<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態である地図描画装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態の地図描画装置1は、移動体、たとえば車両とともに移動可能に構成される。本実施の形態では、地図描画装置1は、経路を案内するナビゲーション機能を有するナビゲーション装置によって実現される。本発明の他の実施の形態である地図描画方法は、本実施の形態の地図描画装置1によって実行される。地図描画装置1は、地図情報記憶部11、更新情報入力部12、地図情報更新部13および地図描画部14を備えて構成される。
地図情報記憶部11は、たとえばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;略称:HDD)装置、または半導体メモリなどの記憶装置によって実現される。地図情報記憶部11は、地図を表す地図情報を記憶する。
地図情報によって表される地図は、予め定められた縮尺に対応する複数の地図が階層化されて構成されている。地図情報は、全国を複数のエリアに分割し、分割した各エリアの地図情報(以下「エリア地図情報」という場合がある)を含む。地図情報記憶部11は、各エリアを管理するエリア管理情報も記憶する。
エリア地図情報は、道路データ、背景データ、および名称・記号データを含む。道路データは、たとえば、道路の形状、道路に関する属性、道路間の接続関係を表すデータである。背景データは、たとえば、山および河川などの自然地形、建物、公園などを表すデータである。名称・記号データは、たとえば、地名、施設名、交差点名、道路名およびランドマークなどを表すデータである。エリア地図情報は、当該エリアの形状を表すデータを含んでいてもよい。
また、エリア地図情報は、地図のバージョンに関する情報であるバージョン情報を含む。バージョン情報は、バージョン番号を含む。バージョン情報は、バージョン番号のみでもよいし、作成日付および作成時刻を含んでもよい。本実施の形態では、バージョン情報は、バージョン番号、作成日付および作成時刻を含む。バージョン番号は、地図情報が作成された順に、地図情報に付与される番号である。バージョン番号としては、たとえば、「1」,「2」,「3」,・・・のように、連続した番号が付与される。作成日付は、地図情報が作成された年月日である。作成時刻は、地図情報が作成された時刻である。このバージョン情報によって、エリア地図情報の新旧の度合いを求めることができる。
以下の説明では、エリアは予め定める間隔の緯線および経線で区切られたメッシュとするが、県、市、町のような行政区域としてもよく、その他の任意の形状としてもよい。
更新情報入力部12には、地図描画装置1の外部から、地図情報記憶部11に記憶すべき各エリアの地図情報を更新するための更新情報が入力される。
更新情報入力部12は、たとえば、記憶媒体に記憶されている地図情報などの更新情報を読取り可能な記憶媒体読取装置によって構成される。記憶媒体としては、たとえば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)およびDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)などのディスクメディア、ならびにSD(Secure Digital)カードなどの半導体メディアが挙げられる。更新情報入力部12は、記憶媒体から読取られた更新情報を、地図情報更新部13に与える。
地図情報更新部13は、更新情報入力部12から与えられた更新情報に基づいて、地図情報記憶部11に記憶される地図情報のうち、更新すべきエリアの地図情報を更新する。
地図描画部14は、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報を処理して、不図示のディスプレイに描画するための情報処理を行うことによって、不図示のディスプレイに地図を描画する。具体的には、地図描画部14は、各エリアの地図情報であるエリア地図情報に基づいて地図を描画する。
本実施の形態では、地図描画部14は、たとえば後述する図6〜図8に示すように、各エリアの地図が各エリア地図情報のバージョンに応じて異なる高さとなるように、地図を立体的に描画する。
このように本実施の形態では、地図描画部14によって、各エリアの地図が各エリア地図情報のバージョンに応じて異なる高さとなるように、地図が立体的に描画される。これによって、使用者は、各エリア地図情報のバージョンの相違を容易に把握することができる。したがって、使用者は、地図情報の更新状況を容易に把握することができる。
<第2の実施の形態>
図2は、本発明の第2の実施の形態における地図描画装置20の構成を示すブロック図である。本実施の形態の地図描画装置20は、移動体、たとえば車両2とともに移動可能に構成される。本実施の形態では、地図描画装置20は、経路を案内するナビゲーション機能を有するナビゲーション装置によって実現される。
本実施の形態の地図描画装置20は、前述の第1の実施の形態の地図描画装置1の構成を含んでいるので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。本発明の他の実施の形態である地図描画方法は、本実施の形態の地図描画装置20によって実行される。
車両2は、地図描画装置20、全地球測位システム(Global Positioning System;略称:GPS)受信機41、自立航法センサ42、交通情報送受信部43、スピーカ44およびディスプレイ45を備えて構成される。
地図描画装置20は、地図情報記憶部11、更新情報入力部12、地図情報更新部13、コントロールユニット21、現在位置検出部22、指示入力部23、施設検索部24、経路計算部25、誘導案内部26、情報描画部27、音声制御部28、表示制御部29および情報記憶部30を備えて構成される。
地図情報記憶部11は、地図情報を記憶するとともに、誘導案内部26で用いるための誘導用情報、およびディスプレイ45に表示されない情報などを記憶する。誘導用情報は、予め定める要所の位置情報、予め定める要所における描画情報、および音声案内情報などを含む。ディスプレイ45に表示されない情報は、たとえば、道路を、リンクと呼ばれる線分と、ノードと呼ばれる点とで表現した情報、リンクを走行するために要する負荷としてのリンクコストの情報などを含む。ディスプレイ45に表示されない情報は、これらに限定されるものではなく、これら以外の種々の情報を含んでもよい。
地図情報記憶部11に記憶される地図情報は、変更可能であり、コントロールユニット21からの指示に基づいて、地図情報更新部13によって一部更新、一部追加、一部削除、全削除または全面更新などの変更が可能である。
更新情報入力部12は、地図描画装置20の外部から入力された更新情報を、コントロールユニット21に与える。
更新情報入力部12は、前述のように、たとえば、記憶媒体に記憶されている地図情報などの更新情報を読取り可能な記憶媒体読取装置によって構成される。更新情報入力部12は、USB(Universal Serial Bus)などの接続端子として構成されてもよい。この場合、接続端子である更新情報入力部12と、情報を有する携帯型の記憶媒体とが直接または有線で接続される。
携帯型の記憶媒体は、携帯電話機または携帯型タブレット端末などの携帯型情報通信装置であってもよい。携帯型情報通信装置と更新情報入力部12とは、有線で接続されていてもよいが、物理的に接続されている必要はなく、無線で情報の授受をするものであってもよい。情報の授受の方式は、たとえば電波方式でもよいし、光方式でもよい。
また、更新情報入力部12は、別途設置された情報センターと情報の授受を行う通信装置を内蔵し、この通信装置によって、たとえば、前述の地図情報あるいは他の情報などを授受するものであってもよい。この通信装置を内蔵する代わりに、前述の携帯型情報通信装置を用いるものであってもよい。
更新情報は、1つ以上のエリア更新情報を有する。エリア更新情報は、更新エリア情報、更新バージョン情報、更新種別、更新データおよび差分更新データを含む。
更新エリア情報は、どのエリアを更新するかを示す情報である。更新バージョン情報は、当該更新情報に更新することによって得られる地図情報のバージョンを示す情報である。更新種別は、更新が置き換え更新、および差分更新のいずれであるかを示す情報である。
更新データは、更新種別が置き換え更新であるときに存在する情報である。更新データは、更新エリア情報が示すエリアにおける、更新バージョン情報が示すバージョンの地図情報である。
差分更新データは、更新種別が差分更新であるときに存在する情報である。差分更新データは、更新エリア情報が示すエリアにおける、更新バージョン情報が示すバージョンの地図情報と、地図情報記憶部11に記憶されている前記エリアの地図情報との差分を表すデータである。
コントロールユニット21は、更新情報入力部12から与えられた更新情報を地図情報更新部13に与える。
地図情報更新部13は、コントロールユニット21からの指示に従って、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報を更新する。具体的には、地図情報更新部13は、コントロールユニット21から与えられた更新情報を用いて、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報のうち、更新情報の更新エリア情報が示すエリアの地図情報を更新する。
更新情報に含まれる更新種別が、置き換え更新である場合は、地図情報更新部13は、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報を、更新データが示す地図情報に置き換える。
更新情報に含まれる更新種別が、差分更新である場合は、地図情報更新部13は、差分更新データを用いて、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報のうち、更新エリア情報が示すエリアにおける、更新バージョン情報が示すバージョンの地図情報と、地図情報記憶部11に記憶されている前記エリアの地図情報との差分を更新する。
コントロールユニット21は、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。コントロールユニット21は、内蔵するメモリに記憶された制御プログラムに従って、地図描画装置20を構成する地図情報記憶部11、地図情報更新部13、現在位置検出部22、施設検索部24、経路計算部25、誘導案内部26、情報描画部27、音声制御部28、表示制御部29および情報記憶部30を統括的に制御する。
GPS受信機41は、GPS衛星から送信される電波信号を受信する。GPS受信機41は、受信した電波信号を現在位置検出部22に与える。現在位置検出部22に与えられた電波信号は、衛星航法システムを適用して、車両2の現在位置を測定するときに用いられる。
自立航法センサ42は、車両2の方位を検出する方位センサ、および車両2の車輪の回転数を検出して走行距離を検出する走行距離センサを備える。自立航法センサ42は、方位センサによって検出された方位を表す情報(以下「方位情報」という)、および走行距離センサによって検出された走行距離を表す情報(以下「走行距離情報」という)を、現在位置検出部22に与える。現在位置検出部22に与えられた方位情報および走行距離情報は、自立航法システムを適用して、車両2の現在位置および方位を検出するときに用いられる。
現在位置検出部22は、GPS受信機41から与えられる電波信号、ならびに自立航法センサ42から与えられる方位情報および走行距離情報に基づいて、衛星航法システムと自立航法システムとを併用し、かつ地図情報に基づくマップマッチングを行うことによって、車両2の現在位置および進行方向を検出する。
交通情報送受信部43は、コントロールユニット21との間で、交通情報を送受信する。詳細に述べると、交通情報送受信部43は、逐次または予め定めるタイミングで、交通情報を受信または送信する。交通情報送受信部43は、受信した交通情報をコントロールユニット21に与える。
交通情報送受信部43は、たとえば道路交通情報通信システム(Vehicle Information and Communication System;略称:VICS(登録商標))から、FM多重放送、電波ビーコンまたは光ビーコンによって提供される交通情報を受信する。交通情報は、各道路の渋滞状況、渋滞距離、通行規制および走行所要時間などの情報を含む。
交通情報送受信部43は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)による通信が可能に構成される。DSRCは、5.8GHz帯域の電波を使う狭域無線技術である。DSRCを、路側機と車両2との間の双方向通信または一方向通信に用いることによって、種々のサービスを使用者へ提供することができる。
交通情報送受信部43が、交通情報を送信する送信機として機能する場合としては、車両2に関する情報、たとえば現在位置、走行速度、およびその他のプローブ情報と呼ばれる情報を送信する場合などがある。コントロールユニット21との間で交通情報を双方向で授受しない場合は、交通情報送受信部43は、交通情報受信部に代えることができる。
指示入力部23は、たとえば、使用者によって操作されるハードウェアの操作スイッチ、後述するディスプレイ45に表示されるタッチスイッチ、車両2のハンドルなどに設置されるリモートコントローラ、または使用者の音声による指示を認識する音声認識機能を有する音声認識装置などによって構成される。
指示入力部23は、使用者が数字情報、文字情報および地図描画装置20への指示情報などの情報を入力するときに用いられる。使用者によって指示入力部23が操作されると、指示入力部23は、使用者の操作に応じた指示を表す指示信号を生成して、コントロールユニット21、施設検索部24、経路計算部25、誘導案内部26および情報描画部27の少なくともいずれか1つに与える。
施設検索部24、経路計算部25、誘導案内部26および情報描画部27は、指示入力部23から与えられた指示信号をコントロールユニット21に与える。したがって地図描画装置20の使用者は、指示入力部23を操作することによって、その操作に応じた指示をコントロールユニット21、施設検索部24、経路計算部25、誘導案内部26および情報描画部27に与えることができる。
施設検索部24は、地図情報記憶部11に記憶されている施設情報から、所望の施設を検索する。具体的には、施設検索部24は、指示入力部23から与えられた使用者の指示に基づいて、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報を検索して、使用者が所望する施設および場所などを検索する。施設検索部24によって検索された結果は、コントロールユニット21および表示制御部29を介して、ディスプレイ45に与えられ、ディスプレイ45に表示される。
経路計算部25は、使用者が所望する地点に到達するための望ましい経路を計算する。具体的には、経路計算部25は、指示入力部23から与えられる指示信号に基づいて、車両2の現在位置から、使用者が設定した目的地および経由地などの地点までの経路として推奨される経路(以下「推奨経路」という)を計算する。推奨経路とは、たとえば、走行距離が最も短くなる最短経路、所要時間が最も短くなる最速経路、有料道路の費用も含めて最も安価になる安価経路、最も燃費が良い低燃費経路、または時間と費用とのバランスが良い標準経路をいう。推奨経路は、これらの経路の中から選択可能に構成されてもよい。
経路計算部25は、コントロールユニット21を介して、現在位置検出部22から車両2の現在位置を取得する。また経路計算部25は、指示入力部23から入力された地点情報と、地図情報記憶部11から取得した地図情報とに基づいて、推奨経路を計算する。経路計算部25によって計算された推奨経路は、コントロールユニット21および表示制御部29を介して、ディスプレイ45に与えられ、ディスプレイ45に表示される。
経路計算部25が経路計算をするときには、たとえば、各道路を線分で表したリンクにそれぞれ割り当てられたリンクコストを累積し、最小のリンクコストとなる経路を演算する公知のダイクストラ法などが用いられる。
誘導案内部26は、指示入力部23から与えられる指示信号に基づいて、誘導用情報をコントロールユニット21に提供して、予め定める要所で使用者の運転操作を補助する。たとえば、誘導案内部26は、推奨経路を走行中に、交差点もしくは分岐路などの進路変更すべき地点、または、間違えやすい地点を表す誘導用情報を提供する。また、誘導案内部26は、複数車線を有する道路を走行中に、その先の右左折を加味して、予め定める車線に車線変更しておくように誘導する地点を表す誘導用情報を提供する。
誘導案内部26は、コントロールユニット21を介して、現在位置検出部22から車両2の現在位置を取得する。また誘導案内部26は、コントロールユニット21を介して、経路計算部25から推奨経路を取得する。また誘導案内部26は、コントロールユニット21を介して、地図情報記憶部11から、地図情報に含まれる誘導用情報を取得する。
誘導案内部26は、車両2が予め定める要所、たとえば交差点に到達したときに、たとえば交差点において進むべき方向を矢印または道路への塗色などによって可視的に付与し、かつ、拡大または拡大変形した拡大案内図をディスプレイ45に表示するように、コントロールユニット21を介して表示制御部29に指示する。または、誘導案内部26は、進むべき方向を可視的に付与し、かつ、要所の実際の画像またはこれに類似した画像をディスプレイ45に表示するように、コントロールユニット21を介して表示制御部29に指示する。
情報描画部27は、地図情報および誘導用情報などの使用者が所望する各種情報をディスプレイ45に描画するための情報処理を行う。また情報描画部27は、地図描画装置20が有する各種機能の設定などをメニュー画面としてディスプレイ45に描画するための情報処理を行う。
情報描画部27は、地図描画部14およびメニュー描画部31を備える。地図描画部14は、指示入力部23から与えられる指示信号に基づいて、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報を処理して、所望の地図をディスプレイ45に描画するための情報処理を行う。メニュー描画部31は、指示入力部23から与えられる指示信号に基づいて、メニュー画面の状態を管理し、メニュー画面をディスプレイ45に描画するための情報処理を行う。
地図描画部14は、地図情報記憶部11、現在位置検出部22、施設検索部24、経路計算部25、誘導案内部26およびメニュー描画部31から必要な情報を取得し、指示入力部23から与えられる指示に基づいて、ディスプレイ45に表示すべき情報を処理する。地図描画部14は、ディスプレイ45に描画すべき地図に関する描画情報を、コントロールユニット21を介して表示制御部29に与える。描画情報は、たとえば、道路データ、背景データおよび名称・記号データである。
地図描画部14は、コントロールユニット21を介して描画情報を表示制御部29に与えることによって、ディスプレイ45に地図を描画する。本実施の形態では、地図描画部14は、各エリア地図情報のバージョン情報に基づいて、各エリアの地図の表示形態が異なるように、地図を描画する。具体的には、地図描画部14は、各エリアの地図が各エリア地図情報のバージョンに応じて異なる高さとなるように、地図を立体的に描画する。
メニュー描画部31は、指示入力部23から与えられる指示に基づいて、ディスプレイ45に描画すべきメニュー画面に関する描画情報を、コントロールユニット21を介して表示制御部29に与える。メニュー画面の描画には、ディスプレイ45の表示画面上に設定されるタッチスイッチの設定が含まれる。使用者がタッチスイッチを操作した場合には、その操作が指示入力部23で認識されるようになっている。
音声制御部28は、誘導案内部26からコントロールユニット21を介して誘導用情報が入力されると、入力された誘導用情報を音声で出力するように、スピーカ44に出力指示することができる。具体的には、音声制御部28は、誘導用情報として音声データが入力されると、入力された音声データを、スピーカ44で取り扱い可能な音声信号に変換して、スピーカ44に与える。これによって、スピーカ44から音声として誘導用情報が出力される。
スピーカ44は、音声制御部28から与えられる音声信号が表す音声を出力する。本実施の形態では、複数のスピーカ44が備えられている。音声制御部28は、入力される音声データが誘導用情報である場合、複数のスピーカ44のうち、運転席に近いスピーカ44から誘導用情報を出力するように、スピーカ44を制御する。
複数のスピーカ44は、全て同じ構造でもよいし、異なる構造でもよい。たとえば、高音を主として出力する構造、中音を主として出力する構造、低音を主として出力する構造などのように、異なる構造のスピーカで役割分担されていてもよい。誘導用情報の出力に用いられるスピーカ44は、聞き取りやすさを考慮して、中音を主として出力する構造が望ましい。
表示制御部29は、コントロールユニット21から与えられる制御指令に従って、コントロールユニット21を介して情報描画部27から与えられる描画情報を、ディスプレイ45で取り扱い可能な映像信号に変換して、ディスプレイ45に、描画情報が表す画像を表示する指示を与える。
ディスプレイ45は、たとえば液晶ディスプレイによって実現される。ディスプレイ45は、表示制御部29から与えられる指示に基づいて、表示画面上に描画情報が表す画像を表示する。
情報記憶部30は、半導体メモリなどによって実現される。情報記憶部30は、種々の情報を記憶する。
本実施の形態では、代表的な各機能をコントロールユニット21とはそれぞれ独立して構成される場合について説明したが、これらの各機能、たとえば現在位置検出部22、地図情報更新部13、施設検索部24、経路計算部25、誘導案内部26、情報描画部27、音声制御部28および表示制御部29の機能は、コントロールユニット21に内蔵されて構成されてもよく、たとえばマイクロコンピュータによって実現される構成であってもよい。また、情報描画部27と表示制御部29とは、一体に構成されてもよい。
前述のように、本実施の形態の地図描画装置20は、地図情報記憶部11に記憶された地図情報に基づいて動作する独立方式のナビゲーション装置である。地図描画装置20は、これに限定されるものではなく、たとえば、必要なときに、必要な範囲の地図情報を通信によって取得し、取得した地図情報を、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などで構成される内部のワークメモリ装置に一時的に記憶して使用する通信方式のナビゲーション装置であってもよい。
図3は、本発明の第2の実施の形態における地図描画装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。地図描画装置20は、図3に示すように、少なくとも処理回路51、メモリ52および入出力インタフェース53を含んで構成される。
前述の図2に示すGPS受信機41、自立航法センサ42、交通情報送受信部43、スピーカ44およびディスプレイ45は、入出力インタフェース53に接続される。図2では、GPS受信機41、自立航法センサ42、交通情報送受信部43、スピーカ44およびディスプレイ45が、地図描画装置20に外付けされる構成としたが、これらのハードウェアが地図描画装置20の内部に配設される構成にしてもよい。
地図描画装置20における地図情報更新部13および地図描画部14の各機能は、処理回路51によって実現される。すなわち、地図描画装置20は、更新情報入力部12に入力される更新情報に基づいて、地図情報記憶部11に記憶される地図情報のうち、更新すべきエリアの地図情報を地図情報更新部13が更新し、各エリアの地図が各エリアの地図情報のバージョンに応じて異なる高さとなるように、地図描画部14が各エリアの地図情報に基づいて地図を立体的に描画するための処理回路51を備える。処理回路51は、メモリ52に記憶されるプログラムを実行するCPU(中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)である。
地図情報更新部13および地図描画部14の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ52に記憶される。
処理回路51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、各部の機能を実現する。すなわち、地図描画装置20は、処理回路51によって実行されるときに、更新情報入力部12に入力される更新情報に基づいて、地図情報記憶部11に記憶される地図情報のうち、更新すべきエリアの地図情報を地図情報更新部13が更新するステップと、各エリアの地図が各エリアの地図情報のバージョンに応じて異なる高さとなるように、地図描画部14が各エリアの地図情報に基づいて地図を立体的に描画するステップとが結果的に実行されることになるプログラムを記憶するためのメモリ52を備える。
また、これらのプログラムは、地図情報更新部13および地図描画部14が行う処理の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
ここで、メモリ52は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、ならびに磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
図4は、地図描画装置20における地図描画処理に関する処理手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの各処理は、コントロールユニット21によって実行される。図4に示すフローチャートは、地図描画装置20の電源が投入されるか、または予め定める地図表示更新周期毎に開始され、ステップS1に移行する。地図表示更新周期は、ディスプレイ45に表示される地図を更新する周期である。地図表示更新周期は、たとえば使用者によって適宜設定可能である。
ステップS1において、コントロールユニット21は、指示入力部23から、地図の更新を要求する更新要求指示が入力されたか否かを判断する。ステップS1において、更新要求指示が入力されたと判断された場合は、ステップS2に移行し、更新要求指示が入力されていないと判断された場合は、ステップS4に移行する。
ステップS2において、コントロールユニット21は、更新情報入力部12から更新情報を取得する。更新情報を取得すると、ステップS3に移行する。
ステップS3において、コントロールユニット21は、地図情報更新部13に指示して、ステップS2で取得した更新情報に含まれるエリア更新情報に基づいて、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報、具体的にはエリア地図情報を更新する。地図情報を更新すると、ステップS4に移行する。
ステップS4において、コントロールユニット21は、使用者が指示入力部23から指定した地図の表示縮尺に応じて、ディスプレイ45に表示する地図領域を包含するエリアを求め、求めたエリアのエリア地図情報を地図情報記憶部11から取得する。地図情報を取得すると、ステップS5に移行する。
ステップS5において、コントロールユニット21は、使用者によって指示入力部23から、各エリアの地図情報のバージョン情報に対応した表示(以下「バージョン対応表示」という場合がある)を行うように指示するバージョン対応表示指示が入力されたか否かを判断する。バージョン対応表示指示が入力されたと判断された場合は、ステップS6に移行し、バージョン対応表示指示が入力されていないと判断された場合は、ステップS7に移行する。
ステップS6において、コントロールユニット21は、地図描画部14に指示して、バージョン対応表示で地図描画を行う。バージョン対応表示での地図描画では、地図描画部14は、バージョン番号に応じて、背景、道路、名称およびランドマークなどを描画する。バージョン対応表示での地図描画の詳細については、後述する。バージョン対応表示で地図描画を行った後は、全ての処理手順を終了する。
ステップS7において、コントロールユニット21は、地図描画部14に指示して、ステップS4で取得した各エリア地図情報に基づいて、通常の地図描画を行う。通常の地図描画では、背景、道路、名称およびランドマークなどを、各エリアにおいて同じ高さで描画する。通常の地図描画を行った後は、全ての処理手順を終了する。
図5は、通常の地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図60の一例を示す図である。通常の地図描画のとき、地図描画部14は、図5に示すように、複数のエリア、たとえば第1エリア61、第2エリア62、第3エリア63および第4エリア64の4つのエリアを同じ高さで描画する。具体的には、地図描画部14は、背景、道路、名称およびランドマークなどを、各エリア61〜64において同じ高さで描画する。
図6は、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図60Aの一例を示す図である。図6において、縦軸は、地図が描画される高さ(以下「描画高さ」という場合がある)Hを示す。描画高さは、本実施の形態では、地図の背景、道路、名称およびランドマークなどのパーツが描画される高さをいう。図6では、理解を容易にするために、図6の紙面に向かって右側の4つのエリア61〜64の地図から、左側のバージョン対応表示で描画される地図(以下「バージョン対応表示地図」という場合がある)60Aの方に向かって移動するように矢印で示している。実際には、ディスプレイ45には、図6の紙面に向かって右側の各エリア61〜64の地図および矢印は表示されず、左側のバージョン対応表示地図60Aが表示される。
図6に示す例では、第3エリア63のバージョン番号が最も大きく、第2エリア62のバージョン番号が次に大きく、第1エリア61および第4エリア64のバージョン番号が最も小さい場合を示す。図6に示すように、地図描画部14は、各エリア61〜64の地図を、バージョン番号が大きいエリアほど、その背景、道路、名称、ランドマークの高さがより高くなるように描画する。
たとえば、地図描画部14は、予め定める、基準となる描画高さである基準描画高さをΔHとし、バージョン番号がnであるエリアの描画高さをn×ΔHで求め、各エリアの背景、道路、名称およびランドマークを含む地図を、求めた描画高さ(n×ΔH)で描画する。ここで求められる描画高さは、基準面の高さをゼロ(0)としたときの基準面からの絶対的な高さとなる。
描画高さは、これに限定されない。たとえば、図4のステップS4で求めたエリアの最小のバージョン番号(以下「最小バージョン番号」という場合がある)をNminとするとき、描画高さを(n−Nmin)×ΔHとしてもよい。これによって、最小バージョン番号Nminに対して相対的な高さの描画高さとすることができる。
また、予め定める設定高さをH0とし、図4のステップS4で求めたエリアの最大のバージョン番号(以下「最大バージョン番号」という場合がある)をNmaxとするとき、描画高さを(n/Nmax)×H0としてもよい。これによって、最大バージョン番号Nmaxの描画高さを、設定高さH0に制限することができる。
また、描画高さを(n/(Nmax−Nmin))×H0としてもよい。これによって、最小バージョン番号Nmaxから最大バージョン番号Nminまでのエリアの高さを設定高さH0に制限することができる。
このように本実施の形態では、地図描画部14は、各エリア61〜64の地図を、各エリア61〜64の地図情報のバージョンに応じて求められる描画高さで描画する。これによって、使用者は、各エリア61〜64の地図情報のバージョンの関係を容易に把握することができる。したがって、使用者は、地図情報の更新状況を容易に把握することができる。
図7は、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図60Bの他の例を示す図である。図7に示す例では、図6に示す例と同様に、第3エリア63のバージョン番号が最も大きく、第2エリア62のバージョン番号が次に大きく、第1エリア61および第4エリア64のバージョン番号が最も小さい場合を示す。
図6に示す例と同様に、図7において、縦軸は、描画高さHを示す。図7では、理解を容易にするために、図7の紙面に向かって右側の4つのエリア61〜64の地図から、左側のバージョン対応表示地図60Bの方に向かって移動するように矢印で示している。実際には、ディスプレイ45には、図7の紙面に向かって右側の各エリア61〜64の地図および矢印は表示されず、左側のバージョン対応表示地図60Bが表示される。
図7に示す例では、背景、道路、名称およびランドマークを含む各エリア61〜64の地図の描画高さは、前述の図6に示す例と同様である。図7に示す例では、地図描画部14は、描画高さが、予め定める基準高さよりも高いエリア61〜64の地図を描画する場合、描画高さが基準高さよりも高いエリアの地図を、描画高さを有する立体、すなわち描画高さと同じ高さの立体で描画する。
たとえば、図7に示す例では、基準高さをゼロ(0)とした場合である。この場合、描画高さが基準高さよりも高いエリアは、第2エリア62および第3エリア63となる。したがって、第2エリア62および第3エリア63は、各エリア62,63の描画高さを有する立体で描画される。
これによって、描画高さが基準高さよりも高いエリアである第2エリア62および第3エリア63については、各エリア62,63の側面62A,63Aが描画されることになる。したがって、エリアが分かり易くなる。
このように本実施の形態では、地図描画部14は、描画高さが基準高さよりも高いエリア62,63の地図を描画する場合、その描画高さが基準高さよりも高いエリア62,63の地図を、描画高さを有する立体で描画する。これによって、使用者は、各エリア61〜64の地図情報のバージョンの関係をさらに容易に把握することができる。したがって、使用者は、地図情報の更新状況を容易に把握することができる。
図8は、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図70の他の例を示す図である。図8に示す例では、図6および図7に示す例と同様に、第3エリア73のバージョン番号が最も大きく、第2エリア72のバージョン番号が次に大きく、第1エリア71および第4エリア74のバージョン番号が最も小さい場合を示す。
図6および図7に示す例と同様に、図8において、縦軸は、描画高さHを示す。図8では、理解を容易にするために、図8の紙面に向かって右側の4つのエリア71〜74の地図から、左側のバージョン対応表示地図70の方に向かって移動するように矢印で示している。実際には、ディスプレイ45には、図7の紙面に向かって右側の各エリア71〜74の地図および矢印は表示されず、左側のバージョン対応表示地図70が表示される。
図8に示す例では、地図描画部14は、各エリア71〜74の地図のうち、道路71A〜74Aを、各エリア71〜74のバージョン番号に関わらず同一の高さで描画し、道路を除く残余の部分、すなわち背景、名称およびランドマークを、前述のようにして求められる描画高さで描画する。たとえば、道路を除く残余の部分を、バージョン番号が大きいエリアほど、より低くなるように描画する。
たとえば、予め定める基準描画高さをΔHとし、予め定める設定高さをH0とし、前述の図4のステップS4で求めたエリアの最小バージョン番号をNminとし、最大バージョン番号をNmaxとするとき、すべてのエリアの道路を設定高さH0で描画する。また、バージョン番号がnであるエリアの道路を除く残余の部分、すなわち背景、名称およびランドマークの部分の描画高さをH0−(n−Nmax)×ΔHで求め、求めた高さとなるように背景、名称およびランドマークの部分を描画する。これによって、設定高さH0から基準描画高さΔHずつ低くなるように、各エリアの道路を除く残余の部分を描画することができる。図8に示す例では、設定高さH0を、基準描画高さΔHの2倍(2ΔH)としている。
このように図8に示す例では、地図描画部14は、各エリアの地図のうち、道路を同一の高さで描画し、道路を除く残余の部分を描画高さで描画する。これによって、本来接続されている道路が、断絶したように見えることを防ぐことができる。また、たとえば新しい道路が追加された場合には、道路が途切れているエリアにおいて、地図の更新が必要であることを容易に把握することができる。
また、地図描画部14は、予め定める最小高さをH1として、基準描画高さΔHの代わりに最小高さH1を用いて、H1/(Nmax−Nmin)で求めた値を描画高さとして用いてもよい。これによって、設定高さH0から、最小高さH1以上には低くならないように各エリアの地図を描画することができる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における地図描画装置は、前述の図2に示す第2の実施の形態における地図描画装置20と構成が同一であるので、図示および共通する説明を省略する。
本実施の形態では、地図描画部14は、隣接するエリア間で地図情報のバージョンが異なる場合、隣接するエリアの境界を示すように、地図を描画する。本実施の形態の地図描画部14の機能も、前述の第2の実施の形態と同様に、図3に示す処理回路51がメモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって実現される。
また本実施の形態では、エリア地図情報は、各エリアを撮影した写真を表す地図画像データである。したがって、バージョン情報としては、作成日付および作成時刻に代えて、各エリアの地図画像の撮影日付および撮影時刻が記憶される。
地図画像データは、たとえば、地図画像をビットマップで表したデータである。地図画像データとしては、これに限定されず、たとえば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの圧縮形式のデータを用いてもよい。
本実施の形態では、前述の図4に示すステップS7において、コントロールユニット21は、ステップS4で取得した各エリア地図情報に基づいて、地図描画部14に指示して、通常の地図描画で、各エリアのビットマップを描画する。
図9は、ビットマップで描画する場合に、通常の地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図80の一例を示す図である。ビットマップで描画する場合、地図描画部14は、通常の地図描画のとき、図9に示すように、複数のエリア、たとえば第1エリア81、第2エリア82、第3エリア83および第4エリア84の4つのエリアを、地図80において隣接するエリアの境界を示さずに描画する。図9では、理解を容易にするために、隣接するエリアの境界に二点鎖線を記載しているが、この二点鎖線は、実際にはディスプレイ45に表示されない。
前述の図4のステップS6では、コントロールユニット21は、ステップS4で取得した各エリア地図情報に基づいて、地図描画部14に指示して、バージョン対応表示で、各エリアのビットマップを描画する。
図10は、ビットマップで描画する場合に、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図80Aの一例を示す図である。図10では、図9と同様に、理解を容易にするために、隣接するエリアの境界に二点鎖線を記載しているが、この二点鎖線は、実際にはディスプレイ45に表示されない。
地図描画部14は、図10に示すように、隣接するエリア間で地図情報のバージョンが異なる場合、たとえば第2エリア82のバージョンと、残余のエリアである第1エリア81、第3エリア83および第4エリア84のバージョンとが異なる場合、地図80Aにおいて隣接するエリア同士の境界に、境界線85を描画する。
具体的には、コントロールユニット21は、隣接するエリアのバージョン番号、または作成日付、作成時刻を比較し、異なるときは、隣接するエリアの境界線85を描画する。
このように本実施の形態では、地図描画部14は、隣接するエリア間で地図情報のバージョンが異なる場合、隣接するエリアの境界を示すように地図を描画する。これによって、使用者は、地図情報のバージョンが異なるエリアを容易に把握することができる。したがって、使用者は、地図情報の更新状況を容易に把握することができる。
また本実施の形態では、地図描画部14は、隣接するエリア同士の境界に境界線85を描画する。これによって、使用者は、どのエリアと、どのエリアとが、地図情報のバージョンが異なるかを、容易に把握することができる。
図11は、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図80Bの他の例を示す図である。図11では、図10に示す例と同様に、第2エリア82Aのバージョン番号が相対的に大きく、残りの第1エリア81、第3エリア83および第4エリア84のバージョン番号が相対的に小さい場合を示す。図11では、図9と同様に、理解を容易にするために、隣接するエリアの境界に二点鎖線を記載しているが、この二点鎖線は、実際にはディスプレイ45に表示されない。
図11に示す例では、地図描画部14は、地図80Bにおいて隣接するエリアのうち、地図情報のバージョンが新しい方のエリアの地図の一部分が、地図情報のバージョンが古い方のエリアの地図に重畳されるように描画する。具体的には、コントロールユニット21は、隣接するエリアのバージョン情報、たとえばバージョン番号、作成日付または作成時刻を比較する。そして、コントロールユニット21は、隣接するエリアのバージョン情報が異なるときは、隣接するエリアの境界部分で、より新しいエリアの画像が、より古い画像を覆うように、地図描画部14に指示して描画する。
図11に示す例では、地図情報のバージョンが新しい第2エリア82Aの地図の一部分が、地図情報のバージョンが古い残りの第1エリア81、第3エリア83および第4エリア84の地図に重畳されるように描画される。図11に示す例では、さらに、地図情報のバージョンが新しい第2エリア82Aは、折返し部分86を有するように描画される。
このように図11に示す例では、地図描画部14は、地図80Bにおいて隣接するエリアのうち、地図情報のバージョンが新しい方のエリア82の地図の一部分が、地図情報のバージョンが古い方のエリア81,83,84の地図に重畳されるように、各エリア81〜84の地図を描画する。これによって、使用者は、新旧の地図の変遷を把握することができる。
図12は、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図80Cの他の例を示す図である。図13は、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図80Dの他の例を示す図である。図14は、バージョン対応表示での地図描画のときにディスプレイ45に表示される地図80Eの他の例を示す図である。
図12〜図14では、図10に示す例と同様に、第2エリア82のバージョン番号が相対的に大きく、残りの第1エリア81、第3エリア83および第4エリア84のバージョン番号が相対的に小さい場合を示す。図12〜図14では、図9と同様に、理解を容易にするために、隣接するエリアの境界に二点鎖線を記載しているが、この二点鎖線は、実際にはディスプレイ45に表示されない。
図12に示す例では、地図描画部14は、地図80Cにおいて隣接するエリアのうち、地図情報のバージョンが新しい方のエリアである第2エリア82の境界部分87と、地図情報のバージョンが古い方のエリアである第1エリア81、第3エリア83および第4エリア84の境界部分88とを、各エリア81〜84の境界部分87,88を除く残余の部分よりも濃い色で描画する。
図13に示す例では、地図描画部14は、地図80Dにおいて隣接するエリアのうち、地図情報のバージョンが新しい方のエリアである第2エリア82の境界部分87を、第2エリア82の境界部分87を除く残余の部分よりも濃い色で描画する。
図14に示す例では、地図描画部14は、地図80Eにおいて隣接するエリアのうち、地図情報のバージョンが古い方のエリアである第1エリア81、第3エリア83および第4エリア84の境界部分89を、各エリア81,83,84の境界部分89を除く残余の部分よりも濃い色で描画する。図14に示す例では、第3エリア83の境界部分89は、角部89Aが面取り形状に加工されて描画される。
このように、図12〜図14に示す例では、地図描画部14は、隣接するエリアのうち、地図情報のバージョンが新しい方のエリアである第2エリア82の境界部分87と、地図情報のバージョンが古い方のエリアである第1エリア81、第3エリア83および第4エリア84の境界部分88との少なくとも一方を、各エリア81〜84の境界部分87,88を除く残余の部分よりも濃い色で描画する。これによって、使用者は、色の濃淡で、地図の新旧の違いを容易に把握することができる。したがって、使用者は、地図情報の更新状況を容易に把握することができる。
図12に示す2つの境界部分87,88は、同一の色および濃淡で構成されてもよいし、異なる色および濃淡で構成されてもよい。また図12〜図14に示す境界部分87,88,89は、単一の濃度の色で構成されてもよいし、徐々に濃淡が変化するグラデーションで構成されてもよい。
以上に述べた本実施の形態では、各エリアの地図情報は、各エリアを撮影した写真を表す地図画像データであるが、これに限定されない。各エリアの地図情報は、たとえば、前述の第1の実施の形態における地図情報であるベクトル地図を表す地図情報であってもよい。各エリアの地図情報がベクトル地図を表す地図情報である場合でも、地図画像データの場合と同様に実施することができ、同様の効果を得ることができる。
また前述の第1の実施の形態では、各エリアの地図情報は、ベクトル地図を表す地図情報であるが、これに限定されない。第1の実施の形態における各エリアの地図情報は、たとえば第2の実施の形態における地図情報である、各エリアを撮影した写真を表す地図画像データであってもよい。
以上に述べた各実施の形態の地図描画装置は、車両とともに移動可能なナビゲーション装置によって実現される場合について説明した。しかし、地図描画装置は、ナビゲーション装置の他に、携帯電話機、スマートフォンまたはタブレット型端末装置などの携帯通信装置によって実現されてもよい。このように、地図描画装置が携帯通信装置によって実現される場合でも、前述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることが可能である。また、各実施の形態の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
本発明の地図描画装置は、地図を表す地図情報を、予め定めるエリア毎に記憶する地図情報記憶部と、地図情報を更新するための更新情報が入力される更新情報入力部と、更新情報入力部に入力される更新情報に基づいて、地図情報記憶部に記憶される地図情報のうち、更新すべきエリアの地図情報を更新する地図情報更新部と、各エリアの地図情報に基づいて地図を描画する地図描画部とを備え、地図描画部は、各エリアの地図が各エリアの地図情報のバージョンに応じて異なる高さとなるように、地図を立体的に描画するバージョン対応表示地図描画モードと、各エリアの地図が各エリアの地図情報のバージョンに関わらず同じ高さとなるように、地図を描画する通常地図描画モードと、を有することを特徴とする。
また本発明の地図描画装置は、地図を表す地図情報を、予め定めるエリア毎に記憶する地図情報記憶部と、地図情報を更新するための更新情報が入力される更新情報入力部と、更新情報入力部に入力される更新情報に基づいて、地図情報記憶部に記憶される地図情報のうち、更新すべきエリアの地図情報を更新する地図情報更新部と、各エリアの地図情報に基づいて地図を描画する地図描画部とを備え、地図描画部は、隣接するエリア間で地図情報のバージョンが異なる場合、隣接するエリアの境界を示すように、地図を描画し、地図描画部は、隣接するエリアのうち、地図情報のバージョンが新しい方のエリアの地図における地図情報のバージョンが古い方のエリアの地図との境界近傍の一部分が、地図情報のバージョンが古い方のエリアの地図を覆うように、各エリアの地図を描画することを特徴とする。
本発明の地図描画方法は、地図を表す地図情報を、予め定めるエリア毎に記憶し、地図情報を更新するための更新情報が入力されると、入力された更新情報に基づいて、地図情報のうち、更新すべきエリアの地図情報を更新し、各エリアの地図が各エリアの地図情報のバージョンに応じて異なる高さとなるように、各エリアの地図情報に基づいて地図を立体的に描画するバージョン対応表示地図描画と、各エリアの地図が各エリアの地図情報のバージョンに関わらず同じ高さとなるように、地図を描画する通常地図描画とを切り替えて行うことを特徴とする。
また本発明の地図描画方法は、地図を表す地図情報を、予め定めるエリア毎に記憶し、地図情報を更新するための更新情報が入力されると、入力された更新情報に基づいて、地図情報のうち、更新すべきエリアの地図情報を更新し、隣接するエリア間で地図情報のバージョンが異なる場合、前記隣接するエリアのうち、前記地図情報のバージョンが新しい方のエリアの地図における前記地図情報のバージョンが古い方のエリアの地図との境界近傍の一部分が、前記地図情報のバージョンが古い方のエリアの地図を覆うようにすることで、隣接するエリアの境界を示すように、各エリアの地図情報に基づいて、地図を描画することを特徴とする。