JPWO2016088763A1 - 眼鏡レンズおよび眼鏡 - Google Patents

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Abstract

レンズ基材と、該レンズ基材の眼球側表面および物体側表面にそれぞれ設けられた多層膜と、を含む眼鏡レンズであって、眼鏡レンズの物体側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(object)は1.00%以上であり、かつ、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV(eye)は15.00%以下である眼鏡レンズが提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月1日出願の日本特願2014−243559号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、眼鏡レンズ、およびこの眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。
近年のデジタル機器のモニター画面はブラウン管から液晶に替わり、最近はLED液晶も普及しているが、液晶モニター、特にLED液晶モニターは、いわゆる青色光と呼ばれる波長430〜450nm程度の短波長光を強く発光する。そのため、デジタル機器を長時間使用する際に生じる眼精疲労や眼の痛みを効果的に低減するためには、青色光に対して対策を講じるべきである。なお以下において、青色光とは、波長430〜450nmの光をいうものとする。
上記の点に関し、特開2012−093689号公報または英語ファミリーメンバーUS2013/222913A1、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される、には、青色光の波長域を含む波長400〜450nmの光を反射する性質を有する多層膜を有する光学物品が提案されている。
青色光に対する対策に関して、眼鏡レンズ表面に入射する青色光を反射する性質を付与すれば、眼鏡レンズを介して装用者の眼に入射する青色光の量を低減し、青色光による眼への負担を軽減することはできる。そして、そのような眼鏡レンズの装用感を更に向上することができれば、市場における付加価値がより高い眼鏡レンズを提供することが可能となる。
そこで本発明の目的は、青色光による眼への負担を軽減可能であるとともに、装用感が良好な眼鏡レンズを提供することにある。
本発明の一態様は、
レンズ基材と、このレンズ基材の眼球側表面および物体側表面にそれぞれ設けられた多層膜と、を含む眼鏡レンズであって、
眼鏡レンズの物体側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(object)は1.00%以上であり、かつ、
眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV280-380nm(eye)は15.00%以下である眼鏡レンズ、
に関する。
本発明の他の一態様は、
レンズ基材と、このレンズ基材の眼球側表面および物体側表面にそれぞれ設けられた多層膜と、を含む眼鏡レンズであって、
眼鏡レンズの物体側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(object)は1.00%以上であり、かつ、
眼鏡レンズの眼球側表面において測定される295〜380nmの波長域における平均反射率RUV295-380nm( (eye)は20.00%以下である眼鏡レンズ、
に関する。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、上記の本発明の一態様にかかる眼鏡レンズを新たに見出すに至った。
上記眼鏡レンズは、物体側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(object)が、1.00%以上である。以下、かかる反射分光特性を、「青色光反射性」とも記載する。眼鏡レンズの物体側表面において青色光反射性を有することにより、LED液晶モニター等のデジタル機器のモニター画面から発光される青色光が眼鏡装用者の眼に入射する光量を低減することができるため、デジタル機器を長時間使用する際に生じる眼精疲労や眼の痛みを効果的に低減することが可能となる。
更に、上記眼鏡レンズは、眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV280-380nm(eye)が15.00%以下であるか、または眼球側表面において測定される295〜380nmの波長域における平均反射率RUV295-380nm( (eye)が20.00%以下である。なお本発明の一態様にかかる眼鏡レンズは、RUV280-380nm(eye)が15.00%以下であること、およびRUV295-380nm( (eye)が20.00%以下であることの少なくとも一方を満たすものであり、両方を満たすこともできる。以下、RUV280-380nm(eye)が15.00%以下であること、およびRUV295-380nm( (eye)が20.00%以下であることの少なくとも一方を満たす反射分光特性を、「紫外線低反射性」とも記載する。280〜380nmおよび295〜380nmの波長域とは、紫外線の波長域である。眼鏡装用者の眼に入射する光は物体側表面から入射する光に限られず、眼鏡装用者の後方から入射した光が眼球側表面で反射した反射光が眼に入射することもある。光は波長が短いほどエネルギーが強く散乱しやすいため眼に大きな負担をかける。したがって、青色光よりも短波長光である紫外線は、青色光よりも眼にかける負担は大きい。そのような紫外線が、眼鏡装用者の後方から眼鏡レンズの眼球側表面に入射し多くが反射されてしまっては、眼鏡装用者の眼に多くの紫外線が入射して眼に大きな負担をかけてしまう。これに対し、上記眼鏡レンズは、紫外線の波長域である上記波長域における平均反射率を眼球側表面において上記範囲内に抑えることにより、眼球側表面における紫外線の反射を抑制することができるため、眼球側表面で反射されて眼に入射する紫外線量を低減することができる。
以上の通り、上記眼鏡レンズによれば、眼鏡レンズに前方から入射する青色光および後方から入射する紫外線の両方が、眼に負担をかけることを抑制することが可能となる。
一態様では、RB(object)は、2.00%以上10.00%以下である。
一態様では、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(eye)は、1.00%以上である。即ち、一態様では、上記眼鏡レンズは、物体側表面とともに、物体側表面においても、青色光反射性を有する。このように眼鏡レンズの眼球側表面にも青色光反射性を付与することは、眼鏡レンズの物体側表面に入射し物体側表面で反射されずに眼鏡レンズ内を通過した青色光を、眼球側表面で反射させることにより眼に入射する青色光の光量を低減できる点で好ましい。また、青色光反射性が付与された眼鏡レンズ表面は青みを帯びるため、物体側表面と眼球側表面の両面の色みの違いが少なく外観が良好な眼鏡レンズとする観点からも、物体側表面とともに、眼球側表面にも青色光反射性を付与することは好ましい。
一態様では、RB(eye)は、2.00%以上10.00%以下である。
一態様では、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される380〜500nmの波長域における反射率の最大値は、400〜480nmの波長域にある。青色光反射性を有するものの紫外線を多く反射する表面における測定により得られる反射分光スペクトルは、青色光の波長域(430〜450nm)から紫外線の波長域(280〜380nm)に向かって反射率が大きくなるスペクトル形状を有するため、380nm〜500nmの波長域における反射率の最大値が、波長380nmにおける反射率となる傾向がある。これに対し、青色光反射性とともに上述の紫外線低反射性を有する表面における測定により得られる反射分光スペクトルは、380〜500nmの波長域における反射率の最大値が、400〜480nmの波長域内の波長における反射率となり得る。
一態様では、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される520〜580nmの波長域における平均反射率および物体側表面において測定される520〜580nmの波長域における平均反射率は、それぞれ0.60%以下であり、かつ眼鏡レンズの眼球側表面において測定される580〜780nmの波長域における平均反射率および物体側表面において測定される580〜780nmの波長域における平均反射率は、それぞれ3.00%以下である。
520〜580nmの波長域とは、いわゆる緑色光の波長域である。また、580〜780nmの波長域とは、いわゆる赤色光の波長域である。緑色光の波長域での反射率が高い表面は緑色を呈する傾向があり、赤色光の波長域での反射率が高い表面は赤みを帯びる傾向がある。したがって、両面に青色光反射性を付与した眼鏡レンズにおいて、緑色光、赤色光の波長域での反射率が、一方の表面では高く、他方の表面では低い場合には、反射率の高い表面では青色光反射性を付与したことによる青みに加えて緑色や赤みが加わるため、眼鏡レンズの一方の表面と他方の表面とで色みに大きな違いが生じてしまう。これに対し、上記眼鏡レンズでは、一態様において、これら両波長域における反射率を、眼球側表面および物体側表面でそれぞれ上記のように低減することにより、眼球側表面と物体側表面の色みの違いが少なく外観を良好にすることができる。
一態様では、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される主波長および物体側表面において測定される主波長は、それぞれ400〜500nmの波長域にある。主波長については、後述する。
一態様では、上記眼球側表面に設けられた多層膜および物体側表面に設けられた多層膜は、それぞれ無機材料を主成分とする被膜が複数積層された多層膜である。
一態様では、上記多層膜は、ケイ素酸化物を主成分とする被膜とジルコニウム酸化物を主成分とする被膜とが隣接する積層構造を少なくとも1つ含む。
一態様では、上記多層膜は、ケイ素酸化物を主成分とする被膜とニオブ酸化物を主成分とする被膜とが隣接する積層構造を少なくとも1つ含む。
一態様では、上記多層膜は、導電性酸化物を主成分とする被膜を少なくとも一層含む。
一態様では、上記被膜は、蒸着膜である。
本発明の更なる態様では、本発明の一態様にかかる眼鏡レンズと、該眼鏡レンズを取り付けたフレームと、を有する眼鏡に関する。
本発明の一態様によれば、物体側表面に青色光反射性を有し、眼球側表面に紫外線低反射性を有する眼鏡レンズを提供することができる。
実施例1、2、比較例1の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射分光スペクトル。 実施例3、比較例2の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射分光スペクトル。 実施例6の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射分光スペクトル。
[眼鏡レンズ]
本発明の一態様にかかる眼鏡レンズは、レンズ基材と、このレンズ基材の眼球側表面および物体側表面にそれぞれ設けられた多層膜と、を含む眼鏡レンズであって、眼鏡レンズの物体側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(object)は1.00%以上であり、かつ、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV(eye)は10.00%以下である眼鏡レンズである。
以下に、上記眼鏡レンズについて、更に詳細に説明する。なお本発明および本明細書における平均反射率とは、測定対象表面の光学中心において、測定対象の波長域において任意の波長毎に(任意のピッチで)測定された直入射反射率の算術平均値をいう。測定にあたり、測定波長間隔(ピッチ)は、例えば1nm〜5nmの範囲で、任意に設定可能である。また、本発明および本明細書における反射率等の反射分光特性は、直入射反射分光特性をいうものとする。また、本発明および本明細書において、眼球側表面とは、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に配置される面をいい、物体側表面とは、物体側に配置される面をいう。
<反射分光特性>
(青色光に対する反射分光特性)
上記眼鏡レンズは、物体側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(object)が、1.00%以上である。また、好ましくは、眼球側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(eye)も、1.00%以上である。即ち、少なくとも物体側表面に、好ましくは眼球側表面および物体側表面にそれぞれ、430〜450nmの波長域の入射光を反射する性質(青色光反射性)を有する。RB(object)、RB(eye)は、それぞれ、好ましくは2.00%以上であり、より好ましくは3.00%以上であり、更に好ましくは4.00%以上である。上記平均反射率が高いほど、青色光による眼への負担を低減することができる。一方、上記平均反射率が高いほど眼鏡レンズの青みが強くなる傾向があるため、適度な青みを呈した眼鏡レンズを得る観点からは、RB(object)、RB(eye)は、それぞれ好ましくは10.00%以下であり、より好ましくは9.00%以下であり、更に好ましくは8.00%以下である。
B(object)、RB(eye)は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、一態様では、RB(object)、RB(eye)は、眼球側表面の青色光反射性が物体側表面よりも大きく、RB(object)<RB(eye)の関係を満たしていてもよいが、これに限定されるものではない。
(紫外線に対する反射分光特性)
紫外線反射性に関して、一態様では、眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV280-380nm(eye)は、15.00%以下である。RUV280-380nm(eye)は、好ましくは14.00%以下、より好ましくは13.50%以下、更に好ましくは13.00%以下、更には12.00%以下、11.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下の順に好ましい。
また、紫外線反射性は、一態様では、眼球側表面において測定される295〜380nmの波長域における平均反射率RUV295-380nm(eye)は、20.00%以下である。RUV295-380nm(eye)は、好ましくは18.00%以下であり、より好ましくは15.00%以下であり、更に好ましくは12.00%以下であり、更には11.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下の順に好ましい。
また、RUV280-380nm(eye)およびRUV295-380nm(eye)は、例えば1.00%以上であるが、低いほど眼球側表面において反射し眼に入射する紫外線量が少なくなり好ましいため下限値は特に限定されるものではない。
一方、物体側表面の紫外線反射性については、物体側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV280-380nm (object)は、特に限定されるものではなく、RUV280-380nm (eye)と同じであっても、大きくても、小さくてもよい。例えば、一態様では、レンズ基材が紫外線吸収剤を含む場合には、物体側表面から入射する紫外線がレンズ基材の紫外線吸収剤に吸収されることにより、紫外線の眼への入射光量を低減することができる。または、一態様では、物体側表面に眼球側表面よりも大きな紫外線反射性を付与し、RUV280-380nm(object)>RUV280-380nm(eye)とすることもできる。これにより物体側表面から入射する紫外線を、物体側表面において反射させることで、紫外線の眼への入射光量を低減することもできる。この場合、RUV280-380nm(object)は、例えば、16.00%以上、18.00%以上、0.00%以上、25.00%以上または30.00%以上であることができ、また50.00%以下であることができるが、特に限定されるものではない。または一態様では、RUV280-380nm(object)を、RUV280-380nm(eye)について上述した範囲とすることもできる。
また、物体側表面の紫外線反射性について、物体側表面において測定される295〜380nmの波長域における平均反射率RUV295-380nm (object)は、特に限定されるものではなく、RUV295-380nm (eye)と同じであっても、大きくても、小さくてもよい。例えば、一態様では、レンズ基材が紫外線吸収剤を含む場合には、物体側表面から入射する紫外線がレンズ基材の紫外線吸収剤に吸収されることにより、紫外線の眼への入射光量を低減することができる。または、一態様では、物体側表面に眼球側表面よりも大きな紫外線反射性を付与し、RUV295-380nm(object)>RUV295-380nm(eye)とすることもできる。これにより物体側表面から入射する紫外線を、物体側表面において反射させることで、紫外線の眼への入射光量を低減することもできる。この場合、RUV295-380nm(object)は、例えば、21.00%以上、22.00%以上、25.00%以上または30.00%以上であることができ、また50.00%以下であることができるが、特に限定されるものではない。または一態様では、RUV295-380nm(object)を、RUV295-380nm (eye)について上述した範囲とすることもできる。
(緑色光に対する反射分光特性、赤色光に対する反射分光特性)
520〜580nmの緑色光の波長域の入射光を反射する性質については、眼球側表面、物体側表面の少なくとも一方、好ましくは両方において測定される、520〜580nmの波長域における平均反射率が、0.60%以下であることが好ましく、0.50%以下であることがより好ましい。また、520〜580nmの波長域における平均反射率は、例えば0.10%以上であるが、低いほど緑色の色みを低減でき好ましいため、下限値は限定されるものではない。
また、580〜780nmの赤色光の波長域の入射光を反射する性質については、眼球側表面、物体側表面の少なくとも一方、好ましくは両方において測定される、580〜780nmの波長域における平均反射率が、3.00%以下であることが好ましく、2.00%以下であることがより好まく、1.50%以下であることが更に好ましい。また、580〜780nmの波長域における平均反射率は、例えば0.50%以上であるが、低いほど赤みを低減でき好ましいため、下限値は限定されるものではない。
(主波長)
主波長とは、人の眼で感じる光の色の波長を数値化した指標であり、JIS Z 8701にしたがって算出される。上記の本発明の一態様にかかる眼鏡レンズは、少なくとも物体側表面において測定される主波長が、400〜500nmの波長域にあることが、青色光反射性の観点から好ましい。更に、眼球側表面において測定される主波長も、400〜500nmの波長域にあると、物体側表面、眼球側表面で色みの違いが少なく外観が良好な眼鏡レンズとなるため、より好ましい。
物体側表面と眼球側表面とで色みの違いが少ないことは、眼鏡レンズの外観が良好になることに加えて、装用感向上の観点からも好ましいと、本発明者らは推察している。詳しくは、次の通りである。
眼鏡装用者の後方から入射した後に反射されて反射光として眼に入射する反射光には、眼球側表面で反射された反射光に加えて、眼球側表面で反射されずに眼鏡レンズ内を通過した後に物体側表面で反射され戻り光となり眼球側表面から出射し眼に入射する光がある。それぞれの反射光の色み(反射像色)が大きく違うと、眼鏡装用者は違和感を感じてしまう。以下において、このような異なる反射像色が観察されることを、反射二重像と記載する。したがって、違和感を低減することにより装用感を更に向上するためには、物体側表面と眼球側表面との色みの違いは小さいことが好ましい。物体側表面と眼球側表面の青色光〜可視光領域の光に対する反射分光特性の違いは、反射像色の違いをもたらすため、物体側表面と眼球側表面の両表面において、青色光、緑色光および赤色光の3種の光からなる群から選択される少なくとも1種の光、好ましくは2種の光、より好ましくは3種の光に対する反射分光特性を、それぞれ先に記載したように調整することは、装用感の更なる向上の観点から好ましい。
<眼鏡レンズの構成>
上記眼鏡レンズにおいて、レンズ基材の眼球側表面および物体側表面にそれぞれ設けられた多層膜は、眼鏡レンズに上記の反射分光特性を付与することができる。上記多層膜は、レンズ基材の表面上に、直接または一層以上の他の層を介して間接的に設けられる。レンズ基材は、特に限定されないが、(メタ)アクリル樹脂をはじめとするスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂等を挙げることができる。また、無機ガラスも使用可能である。なおレンズ基材としては、染色されていないもの(無色レンズ)を用いてもよく、染色されているもの(染色レンズ)を用いてもよい。レンズ基材の屈折率は、例えば、1.60〜1.75程度である。ただしレンズ基材の屈折率は、これに限定されるものではなく、上記の範囲内でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。
上記眼鏡レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等の各種レンズであることができる。レンズの種類は、レンズ基材の両面の面形状により決定される。また、レンズ基材表面は、凸面、凹面、平面のいずれであってもよい。通常のレンズ基材および眼鏡レンズでは、物体側表面は凸面、眼球側表面は凹面である。ただし、本発明は、これに限定されるものではない。
上記の反射分光特性を付与するための多層膜は、レンズ基材表面に直接設けてもよく、一層以上の他の層を介して間接的に設けてもよい。レンズ基材と上記多層膜との間に形成され得る層としては、例えば、ハードコート層(以下、「ハードコート」とも記載する。)を挙げることができる。ハードコート層を設けることにより、眼鏡レンズに防傷性(耐擦傷性)を付与することができ、また眼鏡レンズの耐久性(強度)を高めることもできる。ハードコート層の詳細については、例えば特開2012−128135号公報段落0025〜0028、0030を参照できる。また、レンズ基材と上記被膜との間には、密着性向上のためのプライマー層を形成してもよい。プライマー層の詳細については、例えば特開2012−128135号公報段落0029〜0030を参照できる。
レンズ基材の眼球側表面上、物体側表面上にそれぞれ設ける多層膜は、これら多層膜を有する眼鏡レンズ表面に先に記載した反射分光特性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。そのような多層膜は、好ましくは、高屈折率層と低屈折率層を順次積層することにより形成することができる。より詳しくは、高屈折率層および低屈折率層を形成するための膜材料の屈折率と、反射すべき光や反射を低減すべき光の波長に基づき、公知の手法による光学的シミュレーションにより各層の膜厚を決定し、決定した膜厚となるように定めた成膜条件下で高屈折率層と低屈折率層を順次積層することにより、上記多層膜を形成することができる。成膜材料としては、無機材料であっても有機材料であっても有機無機複合材料であってもよく、成膜や入手容易性の観点からは、無機材料が好ましい。成膜材料の種類、膜厚、積層順等を調整することにより、青色光、紫外線、緑色光、赤色光のそれぞれに対する反射分光特性を制御することができる。
高屈折率層を形成するための高屈折率材料としては、ジルコニウム酸化物(例えばZrO)、タンタル酸化物(Ta)、チタン酸化物(例えばTiO)、アルミニウム酸化物(Al)、イットリウム酸化物(例えばY)、ハフニウム酸化物(例えばHfO)、およびニオブ酸化物(例えばNb)からなる群から選ばれる酸化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。一方、低屈折率層を形成するための低屈折率材料としてはケイ素酸化物(例えばSiO)、フッ化マグネシウム(例えばMgF)およびフッ化バリウム(例えばBaF)からなる群から選ばれる酸化物またはフッ化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。なお上記の例示では、便宜上、酸化物およびフッ化物を化学量論組成で表示したが、化学量論組成から酸素またはフッ素が欠損もしくは過多の状態にあるものも、高屈折率材料または低屈折率材料として使用可能である。
多層膜に含まれる各層の膜厚は、上述の通り、光学的シミュレーションにより決定することができる。多層膜の層構成としては、例えば、レンズ基材側からレンズ最表面側に向かって、
第一層(低屈折率層)/第二層(高屈折率層)/第三層(低屈折率層)/第四層(高屈折率層)/第五層(低屈折率層)/第六層(高屈折率層)/第七層(低屈折率層)の順に積層された構成;
第一層(高屈折率層)/第二層(低屈折率層)/第三層(高屈折率層)/第四層(低屈折率層)/第五層(高屈折率層)/第六層(低屈折率層)の順に積層された構成、
等を挙げることができる。好ましい低屈折率層と高屈折率層の組み合わせの一例としては、ケイ素酸化物を主成分とする被膜とジルコニウム酸化物を主成分とする被膜との組み合わせ、ケイ素酸化物を主成分とする被膜とニオブ酸化物を主成分とする被膜との組み合わせを挙げることができ、これら二層の被膜が隣接する積層構造を少なくとも1つ含む多層膜を、多層膜の好ましい一例として例示することができる。
好ましくは、上記の各層は、前述の高屈折率材料または低屈折率材料を主成分とする被膜である。ここで主成分とは、被膜において最も多くを占める成分であって、通常は全体の50質量%程度〜100質量%、更には90質量%程度〜100質量%を占める成分である。上記材料を主成分とする成膜材料(例えば蒸着源)を用いて成膜を行うことにより、そのような被膜を形成することができる。なお成膜材料に関する主成分も、上記と同様である。被膜および成膜材料には、不可避的に混入する微量の不純物が含まれる場合があり、また、主成分の果たす機能を損なわない範囲で他の成分、例えば他の無機物質や成膜を補助する役割を果たす公知の添加成分が含まれていてもよい。成膜は、公知の成膜方法により行うことができ、成膜の容易性の観点からは、蒸着により行うことが好ましい。本発明における蒸着には、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が含まれる。真空蒸着法では、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
上記の多層膜は、以上説明した高屈折率層および低屈折率層に加えて、導電性酸化物を主成分とする被膜、好ましくは導電性酸化物を主成分とする蒸着源を用いる蒸着により形成される一層以上の導電性酸化物層を、多層膜の任意の位置に含むこともできる。導電性酸化物としては、眼鏡レンズの透明性の観点から、インジウム酸化物、スズ酸化物、亜鉛酸化物、チタン酸化物、およびこれらの複合酸化物等の、一般に透明導電性酸化物として知られる各種導電性酸化物を用いることが好ましい。透明性および導電性の観点から特に好ましい導電性酸化物としては、スズ酸化物、インジウム−スズ酸化物(ITO)を挙げることができる。導電性酸化物層を含むことにより、眼鏡レンズが帯電し塵や埃が付着することを防ぐことができる。
更に、多層膜上に、更なる機能性膜を形成することも可能である。そのような機能性膜としては、撥水性または親水性の防汚膜、防曇膜、偏光膜、調光膜等の各種機能性膜を挙げることができる。これら機能性膜については、いずれも公知技術を何ら制限なく適用することができる。
[眼鏡]
本発明の更なる態様は、上記の本発明の一態様にかかる眼鏡レンズと、この眼鏡レンズを取り付けたフレームとを有する眼鏡を提供することもできる。眼鏡レンズについては、先に詳述した通りである。その他の眼鏡の構成については、特に制限はなく、公知技術を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。以下において、屈折率とは、波長500nmにおける屈折率である。
[実施例1〜3、比較例1、2]
両面が光学的に仕上げられ予めハードコートが施された、物体側表面が凸面、眼球側表面が凹面であるプラスチックレンズ基材(表2、3参照、無色レンズ)の凸面側(物体側)のハードコート表面に、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により合計8層の多層蒸着膜を順次形成した。表2、3に示すレンズ基材は、屈折率1.60のものはHOYA株式会社製商品名EYAS、屈折率1.67のものはHOYA株式会社製商品名EYNOAである。
凹面側(眼球側)のハードコート表面にも同様の条件でイオンアシスト蒸着により合計8層の多層蒸着膜を積層して眼鏡レンズを得た。
各実施例、比較例では、凸面側、凹面側とも、多層蒸着膜は、レンズ基材側(ハードコート側)から眼鏡レンズ表面に向かって、表1に示す蒸着源を用いて第1層、第2層…の順に積層し、眼鏡レンズ表面側最外層が第8層となるように形成した。各実施例、比較例では、不可避的に混入する可能性のある不純物を除けば下記酸化物からなる蒸着源を使用した。各実施例、比較例において、下記層の1層以上の膜厚を変えることにより、反射分光特性を制御した。
比較例1、2では、物体側表面および眼球側表面に同じ構成の多層蒸着膜を形成した。
一方、実施例1、2では、物体側表面には比較例1で作製した多層蒸着膜を形成し、これとは異なる多層蒸着膜を眼球側表面に形成した。
実施例3では、物体側表面には比較例2で作製した多層蒸着膜を形成し、これとは異なる多層蒸着膜を眼球側表面に形成した。
Figure 2016088763
<評価方法>
1.反射分光特性の測定
実施例1〜3、比較例1、2の眼鏡レンズの物体側表面(凸面側)、眼球側表面(凹面側)の光学中心において、日立製作所製分光光度計U4100を用いて、280〜780nmの波長域における直入射反射分光特性を測定した(測定ピッチ:1nm)。非測定面からの反射を抑えるため、JIS T 7334の5.2節の通り、非測定面は光沢のない黒色で塗装した。図1に、実施例1、2、比較例1の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射分光スペクトルを示す。図2に、実施例3、比較例2の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射分光スペクトルを示す。測定結果から、表2、3に示す各種反射分光特性を求めた。表2、3に示す主波長は、測定結果からJIS Z 8701に従い算出した。
2.反射二重像(反射像色の違い)評価
実施例1〜3、比較例1、2の眼鏡レンズを、暗室において蛍光灯下30cmの位置で眼球側から観察し、反射二重像の発生の有無・程度を観察者の目により、以下の評価基準に基づき官能評価した。
A:反射二重像が観察されないか、ほとんど観察されない。
B:反射二重像が観察される(Aより重度)。
C:反射二重像が顕著に観察される。
以上の結果を、表2、3に示す。
Figure 2016088763
Figure 2016088763
比較例1、2の眼鏡レンズは、眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV(eye)が10.00%を超える眼鏡レンズである。このような眼鏡レンズは、眼鏡装用者の後方から入射し眼球側表面で反射して眼に入射する紫外線量が多いことにより、長時間装用時の眼精疲労や眼の痛みを起こしやすい。
実施例1〜3の眼鏡レンズは、いずれも物体側表面において青色光反射性を有し、眼球側表面において紫外線低反射性を有する眼鏡レンズである。更に実施例1、3の眼鏡レンズは、眼球側表面において、紫外線低反射性とともに青色光反射性を有する。これに対し、実施例2の眼鏡レンズは、眼球側表面には青色光反射性を有さない眼鏡レンズである。かかる眼鏡レンズによれば、眼鏡レンズに前方から入射する青色光および後方から入射する紫外線の両方が、眼に負担をかけることを抑制することができる。
また、表2、3に示すように、実施例1、3の眼鏡レンズでは、実施例2の眼鏡レンズと比べて反射二重像の発生が抑制されていることが確認された。また、外観観察すると、実施例2の眼鏡レンズは、物体側表面は青みを帯び眼球側表面は緑色を呈していた。これに対し、実施例1、3の眼鏡レンズは、物体側表面、眼球側表面とも青みを呈しており、両表面での色みの違いが少なく外観が良好であった。
[実施例4〜6、比較例3]
両面が光学的に仕上げられ予めハードコートが施された、物体側表面が凸面、眼球側表面が凹面であるプラスチックレンズ基材(表4〜7参照、無色レンズ)の凸面側(物体側)のハードコート表面に、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、実施例4、5および比較例3では合計8層、実施例6では合計7層の多層蒸着膜を、イオンアシスト蒸着により積層した。表4〜7に示すレンズ基材は、屈折率1.60のものはHOYA株式会社製商品名EYAS、屈折率1.67のものはHOYA株式会社製商品名EYNOAである。また、各レンズ基材には、表4〜7に示す屈折率のハードコート(HC)が表4〜7に示す膜厚で、両面にそれぞれ形成されていた。
凹面側(眼球側)のハードコート表面にも同様の条件で、実施例4、5および比較例3では合計8層、実施例6では合計7層の多層蒸着膜を、イオンアシスト蒸着により積層して眼鏡レンズを得た。
実施例4〜6、比較例3では、凸面側、凹面側とも、多層蒸着膜は、レンズ基材側(ハードコート側)から眼鏡レンズ表面に向かって、表4〜7に示す蒸着源を用いて第1層、第2層…の順に積層し、実施例4、5および比較例3では第8層が、実施例6では第7層が眼鏡レンズ表面側最外層となるように形成した。実施例4〜6、比較例3では、不可避的に混入する可能性のある不純物を除けば表3に示す酸化物からなる蒸着源を使用し、表4〜7に示す膜厚の蒸着膜を順次形成し多層蒸着膜を得た。
Figure 2016088763
Figure 2016088763
Figure 2016088763
Figure 2016088763
<評価方法>
1.反射分光特性の測定
実施例4〜6、比較例3の眼鏡レンズの物体側表面(凸面側)、眼球側表面(凹面側)の光学中心において、日立製作所製分光光度計U4100を用いて、280〜780nmの波長域における直入射反射分光特性を測定した(測定ピッチ:1nm)。非測定面からの反射を抑えるため、JIS T 7334の5.2節の通り、非測定面は光沢のない黒色で塗装した。測定により得られた反射分光スペクトルから、表8に示す各種反射分光特性を求めた。表8に示す主波長は、測定結果からJIS Z 8701に従い算出した。図3に、実施例6の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射分光スペクトルを示す。
Figure 2016088763
比較例3の眼鏡レンズは、眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV280-380nm(eye)が15.00%を超え、眼球側表面において測定される295〜380nmの波長域における平均反射率RUV295-380nm(eye)が20.00%を超える眼鏡レンズである。このような眼鏡レンズは、眼鏡装用者の後方から入射し眼球側表面で反射して眼に入射する紫外線量が多いことにより、長時間装用時の眼精疲労や眼の痛みを起こしやすい。
実施例4〜6の眼鏡レンズは、いずれも物体側表面において青色光反射性を有し、眼球側表面において紫外線低反射性を有する眼鏡レンズである。かかる眼鏡レンズによれば、眼鏡レンズに前方から入射する青色光および後方から入射する紫外線の両方が、眼に負担をかけることを抑制することができる。
また、実施例4〜6の眼鏡レンズについて、実施例1〜3、比較例1、2の評価と同様の方法で反射二重像(反射像色の違い)評価を行ったところ、いずれも評価結果は、Aであった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、眼鏡レンズおよび眼鏡の製造分野において有用である。

Claims (13)

  1. レンズ基材と、該レンズ基材の眼球側表面および物体側表面にそれぞれ設けられた多層膜と、を含む眼鏡レンズであって、
    眼鏡レンズの物体側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(object)は1.00%以上であり、かつ、
    眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長域における平均反射率RUV(eye)は15.00%以下である眼鏡レンズ。
  2. B(object)は、2.00%以上10.00%以下である請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される430〜450nmの波長域における平均反射率RB(eye)は、1.00%以上である請求項1または2に記載の眼鏡レンズ。
  4. B(eye)は、2.00%以上10.00%以下である請求項3に記載の眼鏡レンズ。
  5. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される380〜500nmの波長域における反射率の最大値は、400〜480nmの波長域にある請求項3または4に記載の眼鏡レンズ。
  6. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される520〜580nmの波長域における平均反射率および物体側表面において測定される520〜580nmの波長域における平均反射率は、それぞれ0.60%以下であり、かつ
    眼鏡レンズの眼球側表面において測定される580〜780nmの波長域における平均反射率および物体側表面において測定される580〜780nmの波長域における平均反射率は、それぞれ3.00%以下である請求項3〜5のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  7. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される主波長および物体側表面において測定される主波長は、それぞれ400〜500nmの波長域にある請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  8. 前記眼球側表面に設けられた多層膜および物体側表面に設けられた多層膜は、それぞれ無機材料を主成分とする被膜が複数積層された多層膜である請求項1〜7のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  9. 前記多層膜は、ケイ素酸化物を主成分とする被膜とジルコニウム酸化物を主成分とする被膜とが隣接する積層構造を少なくとも1つ含む請求項8に記載の眼鏡レンズ。
  10. 前記多層膜は、ケイ素酸化物を主成分とする被膜とニオブ酸化物を主成分とする被膜とが隣接する積層構造を少なくとも1つ含む請求項8に記載の眼鏡レンズ。
  11. 前記多層膜は、導電性酸化物を主成分とする被膜を少なくとも一層含む請求項8〜10のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  12. 前記被膜は、蒸着膜である請求項8〜11のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の眼鏡レンズと、該眼鏡レンズを取り付けたフレームと、を有する眼鏡。
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