JPWO2016175071A1 - 光ビーム偏向素子およびそれを用いた波長選択クロスコネクト装置、光クロスコネクト装置 - Google Patents

光ビーム偏向素子およびそれを用いた波長選択クロスコネクト装置、光クロスコネクト装置 Download PDF

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Abstract

従来の光スイッチングエンジン技術では、(i)プログラム的にスイッチする領域を変化でき、(ii)波長依存性損失を生じず、(iii)Walk-offが小さく、また(iv)小さい光ビームから大きな光ビームまで使用できる汎用性のある多ポート用光スイッチングエンジンを作製するのは困難だった。透過型の可変半波長液晶プレートを矩形状の極めて小さなピクセルに分割してX、Y軸方向にそれぞれ多数のN個, M個マトリクス状として配列して形成したNxM透過型複屈折変調器の上に、光の波長幅に応じて周期ΛがX’軸方向(複屈折軸が回転している方向)に変化する偏光グレーティングを平行に装荷した光ビーム偏向素子を作製した。

Description

本特許は、次世代の光通信システムに必要となるROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)用のスイッチングエンジンとして用いられる。
図1は、メッシュネットワークにおける、あるROADMノード装置の一構成例を示している。
一般に光ネットワークにおいては、光ファイバの断線や伝送装置の障害が生じても、光通信が断絶しないように、光ファイバはペア光ファイバ1による二重化が施されている。
例えば、1+1プロテクションと呼ばれる方式では、ペア光ファイバ1の一方はWest→Eastへ、他方はEast→Westへ同時伝送され、メインの光ファイバ(West→East)が断線した場合は、瞬時に他方の光信号(East→West)に切り替えることで障害を回避している。
本ノードは3つの方向のペア光ファイバ1を持つ構成であり(3Degreeと言われる)、すなわち、West 、East 、North 方向に位置する3つの各ノードへ向かってペア光ファイバ1がそれぞれ敷設されている。
以下、本ノードの動作について説明する。本ノードはExpress Traffic装置2とAdd/Drop Traffic装置3より構成されている。
今、West→ Eastに伝送されているペア光ファイバ1の光ファイバには、約100波程度の波長信号が多重化されており、1xN WSS(Wavelength Selective Switch)を用いて分波される。1xN WSSの出力ポートのうち、2つはそれぞれEastとNorthに向かい、対向するように配置されている1xN WSSに接続される。残りの出力ポートはAdd/Drop Traffic装置3にある2つのトランスポンダーバンク(トランスポンダーバンク#A4、トランスポンダーバンク#B5)に接続される。
これにより任意の波長の光信号を取り出したり、新たな波長の光信号を挿入したりすることができる。
このように、Express Traffic装置2では、1xN WSS装置を対向して配置し、それらのポートを接続している。
今後の光ネットワークの進展に伴い、degree数は増加する傾向にあり、多くの1xN WSSが必要になる。
また、Degreeを増設する場合、新たに1xN WSSを配置し、既存の1xN WSS間の光パッチファイバーは人手を介して接続することが必要となる。
図2にAdd/Drop Traffic装置の構成の一例を示す。
本例では、便宜上トランスポンダーバンクは受信機(RX)バンク21と送信機(TX)バンク22に分けているが、実際は各TXとRXが一緒になったトランスポンダーのバンクから構成されている。
先ず、受信機バンク21から説明する。
Express Traffic装置1からの光信号(多重化された波長信号)は光アンプ23で増幅された後1x8光スプリッター24で8分岐され、各受信機(RX)に接続された1x8光スイッチ25に入力される。
1x8光スイッチ25では、各degreeから来る光信号の内から、1つのdegreeを選択し、さらに波長可変フィルタ26を用いて、多重化された光信号の中から一波長を取り出す方式となっている。
一方、送信機(TX)バンク22においては、送信機(TX)からの光信号は1x8光スイッチ25を用いて所望のdegreeに送信する。
このように、各degreeと各受信機(RX)と各送信機(TX)をmulticast and selectという方式でクロスコネクトする構成になっている。
なお、受信機(RX)は波長可変フィルタ26を含むため波長クロスコネクト構成であり、送信機(TX)は波長可変フィルタ26を含まないため単なる光クロスコネクト構成と等価である。
本例では、8台の受信機(RX)と8台の送信機(TX)をクロスコネクトする方式であるが、この数はほぼ光アンプの増幅性能で決定されている。
一般に光ファイバ1本あたり数十波〜100波程度の光信号が多重化されている。
従って3degreeの場合、二重化を考慮すると、全部で最大600波程度の光信号が存在することになる。
このうちノードで分岐挿入する光信号数を50%と仮定すると、約300波長の光信号をトランスポンダーバンクでハンドリングする必要がある。
本例では、1つのトランスポンダーバンクの受信機(RX)および送信機(TX)が8台であるため、トランスポンダーバンクあたり8波しかハンドリングできないことになる。
300波長の光信号をすべて扱うためには、38台のトランスポンダーバンクが必要になり、装置の大型化や煩雑さが増加する。
また、高価な光アンプ23や多くの1x8光スイッチ25や1x8光スプリッター24、さらには光フィルタ26の部品が必要となり、全体として装置の大型化やコストが高くなるという問題があった。
このため、図3に示すNxM波長クロスコネクト(WXC)装置や図5に示す光クロスコネクト(OXC)装置が提案されている。
先ず、図3のNxM波長クロスコネクト(WXC)装置から説明する(非特許文献1)。
図3(a)は上面図、図3(b)は側面図である。
一方向に配列された入力ポート34と出力ポート35、レンズ33、グレーティング32、スイッチングエンジン31およびフーリエレンズ36から構成され、2つのスイッチングエンジン31(この場合はLiquid Crystal on Silicon(LCOS))を用いて、波長毎に光信号をクロスコネクトする。
この例は複雑であるが、スイッチする面(図3(a))においては、2つのスイッチングエンジン31の間の光学系は基本的にフーリエ光学系であり、ハンドリングできるポート数Mは(3)式で与えられる。
Figure 2016175071
ここで、fはフーリエ光学系の等価的な焦点距離、Δθは光ビームの偏向角、aはフィルファクター(a=R/w、ここでRはLCOS上の光ビームの半分のピッチ、wはLCOS上の光ビームのスポット半径である )、λは波長である。
なお、aは1.5〜2.0程度である。
従来技術で用いられているスイッチングエンジンであるLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を図4(a)に示す。
このLCOSは、電子回路基板41上に形成された金属電極42と上部のガラス基板43下面に形成された透明電極44間に液晶45を挿入し、各金属電極42に電圧を印加させることで複屈折をもつ液晶45の分子を回転させ、階段型のパターンの屈折率分布を与える。
これにより入射する光の位相を制御することで光ビームを偏向する。
図4(c)は、LCOSのピクセル(各金属電極42に対応)Blaze period N(0〜2πとなる1周期のピクセル数)と損失の関係を示す。
Nが5程度以下になると、損失が急激に増加する。一方、LCOSの偏向角は(4)式によってあらわされる。
Figure 2016175071
ここで、θは偏向角、λは波長、NはBlaze period、Δはピクセルピッチである。
図4(c)から、低損失で光ビームを偏向させるためには、N=5程度以上必要であることを考えると、大きな偏向を得るためには、ピクセルピッチΔを小さくする必要がある。
しかしピクセルピッチΔ、すなわち金属電極42のピッチを狭くすると、図4(b)に示すように電界の回り込み(フリンジング効果)により、損失が急激に劣化する。
このため、現状では、ピクセルピッチΔは8μm程度である。(4)式より偏向角θは、2°程度と小さく、偏向角θを大きくできない。
図5(a)は、従来の光クロスコネクト(OXC)装置の一例である(非特許文献2)。
この例では、2次元のMEMSミラーを用いて2次元で光ビームの偏向を制御している。
光ファイバアレイ51、コリメートするマイクロレンズアレイ52、二次元MEMSミラー53から構成される。
2つの二次元MEMSミラー53のミラー角度を調整して入力ポートと出力ポート間の光ビームを光クロスコネクトする。
ハンドリングできるポート数は、(5)式で与えられる。
Figure 2016175071
ここで、fはフーリエ光学系の焦点距離、Δθは光ビームの偏向角、aはフィルファクター(a=R/w、ここでRはMEMSミラーの半径、wはMEMSミラー上の光ビームのスポット半径である)、λは波長である。
なお、aは1.5〜2.0程度である。
図5(b)にMEMSミラーの一例として断面構造を示す。階段状に形成された駆動電極55に電圧を印加することでミラー54がヒンジ56を中心に傾斜する。
角度を大きくするとミラー54が戻らなくなるPull-inを引き起こすため傾斜角度は±1°程度となり、本MEMSミラーの偏向角は傾斜角度の2倍程度の約±2°である。
以上より、従来技術のLCOSやMEMSミラーによる偏向角は高々数度であり、波長クロスコネクト装置のポート数を表す(3)式で見積もると高々,十数ポート程度となり、ポート数を増加する場合は、極めて大きな寸法(fの増加)となる。
また光クロスコネクト装置のポート数を表す(5)式の場合も、2次元のMEMSミラーを使用した場合でも、256x256のポート規模を実現するためには、約1m程度の焦点距離が必要になり装置の大型化と共に、光ビームのスポットが回折して大きくなるためスイッチングエンジンのサイズの増大を招き、高コスト化となる。
偏向角を大きくとれるステアリング素子として、液晶の半波長プレートとポリマーの偏光グレーティングを積層したものが報告されている(特許文献1)。
図6にその一例を示す。本スイッチングエンジンは、液晶の半波長プレート61とポリマーの偏光グレーティング62を積層したものである。
偏光グレーティング62とは図7に示すように、膜面内(x-y面)に配列して複屈折分子の方向が、x軸方向に周期Λで変化しているものである。
偏光グレーティング62を通過後の円偏光状態は、入射する前と逆転した円偏光状態となる(右回りは左周り、左周りは右回りに変化する)。
この膜に垂直(z軸方向)に入射する光は、円偏光の右回り、左周りかに依存して、左右に(+X方向、−X方向)偏向する。偏向角は、次式によって与えられる。
Figure 2016175071
ここで、λは波長、Λは偏光グレーティング62の周期、θinは入射角度、θは出射偏光角度、mは次数であり偏光角度に応じた±1の値をとる。
偏光グレーティング62には、液晶型とポリマー型の2つがあり、ポリマー型はパッシブエレメントであり、液晶型は電圧を変化することで、偏光グレーティングを消したり、偏光グレーティングを再現させたりすることができる。
図6に戻って説明する。
ここでは、パッシブ型の偏光グレーティング62を用いている。
(a)は全体図を、(b)は動作図が示されている。
入射する光の円偏光の向き(右回りか、あるいは、左周りか)変化させることで、1段毎に1x2のスイッチを行う方式である。
積層させることで多くスイッチング角度を実現でき、例えばN枚積層数すると、2Nの角度を実現できる。
また、積層する偏光グレーティング62の周期を変えることで最大偏向できる角度も制御できる。
しかし、この従来例では、液晶の半波長プレート61は1つのあるいは多くの電極を含んでも良いと、記述されているが、本方式をNxNの波長クロスコネクト装置やNxN光クロスコネクト装置に適用する場合、下記の問題が生じ実用システムへの導入が困難である。
(1)NxNの波長クロスコネクト装置の場合
(i)従来例では1つの光ビームを偏向させている場合を報告しているが、本方式をNxNの波長クロスコネクト装置に適用する場合、多くの入力ポートから入射された(例えば100ポート)、多くの波長の異なった光(例えば100波長)をそれぞれ独立にスイッチングする必要がある。また、多くの波長の異なった光は、その波長数と波長幅が時間的に変化するためプログラム的にスイッチする領域を変化させる必要がある。
(ii)NxN波長クロスコネクト装置の場合、本スイッチングエンジンには、上で述べたように種々の波長の光が入射し、それらを波長毎にスイッチする必要がある。しかし、従来方法では、x軸方向に周期Λが一定であるため、波長毎に偏光角が異なり、波長依存性損失を生じることになる。
(iii)本方法は1段毎に1x2のスイッチをタンデムに行う方式である。スイッチングの角度はアナログ的ではなく2p(pは積層数)で変化する。この方式を多くのポートにスイッチするためには、pの数を増やす必要があるが、各液晶の半波長プレートの厚さにより最終的な面では、各光ビームの出発点がばらけ(Walk-off)てしまう。このWalk-offは、波長クロスコネクト装置においては、本来平行となるべき各ビームがそれぞれ異なった角度を持つことになり損失が大幅に増加する。
(iv)種々の大きさの光ビーム、かつ種々の光ビーム数を1つのスイッチングエンジンで実現することが困難であり、汎用性のあるスイッチングエンジンを実現することはできない。
(2)NxN光クロスコネクト装置に適用する場合
(i)本方法は1段毎に1x2のスイッチをタンデムに行う方式である。スイッチングの角度はアナログ的ではなく2N(Nは積層数)で変化する。この方式を多くのポートにスイッチするためには、Nの数を増やす必要があるが、各液晶の半波長プレートの厚さにより最終的な面では、各光ビームの出発点がばらけて(Walk-off)しまう。このWalk-offは、光クロスコネクト装置においては、本来平行となるべき各ビームがそれぞれ異なった角度を持つことになり損失が大幅に増加する。
(ii)種々の大きさの光ビーム、かつ種々の光ビーム数を1つのスイッチングエンジンで実現することが困難であり、汎用性のあるスイッチングエンジンを実現することはできない。
US patent, US2012/0188467, “BEAM STEERING DEVICES INCLUDING STACKED LIQUID CRYSTAL POLARIZATION GRATING AND RELATED METHODS OF OPERATION”
"NxM Wavelength Selective Crossconnect with Flexible Passbands; Nicolas K. Fontaine, Roland Ryf, David T. Neilson, PdP5B.2 OFC/NFOEC Postdeadline Papers, 2012 "光スイッチ用MEMSチルトミラーアレイ"NTT技術ジャーナル、2007年7月、p24-p27
従来のスイッチングエンジンでは、困難であった(i)プログラム的にスイッチする領域を変化でき、(ii)波長依存性損失を生じず、(iii)Walk-offが小さく、また(iv)小さい光ビームから大きな光ビームまで使用できる汎用性のある多ポート用スイッチングエンジンを提供することにある。
本発明の手段は、図6に示した従来技術である透過型の可変半波長液晶プレートを矩形状の極めて小さなピクセルに分割してX、Y軸方向にそれぞれ多数のN個, M個マトリクス状として配列して形成したNxM透過型複屈折変調器を用い、その上に、用いる波長幅に応じて周期ΛがX’軸方向(複屈折軸が回転している方向)に変化する偏光グレーティングを装荷したことにある。
装荷するにあたり、偏光グレーティングの複屈折軸が回転しているX’軸を前記NxM透過型複屈折変調器のX軸あるいはY軸とほぼ平行となるように装荷する。
こうして作製した一対のNxM透過型複屈折変調器と偏光グレーティングを、光の伝搬するZ方向から見てピクセルが重なるように数層、高精度に積層したことにある。
また、Walk-offを小さくするため、NxM透過型複屈折変調器の材料として屈折率が大きく、光通信の波長領域で透明な材料であるSiあるいはGeを基板として用いたことにある。
これ以外の材料として従来例ではガラスが一例として用いられているが、Walk-offが大きくなり、用途が限定される。
さらに、本特許においては、前記したピクセルの寸法を使用する光ビームのスポットサイズより小さくし、2個以上のピクセルをグループ化し、あたかも一つのエレメントのようにして、1つの光ビームを偏向したことにある。
これにより、多くのスポットサイズに対応でき汎用性のあるスイッチングエンジンを実現できる。
本特許は具体的には次の手段を提供できる。
(1)
Si基板あるいはGe基板上に電子回路91と透明電極95からなるほぼ矩形状のピクセル90を直交したX、Y軸方向にそれぞれN個,M個マトリクス状に形成した基板A93と、
Si基板あるいはGe基板上に一面に透明電極94が形成された基板B96との間に複屈折をもつ液晶92を挿入して構成したアクティブ型NxM透過型複屈折変調器81に、
直交2軸(X’軸、Y’軸)から構成され波長に応じた漸次変化する周期Λ(一定の周期を除く)で一軸X’軸方向に複屈折軸が回転している偏光グレーティング82を、
X軸とX’軸あるいはY軸とX’軸がほぼ平行となるように装荷したことを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(2)
その背面から光が入射する1/4波長フィルム111の表面と、
その背面から光が出射する1/4波長フィルム111の表面との間に、
Si基板あるいはGe基板の表面にX軸方向にライン状の電極をN個配置し、
Si基板あるいはGe基板の表面に前記X軸方向と直交するY軸方向にライン状の電極をM個配置し、
その間に強誘電性液晶102を挿入してその2つのライン状の電極によりMxN個の交差点(以下ピクセルと呼ぶ)を構成し、
前記ピクセルの電極の操作により半波長板として動作するパッシブマトリクス型NxM透過型複屈折変調器81に配置し、
さらに前記光が出射する1/4波長フィルム111の表面側に、直交2軸(X’軸、Y’軸)から構成され波長に応じた漸次変化する周期Λ(一定の周期を除く)で一軸(X’軸)方向に複屈折軸が回転している偏光グレーティング82を、X軸とX’軸あるいはY軸とX’軸がほぼ平行となるように装荷したことを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(3)
(1)、(2)に記載の光ビーム偏向素子11において、装荷する偏光グレーティング82は数μmのフィルム状であり、前記フィルム状の偏光グレーティング82を直接(1)に記載のアクティブ型NxM透過型複屈折変調器81に、または直接(2)に記載の前記光が出射する1/4波長フィルム111の表面に張り付けたことを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(4)
(1)、(2)の光ビーム偏向素子11において、前記漸次変化する周期Λ(一定の周期を除く)でX’軸方向に複屈折軸が回転している偏光グレーティング82の周期Λが、X’軸方向に徐々に数%変化していることを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(5)
(4)の光ビーム偏向素子11において、偏光グレーティング82の周期ΛがX’軸に対して所定の範囲の波長に対して一定の偏向角となるようにX’軸に対して徐々に変化し、その変化がほぼ直線的に変化していることを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(6)
(4)、(5)のいずれかに記載の光ビーム偏向素子11において、偏光グレーティング82の周期Λが±10%以下の変化0.99Λc〜1.01Λc、あるいは、0.98Λc〜1.02Λc、あるいは、0.97Λc〜1.03Λc、・・・・ 、Λcは中心の周期で変化していることを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(7)
(1)の光ビーム偏向素子11において、アクティブ型NxM透過型複屈折変調器81の基板A93の透明電極95と基板B96の透明電極94に印加する電圧を変化させ、アクティブ型NxM透過型複屈折変調器81に対してほぼ垂直Z方向に通過する光に対して、1/2波長板あるいは1/4波長板と同様な異方性複屈折状態から複屈折の生じない等方性状態まで変化させることを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(8)
(1)乃至(7)のいずれかに記載の光ビーム偏向素子11を複数用い、各光ビーム偏向素子11のピクセルが光の通過するZ方向から見て、ほぼ重なるように各光ビーム偏向素子11を2枚以上積層させことを特徴とする光ビーム偏向素子80。
(9)
(8)に記載の光ビーム偏向素子80において、積層する各光ビーム偏向素子11の偏光グレーティング82の周期Λが、積層する方向Z方向に対して、それぞれ異なっていることを特徴とする光ビーム偏向素子80。
(10)
(9)の光ビーム偏向素子80において、積層する各光ビーム偏向素子11の偏光グレーティング82の周期Λがそれぞれほぼ1/2倍ずつ小さくなっていることを特徴とする光ビーム偏向素子80。
(11)
(9)の光ビーム偏向素子80において、積層する各光ビーム偏向素子11の偏光グレーティング11の周期Λが、一方から徐々に小さくなるように積層させたことを特徴とする光ビーム偏向素子80。
(12)
(8)乃至(11)のいずれかに記載の光ビーム偏向素子80において、各光ビーム偏向素子11の厚さを1mm以下として積層したことを特徴とする光ビーム偏向素子80。
(13)
(8)乃至(11)のいずれかに記載の光ビーム偏向素子80において、入射する光ビーム97のスポットの中に少なくとも2つ以上のピクセル90を含むように構成されたことを特徴とする光ビーム偏向素子80の使用方法。
(14)
(8)乃至(11)のいずれかに記載の光ビーム偏向素子80において、積層する光ビーム偏向素子11のうち、少なくとも1枚の光ビーム偏向素子11を構成する偏光グレーティング82のX’軸が他の光ビーム偏向素子11のX’軸と直交するように積層したことを特徴とする光ビーム偏向素子80。
(15)
(1)乃至(6)のいずれかに記載の光ビーム偏向素子11において、アクティブ型NxM透過型複屈折変調器81を構成する電子回路91がTFT(Thin Film Transistor)であることを特徴とする光ビーム偏向素子11。
(16)
(1)乃至(12)、(14)乃至(15)のいずれかに記載の同一の光ビーム偏向素子11,80を2つ対向して用い、そのほぼ中間に焦点距離FのシリンドリカルレンズA141dの曲面パワーのある面すなわち光が屈折する面をスイッチングする面と平行に配置し、さらに前記シリンドリカルレンズA141dと2つの光ビーム偏向素子11,80の中間にシリンドリカルレンズA141dと曲面が直交するように焦点距離F’を持つ2つのシリンドリカルレンズB141cを配置し、焦点距離Fと焦点距離F’の間には数式(8)の関係が成り立つことを特徴とする波長クロスコネクト光学系143。
Figure 2016175071
(17)
(16)に記載の波長クロスコネクト光学系143とグレーティング142、ファイバアレイ140およびレンズ141a、141bを組み合わせて構成した波長クロスコネクト装置。
(18)
(1)乃至(12)、(14)乃至(15)のいずれかに記載の同一の光ビーム偏向素子11,80を2つ用いて、間隔がLとなるように対向して配置し、そのほぼ中間に焦点距離Fのレンズ150を配置した光学系において、数式(9)の関係が成り立つことを特徴とするクロスコネクト光学系152。
Figure 2016175071
従来のスイッチングエンジンでは、困難であった多ポート波長クロスコネクト装置や光クロスコネクト装置のスイッチングエンジンを提供することにある。
図1は、メッシュネットワークにおける、あるROADMノード装置の一構成例を示している。 図2はAdd/Drop Traffic装置の構成の一例である。 図3は従来のNxM波長クロスコネクト(WXC)装置である。 図4は従来のNxM波長クロスコネクト装置のスイッチングエンジンに用いられているLCOS(Liquid Crystal On Silicon)である。図4(a)は、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)と屈折率および入射、出射の関係を示す図である。図4(b)は電界の回り込み(フリンジング効果)を説明する図である。図4(c)は、LCOSのピクセル(各金属電極42に対応)Blaze period N(0〜2πとなる1周期のピクセル数)と損失の関係を示す図である。 図5は従来の光クロスコネクト(OXC)装置である。 図6は従来の偏向角を大きくとれるステアリング素子である。 図7は従来技術で用いられている偏光グレーティングを説明する図である。 図8は本発明の一実施例を示す図である。 図9は本発明の一実施例を構成しているNxM透過型複屈折変調器の一例である。図9(a)は正面図、図9(b)は断面図である。 図10は本発明偏向ビーム素子の積層方法を説明する図である。 図11は本発明偏向ビーム素子を波長クロスコネクト装置に用いる場合に重要となるチャープ化した偏光グレーティングと偏向ビーム素子の説明図である。 図12は本発明のような積層型のスイッチングエンジンを波長クロスコネクト装置(あるいは光クロスコネクト装置)に用いる場合、問題の一つとなるwalk-offの説明図である。 図13は本発明偏向ビーム素子の他の実施例を示す。 図14は本発明光ビーム偏向素子を用いた波長クロスコネクト装置の一例である。図14(a)は上面図(X-Z面)、図14(b)は側面図(Y-Z面)である。 図15は本発明光ビーム偏向素子を用いた光クロスコネクト装置の一例である。 図16は本発明の一実施例を構成しているNxM透過型複屈折変調器の別方式の一例である。図16(a)は正面図、図16(b)は断面図である。 図17は本発明の一実施例を構成しているNxM透過型複屈折変調器の別方式の動作として、入射する円偏光が右回りの円偏光である場合の説明図である。図17(a)は正面図、図17(b)は側面図である。 図18は本発明の一実施例を構成しているNxM透過型複屈折変調器の別方式の動作として、入射する円偏光が左回りの円偏光である場合の説明図である。図18(a)は正面図、図18(b)は側面図である。
図8に本発明光ビーム偏向素子80の一実施例を示す。
NxM透過型複屈折変調器81とその片面に配置あるいは装荷した偏光グレーティング82を基本構造としたスイッチエレメント1(11)1〜スイッチエレメント6(16)を積層したものである。
NxM透過型複屈折変調器81のマトリクス方向であるX軸(あるいはY軸)と偏光グレーティング82の偏光回転軸X‘が平行となるように配置している。
NxM透過型複屈折変調器の一例を図9に示す。
図9(a)は正面図、図9(b)は断面図である。
この例では、X軸方向にN個のピクセル、Y軸方向にM個のピクセルが構成されている場合を示している。
各ピクセル90は、寸法が8μmx16μmの矩形状のパターンを持った透明電極とその一部に形成されたTFT(Thin Film Transistor)91より構成されている。
また、各ピクセルは本一例以外にも種々の寸法をもつことが可能である。
なお、ピクセルは厳密に矩形状ではなくとも、製造プロセスで実現できる程度に、ほぼ矩形状(あるいは楕円形状)であればよい。
しかし、本発明光ビーム偏向素子80を波長クロスコネクト装置や光クロスコネクト装置に適用する場合は、低損失、低クロストークとなるように各ピクセル間のギャップはできるだけ小さいことが望ましい。
各ピクセル90はシリコン基板93上に形成され、透明電極94が形成されたシリコン基板を対向して配置し、その間に液晶92を挿入した構造である。なお、実際は液晶92の配向のためアライメント層が用いられるが、ここでは簡単化するため記述していない。
各ピクセル90への印加電の有無で、複屈折の無い等方性プレートとしたり、複屈折のある半波長プレートとしたりすることができる。
液晶としては、ネマチック液晶やブルー層液晶などを用いることができる。
なお、入射端で直線偏光を入射する場合は、左あるいは右の円偏光となるように1/4波長プレートとして動作させる場合もある。
さらに、各ピクセル90および透明電極94と液晶92の間の屈折率の違いによるフレネル反射を小さくするためにこれらの間に無反射コートを形成してもよい。また、各ピクセル90とシリコン基板93の間や透明電極94とシリコン基板96の間の屈折率の違いによるフレネル反射を小さくするためにこれらの間に無反射コートを形成してもよい。
本例では、基板材料に屈折率の大きなSi(n=3.5)を用いているが、Ge(n=4.2)を用いても良い。
積層するにあたっては、図10に示すようにNxM透過型複屈折変調器81の各ピクセル90が光ビーム97の伝搬方向に対して、重なるように積層している。
またこの場合は、Y方向には約5個のピクセル90がグループとなって1つの光ビームを偏向させるようにしている。
このため、各入射する光ビームのスポットサイズが用途により変化しても、ピクセル90のグループ化を変更することで柔軟に対応できる。
また、積層された偏光グレーティング82の周期Λは、光の伝搬方向に対して、32Λ、16Λ、8Λ、4Λ、2Λ、Λと周期の大きいものから周期の小さいものとなるように積層した場合を示しているが、その順番は変化させても良い。
また、本発明光ビーム偏向素子80を構成する各NxM透過型複屈折変調器81と偏光グレーティング82の間、また入出力部の空気との間には屈折率差によるフレネル反射を小さくするため無反射コートを施しても良い。
さらに。本例の場合、光が最後に通過するΛ周期をもつ光ビーム偏向素子80には大きな偏向角で光が入射するスイッチング状態が生じる。
大きな偏向角で光が入射する場合、NxM透過型複屈折変調器81を構成する液晶92を光が斜めに通過することになるため、偏向角が小さい場合と比較し、完全な円偏光からずれ楕円偏光となる。
これを補正するためNxM透過型複屈折変調器81と偏光グレーティング82の間に位相補正板を挿入してもよい。
なお、本例では、偏光グレーティング82の周期が32Λ、16Λ、8Λ、4Λ、2Λ、Λの6種類の偏光グレーティングを用いた6つのスイッチエレメント11〜スイッチエレメント16を積層した場合を示しているが、所望の目的に合わせ、何枚のスイッチエレメントを用いてもよい。
再び図8に戻り、本発明光ビーム偏向素子80を波長クロスコネクト装置に用いる場合を例に取り、その動作を説明する。
図8(a)は上面から見た場合の動作であり、X方向に異なった波長の光ビームが入射し、X方向には偏向しない。
一方、側面から見た動作である図8(b)に示すように、Y方向には同じ波長の光ビームはそれぞれ独立に上下方向に偏向する。
ここでは、ある波長のみの動作を示しているが、他の波長も同様に独立に上下方向に偏向する。
前述した(6)式に示すように、偏向角θは波長の関数であるため、波長クロスコネクト装置のようにそれぞれ異なった波長を入射させる場合(C-bandと呼ばれるWDM光通信では、1530nm〜1570nm程度の波長を扱う)、図11に示すように、波長により偏向角θが異なりC-bandの端付近の波長では大きな損失となる。
このため本特許においては、波長に応じて偏向角θが変化しないように、X方向にグレーティングの周期Λを徐々に数%変化させている(周期Λのチャープ化)。
これにより波長が変化しても偏向角θは一定となり、実用システムに対応できる。
図12は、本発明のような積層型の光ビーム偏向素子80を波長クロスコネクト装置(あるいは光クロスコネクト装置)に用いる場合に問題の一つとなるwalk-offの説明図である。
図12(a)では3段積層した場合を示している。なお、図12(b)は理想的な光ビームの偏向を示している。理想的な光ビームの偏向は、同じ始点を中心に偏向している。
しかし、実際は図12(a)に示すように、積層した光ビーム偏向素子の最後のエレメントから出射する光ビームは散け、異なった位置から偏向する。この散けたビーム間の距離をwalk-offと定義する。
このwalk-offの最悪値は、次式で与えられる。
Figure 2016175071
ここで、Tは各NxM透過型複屈折変調器81とパッシブ偏光グレーティング82の厚さ、θiはスイッチングエンジンの各エレメントの偏向角(半角)(iは積層番号)、nは、NxM透過型複屈折変調器81を構成する基板の屈折率である。
本発明においては、偏光グレーティング82の厚さは数μmであり、NxM透過型複屈折変調器81を構成する基板に直接貼り付けている。
このため、実際のTは、NxM透過型複屈折変調器81の厚さと見なしてよい。
さらに、NxM透過型複屈折変調器81上に形成されたピクセル90や透明電極94の厚さ、また液晶92の厚さは、NxM透過型複屈折変調器81を構成する基板93厚と比較して薄いため、実質的にTは、NxM透過型複屈折変調器81を構成する2枚の基板厚で決定される。
式(7)より、walk-offを小さくするためには、T/nを小さくしてやればよい。
従来技術では一例として基板材料をガラスとした場合を示しているが、64x64程度の多ポート波長クロスコネクトや光クロスコネクト装置へ適用を考えると、2枚の基板厚であるTを約200μm程度まで薄くしないと実用的な損失を実現できない(損失はwalk-off に対して指数関数的に増加する)。
100μmの薄い基板は、強度がきわめて弱くなり、製造プロセスで扱うことは困難であり、製作後に基板を研磨する必要がある。
このため製作および価格の面においても実現が困難である。
このため、本特許では、屈折率の大きなSi(n=3.5)およびGe(n=4.2)を材料として用いている。
これらの材料は、光通信で使用される1.55μm帯では透明であり、Tが約600μm程度でもwalk-offが小さく低損失なスイッチングエンジンを実現できる。
なお、市販のSi基板は300μm程度から市販されており、強度の点でも、価格の点でも問題ない。
Si基板であれば、厚さ1mm以下であれば、実用的にwalk-offが小さく低損失なスイッチングエンジンを実現できる。
図13に本発明の他の実施例を示す。
本発明においては、積層した最後のスイッチエレメント16を構成する偏光グレーティング82aの偏光軸X‘を90°回転させ、他のスイッチエレメント11〜15の偏光グレーティング82に対して直交させている。
図13(a)、図13(b)は、上面図、側面図である。直交させることで、これまでY-Z面内でのみ偏向していたものを、X-Z面内においても偏向できるようになり、二次元の偏向駆動が可能となる。
図14に本発明光ビーム偏向素子を用いた波長クロスコネクト装置の一例を示す。図14(a)は上面図(X-Z面)であり、光が分散する面を示している。
一方、図14(b)は側面図(Y-Z面)であり、各波長の光がスイッチングする面を示している。
本波長クロスコネクト装置は、入力部144a、出力部144bおよび点線で囲んだ部分の波長クロスコネクト部143から構成される。
光学系は、シリンドリカルレンズA(141d)を中心にした対称光学系となっている。
便宜上、入力部144aと出力部144bに分けているが、入れ替えても問題ない。
波長クロスコネクト部143は動作の核心であり、本特許で述べている同一の光ビーム偏向素子80を2つ対向して用い、そのほぼ中間に焦点距離FのシリンドリカルレンズA(141d)の曲面(パワーのある面すなわち光が屈折する面))をスイッチングする面と平行に配置し、さらに前記シリンドリカルレンズA(141d)と2つの光ビーム偏向素子80の中間にシリンドリカルレンズAと曲面が直交するように焦点距離F’を持つ2つのシリンドリカルレンズB(141C)を配置し、焦点距離Fと焦点距離F’の間には上述の(8)式の関係が成り立つような波長クロスコネクト部143となっている。
この光学系により、図14(a)の光が分散する面と図14(b)の各波長の光がスイッチングする面で異なった動作が可能となる。すなわち、図14(a)の光が分散する面では4F’の光学系となり、スイッチングなどのアクティブな動作は行わず、像反転はするが入力側の光ビーム偏向素子80の像が出力側の光ビーム偏向素子80の上に再現する。
一方、図14(b)の各波長の光がスイッチングする面では、2Fのフーリエ光学系となり、光ビームは角度が位置に、位置が角度に変換される。
入力側の光ビーム偏向素子80で角度を変換することで、対向する出力側の光ビーム偏向素子80に入射する光ビーム位置を変化させることができる。
出力側の光ビーム偏向素子80は、傾いて入射してきた光ビームをZ方向に平行とし、出力部142bに伝搬させる。
次に、入力部144aと出力部144bについて説明する。
ここでは、分かりやすいように透過する光学系で説明するが、実際、用いられるグレーティング142は、斜め入射、斜め出射するため、それに応じて配置される。
入力部144aと出力部144bは、同じ構造であり、波長クロスコネクト光学系143を挟んで互いに対向して配置されている。
入力部144aおよび出力部144bを構成する方法としては種々考えられるが、ここではその一例を示しており、コリメータ付ファイバアレイ140、シリンドリカルレンズ141a、グレーティング142およびシリンドリカルレンズ141bより構成される。
重要な点は、図14(a)の光が分散する面では、グレーティング142の刻線が紙面に対し垂直となるように配置されているため、光は波長毎に回折する。
このため、シリンドリカルレンズ141bを用いて回折した光を平行光とした後、波長クロスコネクト部143に入射させている。
必要な波長分解能に応じてコリメータ付ファイバアレイ140とシリンドリカルレンズ141aを用いてグレーティング142に入射する光ビームのスポットサイズを制御する。
一方、図14(b)の各波長の光がスイッチングする面では、グレーティング142の刻線が紙面に対し平行であるため光は回折せず、コリメータ付ファイバアレイ140からの光ビームは直進し、波長クロスコネクト部143に入射する。
波長クロスコネクト部143に入射させる光ビームのスポットサイズを制御したい場合は、コリメータ付ファイバアレイ140とグレーティング142の間に別のシリンドリカルレンズを挿入してもよい。
本発明光ビーム偏向素子を用いることで、多くのピクセルの中から数個あるいは数十個のピクセルグループ化することで1つの仮想偏向面を形成でき、これを種々の波長数およびポート数のビームに対応できるため、汎用性のある光ビーム偏向素子となる。
また、偏光角を大きくとれるため、多ポートNxN波長クロスコネクト装置が実現でき、従来のROADMノード装置を大幅に小型化、低コスト化、単純化が可能となる。
図15に本発明光ビーム偏向素子を用いた光クロスコネクト装置の一例を示す。
入出力コリメータ付二次元ファイバアレイ151、光ビーム偏向素子80、焦点距離Fを持つフーリエレンズ150より構成される。
本例における光ビーム偏向素子80は、図13に示した二次元の偏向駆動できるものを用いている。
同一の2つの光ビーム偏向素子80を間隔がLとなるように対向して配置し、そのほぼ中間に焦点距離Fのフーリエレンズ150を配置した光学系において、上述の(9)式の関係が成り立つことを特徴とするクロスコネクト光学系である。
フーリエ光学系であるため、入射する光ビームは角度が位置に、位置が角度に変換される。
入力側の光ビーム偏向素子80で角度を変換することで、対向する出力側の光ビーム偏向素子80にあたる光ビーム位置を変化させることができる。
本発明光ビーム偏向素子を用いることで、多くのピクセルの中から数個あるいは数十個のピクセルグループ化することで1つの仮想偏向面を形成でき、これを種々の波長数およびポート数のビームに対応できるため、汎用性のある光ビーム偏向素子となる。
また、偏光角を大きくとれるため、多ポート光クロスコネクト装置が実現でき、従来のROADMノード装置を大幅に小型化、低コスト化、単純化が可能となる。
図16にNxM透過型複屈折変調器81の別の実施例を示す。
図16(a)は正面図、図16(b)は断面図である。
この例は、実施例1において光ビーム偏向素子11を構成するアクティブ型NxM透過型複屈折変調器81に代わって、パッシブマトリクスのNxM透過型複屈折変調器81とそれを挟む2枚の1/4波長フィルム111を使用する場合を示している。
2枚のシリコン基板93とシリコン基板96には、それぞれX軸方向にN本のライン状の電極101と、Y軸方向にM本のライン状の電極100が構成されており、その間に強誘電性液晶102が挿入されている。
電極101と電極100の交差する部分が各ピクセル90として動作する。
強誘電性液晶102は、メモリー性を持つため、図9に示した例と比較し、TFT(Thin Film Transistor)91は必要でなく、単純な2組の電極101と電極100のみで動作する。
例えば、電極101の一つにVx=+5(V)の電圧を、電極100の一つにVy=−5(V)の電圧を印加すると、そのクロスするピクセル90においては液晶のダイレクターはX,Y平面内で角度+θに傾き、その後電圧を0(V)としても、その状態を保持する(+Stateと定義する)。
一方、別のクロスするピクセル90には、逆の電圧、Vx=−5(V)とVy=+5(V)を与えると液晶のダイレクターはX,Y平面内で角度−θに傾きその状態を保持する(−Stateと定義する)。
このように、変化させたいピクセル90のみに電圧をかけ、液晶に印加する電界の方向を変えることで、+Stateと−Stateのように液晶のダイレクターの向きを制御できる。
また、通常は無電圧0(V)としておくことで、液晶のダイレクターはラッチング機能を持たせることができる。
液晶のダイレクターは、複屈折を持つため、強誘電性液晶102の厚さを適正化することで、半波長板として動作させることができる。
また、次に述べるように、θを22.5°となる強誘電性液晶102と1/4波長フィルム111を用いることで、各ピクセル90への印加電圧の状態(+Stateと−State)で、出射する円偏光の回転の向きを制御することができる。
その説明を、図17と図18を用いて説明する。
先ず、図17を用いて1/4波長フィルム111に右回りの円偏光が入射する場合を考える。
(a)は正面図、(b)は側面図を示している。
今、NxM透過型複屈折変調器81は印加電圧の状態(+Stateと−State)で、θ=±22.5で液晶のSlow軸(Fast軸)が傾く場合を考える。
また、Slow軸とFast軸のリターデーション(位相差)がπ、すなわち半波長板として動作している場合を考える。
+Stateの状態となるように印加電圧を制御する(Vx=+5(V)とVy=−5(V))。
1/4波長フィルム111のSlow軸を座標Y軸から22.5°傾けて配置すると、液晶のSlow軸(+Stateの場合)との角度は45°となる。
ここで便宜上、座標系(XとY)から座標系(X’とY’)変更して考える。
1/4波長フィルム111の座標系(X’とY’)におけるジョーンズ行列は(10)式で与えられる。
Figure 2016175071
出力する偏光は(11)式のように座標系(X’とY’)の第一象限と第三象限において、X’軸から45°の角度で振動する直線偏光となる。
Figure 2016175071
今、+Stateの状態を考えているので、NxM透過型複屈折変調器81の液晶のダイレクターのSlow軸は、X’軸から45°傾いている。
このため、入射する直線偏光の向きと一致し、直線偏光は保存され、NxM透過型複屈折変調器81より出射する。
その後、1/4波長フィルム111に入射すると、(12)式のように左回りの円偏光に変換される。
Figure 2016175071
次に、−Stateの状態となるように印加電圧を制御する(Vx=−5(V)とVy=+5(V))。NxM透過型複屈折変調器81に入射するまでは、上記の議論と同じであるため、NxM透過型複屈折変調器81に入射する偏光は、X’軸から45°の角度で振動する直線偏光である。
−Stateの状態であるため、NxM透過型複屈折変調器81の液晶のダイレクターのSlow軸は+Stateから45°、すなわちY’軸に平行となる。強誘電性液晶102は、半波長板として動作しているため、出射後の偏光状態は、(13)式のようにの第二象限と第四象限において、Y’軸から45°の角度で振動する直線偏光となる。
Figure 2016175071
その後、1/4波長フィルム111に入射すると、次式のように右回りの円偏光に変換される。
Figure 2016175071
以上のように、各クロスピクセルへの印加電圧の状態(+Stateと−State)で、出射する円偏光の回転の向きを制御することができる。
次に、図18を用いて1/4波長フィルム111に左回りの円偏光が入射する場合を考える。
(a)は正面図、(b)は側面図を示している。NxM透過型複屈折変調器81は半波長板として動作している。
+Stateの状態となるように印加電圧を制御する(Vx=+5(V)とVy=−5(V))。
1/4波長フィルム111のSlow軸を座標Y軸から22.5°傾けて配置すると、液晶のSlow軸(+Stateの場合)との角度は45°となる。
ここで便宜上、座標系(XとY)から座標系(X’とY’)変更して考える。前回の議論と同様に、1/4波長フィルム111の座標系(X’とY’)におけるジョーンズ行列は(10)式で与えられる。
今回は、入射光は左回りの円偏光であるため、出力する偏光は次式のように座標系(X’とY’)の第二象限と第四象限において、Y’軸から45°の角度で振動する直線偏光となる。
Figure 2016175071
今、+Stateの状態を考えているので、NxM透過型複屈折変調器81の液晶のダイレクターのSlow軸はX’軸から45°傾いている、すなわち、液晶のダイレクターのFast軸(Slow軸と直交)は、Y’軸から45°傾いている。
このため、Fast軸は入射する直線偏光の向きと一致し、直線偏光は保存され、NxM透過型複屈折変調器81より出射する。
その後、1/4波長フィルム111に入射すると、次式のように右回りの円偏光に変換される。
Figure 2016175071
次に、−Stateの状態となるように印加電圧を制御する(Vx=−5(V)とVy=+5(V))。
NxM透過型複屈折変調器81に入射するまでは、上記の議論と同じであるため、NxM透過型複屈折変調器81に入射する偏光は、Y’軸から45°の角度で振動する直線偏光である。
−Stateの状態であるため、NxM透過型複屈折変調器81の液晶のダイレクターのSlow軸は+Stateから45°、すなわちY’軸に平行となる。
強誘電性液晶102は、半波長板として動作しているため、出射後の偏光状態は、次式のように第一象限と第三象限において、Y’軸から45°の角度で振動する直線偏光となる。
Figure 2016175071
その後、1/4波長フィルム111に入射すると、次式のように左回りの円偏光に変換される。
Figure 2016175071
以上のように、入射光が左回りの円偏光の場合においても、各クロスピクセルへの印加電圧の状態(+Stateと−State)で、出射する円偏光の回転の向きを制御することができる。
次世代の光通信システムに必要となるROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)ノード装置に用いられる。
1 ペア光ファイバ
2 Express Traffic装置
3 Add/Drop Traffic装置
4 トランスポンダーバンク#A
5 トランスポンダーバンク#B
11 スイッチエレメント1(光ビーム偏向素子)
12 スイッチエレメント2
13 スイッチエレメント3
14 スイッチエレメント4
15 スイッチエレメント5
16 スイッチエレメント6
21 受信機(RX)バンク
22 送信機(TX)バンク
23 光アンプ
24 1x8光スプリッター
25 1x8光スイッチ
26 波長可変フィルタ(光フィルタ)
31 スイッチングエンジン
32 グレーティング
33 レンズ
34 入力ポート
35 出力ポート
36 フーリエレンズ
41 電子回路基板
42 金属電極
43 ガラス基板
44 透明電極
45 液晶
51 光ファイバアレイ
52 マイクロレンズアレイ
53 二次元MEMSミラー
54 ミラー
55 駆動電極
56 ヒンジ
61 半波長プレート
62 偏光グレーティング
80 光ビーム偏向素子
81 NxM透過型複屈折変調器
82 偏光グレーティング
82a 偏光グレーティング(の偏光軸を90°回転)
90 ピクセル
91 電子回路(TFT(Thin Film Transistor))
92 液晶
93 シリコン基板
94 透明電極(一面)
95 透明電極(矩形状)
96 シリコン基板
97 光ビーム
100 電極
101 電極
102 強誘電性液晶
111 1/4波長フィルム
140 コリメータ付ファイバアレイ
141a シリンドリカルレンズA
141b シリンドリカルレンズB
141c シリンドリカルレンズC
141d シリンドリカルレンズD
142 グレーティング
143 波長クロスコネクト光学系
144a 入力部
144b 出力部
150 フーリエレンズ
151 入出力コリメータ付二次元ファイバアレイ
152 クロスコネクト光学系


Claims (18)

  1. Si基板あるいはGe基板上に電子回路(91)と透明電極(95)からなるほぼ矩形状のピクセル(90)を直交したX、Y軸方向にそれぞれN個,M個マトリクス状に形成した基板A(93)と、
    Si基板あるいはGe基板上に一面に透明電極(94)が形成された基板B(96)との間に複屈折をもつ液晶(92)を挿入して構成したアクティブ型NxM透過型複屈折変調器(81)に、
    直交2軸(X’軸、Y’軸)から構成され波長に応じた漸次変化する周期Λ(一定の周期を除く)で一軸(X’軸)方向に複屈折軸が回転している偏光グレーティング(82)を、
    X軸とX’軸あるいはY軸とX’軸がほぼ平行となるように装荷したことを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  2. その背面から光が入射する1/4波長フィルム(111)の表面と、
    その背面から光が出射する1/4波長フィルム(111)の表面との間に、
    Si基板あるいはGe基板の表面にX軸方向にライン状の電極をN個配置し、
    Si基板あるいはGe基板の表面に前記X軸方向と直交するY軸方向にライン状の電極をM個配置し、
    その間に強誘電性液晶(102)を挿入してその2つのライン状の電極によりMxN個の交差点(以下ピクセルと呼ぶ)を構成し、
    前記ピクセルの電極の操作により半波長板として動作するパッシブマトリクス型NxM透過型複屈折変調器(81)に配置し、
    さらに前記光が出射する1/4波長フィルム(111)の表面側に、直交2軸(X’軸、Y’軸)から構成され波長に応じた漸次変化する周期Λ(一定の周期を除く)で一軸(X’軸)方向に複屈折軸が回転している偏光グレーティング(82)を、X軸とX’軸あるいはY軸とX’軸がほぼ平行となるように装荷したことを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光ビーム偏向素子(11)において、装荷する偏光グレーティング(82)は数μmのフィルム状であり、前記フィルム状の偏光グレーティング(82)を直接請求項1に記載のアクティブ型NxM透過型複屈折変調器(81)に、または直接請求項2に記載の前記光が出射する1/4波長フィルム(111)の表面に張り付けたことを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光ビーム偏向素子(11)において、前記漸次変化する周期Λ(一定の周期を除く)でX’軸方向に複屈折軸が回転している偏光グレーティング(82)の周期Λが、X’軸方向に徐々に数%変化していることを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  5. 請求項4に記載の光ビーム偏向素子(11)において、偏光グレーティング(82)の周期ΛがX’軸に対して所定の範囲の波長に対して一定の偏向角となるようにX’軸に対して徐々に変化し、その変化がほぼ直線的に変化していることを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  6. 請求項4、請求項5のいずれか1項に記載の光ビーム偏向素子(11)において、偏光グレーティング(82)の周期Λが±10%以下の変化(0.99Λc〜1.01Λc、あるいは、0.98Λc〜1.02Λc、あるいは、0.97Λc〜1.03Λc、・・・・ 、Λcは中心の周期)で変化していることを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  7. 請求項1に記載の光ビーム偏向素子(11)において、アクティブ型NxM透過型複屈折変調器(81)の基板A(93)の透明電極(95)と基板B(96)の透明電極(94)に印加する電圧を変化させ、アクティブ型NxM透過型複屈折変調器(81)に対してほぼ垂直(Z方向)に通過する光に対して、1/2波長板あるいは1/4波長板と同様な異方性複屈折状態から複屈折の生じない等方性状態まで変化させることを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光ビーム偏向素子(11)を複数用い、各光ビーム偏向素子(11)のピクセルが光の通過するZ方向から見て、ほぼ重なるように各光ビーム偏向素子(11)を2枚以上積層させことを特徴とする光ビーム偏向素子(80)。
  9. 請求項8に記載の光ビーム偏向素子(80)において、積層する各光ビーム偏向素子(11)の偏光グレーティング(82)の周期Λが、積層する方向(Z方向)に対して、それぞれ異なっていることを特徴とする光ビーム偏向素子(80)。
  10. 請求項9に記載の光ビーム偏向素子(80)において、積層する各光ビーム偏向素子(11)の偏光グレーティング(82)の周期Λがそれぞれほぼ1/2倍ずつ小さくなっていることを特徴とする光ビーム偏向素子(80)。
  11. 請求項9に記載の光ビーム偏向素子(80)において、積層する各光ビーム偏向素子(11)の偏光グレーティング(11)の周期Λが、一方から徐々に小さくなるように積層させたことを特徴とする光ビーム偏向素子(80)。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の光ビーム偏向素子(80)において、各光ビーム偏向素子(11)の厚さを1mm以下として積層したことを特徴とする光ビーム偏向素子(80)。
  13. 請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の光ビーム偏向素子(80)において、入射する光ビーム(97)のスポットの中に少なくとも2つ以上のピクセル(90)を含むように構成されたことを特徴とする光ビーム偏向素子(80)の使用方法。
  14. 請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の光ビーム偏向素子(80)において、積層する光ビーム偏向素子(11)のうち、少なくとも1枚の光ビーム偏向素子(11)を構成する偏光グレーティング(82)のX’軸が他の光ビーム偏向素子(11)のX’軸と直交するように積層したことを特徴とする光ビーム偏向素子(80)。
  15. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光ビーム偏向素子(11)において、アクティブ型NxM透過型複屈折変調器(81)を構成する電子回路(91)がTFT(Thin Film Transistor)であることを特徴とする光ビーム偏向素子(11)。
  16. 請求項1乃至請求項12、請求項14乃至請求項15のいずれか1項に記載の同一の光ビーム偏向素子(11,80)を2つ対向して用い、そのほぼ中間に焦点距離FのシリンドリカルレンズA(141d)の曲面(パワーのある面すなわち光が屈折する面)をスイッチングする面と平行に配置し、さらに前記シリンドリカルレンズA(141d)と2つの光ビーム偏向素子(11,80)の中間にシリンドリカルレンズA(141d)と曲面が直交するように焦点距離F’を持つ2つのシリンドリカルレンズB(141c)を配置し、焦点距離Fと焦点距離F’の間には下記の(1)式の関係が成り立つことを特徴とする波長クロスコネクト光学系(143)。
    Figure 2016175071
  17. 請求項16に記載の波長クロスコネクト光学系(143)とグレーティング(142)、ファイバアレイ(140)およびレンズ(141a、141b)を組み合わせて構成した波長クロスコネクト装置。
  18. 請求項1乃至請求項12、請求項14乃至請求項15のいずれか1項に記載の同一の光ビーム偏向素子(11,80)を2つ用いて、間隔がLとなるように対向して配置し、そのほぼ中間に焦点距離Fのレンズ(150)を配置した光学系において、下記の(2)式の関係が成り立つことを特徴とするクロスコネクト光学系(152)。
    Figure 2016175071

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