JP2020003706A - 眼鏡レンズおよび眼鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼鏡装用者に良好な装用感をもたらすことができ、かつ外観が良好な眼鏡レンズを提供すること。【解決手段】レンズ基材と上記レンズ基材の眼球側表面上に位置する多層膜とを少なくとも含み、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長領域における平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下であり、かつCIE標準光源D65下で眼鏡レンズの眼球側表面において測定される彩度C*が0.5以上5.0以下である眼鏡レンズ。【選択図】なし

Description

本発明は、眼鏡レンズ、およびこの眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。
眼鏡レンズは、一般に、レンズ基材の表面上に、眼鏡レンズに所望の機能をもたらすための機能性膜を形成することにより製造される。そのような機能性膜として、レンズ基材の表面上に多層膜を設けることが行われている(例えば特許文献1参照)。
WO2015/029644
近年、眼鏡レンズの市場では、各種機能を特徴とする様々な製品が提案され、販売されている。市場における付加価値がより高い眼鏡レンズを提供するために望ましい事項としては、眼鏡装用者の眼への負担が少ないこと(良好な装用感)が挙げられる。更に、眼鏡レンズの外観が良好であることも挙げられる。
本発明の一態様は、眼鏡装用者に良好な装用感をもたらすことができ、かつ外観が良好な眼鏡レンズを提供する。
本発明の一態様は、
レンズ基材と、上記レンズ基材の眼球側表面上に位置する多層膜と、を少なくとも含み、
眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長領域における平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下であり、かつ
CIE標準光源D65下で眼鏡レンズの眼球側表面において測定される彩度C*が0.5以上5.0以下である眼鏡レンズ、
に関する。
本発明の一態様によれば、眼鏡装用者に良好な装用感をもたらすことができ、かつ外観が良好な眼鏡レンズ、およびこの眼鏡レンズを備えた眼鏡を提供することができる。
実施例1の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 実施例2の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 実施例3の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 実施例4の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 実施例5の眼鏡レンズの物体側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 実施例6の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 比較例1の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 比較例2の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。 後述の官能試験における10名の被験者による順位付けの結果を示す。
本発明および本明細書における用語の定義および/または測定方法を、以下に説明する。
「眼球側表面」とは、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する表面である。「物体側表面」とは、その反対側の表面、即ち、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する表面である。
「彩度C*」は、CIE1964(国際照明委員会)規定のL**h色空間におけるC*であり、CIE標準光源D65下で測定される値とする。また、後述の色相角hは、上記L**h色空間におけるhであり、CIE標準光源D65下で測定される値とする。
眼鏡レンズの表面について測定される反射率は、その表面に向かって直入射する光(即ち入射角度が0°)に対する反射率である。反射率の測定は、例えば1〜5nmピッチで行うことができる。また、ある波長領域における平均反射率とは、その波長領域において求められた反射率の算術平均である。
「視感反射率Rv」は、JIS T 7334:2011にしたがい測定される値である。
本明細書に記載の「膜厚」は、物理膜厚である。膜厚は、公知の膜厚測定法によって求めることができる。例えば膜厚は、光学式膜厚測定器によって測定された光学膜厚を物理膜厚に換算することにより求めることができる。
[眼鏡レンズ]
以下、本発明の一態様にかかる眼鏡レンズについて更に詳細に説明する。
<眼鏡レンズの眼球側表面において測定される物性>
上記眼鏡レンズは、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長領域における平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下であり、かつ眼鏡レンズの眼球側表面においてCIE標準光源D65下で測定される彩度C*が0.5以上5.0以下である。
眼鏡装用者の後方から眼鏡レンズに入射した光は、眼鏡レンズの物体側表面においてこの光に対する反射率が高いと、多くが反射光となり眼鏡装用者の眼に入射してしまう。各種波長領域の光の中でも紫外線は短波長光であるため、エネルギーが強い。そのような光が眼鏡装用者の後方から眼鏡レンズの眼球側表面に入射して多くが反射されてしまうと、眼鏡装用者の眼に多くの紫外線が入射して眼に大きな負担をかけてしまう。これにより、眼鏡装用者が感じる装用感は低下してしまう。これに対し、上記眼鏡レンズは、紫外線の波長領域である280〜380nmの波長領域における平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下であるため、眼球側表面における紫外線の反射を抑えることができる。その結果、上記眼鏡レンズによれば、眼球側表面で反射されて装用者の眼に入射する紫外線量を低減することができるため、この眼鏡レンズを備えた眼鏡の装用者の眼への負担を低減して良好な装用感をもたらすことができる。
ただし、眼球側表面での紫外線の反射率が低く抑えられた従来の眼鏡レンズは、眼鏡装用者や、眼鏡装用者と向かい合う等して眼鏡を観測する観測者に、違和感を与える外観を呈するものであった。本発明者は、この外観不良を改善すべく鋭意検討を重ねた結果、平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下の眼鏡レンズ眼球側表面において、CIE標準光源D65下で測定される彩度C*を0.5以上5.0以下とすることにより、眼鏡レンズの外観を改善できることを新たに見出した。
以上により、上記眼鏡レンズは、良好な外観を呈することができ、かつ眼鏡装用者に良好な装用感をもたらすことができる。
(平均反射率Rm(280−380))
上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される平均反射率Rm(280−380)は、10.0%以下であり、眼鏡装用者により一層良好な装用感をもたらす観点からは、9.0%以下であることが好ましく、8.0%以下であることがより好ましく、7.0%以下であることが更に好ましく、6.0%以下であることが一層好ましく、5.0%以下であることがより一層好ましく、4.0%以下であることが更に一層好ましい。また、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される平均反射率Rm(280−380)は、例えば、0.5%以上または1.0%以上であることができる。ただし、眼球側表面において測定される平均反射率Rm(280−380)が低いほど眼球側表面において反射し装用者の眼に入射する紫外線量を低減でき好ましいため、下限は上記例示に限定されるものではない。
(彩度C*
上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される彩度C*は、0.5以上5.0以下である。本発明者は、眼球側表面での紫外線の反射率が低く抑えられた従来の眼鏡レンズは、上記彩度C*が大きい傾向があることを新たに見出した。上記彩度C*が大きい眼鏡レンズは、鮮やかな反射色を呈する傾向があり、このことが装用者や観測者に違和感を与えてしまう原因になると本発明者は考えている。これに対し、上記彩度C*が0.5以上5.0以下である上記眼鏡レンズは、そのような違和感が少ないかそのような違和感を与えることなく、良好な外観を呈することができる。外観の更なる改善の観点からは、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される彩度C*は、4.8以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましく、4.3以下であることが更に好ましく、4.0以下であることが一層好ましい。また、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される彩度C*は、0.5以上であり、例えば1.0以上または2.0以上であることもできる。
(色相角h)
上記眼鏡レンズは、一態様では、CIE標準光源D65下で眼鏡レンズの眼球側表面において測定される色相角hが180.0度以上300.0度以下であることができ、200.0度以上280.0度以下であることもできる。上記色相角hが上記範囲であることは、眼鏡レンズにより一層良好な外観をもたらすうえで好ましい。
レンズ基材の眼球側表面上に設けられた多層膜によって、眼鏡レンズの眼球側表面に上記の各種物性を付与することができる。多層膜の層構成は、一態様では、公知の方法(光学的シミュレーション等)により膜設計を行うことによって決定することができる。一態様では、膜設計において、以下の反射特性を有するように膜設計を行うことは、上記範囲の平均反射率Rm(280−380)および彩度C*を眼球側表面にもたらすうえで、または更に上記範囲の色相角hをもたらすうえで、好ましい。
眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における最大反射率Rmax(450−700)は、3.0%以下、2.5以下または2.0以下であることができる。上記最大反射率Rmax(450−700)は、例えば1.0%以上、1.2%以上または1.5%以上であることができる。
眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における最小反射率Rmin(450−700)は、0.5%以上、0.6%以上、0.7%以上または0.8%以上であることができる。最小反射率Rmin(450−700)は、例えば1.0%以下または0.9%以下であることができる。
眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における平均反射率Rm(450−700)は、1.0%以上1.5%以下であることができる。上記平均反射率Rm(450−700)は、1.4%以下または1.3%以下であることができる。また、上記平均反射率Rm(450−700)は、1.1%以上または1.2%以上であることもできる。
<レンズ基材>
上記眼鏡レンズに含まれるレンズ基材は、プラスチックレンズ基材またはガラスレンズ基材であることができる。ガラスレンズ基材は、例えば無機ガラス製のレンズ基材であることができる。レンズ基材としては、軽量で割れ難いという観点から、プラスチックレンズ基材が好ましい。プラスチックレンズ基材としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとするスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する硬化性組成物を硬化した硬化物(一般に透明樹脂と呼ばれる。)を挙げることができる。硬化性組成物は、重合性組成物ともいうことができる。レンズ基材には、公知の添加剤が含まれ得る。添加剤の一例としては、紫外線吸収剤を挙げることができる。紫外線吸収剤を含むレンズ基材によれば、物体側表面から入射して眼鏡装用者の眼に入射する紫外線量を低減することができる。
レンズ基材としては、染色されていないもの(無色レンズ)を用いてもよく、染色されているもの(染色レンズ)を用いてもよい。眼球側表面での紫外線の反射率が低く抑えられた従来の眼鏡レンズは、染色レンズをレンズ基材として含む場合、装用者や観測者が違和感を感じる傾向が強かった。これに対し、上記眼鏡レンズは、レンズ基材が染色レンズであるとしても、良好な外観を呈することができる。レンズ基材が染色レンズである場合、レンズ基材の視感透過率は、例えば20%以上であることができ、30%以上または40%以上であることもできる。また、上記視感透過率は、例えば80%以下または70%以下であることができる。「視感透過率」は、JIS T 7333 :2005にしたがい測定される値である。
レンズ基材の屈折率は、例えば、1.60〜1.75程度であることができる。ただしレンズ基材の屈折率は、上記範囲に限定されるものではなく、上記の範囲内でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。本発明および本明細書において、屈折率とは、波長500nmの光に対する屈折率をいうものとする。また、レンズ基材は、屈折力を有するレンズ(いわゆる度付レンズ)であってもよく、屈折力なしのレンズ(いわゆる度なしレンズ)であってもよい。
上記眼鏡レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等の各種レンズであることができる。レンズの種類は、通常、レンズ基材の両面の面形状により決定される。また、レンズ基材の表面は、凸面、凹面、平面のいずれであってもよい。通常のレンズ基材および眼鏡レンズでは、物体側表面は凸面、眼球側表面は凹面である。ただし、本発明は、これに限定されるものではない。
<多層膜>
上記眼鏡レンズは、少なくともレンズ基材の眼球側表面上に多層膜を有する。レンズ基材の物体側表面上には、多層膜が位置していてもよく、位置していなくてもよい。
レンズ基材の物体側表面上に多層膜が位置する場合、レンズ基材の物体側表面上に位置する多層膜は、眼鏡レンズの物体側表面に、眼鏡レンズの眼球側表面が有する物性の1つ以上と同様の物性をもたらすものであってもよく、もたらさないものであってもよい。一態様では、上記眼鏡レンズは、レンズ基材の物体側表面上に多層膜を有し、CIE標準光源D65下で眼鏡レンズの物体側表面において測定される彩度C*が0.5以上5.0以下であることができる。眼鏡レンズの外観をより一層良好なものとする観点からは、眼鏡レンズの物体側表面においても彩度C*が0.5以上5.0以下であることは好ましい。
また、一態様では、上記眼鏡レンズは、レンズ基材の物体側表面上に多層膜を有し、以下の物性の1つ以上を有することができる。即ち、眼鏡レンズの物体側表面において測定されるRm(280−380)は、10.0%以下であることができる。眼鏡レンズの物体側表面において測定されるRmax(450−700)は、3.0%以下であることができる。眼鏡レンズの物体側表面において測定されるRmin(450−700)は、0.5%以上であることができる。眼鏡レンズの物体側表面において測定されるRm(450−700)は、1.0%以上1.5%以下であることができる。一態様では、眼鏡レンズの物体側表面に付与され得る上記の各種物性に関する数値範囲について、眼球側表面に関する先の記載を参照できる。
多層膜は、レンズ基材の表面上に直接位置してもよく、一層以上の他の層を介して間接的にレンズ基材の表面上に位置してもよい。レンズ基材と多層膜との間に形成され得る層としては、例えば、偏光層、調光層、ハードコート層等を挙げることができる。ハードコート層を設けることにより眼鏡レンズの耐久性(強度)を高めることができる。ハードコート層は、例えば硬化性組成物を硬化した硬化層であることができる。ハードコート層の詳細については、例えば特開2012−128135号公報の段落0025〜0028、0030を参照できる。また、レンズ基材と上記多層膜との間には、密着性向上のためのプライマー層を形成してもよい。プライマー層の詳細については、例えば特開2012−128135号公報の段落0029〜0030を参照できる。
多層膜の成膜方法としては、公知の成膜方法を用いることができる。成膜の容易性の観点からは、成膜は蒸着により行うことが好ましい。即ち、多層膜に含まれる各層は、蒸着膜であることが好ましい。蒸着膜とは、蒸着によって成膜された膜を意味する。本発明および本明細書における「蒸着」には、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が含まれる。真空蒸着法では、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
多層膜は、高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された積層構造を有することができる。本発明および本明細書において、「高屈折率」および「低屈折率」に関する「高」、「低」とは、相対的な表記である。即ち、高屈折率層とは、同じ多層膜に含まれる低屈折率層より屈折率が高い層をいう。換言すれば、低屈折率層とは、同じ多層膜に含まれる高屈折率層より屈折率が低い層をいう。高屈折率層の屈折率は、例えば1.60以上(例えば1.60〜2.40の範囲)であることができ、低屈折率層の屈折率は、例えば1.59以下(例えば1.37〜1.59の範囲)であることができる。ただし上記の通り、高屈折率および低屈折率に関する「高」、「低」の表記は相対的なものであるため、高屈折率材料および低屈折率材料の屈折率は、上記範囲に限定されるものではない。また、屈折率が異なる三種以上の層が多層膜に含まれていてもよい。
高屈折率層を構成する高屈折率材料および低屈折率層を構成する低屈折率材料としては、無機材料、有機材料または有機・無機複合材料を用いることができ、成膜性等の観点からは無機材料が好ましい。即ち、多層膜は、無機多層膜であることが好ましい。具体的には、高屈折率層を形成するための高屈折率材料としては、ジルコニウム酸化物(例えばZrO2)、タンタル酸化物(Ta25)、チタン酸化物(例えばTiO2)、アルミニウム酸化物(Al23)、イットリウム酸化物(例えばY23)、ハフニウム酸化物(例えばHfO2)、およびニオブ酸化物(例えばNb25)からなる群から選ばれる酸化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。一方、低屈折率層を形成するための低屈折率材料としては、ケイ素酸化物(例えばSiO2)、フッ化マグネシウム(例えばMgF2)およびフッ化バリウム(例えばBaF2)からなる群から選ばれる酸化物またはフッ化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。上記の例示では、便宜上、酸化物およびフッ化物を化学量論組成で表示したが、化学量論組成から酸素またはフッ素が欠損もしくは過多の状態にあるものも、高屈折率材料または低屈折率材料として使用可能である。
好ましくは、高屈折率層は高屈折率材料を主成分とする膜であり、低屈折率層は低屈折率材料を主成分とする膜である。ここで主成分とは、膜において最も多くを占める成分であって、通常は膜の質量に対して50質量%程度〜100質量%、更には90質量%程度〜100質量%を占める成分である。上記高屈折率材料または低屈折率材料を主成分とする成膜材料(例えば蒸着源)を用いて成膜を行うことにより、そのような膜(例えば蒸着膜)を形成することができる。成膜材料に関する主成分についても、上記と同様である。膜および成膜材料には、不可避的に混入する不純物が含まれる場合があり、また、主成分の果たす機能を損なわない範囲で他の成分、例えば他の無機物質や成膜を補助する役割を果たす公知の添加成分が含まれていてもよい。成膜は、公知の成膜方法により行うことができ、成膜の容易性の観点からは、蒸着により行うことが好ましい。
多層膜は、例えば、高屈折率層と低屈折率層が交互に合計3〜10層積層された多層膜であることができる。高屈折率層の膜厚および低屈折率層の膜厚は、層構成に応じて決定することができる。詳しくは、多層膜に含まれる層の組み合わせ、および各層の膜厚は、高屈折率層および低屈折率層を形成するための成膜材料の屈折率と、多層膜を設けることにより眼鏡レンズにもたらしたい各種物性に基づき、公知の手法による光学的シミュレーションにより決定することができる。
多層膜の層構成としては、例えば、レンズ基材側からレンズ最表面側に向かって、
第一層(低屈折率層)/第二層(高屈折率層)/第三層(低屈折率層)/第四層(高屈折率層)/第五層(低屈折率層)/第六層(高屈折率層)/第七層(低屈折率層)の順に積層された構成;
第一層(低屈折率層)/第二層(高屈折率層)/第三層(低屈折率層)/第四層(高屈折率層)/第五層(低屈折率層)/第六層(高屈折率層)/第七層(低屈折率層)/第八層(高屈折率層)/第九層(低屈折率層)の順に積層された構成;
等を挙げることができる。また、第一層が高屈折率層である構成、屈折率が異なる三種の層(高屈折率層、低屈折率層、および高屈折率層より低く低屈折率層より高い屈折率を有する層(中屈折率層))を含む構成等も例示できる。なお、上記の層構成の例示において、「/」との表記は、「/」の左に記載されている層と右に記載されている層が直接接する場合と、「/」の左に記載されている層と右に記載されている層の間に後述する導電性酸化物層が存在す場合とを包含する意味で用いられている。
多層膜に含まれる低屈折率層と高屈折率層の組み合わせの好ましい一例としては、ケイ素酸化物を主成分とする層(ケイ素酸化物層;低屈折率層)とジルコニウム酸化物を主成分とする層(ジルコニウム酸化物層;高屈折率層)との組み合わせを挙げることができる。また、ケイ素酸化物を主成分とする層(ケイ素酸化物層;低屈折率層)とニオブ酸化物を主成分とする層(ニオブ酸化物層;高屈折率層)との組み合わせを挙げることもできる。ケイ素酸化物を主成分とする層(ケイ素酸化物層;低屈折率層)とタンタル酸化物を主成分とする層(タンタル酸化物層;高屈折率層)との組み合わせを挙げることもできる。ケイ素酸化物を主成分とする層(ケイ素酸化物層;低屈折率層)とチタン酸化物を主成分とする層(チタン酸化物層;高屈折率層)との組み合わせを挙げることもできる。上記組み合わせの二層が直接接するか、または上記組み合わせの二層の間に後述する導電性酸化物層が存在する積層構造を少なくとも1つ含む多層膜を、多層膜の一例として例示することができる。また、上記の低屈折率層と高屈折率層との組み合わせを有し、かつ中屈折率層としてアルミニウム酸化物層を含む多層膜も、好ましい一例として例示できる。
多層膜に含まれる高屈折率層および低屈折率層の各層の膜厚は、例えば3〜500 nmであることができ、多層膜の総厚は、例えば100〜900nmであることができる。
多層膜は、以上説明した高屈折率層および低屈折率層に加えて、導電性酸化物を主成分とする層(導電性酸化物層)、好ましくは導電性酸化物を主成分とする蒸着源を用いる蒸着により形成された導電性酸化物の蒸着膜の一層以上を、多層膜の任意の位置に含むこともできる。導電性酸化物層に関して記載する主成分についても、上記と同様である。
導電性酸化物層としては、眼鏡レンズの透明性の観点から、膜厚10nm以下の酸化インジウムスズ(tin−doped indium oxide;ITO)層、膜厚10nm以下のスズ酸化物層、および膜厚10nm以下のチタン酸化物層が好ましい。酸化インジウムスズ(ITO)層とは、ITOを主成分として含む層である。この点は、スズ酸化物層、チタン酸化物層についても同様である。多層膜が導電性酸化物層を含むことにより、眼鏡レンズが帯電し塵や埃が付着することを防ぐことができる。本発明および本明細書において、多層膜に含まれる「高屈折率層」および「低屈折率層」としては、膜厚10nm以下の酸化インジウムスズ(ITO)層、膜厚10nm以下のスズ酸化物層、および膜厚10nm以下のチタン酸化物層は考慮されないものとする。即ち、これらの層の一層以上が多層膜に含まれる場合であっても、これらの層は、「高屈折率層」または「低屈折率層」とは見做さないものとする。膜厚10nm以下の上記の導電性酸化物層の膜厚は、例えば0.1nm以上であることができる。
更に、多層膜上には、更なる機能性膜を形成することもできる。そのような機能性膜としては、撥水性または親水性の防汚膜、防曇膜等の各種機能性膜を挙げることができる。これら機能性膜については、いずれも公知技術を適用することができる。
<眼鏡レンズの物性>
眼鏡レンズの外観品質向上の観点からは、眼鏡レンズの視感反射率Rvが低いことは好ましい。上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される視感反射率Rvは、一態様では、1.5%以下であることができ、1.4%以下または1.3%以下であることもできる。また、一態様では、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される視感反射率Rvは、0.5%以上であることができる。また、上記眼鏡レンズの物体側表面において測定される視感反射率Rvは、一態様では、1.5%以下であることができ、1.4%以下または1.3%以下であることもできる。また、一態様では、上記眼鏡レンズの物体側表面において測定される視感反射率Rvは、0.5%以上であることができる。 視感反射率Rvは、例えば眼鏡レンズに設ける多層膜の層構成によって調整することができ、層構成は、例えば公知の方法による光学的シミュレーションによって決定することができる。
[眼鏡]
本発明の更なる態様は、上記の本発明の一態様にかかる眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。この眼鏡に含まれる眼鏡レンズの詳細については、先に記載した通りである。上記眼鏡レンズは、かかる眼鏡レンズを備えることにより、良好な外観を呈することができ、かつ眼鏡装用者に良好な装用感をもたらすことができる。フレーム等の眼鏡の構成については、特に制限はなく、公知技術を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に説明する。ただし本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
実施例および比較例では、眼球側、物体側とも、多層蒸着膜は、レンズ基材側(ハードコート側)から眼鏡レンズ表面側に向かって、下記の表の上方に示す蒸着源から下方に示す蒸着源を順次用いて、第1層、第2層…の順に積層し、眼鏡レンズ表面側最外層が下記の表の最下欄に示す蒸着源により形成された層となるように形成した。これら実施例よび比較例では、不可避的に混入する可能性のある不純物を除けば表に示す酸化物からなる蒸着源を使用し、表に示す膜厚の各層を順次形成した。
[実施例1]
両面が光学的に仕上げられ予めハードコートが施された、物体側表面が凸面、眼球側表面が凹面であるプラスチックレンズ基材(無色レンズ、屈折率1.67)の凹面側(眼球側)のハードコート表面に、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を形成した。
凸面側(物体側)のハードコート表面にも同じ条件でイオンアシスト蒸着により同表に示す層構成の多層蒸着膜を形成した。
以上により、実施例1の眼鏡レンズを得た。
[実施例2]
下記の表に示す条件でイオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を、凹面側および凸面側のハードコート表面にそれぞれ形成した点以外、実施例1と同じ方法により実施例2の眼鏡レンズを得た。
[実施例3]
下記の表に示す条件でイオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を、凹面側および凸面側のハードコート表面にそれぞれ形成した点以外、実施例1と同じ方法により実施例3の眼鏡レンズを得た。
[実施例4]
下記の表に示す条件でイオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を、凹面側および凸面側のハードコート表面にそれぞれ形成した点以外、実施例1と同じ方法により実施例4の眼鏡レンズを得た。
[実施例5]
凸面側(物体側)のハードコート表面に、下記の表に示す条件でイオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を形成した点以外は実施例1と同じ方法により、実施例5の眼鏡レンズを得た。
[実施例6]
下記の表に示す条件でイオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を、凹面側および凸面側のハードコート表面にそれぞれ形成した点以外、実施例1と同じ方法により実施例6の眼鏡レンズを得た。
[比較例1]
下記の表に示す条件でイオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を、凹面側および凸面側のハードコート表面にそれぞれ形成した点以外、実施例1と同じ方法により比較例1の眼鏡レンズを得た。
[比較例2]
下記の表に示す条件でイオンアシスト蒸着により下記の表に示す層構成の多層蒸着膜を、凹面側および凸面側のハードコート表面にそれぞれ形成した点以外、実施例1と同じ方法により比較例2の眼鏡レンズを得た。
[各種物性の測定方法]
<1.反射分光特性>
実施例および比較例の各眼鏡レンズの眼球側表面、物体側表面のそれぞれにおいて、光学中心における直入射反射分光特性を測定した。
上記測定は、オリンパス社製レンズ反射率測定器USPM−RUを用いて行った(測定ピッチ:1nm)。実施例および比較例の各眼鏡レンズについて得られた反射スペクトルを、図1〜図8に示す。
図1は、実施例1の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
図2は、実施例2の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
図3は、実施例3の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
図4は、実施例4の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
図5は、実施例5の眼鏡レンズの物体側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
図6は、実施例6の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
図7は、比較例1の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
図8は、比較例2の眼鏡レンズの眼球側表面における測定により得られた反射スペクトルである。
上記で測定された直入射反射分光特性から、下記の表に示す各種反射率を求めた。
<2.彩度C*、色相角h>
CIE標準光源D65下で、実施例および比較例の各眼鏡レンズの彩度C*および色相角hを測定した。
<3.視感反射率>
上記1.で得られた直入射反射分光特性の測定結果を用いて、JIS T 7334:2011にしたがい、実施例および比較例の各眼鏡レンズの視感反射率Rvを求めた。
実施例1〜4、6、比較例1、2の眼鏡レンズは、両面に同じ層構成の多層蒸着膜を有するため、物体側表面において測定される各種物性は、眼球側表面において測定される物性と同様である。
実施例5の眼鏡レンズは、眼球側表面に実施例1と同じ多層蒸着膜を有するため、眼球側表面において測定される各種物性は、実施例1の眼球側表面において測定される物性と同様である。
以上の測定の結果を、下記の表に示す。
実施例1〜6の各眼鏡レンズは、眼球側表面において測定される280〜380nmの波長領域における平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下である。したがって、実施例1〜6の各眼鏡レンズによれば、眼球側表面で反射されて装用者の眼に入射する紫外線量を低減することができるため、装用者の眼への負担を低減して良好な装用感をもたらすことができる。
実施例1の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は白色をしておりほとんど色味が感じられなかった。
実施例2の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は黄色みのある白色であった。
実施例3の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は青味がかった白色であった。
実施例4の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は薄い白色であった。
実施例5の眼鏡レンズは、眼球側表面に実施例1と同じ多層蒸着膜が設けられ、物体側表面には紫外線の反射率が比較的高い多層蒸着膜が設けられている。実施例5の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は白色でありほとんど色味が感じられなかった。
実施例6の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は白色をしておりほとんど色味が感じられなかった。
実施例1〜6の各眼鏡レンズは、良好な外観を呈していた。
比較例1の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は鮮やかな青紫色であった。
比較例2の眼鏡レンズを眼球側や物体側から観察したところ、眼鏡レンズ表面における反射色は鮮やかな緑色であった。
[外観評価試験]
1.試験対象レンズの作製
レンズ基材として下記サンプル1〜4を用いた点以外は実施例1〜3、比較例1、2と同じ方法により眼鏡レンズを作製した。
サンプル1.視感透過率30%となるようブラウンに染色されたプラスチックレンズ基材
サンプル2.視感透過率60%となるようブラウンに染色されたプラスチックレンズ基材
サンプル3.視感透過率30%となるようグレーに染色されたプラスチックレンズ基材
サンプル4.視感透過率60%となるようグレーに染色されたプラスチックレンズ基材
2.官能試験
作製した試験対象レンズの外観を眼球側や物体側から10名の被験者に確認させて、外観上好ましいと感じた順に1:最も好ましい(5点)、2:好ましい(4点)、3:普通(3点)、4:悪い(2点)、最も悪い(1点)と順位付けをした。10名の被験者による順位付けの結果を、図9に示す。
図9に示されている順位付けの結果から、サンプル1〜4のいずれのレンズ基材を用いた場合でも、被験者が感じる外観として、実施例2と同じ多層蒸着膜を有する試験対象レンズは好ましい外観をもたらし、実施例3と同じ多層蒸着膜を有する試験対象レンズはより好ましい外観をもたらし、実施例1と同じ多層蒸着膜を有する試験対象レンズは更に好ましい外観をもたらしたことが確認できる。
更に、図9に示す結果から、色相角hが比較的高い場合、すなわち反射色が白色や青味がかった白色の場合、被験者が感じる外観はより良くなることも確認できる。
これに対し、図9に示されている順位付けの結果から、サンプル1〜4のいずれのレンズ基材を用いた場合でも、被験者が感じる外観について、比較例2と同じ多層蒸着膜を有する試験対象レンズは、上記の試験対象サンプルと比べて外観が悪く、比較例1と同じ多層蒸着膜を有する試験対象レンズは外観がより悪いことも確認できる。レンズ基材の色に対して鮮やかな反射色が重なると、その色味の差異から装用者や観測者に違和感をもたらすと推測される。
最後に、前述の各態様を総括する。
一態様によれば、レンズ基材と、上記レンズ基材の眼球側表面上に位置する多層膜と、を少なくとも含み、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長領域における平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下であり、かつCIE標準光源D65下で眼鏡レンズの眼球側表面において測定される彩度C*が0.5以上5.0以下である眼鏡レンズが提供される。
上記眼鏡レンズは、良好な外観を呈することができ、かつ、この眼鏡レンズを備える眼鏡の装用者に良好な装用感をもたらすことができる。
一態様では、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される視感反射率Rvは、0.5%以上1.5%以下であることができる。
一態様では、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における最大反射率Rmax(450−700)は、3.0%以下であることができる。
一態様では、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における最小反射率Rmin(450−700)は、0.5%以上であることができる。
一態様では、上記眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における平均反射率Rm(450−700)は、1.0%以上1.5%以下であることができる。
できる。
本発明の更なる態様は、上記眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。
本明細書に記載の各種態様は、任意の組み合わせで2つ以上を組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、眼鏡レンズおよび眼鏡の製造分野において有用である。

Claims (6)

  1. レンズ基材と、前記レンズ基材の眼球側表面上に位置する多層膜と、を少なくとも含み、
    眼鏡レンズの眼球側表面において測定される280〜380nmの波長領域における平均反射率Rm(280−380)が10.0%以下であり、かつ
    CIE標準光源D65下で眼鏡レンズの眼球側表面において測定される彩度C*が0.5以上5.0以下である眼鏡レンズ。
  2. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される視感反射率Rvが0.5%以上1.5%以下である、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における最大反射率Rmax(450−700)が3.0%以下である、請求項1または2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における最小反射率Rmin(450−700)が0.5%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  5. 眼鏡レンズの眼球側表面において測定される450〜700nmの波長領域における平均反射率Rm(450−700)が1.0%以上1.5%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼鏡レンズを備えた眼鏡。
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