JPWO2016084950A1 - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

安定性に優れる、ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を提供すること。(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が8.0以下である、医薬組成物。

Description

本発明は、脂質異常症等の疾患の予防及び/又は治療に有用なジベンジルアミン構造を有するピリミジン化合物である、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物等に関する。
下記式(1):
Figure 2016084950
で表される、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸(以下、本明細書において、「ピリミジン化合物(1)」と表記する場合がある。)は、コレステロールエステル転送タンパク(CETP:Cholesteryl ester transfer protein)阻害作用、プロタンパク質コンバターゼサブチリシン/ケキシン9型(PCSK9:Proprotein convertase subtilisin/kexin 9)タンパク量低下作用等を有し、脂質異常症などの疾患の予防や治療に有用であることが知られている(特許文献1、2、3)。
ところで、医薬品の有効成分として有用な化合物は通常何らかの医薬組成物として製剤化されて投与されることとなるが、医薬組成物が製造されてから投与されるまでに長期間経過することも珍しいことではない。そのため、期待する薬効の発揮の観点や予期せぬ副作用の回避の観点から、医薬組成物中での有効成分の安定性の確保が極めて重要となる。
しかしながら、有効成分の安定性はその物理的・化学的特性に大きく左右されるところ、当該特性はその化学構造等から予め予測出来ないことが多く、医薬組成物を実際に製造して初めて問題が判明することも少なくない。
そのため、医薬組成物中での有効成分の安定性を確保する技術の確立には多大な試行錯誤を要するのが通常である。
国際公開第2008/129951号 国際公開第2011/152508号 国際公開第2012/046681号
ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物についてはこれまでに具体的に検討されておらず、医薬組成物中での安定性についてはこれまでに全く報告されていない。そこで、本発明は、安定性に優れる、ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、安定性に優れるピリミジン化合物(1)含有医薬組成物を提供するため、まずピリミジン化合物(1)の物理的・化学的特性につき鋭意検討した。しかるところ、その安定性がpH環境に大きく影響を受け、高pH環境では極めて不安定であり速やかに分解される一方で低pH環境では極めて安定であること、そして、ピリミジン化合物(1)のpH環境が低pH値となるように製剤化すれば安定性に優れるピリミジン化合物(1)含有医薬組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が8.0以下である、医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値を8.0以下に調整する、医薬組成物中の(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の安定化方法を提供するものである。
本発明によれば、ピリミジン化合物(1)の、医薬組成物中での安定性を良好なものとすることができる。
参考例1中、1−3で得られたピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の粉末X線回折パターンを示す図である。 参考例1中、1−3で得られたピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の熱分析測定(TG−DTA測定)データを示す図である。
本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明を開示する。
[1](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が8.0以下(好適には、2.0〜8.0)である、医薬組成物。
[2]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が7.5以下(好適には、2.0〜7.5)である、[1]記載の医薬組成物。
[3]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が7.0以下(好適には、2.0〜7.0)である、[1]記載の医薬組成物。
[4]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が6.5以下(好適には、2.0〜6.5)である、[1]記載の医薬組成物。
[5]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が6.0以下(好適には、2.0〜6.0)である、[1]記載の医薬組成物。
[6]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が5.8以下(好適には、2.0〜5.8)である、[1]記載の医薬組成物。
[7]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が5.0以下(好適には、2.0〜5.0)である、[1]記載の医薬組成物。
[8]経口投与用固形製剤(好適には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び散剤よりなる群から選ばれる経口投与用固形製剤)である、[1]〜[7]のいずれかに記載の医薬組成物。
[9](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が、以下の<A>〜<K>から選ばれるいずれかである、[1]〜[8]のいずれかに記載の医薬組成物:
<A>(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸の塩酸塩;
<B>1塩酸塩である、<A>記載の塩酸塩;
<C>(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶;
<D>1塩酸塩である、<C>記載の結晶;
<E>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<F>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<G>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、18.3±0.2°付近及び20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<H>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<I>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、図1に示されたものと実質的に同一である、<C>又は<D>記載の結晶;
<J>示差熱分析(DTA)において、162±5.0℃付近に吸熱ピークを有する、<C>〜<I>のいずれかに記載の結晶;
<K>熱分析測定(示差熱分析(DTA)及び熱質量測定(TG))結果が、図2に示されたものと実質的に同一である、<C>〜<I>のいずれかに記載の結晶。
[10](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値を、8.0以下に調整する工程を含む、医薬組成物中の(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の安定化方法。
[11]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が7.5以下(好適には、2.0〜7.5)である、[10]記載の方法。
[12]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が7.0以下(好適には、2.0〜7.0)である、[10]記載の方法。
[13]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が6.5以下(好適には、2.0〜6.5)である、[10]記載の方法。
[14]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が6.0以下(好適には、2.0〜6.0)である、[10]記載の方法。
[15]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が5.8以下(好適には、2.0〜5.8)である、[10]記載の方法。
[16]0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が5.0以下(好適には、2.0〜5.0)である、[10]記載の方法。
[17]医薬組成物が、経口投与用固形製剤(好適には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び散剤よりなる群から選ばれる経口投与用固形製剤)である、[10]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が、以下の<A>〜<K>から選ばれるいずれかである、[10]〜[17]のいずれかに記載の方法:
<A>(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸の塩酸塩;
<B>1塩酸塩である、<A>記載の塩酸塩;
<C>(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶;
<D>1塩酸塩である、<C>記載の結晶;
<E>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<F>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<G>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、18.3±0.2°付近及び20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<H>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、<C>又は<D>記載の結晶;
<I>銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、図1に示されたものと実質的に同一である、<C>又は<D>記載の結晶;
<J>示差熱分析(DTA)において、162±5.0℃付近に吸熱ピークを有する、<C>〜<I>のいずれかに記載の結晶;
<K>熱分析測定(示差熱分析(DTA)及び熱質量測定(TG))結果が、図2に示されたものと実質的に同一である、<C>〜<I>のいずれかに記載の結晶。
(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸(ピリミジン化合物(1))は、前記式(1)で表される公知の化合物であり、例えば、特許文献2、特許文献3に開示の方法により製造することができる。これらの文献の記載は、本明細書において参照により引用する。
本明細書において、「(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」には、ピリミジン化合物(1)そのもののほか、ピリミジン化合物(1)の薬学上許容される塩、さらにはピリミジン化合物(1)やその薬学上許容される塩と、水やアルコール等との溶媒和物も含まれる。薬学上許容される塩としては特に限定されないが、例えば酸付加塩や塩基付加塩等が挙げられる。具体的には、酸付加塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩のような無機酸との酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等の有機酸との酸付加塩が挙げられる。また、塩基付加塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩;アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、コリジン、ルチジン等のアミンとの塩;リシン、アルギニン、シンコニン、シンコニジン等の有機塩基との塩基付加塩等が挙げられる。
ピリミジン化合物(1)の塩としては、医薬組成物を0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合のpH値を後述の範囲に調整する観点から酸付加塩が好ましい。
また、別の観点から、ピリミジン化合物(1)の塩としては、塩酸塩(好適には、1塩酸塩)が好ましく、塩酸塩の結晶(好適には、1塩酸塩の結晶)がより好ましい。ピリミジン化合物(1)のフリー体は結晶化が困難であるところ、本出願人は、別途、種々の塩の中でも塩酸塩とした場合に熱安定性に優れた結晶が得られることを見出し、特許出願を行った(2014年5月30日付の国際出願(PCT/JP2014/064372))。なお、本出願明細書の記載は、本明細書において参照により引用する。
従って、ピリミジン化合物(1)の塩として、前記の塩酸塩、特に前記の塩酸塩の結晶を用いる場合には、熱安定性が良好で、品質が良好で、かつ前記脂質異常症予防又は治療効果に優れた医薬組成物を得ることができる。また、塩酸塩の結晶は固体状であるため、医薬組成物、特に固形製剤の製造時において取扱い易いという利点も有する。
以下、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩について詳述する。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩において、塩酸の数は特に限定されず、1塩酸塩、2塩酸塩、3塩酸塩及び4塩酸塩のいずれでもよく、さらにこれらの混合物であってもよいが、安定な酸付加塩として得られる点から1塩酸塩が好ましい。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩としては、下記式(2):
Figure 2016084950
で表される、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 1塩酸塩が好ましい。
ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶としては、その具体的な結晶形は特に限定されず、異なる結晶形のいずれでもよく、また、これらの混合物であってもよく、さらに、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の非晶質との混合物であってもよい。
ピリミジン化合物(1) 塩酸塩が結晶であるか否かは、例えばX線回折測定(具体的には、粉末X線回折測定等)、熱分析測定(具体的には、示差熱分析法(DTA)、示差走査熱量測定法(DSC)等)、偏光性の確認(具体的には、偏光顕微鏡による観察等)、固体NMR測定など、結晶性を判断する公知の方法により確認できる。例えば、ある固体状のピリミジン化合物(1) 塩酸塩について銅Kα線の照射による粉末X線回折測定を行い、明確なピークが観察される場合には、そのピリミジン化合物(1) 塩酸塩は結晶であると確認できる。なお、結晶性を判断する方法(粉末X線回折測定法、熱分析法など)は、日本薬局方、米国薬局方、欧州薬局方等の記載を参考に実施できる。
また、これらの結晶の確認は他の成分の共存下で行ってもよい。例えば、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩、及び製薬上許容される担体を含有する固形状の医薬組成物(錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤など)においては、固形状の医薬組成物を必要に応じて粉砕し、X線回折測定を行い、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩由来のピークが観察される場合には、そのピリミジン化合物(1)の塩酸塩は結晶であると確認できる。
ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶としては、銅Kα線を照射した場合に得られる粉末X線回折パターンが、少なくとも14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有する結晶が好ましく、少なくとも20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する結晶がより好ましく、少なくとも18.3±0.2°付近及び20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する結晶がさらに好ましく、少なくとも14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する結晶がさらにより好ましく、図1に示されたものと実質的に同一である結晶が特に好ましい。
また、別の観点から、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶としては、示差熱分析(DTA)において約162±5℃付近に吸熱ピークを有する結晶が好ましく、熱分析測定(示差熱分析(DTA)及び熱質量測定(TG))結果が図2に示されたものと実質的に同一である結晶がより好ましい。
なお、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩やその結晶は、水和物などの溶媒和物であってもよく、無水物などの非溶媒和物であってもよいが、無水物であるのが好ましい。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩及びその結晶は、例えば、それぞれ以下の工程:
(工程1)ピリミジン化合物(1)のフリー体からの、塩酸塩の形成
(工程2)ピリミジン化合物(1)の塩酸塩からの、結晶の形成
により製造することができる。
以下、各工程に分けて詳述するが、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩やその結晶の製造方法は、以下に記載の方法に何ら限定されるものではない。
<工程1:ピリミジン化合物(1)のフリー体からの、塩酸塩の形成>
本工程は、溶媒存在下、ピリミジン化合物(1)と塩化水素を共存させて塩酸塩を形成する工程である。具体的には、本工程は、ピリミジン化合物(1)のフリー体を溶媒に溶解し、塩化水素を供給して塩形成を行う工程である。
本工程において、出発原料となるピリミジン化合物(1)のフリー体は、例えば、特許文献2に記載の方法に従って製造することができる。
本工程は、溶媒の存在下で行う。溶媒としては、塩酸塩形成に関与しないものであれば特に制限は無いが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル等の酢酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、3−ペンタノン等のケトン類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類が挙げられ、これらを単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。なお、2種以上の溶媒を用いる場合には、これらを混合した後にピリミジン化合物(1)を溶解させてもよいし、1種の溶媒にピリミジン化合物(1)を溶解させた後に、残りの溶媒を加えてもよい。
溶媒としては、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、酢酸エチル及び酢酸イソプロピルから選ばれる1種以上が好ましく、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン及び酢酸イソプロピルから選ばれる1種以上がより好ましく、tert−ブチルメチルエーテル又は酢酸イソプロピルが特に好ましい。
溶媒の量は特に制限は無いが、ピリミジン化合物(1)のフリー体の重量に対する容量比として、1〜20倍量(V/W)、好ましくは5〜15倍量(V/W)を用いればよい。
塩化水素の供給源は特に制限されず、塩化水素ガスを溶液中に直接吹き込むほか、入手容易な濃塩酸、4M HCl/酢酸エチル溶液、4M HCl/1,4−ジオキサン溶液等を利用できる。
塩化水素の量は、特に制限は無いが、ピリミジン化合物(1)のフリー体に対して、1〜5モル当量が好ましく、1〜4モル当量が特に好ましい。
塩形成の温度は、特に制限は無いが、通常−50〜150℃の範囲であり、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは−10〜40℃である。塩形成に要する時間は、特に制限は無いが、通常5分〜48時間であり、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは30分〜3時間である。
生成したピリミジン化合物(1)の塩酸塩は単離できる。この場合においては、固体として析出した塩を、濾過などの当該技術分野で通常用いられる方法により単離し、さらに必要に応じて当該技術分野で通常用いられる方法で乾燥させればよい。乾燥手段は特に限定されず、加熱及び/又は減圧条件下での乾燥等が挙げられる。乾燥温度は50℃以下が好ましく、40〜50℃がより好ましい。乾燥時間は1〜24時間が好ましく、6〜12時間がより好ましい。
<工程2:ピリミジン化合物(1)の塩酸塩からの、結晶の形成>
本工程は、溶媒存在下、工程1で得られたピリミジン化合物(1)の塩酸塩(例えば、非晶質のもの)を結晶化する工程である。具体的には、本工程は、工程1で得られたピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に添加し、必要に応じて加熱等して溶解し、その後冷却等して結晶化を行う工程である。
本工程は、溶媒の存在下で行う。溶媒としては例えば、2−プロパノールとヘプタンの混液、又はメチルエチルケトンとヘプタンの混液が挙げられ、2−プロパノールとヘプタンの混液が好ましい。溶媒の混合比率は特に限定されないが、2−プロパノール又はメチルエチルケトンの容量に対する容量比として、ヘプタンを0.1〜2倍量(V/V)、好ましくは0.2〜1倍量(V/V)用いればよい。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶解する場合、あらかじめ溶媒を混合した後にピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶解させてもよいが、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を2−プロパノール又はメチルエチルケトンに溶解させた後、ヘプタンを添加するのが好ましい。
溶媒の量は特に制限は無いが、混合溶媒総量として、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩の重量に対する容量比として、1〜20倍量(V/W)、好ましくは、5〜10倍量(V/W)を用いればよい。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶かす際の温度は、特に制限は無いが、通常40〜100℃の範囲で行えばよく、好ましくは50〜80℃である。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩の結晶化の温度は、特に制限は無いが、通常5〜40℃の範囲で行えばよく、好ましくは10〜35℃、より好ましくは10〜30℃、特に好ましくは15〜25℃である。なお、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶かす際の温度と、結晶化の温度に乖離がある場合は、温度差に応じて、適宜1〜10時間程度でゆっくりと冷却すればよい。
結晶化に要する時間は、特に制限は無いが、通常1時間以上、好ましくは6〜24時間、より好ましくは8〜16時間である。
析出したピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は、濾過などの当該技術分野で通常用いられる方法で単離し、さらに必要に応じて当該技術分野で通常用いられる方法で乾燥させればよい。乾燥手段は特に限定されず、加熱及び/又は減圧条件下での乾燥等が挙げられる。乾燥温度は50℃以下が好ましく、40〜50℃がより好ましい。乾燥時間は1〜24時間が好ましく、6〜12時間がより好ましい。
なお、工程2は、別途製造したピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶(種晶)の存在下で行ってもよい。この場合、溶媒としては、前記したものに代えて、酢酸イソプロピルを用いてもよい。種晶の量は特に制限は無いが、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩に対して、0.00001〜0.05質量部、好ましくは0.0001〜0.01質量部を用いればよい。
種晶は、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶解した後に添加するのが好ましい。
さらに、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶を製造する場合には、製造工程の簡略化の観点から、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を単離せず工程1と工程2とを連続して行い、ピリミジン化合物(1)のフリー体から溶媒存在下で塩酸塩の結晶を製造できる。この場合、溶媒としては、酢酸イソプロピルが好ましい。
また、工程1において塩形成のための時間を省略して工程2を行うことも可能である。すなわち、ピリミジン化合物(1)のフリー体を溶媒に溶解し、塩化水素を供給した後、加熱等し、その後冷却等して結晶化を行うことも可能である。
その他の各工程の操作等は、前記したものと同様である。
本明細書において、医薬組成物を「0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値」とは、ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を、ピリミジン化合物(1)のフリー体換算の濃度として0.08mg/mLとなるように、0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散し、得られた溶液のpHを25℃で測定して得られる値を意味する。なお、ピリミジン化合物(1)は、水に対する溶解性が低いため、界面活性剤である臭化セチルトリメチルアンモニウムを用いて可溶化することにより、pH環境による影響をより正確に評価することができる。
0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値としては、ピリミジン化合物(1)の安定性の観点から、8.0以下である必要があるが、7.0以下(より好適には2.0〜7.0)であるのが好ましく、6.5以下(より好適には2.0〜6.5)であるのがより好ましく、6.0以下(より好適には2.0〜6.0)であるのがさらに好ましく、5.8以下(より好適には2.0〜5.8)であるのが特に好ましい。
医薬組成物を、0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値を前記の範囲に調整する具体的手段は特に限定されず、当業者であれば、pH値を確認しつつ配合成分の種類及び量を調整する等により適宜調整し得るが、具体的には例えば、以下のような手段:
(1)ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物として、前記の酸付加塩(無機酸塩、有機酸塩等)を用いる手段;
(2)酸性〜中性の製剤添加物(具体的には例えば、水に溶解させたときの25℃でのpH値が8.0以下の値を示すもの。)を医薬組成物に配合する手段;
を用いることができる。ここで、酸性〜中性の製剤添加物としては、具体的には例えば、有機酸、無機酸等の酸類や、カルボキシル基等の酸性官能基を有する成分等が挙げられる。
本明細書において、「医薬組成物」の具体的形状(剤形)は特に限定されるものではなく、固形状、半固形状、液状のいずれの形状であってもよく、その利用目的等に応じて選択することができる。医薬組成物の剤形としては、例えば、第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形が挙げられる。より具体的には、経口投与用の剤形としては、錠剤(例えば、通常錠、口腔内崩壊型錠剤、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠などを含む。)、カプセル剤、顆粒剤(例えば、発泡顆粒剤などを含む。)、散剤等の経口投与用固形製剤;経口ゼリー剤等の経口投与用半固形状製剤;経口液剤(例えば、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤などを含む。)等の経口投与用液状製剤等が挙げられる。また、非経口投与用の剤形としては、注射剤、吸入剤、点眼剤、点耳剤、点鼻剤、坐剤、外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。
医薬組成物の剤形としては、服用の容易性の観点から、経口投与用固形製剤が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤又は散剤が特に好ましい。
医薬組成物は、その剤形に応じ、例えば第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。この場合において、医薬組成物には、製薬上許容される担体(添加物)を加えてもよい。こうした添加物としては、例えば、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、希釈剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピリミジン化合物(1)は、CETP阻害作用、PCSK9タンパク量低下作用等を有する。従って、ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物は、脂質異常症、高LDL血症、低HDL血症などの疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬として利用できる。
ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物の投与方法は、経口投与でも非経口投与でも良いが、服用の容易性の観点から、経口投与が好ましい。
ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって異なるが、通常成人の場合、ピリミジン化合物(1)のフリー体に換算して、約0.01〜1000mgを1日1〜4回に分けて投与することができる。好ましくは約0.1〜100mgを1日1〜4回に分けて投与することができる。
以下、実施例、試験例、参考例等により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。以下の実施例、試験例、参考例等において、ピリミジン化合物(1)のフリー体は、特許文献2に記載の方法によって製造することができる。また、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩及びその結晶は、後記 参考例1に記載の方法によって製造することができる。
なお、下記実施例、試験例、参考例等で用いられている略号は下記の意味を示す。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:クアルテット(quartet)
m:マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
1H−NMR:プロトン核磁気共鳴
[試験例1]ピリミジン化合物(1)の各種pH条件下での安定性の検討
2013年版米国薬局方(U.S.Pharmacopeia)の緩衝液に関する項の記載に準じ、25℃で以下のpHを示す緩衝液を調製した:pH2.0(塩酸緩衝液)、3.0、4.0(以上、フタル酸緩衝液)、4.5、5.0、5.8(以上、中和フタル酸緩衝液)、6.0、6.5、7.0、7.5(以上、リン酸緩衝液)、8.0、8.5、9.0(以上、ホウ酸緩衝液)。
得られた緩衝液に0.1w/v%となる量の臭化セチルトリメチルアンモニウムを溶解させた後、0.08mg/mLとなる量のピリミジン化合物(1)を溶解・分散させて、各種pH条件の試験液を得た。
得られた各種試験液を25℃にて3時間保存し、試験開始時及び3時間保存後のピリミジン化合物(1)の残存率を評価した。残存率は、各試験液につき、HPLC装置を用いて、ピリミジン化合物(1)及びその分解物に由来する総ピーク面積に対する面積百分率として測定した。なお、HPLC装置を用いた測定は、カラムとしてODSカラムを、移動相としてアセトニトリル/水/TFA混液を、検出器として紫外吸光光度計(波長:242nm)をそれぞれ用いて行った。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2016084950
Figure 2016084950
表1及び表2に示される試験結果のとおり、ピリミジン化合物(1)はpH8.0以下の環境では安定であり、pH5.0にかけてpH値が低くなるに従い残存率が向上する一方、pH8.0を超えると大きく不安定化し、pH9.0では3時間保存後において残存率が0%となった。
以上から、ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値を8.0以下とすることにより、ピリミジン化合物(1)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の安定性に優れる医薬組成物が得られることが明らかとなった。
[実施例1]
ピリミジン化合物(1)1塩酸塩の結晶、並びに汎用の添加物(賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤など)を用いて、常法により1錠当たり312mgの錠剤を製造した。
得られた錠剤は、1錠当たりにピリミジン化合物(1)1塩酸塩の結晶を104.5mg(ピリミジン化合物(1)のフリー体換算で100mg)含有するものであった。
<実施例1の錠剤のpH値>
実施例1の錠剤をすりつぶし、ピリミジン化合物(1)をフリー体換算で8mg含有する量の錠剤末(24.96mg)を25℃にて0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液100mLに溶解・分散させたところ、そのpH値は3.9であった。
<実施例1の錠剤中のピリミジン化合物(1)の安定性>
実施例1の錠剤を無包装状態で25℃、60%相対湿度の条件下で6ヶ月間保存した。
保存後、錠剤中のピリミジン化合物(1)の含量を測定し、保存前後での錠剤中のピリミジン化合物(1)の含量変化(残存率)を評価した。なお、錠剤中のピリミジン化合物(1)の含量は、高速液体クロマトグラフィーを用いて得られるピーク面積を、濃度既知のピリミジン化合物(1)の標準物質のピーク面積と比較する方法により測定した。
残存率は100%であり、実施例1の錠剤は安定性に優れることが明らかとなった。
[参考試験例1]結晶化条件の検討
各種サンプル(ピリミジン化合物(1)のフリー体、及びその塩類(塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、D−(−)−アルギニン塩、シンコニジン塩))について、以下の方法により結晶化条件を検討した。
なお、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩は参考例1中、1−1の工程1記載の方法にて得た。また、他の塩類は、メタノールに溶解したピリミジン化合物(1)のフリー体と、水に溶解した酸又は塩基とを、等モルで混合撹拌した後で溶媒を留去することにより得た。
各種サンプルを4〜100倍量(V/W)の溶媒1に溶解した。得られた溶液に、当該溶液が濁り始めるまで溶媒2を添加した後、所定の操作を行った。その後、溶液の状態を目視により観察し、結晶形成の有無を評価した。
結果を、ピリミジン化合物(1)のフリー体について表3に、塩酸塩について表4に、臭化水素酸塩について表5に、硫酸塩について表6に、D−(−)−アルギニン塩について表7に、シンコニジン塩について表8にそれぞれ示す。
Figure 2016084950
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Figure 2016084950
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以上の検討結果から、ピリミジン化合物(1)は、塩酸塩とした場合に特異的に結晶が析出することが明らかとなった。
[参考例1](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶の製造
1−1:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の製造 その1
工程1
(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸のフリー体 1.1kg(1.35mol)をアルゴン雰囲気下、tert−ブチルメチルエーテル(15.3kg)に溶解し、0℃に冷却した。次いで、得られた溶液に、16.7%塩酸/1,4−ジオキサン溶液503.9g(塩酸2.31mol)を0〜10℃で滴下した後、同温にて1時間攪拌した。析出した固体をろ取した後、冷却したtert−ブチルメチルエーテル(1.85kg)で洗浄し、40〜50℃で12時間減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の非晶質1.14kg(収率100%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.72−0.92(7H, m),1.30(1H, m),1.50(3H,d,J=6.6Hz),1.62−1.70(5H,m),2.02(2H,d,J=6.8Hz),2.71(1H,m),2.75(1H,brs),2.90(3H,brs),3.07(3H,s),3.62(2H,t,J=5.5Hz),4.40(2H,t,J=5.7Hz),4.67(1H,d,J=17.6Hz),4.80(1H,d,J=17.8Hz),6.24(1H,q,J=6.8Hz),7.10(1H,s),7.33(1H,brs),7.47(1H,d,J=8.3Hz),7.84(2H,s),7.94(1H,s),8.35(2H,s).
工程2
工程1で得られた(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の非晶質(676mg)を2−プロパノール(1.35mL)に50〜55℃で加熱溶解させた後、ヘプタン(676μL)を50℃で加え、5〜15℃にて14時間密栓静置した。析出した固体をろ取し、40℃にて減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶576mg(収率85%)を得た。
1−2:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の製造 その2
前記1−1 工程1記載の方法によって得た(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の非晶質1.14kg(1.35mol)を酢酸イソプロピル(9.98kg)に懸濁し、65〜75℃に加熱し溶解させた。得られた溶液に、同温にて前記1−1 工程2記載の方法によって得た(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶11gを種晶として加え3時間撹拌した。その後、2時間かけて45〜55℃に冷却し、さらに3時間かけて15〜25℃に冷却し、同温にてさらに16時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、酢酸イソプロピル(1720g)で洗浄した後、35〜45℃で12時間減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶1.02kg(収率85%)を得た。
なお、元素分析の結果、以下の通り、得られた塩酸塩は、1塩酸塩であることが明らかとなった。
元素分析結果:
計算値(1塩酸塩として):C 50.91%、H 4.98%、N 6.60%、Cl 4.17%
実測値:C 50.79%、H 4.70%、N 6.40%、Cl 3.94%
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.72−0.92(7H,m),1.29(1H,m),1.49(3H,d,J=6.8Hz),1.62−1.70(5H,m),2.02(2H,d,J=6.6Hz),2.71(1H,m),2.80−2.90(3H,m),3.07(3H,s),3.62(2H,t,J=5.5Hz),4.40(2H,t,J=5.7Hz),4.65(1H,d,J=16.4Hz),4.78(1H,d,J=17.1Hz),6.23(1H,q,J=6.8Hz),7.09(1H,s),7.29(1H,d,J=8.0Hz),7.45(1H,d,J=7.8Hz),7.83(2H,s),7.94(1H,s),8.35(2H,s).
1−3:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の製造 その3
(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸のフリー体16.1kg(19.8mol)をアルゴン雰囲気下、酢酸イソプロピル(124kg)に溶解し、40〜50℃に加熱した。次いで、得られた溶液に、6.3%塩酸/酢酸イソプロピル溶液15.0kg(塩酸25.98mol)を滴下した後、65〜75℃に昇温した。得られた溶液に、同温にて前記1−1 工程2記載の方法によって得た(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶25gを種晶として加え、さらに6.3%塩酸/酢酸イソプロピル溶液7.0kg(塩酸12.08mol)を滴下し、7時間撹拌した。その後、3時間かけて45〜55℃に冷却し、さらに4時間かけて15〜25℃に冷却し、同温にてさらに16時間撹拌した。析出した結晶をろ取した後、酢酸イソプロピル(32.4kg)で洗浄し、40〜50℃で12時間減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶15.35kg(収率91%)を得た。
なお、元素分析の結果、得られた塩酸塩は、1塩酸塩であることが明らかとなった。
元素分析結果:
計算値(1塩酸塩として):C 50.91%、H 4.98%、N 6.60%、Cl 4.17%
実測値:C 50.82%、H 4.98%、N 6.56%、Cl 4.15%
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.72−0.92(7H,m),1.29(1H,m),1.49(3H,d,J=6.8Hz),1.62−1.70(5H,m),2.02(2H,d,J=6.6Hz),2.71(1H,m),2.80−2.90(3H,m),3.07(3H,s),3.62(2H,t,J=5.5Hz),4.40(2H,t,J=5.7Hz),4.65(1H,d,J=16.4Hz),4.78(1H,d,J=17.1Hz),6.23(1H,q,J=6.8Hz),7.09(1H,s),7.29(1H,d,J=8.0Hz),7.45(1H,d,J=7.8Hz),7.83(2H,s),7.94(1H,s),8.35(2H,s).
1−4:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の物性評価
前記1−3で得られた結晶について、下記の通り粉末X線回折測定、及び熱分析測定を行った。
<粉末X線回折測定>
前記1−3で得られた結晶について粉末X線回折の測定を行った。粉末X線回折の測定は、粉砕した結晶サンプルをX線回折用シリコン無反射試料板の試料ホルダー部分に充填し、以下の条件で行った。
粉末X線回折測定装置:RINT−UltimaIV−Protectus((株)リガク製)
X線種:銅Kα線(λ=1.54Å)
回折角2θの走査範囲:3.00°〜40.00°
サンプリング幅:0.02°
スキャン速度:2.00°/分
得られた回折パターンを図1に示す。なお、図1中、縦軸は回折強度(カウント/秒(cps))を、横軸は回折角2θ(°)を示す。
また、相対強度が30以上の主要なピークについて、回折角2θ、半価幅、d値、強度及び相対強度を表9に示す。
図1及び表9から、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近の回折角(2θ)に主要なピークを有することが明らかとなった。
また、18.3±0.2°付近及び20.5±0.2°付近の回折角(2θ)、特に20.5±0.2°付近の回折角(2θ)に強度の強いピークを有することが明らかとなった。
Figure 2016084950
<熱分析測定>
参考例1−3で得られた結晶について熱分析測定を行った。熱分析測定は、サンプル約5mgを熱分析用アルミパンに精密に秤量し、基準物質としてAl23を使用して、窒素雰囲気下(150mL/min)、昇温速度10℃/分とし、熱分析装置Thermo Plus 2 システム(リガク社製)を用いて、示差熱分析法(DTA)及び熱質量測定法(TG)によって行った。
熱分析測定の結果を図2に示す。なお、図2中、縦軸は、DTA曲線に対しては熱電対の熱起電力(μV)を、TG曲線に対しては質量変化(mg)を示し、横軸は温度(℃)を示す。
図2で見られるように、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は、示差熱分析(DTA)において162±5℃付近(詳細には、161.6℃)に吸熱ピークを有するものであった。以上の熱分析測定結果から、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は約162±5℃付近に融点を有するものと考えられた。
[参考試験例2]熱安定性試験
試験化合物をガラス瓶に入れ、80℃、100℃又は120℃の温度条件下にて一定期間保存した後の試験化合物中のピリミジン化合物(1)の残存率(%)を測定した。
残存率は、試験化合物に含まれるピリミジン化合物(1)の割合を、高速液体クロマトグラフィーを用いてピーク面積百分率として測定した。なお、高速液体クロマトグラフィーによる測定において、カラムとしてはODSカラムを使用し、溶媒としては0.1%TFA水溶液と0.1%TFAアセトニトリル溶液の2種類を混合して使用し、検出波長は242nmとした。
得られたピリミジン化合物(1)の面積百分率より、以下の計算式にて残存率を算出した。
(数1)
残存率(%)=保存後のピリミジン化合物(1)の面積百分率/保存前のピリミジン化合物(1)の面積百分率×100
なお、試験化合物としては、参考例1−3で得られた結晶(ピリミジン化合物(1)塩酸塩の結晶)及びピリミジン化合物(1)のフリー体を用いた。
結果を表10に示す。
Figure 2016084950
表10記載の試験結果から、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は熱安定性に優れることが明らかとなった。
本発明によれば、脂質異常症などの疾患の予防及び/又は治療に有用なピリミジン化合物(1)を含有し、安定性の良好な医薬組成物を提供できるため、例えば医薬品産業等において利用できる。

Claims (5)

  1. (S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が8.0以下である、医薬組成物。
  2. 0.1w/v%臭化セチルトリメチルアンモニウム水溶液に溶解又は分散した場合に得られる液のpH値が、6.5以下である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 経口投与用固形製剤である、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  4. (S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩である、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物。
  5. (S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩が、結晶である、請求項4記載の医薬組成物。
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