JPWO2016121291A1 - ギヤポンプおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
インナーロータ2の複数の外歯20は、吸入ポート6に連通すると共にインナーロータ2が単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室5を画成する外歯20iと内歯30iとのクリアランスの最小値CLiを吸入側クリアランスとし、単位角度あたりの容積変化量が最大となる際に第1および第2吐出ポート7,8の間で隔壁9と少なくとも部分的に重なり合う歯間室5を画成する外歯20dと内歯30dとのクリアランスの最小値CLdを吐出側クリアランスとしたときに、吸入側クリアランスCLiが吐出側クリアランスCLdよりも大きくなるように形成される。
Description
本開示は、複数の外歯を有するインナーロータと、複数の内歯を有すると共にインナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータとを含むギヤポンプおよびその製造方法に関する。
従来、ギヤポンプとして、外歯歯車の外歯と内歯歯車の内歯とにより画成されるポンプ室のうち、両歯車の回転により容積が増加するポンプ室(歯間室)に連通する1つの吸入ポートと、両歯車の回転により容積が減少するポンプ室に連通する2つの吐出ポートとを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このギヤポンプは、外歯歯車および内歯歯車が径方向の相反する方向に押圧された状態で、2つの吐出ポートを仕切る隔壁上に位置する外歯と内歯との最小隙間が0.020mm以上かつ0.110mm以下になるように設計されている。
2つの吐出ポートを仕切る隔壁上に位置する外歯と内歯との最小隙間を上記従来のギヤポンプのように設定すれば、高圧側の一方の吐出ポートに連通するポンプ室から低圧側の他方の吐出ポートに連通するポンプ室への作動油の漏出を低減させてポンプの容積効率を改善することができるであろう。しかしながら、隔壁上に位置する外歯と内歯との最小隙間を小さくすると、吸入ポートに連通するポンプ室に流体が流入する際にキャビテーションが発生してしまい、それにより容積効率が低下してしまったり、ノイズや振動が発生してしまったりするおそれがある。
そこで、本開示の発明は、容積効率の向上を図りつつ、キャビテーションの発生を抑制することができるギヤポンプおよびその製造方法の提供を主目的とする。
本開示のギヤポンプは、複数の外歯を有するインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に該インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータと、隣り合う2つの前記外歯と隣り合う2つの前記内歯とにより画成される複数の歯間室とを含むギヤポンプにおいて、前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が増加する前記歯間室に連通する1つの吸入ポートと、隔壁により仕切られて互いに独立しており、それぞれ前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通する第1および第2吐出ポートとを備え、前記吸入ポートに連通すると共に前記インナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吸入側クリアランスとし、前記単位角度あたりの前記容積変化量が最大となる際に前記第1および第2吐出ポートの間で前記隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吐出側クリアランスとしたときに、前記吸入側クリアランスが前記吐出側クリアランスよりも大きいことを特徴とする。
このギヤポンプにおいて、インナーロータは、吸入ポートに連通すると共にインナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値が、単位角度あたりの容積変化量が最大になる際に隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値よりも大きくなるように形成される。このように、吸入ポートに連通する歯間室の容積変化を考慮して、隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値を基に、容積変化量が最大となる歯間室におけるクリアランスの最小値が大きくなるようにインナーロータを形成することで、第1および第2吐出ポート間での流体の流通を規制して容積効率の向上を図りつつ、吸入ポートに連通する歯間室でのキャビテーションの発生を抑制することが可能となる。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係るギヤポンプ1を示す概略構成図である。同図に示すギヤポンプ1は、例えば図示しない車両に搭載されるオイルポンプとして構成され、オイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置(何れも図示省略)へと圧送するものである。ギヤポンプ1は、例えば自動変速機の変速機ケースに固定されるポンプボディと当該ポンプボディに締結されるポンプカバーとにより構成されるポンプハウジング(何れも図示省略)と、当該ポンプハウジングにより画成される図示しないギヤ収容室内にそれぞれ回転自在に配置されるインナーロータ(ドライブギヤ)2およびアウターロータ(ドリブンギヤ)3とを含む。なお、ギヤポンプ1は、変速機用の作動油を圧送するオイルポンプ以外の車載ポンプ(例えば、エンジンオイルポンプ)として構成されてもよく、車載ポンプ以外の用途に適用されてもよい。
インナーロータ2は、車両に搭載されたエンジンのクランクシャフト(何れも図示省略)に連結される回転軸4に固定され、当該回転軸4に付与される動力により回転駆動される。また、インナーロータ2の外周には、複数(本実施形態では、例えば11歯)の外歯20が形成されている。一方、アウターロータ3の内周には、インナーロータ2の外歯20の総数よりも1つ多い数(本実施形態では、例えば12歯)の内歯30が形成されている。アウターロータ3は、図1における下側に位置する複数の内歯30がインナーロータ2の対応する外歯20に噛合すると共に、インナーロータ2に対して偏心した状態で上記ギヤ収容室内に回転自在に配置される。更に、インナーロータ2とアウターロータ3との間には、隣り合う2つの外歯20と隣り合う2つの内歯30とにより複数の歯間室(ポンプ室)5が形成される。
これにより、回転軸4からの動力によりインナーロータ2が図1における太線矢印方向に回転すると、アウターロータ3は、複数の内歯30の一部が複数の外歯20の一部に噛合することで、インナーロータ2の回転中心2cから偏心量eだけ離間した回転中心3cの周りにインナーロータ2と共に同方向に回転する。インナーロータ2およびアウターロータ3が回転する際、両者の回転方向(図1における太線矢印参照)における後側の領域、すなわち図1における主に右側半分の領域では、インナーロータ2等の回転に伴って各歯間室5の容積が増加(歯間室5が膨張)する。また、インナーロータ2およびアウターロータ3が回転する際、インナーロータ2等の回転方向における前側の領域、すなわち図1における主に左側半分の領域では、インナーロータ2等の回転に伴って各歯間室5の容積が減少(歯間室5が収縮)する。
また、ギヤポンプ1の図示しないポンプハウジングには、外歯20と内歯30とにより画成される複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が増加する歯間室5と連通(対向)するように略円弧状に延在する吸入ポート6や、それぞれ複数の歯間室5のうちのインナーロータ2およびアウターロータ3の回転に伴って容積が減少する歯間室5と連通(対向)するように略円弧状に延在する第1吐出ポート7および第2吐出ポート8が形成されている。第1および第2吐出ポート7,8は、図示するように、隔壁9により仕切られて互いに独立している。本実施形態では、インナーロータ2等の回転方向における後側に位置する第1吐出ポート7が低圧ポートとされ、当該回転方向における前側に位置する第2吐出ポート8が高圧ポートとされる。
なお、第1および第2吐出ポート7,8は、互いに異なる油路に接続されてもよく、共通の油路に接続されてもよい。また、吸入ポート6、第1および第2吐出ポート7,8は、インナーロータ2およびアウターロータ3の軸方向における両側(ポンプボディおよびポンプカバーの双方)に形成されてもよく、インナーロータ2およびアウターロータ3の軸方向における片側(ポンプボディおよびポンプカバーの一方)に形成されてもよい。また、例えば、吸入ポート6がインナーロータ2等の軸方向における一方側に形成されてもよく、第1および第2吐出ポート7,8がインナーロータ2等の軸方向における他方側に形成されてもよい。更に、第1吐出ポート7がインナーロータ2等の軸方向における一方側に形成されてもよく、第2吐出ポート8がインナーロータ2等の軸方向における他方側に形成されてもよい。
図2は、ギヤポンプ1に含まれるアウターロータ3の内歯30の創成手順を示す模式図である。同図に示すように、複数の内歯30により画成されるアウターロータ3の歯形(輪郭)は、インナーロータ2の回転中心2cをアウターロータ3の回転中心3cを中心とする直径2・e+tの円周上で所定角度δずつ1周公転させると共に、回転中心2cが所定角度δだけ公転する際にインナーロータ2を回転角度δ/Nだけ自転させることにより得られる複数の歯形線(インナーロータ2の輪郭、図3における二点鎖線参照)に対して描かれる包絡線に基づいて定められる。ただし、“t”は、インナーロータ2の回転中心2c、アウターロータ3の回転中心3c、外歯20の歯先部21の頂部21tおよび内歯30の歯先部の頂部が一直線上に位置する際の頂部21tと内歯30の頂部とのクリアランス(チップクリアランス)であり、例えば、0.03〜0.07mm程度の値とされる。これにより、インナーロータ2と適正に噛合可能なアウターロータ3を容易に得ることが可能となる。ただし、アウターロータ3の歯形(輪郭)は、上記包絡線自体であってもよく、当該包絡線よりも外側に位置するように定められてもよい。また、アウターロータ3の内歯は、インナーロータ2と概ね同一の形状を有する歯切工具を用いて創成されてもよい。
図3は、インナーロータ2の外歯20を示す概略構成図であり、図4は、外歯20の創成手順を示す模式図である。これらの図面に示すように、インナーロータ2の各外歯20は、凸曲面状の歯先部21と、凹曲面状の歯底部22と、歯先部21よりもインナーロータ2の回転方向(図3における太線矢印参照)における前側で当該歯先部21と歯底部22との間に位置する第1中間部23と、歯先部21よりもインナーロータ2の回転方向における後側で当該歯先部21と歯底部22との間に位置する第2中間部24とを含む。図示するように、外歯20は、歯先部21の最も径方向外側に位置する頂部21tとインナーロータ2の回転中心2cを通る歯形中心線Lcに関して左右非対称に形成される。
歯先部21は、図4に示すように、第1の描画点の半径rdeを外転円Coの半径reで除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きい(例えば1.2程度の値)エピトロコイド曲線により凸曲面状に形成される。歯先部21を形成するエピトロコイド曲線は、第1の描画点の半径rdeを第1の値Rde(一定値)に保つと共に当該第1の値Rdeよりも小さい半径reを有する外転円Coをインナーロータ2の回転中心2cと中心Oを共通にする基礎円BCtに外接させながら滑りなく転動させることにより得られる。
歯底部22は、第2の描画点の半径rdhを内転円Ciの半径rhで除して得られるトロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線により凹曲面状に形成される。歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線は、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線と基礎円BCtを共通にするものであり、図4に示すように、第2の描画点の半径rdhを第2の値Rdh(一定値)に保つと共に当該第2の値Rdhよりも小さい半径rhを有する内転円Ciを上記基礎円BCtに内接させながら滑りなく転動させることにより得られる。
また、歯底部22は、外歯20の一歯分に対応した角度φ(360°/外歯20の歯数)の二分の1(φ/2)だけ歯形中心線Lcから上記回転方向の前側または後側に回転させられた線分Leとの交差部22xを境に、歯先部21よりもインナーロータ2の回転方向における前側に位置する第1歯底部22aと、歯先部21よりもインナーロータ2の回転方向における後側に位置する第2歯底部22bとに区分される。そして、インナーロータ2では、図3および図4に示すように、歯形中心線Lcを挟む2つの交差部22x間の範囲が外歯20の一歯分の範囲とされる。第2歯底部22bは、図3および図4に示すように、インナーロータ2の回転方向における後側の第1歯底部22aに連続する。
また、本実施形態において、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線を描画するための第1の描画点の半径rdeすなわち第1の値Rdeと、歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線を描画するための第2の描画点の半径rdhすなわち第2の値Rdhとは、同一の値Rdに定められている。同様に、外転円Coの半径reおよび内転円Ciの半径rhも同一の値Rに定められている。従って、インナーロータ2では、Rde=Rdh=Rd、re=rh=R、歯丈=Rde+re+Rdh+rh=2・eという関係が成立する。
第1中間部23は、図3および図4に示すように、歯先部21と歯底部22の第1歯底部22aとの間に形成され、歯先部21側に位置する外側中間部23oと、第1歯底部22a側に位置する内側中間部23iとを含む。本実施形態において、外側中間部23oは、歯先部21のインナーロータ2の回転方向における前側の端部21fでの接線が当該端部21fでの上記エピトロコイド曲線の接線と共通になるように定められたインボリュート曲線により形成される。これにより、端部21fにおいて歯先部21と外側中間部23oとを滑らかに連続させることができる。また、内側中間部23iは、第1歯底部22aのインナーロータ2の回転方向における後側の端部22rで当該第1歯底部22aに滑らかに連続すると共に外側中間部23oとの境界部23xで当該外側中間部23oと滑らかに連続する滑らかな曲線(例えば円弧)により形成される。図示するように、内側中間部23iを形成する曲線は、外側中間部23oを形成するインボリュート曲線よりもできるだけ短くなるように選択されるとよい。
なお、第1中間部23は、上記エピトロコイド曲線およびハイポトロコイド曲線の基礎円BCtと中心Oを共通にする基礎円を用いて得られるインボリュート曲線(特開2014−181620号公報参照)により形成されてもよい。この場合、第1中間部23を形成するインボリュート曲線の基礎円の直径を“Rbi”とし、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線および歯底部22を形成するハイポトロコイド曲線の基礎円BCtの直径を“Rbt”としたときに、直径Rbt,Rbiは、Rbi≦Rbtという関係を満たすように選択されるとよい。また、この場合、第1中間部23は、当該インボリュート曲線により形成される部分の内側(前側)および外側(後側)に滑らかな曲線(例えば円弧)により形成される中継面を含むとよい。
第2中間部24は、図3および図4に示すように、歯先部21と歯底部22の第2歯底部22bとの間に形成され、上記基礎円BCtとの交差部24xよりも歯先部21側に位置する外側中間部24oと、交差部24xよりも第2歯底部22b側に位置する内側中間部24iとを含む。本実施形態において、外側中間部24o、すなわち交差部24xから歯先部21のインナーロータ2の回転方向における後側の端部(境界)21rまでの範囲は、図4に示すように、上記第1描画点の半径(図中点線参照)を変化させながら基礎円BCtに外接する外転円Coを滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成される。また、内側中間部24i、すなわち交差部24xから第2歯底部22bのインナーロータ2の回転方向における前側の端部(境界)22fまでの範囲は、図4に示すように、上記第2描画点の半径(図中二点鎖線参照)を変化させながら基礎円BCtに内接する内転円Ciを滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成される。なお、外転円Coや内転円Ciの第1または第2描画点の半径を変化させる手順については、特開2014−181619号公報を参照されたい。
ここで、第1および第2吐出ポート7,8を有するギヤポンプ1では、第1および第2吐出ポート7,8間での作動油の流通を規制して容積効率を向上させるために、当該ギヤポンプ1の軸方向からみて隔壁9と重なり合う外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値をできるだけ小さくする必要がある。これに対して、吸入ポート6に連通する歯間室5に関しては、当該吸入ポート6からの作動油の流入(吸入)に伴うキャビテーションの発生を抑制する観点から、外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値を大きくして互いに隣り合う歯間室5間の作動油の流通を許容し、それにより吸入ポート6から流入する作動油の流速を低下させる必要がある。そこで、本発明者らは、第1および第2吐出ポート7,8間における外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値や、吸入ポート6側における外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値の適正化を図るべく鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは、インナーロータ2が単位角度だけ回転する際の吸入ポート6に連通する歯間室5の容積Vの変化量(単位角度あたりの容積変化量、以下、「容積変化率ΔV」という)に着目するに至った。
すなわち、吸入ポート6に連通すると共に容積変化率ΔVが最大となる歯間室5では、容積変化率ΔVが最大となる際に内圧が大きく低下し、内圧の低下に起因して吸入ポート6から高い流速で作動油が流入することによりキャビテーションが発生しやすくなってしまう。そして、吸入ポート6に連通すると共に容積変化率ΔVが最大となる歯間室5を画成する外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値(以下、適宜「吸入側クリアランス」という)が小さいほど、当該歯間室5内の圧力の低下量(負圧)は、容積変化率ΔVが最大になる際に大きくなる。
これを踏まえて、インナーロータ2の複数の外歯20は、理想中心状態で、容積変化率ΔV量が最大になる際に隔壁9と重なり合う外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値(以下、適宜「吐出側クリアランス」という)よりも上記吸入側クリアランスが大きくなるように、それぞれ歯形中心線Lcに関して非対称に形成される。“理想中心状態”は、インナーロータ2の回転中心cと当該インナーロータ2に固定された回転軸4の回転中心とが一致すると共に、アウターロータ3の回転中心cと当該アウターロータ3が収容されるギヤ収容室の中心とが一致する状態をいう。
上記吸入側クリアランスを吐出側クリアランスよりも大きくするために、第1中間部23を形成する曲線の長さ、すなわち歯先部21の端部21fから第1歯底部22aの端部22rまでの長さは、第2中間部24を形成する曲線の長さ、すなわち歯先部21の端部21rから第2歯底部22bの端部22fまでの長さよりも長く定められる。更に、第1歯底部22aを形成するハイポトロコイド曲線の長さ、すなわち第1歯底部22aの端部22rから交差部22xまでの長さは、第2歯底部22bを形成するハイポトロコイド曲線の長さ、すなわち第2歯底部22bの端部22fから交差部22xまでの長さよりも短く定められる。このように、第1中間部23を形成する曲線の長さを第2中間部24を形成する曲線の長さよりも長くし、更に第1歯底部22aを形成するハイポトロコイド曲線の長さを第2歯底部22bを形成するハイポトロコイド曲線の長さよりも短くすることで、図3に示すように、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線の回転方向後側の端部21rを第2歯底部22bにより近接させると共に、当該エピトロコイド曲線の回転方向前側の端部21fをインナーロータ2の径方向における外側に寄せることができる。
そして、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線の回転方向後側の端部21rを第2歯底部22bにより近接させることで、第1および第2吐出ポート7,8に連通する歯間室5を画成する外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値を全体に小さくすることができる。また、歯先部21を形成するエピトロコイド曲線の回転方向前側の端部21fをインナーロータ2の径方向における外側に寄せることで、吸入ポート6に連通する歯間室5を画成する外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値を全体に大きくすることができる。この結果、第1および第2吐出ポート7,8を仕切る隔壁9の位置すなわち第1および第2吐出ポート7,8からの吐出流量の分配比を定める際の自由度を向上させつつ、隔壁9と重なり合う外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値(吐出側クリアランス)をより小さくし、かつ容積変化量ΔVが最大となる歯間室5におけるクリアランスの最小値(吸入側クリアランス)を十分に大きくして当該歯間室5でのキャビテーションの発生を良好に抑制することが可能となる。
また、ギヤポンプ1では、インナーロータ2およびアウターロータ3が理想中心状態から偏心した状態で回転している際、上死点に達した歯間室5のインナーロータ2の回転方向における後側に位置する何れか1つの外歯20が対応する内歯30と接触している間に、当該何れか1つの外歯20よりもインナーロータ2の回転方向における1つ後側に位置する外歯20が対応する内歯30と接触するように、インナーロータ2の複数の外歯20が形成される。すなわち、上死点を経て外歯20の歯先頂部21tと内歯30の歯先頂部とが一直線上で対向する位置(図7における吸入ポート6と第1吐出ポート7との間の位置参照)に最接近した何れか1つの外歯20が対応する内歯30と接触している間に、当該何れか1つの外歯30よりもインナーロータ2の回転方向における1つ後側に位置する外歯20が対応する内歯30と接触することになる。かかる条件を満たすように歯先部21、第1および第2歯底部22a,22b、第1および第2中間部23,24の諸元を定めることにより、ギヤポンプ1の作動中におけるインナーロータ2およびアウターロータ3の挙動を安定化させて振動やノイズを低減化することが可能となる。なお、“上死点”は、インナーロータ2等の回転に伴って増加する歯間室5の容積が最大となる位置(図1における吸入ポート6と第1吐出ポート7との間の位置)をいう。また、“理想中心状態から偏心した状態”とは、インナーロータ2の回転中心cと回転軸4の回転中心とのズレ、およびアウターロータ3の回転中心cとギヤ収容室の中心とのズレの少なくとも何れか一方が発生した状態をいう。
図5に、ギヤポンプ1におけるインナーロータ2の回転中心2c周りの回転角度θと、外歯20および内歯30のクリアランスの最小値との関係を例示し、図6に、インナーロータ2の回転中心2c周りの回転角度θと、1つの歯間室5の容積Vおよび容積変化率ΔVとの関係を例示する。
図5および図6は、インナーロータ2の歯底円の直径を例えば20〜80mmの範囲、アウターロータの歯底円の直径を例えば25〜110mmの範囲、偏心量eを例えば1.05〜5.00mmの範囲、Rde=Rdh=Rdを例えば0.55〜3.00mmの範囲、re=rh=Rを例えば0.5〜2.0mmの範囲内からそれぞれ選択したギヤポンプ1についての解析結果を示すものである。外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値は、理想中心状態で、図7に示すように互いに最近接した外歯20と内歯30との歯面に対する法線の方向において測定される間隔である。また、インナーロータ2の回転中心2c周りの回転角度θは、ある外歯20の歯底部22の最底部(最深部)と回転中心2cとを結ぶ線部の回転中心2c周りの回転角度であり、インナーロータ2の回転中心2cの図中真下に当該外歯20の歯底部22の最底部が位置する状態を0°として図7中反時計周りに測定される。更に、図5における範囲Aは、上記外歯20の歯底部22の最底部が隔壁9と重なる範囲を示す。また、図6に示す容積Vは、回転角度θの測定対象である歯底部22を挟んで隣り合う2つの外歯20と、それらに対応した2つの内歯30とにより画成される歯間室5の容積である。更に、図6に示す容積変化率ΔVは、回転角度θが例えば5°だけ変化(増加)する際の容積Vの変化量である。
図5に示す解析結果より、ギヤポンプ1では、第1および第2吐出ポート7,8に連通する歯間室5を画成する外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値を全体に小さくし、かつ吸入ポート6に連通する歯間室5を画成する外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値を全体に大きくし得ることが理解されよう。また、上述のような諸元のギヤポンプ1では、図6に示すように、インナーロータ2の回転角度θが90°から95°に変化する際に図7に示す歯間室5mの容積変化率ΔVが最大となり、歯間室5mを画成する外歯20および30のクリアランスCLiおよびCLi′のうち小さい方、すなわち図7に示す外歯20iと内歯30iとのクリアランスの最小値CLiが上記吸入側クリアランスとなる。更に、歯間室5mの容積変化率ΔVが最大になる際、隔壁9と重なり合う外歯20dと内歯30dとのクリアランスの最小値CLdが上記吐出側クリアランスとなる。そして、図5に示すように、外歯20iと内歯30iとのクリアランスの最小値CLi(吸入側クリアランス)は、隔壁9と重なり合う外歯20dと内歯30dとのクリアランスの最小値CLd(図5における範囲A内の値)の9〜10倍程度の大きさとなる。かかる解析結果より、ギヤポンプ1では、隔壁9と重なり合う外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値(吐出側クリアランス)をより小さくし、かつ容積変化量ΔVが最大となる歯間室5におけるクリアランスの最小値(吸入側クリアランス)を十分に大きくして当該歯間室5でのキャビテーションの発生を良好に抑制し得ることが理解されよう。
なお、図5に示すクリアランスの最小値は、理想中心状態での設計値(解析値)であり、製品としてのギヤポンプ1における外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値は、製造公差等により変動する。この点に関し、本発明者らの実験・解析によれば、製品における上記吸入側クリアランス(CLi)が吐出側クリアランス(CLd)の少なくとも3倍以上になっていれば、隔壁9と重なり合う外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値を実用上十分に小さくしつつ、容積変化率ΔVが最大となる歯間室5におけるクリアランスの最小値を実用上十分な大きさにし得ることが確認されている。そして、ギヤポンプ1は、上死点に最接近した何れか1つの外歯20が対応する内歯30と接触している間に、当該何れか1つの外歯20の回転方向における1つ後側に位置する外歯20が対応する内歯30と接触するように構成されるが、かかる条件を満たすようにインナーロータ2の複数の外歯20を設計することで、上記吸入側クリアランス(CLi)の上限が定まることになる。
また、ギヤポンプ1では、図7に示す歯間室5mの容積変化率ΔVが最大になる際に1組の外歯20dおよび内歯30dが隔壁9と重なることから、当該外歯20dと内歯30dとのクリアランスの最小値CLdが上記吐出側クリアランスとされるが、必ずしもこれに限られるものではない。すなわち、ギヤポンプ1は、歯間室5mの容積変化率ΔVが最大になる際に2組の外歯20および内歯30が隔壁9と重なり合うように構成されてもよく、この場合には、2組の外歯20および内歯30のクリアランスの最小値のうち、小さい方が上記吐出側クリアランスとされればよい。つまり、吐出側クリアランスは、容積変化率ΔVが最大となる際に第1および第2吐出ポート7,8の間で隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室5を画成する外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値とされてもよい。
更に、インナーロータ2およびアウターロータ3が理想中心状態から偏心した状態で回転している際、上死点に最接近した何れか1つの外歯20が対応する内歯30と接触している間に、当該何れか1つの外歯20よりも回転方向における1つ後側に位置する外歯20を対応する内歯30に接触させるためには、理想回転状態での上死点における外歯30と内歯20とのチップクリアランスCLx(図7参照)を、上死点上の外歯30よりも回転方向における1つ後側に位置する外歯30の駆動歯面とそれに対応した内歯30の被駆動歯面とのクリアランスの理想中心状態での最小値CLy(図7参照)以上にするとよい。また、理想中心状態での上死点における外歯30と内歯20とのチップクリアランスCLxは、200μm以下にするとよい。これにより、吐出側クリアランスが大きくなってしまうのを抑制し、第1吐出ポート7から第2吐出ポート8への作動油の漏出を規制して容積効率を向上させることが可能となる。なお、理想中心状態でのチップクリアランスCLxの下限値は、製造公差を考慮して、5μm以上とすればよい。
上述のように、ギヤポンプ1では、吸入ポート6に連通する歯間室5の容積変化を考慮して、隔壁9と重なり合う外歯20と内歯30とのクリアランスの最小値を基に、容積変化率ΔVが最大となる歯間室5におけるクリアランスの最小値が大きくなるようにインナーロータ2の各外歯20が非対称化される。これにより、第1および第2吐出ポート7,8間での作動油の流通を規制して容積効率の向上を図りつつ、吸入ポート6に連通する歯間室5でのキャビテーションの発生を抑制することが可能となる。
また、ギヤポンプ1において、インナーロータ2の各外歯20の歯先部21は、トロコイド係数が値1よりも大きいエピトロコイド曲線のループ部以外の部分により形成され、歯底部22は、当該エピトロコイド曲線と基礎円BCtを共通にすると共にトロコイド係数が値1よりも大きいハイポトロコイド曲線のループ以外の部分により形成される。これにより、外転円Coや内転円Ciの半径re,rh(∝基礎円BCtの半径/歯数)を小さく保ったまま第1および第2の描画点の半径rde,rdhすなわち第1および第2の値Rde,Rdhを大きくすることで、1つの基礎円BCtを用いて歯先部21および歯底部22の形状を定めると共に当該基礎円BCtの外径すなわちインナーロータ2の外径を小さく保ったまま歯丈を容易に高くすることが可能となる。
更に、ギヤポンプ1では、歯先部21のインナーロータ2の回転方向における前側に位置する第1中間部23がインボリュート曲線により形成される。これにより、インナーロータ2の外歯20とアウターロータ3の内歯30とをよりスムースに噛み合わせると共にインナーロータ2とアウターロータ3との回転速度比を一定にすることが可能となる。ただし、第1中間部23は、例えばn次関数(ただし、“n”は値1以上の整数である。)、円弧、任意の多項式、三角関数、緩和曲線、更にはこれらの組み合わせといったインボリュート曲線以外の曲線により形成されてもよいことはいうまでもない。
また、ギヤポンプ1では、第2中間部24の基礎円BCtとの交差部24xから歯先部21の端部21rまでの範囲が外転円Coの描画点の半径を変化させながら基礎円BCtに外接する当該外転円Coを滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成される。更に、第2中間部24の基礎円BCtとの交差部24xから第2歯底部22bの端部22fまでの範囲は、内転円Ciの描画点の半径を変化させながら基礎円BCtに内接する当該内転円Ciを滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成される。これにより、歯先部21のインナーロータの回転方向における後側の端部21rを第2歯底部22bにできるだけ近接させつつ、歯先部21と第2歯底部22bとを滑らかに繋ぐ第2中間部24を構成することが可能となる。ただし、第2中間部24も、例えばn次関数(ただし、“n”は値1以上の整数である。)、円弧、任意の多項式、三角関数、緩和曲線、更にはこれらの組み合わせといったインボリュート曲線以外の曲線により形成されてもよいことはいうまでもない。
以上説明したように、本開示のギヤポンプは、複数の外歯を有するインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に該インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータと、隣り合う2つの前記外歯と隣り合う2つの前記内歯とにより画成される複数の歯間室とを含むギヤポンプにおいて、前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が増加する前記歯間室に連通する1つの吸入ポートと、隔壁により仕切られて互いに独立しており、それぞれ前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通する第1および第2吐出ポートとを備え、前記吸入ポートに連通すると共に前記インナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吸入側クリアランスとし、前記単位角度あたりの前記容積変化量が最大となる際に前記第1および第2吐出ポートの間で前記隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吐出側クリアランスとしたときに、前記吸入側クリアランスが前記吐出側クリアランスよりも大きいことを特徴とする。
このギヤポンプは、1つの吸入ポートと、隔壁により仕切られて互いに独立した第1および第2吐出ポートとを有するものである。このようなギヤポンプでは、第1および第2吐出ポートの間で隔壁と重なり合う外歯と内歯とのクリアランスの最小値をより小さくすることで、第1および第2吐出ポート間での流体の流通を規制して容積効率を向上させることができる。これに対して、吸入ポートに連通する歯間室に関しては、当該吸入ポートからの流体の流入(吸入)に伴うキャビテーションの発生を抑制する観点から、外歯と内歯とのクリアランスの最小値を大きくする必要がある。特に、吸入ポートに連通すると共にインナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室では、単位角度あたりの容積変化量が最大となる際に内圧が大きく低下し、内圧の低下に起因して吸入ポートから高い流速で流体が流入することによりキャビテーションが発生しやすくなってしまう。そして、吸入ポートに連通すると共にインナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値、すなわち吸入側クリアランスが小さいほど、当該歯間室内の圧力の低下量(負圧)は、単位角度あたりの容積変化量が最大になる際に大きくなる。これを踏まえて、このギヤポンプのインナーロータは、吸入側クリアランスが、単位角度あたりの容積変化量が最大となる際に隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値、すなわち吐出側クリアランスよりも大きくなるように形成される。このように、吸入ポートに連通する歯間室の容積変化を考慮して、隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値を基に、容積変化量が最大となる歯間室におけるクリアランスの最小値が大きくなるようにインナーロータを形成することで、第1および第2吐出ポート間での流体の流通を規制して容積効率の向上を図りつつ、吸入ポートに連通する歯間室でのキャビテーションの発生を抑制することが可能となる。
また、前記複数の外歯は、それぞれ歯形中心線に関して非対称に形成されてもよい。これにより、吸入側クリアランスを吐出側クリアランスよりも容易に大きくすることが可能となる。なお、歯形中心線は、歯先部の頂部とインナーロータの回転中心とを結ぶ直線であってもよい。
更に、前記吸入側クリアランスは、前記吐出側クリアランスの少なくとも3倍以上であってもよい。このように、吸入側クリアランスが吐出側クリアランスの3倍以上となるように複数の外歯をそれぞれ歯形中心線に関して非対称に形成すれば、隔壁と重なり合う外歯と内歯とのクリアランスの最小値を実用上十分に小さくしつつ、容積変化量が最大となる歯間室におけるクリアランスの最小値を実用上十分に大きくすることができる。これにより、容積効率をより向上させつつ、吸入ポートに連通する歯間室でのキャビテーションの発生を良好に抑制することが可能となる。
また、前記インナーロータおよび前記アウターロータが回転している際、前記外歯の歯先頂部と前記内歯の歯先頂部とが一直線上で対向する位置に最接近した何れか1つの前記外歯が対応する前記内歯と接触している間に、該何れか1つの前記外歯よりも前記インナーロータの回転方向における1つ後側に位置する前記外歯が対応する前記内歯と接触してもよい。これにより、ギヤポンプの作動中におけるインナーロータおよびアウターロータの挙動を安定化させて振動やノイズを低減化することが可能となる。
更に、何れか1つの前記外歯およびそれに対応した前記内歯の歯先頂部が一直線上に位置する際の前記外歯と前記内歯とのチップクリアランスは、前記何れか1つの前記外歯よりも前記インナーロータの回転方向における1つ後側に位置する前記外歯の駆動歯面とそれに対応した前記内歯の被駆動歯面とのクリアランスの最小値以上であってもよい。これにより、インナーロータおよびアウターロータが回転する際、外歯の歯先頂部と内歯の歯先頂部とが一直線上で対向する位置に最接近した何れか1つの外歯が対応する内歯と接触している間に、当該何れか1つの外歯よりも回転方向における1つ後側に位置する外歯を対応する内歯に接触させることが可能となる。
また、前記何れか1つの前記外歯と、それに対応した前記内歯との前記チップクリアランスは、200μm以下であってもよい。これにより、吐出側クリアランスが大きくなってしまうのを抑制し、第1および第2吐出ポート間での流体の流通を規制して容積効率を向上させることが可能となる。
更に、前記インナーロータの前記外歯のそれぞれは、描画点の半径よりも小さい半径を有する外転円を基礎円に外接させながら滑りなく転動させて得られるエピトロコイド曲線により形成された歯先部と、描画点の半径よりも小さい半径を有する内転円を前記エピトロコイド曲線と共通の前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により形成されると共に、前記歯先部よりも前記インナーロータの回転方向における前側に位置する第1歯底部と、前記内転円を前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により形成されると共に、前記回転方向における後側の前記第1歯底部に連続する第2歯底部と、任意の曲線により形成されると共に、前記歯先部と前記第1歯底部との間に位置する第1中間部と、任意の曲線により形成されると共に、前記歯先部と前記第2歯底部との間に位置する第2中間部とを含んでもよく、前記第1中間部を形成する曲線の長さは、前記第2中間部を形成する曲線の長さよりも長くてもよい。
このようにインナーロータの外歯を構成することにより、隔壁と重なり合う外歯と内歯とのクリアランスの最小値をより小さくしつつ、容積変化量が最大となる歯間室におけるクリアランスの最小値をより大きくすることが可能となる。すなわち、第1中間部を形成する曲線の長さを第2中間部を形成する曲線の長さよりも長くすることで、歯先部を形成するエピトロコイド曲線の回転方向後側の端部を第2歯底部により近接させると共に、当該エピトロコイド曲線の回転方向前側の端部をインナーロータの径方向における外側に寄せることができる。そして、歯先部を形成するエピトロコイド曲線の回転方向後側の端部を第2歯底部により近接させることで、第1および第2吐出ポートに連通する歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値を全体に小さくすることができる。また、歯先部を形成するエピトロコイド曲線の回転方向前側の端部をインナーロータの径方向における外側に寄せることで、吸入ポートに連通する歯間室を画成する外歯と内歯とのクリアランスの最小値を全体に大きくすることができる。この結果、第1および第2吐出ポートを仕切る隔壁の位置すなわち第1および第2吐出ポートからの吐出流量の分配比を定める際の自由度を向上させつつ、隔壁と重なり合う外歯と内歯とのクリアランスの最小値をより小さくし、かつ容積変化量が最大となる歯間室におけるクリアランスの最小値を十分に大きくして当該歯間室でのキャビテーションの発生を良好に抑制することが可能となる。加えて、外転円や内転円の半径(∝基礎円の半径/歯数)を小さく保ったままエピトロコイド曲線やハイポトロコイド曲線の描画点半径を大きくすることで、1つの基礎円を用いて歯先部および歯底部の形状を定めると共に当該基礎円の外径すなわちインナーロータの外径を小さく保ったまま外歯の歯丈を容易に高くすることができる。
また、前記第1中間部は、少なくともインボリュート曲線により形成されてもよい。これにより、外歯と内歯とをよりスムースに噛み合わせると共にインナーロータとアウターロータとの回転速度比を一定にすることが可能となる。
更に、前記第2中間部の前記基礎円との交差部から前記歯先部との境界までの範囲は、前記外転円の前記描画点の半径を変化させながら前記基礎円に外接する該外転円を滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成されてもよく、前記第2中間部の前記基礎円との交差部から前記第2歯底部との境界までの範囲は、前記内転円の前記描画点の半径を変化させながら前記基礎円に内接する該内転円を滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成されてもよい。これにより、歯先部のインナーロータの回転方向における後側の端部を第2歯底部にできるだけ近接させつつ、歯先部と第2歯底部とを滑らかに繋ぐ第2中間部を構成することが可能となる。
また、前記複数の内歯により画成される前記アウターロータの歯形は、前記インナーロータの回転中心に対する前記アウターロータの回転中心の偏心量を“e”とし、前記インナーロータの回転中心、前記アウターロータの回転中心、前記外歯の歯先部の頂部および前記内歯の歯先部の頂部が一直線上に位置する際の該外歯の歯先部と該内歯の歯先部とのクリアランスを“t”としたときに、前記インナーロータの回転中心を前記アウターロータの回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で所定角度ずつ公転させると共に、前記インナーロータの回転中心が所定角度だけ公転する際にインナーロータを前記所定角度および前記インナーロータの歯数に応じた回転角度だけ自転させることにより得られる複数の歯形線に対して描かれる包絡線に基づいて定められてもよい。これにより、上述のようなインナーロータと適正に噛合可能なアウターロータを容易に得ることが可能となる。
本開示のギヤポンプの製造方法は、複数の外歯を有するインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に該インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータと、隣り合う2つの前記外歯と隣り合う2つの前記内歯とにより画成される複数の歯間室と、前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が増加する前記歯間室に連通する1つの吸入ポートと、隔壁により仕切られて互いに独立しており、それぞれ前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通する第1および第2吐出ポートとを備えたギヤポンプの製造方法であって、前記吸入ポートに連通すると共に前記インナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吸入側クリアランスとし、前記単位角度あたりの前記容積変化量が最大となる際に前記第1および第2吐出ポートの間で前記隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吐出側クリアランスとしたときに、前記吸入側クリアランスが前記吐出側クリアランスよりも大きくなるように、前記インナーロータを形成するステップを含むものである。
この方法により製造されたギヤポンプでは、第1および第2吐出ポート間での流体の流通を規制して容積効率の向上を図りつつ、吸入ポートに連通する歯間室でのキャビテーションの発生を抑制することが可能となる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、ギヤポンプの製造産業において利用可能である。
Claims (11)
- 複数の外歯を有するインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に該インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータと、隣り合う2つの前記外歯と隣り合う2つの前記内歯とにより画成される複数の歯間室とを含むギヤポンプにおいて、
前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が増加する前記歯間室に連通する1つの吸入ポートと、
隔壁により仕切られて互いに独立しており、それぞれ前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通する第1および第2吐出ポートとを備え、
前記吸入ポートに連通すると共に前記インナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吸入側クリアランスとし、前記単位角度あたりの前記容積変化量が最大となる際に前記第1および第2吐出ポートの間で前記隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吐出側クリアランスとしたときに、前記吸入側クリアランスが前記吐出側クリアランスよりも大きいギヤポンプ。 - 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、前記複数の外歯は、それぞれ歯形中心線に関して非対称に形成されるギヤポンプ。
- 請求項1または2に記載のギヤポンプにおいて、
前記吸入側クリアランスは、前記吐出側クリアランスの少なくとも3倍以上であるギヤポンプ。 - 請求項1から3の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
前記インナーロータおよび前記アウターロータが回転している際、前記外歯の歯先頂部と前記内歯の歯先頂部とが一直線上で対向する位置に最接近した何れか1つの前記外歯が対応する前記内歯と接触している間に、該何れか1つの前記外歯よりも前記インナーロータの回転方向における1つ後側に位置する前記外歯が対応する前記内歯と接触するギヤポンプ。 - 請求項1から4の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
何れか1つの前記外歯およびそれに対応した前記内歯の歯先頂部が一直線上に位置する際の前記外歯と前記内歯とのチップクリアランスは、前記何れか1つの前記外歯よりも前記インナーロータの回転方向における1つ後側に位置する前記外歯の駆動歯面とそれに対応した前記内歯の被駆動歯面とのクリアランスの最小値以上であるギヤポンプ。 - 請求項5に記載のギヤポンプにおいて、
前記何れか1つの前記外歯と、それに対応した前記内歯との前記チップクリアランスは、200μm以下であるギヤポンプ。 - 請求項1から6の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
前記インナーロータの前記外歯のそれぞれは、
描画点の半径よりも小さい半径を有する外転円を基礎円に外接させながら滑りなく転動させて得られるエピトロコイド曲線により形成された歯先部と、
描画点の半径よりも小さい半径を有する内転円を前記エピトロコイド曲線と共通の前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により形成されると共に、前記歯先部よりも前記インナーロータの回転方向における前側に位置する第1歯底部と、
前記内転円を前記基礎円に内接させながら滑りなく転動させて得られるハイポトロコイド曲線により形成されると共に、前記回転方向における後側の前記第1歯底部に連続する第2歯底部と、
任意の曲線により形成されると共に、前記歯先部と前記第1歯底部との間に位置する第1中間部と、
任意の曲線により形成されると共に、前記歯先部と前記第2歯底部との間に位置する第2中間部とを含み、
前記第1中間部を形成する曲線の長さは、前記第2中間部を形成する曲線の長さよりも長いギヤポンプ。 - 請求項7に記載のギヤポンプにおいて、前記第1中間部は、少なくともインボリュート曲線により形成されるギヤポンプ。
- 請求項7または8に記載のギヤポンプにおいて、
前記第2中間部の前記基礎円との交差部から前記歯先部との境界までの範囲は、前記外転円の前記描画点の半径を変化させながら前記基礎円に外接する該外転円を滑りなく転動させて得られる第1の曲線により形成されると共に、前記第2中間部の前記基礎円との交差部から前記第2歯底部との境界までの範囲は、前記内転円の前記描画点の半径を変化させながら前記基礎円に内接する該内転円を滑りなく転動させて得られる第2の曲線により形成されるギヤポンプ。 - 請求項1から9の何れか一項に記載のギヤポンプにおいて、
前記複数の内歯により画成される前記アウターロータの歯形は、前記インナーロータの回転中心に対する前記アウターロータの回転中心の偏心量を“e”とし、前記インナーロータの回転中心、前記アウターロータの回転中心、前記外歯の歯先部の頂部および前記内歯の歯先部の頂部が一直線上に位置する際の該外歯の歯先部と該内歯の歯先部とのクリアランスを“t”としたときに、前記インナーロータの回転中心を前記アウターロータの回転中心を中心とする直径2・e+tの円周上で所定角度ずつ公転させると共に、前記インナーロータの回転中心が所定角度だけ公転する際にインナーロータを前記所定角度および前記インナーロータの歯数に応じた回転角度だけ自転させることにより得られる複数の歯形線に対して描かれる包絡線に基づいて定められるギヤポンプ。 - 複数の外歯を有するインナーロータと、前記インナーロータの前記外歯よりも多い複数の内歯を有すると共に該インナーロータに対して偏心するように配置されるアウターロータと、隣り合う2つの前記外歯と隣り合う2つの前記内歯とにより画成される複数の歯間室と、前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が増加する前記歯間室に連通する1つの吸入ポートと、隔壁により仕切られて互いに独立しており、それぞれ前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転に伴って容積が減少する前記歯間室に連通する第1および第2吐出ポートとを備えたギヤポンプの製造方法であって、
前記吸入ポートに連通すると共に前記インナーロータが単位角度だけ回転する際の容積変化量が最大となる歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吸入側クリアランスとし、前記単位角度あたりの前記容積変化量が最大となる際に前記第1および第2吐出ポートの間で前記隔壁と少なくとも部分的に重なり合う歯間室を画成する前記外歯と前記内歯とのクリアランスの最小値を吐出側クリアランスとしたときに、前記吸入側クリアランスが前記吐出側クリアランスよりも大きくなるように、前記インナーロータを形成するステップを含むギヤポンプの製造方法。
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