JPWO2016031849A1 - (メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

メタクリル酸メチル、連鎖移動剤およびラジカル重合開始剤を必ず含有し、アクリル酸アルキルエステルを任意で含有し、且つアクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸メチルの質量比が0/100〜20/80である原料液を、槽型反応器に連続的に供給し、該槽型反応器内で重合転化率40〜70質量%で塊状重合して反応生成物を得、且つ該反応生成物を前記槽型反応器から連続的に抜き出し、抜き出された反応生成物を熱交換器で平均滞留時間30秒間以上180秒間以下にて熱交換器の出口における反応生成物の温度を260℃未満に加熱し、及び加熱された反応生成物から揮発分を除去する工程を有する方法によって、(メタ)アクリル樹脂組成物を得る。

Description

本発明は、(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法に関する。より詳細に、本発明は、光学特性に優れた成形体を得ることができる、着色が少なく、熱安定性の良い(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法に関する。
(メタ)アクリル樹脂組成物からなる成形品は、透明性に優れ光学歪も少ないことから、光学レンズ、ディスク基板、自動車部品、看板、銘板、照明カバー、導光板などに用いられている。
(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法の一つとして、重合性モノマー、重合開始剤などを含む原料液を槽型反応器に連続的に供給して塊状重合させ、反応生成物を連続的に抜き出し、連続的に抜き出された反応生成物から未反応モノマーなどの揮発分を除去する方法(以下、連続塊状重合法ということがある。)が知られている。この連続塊状重合法は光学特性に優れた(メタ)アクリル樹脂組成物を大量に製造するのに適している。
揮発分の除去方法として、例えば、特許文献1は、(i)反応器から抜き出した反応生成物を、脱揮装置(ベントなど)を有する押出機に供給して加熱溶融混練下に未反応のモノマーを脱揮装置から脱揮しながら重合により生成したメタクリル系樹脂を押し出して回収する方法、(ii)反応器からギヤポンプなどにより連続的で抜き出した反応生成物、多管式熱交換器などの加熱器によって加熱し、続いてニードルバルブから脱気タンク内にフラッシュすることによって未反応のモノマーを気化してメタクリル系樹脂から分離する方法を開示している。
また、特許文献2は、反応器から抜き出した反応生成物を予熱器に移送して未反応の原料モノマーを主とする揮発分の揮発に必要な熱量の一部または全部を反応生成物に付与し、その後、圧力調整弁を介して脱揮押出機に移送して脱揮押出機にて揮発分が少なくとも部分的に除去され、残部の樹脂組成物をペレット状に成形する方法を開示している。
特開2009−256493号公報 特開2014−012781号公報
日本油脂株式会社技術資料「有機過酸化物の水素引抜き能と開始剤効率」(2003年4月作成)
揮発分としてメタクリル酸メチルなどのモノマーからなるダイマーが知られている。ダイマーが多量に樹脂組成物中に残ると成形体に着色を発生させると考えられている。前記特許文献に記載の方法によって、ダイマーも樹脂組成物から脱揮されていると考えられる。ところが、このような脱揮を行っても、樹脂組成物の着色が十分に抑制できていない。
本発明の目的は、光学特性に優れた成形体などを得ることができる、着色が少なく且つ熱安定性の良い(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法を提供することである。
前記目的を達成するために鋭意検討した結果、以下の実施態様を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕メタクリル酸メチル、連鎖移動剤およびラジカル重合開始剤を必ず含有し、アクリル酸アルキルエステルを任意で含有し、且つアクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸メチルの質量比が0/100〜20/80である原料液を、槽型反応器に連続的に供給し、該槽型反応器内で重合転化率40〜70質量%で塊状重合して反応生成物を得、且つ該反応生成物を前記槽型反応器から連続的に抜き出し、
抜き出された反応生成物を熱交換器で平均滞留時間30秒間以上180秒間以下にて熱交換器の出口における反応生成物の温度を260℃未満に加熱し、次いで
加熱された反応生成物から揮発分を除去する工程、を有する、(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
〔2〕熱交換器が多管式熱交換器である、〔1〕に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
〔3〕多管式熱交換器中の各伝熱管は呼び径15A以下のJIS配管である、〔2〕に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
〔4〕前記原料液が、メタクリル酸メチルおよび連鎖移動剤を必ず含有し且つアクリル酸アルキルエステルを任意で含有する原料液(A)とラジカル重合開始剤およびメタクリル酸メチルを含有する原料液(B)とを混合することによって調製される、〔1〕〜〔3〕のいずれかひとつに記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、着色が少なく且つ熱安定性の良い(メタ)アクリル樹脂組成物を得ることができる。本発明の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物は、光学特性に優れる成形体を提供することができる。
本発明に係る製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。
本発明の一実施形態に係る(メタ)アクリル系樹脂組成物の製造方法は、原料液を槽型反応器に連続的に供給し、該槽型反応器内で塊状重合して反応生成物を得、且つ該反応生成物を前記槽型反応器から連続的に抜き出し、
抜き出された反応生成物を熱交換器で加熱し、次いで
加熱された反応生成物から揮発分を除去する工程を有するものである。なお、本発明においては、原料液の反応器への供給、塊状重合、反応生成物の反応器からの抜出、熱交換器での加熱および揮発分の除去を、同時並行して行うことが好ましい。
本発明に用いられる原料液は、メタクリル酸メチル、連鎖移動剤およびラジカル重合開始剤を必ず含有し且つアクリル酸アルキルエステルを任意で含有するものである。
原料液に含有される連鎖移動剤としては、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス−(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートなどのアルキルメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー;テルピノレンなどが挙げられる。これらのうちn−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどの単官能アルキルメルカプタンが好ましい。これら連鎖移動剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。連鎖移動剤の量は、重合に供される全ての重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜1質量部、より好ましくは0.2〜0.8質量部、さらに好ましくは0.3〜0.6質量部である。
原料液に含有されるラジカル重合開始剤は、反応性ラジカルを発生するものであれば特に限定されないが、後述する槽型反応器内の温度における半減期が、0.5〜120秒間のものが好ましく、2〜60秒間のものがより好ましい。また、該重合開始剤は、水素引抜き能が40%以下のものが好ましく、30%以下のものがより好ましい。これら重合開始剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート 、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエ−ト、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、ベンゾイルパーオキシド 、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。これらのうち、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)が好ましい。
なお、水素引抜き能は、重合開始剤製造業者の技術資料(例えば、非特許文献1)などによって知ることができる。また、α−メチルスチレンダイマーを使用したラジカルトラッピング法、即ちα−メチルスチレンダイマートラッピング法によって測定することができる。当該測定は、一般に、次のようにして行われる。まず、ラジカルトラッピング剤としてのα−メチルスチレンダイマーの共存下で重合開始剤を開裂させてラジカル断片を生成させる。生成したラジカル断片のうち、水素引抜き能が低いラジカル断片はα−メチルスチレンダイマーの二重結合に付加して捕捉される。一方、水素引抜き能が高いラジカル断片はシクロヘキサンから水素を引き抜き、シクロヘキシルラジカルを発生させ、該シクロヘキシルラジカルがα−メチルスチレンダイマーの二重結合に付加して捕捉され、シクロヘキサン捕捉生成物を生成する。そこで、シクロヘキサン、またはシクロヘキサン補足生成物を定量することで求められる、理論的なラジカル断片発生量に対する水素引抜き能が高いラジカル断片の割合(モル分率)を水素引抜き能とする。
アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。これらアクリル酸アルキルエステルは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、アクリル酸メチルが好ましい。
原料液において、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸メチルの質量比は、0/100〜20/80、好ましくは0/100〜10/90である。
原料液には、他の重合性単量体を含有させることができる。当該重合性単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ノルボルネニルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸フェニルなどのアクリル酸アリールエステル;アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸ノルボルネニルなどのアクリル酸シクロアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリルアミド;メタクリルアミド;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;などの一分子中に重合性アルケニル基を一つだけ有するビニル単量体が挙げられる。他の重合性単量体の量は、重合に供される全ての重合性単量体100質量部において、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
原料液は、その調製方法によって特に限定されない。原料液は、原料液(A)と原料液(B)との混合によって調製されるものが好ましい。原料液(A)と原料液(B)との混合方法は特に制限されない。原料液(A)と原料液(B)との混合は、後述する連続重合反応を円滑に行う観点から、スタティックミキサー、ダイナミックミキサーなどのようなライン中にて連続混合が可能な装置等で行うのが好ましい。
原料液(A)は、メタクリル酸メチルおよび連鎖移動剤を必ず含有し且つアクリル酸アルキルエステルを任意で含有するものである。原料液(A)には、他の重合性単量体を含有させることができる。
原料液(A)におけるメタクリル酸メチルとアクリル酸アルキルエステルとの質量比は、原料液(A)と原料液(B)とを混ぜたときに、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸メチルの質量比が、好ましくは0/100〜20/80、より好ましくは0/100〜10/90になるものであれば特に限定されない。
また、原料液(A)に必ず含有されるメタクリル酸メチルと原料液(A)に任意に含有されるアクリル酸アルキルエステルとの合計量は、重合に供される全ての重合性モノマー100質量部から、原料液(A)に含有させることができる他の重合性モノマーおよび後述する原料液(B)に含有されるメタクリル酸メチルの供給量を差し引いた量である。
本発明で用いるメタクリル酸メチル、アクリル酸アルキルエステルおよびその他の重合性モノマーは、酸素存在下での保管時の重合を防止するために、重合禁止剤を含有することが好ましい。係る重合禁止剤は、酸素存在下で重合禁止効果を発揮するものであれば特に制限はないが、不活性ガス雰囲気下での重合反応を阻害しないものが好ましい。かかる重合禁止剤としては、例えば、ブチルキシレノール、メトキノン、ハイドロキノンなどのフェノール系の重合禁止剤;フェノチアジンなどが代表的なものとして挙げられる。かかる重合禁止剤の含有量は、原料液(A)に含まれる重合性モノマーの総量に対して、好ましくは0.1ppm〜50ppm、より好ましくは0.5ppm〜30ppmである。
原料液(A)の溶存酸素濃度は、好ましくは50ppm以下、より好ましくは1ppm以下である。原料液(A)の溶存酸素濃度が多いと、安定した重合が妨げられることがある。
さらに、原料液(A)は、b*が−1〜2であることが好ましく、−0.5〜1.5であることがより好ましい。該b*がこの範囲にあると、得られる(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した場合に、着色が殆んどない成形品を、高い生産効率で得る上で有利となる。なお、b*は国際照明委員会(CIE)規格(1976年)またはJIS Z−8722に準拠して測定した値である。
メタクリル酸メチル、アクリル酸アルキルエステルまたは連鎖移動剤は、原料タンクから移送されるヴァージンのもの(未だ重合反応に供されていないもの)と、後述するように重合反応に供されたが未反応物として回収されたものとを含むものであってもよい。回収された未反応物にはメタクリル酸メチル、アクリル酸アルキルエステルまたは連鎖移動剤に加えダイマーやトリマーが含まれていることがある。また回収時などに加えられる熱によって、未反応物はb*が高くなっていることがある。そのような場合には、公知の方法で精製して、ダイマーやトリマーを除去し、またb*を好ましくは−1〜2に、より好ましくは−0.5〜1.5にすることができる。該b*がこの範囲にあると、得られる(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した場合に、着色が殆んどない成形品を、高い生産効率で得る上で有利となる。
原料液(A)は、その調製方法によって特に限定されない。例えば、所定割合でメタクリル酸メチルとアクリル酸アルキルエステルと連鎖移動剤とを混ぜ合わせ、次いで窒素ガスなどの不活性ガスと接触させて溶存酸素を追い出すことによって得ることができる。
原料液(A)と不活性ガスとの接触においては、不活性ガスの供給量(Nm3/h)に対する原料液(A)の供給量(kg/h)を0.30未満にすることが好ましい。このような供給量比にすると、原料液(A)の溶存酸素濃度を効率的に下げることができる。不活性ガスとの接触効率を高めるために、例えば、不活性ガスを原料液(A)中でバブリングすることができる。
原料液(B)はラジカル重合開始剤、およびメタクリル酸メチルを含有するものである。
ラジカル重合開始剤の供給量は、原料液(A)の供給量に比べて少ないので、ラジカル重合開始剤の供給を円滑にするためにメタクリル酸メチルにラジカル重合開始剤を溶解させて希釈したものを原料液(B)とすることが好ましい。
原料液(B)におけるラジカル重合開始剤の濃度は、好ましくは0.01質量%以上4質量%未満、より好ましくは0.1質量%以上2質量%未満である。低すぎるラジカル重合開始剤濃度の原料液(B)は反応槽に多量に供給する必要があるので、重合が不安定になる傾向がある。一方、高すぎるラジカル重合開始剤濃度の原料液(B)は、貯蔵安定性が低いので、運転の停止が長期間になると、運転再開時に不都合が生じやすい傾向がある。
原料液(B)にはメタクリル酸メチルの無用な重合を防ぐために重合禁止剤を含有させることが好ましい。原料液(B)に含有させる重合禁止剤は、酸素存在下で重合禁止効果を発揮するものであれば特に制限されないが、不活性ガス雰囲気下での重合を阻害しないものが好ましい。かかる重合禁止剤としては、例えば、ブチルキシレノール、メトキノン、ハイドロキノンなどのフェノール系の重合禁止剤;フェノチアジンなどが代表的なものとして挙げられる。かかる重合禁止剤の含有量は、原料液(B)に含まれるメタクリル酸メチルに対して、好ましくは0.1ppm〜50ppm、より好ましくは0.5ppm〜30ppmである。
また、原料液(B)は、酸素存在下に、液温が0℃以下に維持されることが好ましい。酸素は、例えば、原料液(B)の調合槽に空気を吹き込むことによって存在させることができる。原料液(B)の温度を0℃以下に維持する場合には原料液(B)の変質が抑制される。0℃より高い温度にするとラジカル重合開始剤の分解によってラジカルが発生し溶媒であるメタクリル酸メチルの重合反応が進んでしまうことがある。
塊状重合においては溶剤を原則使用しないが、粘度を調整するなどの必要がある場合には、溶剤を原料液(A)または原料液(B)に含有させることができる。溶剤としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素が好ましい。これらの溶剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。かかる溶剤の使用量は、重合に供される全ての重合性モノマー100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
本発明の方法に用いられる槽型反応器は、通常、反応槽、反応槽内の液を撹拌するための撹拌手段、原料液を反応槽に供給するための供給口、および反応槽から反応生成物を抜き出すための抜出口を有する。本発明に用いられる槽型反応器は、原料液を反応槽に供給するための供給口が、反応槽の天面に設置されていてもよいし、反応槽の側面に設置されていてもよいし、反応槽の底面に設置されていてもよい。供給口の高さは、反応槽内の液面よりも高い位置にあってもよいし、反応槽内の液面よりも低い位置にあってもよい。供給口の形状は、円管の切り口そのものの形状であってもよいし、原料液が反応槽内の液面に広く散布されるような形状であってもよい。
原料液の槽型反応器への供給方法は特に制限されない。例えば、少なくとも2個の供給口を有する槽型反応器において原料液(A)と原料液(B)とをそれぞれの供給口を通して供給してもよいし、少なくとも1個の供給口を有する槽型反応器において、供給口直前の配管または混合槽にて原料液(A)の流れと原料液(B)の流れとを合流させた後に該供給口を通して供給してもよい。合流部には動的撹拌機または静的攪拌機を備えることができる。
原料液(A)と原料液(B)の槽型反応器への供給量は、原料液(B)に対する原料液(A)の質量割合として、好ましくは10/1〜1000/1である。原料液(A)の供給量の割合が多すぎる場合、重合反応を開始させるために原料液(B)におけるラジカル重合開始剤濃度を高くしなければならなくなる。その結果、原料液(B)の貯蔵安定性が低下する傾向がある。一方、原料液(A)の供給量の割合が少なすぎる場合、重合反応槽中の溶存酸素濃度が高くなり、重合が不安定になる傾向がある。
本発明においては、反応槽に供給する原料液の総量と反応槽から抜き出す反応生成物の総量とをバランスさせて、反応槽内の液量がほぼ一定になるようにする。反応槽内の液量は、反応槽の容積に対して、好ましくは1/4以上、より好ましくは1/4〜3/4、さらに好ましくは1/3〜2/3である。本発明においては、反応槽の気相部に不活性ガスを導入するなどして、塊状重合反応を不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応槽内の液を撹拌するための撹拌手段としては、マックスブレンド式撹拌装置、格子翼式撹拌装置、プロペラ式撹拌装置、スクリュー式撹拌装置、ヘリカルリボン式撹拌装置、パドル式撹拌装置などが挙げられる。これらのうちでマックスブレンド式撹拌装置が均一混合性の点から好ましい。
槽型反応器内の温度、すなわち反応槽内にある液の温度は、好ましくは100〜170℃、より好ましくは110〜160℃、さらに好ましくは115〜150℃である。液温は、ジャケットや伝熱管などの外部熱交換式調節法、原料液または反応生成物の流れる管を反応槽内に配して成る自己熱交換式調節法などで制御することができる。
槽型反応器においては塊状重合を、重合転化率が、40〜70質量%となるまで、好ましくは42〜65質量%となるまで行う。
本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法において、槽型反応器内の反応生成物中の水分は、1000ppm以下であることが好ましく、700ppm以下であることがより好ましく、280ppm以下であることがさらに好ましい。該水分を1000ppm以下とすることにより、数μm〜数十μmの樹脂異物が重合反応中に生成するのを抑制でき、得られた(メタ)アクリル樹脂組成物を溶融成形によってフィルムまたはシートにしたときに該樹脂異物を核とする外径数十μmの欠点の発生を大幅に低減することができる。
この樹脂異物の生成抑制機構は明確ではないが、反応槽の気相部において生成する高分子量の(メタ)アクリル樹脂が樹脂異物として混入し、それが溶融成形時に未溶融物として欠点の核になると推定している。
上記反応生成物中の水分を低減する方法としては、原料液を槽型反応器に供給する前に吸着脱水塔などで処理する方法や槽型反応器の気相部に不活性ガスを導入し、蒸気の一部を不活性ガスに同伴させてブライン冷却の凝縮器によって凝縮させて系外に抜き出す方法等が挙げられる。
槽型反応器の後段には、別の反応器が繋がっていてもよい。後段に繋ぐことができる反応器は槽型反応器であっても管型反応器であってもよい。後段に繋いだ反応器において、塊状重合をさらに進め、重合転化率をさらに高めることができる。
上記のような塊状重合によって得られる反応生成物を槽型反応器(後段に別の反応器を繋いでいる場合は、後段の反応器)から抜き出す。反応生成物の抜出量は原料液の供給量とバランスさせ、反応槽内の液量が一定になるようにすることが好ましい。
反応生成物には、(メタ)アクリル樹脂が含まれており、さらに未反応の重合性モノマー(メタクリル酸メチル、アクリル酸アルキルエステルなど)、または未反応の連鎖移動剤が含まれていることがある。
反応生成物中の(メタ)アクリル樹脂の含有率は、好ましくは40〜70質量%、より好ましくは42〜65質量%である。(メタ)アクリル樹脂の含有率が高すぎると粘度上昇のために大きな攪拌動力が必要となる傾向がある。(メタ)アクリル樹脂の含有率が低すぎると、反応生成物から除去すべき未反応物の量が多くなり、後述する脱揮工程における未反応物の除去が不十分となり、また、得られる(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した場合に、成形品にシルバーなどの外観不良を起こす傾向がある。
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(以下、Mwと略称することがある。)は、好ましくは3.5万〜20万、より好ましくは4万〜15万、さらに好ましくは4.5万〜13万である。Mwが小さすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性や靭性が低下する傾向になる。Mwが大きすぎると(メタ)アクリル樹脂組成物の流動性が低下し成形加工性が低下する傾向となる。
(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量/数平均分子量の比(以下、この比を分子量分布と表記することがある。)が、好ましくは1.5〜2.6、より好ましくは1.6〜2.3、特に好ましくは1.7〜2.0である。分子量分布が小さいと(メタ)アクリル樹脂組成物の成形加工性が低下する傾向がある。分子量分布が大きいと(メタ)アクリル樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性が低下し、脆くなる傾向がある。
なお、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準ポリスチレン換算の分子量である。(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量や分子量分布は、重合開始剤および連鎖移動剤の種類や量などを調整することによって制御できる。
反応生成物に含まれている未反応物などの揮発分は公知の化学工学的手段によって回収することができる。回収方法としては、例えば、加熱脱揮による方法が好ましいものとして挙げられる。加熱脱揮法としては、平衡フラッシュ蒸発法や断熱フラッシュ蒸発法が挙げられるが、断熱フラッシュ蒸発法が好ましい。
本発明においては、まず、抜き出された反応生成物を熱交換器にて加熱する。熱交換器の熱源はボイラや他の装置で発生したスチームや加熱されたオイル、電熱ヒーターなどを用いることができる。また、後述する反応生成物の脱揮によって発生した揮発分の蒸気を熱源とすることもできる。これら熱源のうちスチームが好ましく用いられる。用いられるスチームは飽和蒸気温度が230℃以上275℃以下であることが好ましい。また、フラッシュ蒸発の効率を高めるために反応生成物をポンプなどによって加圧することができる。
熱交換器における反応生成物の平均滞留時間は、好ましくは30秒間以上180秒間以下、より好ましくは50秒間以上150秒間以下である。なお、平均滞留時間は、液の体積流量F[m3/s]と装置内の液の体積V[m3]との比V/Fで表される化学工学における周知のパラメータである。平均滞留時間が180秒間を超えるとダイマー発生量が多くなる。平均滞留時間が30秒間より短いと十分な加熱ができず、脱揮装置における効率が低下し、未反応モノマーなどの含有量が増える。
熱交換器は、その形式によって、制限されない。熱交換器の形式として、スパイラル式、プレート式、多管式、多重管式などが挙げられる。これらのうち、高温高圧下で使用でき、反応生成物を加熱する効率に優れ、デッドスペースが少ない、多管式が好ましい。
多管式熱交換器は、通常、一本の円筒胴内に複数本の伝熱菅を多数配列し、伝熱管内外面を流れる流体間で熱を交換する構造を成した熱交換器である。多管式熱交換器は、伝熱面積が広く、圧力損失が小さいので、本発明において好ましく用いられる。本発明に用いられる熱交換器に設置される伝熱管は、その管径が、JIS呼び径にて、好ましくは15A以下である。該伝熱管の管径の下限は、好ましくは8Aである。例えば、8Aは管外径13.8mm、10Aは17.3mm、15Aは21.7mm、20Aは27.2mmである。管径が太くなると、容積当たりの伝熱面積が減り、所定温度に加温するための平均滞留時間が長くなる。逆に管径が細くなると圧力損失が高くなり、反応生成物が詰まり易くなる。
熱交換器にて加温された反応生成物の出口温度は、好ましくは260℃未満、より好ましくは250℃以下である。出口温度の下限は、好ましくは200℃である。出口温度が高すぎると、ダイマーの生成量が増加したり、ポリマーの分解が進んだりする。一方で、出口温度が低すぎると脱揮装置での効率が低下する。また反応生成物の粘度が上昇し、樹脂のベントアップ、ベントラインの閉塞などを引き起こしやすくなる。出口温度は、熱源の温度の操作をしたり、熱源の熱交換器への供給量を操作したりすることなどにより調整できる。
次いで、加熱された反応生成物を減圧されたタンクなどに導入してフラッシュ蒸発させることができる。断熱フラッシュ蒸発法を実施する温度は、好ましくは200℃以上260℃未満、より好ましくは220℃以上250℃以下である。断熱フラッシュ蒸発法を実施する温度が、200℃未満では、脱揮に時間を要し、脱揮不十分になり、成形品にシルバーなどの外観不良を起こすことがある。一方、断熱フラッシュ蒸発法を実施する温度が、260℃を超えると、酸化、焼けなどによって(メタ)アクリル樹脂組成物が着色する傾向がある。断熱フラッシュ蒸発法を多段で行ってもよい。フラッシュ蒸発させられた未反応物の蒸気で伝熱管を流れる反応生成物を加熱し、加熱された反応生成物を低圧のフラッシュタンク内に供給してフラッシュ蒸発させることができる。
揮発分の除去をベント付押し出し機で行うことができる。ベント付押し出し機は、一般に、重合体と揮発分とを含む反応生成物を供給可能な反応生成物供給口と、反応生成物から分離された重合体を排出可能な重合体排出口と、反応生成物から分離された揮発分を排出可能な少なくとも一つのベントと、反応生成物を反応生成物供給口から重合体排出口へと練りながら移送するためのスクリューとを有する。反応生成物供給口より重合体排出口に近い側に在るベントをフロントベントと呼び、反応生成物供給口より重合体排出口から遠い側に在るベントをリアベントと呼ぶ。本発明に用いるベント付押し出し機においては、重合体排出口に最も近い位置に在るフロントベントよりも重合体排出口に近い側の位置に添加剤投入口が設けられている。押し出し機内は、好ましくは減圧されており、供給した反応生成物は反応生成物供給口にてフラッシュ蒸発させることが好ましい。そして、スクリューで移送されながら揮発分が蒸発される。蒸発した揮発分はベントから排出される。押し出し機は、例えば、一軸押し出し機であってもよいし、二軸押し出し機であってもよい。スクリューは、通常、フィードゾーン、コンプレッションゾーン、メータリングゾーンおよびミキシングゾーンに分かれているが、これに特に制限されない。また、ミキシングゾーンには、ダルメージ型、ローター型、フルートミキシング型などの種々の形状の凹凸や溝形状およびピン形状を付けたスクリューを適宜組み合わせて用いることができる。
上記のような脱揮法で回収されたばかりの未反応物〔揮発分〕には、メタクリル酸メチル、アクリル酸アルキルエステル、または連鎖移動剤に加え、二量体または三量体が含まれていることがある。二量体または三量体は、(メタ)アクリル樹脂の特性に影響を与えるおそれがあるので、未反応物から除去することが好ましい。二量体または三量体の除去の際に連鎖移動剤の一部や溶媒も除去されることがある。
二量体または三量体の除去は、公知の化学工学的手段によって行うことができる。例えば、蒸留による方法が好ましいものとして挙げられる。本発明において用いられる蒸留塔は、特に制限されないが、段数が6〜20段程度、還流比が0.4〜2.0程度の多段式蒸留塔であることが好ましい。本発明で得られる(メタ)アクリル樹脂組成物中に残る未反応物の量は、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
揮発分の除去された反応生成物に添加剤を添加することができる。本発明に用いられる添加剤は、メタクリル樹脂の生産において一般に用いられものであれば、特に制限されない。添加剤としては、例えば、滑剤(高級アルコール、グリセリンモノエステルなど)、加工助剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、耐衝撃剤、発泡剤、充填剤、着色剤、帯電防止剤、光拡散剤などが挙げられる。
添加する際に添加剤は、液状に(液状添加物)にすることが好ましい。液状添加物は、常温固体の添加剤を融解させて成るもの、または常温液体の添加剤そのものである。添加剤の溶液も使用することができるが、溶媒が不純物として樹脂組成物に含まれることになるので、できれば避けるべきである。融点の高い添加剤であっても、他の添加剤と混ぜ合わせることによって低い温度で融解させることができる。
常温固体の添加剤を融解させて成るものは、保管している間に、変色、分解などが生じることがある。そこで、常温固体の添加剤を融解させるための調製槽は、事前に、水分、酸素などを除去することが好ましい。そのための方法として窒素などの不活性ガスによるパージが挙げられる。不活性ガスの圧力、流速、パージ時間などの条件は適宜調整することができる。例えば、不活性ガスの圧力は0.1MPa以上であることが好ましい。不活性ガスの流速は添加物調製槽の体積Vにおいて0.1V/分以上であることが好ましい。不活性ガスにてパージを行う時間は他の条件によって変わるが、1分間以上であることが好ましい。
添加物調製槽は、融解に伴う熱や添加剤による腐食に耐えるものであれば、特に制限はないが、加圧または減圧を行える密閉可能な槽であることが好ましい。槽は撹拌手段を具備することが好ましい。添加剤の融解は、添加剤を加熱することによって行われる。そして、液状添加物を保存している間の温度は、130℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましい。液状添加物の変質、分解などを防ぐことができる。
液状添加物は、フィルターによって濾されたものが好ましい。用いるフィルターは、液状添加物から異物を除去できるものであれば特に制限されない。フィルターとして、樹脂製のフィルターと金属製フィルターとがある。また、金属製フィルターには、焼結フィルターや積層フィルターなどがある。フィルターは、耐熱温度が140℃以上であるのが好ましい。またフィルターは、目開きが1μm以下であるものが好ましい。
脱揮された反応生成物に添加剤を添加する方法は、特に制限されないが、ベント付押し出し機において、添加剤を、重合体排出口に最も近い位置に在るフロントベントよりも重合体排出口に近い側の位置に設けられている添加剤投入口から添加することが好ましい。液状添加物は定量ポンプなどで供給することができる。添加剤投入口付近は、スクリューがミキシングゾーンになっていることが好ましい。
押出機の重合体排出口には、異物、炭化物、ゲル状物などを除去するために、ブレーカープレートや、スクリーンなどを取り付けることができる。ブレーカープレートは、通常、直径3〜4mmの孔が同心円状に複数開けられた円板である。またスクリーンは、用途や目的に応じて種々の目開きの金網を1枚〜数枚重ねたものである。
本発明の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物は、成形材料としての扱い易さを容易にするために、公知の方法に従って、ペレット、粉末、顆粒などにすることができる。
本発明の製造方法によって得られる(メタ)アクリル樹脂組成物を、射出成形、圧縮成形、押出成形、真空成形などの従来より知られる成形方法で成形(溶融加熱成形)することによって各種成形品を得ることができる。当該(メタ)アクリル樹脂組成物からなる成形品としては、例えば、広告塔、スタンド看板、袖看板、欄間看板、屋上看板などの看板部品;ショーケース、仕切板、店舗ディスプレイなどのディスプレイ部品;蛍光灯カバー、ムード照明カバー、ランプシェード、光天井、光壁、シャンデリアなどの照明部品;ペンダント、ミラーなどのインテリア部品;ドア、ドーム、安全窓ガラス、間仕切り、階段腰板、バルコニー腰板、レジャー用建築物の屋根などの建築用部品;航空機風防、パイロット用バイザー、オートバイ、モーターボート風防、バス用遮光板、自動車用サイドバイザー、リアバイザー、ヘッドウィング、ヘッドライトカバーなどの輸送機関係部品;音響映像用銘板、ステレオカバー、テレビ保護マスク、自動販売機などの電子機器部品;保育器、レントゲン部品などの医療機器部品;機械カバー、計器カバー、実験装置、定規、文字盤、観察窓などの機器関係部品;液晶保護板、導光板、導光フィルム、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、各種ディスプレイの前面板、拡散板などの光学関係部品;道路標識、案内板、カーブミラー、防音壁などの交通関係部品;偏光子保護フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、自動車内装用表面材、携帯電話の表面材、マーキングフィルムなどのフィルム部材;洗濯機の天蓋材やコントロールパネル、炊飯ジャーの天面パネルなどの家電製品用部材;その他、温室、大型水槽、箱水槽、時計パネル、バスタブ、サニタリー、デスクマット、遊技部品、玩具、熔接時の顔面保護用マスクなどが挙げられる。
以下に実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
実施例1
メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸メチル(MA)およびn−オクチルメルカプタン(OM)からなる原料液(A)に、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)およびMMAからなる原料液(B)を添加し混ぜ合わせて、MMA98.9質量部、MA1.1質量部およびOM0.257質量部を含有し且つAIBMを濃度74ppmで含有する混合原料液を得た。該混合原料液を140℃の重合反応槽に連続的に供給し、該重合反応槽内でを平均滞留時間2時間にて塊状重合を行い、前記重合反応槽から反応生成物を連続的に排出した。混合原料液の供給、塊状重合および反応生成物の排出は同時並行して行った。重合転化率は52%であった。
なお、重合転化率は次のようにして決定した。ガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、GC−14A)に、カラム(GLC−G−230 Sciences Inc.製、INERT CAP 1(df=0.4μm、I.D.0.25mm、長さ60m))を繋ぎ、injection温度180℃、detector温度180℃、カラム温度を昇温速度10℃/分で60℃から200℃に昇温する条件にて重合反応槽から連続的に排出される反応生成物を分析した。
重合反応槽から連続的に排出される反応生成物を、順次、JIS呼び径10Aの伝熱管を有する多管式熱交換器に移送し、平均滞留時間95秒間にて出口温度240℃に加温し、次いで脱揮押出機の反応生成物供給口に供給した。多管式熱交換器の熱源として、飽和蒸気温度250℃(飽和蒸気圧力約3.98MPa)のスチームを用いた。反応生成物を脱揮押出機反応生成物供給口付近にてフラッシュ蒸発させた。蒸発した揮発分をリアベントから排出した。さらに反応生成物をスクリューによって順繰りに脱揮押出機内を搬送し、その間に蒸発する揮発分をフロントベントから排出した。
脱揮押出機の重合体排出口から樹脂組成物を押し出し、カッターで切って、ペレット状樹脂組成物を得た。
重合体排出口からの樹脂組成物の押し出しが開始されてから6時間経過した時に得られたペレット状樹脂組成物を採取した。
該ペレット状樹脂組成物をジクロロメタンに溶かして溶液を得、これにヘキサンを添加した。上澄み液を採取した。
該上澄み液を、ガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、GC−14A)に、カラム(GLC−G−230 Sciences Inc.製、INERT CAP 1(df=0.4μm、I.D.0.25mm、長さ60m))を繋ぎ、injection温度180℃、detector温度180℃、カラム温度を昇温速度10℃/分で60℃から200℃に昇温する条件にて、分析しモノマー含有量を測定した。
並行して、前記上澄み液を、ガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、GC−14A)に、カラム(GLC−G−230 Sciences Inc.製 INERT CAP 1(df=1.0μm、I.D.1.2mm、長さ40m))を繋ぎ、injection温度270℃、detector温度270℃、カラム温度を昇温速度10℃/分で70℃から270℃に昇温する条件にて、分析しダイマー含有量を測定した。
また、樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)を、JIS K7210に準拠して、230℃、3.8kg荷重および10分間の条件で測定した。
それら測定結果を表1に示す。
実施例2〜3、比較例1〜3
MMA、MA、およびOMの各量、並びに重合転化率、飽和蒸気温度(飽和蒸気圧力)、熱交換器平均滞留時間および熱交換器出口温度を表1に示すレシピに変更した以外は実施例1と同じ方法でペレット状樹脂組成物を得、実施例1と同じ方法で物性を測定した。それら測定結果を表1に示す。
以上の結果が示すとおり、本発明に係る方法(実施例)によれば、ダイマー含有量が少ない光学特性に優れた樹脂を製造できる。
Figure 2016031849
1:槽型反応器 2:熱交換器 3:脱揮押出機
4:蒸留塔 5:添加剤供給口 6:リアベント
7:フロントベント MMA:メタクリル酸メチル
MA:アクリル酸メチル Tr:連鎖移動剤
Init:重合開始剤 Inhbt:重合禁止剤 P:製品(樹脂組成物)

Claims (4)

  1. メタクリル酸メチル、連鎖移動剤およびラジカル重合開始剤を必ず含有し、アクリル酸アルキルエステルを任意で含有し、且つアクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸メチルの質量比が0/100〜20/80である原料液を、槽型反応器に連続的に供給し、該槽型反応器内で重合転化率40〜70質量%で塊状重合して反応生成物を得、且つ該反応生成物を前記槽型反応器から連続的に抜き出し、
    抜き出された反応生成物を熱交換器で平均滞留時間30秒間以上180秒間以下にて熱交換器の出口における反応生成物の温度を260℃未満に加熱し、次いで
    加熱された反応生成物から揮発分を除去する工程、
    を有する、(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
  2. 熱交換器が多管式熱交換器である、請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
  3. 多管式熱交換器中の各伝熱管は呼び径15A以下のJIS配管である、請求項2に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記原料液が、メタクリル酸メチルおよび連鎖移動剤を必ず含有し且つアクリル酸アルキルエステルを任意で含有する原料液(A)とラジカル重合開始剤およびメタクリル酸メチルを含有する原料液(B)とを混合することによって調製される、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法。
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