常であるか、すなわち光学部の間に支持部が畳み込まれた状態となっているか、眼内レンズ2に傷などがあるかなどを確認する。その後、術者は、プランジャー30の押圧移動を再開し、眼内レンズ2をノズル本体10の先端部10aから眼内に放出する。
次に、本実施形態において、プランジャー30により眼内レンズ2を移動する際に、プランジャー30から眼内レンズ2への押圧力が大きくなった場合について説明する。図6に、そのような場合の一例を示す。なお、図6では、ノズル本体10を点線で示し、プランジャー30および眼内レンズ2を実線で示す。図6には、眼内レンズ2が、プランジャー30の押圧移動によりノズル本体10の貫通孔10cの先細り部分に移動された状態を示す。図6に示す例では、眼外レンズ2の支持部2bの光学部2aに対するタッキングは正常であるものの、眼内レンズ2が貫通孔10c内に固着しているものとする。
眼内レンズ2が貫通孔10c内に固着しているため、術者がプランジャー30をノズル本体10の前方向に押圧移動すると、プランジャー30から眼内レンズ2に働く力が正常動作の場合と比較して大きくなる。この結果、プランジャー30の円柱部31aが眼内レンズ2から受ける外力も大きくなる。そうすると、本実施形態では、円柱部31cに第2の切欠部35が設けられているため、円柱部31aに生じる応力について、第2の切欠部35に応力集中が起こる。すなわち、第2の切欠部35が、円柱部31aの形状変化や破壊の起点となる。図6には、円柱部31aの第2の切欠部35において破壊が生じた場合を示している。
本実施形態においては、眼内レンズ2の貫通孔10c内への固着や、眼内レンズ2のタッキングの異常などの上記の眼内レンズ2の不具合がない場合に、術者がプランジャー30を押圧移動する際にプランジャー30に加える押圧力のピークは約5Nを想定している。そして、その場合は、プランジャー30に加えられる押圧力のピークが約10N以上となったときに上記の円柱部31aの破壊が生じるように、第2の切欠部35のプランジャー30の前後方向における幅および左右方向における深さを設定してもよい。なお、約10Nが所定閾値の一例に相当する。
図6に示すように、第2の切欠部35において破壊が生じると、破壊によって切断された円柱部31aの先端部31dの後側端部31fは、ノズル本体10の左右方向において、第2の切欠部35の反対側に向かって移動する。このように、本実施形態では、第2の切欠部35が円柱部31aの一方の側面に設けられているため、破壊によって切断された先端部31dの後側端部31fは、円柱部31aの他方の側面がある方向に移動する。すなわち、第2の切欠部35は、プランジャー30の押圧移動において通常よりも大きな押圧力がプランジャー30に加えられたときの形状変化や破壊の起点となるだけでなく、円柱部31aの折れ方向を決める機能も有する。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。第2の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具100は、第1の実施形態におけるプランジャー30の円柱部31aにおいて第2の切欠部35の代わりに縮径部36が設けられている点が異なる。なお、縮径部36が、眼内レンズと接触しない位置に設けられたプランジャーの断面積が小さくなる断面積減少部の一例に相当する。
図7(a)および図7(b)に、本実施形態に係るプランジャー30を示す。図7(a)および図7(b)に示すように、縮径部36は、円柱部31aの両方の側面において上下方向に延伸する溝として設けられている。縮径部36において、円柱部31aの断面積が他の部分に比べて小さくなっている。したがって、第1の実施形態と同様に、円柱部31aに生じる応力について、縮径部36に応力集中が起こる。すなわち、縮径部36が、円柱部31aの形状変化や破壊の起点となる。図8には、円柱部31aの縮径部36において破壊が生じた場合を示している。なお、第2の実施形態においても、プランジャー30に加えられる押圧力のピークが約10N以上となったときに上記の円柱部31aの破壊が生じるように、縮径部36のプランジャー30の前後方向における幅および左右方向における深さを設定してもよい。
本実施形態では、縮径部36の溝がプランジャー30の上下方向に延伸しているため、縮径部36において破壊が生じると、図8に示すように、破壊によって切断された円柱部31aの先端部31dの後側端部31fは、ノズル本体10の左右方向のいずれかの方向に移動する。すなわち、縮径部36は、第1の実施形態における第2の切欠部35と同様に、プランジャー30の押圧移動において通常よりも大きな押圧力がプランジャー30に加えられたときの形状変化や破壊の起点となるだけでなく、円柱部31aの折れ方向を決める機能も有する。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具について説明する。なお、第3の実施形態においては、図9(a)および図9(b)に示すように、縮径部36を円柱部31aに設けている。図10には、円柱部31aの縮径部36において破壊が生じた場合を示している。なお、破壊された円柱部31aの破片がノズル本体10の先端部10aの開口から眼内に移動しないようにすることを踏まえ、縮径部36は挿通部32に近いところに形成することが好ましい。
ところで、図11(a)および図11(b)に示すように縮径部36を設けなくても、扁平部31bを設けていない部分を、押圧方向において、先端部31a部分よりも長く形成させると、その部分で形状変更や破壊が生じやすくなる。この結果、円柱部31aに図12に示すような破壊を生じさせることができる。なお、図11(a)および図11(b)に示すプランジャー30においては、扁平部31bを設けていない部分を切欠部の一例とみなすことができる。
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。第3の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具100は、第1の実施形態におけるプランジャー30の円柱部31aにおいて第2の切欠部35の代わりに孔37が設けられている点が異なる。なお、孔37が抑止部の一例に相当する。
図13(a)および図13(b)に、本実施形態に係るプランジャー30を示す。図13(a)および図13(b)に示すように、孔37は、円柱部31aを上下方向に貫通する孔として設けられている。なお、本実施形態では、孔37は、プランジャー30の上面視において楕円形であるが、孔の形状はこれに限られない。また、図13(a)に示すように、孔37は、プランジャー30の上面視において、プランジャー30の中心軸AXに対してプランジャー30の左右方向に偏った位置に設けられている。
したがって、第1の実施形態と同様に、円柱部31aに生じる応力について、孔37の周辺に応力集中が起こる。すなわち、孔37が、円柱部31aの形状変化や破壊の起点となる。図14には、円柱部31aの孔37において破壊が生じた場合を示している。なお、第3の実施形態においても、プランジャー30に加えられる押圧力のピークが約10N以上となったときに上記の円柱部31aの破壊が生じるように、孔37のプランジャー30の前後方向および左右方向における幅、すなわちプランジャー30の上面視における孔37の輪郭である楕円の長軸および短軸の長さおよび位置が設定される。
本実施形態では、孔37が円柱部31aをプランジャー30の上下方向に貫通するため、孔37において破壊が生じると、図14に示すように、破壊によって切断された円柱部31aの先端部31dの後側端部31fは、中心軸AXに対して孔37が設けられている側とは反対側に移動する。すなわち、孔37は、第1の実施形態における第2の切欠部35と同様に、プランジャー30の押圧移動において通常よりも大きな押圧力がプランジャー30に加えられたときの形状変化や破壊の起点となるだけでなく、円柱部31aの折れ方向を決める機能も有する。
〔第5の実施形態〕
次に、第5の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。第4の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具100は、第1の実施形態におけるプランジャー30の代わりにプランジャー40を用いる点が異なる。
図15(a)および図15(b)に、本実施形態に係るプランジャー40を示す。本実施形態に係るプランジャー40は、図15(a)および図15(b)に示すように、互いに連結される第1の軸部38および第2の軸部39を有する点、第2の切欠部35が設けられていない点、および第2の軸部39の押圧力伝達板部43を収容する収容部41を有する点で、第1の実施形態におけるプランジャー30とは異なる。以下、第1の実施形態に係るプランジャー30との相違点について説明する。
第1の軸部38は、第1の実施形態における作用部31および挿通部32を含む部材である。そして、第2の軸部39は、長尺の押圧軸部42の一端に押圧板部33が接続され、他端に押圧力伝達板部43が接続されて形成されている。押圧力伝達板部43は、押圧板部33と同様に円板状の部材である。図16(a)〜(c)に、プランジャー40の第1の軸部38の収容部41および第2の軸部39の押圧軸部42と押圧力伝達板部43の拡大図を示す。また、図16(a)〜(c)は、術者がプランジャー40の押圧移動を行う際に、プランジャー40に加えられる押圧力が大きくなった場合の各部の動作の一例を模式的に示す。
本実施形態において、第1の軸部38の収容部41は、後側端面41bと前側端面41cと側面41dとによって囲まれる中空円筒状の空間41eを有する。さらに、収納部41の側面41dから空間41e側に向かって、押圧力伝達板部43を位置決めするための係止部41aが設けられている。なお、係止部41aが抑止部の一例に相当する。また、空間41eのうち、係止部41aからプランジャー40の後端側の領域41fが、第1の領域の一例に相当する。また、空間41eのうち、係止部41aからプランジャー40の先端側の領域41gが、第2の領域の一例に相当する。また、図16(a)〜(c)に示すように、係止部41aは、押圧力伝達板部43を後側端面41bとの間に位置決めすると共に、押圧力伝達板部43に押圧されることで前側端面41c側に湾曲可能に形成されている。なお、本実施形態では、係止部41aは、側面41dを一周するフランジ状に設けられている。
本実施形態において、術者がプランジャー40の押圧移動を行う前は、プランジャー40は、図16(a)に示すように、第2の軸部39の押圧力伝達板部43のプランジャー40の先端側の端面43bの外周部が、係止部41aに当接している。また、押圧力伝達板部43のプランジャー40の後端側の端面43aが、収容部41の後側端面41bに当接している。この結果、収容部41内において、係止部41と収容部41の後側端面41bとにより、押圧力伝達板部43の位置が固定される。したがって、術者によって押圧板部33に加えられた押圧力は、押圧軸部42および押圧力伝達板部43を経由して係止部41aに伝達される。そして、係止部41aに伝達される押圧力が、第1の軸部38ひいてはプランジャー40を押圧移動する力となる。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に眼内レンズ2の不具合がない場合に、術者がプランジャー40を押圧移動する際にプランジャー40に対してプランジャー40の移動方向に加える押圧力のピークは約5Nを想定している。したがって、プランジャー40に対してプランジャー40の移動方向に加えられる押圧力のピークが約10N以上となったときに係止部41aが、押圧力伝達板部43から加えられる押圧力の大きさに応じて前側端面41c側に湾曲するように係止部41aを構成してもよい。
図16(b)、図16(c)には、押圧力伝達板部43から加えられる押圧力の大きさが約10N以上であるときの、係止部41aの動きおよび押圧力伝達板部43の移動を示す。術者が押圧板部33に加える押圧力が大きくなると、押圧力伝達板部43から係止部41aに伝達される押圧力も大きくなる。そして、当該押圧力が約10N以上になると、係止部41aは、前側端面41c側への湾曲を開始する。係止部41aは、押圧力伝達板部43に押圧され続けると湾曲し続ける。この結果、図12(b)に示すように、押圧力伝達板部43が係止部41aの間に挟まれる位置に移動する。さらに、術者が押圧板部33を押圧すると、押圧力伝達板部43は係止部41aの間を移動して、図12(c)に示すように、空間41eの領域41g内に移動する。
押圧力伝達板部43が空間41eの領域41g内に移動すると、術者が押圧板部33に加える押圧力は、押圧力伝達板部43から係止部41aに伝達されない。この結果、術者が押圧板部33に押圧力を加えても、第1の軸部38ひいてはプランジャー40を押圧移動することができない。
このように本実施形態では、押圧板部33に加えられた押圧力が大きくなったときに、係止部41aと押圧力伝達板部43との係合が解除されることで、プランジャー40の押圧移動を抑止することができる。
以上が本実施形態に関する説明であるが、上記の眼内レンズ挿入器具の構成は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と同一性を失わない範囲内において種々の変更および組み合わせが可能である。例えば、上記の実施形態では、眼内レンズに不具合が生じていない場合に術者が押圧板部33に加える押圧力の大きさを約5Nと想定し、押圧力が約10N以上になったときに、プランジャーの破壊あるいは係止部と押圧力伝達板部との係合解除が行われる。ただし、これらの押圧力の大きさは一例にすぎず、使用する眼内レンズ挿入器具に応じて適宜変更することができる。また、上記の実施形態では、プランジャーに破壊が生じる場合について説明したが、プランジャーの押圧移動の際にプランジャーに加えられる押圧力が所定閾値以上となったときに破壊の代わりに変形が生じるように、上記の第2の切欠部、縮径部、孔をそれぞれ構成してもよい。
なお、上記の各実施形態における、眼内レンズと接触しない位置に設けられたプランジャーの断面積が小さくなる断面積減少部は、プランジャーの軸合わせなどを行うための別部材と係合させることを意図して設けられるものではなく、プランジャーと一体的に成形されるように構成することができる。
また、第5の実施形態における係止部は、上記の構成に限らず、プランジャーに対する押圧力が所定閾値以上となったときに、第1の軸部と第2の軸部とが相対移動するように構成されていれば、他の構成を用いることができる。また、上記の実施形態において、第2の切欠部、縮径部、孔を設ける位置は、上記の位置に限られず、眼内レンズと接触しない位置であれば、任意の位置を選択できる。また、プランジャーに設ける第2の切欠部、縮径部、孔の数は1つに限られない。また、上記の実施形態において、孔はプランジャーの中心軸から外れた位置に設けられているが、孔をプランジャーの中心軸上に設けてもよい。さらに、上記の実施形態では、係止部41aは、側面41dを一周するフランジ状に設けられているが、係止部41aは側面41dを一周するように設ける必要はなく、側面41dの一部から空間41e側に突出する突起部を複数設けた構成としてもよい。なお、このような突起部を設ける場合は、その断面が図12(a)に示されるように形成すればよい。
100 眼内レンズ挿入器具
2 眼内レンズ
10 ノズル本体
10a ノズル本体の先端部
10b ノズル本体の後端部
30、40 プランジャー
35 第2の切欠部
36 縮径部
37 孔
38 第1の軸部
39 第2の軸部
41 収容部
41a 係止部

Claims (8)

  1. 眼内レンズが収納される収納部と前記眼内レンズを患者の眼内に放出するための挿入筒部とを有する器具本体と、
    前記器具本体内を移動可能に設けられたプランジャーと、を備え、
    前記プランジャーが前記挿入筒部側に移動して前記プランジャーの先端によって前記収納された眼内レンズが押圧されることで、前記眼内レンズが前記挿入筒部から放出可能となる、眼内レンズの挿入器具であって、
    前記プランジャーは、前記プランジャーの前記眼内レンズに対する押圧力が所定閾値以上になると前記プランジャーの先端の前記移動を抑止する抑止部を有する
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 前記抑止部は、前記眼内レンズと接触しない位置に設けられた前記プランジャーの断面積が小さくなる断面積減少部であり、
    前記断面積減少部は、前記プランジャーの前記眼内レンズに対する押圧力が前記所定閾値以上になると変形する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ挿入器具。
  3. 前記断面積減少部は、前記プランジャーの側面に設けられた前記プランジャーの上下方向に延伸する切欠部である
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼内レンズ挿入器具。
  4. 前記切欠部は、前記プランジャーの側面であってかつ薄板状の扁平部に設けられる
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼内レンズ挿入器具。
  5. 前記断面積減少部は、前記プランジャーの前記移動の方向とは異なる方向に前記プランジャーを貫通する孔である
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼内レンズ挿入器具。
  6. 前記抑止部は、互いに連結される第1の軸部と第2の軸部とを有し
    前記第2の軸部に加えられる押圧力が前記第1の軸部に伝達されることで、前記プランジャーの前記移動が生じ、
    前記第2の軸部に加えられる押圧力が前記所定閾値以上になると、前記第1の軸部と前記第2の軸部とが相対移動する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具。
  7. 前記抑止部は、前記第2の軸部の一部を収納可能な第1の領域および第2の領域と、前記第2の軸部の前記一部を前記第1の領域内に係止する係止部とを有し、
    前記第1の領域および前記第2の領域は、前記プランジャーの前記移動方向において、前記係止部を挟んで設けられ、
    前記係止部は、前記第2の軸部の前記一部から前記所定閾値以上の押圧力を受けると、前記第2の軸部の前記一部を前記第1の領域から前記第2の領域に移動させ、
    前記抑止部は、
    前記第1の軸部に設けられる
    ことを特徴とする請求項6に記載の眼内レンズ挿入器具。
  8. 前記眼内レンズ挿入器具の流通前に、前記挿入筒部に前記眼内レンズが収納されている、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具。
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