JPWO2016167337A1 - 光学製品の成形装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

光学転写面の変形を防止しつつバリが形成されることを防止できる光学製品の成形装置等を提供する。成形装置100は、スライドコア72を含む成形金型40と、スライドコア72の当たり面72pの接触圧を計測する接触圧センサー54と、スライドコア72の位置を調整する型圧付与部59と、型圧制御部33とを備える。型閉め後において、型圧制御部33が、接触圧センサー54の出力に基づいて、第1アクチュエーター52によってスライドコア72の位置を調整するので、スライドコア72の突き当てによって接触圧が過度となって光学転写面である内側面72aが変形することを防止でき、光学製品OPの光学面であるミラーMRに劣化が生じることを防止できる。さらに、スライドコア72の当たり面72pの接触が確保されるので、この当たり面72pにおいて樹脂が隙間GA入り込んでバリが形成されることを防止できる。

Description

本発明は、高精度の成形を可能にする光学製品の成形装置及び製造方法に関し、特に型内で移動可能なスライドコアを有する金型を備える光学製品の成形装置及び製造方法に関する。
ポリゴンミラー等の光学転写面の面精度を向上させる装置として、射出した樹脂によって反射鏡面を形成するための金型部分の内側から樹脂に圧縮力を付加できる入れ子や駆動機構を設けた樹脂成形金型が開示されている(特許文献1)。
また、稜線位置等に面取り部を設けたポリゴンミラーの製造方法が開示されている(特許文献2)。この製法では、面取り部を設けて樹脂の充填完了直前に降圧することで、稜線部の流動性を向上させることができ、或いは面取り末端に応力を集中させて、面精度の向上を狙っている。
従来金型の上下型の2分割を改良して、上下型間に反射鏡面ごとのスライドコアを設けた構造の樹脂成形金型が開示されている(特許文献3)。この金型では、スライドコアにより鏡面部の樹脂を等しい圧縮量で圧縮できるため、ポリゴンミラーの内部歪のバラツキを防止することができる。
上記特許文献1、3の金型は、上下型間においてスライドコア又は入れ子同士を突き合わせて横方向から樹脂を加圧するタイプの金型であるが、加圧によってスライドコア等に形成された光学転写面に反りや湾曲等の変形が生じ、かかる光学転写面の変形によって光学製品の光学面に劣化が生じる。逆に、加圧が不十分であると、スライドコア等の隙間に樹脂が入り込んでバリが形成され、外観不良の原因となる。
この点についてより詳細に説明すると、スライドコアを用いる場合、光学成形品の光学面に反りが生じないように、スライドコアを強く突き合わせないで隙間を確保することが望ましいとも言える。しかしながら、高精度を要求される光学製品、特に小型の光学製品では、樹脂の流動性及び充填圧力を高めて高転写性を実現する必要がある。高転写性を実現する手法として、ヒートサイクル法、ガスアシスト成形法、断熱成形法、射出条件の工夫等があるが、樹脂の流動性及び充填圧力を高くすることにより、通常の成形では入り込まないようなスライドコア間の隙間に樹脂が入り込み、バリの発生により外観不良となる場合が生じている。このようなバリの発生により、成形ショット毎の品質バラツキが起こりやすくなるという問題もある。実際、樹脂流動性を高めて光学面の転写性を向上させようとすると、5μm程度のスライドコア間の隙間に樹脂が入りバリが発生する。このように、スライドコアを用いるタイプの成形装置において、光学製品の光学面の劣化を防止しつつスライドコア周辺の隙間におけるバリの形成を防止することは容易でなく、特にスライドコアを用いる場合、バリが光学面に近い場所に形成される傾向が強まると言える。
一方、上記特許文献2の金型は、複数のスライドコア同士を突き合わせて光学転写面を形成するタイプの金型に関するものではなく、ポリゴンミラー等の光学面を高精度で形成することは容易でない。特に、ポリゴンミラー等の光学製品が回転軸に垂直な反射面やオーバーハングした反射面を有する場合、反射面の成形が不可能になる場合もある。
一方、センサー及びアクチュエーターを用いた樹脂成形方法として、射出樹脂の圧力による固定側及び可動側金型間のパーティング面の隙間又は開き量を変位量検出センサーで検出し、油圧等の動力により、金型変形量をゼロもしくは相対的にゼロにするように制御する機構を有するものが開示されている(特許文献4)。
また、射出樹脂の圧力による固定側及び可動側金型間に発生する変形を変位量検出センサーで検出して、射出成形機の樹脂の射出速度又は射出圧力を制御することで、金型の型開き方向の変位延いてはキャビティの変形を低減させる機構を有するものが開示されている(特許文献5)。
キャビティ内の樹脂圧、コア及び可動型の変位等を圧力センサー又は変位センサー等で検出し、ピエゾ素子を用いてコア単位で独立したキャビティ内の樹脂を圧縮制御することが可能な圧縮成形用金型が開示されている(特許文献6)。
シリンダー駆動によるスライドコアの位置をセンサーで検出し、金型内のインサート部品の異常を検知した場合には、スライドコアを正規の位置以外で停止することができる機構を有するものが開示されている(特許文献7)。
上記特許文献4〜6の成形方法等は、複数のスライドコア同士を突き合わせて光学転写面を形成するタイプの金型に関するものではなく、スライドコア同士を突き合わせるタイプの金型にそのまま適用しても、スライドコアに関連する課題を解決すること、すなわち光学転写面の劣化を防止しつつスライドコア周辺の隙間におけるバリの形成を防止することにはならない。
一方、上記特許文献7の成形方法は、スライドコア同士を突き合わせるタイプの金型に適用されるが、異常検知時にスライドコアを正規位置以外で停止させるだけである。つまり、特許文献7は、スライドコア等に形成された光学転写面が加圧によって変形し劣化することを防止しつつ成形を行う際に、加圧が不十分となってスライドコア等の隙間に樹脂が入り込んでバリが形成されることを防止する手法について、開示していない。
特開平3−181913号公報 特開平10−186116号公報 特開平3−42222号公報 特開平4−27516号公報 特開平4−004117号公報 特開2003−094499号公報 特開平10−296736号公報
本発明は、光学転写面の変形によって光学製品の光学面に劣化が生じることを防止しつつスライドコア等の隙間に樹脂が入り込んでバリが形成されることを防止できる光学製品の成形装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光学製品の成形装置は、光学転写面を有するスライドコアを含む成形金型と、スライドコアの移動による他の部材との当たり面の接触圧を計測する接触圧センサーと、スライドコアの位置を調整する型圧付与部と、型閉め後において、接触圧センサーの出力に基づいて、型圧付与部によってスライドコアの位置を調整する制御部とを備える。
上記成形装置では、型閉め後において、制御部が、接触圧センサーの出力に基づいて、型圧付与部によってスライドコアの位置を調整するので、スライドコアの突き当てによって接触圧が過度となって光学転写面が変形することを防止でき、光学製品の光学面に劣化が生じることを防止できる。さらに、スライドコアの当たり面の接触が確保されるので、この当たり面において隙間が形成されることを防止でき、かかる隙間に樹脂が入り込んでバリが形成されることを防止できる。
上記目的を達成するため、光学製品の成形方法は、光学転写面を有するスライドコアを含む成形金型と、スライドコアの移動による他の部材との当たり面の接触圧を計測する接触圧センサーと、スライドコアの位置を調整する型圧付与部とを備える成形装置を用いた、光学製品の成形方法であって、型閉め後において、接触圧センサーの出力に基づいて型圧付与部によってスライドコアの位置を調整することにより、スライドコアの当たり面の接触圧を調整する。
上記成形方法では、型閉め後において、接触圧センサーの出力に基づいて型圧付与部によってスライドコアの位置を調整することにより、スライドコアの当たり面の接触圧を調整するので、スライドコアの突き当てによって接触圧が過度となって光学転写面が変形することを防止でき、光学製品の光学転写面に劣化が生じることを防止できる。さらに、スライドコアの当たり面の接触が確保されるので、この当たり面において隙間が形成されることを防止でき、かかる隙間に樹脂が入り込んでバリが形成されることを防止できる。
本発明の一実施形態に係る光学製品の成形装置を説明する概念図である。 図1の成形装置を構成する可動型の構造を説明する端面図である。 可動型の構造を説明する斜視図である。 当たり面間の接触圧の光学転写面への影響を説明するチャートである。 図1の成形装置によって成形される光学製品の一例を説明する斜視図である。 図1等に示された成形型を組み込んだ成形装置の全体構造を説明する概念図である。 図1等に示された成形装置の動作を説明するフローチャートである。 図1等に示された成形装置の動作を説明するフローチャートである。 図9A及び9Bは、図1等に示された成形装置の動作を説明する拡大斜視図である。 図1等に示された成形装置の動作を説明する拡大断面図である。 変形例の型構造を説明する端面図である。
以下、本発明に係る光学製品の成形装置及びその製造方法の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、光学製品の成形装置の要部を説明する概念図である。なお、図1は、後述する図2に示す成形金型のAA断面に対応する部分を含むものとなっている。
光学製品の成形装置100は、成形金型40と、型付随機構部50と、制御装置30とを備える。
成形金型40は、第1金型41と第2金型42とを備える。成形金型40のうち可動側の第1金型41は、後述する機構によって、開閉方向であるAB方向に往復移動可能になっている。図示のように第1金型41をA方向(図面上側)に移動させて第1金型41と第2金型42とを型締めすることにより、後述する光学製品OPを成形するための型空間であるキャビティCVが形成される。
図2及び図3は、可動側の第1金型41及び型付随機構部50の構造を説明する端面図及び斜視図である。
図1〜図3に示すように、第1金型41は、その+Z方向の端面側すなわち第2金型42側に配置される複数部材の集合体である金型構造61と、−Z方向の裏面側に配置される受板62とを備える。このうち、金型構造61は、中央に配置される固定コア71と、固定コア71を挟んで対向し進退移動する4つのスライドコア72と、スライドコア72をそれぞれ背後から支持する4つの支持体73と、スライドコア72又は支持体73の進退移動を案内する4組のガイド部材74とを備える。
固定コア71は、受板62上に固定されている。固定コア71は、転写面として頂面71a及び側面71bを有するが、これらの面71a,71bは、いずれも光学転写面ではない。
4つのスライドコア72は、スライドブロックとも呼ばれ、XY面(具体的には、受板62の支持面62a)に沿って固定コア71のまわりに4等配に設けられている。このように、複数のスライドコア72を配置することにより、複数のスライドコア72によって挟むようにしてキャビティCVを形成することができ、光学製品OPの形状の自由度を高めることができる。各スライドコア72は、固定コア71の中央を通る中心軸CXに向かって進退移動可能になっている。具体的には、図2の+X及び+Y方向と−X及び−Y方向とに対応する一対のスライドコア72は、CD方向に沿って移動し互いに近接し又は離間する。+X及び−Y方向と−X及び+Y方向とに対応する一対のスライドコア72は、EF方向に沿って移動し互いに近接し又は離間する。各スライドコア72は、図示の例では、四角柱状の外形を有し、その先端側の内側面72aは、光学転写面となっている。各スライドコア72の下面72c(図1参照)は、固定コア71に設けた開閉方向に垂直な支持面71dに支持されて摺動可能となるように、平滑面となっている。各スライドコア72の側面72d及び上面72eも、平滑面となっている。各スライドコア72は、内側面72aに隣接して一対の当たり面72pを有する。これらの当たり面72pは、受板62の表面である支持面62aに垂直に延びており、XY面と直交する。当たり面72pは、隣接するスライドコア72同士が接触することで、キャビティCVの側面を閉じたものとすることができ、4つのスライドコア72間に隙間が形成されることを防止する部分となっている。この場合、隣接するスライドコア72の一方にとって、他方は突き当ての対象である他の部材となっている。
支持体73は、ブロック状の部材であり、スライドコア72の根元側である外側面に連結され、スライドコア72とともにCD方向又はEF方向に移動する。支持体73の下面73cは、受板62の支持面62aに支持されて摺動可能となるように、平滑面となっている。支持体73の側面には、ガイド部材74と滑らかに嵌合する段差73dが形成されている。
ガイド部材74は、支持体73をその側方から挟むように配置された一対が一組となって、支持体73の段差73dと嵌合して各支持体73の移動を案内する。ガイド部材74は、不図示の部材によって受板62に固定されている。
第2金型42は、固定金型であり、その端面側すなわち第1金型41側に配置される金型部分161と、裏面側に配置される受板162を備える。このうち、金型部分161は、中央に配置される固定コア81を備える。
固定コア81は、受板162上に固定されている。固定コア81は、転写面として頂面81a及び側面81bを有するが、これらの面81a,81bは、いずれも光学転写面ではない。なお、固定コア81の頂面81aには、スプルー口81iが形成されており、このスプルー口81iは、外部からの溶融樹脂を内部に供給するためのスプルー42jと連通している。
第2金型42をA方向に移動させて金型41,42の型締めを行った場合、第1金型41の固定コア71と、第2金型42の金型部分161とが、不図示の箇所で当接し、固定コア71と金型部分161との間隔が規定値に調整される。この際、スライドコア72の上面72e等と金型部分161の一部とが近接して配置される。これにより、スライドコア72は、そのCD方向に延びる周囲面が固定コア71と金型部分161とに囲まれて、これらによってCD方向の移動が許可されつつCD方向に垂直な移動が制限された状態となる。
図1等に示す型付随機構部50は、4つのスライドコア72に亘って設けられている。型付随機構部50は、スライドコア72を外側から支持して位置を調整する第1アクチュエーター52と、スライドコア72を外側から支持して押圧力を付与する第2アクチュエーター53と、スライドコア72の前進等の移動による当たり面72pの接触圧を計測する接触圧センサー54とを備える。これらのうち、第1及び第2アクチュエーター52,53は、スライドコア72の当たり面72pの接触圧を調整するための型圧付与部59を構成する。第1アクチュエーター52と第2アクチュエーター53とは、4つのスライドコア72のそれぞれに設けられている。一方、接触圧センサー54は、隣接するスライドコア72間に設けられている。
第1アクチュエーター52は、伸縮自在の装置であり、固定コア71と支持体73との間に挟持される。より具体的には、第1アクチュエーター52は、圧電素子からなり、一端が支持体73の内側部分73fに固定され、他端が固定コア71の外縁部71fに当接している。第1アクチュエーター52は、伸縮によってスライドコア72の当たり面72pにおける接触圧を調整する。これにより、第1アクチュエーター52によってスライドコア72を適宜進退させて位置調整を実施しつつ、当たり面72pの接触圧が適正になるようにもできる。また、第1アクチュエーター52が圧電素子を含み、圧電素子が小型かつ薄型であることから、スライドコア72の配置や形状の自由度を確保しつつ接触圧を調整することができる。第1アクチュエーター52は、型圧制御部33に設けた位置調整駆動回路33aに駆動されて伸縮動作する。第1アクチュエーター52が伸縮すると、可動側の支持体73が図1の断面に沿ったCD方向に移動し、この支持体73に支持されたスライドコア72も図1の断面に沿ったCD方向に移動する。スライドコア72の移動方向は、固定コア71等によって案内されており、受板62の支持面62aに沿ったものとなる。
第2アクチュエーター53は、油圧又は空圧を利用した圧力付加機構であり、支持体73を背後から支持して前方に押圧することができる。第2アクチュエーター53が当該圧力付加機構を含むことにより、樹脂圧に抗する押圧力を簡易に発生させることができる。第2アクチュエーター53は、本体部分53aとロッド53bとを備える。本体部分53aは、受板62に固定されている。本体部分53aは、型圧制御部33に設けた押圧力駆動回路33bに駆動されてロッド53bを伸縮させる。これにより、スライドコア72が後方の外側又は第2アクチュエーター53側に過度に後退することを阻止できる。つまり、キャビティCVに樹脂が充填された場合、樹脂圧によってスライドコア72は後退する圧力を受けるが、これによって、隣接するスライドコア72同士の当たり面72p間に大きな隙間が形成されると、ここに樹脂が侵入して光学製品OPの光学面周辺にバリが形成されてしまう可能性がある。そのため、第2アクチュエーター53は、スライドコア72を後方から支えて当たり面72p間の隙間が広がらないようにしている。
接触圧センサー54は、歪みゲージ、圧電素子等からなり、一対の隣接するスライドコア72間の当たり面72pの一方に埋め込むように取り付けられている。接触圧センサー54は、型圧制御部33に設けたセンサー駆動回路33cに駆動されて当たり面72pにおける接触圧を検出する。一方のスライドコア72の当たり面72pが他方のスライドコア72の当たり面72pに接触していない状態では、接触圧センサー54の検出出力がゼロとなり、当たり面72pが接触して圧縮応力が強く作用するほど接触圧センサー54の検出出力が増加して、検出出力が接触圧の程度を示す。接触圧センサー54が検出した接触圧がゼロ以下である場合、当たり面72p間の隙間が広がっていると判断される。一方、接触圧センサー54が検出した接触圧がゼロより大きい場合、当たり面72p間に隙間が形成されず接触状態が確保されているが、接触圧が過度となってスライドコア72の光学転写面である内側面72aに変形を生じさせることを防止する必要がある。接触圧センサー54は、接触圧がスライドコア72の光学転写面である内側面72aに変形を生じさせない範囲内の目標値となるように監視するために利用される。
図4は、当たり面72p間の接触圧と、スライドコア72の内側面72aの変形とについてシミュレーションを行った結果を示す。チャートからも明らかなように、当たり面72p間の接触圧の増加に応じて光学転写面の変形が無視できない程度に増加し、当たり面72p間の接触圧の制御が重要であることが分かる。
図5に示すように、図1等に示す成形装置100によって作製される光学製品OPは、具体的にはポリゴンミラーであり、四角柱状の外観を有し、4つの壁部WPの外側面は、それぞれミラーMRとして機能する。4つのミラーMRは、光軸OAのまわりに均等に配置されている。壁部WPの内側には、光学製品OPを上下に仕切る隔壁PAが形成され、光学製品OPを装置に組み付ける際に光学製品OPを支持するための部分として機能する。光学製品OPの外形は、図1等に示す第1金型41と第2金型42とに挟まれた空間であるキャビティCVの内面形状に対応するものとなっている。
なお、図示の光学製品OPは、単なる一例であり、図1等に示す成形装置100によって様々な形状の光学製品を製造することができる。例えば光学製品がポリゴンミラーであっても、ミラーの数は、要求される仕様に応じて、6面、8面等とすることができる。また、光軸に沿って2段構成のポリゴンミラーとすることもできる。2段構成のポリゴンミラーの場合、中央でくびれ光軸に沿った両端で径が大きくなって光軸方向に隣接するミラーが向き合うような鼓型又は糸巻き型状の外形となる場合もある。さらに、光学製品OPは、ポリゴンミラーに限らず、プリズムその他の光学素子であってもよい。
図6を参照して、図1に示す成形装置100の全体構造について説明する。成形装置100は、射出成形を行って光学製品OPを作製する本体部分である射出成形機10と、成形装置100を構成する各部の動作を統括的に制御する制御装置30とを備える。
射出成形機10は、横型の成形機であり、既に説明した成形金型40の他に、固定盤11と、可動盤12と、開閉駆動装置15と、射出装置16とを備える。射出成形機10には、これに付随して金型温度調節機91等も設けられている。射出成形機10は、固定盤11と可動盤12との間に成形金型40を構成する第1金型41と第2金型42とを挟持して両金型41,42を型締めすることにより成形を可能にする。
支持フレーム14上に固定された固定盤11は、第2金型42を着脱可能に支持している。固定盤11には、後述するノズル21を通す開口11bが形成されている。この開口11bは、図1のスプルー42jに連通している。
可動盤12は、リニアガイド15aによって固定盤11に対して進退移動可能に支持されている。可動盤12は、第1金型41を着脱可能に支持している。
開閉駆動装置15は、型締め盤13に支持されており、リニアガイド15aと、動力伝達部15dと、盤用アクチュエーター15eとを備える。動力伝達部15dは、制御装置30の制御下で動作する盤用アクチュエーター15eからの駆動力を受けて伸縮する。これにより、固定盤11と可動盤12とを互いに近接又は離間させることができ、第1金型41と第2金型42との型締め又は型開きを行うことができる。
射出装置16は、フィード部16a、原料貯留部16b、駆動部16c等を備える。射出装置16は、制御装置30の制御下で適当なタイミングで動作するものであり、フィード部16aの先端に設けられた樹脂射出用のノズル21から温度及び充填圧力が制御された状態の溶融樹脂を所望のタイミングで射出することができるとともに、樹脂射出後に溶融樹脂の射出圧を維持する保圧を行うことができる。
射出成形機10に付随して設けられた金型温度調節機91は、両金型41,42中に温度制御された熱媒体を循環させる。これにより、成形時に両金型41,42の温度を適切な温度に保つことができる。
制御装置30は、開閉制御部31と、射出装置制御部32と、型圧制御部33と、記憶部34とを備える。開閉制御部31は、盤用アクチュエーター15eを動作させることによって両金型41,42の型閉じ、型締め、型開き等を可能にする。射出装置制御部32は、フィード部16a、駆動部16c等を適宜動作させることによって両金型41,42間に形成されたキャビティCV中に所望の圧力で溶融樹脂を射出させる。型圧制御部33は、型締め以後に、第1アクチュエーター52、第2アクチュエーター53、及び接触圧センサー54を含む型付随機構部50を動作させる。具体的には、型圧制御部33は、接触圧センサー54の検出出力を利用して、隣接するスライドコア72の当たり面72pの接触圧が適正な設定範囲内であるか否かを判断する。型圧制御部33は、当たり面72pの接触圧が適正な設定範囲から比較的小さく外れる場合、第1アクチュエーター52を動作させて、スライドコア72の位置を調整する。具体的には、第1アクチュエーター52を動作させて、スライドコア72同士の当たり状態を適正に維持し、光学転写面である内側面72aの変形が過度にならないようにする。一方、型圧制御部33は、当たり面72pの接触圧が適正な設定範囲から比較的大きく外れる場合、特に適正な設定範囲の下限を大きく下回る場合、第2アクチュエーター53を動作させて、スライドコア72への押圧力を増加させる。具体的には、第2アクチュエーター53を動作させて、スライドコア72の当たり面72p間の隙間が過度にならないようにし、かかる隙間に樹脂が入り込んでバリが形成されることを防止する。
以上において、型圧制御部33は、第2アクチュエーター53によって、接触圧センサー54の出力に応じて第1アクチュエーター52によって実行される圧調整幅よりも粗い修正量でスライドコア72に押圧力を付与する。これにより、第2アクチュエーター53によって接触圧の粗調整を行いつつ、第1アクチュエーター52によって接触圧の微調整が行われる。
詳細な説明は省略するが、4つのスライドコア72は相互にリンクして動作しており、これらに付随する型付随機構部50も相互にリンクして動作する。つまり、特定のスライドコア72に偏って動作させないようにして、当たり面72pの接触圧が適正な設定範囲となるようにする。例えば、隣接する一対のスライドコア72間の接触圧センサー54の測定値から接触圧を適正範囲に戻すべきと判断された場合、これら一対のスライドコア72に配分するように、第1アクチュエーター52又は第2アクチュエーター53の駆動量又はフィードバック量が計算される。以下の動作説明では、このような駆動量又はフィードバック量の配分を行っているが、その説明を省略している。また、同一のスライドコア72について2つ以上の接触圧センサー54からの測定値が得られる場合、これらの平均値から第1及び第2アクチュエーター52,53の駆動量又はフィードバック量が計算される。ただし、2つ以上の接触圧センサー54からの測定値が全て接触圧の適正範囲となるように、第1及び第2アクチュエーター52,53の駆動量等を算出してもよい。
以下、図7及び図8を参照して、図1、図6等に示す成形装置100を用いた光学製品OPの製造方法について説明する。
まず、制御装置30は、開閉駆動装置15を動作させ、可動盤12を前進させて型閉じ及び型締めを開始させる(ステップS11)。なお、予め金型温度調節機91により、両金型41,42を成形に適する温度まで加熱している。
続いて、制御装置30は、型圧制御部33を動作させ、スライドコア72同士の突き当て状態に関するフィードバック制御を開始する(ステップS12)。具体的には、型圧制御部33は、第1アクチュエーター52や第2アクチュエーター53を初期設定の動作状態にし、スライドコア72の配置を初期化する。また、型圧制御部33は、当たり面72pの接触圧の目標値を記憶部34から読み出すとともに、接触圧センサー54による当たり面72pの接触圧の検出出力を取り込む。これにより、接触圧センサー54によって検出された接触圧が目標値となるように、第1アクチュエーター52によってスライドコア72の位置をフィードバック制御することができる。このフィードバック制御により、スライドコア72の光学転写面に反りや湾曲等の変形が生じることを防止できる。
フィードバック制御の開始後は、型圧制御部33は、接触圧センサー54によって検出された接触圧が設定範囲内すなわち接触圧の検出値mが目標値N0となっているか否かを判断し(ステップS13)、接触圧の検出値mが目標値N0よりも大きい又は目標値N0よりも小さい場合、第1アクチュエーター52を動作させて(ステップS14)、スライドコア72を前進又は後退させる。ここで、目標値N0は、1つの数値(例えばゼロ以上の所定値)に限らず、所定の幅を持った数値範囲とできる。具体的には、接触圧の検出値mがスライドコア72の光学転写面に変形を生じさせない範囲内となるように、目標値N0は、例えばゼロ以上の所定下限値から所定上限値までの範囲とすることができる。
ステップS13において、接触圧の検出値mが目標値N0より小さいと判断された場合、型圧制御部33は、これを補償するように第1アクチュエーター52の駆動量を算出するとともに、第1アクチュエーター52に駆動量に対応する動作を行わせる。つまり、型圧制御部33は、第1アクチュエーター52の寸法を駆動量に対応するだけ減少させ、或いは第1アクチュエーター52によって付与される付勢力を駆動量に対応するだけ減少させる。第1アクチュエーター52のこのような動作により、支持体73に後方から支持されたスライドコア72は、第1アクチュエーター52の駆動量に相当するだけ前進等する。なお、接触圧の検出値mが目標値N0よりも所定以上に過度に小さくなった場合(具体的にはゼロ以下の場合)に、第1アクチュエーター52に代えて第2アクチュエーター53を補助的に動作させ、接触圧を目標値N0に確実に近づける動作を行わせることもできる。
逆に、ステップS13において、接触圧の検出値mが目標値N0より大きいと判断された場合、型圧制御部33は、これを補償するように第1アクチュエーター52の駆動量を算出するとともに、第1アクチュエーター52に駆動量に対応する動作を行わせる。つまり、型圧制御部33は、第1アクチュエーター52の寸法を駆動量に対応するだけ増加させ、或いは第1アクチュエーター52によって付与される付勢力を駆動量に対応するだけ増加させる。第1アクチュエーター52の動作により、支持体73に後方から支持されたスライドコア72は、第1アクチュエーター52の駆動量に相当するだけ後退等する。
結果的に、スライドコア72同士は、当たり面72pが密着し、当たり面72p間の接触圧は、目標値N0の所定下限値以上であって所定上限値以下となる。具体的には、当初図9Aに示すように、当初は隣接するスライドコア72の当たり面72p同士が僅かに離間して隙間GAが形成されていた場合であっても、図9Bに示すように、当たり面72p同士が密着して殆ど隙間GAのない状態となる。
以上において、第1アクチュエーター52の駆動量に関しては、調節幅又は圧調整幅に一定の制限を設けることができる。つまり、第1アクチュエーター52に対するフィードバック量を制限でき、第1アクチュエーター52の寸法又は付勢力を上限の調節幅又は圧調整幅を単位として増減させることもできる。
接触圧の検出値mが目標値N0になっていると判断された場合(ステップS13でN0=m)、型圧制御部33は、両金型41,42の型締めの完了を確認し、型締めが完了していない場合、型締めの完了まで待機する(ステップS16)。型締め完了により、第1金型41と第2金型42とが必要な圧力で締め付けられる。
次に、制御装置30は、射出装置16を動作させて、型締めされた第1金型41と第2金型42との間のキャビティCV中に、必要な圧力で溶融樹脂を注入する射出を行わせることで樹脂の充填を開始する(ステップS22)。
樹脂充填の開始後つまり樹脂射出時、型圧制御部33は、接触圧センサー54によって検出された接触圧が設定範囲内すなわち接触圧の検出値mが基準値Nに比較して大きいか小さいか、並びに目標値N+Δに達したか否かを判断する(ステップS23)。ここで、基準値Nは、後述するようにアクチュエーター52,53を切り替える閾値であり、切り替え判断の基準となる所定値である。一方、目標値N+Δは、スライドコア72同士に許容される接触圧であり、ゼロ以上の単一の数値とすることができる。また、目標値N+Δは、所定の幅を持った数値範囲とすることもできる。具体的には、目標値N+Δをゼロ以上の所定下限値から所定上限値までの範囲とすることができる。目標値N+Δは、接触圧の検出値mがスライドコア72の光学転写面に変形を生じさせない範囲内となるように設定される。この目標値N+Δは、上述したステップS13の目標値N0と一致させることができるが、当該目標値N0と一致させなくてもよい。なお、アクチュエーター切り替えの基準値Nは、例えばスライドコア72同士に許容される接触圧よりも大幅に小さい値とすることができる。具体的には、例えばアクチュエーター切り替えの基準値NをゼロPaとし、第1アクチュエーター52によるフィードバック制御の目標値N+Δを10〜数10kPaとするといった動作が可能である。
接触圧の検出値mが基準値N以上(ただし、m=N+Δを除く)の場合、位置調整用の第1アクチュエーター52を動作させる(ステップS24)。具体的には、接触圧の検出値mが基準値N以上の場合(ステップS23のN≦m)、型圧制御部33は、第1アクチュエーター52を動作させ、スライドコア72を進退させる。
すなわち、接触圧の検出値mが基準値N以上の場合であって、接触圧の検出値mが目標値N+Δより大きい場合、型圧制御部33は、これを補償するように第1アクチュエーター52の駆動量を算出するとともに、第1アクチュエーター52に駆動量に対応する動作を行わせる。つまり、型圧制御部33は、第1アクチュエーター52の寸法を駆動量に対応するだけ増加させ、或いは第1アクチュエーター52によって付与される付勢力を駆動量に対応するだけ増加させる。第1アクチュエーター52のこのような動作により、支持体73に後方から支持されたスライドコア72は、第1アクチュエーター52の駆動量に相当するだけ後退する。これにより、接触圧が目標の上限を超えないようにできる。なお、第1アクチュエーター52の能力を超えた検出値である場合、第2アクチュエーター53を動作させて補助的に調整してもよい。
一方、接触圧の検出値mが基準値N以上の場合であって、接触圧の検出値mが目標値N+Δより小さい場合、型圧制御部33は、これを補償するように第1アクチュエーター52の駆動量を算出するとともに、第1アクチュエーター52に駆動量に対応する動作を行わせる。つまり、型圧制御部33は、第1アクチュエーター52の寸法を駆動量に対応するだけ減少させ、或いは第1アクチュエーター52によって付与される付勢力を駆動量に対応するだけ減少させる。第1アクチュエーター52のこのような動作により、支持体73に後方から支持されたスライドコア72は、第1アクチュエーター52の駆動量に相当するだけ前進する。これにより、接触圧が目標の下限を下回らないようにできる。
以上において、第1アクチュエーター52の駆動量に関しては、調節幅又は圧調整幅に一定の制限を設けることができる。つまり、第1アクチュエーター52に対するフィードバック量を制限でき、第1アクチュエーター52の寸法又は付勢力を上限の調節幅又は圧調整幅を単位として減少させることもできる。
接触圧の検出値mが基準値Nよりも小さい場合、押圧用の第2アクチュエーター53を動作させる(ステップS25)。接触圧の検出値mが基準値Nよりも小さいということは、スライドコア72が溶融樹脂の射出圧に押されて後退している状況を意味する。
このように接触圧の検出値mが基準値Nよりも小さい場合(ステップS23のN>m)、型圧制御部33は、第2アクチュエーター53を動作させ、スライドコア72を前進させる。接触圧の検出値mが基準値Nより小さいと判断された場合、型圧制御部33は、これを確実に補償するように第2アクチュエーター53の駆動量を算出するとともに、第2アクチュエーター53に駆動量に対応する動作を行わせる。つまり、型圧制御部33は、第2アクチュエーター53から支持体73又はスライドコア72に付与される押圧力を駆動量に対応する適宜の時間だけ増加させる。第2アクチュエーター53の動作により、スライドコア72に前進させる押圧力を相当時間に亘って付与することができる。これにより、隣接するスライドコア72について、当たり面72p間の接触状態を確保することができる。
以上において、第2アクチュエーター53の駆動量に関しては、修正幅又は修正量に一定の制限を設けることができる。つまり、第2アクチュエーター53に対するフィードバック量を制限でき、第2アクチュエーター53の押圧力を上限の修正幅は又は修正量を単位として減少させることもできる。
以上のように第2アクチュエーター53によって補助しつつ第1アクチュエーター52を動作させることによって、接触圧の検出値mが目標値N+Δに達したと判断された場合(ステップS23でm=N+Δ)、型圧制御部33は、樹脂の充填が実質的に完了したか否かを確認する(ステップS26)。樹脂の充填が実質的に完了していない場合(ステップS26でN)、ステップS23に戻って、樹脂の充填が実質的に完了するまでステップS23〜S25を繰り返して接触圧の検出値mが目標値N+Δに維持され又は目標値N+Δに復帰するように、第1又は第2アクチュエーター52,53を動作させる。
結果的に、樹脂の射出又は充填が終わるまで、スライドコア72の当たり面72pが適度に密着する状態が維持され、スライドコア72が溶融樹脂の射出圧に押されて後退したままとなることを回避できる。
つまり、図10に示すように、スライドコア72は、樹脂射出の最終段階で射出された溶融樹脂MMに押されて後退する方向の樹脂圧力P1を受けるが、第1アクチュエーター52や第2アクチュエーター53によってスライドコア72に押し戻す押し圧力P2を与えることで、スライドコア72が後退してしまうことを防止できる。樹脂圧力P1は、例えば50〜100Mpaに達するので、押し圧力P2もこれに均衡させた値となる。
樹脂の充填が実質的に完了して樹脂射出を終了した場合(ステップS26でY)、保圧サイクルが開始される(ステップS32)。保圧サイクル中、制御装置30は、射出装置16を適宜動作させることで両金型41,42間のキャビティCV中の樹脂圧を保って、樹脂の充填性を高める。
保圧サイクルの開始後、型圧制御部33は、接触圧センサー54によって検出された接触圧が設定範囲内すなわち接触圧の検出値mが目標値N+Δとなっているか否かを判断する(ステップS33)。検出値mが目標値N+Δと一致しなければ、型圧制御部33は、位置調整用の第1アクチュエーター52や押圧用の第2アクチュエーター53を動作させて、接触圧の検出値mを目標値N+Δと一致させる。なお、接触圧の検出値mが基準値N以上(ただし、m=N+Δを除く)の場合に、ステップS34で位置調整用の第1アクチュエーター52を動作させるとともに検出値mを目標値N+Δと一致させる手法は、樹脂充填又は樹脂射出の開始後のステップS24と同様であり、説明を省略する。また、接触圧の検出値mが基準値Nよりも小さい場合に、ステップS35で押圧用の第2アクチュエーター53を動作させて検出値mを基準値Nよりも大きくする手法は、樹脂充填又は樹脂射出の開始後のステップS25と同様であり、説明を省略する。
以上のように、樹脂射出時及び保圧時において、スライドコア72の当たり面72pにおける接触圧が所定値を下回っている場合に第2アクチュエーター53によってスライドコア72に付与する押圧力を所定値まで増加させる。また、スライドコア72の当たり面72pにおける接触圧がスライドコア72の光学転写面に変形を生じさせない範囲内の目標値となるように、第1アクチュエーター52によってスライドコア72の位置をフィードバック制御する。これにより、射出時及び保圧時にスライドコア72の光学転写面に反りや湾曲等の変形が生じることを防止でき、スライドコア72の当たり面72pにおいて隙間GAが形成されてバリが形成されることを防止できる。
保圧サイクルが完了した場合(ステップS36でY)、冷却サイクルが開始される(ステップS42)。冷却サイクル中、制御装置30は、金型温度調節機91を適宜動作させることで両金型41,42間のキャビティCV中の樹脂を冷却して固化させる。
冷却サイクルの開始後、型圧制御部33は、接触圧センサー54によって検出された接触圧が設定範囲内すなわち接触圧の検出値mが目標値N+Δとなっているか否かを判断する(ステップS43)。検出値mが目標値N+Δと一致しなければ、型圧制御部33は、位置調整用の第1アクチュエーター52を動作させて、接触圧の検出値mを目標値N+Δと一致させる(ステップS44)。なお、ステップS44で位置調整用の第1アクチュエーター52を動作させる手法は、樹脂充填又は樹脂射出の開始前のステップS14と同様であり、説明を省略する。
冷却時における第1アクチュエーター52によるフィードバック制御により、冷却時にスライドコア72の光学転写面に反りや湾曲等の変形が生じることを防止できる。
冷却サイクルが完了した場合(ステップS46でY)、制御装置30は、型開きを開始する(ステップS51)。そして、制御装置30は、型圧制御部33による接触圧のフィードバック制御を終了させる(ステップS52)。最後に、制御装置30は、不図示の取出装置を動作させて、型開き後の第1及び第2金型41,42間から光学製品OPを取り出す(ステップS53)。
以上説明した光学製品用の成形装置100では、型閉め後において、型圧制御部33が、接触圧センサー54の出力に基づいて、第1アクチュエーター52によってスライドコア72の位置を調整するので、スライドコア72の突き当てによって接触圧が過度となって光学転写面である内側面72aが変形することを防止でき、光学製品OPの光学面であるミラーMRに劣化が生じることを防止できる。さらに、スライドコア72の当たり面72pの接触が確保されるので、この当たり面72pにおいて隙間GAが形成されることを防止でき、かかる隙間GAに樹脂が入り込んでバリが形成されることを防止できる。
また、型圧制御部33は、型閉め後において、接触圧センサー54の出力に基づいて、第1アクチュエーター52によってスライドコア72の位置を調整するとともに、樹脂圧によるスライドコア72の押し戻しが発生した場合に、第2アクチュエーター53によってスライドコア72に付与する押圧力を増加させる。このように、樹脂の射出後において、樹脂圧によるスライドコア72の押し戻しが発生した場合に、型圧制御部33が第2アクチュエーター53によってスライドコア72に付与する押圧力を増加させるので、キャビティCV内の樹脂圧が高まってもスライドコア72の当たり面72pにおいて隙間GAが形成されることを確実に防止できる。また、型圧付与部59として、第1アクチュエーター52と第2アクチュエーター53とを設けることにより、第1アクチュエーター52と第2アクチュエーター53とに場面に応じた機能及び役割を持たせることができ、スライドコア72の当たり面72pにおける接触圧の制御をより精密に行うことができる。
図11は、変形例の成形装置100を説明する図である。この場合、4つのスライドコア72間に他の部材として入れ子78が配置されている。入れ子78は、例えば固定コア71に支持されている。この場合も、スライドコア72や入れ子78に接触圧センサー54を組み付けることで、当たり面72pにおける接触圧を監視することができ、光学転写面である内側面72aが変形することを防止でき、内側面72aと入れ子78との間にバリの原因となるような隙間が形成されることを防止できる。
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、スライドコア72の数は、4に限らず、光学製品の形状に応じて、2、3、…とすることができる。

Claims (12)

  1. 光学転写面を有するスライドコアを含む成形金型と、
    前記スライドコアの移動による他の部材との当たり面の接触圧を計測する接触圧センサーと、
    前記スライドコアの位置を調整する型圧付与部と、
    型閉め後において、前記接触圧センサーの出力に基づいて、前記型圧付与部によって前記スライドコアの位置を調整する制御部とを備える光学製品の成形装置。
  2. 前記型圧付与部は、前記スライドコアに対して外側から押圧力を付与し、
    前記制御部は、樹脂圧による前記スライドコアの押し戻しが発生した場合に、前記型圧付与部によって前記スライドコアに付与する押圧力を増加させる、請求項1に記載の光学製品の成形装置。
  3. 前記型圧付与部は、前記スライドコアを支持して位置を調整する第1アクチュエーターと、前記スライドコアに対して外側から押圧力を付与する第2アクチュエーターとを有し、
    前記制御部は、型閉め後において、前記接触圧センサーの出力に基づいて、前記第1アクチュエーターによって前記スライドコアの位置を調整するとともに、樹脂圧による前記スライドコアの押し戻しが発生した場合に、前記第2アクチュエーターによって前記スライドコアに付与する押圧力を増加させる、請求項2に記載の光学製品の成形装置。
  4. 前記第1アクチュエーターは、伸縮によって前記スライドコアの前記当たり面における接触圧を調整する、請求項3に記載の光学製品の成形装置。
  5. 前記第1アクチュエーターは、圧電素子を含む、請求項4に記載の光学製品の成形装置。
  6. 前記第2アクチュエーターは、油圧又は空圧を利用した圧力付加機構を含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の光学製品の成形装置。
  7. 前記制御部は、前記第2アクチュエーターによって、前記接触圧センサーの出力に応じて前記第1アクチュエーターによって実行される圧調整幅よりも粗い修正量で前記スライドコアに押圧力を付与する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の光学製品の成形装置。
  8. 前記制御部は、成形工程の型閉め時において、前記スライドコアの前記当たり面における接触圧が前記スライドコアの光学転写面に変形を生じさせない範囲内の目標値となるように、前記第1アクチュエーターによって前記スライドコアの位置をフィードバック制御する、請求項3〜7のいずれか一項に記載の光学製品の成形装置。
  9. 前記制御部は、成形工程の樹脂射出時及び保圧時において、前記スライドコアの前記当たり面における接触圧が所定値を下回っている場合に前記第2アクチュエーターによって前記スライドコアに付与する押圧力を前記所定値まで増加させ、前記スライドコアの前記当たり面における接触圧が前記スライドコアの光学転写面に変形を生じさせない範囲内の目標値となるように、前記第1アクチュエーターによって前記スライドコアの位置をフィードバック制御する、請求項3〜8のいずれか一項に記載の光学製品の成形装置。
  10. 前記制御部は、成形工程の冷却時において、前記スライドコアの前記当たり面における接触圧が前記スライドコアの光学転写面に変形を生じさせない範囲内の目標値となるように、前記第1アクチュエーターによって前記スライドコアの位置をフィードバック制御する、請求項3〜9のいずれか一項に記載の光学製品の成形装置。
  11. 前記スライドコアは前記成形金型の支持面に沿って複数配置され、前記接触圧センサーは前記スライドコア同士の当たり面の接触圧を計測し、前記型圧付与部は、各スライドコアの位置を調整する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学製品の成形装置。
  12. 光学転写面を有するスライドコアを含む成形金型と、前記スライドコアの移動による他の部材との当たり面の接触圧を計測する接触圧センサーと、前記スライドコアの位置を調整する型圧付与部とを備える成形装置を用いた、光学製品の成形方法であって、
    型閉め後において、前記接触圧センサーの出力に基づいて前記型圧付与部によって前記スライドコアの位置を調整することにより、前記スライドコアの前記当たり面の接触圧を調整する光学製品の製造方法。
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