JPWO2016052617A1 - ナルフラフィン含有局所適用製剤 - Google Patents

ナルフラフィン含有局所適用製剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016052617A1
JPWO2016052617A1 JP2016552116A JP2016552116A JPWO2016052617A1 JP WO2016052617 A1 JPWO2016052617 A1 JP WO2016052617A1 JP 2016552116 A JP2016552116 A JP 2016552116A JP 2016552116 A JP2016552116 A JP 2016552116A JP WO2016052617 A1 JPWO2016052617 A1 JP WO2016052617A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
preparation
nalfurafine
topical
polyoxyethylene
topical preparation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016552116A
Other languages
English (en)
Inventor
博 長瀬
長瀬  博
健 佐伯
健 佐伯
潤 下山
潤 下山
麻希子 多田
麻希子 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mikasa Seiyaku Co Ltd
University of Tsukuba NUC
Original Assignee
Mikasa Seiyaku Co Ltd
University of Tsukuba NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mikasa Seiyaku Co Ltd, University of Tsukuba NUC filed Critical Mikasa Seiyaku Co Ltd
Publication of JPWO2016052617A1 publication Critical patent/JPWO2016052617A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/08Solutions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/47Quinolines; Isoquinolines
    • A61K31/485Morphinan derivatives, e.g. morphine, codeine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/06Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
    • A61K47/26Carbohydrates, e.g. sugar alcohols, amino sugars, nucleic acids, mono-, di- or oligo-saccharides; Derivatives thereof, e.g. polysorbates, sorbitan fatty acid esters or glycyrrhizin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/44Oils, fats or waxes according to two or more groups of A61K47/02-A61K47/42; Natural or modified natural oils, fats or waxes, e.g. castor oil, polyethoxylated castor oil, montan wax, lignite, shellac, rosin, beeswax or lanolin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

本発明の課題は、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤を提供することである。本発明は、ナルフラフィンのフリー体を含有し、基剤が乳剤性基剤または炭化水素油分からなる油脂性基剤であることにより、60℃で2週間保存後におけるナルフラフィン残存率が90〜100%であって、ラット皮膚透過試験における製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量が100ng/cm2以上である、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤に関するものである。

Description

本発明は、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤に関する。さらに詳しくは、ナルフラフィンのフリー体を含有すること、好ましくは、特定の局所適用製剤用基剤を用いて、当該基剤中にナルフラフィンのフリー体を含有することで、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤に関するものである。
そう痒(痒み)は、表皮(皮膚、粘膜および角膜)特有の感覚で、我々が日常でも感じる症状であり、炎症を伴う皮膚疾患においては最も高頻度に苦痛として感じられる症状である。痒みを伴う疾患には、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患によるものに加え、腎疾患(慢性腎不全)、肝疾患、糖尿病、悪性腫瘍などの内臓疾患がある。痒みが重度になると、引っ掻き行動やイライラ感が増大してじっとしては居られず、ひいては日常生活に支障が出たり、睡眠障害を引き起こしたりするなど、患者のQOL(Quality of Life)を著しく低下させてしまう。そのような痒みに対する治療薬としては、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が一般的であるが、これらが奏効するのは蕁麻疹などの一部の痒みであり、アトピー性皮膚炎や内臓疾患に伴う重度の痒みには、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の服用、ステロイド薬の外用から民間療法に至るまで種々の既存治療法が全く奏効しない患者が存在することが医療上の大きな問題となっていた。現在、そのような難治性の痒みを有する患者に対しても優れた治療効果を示す薬物として、ナルフラフィンが注目されている。
ナルフラフィンは、オピオイドκ(カッパー)受容体作動薬として、従来の末梢性の痒みとは別の、臨床的には難治性といわれてきたオピオイドシステムが関与する中枢性の痒みに対して、本質的に止痒作用を示す。このナルフラフィンの本質的な止痒作用は、抗ヒスタミン薬および抗アレルギー薬が有効ではない難治性の痒みに対しても有効であることが知られている(特許文献1、2および3)。そのため、ナルフラフィン塩酸塩を含有したそう痒症改善剤であるレミッチカプセル2.5μg(鳥居薬品(株))が、経口投与剤として開発されている。
経口投与剤は薬物治療において最も一般的な剤形で、第一選択として用いられるのが通常であるが、そう痒治療の分野においては、全身性の副作用リスクを軽減するために、局所適用製剤を第一選択薬として用いることが推奨されている。実際に、ナルフラフィン塩酸塩は、全身性の副作用として不眠、便秘および眠気などが認められているため、局所適用製剤化のニーズが高まっている。
しかしながら、ナルフラフィンやその塩(ナルフラフィン塩酸塩等)を局所適用製剤に含有した場合、製剤中薬物安定性および製剤から生体への薬物移行性が低いことが課題となっていた。特許文献4では、数種類の抗酸化剤を用いることで製剤中の薬物安定性を改善させる技術が開発されているが、これらの抗酸化剤の中から最適な種類や濃度を見出すためには、多くの時間を要する場合がある。また、特許文献5では、モルフィン類に、炭素数6〜12の飽和または不飽和脂肪酸のモノグリセリドと、炭素数12〜18の飽和脂肪酸のモノ、ジおよびトリグリセリドからなる混合物とを混合することによって、製剤から生体への薬物移行性を向上させる技術が開発されているが、ナルフラフィンやその塩(ナルフラフィン塩酸塩等)に関しては検討されていない。
そこで、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤の開発が望まれていた。
特許第3531170号公報 特許第3617055号公報 特許第3743449号公報 特許第4311369号公報 特許第3514480号公報
本発明の目的は、上述の状況を鑑みてなされたもので、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤を提供することである。
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ナルフラフィンのフリー体を含有すること、好ましくは、特定の局所適用製剤用基剤を用いて、当該基剤中にナルフラフィンのフリー体を含有することで、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤を得ることができることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)に示すものである。
(1)ナルフラフィンのフリー体を含有する局所適用製剤。
(2)ナルフラフィンのフリー体の含有量が、局所適用製剤の全重量に対して0.001〜1重量%であることを特徴とする上記(1)に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
(3)局所適用製剤の基剤が乳剤性基剤または炭化水素油分からなる油脂性基剤であることを特徴とする上記(2)に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
(4)炭化水素油分からなる油脂性基剤がワセリンおよびゲル化炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする上記(3)に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
(5)安定性試験における60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率が90〜100%であり、および、ラット皮膚透過試験における製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量が100ng/cm以上であることを特徴とする上記(4)に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
以上述べたように、本発明は、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤を提供することができる。
以下、本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤を詳細に説明する。なお、本明細書に記載の例示は、本発明を特に限定するものではない。
本明細書において、「製剤中薬物安定性」とは、製剤を60℃の条件下で2週間保存した際の、製剤中のナルフラフィン残存率を意味する。すなわち、60℃で2週間保存後における製剤中のナルフラフィン残存率が90〜100%の場合を「製剤中薬物安定性が高い」とし、2週間保存後における製剤中のナルフラフィン含有量が検出限界以下または製剤中のナルフラフィン残存率が90%未満の場合を「製剤中薬物安定性が低い」とした。
「製剤中薬物安定性」は、例えば、後述の試験例1(安定性試験)に従って評価することができる。
本明細書において、「製剤から生体への薬物移行性」とは、ヘアレスラットから摘出した皮膚に製剤を適用した際の、単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量を意味する。すなわち、製剤適用後20時間における単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量が100ng/cm以上の場合を「製剤から生体への薬物移行性が高い」とし、100ng/cm未満の場合を「製剤から生体への薬物移行性が低い」とした。
「製剤から生体への薬物移行性」は、例えば、後述の試験例2(ラット皮膚透過試験)に従って評価することができる。
本発明において、「ナルフラフィンのフリー体を含有する」とは、製剤中にナルフラフィンのフリー体が存在することを意味する。すなわち、原料としてナルフラフィンの塩を用いた場合であっても、製剤の製造過程又は製造後に該塩がフリー体に変換されて製剤中に存在する場合は、本発明の「ナルフラフィンのフリー体を含有する」の概念に含まれる。
具体的には、本発明の「ナルフラフィンのフリー体を含有する」とは、製剤中にナルフラフィンをフリー体の形態で配合するか、または塩の形態として塩基を有する添加剤とともに配合し、該塩がフリー体に変換されて製剤中に存在することである。このような塩基を有する添加剤としては、たとえば、ジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明において用いられるナルフラフィンの塩は、一般にナルフラフィンと塩を形成可能な酸との塩であり、医学的または薬学的に許容される塩であれば特に限定はないが、たとえば、ナルフラフィン塩酸塩、ナルフラフィン硫酸塩、ナルフラフィンリン酸塩、ナルフラフィン硝酸塩、ナルフラフィンホウ酸塩、ナルフラフィンスルホン酸塩、ナルフラフィン炭酸塩に代表される無機酸塩、ナルフラフィン乳酸塩、ナルフラフィンギ酸塩、ナルフラフィン酢酸塩、ナルフラフィン酒石酸塩、ナルフラフィンリンゴ酸塩、ナルフラフィンクエン酸塩に代表される有機酸塩などが挙げられ、より好ましくは、ナルフラフィン塩酸塩である。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤中のナルフラフィンのフリー体の含有量は、製剤化が可能である限り特に限定はないが、局所適用製剤の全重量に対して0.0001〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜5重量%であり、特に好ましくは0.001〜1重量%である。局所適用製剤全体に対して0.0001重量%未満であると十分な薬効が得られず、また、10重量%を超えると副作用を発現するリスクが高くなるため、好ましくない。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤における基剤としては、乳剤性基剤、炭化水素油分からなる油脂性基剤が好ましい。
本発明において、乳剤性基剤としては、たとえば、W/O型乳剤性基剤、O/W型乳剤性基剤などが挙げられる。
乳剤性基剤の成分としては、油分、界面活性剤などが使用でき、さらには、必要に応じて水などが使用できる。
乳剤性基剤に使用する油分としては、医薬品、化粧品などの分野において通常用いられる油溶性の物質であれば特に限定することはないが、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、トリメチルシロキシシリケートなどのシリコーン系オイル、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素、イソプロピルミリステート、ミリスチルオクチルドデカノール、ジ−(2−エチルヘキシル)サクシネートなどのエステル、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール、モノステアリン酸グリセリン、イソステアリン酸トリグリセライド、ヤシ油脂肪酸トリグリセライド、ヒマシ油などのグリセライド、エタノールなどの低級アルコール、オクチルドデカノール、ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロールなどの高級アルコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラノリン、ミツロウ、オリーブ油などの高級脂肪酸などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができるが、保湿性、使用感の観点から特にワセリンが好ましい。また油分の配合量としては、本発明の効果を発揮する配合量であれば特に制限されないが、保湿性、使用感の観点から乳剤性基剤の重量に対して、10.0〜95.0重量%が好ましい。
乳剤性基剤に使用する界面活性剤としては、たとえば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などが挙げられ、単独または2種以上組合わせて使用することができるが、特に非イオン性界面活性剤が好ましい。
陽イオン性界面活性剤としては、たとえば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
陰イオン性界面活性剤としては、たとえば、リグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩(石けん)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
両性界面活性剤としては、たとえば、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアンモニウムプロピルスルホン酸塩、アシルアミノエチルヒドロキシエチルグリシン塩、アシルアミノエチルヒドロキシエチルプロピオン酸塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシドなどの多価アルコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのエーテルエステルなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができるが、好ましくはソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
また界面活性剤の配合量としては、本発明の効果を発揮する配合量であれば特に制限されないが、乳剤性基剤の全重量に対して0.1〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。
乳剤性基剤に使用する水としては、たとえば、精製水、滅菌水、天然水、常水、注射水などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができるが、好ましくは精製水である。本発明に係る乳剤性基剤において、内相または外相を形成する水の配合量は、剤形により異なる。一般にO/W型乳剤性基剤の場合は、O/W型乳剤性基剤の全重量に対して、5.0〜80.0重量%であることが好ましい。また、W/O型乳剤性基剤の場合は、水を含まなくともよいため、W/O型乳剤性基剤の全重量に対して、0.0〜70.0重量%であることが好ましい。
また、本発明において用いられる乳剤性基剤としては、親水ワセリン(W/O型乳剤性基剤、例えば、第十六改正日本薬局方に規定される親水ワセリン)、親水軟膏(O/W型乳剤性基剤、例えば、第十六改正日本薬局方に規定される親水軟膏)が挙げられる。
本発明において、油脂性基剤は、炭化水素油分からなるものが好ましい。炭化水素油分からなる油脂性基剤としては、たとえば、ワセリン(たとえば、白色ワセリン(たとえば、第十六改正日本薬局方に規定される白色ワセリン))、ゲル化炭化水素(たとえば、プラスチベース(たとえば、重質流動パラフィンに平均分子量21,000のポリエチレンを5%の割合にゲル化させた固形パラフィン;登録商標))、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、イソパラフィン、イソヘキサデカン、スクワラン、スクワレン、ポリブテン、ポリエチレンなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤には、上記の他に、本発明の効果を損なわない範囲で医薬品を製造するにあたって許容される各種成分、すなわち、湿潤剤、界面活性剤、キレート剤、香料・清涼化剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、吸収促進剤などを適宜配合することができる。
湿潤剤としては、たとえば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース、エリスリトール、コンドロイチン硫酸およびこの塩類、ヒアルロン酸およびこの塩類、ポリエチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸塩、フィッシュコラーゲン、フィトステリル−12−ヒドロキシステアレートなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。湿潤剤の配合量としては、ナルフラフィン含有局所適用製剤の全重量に対して、10重量%以下であることが好ましい。湿潤剤が10重量%よりも多いと皮膚刺激性が強くなる場合があるため好ましくない。
界面活性剤としては、たとえば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられ、単独または2種以上組合わせて使用することができる。
陽イオン性界面活性剤としては、たとえば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
陰イオン性界面活性剤としては、たとえば、リグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩(石けん)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
両性界面活性剤としては、たとえば、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアンモニウムプロピルスルホン酸塩、アシルアミノエチルヒドロキシエチルグリシン塩、アシルアミノエチルヒドロキシエチルプロピオン酸塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシドなどの多価アルコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのエーテルエステルなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができるが、好ましくはソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
キレート剤としては、たとえば、エデト酸、シュウ酸、クエン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、グルコン酸およびこれらの塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
香料・清涼化剤としては、たとえば、ハッカ油、ハッカハク油、ケイヒ油、チョウジ油、ウイキョウ油、ヒマシ油、テレピン油、ユーカリ油、オレンジ油、ラベンダー油、レモン油、ローズ油、レモングラス油、ダイウイキョウ油、チミアン油、ヘノポジ油、ヤマジン油、トウカ油、ベルガモット油、シトロネラ油、樟脳油、ローズマリー、セージなどの香料、l−メントール、カンフル、チモール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、l−メンチルグリセリルエーテルなどの清涼化剤が挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
酸化防止剤としては、たとえば、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアヤレチン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロールなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
防腐剤としては、たとえば、チモール、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸およびこの塩、安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
pH調整剤としては、たとえば、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸およびこれらの塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アルギニン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、アンモニア水、炭酸グアニジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
吸収促進剤としては、たとえば、オリーブ油、スクワラン、プロピレングリコール、ラウリルアルコール、トリアセチン、イソステアリン酸、モノカプリル酸プロピレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、モノオレイン酸ソルビタン、炭酸プロピレン、オレイルアルコール、クロタミトン、l−メントールなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤の治療対象とする症状は、オピオイドκ(カッパー)受容体に作動性を示し治療効果が得られるものであれば特に限定されないが、たとえば、アトピー性皮膚炎、神経性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、自己感作性皮膚炎、毛虫性皮膚炎、皮脂欠乏症、老人性皮膚そう痒、虫刺症、光線過敏症、蕁麻疹、痒疹、疱疹、膿痂疹、白癬、苔癬、乾癬、疥癬、内臓疾患(悪性腫瘍、糖尿病、肝疾患、腎不全、腎透析、妊娠など)、尋常性座瘡などによるそう痒、侵害受容性疼痛(筋肉痛、関節痛、頭痛、口腔顔面痛、内臓痛など)、神経因性疼痛(糖尿病、アルコール依存症、抗がん剤の副作用、術後痛、幻肢痛、帯状疱疹後痛、三叉神経痛、中枢神経痛など)、心因性痛などの痛み、などが挙げられる。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤は、ヒト、哺乳動物(例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ブタ、サル等)に、安全に使用することができる。本発明の製剤は、表皮(皮膚、粘膜および角膜)等の局所に適用することによって、経口投与における全身性の副作用が軽減される点で有利である。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤の適用方法は特に限定されず、例えば、直接患者の表皮等の局所に塗布してもよく、支持体等に積層して貼付剤として患者の表皮等の局所に適用してもよい。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤の投与量は、対象疾患、疾患の重篤度等により異なり、適宜選択することができる。
本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤の製造方法については特に制限されず、剤形に応じて、従来公知の方法または今後新しく提供される方法を参考にして製造することができる。
局所適用製剤用基剤として油脂性基剤を選択する場合は、たとえば、炭化水素系油分および他の任意の成分を加熱溶解させ、冷却してからナルフラフィンおよび他の任意の成分と混合することで、または炭化水素系油分と、ナルフラフィンおよび他の任意の成分とを同時に加熱溶解させてから冷却することで製造することができる。
局所適用製剤用基剤としてW/O型またはO/W型乳剤性基剤を選択する場合は、たとえば、ナルフラフィンを油性成分または水性成分に添加し、当該成分、油性または水性成分、界面活性剤および他の任意の成分を混合し、乳化することで、または油性成分、水性成分、界面活性剤および他の任意の成分を混合し、乳化してからナルフラフィンを混合することで製造することができる。
なお、油性成分と水性成分との乳化方法としては、たとえば、ホモミキサーなどを用いて撹拌する方法を挙げることができるが、必要に応じて、得られたエマルションをさらにホモジナイザーなどを用いて微細化することもできる。
以下に、実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す配合に基づき、後述する調製法1の方法により調製し、本発明のナルフラフィン含有局所適用製剤1を得た。得られたナルフラフィン含有局所適用製剤1を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、96%となり、製剤中薬物安定性が高かった。次に、試験例2に従って、ラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、432.6ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が高かった。結果を表1に示す。
(調製法1)
ナルフラフィンのフリー体に親水ワセリンを加え、乳鉢上で均一に混合し、ナルフラフィン含有局所適用製剤1を得た。
(試験例1)
安定性試験
前述した実施例1のナルフラフィン含有局所適用製剤、後述する実施例2〜4のナルフラフィン含有局所適用製剤および比較例1〜6の局所適用製剤を使用し、次に示す方法で安定性試験を行った。
各局所適用製剤を密閉容器に入れて、60℃で保存した。保存開始時および保存開始2週間後に、各局所適用製剤中のナルフラフィン含有量を高速液体クロマトグラフィーによって定量した。保存開始時のナルフラフィン含有量に対する保存開始2週間後のナルフラフィン含有量を百分率で算出し、ナルフラフィン残存率(%)とした。また、測定の誤差により、ナルフラフィン残存率が100%を超えたものに関しては、ナルフラフィン残存率を100%とした。
(試験例2)
ラット皮膚透過試験
前述した実施例1のナルフラフィン含有局所適用製剤、後述する実施例2〜4のナルフラフィン含有局所適用製剤および比較例1〜6の局所適用製剤を使用し、次に示す方法でラット皮膚透過試験を行った。
HWYヘアレスラット(雄性、8週齢、体重約250g)の腹部皮膚を摘出し、皮下組織を取り除いたものを、試験用皮膚とした。フランツ型拡散セルに先の試験用皮膚を装着し、試験用皮膚に各局所適用製剤0.1gを直径2cmの円状に均一に塗り広げて適用した。フランツ型拡散セルのレシーバー側は、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)(以下、「レシーバー溶液」という)で満たし、試験終了まで撹拌し続けた。フランツ型拡散セルのジャケット温度を約38℃に保ち、各局所適用製剤適用20時間後にレシーバー溶液をサンプリングした。サンプリングしたレシーバー溶液中のナルフラフィン量をLC/MS/MS(Liquid Chromatography−tandem Mass Spectrometry)により測定し、皮膚を透過したナルフラフィン量とした。この皮膚を透過したナルフラフィン量を製剤の適用面積で除して単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量を算出した。
(実施例2)
実施例1において、親水ワセリンの代わりに親水軟膏を用いた以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、ナルフラフィン含有局所適用製剤2を得た。得られたナルフラフィン含有局所適用製剤2を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、92%となり、製剤中薬物安定性が高かった。次に、試験例2に従って、ラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、160.6ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が高かった。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、親水ワセリンの代わりに白色ワセリンを用いた以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、ナルフラフィン含有局所適用製剤3を得た。得られたナルフラフィン含有局所適用製剤3を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、98%となり、製剤中薬物安定性が高かった。次に、試験例2に従って、ラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、222.7ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が高かった。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1において、親水ワセリンの代わりにプラスチベース(登録商標)を用いた以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、ナルフラフィン含有局所適用製剤4を得た。得られたナルフラフィン含有局所適用製剤4を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、100%となり、製剤中薬物安定性が高かった。次に、試験例2に従って、ラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、167.2ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が高かった。結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、ナルフラフィンのフリー体の代わりにナルフラフィン塩酸塩を用いた以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、局所適用製剤1を得た。なお、ナルフラフィン塩酸塩の配合量は、製剤中のナルフラフィン含有量がナルフラフィンのフリー体として0.1重量%となるように調節した。得られた局所適用製剤1を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、85%となり、製剤中薬物安定性が低かった。次に、試験例2に従って、ラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、36.2ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が低かった。結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例2において、ナルフラフィンのフリー体の代わりにナルフラフィン塩酸塩を用いた以外は実施例2と全く同じ調製法を繰り返して、局所適用製剤2を得た。なお、ナルフラフィン塩酸塩の配合量は、製剤中のナルフラフィン含有量がナルフラフィンのフリー体として0.1重量%となるように調節した。得られた局所適用製剤2を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、92%となり、製剤中ナルフラフィン安定性が高かった。次に、試験例2に従って、ラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、96.9ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が低かった。結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例3において、ナルフラフィンのフリー体の代わりにナルフラフィン塩酸塩を用いた以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して、局所適用製剤3を得た。なお、ナルフラフィン塩酸塩の配合量は、製剤中のナルフラフィン含有量がナルフラフィンのフリー体として0.1重量%となるように調節した。得られた局所適用製剤3を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、78%となり、製剤中薬物安定性が低かった。次に、試験例2に従って、ラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、80.0ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が低かった。結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例4において、ナルフラフィンのフリー体の代わりにナルフラフィン塩酸塩を用いた以外は実施例4と全く同じ調製法を繰り返して、局所適用製剤4を得た。なお、ナルフラフィン塩酸塩の配合量は、製剤中のナルフラフィン含有量がナルフラフィンのフリー体として0.1重量%となるように調節した。得られた局所適用製剤4を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率は、88%となり、製剤中薬物安定性が低かった。次に、試験例2に従ってラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、10.9ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が低かった。結果を表1に示した。
(比較例5)
実施例1において、親水ワセリンの代わりにマクロゴール軟膏を用いた以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、局所適用製剤5を得た。得られた局所適用製剤5を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後におけるナルフラフィン含有量が検出限界以下であったため、製剤中薬物安定性が低かった。次に、試験例2に従ってラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、1.8ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が低かった。結果を表1に示した。
(比較例6)
比較例5において、ナルフラフィンのフリー体の代わりにナルフラフィン塩酸塩を用いた以外は比較例5と全く同じ調製法を繰り返して、局所適用製剤6を得た。なお、ナルフラフィン塩酸塩の配合量は、製剤中のナルフラフィン含有量がナルフラフィンのフリー体として0.1重量%となるように調節した。得られた局所適用製剤6を使用して、試験例1に従って安定性試験を実施した結果、60℃で2週間保存後におけるナルフラフィン含有量が検出限界以下であったため、製剤中薬物安定性が低かった。次に試験例2に従ってラット皮膚透過試験を実施した結果、製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量は、1.1ng/cmとなり、製剤から生体への薬物移行性が低かった。結果を表1に示した。
本発明は、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤に関するものであり、産業上十分に利用可能である。
本出願は、日本で出願された特願2014−201237を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (5)

  1. ナルフラフィンのフリー体を含有する局所適用製剤。
  2. ナルフラフィンのフリー体の含有量が、局所適用製剤の全重量に対して0.001〜1重量%であることを特徴とする請求項1に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
  3. 局所適用製剤の基剤が乳剤性基剤または炭化水素油分からなる油脂性基剤であることを特徴とする請求項2に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
  4. 炭化水素油分からなる油脂性基剤がワセリンおよびゲル化炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
  5. 安定性試験における60℃で2週間保存後のナルフラフィン残存率が90〜100%であり、および、ラット皮膚透過試験における製剤適用後20時間の単位面積当たりのナルフラフィンの累積透過量が100ng/cm以上であることを特徴とする請求項4に記載のナルフラフィン含有局所適用製剤。
JP2016552116A 2014-09-30 2015-09-30 ナルフラフィン含有局所適用製剤 Pending JPWO2016052617A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014201237 2014-09-30
JP2014201237 2014-09-30
PCT/JP2015/077741 WO2016052617A1 (ja) 2014-09-30 2015-09-30 ナルフラフィン含有局所適用製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2016052617A1 true JPWO2016052617A1 (ja) 2017-09-21

Family

ID=55630642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016552116A Pending JPWO2016052617A1 (ja) 2014-09-30 2015-09-30 ナルフラフィン含有局所適用製剤

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2016052617A1 (ja)
WO (1) WO2016052617A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11185509B2 (en) 2016-07-29 2021-11-30 Toray Industries, Inc. Solid preparation having improved light stability

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1180844C (zh) * 1996-11-25 2004-12-22 东丽株式会社 止痒药物
EP2255802B1 (en) * 2008-02-27 2018-01-17 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Adhesive skin patch and packaged product
EP2799066B1 (en) * 2011-12-27 2021-01-20 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Tolterodine-containing adhesive patch
JP6064252B2 (ja) * 2012-01-19 2017-01-25 三笠製薬株式会社 そう痒症改善経皮吸収貼付剤

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016052617A1 (ja) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10758502B2 (en) High concentration local anesthetic formulations
JP2019505583A (ja) 角質層および血清中の薬物濃度を最大にするための経皮送達用ゲル組成物ならびにそれを使用する方法
TW201912156A (zh) 組成物在製備治療睡眠障礙的藥劑的用途
US9427435B2 (en) Narcotic emulsion formulations for treatment of cancer pain
CN115135323A (zh) 药物组合物
JP2023054255A (ja) 皮膚外用剤
TW201705960A (zh) 癸二醯雙那布扶林酯之緩釋藥物製劑
Walters et al. Dermatological formulation and transdermal systems
JP2010184903A (ja) 外用医薬組成物
JP4972895B2 (ja) 尿素配合外用製剤
JP5294601B2 (ja) Trpv4受容体抑制剤
JPWO2016052617A1 (ja) ナルフラフィン含有局所適用製剤
JP7446711B2 (ja) 皮膚外用組成物
US5869088A (en) Transdermal administration preparation of a 9-aminocyclopenta (b) quinoline
JP2016188187A (ja) 外用医薬組成物
JP7329910B2 (ja) 皮膚外用組成物
JPH01102024A (ja) 外用皮膚疾患治療剤
JP2005089345A (ja) 虫刺され治療薬
JP2020100575A (ja) 皮膚外用組成物
US20230310528A1 (en) Deep eutectic solvent including one or more active pharmaceutical ingredients derived from mushrooms
JP2020523395A (ja) 疼痛治療のためのブロムヘキシン
JP2018203673A (ja) 皮脂分泌促進剤
JP2020033311A (ja) 皮膚外用組成物
BR112020000379A2 (pt) emulsão de óleo em água
JP2018203672A (ja) 皮脂分泌促進剤

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20170502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170502

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20170606