JPWO2016079910A1 - 駆動制御装置およびそれを有する駆動制御システム - Google Patents

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Abstract

本発明の一態様によれば、電力伝送用の電圧に複数の制御信号が重畳された伝送信号を電線を介して受信し、被制御機器を駆動制御する駆動制御装置であって、当該駆動制御装置には検知周波数が設定され、前記複数の制御信号の1つが、前記被制御機器を制御するための制御信号であり、その周波数は前記検知周波数の近傍であり、当該駆動制御装置は、前記伝送信号における前記電力伝送用の電圧から、第1駆動電圧を生成して前記被制御機器を駆動する駆動電圧生成部と、周波数が前記検知周波数である検知電流を生成する検知電流生成部と、前記検知電流が流れ、この検知電流と前記電線に流れる電流との乗算結果に応じた出力を生成する磁性素子と、前記磁性素子からの出力から前記被制御機器を制御するための制御信号を検知し、該制御信号に基づいて前記被制御機器を制御する信号処理部と、を備える駆動制御装置が提供される。

Description

本発明は、電力線搬送通信を用いて、電力線に結合された1つ以上の被制御機器を制御する駆動制御装置と、この駆動制御装置を有する駆動制御システムに関するものである。
近年電力線に情報を重畳することで通信を行う電力線搬送通信(Power Line Communication:以後「PLC」とも呼ぶ。)が提案されている。これは電力線に情報を重畳するモデムを取り付けることで、電力線を有線の通信ラインとする技術である。電力線を通信線として用いることで、通常電力線と通信線が必要になる有線通信システムにおいて、多数の配線を省略することができる。
一方PLCは、電源電流に情報を重畳することで、他の装置に影響が及ぼすといった課題もある。しかし、予め電力線を通信ラインとして用いることを予定した閉じられた環境においては有用である。例えば、船舶のように閉じられた空間に電力線搬送通信システムを配置することが提案されている(特許文献1)。また、1つのビル内の照明をPLCで制御することも提案されている(特許文献2)。
特許文献1や2で提案されているPLCでは各端末(通信を行う対象)には、固有のアドレスが付与され、いわゆる情報を時分割多重することで送受信している。
特開平08−033068号公報 特開2006−340009号公報
PLCを行うことで配線を削減できるという効果を享受できる対象として、パワーウインドウやパワーフェンダーミラーといった自動車内の電動機器や、ロボットの駆動制御がある。このような駆動系の駆動制御は、1つの電源に対して複数のモータ(被制御機器)が接続されており、指示器からの指示によって所定の動作を行う。したがって、これらのモータには駆動のための電力と、どの程度動かすか若しくはいつ動かすかといった制御信号のための配線がそれぞれ必要とされる。これにPLC技術を適用するのは、配線を削減させることができるため有効であると考えられる。
しかし、従来技術のように各モータに個別のアドレスを付与し制御を行うとすると、各モータ毎にアドレスを識別するためのインターフェースが必要となる。これは、通信を行う際に、アドレスの解析が必要となるため、制御信号を送信してから被制御機器が動作するまでに時間がかかる。例えば、照明等の制御であれば、駆動制御信号の送信から実際に被制御機器が動作を行うまでの時間が遅くても問題はない。しかし、ロボットや自動車の電動機器等では、駆動制御信号が送信されたら速やかな動作が必要とされる。また、周波数多重方式で複数の通信チャンネルを電力線に設けると、各被制御機器毎に周波数弁別器が必要となる。
また、PLCから情報を引き出すための結合素子は通常リング状のコアが用いられる。しかし、このようなコアは物理的な容量が大きい。したがって、装置全体が大型になる。
モータ等の被制御機器が1つの電源に結合され、しかも制御される駆動系の駆動制御では、系全体を小型にすることが求められる場合が多い。すると上記のように各被制御機器毎にアドレスを付与する時分割多重方式や、周波数弁別器が必要となる周波数多重方式では、系全体を小型にするのは、困難となる。
本発明の一態様によれば、電力と、周波数多重された複数の制御信号と、を電線を介して受信し、被制御機器を駆動制御する駆動制御装置であって、前記被制御機器には検知周波数が設定され、前記複数の制御信号の1つが、前記被制御機器に対応する制御信号であり、その周波数は前記検知周波数の近傍であり、当該駆動制御装置は、前記電力を用いて前記被制御機器を駆動する駆動部と、周波数が前記検知周波数である矩形波の検知電流を生成する検知電流生成部と、前記検知電流が流れ、前記電線の周囲に発生する磁界に反応してインピーダンスが変化する磁界反応素子と、前記磁界反応素子からの出力から前記被制御機器に対応する制御信号を検知し、検知した制御信号に基づいて前記被制御機器を制御する信号処理部と、を備える駆動制御装置が提供される。
電線に発生する磁界に応じてインピーダンスが変化する磁界反応素子を用いて制御信号を検知するため、駆動制御装置を小型化できる。さらに、矩形波の検知電流を生成することで、駆動制御装置を低消費電力化できる。
また、本発明の一態様によれば、電力と、周波数多重された複数の制御信号と、を電線を介して受信し、第1〜第n(nは2以上の整数)の被制御機器を駆動制御する駆動制御装置であって、前記第1〜第nの被制御機器のそれぞれには、互いに異なる第1〜第nの検知周波数がそれぞれ設定され、前記複数の制御信号のうちの第1〜第nの制御信号は、前記第1〜第nの被制御機器とそれぞれ対応しており、前記第k(kは1以上n以下の整数)の制御信号の周波数は、第kの検知周波数の近傍であり、当該駆動制御装置は、前記電力を用いて前記第1〜第nの被制御機器を駆動する駆動部と、周波数が前記第1〜第nの検知周波数である検知電流を生成する検知電流生成部と、前記検知電流が流れ、前記電線の周囲に発生する磁界に反応してインピーダンスが変化する磁界反応素子と、前記磁界反応素子からの出力から前記第1〜第nの制御信号を検知し、検知した前記第1〜第nの制御信号に基づいて前記第1〜第nの被制御機器をそれぞれ制御する信号処理部と、を備える駆動制御装置が提供される。
電線に発生する磁界に応じてインピーダンスが変化する磁界反応素子を用いて制御信号を検知するため、駆動制御装置を小型化できる。
前記検知電流生成部は、周波数が前記第1〜第nの検知周波数である検知電流を時分割で生成し、前記信号処理部は、周波数が第kの検知周波数である検知電流が生成された場合に、第kの制御信号を検知するのが望ましい。
これにより、複数の制御信号を検知できる。
さらに望ましくは、前記信号処理部は、前記第1〜第nの制御信号を時分割で検知するとともに、前記第1〜第nの被制御機器の制御タイミングを調整する。
これにより、複数の制御信号が時分割で順繰りに検知される場合であっても、適切なタイミングで複数の被制御機器を制御できる。
前記検知電流生成部は、矩形波の前記検知電流を生成するのが望ましい。
これにより、駆動制御装置を低消費電力化できる。
具体例として、前記磁界反応素子は、前記電線に流れる電流と、前記検知電流との乗算結果に応じた出力を生成してもよい。
前記信号処理部は、デジタル信号処理を行って前記制御信号を検知するのが望ましい。
これにより、磁界反応素子からの出力にノイズが含まれる場合であっても、その影響を低減できる。特に、検知電流が矩形波である場合、矩形波に含まれる高調波成分に起因するノイズを抑えることができるので、有効である。
前記信号処理部は、前記磁界反応素子からの出力から低周波成分を取り出す低域通過フィルタと、前記低域通過フィルタからの出力をデジタル信号に変換するAD変換部と、を有するのが望ましい。
さらに望ましくは、前記被制御機器は、前記制御信号における周波数に応じて制御され、前記信号処理部は、前記AD変換部からの出力のパルス間隔を計測して前記制御信号における周波数を検知する。
パルス間隔を計測して周波数を検知することで、処理が高速化する。
前記磁界反応素子からの出力は、周波数が、前記磁界反応素子に流れる検知電流の検知周波数と前記複数の制御信号のそれぞれの周波数との和である成分と、周波数が、前記磁界反応素子に流れる検知電流の検知周波数と前記複数の制御信号のそれぞれの周波数との差である成分と、を含み、前記信号処理部は、前記磁界反応素子からの出力から、周波数が最も低い成分を主に取り出す低域通過フィルタを有するのが望ましい。
これにより、互いに周波数が異なる複数の制御信号から、特定周波数の制御信号を抽出できる。
本発明の別の態様によれば、上記駆動制御装置と、前記複数の制御信号を周波数多重する制御情報付加装置、並びに、電力および前記複数の制御信号を前記駆動制御装置に供給する電線を有する送信装置と、を備える駆動制御システムが提供される。
本発明のまた別の態様によれば、送信装置と、複数の駆動制御装置と、を備え、複数の被制御機器を駆動制御する駆動制御システムであって、前記送信装置は、複数の制御信号を周波数多重する制御情報付加装置と、電力および前記複数の制御信号を前記複数の駆動制御装置に供給する電線と、を有し、前記複数の被制御機器のそれぞれには、互いに異なる検知周波数が設定され、前記複数の制御信号は、前記複数の被制御機器のそれぞれと対応しており、前記複数の制御信号のそれぞれの周波数は、対応する被制御機器に設定された検知周波数の近傍であり、前記複数の駆動制御装置のそれぞれは、前記複数の被制御機器のうちの対象機器を駆動制御するものであって、前記電力を用いて前記対象機器を駆動する駆動部と、周波数が前記対象機器に設定された検知周波数である検知電流を生成する検知電流生成部と、前記検知電流が流れ、前記電線の周囲に発生する磁界に反応してインピーダンスが変化する磁界反応素子と、前記磁界反応素子からの出力に基づいて前記対象機器と対応する前記制御信号を検知し、検知した制御信号に基づいて前記対象機器を制御する信号処理部と、を備え、前記複数の駆動制御装置のうちの1つの駆動制御装置における前記検知電流生成部が生成する検知電流の検知周波数は、前記複数の駆動制御装置のうちの別の駆動制御装置における前記検知電流生成部が生成する検知電流の検知周波数とは異なる、駆動制御システムが提供される。
磁性素子などの磁界反応素子は電流を流しながら電線に流れる電流が作る磁界を受けると、電線に流れる電流を測定することができる。さらに、この磁性素子などの磁界反応素子に特定の周波数の電流を流しておけば、電線に複数の周波数が多重されていても、特定の周波数の電流だけを検出することができる。つまり、磁性素子などの磁界反応素子と特定の周波数を磁性素子などの磁界反応素子に流す電流源だけで周波数弁別器を構成することができる。
本発明に係る駆動制御装置は、受信のための素子としてこの磁性素子などの磁界反応素子を用いるので、情報の受信のために必要な装置を大幅に小型にすることができる。また、PLCを用いることで配線数を削減することもできる。したがって、本発明に係る駆動制御装置は、系全体を小型にすることができる。
本発明に係る駆動制御システムの全体構成を示す図である。 駆動制御装置の構成を示す図である。 第2の実施形態に係る駆動制御システムの概略構成を示すブロック図である。 電線115の電圧の時間変化を示す図である。 図4Aの拡大図である。 駆動制御装置120aの内部構成の一例を示すブロック図である。 磁性素子152の出力電圧Vmrの時間変化を示す図である。 PMW信号の時間変化を示す図である。 第3の実施形態に係る駆動制御システムの概略構成を示すブロック図である。 周波数多重された制御情報を取り出す検証に用いた回路構成である。 参考例1の結果を表すグラフである。 実際にサーボモータを駆動制御する検証に用いた回路構成である。 図10の回路でサーボモータを制御した結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の実施形態の例示であり、以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下の実施形態は改変することができる。
(第1の実施形態)
図1に第1の実施形態に係る駆動制御装置30を用いた駆動制御システム1の構成を示す。駆動制御システム1は電源10と、電線12と、電線12に制御情報を含む制御信号(以下、単に制御情報ともいう)を重畳する制御情報付加装置14を有する。電線12には、トランス16を介して被制御機器20と駆動制御装置30が1つ以上接続される。トランス16より被制御機器20側の電線は符号13で表した。
電源10は、各被制御機器20に電力を供給する。電源10は単相であってもよいし複相(たとえば3相)交流であってもよい。ここでは電源10が供給する電流の周波数を「電力周波数」と呼ぶ。
制御情報付加装置14は、電線12に各被制御機器20を制御するための制御信号を重畳する。制御情報付加装置14の構成は特に限定されない。制御情報付加装置14は電源10の近傍に配置してよいので、多少装置が大きくなってもよいからである。なお、被制御機器20や駆動制御装置30から見て、「電源側」とは、電源10と制御情報付加装置14を示す。
制御情報付加装置14は、複数の周波数の信号を電線12に流れる電流に重畳する。このとき用いる制御情報とは電力周波数以外の周波数の信号である。この周波数を「制御情報周波数」と呼ぶ。また制御情報とは、各被制御機器20をどのように動作させるかを表す情報である。被制御機器20は、駆動の状態を制御される。たとえば被制御機器20は、少なくともON/OFFの2つ以上の状態があると考えられる。
つまり、制御情報は、制御する対象の被制御機器20に対して複数の状態を伝達できることが必要である。本発明に係る駆動制御装置30は、1つの周波数の信号の振幅をリニアに復元することができる。また駆動制御装置30は、特定の周波数の信号だけでなく、特定の帯域幅の信号を取り出すことができる。したがって、制御情報は、電力周波数以外の信号で、1つの周波数の信号若しくは、1つの周波数の近傍の特定帯域にある周波数の信号である。
被制御機器20は、主としてモータ、照明、スイッチといった自身で電力を消費する受動機器が好適に利用される。電池のように電力を蓄える機器であってもよい。つまり、本発明に係る駆動制御システム1は電源側から被制御機器20を制御するという形態に好適に利用できる。これらの被制御機器20は、それぞれ所定の電流を供給されると、決められた動きを行い、若しくは機能を発揮するものである。
より具体的に例示すると、モータは決められた角度だけ回転し、照明は点灯、消灯し、スイッチはON/OFFする。また、電池は充電若しくは放電量を増減させる。このように、これらの被制御機器20は供給された電力を用いて、複数の状態の間を遷移する。
図2に駆動制御装置30の詳細を示す。駆動制御装置30は、受信機32と、指示器34と、駆動電流源36を含む。受信機32は、磁性素子40と、検知電流源42と、フィルタ44と、増幅器46を含む。磁性素子40は磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子であってもよいし、ホール効果を示すホール素子であってもよい。いずれのタイプの素子であっても検知用の電流を流すための電流端子40aと、電圧を取り出すための電圧端子40vが設けられる。
たとえば、磁性素子40が磁気抵抗効果素子であった場合は、電流端子40aと電圧端子40vは同じ部位とすることができる。磁性素子40がホール効果素子である場合は、電流端子40aと電圧端子40vは90度異なった方向に端子が設けられる。ここでは磁性素子40は磁気抵抗効果素子であるとして説明を続ける。
磁性素子40は短冊状の基板上にニッケル鉄の合金(パーマロイ)膜等を形成することで構成される。短冊状の長手方向の両端子は、電流端子40aおよび電圧端子40vが形成される。
電流端子40aには、検知電流源42が接続される。検知電流源42は、特定の周波数(以後「検知周波数」と呼ぶ。)の電流(以後「検知電流」と呼ぶ。)を磁性素子40に流すための電流源である。定電流源であるのが望ましいが、定電圧源であってもよい。検知電流源42が磁性素子40に供給する検知電流の周波数(検知周波数)は、電線12から復調される制御情報の周波数若しくはその近傍の周波数である。
例えば、制御情報周波数がfで、検知周波数をfとすると、|f−f|≦fとする。なお、fはフィルタ44のカットオフ周波数である。検知電流は被制御機器20が受信できる信号の周波数帯域を決める基準になる。したがって、検知周波数は、被制御機器20毎に設定される。
電圧端子40vには、フィルタ44と増幅器46が接続される。検知電流が流された磁性素子40は、電線13に流れる電流と検知電流の積を出力する言わば演算素子として働く。
ここで図2を参照して、磁性素子40の電圧端子40vに現れる信号について説明する。磁性素子40の電気抵抗をRmrとし、検知電流をI、電線13に流れる電流をIとする。電線13の周囲には電流Iによって磁界Hが発生する。磁界Hは電流Iに比例する。この比例定数をαとすると、磁界Hは(1)式で表される。
H=α*I ・・・(1)
磁性素子40が磁気抵抗効果素子であったとし、磁界Hによる抵抗変化をΔRmrとする。この抵抗変化ΔRmrは磁界Hに比例する。この比例定数をβとすると抵抗変化ΔRmrは(2)式で表される。
ΔRmr=β*H ・・・(2)
磁性素子40には電流Iが流れているので、磁性素子40の電圧端子40vの電圧変化をΔVmrとすると(3)式で表される。
ΔVmr=ΔRmr*I ・・・(3)
(3)式に(1)式および(2)式を代入し整理すると(4)式が得られる。
ΔVmr=α*β*I*I ・・・(4)
つまり、電圧端子40vの両端に現れる電圧は、電線13に流れる電流Iと磁性素子40に流れる電流Iの積として現れる。
電流Iには、電力周波数と複数の制御情報周波数の信号が重畳される。これらの複数の信号の周波数をf1,nで表す。nはゼロ以上の整数である。電源周波数はf1,0である。また、検知周波数をfとする。すると電流IおよびIはそれぞれ(5)式および(6)式のように表される。
Figure 2016079910
電圧端子40vの電圧変化ΔVmrは電流IとIの積であった((4)式参照)ので、ΔVmrは(7)式のように求められる。なお、α、β、Iは定数であるので省略した。
Figure 2016079910
(7)式でわかるように、電線13に重畳されたn番目の制御情報周波数f1,nからはf1,n−fとf1,n+fの2つの周波数の信号が生成される。
以上のように、電圧端子40vには、周波数が電線13に流れる周波数と検知電流の周波数の差および和である信号が出力される。このうち、f1,k−fはローパスフィルタで他の制御情報から容易に抜き出すことができる。フィルタ44はこの目的で接続される。増幅器46はフィルタ44後の信号を増幅し、後段の回路で扱えるようにする。
指示器34は、受信機32からの出力信号を受け、被制御機器20に動作の指示を出す。動作の指示は動作に応じた電力(電流)であってもよい。具体的に例示すると、受信機32から出力された周波数を検知してその周波数に応じた動作を被制御機器20に行わせる指示信号Cdを出力する。または、受信機32から出力された信号の振幅からその振幅に応じた動作を被制御機器20に行わせる指示信号Cdを出力する。すなわち、指示信号Cdは制御情報の周波数に基づくものであってもよいし、制御情報の振幅に基づくものであってもよい。
このように、受信機32および指示器34は、被制御機器20に対する制御情報を含む制御信号を読み取って、被制御機器20を制御する。
駆動電流源36は、被制御機器20が駆動するために必要な電力を供給する。駆動電流源36は、電線13から電力を引き入れ、これを被制御機器20に指示器34からの指示信号Cdに応じて供給することにより、被制御機器20を駆動する。なお、指示器34が、被制御機器20が指定された動作を行うための電力を指示信号Cdとして直接出力する場合は、駆動電流源36と指示器34は一体のものであってもよい。
以上の構成を有する駆動制御システム1の動作について説明する。電源10は電力周波数fの電力を供給する。制御情報付加装置14は各被制御機器20に対して制御情報を送る。ここでは、ある被制御機器20に対して制御情報周波数がそれぞれf、f、fの3種の制御情報を送信するとする。なお、制御情報は3つ以上であってもよい。この制御情報の意味は、被制御機器20を制御する駆動制御装置30が周波数f、f、fの信号を電線12から得たときは、状態をそれぞれA、B、Cにすることを意味する。
たとえば被制御機器20がモータであったとすると、状態Aは電源10からの電力の1/2の電力で回転することであり、状態Bは電源10からのそのままの電力で回転することであり、状態Cは回転を停止することなどである。したがって、制御情報周波数f、f、fの制御情報は同時に電線12に重畳されることはない。
被制御機器20を制御する駆動制御装置30の検知電流源42は、周波数fの電流が磁性素子40に流されている。このときfとf、f、fの差はf以内であるように設定する。またfは電力周波数fより十分に小さいとする。ここでfはフィルタ44のカットオフ周波数である。また、f、f、f、fはいずれも電力周波数fからは十分に離れた周波数であるとする。
電源10は電力を電線12を介して供給している。制御情報付加装置14は、電線12に周波数fの信号を重畳したとする。被制御機器20側ではトランス16を介して電線12からの電力が伝えられる。
駆動制御装置30の磁性素子40は、トランス16を介した電線13の電流が流れる方向に両方の電流端子40aをあわせるようにして隣接配置されている。したがって、電流端子40aの方向に対して直角方向に電線13からの磁界Hを受ける。
この磁界Hによって、磁性素子40を流れる周波数fの電流は影響を受ける。そして、磁性素子40の電圧端子40vには、制御情報周波数fと検知周波数fとの積が得られる。つまり、f−fとf+fの周波数の信号が得られる。もちろん、電力周波数fと検知周波数fとの積であるf−fとf+fの信号も得られる。
これらの信号中最も小さいのはf−fの信号である。そしてこの信号だけがフィルタ44のカットオフ周波数fを通過する。この信号は増幅器46で増幅される。
指示器34はこの増幅器46からの出力信号(これを「検出信号」と呼ぶ。)に応じた指示を指示信号Cdによって駆動電流源36に行う。駆動電流源36はトランス16を介して得た電力の1/2の電力を被制御機器20に供給する。この制御情報周波数と検知周波数との積で得られる低周波信号がフィルタ44を通過するという関係は制御情報周波数がf、fになっても同様に成立する。
すなわち、増幅器46からはf−f、f−f、f−fの周波数を有する信号を得ることが出来る。指示器34はこの周波数に対応する指示信号Cdを駆動電流源36に送ることで、被制御機器20は制御される。
このように、受信機32の磁性素子40は、電線12に流れる信号の周波数(f〜f)と、検知電流源42が磁性素子40に流す検知周波数fとの積に相等する周波数の電圧を出力する。したがって、検知周波数fと制御情報f等との関係を予め決めておくことでPLCを用いた被制御機器20の駆動制御を行うことができる。
なお、本発明に係る駆動制御システム1は、電源側から被制御機器20を制御するシステムであるが、被制御機器20側にスペースの余裕があり、情報送信のための装置を配置できる場合は、電源側にも受信機32を配置することで逆方向からの通信も可能である。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る駆動制御システムの概略構成を示すブロック図である。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。駆動制御システムは、送信装置110と、複数(本例では2つ)の駆動制御装置120a,120bとを備え、駆動制御装置120a,120bによって被制御機器であるサーボモータ130a,130bがそれぞれ駆動制御される。このサーボモータ130a,130bは、PMW信号が制御信号として入力され、そのデューティ比に応じた角度だけ回転するものである。
本実施形態の駆動制御システムは、サーボモータ130a,130bに電力を供給して駆動するとともに、所望の回転角を実現するよう制御する。
各駆動制御装置120a,120bには固有の検知周波数fa0(例えば1,000Hz),fb0(例えば2,000Hz)が予め設定されている。駆動制御装置120aがサーボモータ130aを駆動制御し、駆動制御装置120bがサーボモータ130bを駆動制御するため、サーボモータ130a,130bに検知周波数fa0,fb0が設定されているとも言える。検知周波数fa0,fb0は互いに異なっており、望ましくは互いに十分に離れている。
送信装置110は、サーボモータ130a,130bを駆動するための電力と、サーボモータ130a,130bを個別に制御するための2つの制御信号とが重畳された伝送信号を生成して駆動制御装置120a,120bに送信する。
具体的には、送信装置110は、制御信号生成部111a,111bと、加算器112と、電源113と、制御情報付加装置114と、電線115と、抵抗116と、コンデンサ117とを有する。
制御信号生成部111aはサーボモータ130aを制御するための制御信号Vaを生成する。制御信号生成部111aは、例えばファンクションジェネレータであり、制御信号Vaとして周波数faの正弦波を生成する。ここで、周波数faは検知周波数fa0の近傍の周波数であり、具体的には検知周波数fa0に対して予め定めた範囲内の周波数であり、望ましくは駆動制御装置120bの検知周波数fb0から十分に離れている。この条件下において周波数faをユーザが任意に設定でき、この周波数faに応じたデューティ比のPWM信号が駆動制御装置120aによって生成されることで、サーボモータ130aの回転角を任意に制御できる。
同様に、制御信号生成部111bはサーボモータ130bを制御するための制御信号Vbを生成する。制御信号Vbの周波数fbは検知周波数fb0の近傍の周波数であり、具体的には検知周波数fb0に対して予め定めた範囲内の周波数であり、望ましくは駆動制御装置120aの検知周波数fa0から十分に離れている。なお、周波数fbは周波数faとも十分に離れているのが望ましい。
加算器112は制御信号Vaと制御信号Vbとを周波数多重する。
電源113は、電力伝送用の電圧、言い換えるとサーボモータ130a,130bを駆動するための電圧を生成する。本実施形態では、電源113が直流電圧Vdc(例えば24V)を生成するものとするが、交流電圧であってもよい。
制御情報付加装置114は、例えばトロイダルコアであり、上記直流電圧Vdcに、交流成分を含む制御信号Va,Vbを付加する。これにより、直流電圧Vdcに制御信号Va,Vbが重畳された伝送信号が生成される。
電線115は制御情報付加装置114に接続され、伝送信号を駆動制御装置120a,120bに送信する。電線115上の電源113と制御情報付加装置114との間に抵抗116およびコンデンサ117が直列接続される。本実施形態に係る駆動制御システムは、伝送信号が直流電圧Vdcと制御信号Va,Vbとを含むため、駆動用の電線(電力線)と制御用の電線とを別個に設ける必要がない。
コンデンサ117は交流成分に対するインピーダンスが低い。そのため、電線115には伝送信号における制御信号Va,Vbに応じた電流Itが発生する。具体的には、電流Itは下記(8)式で表すことができ、第1の実施形態における(5)式においてn=0〜1としたものと対応している。ここで、Ita0,Itb0は、主に制御信号Va,Vbの振幅および抵抗116に応じて定まる値である。

Figure 2016079910
一方、コンデンサ117は直流成分に対するインピーダンスが高い。そのため、電線115にはほとんど直流電流が流れない。そして、コンデンサ117の両端に発生する電圧は、直流成分として直流電圧Vdcを含んでおり、これが駆動制御装置120a,120bに有線で供給される。
図4Aは、電線115の電圧の時間変化を示す測定結果である。また、図4Bは、図4Aの拡大図である。これらの図では、Vdc=24V,fa=1,020Hz,fb=2,030Hzとしている。図4Aから分かるように、伝送信号には24Vの直流成分に交流成分が重畳されている。そして、図4Bから分かるように、交流成分は2つの周波数、すなわち1,020Hzおよび2,030Hzの周波数を含んでいる。
図3に戻り、駆動制御装置120aは、サーボモータ130a,130bのうち、サーボモータ130aを駆動制御の対象機器とする。同様に、駆動制御装置120bは、サーボモータ130a,130bのうち、サーボモータ130bを駆動制御の対象機器とする。駆動制御装置120a,120bの構成は同様であるので、以下では主に駆動制御装置120aについて説明する。駆動制御装置120aは、伝送信号を電線115を介して受信してサーボモータ130aを駆動制御するものであり、駆動部121と、制御部122とを有する。
駆動部121は、送信装置110から供給される電力を用いて、サーボモータ130aを駆動する。より具体的には、駆動部121には、送信装置110からの上記電圧が供給され、その直流成分を抽出することにより、サーボモータ130aを駆動するための直流電圧と、制御部122を駆動するための直流電圧とを生成する。
制御部122は磁性素子152を有し、電線115に流れる電流Itの交流成分を抽出することにより、電線115に流れる電流から周波数faを検知し、周波数faに応じてサーボモータ130aを制御するためのPWM信号を生成する。
図5は、駆動制御装置120aの内部構成の一例を示すブロック図である。
駆動制御装置120aにおける駆動部121は、伝送信号における直流成分から、直流電圧(例えば5V)を生成してサーボモータ130aを駆動するとともに、直流電圧(例えば24V)を生成して制御部122を駆動する。駆動制御装置120aとして絶縁型DC−DCコンバータを用いるのが望ましい。これにより、図3における電源113のグランドと、サーボモータ130aのグランドとを切り離すことができ、電線115がサーボモータ130aから発生するサージ電圧の影響を受けにくくなる。
制御部122は、検知電流生成部151と、磁性素子152と、信号処理部153とを有する。信号処理部153は、例えば低域通過フィルタ154(LPF)、増幅器155、コンパレータ156(CMP)および制御信号生成部157から構成される。
検知電流生成部151は、駆動部121によって生成された直流電圧で駆動され、検知信号Vdを生成して磁性素子152に検知電流Idを流す。検知信号Vdの周波数は検知周波数fa0である。検知信号Vdは正弦波でもよいが、矩形波(例えば振幅が10V)であるのがより望ましい。正弦波と比べて矩形波は信号の遷移が急峻であるため、検知電流生成部151の消費電力を大幅に削減できる。
以下では、検知信号Vdが矩形波であるとする。この場合、検知信号Vdは検知周波数fa0の他にその高調波成分を含んでいる。検知信号Vdが矩形波である場合、検知電流Idも矩形波であり、下記(9)式で表すことができる。

Figure 2016079910
nは3以上の奇数である。上記(9)式において、第1項は第1の実施形態における(6)式と対応している。また、第2項が矩形波における高調波成分を示している。Idnがn次成分の振幅を示しており、nが大きくなるほど振幅Idnは小さくなる。
磁性素子152は第1の実施形態で説明した磁性素子66に対応しており、電線115に隣接配置されることで、電線115に流れる電流Itと、自身に流れる検知電流Idとを乗算する機能を持つ。よって、磁性素子152は電流Itと検知電流Idとの積に応じた電圧変化ΔVmrを出力する。第1の実施形態における(7)式を参照すると、電圧変化ΔVmrは下記(10a)〜(10f)の周波数成分を有する。
|fa−fa0| ・・・(10a)
|fa+fa0| ・・・(10b)
|fb−fa0| ・・・(10c)
|fb+fa0| ・・・(10d)
|fa−n*fa0| ・・・(10e)
|fa+n*fa0| ・・・(10f)
(10e),(10f)が検知電流Idにおける高調波成分に起因する成分である。ただし、nが大きくなるほど各周波数成分の振幅は小さくなる。また、周波数faは検知周波数fa0の近傍であることから、これらの周波数成分のうち(10a)に示す|fa−fa0|が最も低い周波数である。
図6は、磁性素子152の出力電圧Vmrの時間変化を示す測定結果である。同図のVmr1が駆動制御装置120aにおける磁性素子152の出力であり、fa0=1,020Hz,fa=1,000Hzとしている。同図から分かるように、およそ周期50msすなわち周波数20Hz(=|fa−fa0|)の成分が最も大きいのが分かる。
なお、同図のVmr2は駆動制御装置120bにおける磁性素子152の出力であり、fb0=2,030Hz,fb=2,000Hzとしている。同図から分かるように、およそ周期33msすなわち周波数30Hz(=|fb−fb0|)の成分が最も大きいのが分かる。
図5に戻り、信号処理部153は磁性素子152からの出力ΔVmrから周波数faを検知し、サーボモータ130aを制御するためのPMW信号を生成することによって、サーボモータ130aを制御する。信号処理部153はアナログ信号処理を行ってもよいが、より望ましくは磁性素子152からの出力に由来するアナログ信号をデジタル信号に変換(AD変換)した上でデジタル信号処理を行う。特に、検知電流Idが正弦波であり高調波成分を含む場合、その高調波成分に起因するノイズの影響をAD変換によって低減できるためである。
信号処理部153における低域通過フィルタ154は、磁性素子152からの出力ΔVmrに対してLPF処理を行い、低周波数成分のみを取り出す。低域通過フィルタ154のカットオフ周波数fcは上記(10a)に示す|fa−fa0|より高く、他より低い。言い換えると、周波数faは、検知周波数fa0との差がカットオフ周波数fcより低くなるよう定められる(このことを「近傍」と表現している)。よって、出力ΔVmrから周波数|fa−fa0|の成分が主に取り出される。ただし、高調波成分も若干出力されて、ノイズとなることもある。なお、低域通過フィルタ154の出力はアナログ電圧である。
増幅器155は必要に応じて設けられ、低域通過フィルタ154からの出力を増幅する。増幅器155の出力はやはりアナログ電圧である。
コンパレータ156はAD変換器の例であり、所定の閾値との比較を行うことにより、増幅器155から出力されるアナログ電圧をデジタル値に変換する。その結果、コンパレータ156からの出力として、周波数|fa−fa0|の矩形波が得られる。低域通過フィルタ154からの出力(したがって、増幅器155からの出力)に検知電流Id(検知信号Vd)の高調波成分に起因するノイズが含まれていたとしても、このノイズを低減できる。
制御信号生成部157は、デジタル信号から周波数fa(正確には|fa−fa0|)を検知し、この周波数faに応じたデューティ比のPWM信号を生成する。周波数|fa−fa0|は、例えばコンパレータ156から出力される矩形波のパルス間隔を計測することによって短期間で検知される。また、PMW信号の生成は、例えばPIC(Peripheral Interface Controller)に内蔵されるCCP(Compare/Capture PWM)モジュールの「PWMモード」を利用すればよい。
生成されたPWM信号がサーボモータ130aに入力されることで、サーボモータ130aがPWM信号のデューティ比に応じた角度だけ回転する。
駆動制御装置120bも同様の構成となっているが、検知信号として検知周波数fb0の矩形波を用いる。その結果、低域通過フィルタによって周波数|fb−fb0|の成分が取り出される。よって、周波数fbに応じたデューティ比のPWM信号を生成でき、このデューティ比に応じた角度だけサーボモータ130bが回転する。
図7は、PMW信号の時間変化を示す測定結果である。同図のPWM1,PWM2が、それぞれ駆動制御装置120a,120bにおける制御信号生成部157が生成するPWM信号である。図5と同様、fa0=1,020Hz,fa=1,000Hz,fb0=2,030Hz,fb=2,000Hzとしている。PWM1,PWM2の周期は互いに等しいが、デューティ比が異なっている。このようにして、周波数fa,fbに応じたデューティ比のPWM信号を生成できることが分かる。
なお、上述した実施形態では、制御信号Va,Vbにおける周波数fa,fbが、サーボモータ130a,130bの回転角に対応する制御情報を示していた。しかしながら、周波数fa,fbでなく、制御信号Va,Vbにおける振幅が制御情報を示していてもよい。このような場合でも、駆動制御装置120aの制御部122における信号処理部153は、検知周波数fa0と制御信号Vaの周波数faとが近いことから、駆動制御装置120a用の制御信号Vaを検知できる。そして、信号処理部153は制御信号Vaの振幅に応じたデューティ比のPWM信号を生成すればよい。
さらに、制御信号Va,Vbが重畳される時間が制御情報を示していてもよい。いずれにしても、制御信号Va,Vbが被制御機器を制御するために必要な情報を有している。
また、図3では2つの駆動制御装置120a,120bを用いて2つのサーボモータ130a,130bを駆動制御する例を示したが、駆動制御装置および被制御機器の数に特に制限はない。いずれにしても、伝送信号には、直流電圧に複数の制御信号が重畳され、制御信号のそれぞれが駆動制御装置のそれぞれと対応している。各駆動制御装置には固有の検知周波数が設定されており、各制御信号の周波数は、対応する駆動制御装置の検知周波数の近傍において、所望の制御結果(例えば回転角)を実現するためにユーザによって設定されればよい。
このように、第2の実施形態では、磁性素子152を用いて制御信号Va,Vbの周波数fa,fbを検知するので、駆動制御装置120a,120bを小型化できる。また、磁性素子152に流す検知電流Idを矩形波とすることで、駆動制御装置120a,120bの消費電力を低減できる。さらに、磁性素子152の出力に対してデジタル信号処理を行うことで、検知電流Idの高調波成分に起因するノイズを低減できる。
(第3の実施形態)
上述した第2の実施形態は、1つの駆動制御装置が1つの制御信号を検知して1つの被制御機器を制御するものであった。これに対し、次に説明する第3の実施形態は、1つの駆動制御装置が複数の制御信号を検知して複数の被制御機器を制御するものである。以下、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
図8は、第3の実施形態に係る駆動制御システムの概略構成を示すブロック図である。駆動制御システムは、第2の実施形態と同様の送信装置110と、複数(同図の例では2つ)のサーボモータ130a,130bを駆動制御する駆動制御装置120とを備えている。なお、サーボモータ130aには固有の検知周波数fa0が設定され、サーボモータ130bには固有の検知周波数fb0が設定されている。
駆動制御装置120aの内部構成は図5に示す駆動制御装置と類似しているが、動作が異なる。
図5を参照し、駆動部121は、送信装置110から供給される電圧を用いて、サーボモータ130a,130bの両方を駆動するための直流電圧と、制御部122における検知電流生成部151を駆動するための直流電圧を生成する。
本実施形態の特徴は検知電流生成部151の動作にある。
検知電流生成部151は、まずは検知周波数fa0の検知信号Vd(望ましくは矩形波)を生成する。これにより、周波数が検知周波数fa0である検知電流Idが生成され、磁性素子152に流れる。その結果、第2の実施形態で説明したようにして、信号処理部153における制御信号生成部157は制御信号Va(具体例として、その周波数fa)を検知する。そして、信号処理部153は周波数faに応じたデューティ比のPWM信号を生成して、サーボモータ130aを制御する。
その後、検知電流生成部151は、検知周波数fb0の検知信号Vd(望ましくは矩形波)を生成する。これにより、周波数が検知周波数fb0である検知電流Idが生成され、磁性素子152に流れる。その結果、第2の実施形態で説明したようにして、信号処理部153における制御信号生成部157は制御信号Vb(具体例として、その周波数fb)を検知する。そして、信号処理部153は周波数fbに応じたデューティ比のPWM信号を生成して、サーボモータ130bを制御する。
なお、信号処理部153が、ある時点において、サーボモータ130a,130bのいずれを制御すべきかは、適宜検知電流生成部151と信号処理部153とが連携することで把握される。例えば、検知電流生成部151が周波数fa0の検知信号Vdを生成していることを信号処理部153に伝え、これに応じて信号処理部153はサーボモータ130aを制御するようにすればよい。
また、上記のように検知電流生成部151が各検知周波数である検知電流を時分割で生成するようにして制御する場合、まずはサーボモータ130aが制御され、その後にサーボモータ130bが制御される。つまり、サーボモータ130a,130bの制御タイミングがずれる。このことが問題となる場合、制御信号生成部157がサーボモータ130a,130b用のPWM信号を生成するタイミングを適切に調整すればよく、これにより、サーボモータ130a,130bを同期させて(例えば同時に)制御することができる。例えば、所定の時間(例えば数秒間程度)、信号処理部153が制御信号の周波数を検知し続け、その間に検知された周波数を蓄積しておき、当該所定の時間の経過後に、蓄積された全ての周波数に基づく信号(例えばPWM信号)を同時に被制御機器に送るようにし、このサイクルを繰り返し行えばよい。
なお、1つのサイクルにおいて周波数の蓄積は、一定時間ごとに行ってもよいし、各検知信号が順繰りに時分割で生成される場合であれば、検知信号が一順する間隔ごとに行ってもよい。具体例として、まず制御信号Vaの周波数faが検知されると信号処理部153内にこれを記憶しておき、その後に制御信号Vbの周波数fbが検知された時点で、制御信号生成部157が同時にサーボモータ130a,130b用のPWM信号を生成すればよい。
なお、本実施形態において、1つの駆動制御装置120が駆動制御する被制御機器の数に制限はない。被制御機器が3つ以上である場合も、各被制御機器には固有の検知周波数が設定される。送信装置110から送信される伝送信号には、各被制御機器と対応する複数の制御信号が周波数多重される。各制御信号の周波数は、対応する被制御機器に設定された検知周波数の近傍であり、被制御機器をどのように制御するかに応じて設定される。
そして、検知電流生成部151は各検知周波数の検知信号Vdを順繰りに時分割で生成して、その検知周波数の検知電流Idを磁性素子152に流す。信号処理部153は、磁性素子152に流れている検知電流Idの検知周波数が設定された被制御機器に対応する制御信号を時分割で検知できる。
必要に応じて、制御信号生成部157は、全ての(あるいは必要な数の)制御信号の検知が完了した後に、被制御機器の制御を同時に行ってもよい。
なお、駆動制御システムが、本駆動制御装置120を複数備えていてもよいし、第2の実施形態で説明した駆動制御装置120a,120bと、第3の実施形態で説明した駆動制御装置120とが混在していてもよい。
このように、第3の実施形態では、1つの駆動制御装置120が、例えば時分割で検知信号Vdを生成することで、複数の制御信号を検知して複数の被制御機器を制御する。そのため、さらに駆動制御システムを小型化できる。
以下に本発明に係る駆動制御システムの動作を実験スケールで調べた結果を参考例として説明する。
(参考例1)
図9に検証回路の構成を示す。図9の検証回路は、図2の駆動制御装置30における磁性素子66を電圧計70で測定するものであるが、図5の駆動制御装置120aにおける磁性素子152からの出力電圧を測定することにも相当する。
電源60と電源61からは、それぞれ1992Hzと996Hzの制御信号が出力される。これらの制御信号は合成され、負荷62(図3の抵抗116に相当)に流される。ここで周波数1992Hzの信号を電力周波数とし、周波数996Hzの信号を制御信号とする。受信機64は磁性素子66と、検知電流源68と、電圧計70で構成した。磁性素子66は、NiFeの薄膜を基板上に成膜したもので、NiFe薄膜の上面に銅でバーバーポールパターンを形成したものである。
バーバーポールパターンの導電体膜を有する磁性素子66は、予め電流端子66aに対して直角方向(横方向)にバイアス磁界が印加されているのと同じ効果を示す。すなわち、銅の部分に電流を流しておけば、外部から磁界が印加されていないときにも、動作点が抵抗の変化幅の中間に維持されている。検知電流源68は磁性素子66に1006Hz0.2mAの電流を流すように設定した。
この状態で制御情報とした996Hzの信号成分の振幅だけをリニアに変化させたときの磁性素子66の電圧端子66vの出力を電圧計70で測定した。結果を図10に示す。図10を参照して、横軸は制御情報の振幅(A)であり、縦軸は磁性素子66の両端電圧(V)である。なお、横軸は「Load Current」と記し、縦軸は「Sensor Output」と記した。
検知周波数が1006Hzであるので、制御情報周波数の996Hzとの間では、10Hz(1006Hz−996Hz)と、2002Hz(1006Hz+996Hz)の周波数の信号が得られる。また電力周波数の1992Hzとの間では、986Hz(1006Hz−1992Hz)と2998Hz(1006Hz+1992Hz)が得られる。
図10を参照して、横軸は電線12に重畳した制御情報の電流値(A)であり、縦軸は磁性素子66の電圧端子66v間の電圧(V)である。996Hzから得られる10Hzの信号と2002Hzの信号は入力電流の増加と共に出力電圧も増加した。このとき、1992Hzから得られる986Hzと2998Hzの信号は、全く変化しなかった。以上のことより、制御情報の振幅を電源側で制御することで、被制御機器20側では振幅の変化する制御情報の信号を得ることが出来る。
(参考例2)
図11には本参考例の検証回路を示す。磁性素子66までは参考例1と同じである。本参考例では、磁性素子66の電圧端子66vに計装アンプ74および、コンパレータ76とPIC(Peripheral Interface Controller)78およびサーボモータ80を接続した。計装アンプ74は、フィルタと増幅器が一体となったものである。カットオフ周波数fcは50Hzである。増幅率は、磁性素子66の電圧端子66vの両端からの出力振幅が5V以上得られるように設定した。
指示器と駆動電流源は、コンパレータ76とPIC78で構成した。なお、PIC78はレシプロカル方式のものを用いた。
図5との対応関係としては、図5の低域通過フィルタ154および増幅器155が図11の計装アンプ74に対応し、図5のコンパレータ156が図11のコンパレータ76に対応し、図5の制御信号生成部157が図10のPIC78に対応し、図5のサーボモータ130aが図11のサーボモータ80に対応する。
コンパレータ76は0−5Vで信号をクリップする。したがって、十分大きな正弦波が入力されると、方形波様の信号を得ることが出来る。レシプロカル方式のPIC78は、コンパレータ76の出力信号の波長を内部クロックで測定し、周波数に換算する。そして、その周波数に応じたPWM(pulse width modulation)信号を出力する。したがって、検知電流が流された磁性素子66の出力信号に基づき、駆動電流を出力するという指示器と駆動電流源の役割をコンパレータ76とPIC78で行っている。
被制御機器はサーボモータ(GWSNRH/BB/F)80を用いた。サーボモータ80は、入力されたPWM信号を駆動電力として、与えられた角度だけ回転軸を回転させる。
この参考例2では、制御信号として1012Hz〜1037Hzまでの信号を用い、検知周波数fとして1000Hzを用いた。検知電流周波数fが1000Hzなので、制御情報周波数との差として12Hz〜37Hzの制御信号を得ることが出来る。この制御信号を1Hz毎に1コマンドとして、サーボモータ80の回転軸を0度〜180度まで回転するようにPWM信号を調整した。つまり、1Hzあたりおよそ7度の回転角を制御する。なお、電力周波数は2000Hzとした。制御情報は電源60から出力し、電力は電源61から出力した。
図12に検証結果を示す。図12を参照して、横軸は制御情報(「Control Signal Frequency」と記載した)(Hz)であり、縦軸はサーボモータ80の回転角(「Rotary Angle of the Servomotor」と記した。)(°)を表す。制御情報となる電源60からの信号の周波数を変化させると、サーボモータ80の回転角は変化した。そして図12から明らかなように、電源60からの信号の周波数とサーボモータ80の回転角度はリニアに変化した。
また、制御情報の信号の送信からサーボモータ80の反応まで250msと十分に短い応答時間(応答速度が速い)であった。本実施の形態によって、本発明に係る駆動制御システムの動作が検証できた。
なお、各実施形態において、磁性素子66,152に代えて、電線に発生する磁界に反応してインピーダンスが変化する種々の素子(磁界反応素子と呼ぶ)を適用することができる。具体的には、磁性膜の他、ホール素子、磁性半導体素子、GMR(巨大磁気抵抗)効果素子、TMR(トンネル磁気抵抗)効果素子などが挙げられる。いずれの磁界反応素子を用いた場合でも、この素子に検知周波数の検知電流を流すことによって電源側(送信装置)からの制御信号を検知できるため、駆動制御装置および駆動制御システムを小型化できる。
上述した実施形態に基づいて、例えば以下のような態様が想到される。
(付記1)
電線に1つ以上の被制御機器が接続され、
電源側から前記電線で、電力と、前記被制御機器毎に異なる周波数に割り当てられ周波数多重された制御情報が供給され、前記制御情報によって、前記被制御機器を制御する駆動制御装置であって、
前記電線に周波数多重された前記制御情報を読み取る受信機と、
前記被制御機器に駆動電流を供給する駆動電流源と、
前記制御情報に応じた電流値を前記駆動電流源に指示する指示器と、
を含むことを特徴とする駆動制御装置。
(付記2)
前記受信機は、
前記電線に隣接配置される磁性素子と、
前記磁性素子に特性周波数の電流を流す検知電流源と、
前記磁性素子の出力電圧を測定する増幅器を含むことを特徴とする付記1に記載された駆動制御装置。
(付記3)
前記指示器は、
前記受信機の出力する周波数をカウントし、前記被制御機器に流す電流値の情報を前記駆動電流源に送ることを特徴とする付記1または2のいずれかに記載された駆動制御装置。
(付記4)
前記指示器は、
前記受信機の出力する信号の振幅値に応じた、前記被制御機器に流す電流値の情報を前記駆動電流源に送ることを特徴とする付記1または2のいずれかに記載された駆動制御装置。
(付記5)
前記駆動電流源は、
前記指示器から送られる制御情報に応じた駆動電流を前記被制御機器に流すことを特徴とする付記1乃至4の何れか1の請求項に記載された駆動制御装置。
(付記6)
特性周波数の電流を送信する電源と、
前記電源に接続された電線と、
前記電線に流れる電流に制御情報を重畳する制御情報付加装置と、
付記1から5の何れか1の請求項に記載された駆動制御装置と、
前記駆動制御装置に制御される被制御機器と、
を有することを特徴とする駆動制御システム。
本発明に係る駆動制御装置は、ロボットや自動車の電動機器の制御に好適に利用することが出来る。
1 駆動制御システム
10 電源
12、13 電線
14 制御情報付加装置
16 トランス
20 被制御機器
30 駆動制御装置
32 受信機
34 指示器
36 駆動電流源
40 磁性素子
40a 電流端子
40v 電圧端子
42 検知電流源
44 フィルタ
46 増幅器
60 電源
61 電源
62 負荷
64 受信機
66 磁性素子
66a 電流端子
66v 電圧端子
68 検知電流源
70 電圧計
74 計装アンプ
76 コンパレータ
78 PIC
80 サーボモータ
Cd 指示信号
110 送信装置
111a,111b 制御信号生成部
112 加算器
113 電源
114 制御情報付加装置
115 電線
116 抵抗
117 コンデンサ
120,120a,120b 駆動制御装置
121 駆動部
122 制御部
130a,130b サーボモータ
151 検知電流生成部
152 磁性素子
153 信号処理部
154 低域通過フィルタ
155 増幅器
156 コンパレータ
157 制御信号生成部

Claims (18)

  1. 電力と、周波数多重された複数の制御信号と、を電線を介して受信し、被制御機器を駆動制御する駆動制御装置であって、
    前記被制御機器には検知周波数が設定され、
    前記複数の制御信号の1つが、前記被制御機器に対応する制御信号であり、その周波数は前記検知周波数の近傍であり、
    当該駆動制御装置は、
    前記電力を用いて前記被制御機器を駆動する駆動部と、
    周波数が前記検知周波数である矩形波の検知電流を生成する検知電流生成部と、
    前記検知電流が流れ、前記電線の周囲に発生する磁界に反応してインピーダンスが変化する磁界反応素子と、
    前記磁界反応素子からの出力から前記被制御機器に対応する制御信号を検知し、検知した制御信号に基づいて前記被制御機器を制御する信号処理部と、を備える駆動制御装置。
  2. 電力と、周波数多重された複数の制御信号と、を電線を介して受信し、第1〜第n(nは2以上の整数)の被制御機器を駆動制御する駆動制御装置であって、
    前記第1〜第nの被制御機器のそれぞれには、互いに異なる第1〜第nの検知周波数がそれぞれ設定され、
    前記複数の制御信号のうちの第1〜第nの制御信号は、前記第1〜第nの被制御機器とそれぞれ対応しており、
    前記第k(kは1以上n以下の整数)の制御信号の周波数は、第kの検知周波数の近傍であり、
    当該駆動制御装置は、
    前記電力を用いて前記第1〜第nの被制御機器を駆動する駆動部と、
    周波数が前記第1〜第nの検知周波数である検知電流を生成する検知電流生成部と、
    前記検知電流が流れ、前記電線の周囲に発生する磁界に反応してインピーダンスが変化する磁界反応素子と、
    前記磁界反応素子からの出力から前記第1〜第nの制御信号を検知し、検知した前記第1〜第nの制御信号に基づいて前記第1〜第nの被制御機器をそれぞれ制御する信号処理部と、を備える駆動制御装置。
  3. 前記検知電流生成部は、周波数が前記第1〜第nの検知周波数である検知電流を時分割で生成し、
    前記信号処理部は、周波数が第kの検知周波数である検知電流が生成された場合に、第kの制御信号を検知する、請求項2に記載の駆動制御装置。
  4. 前記信号処理部は、前記第1〜第nの制御信号を時分割で検知するとともに、前記第1〜第nの被制御機器の制御タイミングを調整する、請求項3に記載の駆動制御装置。
  5. 前記検知電流生成部は、矩形波の前記検知電流を生成する、請求項2乃至4のいずれかに記載の駆動制御装置。
  6. 前記磁界反応素子は、前記電線に流れる電流と、前記検知電流との乗算結果に応じた出力を生成する、請求項1乃至5のいずれかに記載の駆動制御装置。
  7. 前記信号処理部は、デジタル信号処理を行って前記制御信号を検知する、請求項1乃至6のいずれかに記載の駆動制御装置。
  8. 前記信号処理部は、
    前記磁界反応素子からの出力から低周波成分を取り出す低域通過フィルタと、
    前記低域通過フィルタからの出力をデジタル信号に変換するAD変換部と、
    を有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の駆動制御装置。
  9. 前記被制御機器は、前記制御信号における周波数に応じて制御され、
    前記信号処理部は、前記AD変換部からの出力のパルス間隔を計測して前記制御信号における周波数を検知する、請求項8に記載の駆動制御装置。
  10. 前記磁界反応素子からの出力は、
    周波数が、前記磁界反応素子に流れる検知電流の検知周波数と前記複数の制御信号のそれぞれの周波数との和である成分と、
    周波数が、前記磁界反応素子に流れる検知電流の検知周波数と前記複数の制御信号のそれぞれの周波数との差である成分と、
    を含み、
    前記信号処理部は、前記磁界反応素子からの出力から、周波数が最も低い成分を主に取り出す低域通過フィルタを有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の駆動制御装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の駆動制御装置と、
    前記複数の制御信号を周波数多重する制御情報付加装置、並びに、電力および前記複数の制御信号を前記駆動制御装置に供給する電線を有する送信装置と、を備える駆動制御システム。
  12. 送信装置と、複数の駆動制御装置と、を備え、複数の被制御機器を駆動制御する駆動制御システムであって、
    前記送信装置は、
    複数の制御信号を周波数多重する制御情報付加装置と、
    電力および前記複数の制御信号を前記複数の駆動制御装置に供給する電線と、を有し、
    前記複数の被制御機器のそれぞれには、互いに異なる検知周波数が設定され、
    前記複数の制御信号は、前記複数の被制御機器のそれぞれと対応しており、
    前記複数の制御信号のそれぞれの周波数は、対応する被制御機器に設定された検知周波数の近傍であり、
    前記複数の駆動制御装置のそれぞれは、前記複数の被制御機器のうちの対象機器を駆動制御するものであって、
    前記電力を用いて前記対象機器を駆動する駆動部と、
    周波数が前記対象機器に設定された検知周波数である検知電流を生成する検知電流生成部と、
    前記検知電流が流れ、前記電線の周囲に発生する磁界に反応してインピーダンスが変化する磁界反応素子と、
    前記磁界反応素子からの出力に基づいて前記対象機器と対応する前記制御信号を検知し、検知した制御信号に基づいて前記対象機器を制御する信号処理部と、を備え、
    前記複数の駆動制御装置のうちの1つの駆動制御装置における前記検知電流生成部が生成する検知電流の検知周波数は、前記複数の駆動制御装置のうちの別の駆動制御装置における前記検知電流生成部が生成する検知電流の検知周波数とは異なる、駆動制御システム。
  13. 前記検知電流生成部は、矩形波の前記検知電流を生成する、請求項12に記載の駆動制御システム。
  14. 前記検知電流との乗算結果に応じた出力を生成する、請求項12または13に記載の駆動制御システム。
  15. 前記信号処理部は、デジタル信号処理を行って前記制御信号を検知する、請求項12乃至14のいずれかに記載の駆動制御システム。
  16. 前記信号処理部は、
    前記磁界反応素子からの出力から低周波成分を取り出す低域通過フィルタと、
    前記低域通過フィルタからの出力をデジタル信号に変換するAD変換部と、
    を有する、請求項12乃至15のいずれかに記載の駆動制御システム。
  17. 前記対象機器は、前記制御信号における周波数に応じて制御され、
    前記信号処理部は、前記AD変換部からの出力のパルス間隔を計測して前記制御信号における周波数を検知する、請求項16に記載の駆動制御システム。
  18. 前記磁界反応素子からの出力は、
    周波数が、前記磁界反応素子に流れる検知電流の検知周波数と前記複数の制御信号のそれぞれの周波数との和である成分と、
    周波数が、前記磁界反応素子に流れる検知電流の検知周波数と前記複数の制御信号のそれぞれの周波数との差である成分と、
    を含み、
    前記信号処理部は、前記磁界反応素子からの出力から、周波数が最も低い成分を主に取り出す低域通過フィルタを有する、請求項12乃至15のいずれかに記載の駆動制御システム。

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