JPWO2016143238A1 - カバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システムおよび基地局制御プログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体 - Google Patents

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Abstract

自セルと少なくとも一部のカバレッジが重なる他のセルが存在する場合に、自セルの負荷が所定の閾値(Lth1)よりも大きいことを検出するステップS101と、カバレッジ制御実施の対象となる通信負荷に関する負荷条件に基づいて、自セルに収容されている移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを他のセルの中から選択するステップS103と、選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、自セルに収容している移動局の中から、継続して自セルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択するステップS106と、選択した前記収容継続移動局を対象にして、自セルのカバレッジを制御するステップS107と、少なくとも有する。これにより、移動局の無線品質を確保しつつ、セル間のトラフィック負荷の偏りを是正し、トラフィック負荷の集中により低下していたユーザスループットを改善するカバレッジ制御方法を提供する。

Description

本発明はカバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システムおよび基地局制御プログラムに関し、特に、基地局装置が送信するビームのカバーエリアを調整するカバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システム、および基地局制御プログラムに関する。すなわち、カバレッジの一部に重なりがある隣接する収容候補セルの無線品質に基づいて選択した収容継続移動局(継続して現在のセルに収容する移動局)向けに実施するカバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システム、および基地局制御プログラムに関する。
近年、スマートフォンやタブレット端末の普及や、動画等の大容量のデータの送受信により、モバイル通信のデータトラヒックが著しく増加している。トラヒック増大への対策の一つとして、高送信電力で広い範囲をカバーする基地局(以下「マクロ基地局」と称する)に加えて、低送信電力で狭い範囲をカバーする小型基地局(以下「スモールセル基地局」と称する)を局所的に多数設置することによって、通信容量を効果的に増大させる基地局設置方式が有力視されている。ここで、スモールセル基地局には、一般的に、ユーザが密集するホットスポットへの設置を想定したピコ基地局や、無線品質が劣悪な場合が多い屋内への設置を想定したフェムトセル基地局等がある。なお、基地局との通信が可能なエリアはセルと呼ばれる。
ところが、特に都市部においては、基地局を設置する場所の確保が難しくなってきている。また、ユーザが密集する場所自体も日時によって変動する。かくのごとき状況下において、スモールセル基地局を多数設置してスモールセルを高密度化すると、スモールセル間で、収容するユーザ数や負荷に著しい偏りが生じる可能性がある。その結果、負荷が集中するスモールセルにおいてはユーザスループットが低下してしまい、ユーザの体感品質を損なう恐れがある。
そこで、スモールセル間の負荷の偏りを是正するために、一般的には、スモールセル基地局の送信電力やアンテナの垂直方向の指向性(チルト角)などを調整することによって、スモールセルのエリアサイズに相当するカバレッジを制御するという手法が採用されている。例えば、特許文献1の国際公開第2000/072618号公報「セルラー移動無線システムにおけるセル負荷分担方法」に開示された手法によれば、各セルにおいては、自身(自セル)のトラフィック負荷を測定し、測定結果が高負荷であった場合には、トラフィック負荷の低い周辺セルのうち、自セルとの重なりが大きいセルを選択する。そして、選択した周辺セルと自セルとに対して、カバレッジの基準となる信号強度のオフセットパラメータを調整することによって、選択した周辺セルの実効的なカバレッジを自セル方向へ拡大させるとともに、それに対応する方向への自セルの実効的なカバレッジを縮小させる。
一方、測定結果が低負荷であった場合には、逆に、周辺セルの実効的なカバレッジを縮小させるとともに、それに対応する方向へ自セルの実効的なカバレッジを拡大させる。以上のような制御を行うことにより、接続している移動局の一部を互いのセル間でハンドオーバさせ、トラフィック負荷を均衡化する。
また、特定の移動局を対象にカバレッジ制御することも可能である。例えば、特許文献2の特開2002−94448号公報「指向性アンテナの制御方法および装置」に開示された手法によれば、エリアを複数のブロックに分割し、GPS(Global Positioning System)位置情報などに基づいて算出された基地局・移動局間の相対位置から、同一のブロックに属し、互いに近傍に位置する移動局同士を1つのグループと見做し、1つのビームで1つのグループを捕捉するように、アダプティブアレイアンテナから放たれるビームの向きと幅(放射角)とをグループ単位で制御する。かくのごとき制御を行って、移動局が位置するエリアに基づいてビームを分け合うことにより、トラフィック負荷を均衡化する。
国際公開第2000/072618号(第15−17頁) 特開2002−94448号公報(第4−6頁)
前記特許文献1や前記特許文献2のような従来技術においては、基地局のセル範囲すなわちカバレッジを制御するための技術として、移動局の無線品質を確保しながら、特定のセル間のトラフィック負荷の偏りを是正するということが困難である。そのため、トラフィック負荷の集中により低下していたユーザスループットを十分に改善することができないという問題がある。
すなわち、例えば前記特許文献1に記載の技術は、各基地局からの受信電力が変わらないため、或る基地局から別の基地局へとハンドオーバした移動局は、ハンドオーバ先の基地局からの希望信号に比べ、ハンドオーバ元の基地局から大きな干渉信号を受け取ることになり、無線品質が劣化する。そのため、当該移動局は、トラフィック負荷が低い基地局に接続したとしても、スループットの改善効果は限定的となる。
また、前記特許文献2においては、負荷を考慮しない固定的なブロックによってエリアを区切ることにしているため、移動局の属するブロック間で負荷の偏りがある場合、移動局収容替え後のビーム間でも依然として負荷の偏りが生じる。また、位置情報のみを用いてビームを形成すると、電波伝搬環境によっては、各ビームがエリア設定通りに移動局を収容することができない場合が生じる。その結果として、移動局の無線品質を確保することができない可能性がある。
(本発明の目的)
本発明は、前述した知見に基づいてなされたものであって、本発明の目的とするところは、移動局の無線品質を確保しながら、特定のセル間のトラフィック負荷の偏りを是正し、トラフィック負荷の集中により低下していたユーザスループットを改善することを可能にするカバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システムおよび基地局制御プログラムを提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明によるカバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システムおよび基地局制御プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明によるカバレッジ制御方法は、
第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおけるカバレッジ制御方法であって、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出ステップと、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択ステップと、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択ステップと、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御ステップと
を前記第1のセル側に有していることを特徴とする。
(2)本発明による基地局装置は、
第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記第1のセルを形成する基地局装置内に、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
を有していることを特徴とする。
(3)本発明による無線通信システムは、
第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムであって、
前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
を有していることを特徴とする。
(4)本発明による基地局制御プログラムは、
第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおいて、前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に備えられたコンピュータにより実行されることによって前記基地局装置の動作を制御する基地局制御プログラムであって、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出処理と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択処理と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択処理と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御処理と
を有していることを特徴とする。
本発明のカバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システムおよび基地局制御プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、本発明においては、移動局の無線品質を確保しながら、特定のセル間のトラフィック負荷の偏りを是正し、トラフィック負荷の集中により低下していたユーザスループットを改善することを可能にしている。その理由は、移動局における収容候補セルの無線品質に基づいて、セル間のトラフィック負荷の偏りを是正するように、移動局を選択して、選択した移動局を対象にカバレッジを制御する仕組みを採用しているためである。
本発明の第1の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局を含む無線通信システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおけるスモールセル基地局および移動局の内部構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るカバレッジ制御方法を実現するためのスモールセル基地局における動作手順の一例を示すフローチャートである。 図1の無線通信システムにおいて図3に示したようなカバレッジ制御方法をスモールセル基地局に適用した場合の自セルのカバレッジの変化の様子の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るカバレッジ制御方法を実現するためのスモールセル基地局における動作手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムにおけるスモールセル基地局、移動局の内部構成および集中制御装置の設置の一例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るカバレッジ制御方法を実現するためのスモールセル基地局における動作手順の一例を示すフローチャートである。 図7に示すスモールセル基地局のカバレッジ制御動作と連携してカバレッジ制御を行うオフロード先のスモールセル基地局における動作手順の一例を示すフローチャートである。 図1の無線通信システムにおいて図7、図8に示したような連携したカバレッジ制御方法を二つのスモールセル基地局に適用した場合のそれぞれのセルのカバレッジの変化の様子の一例を示す説明図である。
以下、本発明によるカバレッジ制御方法、基地局装置、無線通信システムおよび基地局制御プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明によるカバレッジ制御方法、基地局装置、および無線通信システムについて説明するが、かかるカバレッジ制御方法を基地局装置内のコンピュータにより実行可能な基地局制御プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、基地局制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。また、以下の各図面において、同一要素には同一の図面参照符号が付されており、説明の明確化のために必要な場合を除いて、同一要素に関する重複した説明を省略している。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、少なくとも二つ以上のセルがカバレッジの一部に互いに重なりがある状態で存在する無線通信環境下において高負荷状態にあるセルに収容されている移動局に対するカバレッジを制御するものであって、高負荷のセルにおいて、負荷のオフロード先となる隣接の低負荷のセルを選択し、選択した該セルに対する無線品質に基づいて、高負荷の前記セルからオフロードさせる移動局を選択して、選択した該移動局以外の移動局を対象にして高負荷の前記セルのカバレッジを制御することを可能にすることを主要な特徴としており、さらに具体的には、主に、次のような4つの態様からなっている。
本発明の第1の態様は、カバレッジ制御方法である。本発明に係るカバレッジ制御方法は、
第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおけるカバレッジ制御方法であって、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出ステップと、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択ステップと、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択ステップと、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御ステップと
を前記第1のセル側に有していることを主要な特徴としている。
本発明の第2の態様は、基地局装置である。本発明に係る基地局装置は、
第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記第1のセルを形成する基地局装置内に、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
を有していることを主要な特徴としている。
本発明の第3の態様は、無線通信システムである。本発明に係る無線通信システムは、
第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムであって、
前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
を有していることを主要な特徴としている。
本発明の第4の態様は、基地局制御プログラムである。本発明に係る基地局制御プログラムは、
第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおいて、前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に備えられたコンピュータにより実行されることによって前記基地局装置の動作を制御する基地局制御プログラムであって、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出処理と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択処理と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択処理と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御処理と
を有していることを主要な特徴としている。
<本発明の第1の実施の形態>
次に、本発明を適用したカバレッジ制御方法の第1の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本第1の実施の形態に係る無線通信システムにおけるカバレッジ制御方法においては、少なくとも二つ以上のセルが存在する無線通信環境下において高負荷状態にあるセルに収容されている移動局に対するカバレッジを制御する場合を説明するものであって、高負荷のセルにおいて、負荷のオフロード先となる隣接の低負荷のセルを選択し、選択した該セルに対する無線品質に基づいて、高負荷の前記セルからオフロードさせる移動局を選択して、選択した該移動局以外の移動局を対象にして高負荷の前記セルのカバレッジを制御する場合について説明している。
(第1の実施の形態の構成例の説明)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局を含む無線通信システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。本第1の実施の形態の以下の説明においては、無線通信システムにLTE(Long Term Evolution)方式を適用し、上り回線と下り回線とで、同一周波数を使用して、時間軸上において双方の通信タイミングを分けるというTDD(Time Division Duplex)方式を適用した場合について説明するが、本発明がかかる場合のみに限るものではないことは言うまでもない。
本第1の実施の形態に係る無線通信システムは、図1に示すように、複数の送受信アンテナ素子を備え、1周波数のスモールセルを形成するスモールセル基地局1と、スモールセル基地局1と通信する移動局2と、をそれぞれ少なくとも一つ以上備えて構成されている。ここで、図1に示すシステム構成例においては、一例として、スモールセル基地局1として、スモールセル基地局1−1、スモールセル基地局1−2、スモールセル基地局1−3の三つからなり、スモールセル基地局1−1には、移動局2−1a、移動局2−1b、移動局2−1c、移動局2−1d、移動局2−1e、移動局2−1f、移動局2−1g、移動局2−1h、の8台の移動局2が接続されて、高負荷の状態にある場合を示している。また、該スモールセル基地局1−1に隣接する一方のスモールセル基地局1であるスモールセル基地局1−2には、移動局2−2a、移動局2−2bの2台が接続されて低負荷の状態にあり、かつ、隣接する他方のスモールセル基地局1であるスモールセル基地局1−3には、移動局2−3の1台が接続されて低負荷の状態にある場合を示している。
また、図1に示すように、スモールセル基地局1−1に接続されている移動局2−1a、移動局2−1b、移動局2−1cの3台の移動局2は、隣接のスモールセル基地局1−2のスモールセルのエリアと重複するエリア内に位置しており、また、スモールセル基地局1−1に接続されている移動局2−1hは、隣接のスモールセル基地局1−2のスモールセルのエリアと重複するエリア内に位置している。
なお、図1におけるスモールセル基地局1と移動局2との台数、移動局2の位置、スモールセル基地局1当たりのセルの数は一例を示すものであって、図1に限定されるものではないことは言うまでもない。また、各スモールセルは、マクロ基地局が形成する広大なマクロセル(図示していない)にオーバレイされているものとし、スモールセルのカバレッジの範囲外となるエリアについては、マクロセルによってカバーされているものと仮定する。また、スモールセルとマクロセルとのそれぞれにおいて使用する周波数は、互いに異なっていても良いし、同一であっても良いが、本第1の実施の形態においては、互いに異なっているものと仮定している。ただし、スモールセル同士については、同一の周波数を使用するものとしている。
次に、図1に示したスモールセル基地局1および移動局2の内部構成について図2を参照しながら詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおけるスモールセル基地局1および移動局2の内部構成の一例を示すブロック図である。なお、図1に示したスモールセル基地局1−1、スモールセル基地局1−2、スモールセル基地局1−3の3台は、いずれも、同一の内部構成であり、また、図1に示した移動局2−1a〜移動局2−1h、移動局2−2a、移動局2−2b、移動局2−3についても、いずれも、同一の内部構成であり、図2には、それぞれ、スモールセル基地局1、移動局2として、それぞれの内部構成の一例を示している。以下、各装置の内部構成について順に説明する。
まず、スモールセル基地局1の内部構成について説明する。スモールセル基地局1は、図2に示すように、基地局無線送受信部10、送受信バッファ部11、負荷測定部12、オフロード制御部13および無線パラメータ制御部14、を少なくとも含んで構成されている。
基地局無線送受信部10は、移動局2および他のスモールセル基地局1との間の無線通信を行うための、自スモールセル基地局1における無線送受信の基本機能を備えている。該基本機能としては、次のような機能がある。
(1)下り回線の参照信号を含む制御信号やデータ信号の移動局2への送信機能、
(2)上り回線の参照信号を含む制御信号やデータ信号の移動局2からの受信機能、
(3)下り回線のデータ送信の宛先となる移動局2を選択し、選択した該移動局2に周波数リソース(PRB:Physical Resource Block)やMCS(Modulation and Coding Schemes)などを割り当てるスケジューラ機能、
(4) 複数の送受信アンテナ素子による信号処理機能、
(5)移動局2毎に各セルの無線品質の報告条件を設定する報告条件設定機能、
(6)スモールセル基地局1同士の間で負荷情報の交換を行う負荷情報交換機能。
ここで、(4)の信号処理機能についてさらに補足接続すると、次の通りである。スモールセル基地局1は、複数の送受信アンテナ素子を備え、複数の送受信アンテナ素子は、例えば、電波の半波長の間隔でリニアアレイ状に配置されているものとする。而して、基地局無線送受信部10における信号処理機能として、送信ビームのビームフォーミングや受信ビームの到来角推定、下り回線の伝搬路情報(例えば、送受信アンテナ間の各組み合わせにおける位相・振幅の応答からなる伝搬路行列)の測定が可能となる。なお、受信ビームの到来角の推定には、相関行列の固有値・固有ベクトルを用いるMUSIC(Multiple Signal Classification)法など、本分野の一般的な技術を適用すれば良い。
また、(5)の報告条件設定機能について補足すると、次の通りである。該報告条件としては、あらかじめ定めた所定の周期で報告する周期報告(Periodic Reporting)と、無線品質の測定値があらかじめ定めた所定値以上の時に報告するイベントトリガ報告(Event Trigger Reporting)のいずれかを選択して設定する。設定した該報告条件は、制御信号をやり取りするためのRRC(Radio Resource Control)コネクションの構成を変更するRRC connection reconfigurationメッセージにより各移動局2に通知する。
また、(6)の負荷情報交換機能について補足すると、次の通りである。各スモールセル基地局1は、他のスモールセル基地局1と有線回線または無線回線を介して互いに接続されているものとし、基地局無線送受信部10は、最小周期として例えば数秒程度の周期を用いて、それぞれ、自スモールセル基地局1に関する情報(例えば、後述するような負荷に介する情報)を、該有線回線または無線回線を介して交換し合うことができる。
送受信バッファ部11は、無線ネットワークを介して移動局2宛てに送られるデータ(または、移動局2から無線ネットワーク宛てに送られるデータ)を一時的に蓄える。送受信バッファ部11を構成するバッファは、ユーザ毎およびQCI(QoS Class Identifier)毎に準備する。なお、該バッファは、物理的には、同一(ハードウェア的に一つを共有すること)のバッファであっても良い。ここで、QCIとは、無線ネットワークで提供されるサービス品質を示すQoS(Quality of Service)の識別指標を意味している。
負荷測定部12は、トラフィック負荷として、移動局2毎および自セル(自セル内の全移動局2の合計値)の送信バッファサイズを測定する。ここで、送信バッファサイズとは、移動局2とアプリケーションサーバとの間の通信(例えば、Web browsing、video streaming、VoIP(Voice over Internet Protocol)など)において、通信経路途中に介在するスモールセル基地局1に備えられた送受信バッファ部11に滞留する送信データ量のことである。また、負荷測定部12は、測定した自セルの負荷(すなわち、自セル内の全移動局2の送信バッファサイズの合計値)が、第1の負荷閾値としてあらかじめ定めたサイズ閾値よりも大きいか否かを調べ、高負荷になっていることを検出する負荷検出手段も提供している。
オフロード制御部13は、各移動局2が測定した他セルの無線品質(すなわち、各移動局2において測定されて接続中のスモールセル基地局1に対して報告されてくる他のスモールセル基地局1におけるセルの無線品質)と、負荷測定部12が測定した移動局2毎およびセル毎の送信バッファサイズとを用いて、自セルのカバーするエリアを制御する自セルのカバレッジ制御後において、自セルからの負荷のオフロードが期待される他セル(以下、「収容候補セル」と称する)と、該収容候補セルにオフロードさせる移動局(以下、「非収容移動局」と称する)とを選択する。なお、スモールセル基地局1のセル内に位置し、当該スモールセル基地局1に接続されている移動局(以下、「収容移動局」と称する)の全て、すなわち、スモールセル内の全ての移動局のうち、前記非収容移動局を除いた残りの移動局(以下、「収容継続移動局」と称する)については、オフロード制御部13は、自セルのカバレッジ制御後においても同じセルに継続して収容させる。
つまり、オフロード制御部13は、カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関してあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、自セルに収容されている移動局2をオフロードする候補となる収容候補セルを、少なくとも一部のカバレッジが自セルと重なっている他のセルの中から選択する収容候補セル選択手段を提供している。また、選択した前記収容候補セルにおける無線品質に基づいて、自セルに収容されている全ての前記収容移動局の中から、カバレッジ制御後においても継続して自セルにおけるカバレッジ制御の対象となる移動局2である前記収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段も提供している。さらに、選択した前記収容継続移動局以外の残りの移動局2を、選択した収容候補セルへオフロードする前記非収容移動局として選択する非収容移動局選択手段も提供している。
無線パラメータ制御部14は、カバレッジを調整するための無線パラメータを制御する。本第1の実施の形態においては、該無線パラメータとして、少なくとも、下り回線参照信号を含む送信ビームのビームフォーミングウェイトを用いるものとし、無線パラメータ制御部14は、少なくとも、下り参照信号を含む該送信ビームの指向性を制御するものとする。つまり、無線パラメータ制御部14は、少なくとも、下り回線参照信号を含む該送信ビームの指向性を制御して、前記収容継続移動局を対象にして、自セルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段を提供している。
次に、図2の移動局2の内部構成について説明する。移動局2は、移動局無線送受信部20および無線品質測定部21を少なくとも含んで構成される。
移動局無線送受信部20は、スモールセル基地局1との無線通信のための、移動局2における無線送受信の基本機能を備えている。基本機能として、上り回線の参照信号を含む制御信号やデータ信号のスモールセル基地局1への送信機能、下り回線の参照信号を含むスモールセル基地局1からの制御信号やデータ信号の受信機能等がある。
無線品質測定部21は、接続中のセル(自セル)と、接続中の自セル以外の周辺に存在する他セルと、のそれぞれの無線品質を測定する機能を備えている。本第1の実施の形態においては、該無線品質として、下り回線の参照信号の受信電力であるRSRP(Reference Signal Received Power)を用いることとする。例えば、図1において、スモールセル基地局1−1に接続されている移動局2−1a〜移動局2−1hのそれぞれは、自セルの無線品質として接続中のスモールセル基地局1−1からの受信電力RSRPを測定し、さらに、他セルの無線品質としてスモールセル基地局1−2とスモールセル基地局1−3との双方からの受信電力RSRPを測定する。
移動局2の無線品質測定部21において測定した各スモールセル基地局1からの受信電力RSRPに関する情報は、各無線セルの無線品質として、接続中のスモールセル基地局1からあらかじめ通知されている報告条件(周期報告(Periodic Reporting)またはイベントトリガ報告(Event Trigger Reporting)のいずれかの条件)に基づいて、移動局無線送受信部20を介して、接続中のスモールセル基地局1に報告される。
つまり、無線品質測定部21は、収容されている自セルと少なくとも一部のカバレッジが重なる他のセルの無線品質を測定して、測定した他のセルの無線品質に関する情報を、自セルにおいてあらかじめ指定されている報告条件に基づいて、自セルを形成する接続中のスモールセル基地局1に対して報告する。該報告条件としては、測定した他のセルの無線品質に関する情報をあらかじめ定めた周期で定期的に報告する(周期報告(Periodic Reporting))か、または、あらかじめ設定されている品質閾値よりも大きい値となる他のセルの無線品質を検出した際に、検出した該他のセルの無線品質に関する情報を該他のセルを特定する識別情報とともに報告するイベントトリガ報告(Event Trigger Reporting)か、のいずれかである。
接続中の移動局2から無線セルの無線品質に関する情報を受け取ったスモールセル基地局1においては、受け取った各無線セルの無線品質に関する情報を、基地局無線送受信部10を介してオフロード制御部13に届ける。オフロード制御部13は、前述したように、各無線セルの無線品質に関する情報に基づいて、移動局2において測定された他のスモールセル基地局におけるセルの無線品質すなわち他セルの無線品質を把握することができる。
(第1の実施の形態の動作の説明)
次に、本第1の実施の形態として図1、図2に例示したスモールセル基地局1の動作について詳細に説明する。まず、図1、図2に例示したスモールセル基地局1のカバレッジ制御動作について、その一例を図3のフローチャートを参照しながら説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係るカバレッジ制御方法を実現するためにスモールセル基地局において実施される動作手順の一例を示すフローチャートであり、各スモールセル基地局1においてあらかじめ定めた時間間隔で周期的に実施される。
図3のフローチャートが起動されると、自スモールセル基地局1のセルすなわち自セル(「第1のセル」)が高負荷であるか否かを判定するために、負荷測定部12において、自セルの負荷として送信バッファサイズ(自スモールセル基地局1と接続中の状態にある自セル内の全ての移動局2に割り当てている送信バッファサイズの合計値)を測定し、測定した該送信バッファサイズとあらかじめ定めた所定のサイズ閾値Lth1(「第1の負荷閾値」)とを比較する(ステップS101)。測定した自セルの負荷すなわち送信バッファサイズがサイズ閾値Lth1より大きい場合(ステップS101のYES)、自セルは高負荷であるものと判定して、ステップS102以降の処理に移行する。つまり、ステップS101は、自セル(「第1のセル」)の負荷が高負荷検出用としてあらかじめ定めた第1の負荷閾値であるサイズ閾値Lth1よりも大きいことを検出する負荷検出ステップである。
一方、該自セルの負荷すなわち送信バッファサイズがサイズ閾値Lth1以下であった場合には(ステップS101のNO)は、自セルは低負荷であり、カバレッジ制御を行う必要がないものと見做して、図3のフローチャートを終了する。なお、図1に示したシステム構成の例においては、3台のスモールセル基地局1−1〜スモールセル基地局1−3のうち、スモールセル基地局1−1の場合は、ステップS101において高負荷と判定され、スモールセル基地局1−2およびスモールセル基地局1−3の場合は、ステップS101において低負荷と判定されるものと仮定している。
ステップS102に移行すると、高負荷になっている自セルの負荷をオフロードさせる準備として、まず、オフロード制御部13において、隣接して少なくとも一部のカバレッジが重なっている1ないし複数の他のセル(「第2のセル」)の中から、オフロード先の候補となる収容候補セルのリストを作成する(ステップS102)。すなわち、接続中のスモールセル基地局1からあらかじめ通知されている報告条件として、例えば、イベントトリガ報告(Event Trigger Reporting)である旨が通知されていた場合には、当該スモールセル基地局1に接続されている各移動局2は、次のように動作する。
各移動局2は、まず、自セルおよび他セルの無線品質を測定するために、接続中のスモールセル基地局1からの受信電力RSRPを自セル(「第1のセル」)における受信電力RSRPとして測定するとともに、接続中ではない他のスモールセル基地局1それぞれからの受信電力RSRPを各他セル(「第2のセル」)における受信電力RSRPとして測定する。しかる後、測定した各他セルにおける受信電力RSRPのうち、あらかじめ定めた受信電力閾値Rth1(「第1の品質閾値」)よりも大きくなるという条件を満たす他セルの受信電力RSRPが存在しているか否かを判定する。受信電力閾値Rth1よりも大きくなる他セルの受信電力RSRPが存在していた場合には、該条件を満たす受信電力RSRPと当該他セルを形成している他のスモールセル基地局1を特定するID(Identifier)とに関する情報を、自セルにおける受信電力RSRPとともに、接続中のスモールセル基地局1に対して報告する。ここで、受信電力閾値Rth1は、各スモールセル基地局1にあらかじめ設定されているものであり、移動局2が接続された際に、接続された移動局2に対してスモールセル基地局1からあらかじめ通知されている。
自セルを形成するスモールセル基地局1は、接続中の各移動局2のいずれかの移動局2から、受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きくなる他のスモールセル基地局1を特定するID(Identifier)に関する情報を受け取ると、カバレッジ制御時に備えて、自スモールセル基地局1に接続されている移動局2のオフロード対象(接続替え対象)の候補となる他スモールセル基地局1すなわち他セルに関する情報を、当該移動局2の収容候補のセルとして設定登録することにより、収容候補セルリスト(受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きくなる他のスモールセル基地局1すなわち他セルに関する情報を設定登録するリスト)を作成する。該収容候補セルリストには、該移動局2の収容候補となる他のセルに関する情報を、当該報告を送信してきた当該移動局2を特定する移動局IDと紐付けして設定登録するとともに、収容候補セル毎に、設定登録された各移動局2の送信バッファサイズの合計値に関する情報も記録しておく。
収容候補セルリストの作成が完了すると、ステップS103に移行して、オフロード制御部13において、前記収容候補セルリストに設定登録されている各収容候補セル(各他セル)のうち、自セルの負荷のオフロード先として期待される収容候補セルを選択する(ステップS103)。ここで、オフロード先として期待される収容候補セルを選択する方法としては、例えば、前記収容候補セルリストに収容候補セル毎に記録されている各移動局2(すなわち、収容候補セルの受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きいとの条件を満たす各移動局2)の送信バッファサイズの合計値に関する情報を参照して、各移動局2の送信バッファサイズの合計値(言い換えると、収容候補セルの無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす各移動局2の負荷)が最大となる収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして選択する。
ただし、後述するステップS105において他の収容候補セルの選択が可能であると判定されて、ステップS103の処理に戻ってくる場合には、オフロード先の収容候補セルとして一度選択した収容候補セルを除いた残りの収容候補セルの中から、各移動局2の送信バッファサイズの合計値が次に最大となる収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして選択する。なお、かくのごとき各移動局2の送信バッファサイズの合計値が最大となる収容候補セルという場合に限らず、例えば、各移動局2の送信バッファサイズの合計値があらかじめ定めた所定値(「第2の負荷閾値」)以上になっている収容候補セルの中からいずれかを選択するようにしても良い。
自セルの負荷のオフロード先として期待される収容候補セルを選択すると、次に、オフロード制御部13においては、ステップS103において選択された収容候補セルに対して自セルの負荷をオフロードさせることによって、自セルと選択した該収容候補セルとの負荷が、オフロード実施前よりも均衡化するか否かを判定する(ステップS104)。
ここで、負荷の均衡化の判定条件としては、例えば、オフロード実施前の自セルの負荷L1(ステップS101において測定した自セルにおける負荷)、オフロード実施前の収容候補セルの負荷L2(収容候補セルとなる他のスモールセル基地局1から取得した負荷に関する情報)、オフロード実施後の自セルの予測負荷L1’(オフロード実施前の自セルの前記負荷L1から各移動局2の送信バッファサイズの前記合計値を減算した値)、オフロード実施後の収容候補セルの予測負荷L2’(オフロード実施前の収容候補セルの負荷L2に各移動局2の送信バッファサイズの前記合計値を加算した値)とした場合、次の式(1)を満たす条件を用いるようにしても良い。
L1−L2 > |L1’−L2’| …(1)
つまり、オフロード実施後の自セルと収容候補セルとの予測負荷の差分(|L1’−L2’|)が、オフロード実施前の両者の差分(L1−L2)よりも少なくなっていると予測される場合には、オフロードによって、両者の負荷の均衡化が図られるものと見做す。
自セルと選択した収容候補セルとの負荷が、オフロード実施前よりも均衡化が図られないと予測される場合(例えば式(1)の条件を満たさない場合)には(ステップS104のNO)、ステップS105の処理に移行して、収容候補セルが他に存在していないか否かを確認する。つまり、オフロード制御部13において、前記収容候補セルリストを検索して、該収容候補セルリストの中に、ステップS103において選択されたセル以外の他の収容候補セルが存在するか否かを判定する(ステップS105)。
前記収容候補セルリストに、ステップS103において選択されたセル以外の他の収容候補セルが存在していて、他の収容候補セルの選択がさらに可能であると判定された場合には(ステップS105のYES)、ステップS103の処理に戻って、各移動局2の送信バッファサイズの合計値が次に最大となる収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして選択する処理を行う。また、ステップS103において選択されたセル以外の他の収容候補セルが存在しない場合には(ステップS105のNO)、自セルは高負荷ではあるが、自セルの負荷のオフロードが可能な他のセルが存在していないため、図3のフローチャートを終了する。
一方、ステップS104において、自セルと選択した収容候補セルとの負荷が、オフロード実施前よりも均衡化が図られると予測される場合(例えば式(1)の条件を満たす場合)には(ステップS104のYES)、当該収容候補セルをオフロード先のセルとして決定して、ステップS106の処理に移行する。ステップS106においては、自セルからオフロード先のセルへの負荷のオフロードを実現するために、オフロード制御部13において、ステップS104において収容候補セルとして決定した他のセルへ収容替え(オフロード)させる非収容移動局(つまり、自スモールセル基地局1との接続を解放して、自セルへの収容から収容候補セルとして決定した他のセルへの収容に収容替えを行う移動局2)を選択する(ステップS106)。
つまり、ステップS102〜ステップS104は、カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関してあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、自セル(「第1のセル」)に収容されている移動局2をオフロードする候補となる収容候補セルを他セル(「第2のセル」)の中から選択し、オフロード先の収容候補セルを決定するための収容候補セル選択ステップとして機能する。
ここで、カバレッジ対象通信負荷として、収容候補セルの受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きいとの条件を満たす各移動局2の送信バッファサイズの合計値(すなわち、収容候補セルの無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす各移動局2の負荷の合計値)を用いている場合を示している。また、前記負荷条件として、前記カバレッジ対象通信負荷すなわち前記合計値が最大の値(または、あらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値)であり、かつ、式(1)の条件が成立して、オフロード実施後の自セルと収容候補セルとの予測負荷の差分(|L1’−L2’|)が、オフロード実施前の両者の差分(L1−L2)よりも少なくなっている場合、すなわち、オフロードを実施した後に、自セル(「第1のセル」)の負荷と収容候補セルの負荷との差がオフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件を用いて、該負荷条件を満たす他セル(「第2のセル」)を収容候補セルとして選択して決定する場合を示している。
また、非収容移動局の選択方法としては、ステップS102において前記収容候補セルリストを作成した際に、収容候補セル毎に紐付けして記録されている移動局ID(移動局2を特定する情報)が示す移動局2を選択するようにすれば良い。選択された該移動局2は、オフロード先のセルの候補として決定した収容候補セルにおける受信電力RSRPがあらかじめ定めた受信電力閾値Rth1よりも大きい移動局2であるので、選択された該移動局2は、当該収容候補セルにおいても、所望の無線品質(希望波信号の受信電力)を確保することができる。しかる後、自セル内の全移動局2のうち、オフロード先のセルとして決定した収容候補セルへの収容替えを行う前記非収容移動局を除いた残りの移動局2を、自セルに引き続き収容する収容継続移動局として選択する。
なお、かかる収容継続移動局の選択は、収容候補セルにおける受信電力RSRPが前記受信電力閾値Rth1以下となる移動局(すなわち、ステップS102においてオフロード先のセルの候補として決定した収容候補セルにおける受信電力RSRPに関する情報を報告していない移動局2)を選択することと等価である。
つまり、ステップS106は、選択した収容候補セルにおける無線品質に基づいて、自セルに収容されている全ての収容移動局の中から、カバレッジ制御後においても継続して自セルにおけるカバレッジ制御の対象となる移動局2である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択ステップとして機能するとともに、選択した収容継続移動局以外の残りの移動局2を、選択した収容候補セルへオフロードする非収容移動局として選択する非収容移動局選択ステップとしても機能している。なお、収容継続移動局選択ステップについて、ステップS106の説明においては、自セル内の全移動局2のうち、オフロード先のセルとして決定した収容候補セルへの収容替えを行う非収容移動局を除いた残りの移動局2を収容継続移動局としている場合を説明したが、逆に言うと、前述したように、非収容移動局ではないとの条件、すなわち、自セル内の全移動局2のうち、収容候補セルの受信電力RSRPが電力閾値Rth1以下という条件(収容候補セルの無線品質が第1の品質閾値以下であるという条件)を満たす移動局2を収容継続移動局として選択するという場合と等価である。
しかる後、選択した非収容移動局のオフロードを実行するために、無線パラメータ制御部14において、選択した非収容移動局をも含む、オフロード実施前に自セルに収容された移動局2全体に対する送信ビームの指向性を変更して、オフロード実施後においても自セルに継続して収容する収容継続移動局に向けて、送信ビームの指向性を制御する(ステップS107)。つまり、ステップS107は、少なくとも、下り回線参照信号を含む該送信ビームの指向性を制御して、収容継続移動局を対象にして、自セルのカバレッジを制御するカバレッジ制御ステップである。なお、該送信ビームの指向性の制御には、収容継続移動局からの上り回線参照信号の到来角を用いて、ビームの形状(幅やゲイン)を変えずに、指向性のみを制御するステアリングベクトル法を適用すれば良い。また、該送信ビームの指向性の方向としては、例えば、各収容継続移動局の到来角の平均値を用いても良いし、各収容継続移動局の到来角の最大角と最小角との中央値を用いても良い。
次に、図1の無線通信システムのスモールセル基地局1−1(高負荷のスモールセル基地局)において、図3に示したようなカバレッジ制御方法による動作を実施した場合の自セルのカバレッジの変化の様子について、図4を用いて具体的に説明する。図4は、図1の無線通信システムにおいて図3に示したようなカバレッジ制御方法をスモールセル基地局1−1に適用した場合の自セルのカバレッジの変化の様子の一例を示す説明図である。なお、図4に示した説明図においては、説明を簡単化するために、各移動局2の負荷は等しいものと仮定し、高負荷セルか否かを判別するためのサイズ閾値Lth1は、5台の移動局2相当の送信バッファサイズであるものと仮定している。図4の説明図においては、3台のスモールセル基地局1−1、スモールセル基地局1−2、スモールセル基地局1−3のうち、8台の移動局2を接続しているスモールセル基地局1−1のみが、図3に示したステップS101の条件(自セルの負荷がサイズ閾値Lth1よりも大きい高負荷のスモールセル基地局1であるという条件)を満たす場合を示している。
また、図4に示した説明図においては、スモールセル基地局1−1に接続中の8台の移動局2−1a〜移動局2−1hのうち、3台の移動局2−1a〜移動局2−1cについては、スモールセル基地局1−1からの受信電力RSRPのみならず、隣接する他のスモールセル基地局1−2からの受信電力RSRPについても、あらかじめ定めた受信電力閾値Rth1よりも大きく、また、4台の移動局2−1d〜移動局2−1gについては、スモールセル基地局1−1からの受信電力RSRPは受信電力閾値Rth1よりも大きいものの、隣接するスモールセル基地局1−2、スモールセル基地局1−3からの受信電力RSRPはいずれも受信電力閾値Rth1以下に小さく、また、1台の移動局2−1hについては、スモールセル基地局1−1からの受信電力RSRPのみならず、隣接する他のスモールセル基地局1−3からの受信電力RSRPについても受信電力閾値Rth1よりも大きい場合を示している。
図3のステップS102に示したように、高負荷のスモールセル基地局1−1は、オフロード先の他のセルの設定登録を行う収容候補セルリストには、収容候補セルとして低負荷のスモールセル基地局1−2およびスモールセル基地局1−3に関する情報が設定登録される。さらに、収容候補セルリストには、スモールセル基地局1−2に紐付けされる移動局2として、スモールセル基地局1−2からの受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きい移動局2−1a〜移動局2−1cの3台の移動局2が設定登録され、また、スモールセル基地局1−3に紐付けされる移動局2として、スモールセル基地局1−3からの受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きい移動局2−1hの1台の移動局2が紐付けされて設定登録される。つまり、各収容候補セルそれぞれに紐付けされた移動局2の負荷の合計値については、スモールセル基地局1−2のセルの方がスモールセル基地局1−3のセルよりも大きい。
したがって、図4に示す説明図においては、スモールセル基地局1−1におけるカバレッジ制御時における図3のステップS102において収容候補セルリストに設定登録されたスモールセル基地局1−2とスモールセル基地局1−3とのうち、オフロード先の収容候補セルとして、より多くの移動局2−1をオフロードすることができるスモールセル基地局1−2を図3のステップS103において選択する(つまり、前述のように、スモールセル基地局1−3へは1台の移動局2−1hのみをオフロードすることができるのに対して、スモールセル基地局1−2へは3台の移動局2−1a〜移動局2−1cをオフロードすることができる)。
しかる後、図3のステップS104において、オフロードの実施後においては、スモールセル基地局1−1の自セルとオフロード先の収容候補セルとして選択したスモールセル基地局1−2との負荷が、オフロード実施前よりも均衡化が図られると予測されるので、スモールセル基地局1−2をオフロード先として決定する。つまり、図4の説明図においては、選択された3台の移動局2−1a〜移動局2−1cの負荷(=3×1移動局当たりの負荷と仮定)を全てオフロードすることができたと仮定した場合、オフロード実施後のスモールセル基地局1−1とスモールセル基地局1−2との負荷の差分(|L1’−L2’|)は、オフロード実施前の両者の差分(L1−L2=(8−2)×1移動局当たりの負荷=6×1移動局当たりの負荷)から変化して、‘0’(|L1’−L2’|=|(5−5)×1移動局当たりの負荷|=0)となり、前述した式(1)のL1−L2 > |L1’−L2’|の条件を満たすので、スモールセル基地局1−2をオフロード先として決定する。
スモールセル基地局1−2へのオフロードを行うことに決定すると、図3のステップS106の動作が実行され、図4の説明図において点線の四角で囲んだ3台の移動局2−1a〜移動局2−1cがスモールセル基地局1−2のセルへの収容替えを行う非収容移動局2−1Aとして選択され、一点鎖線の四角で囲んだ残りの5台の移動局2−1d〜移動局2−1hは、スモールセル基地局1−1のセルに引き続き収容する収容継続移動局2−1Bとして選択される。
しかる後、図3のステップS107において、スモールセル基地局1−1は、カバレッジ制御を実施し、3台の移動局2−1a〜移動局2−1cからなる非収容移動局2−1Aをスモールセル基地局1−2に対して無線品質を劣化させずに安定的にオフロードさせるために、非収容移動局2−1Aをも含んでいた無線電波の送信ビームの指向性を変更して、残りの5台の移動局2−1d〜移動局2−1hからなる収容継続移動局2−1Bに向けた無線電波の送信ビームになるように、無線電波の送信ビームの指向性を制御することによりスモールセル基地局1−1のセルのカバレッジを変更する。つまり、図4の説明図において点線の楕円で示したカバレッジを実線の楕円で示したカバレッジに変更する。
以上に詳細に説明したように、本第1の実施の形態においては、収容候補セルにおける受信電力RSRPに基づいて、セル間の負荷の偏りを是正するように、オフロード対象の非収容移動局2−1Aおよび収容継続移動局2−1Bを選択して、非収容移動局2−1Aを対象から外し、収容継続移動局2−1Bを対象として、送信ビームの指向性を制御するというカバレッジ制御を実施するので、オフロード実施後の非収容移動局2−1Aの無線品質(希望波信号の受信電力)を確保しつつ、負荷の集中により低下していたユーザスループットを改善することができるという効果が得られる。
また、図3のフローチャートに示した制御手順は、マイクロプロセッサ等のコンピュータに基地局装置を制御するための基地局制御プログラムを実行させることによっても実現することが可能である。すなわち、該基地局制御プログラムを実行するコンピュータに、オフロード対象の非収容移動局2−1Aを選択し、かつ、収容継続移動局2−1Bを対象としたカバレッジ制御を実施させるようにすれば良い。
なお、本第1の実施の形態においては、スモールセル基地局1のセルにおけるトラフィック負荷として送信バッファサイズを用いる場合について説明したが、トラフィック負荷は、かかる場合のみに限るものではない。スモールセル基地局1のセルにおけるトラフィック負荷として、例えば、RRC(Radio Resource Control)コネクションを張って送信データを保持する移動局2の台数であるアクティブ移動局数すなわち通信中の移動局の台数や、あるいは、下り回線におけるデータ送信のためにLTE(Long Term Evolution)方式を用いる場合は、例えば周波数リソースとして物理層ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)を割り当てることが可能な全物理層リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)数に対して、実際に、各移動局2に割り当てた物理層リソースブロック(PRB)数の比率によって定義される物理層リソースブロック利用率(PRB利用率:PRB usage)すなわち周波数リソースのリソース使用率を用いるようにしても良い。
ここで、トラフィック負荷のうち、送信バッファサイズとアクティブ移動局数とに関しては、いずれも、図3のフローチャートのステップS101においてはセル毎の瞬時値を求め、ステップS103においては対象となる移動局2毎の瞬時値の合計値を求めるのに対し、物理層リソースブロック利用率(PRB利用率)に関しては、あらかじめ定めた一定時間の間における物理層リソースブロック(PRB)数の変動を考慮することになるため、ステップS101においてはセル毎の時間平均値を求め、ステップS103においては対象となる移動局2毎の時間平均値の合計値を求めることになる。
また、本第1の実施の形態においては、収容候補セルの選択条件として、カバレッジ対象通信負荷について、収容候補セルの無線品質が第1の品質閾値よりも大きい移動局の負荷の合計値を用い、負荷条件については、オフロードされる負荷が最大となるという条件を用いた場合について説明したが、収容候補セルの選択条件としては、かかる場合に限るものではなく、例えば、カバレッジ対象通信負荷については、他セル(「第2のセル」)の負荷を用い、負荷条件については、オフロード実施前における負荷があらかじめ定めた第2セル負荷条件(すなわち例えば最小値またはあらかじめ定めた第2セル負荷閾値未満の値になるという条件)として、該条件を満たす他セル(「第2のセル」)を収容候補セルとして選択するようにしても良い。例えば、図4の説明図の例においては、オフロード実施前において接続されている移動局2の台数が移動局2−3の1台のみであるスモールセル基地局1−3の方が、オフロード実施前において接続されている移動局2の台数が移動局2−2a、移動局2−2bの2台であるスモールセル基地局1−2よりも負荷が小さいので、オフロード先の候補となる収容候補セルとして、オフロード実施前において最も軽負荷であるスモールセル基地局1−3が形成するセルを選択するようにしても良い。
また、本第1の実施の形態においては、収容候補セルの判定条件として、自セルと収容候補セルとの負荷が均衡化するという条件の場合について説明したが、収容候補セルの判定条件としてはかかる場合に限るものではない。例えば、オフロード実施前に高負荷であったカバレッジ制御対象のセルのオフロード実施後の負荷(L1’)があらかじめ定めた下限値以下に低下することを条件としても良いし、また、オフロード実施後の収容候補セルの負荷(L2’)があらかじめ定めた上限値を超えないことを条件としても良い。
また、本第1の実施の形態においては、収容継続移動局の方向に向けてカバレッジを変更するための無線パラメータとして、下り回線参照信号を含む送信ビームの指向性を用いる場合について説明したが、カバレッジ変更のための無線パラメータとしてはかかる場合に限るものではない。例えば、スモールセル基地局1の送信電力、アンテナチルト角(すなわち垂直方向の指向性)またはアジマス角(すなわち水平方向の指向性)の少なくとも一方の方向を用いるようにしても良い。また、送信ビームの制御に関しても、前述のようなステアリングベクトル法以外に、送受信アンテナ間の伝搬路情報を用いて送信アンテナウェイトを計算し、計算した送信アンテナウェイトに基づいて、振幅応答が大きいと見做される伝搬路に対して強い指向性を向ける整合フィルタなど、本無線通信分野において一般的な技術を適用するようにしても良い。
また、本第1の実施の形態においては、収容候補セルと該収容候補セルにオフロードさせる移動局とを選択する際に用いる、カバレッジ制御対象のセルに隣接する他セルの無線品質として、受信電力RSRPの測定値を用いる場合について説明したが、他セルの無線品質としてはかかる場合に限るものではない。例えば、受信電力RSRPのような所望する希望信号の受信電力だけでなく、干渉信号の受信電力をも考慮した無線品質を用いるようにしても良い。
かくのごとく希望信号と干渉信号との双方を考慮した無線品質の一例として、下り回線参照信号の受信品質であるRSRQ(Reference Signal Received Quality)が挙げられる。下り回線参照信号の受信品質(RSRQ)は、全通信帯域における総受信電力(RSSI:Received Signal Strength Indicator)に対する下り回線参照信号の受信電力(RSRP)の比率によって定義される。ここで、総受信電力(RSSI)には、自セルからの受信電力(RSRP)とともに周辺の全ての他セルからの受信電力(RSRP)も含まれる。したがって、各移動局2は、下り回線参照信号の受信電力(RSRP)と同様に、自セルと他セルとにおける下り回線参照信号の受信品質(RSRQ)を測定することもできる。
また、本第1の実施の形態においては、収容候補セルと該収容候補セルにオフロードさせる非収容移動局とを選択する際に、カバレッジ制御対象の自セルに隣接する他セルの受信電力RSRPをあらかじめ定めた所定の受信電力閾値Rth1と比較する場合について説明したが、比較方法はかかる場合に限るものではない。例えば、カバレッジ制御対象の自セル(図4の説明図におけるスモールセル基地局1−1のセル)の下り回線参照信号の受信電力(RSRP)をさらに用いて、自セル(「第1のセル」)に対する収容候補セルである他セルの受信電力(RSRP)の相対値(すなわち無線品質の相対値)を、別にあらかじめ定めた相対受信電力閾値Rth2(「第3の品質閾値」)と比較して、該相対受信電力閾値Rth2以下となる移動局2は収容継続移動局とし、該相対受信電力閾値Rth2よりも大きくなる移動局2を、オフロード対象の非収容移動局とするようにしても良い。すなわち、収容候補セルや非収容移動局を選択する際に、収容候補セルにおける希望信号の受信電力(RSRP)とともに、自セルからの干渉電力をも考慮した基準とすることによって、収容候補セルにおいてより安定した無線品質を確保することができる。
また、本第1の実施の形態においては、各スモールセル基地局1の間を有線回線を介して互いに接続しているものとして説明したが、かかる場合に限るものではなく、無線回線を介して互いに接続するようにしても良いし、無線回線と有線回線とを併用して互いに接続するようにしても良い。
また、本第1の実施の形態においては、収容候補セルを選択する際に、受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きいという条件を満たす各移動局2を抽出して、抽出した各移動局2の送信バッファサイズの合計値を計算した後に、各移動局2の送信バッファサイズの合計値が最大となり、かつ、オフロードを実施した際に、自セルの負荷と収容候補セルの負荷との差が該オフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件を満たす収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして選択しているが、かかる場合に限るものではなく、実行順序を変更してもよい。すなわち、自セルに収容されている移動局2のうち、自セルの負荷と収容候補セルの負荷との差が該オフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件を満たす範囲で、収容候補セルの受信電力RSRPが大きい順に、収容候補セルの受信電力RSRPがあらかじめ定めた受信電力閾値Rth1よりも大きいという条件を満たす各移動局2を抽出して、抽出した各移動局2の送信バッファサイズを合計した合計値を求め、該合計値が最大となる収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして決定するようにしてもよい。
<本発明の第2の実施の形態>
次に、本発明を適用したカバレッジ制御方法の第2の実施の形態について説明する。本第2の実施の形態に係る無線通信システムの構成およびスモールセル基地局1、移動局2の内部構成については、第1の実施の形態として示した図1、図2の場合と同一のシステム構成、内部構成であるが、本第2の実施の形態に係る無線通信システムにおけるカバレッジ制御方法の動作の一部が、第1の実施の形態として示した図3のフローチャートの場合とは異なっている。
すなわち、本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に対して、収容候補セル、非収容移動局および収容継続移動局の選択結果に基づくカバレッジ制御の条件が異なっており、移動局2が密集するエリアに関してはセル間の境界が生じないように、カバレッジ制御の実施に新たな条件を追加する場合について説明している。つまり、一般的に、セル境界においてはセル間の干渉が強くなるため、移動局2が密集するエリアにセル境界を作ってしまうと、セル間の干渉により無線品質が劣化する。また、カバレッジ制御を実施しても期待通りにオフロードされない非収容移動局が多くなり、カバレッジ制御を実施した結果として、これらの非収容移動局は、希望信号の受信電力のみが減少してしまうために、やはり、無線品質が劣化する。本第2の実施の形態においては、かくのごとき事態を回避させることが可能になる。
本第2の実施の形態における、スモールセル基地局1のカバレッジ制御動作について、その一例を図5のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係るカバレッジ制御方法を実現するためのスモールセル基地局1における動作手順の一例を示すフローチャートであり、第1の実施の形態における図3のフローチャートの場合と同様、スモールセル基地局1においてあらかじめ定めた時間間隔で周期的に実施される。図5のフローチャートに示すカバレッジ制御方法と図3の場合との相違点は、図3のステップS103に記載した収容候補セルの選択条件が、ハッチングを施したステップS203の動作に置き換わった点のみである。図5のフローチャートのその他のステップ(ステップS101、ステップS102、ステップS104〜ステップS107)の各動作については、図3のフローチャートの場合と同一であり、図3と同じステップ記号を付して、ここでの詳細な説明は割愛する。
図5のフローチャートにおけるステップS203においては、オフロード制御部13において、複数の移動局2が近接するエリアの中や該エリアの近傍にセル境界が作られるようなカバレッジ制御の実施を回避するために、各移動局2間の収容候補セルに対する受信電力RSRPの差を考慮して、収容候補セル、非収容移動局および収容継続移動局の選択を行うようにしている。
具体的には、各移動局2における収容候補セルの受信電力RSRPを用いて、受信電力RSRPの大きい順番に移動局2をソートし(すなわち、収容候補セルの無線品質の降順に移動局2を並べ替え)、各移動局2について、自移動局2の該受信電力RSRPと、自移動局2の次にソートされている移動局2の該受信電力RSRPとの間の差(ΔR)(すなわち、次の順番に位置する移動局2の無線品質との差)を求め、求めた差(ΔR)とあらかじめ定めた差分閾値(R_dif)(「第2の品質閾値」)とを比較する。
次の移動局2との受信電力の差(ΔR)が前記差分閾値(R_dif)より大きい場合には、当該移動局2と次の移動局2との間が互いに十分に離れていると見做すことができるので、次の移動局2との受信電力の差(ΔR)の計算の対象となった当該移動局2と次の移動局2との間にセル境界を形成することができるものと判断して、当該移動局2を非収容移動局として選択する。
一方、次の移動局2との受信電力の差(ΔR)が前記差分閾値(R_dif)以下であった場合は、当該移動局2と次の移動局2との間が互いに近接していると見做すことができるので、次の移動局2との受信電力の差(ΔR)の計算の対象となった当該移動局2と次の移動局2との間にはセル境界を形成することができないものと判断して、当該移動局2を収容継続移動局として選択する。
最終的に、ステップS203においては、前述した差(ΔR)の条件すなわち対象の移動局2と次の移動局2との受信電力の差(ΔR)が前記差分閾値(R_dif)より大きいという条件と、さらに第1の実施の形態におけるステップS103に記載の条件すなわち受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きいという条件と、の双方の条件を満たす各移動局2を抽出して、第1の実施の形態におけるステップS103の場合と同様に、抽出した各移動局2の送信バッファサイズの合計値に関する情報を参照して、各移動局2の送信バッファサイズの合計値が最大となる収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして選択する(ステップS203)。なお、第1の実施の形態の場合と同様、各移動局2の送信バッファサイズの合計値が最大となる収容候補セルに限らず、例えば、各移動局2の送信バッファサイズの合計値があらかじめ定めた所定値(「第2の負荷閾値」)以上になっている収容候補セルの中からいずれかを選択するようにしても良い。
ステップS203以降の処理については、前述したように、第1の実施の形態の図3のフローチャートと同様である。なお、第1の実施の形態における条件にさらに前述した差(ΔR)の条件を加味した収容候補セルをオフロード先のセルとして決定しているので、本第2の実施の形態のステップS106においては、収容候補セルリスト内に当該収容候補セルに紐付けして記録されている移動局2(受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きいという条件を満たす移動局2)のうち、さらに、前述した差(ΔR)の条件を満たす移動局2を、オフロード先のセルとして決定した収容候補セルへの収容替えを行う非収容移動局として選択し、自セル内の全移動局2のうち、前記非収容移動局を除いた残りの移動局2を、自セルに引き続き収容する収容継続移動局として選択する。
以上に説明したように、本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態の場合に対して、さらに、各移動局2間の受信電力RSRPの差(ΔR)の条件を加味することにより、移動局2が密集するエリアにはセル境界を作成しないように、カバレッジの制御を行うので、第1の実施の形態に比して、移動局2が密集するエリアに存在する移動局2の無線品質をより確実に確保することができる。
また、本第2の実施の形態においては、収容候補セルを選択する際に、前述した差(ΔR)の条件すなわち対象の移動局2と次の移動局2との受信電力の差(ΔR)が前記差分閾値(R_dif)より大きいという条件と、さらに受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きいという条件と、の双方の条件を満たす各移動局2を抽出して、抽出した各移動局2の送信バッファサイズの合計値を計算した後に、各移動局2の送信バッファサイズの合計値が最大となり、かつ、オフロードを実施した際に、自セルの負荷と収容候補セルの負荷との差が該オフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件を満たす収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして選択しているが、かかる場合に限るものではなく、実行順序を変更してもよい。すなわち、オフロードを実施した際に、自セルに収容されている移動局2のうち、自セルの負荷と収容候補セルの負荷との差が該オフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件を満たす範囲で、前述した差(ΔR)の条件すなわち対象の移動局2と次の移動局2との受信電力の差(ΔR)が前記差分閾値(R_dif)より大きいという条件と、さらに受信電力RSRPが受信電力閾値Rth1よりも大きいという条件と、の双方の条件を満たす各移動局2を抽出して、抽出した各移動局2よりも収容候補セルの受信電力RSRPが大きい移動局2を対象とした送信バッファサイズの合計値を求め、該合計値が最大となる収容候補セルを、自セルの負荷のオフロード先の収容候補セルとして決定するようにしてもよい。
<本発明の第3の実施の形態>
次に、本発明を適用したカバレッジ制御方法の第3の実施の形態について説明する。本第3の実施の形態に係る無線通信システムにおいては、図6に示すように、第1の実施の形態に係る無線通信システムのシステム構成に加えて、複数のスモールセル基地局1を集中管理する集中制御装置3をさらに備えて構成されている。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムにおけるスモールセル基地局、移動局の内部構成および集中制御装置の設置の一例を示すブロック図である。なお、図6のブロック図に示すスモールセル基地局1と移動局2との内部構成は、第1の実施の形態の場合と同一であるので、ここでの重複する説明は割愛する。
本第3の実施の形態において追加して設置した集中制御装置3により、カバレッジ制御に必要な情報をスモールセル基地局1の間で相互に交換することができるので、複数のスモールセル基地局1を連携させたカバレッジ制御が可能になる。また、かくのごとくカバレッジ制御をスモールセル基地局1間で連携させることによって、新たに収容することになった非収容移動局に向けての収容候補セルのカバレッジ制御も同期させて実施することができるので、第1の実施の形態に比べて、非収容移動局の台数を増やすことができるとともに、各非収容移動局の無線品質も向上させることができる。
図6のブロック図に示すように、集中制御装置3は、複数のスモールセル基地局1それぞれの基地局無線送受信部10と有線回線または無線回線を介して接続されていて、カバレッジ制御に必要な情報をスモールセル基地局1間で交換するための制御を司っている。本第3の実施の形態においては、集中制御装置3を介して、カバレッジ制御対象の高負荷のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−1)とオフロード先として決定した収容候補セルを形成するスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−2)との間で交換する情報として、該当する二つのスモールセル基地局1間においてカバレッジ制御の同期取りを行うための情報として、カバレッジ制御のトリガに関する情報と、オフロード先のスモールセル基地局1において収容替えを行う非収容移動局2に向けての送信ビーム形成に関する情報として、移動局2の無線品質測定部21において新たに測定する位置情報とを用いる。なお、以下の説明においては、各移動局2は、自セルと他セルとに同時には接続することができない場合を想定して、他セルにおける到来角や伝搬路情報は測定することができないものとして説明する。
次に、高負荷のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−1)において実施される本第3の実施の形態に係るカバレッジ制御の動作例について、図7のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態に係るカバレッジ制御方法を実現するためのスモールセル基地局1における動作手順の一例を示すフローチャートであり、高負荷のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−1)において、集中制御装置3を介した情報交換により、オフロード先となる他のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−2)と連携してカバレッジ制御を行う場合の一例を示している。なお、図7のフローチャートも、第1の実施の形態における図3のフローチャートの場合と同様、スモールセル基地局1においてあらかじめ定めた時間間隔で周期的に実施される。
第3の実施の形態として図7のフローチャートに示すカバレッジ制御方法と図3の場合との相違点は、図3のステップS106とステップS107との間にハッチングを施したステップS301が新たに追加された点のみである。図7のフローチャートのその他のステップ(ステップS101〜ステップS107)の各動作については、図3のフローチャートの場合と同一であり、図3と同じステップ記号を付して、ここでの詳細な説明は割愛する。ただし、オフロード先の収容候補セルとなる他セルにおけるカバレッジ制御についても連携して実施する本第3の実施の形態においては、第1の実施の形態の場合よりも、オフロード先の収容候補セルとなる他セルに収容替えになった非収容移動局の無線品質の改善を期待することができるので、ステップS102とステップS103とにおいて用いられた受信電力閾値Rth1に関しては、第1の実施の形態よりも小さな値を用いるようにして、非収容移動局の台数を増加させるようにしても良い。
図7のフローチャートにおいて、ステップS106に移行して、高負荷の自セルを形成するスモールセル基地局1においてカバレッジ制御を実施することを決定して、オフロード先の収容候補セル、非収容移動局および収容継続移動局を決定すると、ステップS301に移行する。
図7のフローチャートのステップS301においては、スモールセル基地局1間(具体的には、カバレッジ制御を実施する対象となる高負荷のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−1)と該カバレッジ制御動作によりオフロード先として決定された収容候補セルのスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−2)との間)のカレッジ制御の連携を実現するために、該オフロード先の収容候補セルを形成するスモールセル基地局1に向けて、ビーム制御に関する情報として、カバレッジ制御のトリガに関する情報と、非収容移動局の位置情報(または場合によっては伝搬路情報)とを通知する(ステップS301)。つまり、ステップS301は、選択した非収容移動局を対象に、収容候補セルのカバレッジを制御するための情報を、収容候補セルを形成するスモールセル基地局1に通知するカバレッジ制御情報通知ステップである。ここで、該トリガに関する情報としては、カバレッジ制御のタイミングに関する情報を含めた情報を用いることにして、該オフロード先の収容候補セルにおいても、自セルと同時にカバレッジ制御をさせるようにすることができる。
次に、オフロード先として決定された収容候補セルを形成する低負荷のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−2)におけるカバレッジ制御の動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8は、図7に示すスモールセル基地局1のカバレッジ制御動作と連携してカバレッジ制御を行うオフロード先のスモールセル基地局1における動作手順の一例を示すフローチャートであり、オフロード先となる低負荷のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−2)において、集中制御装置3を介した情報交換により、高負荷のスモールセル基地局1(例えば図1に示したスモールセル基地局1−1)と連携してカバレッジ制御を行う場合の一例を示している。
図8のフローチャートにおいて、オフロード先のスモールセル基地局1は、他セルを形成するスモールセル基地局1すなわちカバレッジ制御を行っている高負荷のスモールセル基地局1からビーム制御に関する情報が送信されてきたか否かをあらかじめ定めた周期で監視している(ステップS302)。他セルを形成するスモールセル基地局1から該ビーム制御に関する情報(すなわちカバレッジ制御のトリガに関する情報および非収容移動局の位置情報(または場合によっては伝搬路情報)を含む情報)が送信されてきて、該ビーム制御に関する情報を取得したことを検知すると(ステップS302のYES)、ステップS303の処理に移行する。
ステップS303の処理に移行すると、無線パラメータ制御部14において、該ビーム制御に関する情報に含まれている非収容移動局の位置情報または伝搬路情報を確認して、当該オフロード先のスモールセル基地局1にオフロードされてくる非収容移動局を確実に収容するために、既に収容済みの移動局2のみならず該非収容移動局にも向かうような送信ビームの指向性の制御に関する情報を作成する。つまり、例えば、オフロードされてくる非収容移動局に関しては、ビーム制御に関する情報に含まれている非収容移動局の位置情報と自スモールセル基地局1の設定済みの位置情報とに基づいて、自スモールセル基地局1に対する物理的な到来角を求め、求めた物理的な到来角を、現在収容している移動局2からの電波の到来角に加えて用いてステアリングベクトル法を適用することにより、送信ビームの指向性の制御に関する情報を生成する。
しかる後、無線パラメータ制御部14は、送信されてきたビーム制御に関する情報にさらに含まれているカバレッジ制御のトリガに関する情報を参照して、該ビーム制御に関する情報を送信してきた送信元のセル側(「第1のセル」側)の高負荷のスモールセル基地局1における送信ビームの制御動作と同期を取って、生成した送信ビームの指向性の制御に関する情報に基づいて、既に収容済みの移動局2と新たに収容する非収容移動局とに向けた送信ビームの指向性制御を行う(ステップS303)。すなわち、ステップS303は、高負荷のスモールセル基地局1から通知されてきた情報に基づいて、収容候補セルにおいて既に収容済みの移動局2と新たに収容すべき非収容移動局とを対象にしたカバレッジ制御を実施する収容候補セルカバレッジ制御ステップであり、送信元のセル側(「第1のセル」側)の高負荷のスモールセル基地局1におけるカバレッジ制御をトリガにして、非収容移動局に関する位置情報または伝搬路情報に基づいて、収容候補セルのカバレッジを制御する。
次に、図1の無線通信システムのスモールセル基地局1−1(高負荷のスモールセル基地局1)において、図7に示したようなカバレッジ制御方法による動作を実施し、オフロード先のスモールセル基地局1−2(低負荷のスモールセル基地局1)において、スモールセル基地局1−1と連携して図8に示したようなカバレッジ制御方法による動作を実施した場合のそれぞれのセルのカバレッジの変化の様子について、図9を用いて具体的に説明する。図9は、図1の無線通信システムにおいて図7、図8に示したような連携したカバレッジ制御方法を二つのスモールセル基地局1−1、1−2に適用した場合のそれぞれのセルのカバレッジの変化の様子の一例を示す説明図である。なお、図9の説明図は、第1の実施の形態として示した図4の説明図に対して、高負荷のスモールセル基地局1−1と連携してオフロード先の低負荷のスモールセル基地局1−2においてもカバレッジ制御を実施している点が異なっている。
図9の説明図において、高負荷のスモールセル基地局1−1におけるカバレッジ制御動作は、図4の説明図の場合と同様であり、点線の四角で囲んだ3台の移動局2−1a〜移動局2−1cがオフロード先のスモールセル基地局1−2のセルへの収容替えを行う非収容移動局2−1Aとして選択され、一点鎖線の四角で囲んだ残りの5台の移動局2−1d〜移動局2−1hは、スモールセル基地局1−1のセルに引き続き収容する収容継続移動局2−1Bとして選択されて、自セルのカバレッジ範囲が、点線の楕円で示したカバレッジから実線の楕円で示したカバレッジに変更される。
さらに、図9の説明図においては、該スモールセル基地局1−1と連携したカバレッジ制御を実施するオフロード先の低負荷のスモールセル基地局1−2におけるカバレッジ制御動作により、当該スモールセル基地局1−2においても、自セルのカバレッジ範囲が点線の楕円で示したカバレッジから実線の楕円で示したカバレッジに変更される。而して、図4の説明図の場合に比べて、自セルに新たに収容することになる非収容移動局2−1Aにおける希望信号の受信電力RSRPをさらに増加させることができるので、非収容移動局2−1Aの無線品質を改善することができる。
また、オフロード先のスモールセル基地局1−2においては、前述したように、新たに収容することになる非収容移動局2−1Aを確実に収容することを可能にするように、送信ビームの指向性を制御しているので、図9には示していないが、非収容移動局2−1Aの台数として、より多くの移動局2をオフロード先のスモールセル基地局1−2に収容替えすることができる。さらに、一般的に、スモールセルよりも無線品質が劣化するマクロセルなどのスモールセル以外のセルにオフロードせざるを得なくなるような事態についても、より確実に回避することもできる。
以上に詳細に説明したように、本第3の実施の形態においては、オフロードされる非収容移動局に向けて、オフロード先の収容候補セルのカバレッジを制御するので、非収容移動局の台数の増加や無線品質の向上により、第1の実施の形態以上のオフロード効果を期待することができる。
なお、本第3の実施の形態においては、アーキテクチャとして、集中制御装置3が各スモールセル基地局1を集中管理するという場合について説明した。このとき、各スモールセル基地局1は、変復調処理および符号化・復号化処理を実行するデジタルベースバンド処理部(BBU:Baseband Unit)と、アンテナおよびRF(Radio Frequency)部からなるリモート無線部(RRU:Remote Radio Unit)との双方を備えている(図6に示す第3の実施の形態においては、デジタルベースバンド処理部(BBU)、リモート無線部(RRU)はいずれも基地局無線送受信部10に含まれているものとしている)。しかしながら、アーキテクチャは、かかる場合に限るものではない。
例えば、アーキテクチャをC−RAN(Centralized Radio Access Network)構成としても良い。C−RAN構成の場合には、各スモールセル基地局1内のデジタルベースバンド処理部(BBU)とリモート無線部(RRU)とを分離して、双方の間を高速の光ファイバによるフロントホールを用いて接続することができるので、複数のデジタルベースバンド処理部(BBU)以降を集中制御装置3に集約して配置するようにしても良い。かくのごとき構成の場合には、リモート無線部(RRU)がスモールセル基地局1に相当する(つまり、リモート無線部(RRU)間はそれぞれ異なるスモールセルに対応する)。本構成により、複数のリモート無線部(RRU)間で協調した送受信処理を高速に行うことができるので、周波数利用効率をさらに向上させることができるとともに、各スモールセル基地局1の計算資源の集約によって、計算資源の使用効率の向上を図ることも可能となる。
また、C−RAN構成によって、他セルの新たな無線品質を測定することができる。前述のように、複数のリモート無線部(RRU)を協調させることができるので、複数セル協調(CoMP:Coordinated Multipoint)などの公知の技術を適用することもできる。複数セル協調技術を適用すれば、前述したような、各移動局2が自セルと他セルとに同時に接続することができなく、他セルの測定を行うことができない場合と異なり、各移動局2は、例えば、自セルに接続しながら、周辺の他セルのチャネル品質情報(CSI:Channel State Information)を測定することができる。
本第3の実施の形態のように、他セル(例えば図1に示したスモールセル基地局1−2のセル)が自セル(例えば図1に示したスモールセル基地局1−1のセル)と連携して送信ビームの形成を行う場合には、該自セルに接続している移動局2からの該他セルの測定情報を取得することが必要であった。このため、本第3の実施の形態においては、他セルに接続することなく、測定することが可能な位置情報を用いて、他セルの送信ビームを形成している。しかし、C−RAN構成を採用している場合であれば、自セルに接続している移動局2からの他セルの測定情報として、他セルのチャネル品質情報(CSI)を取得することができるので、他セルは、取得したチャネル品質情報(CSI)を伝搬路情報として用いて、送信ビームを形成することができる。かくのごとき伝搬路情報を用いる場合には、ステアリングベクトル法以外に、整合フィルタなどの方法を用いて、送信ビームを形成することができる。
なお、C−RAN構成の場合、他セルの無線品質としてチャネル品質情報(CSI)を取得することができるので、図7のフローチャートのステップS102やステップS103において、受信電力RSRPの代わりにチャネル品質情報(CSI)を用いて条件を満たす移動局2を選択するようにしても良い。ここで、チャネル品質情報(CSI)の例としては、例えば、受信信号電力対干渉および雑音電力比であるSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)を量子化したCQI(Channel Quality Indicator)がある。
<本発明のその他の実施の形態>
前述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態においては、ステアリングベクトル法によりカバレッジ制御を実施するために、上り回線参照信号の到来角を用いる場合について説明した。本発明においては角度情報としてかかる場合に限るものではない。例えば、各移動局2が、下り回線信号の角度毎の無線品質情報として作成して、スモールセル基地局1に対して報告するプリコーディングウェイト情報(PMI:Precoding Matrix Indicator)を用いても良い。上り回線参照信号の到来角の場合は、下り回線と上り回線との双方で同一の周波数を用いるTDD(Time Division Duplex)方式の場合に適しているのに対し、プリコーディングウェイト情報(PMI)の場合は、スモールセル基地局1から移動局2へのフィードバック遅延があるものの、TDD方式に限らず、下り回線と上り回線とで異なる周波数を用いるFDD(Frequency Division Duplex)方式であっても適用することができる。
また、前述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態においては、LTE方式の無線通信システムに本発明を適用する場合について説明したが、本発明の適用先の無線通信方式は特定の方式に限定されるものではない。例えば、LTE方式以前の通信方式であるUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式に適用しても良いし、上り回線と下り回線とで異なる周波数を同時に使用するFDD方式を採用する無線通信システム、TDD方式を採用する異なる無線通信システム(例えばWi−Fi(Wireless Fidelity)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE 802.16m等)に適用することも可能である。
また、前述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態においては、受信電力RSRPがあらかじめ定めた受信電力閾値Rth1よりも大きいことを満たす等の条件により、収容候補セルを選択した後、選択した収容候補セルのうち、自セルと収容候補セルとの負荷が均衡化される収容候補セルをオフロード先の収容候補セルとして決定しているが、決定順序を逆にしても良い。すなわち、自セルと収容候補セルとの負荷が均衡化されるような収容候補セルをまず抽出した後、抽出した収容候補セルのうち、受信電力RSRPがあらかじめ定めた受信電力閾値Rth1よりも大きいことを満たす等の条件により、オフロード先の収容候補セルを決定するようにしても良い。
また、前述した第1の実施の形態から第3の実施の形態においては、収容候補セル、及び、収容継続移動局を選択する際に、収容候補セルの受信電力RSRPを用いる場合を説明したが、かかる場合に限るものではない。例えば、受信電力RSRPの代わりに、送信ビームの指向性の方向を決定する際に用いた収容継続移動局からの上り回線参照信号の到来角を用いてもよい。その際は、受信電力RSRPに関する種々の閾値(Rth1、R_dif)を到来角の閾値に置き換えて、到来角を用いて、前述した第1の実施の形態から第3の実施の形態と同様にして、収容候補セル、及び、収容継続移動局を選択することにすればよい。なお、選択結果は、収容候補セルの受信電力RSRPを用いた場合の選択結果と組み合わせてもよいし、いずれか一方を用いてもよい。
また、前述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態においては、スモールセルはマクロセルにオーバレイされているものと仮定したが、セル間の配置関係は、かかる場合に限るものではない。例えば、スモールセルがマクロセルにオーバレイされておらず、マクロセルのカバレッジ外となるエリアをスモールセルがカバーする関係であっても良い。
<付記>
以上に、本発明に係る各実施の形態について、詳細に説明したことからも明らかなように、前述の各実施の形態の一部または全部は、以下の各付記のようにも記載することができる。しかし、本発明はかかる場合に限るものではないことは言うまでもない。
(付記1)第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおけるカバレッジ制御方法であって、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出ステップと、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択ステップと、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択ステップと、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御ステップと
を前記第1のセル側に有していることを特徴とするカバレッジ制御方法。
(付記2)前記カバレッジ対象通信負荷が、前記第1のセルに収容されている前記移動局のうち、前記収容候補セルの前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす前記移動局の負荷の合計値であることを特徴とする前記付記1に記載のカバレッジ制御方法。
(付記3)
前記収容候補セル選択ステップは、前記合計値が前記負荷条件を満たす前記第2のセルを前記収容候補セルとして選択することを特徴とする前記付記2に記載のカバレッジ制御方法。
(付記4)前記収容継続移動局選択ステップは、前記収容候補セルの前記無線品質が前記第1の品質閾値以下である前記移動局を前記収容継続移動局として選択することを特徴とする前記付記2または前記付記3に記載のカバレッジ制御方法。
(付記5)前記収容継続移動局選択ステップは、前記収容候補セルの前記無線品質が前記第1の品質閾値以下である前記移動局、または、前記収容候補セルの前記無線品質の降順に前記移動局を並べたときに、次の順番に位置する前記移動局における前記収容候補セルの前記無線品質との差があらかじめ定めた第2の品質閾値以下である前記移動局を、前記収容継続移動局として選択することを特徴とする前記付記2または前記付記3に記載のカバレッジ制御方法。
(付記6)前記収容継続移動局選択ステップは、前記第1のセルの前記無線品質に対する前記収容候補セルの前記無線品質の相対値があらかじめ定めた第3の品質閾値以下である前記移動局を前記収容継続移動局として選択することを特徴とする前記付記2または前記付記3に記載のカバレッジ制御方法。
(付記7)前記収容候補セル選択ステップは、
前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす前記収容候補セルを抽出した後、抽出した前記収容候補セルのうち、前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差がオフロード実施前に比して該オフロード実施後が小さくなると予測されるという前記負荷条件を満たす前記収容候補セルを選択するか、
または、
前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差がオフロード実施前に比して該オフロード実施後が小さくなると予測されるという前記負荷条件を満たす前記収容候補セルを抽出した後、抽出した前記収容候補セルのうち、前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす前記収容候補セルを選択するか、
または、
前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす前記収容候補セルを抽出した後、抽出した前記収容候補セルのうち、前記収容候補セルへオフロードすると予測される負荷の合計値が最大となり、かつ、前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差がオフロード実施前に比して該オフロード実施後が小さくなると予測されるという前記負荷条件を満たす前記収容候補セルを選択するか、
または、
前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差がオフロード実施前に比して該オフロード実施後が小さくなると予測されるという前記負荷条件を満たす前記収容候補セルを抽出した後、抽出した前記収容候補セルのうち、前記無線品質が大きい順に、前記収容候補セルの前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす前記収容候補セルに絞り込み、絞り込んだ前記収容候補セルのうち、前記収容候補セルへオフロードすると予測される負荷の合計値が最大となる前記収容候補セルを選択するか、
または、
前記収容候補セルを前記無線品質の降順に並べたときに、次の順番に位置する前記収容候補セルの前記無線品質との差があらかじめ定めた第2の品質閾値よりも大きいという条件と、前記収容候補セルの前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件と、の双方の条件を満たす前記収容候補セルを抽出した後、抽出した前記収容候補セルのうち、前記収容候補セルへオフロードすると予測される負荷の合計値が最大となり、かつ、前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差がオフロード実施前に比して該オフロード実施後が小さくなると予測されるという前記負荷条件を満たす前記収容候補セルを選択するか、
または、
前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差がオフロード実施前に比して該オフロード実施後が小さくなると予測されるという前記負荷条件を満たす前記収容候補セルを抽出した後、抽出した前記収容候補セルを前記無線品質の降順に並べたときに、次の順番に位置する前記収容候補セルの前記無線品質との差があらかじめ定めた第2の品質閾値よりも大きいという条件と、前記収容候補セルの前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件と、の双方の条件を満たす前記収容候補セルに絞り込み、絞り込んだ前記収容候補セルのうち、前記収容候補セルへオフロードすると予測される負荷の合計値が最大となる前記収容候補セルを選択するか、
のいずれかの動作を行うことを特徴とする前記付記1に記載のカバレッジ制御方法。
(付記8)前記負荷条件が、前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差が該オフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件であることを特徴とする前記付記2ないし前記付記6のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記9)前記負荷条件が、前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記収容候補セルの負荷があらかじめ定めた上限値未満となると予測されるという条件であることを特徴とする前記付記2ないし前記付記6のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記10)前記負荷条件が、前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた下限値以上となると予測されるという条件であることを特徴とする前記付記2ないし前記付記6のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記11)前記カバレッジ制御ステップは、前記収容継続移動局の方向に向けて、前記第1のセルの送信ビームの指向性を水平方向または垂直方向の少なくとも一方の方向に制御することを特徴とする前記付記1ないし前記付記10のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記12)前記カバレッジ制御ステップは、前記第1のセルの送信ビームの指向性を、各前記収容継続移動局からの上り回線参照信号の到来角に基づいて算出した方向、もしくは、下り回線信号の角度毎の無線品質の測定結果を各前記収容継続移動局から報告してくるプリエンコーディングウェイト情報に基づいて算出した方向、もしくは、送受信アンテナ間の伝搬路情報に基づいて算出した方向、のいずれかの方向に制御することを特徴とする前記付記1ないし前記付記10のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記13)前記収容継続移動局以外の前記移動局を、前記収容候補セルへオフロードする非収容移動局として選択する非収容移動局選択ステップと、
選択した前記非収容移動局を対象に、前記収容候補セルのカバレッジを制御するための情報を、前記収容候補セルに通知するカバレッジ制御情報通知ステップと
を前記第1のセル側にさらに有し、
前記カバレッジ制御情報通知ステップによって通知された前記情報に基づいて、前記収容候補セルにおいて、既に収容している前記移動局と前記非収容移動局とを対象にしたカバレッジ制御を実施する収容候補セルカバレッジ制御ステップを前記収容候補セル側に有している
ことを特徴とする前記付記1ないし前記付記12のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記14)前記収容候補カバレッジ制御ステップは、前記カバレッジ制御ステップにおいて実施される前記第1のセルの前記カバレッジ制御をトリガにして、前記非収容移動局に関する位置情報または前記収容候補セルにおける前記非収容移動局の伝搬路情報に基づいて、前記収容候補セルのカバレッジを制御することを特徴とする前記付記13に記載のカバレッジ制御方法。
(付記15)前記無線品質は、下り回線参照信号の受信電力、前記下り回線参照信号の受信品質RSRQ(Reference Signal Received Quality)、受信信号電力対干渉および雑音電力比、チャネル品質情報、上り回線参照信号の到来角、のいずれかであることを特徴とする前記付記1ないし前記付記14のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記16)前記カバレッジ対象通信負荷が、前記第2のセルの負荷であることを特徴とする前記付記1に記載のカバレッジ制御方法。
(付記17)前記収容候補セル選択ステップは、前記第2のセルの負荷があらかじめ定めた第2セル負荷条件を満たす前記第2のセルを前記収容候補セルとして選択することを特徴とする前記付記16に記載のカバレッジ制御方法。
(付記18)前記第2セル負荷条件が、前記第2のセルのうち、オフロード実施前の自セルの負荷が最小値またはあらかじめ定めた第2セル負荷閾値未満の値であるという条件であることを特徴とする前記付記17に記載のカバレッジ制御方法。
(付記19)前記第1のセルまたは前記第2のセルまたは前記収容候補セルまたは前記移動局の前記負荷が、送信バッファサイズ、通信中の前記移動局の台数、周波数リソースのリソース使用率のいずれかであることを特徴とする前記付記1ないし前記付記18のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記20)前記移動局は、収容されている自セルと少なくとも一部のカバレッジが重なる他のセルの無線品質を測定して、測定した前記他のセルの無線品質に関する情報を、前記自セルにおいてあらかじめ指定されている報告条件に基づいて、前記自セルに対して報告することを特徴とする前記付記1ないし前記付記19のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
(付記21)前記報告条件として、測定した前記他のセルの無線品質に関する情報を該他のセルを特定する識別情報とともにあらかじめ定めた周期で定期的に報告するか、または、あらかじめ設定されている品質閾値よりも大きい値となる前記他のセルの無線品質を検出した際に、検出した該他のセルの無線品質に関する情報を該他のセルを特定する識別情報とともに報告することを特徴とする前記付記20に記載のカバレッジ制御方法。
(付記22)第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記第1のセルを形成する基地局装置内に、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
を有していることを特徴とする基地局装置。
(付記23)前記第1のセルを形成する基地局装置内に、前記第2のセルを形成する他の基地局装置との間を有線または無線の回線で接続する接続手段をさらに備えていることを特徴とする前記付記22に記載の基地局装置。
(付記24)前記カバレッジ対象通信負荷が、
前記第1のセルに収容されている前記移動局のうち、前記収容候補セルの前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす前記移動局の負荷の合計値、
または、
前記第2のセルの負荷
であることを特徴とする前記付記22または前記付記23に記載の基地局装置。
(付記25)前記収容候補セル選択手段は、
前記合計値が前記負荷条件を満たす前記第2のセルを前記収容候補セルとして選択するか、
または、
前記第2のセルの負荷があらかじめ定めた第2セル負荷条件を満たす前記第2のセルを前記収容候補セルとして選択する
ことを特徴とする前記付記24に記載の基地局装置。
(付記26)前記収容継続移動局選択手段は、
前記収容候補セルの前記無線品質が前記第1の品質閾値以下である前記移動局を前記収容継続移動局として選択するか、
または、
前記収容候補セルの前記無線品質が前記第1の品質閾値以下である前記移動局、もしくは、前記収容候補セルの前記無線品質の降順に前記移動局を並べたときに、次の順番に位置する前記移動局における前記収容候補セルの前記無線品質との差があらかじめ定めた第2の品質閾値以下である前記移動局を、前記収容継続移動局として選択するか、
または、
前記第1のセルの前記無線品質に対する前記収容候補セルの前記無線品質の相対値があらかじめ定めた第3の品質閾値以下である前記移動局を前記収容継続移動局として選択する
ことを特徴とする前記付記24または前記付記25に記載の基地局装置。
(付記27)前記負荷条件が、
前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差が該オフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件であるか、
または、
前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記収容候補セルの負荷があらかじめ定めた上限値未満となると予測されるという条件であるか、
または、
前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた下限値以上となると予測されるという条件である
ことを特徴とする前記付記24ないし前記付記26のいずれかに記載の基地局装置。
(付記28)前記カバレッジ制御手段は、
前記収容継続移動局の方向に向けて、前記第1のセルの送信ビームの指向性を水平方向もしくは垂直方向の少なくとも一方の方向に制御するか、
または、
前記第1のセルの送信ビームの指向性を、各前記収容継続移動局からの上り回線参照信号の到来角に基づいて算出した方向、下り回線信号の角度毎の無線品質の測定結果を各前記収容継続移動局から報告してくるプリエンコーディングウェイト情報に基づいて算出した方向、もしくは送受信アンテナ間の伝搬路情報に基づいて算出した方向、のいずれかの方向に制御する
ことを特徴とする前記付記22ないし前記付記27のいずれかに記載の基地局装置。
(付記29)第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムであって、
前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
を有していることを特徴とする無線通信システム。
(付記30)前記第1のセルを形成する基地局装置内に、
前記収容継続移動局以外の前記移動局を、前記収容候補セルへオフロードする非収容移動局として選択する非収容移動局選択手段と、
選択した前記非収容移動局を対象に、前記収容候補セルのカバレッジを制御するための情報を、前記収容候補セルに通知するカバレッジ制御情報通知手段と
をさらに備え、
前記収容候補セルに該当する前記第2のセルを形成する基地局装置内に、
前記第1のセルを形成する前記基地局装置の前記カバレッジ制御情報通知手段によって通知されてきた前記情報に基づいて、前記収容候補セルにおいて、既に収容している前記移動局と前記非収容移動局とを対象にしたカバレッジ制御を実施する収容候補セルカバレッジ制御手段
を有していることを特徴とする前記付記29に記載の無線通信システム。
(付記31)前記収容候補カバレッジ制御手段は、
前記第1のセルを形成する前記基地局装置の前記カバレッジ制御手段において実施される前記第1のセルの前記カバレッジ制御をトリガにして、前記非収容移動局に関する位置情報または前記収容候補セルにおける前記非収容移動局の伝搬路情報に基づいて、前記収容候補セルのカバレッジを制御することを特徴とする前記付記30に記載の無線通信システム。
(付記32)前記第1のセルを形成する基地局装置と、前記第2のセルを形成する基地局装置とを集中管理する集中制御装置をさらに備え、
前記集中制御装置は、
前記第1のセルを形成する基地局装置および前記第2のセルを形成する基地局装置と有線または無線の回線によって接続されていることを特徴とする前記付記29ないし前記付記31のいずれかに記載の無線通信システム。
(付記33)アーキテクチャをC−RAN(Centralized Radio Access Network)構成として、各前記基地局装置内のデジタルベースバンド処理部(BBU:Baseband Unit)とリモート無線部(RRU:Remote Radio Unit)とを分離するとともに、双方の間を高速の光ファイバを用いて接続し、かつ、1ないし複数の前記デジタルベースバンド処理部を前記集中制御装置に集約して配置することを特徴とする前記付記32に記載の無線通信システム。
(付記34)複数の前記リモート無線部を協調させることにより、各前記移動局が、自セルに接続しながら、周辺の他セルのチャネル品質情報を取得することを特徴とする前記付記33に記載の無線通信システム。
(付記35)前記第1のセルと前記第2のセルとの無線通信方式として、LTE(Long Term Evolution)方式、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式、FDD方式、Wi−Fi(Wireless Fidelity)方式、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)方式、もしくはIEEE 802.16m規格準拠の方式のうち、いずれかを用いることを特徴とする前記付記29ないし前記付記34のいずれかに記載の無線通信システム。
(付記36)前記第1のセルおよび前記第2のセルはいずれもスモールセルであり、かつ、該スモールセルは、マクロセルにオーバレイされているか、または、マクロセルのカバレッジ外になるエリアをカバーしていることを特徴とする前記付記29ないし前記付記35のいずれかに記載の無線通信システム。
(付記37)第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおいて、前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に備えられたコンピュータにより実行されることによって前記基地局装置の動作を制御する基地局制御プログラムであって、
前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出処理と、
カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択処理と、
選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択処理と、
選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御処理と
を有していることを特徴とする基地局制御プログラム。
本発明の代表的な活用例は、移動通信において、異なるサイズや周波数のセルが混在するヘテロジニアス・ネットワーク(Heterogeneous network)環境において実施するセルのカバレッジ制御機能である。サイズの小さいセルのカバレッジを移動局が位置するエリアに合わせて制御することによって、ネットワークの容量を効果的に拡大する用途に特に有効である。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは勿論である。
また、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
この出願は、2015年3月6日に出願された日本出願特願2015−044829を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 スモールセル基地局
1−1 スモールセル基地局
1−2 スモールセル基地局
1−3 スモールセル基地局
2 移動局
2−1A 非収容移動局
2−1a 移動局
2−1B 収容継続移動局
2−1b 移動局
2−1c 移動局
2−1d 移動局
2−1e 移動局
2−1f 移動局
2−1g 移動局
2−1h 移動局
2−2a 移動局
2−2b 移動局
2−3 移動局
3 集中制御装置
10 基地局無線送受信部
11 送受信バッファ部
12 負荷測定部
13 オフロード制御部
14 無線パラメータ制御部
20 移動局無線送受信部
21 無線品質測定部

Claims (10)

  1. 第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおけるカバレッジ制御方法であって、
    前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出ステップと、
    カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択ステップと、
    選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択ステップと、
    選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御ステップと
    を前記第1のセル側に有していることを特徴とするカバレッジ制御方法。
  2. 前記カバレッジ対象通信負荷が、
    前記第1のセルに収容されている前記移動局のうち、前記収容候補セルの前記無線品質があらかじめ定めた第1の品質閾値よりも大きいという条件を満たす前記移動局の負荷の合計値、
    または、
    前記第2のセルの負荷
    であることを特徴とする請求項1に記載のカバレッジ制御方法。
  3. 前記収容候補セル選択ステップは、
    前記合計値が前記負荷条件を満たす前記第2のセルを前記収容候補セルとして選択するか、
    または、
    前記第2のセルの負荷があらかじめ定めた第2セル負荷条件を満たす前記第2のセルを前記収容候補セルとして選択する
    ことを特徴とする請求項2に記載のカバレッジ制御方法。
  4. 前記収容継続移動局選択ステップは、
    前記収容候補セルの前記無線品質が前記第1の品質閾値以下である前記移動局を前記収容継続移動局として選択するか、
    または、
    前記収容候補セルの前記無線品質が前記第1の品質閾値以下である前記移動局、もしくは、前記収容候補セルの前記無線品質の降順に前記移動局を並べたときに、次の順番に位置する前記移動局における前記収容候補セルの前記無線品質との差があらかじめ定めた第2の品質閾値以下である前記移動局を、前記収容継続移動局として選択するか、
    または、
    前記第1のセルの前記無線品質に対する前記収容候補セルの前記無線品質の相対値があらかじめ定めた第3の品質閾値以下である前記移動局を前記収容継続移動局として選択する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のカバレッジ制御方法。
  5. 前記負荷条件が、
    前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記第1のセルの負荷と前記収容候補セルの負荷との差が該オフロード実施前に比して小さくなると予測されるという条件であるか、
    または、
    前記合計値が最大の値またはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記収容候補セルの負荷があらかじめ定めた上限値未満となると予測されるという条件であるか、
    または、
    前記合計値が最大の値もしくはあらかじめ定めた第2の負荷閾値以上の値であり、かつ、オフロードを実施した際に、前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた下限値以上となると予測されるという条件である
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
  6. 前記カバレッジ制御ステップは、
    前記収容継続移動局の方向に向けて、前記第1のセルの送信ビームの指向性を水平方向もしくは垂直方向の少なくとも一方の方向に制御するか、
    または、
    前記第1のセルの送信ビームの指向性を、各前記収容継続移動局からの上り回線参照信号の到来角に基づいて算出した方向、下り回線信号の角度毎の無線品質の測定結果を各前記収容継続移動局から報告してくるプリエンコーディングウェイト情報に基づいて算出した方向、もしくは送受信アンテナ間の伝搬路情報に基づいて算出した方向、のいずれかの方向に制御する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
  7. 前記収容継続移動局以外の前記移動局を、前記収容候補セルへオフロードする非収容移動局として選択する非収容移動局選択ステップと、
    選択した前記非収容移動局を対象に、前記収容候補セルのカバレッジを制御するための情報を、前記収容候補セルに通知するカバレッジ制御情報通知ステップと
    を前記第1のセル側にさらに有し、
    前記カバレッジ制御情報通知ステップによって通知された前記情報に基づいて、前記収容候補セルにおいて、既に収容している前記移動局と前記非収容移動局とを対象にしたカバレッジ制御を実施する収容候補セルカバレッジ制御ステップを前記収容候補セル側に有している
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のカバレッジ制御方法。
  8. 第1のセルと、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる少なくとも一つの第2のセルと、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおける基地局装置であって、
    前記第1のセルを形成する基地局装置内に、
    前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
    カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
    選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
    選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
    を有していることを特徴とする基地局装置。
  9. 第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムであって、
    前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に、
    前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出手段と、
    カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択手段と、
    選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択手段と、
    選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御手段と
    を有していることを特徴とする無線通信システム。
  10. 第1のセルを形成する基地局装置と、前記第1のセルと少なくとも一部のカバレッジが重なる第2のセルを形成する少なくとも一つの他の基地局装置と、前記第1のセルにおいて通信している少なくとも一つの移動局とを含む無線通信システムにおいて、前記第1のセルを形成する前記基地局装置内に備えられたコンピュータにより実行されることによって前記基地局装置の動作を制御する基地局制御プログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
    前記第1のセルの負荷があらかじめ定めた第1の負荷閾値よりも大きいことを検出する負荷検出処理と、
    カバレッジ制御実施の対象となるカバレッジ対象通信負荷に関しあらかじめ定めた負荷条件に基づいて、前記第1のセルに収容されている前記移動局をオフロードする候補となる収容候補セルを前記第2のセルの中から選択する収容候補セル選択処理と、
    選択した前記収容候補セルの無線品質に基づいて、前記第1のセルに収容している前記移動局の中から、継続して前記第1のセルのカバレッジ制御の対象となる移動局である収容継続移動局を選択する収容継続移動局選択処理と、
    選択した前記収容継続移動局を対象にして、前記第1のセルのカバレッジを制御するカバレッジ制御処理と
    を有していることを特徴とする基地局制御プログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体。
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