JPWO2016163075A1 - 分離装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、気体から固体を効率良く分離することが可能な分離装置を提供することである。分離装置(1)は、ロータ(2)と、枠体(3)と、複数の仕切板(6)と、複数の流路(8)と、回転板(9)と、を備える。回転板(9)は、環状である。分離装置(1)は、複数の流路(8)それぞれの下流側において複数の仕切板(6)よりも回転中心軸(20)側に形成され複数の流路(8)のうち少なくとも1つの流路(8)に連通する中心出口(25)と、複数の流路(8)それぞれの下流側において複数の仕切板(6)よりも外側に形成され複数の流路(8)のうち少なくとも1つの流路(8)に連通する外周出口(35)と、を備える。回転板(9)は、複数の流路(8)それぞれの下流側において複数の仕切板(6)及び空間(4)を覆う大きさである。
Description
本発明は、分離装置に関し、より詳細には、気体中の固体を分離する分離装置に関する。
従来、この種の分離装置としては、例えば、粉塵を空気から分離する防塵装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載された防塵装置は、円筒(ロータ)と、円筒を囲んでいる外筒(枠体)と、回転子と、シロッコファンと、ファンモータと、を備えている。
円筒の外周面側には、粉塵混合空気を効率的に回転させるための複数の主羽根(仕切板)が設けられている。円筒には、その一部に、空気を流入させるための孔が設けられている。
回転子は、円筒の内部を通る空気をシロッコファンへ導く通気口を有する。
防塵装置では、粉塵混合空気が高速回転しながら螺旋下降する時、空気に比べて質量の大きい粉塵に、より強い遠心力が作用するので、粉塵が外筒の壁面方向に押しやられる。
防塵装置では、空気と粉塵との分離が行われることにより、空気の清浄化が行われる。
分離装置の分野では、気体から固体を効率良く分離することが可能な分離装置の開発が望まれている。
本発明の目的は、気体から固体を効率良く分離することが可能な分離装置を提供することにある。
本発明に係る一態様の分離装置は、ロータと、前記ロータを囲んで前記ロータと同軸的に配置された円筒状の枠体と、前記ロータと前記枠体との間の空間に配置されて前記空間を区分する複数の仕切板と、各々が前記複数の仕切板のうち隣り合う2つの仕切板と前記ロータと前記枠体とで規定される複数の流路と、前記複数の仕切板に連結された環状の回転板と、前記ロータを回転させる駆動装置と、を備える。前記複数の仕切板の各々は、前記ロータに連結されている。前記複数の流路の各々は、前記ロータの回転中心軸に沿った方向において前記ロータの第1端側が上流側であり、かつ、前記ロータの第2端側が下流側である。前記複数の仕切板の各々は、前記回転中心軸に沿った方向において前記上流側の第1端面と、前記下流側の第2端面と、を有する。前記回転板は、前記複数の仕切板それぞれの前記第2端面側において前記複数の仕切板に連結されている。分離装置は、前記複数の流路それぞれの前記下流側において前記複数の仕切板よりも前記回転中心軸側にあり前記複数の流路のうち少なくとも1つの流路に連通し前記回転中心軸に直交する方向に開放されている少なくとも1つの中心出口と、前記複数の流路それぞれの前記下流側において前記回転中心軸に直交する方向で前記複数の仕切板よりも外側にあり前記複数の流路のうち少なくとも1つの流路に連通し前記回転中心軸に直交する方向に開放されている外周出口と、を備える。前記回転板は、前記複数の流路それぞれの前記下流側において前記複数の仕切板及び前記空間を覆う大きさである。
下記の実施形態等において説明する各図は、模式的な図であり、図中において各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の分離装置1について、図1A、1B、2A、2B、2C、3及び4に基づいて説明する。
以下では、本実施形態の分離装置1について、図1A、1B、2A、2B、2C、3及び4に基づいて説明する。
分離装置1は、ロータ2と、枠体3と、複数(例えば、3つ)の仕切板6と、複数(例えば、3つ)の流路8と、回転板9と、駆動装置7と、を備える。枠体3は、円筒状であり、ロータ2を囲んでロータ2と同軸的に配置されている。複数の仕切板6は、空間4に配置されて空間4を区分する。複数の流路8の各々は、複数の仕切板6のうち隣り合う2つの仕切板6とロータ2と枠体3とで規定される。回転板9は、環状であり、複数の仕切板6に連結されている。駆動装置7は、ロータ2を回転させる。複数の仕切板6の各々は、ロータ2に連結されている。複数の流路8の各々は、ロータ2の回転中心軸20に沿った方向においてロータ2の第1端21側が上流側であり、かつ、ロータ2の第2端22側が下流側である。複数の仕切板6の各々は、回転中心軸20に沿った方向において上流側の第1端面61と、下流側の第2端面62と、を有する。回転板9は、複数の仕切板6それぞれの第2端面62側において複数の仕切板6に連結されている。また、分離装置1は、少なくとも1つの中心側開口(以下、「中心出口」ともいう)25と、外周側開口(以下、「外周出口」ともいう)35と、気流制御部40(図3参照)と、を備える。中心出口25は、複数の流路8それぞれの下流側において複数の仕切板6よりも回転中心軸20側にある。中心出口25は、複数の流路8のうち少なくとも1つの流路8に連通し回転中心軸20に直交する方向に開放されている。外周出口35は、複数の流路8それぞれの下流側において回転中心軸20に直交する方向で複数の仕切板6よりも外側にある。外周出口35は、複数の流路8のうち少なくとも1つの流路8に連通し回転中心軸20に直交する方向に開放されている。回転板9は、複数の流路8それぞれの下流側において複数の仕切板6及び空間4を覆う大きさである。以上の構成により、分離装置1は、気体から固体を効率良く分離することが可能となる。分離装置1は、送風装置5(図3参照)と、気流制御部40と、を備えるのが好ましい。送風装置5は、ロータ2と枠体3との間の空間4に気体を流すように構成されている。気流制御部40は、複数の流路8のうち少なくとも1つの流路8の下流側における気体の流れ方向を中心出口25に向かう方向に制御する。これにより、分離装置1は、気体から固体をより効率良く分離することが可能となる。
「ロータ2と同軸的に配置された」とは、枠体3が、枠体3の中心線をロータ2の回転中心軸20に揃えるように配置されていることを意味する。本明細書における「上流側」は、気体の流れる方向でみたときの上流側(一次側)を意味する。また、本明細書における「下流側」は、気体の流れる方向でみたときの下流側(二次側)を意味する。また、「複数の流路8それぞれの下流側において複数の仕切板6及び空間4を覆う大きさ」とは、複数の仕切板6と空間4との全体を覆う大きさだけに限らず、複数の流路8それぞれの流路の断面積を減少させることができる大きさであればよい。中心側開口(中心出口)25及び外周側開口(外周出口)35は、ロータ2と枠体3と複数の仕切板6と回転板9とを含む分離ユニット10にある。
図1B、2B及び2Cでは、ロータ2の回転方向を太線の矢印で模式的に示してある。ロータ2の回転方向は、ロータ2を第1端21側から見て、反時計回りの方向である。ロータ2の回転方向は、ロータ2を第2端22側から見て、時計回りの方向である。分離装置1は、ロータ2が回転することで、複数の流路8それぞれに流入した気体に対して回転中心軸20のまわりの回転方向の力を与えることが可能となる。分離装置1では、ロータ2を第1端21側から見て反時計回り方向に回転させ、かつ、送風装置5が動作することにより、複数の流路8それぞれを通る物質を螺旋状に回転させることができる。「螺旋状に回転」とは、螺旋状に旋回と同じ意味である。
気体としては、例えば、空気、排気ガス等が挙げられる。複数の流路8それぞれを通る物質としては、気体を構成している気体分子、気体中に含まれている固体等がある。気体分子としては、例えば、窒素分子、酸素分子等が挙げられる。固体としては、例えば、微粒子、塵埃等が挙げられる。微粒子としては、例えば、粒子状物質等を挙げることができる。粒子状物質としては、微粒子として直接大気中に放出される一次生成粒子、気体として大気中に放出されたものが大気中で微粒子として生成される二次生成粒子等がある。一次生成粒子としては、例えば、土壌粒子(黄砂等)、粉塵、植物性粒子(花粉等)、動物性粒子(カビの胞子等)、煤等が挙げられる。粒子状物質は、大きさの分類として、例えば、PM2.5(微小粒子状物質)、PM10、SPM(浮遊粒子状物質)等を挙げることができる。PM2.5は、粒子径2.5μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子である。PM10は、粒子径10μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子である。SPMは、粒子径10μmで100%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子であり、PM6.5−7.0に相当し、PM10よりも少し小さな微粒子である。
分離装置1では、ロータ2が駆動装置7により回転し、かつ、気流制御部40が動作する。これにより、分離装置1では、複数の流路8の各々で発生した気流に含まれている固体を外周出口35から外部へ排出でき、固体が分離された気体を中心出口25から下流側へ流すことができる。よって、分離装置1は、気体から固体を効率良く分離することが可能となる。
図1A及び1Bでは、固体が分離される前の気体の流れを縁取り矢印(ドットのハッチングを付した矢印)で模式的に示し、固体が分離された気体の流れを白抜きの矢印で模式的に示してある。また、図1A、1B、2A及び2Cでは、外周出口35から排出された固体として微粒子161を模式的に記載してある。
ロータ2と枠体3との間の空間4に気体を流す送風装置5(図3参照)は、ファンにより構成されている。ファンは、電動ファンである。これにより、分離装置1では、送風装置5を動作させることにより、複数の流路8に気体を流すことが可能となる。電動ファンとしては、例えば、軸流ファンを採用することができる。送風装置5は、駆動装置7よりも下流側に配置されている。
本実施形態の分離装置1では、送風装置5が複数の流路8の下流側に配置されている。本実施形態の分離装置1では、送風装置5が、複数の流路8のうち少なくとも1つの流路8の下流側における気体の流れ方向を中心出口25に向かう方向に制御する気流制御部40を兼ねている。言い換えれば、本実施形態の分離装置1における気流制御部40は、送風装置5により構成されている。
ロータ2を回転させる駆動装置7は、モータ70により構成されている。モータ70は、モータ本体(胴体)71から円柱状の回転軸72が突出している。モータ70は、モータ本体71の外周形状が円形状であるのが好ましい。モータ本体71の外径は、枠体3及び回転板9それぞれの内径よりも小さいのが好ましい。モータ本体71の外径は、ロータ2の外径よりも小さいのが好ましい。分離装置1では、モータ70の回転軸72にロータ2が連結されている。分離装置1では、回転軸72の軸線とロータ2の回転中心軸20とが一直線上に揃うように、回転軸72とロータ2とが連結されている。これにより、モータ70は、ロータ2を回転させることができる。ロータ2の回転方向は、モータ70の回転軸72の回転方向と同じである。ロータ2の回転角速度は、モータ70の回転軸72の回転角速度と同じである。
分離装置1は、駆動装置7へ電力を供給する電源装置17(図1A参照)を備えているのが好ましい。電源装置17は、例えば、外部の交流電源から供給される交流電圧から駆動装置7に適した電圧を生成して出力する電源回路モジュール171と、電源回路モジュール171を収納したケース172と、を備えている。駆動装置7を構成するモータ70は、電源装置17のケース172から突出したパイプ18により支持されている。電源装置17と駆動装置7とを電気的に接続している配線は、露出しないようにパイプ18内に収納されているのが好ましい。
分離装置1は、駆動装置7がモータ70により構成される場合、モータ70の回転軸72の回転速度を設定する設定部を備えていてもよい。これにより、分離装置1では、分離することが要求される固体の大きさ等によってモータ70の回転軸72の回転速度を適宜変更することが可能となる。設定部は、例えば、ポテンショメータ等によって構成することができる。
分離装置1では、例えば、規定粒径の微粒子を分離できるように、枠体3、ロータ2及び複数の仕切板6それぞれの形状、ロータ2の回転速度が設定されている。規定粒径の微粒子としては、例えば、空気動力学的粒子径が、1.0μmの粒子を想定している。「空気動力学的粒子径」とは、空気動力学的挙動が、比重1.0の球形粒子と等価になるような粒子の直径を意味する。空気動力学的粒子径は、粒子の沈降速度によって測定される粒径である。分離装置1で分離されずに気体中に残る固体としては、分離装置1で分離することを想定している微粒子よりも粒径の小さな微粒子(言い換えれば、質量が小さな微粒子)を挙げることができる。
図3は、分離装置1を備えた空気浄化システム300の概略構成図である。
分離装置1のうち送風装置5及び気流制御部40を含まないモジュール(以下、分離装置本体1aという)は、住戸400の屋外に配置される室外機301のハウジング302(図4参照)内に配置される。一方、送風装置5及び気流制御部40は、住戸400の天井裏に配置される。分離装置1が送風装置5及び気流制御部40を構成要素として備えていない場合、分離装置1は、分離装置本体1aにより構成される。
分離装置本体1aは、空気中の微粒子161を室外機301におけるハウジング302の外に排出するように構成されている。微粒子161は、上述の規定粒径の微粒子であり、空気動力学的粒子径が、1.0μmの粒子を想定している。
ハウジング302は、分離装置1の外郭100を構成してもよい。外郭100は、ロータ2と枠体3と複数の仕切板6と回転板9と駆動装置7とを収納するように構成されている。また、外郭100には、上述の電源装置17も収納されている。電源装置17は、外郭100に固定されている。外郭100は、金属により形成されている。
分離装置1は、外郭100を支持する複数の支持体(図示せず)を備えた構成とすることができる。これにより、分離装置1では、外郭100と分離装置1の設置面(例えば、床面等)との間に空間を設けることが可能となる。
外郭100には、空気の流入口101と、微粒子161等の固体を排出する固体排出口102と、清浄化された空気の流出口103と、が形成されている。外郭100の流入口101には、第1のメッシュ111が配置されているのが好ましい。外郭100の固体排出口102には、第2のメッシュ112が配置されているのが好ましい。外郭100には、固体排出口102が複数形成されている。分離装置1では、枠体3を外郭100に固定してある。より詳細には、分離装置1では、外郭100の内壁面おける流入口101の周部に、枠体3を固定してある。複数の固体排出口102は、枠体3の外周方向に沿った方向において離れて形成されている。第2のメッシュ112は、第1のメッシュ111よりも網目のサイズが小さいのが好ましい。
分離装置1は、回転板9の下流側において回転板9に連結された回転筒19を備えているのが好ましい。言い換えれば、分離ユニット10は、回転筒19を備えているのが好ましい。これにより、分離装置1は、外周出口35から排出された微粒子161が回転板9の開口部92を通った気体に戻るのを抑制することが可能となる。
また、分離装置1は、外郭100における流出口103の内周面に保持された円筒状のダクト15を備えるのが好ましい。ダクト15は、外郭100に収納されているのが好ましい。ダクト15は、上流側の第1端151と、下流側の第2端152と、を備える。ダクト15の第1端151には、第1端151の内側に配置された軸受16が固定されている。軸受16は、回転筒19を回転自在に保持する。これにより、分離装置1では、ロータ2と複数の仕切板6と回転板9とを含む回転構造体を、より安定して回転させることが可能となる。
また、分離装置1は、図1A及び4に示すように、モータ70の回転軸72の先端を回転自在に保持する軸受13を備えているのが好ましい。軸受13は、外郭100に支持された複数の梁14によって保持されている。これにより、分離装置1では、ロータ2を、より安定して回転させることが可能となる。
空気浄化システム300は、室外機301により浄化された空気を住戸400内へ流すための第1ダクト311と、第1ダクト311で給気された空気を更に浄化するためのフィルタ装置317と、を備える。フィルタ装置317は、例えば、エアフィルタとして、HEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)を備える。「HEPAフィルタ」とは、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルタである。フィルタ装置317は、100%の粒子捕集効率を必須の条件とはしない。ただし、フィルタ装置317は、気体中に含まれている固体の捕集効率がより高いのが好ましい。
図3では、空気の流れを白抜きの矢印で模式的に示してある。また、図3では、分離装置本体1aによって空気から分離して排出する微粒子161と、フィルタ装置317で捕集する超微粒子162と、を模式的に示してある。超微粒子162は、微粒子161よりも粒径が小さく、かつ、HEPAフィルタで除去できる粒径の微粒子である。
また、空気浄化システム300は、フィルタ装置317と送風装置5との間に配置された第2ダクト312と、送風装置5の下流側に配置された分配器318と、送風装置5と分配器318との間に配置された第3ダクト313と、を備える。分配器318には、住戸400内の複数の区画401(例えば、リビング、寝室等)それぞれへ空気を給気するための複数の第4ダクト314が接続されている。分配器318は、上流側から供給された空気を下流側の複数の第4ダクト314へ分配する。フィルタ装置317、第2ダクト312、送風装置5、第3ダクト313及び分配器318は、住戸400の天井裏に配置される。
空気浄化システム300では、室外機301が分離装置本体1aを備えることにより、PM2.5等の微粒子161がフィルタ装置317へ到達するのを抑制することが可能となる。これにより、空気浄化システム300は、フィルタ装置317の長寿命化を図ることが可能となる。言い換えれば、空気浄化システム300では、フィルタ装置317に捕集される微粒子等の総質量が増加することによる圧力損失の上昇を抑制することが可能となる。これにより、空気浄化システム300では、フィルタ装置317の交換頻度を少なくすることが可能とする。
分離装置1では、図1Aに示すように、複数の流路8の下流側に駆動装置7が配置され、駆動装置7の下流側に送風装置5(図3参照)が配置されている。要するに、分離装置1では、複数の流路8、駆動装置7及び送風装置5が、分離装置1で気体を流す方向において、複数の流路8、駆動装置7、送風装置5の順に配置されている。送風装置5は、駆動装置7の下流側において駆動装置7の近くに配置してもよい。この場合、送風装置5は、分離装置本体1aに設けられていてもよい。
分離装置1は、送風装置5及び駆動装置7の運転を開始する運転スイッチの操作部が、外郭100から露出するように設けられた構成としてもよい。
分離装置1の流量は、例えば、250m3/h〜3000m3/hの範囲で適宜設定すればよい。
分離装置1の各構成要素については、以下に、より詳細に説明する。
ロータ2は、円柱状に形成されている。ロータ2は、気体と、気体に含まれている固体と、を通さないように構成されている。より詳細には、ロータ2は、非多孔質の構造体である。ロータ2の材料としては、例えば、金属、合成樹脂等を採用することができる。ロータ2は、導電性を有するのが好ましい。これにより、分離装置1では、ロータ2の帯電を抑制することが可能となる。
ロータ2を囲んでロータ2と同軸的に配置された枠体3は、円筒状に形成されている。枠体3の材料としては、例えば、金属、合成樹脂等を採用することができる。枠体3は、導電性を有するのが好ましい。これにより、分離装置1では、枠体3の帯電を抑制することが可能となる。
ロータ2と枠体3との間の空間4に配置されて空間4を区分する複数の仕切板6の各々は、長方形板状に形成されている。複数の仕切板6の各々は、長手方向が回転中心軸20に沿った方向となり、短手方向がロータ2の半径方向に沿った方向となり、厚さ方向がロータ2の回転方向に沿った方向(角度方向)となるように配置されている。要するに、複数の仕切板6の各々は、厚さ方向の第1面及び第2面それぞれがロータ2の回転方向に沿った方向に交差するように配置されている。
複数の仕切板6それぞれにおける長手方向の長さは、回転中心軸20上のロータ2の長さよりも大きい。複数の仕切板6は、各々の一部が、ロータ2の回転中心軸20に沿った方向において、ロータ2よりも回転板9側へ位置するようにロータ2に連結されている。
複数の仕切板6の各々の材料としては、例えば、金属、合成樹脂、ゴム等を採用することができる。複数の仕切板6は、導電性を有するのが好ましい。これにより、分離装置1では、複数の仕切板6の帯電を抑制することが可能となる。
複数の仕切板6は、上述のようにロータ2と枠体3とのうちロータ2のみと連結されている。「ロータ2のみと連結」とは、複数の仕切板6の各々が、ロータ2と別部材として形成されロータ2に固定されている場合に限らず、例えば、ロータ2と一体に形成されている場合も含む。分離装置1では、複数の仕切板6が枠体3に連結されていないので、複数の仕切板6がロータ2と枠体3との両方に固定され両方を回転させる場合に比べて、駆動装置7の負荷を軽減することが可能となり、低消費電力化を図ることが可能となる。
複数の仕切板6の各々は、枠体3の内周面33との間に隙間30が形成されるように配置されているのが好ましい。言い換えれば、分離装置1は、複数の仕切板6の各々と枠体3の内周面33との間に隙間30がある。これにより、分離装置1では、製造が容易になるという利点がある。また、分離装置1では、複数の仕切板6がロータ2と枠体3との両方に固定され両方を回転させる場合や、複数の仕切板6が枠体3に接している場合に比べて、駆動装置7の負荷を軽減することが可能となり、低消費電力化を図ることが可能となる。
複数の仕切板6は、ロータ2の周りにおいて等間隔で配置されているのが好ましい。分離装置1では、ロータ2の第1端21側から見たときに、複数の仕切板6が放射状に配置されているのが好ましい。要するに、複数の仕切板6の各々は、ロータ2からロータ2の半径方向外向きに突出しているのが好ましい。
複数の仕切板6のうち隣り合う2つの仕切板6とロータ2と枠体3とで規定される複数の流路8の各々は、ロータ2の回転中心軸20に沿って形成されている。したがって、分離装置1では、ロータ2が回転することで、複数の流路8それぞれに流入した気体に対して回転中心軸20のまわりの回転方向の力を与えることが可能となる。分離装置1は、上流側から複数の流路8それぞれに流入した気体を、ロータ2のまわりで螺旋状に回転させながら、複数の流路8それぞれの下流側に流すことができる。分離装置1では、ロータ2が回転することにより、複数の流路8の各々を流れる気体の速度ベクトルが、回転中心軸20に平行な方向の速度成分と、回転中心軸20のまわりの回転方向の速度成分と、を有することになる。よって、分離装置1は、小型化を図りながらも気体から固体を効率良く分離することが可能となる。
複数の仕切板6に連結された回転板9は、環状であり、開口部92を有している。回転板9は、一例として、円環状に形成されている。回転板9は、回転板9の厚さ方向をロータ2の回転中心軸20に沿った方向に揃えるように配置されている。回転板9の内径(回転板9の開口部92の直径)は、ロータ2の外径よりも大きい。回転板9の開口部92の半径は、ロータ2の半径とロータ2の半径方向に沿った仕切板6の長さとを合わせた寸法よりも小さい。回転板9の外径は、枠体3の外径よりも大きい。回転板9の材料としては、例えば、金属、合成樹脂等を採用することができる。回転板9は、導電性を有するのが好ましい。これにより、分離装置1では、回転板9の帯電を抑制することが可能となる。
分離装置1では、分離ユニット10が、複数の流路8それぞれの下流側に形成されている中心出口25を備える。ここで、中心出口25は、複数の流路8それぞれの下流側において複数の仕切板6よりもロータ2の回転中心軸20側にある。分離装置1における中心出口25は、隣り合う2つの仕切板6とロータ2と回転板9とで規定される開口である。要するに、中心出口25は、ロータ2の回転中心軸20に直交する方向に開放されている。
また、分離装置1では、分離ユニット10が、複数の流路8それぞれの下流側に形成されている外周出口35を備える。ここで、外周出口35は、ロータ2の回転中心軸20に直交する方向において複数の仕切板6よりも外側にある。外周出口35は、複数の流路8のうち少なくとも1つの流路8に連通しロータ2の回転中心軸20に直交する方向に開放されている。外周出口35は、ロータ2の回転中心軸20に直交する方向において、中心出口25よりも回転中心軸20から離れている。言い換えれば、ロータ2の回転中心軸20に直交する方向において、外周出口35と回転中心軸20との距離は、中心出口25と回転中心軸20との距離よりも長い。これにより、分離装置1は、複数の流路8の各々において、より大きな遠心力が与えられた固体を、外周出口35を通して排出することが可能となる。分離装置1における外周出口35は、枠体3と回転板9との間の開口である。言い換えれば、分離装置1における外周出口35は、枠体3と回転板9との間の隙間である。外周出口35は、ロータ2の回転中心軸20に直交する方向に開放されている。
また、分離装置1では、ロータ2と枠体3との間の空間4に気体を流す送風装置5が、複数の流路8の下流側に配置されている。本実施形態の分離装置1における送風装置5は、複数の流路8のうち少なくとも1つの流路8の下流側における気体の流れ方向を中心出口25に向かう方向に制御する気流制御部40を兼ねている。
分離装置1では、外郭100の外部から流入口101を通して外郭100の内部へ入った気体が複数の流路8に流入する。外郭100の外部から内部に入る気体に含まれていた固体は、複数の流路8の各々において螺旋状に回転するときにロータ2の回転中心軸20から枠体3の内周面33に向かう方向の遠心力を受ける。遠心力を受けた固体は、枠体3の内周面33へ向かい、枠体3の内周面33付近を内周面33に沿って螺旋状に回転する。そして、分離装置1では、外周出口35付近を回転していた固体が、その固体に作用していた遠心力により、外周出口35を通して排出される。固体に作用する遠心力は、固体の質量と、固体の円運動の半径と、に比例する。円運動の半径は、ロータ2の回転中心軸20に直交する方向における回転中心軸20と固体との距離である。固体の質量をm、固体の速度をv、円運動の半径をrとすると、遠心力の大きさはmv2/rである。ここで、角速度をωとすると、v=rωなので、遠心力の大きさは、mω2rである。要するに、固体には、ωの二乗に比例した大きさの遠心力が作用する。
以上説明した分離装置1では、複数の流路8の各々に流入する気体に含まれている固体を外周出口35から効率良く排出することが可能であり、かつ、固体が分離された気体を中心出口25から下流側へ流すことが可能なので、気体から固体を効率良く分離することが可能となる。要するに、分離装置1は、外周出口35を備えており、かつ、回転板9の大きさが、複数の流路8それぞれの下流側において複数の仕切板6及び空間4を覆う大きさなので、固体の遠心力が大きくなっても、固体が飛散して中心出口25を通過するのを抑制することが可能となる。
これにより、分離装置1では、複数の仕切板6それぞれと枠体3との間に隙間が形成された構成を採用しながらも、隙間を通った固体が中心出口25を通るのを抑制することが可能となる。よって、分離装置1では、より清浄化された気体(空気)を下流側へ流すことが可能となる。
分離装置1は、回転板9から回転板9の厚さ方向の一方向に突出し複数の仕切板6のうち隣り合う2つの仕切板6の間に位置するリブ11(図2A及び2C参照)を備えるのが好ましい。これにより、分離装置1では、枠体3の内周面33付近を内周面33に沿って螺旋状に回転していた固体の進行方向が変わった場合でも中心出口25を通過してしまうのを抑制することが可能となる。また、分離装置1は、枠体3の内周面33に付着していた固体が飛散したときに中心出口25に到達するのを抑制することが可能となる。また、分離装置1は、固体が分離された気体を下流側へ導きやすくなる。分離装置1では、回転板9から突出するリブ11が複数形成されている。複数のリブ11の各々は、回転板9の厚さ方向に直交する断面形状が円弧状である(図2C参照)。「回転板9の厚さ方向の一方向」とは、ロータ2の第2端22から第1端21に向かう方向と同じ方向である。
実施形態1の第1変形例の分離装置については、図5A、5B、5C及び6に基づいて説明する。第1変形例の分離装置は、その基本構成が実施形態1の分離装置1と略同じである。第1変形例の分離装置では、分離ユニット10aにおけるロータ2、枠体3及び複数の仕切板6それぞれの形状が、実施形態1の分離装置1における分離ユニット10と相違する。図5B、5C及び6では、ロータ2の回転方向を太線の矢印で模式的に示してある。また、図5A及び5Cでは、固体が分離される前の気体の流れを縁取り矢印(ドットのハッチングを付した矢印)で模式的に示し、固体が分離された気体の流れを白抜きの矢印で模式的に示してある。また、図5A及び5Cでは、外周出口35から排出された固体として微粒子161を模式的に記載してある。
第1変形例の分離装置におけるロータ2は、ロータ2の第1端21から第2端22に向かう方向において直径が漸増する円錐台状に形成されている。また、枠体3は、ロータ2の第1端21から第2端22に向かう方向において内径が漸増する円筒状に形成されている。これにより、第1変形例の分離装置では、螺旋状に回転する固体の遠心力をより大きくすることが可能となる。よって、第1変形例の分離装置では、固体を外周出口35から更に効率良く排出することが可能であり、かつ、固体が分離された気体を中心出口25から下流側へ流すことが可能なので、気体から固体を更に効率良く分離することが可能となる。また、第1変形例の分離装置では、気体が複数の流路8それぞれに流入するときの圧力損失を低減することが可能となる。
ロータ2は、第2端22側が開放されている。言い換えれば、ロータ2は、回転板9側の底面(端面)が開放された円錐台状である。そして、ロータ2は、第2端22に中心出口25が形成されている。
第1変形例の分離装置における分離ユニット10aは、ロータ2に中心出口25が複数形成されている。ここで、第1変形例の分離装置は、ロータ2の回転方向における複数の仕切板6それぞれの後側でロータ2に中心出口25が形成されている。これにより、第1変形例の分離装置では、ロータ2の第2端22の周辺領域のうちロータ2の回転方向において固体の存在確率が相対的に小さくなる領域に中心出口25が形成されているので、固体が中心出口25を通るのを抑制することが可能となる。第1変形例の分離装置は、ロータ2の回転方向における複数の仕切板6それぞれの後側において、固体の存在確率が相対的に小さくなる領域があるという本願発明者らの実験結果に基づく一形態である。
実施形態1の第2変形例の分離装置については、図7A、7B及び7Cに基づいて説明する。第2変形例の分離装置は、その基本構成が第1変形例の分離装置と同じである。第2変形例の分離装置では、分離ユニット10bにおける複数の仕切板6の形状が、第1変形例の分離装置の分離ユニット10aとは相違する。図7B及び7Cでは、ロータ2の回転方向を太線の矢印で模式的に示してある。また、図7A及び7Cでは、固体が分離される前の気体の流れを縁取り矢印(ドットのハッチングを付した矢印)で模式的に示し、固体が分離された気体の流れを白抜きの矢印で模式的に示してある。また、図7A及び7Cでは、外周出口35から排出された固体として微粒子161を模式的に記載してある。
第2変形例の分離装置の分離ユニット10bにおける複数の仕切板6の各々は、ロータ2の回転中心軸20のまわりで螺旋状に形成されている。これにより、第2変形例の分離装置では、第1変形例の分離装置に比べて、複数の流路8それぞれの長さを大きくすることが可能となる。よって、第2変形例の分離装置では、気体から固体を更に効率良く分離することが可能となる。
実施形態1の第3変形例の分離装置については、図8A、8B及び8Cに基づいて説明する。第3変形例の分離装置は、その基本構成が第1変形例の分離装置と同じである。第3変形例の分離装置における分離ユニット10cでは、ロータ2における回転板9側の端面が開放されている。そして、第3変形例の分離装置は、ロータ2の内周面23における中心出口25の外周部においてロータ2の回転方向の後端から突出した案内羽根12を更に備える点が第1変形例の分離装置と相違する。案内羽根12は、ロータ2の回転方向の後側へ傾いている。言い換えれば、案内羽根12は、ロータ2の内周面23における中心出口25の外周部において案内羽根12が突出している部位の法線方向を基準としてロータ2の回転方向とは逆方向へ傾いている。ここでいう法線方向は、ロータ2の半径方向内向きである。第3変形例の分離装置では、案内羽根12を更に備えることにより、第1変形例の分離装置に比べて、圧力損失の低減を図ることが可能となり、低消費電力化を図ることが可能となる。図8B及び8Cでは、ロータ2の回転方向を太線の矢印で模式的に示してある。また、図8A及び8Cでは、固体が分離される前の気体の流れを縁取り矢印(ドットのハッチングを付した矢印)で模式的に示し、固体が分離された気体の流れを白抜きの矢印で模式的に示してある。また、図8A及び8Cでは、外周出口35から排出された固体として微粒子161を模式的に記載してある。
第3変形例の分離装置では、ロータ2に中心出口25が複数(図示例では、3つ)形成されている。また、第3変形例の分離装置では、案内羽根12が複数(図示例では、3つ)形成されている。複数の案内羽根12は、ロータ2の複数の中心出口25に一対一で対応して、ロータ2に設けられているのが好ましい。
案内羽根12は、気体の流れを所定の方向に導く羽根である。要するに、案内羽根12は、固体が分離された気体をダクト15(図1A参照)へ導く羽根である。案内羽根12は、ロータ2に連結されている。案内羽根12は、ロータ2の回転に伴って回転中心軸20の周りで回転する。
第3変形例の分離装置は、実施形態1の分離装置と同様に複数の流路8の下流側に送風装置5(図3参照)を備えているが、これに限らない。第3変形例の分離装置では、案内羽根12が、複数の流路8それぞれの下流側における気体の流れ方向を中心出口25に向かう方向に制御する気流制御部40を構成している。これにより、第3変形例の分離装置では、複数の流路8の上流側に送風装置を備えた構成とすることもできる。
実施形態1の第4変形例の分離装置については、図9A、9B、9C及び10に基づいて説明する。第4変形例の分離装置は、その基本構成が実施形態1の分離装置1と略同じである。第4変形例の分離装置は、分離ユニット10dにおける複数の仕切板6の形状が分離ユニット10とは相違する。図9B、9C及び10では、ロータ2の回転方向を太線の矢印で模式的に示してある。また、図9A、9B及び9Cでは、固体が分離する前の気体の流れを縁取り矢印(ドットのハッチングを付した矢印)で模式的に示し、固体が分離された気体の流れを白抜きの矢印で模式的に示してある。また、図9A及び9Cでは、外周出口35から排出された固体として微粒子161を模式的に記載してある。
第4変形例の分離装置における複数の仕切板6の各々は、螺旋階段状に形成されている。これにより、第4変形例の分離装置では、送風装置5(図3参照)の負荷を軽減することが可能となる。
分離ユニット10dにおける複数の仕切板6の各々は、ロータ2に連結されている。複数の仕切板6の各々は、ロータ2の回転中心軸20に直交する面内においてロータ2の回転方向に沿って形成された第1機能部(以下、「第1仕切部」ともいう)611と、ロータ2の回転中心軸20に沿って形成された第2機能部(以下、「第2仕切部」ともいう)612と、を備える。
第1仕切部611の形状は、ロータ2の回転中心軸20に直交する面内においてロータ2の回転方向に沿った円弧状である。第2仕切部612の形状は、回転中心軸20に直交する方向から見て回転中心軸20に沿った直線状である。
第4変形例の分離装置では、流路8のうち隣り合う2つの第1仕切部611の間に形成される第1流路を通る物質の角速度をロータ2の回転角速度よりも大きくすることが可能となる。したがって、第4変形例の分離装置では、流路8における第1流路を通る物質のうち固体に作用する遠心力をより大きくすることが可能となり、小型化を図ることが可能となる。また、第4変形例の分離装置では、流路8のうち隣り合う2つの第2仕切部612の間に形成される第2流路を通る物質の角速度をロータ2の回転角速度と同じにすることが可能となる。したがって、第4変形例の分離装置は、流路8における第2流路において、流路8を流れる気体の圧力損失を低減することが可能となる。言い換えれば、第4変形例の分離装置は、流路8が第2流路を備えることにより、送風能力を向上させることが可能となり、送風装置5(図3参照)の負荷を軽減することが可能となる。よって、第4変形例の分離装置は、流路8が第2流路を備えることにより、低消費電力化を図ることが可能となる。
第4変形例の分離装置は、複数の流路8の各々が第1流路と第2流路とを備えるので、流路8が全長に亘って回転中心軸20に沿った直線状である場合に比べて、回転中心軸20に沿った方向における小型化を図りながらも、流路8の長さを大きくすることが可能となる。
(実施形態2)
以下では、本実施形態の分離装置1Bについて、図11、12及び13に基づいて説明する。本実施形態の分離装置1Bの基本構成は実施形態1の分離装置1と同じである。本実施形態の分離装置1Bに関し、実施形態1の分離装置1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以下では、本実施形態の分離装置1Bについて、図11、12及び13に基づいて説明する。本実施形態の分離装置1Bの基本構成は実施形態1の分離装置1と同じである。本実施形態の分離装置1Bに関し、実施形態1の分離装置1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の分離装置1Bは、外周出口35から排出された固体(図示例では、微粒子161)を捕集する容器120を備えている。そして、分離装置1Bは、ロータ2と枠体3と複数の仕切板6と回転板9と駆動装置7とを収納する外郭100Bに、分離装置1の外郭100(図1A参照)における固体排出口102及び第2のメッシュ112を設ける代わりに、容器120を収納してある。これにより、分離装置1Bは、外周出口35から外郭100B内に排出された固体を容器120で捕集することが可能となり、固体が外郭100Bの外部へ飛散するのを抑制することが可能となる。
容器120は、分離ユニット10の下方に配置されている。容器120は、トレイ(蓋がない容器)である。外郭100には、容器120を出し入れするためのポート130(図12参照)が形成されている。容器120は、外郭100にスライド自在に保持されており、外郭100から取り外すことが可能となっている。これにより、分離装置1Bは、容器120に捕集された固体(図11の例では、微粒子161)を容易に取り出したり捨てたりすることが可能となる。
分離装置1Bでは、外周出口35から排出された固体が、重力沈降等により、分離ユニット10の下方の容器120に入る。これにより、分離装置1Bでは、容器120に固体を捕集する。
また、分離装置1Bは、外郭100Bの外壁面おける流入口101の周部に、筒体45(図11参照)を固定してあるのが好ましい。筒体45は、円筒状であるのが好ましい。
図13は、分離装置1Bを備えた空気浄化システム320の概略構成図である。
分離装置1Bは、例えば、住戸400の天井裏に配置される。分離装置1Bは、送風装置5及び気流制御部40を備えていてもよい。送風装置5及び気流制御部40は、実施形態1の分離装置1を備えた空気浄化システム300(図3参照)と同様、住戸400の天井裏に配置される。空気浄化システム320に関し、空気浄化システム300と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
空気浄化システム320では、筒体45(図11参照)を、空気を住戸400内へ流すためのダクト310に接続してあるが、これに限らず、筒体45がダクト310を兼ねていてもよい。
空気浄化システム320では、空気浄化システム300のように室外機を住戸400の屋外に設置する必要がない。また、空気浄化システム320では、分離装置1Bにおける外郭100Bに固体排出口102(図1A参照)を設ける必要がないので、外郭100B内に外部から固体が入るのを抑制することが可能となる。空気浄化システム320では、例えば、人が分離装置1Bの容器120を外郭100Bから取り外して容器120内の固体を廃棄することができる。
実施形態1、実施形態1の第1変形例〜第4変形例及び実施形態2に記載した材料、数値等は、好ましい例を示しているだけであり、それに限定する主旨ではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成及び形状それぞれに適宜変更を加えることが可能である。
例えば、実施形態1の分離装置1、実施形態1の第1変形例〜第4変形例それぞれの分離装置、実施形態2の分離装置1Bにおいて、外周出口35は、枠体3に直接形成してもよい。
また、回転板9は、環状であればよく、円環状に限らず、例えば、歯車状でもよい。また、本明細書における「環状」とは、完全に閉じた形状に限らず、一部にスリットが形成された形状(例えば、C字状)も含む。
また、リブ11(図2A、2B及び2C参照)は、実施形態1の第1変形例1〜第4変形例それぞれの分離装置、実施形態2の分離装置1Bにおいて設けてもよい。
また、実施形態1の第3変形例の分離装置における案内羽根12(図8A及び8C参照)は、実施形態1の分離装置1、第1変形例の分離装置、第2変形例の分離装置及び第4変形例の分離装置、実施形態2の分離装置1Bそれぞれにおいて設けてもよい。
また、実施形態1の第4変形例の分離装置及び実施形態2の分離装置1Bでは、実施形態1の第1変形例の分離装置と同様に、ロータ2を円錐台状に形成し、枠体3をロータ2の第1端21から第2端22に向かう方向において内径が漸増する円筒状に形成してもよい。
1 分離装置
2 ロータ
20 回転中心軸
21 第1端
22 第2端
25 中心側開口
3 枠体
33 内周面
35 外周側開口
4 空間
5 送風装置
6 仕切板
61 第1端面
62 第2端面
7 駆動装置
8 流路
9 回転板
10 気流制御部
11 リブ
12 案内羽根
2 ロータ
20 回転中心軸
21 第1端
22 第2端
25 中心側開口
3 枠体
33 内周面
35 外周側開口
4 空間
5 送風装置
6 仕切板
61 第1端面
62 第2端面
7 駆動装置
8 流路
9 回転板
10 気流制御部
11 リブ
12 案内羽根
Claims (9)
- ロータと、前記ロータを囲んで前記ロータと同軸的に配置された円筒状の枠体と、前記ロータと前記枠体との間の空間に配置されて前記空間を区分する複数の仕切板と、各々が前記複数の仕切板のうち隣り合う2つの仕切板と前記ロータと前記枠体とで規定される複数の流路と、前記複数の仕切板に連結された環状の回転板と、前記ロータを回転させる駆動装置と、を備え、
前記複数の仕切板の各々は、前記ロータに連結されており、
前記複数の流路の各々は、前記ロータの回転中心軸に沿った方向において前記ロータの第1端側が上流側であり、かつ、前記ロータの第2端側が下流側であり、
前記複数の仕切板の各々は、前記回転中心軸に沿った方向において前記上流側の第1端面と、前記下流側の第2端面と、を有し、
前記回転板は、前記複数の仕切板それぞれの前記第2端面側において前記複数の仕切板に連結されており、
前記複数の流路それぞれの前記下流側において前記複数の仕切板よりも前記回転中心軸側にあり前記複数の流路のうち少なくとも1つの流路に連通し前記回転中心軸に直交する方向に開放されている少なくとも1つの中心出口と、前記複数の流路それぞれの前記下流側において前記回転中心軸に直交する方向で前記複数の仕切板よりも外側にあり前記複数の流路のうち少なくとも1つの流路に連通し前記回転中心軸に直交する方向に開放されている外周出口と、を備え、
前記回転板は、前記複数の流路それぞれの前記下流側において前記複数の仕切板及び前記空間を覆う大きさである、
ことを特徴とする分離装置。 - 前記複数の仕切板の各々と前記枠体の内周面との間に隙間がある、
ことを特徴とする請求項1記載の分離装置。 - 前記回転板から前記回転板の厚さ方向の一方向に突出し前記複数の仕切板のうち隣り合う2つの仕切板の間に位置するリブを備える、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の分離装置。 - 前記ロータに前記中心出口が複数形成されており、前記ロータの回転方向における前記複数の仕切板それぞれの後側で前記ロータに前記中心出口が形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の分離装置。 - 前記ロータは、前記回転板側の端面が開放されており、
前記ロータの内周面における前記中心出口の外周部において前記ロータの回転方向の後端から突出し前記回転方向の後側へ傾いた案内羽根を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の分離装置。 - 前記ロータは、前記ロータの前記第1端から前記第2端に向かう方向において直径が漸増する円錐台状に形成され、
前記枠体は、前記ロータの前記第1端から前記第2端に向かう方向において内径が漸増する円筒状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の分離装置。 - 前記複数の仕切板の各々は、前記ロータの前記回転中心軸のまわりで螺旋状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の分離装置。 - 前記複数の仕切板の各々は、螺旋階段状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の分離装置。 - 前記空間に気体を流す送風装置と、前記複数の流路のうち少なくとも1つの流路の前記下流側における気体の流れ方向を前記中心出口に向かう方向に制御する気流制御部と、を備える
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の分離装置。
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