JPWO2016067361A1 - 衝撃吸収装置を備えた軌条車両 - Google Patents

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Abstract

吸収材(10)は、多角形状の断面を有する内板(14)及び外板(12)と、両板を衝撃荷重作用方向に沿って結合する複数のリブ(16)から構成され、衝撃荷重作用方向に延びる中空形材であり、その前方に、多角形状の断面を有する前方部材(20)の外板(22)が、中心軸を略一致するよう取り付けられている。衝撃荷重作用方向からみて、前方部材(20)の外板(22)と吸収材(10)の内板(14)が交差するよう配置されている。前方部材(20)に衝撃力が加わった際、吸収材(12)の圧壊に先立って、交差部分を起点として、前方部材(20)が、中心軸を衝撃荷重作用方向に維持したまま、内板(14)の内方に進入するよう圧壊し、内板に対し衝撃力を、中心軸から放射方向に作用させる。これにより、衝突時に同時刻に吸収材の全面に荷重が作用することを回避して、圧壊ピーク荷重を低減し、衝撃を緩和することが可能となる。

Description

この発明は、特に、鉄道車両やモノレール車両のような軌条車両に適用され、障害物等との衝突時に受ける衝撃を緩和するために配備される衝撃吸収装置を備えた軌条車両に関する。
鉄道車両に代表される軌条車両では、運行中に予期しない物体との衝突が生じる可能性がある。鉄道車両を例として過去の衝突事例を挙げると、予期せず衝突する物体としては、道路車両、樹木、鉄道車両等の大型のものから、石、雪塊、対向車両の部品といった小型のものまで、その種類はさまざまである。
ここで、鉄道車両が大きな物体と衝突した場合を考える。大きな物体と衝突した場合、この物体との衝突により鉄道車両には大きな衝撃が作用することになる。この衝撃から、鉄道車両に搭乗している乗員・乗客を保護するために、鉄道車両の構造物の一部を積極的に変形させることにより衝突のエネルギーを吸収する概念が存在する。
すなわち、鉄道車両の構造物に、乗員・乗客が搭乗しており、物体との衝突時に鉄道車両の構造物を潰さないことを目的とした空間(以後、「サバイバルゾーン」と呼ぶ)と、物体との衝突時に鉄道車両の構造物を積極的に変形させて衝突のエネルギーを吸収する空間(以後、「クラッシャブルゾーン」と呼ぶ)とを分離して設けるという概念である。
一方、鉄道車両が小さな物体、例えば、対向列車が走行風により巻き上げた石、雪塊、対向車両の部品等が先頭部前面に衝突する場合は、飛来物に対して鉄道車両の方が圧倒的に大きな質量を持つので、鉄道車両には大きな衝撃は作用しない。しかし、飛来物が車体を貫通し、搭乗している乗員・乗客、特に、運転手に被害を与える可能性が考えられる。そこで、小さな飛来物との衝突に関しては、上述したようにエネルギーを吸収するのではなく、運転手が搭乗する空間の車両端部側に強固な構造物を配し、飛来物の侵入を防ぐ構造が用いられる。搭乗する運転手の生命を守ることを目的として、飛来物が運転室内に侵入しないように配置する防御板を飛来物防御板という。
鉄道車両の車体は、台枠、二つの側構体、屋根構体及び二つの妻構体(編成車両の先頭又は後尾に位置する車両(以後、両方の場合を含めて「先頭車両」と呼ぶ)では、先頭構体と妻構体)から構成されている。台枠には、各構体を支持するために強固な中梁や側梁が取り付けられており、強固な剛性を有し、その下部には、配線や配管が取り付けられている。軌条車両、特に、編成された鉄道車両においては、複数の車体を連結しているので、衝突した場合には、編成車両内の車体と車体との衝突も考慮する必要がある。先頭車両の衝突によって、編成車両内の車体同士が衝突するときには、台枠同士が衝突することになるが、台枠同士が衝突しても、強固な剛性を備えているために潰れることはなく、衝撃を緩和できない。
そこで、先頭車両はもちろんのこと、編成車両内の車体の間においても、変形を起こさせることにより衝突のエネルギーを吸収して、乗員・乗客への衝撃を緩和させる衝撃吸収装置を備えた鉄道車両が提案されている。
特許文献1には、先頭車両について、その先頭部に、衝撃吸収装置を設けて、衝突のエネルギーをその変形によって吸収する鉄道車両の構造が提案されている。この衝撃吸収装置は、衝撃荷重の作用方向に対して垂直な面内に配置される、三角形を有するエレメントやハニカムパネル等から構成され、衝撃荷重の作用方向に対して並列に配列され、また衝撃荷重の作用方向に沿って複数配置される。
本出願人は、特許文献2で、衝突のエネルギーを変形によって吸収する衝撃緩和機構を備えた軌条車両を提案している。この衝撃緩和機構は、二枚の面板と該面板同士を結合する複数のリブから成る中空形材で構成されており、この中空形材は、四角形状の筒状断面を有しており、軸方向に所定の長さ寸法を有している。そして、少なくとも台枠において、車体長手方向の両端部を構成する部材の材料として、台枠の長手方向の中央側の部材の材料に比べて柔らかい材料で構成することで、車体の形状を殆ど変更することなく、突然の衝突事故に際しても、乗員・乗客への衝撃を可能な限り減少・緩和し、安全性の向上を図っている。
また、本出願人は、四角形状の筒状断面を有する吸収材の角部の剛性が、他の部分と比較して高くなりすぎ、圧壊ピーク荷重を高め、衝撃の原因となっていることに注目し、特許文献3で、この吸収材の筒状断面の角部において、稜線近傍にトラスを設けない構造を提案した。
特許文献4では、四枚の板材を接合等によって接合した上記のような四角形状の筒状断面を有する吸収材を提案している。
この吸収材は、筒状断面の内部の空間に複数枚の補強用の板材を長手方向に間隔を置いて接合して取り付けた構造となっており、筒状断面の吸収材が変形してエネルギーを吸収するときに、補強用の板材が過大な変形を伴う座屈を防ぎ、衝撃吸収特性の向上を図っている。
さらに、本出願人は、特許文献5で、複数の吸収材を平行に配置し、両者の衝撃荷重の作用方向の先端位置をずらすことで、衝突時の圧潰ピーク荷重を低下させて衝撃吸収特性を向上することを提案している。
特開平7−186951号公報 特許第3725043号公報 特開2005−75255号公報 特開2005−75256号公報 特開2007−326550号公報
衝撃吸収装置を備えた軌条車両において、当該衝撃吸収装置の衝突によって生じる圧潰量(歪)と圧潰荷重(応力)の積が、吸収エネルギー(仕事)に相当する。ここで、輸送能力増強の観点からは、サバイバルゾーンを極力広く確保することが望ましいため、極力狭いクラッシャブルゾーンで衝突のエネルギーを効果的に吸収することが求められる。
したがって、衝撃吸収装置の吸収エネルギーを増加するためには、圧潰量を増加するよりも、圧潰荷重を増加する方が望ましい。しかし、圧潰荷重を増加すると、初期圧潰時の圧壊ピーク荷重が大きくなる。大きな圧壊ピーク荷重は、特に軌条車両に作用した場合には、乗員・乗客に大きな衝撃を及ぼし、好ましくない。そこで、衝撃吸収装置の圧潰荷重を増加しながら、圧壊ピーク荷重を低減する点で解決すべき課題がある。
本発明の目的は、衝突時に吸収材の全面に荷重が作用することを回避して、圧壊ピーク荷重を低減し、衝撃を緩和できる衝撃吸収装置を備えた軌条車両を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本発明による衝撃吸収装置を備えた軌条車両は、衝撃を吸収する吸収材からなる衝撃吸収装置を備えた軌条車両において、前記吸収材は、多角形状の断面を有する内板及び外板と、両板を衝撃荷重作用方向に沿って結合する複数のリブから構成され、これらの内板、外板及びリブが衝撃荷重作用方向に延びる中空形材であり、前記吸収材の前方に、多角形状の断面を有する前方部材が、前記吸収材と中心軸が略一致するよう取り付けられており、衝撃荷重作用方向からみて、前記前方部材の外縁と前記吸収材における内板の端面が交差するようまたは近接するよう配置され、前記前方部材に衝撃力が加わった際、前記吸収材の圧壊に先立って、前記交差部分を起点として、前記前方部材が、中心軸を前記衝撃荷重作用方向に維持したまま、前記内板の内方に進入するよう圧壊し、該内板に対し衝撃力を、前記中心軸から放射方向に作用させるようにした。
この発明は、上記のように構成されているので、衝突時に、吸収材の一部から徐々に圧潰が開始し、吸収材の全面に荷重が作用することを回避できる。これにより、吸収材の初期圧潰時の圧潰ピーク荷重を低減でき、衝撃を緩和できる。特に、鉄道車両等の軌条車両に適用される場合において、乗員・乗客への衝撃を軽減できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、実施例1による衝撃吸収装置を備えた先頭車両構体の斜視図である。 図2は、図1に示す先頭車両構体の端部に適用された実施例1の衝撃吸収装置の側面図である。 図3は、図2に示す衝撃吸収装置を構成する吸収材のA−A断面図である。 図4は、図2に示す衝撃吸収装置を構成する前方吸収材のB−B断面図である。 図5は、図2に示す衝撃吸収装置から接続板材、塞ぎ板及びアンチクライマーを除いた正面図(視C方向から見た図)である。 図6は、図2に示す衝撃吸収装置の接続板材近傍のD−D断面図である。 図7は、実施例1による衝撃吸収装置のエネルギー吸収時の変位に応じた荷重の変化の様子の一例を示すグラフである。 図8は、図1に示す先頭車両構体の端部に適用された実施例2の衝撃吸収装置の側面図である。 図9は、図8に示す衝撃吸収装置を構成する吸収材のE−E断面図である。 図10は、図8に示す衝撃吸収装置を構成する前方板材のF−F断面図である。 図11は、図8に示す衝撃吸収装置から接続板材、塞ぎ板及びアンチクライマーを除いた正面図(視G方向から見た図)である。 図12は、図8に示す衝撃吸収装置の接続板材近傍のH−H断面図である。 図13は、実施例2による衝撃吸収装置のエネルギー吸収時の変位に応じた荷重の変化の様子の一例を示すグラフである。
[実施例1]
図1には、本実施例による衝撃吸収装置を備えた先頭車両構体の斜視図が示されている。先頭車両構体1は、上面を構成する屋根構体2、側面を構成する側構体3、下面を構成する台枠4、後方の端部を構成する妻構体5及び前方の端部を構成する先頭構体6からなる。
先頭車両構体1の前方には、先頭車両構体1の長手方向に延伸する態様で、衝撃吸収装置7が備えられる。この衝撃吸収装置7は、先頭車両構体1の上部に備えられる前面窓、先頭車両構体1の幅方向中央部に備えられる連結器等との干渉が生じないように、先頭構体6の下側部に二個備えられる。二個の衝撃吸収装置7は、同じ高さで、しかも、先頭車両構体1の幅方向に関して対称な位置に配置されている。この位置は、既存車両の衝撃吸収装置やバッファーが存在する位置であり、それらの車両との衝突が生じた際にも、衝撃吸収装置7は有効に作動する。
本実施例による衝撃吸収装置7は、鉄道車両の先頭車両のみならず、列車編成の中間車両においても、それらの端部に適用可能である。編成車両は、前後の先頭車両と所要数の中間車両とからなる。例えば、先頭車両が障害物や他の車両等と衝突したときには、先頭車両と隣接する中間車両との間のみならず、隣り合う中間車両の端部間で次々に衝突が生じる。衝撃吸収装置を、先頭車両の端部及び中間車両の端部に適用しておくことで、先頭車両の衝突あるいは中間車両間で副次的に生じ得る衝突に対して発生する衝撃を緩和して、乗客・乗員を保護することができる。
図2〜図6には、本実施例の衝撃吸収装置7の構造が示されている。衝撃吸収装置7は、先頭車両構体1に取り付けられる吸収材10と、その進行方向、すなわち、長手方向の前方に位置する前方吸収材20と、これらを接続する接続板材30を主要な要素として構成される。本実施例では、前方吸収材20と接続板材30とで前方部材が構成される。
接続板材30は、吸収材10と概ね同等の外形を有しており、その外縁が、後述する吸収材10の外板12の外縁に沿って強固に接合されている。なお、吸収材10の後端部には吸収材10より大きな外形を有する塞ぎ板32が接合され、塞ぎ板32はその後方に位置する先頭構体6にボルトまたはネジにより結合される。
前方吸収材20の前端部には前方吸収材20と概ね同等の外形を有する塞ぎ板34が接合され、塞ぎ板34の前端部にはアンチクライマー36がボルト又はネジにより結合される。ここで、アンチクライマー36は、他の鉄道車両との衝突が生じた際に、双方の鉄道車両が備えるアンチクライマーの先端の凹凸が噛み合うことにより、鉄道車両の乗り上げを防止する部材である。衝撃吸収装置7は、塞ぎ板32を介して、先頭構体6にボルト又はネジにより結合されるので、衝突により変形した際には、容易に交換することができる。
吸収材10は、図2のA−A断面である図3に示されるように、外板12と内板14をリブ16で結合した中空形材で辺を構成した正方形状の筒状断面を有している。
この吸収材10は、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されており、その押出方向は衝撃吸収装置7の長手方向と一致しており、外板12と内板14はほぼ平行であり、リブ16はそれらに対してほぼ垂直に配置され、先頭車両の進行方向に延びている。
本実施例では、吸収材10の長手方向に交差する断面形状は正方形状であるが、長方形状であってもよいし、あるいは、三角形状や五角形状等であってもよい。また、吸収材10は、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されているが、アルミニウム合金製の複数の押出形材を接合して構成されていても、さらに、アルミニウム合金製の複数の板材と鉄鋼製等の複数の板材を組み合わせ、これらを接合して構成されていてもよい。
なお、本実施例では、吸収材10の押出方向が、衝撃吸収装置7の長手方向、すなわち衝撃荷重作用方向と一致しているが、衝撃吸収装置7の周方向と一致していてもよい。また、外板12と内板14はほぼ平行で、それらに対してリブ16はほぼ垂直に配置されているが、外板12、内板14、リブ16は各々に対して傾斜していてもよい。
一方、前方吸収材20は、図2のB−B断面である図4に示されるように、外板22と内板24をリブ26で結合した中空形材で辺を構成した正八角形状の筒状断面を有している。
前方吸収材20は、吸収材10と同様、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されており、その押出方向は衝撃吸収装置7の長手方向、すなわち衝撃荷重作用方向と一致している。外板22と内板24は平行であり、リブ26は、断面形状の中心から内板24の各頂点及び外板22の各頂点を結ぶように放射状に配置されている。
本実施例では、前方吸収材20の断面は、正八角形状であるが、八角形状、六角形状、十角形状等であってもよい。また、吸収材10は、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されているが、アルミニウム合金製の複数の押出形材を接合して構成されていても、さらに、アルミニウム合金製の複数の板材と鉄鋼製等の複数の板材を組み合わせ、これらを接合して構成されていてもよい。
なお、本実施例では、前方吸収材20の押出方向が、衝撃吸収装置7の長手方向と一致しているが、衝撃吸収装置7の周方向と一致していてもよい。また、外板22と内板24は平行で、それらに対してリブ26は中心点から各頂点を結ぶように放射状に配置されているが、外板22、内板24、リブ26は各々に対して傾斜していてもよい。
衝撃吸収装置7の全体座屈を抑制するために、吸収材10の軸芯と前方吸収材20の軸芯を略一致するよう配置されており、図5に示されるように、長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、吸収材10の内板14の四辺は、前方吸収材20の八辺のうちの上下方向及び左右方向に対向する辺に平行に配置されている。
すなわち、本実施例では、吸収材10と前方吸収材20における衝撃吸収装置7の周方向(軸芯17、27周り)の位相は同一であり、お互いに回転した状態にない。また、長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、前方吸収材20を構成する外板22の八辺のうちの上述した四辺は、吸収材10の内板14の四辺の中央部14a(図5参照)に重なっている。これは、吸収材10の角の数が前方吸収材20の角の数の半数であることによるものであり、例えば、六角形状の前方吸収材20と三角形状の吸収材10や、十角形状の前方吸収材20と五角形状の吸収材10等の組合せにおいても、同様の位置関係となる。
衝撃吸収装置7に衝撃が作用すると、吸収材10の長手方向に交差する断面積は、前方吸収材20の断面積より大きいので、断面積の小さい前方吸収材20が最初に圧壊する。前方吸収材20を圧壊した荷重は、軸方向に重なるように配置される吸収材10の内板14の中央部14a(図5参照)に作用する。この中央部14aの剛性は、吸収材10をなす隣り合う2辺のリブ16と内板14が近接して備えられる角部14b(図5参照)の剛性より小さい部位である。この剛性の小さい中央部14aに荷重が伝達されることによって、乗客や乗務員への衝撃となりやすい大きなピーク荷重が生じることなく吸収材10の圧壊が始まり、内板14の中央部14aの崩壊を起点として、内板14に接続するリブ16と、リブ16に接続する外板12へと崩壊が進展して、多くの衝撃を吸収することができる。
なお、以上は、前方吸収体20を圧壊した荷重が吸収体10の内板14の中央部14aに伝達されるプロセスについて、前方吸収体20が吸収体10に直接接続されている場合について説明した。
しかし、図2、図6に示されるように、前方吸収体20は、所定の板厚を有す接続板材30を介して吸収体10に接続し、前方吸収体20を圧壊した荷重は接続板材30を介して吸収体10へと伝達されるようにするのが好ましい。
この接続板材30は圧壊した前方吸収体20の荷重を受け止め、吸収体10へ荷重を伝達し得る剛性が得られるよう、所定の厚みを有している。この接続板材30がこのような所定の厚みを備えるため、前方吸収体20の軸芯が吸収体10の軸芯に重なっていない場合であっても、前方吸収体10を圧壊した荷重は接続板材30を介して吸収体10の内板14(特に、中央部14a)に伝達されるので、衝撃吸収装置7は、過大なピーク荷重を生じることなく圧壊して多くの衝撃を吸収する。
さらに、前方吸収体20の軸芯27を吸収体10の軸芯17に重ね、図5に示されるような配置を実現するために必要な組み立て公差を省略できるので、組み立てに必要な製造コストを削減することができる。
図7には、吸収材10のみの荷重変位線図と本実施形態(吸収材10と前方吸収材20を組み合わせた構造)の荷重変位線図が示されている。吸収材10のみからなる衝撃吸収装置7は、初期圧潰時に、断面積の大きい吸収材10の全面に荷重が作用するので、高い圧潰ピーク荷重が発生し、鉄道車両の乗員・乗客に大きな衝撃が作用する。
一方、吸収材10と前方吸収材20の組み合わせからなる本実施形態の衝撃吸収装置7は、初期圧潰時に、まず、断面積の小さい前方吸収材20が圧潰するため、過大な圧潰ピーク荷重が生じることを抑制できる。続いて、前方吸収材20に続いて吸収材10が圧壊する時は、前方吸収材20から作用する荷重が、吸収材10を構成する内板14に主として作用するので、内板14の剛性の小さい中央部14aから圧潰が徐々に始まり、吸収材10の全面に同時刻に荷重が作用することに起因する過大なピーク荷重の出現を回避できる。
衝撃吸収装置7をその軸方向に見る時、当該荷重が伝達する位置における前方吸収材20を構成する外板22は、吸収材10を構成する内板14の中央部14aの近傍に位置しているので、吸収材10の剛性の高い角部14bへの荷重の伝達を回避でき、圧潰ピーク荷重の上昇を抑制できる。以上の効果により、圧潰ピーク荷重を低減でき、乗員・乗客への衝撃を軽減できる軌条車両を提供することができる。
[実施例2]
図8〜図12には、実施例2による衝撃吸収装置7が示されている。本実施例では、衝撃吸収装置7は、後方に位置する吸収材10と、前方に位置する前方部材としての前方板材38を主要な要素として構成される。吸収材10と前方板材38は、吸収材10と概ね同等の外形を有する接続板材30に接合することにより接続される。接続板材30の構造、形状、前方板材38の外縁形状、吸収材10を構成する内板14に対する配置などを含め、アンチクライマー36などを含むその他の構造は、実施例1と同様である。
衝撃吸収装置7の長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、吸収材10の内板14の四辺は、前方板材38の八縁のうちの上下方向及び左右方向に対向する四縁に平行に配置されている。実施例2では、吸収材10と前方板材38における衝撃吸収装置7の周方向(軸芯37、17周り)の位相は同一であり、お互いに回転した状態にない。また、長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、前方板材38の八縁のうちの上述した四縁は、吸収材10の内板14の四辺の剛性の小さい中央部14a(図11参照)に重なっている。これは、吸収材10の角の数が前方板材38の角の数の半数であることによるものであり、例えば、六角形状の前方板材38と三角形状の吸収材10や、十角形状の前方板材38と五角形状の吸収材10等の組合せにおいても、同様の位置関係となる。
図13には、吸収材10のみの荷重変位線図と本実施形態(吸収材10と前方板材38を組み合わせた構造)の荷重変位線図が示されている。吸収材10のみにおいては、衝撃吸収装置7の初期圧潰時に、断面積の大きい吸収材10の全面に荷重が作用するので、高い圧潰ピーク荷重が発生し、鉄道車両の乗員・乗客に大きな衝撃が作用する。
一方、本実施形態においては、衝撃吸収装置7の初期圧潰時に、前方板材38から作用する荷重が吸収材10を構成する剛性の小さい内板14の中央部14aに主として作用するので、吸収材10の内部から徐々に圧潰が開始し、吸収材10の全面に同時刻に荷重が作用することを回避できる。さらに、当該荷重を伝達する位置における前方板材38の外縁は、吸収材10を構成する内板14の辺の中央近傍に位置しているので、剛性の高い角部への荷重の伝達を回避でき、圧潰ピーク荷重の上昇を抑制できる。以上の効果により、圧潰ピーク荷重を低減でき、鉄道車両の乗員・乗客への衝撃を軽減できる。
なお、以上の説明では、前方板材38から作用する荷重が吸収体10の内板14の中央部14aに伝達されるプロセスについて、前方板材38が吸収体10に直接に接続されていることを前提にして説明した。
しかし、図8、12に示すように、前方板材38を所定の板厚を有する接続板材30を介して吸収体10に接続した場合には、前方板材38の荷重は接続板材30を介して吸収体10へと伝達される。この接続板材30は、前方板材38の荷重を吸収体10へ伝達し得る剛性が得られるよう、所定の厚みを有している。この接続板材30がこのような所定の厚みを備えるため、前方板材38の軸芯37が吸収体10の軸芯17に重なっていない(近接していない)場合であっても、前方板材38の荷重は接続板材30を介して吸収体10の内板14(特に、中央部14a)に伝達されるので、衝撃吸収装置7は、過大なピーク荷重を生じることなく圧壊して多くの衝撃を吸収する。
このように、前方板材38の軸芯37を吸収体10の軸芯17に重ね、図11に示されるような配置にするために必要な厳しい組み立て公差を省略できるので、組み立てに必要な製造コストを削減することができる。
また、図13での説明は、衝撃吸収装置7を長手方向からみた時、吸収材10の内板14の四辺が前方板材38の八縁のうちの上下方向及び左右方向に対向する縁に平行である同位相(吸収材10と前方吸収材20が互いに回転していない状態、図11参照)の位置関係を前提としている。しかし、前方板材38がその軸芯37周りに吸収材10に対して回転している状態(同位相でない状態)、つまり、衝撃吸収装置7の軸方向から見て、吸収材10の内板14の四辺が前方板材38の八縁のうちの上下方向及び左右方向に対向する縁に平行でない状態であっても、前方板材38の外縁が内板14の中央部に重なっていれば、同位相の状態と同様の作用効果(過大なピーク荷重を生じることなく圧壊して多くの衝撃を吸収する)を奏する。
本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の各請求項の記載又は課題を解決するための手段の項の記載に基づいて定められるが、当業者がそれから容易に置き換えられる範囲にも及ぶものである。
すなわち、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…先頭車両構体 2…屋根構体
3…側構体 4…台枠
5…妻構体 6…先頭構体
7…衝撃吸収装置 10…吸収材
12…外板(外筒) 14…内板(内筒)
14a…中央部 14b…角部
16…リブ 17…軸芯
20…前方吸収材 22…外板(外筒)
24…内板(内筒) 26…リブ
27…軸芯 30…接続板材
32、34…塞ぎ板 36…アンチクライマー
37…軸芯 38…前方板材
40…吸収材のみの荷重変位線図
42…吸収材と前方吸収材を組み合わせた構造の荷重変位線図
44…吸収材と前方板材を組み合わせた構造の荷重変位線図
【0007】
吸収装置7は、先頭車両構体1に取り付けられる吸収材10と、その進行方向、すなわち、長手方向の前方に位置する前方吸収材20と、これらを接続する接続板材30を主要な要素として構成される。
[0019]
接続板材30は、吸収材10と概ね同等の外形を有しており、その外縁が、後述する吸収材10の外板12の外縁に沿って強固に接合されている。なお、吸収材10の後端部には吸収材10より大きな外形を有する塞ぎ板32が接合され、塞ぎ板32はその後方に位置する先頭構体6にボルトまたはネジにより結合される。
[0020]
前方吸収材20の前端部には前方吸収材20と概ね同等の外形を有する塞ぎ板34が接合され、塞ぎ板34の前端部にはアンチクライマー36がボルト又はネジにより結合される。ここで、アンチクライマー36は、他の鉄道車両との衝突が生じた際に、双方の鉄道車両が備えるアンチクライマーの先端の凹凸が噛み合うことにより、鉄道車両の乗り上げを防止する部材である。衝撃吸収装置7は、塞ぎ板32を介して、先頭構体6にボルト又はネジにより結合されるので、衝突により変形した際には、容易に交換することができる。
[0021]
吸収材10は、図2のA−A断面である図3に示されるように、外板12と内板14をリブ16で結合した中空形材で辺を構成した正方形状の筒状断面を有している。
この吸収材10は、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されており、その押出方向は衝撃吸収装置7の長手方向(衝撃荷重作用方向)と一致しており、外板12と内板14はほぼ平行であり、リブ16はそれらに対してほぼ垂直に配置され、先頭車両の進行方向に延びている。
[0022]
本実施例では、吸収材10の長手方向に交差する断面形状は正方形状であるが、長方形状であってもよいし、あるいは、三角形状や五角形状等であってもよい。また、吸収材10は、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されているが、アルミニウム合金製の複数の押出形材を接合して構成され
【0008】
ていても、さらに、アルミニウム合金製の複数の板材と鉄鋼製等の複数の板材を組み合わせ、これらを接合して構成されていてもよい。
なお、本実施例では、吸収材10の押出方向が、衝撃吸収装置7の長手方向、すなわち衝撃荷重作用方向と一致しているが、衝撃吸収装置7の周方向と一致していてもよい。また、外板12と内板14はほぼ平行で、それらに対してリブ16はほぼ垂直に配置されているが、外板12、内板14、リブ16は各々に対して傾斜していてもよい。
[0023]
一方、前方吸収材20は、図2のB−B断面である図4に示されるように、外板22と内板24をリブ26で結合した中空形材で辺を構成した正八角形状の筒状断面を有している。
前方吸収材20は、吸収材10と同様、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されており、その押出方向は衝撃吸収装置7の長手方向、すなわち衝撃荷重作用方向と一致している。外板22と内板24は平行であり、リブ26は、断面形状の中心から内板24の各頂点及び外板22の各頂点を結ぶように放射状に配置されている。
本実施例では、前方吸収材20の長手方向に交差する断面形状は、正八角形状であるが、八角形状、六角形状、十角形状等であってもよい。また、前方吸収材20は、アルミニウム合金製の一つの押出形材で構成されているが、アルミニウム合金製の複数の押出形材を接合して構成されていても、さらに、アルミニウム合金製の複数の板材と鉄鋼製等の複数の板材を組み合わせ、これらを接合して構成されていてもよい。
なお、本実施例では、前方吸収材20の押出方向が、衝撃吸収装置7の長手方向と一致しているが、衝撃吸収装置7の周方向と一致していてもよい。また、外板22と内板24は平行で、それらに対してリブ26は中心点から各頂点を結ぶように放射状に配置されているが、外板22、内板24、リブ26は各々に対して傾斜していてもよい。
[0024]
衝撃吸収装置7の全体座屈を抑制するために、吸収材10の軸芯と前方吸収材20の軸芯を略一致するよう配置されており、図5に示されるように、
【0009】
長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、吸収材10の内板14の四辺は、前方吸収材20の外板22の八辺のうちの上下方向及び左右方向に対向する四辺に平行に配置されている。
すなわち、本実施例では、吸収材10と前方吸収材20における衝撃吸収装置7の周方向(軸芯17、27周り)の位相は同一であり、お互いに回転した状態にない。また、長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、前方吸収材20を構成する外板22の八辺のうちの上述した四辺は、吸収材10の内板14の四辺の中央部14a(図5参照)に重なっている。これは、吸収材10の角の数が前方吸収材20の角の数の半数であることによるものであり、例えば、六角形状の前方吸収材20と三角形状の吸収材10や、十角形状の前方吸収材20と五角形状の吸収材10等の組合せにおいても、同様の位置関係となる。
[0025]
衝撃吸収装置7に衝撃が作用すると、吸収材10の長手方向に交差する断面積は、前方吸収材20の長手方向に交差する断面積より大きいので、断面積の小さい前方吸収材20が最初に圧壊する。前方吸収材20を圧壊した荷重は、軸方向に重なるように配置される吸収材10の内板14の中央部14a(図5参照)に作用する。この中央部14aの剛性は、吸収材10をなす隣り合う二辺のリブ16と内板14が近接して備えられる角部14b(図5参照)の剛性より小さい。この剛性の小さい中央部14aに荷重が伝達されることによって、乗客や乗務員への衝撃となりやすい大きなピーク荷重が生じることなく吸収材10の圧壊が始まり、内板14の中央部14aの崩壊を起点として、内板14に接続するリブ16と、リブ16に接続する外板12へと崩壊が進展して、多くの衝撃を吸収することができる。
[0026]
なお、以上は、前方吸収材20を圧壊した荷重が吸収材10の内板14の中央部14aに伝達されるプロセスについて、前方吸収材20が吸収材10に直接接続されている場合について説明した。
しかし、図2、図6に示されるように、前方吸収材20は、所定の板厚を有す接続板材30を介して吸収材10に接続し、前方吸収材20を圧壊した
【0010】
荷重は接続板材30を介して吸収材10へと伝達されるようにするのが好ましい。
[0027]
この接続板材30は圧壊した前方吸収材20の荷重を受け止め、吸収材10へ荷重を伝達し得る剛性が得られるよう、所定の厚みを有している。この接続板材30がこのような所定の厚みを備えるため、前方吸収材20の軸芯が吸収材10の軸芯に重なっていない場合であっても、前方吸収材20を圧壊した荷重は接続板材30を介して吸収材10の内板14(特に、中央部14a)に伝達されるので、衝撃吸収装置7は、過大なピーク荷重を生じることなく圧壊して多くの衝撃を吸収する。
さらに、前方吸収材20の軸芯27を吸収材10の軸芯17に重ね、図5に示されるような配置を実現するために必要な組み立て公差を緩和できるので、組み立てに必要な製造コストを削減することができる。
[0028]
図7には、吸収材10のみの荷重変位線図と本実施形態(吸収材10と前方吸収材20を組み合わせた構造)の荷重変位線図が示されている。吸収材10のみからなる衝撃吸収装置7は、初期圧潰時に、断面積の大きい吸収材10の全面に荷重が作用するので、高い圧潰ピーク荷重が発生し、鉄道車両の乗員・乗客に大きな衝撃が作用する。
[0029]
一方、吸収材10と前方吸収材20の組み合わせからなる本実施形態の衝撃吸収装置7は、初期圧潰時に、まず、断面積の小さい前方吸収材20が圧潰するため、過大な圧潰ピーク荷重が生じることを抑制できる。続いて、前方吸収材20に続いて吸収材10が圧壊する時は、前方吸収材20から作用する荷重が、吸収材10を構成する内板14に主として作用するので、内板14の剛性の小さい中央部14aから圧潰が徐々に始まり、吸収材10の全面に同時刻に荷重が作用することに起因する過大なピーク荷重の出現を回避できる。
衝撃吸収装置7をその軸方向に見る時、当該荷重が伝達する位置における前方吸収材20を構成する外板22は、吸収材10を構成する内板14の中央部14aの近傍に位置しているので、吸収材10の剛性の高い角部14b
【0011】
への荷重の伝達を回避でき、圧潰ピーク荷重の上昇を抑制できる。以上の効果により、圧潰ピーク荷重を低減でき、乗員・乗客への衝撃を軽減できる軌条車両を提供することができる。
[0030]
[実施例2]
図8〜図12には、実施例2による衝撃吸収装置7が示されている。本実施例では、衝撃吸収装置7は、後方に位置する吸収材10と、前方に位置する前方部材としての前方板材38を主要な要素として構成される。吸収材10と前方板材38は、吸収材10と概ね同等の外形を有する接続板材30に接合することにより接続される。接続板材30の構造、形状、前方板材38の外縁形状、吸収材10を構成する内板14に対する配置などを含め、アンチクライマー36などを含むその他の構造は、実施例1と同様である。
[0031]
衝撃吸収装置7の長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、吸収材10の内板14の四辺は、前方板材38の八縁のうちの上下方向及び左右方向に対向する四縁に平行に配置されている。実施例2では、吸収材10と前方板材38における衝撃吸収装置7の周方向(軸芯37、17周り)の位相は同一であり、お互いに回転した状態にない。また、長手方向(衝撃荷重作用方向)からみて、前方板材38の八縁のうちの上述した四縁は、吸収材10の内板14の四辺の中央部14a(図11参照)に重なっている。これは、吸収材10の角の数が前方板材38の角の数の半数であることによるものであり、例えば、六角形状の前方板材38と三角形状の吸収材10や、十角形状の前方板材38と五角形状の吸収材10等の組合せにおいても、同様の位置関係となる。
[0032]
図13には、吸収材10のみの荷重変位線図と本実施形態(吸収材10と前方板材38を組み合わせた構造)の荷重変位線図が示されている。吸収材10のみからなる衝撃吸収装置7は、初期圧潰時に、断面積の大きい吸収材10の全面に荷重が作用するので、高い圧潰ピーク荷重が発生し、鉄道車両の乗員・乗客に大きな衝撃が作用する。
一方、本実施形態の衝撃吸収装置7は、初期圧潰時に、前方板材
【0012】
38から作用する荷重が吸収材10を構成する剛性の小さい内板14の中央部14aに主として作用するので、吸収材10の内部から徐々に圧潰が開始し、吸収材10の全面に同時刻に荷重が作用することを回避できる。さらに、当該荷重を伝達する位置における前方板材38の外縁は、吸収材10を構成する内板14の辺の中央近傍に位置しているので、剛性の高い角部への荷重の伝達を回避でき、圧潰ピーク荷重の上昇を抑制できる。以上の効果により、圧潰ピーク荷重を低減でき、鉄道車両の乗員・乗客への衝撃を軽減できる。
[0033]
なお、以上の説明では、前方板材38から作用する荷重が吸収材10の内板14の中央部14aに伝達されるプロセスについて、前方板材38が吸収材10に直接に接続されていることを前提にして説明した。
しかし、図8、12に示すように、前方板材38を所定の板厚を有する接続板材30を介して吸収材10に接続した場合には、前方板材38の荷重は接続板材30を介して吸収材10へと伝達される。この接続板材30は、前方板材38の荷重を吸収材10へ伝達し得る剛性が得られるよう、所定の厚みを有している。この接続板材30がこのような所定の厚みを備えるため、前方板材38の軸芯37が吸収材10の軸芯17に重なっていない(近接していない)場合であっても、前方板材38の荷重は接続板材30を介して吸収材10の内板14(特に、中央部14a)に伝達されるので、衝撃吸収装置7は、過大なピーク荷重を生じることなく圧壊して多くの衝撃を吸収する。
このように、前方板材38の軸芯37を吸収材10の軸芯17に重ね、図11に示されるような配置にするために必要な厳しい組み立て公差を緩和できるので、組み立てに必要な製造コストを削減することができる。
[0034]
また、図13での説明は、衝撃吸収装置7を長手方向からみた時、吸収材10の内板14の四辺が前方板材38の八縁のうちの上下方向及び左右方向に対向する四縁に平行である同位相(吸収材10と前方板材38が互いに回転していない状態、図11参照)の位置関係を前提としている。しかし、前
【0013】
方板材38がその軸芯37周りに吸収材10に対して回転している状態(同位相でない状態)、つまり、衝撃吸収装置7の軸方向から見て、吸収材10の内板14の四辺が前方板材38の八縁のうちの上下方向及び左右方向に対向する四縁に平行でない状態であっても、前方板材38の外縁が内板14の中央部に重なっていれば、同位相の状態と同様の作用効果(過大なピーク荷重を生じることなく圧壊して多くの衝撃を吸収する)を奏する。
[0035]
本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の各請求項の記載又は課題を解決するための手段の項の記載に基づいて定められるが、当業者がそれから容易に置き換えられる範囲にも及ぶものである。
すなわち、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
符号の説明
[0036]
1…先頭車両構体 2…屋根構体
3…側構体 4…台枠
5…妻構体 6…先頭構体
7…衝撃吸収装置 10…吸収材
12…外板(外筒) 14…内板(内筒)
14a…中央部 14b…角部
16…リブ 17…軸芯
20…前方吸収材 22…外板(外筒)
24…内板(内筒) 26…リブ
27…軸芯 30…接続板材
32、34…塞ぎ板 36…アンチクライマー

Claims (7)

  1. 衝撃を吸収する吸収材からなる衝撃吸収装置を備えた軌条車両において、
    前記吸収材は、多角形状の断面を有する内板及び外板と、両板を接続する複数のリブから構成され、これらの内板、外板及びリブが衝撃荷重作用方向に延びる中空形材であり、
    前記吸収材の前方に多角形状の断面形状を有する前方部材が、前記吸収材と中心軸が略一致するように取り付けられており、
    前記衝撃吸収装置は、衝撃荷重作用方向からみて、前記前方部材の外縁が前記吸収材における内板の端面に重なる重なり部を有しており、
    前記前方部材に衝撃力が加わった際、前記吸収材は前記重なり部を起点として圧壊すること
    を特徴とする軌条車両。
  2. 請求項1に記載された軌条車両において、
    前記前方部材は、衝撃荷重作用方向に延び、多角形状の断面を有する内板及び外板と、両板を接続する複数のリブから構成され、これらの内板、外板及びリブが衝撃荷重作用方向に延びる中空形材であること
    を特徴とする軌条車両。
  3. 請求項2に記載された軌条車両において、
    前記前方部材が、前記吸収材の外板端面に固着された接続板材を介して取り付けられていること
    を特徴とする軌条車両。
  4. 請求項2または3のいずれか1項に記載された軌条車両において、
    前記吸収材における内板の断面形状がn角形(nは3以上の自然数)としたとき、前記前方部材の内板の断面形状が2n角形であること
    を特徴とする軌条車両。
  5. 請求項1に記載された軌条車両において、
    前記前方部材が多角形状の断面を有する板材からなること
    を特徴とする軌条車両。
  6. 請求項5に記載された軌条車両において、
    前記板材が、前記吸収材の外板端面に固着された接続板材を介して取り付けられていること
    を特徴とする軌条車両。
  7. 請求項5または6のいずれか1項に記載された軌条車両において、
    前記吸収材における内板の断面形状がn角形(nは3以上の自然数)としたとき、及び前記板材の断面形状が2n角形であること
    を特徴とする軌条車両。
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