JPWO2016051844A1 - 乾燥処理装置、乾燥処理方法、乾燥処理プログラム及び画像形成装置 - Google Patents

乾燥処理装置、乾燥処理方法、乾燥処理プログラム及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

媒体の変形が防止され、乾燥処理期間の長期間化が抑制され、媒体の良好な乾燥状態が得られる、乾燥処理装置、乾燥処理方法、乾燥処理プログラム及び画像形成装置を提供する。乾燥処理対象の媒体(P)に対して熱照射による乾燥処理、及び送風による乾燥処理を施す際に、薄い媒体に対して熱照射乾燥処理部(73A)による熱照射を相対的に減少させ、厚い媒体に対して熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に増加させ、かつ、少なくとも上流側送風乾燥処理部(73C)の送風温度を熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度又は熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定し、薄い媒体に対して上流側送風乾燥処理部の送風量を増加させ、厚い媒体に対して上流側送風乾燥処理部の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する。

Description

本発明は乾燥処理装置、乾燥処理方法、乾燥処理プログラム及び画像形成装置に係り、特に液体を付着させた媒体の乾燥処理技術に関する。
水性インクを用いた画像形成装置として、インクジェット記録装置が知られている。水性インクが用いられるインクジェット記録装置は、描画後の記録媒体に乾燥処理を施すことによって、記録媒体へのインクの定着が促進される。
特許文献1は、画像記録後の用紙に乾燥処理を施す乾燥処理部を備えたインクジェット記録装置が記載されている。同文献に記載の乾燥処理部は、用紙に熱風を吹き当てる方式が適用されている。
なお、特許文献1における画像記録、及び用紙の用語は、それぞれ本明細書における画像形成、及び媒体の用語に対応している。
特許文献2は、画像が形成された記録媒体を乾燥させる媒体乾燥装置を備えた画像形成装置が記載されている。同文献に記載の媒体乾燥装置は、IRヒータと温風ノズルとの組み合わせを複数配置した構成を有している。同文献に記載の媒体乾燥装置は、熱風の温度と風量とを適宜調整することにより様々な処理条件を実現している。
なお、IRは、赤外線を表すinfrared rayの略語である。また、同文献における媒体乾燥装置の用語は、本明細書における乾燥処理部の用語に対応している。
特許文献3は、画像が形成された用紙に熱気流を接触させて加熱乾燥させる熱気流乾燥手段を備えた画像形成装置が記載されている。同文献に記載の熱気流乾燥手段は、用紙厚情報に応じてヒータ給電量、及び風量を制御して、用紙に応じた適切な熱量、及び風量の熱気流によって加熱を行う構成が適用されている。
なお、特許文献3における用紙、熱気流乾燥手段、用紙厚情報、及び風量の用語は、それぞれ本明細書における媒体、乾燥処理部、媒体情報、及び送風量の用語に対応している。
特開2013−28140号公報 特開2012−131065号公報 特開2010−167599号公報
しかしながら、乾燥処理を施す際に乾燥を促進させる乾燥処理条件を適用すると、媒体の温度が上昇し、媒体のインクが付着している印刷部分の乾燥状態と、インクが付着していない非印刷部分の乾燥状態との差が大きくなってしまう。そうすると、媒体に変形が生じてしまう。
特許文献1に記載インクジェット記録装置、特許文献2に記載の画像形成装置、及び特許文献3に記載の画像形成装置は、いずれも乾燥を促進させる乾燥処理条件を適用した場合に、媒体の変形が起こりうる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、媒体の変形が防止され、媒体の良好な乾燥状態が得られる、乾燥処理装置、乾燥処理方法、乾燥処理プログラム及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1態様は、乾燥処理対象の媒体を搬送させる媒体搬送部と、乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得部と、乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理部と、乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理部であり、媒体の搬送方向上流側に配置される上流側送風乾燥処理部、及び媒体の搬送方向下流側に配置される下流側送風乾燥処理部が具備される送風乾燥処理部と、取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定部と、設定された乾燥処理条件に基づいて熱照射乾燥処理部による乾燥処理を制御する熱乾燥処理制御部と、設定された乾燥処理条件に基づいて送風乾燥処理部による乾燥処理を制御する送風乾燥処理制御部と、を備え、乾燥処理条件設定部は、熱照射乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、送風乾燥処理部のうち少なくとも上流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、上流側送風乾燥処理部から放出される送風の温度である上流側送風乾燥処理部の送風温度を、熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して上流側送風乾燥処理部から放出される単位時間あたりの送風の体積である上流側送風乾燥処理部の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して上流側送風乾燥処理部の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する乾燥処理装置を提供する。
第1態様によれば、媒体の厚みに応じて熱照射乾燥処理部の乾燥処理条件、及び上流側送風乾燥処理部の乾燥処理条件が設定されるので、媒体の厚みによらず媒体の一定の乾燥状態が実現されることによって乾燥処理中の媒体の温度上昇が抑制され、媒体の変形が抑制される。
また、少なくとも上流側送風乾燥処理部に熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件を適用することによって、乾燥処理中の媒体の温度変化が抑制され、媒体の変形が抑制される。
第2態様は、第1態様に記載の乾燥処理装置において、乾燥処理条件設定部は、下流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、上流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件を設定する。
第2態様によれば、下流側送風乾燥処理部による乾燥処理条件が、上流側送風乾燥処理部による乾燥処理条件と共通化され、一定の乾燥処理条件に基づく乾燥処理が実現される。
第3態様は、第1態様に記載の乾燥処理装置において、乾燥処理条件設定部は、送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、上流側送風乾燥処理部の送風量と下流側送風乾燥処理部の送風量との比率を設定する。
第3態様によれば、上流側送風乾燥処理部の乾燥処理条件と、下流側乾燥処理部の処理条件とを相関させることができる。
第4態様は、第3態様に記載の乾燥処理装置において、乾燥処理条件設定部は、下流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、上流側送風乾燥処理部の送風量に1未満の数を乗じた送風量を設定する。
第4態様によれば、下流側送風乾燥処理部の送風量を上流側送風乾燥処理部の送風量よりも下げることによって媒体のばたつきが防止される。
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれかに記載の乾燥処理装置において、乾燥処理条件設定部によって参照される乾燥処理条件設定制御テーブルであり、媒体の厚みに対する乾燥処理条件を規定する乾燥処理条件設定制御テーブルが記憶される乾燥処理条件設定制御テーブル記憶部を備えている。
第5態様において、乾燥処理条件設定制御テーブルは、熱照射乾燥処理部の乾燥処理条件を規定する熱照射乾燥処理条件設定制御テーブル、及び送風乾燥処理部の乾燥処理条件を規定する送風乾燥処理条件設定制御テーブルから構成してもよい。
第5態様において、乾燥処理条件設定制御テーブル記憶部は、熱照射乾燥処理条件設定制御テーブルが記憶される熱照射乾燥処理条件設定制御テーブル記憶部、及び送風乾燥処理条件設定制御テーブルが記憶される送風乾燥処理条件設定制御テーブル記憶部から構成してもよい。
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれかに記載の乾燥処理装置において、乾燥処理対象の媒体の変形抑制を優先する変形抑制優先モード、乾燥処理対象の媒体の乾燥処理対象面と反対側の面の傷つきを防止する傷防止優先モード、及び乾燥処理対象の媒体に形成される膜の強度向上を優先させる膜強度優先モードの少なくともいずれかのモードを設定するモード設定部を備え、乾燥処理条件設定部は、設定されたモードに応じて、熱照射乾燥処理部に適用される乾燥処理条件、及び送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件の少なくともいずれか一方を変更する。
第6態様によれば、設定されたモードに応じた乾燥処理条件に基づく乾燥処理を実行することができる。
第6態様におけるモード設定として、手動設定、自動設定のいずれも可能である。
第7態様は、第1態様から第5態様のいずれかに記載の乾燥処理装置において、熱照射乾燥処理部の処理領域、及び送風乾燥処理部の処理領域において、乾燥処理対象の媒体の乾燥処理対象面の反対側面を支持する支持部と、支持される媒体に対して圧力を付与する圧力付与部と、取得された媒体の厚みに応じて圧力付与部の圧力付与条件を設定する圧力付与条件設定部と、設定された圧力付与条件に基づいて圧力付与部による圧力付与を制御する圧力付与制御部と、を備え、圧力付与条件設定部は、処理対象の媒体の厚みが予め決められた厚み未満の場合に、処理対象の媒体を支持部へ接触させる圧力を付与する圧力付与条件を設定し、処理対象の媒体の厚みが予め決められた厚み以上の場合に、処理対象の媒体を支持部から離間させる圧力を付与する圧力付与条件を設定する。
第7態様によれば、媒体の厚みに応じて乾燥処理の際の媒体に付与される圧力に適した圧力条件が設定されるので、媒体に対する圧力の付与による媒体の変形、及び媒体の傷付きを防止することが可能となる。
第8態様は、第7態様に記載の乾燥処理装置において、圧力付与部は、支持部の乾燥処理対象面の反対側面を支持する面に処理対象の媒体に付与される圧力を発生させる孔と、孔と連通する流路であり、支持部の内部に形成された流路と、流路と接続される圧力発生装置と、を備え、圧力付与制御部は、孔からの吸引又は排出を切り換える。
第8態様によれば、媒体を支持部の孔から吸引することによって媒体の変形が防止される。また、支持部の孔からの排出により媒体を支持部から離間させることによって支持部と媒体との接触による媒体の傷つきが防止される。
第9態様は、第7態様又は第8態様に記載の乾燥処理装置において、圧力付与条件設定部によって参照される圧力付与条件制御テーブルであり、媒体の厚みに対する圧力付与条件を規定する圧力付与条件制御テーブルが記憶される圧力付与条件制御テーブル記憶部を備えている。
第9態様における圧力付与条件制御テーブルと、第5態様に記載の乾燥処理条件制御テーブルとを一体に構成してもよい。
第9態様における圧力付与条件制御テーブル記憶部は、第5態様に記載の乾燥処理条件設定制御テーブル記憶部と兼用してもよい。
第10態様は、第7態様から第9態様のいずれかに記載の乾燥処理装置において、乾燥処理対象の媒体の変形抑制を優先する変形抑制優先モード、乾燥処理対象の媒体の乾燥処理対象面と反対側の面の傷を防止する傷防止優先モード、及び乾燥処理対象の媒体に形成される膜の強度向上を優先させる膜強度優先モードを設定するモード設定部を備え、圧力付与条件設定部は、設定されたモードに応じて圧力付与部に適用される圧力付与条件を変更する。
第10態様によれば、設定されたモードに応じた乾燥処理条件に基づく圧力付与制御を実行することができる。
第11態様は、第1態様から第10態様のいずれかに記載の乾燥処理装置において、熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の温度の情報を取得する温度情報取得部を備えている。
第11態様において、媒体の温度を測定する温度測定部を備える態様を適用可能である。また、熱照射乾燥処理部の乾燥処理条件から媒体の温度を予測する温度予測部を備える態様を適用可能である。
第12態様は、乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得工程と、乾燥処理対象の媒体を搬送させ、乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理工程と、乾燥処理対象の媒体を搬送させ、乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理工程であり、媒体の搬送方向上流側において乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す上流側送風乾燥処理工程、及び媒体の搬送方向下流側において乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す下流側送風乾燥処理工程を含む送風乾燥処理工程と、取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定工程と、を含み、乾燥処理条件設定工程は、熱照射乾燥処理工程に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して熱照射乾燥処理工程における熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して熱照射乾燥処理工程における熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、送風乾燥処理工程のうち少なくとも上流側送風乾燥処理工程に適用される乾燥処理条件として、上流側送風乾燥処理工程において放出される送風の温度である上流側送風乾燥処理工程の送風温度を、熱照射乾燥処理工程における乾燥処理中の媒体の温度、又は熱照射乾燥処理工程における乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して上流側送風乾燥処理工程において放出される単位時間あたりの送風の体積である上流側送風乾燥処理工程の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して上流側送風乾燥処理工程の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する乾燥処理方法を提供する。
第13態様は、コンピュータを、乾燥処理対象の媒体を搬送させる媒体搬送手段、乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得手段、乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理手段、乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理手段であり、媒体の搬送方向上流側に配置される上流側送風乾燥処理手段、及び媒体の搬送方向下流側に配置される下流側送風乾燥処理手段が具備される送風乾燥処理手段、取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定手段、設定された乾燥処理条件に基づいて熱照射乾燥処理手段による乾燥処理を制御する熱乾燥処理制御手段、設定された乾燥処理条件に基づいて送風乾燥処理手段による乾燥処理を制御する送風乾燥処理制御手段として機能させる乾燥処理プログラムであって、コンピュータを、熱照射乾燥処理手段に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して熱照射乾燥処理手段による熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して熱照射乾燥処理手段による熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、送風乾燥処理手段のうち少なくとも上流側送風乾燥処理手段に適用される乾燥処理条件として、上流側送風乾燥処理手段から放出される送風の温度である上流側送風乾燥処理手段の送風温度を、熱照射乾燥処理手段による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は熱照射乾燥処理手段による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して上流側送風乾燥処理手段から放出される単位時間あたりの送風の体積である上流側送風乾燥処理手段の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して上流側送風乾燥処理手段の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定手段として機能させる乾燥処理プログラムを提供する。
第14態様は、媒体に画像を形成する描画部と、形成された画像に対して乾燥処理を施す乾燥処理装置と、を備え、乾燥処理装置は、乾燥処理対象の媒体を搬送させる媒体搬送部と、乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得部と、乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理部と、乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理部であり、媒体の搬送方向上流側に配置される上流側送風乾燥処理部、及び媒体の搬送方向下流側に配置される下流側送風乾燥処理部が具備される送風乾燥処理部と、取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定部と、設定された乾燥処理条件に基づいて熱照射乾燥処理部による乾燥処理を制御する熱乾燥処理制御部と、設定された乾燥処理条件に基づいて送風乾燥処理部による乾燥処理を制御する送風乾燥処理制御部と、を備え、乾燥処理条件設定部は、熱照射乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、送風乾燥処理部のうち少なくとも上流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、上流側送風乾燥処理部から放出される送風の温度である上流側送風乾燥処理部の送風温度を、熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して上流側送風乾燥処理部から放出される単位時間あたりの送風の体積である上流側送風乾燥処理部の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して上流側送風乾燥処理部の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、媒体の厚みに応じて熱照射乾燥処理部の乾燥処理条件、及び上流側送風乾燥処理部の乾燥処理条件が設定されるので、媒体の厚みの違いによる媒体の変形が抑制され、媒体の良好な乾燥状態を得ることができる。
また、少なくとも上流側送風乾燥処理部に熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件を適用することによって、乾燥処理中の媒体の温度変化が抑制され、媒体の変形が抑制される。
図1は本発明の第1実施形態に係る乾燥処理装置の全体構成図である。 図2は図1に示した乾燥処理部の構成図である。 図3は図1に示した乾燥処理装置の制御系のブロック図である。 図4は本発明の実施形態に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。 図5はIRヒータのデューティ設定と膜面温度の測定値との関係を示すグラフである。 図6(A)は媒体の測定対象面を模式的に図示した説明図である。図6(B)は媒体を側面から見た図である。 図7は膜面温度と媒体上の水分量との関係を示すグラフである。 図8は媒体の厚みと水分量との関係を示すグラフである。 図9は媒体の搬送距離と膜面温度との関係を示すグラフである。 図10はエアナイフの送風温度の設定、及び送風量の設定が異なる乾燥処理における媒体の搬送距離と膜面温度との関係を示すグラフである。 図11(A)は媒体の厚みに対する乾燥処理条件の設定を示す説明図である。図11(B)は媒体の厚みを多段階に変更可能な場合における媒体の厚みに対する乾燥処理条件の設定を示す説明図である。 図12は第2実施形態に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。 図13(A)は第2実施形態に係る乾燥処理方法における媒体の厚みに対する圧力設定を示す説明図である。図13(B)は媒体の両面に液体を付着させる場合を考慮した媒体の厚みに対する圧力設定を示す説明図である。図13(C)は媒体の厚みと圧力設定との関係を規定するテーブルの説明図である。 図14は第3実施形態に係る乾燥処理装置の制御系のブロック図である。 図15は第3実施形態に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。 図16は第3実施形態に係る媒体の厚みに対する乾燥処理条件の設定を示す説明図である。 図17は第4実施形態に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。 図18は第4実施形態に係る乾燥処理条件の設定変更の説明図である。 図19は乾燥処理条件設定制御テーブルの構成例を示す乾燥処理条件制御テーブルの説明図である。 図20は本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 図21は図20に示す画像形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 図22は図20に図示したインクジェットヘッドの構成図であり、インク液滴を吐出させる吐出面の透視平面図である。 図23はヘッドモジュールの斜視図であり部分断面図を含む図である。 図24は図23に示したヘッドモジュールにおける吐出面の平面透視図である。 図25はヘッドモジュールの内部構造を示す断面図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔第1実施形態〕
[乾燥処理装置の全体構成]
図1は本発明の第1実施形態に係る乾燥処理装置の全体構成図である。同図に示した乾燥処理装置20は、液体を付着させた媒体Pに乾燥処理を施す乾燥処理装置である。例えば、インクジェット記録装置によって画像が形成された媒体を乾燥させる乾燥処理装置に適用することができる。
図1に示した乾燥処理装置20は、乾燥処理対象の媒体Pを搬送する媒体搬送部64、媒体搬送部64によって搬送される媒体Pを支持する搬送ガイド72、媒体Pに乾燥処理を施す乾燥処理部73、乾燥処理後の媒体に定着処理を施す定着処理部74、媒体搬送部64によって搬送される媒体Pを支持する搬送ガイド75、及び乾燥処理後の媒体Pが積載される排紙台76を備えている。
媒体搬送手段として機能する媒体搬送部64は、第1スプロケット64A、及び第2スプロケット64Bに無端状のチェーン64Cが巻き掛けられた構造を有している。チェーン64Cは、不図示のチェーンガイドによって支持される。
第1スプロケット64A、第2スプロケット64B、及びチェーン64Cは、それぞれ一対で構成される。一対の第1スプロケット64A、一対の第2スプロケット64B、及び一対のチェーン64Cは、媒体Pの幅方向の両側に配設される。媒体Pの幅方向とは、媒体Pの搬送方向と直交する方向である。
本明細書における直交の用語は、二方向のなす角度が90度未満の場合、及び二方向のなす角度が90度を超える場合において、二方向のなす角度が90度の場合と同様にみなすことができる実質的な直交が含まれる。
本明細書では、媒体Pの搬送方向を表す用語として、媒体搬送方向の用語を用いることがある。また、媒体搬送方向と直交する方向を表す用語として、媒体の幅方向の用語を用いることがある。
一対の第1スプロケット64A、又は一対の第2スプロケット64Bの一方を回転させて一対のチェーン64Cを走行させることによって、チェーン64Cに取り付けられたグリッパー64Dによって支持される媒体Pを搬送させる。
一対のチェーン64Cには、不図示のグリッパー支持部材が掛け渡されている。グリッパー支持部材は、複数のグリッパー64Dが媒体Pの幅に対応して配置されている。グリッパー64Dは、不図示の爪部と不図示の爪台との間に媒体Pの先端又は後端を挟み込んで、媒体Pの先端又は後端を把持する構造を有している。
支持部、及び支持手段として機能し、圧力付与手段を構成する搬送ガイド72は、乾燥処理部73の処理領域において搬送される媒体Pの乾燥処理対象面の反対側面を支持する。搬送ガイド72は、媒体搬送方向と直交する方向について、媒体Pの全幅に対応する長さを有している。複数のサイズの媒体が使用される場合には、全幅が最大となる媒体Pの全幅とされる。
搬送ガイド72は、媒体Pを支持する媒体支持面に不図示の複数の孔が設けられている。複数の孔のそれぞれは、搬送ガイド72の内部に設けられた不図示の流路と連通する。搬送ガイド72の内部に設けられた内部流路は不図示の圧力発生装置と接続される。
圧力発生装置は、搬送ガイド72の媒体支持面に設けられた複数の孔に対して、孔の外部から孔の内部に向けられる圧力、又は孔の内部から孔の外部に向けられる圧力を発生させる。
複数の孔に吸引圧力を発生させると、媒体Pは搬送ガイド72の媒体支持面に吸引される。複数の孔からエアを排出させる圧力を発生させると、媒体Pは搬送ガイド72の媒体支持面から離間する。複数の孔の開口形状は、円形状、楕円形状、及び多角形形状などを適用することができる。
乾燥処理部73は、搬送ガイド72に対向する位置であり、チェーン64Cの搬送ガイド72と反対側の位置に配置される。乾燥処理部73は、媒体搬送部64によって搬送される媒体Pであり、搬送ガイド72によって支持される媒体Pに対して乾燥処理を施す。乾燥処理部73の構成、及び乾燥処理の詳細は後述する。
定着処理部74は、媒体搬送方向における乾燥処理部73の下流側に配置される。定着処理部74は、乾燥処理部73によって乾燥処理が施された媒体Pに定着処理を施す。定着処理の例として、紫外線等の活性光線の照射により硬化するインクを用いた画像形成における活性光線の照射による定着処理、加熱による定着処理、加圧による定着処理、加熱と加圧とを併用した定着処理などが挙げられる。なお、定着処理部74は省略することが可能である。
搬送ガイド75は、定着処理部74と対向する位置であり、チェーン64Cの定着処理部74と反対側に配置される。搬送ガイド75は、定着処理部74の処理領域において搬送される媒体Pを支持する。搬送ガイド75は、搬送ガイド72と同様の構造、及び構成を有していてもよい。
排紙台76は、乾燥処理が施された媒体Pが収容される。排紙台76は、積載される媒体の増加に応じて媒体搬送部64との間の距離が離されるので、媒体が排出される位置と媒体が積載される位置の間の距離が一定範囲内に保たれる。
図1には、定着処理部74の処理領域における媒体Pの搬送路に傾斜構造を適用したが、定着処理部74の処理領域における媒体Pの搬送路は媒体Pを水平方向に搬送させる構造を適用してもよい。
図1に図示を省略するが、媒体搬送部64へ処理対象の媒体Pを受け渡す媒体供給部が設けられている。媒体供給部は、図3に符号69を付して図示する。
[乾燥処理部の構成]
図2は図1に示した乾燥処理部73の構成図である。乾燥処理部73は、IRヒータ73A、上流側エアナイフ73C、及び下流側エアナイフ73Dを備えている。
IRヒータ73Aは熱照射乾燥処理部、及び熱照射乾燥処理手段として機能する。上流側エアナイフ73Cは送風乾燥処理部、送風乾燥処理手段、上流側送風乾燥処理部、及び上流側送風乾燥処理手段として機能する。
下流側エアナイフ73Dは送風乾燥処理部、送風乾燥処理手段、下流側送風乾燥処理部、及び下流側送風乾燥処理手段として機能する。
IRヒータ73A、上流側エアナイフ73C、及び下流側エアナイフ73Dは、媒体搬送方向に沿って、媒体搬送方向上流側から順にIRヒータ73A、上流側エアナイフ73C、IRヒータ73A、上流側エアナイフ73C、IRヒータ73A、上流側エアナイフ73C、IRヒータ73A、下流側エアナイフ73D、IRヒータ73A、下流側エアナイフ73Dの順に配置されている。
すなわち、乾燥処理部73は、IRヒータ73Aと上流側エアナイフ73C、又はIRヒータ73Aと下流側エアナイフ73Dが交互に配置されている。
本実施形態では、上流側エアナイフ73Cと下流側エアナイフ73Dとを区別する必要がないので、上流側又は下流側の用語を省略して、両者をエアナイフ73C、エアナイフ73D、又はエアナイフ73Cおよび73Dと記載する。
他の実施形態において、両者を区別する必要が有る場合は、上流側又は下流側の用語を付して、上流側のエアナイフ73C、又は下流側エアナイフ73Dと記載する。
乾燥処理部73は、上流側エアナイフ73Cの乾燥処理条件と、下流側エアナイフ73Dの乾燥処理条件とを変えることが可能である。
IRヒータ73Aは、設定されたデューティに応じて熱を照射させる。デューティを相対的に上げると照射熱量は相対的に増加し、デューティを相対的に下げると照射熱量は相対的に減少する。IRヒータ73Aのデューティとは、単位期間内にIRヒータ73Aが動作する期間を百分率により表したものである。
エアナイフ73Cおよび73Dは乾燥処理条件の一態様である送風温度の設定に応じて送風温度が調整される。エアナイフ73Cおよび73Dは乾燥処理条件の一態様である送風量の設定に応じて送風量が調整される。
[制御系の構成]
図3は図1に示した乾燥処理装置20の制御系のブロック図である。同図に示す乾燥処理装置20は、システムコントローラ300、搬送制御部310、媒体供給制御部312、IRヒータ制御部320、エアナイフ制御部321、定着処理制御部322、媒体排出制御部323、圧力制御部324等を備えている。
また、乾燥処理装置20は、媒体情報取得部330、乾燥処理条件設定部332、表示部334およびテーブル記憶部336を備えている。
システムコントローラ300は、乾燥処理装置20の各部を統括制御する全体制御部として機能し、かつ、各種演算処理を行う演算部として機能する。このシステムコントローラ300は、CPU300A、ROM300BおよびRAM300Cを内蔵している。CPUはCentral Processing Unitの略語であり、ROMは、Read Only Memoryの略語である。RAMは、Random Access Memoryの略語である。
システムコントローラ300は、ROM300B、RAM300C等のメモリへのデータの書き込み、これらのメモリからのデータの読み出しを制御するメモリコントローラとしても機能する。
図3は、システムコントローラ300にROM300B、RAM300C等のメモリを内蔵する態様を例示したが、ROM300B、RAM300C等のメモリは、システムコントローラ300の外部に設けられていてもよい。
搬送制御部310は、媒体搬送部64の動作を制御する。媒体搬送部64の制御として、チェーン64Cの走行開始制御、チェーン64Cの走行停止制御、チェーン64Cの走行速度制御、図1に示したグリッパー64Dの動作制御などが挙げられる。
図3に示した媒体供給制御部312は、システムコントローラ300からの指令に応じて媒体供給部69の動作を制御する。媒体供給部69の制御として、媒体Pの供給開始制御、及び媒体Pの供給停止制御が挙げられる。
媒体供給部69は、媒体搬送部64と一体に構成することが可能である。媒体供給部69と媒体搬送部64とを一体に構成する態様では、搬送制御部310と媒体供給制御部312とは一体に構成される。媒体供給部69として、図20に示す給紙部12の構成を適用してもよい。
媒体排出制御部323は、システムコントローラ300からの指令に応じて媒体排出部として機能する排紙台76の動作を制御する。
熱乾燥処理制御部、及び熱乾燥処理制御手段として機能するIRヒータ制御部320は、システムコントローラ300からの指令に応じてIRヒータ73Aの動作を制御する。すなわち、IRヒータ制御部320は、乾燥処理条件として設定されたデューティに応じてIRヒータ73Aを動作させる。
送風乾燥処理制御部、及び送風乾燥処理制御手段として機能するエアナイフ制御部321は、システムコントローラ300からの指令に応じてエアナイフ73Cおよび73Dの動作を制御する。すなわち、エアナイフ制御部321は、乾燥処理条件として設定された送風温度、及び送風量に応じてエアナイフ73Cおよび73Dの動作を制御する。
定着処理制御部322は、システムコントローラ300からの指令に応じて定着処理部74の動作を制御する。定着処理部74に活性光線を照射させる態様が適用される場合、定着処理制御部322は、活性光線の照射開始、照射停止、及び活性光線の照射強度を制御する。
圧力付与制御部、及び圧力付与制御手段として機能する圧力制御部324は、システムコントローラ300からの指令に応じて搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力を制御する。すなわち、圧力制御部324は、乾燥処理条件に対応して設定された圧力付与条件に応じて、搬送ガイド72の内部流路と接続される圧力発生装置の動作を制御する。圧力発生装置の動作制御には搬送ガイド72に媒体Pを吸引するか、搬送ガイド72からエアを排出して媒体Pを搬送ガイド72から離間させるかの切り換えが含まれる。
媒体情報取得部330は、乾燥処理の対象となる媒体Pの情報を取得する。乾燥処理の対象となる媒体Pの情報には、少なくとも媒体Pの厚みの情報が含まれる。媒体Pの情報を取得する形態として、測定等により媒体Pから直接取得する態様、媒体P又は媒体Pが収容されるカートリッジ等に付与された情報体から取得する態様、データ通信により情報を取得する態様、オペレータにより入力された情報を取得する態様などが挙げられる。
情報体として、バーコード、RFタグなどが挙げられる。なお、RFタグは、ICタグ、無線タグと呼ばれることがある。RFは、radio frequencyの略語である。ICは、Integrated Circuitの略語である。
乾燥処理条件設定部332は、乾燥処理装置20の各種設定を行う。乾燥処理装置20の設定には、乾燥処理条件の設定が含まれる。乾燥処理条件設定部332は、圧力付与条件設定部として機能することができる。乾燥処理条件の詳細は後述する。
また、乾燥処理装置20の設定として、乾燥処理モード設定が含まれていてもよい。乾燥処理モードの例として、媒体の変形抑制を優先する変形抑制モード、媒体の乾燥処理対象面の反対側面の傷を防止する傷防止優先モード、膜強度向上を優先させる膜強度優先モードなどが挙げられる。
乾燥処理条件設定部332をモード設定部として機能させることが可能である。乾燥処理モードを設定する態様として、媒体情報などに基づく自動設定、オペレータによる手動設定、自動設定と手動設定との併用が挙げられる。手動設定を可能とする乾燥処理条件設定部332には、オペレータにより操作されるスイッチ、キーボード、マウス等が具備される。
表示部334は、液晶パネル等の表示装置を備え、システムコントローラ300からの指令に応じて、装置の各種設定情報、又は異常情報などの情報を表示装置に表示させる。モード設定を手動により行う場合の設定画面を表示させてもよい。
表示部334にタッチパネル方式の表示装置を適用して、乾燥処理条件設定部332と表示部334とを一体に構成してもよい。
乾燥処理条件設定制御テーブル記憶部、乾燥処理条件設定制御テーブル記憶手段、圧力付与条件制御テーブル記憶部、及び圧力付与条件制御テーブル記憶手段として機能するテーブル記憶部336は、乾燥処理制御に用いられる各種制御テーブルが記憶される。IRヒータ制御部320、及びエアナイフ制御部321は、システムコントローラ300を介してテーブル記憶部336に記憶される各種制御テーブルを参照して、それぞれ、IRヒータ73A、及びエアナイフ73C,73Dの動作を制御する。
プログラム格納部338は、乾燥処理装置20に適用される各種プログラムが格納される。プログラム格納部338に格納されている各種プログラムは、システムコントローラ300を介して読み出され、装置各部において実行される。
乾燥処理装置20に適用される各種プログラムの例として、IRヒータ73A、及びエアナイフ73C,73Dに適用される乾燥処理プログラムが挙げられる。
[乾燥処理方法のフローチャートの説明]
図4は本発明の第1実施形態に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。開始工程S10において乾燥処理が開始されると、媒体情報取得工程S12へ進む。媒体情報取得工程S12では、少なくとも媒体Pの厚みの情報を取得する。
媒体厚み判断工程S14では、取得された媒体情報に基づき媒体Pが薄い媒体であるか、厚い媒体であるかが判断される。媒体厚み判断工程S14のYES判定となる、媒体Pが薄い媒体の場合はIRヒータデューティ設定工程S20へ進み、IRヒータ73Aの処理条件が薄い媒体用に設定される。
IRヒータデューティ設定工程S20において、IRヒータ73Aの処理条件が設定されると送風温度設定工程S22に進む。送風温度設定工程S22では、エアナイフ73Cおよび73Dの送風温度が薄い媒体用に設定される。
エアナイフ73Cおよび73Dの送風温度が設定されると、送風量設定工程S24に進み、エアナイフ73Cおよび73Dの送風量が薄い媒体用に設定される。エアナイフ73Cおよび73Dの送風量が設定されると乾燥処理工程S40へ進む。
媒体厚み判断工程S14のNO判定となる媒体Pが厚い媒体の場合は、IRヒータデューティ設定工程S30へ進み、IRヒータ73Aの処理条件が厚い媒体用に設定される。
IRヒータデューティ設定工程S30において、IRヒータ73Aの処理条件が設定されると、送風温度設定工程S32に進む。送風温度設定工程S32では、エアナイフ73C,73Dの送風温度が厚い媒体用に設定される。
エアナイフ73Cおよび73Dの送風温度が設定されると送風量設定工程S34に進み、エアナイフ73Cおよび73Dの送風量が厚い媒体用に設定される。エアナイフ73Cおよび73Dの送風量が設定されると乾燥処理工程S40へ進む。
IRヒータデューティ設定工程S20、送風温度設定工程S22、送風量設定工程S24、IRヒータデューティ設定工程S30、送風温度設定工程S32および送風量設定工程S34は乾燥処理条件設定工程として機能する。
乾燥処理工程S40は、熱照射乾燥処理工程、送風乾燥処理工程、上流側送風乾燥処理工程、及び下流側送風乾燥処理工程として機能する。
図4のIRヒータデューティ設定工程S20、送風温度設定工程S22、送風量設定工程S24、IRヒータデューティ設定工程S30、送風温度設定工程S32、及び送風量設定工程S34は、図3の乾燥処理条件設定部332により実行される。
乾燥処理工程S40は、媒体Pの厚みに応じて設定されたIRヒータ73A乾燥処理条件であるデューティ、エアナイフ73Cと73Dの乾燥処理条件である送風温度、及び送風量に基づいて乾燥処理が実行される。
処理対象の媒体Pに対する乾燥処理が終了すると、乾燥処理継続判断工程S42に進む。乾燥処理継続判断工程S42では、次の処理対象の媒体の有無が判断される。乾燥処理継続判断工程S42のYES判定となる、次の処理対象の媒体Pが有る場合は、媒体情報取得工程S12へ進み、媒体情報取得工程S12から乾燥処理工程S40までの一連の工程が実行される。
乾燥処理継続判断工程S42のNO判定となる、次の処理対象の媒体Pがない場合は、終了工程S44へ進む。終了工程S44では、乾燥処理制御の終了処理が実行される。
媒体厚み判断工程S14は、処理対象の媒体Pの厚みを三段階以上に分類してもよい。媒体厚み判断工程S14において処理対象の媒体Pの厚みが三段階以上に分類される態様では、各分類について、IRヒータ73Aの処理条件、エアナイフ73Cと73Dの処理条件である送風温度、及び送風量が設定される。
IRヒータ73Aの処理条件、及びエアナイフ73Cと73Dの処理条件を設定する際に、処理対象の媒体Pの厚みと、IRヒータ73Aの処理条件、及びエアナイフ73Cと73Dの処理条件との関係を規定した処理条件制御テーブルを参照する態様が可能である。
IRヒータ73Aの処理条件、及びエアナイフ73Cと73Dの処理条件を設定する際に参照される処理条件制御テーブルは、図3のテーブル記憶部336に格納される。
[IRヒータの乾燥処理条件の説明]
次に、乾燥処理条件について詳細に説明する。図5はIRヒータのデューティ設定と膜面温度の測定値との関係を示すグラフである。
図5における横系列は図2に示したIRヒータ73Aのデューティ設定である。図5にはIRヒータ73AのデューティをIR dutyと記載する。IRヒータ73Aのデューティ設定はパーセントにより表されている。
図5の縦系列は膜面温度の測定値である。膜面温度の測定値の単位は℃である。図5における膜面温度の測定値は、温度計を用いて測定した測定値を適用することができる。もちろん、他の手法を用いて測定された測定値を適用してもよい。
図6は図5に示した膜面温度の測定条件の説明図である。図6(A)は媒体Pの測定対象面Pを模式的に図示した説明図である。図6(B)は媒体Pを側面から見た図である。図5に示した膜面温度は、図6(B)に示した印刷部分Pに形成されたべた画像420の表面422の温度測定値である。
図6(A)に示した印刷部分Pの膜面温度の測定位置426は、媒体Pの幅方向の中央位置424上の位置であり、印刷部分Pの媒体搬送方向の中央位置である。非印刷部分Pの温度の測定位置428は、媒体Pの幅方向の中央位置424上の位置であり非印刷部分Pの媒体搬送方向の中央位置である。
図5に戻り、符号400は媒体Pの厚みが0.11ミリメートルの場合である。符号402は媒体Pの厚みが0.13ミリメートルの場合である。符号404は媒体Pの厚みが0.21ミリメートルの場合である。符号406は媒体Pの厚みが0.34ミリメートルの場合である。
IRヒータ73Aのデューティ設定を固定すると、図5に示すように媒体Pの厚みが厚いほど膜面温度の測定値が低く、媒体Pの厚みが薄いほど膜面温度の測定値が高くなる。膜面温度を一定にするには、媒体Pの厚みが厚いほどIRヒータ73Aのデューティ設定を高く設定する必要がある。
図7は膜面温度と媒体上の水分量との関係を示すグラフである。図7の横系列は膜面温度である。膜面温度の単位は℃である。膜面温度は温度計のIRヒータ73Aのデューティ設定から予測された値を用いることができる。温度計を用いて測定された測定値を用いることもできる。
図7の縦系列は媒体上の水分量である。図7の水分量は同図における上にいくほど水分量が多いことを表し、同図における下にいくほど水分量が少ないことを表す。水分量は水分量計の測定値を用いることができる。
図7において符号430は媒体Pの厚みが0.09ミリメートルの場合である。符号432は媒体Pの厚みが0.11ミリメートルの場合である。符号434は媒体Pの厚みが0.13ミリメートルの場合である。
符号436は媒体Pの厚みが0.21ミリメートルの場合である。符号438は媒体Pの厚みが0.34ミリメートルの場合である。図7に示すように、媒体Pの厚みによって、膜面温度と媒体P上の水分量との関係の傾向が異なっている。
図8は媒体の厚みと水分量との関係を示すグラフである。図8は膜面温度を固定した場合の媒体Pの厚みと水分量との関係を表している。図8における横系列は媒体Pの厚みである。媒体Pの厚みの単位はミリメートルである。
縦系列は媒体上の水分量である。図8の水分量は同図における上にいくほど水分量が多いことを表し、同図における下にいくほど水分量が少ないことを表す。水分量は水分量計の測定値を適用することができる。図8に示すように、媒体Pの厚みによって目標とする媒体P上の水分量が異なっている。
すなわち、媒体Pの厚みに応じて図2に示したIRヒータ73Aのデューティが設定されることによって、媒体Pの厚みによらず一定の膜面温度を実現することが可能となる。具体的には、媒体Pの厚みが相対的に厚くなるとIRヒータ73Aのデューティが高く設定され、IRヒータ73Aからの熱照射量を増加させて相対的に乾燥を促進させる乾燥処理条件とされる。
一方、媒体Pの厚みが相対的に薄くなるとIRヒータ73Aのデューティが低く設定され、IRヒータ73Aからの熱照射量を減少させて相対的に乾燥を抑制させる乾燥処理条件とされる。このように、媒体Pの厚みに応じてIRヒータ73Aのデューティが設定されることによって、媒体Pの厚みによらず媒体の一定の乾燥状態を実現することが可能となる。
図5、及び図7、図8に示したグラフの膜面温度は一種類の媒体、及びインクについて測定をしたものである。媒体Pの種類、インクの種類、液体の種類ごとに媒体Pの厚みとIRヒータ73Aのデューティ設定との関係を求めておくことによって、様々な媒体及びインク、液体に対応することが可能となる。
[エアナイフの乾燥処理条件の説明]
図9は媒体の搬送距離と膜面温度との関係を示すグラフである。図9の横系列は媒体Pの搬送距離である。媒体Pの搬送距離の単位はミリメートルである。媒体Pの搬送距離は、図1の媒体搬送部64への媒体Pの供給位置からの媒体Pの搬送路上における距離である。図9に示した媒体の搬送距離は媒体Pに対する乾燥処理期間に対応する。図9を用いた説明では、図6(A)を適宜参照する。
図9の縦系列は膜面温度である。膜面温度の単位は℃である。図9における膜面温度は温度計を用いて測定した測定値を適用することができる。膜面温度の測定位置は図5に示したグラフと同様である。
図9の符号450は、IRヒータ73Aのデューティが相対的に高く設定された場合における、図6(A)に示した印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットしたものである。
図9の符号452は、IRヒータ73Aのデューティが相対的に高く設定された場合における、非印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットしたものである。
図9の符号454は、IRヒータ73Aのデューティが相対的に高く設定される前における、印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットしたものである。図9の符号456は、IRヒータ73Aのデューティが相対的に高く設定される前における、非印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットしたものである。すなわち、図9はIRヒータ73Aのデューティを高く設定する前後の膜面温度の違いを表している。
IRヒータ73Aのデューティが高く設定されると、印刷部分P、及び非印刷部分Pの膜面温度が上昇する。そして、非印刷部分Pの膜面温度と印刷部分Pの膜面温度との温度差も上昇する。
IRヒータ73Aのデューティが高く設定される前における、非印刷部分Pの膜面温度と印刷部分Pの膜面温度との温度差をTとし、IRヒータ73Aのデューティが高く設定された後における、非印刷部分Pの膜面温度と印刷部分Pの膜面温度との温度差をTをとすると、T<Tの関係を有している。
印刷部分Pと非印刷部分Pとの温度差が相対的に大きくなると、媒体Pの変形が大きくなる。つまり、IRヒータ73Aのデューティが相対的に高く設定されることによって、媒体Pの変形を助長してしまうおそれがある。
しかし、印刷部分Pと非印刷部分Pとの温度差をより小さくするために、IRヒータ73Aのデューティを相対的に低く設定してしまうと膜強度に影響してしまうため、IRヒータ73Aのデューティを低くあまり低く設定することができない。
膜強度とは、媒体Pへのインクの定着の程度を表す指標である。膜強度が相対的に大きいと媒体Pにインクがより定着していることを表す。膜強度が相対的に小さいと媒体Pにインクがより定着していないことを表す。膜面温度を上げることによって膜強度を向上させることができる。
図10はエアナイフ73C,73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定が異なる乾燥処理における媒体の搬送距離と膜面温度との関係を示すグラフである。図10中、図9と同一又は類似の部分には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。図10を用いた説明では、図6(A)を適宜参照する。
図10の符号460は図6(A)に示した印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットしたものであり、エアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定が符号454を付した印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットに対して変えられている。
図10の符号462は非印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットしたものであり、エアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定が符号456を付した印刷部分Pの温度測定値を搬送距離ごとにプロットに対して変えられている。
図10は、図9に示すグラフのデータを取得した乾燥処理条件に対して、IRヒータ73Aのデューティの設定を変更せず、エアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定を相対的に低くし、エアナイフ73Cと73Dの送風量の設定を相対的に高くしている。
エアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定が変更された後は、エアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定が変更される前と比較して、印刷部分P及び非印刷部分Pとも膜面温度の上昇がなく、印刷部分Pと非印刷部分Pとの温度差Tが、図9に示した温度差Tよりも小さくなっている。また、T<Tとなっている。
以上まとめると、媒体Pの厚みに応じてIRヒータ73Aのデューティ設定を変更することによって、一定の膜面温度が維持され一定の膜強度が確保される。また、媒体Pの厚みに応じてエアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定を変更することによって膜面温度の上昇が抑制され、印刷部分Pと非印刷部分Pとの温度差が一定の範囲に保たれる。
図11(A)は媒体の厚みに対する乾燥処理条件の設定を示す説明図である。図11(A)には、媒体Pを厚い媒体と薄い媒体の2段階に区分した場合における、図2に示したIRヒータ73Aのデューティの設定、エアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及びエアナイフ73Cと73Dの送風量の設定が図示されている。
図11(A)の低、高は、媒体Pが薄い媒体の場合と媒体Pが厚い媒体の場合との相対的な設定の関係を示している。以下の図においても同様である。
図11(A)に示すように、媒体Pが薄い媒体の場合の図2に示したIRヒータ73Aのデューティは、媒体Pが厚い媒体の場合のIRヒータ73Aのデューティよりも低く設定される。媒体Pが薄い媒体の場合は、媒体Pの温度上昇が抑制され、媒体Pの変形が防止される。媒体Pが厚い場合は、媒体Pの乾燥が促進される。
例えば、媒体Pが薄い媒体の場合のIRヒータ73Aのデューティ設定が40パーセント、媒体Pが厚い媒体の場合のIRヒータ73Aのデューティ設定が100パーセントと設定することができる。
図11(A)に示すように、媒体Pが薄い媒体の場合の図2に示したエアナイフ73Cおよび73Dから放出される送風の温度である送風温度の設定は、媒体Pの表面温度に対応する温度範囲に設定される。すなわち、媒体Pが薄い媒体の場合のエアナイフ73Cおよび73Dの送風温度の設定は、IRヒータ73Aのデューティ設定に対応して相対的に低くくされる。媒体Pの表面温度に対応する温度範囲は、媒体Pの表面温度を含む温度範囲であり、媒体Pの変形防止の観点から媒体Pの種類、厚み等を考慮して決められる。例えば、媒体Pの表面温度の90%を下限とし、媒体Pの表面温度の100%を上限とする温度範囲が挙げられる。
媒体Pが薄い場合は、媒体Pの温度が一定に保たれ、媒体Pの変形が抑制される。媒体Pが厚い場合は、媒体Pの乾燥が促進される。
本実施形態では、媒体Pの表面温度に、IRヒータ73Aによる乾燥処理中の媒体Pの表面温度、又はIRヒータ73Aによる乾燥処理後の媒体Pの表面温度が適用される。
媒体Pの表面温度は、図6(B)に示したべた画像420の表面422の温度を適用してもよいし、図6(B)に示した非印刷部分Pの表面温度を適用してもよい。また、両者の平均温度を適用してもよい。
温度情報取得部を備え、IRヒータ73Aの熱照射後の媒体Pの表面温度を実測して、媒体Pの表面温度の情報を媒体Pの温度情報として取得してもよいし、IRヒータ73Aのデューティ設定からIRヒータ73Aの熱照射後の媒体Pの表面温度を予測して、媒体Pの表面温度の情報を媒体Pの温度情報として取得してもよい。
図11(A)に示すように、媒体Pが薄い媒体の場合のエアナイフ73Cおよび73Dの送風量は、媒体Pが厚い媒体の場合のエアナイフ73Cおよび73Dから放出される単位時間あたりの体積である送風量の設定よりも高く設定される。
媒体Pが薄い場合は、送風により媒体Pの乾燥が促進される。媒体Pが厚い場合は、媒体Pのばたつきが防止される。
厚い媒体の厚みの範囲、及び薄い媒体の厚みの範囲は、媒体の種類、媒体に付着させる液体の種類等に応じて適宜変更することが可能である。
媒体Pの厚みの区分例として、媒体Pの厚みが0.06ミリメートル以上0.39ミリメートル以下の場合、0.06ミリメートル以上0.20ミリメートル以下を薄い媒体とし、0.21ミリメートル以上0.39ミリメートル以下の媒体を厚い媒体とする例が挙げられる。
すなわち、媒体Pの厚みの範囲の中間値を基準として、中間値未満の厚みを薄い媒体とし、中間値以上の厚みを厚い媒体とすることができる。なお、媒体Pの厚みの区分は上記の例に限定されず、媒体の種類、乾燥処理の他の条件を考慮して適宜決めることができる。
また、媒体Pの厚みを三段階以上に区分して、より薄い媒体は吸引圧力を強くし、予め決められた厚みで吸引と排出を切り換え、より厚い媒体は排出圧力を強くする態様も可能である。吸引と排出との切り換えの基準として、媒体Pの厚みの範囲の中間値を適用することができる。
図11(B)は媒体の厚みを多段階に変更可能な場合における、媒体Pの厚みに対する乾燥処理条件の設定を示す説明図である。図11(B)には媒体Pの厚みを6段階に区分した例を示す。媒体の厚みの区分の数は、適宜変更することができる。
図11(B)に示した媒体Pの厚みは、A<A<A<A<A<Aの関係を有している。図11(B)に示した、IRヒータ73Aのデューティ設定の数値、エアナイフ73C,73Dの送風温度の設定の数値、及びエアナイフ73C,73Dの送風量の設定の数値は、最大設定を100とした場合の比率であり、例えば、80は最大設定の80パーセントを意味している。
図11(B)に示すように、IRヒータ73Aのデューティは、媒体Pの厚みが厚くなるに従って相対的に高く設定される。
エアナイフ73Cおよび73Dの送風温度の設定は、媒体Pの表面温度に対応する温度に設定されるので、媒体Pの厚みが厚くなるに従って高くされる。エアナイフ73Cおよび73Dの送風量の設定は、媒体Pの厚みが厚くなるに従って低くされる。
図11(B)に示す媒体Pの厚みに対する乾燥処理条件の関係は、熱照射乾燥処理部の乾燥処理条件を規定する熱照射乾燥処理条件設定制御テーブルとして機能する媒体Pの厚みをパラメータとするIRヒータ73Aのデューティ設定制御テーブル、媒体Pの厚みをパラメータとするエアナイフ73Cと73Dの送風温度設定制御テーブル、及び媒体Pの厚みをパラメータとするエアナイフ73Cと73Dの送風量設定制御テーブルとすることができる。
また、IRヒータ73Aのデューティ設定制御テーブル、エアナイフ73Cと73Dの送風温度設定制御テーブル、及びエアナイフ73Cと73Dの送風量設定制御テーブルを一体に構成して、媒体Pの厚みをパラメータとする乾燥処理条件設定制御テーブルを構成することが可能である。
図3に示した乾燥処理条件設定部332は、図11(B)に示した乾燥処理条件設定の制御テーブルを参照して、図1に示した乾燥処理部73の乾燥処理条件を設定することが可能である。
また、媒体の種類ごと、液体の種類ごとに、IRヒータ73Aのデューティ設定制御テーブル、エアナイフ73Cと73Dの送風温度設定制御テーブル、及びエアナイフ73Cと73Dの送風量設定制御テーブルを作成しておくことによって、様々な媒体、液体の乾燥処理条件の設定に対応することができる。
図11(A)に示した送風温度の設定、及び送風量の設定は、上流側エアナイフ73C及び下流側エアナイフ73Dのうち、少なくとも上流側エアナイフ73Cに設定されればよい。
本実施形態では、下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定に、上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定、及び送風量の設定を適用したが、後述する第3実施形態のように下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定、及び送風量の設定に、上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定、及び送風量の設定とは別の設定を適用することが可能である。
[作用効果]
上記の如く構成された乾燥処理装置、乾燥処理方法によれば、媒体の厚みに応じてIRヒータのデューティが設定され、媒体の厚みに応じてエアナイフの送風温度及び送風量が設定されることによって、媒体上に付着した液体の一定の膜強度が実現される膜面温度が維持され、印刷部分と非印刷部分との温度差の増加が防止され、媒体の変形が抑制される。
以上説明した乾燥処理装置、及び乾燥処理方法に対応する乾燥処理プログラムを構成することができる。すなわち、コンピュータに、図1から図3に示した装置各部に対応する手段の機能を実行させる乾燥処理プログラムを構成することが可能である。
すなわち、コンピュータを、媒体搬送部として機能する媒体搬送手段、媒体情報取得部として機能する媒体情報取得手段、熱照射乾燥処理として機能する熱照射乾燥処理手段、送風乾燥処理部として機能する送風乾燥処理手段、乾燥処理条件設定部として機能する乾燥処理条件設定手段、熱乾燥処理制御部として機能する熱乾燥処理制御手段、送風乾燥処理制御部として機能する送風乾燥処理制御手段として機能させる乾燥処理プログラムを構成することが可能である。
〔第2実施形態〕
[全体構成]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下に説明する第2実施形態では、第1実施形態における乾燥処理を実行する際に、圧力付与部を構成する搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力付与条件が適宜設定される。以下の説明において、第1実施形態と同一又は類似する部分の説明を適宜省略する。
第2実施形態では、媒体Pの搬送ガイド72の側の面における傷防止の観点、媒体Pの変形防止の観点の両者から、搬送ガイド72を介して媒体Pに付与される圧力条件が設定される。
[乾燥処理方法のフローチャートの説明]
図12は第2実施形態に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。同図に示すフローチャートでは、図4に示したフローチャートの送風温度設定工程S22、及び送風量設定工程S24が送風条件設定工程S21として図示されている。図12に示したフローチャートでは、乾燥処理条件設定工程として機能する送風条件設定工程S21により図2に示したエアナイフ73Cおよび73Dの送風条件が薄い媒体用に設定されると、図12の圧力付与条件設定工程S27に進む。
圧力付与条件設定工程S27では、図1に示した搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力条件が薄い媒体用に設定される。媒体Pへ付与される圧力条件が設定されると、図12の乾燥処理工程S40へ進む。
図12に示すフローチャートでは、図4に示したフローチャートの送風温度設定工程S32、及び送風量設定工程S34が送風条件設定工程S31として図示されている。図12に示したフローチャートでは、乾燥処理条件設定工程として機能する送風条件設定工程S31によりエアナイフ73Cおよび73Dの送風条件が設定されると圧力付与条件設定工程S37に進む。
圧力付与条件設定工程S37では、搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力条件が厚い媒体用に設定される。媒体Pへ付与される圧力条件が設定されると、乾燥処理工程S40へ進む。乾燥処理工程S40以降の工程は第1実施形態と同じであり説明を省略する。
図13(A)は第2実施形態に係る乾燥処理方法における媒体の厚みに対する圧力条件の設定を示す説明図である。図13(A)に示した乾燥処理部73の処理条件は図11(A)と同様であり説明を省略する。
図13(A)に示すように、図12の圧力付与条件設定工程S27において設定される媒体Pが薄い場合の圧力条件は、図1に示した搬送ガイド72を介して媒体Pを吸引する圧力条件とされ、媒体Pが固定されることによって媒体Pの変形が防止される。
一方、図12の圧力付与条件設定工程S37において設定される媒体Pが厚い場合の圧力条件は、搬送ガイド72からエアの排出を行い、媒体Pを搬送ガイド72から離間させる圧力条件とされ、媒体Pの搬送ガイド72との接触による傷つきが防止される。
図13(B)は媒体の両面に液体を付着させる場合を考慮した媒体の厚みに対する圧力条件の設定を示す説明図である。媒体Pの両面に液体を付着させる場合として、媒体Pの両面に画像を形成する両面印刷が上げられる。図13(B)における乾燥処理部73の設定は図11(A)と同様であり説明を省略する。
図13(B)に示すように、片面に液体を付着させる場合は、図13(A)と同様であり説明を省略する。両面に液体を付着させる場合は、媒体Pが薄い媒体の場合、及び媒体Pが厚い場合のいずれの場合にも搬送ガイド72からエアの排出を行い、媒体Pを搬送ガイド72から離間させる圧力条件が設定される。
両面に液体を付着させる場合に搬送ガイド72と媒体Pとの接触による、媒体Pに付着させた液体に対する傷つきや、媒体Pの傷つきが防止される。特に、媒体Pの両面に画像を形成する両面印刷の場合は、画像に対する傷つきが防止される。
本明細書における画像の用語は、文字、記号などのテキストに分類されるものや、マスクパターン、配線のパターンなどに分類されるものを含む概念である。
図13(C)は媒体Pの厚みと圧力条件との関係を規定する圧力条件制御テーブルの説明図である。図13(C)における媒体Pの厚みは、A<A<A<A<A<Aの関係を有している。図13(C)の圧力は正の値が排出を表し、負の値が吸引を表す。図13(C)の圧力値は、最大値を100とした場合の相対的な数値であり、例えば、60は最大値の60パーセントを意味している。
図13(C)に示す圧力条件制御テーブルは図1のテーブル記憶部336に記憶され、乾燥処理の際に参照される。圧力条件制御テーブルは、媒体の種類、液体の種類ごとに作成してもよい。
[作用効果]
上記の如く構成された第2実施形態に係る乾燥処理装置、乾燥処理方法によれば、媒体の厚みに応じて乾燥処理の際の媒体に付与される圧力に適した圧力条件が設定されるので、媒体に対する圧力の付与による媒体の変形、及び媒体の傷付きを防止することが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下に説明する第3実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と同一又は類似する部分の説明を適宜省略する。
[全体構構成]
本実施形態における乾燥処理では、媒体Pの厚みに応じて、図2に示した下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定が、図2に示した上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定とは別に設定される。また、下流側エアナイフ73Dの送風量の設定が、上流側エアナイフ73C送風量の設定とは別に設定される。
送風温度とは、上流側エアナイフ73C、及び下流側エアナイフ73Dから放出される送風の温度である。
送風量とは、上流側エアナイフ73C、及び下流側エアナイフ73Dから放出される単位時間あたりの送風の体積である。
上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定、及び上流側エアナイフ73Cの送風量の設定には、第1実施形態に示したエアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及びエアナイフ73Cと73Dの送風量の設定が適用される。
換言すると、第1実施形態に示したエアナイフ73Cと73Dの送風温度の設定、及びエアナイフ73Cと73Dの送風量の設定は、少なくとも上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定及び上流側エアナイフ73Cの送風量の設定に適用される。
[制御系の構成]
図14は第3実施形態に係る乾燥処理装置の制御系のブロック図である。同図において図3と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
図14に示す乾燥処理装置20Aにおいて、エアナイフ制御部321Aは上流側エアナイフ73Cと下流側エアナイフ73Dとは、それぞれに設定された送風温度の設定、及び送風量の設定に基づき個別に制御される。なお、すべてのIRヒータ73Aは同一のデューティが設定される。
[乾燥処理方法のフローチャートの説明]
図15は第3実施形態に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。図15中、図4と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
図15に示すフローチャートでは、IRヒータデューティ設定工程S20によってIRヒータ73Aのデューティが薄い媒体用に設定されると、乾燥処理条件設定工程として機能する上流側乾燥処理条件設定工程S23において、上流側エアナイフ73Cの乾燥処理条件が薄い媒体用に設定される。
上流側エアナイフ73Cの乾燥処理条件が薄い媒体用に設定されると、乾燥処理条件設定工程として機能する下流側乾燥処理条件設定工程S25に進み、下流側乾燥処理条件設定工程S25において下流側エアナイフ73Dの乾燥処理条件が薄い媒体用に設定され、乾燥処理工程S40へ進む。
同様に、IRヒータデューティ設定工程S30によってIRヒータ73Aのデューティ設定が厚い媒体用に設定されると、乾燥処理条件設定工程として機能する上流側乾燥処理条件設定工程S33において、上流側エアナイフ73Cの乾燥処理条件の設定が厚い媒体用に設定される。
上流側エアナイフ73Cの乾燥処理条件の設定が厚い媒体用に設定されると、乾燥処理条件設定工程として機能する下流側乾燥処理条件設定工程S35に進み、下流側乾燥処理条件設定工程S35において下流側エアナイフ73Dの乾燥処理条件の設定が厚い媒体用に設定され、乾燥処理工程S40へ進む。乾燥処理工程S40以降の工程は第1実施形態、及び第2実施形態と同じであり説明を省略する。
図16は第3実施形態における媒体Pの厚みに対する乾燥処理条件の設定を示す説明図である。図16におけるIRヒータのデューティ、上流側送風温度および上流側送風量は、図11(A)及び図13(A)のIRヒータのデューティ、送風温度および送風量と同じであり説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態に係る乾燥処理では媒体Pが厚い媒体の場合に下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定が上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定に対して低く設定されることによって、下流側エアナイフ73Dからの送風によって媒体Pが冷却される。一方、媒体Pが薄い場合は上流側エアナイフ73Cと下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定を同じとし、媒体Pの温度を一定に保つことによって媒体Pの変形が抑制される。
また、媒体Pの厚みによらず、下流側エアナイフ73Dの送風量の設定が上流側エアナイフ73Cの送風量の設定に対して低く設定されることによって、媒体Pのばたつきが防止される。例えば、下流側エアナイフ73Dの送風量の設定は、上流側エアナイフ73Cの送風量の設定に1未満の数を乗じた設定とすることができる。
[作用効果]
上記の如く構成された第3実施形態に係る乾燥処理装置、乾燥処理方法によれば、媒体Pが厚い媒体の場合に下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定が上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定に対して低く設定されることによって、下流側エアナイフ73Dからの送風によって媒体Pが冷却される。
また、下流側エアナイフ73Dの送風量の設定が上流側エアナイフ73Cの送風量の設定に対して低く設定されることによって、媒体Pのばたつきが防止される。
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態について説明する。以下に説明する第4実施形態において、第1実施形態から第3実施形態と同一又は類似する部分の説明を適宜省略する。
[概要]
第4実施形態に係る乾燥処理装置、及び乾燥処理方法は、媒体の厚みに応じて設定された乾燥処理条件の設定を、オペレータが変更可能に構成される。
図17は本発明の実施形態の変形例に係る乾燥処理方法の制御の流れを示すフローチャートである。図17中、図4と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
図17に示したフローチャートでは、IRヒータデューティ設定工程S20、送風温度設定工程S22、送風量設定工程S24、IRヒータデューティ設定工程S30、送風温度設定工程S32、送風量設定工程S34において、乾燥処理部73の乾燥処理条件が設定されると、設定変更判断工程S38へ進む。
設定変更判断工程S38では、設定されている乾燥処理条件の設定の変更の有無が判断される。設定変更判断工程S38のYES判定となる乾燥処理条件の設定が変更される場合は、設定変更工程S39へ進む。設定変更工程S39は変形抑制、傷防止、膜強度の向上といった観点で乾燥処理条件の設定が変更される。乾燥処理条件の設定が変更されると、乾燥処理工程S40へ進む。
乾燥処理部73の乾燥処理条件の設定の変更は、図3に示した表示部334に表示された設定変更画面を見ながら乾燥処理条件設定部332を用いてオペレータにより実施される。
設定変更判断工程S38において、NO判定となる乾燥処理条件の設定が変更されない場合は、乾燥処理工程S40へ進む。乾燥処理工程S40以降の工程は第1実施形態から第3実施形態と同じであり説明を省略する。
図18は第4実施形態に係る乾燥処理条件の設定変更の説明図である。乾燥処理条件の設定変更は、媒体の厚み、変形抑制、傷防止、及び膜強度向上の観点で行われる。媒体の厚みは図16に示した媒体の厚みに対する乾燥処理条件の設定と同様であり説明を省略する。
変形抑制の観点で設定が変更される場合は、媒体の変形抑制を最優先とする乾燥処理条件の設定に変更される。図18に示したIRヒータのデューティ設定に対応するIRヒータ73Aのデューティ設定は相対的に低くされる。変形抑制の観点で設定が変更される場合のIRヒータ73Aのデューティ設定は、媒体Pが薄い媒体の場合のIRヒータ73Aのデューティ設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した上流側送風温度に対応する上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定は、相対的に低くされる。変形抑制の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定は、IRヒータ73Aによる熱照射後の表面温度よりも低い設定に変更される。
図18に示した上流側送風量に対応する上流側エアナイフ73Cの送風量の設定は、相対的に高くされる。変形抑制の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風量の設定は、媒体Pが薄い媒体場合の上流側エアナイフ73Cの送風量と同じ設定を用いることができる。
図18に示した下流側送風温度に対応する下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定は、相対的に低くされる。変形抑制の観点で設定が変更される場合の下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定は、変形抑制の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した下流側送風量に対応する下流側エアナイフ73Dの送風量の設定は、相対的に高くされる。変形抑制の観点で設定が変更される場合の下流側エアナイフ73Dの送風量の設定は、変形抑制の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風量の設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した圧力に対応する搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力は吸引に設定される。
傷防止の観点で設定が変更される場合は、傷防止を最優先とする乾燥処理条件の設定に変更される。図18に示したIRヒータのデューティ設定に対応するIRヒータ73Aのデューティ設定は相対的に高くされる。傷防止の観点で設定が変更される場合のIRヒータ73Aのデューティ設定は、媒体Pが厚い媒体の場合のIRヒータ73Aのデューティ設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した上流側送風温度、及び上流側送風量に対応する上流側エアナイフ73Cの設定はオフとされる。図18に示した下流側送風温度、及び下流側送風量に対応する下流側エアナイフ73Dの設定はオフとされる。
図18に示した圧力に対応する搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力は排出に設定される。
膜強度の向上の観点で設定が変更される場合は、膜強度の向上を最優先とする乾燥処理条件の設定に変更される。図18に示したIRヒータのデューティ設定に対応するIRヒータ73Aのデューティ設定は相対的に高くされる。膜強度の向上の観点で設定が変更される場合のIRヒータ73Aのデューティ設定は、媒体Pが厚い媒体の場合のIRヒータ73Aのデューティ設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した上流側送風温度に対応する上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定は、相対的に高くされる。膜強度の向上の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定は、IRヒータによる熱照射後の表面温度よりも高い温度に変更される。
図18に示した上流側送風量に対応する上流側エアナイフ73Cの送風量の設定は、相対的に高くされる。膜強度の向上の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風量の設定は、媒体Pが薄い媒体の場合の上流側エアナイフ73Cの送風量の設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した下流側送風温度に対応する下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定は、相対的に高くされる。膜強度の向上の観点で設定が変更される場合の下流側エアナイフ73Dの送風温度の設定は、膜強度の向上の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風温度の設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した下流側送風量に対応する下流側エアナイフ73Dの送風量の設定は、相対的に高くされる。膜強度の向上の観点で設定が変更される場合の下流側エアナイフ73Dの送風量の設定は、膜強度の向上の観点で設定が変更される場合の上流側エアナイフ73Cの送風量の設定と同じ設定を用いることができる。
図18に示した圧力に対応する搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力は吸引に設定される。
図18に示した乾燥処理条件設定変更の観点を乾燥処理モードと規定して、乾燥処理モードの切り換えに応じて乾燥処理条件を変更する態様も可能である。すなわち、用紙変形抑制優先モード、傷防止優先モード、及び膜強度優先モードを切り換える乾燥処理モード切換部を備え、乾燥処理モードの切り換えに応じて乾燥処理条件の設定を変更する態様が可能である。
モード切換部の構成例として、図3に示した表示部334に乾燥処理モード切換画面を表示させ、乾燥処理条件設定部332の一形態である、スイッチ、キーボード、マウス等を用いて乾燥処理モードを切り換える態様が挙げられる。
上記に挙げた乾燥処理モードは一例である。乾燥処理モードが上記の例に限定されず、変更、追加、及び削除が可能である。
上記の如く構成された第4実施形態によれば、オペレータにより乾燥処理条件の設定を変更することができ、媒体変形抑制優先といった特別な要求に対応した乾燥処理条件に基づく乾燥処理を実現することができる。
また、乾燥処理モードに応じて乾燥処理条件の設定を変更に構成することによって、乾燥処理モードに適した乾燥処理が実現される。
〔乾燥処理条件制御テーブルの構成例〕
図19は乾燥処理条件設定制御テーブルの構成例を示す乾燥処理条件制御テーブルの説明図である。図19に示した乾燥処理条件設定制御テーブルは、ここまでに説明した乾燥処理条件の設定が統合されたものとなっている。
図19に示す乾燥処理条件設定制御テーブルは、媒体の厚みがパラメータとされる。媒体の厚みは、薄い媒体及び厚い媒体の2段階に区分される。さらに媒体の厚みの区分ごとに、標準、変形抑制、傷防止、及び膜強度のパラメータを有している。
図19に示す乾燥処理条件設定制御テーブルに格納される設定値は、最大設定値を100とした場合の比率で表されている。搬送ガイド72から媒体Pへ付与される圧力における負の符号は吸引を表している。図19に示した乾燥処理条件設定制御テーブルは、図3のテーブル記憶部336に記憶される。
なお、図19に示した乾燥処理条件制御テーブルは一例であり、パラメータ、設定値は乾燥処理装置20,20Aの仕様、乾燥処理への要求事項に応じて適宜追加、削除、変更等がされる。
また、第1実施形態から第4実施形態は、適宜組み合わせることが可能である。例えば、第1実施形態から第4実施形態に示した装置各部に対応する手段の機能をコンピュータに実行させる乾燥処理プログラムを構成することが可能である。
〔画像形成装置への適用例〕
次に、本実施形態に係る乾燥処理装置、乾燥処理方法、及び乾燥処理プログラムの装置適用例として、インクジェット記録装置について説明する。以下の説明に用いられる図20から図25中、図1から図19と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
[全体構成]
図20は、インクジェット記録装置10の全体構成図である。図20において、図1及び図2と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
同図に示すインクジェット記録装置10は、枚葉の媒体Pにインクを用いてインクジェット方式により画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置である。
インクジェット記録装置10は、主として、媒体Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された媒体Pに処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14により処理液が付与された媒体Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された媒体Pの画像記録にインクを用いてインクジェット方式により画像を記録する描画部18と、描画部18により画像が記録された媒体Pの乾燥処理を行う乾燥処理装置20と、乾燥処理装置20により乾燥処理が施された媒体Pを排紙する排紙部24と、を含んで構成される。
本明細書における描画、及び印刷の用語は、画像記録、画像形成、記録又は形成と適宜読み替えが可能である。また、本明細書における吐出、打滴、記録、形成の用語は相互に読み替えることが可能である。
図20に示した乾燥処理装置20は図1から図19を用いて説明した乾燥処理装置20,20Aが適用される。図2に示した処理液乾燥処理部16に図1から図19を用いて説明した乾燥処理装置20,20Aを適用することが可能である。
[給紙部]
給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙胴40と、を含んで構成され、給紙台30に積載された媒体Pを1枚ずつ処理液付与部14へ給紙する。
給紙台30の上に積載された媒体Pは、サッカー装置32によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。給紙ローラ対34に給紙された媒体Pは、フィーダボード36に載置され、フィーダボード36によって搬送される。
媒体Pは、リテーナ36A、ガイドローラ36Bによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。媒体Pは、先端が前当て38に当接されることにより傾きが矯正される。フィーダボード36によって搬送された媒体Pは、給紙胴40に受け渡される。
給紙胴40に受け渡された媒体Pは、給紙胴40のグリッパー40Aにより先端部を把持されて処理液付与部14へ搬送される。グリッパー40Aの詳細な図示は省略する。
グリッパー40Aは、給紙胴40の軸方向に沿って複数の爪が配置され、複数の爪と対向する位置に配置された爪台と、を含み、さらに、複数の爪を搖動可能に支持するグリッパー軸が含まれる。
グリッパー40Aは、グリッパー軸を回転させることによって爪を搖動させて開閉がなされる。複数の爪の配置は、媒体Pのサイズに対応して決められている。
[処理液付与部]
処理液付与部14は、主として、媒体Pを搬送する処理液胴42と、処理液胴42によって搬送される媒体Pの画像記録面に所定の処理液を付与する処理液付与装置44と、を含んで構成され、媒体Pの画像記録面に処理液を付与する。
媒体Pに付与される処理液は、後段の描画部18により媒体Pに吐出させるインク中の色材を凝集させる機能、又はインクの色材を不溶化させる機能を有している。媒体Pに処理液を付与してインクを吐出させることにより、汎用の用紙を用いても着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
給紙部12の給紙胴40から受け渡された媒体Pは、処理液胴42に受け渡される。処理液胴42は、媒体Pの先端をグリッパー42Aで把持し、外周面に用紙を吸引保持する。
グリッパー42Aは、給紙胴40に具備されるグリッパー40Aと同様の構成を適用することができるので、説明を省略する。
グリッパー42Aによって媒体Pの先端部を把持し、処理液胴42の外周面に媒体Pを保持して処理液胴42を回転させることによって、媒体Pは処理液胴42の外周面に巻き掛けられて搬送される。処理液胴42に搬送される媒体Pは、処理液付与装置44から処理液が付与される。
付与の形態一例として、塗布ローラを用いた塗布、又はブレードを用いた塗布などが挙げられる。付与の他の形態の例として、インクジェット方式による吐出、又はスプレー方式による噴霧などが挙げられる。
[処理液乾燥処理部]
処理液乾燥処理部16は、主として、媒体Pを搬送する処理液乾燥処理胴46と、処理液乾燥処理胴46によって搬送される媒体Pを支持する用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理胴46によって搬送される媒体Pに熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50と、を含んで構成され、処理液が付与された媒体Pに対して乾燥処理を施す。
処理液付与部14の処理液胴42から処理液乾燥処理胴46へ受け渡された媒体Pは、処理液乾燥処理胴46に具備されるグリッパー46Aによって先端を把持される。グリッパー46Aは、給紙胴40に具備されるグリッパー40Aと同様の構成を適用することができるので、説明を省略する。
媒体Pは、処理液が塗布された面を内側に向けた状態で、処理液が塗布された面の反対側の面を用紙搬送ガイド48によって支持される。処理液乾燥処理胴46を回転させることにより、媒体Pは処理液乾燥処理胴46の外周面に巻き掛けられて搬送される。
処理液乾燥処理胴46によって搬送される媒体Pは、処理液乾燥処理胴46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が吹き当てられて乾燥処理が施される。媒体Pに乾燥処理が施されると、媒体Pに付与された処理液中の溶媒成分が除去され、媒体Pの処理液が付与された面に処理液層が形成される。
[描画部]
描画部18は、主として、媒体Pを回転搬送させる圧胴として機能する描画胴52と、描画胴52によって搬送される媒体Pを押圧して、媒体Pを描画胴52の外周面に密着させる用紙押さえローラ54と、媒体PにC,M,YおよびKの各色のインク液滴を吐出するインクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kと、媒体Pに描画された画像を読み取るインラインセンサ58と、を含んで構成され、処理液層が形成された媒体Pへ向けてC,M,YおよびKの各色のインクの液滴を吐出して、媒体Pにカラー画像を描画する。
本実施形態に適用されるインクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kには、圧電素子のたわみ変形を利用してインクを吐出させる圧電方式、インクを加熱して膜沸騰現象を発生させてインクを吐出させるサーマル方式など、様々な方式を適用することができる。
また、本実施形態に適用されるインクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kは、図22に符号56を付して図示したフルライン型ヘッドが適用される。
処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理胴46から描画胴52へ受け渡された媒体Pは、描画胴52に具備されるグリッパー52Aによって先端を把持される。グリッパー52Aは、処理液胴42に具備されるグリッパー42Aと同様の構成を適用することができるので、説明を省略する。
媒体Pは、用紙押さえローラ54の下を通過させることによって、描画胴52の外周面に密着する。
描画胴52の外周面に吸引保持され搬送される媒体Pは、インクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kの直下のインク吐出領域を通過する際に、インクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56KのそれぞれからC,M,YおよびKの各色のインクの液滴が吐出され、カラー画像が記録される。
媒体Pに付着したインクは、媒体Pに形成された処理液層と反応し、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく媒体Pに定着する。このようにして、媒体Pには高品位な画像が描画される。
インクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kによって描画がされた媒体Pは、インラインセンサ58の読取領域を通過する際に、描画された画像が読み取られる。インラインセンサ58によって読み取られる画像は、テスト画像が含まれる。
インラインセンサ58は、CCDイメージセンサなどの撮像素子を具備し、読取対象画像の電気的な画像データを生成する撮像装置が適用される。CCDは、Charge Coupled Deviceの略語である。
インラインセンサ58による画像の読み取りは必要に応じて行われ、画像の読取データに基づいて、インクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kの記録素子異常検出が行われる。
インラインセンサ58の読取領域を通過した媒体Pは、描画胴52による吸引が解除され、乾燥処理装置20へと受け渡される。
[乾燥処理装置]
乾燥処理装置20は、媒体搬送部64によって搬送される媒体Pに対して乾燥処理を施す乾燥処理部73を含んで構成され、描画後の媒体Pに対して乾燥処理を施し、媒体Pに残存する液体成分を除去する。
ここでは、乾燥処理装置20の説明は省略する。なお、図20に示したインクジェット記録装置10では、図3の媒体供給部69は描画胴52となる。
[排紙部]
一連の画像記録が行われた媒体Pを回収する排紙部24は、媒体Pを積み重ねて回収する排紙台76を含んで構成される。図20に示した排紙部24は、図1に示した乾燥処理装置20の排紙の構成が適用される。ここでは詳細な説明を省略する。
[制御系の説明]
図21は図20に示すインクジェット記録装置10の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図21に示すように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ100、通信部102、画像メモリ104、搬送制御部110、給紙制御部112、処理液付与制御部114、処理液乾燥制御部116、描画制御部118、操作部130、表示部132等が備えられる。
システムコントローラ100は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する全体制御部として機能し、かつ、各種演算処理を行う演算部として機能する。このシステムコントローラ100は、CPU100A及び、ROM100B、RAM100Cを内蔵している。CPUはCentral Processing Unitの略語であり、ROMは、Read Only Memoryの略語である。RAMは、Random Access Memoryの略語である。
システムコントローラ100は、ROM100B、RAM100C、画像メモリ104等のメモリへのデータの書き込み、これらのメモリからのデータの読み出しを制御するメモリコントローラとしても機能する。
図21には、システムコントローラ100にROM100B、RAM100C等のメモリを内蔵する態様を例示したが、ROM100B、RAM100C等のメモリは、システムコントローラ100の外部に設けられていてもよい。
図21に示したシステムコントローラ100は、図3に示したシステムコントローラ300の機能を有していてもよい。すなわち、図21に示したシステムコントローラ100は、図3に示したシステムコントローラ300に代わり、図21に示した乾燥処理装置20の各部を統括的に制御してもよい。
また、図21に示したROM100B、RAM100Cは、図3に示したROM300B、RAM300Cと兼用してもよい。
通信部102は、通信インターフェースを備え、通信インターフェースと接続されたホストコンピュータ103との間でデータの送受信を行う。
画像メモリ104は、画像データを含む各種データの一時記憶部として機能し、システムコントローラ100を通じてデータの読み書きが行われる。通信部102を介してホストコンピュータ103から取り込まれた画像データは、一旦画像メモリ104に格納される。
搬送制御部110は、インクジェット記録装置10における媒体Pの搬送系11の動作を制御する。搬送系11には、図20に図示した処理液胴42、処理液乾燥処理胴46、及び描画胴52が含まれる。
図21に示した搬送制御部110は、図3に示した搬送制御部310の機能を有していてもよい。すなわち、図21に示した乾燥処理装置20に具備される搬送制御部であり、図3に示した搬送制御部310に代わり、図21の搬送制御部110が図20に示した媒体搬送部64の動作を制御する態様も可能である。
図21に図示した給紙制御部112は、システムコントローラ100からの指令に応じて給紙部12を動作させて、媒体Pの供給開始動作、及び媒体Pの供給停止動作などを制御する。
処理液付与制御部114は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液付与部14を動作させて、処理液の付与量、及び付与タイミングなどを制御する。
処理液乾燥制御部116は、システムコントローラ100からの指令に応じて処理液乾燥処理部16を動作させて、乾燥温度、乾燥気体の流量、及び乾燥気体の噴射タイミングなどを制御する。
描画制御部118は、システムコントローラ100からの指令に応じて、描画部18に具備される記録ヘッドの動作を制御する。以下に示す描画制御部118を構成する各部の図示は省略する。また、図21では、インクジェットヘッド56C,56M,56Y,56Kの図示を省略する。
描画制御部118は、入力画像データからドットデータを形成する画像処理部と、駆動電圧の波形を生成する波形生成部と、駆動電圧の波形を記憶する波形記憶部と、記録ヘッドに対して、ドットデータに応じた駆動波形を有する駆動電圧を供給する駆動回路と、を含んで構成される。
画像処理部では、入力画像データに対してRGBの各色に分解する色分解処理、RGBをCMYKに変換する色変換処理、ガンマ補正、ムラ補正等の補正処理、各色の画素ごとの階調値を元の階調値未満の階調値に変換するハーフトーン処理が施される。
入力画像データの一例として、0から255のデジタル値により表されるラスターデータが挙げられる。ハーフトーン処理の結果として得られるドットデータは、二値画像でもよいし、三値以上の多値画像でもよい。
画像処理部による処理を経て生成されたドットデータに基づいて、各画素位置の吐出タイミング、インク吐出量が決められ、各画素位置の吐出タイミング、インク吐出量に応じた駆動電圧、各画素の吐出タイミングを決める制御信号が生成され、この駆動電圧が記録ヘッドへ供給され、記録ヘッドから吐出させたインク液滴によって記録位置にドットが形成される。
インラインセンサ58は、媒体Pに描画された画像を読み取り、システムコントローラ100を介して異常記録素子検出部へ送られる。異常記録素子検出部は、インラインセンサ58の読取信号に基づいて、記録ヘッドの異常記録素子の有無を解析する。
図21に示す操作部130は、操作ボタン、キーボード、又はタッチパネル等の操作部材を備え、その操作部材から入力された操作情報をシステムコントローラ100に送出する。システムコントローラ100は、この操作部130から送出された操作情報に応じて各種処理を実行する。
図21に示した操作部130は、図3に示した乾燥処理条件設定部332に具備される操作部材と兼用することができる。すなわち、図3に示した乾燥処理条件設定部332に具備される操作部材に代わり、図21に示した操作部130を用いて、図21に示した乾燥処理装置20への情報入力等を行う態様も可能である。
表示部132は、液晶パネル等の表示装置を備え、システムコントローラ100からの指令に応じて、装置の各種設定情報、又は異常情報などの情報を表示装置に表示させる。図3に示した表示部334は、図21に示した表示部132と兼用可能である。
パラメータ記憶部134は、インクジェット記録装置10に使用される各種パラメータが記憶される。パラメータ記憶部134に記憶されている各種パラメータは、システムコントローラ100を介して読み出され、装置各部に設定される。
プログラム格納部136は、インクジェット記録装置10の各部に使用されるプログラムが格納される。プログラム格納部136に格納されている各種プログラムは、システムコントローラ100を介して読み出され、装置各部において実行される。
[記録ヘッドの構造]
図22は図20に図示したインクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kの構成図であり、インク液滴を吐出させる吐出面の透視平面図である。図22の符号Xは媒体Pの幅方向を表している。図22の符号Yは媒体Pの媒体搬送方向を表している。
CMYKの各色に対応するインクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kには同一の構造が適用される。インクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kを区別する必要がない場合にはインクジェットヘッド56C,56M,56Yおよび56Kのアルファベットを省略し、インクジェットヘッド56と記載することがある。
図22に示すインクジェットヘッド56は、媒体搬送方向と直交する媒体Pの幅方向について複数のヘッドモジュール200がつなぎ合わせられた構造を有している。インクジェットヘッド56を構成する複数のヘッドモジュール200は同一の構造を適用することができる。また、ヘッドモジュール200は、単体で記録ヘッドとして機能させることができる。
図22に図示したインクジェットヘッド56は、複数のヘッドモジュール200を媒体Pの幅方向に沿って一列に配置させた構造を有し、媒体Pの幅方向における媒体Pの全長Lmaxに対応する長さにわたって、複数のノズル部が配置されたフルライン型の記録ヘッドである。図22ではノズル部の図示を省略する。ノズル部は図25に符号281を付して図示する。
インクジェットヘッド56を構成するヘッドモジュール200の吐出面277には、複数のノズル開口が配置されている。図22ではノズル開口の図示を省略する。ノズル開口は図24に符号280を付して図示する。また、複数のノズルの配置、及び複数のノズル開口の配置の詳細は後述する。
本実施形態では、複数のヘッドモジュール200を媒体Pの幅方向に沿って一列に配置させた構造を有するインクジェットヘッド56を例示したが、複数のヘッドモジュール200を媒体Pの幅方向について千鳥状に配置させてもよいし、複数のヘッドモジュール200を一体構造としてもよい。
[記録ヘッドの構造例]
図23はヘッドモジュール200の斜視図であり部分断面図を含む図である。図24は図23に示したヘッドモジュール200における吐出面277の平面透視図である。
図23に示すように、ヘッドモジュール200は、ノズル板275の吐出面277と反対側である、図23において上側にインク供給室232とインク循環室236等からなるインク供給ユニットを有している。
インク供給室232は、供給管路252を介して不図示のインクタンクに接続され、インク循環室236は、循環管路256を介して不図示の回収タンクに接続される。
図24ではノズル開口280の数を省略して描いているが、1個のヘッドモジュール200のノズル板275の吐出面277には、二次元配置によって複数のノズル開口280が配置されている。
すなわち、ヘッドモジュール200は、媒体Pの幅方向に対して角度βの傾きを有するV方向に沿った長辺側の端面と、媒体搬送方向に対して角度αの傾きを持つW方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状となっており、V方向に沿う行方向、及びW方向に沿う列方向について、複数のノズル開口280がマトリクス配置されている。
なお、ノズル開口280の配置は、図24に図示した態様に限定されず、媒体Pの幅方向に沿う行方向、及び媒体Pの幅方向に対して斜めに交差する列方向に沿って複数のノズル開口280を配置してもよい。
すなわち、ノズル開口280のマトリクス配置とは、複数のノズル開口280を媒体Pの幅方向に投影させて、複数のノズル開口280を媒体Pの幅方向に沿って配置させた媒体Pの幅方向の投影ノズル群において、ノズル開口280間の距離が均一となるノズル開口280の配置である。
媒体Pの幅方向の投影ノズル群において、隣接するヘッドモジュール200同士のつなぎ部分では、一方のヘッドモジュール200に属するノズル開口280と、他方のヘッドモジュール200に属するノズル開口280が混在している。
各ヘッドモジュール200に取り付け位置の誤差が存在しない場合、つなぎ領域における一方のヘッドモジュール200に属するノズル開口280と他方のヘッドモジュール200に属するノズル開口280とは同じ位置に配置されるので、つなぎ領域においてもノズル開口280の配置は均一である。
図25はヘッドモジュール200の内部構造を示す断面図である。符号214はインク供給路、符号218は圧力室、符号216は各圧力室218とインク供給路214とをつなぐ個別供給路、符号220は圧力室218からノズル開口280につながるノズル連通路、符号226はノズル連通路220と循環共通流路228とをつなぐ循環個別流路である。圧力室218は、液室と呼ばれることがある。
これら流路部214,216,218,220,226および228を構成する流路構造体210の上に、振動板266が設けられる。振動板266の上には接着層267を介して、下部電極265、圧電体層231及び上部電極264の積層構造から成る圧電素子230が配設されている。下部電極265は共通電極と呼ばれることがあり、上部電極264は個別電極と呼ばれることがある。
上部電極264は、各圧力室218の形状に対応してパターニングされた個別電極となっており、圧力室218ごとに、それぞれ圧電素子230が設けられている。
インク供給路214は、図23で説明したインク供給室232につながっており、インク供給路214から個別供給路216を介して圧力室218にインクが供給される。記録すべき画像の画像データに応じて、対応する圧力室218に設けられた圧電素子230の上部電極264に駆動電圧を印加することによって、該圧電素子230及び振動板266が変形して圧力室218の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル連通路220を介してノズル開口280からインクを吐出させる。
画像データから生成されるドット配置データに応じて各ノズル開口280に対応した圧電素子230の駆動を制御することにより、ノズル開口280からインク液滴を吐出させることができる。
媒体Pを一定の速度で媒体搬送方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル開口280からのインク吐出タイミングを制御することによって、媒体Pの上に所望の画像を形成することができる。
図示は省略するが、各ノズル開口280に対応して設けられている圧力室218は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル開口280への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口である個別供給路216が設けられている。
なお、圧力室の形状は、正方形に限定されない。圧力室の平面形状は、菱形、長方形などの四角形、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
ノズル開口280及びノズル連通路220を含むノズル部281には、不図示の循環出口が形成され、ノズル部281は循環出口を介して循環個別流路226と連通される。
ノズル部281のインクのうち、吐出に使用されないインクは循環個別流路226を介して循環共通流路228へ回収される。
循環共通流路228は、図23で説明したインク循環室236につながっており、循環個別流路226を通って常時インクが循環共通流路228へ回収されることにより、非吐出時におけるノズル部のインクの増粘が防止される。
なお、インクジェットヘッド56は、図22から図25に図示した構造に限定されない。ノズル開口280、ノズル部281の配置は、媒体Pの幅方向である媒体Pの幅方向について一列に配置してもよいし、二列の千鳥配置でもよい。
図25には、圧電素子の例として、各ノズル部281に対応して個別に分離した構造を有する圧電素子230を例示した。もちろん、複数のノズル部281に対して一体に圧電体層231が形成され、各ノズル部281に対応して個別電極が形成され、ノズル部281ごとに活性領域が形成される構造を適用してもよい。
圧電素子に代わり圧力発生素子として圧力室218の内部にヒータを備え、当該ヒータに駆動電圧を供給して発熱させ、膜沸騰現象を利用して圧力室218内のインクをノズル開口280から吐出させるサーマル方式を適用してもよい。
図20から図25を用いて説明したインクジェット記録装置10は、構成の変更、追加、削除等が可能である。例えば、処理液の付与、処理液の乾燥に関する構成を省略すること、記録媒体の搬送系の構成を変更することが可能である。
また、図20から図25を用いて説明したインクジェット記録装置10に対して、図1から図19を用いて説明した乾燥処理装置20を適用する際に、図1から図19に示した構成に対して、図20から図25に示した構成において重複する構成は適宜削除、変更又は共通化が可能である。また、図1から図19に示した構成に対して、図20から図25に示した構成において不足する構成は適宜追加することが可能である。
以上説明した乾燥処理装置、乾燥処理方法、乾燥処理プログラム及び画像形成装置は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更、追加、削除をすることが可能である。また、上述した各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
10…インクジェット記録装置、20…乾燥処理装置、64…媒体搬送部、72…搬送ガイド、73…乾燥処理部、73A,73B…IRヒータ、73C…上流側エアナイフ、73D…下流側エアナイフ、100,300…システムコントローラ、110,310…搬送制御部、320…IRヒータ制御部、321…エアナイフ制御部、324…圧力制御部、330…媒体情報取得部、332…乾燥処理条件設定部、336…テーブル記憶部

Claims (14)

  1. 乾燥処理対象の媒体を搬送させる媒体搬送部と、
    乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得部と、
    乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理部と、
    乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理部であり、媒体の搬送方向上流側に配置される上流側送風乾燥処理部、及び媒体の搬送方向下流側に配置される下流側送風乾燥処理部が具備される送風乾燥処理部と、
    前記取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定部と、
    前記設定された乾燥処理条件に基づいて前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理を制御する熱乾燥処理制御部と、
    前記設定された乾燥処理条件に基づいて前記送風乾燥処理部による乾燥処理を制御する送風乾燥処理制御部と、
    を備え、
    前記乾燥処理条件設定部は、前記熱照射乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して前記熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して前記熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、前記送風乾燥処理部のうち少なくとも前記上流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、前記上流側送風乾燥処理部から放出される送風の温度である前記上流側送風乾燥処理部の送風温度を、前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理部から放出される単位時間あたりの送風の体積である前記上流側送風乾燥処理部の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理部の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する乾燥処理装置。
  2. 前記乾燥処理条件設定部は、前記下流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、前記上流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件を設定する請求項1に記載の乾燥処理装置。
  3. 前記乾燥処理条件設定部は、前記送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、前記上流側送風乾燥処理部の送風量と前記下流側送風乾燥処理部の送風量との比率を設定する請求項1に記載の乾燥処理装置。
  4. 前記乾燥処理条件設定部は、前記下流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、前記上流側送風乾燥処理部の送風量に1未満の数を乗じた送風量を設定する請求項3に記載の乾燥処理装置。
  5. 前記乾燥処理条件設定部によって参照される乾燥処理条件設定制御テーブルであり、媒体の厚みに対する乾燥処理条件を規定する乾燥処理条件設定制御テーブルが記憶される乾燥処理条件設定制御テーブル記憶部を備えた請求項1から4のいずれか一項に記載の乾燥処理装置。
  6. 乾燥処理対象の媒体の変形抑制を優先する変形抑制優先モード、乾燥処理対象の媒体の乾燥処理対象面と反対側の面の傷つきを防止する傷防止優先モード、及び乾燥処理対象の媒体に形成される膜の強度向上を優先させる膜強度優先モードの少なくともいずれかのモードを設定するモード設定部を備え、
    前記乾燥処理条件設定部は、前記設定されたモードに応じて、前記熱照射乾燥処理部に適用される乾燥処理条件、及び前記送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件の少なくともいずれか一方を変更する請求項1から5のいずれか一項に記載の乾燥処理装置。
  7. 前記熱照射乾燥処理部の処理領域、及び前記送風乾燥処理部の処理領域において、乾燥処理対象の媒体の乾燥処理対象面の反対側面を支持する支持部と、
    前記支持される媒体に対して圧力を付与する圧力付与部と、
    前記取得された媒体の厚みに応じて前記圧力付与部の圧力付与条件を設定する圧力付与条件設定部と、
    前記設定された圧力付与条件に基づいて前記圧力付与部による圧力付与を制御する圧力付与制御部と、
    を備え、
    前記圧力付与条件設定部は、処理対象の媒体の厚みが予め決められた厚み未満の場合に、処理対象の媒体を前記支持部へ接触させる圧力を付与する圧力付与条件を設定し、処理対象の媒体の厚みが予め決められた厚み以上の場合に、処理対象の媒体を前記支持部から離間させる圧力を付与する圧力付与条件を設定する請求項1から5のいずれか一項に記載の乾燥処理装置。
  8. 前記圧力付与部は、前記支持部の乾燥処理対象面の反対側面を支持する面に処理対象の媒体に付与される圧力を発生させる孔と、
    前記孔と連通する流路であり、前記支持部の内部に形成された流路と、
    前記流路と接続される圧力発生装置と、
    を備え、
    前記圧力付与制御部は、前記孔からの吸引又は排出を切り換える請求項7に記載の乾燥処理装置。
  9. 前記圧力付与条件設定部によって参照される圧力付与条件制御テーブルであり、媒体の厚みに対する圧力付与条件を規定する圧力付与条件制御テーブルが記憶される圧力付与条件制御テーブル記憶部を備えた請求項7又は8に記載の乾燥処理装置。
  10. 乾燥処理対象の媒体の変形抑制を優先する変形抑制優先モード、乾燥処理対象の媒体の乾燥処理対象面と反対側の面の傷を防止する傷防止優先モード、及び乾燥処理対象の媒体に形成される膜の強度向上を優先させる膜強度優先モードを設定するモード設定部を備え、
    前記圧力付与条件設定部は、前記設定されたモードに応じて前記圧力付与部に適用される圧力付与条件を変更する請求項7から9のいずれか一項に記載の乾燥処理装置。
  11. 前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の温度の情報を取得する温度情報取得部を備えた請求項1から10のいずれか一項に記載の乾燥処理装置。
  12. 乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得工程と、
    乾燥処理対象の媒体を搬送させ、前記乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理工程と、
    乾燥処理対象の媒体を搬送させ、乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理工程であり、媒体の搬送方向上流側において乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す上流側送風乾燥処理工程、及び媒体の搬送方向下流側において乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す下流側送風乾燥処理工程を含む送風乾燥処理工程と、
    前記取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定工程と、
    を含み、
    前記乾燥処理条件設定工程は、前記熱照射乾燥処理工程に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して前記熱照射乾燥処理工程における熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して前記熱照射乾燥処理工程における熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、前記送風乾燥処理工程のうち少なくとも前記上流側送風乾燥処理工程に適用される乾燥処理条件として、前記上流側送風乾燥処理工程において放出される送風の温度である前記上流側送風乾燥処理工程の送風温度を、前記熱照射乾燥処理工程における乾燥処理中の媒体の温度、又は前記熱照射乾燥処理工程における乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理工程において放出される単位時間あたりの送風の体積である前記上流側送風乾燥処理工程の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理工程の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する乾燥処理方法。
  13. コンピュータを、
    乾燥処理対象の媒体を搬送させる媒体搬送手段、
    乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得手段、
    乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理手段、
    乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理手段であり、媒体の搬送方向上流側に配置される上流側送風乾燥処理手段、及び媒体の搬送方向下流側に配置される下流側送風乾燥処理手段が具備される送風乾燥処理手段、
    前記取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定手段、
    前記設定された乾燥処理条件に基づいて前記熱照射乾燥処理手段による乾燥処理を制御する熱乾燥処理制御手段、
    前記設定された乾燥処理条件に基づいて前記送風乾燥処理手段による乾燥処理を制御する送風乾燥処理制御手段として機能させる乾燥処理プログラムであって、
    コンピュータを、前記熱照射乾燥処理手段に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して前記熱照射乾燥処理手段による熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して前記熱照射乾燥処理手段による熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、前記送風乾燥処理手段のうち少なくとも前記上流側送風乾燥処理手段に適用される乾燥処理条件として、前記上流側送風乾燥処理手段から放出される送風の温度である前記上流側送風乾燥処理手段の送風温度を、前記熱照射乾燥処理手段による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は前記熱照射乾燥処理手段による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理手段から放出される単位時間あたりの送風の体積である前記上流側送風乾燥処理手段の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理手段の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する前記乾燥処理条件設定手段として機能させる乾燥処理プログラム。
  14. 媒体に画像を形成する描画部と、
    前記形成された画像に対して乾燥処理を施す乾燥処理装置と、
    を備え、
    前記乾燥処理装置は、乾燥処理対象の媒体を搬送させる媒体搬送部と、
    乾燥処理対象の媒体の厚みの情報を取得する媒体情報取得部と、
    乾燥処理対象の媒体に対して熱照射による乾燥処理を施す熱照射乾燥処理部と、
    乾燥処理対象の媒体に対して送風による乾燥処理を施す送風乾燥処理部であり、媒体の搬送方向上流側に配置される上流側送風乾燥処理部、及び媒体の搬送方向下流側に配置される下流側送風乾燥処理部が具備される送風乾燥処理部と、
    前記取得された媒体の厚みに応じた乾燥処理条件を設定する乾燥処理条件設定部と、
    前記設定された乾燥処理条件に基づいて前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理を制御する熱乾燥処理制御部と、
    前記設定された乾燥処理条件に基づいて前記送風乾燥処理部による乾燥処理を制御する送風乾燥処理制御部と、
    を備え、
    前記乾燥処理条件設定部は、前記熱照射乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、相対的に薄い媒体に対して前記熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に減少させ、相対的に厚い媒体に対して前記熱照射乾燥処理部による熱照射を相対的に増加させる乾燥処理条件を設定し、かつ、前記送風乾燥処理部のうち少なくとも前記上流側送風乾燥処理部に適用される乾燥処理条件として、前記上流側送風乾燥処理部から放出される送風の温度である前記上流側送風乾燥処理部の送風温度を、前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理中の媒体の表面温度、又は前記熱照射乾燥処理部による乾燥処理後の媒体の表面温度に対応する温度範囲に設定する乾燥処理条件であり、相対的に薄い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理部から放出される単位時間あたりの送風の体積である前記上流側送風乾燥処理部の送風量を増加させ、相対的に厚い媒体に対して前記上流側送風乾燥処理部の送風量を減少させる乾燥処理条件を設定する画像形成装置。
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