JPWO2016121249A1 - 干渉光学装置、干渉観察装置および干渉観察方法 - Google Patents

干渉光学装置、干渉観察装置および干渉観察方法 Download PDF

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Abstract

干渉観察装置1は、干渉光学装置2、顕微鏡筐体50、撮像部56、対物レンズ70を備える。干渉光学装置2は、筐体10、光源13、光検出器14、ビームスプリッタ15,17、参照ミラー21および制御部31を備える。干渉観察装置1は、開口を有する対物レンズ取付部51に取り付けられる対物レンズ70を経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において、対物レンズ取付部51と対物レンズ70との間に干渉光学装置2の筐体10が配置された構成を有する。

Description

本発明は、干渉光学装置、この干渉光学装置を備える干渉観察装置、および、この干渉光学装置を用いる干渉観察方法に関するものである。
観察対象物の干渉画像を取得する干渉観察装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。この干渉観察装置は、マイケルソン(Michelson)干渉計の光学系を用いて、第1光源から出力されたインコヒーレント光を分岐して第1分岐光および第2分岐光とし、第1分岐光を観察対象物で反射させ、第1分岐光と第2分岐光とを合波して、その合波により生じる干渉光の画像を取得する。
また、この干渉観察装置は、コヒーレントなレーザ光を出力する第2光源を用いて干渉光の検出結果に基づいてマイケルソン干渉計における2つの光路の間の光路長差をフィードバック制御する。
なお、干渉光検出結果に基づくフィードバック制御により干渉計における2つの光路の間の光路長差を一定に維持する技術を「位相ロック」という。また、該フィードバック制御により位相ロックにより維持される該光路長差の値を変更する技術を「位相シフト」という。
特開2009−122033号公報
特許文献1に開示された干渉観察装置は、個々の部品を用意して組み立てを行おうとすると、光学調整が容易ではなく、コストが高くなる。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、容易に光学調整することができて安価に構成することができる干渉観察装置、このような干渉観察装置において好適に用いられ得る干渉光学装置、および、このような干渉光学装置を用いる干渉観察方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る干渉光学装置は、開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において対物レンズ取付部と対物レンズとの間に配置される干渉光学装置であって、(1) 対物レンズ取付部の開口と光学的に結合される開口を有する第1取付部と、(2) 対物レンズと光学的に結合される開口を有する第2取付部と、(3) 光を出力する光源と、(4) 合波光を受光して検出信号を出力する光検出器と、(5) 光源及び光検出器と光学的に結合し、光源から出力された光を入力して該光を所定方向に沿って出力するとともに、合波光を入力して該合波光を光検出器へ出力する第1ビームスプリッタと、(6) 第1ビームスプリッタと光学的に結合し、第1ビームスプリッタから出力された光を分岐して第1分岐光および第2分岐光とし、対物レンズを介して第1分岐光を観察対象物に照射して該観察対象物で反射された第1分岐光を入力するとともに、参照光路を経た第2分岐光を入力し、これら入力された第1分岐光と第2分岐光とを合波して当該合波光を第1取付部の開口および第1ビームスプリッタへ出力する第2ビームスプリッタと、(7) 第2ビームスプリッタと光学的に結合するとともに参照光路上に設けられ、第2ビームスプリッタから出力された第2分岐光を集光する第1レンズと、第1レンズにより集光された第2分岐光を第1レンズへ反射する参照ミラーと、第1レンズの光軸方向に参照ミラーを移動させるミラー移動部と、を含む参照光学系と、(8) 第1取付部,第2取付部,光源,光検出器,第1ビームスプリッタ,第2ビームスプリッタおよび参照光学系を保持する筐体と、を備える。
本発明の一側面に係る干渉観察装置は、開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置と、上記の本発明の干渉光学装置と、を備え、干渉光学装置の筐体およびこれに保持される光学部品が対物レンズ取付部と対物レンズとの間に配置され、対物レンズ取付部と第1取付部とが互いに光学的に結合されているとともに、対物レンズと第2取付部とが互いに光学的に結合されている。
本発明の一側面に係る干渉観察方法は、開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において対物レンズ取付部と対物レンズとの間に上記の本発明の干渉光学装置を配置して、対物レンズ取付部と第1取付部とを互いに光学的に結合するとともに、対物レンズと第2取付部とを互いに光学的に結合し、検出信号に基づいて、第2ビームスプリッタにおける分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差に応じた位相差を求め、この求めた位相差に基づいてミラー移動部を駆動して光路長差を制御し、撮像部を用いて干渉画像を取得する。
本発明の一側面によれば、容易に光学調整することができて安価な構成で観察対象物の干渉画像を取得することができる。
図1は、干渉観察装置1の構成を示す図である。 図2は、干渉観察装置1Aの構成を示す図である。 図3は、干渉観察装置1Bの構成を示す図である。 図4は、干渉観察装置1Cの構成を示す図である。 図5は、比較例の干渉観察装置100の構成を示す図である。 図6は、干渉観察装置1Eの構成を示す図である。 図7は、表示部(ディスプレイ)に表示される情報の一例を示す図である。 図8は、フィードバック制御を行わなかった場合の位相の時間的変化を示すグラフである。 図9は、フィードバック制御を行った場合の位相の時間的変化を示すグラフである。 図10は、干渉画像を示す図である。 図11は、干渉画像を示す図である。 図12は、位相画像を示す図である。 図13は、干渉強度を最大化する方法を説明する図である。 図14は、干渉強度を最大化する他の方法を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、本実施形態の干渉観察装置1の構成を示す図である。干渉観察装置1は、干渉光学装置2、顕微鏡筐体50、対物レンズ取付部51、試料保持台52、ステージ53,54、チューブレンズ55、撮像部56、接眼レンズ57および対物レンズ70を備える。また、干渉光学装置2は、筐体10、第1取付部11、第2取付部12、光源13、光検出器14、第1ビームスプリッタ15、第2レンズ16、第2ビームスプリッタ17、参照ミラー21、第1レンズ22、駆動素子23、ステージ24,25および制御部31を備える。
この干渉観察装置1は、マイケルソン干渉計の光学系を有し、試料保持台52により保持された観察対象物からの反射光に基づいて干渉画像を取得する。観察対象物は、特定の細胞や生体サンプルに限定されるものではない。例えば、観察対象物として、培養細胞、不死化細胞、初代培養細胞、がん細胞、脂肪細胞、肝臓細胞、心筋細胞、神経細胞、グリア細胞、体性幹細胞、胚性幹細胞、多能性幹細胞、iPS細胞、および、これらの細胞のうち少なくとも1つの細胞をもとに作られた細胞塊(スフェロイド)などが挙げられる。また、観察対象物として、生体に限らず、工業サンプル、たとえば金属表面、半導体表面、ガラス表面、半導体素子の内部、樹脂素材表面、液晶、高分子化合物なども挙げられる。
干渉観察装置1は、開口を有する対物レンズ取付部51に取り付けられる対物レンズ70を経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において、対物レンズ取付部51と対物レンズ70との間に干渉光学装置2の筐体10が配置された構成を有する。仮に、干渉観察装置1から干渉光学装置2を取り除いて対物レンズ取付部51に対物レンズ70を直接に取り付けた構成とすると、それは通常の顕微鏡装置として用いられ得る。すなわち、干渉観察装置1は、通常の顕微鏡装置に干渉光学装置2を取り付けることで構成され得る。
干渉光学装置2の筐体10に、第1取付部11、第2取付部12、光源13、光検出器14、第1ビームスプリッタ15、第2レンズ16、第2ビームスプリッタ17、参照ミラー21、第1レンズ22、駆動素子23およびステージ24,25が保持されている。これらのうち光検出器14および駆動素子23は、制御部31と電気的に接続されている。顕微鏡筐体50に、対物レンズ取付部51、試料保持台52、ステージ53,54、チューブレンズ55、撮像部56および接眼レンズ57が保持されている。干渉光学装置2の第1取付部11は、顕微鏡装置の対物レンズ取付部51の開口と光学的に結合される開口を有する。干渉光学装置2の第2取付部12は、対物レンズ70と光学的に結合される開口を有する。
光源13は、光を出力する。光源13は、コヒーレントなレーザ光を出力するレーザ光源であってもよいし、インコヒーレントな光を出力するものであってもよい。光源13は、ハロゲンランプなどのランプ系光源、ASE(Amplified spontaneous emission)光源等であってもよいが、例えば、レーザダイオード、LED(Light emitting diode)光源、SLD(Super luminescent diode)光源等の小型のものであるのが好適である。
光検出器14は、光を受光して検出信号を出力する。光検出器14は、光電子増倍管、ラインセンサ(リニアセンサ)、CCDエリアイメージセンサ、CMOSエリアイメージセンサであってよいが、例えば、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード等の小型のものであるのが好適である。
ビームスプリッタ15は、光源13および光検出器14と光学的に結合され、光源13から出力された光を入力して該光を所定方向に沿ってレンズ16へ出力するとともに、この所定方向に沿ってレンズ16から到達した光を入力して光を光検出器14へ出力する。ビームスプリッタ15は、光源13から出力された光を入力する面15aと、光源13から出力された光をレンズ16に出力すると共に後述する合波光が入力される面15bと、入力された合波光を光検出器14に出力する面15cと、各面から入力された光の一部を反射すると共に、当該光の一部を透過する面15dを有する。ビームスプリッタ15は、例えば、ハーフミラーなどである。
レンズ16は、ビームスプリッタ15とビームスプリッタ17との間の光路上に設けられており、ビームスプリッタ15から出力された光をコリメートする。第1取付部11が対物レンズ取付部51に光学的に結合され、第2取付部12に対物レンズ70が光学的に結合された状態において、撮像部56の撮像面と観察対象物とが互いに光学的に共役となるようにフォーカスを調整した際に、レンズ16は、光検出器14の位置が撮像部56の撮像面および観察対象物の双方と光学的に共役となる位置に配置されている。
ビームスプリッタ17は、ビームスプリッタ15と光学的に結合され、マイケルソン干渉計の光学系を構成する。ビームスプリッタ17は、ビームスプリッタ15からレンズ16を経て到達した光を分岐し第1分岐光および第2分岐光とする。ビームスプリッタ17は、第2取付部12の開口および対物レンズ70を介して第1分岐光を観察対象物に照射し、該観察対象物で反射された第1分岐光を入力する。ビームスプリッタ17は、参照ミラー21およびレンズ22を含む参照光路を経て帰還した第2分岐光を入力する。そして、ビームスプリッタ17は、これら入力した第1分岐光と第2分岐光とを合波して、当該合波光を第1取付部11の開口およびビームスプリッタ15へ出力する。ビームスプリッタ17は、ビームスプリッタ15から出力された光が入力されると共に合波光をビームスプリッタ15に出力する面17aと、第1分岐光を対物レンズ70に出力すると共に対物レンズ70から帰還した第1分岐光が入力される面17bと、第2分岐光を参照光路に出力すると共に参照光路から帰還した第2分岐光が入力される面17cと、ビームスプリッタ15から出力された光を第1分岐光と第2分岐光に分岐すると共に対物レンズ70から帰還した第1分岐光と参照光路から帰還した第2分岐光を合波する面17dと、合波光を第1取付部11の開口に出力する面17eと、を有する。ビームスプリッタ17は、例えば、ハーフミラーなどである。
参照光学系20は、参照ミラー21、レンズ22、駆動素子23およびステージ24,25を含む。参照光学系20は、ビームスプリッタ17と光学的に結合し、参照光路に配置される。レンズ22は、ビームスプリッタ17と光学的に結合され、ビームスプリッタ17から出力された第2分岐光を参照ミラー21に集光する。また、レンズ22は、参照ミラー21で反射された第2分岐光をビームスプリッタ17へ出力する。駆動素子23は、レンズ22の光軸に平行な方向(レンズ22の光軸方向)に参照ミラー21を移動させるミラー移動部である。駆動素子23は、例えば、ピエゾ素子やステッピングモータなどのアクチュエータなどである。ステージ24は、レンズ22の光軸に平行な方向にレンズ22を移動させる。ステージ25は、レンズ22の光軸に平行な方向に参照ミラー21およびレンズ22を一体として移動させる。参照ミラー21とレンズ22との間の間隔は、ステージ24により粗調整され、駆動素子23により微調整される。参照ミラー21とビームスプリッタ17との間の間隔は、ステージ25により粗調整され、駆動素子23により微調整される。
制御部(コントローラ)31は、プロセッサ及びメモリ等を含むコンピュータである。コンピュータは、例えば、パーソナルコンピュータあるいはタブレット端末などのスマートデバイスであってもよい。また、制御部31は、利用者からの入力を受け付ける入力部(キーボード、マウス、タブレット端末等)や、干渉強度等を表示する表示部(ディスプレイ、タブレット端末、スピーカー、バイブレータなど)を備えていてもよい。なお、表示部がディスプレイやタブレット端末などのように画面表示できる装置であれば、撮像部56により取得された干渉画像などを干渉強度と合わせて表示してもよい。
制御部31は、光検出器14から出力される検出信号を入力し、プロセッサにより、この検出信号に基づいて、ビームスプリッタ17における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差に応じた位相差を求め、この求めた位相差に基づいて駆動素子23を駆動して光路長差を制御する。制御の詳細については後述する。
対物レンズ70は、干渉光学装置2の第2取付部12の開口と光学的に結合され、これを介してビームスプリッタ17と光学的に結合される。対物レンズ70は、ビームスプリッタ17から出力された第1分岐光を試料保持台52により保持された観察対象物に集光する。また、対物レンズ70は、観察対象物で反射された第1分岐光を入力してビームスプリッタ17へ出力する。ステージ53は、対物レンズ70の光軸に平行な方向に試料保持台52を平行移動させる。ステージ54は、対物レンズ70の光軸に交差する2方向(例えば、対物レンズ70の光軸に直交する2方向)に試料保持台52を平行移動させる。
チューブレンズ55は、対物レンズ取付部51の開口と光学的に結合され、これを介して干渉光学装置2の第1取付部11と光学的に結合され、さらに、これを介してビームスプリッタ17と光学的に結合される。チューブレンズ55は、分割光学素子60を介してビームスプリッタ17から出力された合波光を撮像部56および接眼レンズ57へ出力する。分割光学素子60は、例えば、プリズムである。撮像部56および接眼レンズ57は、分割光学素子60を介してチューブレンズ55と光学的に結合されている。撮像部56は、チューブレンズ55から出力された合波光を受光して干渉画像を取得する。撮像部56は、例えば、CCDエリアイメージセンサやCMOSエリアイメージセンサなどのイメージセンサである。また、接眼レンズ57を介して干渉画像を視認することができる。
試料側光学系(第1分岐光の光学系)および参照側光学系(第2分岐光の光学系)の何れにも、反射位置(観察対象物、参照ミラー21)で光を結像するためのレンズ70,22が設けられている。このように双方の光学系に対物レンズ(または同等なレンズ)が設けられた干渉光学系はリニク(Linnik)型干渉計として知られている。図1に示される構成では、参照側光学系(第2分岐光の光学系)の軽量化の為に、対物レンズに替えて、小型で軽量な非球面アクロマティックレンズ22が用いられている。
ステージ53は、対物レンズ70の光軸方向に試料保持台52を移動可能に構成され、試料側光学系(第1分岐光の光学系)の光路長を調整することができる。駆動素子23は、レンズ22の光軸方向に参照ミラー21を移動可能に構成され、参照側光学系(第2分岐光の光学系)の光路長を調整することができる。ステージ53および駆動素子23は、試料側光学系(第1分岐光の光学系)の光路長と試料側光学系(第1分岐光の光学系)の光路長との差を調整することができ、干渉光学系における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差を調整する光路長差調整部として作用する。
干渉観察装置1は以下のように動作する。光源13から出力された光は、ビームスプリッタ15を透過して、レンズ16によりコリメートされた後、ビームスプリッタ17により分岐されて第1分岐光および第2分岐光とされる。第1分岐光は、第2取付部12の開口を経て、対物レンズ70により、試料保持台52により保持された観察対象物に集光され、観察対象物の表面または内部で反射される。その反射された第1分岐光は、対物レンズ70および第2取付部12の開口を経てビームスプリッタ17に入力される。この第1分岐光は、観察対象物における反射の際に光学的な遅れを有する。第2分岐光は、レンズ22により参照ミラー21に集光され、参照ミラー21により反射される。その反射された第2分岐光は、レンズ22を経てビームスプリッタ17に入力される。
対物レンズ70からビームスプリッタ17に入力された第1分岐光、および、レンズ22からビームスプリッタ17に入力された第2分岐光は、ビームスプリッタ17により合波される。その合波光は、第1取付部11の開口,対物レンズ取付部51の開口およびチューブレンズ55を経て撮像部56により受光されるとともに、レンズ16およびビームスプリッタ15を経て光検出器14により受光される。合波光を受光した撮像部56により干渉画像が取得される。また、合波光を受光した光検出器14から検出信号が出力される。そして、制御部31により、光検出器14から出力される検出信号に基づいて、干渉光学系における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差が制御される。
干渉観察装置1は、図2〜図5に示されるような変形例の構成とすることも可能である。なお、図2〜図4に示される変形例において干渉光学装置2の筐体10内の構成は同じままとしてよい。
図2に示される変形例の干渉観察装置1Aは、図1に示される構成に対して、顕微鏡筐体50に内蔵された照明用光源58およびビームスプリッタ59を用いる点で相違する。照明用光源58から出力された光は、ビームスプリッタ59により反射されて、対物レンズ取付部51の開口および干渉光学装置2の第1取付部11の開口を経て、ビームスプリッタ17により分岐されて第1分岐光および第2分岐光とされる。照明用光源58由来の第1分岐光は、光源13由来の第1分岐光と同様に、試料側光学系を経てビームスプリッタ17に帰還する。照明用光源58由来の第2分岐光は、光源13由来の第2分岐光と同様に、参照側光学系を経てビームスプリッタ17に帰還する。これらの第1分岐光および第2分岐光は、ビームスプリッタ17により合波される。その合波光は、第1取付部11の開口,対物レンズ取付部51の開口,ビームスプリッタ59およびチューブレンズ55を経て撮像部56により受光される。
図2に示される変形例では、顕微鏡筐体50に内蔵された照明用光源58および撮像部56は、干渉画像の取得に用いられる。干渉光学装置2の光源13および光検出器14は、干渉光学系における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差の制御に用いられる。例えば、好適には、顕微鏡筐体50に内蔵された照明用光源58は可視光を出力するハロゲンランプであり、撮像部56は可視域に感度を有するシリコンCCDカメラである。また、干渉光学装置2の光源13は近赤外光を出力するレーザダイオードであり、光検出器14は近赤外域に感度を有するフォトダイオードである。このようにすると、撮像部56および光検出器14それぞれの感度帯域が互いに重なることがないので、干渉画像の取得および光路長差の制御が互いに影響を受けることなく可能である。
図3に示される変形例の干渉観察装置1Bは、図1に示される構成に対して、顕微鏡筐体50にステージ61が設けられており、このステージ61により干渉光学装置2の筐体10およびこれに保持される光学部品が対物レンズ70の光軸方向に移動可能である点で相違する。制御部31は、ステージ61を駆動することで、筐体10と観察対象物との間の距離を調整して観察対象物へのフォーカスを制御する。ステージ61は、干渉光学系における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差を調整する光路長差調整部としても作用する。
図4に示される変形例の干渉観察装置1Cは、図1に示される構成に対して、ステージ53により試料保持台52上の観察対象物が対物レンズ70の光軸方向に移動可能である点で相違する。制御部31は、ステージ53を駆動することで、筐体10と観察対象物との間の距離を調整して観察対象物へのフォーカスを制御する。ステージ53は、図1に示される構成と同様に、干渉光学系における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差を調整する光路長差調整部としても作用する。
図3,4に示される変形例では、制御部31は、試料側光学系(第1分岐光の光学系)の光路長および参照側光学系(第2分岐光の光学系)の光路長の双方を調整することができる。制御部31は、ステージ61またはステージ53を駆動することにより光路長差を粗調整することができ、駆動素子23を駆動することにより光路長差を微調整することができる。また、一般に、ステージの移動範囲が大きいのに対して駆動素子の移動範囲が小さいので、制御部31は、ステージ61またはステージ53の駆動により試料側光学系の光路長を調整することで、駆動素子23の駆動により光路調差が値0の近傍で可能となるようすることができる。
図5に示される比較例の干渉観察装置100は、既存の顕微鏡装置のカメラポートにビームスプリッタ62および光検出器63を配置した干渉観察装置であり、図1に示される構成に対して、干渉光学装置2Dが光検出器14および第1ビームスプリッタ15を備えていない点で相違する。この比較例では、ビームスプリッタ17により合波されて出力された合波光は、第1取付部11の開口,対物レンズ取付部51の開口,チューブレンズ55およびビームスプリッタ62を経て、撮像部56および光検出器63により受光される。合波光を受光した撮像部56により干渉画像が取得される。また、合波光を受光した光検出器63から検出信号が出力される。そして、光検出器63から出力される検出信号に基づいて、干渉光学系における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差が制御される。
しかし、図5に示される比較例は、以下の点で好ましくない。すなわち、既存の顕微鏡装置では、チューブレンズ55から撮像部56の撮像面までの距離は、顕微鏡メーカーにより適切に設計されており、一般にチューブレンズ55の焦点距離と等しくなるようにしている。また、撮像部56の撮像面が接眼レンズ57で見た時の像面と共役になるよう予め設計されている。しかし、撮像部56側に光検出器63を設ける場合、チューブレンズ55と撮像部56との間にビームスプリッタ62を挿入することが必要となり、チューブレンズ55の焦点距離と、チューブレンズ55と撮像部56との間の光学距離との間に不整合が生じる。また、この状態では、接眼レンズ57で観察対象物にフォーカスした際に、撮像部56の撮像面上ではフォーカスがずれているという問題も発生する。以上のことから、図5に示される比較例は好ましくない。
本実施形態では、干渉光学装置2の光源13は、コヒーレント光源であってもよいし、インコヒーレント光源であってもよい。光源13としてインコヒーレント光源を用いる場合、光路長差を制御して位相ロックおよび位相シフトを行なうことが必要である。何故なら、インコヒーレント光、例えば白色光の場合、光路長差がコヒーレンス長ΔL以下である場合に干渉が得られるからである。インコヒーレント光の中心波長をλとし、インコヒーレント光のスペクトル幅をΔλとすると、コヒーレンス長ΔLは下記(1)式で表される。LEDの場合、コヒーレンス長ΔLは10μm程度である。ハロゲンランプの場合、コヒーレンス長ΔLは1μm程度である。
本実施形態では、制御部31が、合波光を受光した光検出器14から出力された検出信号に基づいて駆動素子23による光路長差調整動作を制御して、位相ロックおよび位相シフトを行なう。
なお、厳密には駆動素子23による参照ミラー21の移動は参照光学系20の結像条件を乱してしまう。しかし、実際の参照ミラー21のスキャン距離は、光の波長の半分程度であり、例えば光源13として赤色LED(波長610nm)を用いた場合は高々305nmである。この移動量は、レンズ22(またはその同等品の対物レンズ)の焦点深度と同程度または有意に短い距離である。したがって、駆動素子23により参照ミラー21を移動させても、実質的に参照側光学系の結像条件は保たれているとみなして差し支えない。
実際の実験環境においては、振動対策をしてある実験台において1秒あたり10nm程度の光路長の振動は避けられず、また、振動対策をしていない実験台では1秒あたり100nm以上の光路長の擾乱が生じることは珍しくない。そこで、高精度な干渉イメージングにおいては、光路長差のロックは必要である。
位相ロックとしては、以下に説明する技術(以下「第1位相ロック技術」という。)を用いることができる。この位相ロック技術は、光源13の出力光の波長に比べて十分小さい振幅で参照ミラー21を正弦波的に高速に振動させ、そのときに光検出器14から出力される検出信号を参照ミラー21の振動周波数の1倍波および2倍波で同期検波することで、干渉光の位相を得るというものである。制御部31は、この得られた位相値を目標値に近づけるべくフィードバック制御することで、光路長差をロックすることが可能となる。
制御部31は、光検出器14からのアナログ信号である検出信号を入力し、駆動素子23を駆動制御するためのアナログ信号を出力する。制御部31は、内部でアナログ処理をしてもよいしデジタル処理をしてもよい。後者の場合、例えば、制御部31は、入力した検出信号をAD変換してデジタル信号とし、そのデジタル信号を処理し、その処理により得られたデジタル信号をDA変換してアナログ信号とし、そのアナログ信号を出力してもよい。デジタル信号の処理には、マイクロプロセッサやFPGA(Field Programmable Gate Array)が用いられてもよい。
光路長差に相当する位相差がΔφであるとき、光検出器14が受光する光の強度Vは下記(2)式で表される。受光強度Vは、何れも未知数であるオフセット成分DCおよび振幅ACを含む。それ故、何等かの処理により、DCおよびACを含まない形で位相差Δφを抽出する必要がある。
光源13の出力光の波長に比べて十分小さい振幅で駆動素子23により参照ミラー21を正弦波的に高速に振動させると、光検出器14が受光する光の強度Vは下記(3)式で表される。αは、参照ミラー21の振動の振幅に応じて決まる変調度である。ωは、振動の角周波数である。tは時間変数である。
この(3)式の右辺をフーリエ級数展開すると、近似式として下記(4)式が得られる。JおよびJは第一種ベッセル関数である。(4a)式の右辺の第2項は振幅Aωtおよび角周波数ωで振動する。また、(4a)式の右辺の第3項は振幅A2ωtおよび角周波数2ωで振動する。したがって、光検出器14から出力される検出信号を角周波数ωで同期検波することで振幅Aωtを得ることができ、検出信号を角周波数2ωで同期検波することで振幅A2ωtを得ることができる。
振幅Aωtと振幅A2ωtとの比は下記(5)式で表される。また、ACは合波光の干渉強度を表しており、その干渉強度ACは下記(6)式で表される。参照ミラー21の振動の振幅が一定であるので、その振幅に基づいてJ(α)およびJ(α)を求めることができる。(5)式に基づいて光路長差に応じた位相差Δφを求めることができ、(6)式に基づいて干渉強度ACをも求めることができる。制御部31は、以上のような処理を行なう為に、同期検波回路,加算回路および乗除算回路を含む。
本実施形態は、インコヒーレント光を用いて位相ロックを行なうものである。従来では、インコヒーレント光の可干渉性が低いので、これを位相ロックに用いることは難しかった。しかし、本実施形態では、インコヒーレント光の干渉強度ACを求めることによって、作業者に光学系の干渉状態を最適化するよう促すことができる。すなわち、干渉計の光路長差が光のコヒーレンス長に比べて十分に大きいとき、干渉強度ACはゼロに近づく。干渉計の光路長差がゼロであるときに干渉強度ACは最大値を取る。干渉強度ACを求めて、この干渉強度ACが大きくなるように光路長差を調整することができる。
"spatial filtering detector" を用いた位相ロック技術(以下「第2位相ロック技術」という。)も採用可能である。この技術では、光検出器14として、1次元方向に複数の画素が配列されたラインセンサまたは1次元方向に配列された複数の光検出器を用いる。以下では、等間隔に配列された4個の光検出器を用いる場合について説明する。測定側光学系および参照側光学系の双方または何れか一方に傾きを与えることで干渉縞が現れるようにし、この状態において4個の光検出器の受光強度V1〜V4が下記(7)式となるように干渉縞の傾きを調整する。
測定側光学系および参照側光学系の双方または何れか一方に傾きを与えるために、例えば、試料保持台52または参照ミラー21を傾斜させてもよいし、何れかのレンズを傾けてもよいし、また、所定方向に沿って厚みが異なる楔形状のプリズムを光路上に挿入してもよい。
この受光強度V1〜V4から下記(8)式によりA1,A2が求められ、下記(9)式によりA1とA2との比が求められる。また、干渉強度ACは下記(10)式で表される。これらの式から、光路長差に応じた位相差Δφを求めることができ、干渉強度ACをも求めることができる。制御部31は、以上のような処理を単純な電気回路系で実現できることができる。
制御部31は、このようにして光路長差に応じた位相差を求めるとともに干渉強度を求め、駆動素子23による光路長差調整動作を制御して、求めた干渉強度に基づいて光路長差を小さくするとともに、求めた位相差に基づいて光路長差を一定に維持する。なお、光路長差の調整に際して、ステージ53および駆動素子23の何れを制御してもよいが、ステージ53の制御により光路長差を粗調整することができ、駆動素子23の制御により光路長差を微調整することができる。
求めた干渉強度に基づいて光路長差を小さくする際に、自動的にステージ53を移動させてもよい。また、利用者に干渉強度を通知して、利用者の操作によりステージ53を移動させてもよい。例えば、制御部31の表示部、または、これとは別に設けた表示部に、干渉強度を表示させて、干渉強度を利用者に知らせる。表示部は、ディスプレイ、LEDバー、アナログパネルメーター、デジタルパネルメーターなどの視覚的なものであってもよいし、干渉強度に応じた大きさの音を出力するブザーやスピーカーなどの聴覚的なものであってもよいし、また、干渉強度に応じた大きさの振動を利用者に与えるバイブレータなどの触覚的なものであってもよい。利用者は、表示部に表示された干渉強度が大きくなるように、ステージ53を対物レンズ70の光軸方向に移動させる。図7は、表示部(ディスプレイ)に表示される情報の一例を示す図である。この例では、干渉強度は、数値、バー、および、時間的変化を示すグラフの3つの態様で同時に表示されている。また、この例では、干渉画像および位相画像(後述)も表示されている。
干渉強度を大きくする際に、光路長差を最小化することが好適である。ただし、試料側光学系および参照側光学系の何れかの結像系のフォーカスや光軸がずれている場合にも干渉強度が小さくなる。したがって、干渉強度を大きくするには、第1に光路長差を調整して小さくするとともに、試料側光学系および参照側光学系それぞれの結像系のフォーカスや光軸の調整をも行なう。例えば、干渉強度を大きくするためにステージ24によりレンズ22をその光軸方向に移動させてもよい。この場合、参照ミラー21に対するレンズ22の焦点位置を最適に調整でき、干渉強度を大きくすることができる。
干渉強度を最大化するアルゴリズムとしては、干渉強度を記録しながら調整機構(光路長差、フォーカス、光軸)のうちの1つを一方向に動かして行き、最適な位置を通り過ぎて干渉強度が下がり始めたら調整機構を逆方向に動かし、一方向のスキャン中に得られた最大強度の誤差数%以内の干渉強度が得られた地点を最適値とみなすという方法が考えられる。調整箇所が複数ある場合は、このような最適値の探索をそれぞれの調整箇所について順番に行い、調整が一巡したら必要に応じてもう一巡もしくは数回調整を繰り返すことで、光学系全体としての最適な状態を実現する、というアルゴリズムが考えられる。
また、干渉強度を最大化する方法として、断続的に位相ロックをかけながら、調整機構(光路長差、フォーカス、光軸)のうちの1つもしくは複数を移動させてもよい。たとえば、利用者の操作によりステージ25を移動させながら干渉強度を最大化する場合、ステージ25を含む光学系の機械的な要因により、実際の移動量は振動をともなったものとなる。そこで、図13に示すように、位相ロックのON及びOFFを繰り返しながら、干渉光学系を調整するようにすれば、断続的に光路長差が安定化される。図13は、干渉強度を最大化する方法を説明する図である。この図は、ステージ25の移動量、光路長差、ピエゾ素子23の伸長長さ、位相ロックのON/OFFおよび合波光の露光のON/OFFそれぞれの時間的変化を示している。
このように断続的に位相ロックを行いながら干渉光学系を調整する場合、位相ロックのON及びOFFに合わせて、撮像部56による合波光の露光のON及びOFFを行ってもよい。この場合、撮像部56の露光期間が位相ロックのON期間に含まれるように、撮像部56は制御される。例えば、制御部31は、撮像部56の露光期間が位相ロックのON期間に含まれるように、撮像部56の撮像を制御する。そのため、作業者は、干渉光学系を調整しながら、定期的に位相ロックがONの状態の干渉画像を確認できるので、機械的要因の影響を受けずに、干渉画像を確認することができる。
断続的に位相ロックを行いながら調整機構を移動させ、位相ロックがかかっているタイミングでの干渉画像を表示させる場合、各断続的位相ロックにおいて目標とする位相差を毎回同じ値にするのが望ましい。この場合、それぞれの位相ロックのON期間において、光路長差LはL=ΔL+Nλ(Nは整数、λは光源の中心波長、ΔLは位相差に対応するオフセット光路長差)に安定化される。それ故、光路長差を調整していながらも、各干渉画像の撮像タイミングにおいては相対的な位相差が一定となる。これにより、干渉縞のパターンがほぼ同一であり、コントラストのみが異なる画像を順次取得することが可能となる。干渉強度を最大化させるという目的のために必要な情報は、干渉縞の位相ではなく干渉縞のコントラストであるので、コントラストのみ異なる干渉画像を観察しながら調整機構を移動させることは、干渉縞が変化している状態で調整機構を移動させることと比べて、作業者にとって作業の負担が少ない。
このように、干渉縞のコントラストは、副次的な干渉強度情報として有用である。また、光路長差のブレは、光路長差に直接関与しないフォーカスや光軸の調整においても、副次的に発生する。断続的に位相ロックを行いながら調整機構を移動させる方法は、フォーカスや光軸の調整においても有効である。
位相ロックがONとなる期間と、位相ロックがOFFとなる期間との配分、および、位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期は、適切に設定される必要がある。まず、位相ロックがONとなる期間が短すぎると、位相ロックを安定化させるために不十分となり、また、撮像部56による露光を行うにあたっても露光時間が不足する。そこで、位相ロック機構については、1ミリ秒〜5ミリ秒程度の遷移時間(光学系の機械的要因に依存する)で光路長を安定化させることができるので、位相ロックがONとなる期間は少なくとも1ミリ秒より長いことが望ましい。ただし、反射率の低いサンプル(たとえばガラス表面など)を観察する場合は、干渉縞を十分な光量で撮像できるだけの時間幅を取ることが望ましく、撮像部56の露光期間の観点から、少なくとも20ミリ秒より長いことが望ましい。
一方、位相ロックがONとなる期間が長すぎても問題になる場合がある。位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期は、位相ロックがONとなる期間の逆数より小さくできない。たとえば、位相ロックがONとなる期間が5秒であれば、当然ながら位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期も5秒より長くなくてはならない。この場合、干渉画像が表示される周期も5秒より長くなるので、作業者の操作性を損なうこととなる。更には、位相ロックがONとなる期間が長い場合、ピエゾ素子23の伸長範囲に関係した問題も生じる。位相ロックがONとなっている間、調整機構(光路長差、フォーカス、光軸)の移動による光路長変化を打ち消すべく、フィードバック制御によりピエゾ素子23の伸長距離が調整されるが、フィードバック制御に用いうるピエゾ素子23の伸長範囲はたかだか±8μm程度であり、調整機構(光路長差、フォーカス、光軸)の移動による光路長変化がこの範囲を越えた場合、フィードバック制御がかからなくなる。これらのことから、位相ロックがONとなる期間は、たとえば3秒以下が望ましい。
また、位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期に関しては、干渉画像が表示される周期と同一となるので、作業者の操作性を損なわないためには、3秒間よりも短いことが望ましい。位相ロックがONとなる期間と、位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期とが好適に設定されれば、自動的に位相ロックがOFFとなる期間の時間幅も求められることとなる。
図13は、断続的に位相ロックを行いながら光路長を調整する場合のタイミングチャートを示すとともに、各期間の長さの具体的数値をも示す。位相ロックがONとなる期間を20ミリ秒とし、位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期を200ミリ秒とした。この変形例では、200ミリ秒間隔で、干渉画像を安定的に得ることができる。
なお、位相ロックがOFFとなる期間を30ミリ秒以下としてもよい。位相ロックがOFFとなる期間では干渉画像が取得されないので、位相ロックがOFFとなる期間が30ミリ秒より大きいと、作業者にとってスムーズな干渉画像の切り替えが行われないので観察しにくい。それ故、位相ロックがOFFとなる期間を30ミリ秒以下とすることで、作業者にとってスムーズな干渉画像の切り替えを行うことができる。なお、位相ロックがOFFとなる期間及びONとなる期間を設定し、位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期を算出してもよいし、位相ロックがOFFとなる期間及び位相ロックのON及びOFFが繰り返される周期を設定し、位相ロックがONとなる期間を設定してもよい。
また、図14に示されるように、断続的な位相ロックに合わせて位相シフトを行ってもよい。図14は、干渉強度を最大化する他の方法を説明する図である。この図も、ステージ25の移動量、光路長差、ピエゾ素子23の伸長長さ、位相ロックのON/OFFおよび合波光の露光のON/OFFそれぞれの時間的変化を示している。この図に示されるタイミングチャートにおいては、各位相ロック期間中に位相シフトを行っている。具体的には、複数(図14では4回)の位相ロックのON期間が停滞期間を挟んで断続的に設けられ、各位相ロック期間中に位相シフトが実施される。その後、位相ロックのOFF期間が設けられ、再び複数の位相ロック期間が停滞時間を挟んで断続的に設けられ、再び各位相ロック期間中に位相シフトが実施される。位相シフト法としては、よく知られた4分のラムダ位相シフト法を用いることが望ましい。図14に示す方法で、断続的に位相ロックを行いながら光路長差を調整することで、光路長差を調整しながらも、200ミリ秒間隔で干渉画像および位相画像が得られることとなる。
次に、他の実施形態について説明する。図6は、他の実施形態の干渉観察装置1Eの構成を示す図である。干渉観察装置1Eは、干渉光学装置2E、顕微鏡筐体50、対物レンズ取付部51、試料保持台52、ステージ53,54、チューブレンズ55、撮像部56、接眼レンズ57、照明用光源58、ビームスプリッタ59および対物レンズ70を備える。また、干渉光学装置2Eは、筐体10、第1取付部11、第2取付部12、光検出器14、第2レンズ16、第2ビームスプリッタ17、参照ミラー21、第1レンズ22、駆動素子23、ステージ24,25および制御部31を備える。
図2に示された干渉観察装置1Aの構成と比較すると、図6に示される干渉観察装置1Eは、干渉光学装置2に替えて干渉光学装置2Eを備える点で相違する。干渉観察装置1Eにおいても同様に、開口を有する対物レンズ取付部51に取り付けられる対物レンズ70を経た光を撮像する撮像部56および照明用光源58を含む顕微鏡装置において、対物レンズ取付部51と対物レンズ70との間に干渉光学装置2Eの筐体10が配置された構成を有する。
図2に示された干渉光学装置2の構成と比較すると、図6に示される干渉光学装置2Eは、光源13および第1ビームスプリッタ15を備えていない点で相違する。干渉光学装置2Eの筐体10に、第1取付部11、第2取付部12、光検出器14、第2レンズ16、第2ビームスプリッタ17、参照ミラー21、第1レンズ22、駆動素子23およびステージ24,25が保持されている。これらのうち光検出器14および駆動素子23は、制御部31と電気的に接続されている。干渉光学装置2Eの第1取付部11は、顕微鏡装置の対物レンズ取付部51の開口と光学的に結合される開口を有する。干渉光学装置2Eの第2取付部12は、対物レンズ70と光学的に結合される開口を有する。
干渉観察装置1Eは、以下のように動作する。照明用光源58から出力された光は、ビームスプリッタ59により反射されて、対物レンズ取付部51の開口および干渉光学装置2Eの第1取付部11の開口を経て、ビームスプリッタ17により分岐されて第1分岐光および第2分岐光とされる。第1分岐光は、試料側光学系を経てビームスプリッタ17に帰還する。第2分岐光は、参照側光学系を経てビームスプリッタ17に帰還する。これらの第1分岐光および第2分岐光は、ビームスプリッタ17により合波される。その合波光は、光検出器14により受光されるともに、第1取付部11の開口,対物レンズ取付部51の開口,ビームスプリッタ59およびチューブレンズ55を経て撮像部56により受光される。合波光を受光した撮像部56により干渉画像が取得される。また、合波光を受光した光検出器14から検出信号が出力される。そして、制御部31により、光検出器14から出力される検出信号に基づいて、干渉光学系における分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差が制御される。
このような構成を有する干渉光学装置2Eは、光源13および第1ビームスプリッタ15を備えていないことにより、小型で安価なものとすることができる。一般に顕微鏡装置はインコヒーレント光を出力する照明用光源を備えているので、この干渉光学装置2Eを取り付けることで安価に干渉観察装置1Eを構成することができる。
次に、干渉観察装置1の実施例について説明する。図1に示される構成を用いた。光源13として波長610nmのLEDを用いた。光検出器14としてフォトダイオードを用いた。また、撮像部56としてCCDエリアイメージセンサを搭載したカメラを用いた。
観察対象物として、ハーフミラーで形成された保持基板の上に子宮頚部がん由来のHeLa細胞を培養してエタノール固定したものを用いた。観察時は、この細胞の上に純水を数滴たらし、その上にカバーガラスをかぶせ、上方から対物レンズ70で細胞を観察した。
駆動素子23としてピエゾ素子を用い、ピエゾ素子による参照ミラー21の振動の角周波数ωを2.3kHzとした。制御部31により、光検出器14から出力された検出信号のうち2.3kHz成分および4.6kHz成分を同期検波した。この同期検波結果に基づいて上記(5)式から位相差Δφを求め、この位相差Δφに基づいて駆動素子23による参照ミラー21の振動の中心位置をフィードバック制御して、位相ロックおよび位相シフトを行なった。
図8は、フィードバック制御を行わなかった場合の位相の時間的変化を示すグラフである。図9は、フィードバック制御を行った場合の位相の時間的変化を示すグラフである。フィードバック制御を行わなかった場合(図8)には、秒間10nm程度の光路長のドリフトが認められる。これに対して、フィードバック制御を行った場合(図9)には、正確にπ/2ずつの位相シフトおよび位相ロックが実現されている。
図10および図11は、位相シフトおよび位相ロックを行なって取得された干渉画像を示す図である。図10(a)に示される干渉画像I1(x,y)に対し、図10(b)に示される干渉画像I2(x,y)はπ/2だけ位相が異なり、図11(a)に示される干渉画像I3(x,y)はπだけ位相が異なり、図11(b)に示される干渉画像I4(x,y)は3π/2だけ位相が異なる。これらの干渉画像I1〜I4から下記(11)式で定量位相画像Ψ(x,y)が求められた。なお、x、yは、各画像における位置を示す変数である。このΨ(x,y)を位相アンラッピングし、ゼルニケ多項式を用いたシェーディング補正の計算によって背景の歪み成分を平坦化すると、図12に示される定量位相画像が得られた。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、干渉光学装置2において筐体10およびこれに保持される光学部品が一体化されているので、この干渉光学装置2を備える干渉観察装置1において容易に光学調整することができて、安価な構成で観察対象物の干渉画像を取得することができる。図1,3,4に示される構成では、光源として1つけだけ備えているので、安価に構成することができ、また、装置の組み立てや搬送後等の再調整の際に容易にセットアップを行なうことができる。
また、インコヒーレント光を用いて干渉画像を取得する場合には、その取得される干渉画像は、スペックルや回折ノイズが抑制された良好な画質を有することができる。また、正確な位相ロックおよび位相シフトが可能であるので、光路長差の高速掃引や高速撮像を必要とせず、また、高強度光を観察対象物に照射することなく、定量性に優れた干渉画像を取得することができる。
本発明の一側面に係る干渉光学装置、干渉観察装置および干渉観察方法は、上記した実施形態および構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。
本発明の一側面に係る干渉光学装置は、開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において対物レンズ取付部と対物レンズとの間に配置される干渉光学装置であって、(1) 対物レンズ取付部の開口と光学的に結合される開口を有する第1取付部と、(2) 対物レンズと光学的に結合される開口を有する第2取付部と、(3) 光を出力する光源と、(4) 合波光を受光して検出信号を出力する光検出器と、(5) 光源及び光検出器と光学的に結合し、光源から出力された光を入力して該光を所定方向に沿って出力するとともに、合波光を入力して該合波光を光検出器へ出力する第1ビームスプリッタと、(6) 第1ビームスプリッタと光学的に結合し、第1ビームスプリッタから出力された光を分岐して第1分岐光および第2分岐光とし、対物レンズを介して第1分岐光を観察対象物に照射して該観察対象物で反射された第1分岐光を入力するとともに、参照光路を経た第2分岐光を入力し、これら入力された第1分岐光と第2分岐光とを合波して当該合波光を第1取付部の開口および第1ビームスプリッタへ出力する第2ビームスプリッタと、(7) 第2ビームスプリッタと光学的に結合するとともに参照光路上に設けられ、第2ビームスプリッタから出力された第2分岐光を集光する第1レンズと、第1レンズにより集光された第2分岐光を第1レンズへ反射する参照ミラーと、第1レンズの光軸方向に参照ミラーを移動させるミラー移動部と、を含む参照光学系と、(8) 第1取付部,第2取付部,光源,光検出器,第1ビームスプリッタ,第2ビームスプリッタおよび参照光学系を保持する筐体と、を備える。
本発明の一側面に係る干渉光学装置は、第1ビームスプリッタと第2ビームスプリッタとの間の光路上に設けられた第2レンズを更に備え、第1取付部が対物レンズ取付部に光学的に結合され、第2取付部に対物レンズが光学的に結合された状態において、撮像部の撮像面と観察対象物とが互いに光学的に共役となるようにフォーカスを調整した際に、第2レンズが、光検出器の位置が撮像部の撮像面および観察対象物の双方と光学的に共役となる位置に配置されているのが好適である。また、光源がインコヒーレントな光を出力するのが好適である。
顕微鏡装置が照明用光源を含む場合、本発明の一側面に係る干渉光学装置において、第2ビームスプリッタが、第1ビームスプリッタと光学的に結合するとともに、対物レンズ取付部の開口および第1取付部の開口を介して照明用光源と光学的に結合し、第1ビームスプリッタから出力された光および照明用光源から出力された光の双方を分岐して第1分岐光および第2分岐光とするのが好適である。
本発明の一側面に係る干渉光学装置は、開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部および照明用光源を含む顕微鏡装置において対物レンズ取付部と対物レンズとの間に配置される干渉光学装置であって、(1) 対物レンズ取付部の開口と光学的に結合される開口を有する第1取付部と、(2) 対物レンズと光学的に結合される開口を有する第2取付部と、(3) 合波光を受光して検出信号を出力する光検出器と、(4) 対物レンズ取付部の開口および第1取付部の開口を介して照明用光源と光学的に結合し、照明用光源から出力された光を分岐して第1分岐光および第2分岐光とし、対物レンズを介して第1分岐光を観察対象物に照射して観察対象物で反射された第1分岐光を入力するとともに、参照光路を経た第2分岐光を入力し、これら入力された第1分岐光と第2分岐光とを合波して合波光を第1取付部の開口および光検出器へ出力する第2ビームスプリッタと、(5) 第2ビームスプリッタと光学的に結合するとともに参照光路上に設けられ、第2ビームスプリッタから出力された第2分岐光を集光する第1レンズと、第1レンズにより集光された第2分岐光を第1レンズへ反射する参照ミラーと、第1レンズの光軸方向に参照ミラーを移動させるミラー移動部と、を含む参照光学系と、(6) 第1取付部,第2取付部,光検出器,第2ビームスプリッタおよび参照光学系を保持する筐体と、を備える構成でもよい。
本発明の一側面に係る干渉光学装置は、検出信号に基づいて、第2ビームスプリッタにおける分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差に応じた位相差を求め、この求めた位相差に基づいてミラー移動部を駆動して光路長差を制御する制御部を更に備えるのが好適である。制御部が、検出信号に基づいて合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように光路長差を調整するのが好適である。また、制御部が、検出信号に基づいて合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように第1レンズの光軸方向における第1レンズの位置を調整するのが好適である。また、制御部が、対物レンズと観察対象物との間の距離を調整して観察対象物に対する対物レンズの焦点位置を制御するのが好適である。
本発明の一側面に係る干渉観察装置は、開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置と、上記の本発明の干渉光学装置と、を備え、干渉光学装置の筐体およびこれに保持される光学部品が対物レンズ取付部と対物レンズとの間に配置され、対物レンズ取付部と第1取付部とが互いに光学的に結合されているとともに、対物レンズと第2取付部とが互いに光学的に結合されている。
本発明の一側面に係る干渉観察方法は、開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において対物レンズ取付部と対物レンズとの間に上記の本発明の干渉光学装置を配置して、対物レンズ取付部と第1取付部とを互いに光学的に結合するとともに、対物レンズと第2取付部とを互いに光学的に結合し、検出信号に基づいて、第2ビームスプリッタにおける分岐から合波までの第1分岐光と第2分岐光との間の光路長差に応じた位相差を求め、この求めた位相差に基づいてミラー移動部を駆動して光路長差を制御し、撮像部を用いて干渉画像を取得する。本発明の干渉観察方法は、検出信号に基づいて合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように光路長差を調整するのが好適である。また、検出信号に基づいて合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように第1レンズの光軸方向における第1レンズの位置を調整する。また、対物レンズと観察対象物との間の距離を調整して観察対象物に対する対物レンズの焦点位置を制御するのが好適である。
本発明の一側面は、容易に光学調整することができて安価な構成で観察対象物の干渉画像を取得することができる干渉観察装置および干渉観察方法として利用可能である。
1,1A〜1E…干渉観察装置、2,2E…干渉光学装置、10…筐体、11…第1取付部、12…第2取付部、13…光源、14…光検出器、15…第1ビームスプリッタ、16…第2レンズ、17…第2ビームスプリッタ、21…参照ミラー、22…第1レンズ、23…駆動素子(ピエゾ素子)、24,25…ステージ、31…制御部、50…顕微鏡筐体、51…対物レンズ取付部、52…試料保持台、53,54…ステージ、55…チューブレンズ、56…撮像部、57…接眼レンズ、58…照明用光源、59…ビームスプリッタ、60…分割光学素子、61…ステージ、62…ビームスプリッタ、63…光検出器、70…対物レンズ。

Claims (14)

  1. 開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において前記対物レンズ取付部と前記対物レンズとの間に配置される干渉光学装置であって、
    前記対物レンズ取付部の開口と光学的に結合される開口を有する第1取付部と、
    前記対物レンズと光学的に結合される開口を有する第2取付部と、
    光を出力する光源と、
    合波光を受光して検出信号を出力する光検出器と、
    前記光源及び前記光検出器と光学的に結合し、前記光源から出力された光を入力して該光を所定方向に沿って出力するとともに、前記合波光を入力して該合波光を前記光検出器へ出力する第1ビームスプリッタと、
    前記第1ビームスプリッタと光学的に結合し、前記第1ビームスプリッタから出力された光を分岐して第1分岐光および第2分岐光とし、前記対物レンズを介して前記第1分岐光を観察対象物に照射して前記観察対象物で反射された前記第1分岐光を入力するとともに、参照光路を経た前記第2分岐光を入力し、これら入力された前記第1分岐光と前記第2分岐光とを合波して前記合波光を前記第1取付部の開口および前記第1ビームスプリッタへ出力する第2ビームスプリッタと、
    前記第2ビームスプリッタと光学的に結合するとともに前記参照光路上に設けられ、前記第2ビームスプリッタから出力された前記第2分岐光を集光する第1レンズと、前記第1レンズにより集光された前記第2分岐光を前記第1レンズへ反射する参照ミラーと、前記第1レンズの光軸方向に前記参照ミラーを移動させるミラー移動部と、を含む参照光学系と、
    前記第1取付部,前記第2取付部,前記光源,前記光検出器,前記第1ビームスプリッタ,前記第2ビームスプリッタおよび前記参照光学系を保持する筐体と、
    を備える干渉光学装置。
  2. 前記第1ビームスプリッタと前記第2ビームスプリッタとの間の光路上に設けられた第2レンズを更に備え、
    前記第1取付部が前記対物レンズ取付部に光学的に結合され、前記第2取付部に前記対物レンズが光学的に結合された状態において、前記撮像部の撮像面と前記観察対象物とが互いに光学的に共役となるようにフォーカスを調整した際に、前記第2レンズが、前記光検出器の位置が前記撮像部の撮像面および前記観察対象物の双方と光学的に共役となる位置に配置されている、
    請求項1に記載の干渉光学装置。
  3. 前記光源がインコヒーレントな光を出力する、
    請求項1または2に記載の干渉光学装置。
  4. 前記顕微鏡装置が照明用光源を含み、
    前記第2ビームスプリッタが、前記第1ビームスプリッタと光学的に結合するとともに、前記対物レンズ取付部の開口および前記第1取付部の開口を介して前記照明用光源と光学的に結合し、前記第1ビームスプリッタから出力された光および前記照明用光源から出力された光の双方を分岐して第1分岐光および第2分岐光とする、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の干渉光学装置。
  5. 開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部および照明用光源を含む顕微鏡装置において前記対物レンズ取付部と前記対物レンズとの間に配置される干渉光学装置であって、
    前記対物レンズ取付部の開口と光学的に結合される開口を有する第1取付部と、
    前記対物レンズと光学的に結合される開口を有する第2取付部と、
    合波光を受光して検出信号を出力する光検出器と、
    前記対物レンズ取付部の開口および前記第1取付部の開口を介して前記照明用光源と光学的に結合し、前記照明用光源から出力された光を分岐して第1分岐光および第2分岐光とし、前記対物レンズを介して前記第1分岐光を観察対象物に照射して前記観察対象物で反射された前記第1分岐光を入力するとともに、参照光路を経た前記第2分岐光を入力し、これら入力された前記第1分岐光と前記第2分岐光とを合波して前記合波光を前記第1取付部の開口および前記光検出器へ出力する第2ビームスプリッタと、
    前記第2ビームスプリッタと光学的に結合するとともに前記参照光路上に設けられ、前記第2ビームスプリッタから出力された前記第2分岐光を集光する第1レンズと、前記第1レンズにより集光された前記第2分岐光を前記第1レンズへ反射する参照ミラーと、前記第1レンズの光軸方向に前記参照ミラーを移動させるミラー移動部と、を含む参照光学系と、
    前記第1取付部,前記第2取付部,前記光検出器,前記第2ビームスプリッタおよび前記参照光学系を保持する筐体と、
    を備える干渉光学装置。
  6. 前記検出信号に基づいて、前記第2ビームスプリッタにおける分岐から合波までの前記第1分岐光と前記第2分岐光との間の光路長差に応じた位相差を求め、この求めた位相差に基づいて前記ミラー移動部を駆動して前記光路長差を制御する制御部を更に備える、
    請求項1〜5の何れか1項に記載の干渉光学装置。
  7. 前記制御部が、前記検出信号に基づいて前記合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように前記光路長差を調整する、
    請求項6に記載の干渉光学装置。
  8. 前記制御部が、前記検出信号に基づいて前記合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように前記第1レンズの光軸方向における前記第1レンズの位置を調整する、
    請求項6に記載の干渉光学装置。
  9. 前記制御部が、前記対物レンズと前記観察対象物との間の距離を調整して前記観察対象物に対する前記対物レンズの焦点位置を制御する、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の干渉光学装置。
  10. 開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置と、
    請求項1〜9の何れか1項に記載の干渉光学装置と、
    を備え、
    前記干渉光学装置の前記筐体およびこれに保持される光学部品が前記対物レンズ取付部と前記対物レンズとの間に配置され、前記対物レンズ取付部と前記第1取付部とが互いに光学的に結合されているとともに、前記対物レンズと前記第2取付部とが互いに光学的に結合されている、
    干渉観察装置。
  11. 開口を有する対物レンズ取付部に取り付けられる対物レンズを経た光を撮像する撮像部を含む顕微鏡装置において前記対物レンズ取付部と前記対物レンズとの間に請求項1〜5の何れか1項に記載の干渉光学装置を配置して、前記対物レンズ取付部と前記第1取付部とを互いに光学的に結合するとともに、前記対物レンズと前記第2取付部とを互いに光学的に結合し、
    前記検出信号に基づいて、前記第2ビームスプリッタにおける分岐から合波までの前記第1分岐光と前記第2分岐光との間の光路長差に応じた位相差を求め、この求めた位相差に基づいて前記ミラー移動部を駆動して前記光路長差を制御し、
    前記撮像部を用いて干渉画像を取得する、
    干渉観察方法。
  12. 前記検出信号に基づいて前記合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように前記光路長差を調整する、
    請求項11に記載の干渉観察方法。
  13. 前記検出信号に基づいて前記合波光の干渉強度を求め、この求めた干渉強度が大きくなるように前記第1レンズの光軸方向における前記第1レンズの位置を調整する、
    請求項11に記載の干渉観察方法。
  14. 前記対物レンズと前記観察対象物との間の距離を調整して前記観察対象物に対する前記対物レンズの焦点位置を制御する、
    請求項11〜13のいずれか1項に記載の干渉観察方法。
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