JPWO2016088873A1 - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

活性光線硬化性化合物、光開始剤およびゲル化剤を含有する撥液インクをインクジェット画像形成方法によって基材の表面の少なくとも一部に塗布し、ニスを少なくとも上記基材の表面における上記撥液インクが塗布された部分を包含する領域に塗布して、擬似エンボス画像を形成する。

Description

本発明は、インクジェット画像形成方法を利用して擬似エンボス画像を形成する方法に関する。
付加価値の高い画像の一つとして、擬似エンボス画像が知られている。擬似エンボス画像とは、印刷による凹部と凸部とを有する画像であり、凹部は低い光沢を有し、凸部は高い光沢を有する。擬似エンボス画像を形成する方法としては、基材そのものや印刷物などの上に撥液性ニスを塗布し、その後に通常のニスを塗布する方法が知られている。上記撥液性ニスが塗布された部分では、その上に塗られる通常のニスが弾かれるので、上記撥液性ニスが塗布された部分が上記凹部となり、上記通常のニスが塗布された部分は上記凸部となる。こうして形成された擬似エンボス画像は、凹凸と光沢差とにより、上記高光沢の部分が、記録媒体(基材)の型押しによって浮き出た部分のように見える。上記の擬似エンボス画像の形成方法は、別工程で型押しを行う、通常のエンボス画像の形成よりも低コストでありながら、通常のエンボス画像と同等かそれ以上の質感の高い印刷物が得られるなどの理由から、広く行われている。
上記撥液性ニスには、撥液剤としてフタル酸ジエステルが添加された印刷インキや、常温で固体であるパラフィンワックスが分散されたワニス、ポリアルファオレフィン樹脂を含有するインク、などが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開昭48−58068号公報 特開2007−161998号公報 特開2010−185058号公報
従来の擬似エンボス画像の形成方法では、上記撥液性ニスおよび上記通常のニスのいずれもが、オフセット印刷などの印刷によって行われている。したがって、上記凹部の形状や擬似エンボス画像における凹凸の程度などは、例えば、版によって設定する必要がある。しかしながら、従来の擬似エンボス画像の形成方法では、小ロットの擬似エンボス画像の形成であっても、また、図柄の軽微な変更による種々のバリエーションを有する複数種の擬似エンボス画像の形成であっても、画像ごとの版を必要とし、このような版を必要とする方法は、擬似エンボス画像のコストパフォーマンスや生産性などを低下させる一因となることがある。このように、従来の擬似エンボス画像の形成方法では、例えば製造コストや生産性などの観点から検討の余地が残されている。
本発明は、擬似エンボス画像の設定または変更をより容易に可能な画像形成方法を提供する。
本発明者らは、硬化によって撥液性の高い膜を形成する、ゲル化剤を含有するUVインクをインクジェットで像様に基材に塗布した後に、グロスニスを当該基材の全面に塗布することによって、当該UVインクの印字率や吐出量、ゲル化剤の種類や量などに応じて、擬似エンボス画像における上記凹部の光沢を従来よりも広い範囲でコントロールすることができることを見出し、鋭意検討して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、活性光線硬化性化合物、光開始剤およびゲル化剤を含有する撥液インクをインクジェット画像形成方法によって基材の表面の少なくとも一部に塗布して前記撥液インクの膜を形成する工程と、少なくとも前記撥液インクの膜を覆うようにニスを前記基材に塗布する工程と、を含む、擬似エンボス画像を形成する画像形成方法、を提供する。
本発明によれば、上記撥液性インクを用いるインクジェット画像形成方法によって擬似エンボス画像の上記凹部が形成されることから、従来の擬似エンボス画像の形成方法に比べて、擬似エンボス画像の設定または変更をより容易に行うことができる。
図1Aは、基材を模式的に示す図であり、図1Bは、その表面に形成された画像を有する基材を模式的に示す図であり、図1Cは、当該画像の一部の領域に形成された撥液インクの膜を有する上記基材を模式的に示す図であり、図1Dは、上記画像および上記撥液インクの膜に活性光線グロスニスが塗布された上記基材を模式的に示す図であり、図1Eは、活性光線グロスニスによる平坦な膜と撥液インクの膜に弾かれた部分とを含む擬似エンボス画像を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る画像形成方法は、擬似エンボス画像を形成する方法であり、撥液インクをインクジェット画像形成方法によって基材の表面の少なくとも一部に塗布して上記撥液インクの膜を形成する第1の工程と、少なくとも上記撥液インクの膜を覆うようにニスを上記基材に塗布する第2の工程と、を含む。
上記撥液インクは、インクジェット画像形成方法に適用可能な、いわゆるインクジェットインクの一種である。当該撥液インクは、活性光線硬化性化合物、光開始剤およびゲル化剤を含有する。
上記活性光線硬化性化合物は、活性光線に照射されて硬化する化合物である。当該活性光線硬化性化合物は、一種でもそれ以上でもよい。当該活性光線硬化性化合物の例には、一以上のラジカル重合性の不飽和多重結合を有する化合物が含まれ、より具体的には、一以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が含まれる。
一つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性(メタ)アクリレートおよびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。
二つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが含まれる。
三つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートおよびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが含まれる。
上記活性光線硬化性化合物は、二以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有することが、撥液インクの膜の強度を高める観点から好ましい。たとえば、上記活性光線硬化性化合物における上記二以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の含有量は、30〜100質量%である。
上記活性光線は、上記活性光線硬化性化合物の硬化反応を生じさせる電磁波であり、例えば、電子線、紫外線、α線、γ線またはエックス線である。上記活性光線は、工業上の用途で広く普及されていることから、紫外線または電子線であることが好ましく、紫外線であることがより好ましい。
上記撥液インクにおける上記活性光線硬化性化合物の含有量は、少なすぎると撥液インクの膜の強度が不十分となることがある。このような観点から、当該含有量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。また、上記撥液インクにおける上記活性光線硬化性化合物の含有量は、多すぎると後述の活性光線グロスニスに対する撥液性が不十分となることがある。このような観点から、当該含有量は、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
上記光開始剤は、上記活性光線による上記活性光線硬化性化合物の光硬化反応を生じさせる成分であり、例えば、当該活性光線硬化性化合物における光硬化反応の種類に応じて適宜に決められる。当該光開始剤は、一種でもそれ以上でもよい。上記光開始剤の例には、光重合開始剤が含まれ、より具体的には、分子内結合開裂型の光重合開始剤、および、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤、が含まれる。なお、活性光線が電子線である場合では、上記撥液インクは、光開始剤を実質的に含有していなくてもよいことがある。
上記分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、アセトフェノン系、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド系、ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステルが含まれる。
上記アセトフェノン系の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、および、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、が含まれる。
上記ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
上記アシルホスフィンオキシド系の例には、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドが含まれる。
上記分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、アミノベンゾフェノン系、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノンおよびカンファーキノンが含まれる。
上記ベンゾフェノン系の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、および、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンが含まれる。
上記チオキサントン系の例には、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、および、2,4−ジクロロチオキサントン、が含まれる。
上記アミノベンゾフェノン系の例には、ミヒラーケトンおよび4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンが含まれる。
上記撥液インクにおける上記光開始剤の含有量は、少なすぎると撥液インクの光硬化が不十分となることがあり、多すぎると当該光開始剤による効果が頭打ちになる。このような観点から、当該含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましく、1〜9質量%であることがより好ましく、5〜8質量%であることがさらに好ましい。
上記ゲル化剤は、後述の活性光線グロスニスに対する撥液性を有する成分であり、例えば当該活性光線グロスニス中の成分の種類に応じて適宜に決められる。当該ゲル化剤は、一種でもそれ以上でもよい。上記ゲル化剤の例には、ステアリン酸イヌリンなどの脂肪酸イヌリン、パルミチン酸デキストリンやミリスチン酸デキストリンなどの脂肪酸デキストリン、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、および、ベヘン酸エイコサン二酸ポリグリセリル、が含まれる。
また、上記ゲル化剤の例には、特開2005−126507号公報や特開2005−255821号公報、特開2010−111790号公報などに記載の低分子オイルゲル化剤、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドやN−2エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドなどのアミド化合物、および、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトールなどのジベンジリデンソルビトール類、が含まれる。
また、上記ゲル化剤の例には、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックス、キャンデリラワックスやカルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、ホホバエステルなどの植物系ワックス、ミツロウやラノリン、鯨ロウなどの動物系ワックス、モンタンワックスや水素化ワックスなどの鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体やモンタンワックス誘導体、および、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、ポリエチレンワックス誘導体などの変性ワックス、が含まれる。
また、上記ゲル化剤の例には、ベヘン酸やアラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エルカ酸などの高級脂肪酸、ステアリルアルコ−ルやベヘニルアルコ−ルなどの高級アルコ−ル、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシステアリン酸またはその誘導体、ラウリン酸アミドやステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノ−ル酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、および、N-ステアリルステアリン酸アミドやN-オレイルパルミチン酸アミドなどのN−置換脂肪酸アミド、が含まれる。
また、上記ゲル化剤の例には、N,N’−エチレンビスステアリルアミドやN,N’−エチレンビス12−ヒドロキシステアリルアミド、N,N’−キシリレンビスステアリルアミドなどの特殊脂肪酸アミド、ドデシルアミンやテトラデシルアミン、オクタデシルアミンなどの高級アミン、ステアリルステアリン酸やオレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコ−ル脂肪酸エステル、エチレングリコ−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル化合物、ショ糖ステアリン酸やショ糖パルミチン酸などのショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレンゲル化剤やα−オレフィン無水マレイン酸共重合体ゲル化剤などの合成ゲル化剤、重合性ゲル化剤、ダイマー酸、および、ダイマージオール、が含まれる。
上記撥液インクにおける上記ゲル化剤の含有量は、少なすぎると撥液インクの膜における後述の活性光線グロスニスの弾きが不十分となることがあり、多すぎると撥液インクのインクジェット画像形成方法における出射安定性が不十分となることがある。このような観点から、当該含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、2〜7質量%であることがさらに好ましい。
上記撥液インクの膜の光沢は、上記ゲル化剤の種類または上記撥液インクにおける上記ゲル化剤の含有量によって調整することが可能である。たとえば、上記撥液インクの膜の光沢度を1〜30とするのに好適なゲル化剤の例には、ジステアリルケトン、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリルおよびジステアリン酸エチレンングリコールが含まれる。また、上記撥液インクの膜の光沢度を1〜30とするのに好適な、上記撥液インクにおける上記ゲル化剤の含有量は、例えば0.1〜10質量%であり、0.5〜7質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。
上記撥液インクは、本発明の効果が得られる範囲において、上記以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分は、一種でもそれ以上でもよい。当該他の成分の例には、重合禁止剤、色材、界面活性剤が含まれる。
上記重合禁止剤は、例えば、上記撥液インクの安定性を高める観点から当該撥液インクに添加される。上記重合禁止剤は、一種でもそれ以上でもよい。当該重合禁止剤の例には、ハイドロキノンやメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノンなどのキノン系化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルまたはその誘導体などのN−オキシル基を有するピペリジン系化合物、および、ニトロソアミノアルミキレート、が含まれる。
上記撥液インクにおける上記重合禁止剤の含有量は、少なすぎると撥液インクの保存安定性が不十分となることがあり、多すぎると撥液インクの光硬化が不十分となることがある。このような観点から、当該含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましく、0.05〜1質量%であることがさらに好ましい。
上記色材は、例えば、形成されるべき擬似エンボス画像の意匠性の観点から上記撥液インクに添加されてもよい。上記色材は、一種でもそれ以上でもよい。当該色材の例には、インクジェットインクの色材として利用可能であることが公知の顔料および染料が含まれる。上記顔料の例には、カラーインデックスに記載されている有機顔料および無機顔料が含まれる。上記染料の例には、油溶性染料が含まれる。
上記界面活性剤は、撥液インクの表面張力を低下させ、基材に対する濡れ広がりを促進する観点から上記撥液インクに添加されていてもよい。上記界面活性剤は、一種でもそれ以上でもよい。当該界面活性剤の例には、インクジェットインクの界面活性剤として利用可能であることが公知の化合物が含まれ、より具体的には、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤、高級アルコール系界面活性剤などの非イオン系界面活性剤全般を含む。
上記撥液インクにおける上記色材の含有量は、多すぎると撥液インクの膜の上記基材への密着性が不十分となることがある。このような観点から、上記撥液インクは当該色材を実質的にあるいは単に含有しないことが好ましいが、当該撥液インクが当該色材を含有する場合では、その含有量は、例えば、上記の密着性が十分に発現される観点および意匠性の観点から、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.5〜7質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。
なお、色材を「実質的に含有しない」とは、色材を全く含有しないことも意味するが、呈色などの当該色材の機能が撥液インクにおいて十分に発現されない程度の量で、撥液インクが色材を含有し得ることを意味する。
上記基材は、上記撥液インクをインクジェット画像形成方法によって塗布可能な物体である。上記基材の形態は、通常はシートであるが、本実施の形態におけるインクの塗布が可能な範囲において、他の形態であってもよい。当該基材の例には、コート紙、蒸着紙、アルミホイル紙、ポリエチレンテレフタラート(PET)シート、ポリプロピレン(PP)シート、上質紙、ボール紙、アート紙、段ボール紙、コートボール紙およびエンボス紙が含まれる。
上記撥液インクは、例えば、上記の材料成分の混合によって調整することが可能であり、あるいは、活性光線硬化性化合物および光開始剤を含有する既存のインクジェットインクにゲル化剤を添加することによって調製することが可能である。
上記基材の表面には、例えば意匠性の観点から、インクによる画像が形成されていてもよい。さらに上記撥液インクの膜の上記基材への密着性を高める観点から、当該基材の表面に形成された画像は、活性光線硬化性インクジェットインクによる画像であることが好ましく、活性光線硬化性インクジェットゲルインクによる画像であることがより好ましい。
上記活性光線硬化性インクジェットインクは、紫外線などの前述の活性光線の照射によって硬化する性質を有するインクジェットインクであり、例えば、上記活性光線硬化性化合物、上記光開始剤および上記色材を含有する。上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクは、上記活性光線硬化性インクジェットインクにさらにゲル化剤を含有した組成物であり、例えば、上記活性光線硬化性化合物、上記光開始剤、上記色材および上記ゲル化剤を含有する。上記活性光線硬化性インクジェットインクまたは上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクにおける活性光線硬化性化合物、光開始剤、色材、およびゲル化剤の種類および含有量は、上記撥液インクのそれらと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、活性光線は、撥液インクを硬化させる活性光線と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクにおける上記ゲル化剤の含有量は、上記撥液インクの膜の上記基材への密着性を高める観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、上記活性光線硬化性インクジェットインクまたは上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクにおける上記ゲル化剤の含有量は、擬似エンボス画像における所期の意匠性を達成する観点から、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
より具体的には、例えば、上記活性光線硬化性インクジェットインクは、80〜97質量%の活性光線硬化性化合物と、0.01〜10質量%の光開始剤と、0.5〜10質量%の色材とを含有する組成物である。また、例えば、上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクは、70〜97質量%の活性光線硬化性化合物と、0.01〜10質量%の光開始剤と、0.1〜10質量%のゲル化剤と、0.5〜10質量%の色材とを含有する組成物である。
上記活性光線硬化性インクジェットインクまたは上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクは、例えば、市販のUV硬化性インクジェットインクをそのまま用いることが可能であり、あるいは上記の材料成分を混合することによって調製することが可能であり、あるいは当該UV硬化性インクジェットインクにゲル化剤を適量添加することによって調製することが可能である。
上記ゲル化剤を含有する上記活性光線硬化性インクジェットインクは、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤をさらに含有することが、当該活性光線硬化性インクジェットインクの膜(画像)に対する上記撥液インクの膜の密着性を高める観点から好ましい。これは、上記の界面活性剤の上記活性光線硬化性インクジェットインクへの添加によって、上記撥液インクがより良好な塗布性を発現する適切な範囲に、当該活性光線硬化性インクジェットインクの膜の表面張力が調整されるため、と考えられる。
上記活性光線硬化性インクジェットインクが上記ゲル化剤に加えてシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有する場合には、上記撥液インクは、上記の密着性および塗布性の向上効果を十分に発現させる範囲において、当該シリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤の一方または両方を含有してもよいが、上記の密着性および塗布性の十分な向上効果を得る観点から、当該シリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤の一方または両方を含有しないことが好ましい。
上記画像に対する撥液インクの膜の十分な密着性を発現させる観点では、上記ゲル化剤を含有する活性光線硬化性インクジェットインクにおけるシリコーン系界面活性剤の含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。また、上記の観点から、上記ゲル化剤を含有する活性光線硬化性インクジェットインクにおけるフッ素系界面活性剤の含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。
フッ素系界面活性剤は、炭素原子数6以下のパーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤(「C6PNS」とも言う)が好ましい。本発明において「パーフルオロアルキル基」とは、炭素原子の少なくとも一つがフッ素原子と結合している炭化水素基を示し、「炭素原子数6以下のパーフルオロアルキル基」とは、炭素原子数が1以上6以下の直鎖部分を有するパーフルオロアルキル基を示す。炭素原子数6以下のパーフルオロアルキル基は、分岐構造を有していてもよい。
上記C6PNSは、ゲル化剤よりも活性光線硬化型インクジェットインクの膜(以下、「硬化膜」とも言う)の表面への配向性が高い。よって、当該C6PNSは、硬化膜の表面に析出するゲル化剤の結晶の疎水性成分を覆い、その結果、上記硬化膜の表面エネルギーがゲル化剤の結晶によるそれよりも高くなる、と考えられる。
パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6を超えてしまうと、撥液インクの密着性が不十分となることがある。これは、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6を超えると、硬化膜の表面に配向したC6PNSが凝集し、結晶化してしまい、硬化膜の表面の表面エネルギーが低くなってしまうため、と考えられる。パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下であることは、上記の凝集および結晶化を防止し、上記硬化膜の表面エネルギーを効果的に高くする観点から好ましい、と考えられる。
上記C6PNSのパーフルオロアルキル基は、直鎖構造を有していてもよいし、分岐構造を有していてもよいが、密着性の観点から、直鎖構造を有することが好ましい。
分岐構造を有しているC6PNSの具体例には、フタージェント212M、215M、FTX−218、208G、212P、250、251、245F、602A、681、710FM、730FMおよび730LM(株式会社ネオス製、「フタージェント」は同社の登録商標)が含まれる。
直鎖構造を有しているC6PNSの具体例には、キャップストーンFS−22、FS−30、FS031、FS−34、FS−35、FS−3100(デュポン社製、「キャップストーン」は同社の登録商標)、メガファックF−559、F−477、F−556、F−554、F−569、F−553、F−557、F−552、F−563、R−40、RS−76−NS、F−444(DIC株式会社製、「メガファック」は同社の登録商標)、サーフロンS−241、S−386、S−611、S−651、S−242、S−243およびS−420(AGCセイミケミカル株式会社製、「サーフロン」は同社の登録商標)が含まれる。
上記C6PNSの重量平均分子量は、撥液インクの密着性の観点から、500以上100000以下が好ましく、3000以上100000以下がより好ましく、10000以上80000以下がさらに好ましい。重量平均分子量が3000以上であると、硬化膜の表面に配向した炭素原子数6以下のパーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤が揮発しづらく、安定して存在でき、撥液インクの密着性がより良好になると考えられる。
上記C6PNSの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。ポリスチレン換算重量平均分子量である。下記校正曲線における13のサンプルの間隔は、ほぼ等間隔である。
溶媒 : テトラヒドロフラン
カラム : 東ソー製TSKgel G4000+2500+2000HXL
カラム温度: 40℃
注入量 : 10μL
検出器 : L2455(日立製作所(株)製)
ポンプ : L6000(日立製作所(株)製)
流量 : 1.0ml/min
校正曲線 : 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)重量平均分子量=1000000〜500迄の13のサンプルによる校正曲線
上記C6PNSは、撥液インクの密着性の観点から、その表面配向性が高い方が好ましく、表面配向性の高さは、動的表面張力を測定することでわかる。動的表面張力の測定方法としては、公知の方法により測定することができる。たとえば、最大泡圧法により測定することができる。
パーフルオロアルキル基の炭素原子数は、カタログ値でよく、また、13CNMR、19FNMR等の公知の分析法により測定することもできる。
シリコーン系界面活性剤は、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましく、その例には、X22−4272、KF−352(いずれも信越化学工業株式会社製)、TSF4452(MOMENTIVE社製)、BYK−361N、BYK−3455、BYK348(いずれもBYK社製、「BYK」は同社の登録商標)が含まれる。
上記第1の工程において、上記撥液インクの膜は、例えば、インクジェット画像形成方法による上記基材への上記撥液インクの塗布(当該撥液インクの液滴の着弾)と、塗布された撥液インクの固化と、によって作製することが可能である。上記撥液インクの膜は、当該膜の上に後述の活性光線グロスニスを塗布可能であればよく、撥液インクの塗膜の乾燥物であってもよいし、活性光線の照射による撥液インクの塗膜の半硬化物(光硬化反応が完了しない状態)であってもよいし、撥液インク塗膜の硬化物(光硬化反応が完了した状態)であってもよい。
上記撥液インクの膜の光沢は、上記撥液インクのインクジェット画像形成方法における印字率によっても調整することが可能である。たとえば、上記撥液インクの膜の光沢度を1〜30とするのに好適な上記印字率は、例えば60〜100%であり、70〜100%であることがより好ましく、80〜100%であることがさらに好ましい。
上記撥液インクの膜の表面エネルギーは、擬似エンボス画像におけるエンボス調に係る意匠性の観点から適宜に決めることが可能であり、例えば45mN/m以下であることが好ましく、40mN/m以下であることがより好ましく、35mN/m以下であることがさらに好ましい。当該表面エネルギーは、例えば、基材に対する水、ノナン、炭酸プロピレンの接触角をそれぞれ測定することによって求めることが可能であり、例えば、ゲル化剤の添加量や、界面活性剤の添加量などによって調整することが可能である。
上記基材の表面の上記撥液インクに対する接触角は、高すぎると、通常の印刷方法による当該撥液インクによる所期の画像の形成が困難になるが、本実施の形態では、上記画像がインクジェット画像形成方法によって形成され、かつインクにゲル化剤を含有することから、通常の印刷方法に適用される基材よりも、上記接触角がより大きな基材を用いることが可能である。たとえば、当該記載の上記撥液インクに対する接触角は、10〜15°であってよく、また15〜25°であってよく、さらに25〜35°であってよい。
上記接触角は、上記の撥液インクからゲル化剤を除いた測定用インクによって、例えば、当該測定用インクの液滴が基材に着弾してから5秒後の、当該基材に対する上記測定用インクの接触角によって求めることが可能であり、例えば、界面活性剤の添加量によって調整することが可能である。なお、実際の撥液インクの基材の表面に対する接触角は、上記撥液インク中の界面活性剤の添加量に加えて、ゲル化剤の添加量によって調整することが可能であり、併せて当該撥液インクの基材表面における濡れ広がりが確認され得る。
上記第2の工程では、少なくとも上記撥液インクの膜を覆うようにニスを上記基材に塗布する。当該ニスの塗布方法は、特に限定されない。たとえば、当該ニスの塗布方法は、インクの公知の塗布方法から適宜に決めることが可能であり、例えば、インクジェット画像形成方法であってもよいし、オフセット印刷方法であってもよい。
上記ニスは、少なくとも上記撥液インクの膜を覆うように上記基材に塗布されればよいが、意匠性や生産性などの観点から、上記基材の全面に塗布されることが好ましい。
上記ニスは、撥液インクの膜に対する撥液性を呈し、かつ光沢を呈する硬化膜を形成可能な塗料である。上記ニスは、上記撥液インクの組成に応じて、当該撥液インクの膜に対して所望の撥液性を呈する公知のニスの中から適宜に選ぶことができる。上記撥液インクがゲル化剤を含有する場合には、上記ニスは、活性光線グロスニスであることが好ましい。
上記活性光線グロスニスは、撥液インクの膜に対する撥液性を呈し、かつ紫外線などの活性光線の照射によって光沢を呈する硬化膜を形成する組成物である。当該活性光線グロスニスは、一種でもそれ以上でもよい。当該活性光線グロスニスには、擬似エンボス画像の形成において撥液性のニスの上に塗られる公知のニスをそのまま用いることが可能である。また、当該活性光線グロスニスの硬化膜の光沢度は、形成されるべき擬似エンボス画像の意匠性などの観点から決めることができ、例えば、50〜100であることが好ましく、60〜100であることがより好ましく、70〜100であることがさらに好ましい。
上記活性光線グロスニスの例には、特許文献2に記載の紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物、特許文献3に記載の上刷りワニス、高光沢水性ニス、および、その他の活性光線グロスニス、を含む。当該活性光線グロスニスを上記撥液インクの膜に塗布する方式は、例えば公知の方法から適当な方法を選ぶことができ、その例には、オフセット印刷、グラビア印刷およびフレキソ印刷が含まれる。
上記画像形成方法は、本実施の形態の効果が得られる範囲において、上記第1の工程および第2の工程以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。当該他の工程の例には、上記基材における上記撥液インクの膜が形成されるべき部分または表面全体に、上記活性光線硬化性インクジェットインクまたは上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクによる画像をインクジェット画像形成方法によって形成する工程、画像が形成された基材または基材そのものにコロナ処理などの表面処理を行う工程、および、上記基材に塗布された活性光線硬化型インクジェットインクを半硬化させることによって画像が形成された基材を得る工程、が含まれる。
上記画像形成方法によって擬似エンボス画像が形成される様子を模式的に図1A〜1Eに示す。図1Aに示されるようなアルミホイル紙などの基材100の表面に、図1Bに示されるように、例えばインクジェット画像形成方法によって上記活性光線硬化性インクジェットインクまたは上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクが塗布され、画像101が形成される。そして、図1Cに示されるように、画像101の一部の領域に撥液インク102がインクジェット画像形成方法によって塗布される。塗布された撥液インク102は、速やかに乾燥する。塗布された撥液インク102には、必要に応じて紫外線などの活性光線がさらに照射され、こうして、例えば撥液インク102の半硬化物が撥液インク102の膜として形成される。
さらに、図1Dに示されるように、少なくとも撥液インク102の膜を覆うように(例えば基材100の平面方向における全面)に、活性光線グロスニス103が、例えばオフセット印刷方法によって塗布される。撥液インク102の膜に塗布された活性光線グロスニス103は、撥液インク102がゲル化剤を含有することから、当該膜に弾かれ、当該膜状に点在する。そして、塗布された活性光線グロスニス103に紫外線が照射され、活性光線グロスニス103が硬化する。また、上記の紫外線の照射によって、撥液インク102の膜中の未反応の活性光線硬化性化合物の光反応が生じ、撥液インク102の膜は、撥液インク102の硬化物となる。その結果、図1Eに示されるように、活性光線グロスニス103の硬化物による平坦な部分と、点在する部分とによる擬似エンボス画像が形成される。
以上の説明から明らかなように、上記画像形成方法は、上記第1の工程と上記第2の工程とを含むことから、撥液インクの膜がインクジェット画像形成方法によって形成されるので、当該撥液インクの膜を所期の形状に容易に設定することが可能である。よって、上記画像形成方法では、従来の印刷方法のみからなる擬似エンボス画像の形成方法に比べて、擬似エンボス画像をより容易に設定または変更することが可能である。
上記撥液インクにおける上記ゲル化剤の含有量が20質量%以下であることは、撥液インクの出射安定性と撥液インクの膜の基材への密着性との両方を十分に発現させる観点からより効果的であり、当該含有量が10質量%以下であることは、上記の観点からより一層効果的である。
また、上記撥液インクが色材を含有することは、上記擬似エンボスの意匠性を高める観点からより一層効果的であり、上記撥液インクが色材を含有しないことは、撥液インクの膜の基材への密着性を高める観点からより一層効果的である。
また、上記ニスを塗布する工程では、撥液インクの膜が形成された上記基材の全面に上記ニスを塗布することは、擬似エンボス画像の生産性を高める観点からより一層効果的である。
また、上記ニスに活性光線グロスニスを用いることは、良好な光沢を有するエンボス画像の生産性を高める観点からより一層効果的である。
また、上記基材には、上記活性光線硬化性インクジェットインクによる画像が形成されており、上記撥液インクの膜が当該画像上に形成されることは、撥液インクの膜の基材への密着性を高める観点からより効果的であり、上記画像が上記活性光線硬化性インクジェットゲルインクによる画像であることは、上記の観点からより一層効果的である。
また、撥液インクの塗布性を高める観点、および撥液インクによる画像の密着性を高める観点から、上記ゲル化剤を含有する活性光線硬化性インクジェットインクがシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有していることがより効果的であり、当該撥液インクが上記シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有しないことがより一層効果的である。
また、最終画像における上記撥液インクの膜の所期の光沢に応じた印字率で上記撥液インクを上記基材に塗布することは、所期のエンボス調を容易に実現する観点からより一層効果的である。
また、上記画像形成方法によれば、前述した従来の擬似エンボス画像の形成方法に比べて、撥液インクの膜における光沢度をより一層広い制御幅から設定することが可能である。たとえば、上記画像形成方法によれば、撥液インクの膜における光沢度を1〜30というより広い幅から設定することが可能である。
また、上記画像形成方法によれば、上記のインクおよびニスのいずれをも、インクジェット画像形成方法によって基材に塗布することも可能である。この場合、撥液インクが塗布されるべき最下層の色画像、撥液インクの膜、および最上層のニスによる画像、のいずれもの形状を、従来のオフセット印刷方法のみによる方法に比べて容易に調整、変更することが可能となる。よって、上記のようなインクジェット画像形成方法による画像の形成は、所期の意匠性を実現し、かつ少量多品種の生産であっても高い生産性を実現する観点からより一層効果的である。
以下、本発明の実施例を説明する。下記の実施例において、「モノマー1」は、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレートであり、「モノマー2」は、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494、SARTOMER社製)であり、「モノマー3」は、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、SARTOMER社製)である。そして、「モノマー4」はポリエチレングリコールジアクリレート(NKエステルA−400:新中村化学工業株式会社製)であり、「モノマー5」はトリプロピレングリコールジアクリレート(APG−200:新中村化学工業株式会社製)であり、「モノマー6」はトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP:新中村化学工業株式会社製)である。また、「重合開始剤」は、DAROCUR TPO(BASF社製、「DAROCUR」は同社の登録商標)であり、「重合禁止剤」は、IRGASTAB UV10(BASF社製、「IRGASTAB」は同社の登録商標)である。また、「ゲル化剤1」は、ステアリン酸ベヘニルであり、「ゲル化剤2」は、ジステアリルケトンであり、「ゲル化剤3」は、ベヘン酸ベヘニルであり、「ゲル化剤4」は、ステアリン酸ステアリルである。
また、下記の実施例において、「顔料分散液」は、以下のように作製した。まず、下記の成分を下記の量でステンレスビーカーに投入し、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させ、得られた溶液を室温まで冷却した。得られた溶液を室温まで冷却後、下記のマゼンタ顔料1を21質量部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、下記組成の顔料分散液1を調製した。なお、「分散剤」は、アジスパーPB824(味の素ファインテクノ株式会社製、「アジスパー」は味の素株式会社の登録商標)であり、「活性線硬化性化合物」は、トリプロピレングリコールジアクリレート(APG−200、新中村化学工業株式会社製)であり、「マゼンタ顔料」は、Pigment Red 122(クロモファインレッド6112JC、大日精化工業株式会社製)である。
分散剤 9質量部
活性線硬化性化合物 70質量部
重合禁止剤 0.02質量部
マゼンタ顔料 21質量部
次いで、得られた溶液に、21質量部のマゼンタ顔料を添加し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に投入して当該ガラス瓶を密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液を得た。
また、下記の実施例において、「基材1」は、アルミホイル紙であり、「基材2」は、PETシートであり、「基材3」は、水性インクの画像を有するコート紙である。また、「基材4」は、UV硬化性インクの画像を有するアルミホイル紙であり、「基材5」は、UV硬化性ゲルインクの画像を有するコート紙である。さらに、「基材6」は、UV硬化性ゲルインクの画像を有するコートボール紙であり、「基材7」は、UV硬化性ゲルインクの画像を有するアルミホイル紙である。また、「基材8」は、フッ素系界面活性剤(メガファックF−559、DIC株式会社製)を0.5質量%含有するUV硬化性ゲルインクの画像を有するコート紙である。「基材9」は、シリコーン系界面活性剤(BYK−361N、BYK社製)を0.5質量%含有するUV硬化性ゲルインクの画像を有するコートボール紙である。基材3〜9における画像は、いずれもインクジェット画像形成方法により形成される。
[撥液インク1の調製]
下記の成分の下記の量で混合し、80℃に加熱して撹拌し、当該温度で#3000の金属メッシュフィルタで熱濾過し、冷却して、撥液インク1を得た。
モノマー1 30.0質量部
モノマー2 30.0質量部
モノマー3 13.85質量部
重合開始剤 6.0質量部
重合禁止剤 0.15質量部
ゲル化剤1 20.0質量部
[撥液インク2、3の調製]
19質量部の顔料分散液を撥液インク1に添加して、撥液インク2を得た。また、モノマー3の添加量を18.85質量部に、そしてゲル化剤1の添加量を15.0質量部に、それぞれ変更した以外は、撥液インク1と同様にして、撥液インク3を得た。
[撥液インク4、5の調製]
モノマー3の添加量を25.85質量部に、そしてゲル化剤1の添加量を8.0質量部に、それぞれ変更した以外は、撥液インク1と同様にして、撥液インク4を得た。また、19質量部の顔料分散液を撥液インク4に添加して、撥液インク5を得た。
[撥液インク6、7の調製]
モノマー3の添加量を30.85質量部に変更し、20.0質量部のゲル化剤1に代えて3.0質量部のゲル化剤2を用いた以外は、撥液インク1と同様にして、撥液インク6を得た。また、19質量部の顔料分散液を撥液インク6に添加して、撥液インク7を得た。
[撥液インク8の調製]
モノマー3の添加量を31.55質量部に変更し、20.0質量部のゲル化剤1に代えて1.5質量部のゲル化剤2と0.8質量部のゲル化剤3とを用いた以外は、撥液インク1と同様にして、撥液インク8を得た。
[撥液インク9の調製]
モノマー3の添加量を30.85質量部に、そしてゲル化剤1の添加量を3.0質量部に、それぞれ変更した以外は、撥液インク1と同様にして、撥液インク9を得た。
[撥液インク10の調製]
モノマー3の添加量を30.55質量部に変更し、20.0質量部のゲル化剤1に代えて2.8質量部のゲル化剤1と0.5質量部のゲル化剤3とを用いた以外は、撥液インク1と同様にして、撥液インク10を得た。
[撥液インク11の調製]
モノマー3の添加量を33.85質量部に変更し、ゲル化剤1を添加しなかった以外は、撥液インク1と同様にして、撥液インク11を得た。
[撥液インク12の調製]
モノマー1〜3のそれぞれに代えてモノマー4〜6のそれぞれを用い、3.0質量部のゲル化剤4をさらに添加した以外は、撥液インク11と同様にして、撥液インク12を得た。
撥液インク1〜12の組成を表1に示す。
Figure 2016088873
[実施例1]
撥液インク1で、インクジェットヘッドの温度を80℃に設定したライン型インクジェット記録装置を用いて、基材1に、5cm×5cmのベタ画像(印字率(DR)が100%の画像)であるプレ画像1を形成した。
吐出用記録ヘッドには、ノズル径が20μm、ノズル数が512(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチが360dpi)のピエゾヘッドを用いた。吐出条件は、1滴の液滴量が2.5plとなる条件で、液滴速度約6m/sで出射させて、1440dpi×1440dpiの解像度でプレ画像1を形成した。画像形成速度(記録速度)は、500mm/sとした。当該画像形成を、23℃、55%RHの環境下で行った。なお、dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
次いで、上記記録装置における基材の搬送方向のより下流側に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製395nm、水冷LED)によってプレ画像1に紫外線を照射して、撥液インク1を硬化し、撥液インク画像1を得た。撥液インク画像1(撥液インク1の硬化物の層)の厚さは、15μmであった。
次いで、撥液インク画像1の上から、基材1に、下記の条件で、UVニスコーター(型式:DKSH SP−5 UVニスコーターを用いてUV硬化性を有するニス(DKSH オーバーコート用 UVグロスニス TECシリーズ)を塗布し、当該ニスの塗膜に紫外線を照射し、膜厚5μmのニスの硬化膜を撥液インク画像1の上に形成し、例えば図1Eに示されるようなエンボス画像1を得た。
[実施例2、3]
撥液インク1に代えて撥液インク2、3をそれぞれ用いる以外はエンボス画像1と同様にして、エンボス画像2、3をそれぞれ得た。
[実施例4〜9]
基材1に代えて基材2を用い、撥液インク1に代えて撥液インク4を用いる以外はエンボス画像1と同様にしてエンボス画像4を得た。また、印字率(DR)を75%に変更する以外はエンボス画像4と同様にして、エンボス画像5を得た。さらに印字率を50%、25%、および5%にそれぞれ変更した以外はエンボス画像4と同様にして、エンボス画像6〜8をそれぞれ得た。さらに、撥液インク4に代えて撥液インク5を用いる以外はエンボス画像8と同様にして、エンボス画像9を得た。
[実施例10〜14]
撥液インク1に代えて撥液インク6を、そして基材1に代えて基材3を用いる以外は、エンボス画像1と同様にして、エンボス画像10を得た。また、印字率を75%、50%、25%および5%にそれぞれ変更する以外はエンボス画像10と同様にして、エンボス画像11、12、13、14をそれぞれ得た。
[実施例15〜20]
撥液インク1に代えて撥液インク6を、そして基材1に代えて基材4を用いる以外は、エンボス画像1と同様にして、エンボス画像15を得た。また、印字率を75%、50%、25%および5%にそれぞれ変更する以外はエンボス画像15と同様にして、エンボス画像16、17、18、19をそれぞれ得た。さらに、撥液インク6に代えて撥液インク7を用いる以外はエンボス画像19と同様にして、エンボス画像20を得た。
[実施例21〜25]
撥液インク1に代えて撥液インク8を、そして基材1に代えて基材5を用いる以外は、エンボス画像1と同様にして、エンボス画像21を得た。また、印字率を75%、50%、25%および5%にそれぞれ変更する以外はエンボス画像21と同様にして、エンボス画像22、23、24、25をそれぞれ得た。
[実施例26〜30]
撥液インク1に代えて撥液インク9を、そして基材1に代えて基材6を用いる以外は、エンボス画像1と同様にして、エンボス画像26を得た。また、印字率を75%、50%、25%および5%にそれぞれ変更する以外はエンボス画像21と同様にして、エンボス画像27、28、29、30をそれぞれ得た。
[実施例31〜35]
撥液インク1に代えて撥液インク10を、そして基材1に代えて基材7を用いる以外は、エンボス画像1と同様にして、エンボス画像31を得た。また、印字率を75%、50%、25%および5%にそれぞれ変更する以外はエンボス画像31と同様にして、エンボス画像32、33、34、35をそれぞれ得た。
[実施例36〜40]
UV硬化性を有するニスに代えて、撥液インク画像の上から水性ニス(アクアパックワニス F−22、株式会社T&K TOKA製)を塗布する以外は、エンボス画像31〜35のそれぞれと同様にして、エンボス画像36〜40をそれぞれ得た。
[実施例41〜45]
撥液インク1に代えて撥液インク12を、そして基材1に代えて基材8を用いる以外は、エンボス画像1と同様にして、エンボス画像41を得た。また、印字率を75%、50%、25%および5%にそれぞれ変更する以外はエンボス画像41と同様にして、エンボス画像42、43、44、45をそれぞれ得た。
[実施例46〜50]
撥液インク1に代えて撥液インク12を、そして基材1に代えて基材9を用いる以外は、エンボス画像1と同様にして、エンボス画像46を得た。また、印字率を75%、50%、25%および5%にそれぞれ変更する以外はエンボス画像46と同様にして、エンボス画像47、48、49、50をそれぞれ得た。
[比較例1]
基材1に、印刷機によるUV印刷で画像を形成し、次いで撥液ワニスを印刷し、次いでコーターにより光沢UVニスを全面塗布することにより、従来の印刷のみによる擬似エンボス画像であるエンボス画像C1を得た。
[比較例2〜6]
撥液インク1に代えて撥液インク11を用いる以外はエンボス画像1と同様にして、エンボス画像C2を得た。また印字率を75%、50%、25%、5%にそれぞれ変更した以外はエンボス画像1と同様にしてエンボス画像C3、C4、C5、C6を得た。
[評価]
(1)表面エネルギー(SE)
エンボス画像1〜50、C1〜C6の各撥液インク画像(撥液インクによる5cm×5cmの硬化後のベタ画像)における、水、炭酸プロピレン、ノナンのそれぞれの接触角を、接触角計(共和界面科学株式会社製接触角計、型版:DM-500)を用いて求め、求められた接触角の値とYoung−Fowkes式とに基づき、当該撥液インク画像の表面エネルギーの値を求めた。
(2)光沢度(G)
エンボス画像1〜50、C1〜C6のそれぞれにおける、撥液インク画像部の60°光沢度Geおよび上記ニスの硬化膜部の60°光沢度Gnを、光沢計(日本電色工業株式会社製PG−1M)を用いて測定した。当該光沢度は、それぞれ、各エンボス画像における任意の3箇所の測定値の平均値である。
(3)出射安定性
エンボス画像1〜50、C1〜C6を形成する条件で各撥液インクを上記インクジェット記録装置でインクジェットヘッドから出射し、ノズル欠および出射曲がりの有無について目視で観察し、下記の基準により出射安定性を評価した。
A:ノズル欠の発生が全く認められなかった。
B:全ノズル(512ノズル)中、1〜4個のノズルでノズル欠が認められた。
C:全ノズル(512ノズル)中、5個以上のノズルでノズル欠が認められた。
(4)密着性
エンボス画像1〜50、C1〜C6の各撥液インク画像(撥液インクによる5cm×5cmの硬化後のベタ画像)に、1mm角の10×10のクロスカットを形成し、そこにセロハンテープを貼り付けた後に剥がし、基材から剥離したカット部(1mm角の部分)を数え、下記の基準による当該撥液インク画像の基材に対する密着性を評価した。
AA:剥離したカット部の数が0個
A:剥離したカット部の数が0個超5個以下
B:剥離したカット部の数が5個超20個以下
C:剥離したカット部の数が20個超40個以下
D:剥離したカット部の数が40個超
(5)バリアブル性
エンボス画像1〜50、C1〜C6におけるエンボスのパターン(撥液インク画像部の形状や撥液の程度など)の変更の容易さ(バリアブル性)を、下記の基準により評価した。
A:エンボスのパターンをインクジェット記録方法により変更することが可能。
B:エンボスのパターンをインクジェット記録方法では変更できない。
(6)エンボス調の程度(ざらざら感)
エンボス画像1〜50、C1〜C6におけるエンボス調の見た目のざらざら感を表す指標としてGnとGeの差ΔG(Gn−Ge)の値を求め、下記の基準により評価した。「5」は最もざらざら感が大きく、数字が小さくなるほどざらざら感は小さくなる。「0」はほぼざらざらは見られない。
5:ΔGが70以上100未満
4:ΔGが50以上70未満
3:ΔGが40以上50未満
2:ΔGが20以上40未満
1:ΔGが5以上20未満
0:ΔGが0以上5未満
結果を表2〜4にそれぞれ示す。
Figure 2016088873
Figure 2016088873
Figure 2016088873
表2〜4に示されるように、エンボス画像1〜50は、光沢制御性、出射安定性、密着性およびバリアブル性のいずれにおいても十分である。また、例えば、実施例1と2、8と9、あるいは19と20から明らかなように、撥液インクが顔料を含有していても、上記の特性が十分に発現される。
また、例えば、実施例4〜8や10〜14、15〜19、21〜25、26〜30、31〜35、41〜45、46〜50などから明らかなように、撥液インクの印字率を変えることによって、光沢制御性(エンボスの度合い)を変えることが可能である。すなわち、これらの実施例では、同一な組成の撥液インクを用い、そして印字率を変えたときのエンボス画像間で、撥液インク画像部の光沢度Geが上記印字率に応じて異なっている。そして、撥液インクの印字率の変化に対応して、ΔGで表されるエンボス画像間のざらざら感も変化している。このように、撥液インクの印字率または撥液インク画像部の光沢度は、得られる擬似エンボス画像のエンボス調の外観に実質的に対応するので、撥液インクの印字率によって、擬似エンボス画像のエンボス調の程度が制御されることがわかる。
また、例えば、実施例15〜19や21〜25、26〜30、31〜35などから明らかなように、基材の表面を上記UV硬化性インクの画像によって構成することによって、撥液インクの膜の密着性がより高められ、基材の表面を上記UV硬化性ゲルインクの画像によって構成することによって、撥液インクの膜の密着性がより一層高められる。
また、例えば、実施例36〜40から明らかなように、水性ニスを用いても、UV硬化性ニスと同様のエンボス画像が得られることがわかる。
また、例えば、実施例41〜45から明らかなように、ゲル化剤を含有する上記UV硬化性インクがフッ素系界面活性剤をさらに含有することによって、撥液インクの膜の密着性がさらに一層高められる。
また、例えば、実施例46〜50から明らかなように、ゲル化剤を含有する上記UV硬化性インクがシリコーン系界面活性剤をさらに含有することによっても、撥液インクの膜の密着性がさらに一層高められる。
これに対して、エンボス画像C1は、少なくともバリアブル性が不十分である。さらに撥液部の印字率が制御できないことから明らかなように、上記光沢制御性も不十分である。これは、インクジェット画像形成方法によって撥液インク画像部が形成されないため、と考えられる。また、エンボス画像C2〜C6は、いずれもGeとGnとの差がないことから、疑似エンボスの条件を満たしておらず、上記光沢制御性の観点からも不十分である。これは、撥液インクがゲル化剤を含有していないため、と考えられる。
本出願は、2014年12月5日出願の特願2014−246738号に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明に係る画像形成方法によれば、撥液インク中のゲル化剤の種類や含有量、当該撥液インクの印字率などによって、擬似エンボス画像のデザインや光沢度、凹凸の粗密などを自在に調整することが可能である。よって、本発明は、高級感などの高い付加価値を有する擬似エンボス画像の少量または少量多品種の形成に好適であり、このような高い付加価値を有する画像のさらなる普及に寄与することが期待される。
100 基材
101 画像
102 撥液インク
103 活性光線グロスニス

Claims (10)

  1. 活性光線硬化性化合物、光開始剤およびゲル化剤を含有する撥液インクをインクジェット画像形成方法によって基材の表面の少なくとも一部に塗布して前記撥液インクの膜を形成する工程と、
    少なくとも前記撥液インクの膜を覆うようにニスを前記基材に塗布する工程と、を含む、
    擬似エンボス画像を形成する画像形成方法。
  2. 前記撥液インクにおける前記ゲル化剤の含有量は、20質量%以下である、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記撥液インクにおける前記ゲル化剤の含有量は、10質量%以下である、請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記撥液インクは、色材をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記ニスを塗布する工程では、前記撥液インクの膜が形成された前記基材の全面に前記ニスを塗布する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記ニスには、活性光線グロスニスを用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記基材には、活性光線硬化性インクジェットインクによる画像が形成されており、
    前記撥液インクの膜は、前記画像上に形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 前記基材には、ゲル化剤を含有する活性光線硬化性インクジェットインクによる画像が形成されており、
    前記撥液インクの膜は、前記画像上に形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記ゲル化剤を含有する活性光線硬化性インクジェットインクは、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有している、請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 最終画像における前記撥液インクの膜の所期の光沢に応じた印字率で、前記撥液インクを前記基材に塗布する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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