JPWO2016092681A1 - 血流センサ - Google Patents

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Abstract

血流センサ1は、血液Bの流速を計測可能であり、血液Bが流れる流路42を画定する管40と、レーザー光Lを発光する発光素子10と、受光素子20を備えている。発光素子10は、管40を流れる血液Bに向けてレーザー光Lを発光する。受光素子20は、発光素子10が発光して管40で反射されたドップラー効果を受けていない光と、発光素子10が発光して管40を流れる血液成分で反射されたドップラー効果を受けた光を受光する。血液Bの流れ方向に直交する断面において直交する2方向を第1方向と第2方向としたときに、流路の第1方向の幅w1が第2方向の幅w2より狭い。発光素子10と受光素子20は、第1方向の幅w1を画定する管壁の外面に配置されている。

Description

本明細書では、血流センサに関する技術を開示する。
特許文献1に、体内にある血管を流れる血液の流速を計測する血流センサが開示されている。この血流センサは、発光素子と受光素子と制御部を備えており、人体の近くに置いて用いられる。発光素子が、体表面に向けてレーザー光を発光する。発光素子が発光したレーザー光は、その一部が体表面で反射し、他の一部は体内に侵入して血管を流れる赤血球によって反射される。受光素子は、体表面からの反射光と、赤血球からの反射光を受光する。前者は、血液の流速によるドップラー効果を受けていない参照光となり、後者は血液の流速によるドップラー効果を受けている計測光となる。制御部は、受光素子が受光した、体表面からの反射光(参照光)と赤血球からの反射光(計測光)を重ね合わせた光に基づいて、ヘテロダイン技術によって赤血球の流速を計算する。この種の血流センサは、レーザードップラー式の血流センサと呼ばれている。
医療現場では、体内を流れる血液を体外に送り出し、体外に送り出した血液を再び体内に戻す体外循環が行われている。体外循環用の管が体内の血管に接続され、体内の血管を流れる血液が体外の管に流入し、体外の管を流れた血液が体内の血管に戻る。
特開2008−272085号公報
体外循環に用いる管を流れる血液の流速を計測するために、特許文献1の血流センサを利用することが考えられる。この場合、発光素子から発光されたレーザー光の一部が管で反射して参照光となり、レーザー光の他の一部が管を流れる血液に入射し、血液中の赤血球で反射して計測光となる現象を利用することになる。
体外循環に用いる管を血液が流れるとき、流路の中心部では管壁の影響が小さいので流速が速くなるのに対し、管壁に近い周縁部では管壁の影響が大きいので流速が遅くなる。また、血液は透明度が低いので、レーザー光は血液の中を進みにくい。計測光の大部分は管壁に近い周縁部を流れる赤血球からの反射光となる。
このために、体外循環に用いる管にレーザードップラー式の血流センサと適用すると、流速の遅い管壁に近い部分を流れる血液の流速を計測することになり、管を流れる血液の平均流速ないし代表流速を計測しないという問題が生じる。計測して得られた流速を補正して平均流速に換算することも考えられるが、計測流速と平均流速の差が大きいと、補正しても実際の平均流速からの誤差が大きくなるという問題があった。
本明細書では、平均流速に近い流速を計測することができる技術を開示する。平均流速に近い流速が計測できれば、計測流速を平均流速の近似値と扱うことが可能となる。あるいは、実際の平均流速によく近似する平均流速に補正することが可能となる。
本明細書に開示する血流センサは、血液の流速を計測可能であり、血液が流れる流路を画定する管と、レーザー光を発光する発光素子と、受光素子を備えている。発光素子は、管の流路を流れる血液に向けてレーザー光を発光する。受光素子は、発光素子が発光して管で反射されたドップラー効果を受けていない光と、発光素子が発光して管を流れる血液成分で反射されたドップラー効果を受けた光を受光する。流路は扁平であり、血液の流れ方向に直交する断面において直交する2方向を第1方向と第2方向とすると、第1方向の幅が第2方向の幅より狭い。発光素子と受光素子は、第1方向の幅を画定する管壁の外面に配置されている。
このような構成によれば、流路の第1方向の幅が狭いので、流路の中心部から第1方向の幅を画定する管壁までの距離が短くなり、中心部を流れる血液の流速と管壁の近傍を流れる血液の流速の差が小さくなる。第1方向の幅を画定する管壁の外面に発光素子と受光素子を配置しておけば、中心部を流れる流速に近い流速を計測することができ、平均流速に近い流速を計測することができる。
通常であれば、断面が円形の管を体外循環に用いる。この場合、前記した扁平断面と比較し、断面積が同じであれば、流路の中心部から管壁までの距離が、扁平流路の中心部から第1方向の幅を画定する管壁までの距離よりも長くなり、中心部を流れる血液の流速と管壁の近傍を流れる血液の流速の差が大きくなる。本技術では、扁平断面の管を利用することで、平均流速に近い流速を計測可能とする。
血流センサの断面図である。 図1のII−II断面図である(血液の流れ方向に直交する断面図である)。 血流センサのブロック図である。 他の実施例に係る血流センサの血液の流れ方向に直交する断面図である。 更に他の実施例に係る血流センサの血液の流れ方向に直交する断面図である。 更に他の実施例に係る血流センサの血液の流れ方向に直交する断面図である。
以下に説明する実施形態の主要な特徴を列記する。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
(特徴1)管壁の外面に凹部が形成されている。発光素子と受光素子が凹部に対向して配置されている。これにより、発光素子と受光素子が管によって傷付くことを抑制できる。逆に、管が発光素子と受光素子によって傷付くことを抑制できる。
(特徴2)凹部の底面は、発光素子と受光素子に向かって凸状に湾曲した湾曲面を有している。これにより、レーザー光を流路の中心部に導くことができる。また、赤血球で反射した反射光を受光素子に導くことができる。
(特徴3)管と発光素子の間、ならびに管と受光素子の間に配置された導光体を備えている。
(特徴4)導光体の素子側の面に、素子側凹部が形成されている。発光素子および受光素子は、素子側凹部に対向して配置されている。これにより、素子側凹部の底面で反射したレーザー光と参照光にできる。また、発光素子および受光素子が管および導光体によって導光体が傷付くことを抑制でき、導光体が発光素子および受光素子によって傷付くことを抑制できる。
(特徴5)導光体は交換可能である。
(特徴6)導光体の管側の面には、管側凹部が形成されている。
(特徴7)管側凹部の底面は、管に向かって凸状に湾曲した湾曲面を有している。これにより、レーザー光を流路の中心部に導くことができる。また、赤血球で反射した反射光を受光素子に導くことができる。
(特徴8)流路の第2方向の幅は、第1方向の幅の10倍以上である。
(第1実施例)
第1実施例の血流センサ1を、図1と図2を参照して説明する。血流センサ1は、図1と図2に示すように、管40、発光素子10、受光素子20およびカバー70を備えている。また、図3に示すように、血流センサ1は、発光素子10と受光素子20に接続された制御部90を備えている。管40は、体外循環用であり、内部を通過する血液が視認可能なように、透明であることが好ましい。
管40は、流路42を画定する管壁41を備えている。管壁40の外面の一部に、凹部30が形成されている。管40は患者の体内にある血管(図示省略)に接続されており、患者の血管から管40の流路42に血液Bが流入する。管40の流路42を流れた血液Bは、再び患者の血管に送り返される。このように、患者の血液Bが患者の血管から体外に一旦取り出され、再び患者の血管に送り戻されることにより、血液Bの体外循環が行われる。血液Bには、様々な成分が含まれている。例えば、血液Bには、赤血球、白血球、血小板、血漿、リンパ球などの成分が含まれている。
管壁41は、例えば透明な樹脂やガラスにより形成されている。管壁41は、光透過性を有しており、レーザー光Lおよび可視光を透過可能である。管壁41が透明に形成されているので、管壁41を通じて管壁41の内側が視認でき、管壁41の内側の流路42を流れる血液Bが視認できる。
流路42は、管40の中心軸40aに沿って延びており、血液Bが管40の中心軸40aに沿って流路42を流れる。図2に示すように、流路42は、血液Bの流れ方向(本実施例ではx方向)に直交する断面(管40の中心軸40aに直交する断面)において長方形状となっている。流路42の形状は、扁平した形状である。また、血液Bの流れ方向に直交する断面において直交する2方向を第1方向(本実施例ではz方向)と第2方向(本実施例ではy方向)としたときに、流路42の第1方向(z方向)の幅w1が、流路42の第2方向(y方向)の幅w2より狭い。第2方向における流路42の幅w2は、第1方向における流路42の幅w1の10倍以上であることが好ましい。すなわち、w2>10×w1が好ましい。
凹部30は、管壁41の外面43に形成されている。凹部30は、管壁41の外面43から流路42に向かって窪んだ形状になっている。凹部30と流路42は第1方向に沿って並んで形成されている。第2方向における凹部30の幅w30は、流路42の幅w2より狭い。凹部30は、底面32を備えている。底面32は、平坦に形成されている。
図1に示すように、発光素子10と受光素子20は、血液Bの流れ方向に沿って並んで配置されている。発光素子10が、血液Bの流れ方向の上流側に配置されており、受光素子20が血液Bの流れ方向の下流側に配置されている。発光素子10と受光素子20は、カバー70に固定されている。
発光素子10は、レーザー光Lを発光する。発光素子10としては、例えばレーザーダイオード(LD)を用いることができる。発光素子10が発光するレーザー光Lの周波数は特に限定されるものではない。発光素子10は、管40に対向して配置されている。また、発光素子10は、凹部30に対向して配置されている。発光素子10は、第1方向(z方向)の幅を画定する管壁41の外面に配置されている。
発光素子10は、透明な管40および管40の中を流れる血液Bに向けてレーザー光Lを発光する。発光素子10は、管40の外側から管40の内側に向けてレーザー光Lを発光する。また、発光素子10は、凹部30に向けてレーザー光Lを発光する。発光素子10が発光したレーザー光Lは、血液Bの流れ方向に直交する断面で視ると第1方向に進む。
発光素子10が発光したレーザー光Lの一部は、凹部30の底面32で反射して、受光素子20に入射する。凹部30の底面32で反射したレーザー光Lは、ドップラー効果を受けていない参照光となる。また、発光素子10が発光したレーザー光Lの他の一部は、管40の凹部30および管壁41を通過する。管壁41を通過したレーザー光Lの一部は、管壁41と流路42の境界(管壁41の内面)で反射する。あるいは、レーザー光Lの一部は、管壁41の内面に接する部分の血液Bに含まれる静止した赤血球で反射する。管壁41と流路42の境界で反射したレーザー光Lは、受光素子20に向かって進行する。管壁41と流路42の境界で反射したレーザー光Lは、ドップラー効果を受けていない参照光である。受光素子20に向かって進行するレーザー光Lは、管壁41および凹部30を通過した後、受光素子20に入射する。
このように、レーザー光Lの一部が管40内で反射するときは、凹部30の底面32で反射する場合、管壁41の内面で反射する場合、および、管壁41の内面に接する部分の血液B内の動いていない赤血球で反射する場合がある。一方、管壁41を通過したレーザー光Lの他の一部は、流路42に入射する。
管壁41と流路42の境界から流路42に入射したレーザー光Lは、血液Bの中を進む。流路42に入射するレーザー光Lは、管壁41と流路42の境界において屈折する。血液Bの中を進むレーザー光Lは、血液Bに含まれる成分に当たって反射する。具体的には、レーザー光Lが血液Bに含まれる赤血球Rに当たって反射し、反射光Sが生じる。移動する赤血球Rに反射することで、反射の前後で光の周波数が変化する。よって、レーザー光Lの周波数と反射光Sの周波数は異なる。赤血球Rで反射した反射光Sは、ドップラー効果を受けている計測光である。反射光Sは、受光素子20に向かって進行する。反射光Sは、流路42と管壁41の境界から管壁41に入射し、管壁41および凹部30を通過した後、受光素子20に入射する。管壁41に出射する反射光Sは、流路42と管壁41の境界において屈折する。
受光素子20は、受光素子20に入射する光を受光し、受光した光量に対応する電気信号を出力する。受光素子20には、フォトダイオード(PD)を用いることができる。受光素子20は、管40に対向して配置されている。また、受光素子20は、凹部30に対向して配置されている。受光素子20は、第1方向(z方向)の幅を画定する管壁41の外面に配置されている。受光素子20は、管40で反射された光(ドップラー効果を受けていない参照光)と、赤血球Rで反射された光(ドップラー効果を受けている計測光)を受光する。受光素子20は、管壁41および凹部30を通過した光を受光する。受光素子20が受光した光(管40による反射光と赤血球Rによる反射光)は、管40の中を流れる血液Bの流速を計算するために用いられる。
カバー70は、発光素子10および受光素子20を覆っている。カバー70に発光素子10および受光素子20が固定されている。カバー70は、不透明であり、遮光性を有している。カバー70の色は、黒色が好ましい。また、カバー70は、無光沢であることが好ましい。カバー70は、発光素子10および受光素子20に不要な光が入らないように光を遮断する。カバー70は、接触面71を有している。接触面71は、管40の外面43に接触する。接触面71は、管40の外面43の形状と一致する形状になるように形成されている。カバー70は、管40の外面43の一部を覆っている。
図3に示す制御部90は、発光素子10および受光素子20を制御する。制御部90は、受光素子20が受光した光に基づいて、管40の中を流れる血液Bの流速を計算することができる。また、制御部90は、血液Bの流量を計算することができる。制御部90は、ヘテロダイン技術を用いて計算を行う。ヘテロダイン技術は、周波数が異なる2つの波(光)を重ね合わせてうなり(ビート)を生じさせ、このうなりを用いて計算を行う方法である。ヘテロダイン技術は、2つの波(光)の周波数の差、すなわち、ドップラーシフトを利用して計算を行う方向である。制御部90は、ヘテロダイン技術を用いて、参照光と計測光の周波数の差を計算し、その計算結果から血液Bの流速を計算する。ヘテロダイン技術については公知であるので、詳細な説明を省略する。制御部90は、計算した血液Bの流速および流量をモニタ(図示省略)に出力する。
上述の説明から明らかなように、血流センサ1は、血液Bが流れる流路42を画定する管40と、レーザー光Lを発光する発光素子10と、受光素子20とを備えている。発光素子10は、管40の流路42を流れる血液Bに向けてレーザー光Lを発光する。受光素子20は、発光素子10が発光して管40内で反射された反射光(ドップラー効果を受けていない光)と、発光素子10が発光して管40の中を流れる血液成分で反射された反射光(ドップラー効果を受けた光)を受光する。管40の流路42は、血液Bの流れ方向に直交する断面において、第1方向における幅w1が、第2方向における幅w2より狭い。また、発光素子10は、図2の断面において、第1方向にレーザー光Lを発光する。
このような構成によれば、流路42の第1方向の幅w1が狭いので、第1方向における流路42の中心部と周縁部の距離を短くすることができる。流路42の中心部と周縁部の距離が短くなると、中心部を流れる血液Bの流速と周縁部を流れる血液Bの流速の差が小さくなる。その結果、流路42の周縁部を流れる血液Bの流速が平均流速に近づく。これにより、血流センサ1により血液Bの流速を計測したときに、血液Bの平均流速に近い流速を計測できる。また、計測した血液Bの流速から補正係数を用いて平均流速を補正計算する場合に、補正係数を小さくすることができ、実際の流速との誤差を小さくすることができる。
また、上記の血流センサ1によれば、発光素子10と受光素子20が凹部30に対向して配置されているので、発光素子10と受光素子20が管40の管壁41に接触しない。これにより、発光素子10と受光素子20が管壁41によって傷付くことを抑制できる。また、第2方向における流路42の幅w2が第1方向における流路42の幅w1の10倍以上であると、流路42の中心部と、第1方向の幅を画定する管壁の近傍を流れる血液Bの流速をほぼ同じ流速にすることができる。
以上、一実施形態について説明したが、具体的な態様は上記実施形態に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
(第2実施例)
上記の実施例では、凹部30の底面32が平坦に形成されていたが、この構成に限定されるものではない。第2実施例では、図4に示すように、凹部30の底面32が湾曲面33を有している。湾曲面33は、発光素子10および受光素子20に向かって凸状に湾曲している。湾曲面33は、流路42と反対側に突出している。湾曲面33は、血液Bの流れ方向に直交する断面において湾曲している。湾曲面33によって、管壁41に凸レンズが形成されている。湾曲面33による凸レンズは、流路42の中心部が焦点になるように形成されている。
発光素子10および受光素子20は、湾曲面33に対向して配置されている。発光素子10は、湾曲面33に向けてレーザー光Lを発光する。発光素子10から発光されたレーザー光Lは、湾曲面33で屈折して管壁41に入射し、管壁41を通過して流路42に入射する。レーザー光Lは、湾曲面33で屈折することにより、流路42の中心部に向かって進む。流路42に入射したレーザー光Lは、流路42を流れる血液Bに含まれる赤血球Rで反射する。赤血球Rで反射した反射光Sは、流路42と管壁41を通過して、湾曲面33から出射する。反射光Sは、湾曲面33で屈折して、受光素子20に向かって進む。受光素子20は、湾曲面33を通過した光を受光する。
このような構成によれば、発光素子10が第2方向(y方向)にずれた場合であっても、発光素子10から発光されたレーザー光Lが湾曲面33で屈折して、流路42の中心部に向かって進んでゆく。流路42が扁平になると、流路42の第2方向の幅w2が第1方向の幅w1に対して広くなり、流路42の中心部から第2方向の幅を画定する管壁41までの距離が長くなる。その結果、第2方向では、流路42の中心部を流れる血液Bの流速と周縁部を流れる血液Bの流速の差が大きくなる。そのため、大きなドップラー効果を得るために、流路42の第2方向の中心部にレーザー光Lを導くことが好ましい。上記の構成によれば、レーザー光Lを流路42の中心部に導くことができ、流路42の中心部を流れる血液Bの流速を計測できる。また、血液Bに含まれる赤血球Rで反射した反射光Sが湾曲面33で屈折して受光素子20に向かって進む。これにより、反射光Sを受光素子20に導くことができる。
(第3実施例)
第3実施例に係る血流センサ1は、図5に示すように、管40と発光素子10および受光素子20との間に配置された透明な導光体50を備えている。導光体50は、例えば透明な樹脂やガラスにより形成されている。導光体50は、光透過性を有しており、レーザー光Lおよび可視光を透過可能である。
導光体50の屈折率および管40の屈折率は、同じ屈折率であることが好ましい。なお、両者の屈折率は異なっていてもよい。導光体50と管40の間には、グリス(図示省略)が塗布されている。導光体50は、グリスを介して管40に密着している。グリスは、光透過性を有しており、レーザー光Lおよび可視光を透過可能である。
導光体50は、第1接触面51および第2接触面52を備えている。第1接触面51は、カバー70の接触面71に接触する。第1接触面51は、カバー70の接触面71の形状と一致する形状になるように形成されている。第2接触面52は、管40の外面43に接触する。第2接触面52は、管40の外面43の形状と一致する形状になるように形成されている。
また、導光体50は、素子側凹部60および管側凹部80を備えている。素子側凹部60は、導光体50において発光素子10および受光素子20側の面に形成されている。素子側凹部60は、導光体50の素子10、20側の面から流路42に向かって窪んだ形状になっている。素子側凹部60と流路42は、第1方向に沿って並んでいる。第2方向における素子側凹部60の幅w60は、流路42の幅w2より狭い。素子側凹部60は、底面62を備えている。底面62は、平坦に形成されている。
管側凹部80は、導光体50において管40側の面に形成されている。管側凹部80は、管40に対向している。管側凹部80は、導光体50の管40側の面から素子側凹部60に向かって窪んだ形状になっている。管側凹部80、素子側凹部60、および流路42は、第1方向に沿って並んでいる。第2方向における管側凹部80の幅w80は、流路42の幅w2より狭い。管側凹部80は、底面82を備えている。
管側凹部80の底面82は、湾曲面83を有している。湾曲面83は、管40に向かって凸状に湾曲している。湾曲面83は、管40側に突出している。湾曲面83は、血液Bの流れ方向に直交する断面において湾曲している。湾曲面83によって、導光体50に凸レンズが形成されている。
発光素子10および受光素子20は、素子側凹部60に対向して配置されている。発光素子10は、素子側凹部60に向けてレーザー光Lを発光する。発光素子10から発光されたレーザー光Lの一部は、素子側凹部60の底面62で反射して受光素子20に入射する。また、レーザー光Lの他の一部は、素子側凹部60、導光体50の内部、および管側凹部80を通過して、管40に向かって進む。レーザー光Lは、湾曲面83から出射するときに、湾曲面83で屈折する。その後、レーザー光Lは、管40の管壁41を通過して流路42に入射する。流路42に入射したレーザー光Lは、流路42を流れる血液Bに含まれる赤血球Rで反射する。
赤血球Rで反射した反射光Sは、流路42および管壁41を通過して、導光体50に向かって進む。また、反射光Sは、管側凹部80、導光体50の内部、および素子側凹部60を通過して受光素子20に向かって進む。反射光Sは、湾曲面83から導光体50に入射するときに、湾曲面83で屈折する。受光素子20は、素子側凹部60を通過したレーザー光Lを受光する。
このような構成によれば、管40と発光素子10および受光素子20との間に導光体50が配置されており、発光素子10および受光素子20が素子側凹部60に対向している。したがって、発光素子10および受光素子20が管40および導光体50に接触することがない。これにより、発光素子10および受光素子20が管40および導光体50によって傷付くことを抑制できる。また、導光体50は交換可能である。また、レーザー光Lが素子側凹部60の底面62で反射した光を、参照光として受光できる。
また、発光素子10が第2方向(y方向)にずれた場合であっても、発光素子10から発光されたレーザー光Lが湾曲面83で屈折して、流路42の中心部に向かって進んでゆく。これにより、レーザー光Lを流路42の中心部に導くことができ、流路42の中心部を流れる血液Bの流速を計測できる。また、血液Bに含まれる赤血球Rで反射した反射光Sが湾曲面83で屈折して受光素子20に向かって進む。これにより、反射光Sを受光素子20に導くことができる。
また、上記実施例では、導光体50の素子側凹部60の底面62が平坦に形成されていたが、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、素子側凹部60の底面62が湾曲面を有していてもよい。
(第4実施例)
上記の実施例では、流路42は、血液Bの流れ方向に直交する断面において長方形状となっていたが、この構成に限定されるものではない。第4実施例では、図6に示すように、流路42は、血液Bの流れ方向に直交する断面において長円形状あるいは楕円形状であってもよい。この構成においても、第1方向における流路42の幅w1が、第1方向と直交する第2方向における流路42の幅w2より狭い。このような構成によっても、第1方向において流路42の周縁部と中心部の距離を近づけることができる。
また、発光素子10の構成は上記の実施例に限定されるものではない。他の実施例では、発光素子10におけるレーザー光Lが出射する部分にレンズ(図示省略)を取り付けてもよい。レンズは、発光素子10の先端部に固定される。このような構成では、発光素子10から発光されたレーザー光Lがレンズにより拡散し、拡散したレーザー光Lが管40および血液Bに向かって進む。そして、レーザー光Lの一部が管壁41と流路42の境界(管壁41の内面)で反射し、他の一部が流路42を流れる血液Bに入射し、血液Bに含まれる移動する赤血球Rで反射する。このような構成によっても、ドップラー効果を受けていない参照光とドップラー効果を受けた計測光をそれぞれ受光できる。
また、上記実施例では、管40の外面43に凹部30が形成されていたが、この構成に限定されるものではなく、凹部30を省略することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 :血流センサ
10 :発光素子
20 :受光素子
30 :凹部
32 :底面
33 :湾曲面
40 :管
40a :中心軸
41 :管壁
42 :流路
43 :外面
50 :導光体
51 :第1接触面
52 :第2接触面
60 :素子側凹部
62 :底面
70 :カバー
71 :接触面
80 :管側凹部
82 :底面
83 :湾曲面
90 :制御部
B :血液
L :レーザー光
R :赤血球
S :反射光

Claims (5)

  1. 血液の流速を計測可能な血流センサであって、
    血液が流れる流路を画定する管と、
    レーザー光を発光する発光素子と、
    受光素子を備えており、
    前記発光素子は、前記管を流れる血液に向けてレーザー光を発光し、
    前記受光素子は、前記発光素子が発光して前記管で反射されたドップラー効果を受けていない光と、前記発光素子が発光して前記管を流れる血液成分で反射されたドップラー効果を受けた光を受光し、
    血液の流れに直交する断面において直交する2方向を第1方向と第2方向としたとき、前記流路の第1方向の幅が前記流路の第2方向の幅より狭く、
    前記発光素子と前記受光素子が、前記第1方向の幅を画定する管壁の外面に配置されている血流センサ。
  2. 前記管壁の外面に凹部が形成されており、
    前記発光素子と前記受光素子が、前記凹部に対向して配置されている請求項1に記載の血流センサ。
  3. 前記凹部の底面が、前記発光素子と前記受光素子に向かって凸状に湾曲した湾曲面を有している請求項2に記載の血流センサ。
  4. 前記発光素子および前記受光素子と前記管との間に配置された導光体を備え、
    前記導光体の前記素子側の面に、素子側凹部が形成されており、
    前記発光素子と前記受光素子が、前記素子側凹部に対向して配置されている請求項1に記載の血流センサ。
  5. 前記導光体の前記管側の面に、管側凹部が形成されており、
    前記管側凹部の底面が、前記管に向かって凸状に湾曲した湾曲面を有している請求項4に記載の血流センサ。
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