JP2016063243A - 測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラム - Google Patents

測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】カバレッジ変更に伴う異周波数セル選択に要する時間を短縮し、異周波数セル間の負荷分散を直ちに実現可能な測定タイミング調整方法を提供する。
【解決手段】第1、第2の周波数をキャリアとしてそれぞれ用いる第1、第2のセルを有するスモールセル基地局1と、第1、第2のセルの少なくとも一方のセルで通信する移動局2とから構成される無線通信システムに適用する測定タイミング調整方法である。スモールセル基地局1は、第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御部13と、第2のセルによって通信する移動局2において測定された第1のセルの受信品質を取得する測定制御部12と、第1のセルの受信品質に基づいて、第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択部14と、無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、第1のセルの受信品質を測定する測定タイミングを調整するタイミング調整部11と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラムに関し、特に、複数の周波数を備え、各周波数に対応するセルを備える基地局において、カバレッジ変更に伴う受信品質の変化を考慮して、接続先のセルを選択するための品質測定タイミングの調整を行う測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラムに関する。
近年、スマートフォンやタブレット端末の普及や、動画等の多量のデータの送受信により、モバイル通信のデータトラヒックが著しく増加している。トラヒック増大への対策の一つとして、高送信電力で広い範囲をカバーする基地局(以下「マクロ基地局」と称する)に加えて、低送信電力で狭い範囲をカバーする小型基地局(以下「スモールセル基地局」と称する)を局所的に多数設置し、通信容量を増大させる基地局設置方式が有力視されている。ここで、スモールセル基地局には、ユーザが密集するホットスポットに設置されるピコ基地局や、無線品質が劣悪な屋内に設置されるフェムトセル基地局等がある。なお、基地局の通信エリアはセルと呼ばれる。
スモールセル基地局を設置する際には、場所や法律などの制限により、ホットスポットが発生するような適切な場所に設置することや、所望の局数になるまで多数設置することが困難な場合がある。このような制限がある中で、通信容量を高めるためには、スモールセル基地局は、周波数帯域が異なる複数の周波数を備え、少ないスモールセル基地局数で複数のセルを形成する方法が有力である。複数周波数を備えることによって、周波数が比較的低い帯域(例えば2GHz以下の帯域)で広い通信エリアを確保し、周波数が比較的高い帯域(例えば3.5GHz以上の帯域)で特定エリアの通信容量を飛躍的に高めることができる。また、複数のセル間でトラヒック負荷を分散することができる。
移動局は、複数のセルの中から、特定のセルを選択して接続する。無線通信システムとしてLTE(Long Term Evolution)方式を適用する場合、セル選択の方法として以下の2例が挙げられる。1つ目は、セルの下り回線参照信号の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)または受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)が最大になるセルに接続先セルを切り替えるハンドオーバであり、2つ目は、複数のセルに同時に接続し、広帯域通信を可能とするキャリアアグリゲーションである。
キャリアアグリゲーションの場合は、制御用のRRC(Radio Resource Control)コネクションを最初に張ったセルをプライマリセル、データ用のコネクションを付加的に張ったセルをセカンダリセルと称する。プライマリセルは受信電力(RSRP)や受信品質(RSRQ)などの受信品質が最大となるセルに対応し、セカンダリセルは、プライマリセル以外で受信品質があらかじめ定めた所定レベル以上となるセルに対応する。
移動局は、複数の異なる周波数の受信品質を測定することができる。接続中のセルの周波数とは異なる周波数の受信品質を測定するために、異周波数を測定することができる特定の時間(Measurement Gap)が周期的に設定されている。該特定の測定時間(Measurement Gap)中は、接続中の当該セルにおいてデータ送受信ができないために、該特定の測定時間(Measurement Gap)の頻度は抑制される。また、異周波数の受信品質測定に要する消費電力を削減するためにも、該特定の測定時間(Measurement Gap)の頻度は抑制される。
しかし、キャリアアグリゲーションが可能な移動局においては、接続可能なセルを複数検出することができるため、特定の測定時間(Measurement Gap)を用いることなく、複数の周波数の受信品質を測定することができる。
基地局が複数の周波数セルを備える場合の受信品質の測定管理の一例として、特許文献1の特開2013−13139号公報「移動局装置、移動局装置の管理方法、移動局装置の処理部、通信システム及び基地局装置」に開示されている技術が提案されている。該特許文献1に記載の技術は、キャリアアグリゲーションを行う場合、測定情報を効率的に管理するために、プライマリセルで利用される周波数が第一の周波数から第二の周波数に変更される場合に、前記第一の周波数に対応する測定対象識別子にリンクされた測定識別子を、前記第二の周波数に対応する測定対象識別子にリンクさせるものである。これにより、異なる周波数セルであっても、測定のための特定の測定時間(Measurement Gap)などの設定を同一にすることができる。
特開2013−13139号公報(第28−32頁)
スモールセル基地局が周波数の異なる複数セルを備える場合、周波数毎に、所定の通信品質を満たすセルの境界線であるカバレッジが異なる。したがって、場所に応じて移動局の選択可能なセルの数が異なることによって、特定セルへのトラヒック負荷の偏りが発生する。場所によらずに、移動局が選択することが可能なセル数を公平にし、トラヒック負荷の偏りを是正するために、或るセルのカバレッジを変更することがある。
しかしながら、カバレッジの変更と、前述の特定の測定時間(Measurement Gap)などに基づく異周波数セルの測定とは、一般的には、独立に実施される。そのため、異周波数セルの測定タイミングが、カバレッジ変更のタイミングと合わない場合には、当該セルに新規に収容されるユーザ(移動局)については、異周波数セルの測定と選択とに時間を要する場合が生じるため、負荷分散を直ちに実現することができない。
また、前記特許文献1に記載の技術を適用しようとしても、該特許文献1に記載の技術においてはセル間のカバレッジ差やカバレッジ変更に備えた異周波数測定の設定変更を考慮していないので、異周波数間セル選択に時間を要する点を改善することができない。
(本発明の目的)
本発明は、前述した知見に基づいてなされたものであって、本発明の目的は、カバレッジ変更に伴う異周波数セル選択に要する時間を短縮し、異周波数セル間の負荷分散を直ちに実現することができる測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラムを提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明による測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明による測定タイミング調整方法は、第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおいてセル再選択のための測定タイミングを調整する測定タイミング調整方法であって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御ステップと、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得ステップと、前記受信品質取得ステップにおいて取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択ステップと、前記無線パラメータ制御ステップにおける前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整ステップと、を有することを特徴とする。
(2)本発明による無線通信システムは、第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムであって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と、を有することを特徴とする。
(3)本発明による基地局装置は、第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と、を有することを特徴とする。
(4)本発明による基地局制御プログラムは、第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおいて前記基地局装置に実装されたコンピュータの制御プログラムとして実行される基地局制御プログラムであって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御処理と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得処理と、前記受信品質取得処理において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択処理と、前記無線パラメータ制御処理における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整処理と、を有することを特徴とする。
本発明の測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、本発明は、カバレッジを変更するタイミングに関連付けて、異周波数の受信品質を測定するタイミングを移動局毎に調整するので、カバレッジ変更に伴う異周波数セル選択に要する時間を短縮し、異周波数セル間の負荷分散を直ちに実現することができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局を含む無線通信システムの構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るスモールセル基地局および移動局の内部構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局における動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するための移動局における動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するために、スモールセル基地局と移動局との間で送受信されるメッセージの流れを示すシーケンス図である。 本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法を実現するために設定される特定の測定時間(Measurement Gap)の具体例を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局の内部構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局における動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るスモールセル基地局におけるカバレッジ制御の実施手順の一例を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するために、スモールセル基地局と移動局との間で送受信されるメッセージの流れを示すシーケンス図である。 本発明の第3の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局における動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係るスモールセル基地局および移動局の内部構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局における動作手順を示すフローチャートである。
以下、本発明による測定タイミング調整方法、無線通信システム、基地局装置および基地局制御プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による測定タイミング調整方法、無線通信システムおよび基地局装置について説明するが、かかる測定タイミング調整方法を基地局装置内のコンピュータにより実行可能な基地局制御プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、基地局制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。なお、以下の各図面において、同一要素には同一の図面参照符号が付されており、説明の明確化のために必要な場合を除いて、同一要素に関する重複した説明は省略している。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、カバレッジを変更するタイミングに関連付けて、異周波数の受信品質を測定するタイミングを移動局毎に調整することを主要な特徴とし、而して、カバレッジ変更に伴う異周波数セル選択に要する時間を短縮し、異周波数セル間の負荷分散を直ちに実現することができる。本発明は、具体的には、主に、次のような4つの態様からなっている。
本発明の第1の態様は、測定タイミングの調整方法である。第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおいてセル選択のための測定タイミングを調整する測定タイミング調整方法であって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御ステップと、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得ステップと、前記受信品質取得ステップにおいて取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択ステップと、前記無線パラメータ制御ステップにおける前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様は、無線通信システムである。第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムであって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と、を有することを特徴とする。
本発明の第3の態様は、基地局装置である。第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と、を有することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、基地局制御プログラムである。第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおいて前記基地局装置に実装されたコンピュータの制御プログラムとして実行される基地局制御プログラムであって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御処理と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得処理と、前記受信品質取得処理において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択処理と、前記無線パラメータ制御処理における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整処理と、を有することを特徴とする。
<本発明の第1の実施の形態>
次に、本発明を適用した測定タイミング調整方法の第1の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける測定タイミング調整方法においては、或る周波数をキャリアとして用いるセルに接続中の移動局に対して、該周波数とは異なる別の周波数をキャリアとして用いるセルのカバレッジを変更するタイミングに関連付けて、カバレッジを変更した直後になるように後者のセルの受信品質を測定するタイミングを調整する場合について説明している。
(第1の実施の形態の構成例の説明)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局を含む無線通信システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。本第1の実施の形態における以下の説明においては、無線通信システムにLTE(Long Term Evolution)方式を適用し、上り回線と下り回線とで、同一周波数を使用するTDD(Time Division Duplex)方式を適用した場合について説明する。TDD方式の場合、時間軸によって上り回線と下り回線との通信を分ける。
本第1の実施の形態に係る無線通信システムは、図1に示すように、複数周波数の周波数毎に複数の送受信アンテナを備えるマルチキャリア対応のスモールセル基地局1と、該スモールセル基地局1と通信する移動局2とを少なくとも含んで構成される。さらに、スモールセル基地局1は、複数のセル3を備え、相対的に、高周波数、広帯域(例えば、40MHz)の3.5GHzキャリアを用いるセル3−1(第1のセル)と、相対的に、低周波数、狭帯域(例えば、10MHz)の2GHzキャリアを用いるセル3−2(第2のセル)とを備えている。図1においては、3.5GHzキャリアで通信する移動局2−1、2GHzキャリアで通信する移動局2−2が、それぞれ、セル3−1、セル3−2に位置している。移動局2は、いずれかのキャリアのセル3のみによって通信することができる。図1においては、移動局2−1および移動局2−2は、それぞれセル3−1およびセル3−2を介してスモールセル基地局1と通信中(アクティブ)の状態にある。
一般的に、高周波数ほど電波の直進性が高く、回り込みをしないので、高周波数側の3.5GHzキャリアのセル3−1の方が、低周波数側の2GHzキャリアのセル3−2よりもカバレッジが狭い場合が多い。また、高周波数ほど周波数リソースを広帯域に確保し易いので、スループットは、高周波数側の3.5GHzを用いて通信を行う移動局2−1の方が、低周波数側の2GHzを用いて通信を行う移動局2−2よりも高くなることが多い。なお、本第1の実施の形態においては、図1に示すセル3−1とセル3−2との間で、複数の周波数帯域を同時に用いて通信するキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)を適用することを前提にして説明している。
図1のさらなる補足をすると、次の通りである。図1に白抜きの移動局として示すように、5台の移動局2−2が位置する場所においては、2GHzキャリアしか選択することができないので、白抜きの5台の移動局2−2は、セル3−2に収容されることになる。また、図1に斜線付きの移動局として示す1台の移動局2−1が位置する場所においては、3.5GHzキャリアと2GHzキャリアとの両方を選択することができるが、3.5GHzキャリアの受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)があらかじめ定めた所定値以上となっているので、当該1台の移動局2−1は、セル3−1に収容されている。
また、図1に示すように、移動局2−2が5台、移動局2−1が1台であり、セル3−2の方が、セル3−1よりも接続中の移動局2の台数が多いので、セル3−2は、移動局2−2の台数に基づく負荷が、相対的に高い状況である。なお、図1における移動局2の台数、各セル3の数、サイズおよび周波数は一例であり、本発明が、図1に限定されるものではないことは言うまでもない。
次に、図1に示したスモールセル基地局1および移動局2の内部構成について図2を参照しながら詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るスモールセル基地局1および移動局2の内部構成の一例を示すブロック図である。なお、図1に示した移動局2−1と移動局2−2との内部構成は同一であり、図2には、移動局2として内部構成の一例を示している。以下、各装置の内部構成について順に説明する。
まず、スモールセル基地局1の内部構成について説明する。スモールセル基地局1は、図2に示すように、基地局無線送受信部10、タイミング調整部11、測定制御部12、無線パラメータ制御部13およびセル選択部14、を少なくとも含んで構成されている。
基地局無線送受信部10は、移動局2との無線通信を行うための、スモールセル基地局1における無線送受信の基本機能を備える。該基本機能として、下り回線参照信号を含む制御信号やデータ信号の送信機能、上り回線参照信号を含む移動局からの制御信号やデータ信号の受信機能、および、下り回線のデータ送信相手となる移動局2を選択し、割り当てた周波数リソース(PRB:Physical Resource Block)やMCS(Modulation and Coding Schemes)などのスケジューリング情報とともに、選択した移動局2に対してデータを送信するスケジューラ機能等がある。また、基地局無線送受信部10は、無線送受信を行うために、周波数(本第1の実施の形態においては3.5GHzと2GHzとの2つの周波数)毎に、複数の送受信アンテナ素子を備える。複数の該送受信アンテナ素子は、例えば、電波の半波長の間隔でリニアアレイ状に配置されているものとすることにより、送信ビームのビームフォーミングや受信ビームの到来角推定が可能となる。
タイミング調整部11は、セル選択のための測定タイミングを調整する部位であって、無線パラメータ制御部13における無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、測定を行う移動局2が接続中のセル3の周波数とは異なる異周波数側のセル3すなわち異周波数セルの受信品質を移動局2が測定する測定タイミングを調整して、調整した該測定タイミングを前記受信品質の測定を行う対象移動局に該当する移動局2−2に通知するタイミング調整手段を提供するものであり、無線パラメータ制御部13が設定する例えばカバレッジの変更周期に基づき、測定を行う移動局2(対象移動局)が接続中のセル3(例えば第2のセル)の周波数とは異なる異周波数セルの受信品質の測定タイミングを設定する。設定する該測定タイミングとしては、測定開始時刻と測定周期Tmとを設定する。タイミング調整部11において設定した測定タイミングは、測定制御部12に通知される。
測定制御部12は、タイミング調整部11が設定した測定タイミングに基づき、移動局2(対象移動局)毎に、接続中のセル3の周波数とは異なる異周波数セルの受信品質の測定タイミングを設定する。すなわち、3.5GHzキャリアのセル3−1に接続している移動局2−1に対しては、2GHzキャリアのセル3−2の受信品質の測定タイミングを、2GHzキャリアのセル3−2に接続している移動局2−2に対しては、3.5GHzキャリアのセル3−1の受信品質の測定タイミングを、それぞれ設定する。
設定した測定タイミングは、構成変更指示メッセージ(LTE方式においては、RRC(Radio Resource Control)コネクションの構成を変更することを指示する「RRC connection reconfiguration」メッセージ)により、基地局無線送受信部10を経由して、各移動局2に対して通知する。なお、本第1の実施の形態においては、接続中の全ての移動局2をセル間の負荷の均等化を図るために接続先のセルを再選択させる対象としており、測定タイミングを通知する移動局2(対象移動局)には、特に条件を設けないこととする。
つまり、測定制御部12は、接続中の全ての移動局2に対してかかる測定タイミングの指示を通知することにより、例えば2GHzキャリアのセル3−2(第2のセル)の周波数を用いて通信中の移動局2−2において測定された異周波数セル例えばセル3−1(第1のセル)の受信品質を取得する受信品質取得手段を提供していることになる。言い換えると、第2のセルによって接続中の移動局2−2を第1のセル3−1へとハンドオーバさせるセル再選択の対象となる対象移動局として、接続中の全ての対象局2を対象にして、該対象移動局それぞれにおいて測定された第1のセル3−1の受信品質を取得する受信品質取得手段を提供していることになる。
無線パラメータ制御部13は、測定を行う移動局2が接続中のセル3(第2のセル)とは異なる異周波数セル(第1のセル)の無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段を提供するものであり、セル3のカバレッジを調整するための無線パラメータを制御する。本第1の実施の形態においては、例えば、2GHzキャリアのセル3−2(第2のセル)に接続している移動局2をハンドオーバさせて接続替えをさせるように、3.5GHzキャリアのセル3−1(第1のセル)に対して、下り回線参照信号を含む制御信号の送信ビームの指向性を制御する。本第1の実施の形態にて扱う該無線パラメータは、ガバレッジ制御用のパラメータであり、例えば、第1のセルにおける前記下り回線参照信号を含む制御信号の送信ビームの指向性を制御するカバレッジ制御用パラメータまたは第1のセルを形成する際の送信電力、アンテナチルト角の少なくとも一方を制御するカバレッジ制御用パラメータが含まれている。
セル選択部14は、異周波数セル(例えば、第1のセル:セル3−1)の受信品質の測定を行う移動局2において測定された異周波数セル(第1のセル)の受信品質に基づいて、該異周波数セル(第1のセル)を接続先セルとして選択するセル選択手段を提供するものであり、移動局2が測定して報告してくる特定セル(異周波数セル)の受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)に基づき、当該移動局2が接続しようとするセル3をセル3−1とセル3−2との中から選択または再選択(ハンドオーバ時)する。具体的には、異周波数セルの受信品質(RSRP)がEvent−A4条件としてあらかじめ定めた所定の第1の品質閾値以上の場合の移動局2からの報告(Event−A4:異周波数セルの受信品質が該第1の品質閾値以上に良好であることを示す評価)に基づいて、測定対象の異周波数セルの情報から、接続するセルを選択する。
次に、図2の移動局2の内部構成について説明する。移動局2は、図2に示すように、移動局無線送受信部20、チャネル品質測定部21、およびチャネル品質報告部22、を少なくとも含んで構成されている。
移動局無線送受信部20は、スモールセル基地局1との無線通信のための、移動局2における無線送受信の基本機能を備えている。該基本機能として、上り回線参照信号を含む制御信号やデータ信号のスモールセル基地局1への送信機能、下り回線参照信号を含む制御信号やデータ信号のスモールセル基地局1からの受信機能等がある。
チャネル品質測定部21は、当該移動局2の接続先のセル3(移動局2−1の場合は、3.5GHzキャリアのセル3−1、移動局2−2の場合は、2GHzキャリアのセル3−2)と、接続先のセル3の周波数とは異なる異周波数のセル(移動局2−1の場合は、セル3−2、移動局2−2の場合は、セル3−1)の受信品質をそれぞれ測定する。本第1の実施の形態においては、受信品質として下り回線参照信号の受信電力(RSRP)を用いる。なお、本第1の実施の形態においても、セル3−1とセル3−2との間でキャリアアグリゲーションを適用することも可能であるが、かかる場合は、移動局2は、接続先のセル3と異周波数のセルとの双方の受信電力(RSRP)を、特定の測定時間(Measurement Gap)を用いることなく、測定することができる。
チャネル品質報告部22は、チャネル品質測定部21が測定した複数セル3の受信電力(RSRP)に関する情報を、周期測定レポート(Periodic Measurement Report)として、あらかじめ定めた所定の周期でスモールセル基地局1に報告するとともに、異周波数セルの受信電力(RSRP)がEvent−A4の条件としてあらかじめ定めた所定の第1の品質閾値以上であった場合には、対象の異周波数セルの受信電力(RSRP)とその異周波数セルの品質評価情報(Event−A4)とを、スモールセル基地局1に対して報告する。移動局2からの受信電力(RSRP)の報告値は、移動局無線送受信部20からスモールセル基地局1の基地局無線送受信部10を介して、セル選択部14に届けられる。
(第1の実施の形態の動作の説明)
次に、図1、図2に示した第1の実施の形態における、測定タイミングの調整に関する動作について、その一例を説明する。まず、スモールセル基地局1において測定タイミングを調整する動作について、図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局1における動作手順を示すフローチャートである。
図3のフローチャートが起動されると、まず、無線パラメータ制御部13において、カバレッジ調整のための無線パラメータの変更周期Trを設定する(ステップS101)。変更周期Trは、トラヒック負荷などの変動周期やハードウェアの処理性能に基づいて設定すれば良い(例えば、100msec〜1secの範囲)。
次いで、タイミング調整部11において、無線パラメータ制御部13における無線パラメータの変更タイミングに関連付けて、異周波数セルのセル3−1の受信品質(RSRP)の測定タイミング(測定開始時刻と測定周期Tm)を調整して設定し、設定した測定タイミングを、測定制御部12に通知することにより、制御対象となるセル3−2に接続されている移動局2(対象移動局)に対して通知する(ステップS102)。
例えば、無線パラメータの変更が時刻t1から周期Trの間隔で実施される場合には、測定タイミングとして、測定開始時刻は、t1+Δt(Δt:カバレッジ変更の処理遅延を考慮した時間オフセット)に、測定周期Tmは、Tm=Trに設定する。かくのごとき測定タイミングを設定することによって、無線パラメータの変更直後(カバレッジ調整動作の実施直後)において、異周波数セルの受信品質(RSRP)の測定を周期的に実施することができる。なお、該測定タイミングは、無線パラメータの変更の実施タイミングまたは無線パラメータの変更の決定タイミングのいずれかをトリガとして、移動局2(対象移動局)に通知される。
次に、移動局2における異周波数セルの受信品質Mnの測定・報告の動作の一例について、図4のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するための移動局2における動作手順を示すフローチャートである。
図4のフローチャートにおいて、まず、移動局2のチャネル品質測定部21は、スモールセル基地局1から通知されてきた異周波数セルのセル3−1の受信品質(RSRP)の測定タイミング(測定開始時刻と測定周期Tm)を取得すると、スモールセル基地局1から指定された測定タイミング(測定開始時刻と測定周期Tm)にしたがって、異周波数セルのセル3−1の受信品質Mnの測定を実施するようにスケジュールを設定する(ステップS201)。
しかる後、現在時刻tが、異周波数セルのセル3−1の受信品質Mnを測定する測定タイミングに達したか否かを判定するために、「mod(t,Tm)=0」の条件が成立しているか否かを確認する(ステップS202)。ここで、「mod(x,y)」は、変数xを変数yで除した際の余りを返す関数である。「mod(t,Tm)=0」の条件が成立していた場合(S202のYES)、受信品質Mnの測定タイミングに達しているので、ステップS203に移行する。一方、「mod(t,Tm)=0」の条件が成立していない場合は(S202のNO)、まだ、受信品質Mnの測定タイミングに達していないので、図4のフローチャートの処理を終了して、次の図4のフローチャートの起動タイミングに達するまで待ち合わせる。
測定タイミングに達して、ステップS203に進むと、チャネル品質測定部21は、異周波数セルのセル3−1の受信品質Mnを測定して、測定した受信品質Mnをチャネル品質報告部22に対して通知する(ステップS203)。チャネル品質測定部21からの通知を受け取ったチャネル品質報告部22は、測定した異周波数セルのセル3−1の受信品質Mnと、Event−A4の条件としてあらかじめ定めた第1の品質閾値Thとを比較する(ステップS204)。
受信品質Mnが第1の品質閾値Th以下であった場合(ステップS204のNO),異周波数セルのセル3−1の受信品質Mnは、当該移動局2のハンドオーバ先のセル3の候補には該当しない受信品質レベルであるので、図4のフローチャートの処理を終了する。
これに対して、受信品質Mnが第1の品質閾値Thよりも大きい場合は(ステップS204のYES),Event−A4の報告条件を満たし、当該移動局2のハンドオーバ先のセル3の候補となり得る受信品質レベルであるので、ステップS205に進み、対象の異周波数セルの受信電力(RSRP)とその異周波数セルの品質評価情報(Event−A4の報告条件を満たした旨の評価情報)とを、スモールセル基地局1に対して報告して(ステップS205)、図4のフローチャートの処理を終了する。
次に、スモールセル基地局1と移動局2との間における、測定タイミングの設定、無線パラメータの変更および異周波数セルの選択の一連の動作について、図5のシーケンス図を参照しながら詳細に説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するために、スモールセル基地局1と移動局2との間で送受信されるメッセージの流れを示すシーケンス図である。
図5のシーケンス図において、まず、スモールセル基地局1は、接続中のセル3−2を介して、移動局2−2に対して,構成変更指示メッセージである「RRC(Radio Resource Control) connection reconfiguration」メッセージを送信する(シーケンスS301)。該構成変更指示メッセージ(「RRC(Radio Resource Control) connection reconfiguration」メッセージ)の中には、図3のフローチャートのステップS102において説明した測定タイミング(測定開始時刻と測定周期Tm)に関する情報(measurement configuration)が含まれている。
スモールセル基地局1からの構成変更指示メッセージ(「RRC(Radio Resource Control) connection reconfiguration」メッセージ)を受信すると、移動局2−2は、該構成変更指示メッセージに含まれていた測定タイミングの情報の受信が完了したことを示す構成変更完了メッセージ(「RRC connection reconfiguration complete」メッセージ)を、セル3−2を介して報告する(シーケンスS302)。
しかる後、スモールセル基地局1の無線パラメータ制御部13において設定された無線パラメータの変更時刻に達すると、カバレッジ制御のための無線パラメータの変更が実施され、スモールセル基地局1の無線パラメータ制御部13は、例えば、セル3−1のカバレッジを変更する(シーケンスS303)。
前述のように、カバレッジ制御のための無線パラメータの変更タイミングに関連付けて、該無線パラメータの変更タイミングの直後に設定されている測定タイミングに達すると、移動局2−2のチャネル品質測定部21において、異周波数セルのセル3−1に関する受信品質Mnの測定が行われる。チャネル品質報告部22は、チャネル品質測定部21から測定結果を受け取ると、測定した受信品質MnをEvent−A4の条件として定めた第1の品質閾値と比較する。
その比較結果として、測定した受信品質MnがEvent−A4の報告条件を満たしていると判定した場合には、異周波数セルのセル3−1が当該移動局2−2のハンドオーバ先のセル3候補とみなされ、品質測定報告メッセージである「inter-frequency measurement report」メッセージを用いて、対象の異周波数セルの受信電力(RSRP)とその異周波数セルの品質評価情報(Event−A4)とを、セル3−2を介して、スモールセル基地局1に対して報告する(シーケンスS304)。
スモールセル基地局1のセル選択部14は、移動局2−2からの品質測定報告メッセージ(「inter-frequency measurement report」メッセージ)を受け取ると、該品質測定報告メッセージ(「inter-frequency measurement report」メッセージ)に含まれている異周波数セル(セル3−1)の受信電力(RSRP)とその異周波数セルの品質評価情報(Event−A4条件)とに基づいて、当該移動局2−2の接続先セルを、現在のセル3−2(2GHz)からセル3−1(3.5GHz)に変更するセル選択を行う(シーケンスS305)。
本第1の実施の形態においては、カバレッジを変更するタイミングの直後に、異周波数セルの受信品質を測定するように、測定タイミングを移動局毎に設定しているので、カバレッジ変更に伴う異周波数セルの選択に要する時間を短縮することができ、異周波数セル間の負荷分散を直ちに実現することができるという効果が得られる。
また、図3のフローチャートに示した手順は、マイクロプロセッサ等のコンピュータに基地局装置を制御するためのプログラムとして実行させることによって実現することが可能である。すなわち、基地局制御プログラムを実行するコンピュータに、異周波数セルの測定タイミングを設定させる処理を実行させるようにすれば良い。
なお、前述の説明においては、セル3−1とセル3−2との間でキャリアアグリゲーションを適用することができ、移動局2は、接続先のセルと異周波数のセルとの双方の受信電力(RSRP)を、特定の測定時間(Measurement Gap)を用いることなく測定することができる場合について説明したが、キャリアアグリゲーションを適用しない場合には、特定の測定時間(Measurement Gap)を用いて、異周波数セルの受信電力(RSRP)を測定することになる。かかる場合における特定の測定時間(Measurement Gap)の具体例を、図6の説明図を用いて説明する。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法を実現するために設定される特定の測定時間(Measurement Gap)の具体例を説明するための説明図であり、10msec区間のフレーム(frame)、1msec区間のサブフレーム(subframe)から構成されるLTE方式のシステムフレーム構成の場合について例示している。
測定時間(Measurement Gap)を設定するために、まず、該測定時間(Measurement Gap)の繰返し周期(MGRP:Measurement Gap Repetition Period)と該測定時間(Measurement Gap)の時間長(MGL:Measurement Gap Length)とを設定する。図6に示すように、LTE方式においては、繰返し周期(MGRP)は、40msecまたは80msecと規定され、時間長(MGL)は、6msecと規定されている。ここで、パラメータgapOffestを用いて、測定時間(Measurement Gap)の開始時刻となるサブフレーム(subframe)を、次の式(1)に示すように指定する。
Figure 2016063243
…(1)
式(1)において、変数SFNは、システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)を意味し、関数FLOOR(x)は、実数xに対してx以下の最大の整数を返す床関数を意味している。なお、図6の設定例においては、繰返し周期MGRP=40msecに設定し、パラメータgapOffset=25に設定した例を示している。
かくのごとき設定を行うことによって、測定時間(Measurement Gap)は、システムフレーム番号SFN=2,6,10,…における第5番目のサブフレーム(subframe)から始まり次のシステムフレーム番号の先頭の第0番目のサブフレーム(subframe)に至るまでの6個のサブフレーム(subframe)の間の、時間長MGL=6msecの区間として設定される。かくのごとく、設定された測定時間(Measurement Gap)を用いて、異周波数セルの受信電力(RSRP)を測定することにすれば良い。つまり、パラメータgapOffsetを用いて、式(1)に示す条件を満たすタイミングを、異周波数セルの測定タイミングとして設定することにすれば良い。
なお、本第1の実施の形態においては、測定対象の異周波数セルの受信品質を、下り回線参照信号の受信電力(RSRP)として説明したが、かかる場合に限るものではない。例えば、下り回線参照信号の受信品質(RSRQ)を用いても良い。
また、本第1の実施の形態においては、カバレッジを変更するために用いる無線パラメータとして、下り回線参照信号を含む制御信号の送信ビームの指向性を変更する場合について説明したが、かかる場合に限るものではない。該無線パラメータとして、例えば、異周波数セル(セル3−1)を形成する際の送信電力、アンテナチルト角を用いても良い。
また、本第1の実施の形態においては、移動局2のチャネル品質報告部22が行う受信品質の測定報告として,隣接セル(異周波数セル)の受信品質が、Event−A4条件としてあらかじめ定めた第1の品質閾値以上に良好であることを示す評価であるEvent−A4を用いたが、かかる場合に限るものではない。例えば、受信品質の測定報告として、Event−A3の測定報告を用いても良い。ここで、Event−A3とは、隣接セル(異周波数セル)の受信品質の評価結果として、接続中のセルの受信品質よりも隣接セル(異周波数セル)の受信品質の方があらかじめ定めた所定値以上に良好である場合に実施される測定報告である。移動局2がどの測定報告を実施するかは、スモールセル基地局1の測定制御部12が移動局2に対して指示すれば良い。
また、本第1の実施の形態においては、測定した異周波数セルの受信品質を周期的に報告する周期測定レポート(Periodic Measurement Report)の場合を説明したが、かかる場合に限るものではない。例えば、測定した異周波数セルの受信品質が、非周期報告用としてあらかじめ定めた第2の品質閾値以上となる場合にのみ、受信品質を報告する非周期測定レポート(Aperiodic Measurement Report)を適用して、受信品質の報告を行うようにしても良い。これにより、受信品質の報告頻度を抑制することができる。なお、該第2の品質閾値は、Event−A4条件としてあらかじめ定めた第1の品質閾値以下の値に設定することが望ましい。
<本発明の第2の実施の形態>
次に、本発明を適用した測定タイミング調整方法の第2の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける測定タイミング調整方法においては、異周波数セルの測定タイミングを設定する移動局2を、セル間の負荷の均等化を図るために接続先のセルを再選択させる候補として、異周波数セルの受信品質を測定する対象とする対象移動局として指定し、対象移動局として指定した移動局2にのみ受信品質の測定タイミングを設定する。すなわち、第1の実施の形態においては、図1に示したセル2−2を用いて接続中の5台の移動局2−2全てを対象移動局として、全ての移動局2−2に対して測定タイミングを指定して設定していたのに対して、本第2の実施の形態においては、異周波数セルのセル3−1のカバレッジを変更した後に、セル2−2(第2のセル)からセル2−1(第1のセル)へ接続先セルが変更されて、当該セル3−1のカバレッジに新たに含まれる可能性がある移動局2−2のみに絞って、対象移動局として指定して、測定タイミングを設定する場合について示している。
(第2の実施の形態の構成例の説明)
本発明の第2の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局を含む無線通信システムのシステム構成は、第1の実施の形態として図1に示したシステム構成と同様であり、無線通信システムにLTE(Long Term Evolution)方式を適用し、上り回線と下り回線とで、同一周波数で送信時間が異なるTDD(Time Division Duplex)方式を適用している。
次に、本第2の実施の形態におけるスモールセル基地局1および移動局2の内部構成について図7を参照しながら詳細に説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局の内部構成の一例を示すシステム構成図である。ただし、移動局2の内部構成は、第1の実施の形態の図2と全く同一であるので、ここでの重複する説明は省略し、以下に、スモールセル基地局1の内部構成について説明する。
図7のブロック構成におけるスモールセル基地局1の内部構成と図2の場合との相違点は、測定タイミングの設定対象になる移動局2を選択して対象移動局として決定するための構成要素として、送受信バッファ部15、移動局分布推定部16、移動局通信状態測定部17および対象移動局選択部18が新たに追加された構成となっている点である。スモールセル基地局1のその他の構成要素(基地局無線送受信部10、タイミング調整部11、測定制御部12、無線パラメータ制御部13およびセル選択部14)については、図2のブロック構成の場合と同一であり、図2と同じ参照符号を付して、ここでの重複する説明は割愛する。以下、本第2の実施形態においてスモールセル基地局1に新たに追加した送受信バッファ部15、移動局分布推定部16、移動局通信状態測定部17および対象移動局選択部18について、順に説明する。
送受信バッファ部15は、ネットワークを介して移動局2宛てに送られるデータ(または、移動局2からネットワークを介して送られてくるデータ)を一時的に蓄える。送受信バッファは、移動局毎(ユーザ毎)および品質識別指標QCI(QoS Class Identifier)毎に準備される。ここで、品質識別指標QCIとは、ネットワークにおいて提供されるサービス品質を示すQoS(Quality of Service)の識別指標を意味する。
移動局分布推定部16は、第1のセルおよび第2のセルにおける移動局2の分布を推定する移動局分布推定手段を提供するものであり、移動局2それぞれからの上り回線参照信号を複数のアンテナ素子にて受信することによって、各移動局2からの電波の到来角を推定し、該到来角の推定結果を収集することによって、全移動局2に関する到来角の角度分布を推定する。各移動局2の到来角の推定には、相関行列の固有値・固有ベクトルを用いるMUSIC(Multiple Signal Classification)法など、本発明に関する分野において一般的な技術を適用する。なお、図1に示したセル3−1(第1のセル)により通信する1台の移動局2−1は、高周波数(第1の周波数)側の3.5GHzキャリアを、セル3−2(第2のセル)により通信する5台の移動局2−2それぞれは、低周波数(第2の周波数)側の2GHzキャリアを、それぞれ用いて到来角を推定する。また、角度分布は、キャリア毎に区別することなく推定するものとする。
移動局通信状態測定部17は、移動局2の通信状態を測定する通信状態測定手段を提供するものであり、移動局2の通信における特徴的な状態として、トラヒックや受信品質などを移動局2毎に測定する。本第2の実施の形態においては、スモールセル基地局1との通信のために、どのセル3と接続しているかを移動局2の通信状態として測定するものとする。各移動局2の接続先のセル3は、基地局無線送受信部10が通信毎に管理する接続セルの情報から取得することができる。具体的には、ハンドオーバなどのセル再選択の際に、スモールセル基地局1から送信されるPCI情報(Physical Cell ID:電波レベルでセル3を識別する情報)を移動局2が測定・報告してくるので、該PCI情報から接続セルを特定することができる。例えば、移動局2−1は、3.5GHzキャリアのセル3−1に接続し、移動局2−2は、2GHzキャリアのセル3−2に接続していることを特定することができる。
対象移動局選択部18は、移動局分布推定部16にて推定した各移動局2の角度分布と、移動局通信状態測定部17にて測定した各移動局2の通信状態と、を用いて、2GHzキャリアしか選択することができない移動局2の分布を特定し、測定タイミングを設定する対象とする移動局2(対象移動局)として選択する。本第2の実施の形態においては、移動局2毎に、到来角と接続先セルとの情報を参照することによって、低周波数(第2の周波数)側である2GHzキャリアしか選択することができない場所にいる移動局2を特定する。特定した移動局2の情報は、測定タイミングを設定する対象とする対象移動局の情報として、タイミング調整部11に通知される。タイミング調整部11は、対象移動局選択部18から受け取った対象移動局それぞれに関して、無線パラメータ制御部13が設定する例えばカバレッジの変更周期に関連付けて、カバレッジの変更制御の直後に受信品質の測定を実施するように、測定タイミングを調整する。
つまり、対象移動局選択部18は、移動局2の分布と移動局2の通信状態とに基づいて、無線パラメータの変更により第2のセルから第1のセルへ接続先セルが変更される可能性があるか否かを判定し、該当する移動局2を対象移動局として選択する対象移動局選択手段を提供するものである。選択された対象移動局は、無線パラメータ制御部13における無線パラメータの変更により第2のセルから第1のセルへ接続先セルが変更される可能性がある移動局になる。
(第2の実施の形態の動作の説明)
次に、本第2の実施の形態における、測定タイミングの調整に関する動作について、その一例を説明する。なお、移動局2の動作については、第1の実施の形態の図4のフローチャートに示した動作と同様であるので、ここでの重複する説明は省略し、スモールセル基地局1において測定タイミングを調整する動作について、その一例を図8のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局1における動作手順を示すフローチャートであり、スモールセル基地局1における対象移動局の選択、測定タイミングの設定のみならず、カバレッジ変更の動作についても示している。
図8のフローチャートが起動されると、まず、無線パラメータ制御部13において、カバレッジ制御のための無線パラメータの変更周期Trを用いて、現在時刻tが、カバレッジ制御のための無線パラメータの変更時刻に達したか否かを判定する(ステップS401)。変更周期Trは、第1の実施の形態における図3のステップS101と同様の手順で、あらかじめ設定されている。
前記変更時刻にまだ達していない場合は(ステップS401のNO)、図4のフローチャートの動作は終了する。前記変更時刻に達していた場合は(ステップS401のYES)、ステップS402へ進み、まず、移動局分布推定部16において、各移動局2の上り回線参照信号の到来角情報を用いて、セル3−1およびセル3−2それぞれを含むカバレッジエリア内の移動局の分布を推定する(ステップS402)。ステップS402の動作の一例を、図9(A)に示す。図9は、本発明の第2の実施の形態に係るスモールセル基地局1におけるカバレッジ制御の実施手順の一例を説明するための説明図であり、図9(A)はステップS402の動作の一例を、図9(B)はステップS404の動作の一例を、また、図9(C)はステップS407の動作の一例を、それぞれ説明している。
ステップS402においては、図9(A)に示すように、例えば、スモールセル基地局1から垂直に伸びる垂直軸を基準にして、セル3−1に属する1台の移動局2−1は、3.5GHzキャリアを用いて、また、セル3−2に属する5台の移動局2−2は、2GHzキャリアを用いて、それぞれ、鎖線矢印にて示す上り回線参照信号の到来角が測定される。ここで、スモールセル基地局1と各移動局2との間が見通し内に近い環境であればあるほど、周波数によらず、取得した到来角は、各移動局2の地理的な位置を示す角度方向とみなすことができ、セル3−1およびセル3−2を含むカバレッジエリア内の各移動局2の分布を推定することができる。
図8のフローチャートに戻って、次に、移動局通信状態測定部17において、各移動局2の通信状態を測定する。ここで、前述したように、本第2の実施の形態においては、スモールセル基地局1との通信のために各移動局2がどのセル3と接続しているかを各移動局2の通信状態とみなすことにする。かくのごとき通信状態の測定結果から、2GHzキャリアのみ選択することが可能な移動局2を特定するために、接続先のセル3としてセル3−2を選択した移動局2−2を抽出する(ステップS403)。
しかる後、対象移動局選択部18において、ステップS402において求めた各移動局2の角度分布と、ステップS403において取得した各移動局2の通信状態と、を用いて、2GHzキャリアしか選択することができない少なくとも1台以上の移動局2の群(移動局群)の分布を、カバレッジ制御対象および測定タイミング設定対象の移動局2の候補として特定する(ステップS404)。ステップS404の動作の一例を、図9(B)に示す。
図9(B)に示すように、接続先のセル3として2GHzキャリアで通信するセル3−2を選択した5台の移動局2−2について、あらかじめ定めた所定の角度範囲毎に区切って(図9(B)の例においては、スモールセル基地局1から垂直に伸びる垂直軸から時計方向に20°ずつ回転する0°〜19°、20°〜39°、…の角度範囲毎に区切って)、ステップS402において得られた移動局2−2の到来角を基にして、各角度範囲毎に移動局2−2の台数を計上する。
各角度範囲毎に計上された移動局2−2の台数が、当該スモールセル基地局1に接続中の状態にある移動局2の総数(移動局2−1と移動局2−2との合計台数)に対して、あらかじめ定めた所定の割合閾値以上の場合に、該当する角度範囲に属する複数の移動局2−2(図4(B)においては20°〜39°の角度範囲に属する移動局2−2として点線の丸で囲んだ3台の移動局2−2)を同一の移動局群とみなす。なお、本第2の実施の形態においては、カバレッジ制御を実施して、セル3−1、セル3−2の2セル間でできる限り均等に負荷を分散する観点から、前記所定割合を50%と設定している。
図9(B)に示す例においては、前述したように、20°〜39°の角度範囲に移動局2−2が3台分布しており、かつ、3台は、接続中の移動局2の総数6台の50%に相当しているので、当該角度範囲に属する3台の移動局2−2を1つの移動局群とみなすことになる。
図8のフローチャートに戻って、次に、対象移動局選択部18において、ステップS402からステップS404までの動作によって、カバレッジ制御対象および測定タイミング設定対象の移動局2の候補として、移動局群の存在が特定されたか否かを判定する(ステップS405)。特定された移動局群の数が正整数であり、移動局群が存在すると判定された場合は(ステップS405のYES)、ステップS406に進む。一方、特定された移動局群の数が‘0’であり、移動局群は存在しないと判定された場合は(ステップS405のNO)、ユーザすなわち移動局2のスループットの改善を図ることができない場合であり、受信品質の測定を行う必要がない場合であるので、図8のフローチャートの動作を終了する。
対象移動局として少なくとも1台以上含む移動局群が存在すると判定された場合は、前述のように、ステップS406に進み、まず、タイミング調整部11において、測定タイミングが無線パラメータ制御部13における無線パラメータの変更タイミングの直後になるように、異周波数セルのセル3−1の受信品質(RSRP)の測定タイミング(測定開始時刻と測定周期Tm)を設定し、設定した測定タイミングを、測定制御部12に通知することにより、ステップS404において品質測定対象となる移動局群(対象移動局)としてセル3−2に接続されている移動局2それぞれに対して通知する(ステップS406)。なお、異周波数セルのセル3−1の受信品質(RSRP)の測定タイミングの設定通知が送られてきた当該対象移動局においては、第1の実施の形態の場合と同様の仕組みを用いて測定タイミングを設定すれば良い。
しかる後、無線パラメータ制御部13において、ステップS404にてカバレッジ制御対象として特定した対象移動局(少なくとも1台以上の移動局群)に向かうように、高周波数側の3.5GHzキャリアのセル3−1における下り回線参照信号を含む制御信号の送信ビームの指向性を制御することにより、当該移動局群に対するセル3−1のカバレッジを拡大する(ステップS407)。ここで、3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性の制御には、特定した移動局群の到来角を用いて、ビームの形状(幅やゲイン)を変えずに、送信ビームの指向性のみを制御するステアリングベクトル法を適用する。ステップS407の動作の一例を、図9(C)に示す。
図9(C)に示すように、特定した対象移動局(移動局群)の代表角θに対して3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性を向けるように制御する。ここで、当該代表角θは、特定した対象移動局(移動局群)を構成する各移動局2の到来角の平均値を用いても良いし、特定した対象移動局(移動局群)を構成する各移動局2の到来角の最大角と最小角との中央値を用いても良い。
次に、スモールセル基地局1と移動局2との間における、測定タイミングの設定、無線パラメータの変更および異周波数セルの選択の一連の動作について、図10のシーケンス図を参照しながら詳細に説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するために、スモールセル基地局1と移動局2との間で送受信されるメッセージの流れを示すシーケンス図である。図10のシーケンス図に示すメッセージの流れと第1の実施の形態として図5に示したシーケンス図の場合との相違点は、図10の最初のシーケンスとしてシーケンスS501の動作が追加された点のみである。図10のシーケンス図のその他のシーケンス(シーケンスS301〜シーケンスS305)の各動作については、図5のシーケンス図の場合と同一であり、図5と同じシーケンス記号を付して、ここでの詳細な説明は割愛する。
図8のフローチャートのステップS405の判定処理において、カバレッジ制御対象および品質測定タイミング設定対象となる移動局群(対象移動局)が存在していると判定されて、測定タイミング設定の対象移動局が存在する場合には、図10のシーケンス図における最初のシーケンスとして、まず、無線パラメータの変更を実施することを決定し(シーケンスS501)、第1の実施の形態における図5のシーケンス図と同様のシーケンスS301〜シーケンスS305の動作を行う。一方、品質測定対象となる移動局群(測定対象移動局)が存在しないと判定された場合には、無線パラメータの変更を実施しない。
以上の動作を行うことにより、本第2の実施の形態においては、異周波数セルのセル3−1のカバレッジ変更後に、当該セル3−1のカバレッジに新たに含まれる可能性がある移動局2−2すなわち負荷分散の対象となる可能性がある移動局2−2(対象移動局)のみに対して、異周波数セル(セル3−1)の品質測定を指示し、かつ、品質測定のタイミングとしてカバレッジ変更動作の直後に直ちに実施させるので、第1の実施の形態の場合に比して負荷分散をより確実に実施することができる。
また、従来技術や第1の実施の形態の場合のように、同一セル内の接続中の全移動局に対して測定タイミングを通知する場合に比べて、本第2の実施の形態においては、対象移動局として特定された一部の接続中の移動局2−2のみに対して測定タイミングを通知するので、該当しないその他の移動局2−2においては、異周波数セル(セル3−1)の品質測定を回避することができ、移動局2−2の消費電力を削減することができる。
なお、本第2の実施の形態においては、図10のシーケンス図に示すように、シーケンスS501の無線パラメータの変更の決定後に、構成変更指示メッセージである「RRC(Radio Resource Control) connection reconfiguration」メッセージを移動局2−2に送付し、実際に、カバレッジを変更した後に異周波数セルの受信品質を測定するように、測定タイミングを指定する場合を説明したが、かかる場合のみに限るものではない。例えば、実際に、カバレッジを変更した後に、構成変更指示メッセージ(「RRC(Radio Resource Control) connection reconfiguration」メッセージ)を送付し、該構成変更指示メッセージとして、直ちに、異周波数セルの受信品質を測定するような測定タイミング(例えばgapOffset=0など)の指定を行うようにしても良い。
また、本第2の実施の形態においては、特定された対象移動局(移動局群)が1つのみの場合について説明したが、かかる場合のみに限るものではなく、対象移動局(移動局群)が複数特定される場合もある。測定対象移動局群が複数特定された場合は、例えば、該対象移動局群を構成する移動局数が最大となる1つの対象移動局を、カバレッジ制御および品質測定対象の移動局群として選択して、選択した移動局群に対して、3.5GHzキャリアの指向性を制御し、異周波数セルの品質測定タイミングを指示するようにすれば良い。かくのごとく制御することによって、負荷分散を実現するための対象となる移動局2として、1度に、より多くの移動局2を選択することができる。
また、本第2の実施の形態においては、2GHzキャリアしか選択することができない移動局2−2の分布のみを用いて対象移動局(移動局群)を特定する場合を説明したが、かかる場合のみに限るものではない。例えば、3.5GHzキャリアを選択した移動局2−1の分布も用いるようにしても良い。すなわち、3.5GHzキャリア(セル3−1)を選択した移動局2−1の分布も推定することによって、特定した移動局群に向かうように3.5GHzキャリアの指向性を変更しても、3.5GHzキャリアを選択した移動局2−1が、継続して、3.5GHzキャリアを選択することができるか否かを判定することができる。
例えば、図9(C)に示したように、2GHzキャリアの移動局群と3.5GHzキャリアの移動局とが、ほぼ同一の角度分布に存在していれば、3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性を変更しても、3.5GHzキャリアの移動局2−1の接続先セルに対する影響はないので、2GHzキャリアの当該移動局群に向かうように3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性を変更することができるものと判断することができる。
<本発明の第3の実施の形態>
次に、本発明を適用した測定タイミング調整方法の第3の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本第3の実施の形態に係る無線通信システムの構成およびスモールセル基地局1、移動局2の内部構成については、第2の実施の形態として示した図1、図7の場合と同一のシステム構成、内部構成であるので、ここでの説明は省略する。ただし、本第3の実施の形態に係る無線通信システムにおける測定タイミング調整方法の動作の一部が、第2の実施の形態として示した図8のフローチャートの場合とは異なっている。
すなわち、本第3の実施の形態に係る無線通信システムにおける測定タイミング調整方法においては、第2の実施の形態の場合と同様に、セル3−1のカバレッジ変更後に、セル3−1のカバレッジに新たに含まれることになる可能性がある移動局2−2についてのみ測定タイミングを指定する場合を説明するが、本第3の実施の形態においては、第2の実施の形態の場合に対して次の要件を新たに追加している。
つまり、本第3の実施の形態において新たに追加した要件として、セル3−1とセル3−2との間のトラヒック負荷を考慮して、トラヒック負荷が均衡化するように、カバレッジの制御対象および測定タイミングの設定対象の対象移動局を選択することにする。該トラヒック負荷としては、本第3の実施の形態においては、各移動局2の送信バッファサイズを用いることとする。ここで、送信バッファサイズとは、移動局2とアプリケーションサーバとの間の通信において、途中に介在するスモールセル基地局1の装置内に備えられたバッファに滞留する送信データ量を意味している。かかる送信バッファサイズを用いることによって、移動局2当たりのトラヒック負荷に応じた制御を実現することができる。
(第3の実施の形態の動作の説明)
次に、本第3の実施の形態における、測定タイミングの調整に関する動作について、その一例を説明する。なお、移動局2の動作については、第1の実施の形態の図4のフローチャートに示した動作と同様であるので、ここでの重複する説明は省略し、スモールセル基地局1において測定タイミングを調整する動作について、その一例を図11のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局1における動作手順を示すフローチャートであり、スモールセル基地局1における対象移動局の選択、測定タイミングの設定のみならず、カバレッジ変更の動作についても示している。
図11のフローチャートに示す測定タイミングの調整方法と図8の場合との相違点は、図8のステップS403とステップS404とに記載した各移動局2の通信状態の測定と対象移動局の選択とに関する動作が、ステップS601とステップS602との動作に置き換わり、かつ、ステップS602の次のステップとしてステップS603の動作が新たに追加された点である。図11のフローチャートのその他のステップ(ステップS401、ステップS402、ステップS405〜ステップS407)の各動作については、図8のフローチャートの場合と同一であり、図8と同じステップ記号を付して、ここでの詳細な説明は割愛する。
図11のフローチャートにおいて、カバレッジ制御のための無線パラメータの変更時刻に達し(ステップS401のYES)、セル3−1およびセル3−2を含むカバレッジエリア内の移動局の分布の推定(ステップS402)が終了すると、本第3の実施の形態において置き換わったステップS601に進み、移動局通信状態測定部17において、各移動局2の通信状態を測定する。ここで、各移動局2の通信状態として、スモールセル基地局1との通信のために各移動局2が接続したセル3の情報を用いることに加えて、各移動局2の送信バッファサイズに関する情報も用いている。
ステップS601においては、移動局通信状態測定部17において、各移動局2の通信状態として、スモールセル基地局1との通信のために各移動局2がどのセル3と接続しているかを調べるとともに、さらに、各移動局2宛ての送信バッファサイズがあらかじめ定めた所定のサイズ閾値以上となる状態にあるか否かを測定する。ここで、送信バッファサイズは、送受信バッファ部15に蓄えられているデータ量を測定することによって取得することができる。各移動局2の通信状態の測定結果に基づいて、2GHzキャリアのみ選択することが可能であり、かつ、トラヒック負荷があらかじめ定めた負荷閾値以上に高い、移動局2を特定するために、接続先のセル3として低周波数(第2の周波数)側の2GHzキャリアのセル3−2(第2のセル)を選択した移動局2−2であって、かつ、送受信バッファ部15に蓄えられているデータ量が前記サイズ閾値以上に多い移動局2−2を抽出する(ステップS601)。
しかる後、ステップS602に進み、対象移動局選択部18において、図8のステップS404の場合と同様にして、ステップS402において求めた各移動局2の角度分布と、ステップS601において取得した各移動局2の通信状態と、を用いて、2GHzキャリアしか選択することができなく、かつ、トラヒック負荷の高い(本第3の実施の形態においては、送信バッファサイズが前記サイズ閾値以上に大きい)状態にある、少なくとも1台以上の移動局2の群(移動局群)の分布を、カバレッジ制御対象および測定タイミング設定対象の移動局2の候補(対象移動局の候補)として特定する(ステップS602)。対象移動局の候補が複数存在している場合を考慮して、ステップS602においては、対象移動局の候補のみを特定するこことし、実際に、カバレッジ制御および測定タイミング設定を実施させる対象移動局は、次のステップS603において選択する。
ステップS602において対象移動局の候補を特定すると、次に、特定された対象移動局の候補の中から、実際に、カバレッジ制御の対象(異周波数セルへのハンドオーバ対象)であり、かつ、異周波数セルの品質測定を行う対象となる対象移動局を選択する(ステップS603)。
対象移動局の選択方法としては、まず、セル3−1に接続する全移動局2とセル3−2に接続する全移動局2との送信バッファサイズの合計値を、それぞれ、セル3−1の送信バッファサイズ合計値とセル3−2の送信バッファサイズ合計値として求める。ただし、カバレッジ制御として、移動局2の接続先セルをセル3−2から異周波数セルのセル3−1に変更すると仮定した場合には、当該移動局2の送信バッファサイズをセル3−2の送信バッファサイズ合計値から差し引き、かつ、セル3−1の送信バッファサイズ合計値に加算する。
次いで、セル3−1の送信バッファサイズ合計値とセル3−2の送信バッファサイズ合計値との差(本第3の実施の形態においては、高負荷になっているセル3−2送信バッファサイズ合計値から低負荷のセル3−1送信バッファサイズ合計値を減算した差分値)が、あらかじめ定めた所定の差分閾値以内となる条件を満たす限り、対象移動局の候補に含まれている各移動局2のうち、送信バッファサイズが大きい移動局2の順に、対象移動局の候補の中から、順番に、実際にカバレッジ制御を実施し、かつ、測定タイミングの設定を行う対象移動局として移動局2を選択する。
以上の動作を行うことにより、本第3の実施の形態においては、異周波数セルのセル3−1のカバレッジの変更後に、当該セル3−1のカバレッジに新たに含まれることになる可能性がある移動局2−2すなわち負荷分散の対象となる移動局2−2として、トラヒック負荷の高い移動局2−2を優先して、異周波数セル(セル3−1)の品質測定を、カバレッジ変更動作の直後に直ちに実施させることになるので、第1の実施の形態の場合に比して負荷分散をより確実に実施することができる。また、対象移動局の候補の中から対象移動局を選択して、異周波数セルの品質測定を行う移動局2を絞り込んでいるので、対象移動局に該当しないその他の移動局2−2においては、異周波数セル(セル3−1)の品質測定を回避することができ、第2の実施の形態の場合以上に、移動局2−2の消費電力を削減することができる。
なお、本第3の実施の形態においては、トラヒックに関連する通信状態として、送信バッファサイズを用いる場合について説明したが、本発明はかかる場合のみに限るものではない。例えば、無線ネットワークにて提供されるサービス品質を示すQoS(Quality of Service)を用いても良い。QoSについては、トラヒックのタイプ(real time、non-real timeなど)、パケット送信遅延、パケットロス率等の要求品質の観点から優先度が規定されており、該優先度は、QCI(QoS Class Identifier)と称される。かかる場合には、送受信バッファ部15における送受信バッファは、QCI毎にも準備されることになる。
したがって、カバレッジ制御および品質測定タイミング設定の対象とする移動局群を構成する対象移動局を特定する際に、優先度を示すQCIがあらかじめ定めた所定の優先度レベルよりも高い送信バッファに、送信データが、あらかじめ定めた所定量以上に蓄積されている状態になっている移動局2の通信状態を、トラヒックに関連する制御対象の通信状態と特定することによって、優先度の高い移動局2に対して、3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性を制御し、かつ、異周波数セルの品質測定を実施させることが可能となり、QoSの要求品質をより確実に満たすことができるようになる。
かかる場合、対象移動局の候補の中から対象移動局を選択する方法としては、まず、セル3−2に接続される移動局2であって、かつ、優先度を示すQCIがあらかじめ定めた所定の優先度レベル以上となる送信バッファに、送信データがあらかじめ定めた所定量以上蓄積されている移動局2の台数が、あらかじめ定めた所定の台数閾値以下の条件を満たす限り、送信データ量が多い順に、対象移動局の候補の中から、順番に、対象移動局として選択するようにすれば良い。
<本発明の第4の実施の形態>
次に、本発明を適用した測定タイミング調整方法の第4の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本第4の実施の形態に係る無線通信システムにおいては、第1の実施の形態に係る無線通信システムに対して、各セルのセル負荷を測定する構成要素がさらに追加された構成となっている。そして、各セルのセル負荷を測定した結果、セル間のセル負荷の差が大きい場合には、第1の実施の形態における測定タイミング設定対象の移動局群の特定とカバレッジ制御(3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性制御)と異周波数セルの品質測定(セル3−1の受信品質の測定タイミングの設定)とを実施する。一方、セル間のセル負荷の差が小さければ、測定タイミング設定対象の移動局群が存在する可能性が低いので、移動局群の特定とカバレッジ制御(3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性制御)と異周波数セルの品質測定(セル3−1の受信品質の測定タイミングの設定)との動作を回避する。
つまり、セル間のセル負荷の差が大きく、3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性制御の必要性が高いときのみ、カバレッジの制御および異周波数セルの品質測定を実施する。なお、本第4の実施の形態において、測定対象とする各セルのセル負荷としては、通信中(接続中)の移動局2の台数(すなわちアクティブ移動局の台数)を用いている。
(第4の実施の形態の構成例の説明)
本発明の第4の実施の形態に係るスモールセル基地局、移動局を含む無線通信システムのシステム構成は、第1の実施の形態として図1に示したシステム構成と同様であり、無線通信システムにLTE(Long Term Evolution)方式を適用し、上り回線と下り回線とで、同一周波数で送信時間が異なるTDD(Time Division Duplex)方式を適用している。
次に、本第4の実施の形態におけるスモールセル基地局1および移動局2の内部構成について図12を参照しながら詳細に説明する。図12は、本発明の第4の実施の形態に係るスモールセル基地局1および移動局2の内部構成の一例を示すブロック図である。なお、図1に示した移動局2−1と移動局2−2との内部構成は同一であり、図12には、移動局2として内部構成の一例を示している。図12のブロック構成における第1の実施形態の図2との相違点は、各セル3のセル負荷を取得するために、図12に示すスモールセル基地局1が、図2のスモールセル基地局1と同様の各部位の他に、さらに、送受信バッファ部15とセル負荷測定部19とを追加して備えた構成になっている点である。
図12のブロック構成図のその他の構成要素(スモールセル基地局1の基地局無線送受信部10、タイミング調整部11、測定制御部12、無線パラメータ制御部13およびセル選択部14の各部位、移動局2の移動局無線送受信部20、チャネル品質測定部21およびチャネル品質報告部22の各部位)については、図2のブロック構成の場合と同一であり、図2と同じ参照符号を付して、ここでの詳細な説明は割愛する。また、送受信バッファ部15については、第3の実施の形態の図7の送受信バッファ部15と同一であり、同様に、図7と同じ参照符号を付して、ここでの詳細な説明は割愛する。以下、図12のブロック構成図において、本第4の実施の形態に特有の構成要素としてスモールセル基地局1に追加して備えられているセル負荷測定部19について説明する。
セル負荷測定部19は、各セル3のセル負荷として、各セル3に接続しているアクティブ移動局の台数を測定する。測定したセル負荷は、スモールセル基地局1内の無線パラメータ制御部13に通知される。
(第4の実施の形態の動作の説明)
次に、本第4の実施の形態における、スモールセル基地局1のカバレッジ制御動作について、その一例を図13のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図13は、本発明の第4の実施の形態に係る測定タイミングの調整方法の一例を実現するためのスモールセル基地局1における動作手順を示すフローチャートであり、スモールセル基地局1における測定タイミングの設定のみならず、カバレッジ変更の動作についても示している。
図13のフローチャートが起動されると、まず、無線パラメータ制御部13において、カバレッジ制御のための無線パラメータの変更周期Trを用いて、現在時刻tが、カバレッジ制御のための無線パラメータの変更時刻に達したか否かを判定する(ステップS701)。変更周期Trは、第1の実施の形態における図3のステップS101と同様な手順で、無線パラメータ制御部13の無線パラメータの一つとして、あらかじめ設定されている。
前記変更時刻にまだ達していない場合は(ステップS701のNO)、図13のフローチャートの動作は終了する。前記変更時刻に達していた場合は(ステップS701のYES)、ステップS702へ進み、無線パラメータ制御部13において、まず、セル負荷測定部19にて測定されたセル3−1とセル3−2とのセル負荷を比較する(ステップS702)。セル3−1のセル負荷が、セル3−2のセル負荷に対してさらにあらかじめ定めた所定の差分閾値Aを加算した値よりも小さい場合、すなわち、セル3−1のセル負荷が、セル3−2のセル負荷に比してあらかじめ定めた所定の差分閾値Aよりも小さい場合(ステップS702のYES)、セル3−2のセル負荷がセル3−1のセル負荷に比して相対的に大きいとみなされて、カバレッジの制御を実施するために、ステップS703に進む。
一方、セル3−1のセル負荷が、セル3−2のセル負荷にあらかじめ定めた所定の差分閾値Aを加算した値以上に大きい場合は(ステップS702のNO)、セル3−2のセル負荷がセル3−1のセル負荷に比して相対的に小さく、カバレッジ制御の対象となる移動局群が存在する可能性が低いので、図9のフローチャートの動作を終了する。
ステップS703に進むと、タイミング調整部11において、無線パラメータ制御部13における無線パラメータの変更タイミングの直後になるように、異周波数セルのセル3−1の受信品質(RSRP)の測定タイミング(測定開始時刻と測定周期Tm)を設定し、設定した測定タイミングを、測定制御部12に通知することにより、移動局2それぞれに対して通知する(ステップS703)。なお、異周波数セルのセル3−1の受信品質(RSRP)の測定タイミングの設定通知が送られてきた移動局2においては、第1の実施の形態の場合と同様の仕組みを用いて測定タイミングを設定すれば良い。
しかる後、無線パラメータ制御部13において、セル3−2に接続されている移動局2のうち特定の移動局群(対象移動局)に向かうように、3.5GHzキャリアのセル3−1における下り回線参照信号を含む制御信号の送信ビームの指向性を制御することにより、当該移動局群に対するセル3−1のカバレッジを拡大する(ステップS704)。ここで、3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性の制御には、特定した移動局群の到来角を用いて、ビームの形状(幅やゲイン)を変えずに、送信ビームの指向性のみを制御するステアリングベクトル法を適用すれば良い。
以上の動作を行うことにより、本第4の実施の形態においては、高周波数(第1の周波数)側の3.5GHzキャリアを用いるセル3−1(第1のセル)と低周波数(第2の周波数)側の2GHzキャリアを用いるセル3−2(第2のセル)との間で、セル負荷に大きな偏りが生じている場合には、負荷分散を行って、該偏りを是正するように、測定タイミングの設定(異周波数セルの品質測定)やカバレッジ制御を実施する。したがって、負荷分散が必要な場合にのみ、測定タイミングの設定やカバレッジ制御が実施されるので、異周波数セルの品質測定やカバレッジ制御の処理負荷を軽減しながら、スループットを確実に改善することができるという付加的な効果を得ることができる。
なお、本第4の実施の形態においては、セル負荷として、アクティブ移動局の台数を用いる場合について説明したが、本発明におけるセル負荷については、かかる場合のみに限るものではない。例えば、セル負荷として、アクティブ移動局の台数、セル3の周波数毎の帯域幅の違いを考慮した周波数帯域当たりのアクティブ移動局の台数、周波数リソースのリソース使用率、各セル3内の移動局2すなわち各アクティブ移動局宛ての送信バッファサイズの合計値などのうち、いずれか1ないし複数を用いても良い。
<本発明のその他の実施の形態>
次に、本発明を適用したカバレッジ制御方法のその他の実施の形態について説明する。前述した第2の実施の形態、第3の実施の形態においては、スモールセル基地局1が各移動局2の分布を推定するために、移動局分布推定部16において上り回線参照信号の到来角を測定する場合について説明したが、本発明における移動局分布推定動作は、かかる場合のみに限るものではない。
例えば、各移動局2が、下り回線参照信号の到来角度毎の受信品質を測定して、測定した受信品質に関する情報を、プリコーディングウェイト情報(PMI:Precoding Matrix Indicator)として、スモールセル基地局1の移動局分布推定部16に報告させるようにしても良い。上り回線参照信号の到来角の場合は、下り回線と上り回線とで同一の周波数を用いるTDD方式の場合に適しているのに対して、プリコーディングウェイト情報PMIとして移動局2側から報告する場合は、スモールセル基地局1から各移動局2へのフィードバック遅延が生じるものの、TDD方式の場合のみに限らず、下り回線と上り回線とで異なる周波数を用いるFDD(Frequency Division Duplex)方式の場合であっても適用することができる。
また、前述した第1の実施の形態から第4の実施の形態までの各実施の形態においては、高周波数(第1の周波数)側の3.5GHzキャリアのセル3−1の送信ビームの指向性を制御する場合について説明したが、本発明における送信ビームの指向性制御動作は、かかる場合のみに限るものではない。
例えば、カバレッジの制御動作として、低周波数(第2の周波数)側の2GHzキャリアのセル3−2の送信ビームの指向性も制御するようにしても良い。かかる場合には、各移動局2−2は、当該移動局2−2が接続中のセル3−2(第2のセル)だけではなく、セル3−1(第1のセル)の受信品質も合わせて測定する。
測定結果として、セル3−1(第1のセル)の受信品質があらかじめ定めた第1の品質閾値以下、または、セル3−2(第2のセル)の受信品質に対するセル3−1(第1のセル)の受信品質の相対値があらかじめ定めた所定閾値以下の場合には、セル3−1(第1のセル)の3.5GHzキャリアの送信ビームの指向性を制御しても、当該移動局2−2をカバーすることはできないものと判断して、セル3−2の2GHzキャリアの送信ビームの指向性を制御することにする。
かくのごとく、セル3−2の2GHzキャリアの送信ビームの指向性を制御することによって、該当する移動局2−2の接続先セル3の受信品質を改善することができるので、スループットの改善を期待することができる。
あるいは、前述した第4の実施の形態におけるセル負荷の判定動作について、セル3−1(第1のセル)の3.5GHzキャリアではなく、セル3−2(第2のセル)の2GHzキャリアの送信ビームの指向性を制御する場合のセル負荷を判定する動作を行うために、図13のステップS702の不等号を逆向きに変更して、セル3−1(第1のセル)のセル負荷が、セル3−2(第2のセル)のセル負荷に対してあらかじめ定めた所定の差分閾値Aを加算した値よりも大きいか否かを判定するようにしても良い。セル3−1(第1のセル)のセル負荷が、セル3−2(第2のセル)のセル負荷に対して所定の差分閾値Aを加算した値よりも大きい場合は、セル3−2(第2のセル)のセル負荷がセル3−1(第1のセル)のセル負荷に比して相対的に小さいので、セル3−2(第2のセル)の2GHzキャリアの送信ビームの指向性の制御を行っても、その影響を受ける移動局2−2の台数が少なくて済むことになる。
また、前述した第1の実施の形態から第4の実施の形態までの各実施の形態においては、セル3−1とセル3−2とが異なる周波数を有する同一通信方式の場合について説明したが、本発明におけるセル3−1とセル3−2とは、かかる場合のみに限るものではない。
例えば、セル3−1とセル3−2とが、互いに異なるRAT(Radio Access Technology)を用いている場合であっても良い。すなわち、セル3−1がLTE方式を用い、セル3−2が第3世代のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)を用いている場合や、セル3−1がWireless LANを用い、セル3−2がLTEを用いている場合などの組み合わせからなっている場合とすることも可能である。ただし、RATが異なった場合には、対応する周波数も異なるので、セル3−1とセル3−2との周波数が異なることに変わりはない。
また、前述した第1の実施の形態から第4の実施の形態までの各実施の形態においては、LTE方式の無線通信システムに本発明を適用する場合について説明したが、本発明の適用先となる無線通信方式は、かかる場合のみに限るものではない。
例えば、UMTS方式の無線通信システムに適用する場合であっても良いし、上り回線と下り回線とで異なる周波数を同時に使用するFDD方式の無線通信システムや、例えばWiMAX、IEEE802.16m等のLTE方式とは異なるTDD方式の無線通信システムに適用する場合であっても良い。
また、前述した第1の実施の形態から第4の実施の形態までの各実施の形態においては、セル3−1とセル3−2とを、同一のスモールセル基地局1に備えている場合について説明したが、本発明におけるセル構成としては、かかる場合のみに限るものではない。
例えば、セル3−1とセル3−2とが、互いが有線または無線の回線で接続されている異なる基地局装置のそれぞれに分かれて備えられるように構成しても良い。例えば、セル3−1がフェムトセル基地局に、セル3−2がピコ基地局にそれぞれ備えられる場合や、セル3−1がリモート・レディオ・ヘッド(RRH:Remote Radio Head)基地局に、セル3−2がマクロ基地局にそれぞれ備えられている場合であっても良い。かかる場合、移動局2の角度分布を推定する際に、移動局2と各基地局との位置情報を用いた3点測量などの方法によって、移動局2の分布を補正すれば良い。あるいは、同一の基地局装置、異なる基地局装置の如何を問わず、第1のセル3−1が第2のセル3−2のカバレッジ内に位置するスモールセルであっても良い。
<付記>
以上に、本発明に係る実施の形態について、詳細に説明したことからも明らかなように、前述の各実施の形態の一部または全部は、以下の各付記のようにも記載することができるが、本発明はかかる場合に限るものではないことは言うまでもない。
(付記1)第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局と、を少なくとも含んで構成される無線通信システムにおいてセル選択のための測定タイミングを調整する測定タイミング調整方法であって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御ステップと、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局として、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得ステップと、前記受信品質取得ステップにおいて取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択ステップと、前記無線パラメータ制御ステップにおける前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整して、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整ステップと、を少なくとも有している測定タイミング調整方法。
(付記2)前記無線パラメータ制御ステップにおいて変更する前記第1のセルの前記無線パラメータとして、前記第1のセルにおける下り回線参照信号を含む制御信号の送信ビームの指向性を制御するカバレッジ制御用パラメータが含まれている前記付記1に記載の測定タイミング調整方法。
(付記3)前記無線パラメータ制御ステップにおいて変更する前記第1のセルの前記無線パラメータとして、前記第1のセルを形成する際の送信電力、アンテナチルト角の少なくとも一方を制御するカバレッジ制御用パラメータが含まれている前記付記1に記載の測定タイミング調整方法。
(付記4)前記受信品質取得ステップにおいて取得される前記第1のセルの前記受信品質が、下り回線参照信号の受信電力、または、前記下り回線参照信号の受信品質のいずれかである前記付記1ないし3のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
(付記5)前記セル選択ステップは、少なくとも、前記受信品質取得ステップにおいて取得される前記第1のセルの前記受信品質があらかじめ定めた第1の品質閾値以上であるという条件を満たす場合に、前記第1のセルを接続先セルとして選択する前記付記1ないし4のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
(付記6)前記タイミング調整ステップは、前記無線パラメータ制御ステップにおいて、前記無線パラメータを変更することを決定したタイミング、または、前記無線パラメータ制御ステップにおいて前記無線パラメータの変更を実施したタイミング、のいずれかをトリガとして、調整した前記測定タイミングを、前記対象移動局に対して通知する前記付記1ないし5のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
(付記7)前記第1のセルの前記受信品質を測定する前記対象移動局は、前記第2のセルによって接続中の前記移動局のうち、前記無線パラメータ制御ステップにおける前記無線パラメータの変更により前記第2のセルから前記第1のセルへ接続先セルが変更される可能性がある前記移動局である前記付記1ないし6のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
(付記8)前記第1のセルおよび前記第2のセルにおける前記移動局の分布を推定する移動局分布推定ステップと、前記移動局の通信状態を測定する通信状態測定ステップと、前記移動局分布推定ステップにおいて推定された前記移動局の分布と前記通信状態測定ステップにおいて測定された前記移動局の通信状態とに基づいて、前記無線パラメータの変更により前記第2のセルから前記第1のセルへ接続先セルが変更される可能性があるか否かを判定し、該当する前記移動局を前記対象移動局として選択する対象移動局選択ステップと、をさらに有している前記付記7に記載の測定タイミング調整方法。
(付記9)前記移動局分布推定ステップは、前記移動局が送信する上り回線参照信号を受信し、前記上り回線参照信号の到来角を測定することによって、各前記移動局が位置する角度分布を推定する前記付記8に記載の測定タイミング調整方法。
(付記10)前記移動局分布推定ステップは、前記移動局が測定した下り回線参照信号の角度毎の受信品質情報を取得し、取得した該受信品質情報を用いて、前記移動局の角度分布を推定する前記付記8に記載の測定タイミング調整方法。
(付記11)前記通信状態測定ステップは、前記移動局の通信状態として、前記第2のセルによって接続中の前記移動局であるか否かを測定する前記付記8に記載の測定タイミング調整方法。
(付記12)前記通信状態測定ステップは、前記移動局の通信状態として、前記第2のセルによって接続中の前記移動局であり、かつ、送信バッファサイズがあらかじめ定めたサイズ閾値以上であるか否かを測定する前記付記8に記載の測定タイミング調整方法。
(付記13)前記通信状態測定ステップは、前記移動局の通信状態として、前記第2のセルによって接続中の前記移動局であり、かつ、優先度の高い送信バッファに送信データがあらかじめ定めた所定量以上蓄積中であるか否かを測定する前記付記8に記載の測定タイミング調整方法。
(付記14)前記対象移動局選択ステップは、前記第2のセルと接続中の状態にある前記移動局のうち、あらかじめ定めた所定の角度範囲毎に区切った領域内に存在している前記移動局の台数が、接続中の状態にある前記移動局の総数に対するあらかじめ定めた割合閾値以上に達している角度範囲が存在していた場合に、当該角度範囲の領域内に存在している前記移動局を、1つの前記対象移動局の候補として特定して選択する前記付記8ないし13のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
(付記15)前記対象移動局選択ステップは、前記対象移動局の候補に含まれている前記移動局のうち、前記第1のセルによって接続中の前記移動局の送信バッファサイズの合計値と前記第2のセルによって接続中の前記移動局の送信バッファサイズの合計値との差があらかじめ定めた所定の差分閾値以内に収まるという条件を満たす範囲内で、前記送信バッファサイズが大きい順に、前記対象移動局として選択する前記付記14に記載の測定タイミングの調整方法。
(付記16)前記対象移動局選択ステップは、前記対象移動局の候補に含まれている前記移動局のうち、優先度の高い送信バッファに送信データがあらかじめ定めた所定量以上蓄積中である前記移動局の台数が、あらかじめ定めた所定の台数閾値以下に収まるという条件を満たす範囲内で、前記送信データが多い順に、前記対象移動局として選択することを特徴とする前記付記14に記載の測定タイミングの調整方法。
(付記17)前記第1のセルおよび前記第2のセルのセル負荷を測定するセル負荷ステップをさらに備え、前記第1のセルの負荷が前記第2のセルの負荷に対してあらかじめ定めた差分閾値を加算した値よりも低い場合に、前記第1のセルの指向性を制御するための動作を開始する前記付記1ないし16のいずれかに記載の測定タイミングの調整方法。
(付記18)前記セル負荷ステップが測定する前記セル負荷は、収容している前記移動局の台数、周波数帯域当たりの前記移動局の台数、周波数リソースのリソース使用率、セル内の前記移動局の送信バッファサイズの合計値のいずれかである前記付記17に記載の測定タイミングの調整方法。
(付記19)前記第1のセルのカバレッジが、前記第2のセルのカバレッジ以下の大きさである前記付記1ないし18のいずれかに記載の測定タイミングの調整方法。
(付記20)前記移動局は、前記第1のセルと前記第2のセルとの両方のセルで同時に通信することが可能である前記付記1ないし19に記載の測定タイミングの調整方法。
(付記21)第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局と、を少なくとも含んで構成される無線通信システムであって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局として、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整して、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と、を少なくとも備えている無線通信システム。
(付記22)前記移動局は、前記第1のセルの前記受信品質を測定する品質測定手段と、周期的に前記受信品質を前記基地局に報告する品質報告手段と、を少なくとも備えている前記付記21に記載の無線通信システム 。
(付記23)前記移動局は、前記第1のセルの前記受信品質を測定する品質測定手段と、前記受信品質があらかじめ定めた第2の品質閾値以上の場合に、前記受信品質を前記基地局に報告する品質報告手段と、を少なくとも備えている前記付記21に記載の無線通信システム 。
(付記24)前記第1のセルと前記第2のセルとのいずれか一方のセルを構成要素として備え、かつ、前記第1のセルと前記第2のセルとのいずれか他方のセルを構成要素として備えて構成されている他の無線通信システムと互いに有線または無線の回線で接続されている前記付記21ないし23のいずれかに記載の無線通信システム。
(付記25)前記第1のセルと前記第2のセルとのそれぞれの無線アクセス方式(RAT:Radio Access Technology)が互いに異なっている前記付記21ないし24に記載の無線通信システム。
(付記26)前記第1のセルと前記第2のセルとの無線アクセス方式として、LTE(Long Term Evolution)方式、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式、Wireless LAN方式、のうちいずれかを用いている前記付記25に記載の無線通信システム。
(付記27)第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局と、を少なくとも含んで構成される無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局として、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整して、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と、を少なくとも備えている基地局装置。
(付記28)前記第1のセルと前記第2のセルとの一方のセルもしくは双方のセルを構成要素として備えて構成されている前記付記27に記載の基地局装置。
(付記29)前記第1のセルと前記第2のセルとのいずれか一方のセルを構成要素として備え、かつ、前記第1のセルと前記第2のセルとのいずれか他方のセルを構成要素として備えて構成されている他の基地局装置と互いに有線または無線の回線で接続されている前記付記27に記載の基地局装置。
(付記30)第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局と、を少なくとも含んで構成される無線通信システムにおいて前記基地局装置に実装されたコンピュータの制御プログラムとして実行される基地局制御プログラムであって、
前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御処理と、前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局として、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得処理と、前記受信品質取得処理において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択処理と、前記無線パラメータ制御処理における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整して、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整処理と、を少なくとも有している基地局制御プログラム。
本発明の活用例は、移動通信において、異なる周波数のセルを有する複数種類の基地局が同じエリアに混在する環境下において実施されるセル選択機能であり、移動局に対するセルのカバレッジを制御する技術として好適に適用することができる。特に、カバーできる周波数が少ない場所に位置する移動局が多い場合に、該移動局に対するキャリアの送信ビームの指向性を制御することにより、該移動局へのセルのカバレッジを拡大し、セルを直ちに選択することにより、スループットを改善させようとする用途に有効である。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
1 スモールセル基地局
2 移動局
2−1 移動局
2−2 移動局
3 セル
3−1 セル
3−2 セル
10 基地局無線送受信部
11 タイミング調整部
12 測定制御部
13 無線パラメータ制御部
14 セル選択部
15 送受信バッファ部
16 移動局分布推定部
17 移動局通信状態測定部
18 対象移動局選択部
19 セル負荷測定部
20 移動局無線送受信部
21 チャネル品質測定部
22 チャネル品質報告部

Claims (10)

  1. 第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおいてセル選択のための測定タイミングを調整する測定タイミング調整方法であって、
    前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御ステップと、
    前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得ステップと、
    前記受信品質取得ステップにおいて取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択ステップと、
    前記無線パラメータ制御ステップにおける前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整ステップと、
    を有することを特徴とする測定タイミング調整方法。
  2. 前記無線パラメータ制御ステップにおいて変更する前記第1のセルの前記無線パラメータとして、
    前記第1のセルにおける下り回線参照信号を含む制御信号の送信ビームの指向性を制御するカバレッジ制御用パラメータ、または
    前記第1のセルを形成する際の送信電力、アンテナチルト角の少なくとも一方を制御するカバレッジ制御用パラメータ
    が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の測定タイミング調整方法。
  3. 前記受信品質取得ステップにおいて取得される前記第1のセルの前記受信品質が、下り回線参照信号の受信電力、または前記下り回線参照信号の受信品質のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の測定タイミング調整方法。
  4. 前記セル選択ステップは、前記受信品質取得ステップにおいて取得される前記第1のセルの前記受信品質があらかじめ定めた第1の品質閾値以上であるという条件を満たす場合に、前記第1のセルを接続先セルとして選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
  5. 前記タイミング調整ステップは、前記無線パラメータ制御ステップにおいて、前記無線パラメータを変更することを決定したタイミング、または、前記無線パラメータ制御ステップにおいて前記無線パラメータの変更を実施したタイミング、のいずれかをトリガとして、前記測定タイミングを調整し、調整した前記測定タイミングを、前記対象移動局に対して通知することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
  6. 前記第1のセルの前記受信品質を測定する前記対象移動局は、前記第2のセルによって接続中の前記移動局のうち、前記無線パラメータ制御ステップにおける前記無線パラメータの変更により前記第2のセルから前記第1のセルへ接続先セルが変更される可能性がある前記移動局であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の測定タイミング調整方法。
  7. 前記第1のセルおよび前記第2のセルにおける前記移動局の分布を推定する移動局分布推定ステップと、
    前記移動局の通信状態を測定する通信状態測定ステップと、
    前記移動局分布推定ステップにおいて推定された前記移動局の分布と前記通信状態測定ステップにおいて測定された前記移動局の通信状態とに基づいて、前記無線パラメータの変更により前記第2のセルから前記第1のセルへ接続先セルが変更される可能性があるか否かを判定し、該当する前記移動局を前記対象移動局として選択する対象移動局選択ステップと
    をさらに有している請求項6に記載の測定タイミング調整方法。
  8. 第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムであって、
    前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、
    前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、
    前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、
    前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と、
    を有することを特徴とする無線通信システム。
  9. 第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおける基地局装置であって、
    前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御手段と、
    前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得手段と、
    前記受信品質取得手段において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択手段と、
    前記無線パラメータ制御手段における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整手段と
    を有することを特徴とする基地局装置。
  10. 第1の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第1のセルと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数をキャリアとして用いる少なくとも1つの第2のセルと、基地局装置と、前記第1のセルと前記第2のセルとの少なくとも一方のセルによって通信する移動局とを含む無線通信システムにおいて前記基地局装置に実装されたコンピュータの制御プログラムとして実行される基地局制御プログラムであって、
    前記第1のセルの無線パラメータを変更する無線パラメータ制御処理と、
    前記第2のセルによって接続中の前記移動局をセル再選択の対象とする対象移動局とし、該対象移動局において測定された前記第1のセルの受信品質を取得する受信品質取得処理と、
    前記受信品質取得処理において取得した前記第1のセルの前記受信品質に基づいて、前記第1のセルを接続先セルとして選択するセル選択処理と、
    前記無線パラメータ制御処理における前記無線パラメータを変更するタイミングに関連付けて、前記第1のセルの前記受信品質を測定する測定タイミングを調整し、調整した該測定タイミングを前記対象移動局に通知するタイミング調整処理と、
    を有することを特徴とする基地局制御プログラム。
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WO2020161872A1 (ja) * 2019-02-07 2020-08-13 ソフトバンク株式会社 基地局装置、電力制御方法、及び電力制御プログラム

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