JPWO2016021254A1 - チタン合金材料研磨用組成物 - Google Patents

チタン合金材料研磨用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016021254A1
JPWO2016021254A1 JP2016539871A JP2016539871A JPWO2016021254A1 JP WO2016021254 A1 JPWO2016021254 A1 JP WO2016021254A1 JP 2016539871 A JP2016539871 A JP 2016539871A JP 2016539871 A JP2016539871 A JP 2016539871A JP WO2016021254 A1 JPWO2016021254 A1 JP WO2016021254A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy material
titanium alloy
polishing
titanium
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016539871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6415569B2 (ja
Inventor
舞子 浅井
舞子 浅井
玉井 一誠
一誠 玉井
均 森永
均 森永
宏 浅野
宏 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimi Inc
Original Assignee
Fujimi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimi Inc filed Critical Fujimi Inc
Publication of JPWO2016021254A1 publication Critical patent/JPWO2016021254A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6415569B2 publication Critical patent/JP6415569B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/11Lapping tools
    • B24B37/20Lapping pads for working plane surfaces
    • B24B37/24Lapping pads for working plane surfaces characterised by the composition or properties of the pad materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09GPOLISHING COMPOSITIONS; SKI WAXES
    • C09G1/00Polishing compositions
    • C09G1/02Polishing compositions containing abrasives or grinding agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/04Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces
    • B24B37/042Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces operating processes therefor
    • B24B37/044Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces operating processes therefor characterised by the composition of the lapping agent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • C09K3/1454Abrasive powders, suspensions and pastes for polishing
    • C09K3/1463Aqueous liquid suspensions

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【課題】チタン合金材料を高い研磨速度を研磨でき、かつ、研磨後、表面の平滑性に優れ高光沢な表面を有する研磨済チタン合金材料を得ることができるチタン合金材料研磨用組成物を提供する。【解決手段】チタン合金材料を研磨するためのチタン合金材料研磨用組成物であって、前記チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在するチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物、および砥粒を含有するチタン合金材料研磨用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、チタン合金材料研磨用組成物に関する。
合金とは、1種の金属元素に対して、1種以上の他の金属元素や、炭素、窒素、ケイ素などの非金属元素を含有させた金属的性質を有するものであり、純金属よりも機械的強度、耐薬品性、耐食性、耐熱性等の性質を向上させる目的で製造される。
種々の合金の中でもチタン合金は、軽量である上に高強度かつ耐食性に優れていることから、精密機器、装飾品、工具、スポーツ用品、医療部品等に広く用いられている。
用途によっては、合金の表面を鏡面仕上げする必要がある。鏡面仕上げの方法として、合金表面の塗装やコーティングがある。しかしながら、合金表面の研磨による鏡面仕上げが実現できれば、塗装やコーティングを上回る利点が得られる。例えば、研磨は塗装よりも優れた鏡面を提供することができるため、塗装またはコーティング工程およびそれらに使用される材料が不要となる。また、研磨による鏡面は、塗装による鏡面に比べ耐久性が高いため、鏡面が長期に亘り持続する。
従来、難加工材料であるチタン、または窒化チタンなどに対して、様々な工夫を施した研磨による平滑化、および表面の鏡面仕上げが試みられてきた。例えば、米国特許第5516346号明細書および特開平10−067986号公報等においては、研磨用スラリー中にフッ化塩、またはフッ素化合物等のハロゲン化合物を添加することで、チタン、または窒化チタンなどに対する高い選択性が達成されることが開示されている。また、例えば、特表2001−500188号公報(米国特許第5770103号明細書に相当)等においては、水性スラリー中に極性基を有する1〜3置換フェノールを添加することで、チタン、および窒化チタンに対する高い除去速度が達成されることが開示されている。さらに、例えば、特開2005−244123号公報(米国特許出願公開2005/191823号明細書に相当)等においては、研磨剤としてコロイダルシリカを使用し、pH≦6以下とすることで、チタン、および窒化チタンなどに対して高い研磨速度が達成されることが開示されている。
しかしながら、上記の特許文献に記載の研磨用組成物による、チタン合金材料の研磨速度は十分ではなく、チタン合金材料に対してさらに高い研磨速度が達成できる研磨用組成物が望まれていた。また、研磨後のチタン合金材料(研磨済チタン合金材料)表面の平滑性が不十分であり、高光沢な表面が得られないという問題があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、チタン合金材料を高い研磨速度で研磨することができ、かつ、研磨後、表面の平滑性に優れ高光沢な表面を有する研磨済チタン合金材料を得ることができるチタン合金材料研磨用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記チタン合金材料研磨用組成物の製造方法、および前記チタン合金材料研磨用組成物を用いた研磨工程を含む研磨済チタン合金材料の製造方法を提供することを他の目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を進めた。その結果、下記の構成を有するチタン合金材料研磨用組成物により上記課題が解決され得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の上記課題は、チタン合金材料を研磨するための研磨用組成物であって、前記チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で前記チタン合金材料に含まれるチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物、および砥粒を含有する、チタン合金材料研磨用組成物により解決される。
本発明の一形態は、チタン合金材料を研磨するための研磨用組成物であって、前記チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で前記チタン合金材料に含まれるチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物、および砥粒を含有する、チタン合金材料研磨用組成物に関するものである。かような構成を有する本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物によれば、チタン合金材料を高い研磨速度で研磨することができ、かつ、研磨後、表面の平滑性に優れ高光沢な表面を有する研磨済チタン合金材料を得ることができる。本発明の一形態によれば、チタン合金材料を高い研磨速度で研磨することができ、かつ、研磨後、表面の平滑性に優れ高光沢な表面を有する研磨済チタン合金材料を得ることができるチタン合金材料研磨用組成物が提供されうる。また、本発明の他の一形態によれば、前記チタン合金材料研磨用組成物の製造方法、および前記チタン合金材料研磨用組成物を用いた研磨工程を含む研磨済チタン合金材料の製造方法が提供されうる。
本発明の他の形態は、前記チタン合金材料研磨用組成物の製造方法である。
本発明のその他の形態は、前記チタン合金材料研磨用組成物を用いた研磨工程を含む、研磨済チタン合金材料の製造方法である。
本発明者らは、上記課題の解決のために検討を進めた。その結果、本発明者らは、チタン合金材料において、チタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物(以下、「金属溶解性向上剤」とも称する)、および砥粒を含む研磨用組成物を用いて研磨することで、研磨速度が顕著に向上し、研磨済チタン合金材料の平滑性も向上することを見出した。
本発明の一形態の構成とする「金属溶解性向上剤、および砥粒を含むチタン合金材料研磨用組成物」により上記課題が解決されうる機構として、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、チタン合金材料の研磨工程において、チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在するチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する金属溶解性向上剤が存在することで、チタン以外の金属元素の少なくとも1種がチタン合金材料からチタン合金材料研磨用組成物中へと溶出する。そして、副成分であるチタン以外の金属元素の少なくとも1種の溶出により、副成分と隣接して存在していたチタンに働く分子間力が減少した結果、および/またはチタン合金材料表面近傍にてチタン−副成分間の金属元素の結合が断ち切られ、チタン合金材料表面よりチタンが離脱し易くなることで、研磨が容易となる。その結果、チタン合金材料の研磨速度が向上し、かつ研磨済チタン合金材料の平滑性も向上すると推定している。なお、上記の機構は推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術範囲に影響を及ぼすものではない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。
[チタン合金材料]
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、チタン合金材料を研磨する用途に用いられる。本発明の一形態に係るチタン合金材料は、主成分であるチタン、および少なくとも1種の副成分であるチタン以外の金属元素(以下、「副成分の金属元素」とも称する)を含有する。合金材料を製造するための方法には特に制限はないが、例えば鋳造、鍛造或いは圧延などにより得られるものであることが好ましい。
合金材料は主成分となる金属元素に基づいて名称が付される。チタン合金材料は、チタンを主成分とする。ここで、「チタンを主成分とする」とは、合金中に最も多く含有されている元素がチタンであることを意味する。また、チタン合金材料は、チタン以外の金属元素として、例えば、アルミニウム、鉄、バナジウム、スズ、モリブデン、亜鉛、銅、クロム、またはニオブ等を含有する。チタン以外の金属元素としては、アルミニウム、バナジウム、亜鉛、鉄および銅からなる群より選択される少なくとも1種を含有するものが好ましく、アルミニウムを含有するものがより好ましい。アルミニウムはチタン合金材料に含まれる金属元素の中でも特に溶解しやすいため、アルミニウムを含むことで、チタン合金材料は、研磨速度の上昇や平滑性の向上が顕著となる。
チタン合金材料中におけるチタン以外の金属元素の総含有量は、合金材料全体に対して、0.5質量%より多く、好ましくは1質量%以上である。また、チタン合金材料中における副成分の金属元素の総含有量は、特に制限されないが、好ましくは50質量%未満であり、より好ましくは30質量%以下である。なお、チタン以外の金属元素が2種類以上含まれる場合、その合計量を総含有量とする。
また、本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物が作用すると推測されるチタン以外の金属元素の、一元素あたりの含有量は、合金材料全体に対して0.5質量%より多いものとする。すなわち、本発明の研磨対象物であるチタン合金材料は、チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い量で含有されるチタン以外の金属元素を、少なくとも1つは含有する。これは、含有量が0.5質量%以下であると、不可避不純物中に存在する元素と同等以下の含有量となり、本発明の効果がほとんど得られないからである。ここで、不可避不純物とは、合金を形成するための材料や製造過程で合金中へ意図せずに含有される元素であり、例えば、チタン合金材料中に0.5質量%未満の含有量で存在する酸素、窒素、炭素等が挙げられる。
チタン(Ti)合金材料としては、上記を満たすものであれば特に限定されず、例えば、JIS H4600:2012に記載の11〜23種の耐食チタン合金材料、50種のTi−1.5Al(副成分の金属元素として1.5質量%のアルミニウムを含む)、60種および60種EのTi−6Al−4V(副成分の金属元素として6質量%のアルミニウム、および4質量%のバナジウムを含む)、61種および61種FのTi−3Al−2.5V(副成分の金属元素として3質量%のアルミニウム、および2.5質量%のバナジウムを含む)、ならびに80種のTi−4Al−22V(副成分の金属元素として4質量%のアルミニウム、および22質量%のバナジウムを含む)が挙げられる。また、チタン合金材料として、例えば、Ti−5Al−2.5Sn(副成分の金属元素として5質量%のアルミニウム、および2.5質量%のスズを含む)、Ti−8Al−1Mo−1V(副成分の金属元素として8質量%のアルミニウム、1質量%のモリブデン、および1質量%のバナジウムを含む)、Ti−6Al−6V−2Sn(副成分の金属元素として6質量%のアルミニウム、6質量%のバナジウム、および2質量%のスズを含む)、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo(副成分の金属元素として6質量%のアルミニウム、2質量%のスズ、4質量%のジルコニウム、および6質量%のモリブデンを含む)、Ti−3Al−8V−6Cr−4Zr−4Mo(副成分の金属元素として3質量%のアルミニウム、8質量%のバナジウム、6質量%のクロム、4質量%のジルコニウム、および4質量%のモリブデンを含む)、Ti−10V−2Fe−3Al(副成分の金属元素として10質量%のバナジウム、2質量%の鉄、および3質量%のアルミニウムを含む)、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al(副成分の金属元素として15質量%のバナジウム、3質量%のクロム、3質量%のスズ、および3質量%のアルミニウムを含む)、Ti−5Al−1Fe(副成分の金属元素として5質量%のアルミニウム、および1質量%の鉄を含む)、Ti−1Cu(副成分の金属元素として1質量%の銅を含む)、Ti−3Al−5V(副成分の金属元素として3質量%のアルミニウム、および5質量%のバナジウムを含む)、およびTi−20V−4Al−1Sn(副成分の金属元素として20質量%のバナジウム、4質量%のアルミニウム、および1質量%のスズを含む)、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Cr−4Mo(副成分の金属元素として5質量%のアルミニウム、2質量%のスズ、2質量%のジルコニウム、4質量%のクロム、および4質量%のモリブデンを含む。)等を用いてもよい。
上記のチタン合金材料の中でも、溶解性が高く、さらにチタン合金材料の軽量化に寄与するとの観点から、アルミニウムを含有するチタン合金材料が好ましい。アルミニウムを含有するチタン合金材料中のアルミニウムの含有量は0.5質量%より多いことが好ましく、1質量%以上がより好ましい。また、アルミニウムを含有するチタン合金材料中のアルミニウムの含有量は50質量%未満が好ましく、30質量%以下がより好ましい。アルミニウムを含有するチタン合金材料の中でも、汎用性の観点からTi−1.5Al、Ti−6Al−4V、Ti−3Al−2.5V、およびTi−4Al−22V、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Cr−4Moが好ましく、Ti−6Al−4V、Ti−3Al−2.5V、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Cr−4Moがより好ましく、Ti−6Al−4V、Ti−3Al−2.5Vがさらに好ましい。
チタン合金材料は、さらに半金属元素や非金属元素を含んでもよい。
[金属溶解性向上剤]
金属溶解性向上剤は、チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在するチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する。「溶解させる機能を有する」とは、金属溶解性向上剤が副成分の金属元素の少なくとも1種を溶解させる機能であってもよく、または金属溶解性向上剤と副成分の金属元素の少なくとも1種とが反応して得られる生成物(複数の反応が生じる場合はその最終生成物)を溶解させる機能であってもよい。
金属溶解性向上剤の作用により、本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、チタン合金材料の研磨速度を顕著に向上させ、研磨後のチタン合金材料の平滑性を向上させると考えられる。
金属溶解性向上剤が、チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在する副成分の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有することは、チタン単体、および副成分の金属元素単体のエッチングを行い、測定したそれぞれのエッチングレートの比より確認することができる。副成分の金属元素の少なくとも1種のエッチングレートをチタン単体のエッチングレートで除して算出したエッチングレート比が1より大きいときは、チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在する副成分の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有することを表す。
前記エッチングレートの測定方法は、実施例に記載の方法を用いることができる。
金属溶解性向上剤は、本発明の効果が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、金属の溶解性の観点から、酸性化合物、またはその塩を使用することができる。酸性化合物は、無機酸化合物、または有機酸化合物のいずれを使用してもよい。無機酸化合物の例としては、特に制限されないが、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、およびリン酸等が挙げられる。有機酸の例としては、特に制限されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ジグリコール酸、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、およびフェノキシ酢酸、スルホン酸、ホスホン酸(例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸)等が挙げられる。塩の例としては、特に制限されないが、アルカリ金属塩、第2族元素の塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。含有量当りの研磨効果の観点から、金属溶解性向上剤は、有機酸化合物またはその塩が好ましく、2価以上の有機酸化合物またはその塩がより好ましい。取扱い性、研磨効果、および溶媒を使用する場合は溶媒(例えば、水)への溶解性の観点から、有機酸としては、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸、プロピオン酸、グルタル酸、ジグリコール酸、乳酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、メタンスルホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が好ましく、ジグリコール酸、コハク酸、クエン酸、グルタル酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、メタンスルホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸がより好ましく、ジグリコール酸、コハク酸、クエン酸、グルタル酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、メタンスルホン酸がさらに好ましい。
金属溶解性向上剤の含有量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。金属溶解性向上剤の含有量が上記の範囲内にある場合、チタン合金材料の研磨速度が向上する。また、金属溶解性向上剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。金属溶解性向上剤の含有量が上記の範囲内にある場合、チタン合金材料研磨用組成物の製造コストを低減させることができる。
[砥粒]
砥粒は、チタン合金材料研磨用組成物中にて主に機械的な研磨加工を担う。砥粒の具体例としては、特に制限されないが、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マンガン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化チタン、窒化ケイ素、ホウ化チタン、ホウ化タングステン等が挙げられる。これらの中でも、表面粗さの低減が容易であり、低コストが実現できるとの観点から、砥粒は金属酸化物であることが好ましく、高研磨速度が可能であり、且つ容易に入手が可能であるアルミナ(α−アルミナ、中間アルミナ、ヒュームドアルミナ、アルミナゾルやその混合)を用いることがより好ましい。
チタン合金材料研磨用組成物中に含まれる砥粒の粒子径(D50)は0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上である。砥粒の粒子径(D50)が上記の範囲内にある場合、チタン合金材料の研磨速度が向上する。チタン合金材料研磨用組成物中に含まれる砥粒の粒子径(D50)は、10.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.0μm以下である。砥粒の粒子径(D50)が上記の範囲内にある場合、低欠陥かつ面粗度の小さい表面を得ることが容易である。砥粒の粒子径(D50)は、細孔電気抵抗法(測定機:マルチサイザーIII型 ベックマン・コールター社製)により測定することができる。
砥粒の比表面積は2m/g以上であることが好ましく、より好ましくは7m/g以上である。砥粒の比表面積は、JIS Z8830:2001に表されたガス吸着法(BET法)(測定機:株式会社島津製作所製、FlowsorbII 2300)により測定することができる。
チタン合金材料研磨用組成物中の砥粒の含有量は、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、チタン合金材料研磨用組成物による合金の研磨速度が向上する。チタン合金材料研磨用組成物中の砥粒の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%である。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、チタン合金材料研磨用組成物の製造コストが低減するのに加えて、研磨後の合金表面上に残存する砥粒の量が低減され、合金表面の清浄性が向上する。
[他の成分]
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、必要に応じて、上述した以外の成分の、例えば、合金材料の溶解を促進するエッチング剤、合金材料の表面を酸化させる酸化剤、合金材料の表面や砥粒表面に作用する水溶性重合体、共重合体やその塩、誘導体、合金材料の表面の腐食を抑制する防食剤やキレート剤、砥粒の凝集体の再分散を容易にする分散助剤、その他機能を有する防腐剤、防黴剤等の成分を含んでもよい。
エッチング剤の例としては、特に制限されないが、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリ、アンモニア、アミン、第四級アンモニウム水酸化物などの有機アルカリ等が挙げられる。
酸化剤の例としては、特に制限されないが、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過塩素酸塩、過硫酸塩等が挙げられる。
水溶性重合体、共重合体やその塩、誘導体の例としては、特に制限されないが、ポリアクリル酸などのポリカルボン酸、ポリホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸などのポリスルホン酸、キタンサンガム、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ソルビタンモノオレエート、単一種もしくは複数種のオキシアルキレン単位を有するオキシアルキレン系重合体、またはこれらの塩等が挙げられる。
防食剤の例としては、特に制限されないが、アミン類、ピリジン類、テトラフェニルホスホニウム塩、ベンゾトリアゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、安息香酸等が挙げられる。キレート剤の例としては、グルコン酸等のカルボン酸系キレート剤、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルテトラアミンなどのアミン系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのポリアミノポリカルボン系キレート剤、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸などの有機ホスホン酸系キレート剤、フェノール誘導体、1,3−ジケトン等が挙げられる。
分散助剤の例としては、ピロリン酸塩やヘキサメタリン酸塩などの縮合リン酸塩等が挙げられる。防腐剤の例としては、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。防黴剤の例としては、オキサゾリジン−2,5−ジオンなどのオキサゾリン等が挙げられる。
[水]
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、各成分を分散または溶解するための分散媒または溶媒として、水を含むことが好ましい。他の成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましく、具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後、フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
[チタン合金材料研磨用組成物のpH]
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物のpHの下限は、1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。チタン合金材料研磨用組成物のpHを大きくすることで、安全性が向上するため好ましい。
また、本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物のpHの上限は、7.0以下であることが好ましく、6.0以下であることがより好ましく、4.5以下であることがさらに好ましい。チタン合金材料研磨用組成物のpHが小さくなるにつれて、研磨レートが向上するため好ましい。
pHは、本発明の一形態に係るチタン合金研磨用組成物の一成分である金属溶解性向上剤により制御することができるが、それ以外の公知の酸、塩基、またはそれらの塩を使用することによっても制御することができる。
[チタン合金材料研磨用組成物]
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、前述のように、チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在するチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物(金属溶解性向上剤)、および砥粒を含有する。また、本発明の効果を損なわない限りは、必要に応じて他の成分を含んでもよい。本発明のチタン合金材料研磨用組成物としては、例えば、酸または酸性化合物、砥粒、および水を含有するもの等が挙げられる。このようなチタン合金材料研磨用組成物としては、例えば、pH値が1以上7以下であるチタン合金材料研磨用組成物等が挙げられる。
[チタン合金材料研磨用組成物の製造方法]
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物の製造方法は、上記で説明したチタン合金材料研磨用組成物の各成分を混合するものであれば、特に制限されない。すなわち、チタン合金材料中にチタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在するチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物(金属溶解性向上剤)、および砥粒を混合する工程を含むものであればよい。例えば、分散媒中に金属溶解性向上剤および砥粒を添加して混合する工程、液体状の金属溶解性向上剤中に砥粒を添加して混合する工程、予め作製した金属溶解性向上剤溶液中に砥粒を添加して混合する工程、予め作製した砥粒の分散液中に金属溶解性向上剤を添加して混合する工程、予め作製した金属溶解性向上剤溶液と予め作製した砥粒の分散液とを混合する工程等が挙げられるが、これらに限定されない。混合の条件や混合方法等は任意に選択することができる。また、前記混合工程の他に、さらに他の工程を有していてもよい。他の工程としては、例えば、チタン合金材料研磨用組成物を構成するための各成分の混合の後、分散媒をさらに加える工程等が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、特に制限されないが、例えば、金属溶解性向上剤、砥粒(例えば、アルミナ粒子)、および必要に応じて他の成分を、水中で攪拌混合する方法等によって得ることができる。
各成分を混合する際の温度は、特に制限されないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
[チタン合金材料の研磨方法およびチタン合金材料を研磨する工程を含む研磨済チタン合金材料の製造方法]
上述のように、本発明の形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、チタン合金材料の研磨に好適に用いられる。よって、本発明の他の一形態としては、チタン合金材料を本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物を用いて研磨する研磨方法を提供する。また、本発明のその他の一形態としては、チタン合金材料を前記研磨方法で研磨する工程を含む研磨済チタン合金材料の製造方法を提供する。
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物を用いた研磨済チタン合金材料製造方法としては、
研磨パッドとチタン合金材料との間に本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物を供給することと、
研磨パッドをチタン合金材料に押し当てることと、
研磨パッドおよび/またはチタン合金材料を回転または移動させてチタン合金材料を研磨することと、
を含む方法を使用することができる。
研磨パッドをチタン合金材料に押し当てる方法としては、特に限定されず、研磨パッドをチタン合金材料に押し当てる方法、チタン合金材料を研磨パッドに押し当てる方法、またはその両方のいずれも使用することができる。また、研磨方法としては、特に限定されず、研磨パッドおよびこれが貼付された定盤を回転もしくは移動させる方法、チタン合金材料およびこれを保持する保持具を回転もしくは移動させる方法、またはその両方のいずれも使用することができる。
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物を用いてチタン合金材料を研磨する際には、通常の金属研磨に用いられる装置や条件を用いて行うことができる。一般的な研磨装置としては、片面研磨装置や、両面研磨装置があり、片面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いてチタン合金材料を保持し、研磨用組成物を供給しながらチタン合金材料の片面に研磨パッドを貼付した定盤を押しつけて定盤を回転させることによりチタン合金材料の片面を研磨する。両面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いてチタン合金材料を保持し、上方より研磨用組成物を供給しながら、チタン合金材料の対向面に研磨パッドが貼付された定盤を押しつけ、それらを相対方向に回転させることによりチタン合金材料の両面を研磨する。一般的な研磨装置では、研磨用組成物が研磨パッドとチタン合金材料との間に供給された状態でチタン合金材料が研磨されることとなる。このとき、研磨パッドおよび研磨用組成物と、チタン合金材料との摩擦による物理的作用と、研磨用組成物がチタン合金材料にもたらす化学的作用とによって研磨される。
本発明の他の一形態に係る研磨方法における研磨条件の一つとして、研磨荷重が挙げられる。一般に荷重が高くなればなるほど砥粒による摩擦力が高くなり、機械的な加工力が向上するため研磨速度が上昇する。本発明の他の一形態に係る研磨方法における荷重は、特に限定されないが、チタン合金材料の単位面積当たりにおいて50g/cm以上1,000g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは80g/cm以上800g/cm以下、さらに好ましくは100g/cm以上600g/cm以下である。この範囲であれば、十分な研磨速度が発揮され、荷重によるチタン合金材料の破損や、表面に傷などの欠陥が発生することを抑制することができる。
また、本発明の他の一形態に係る研磨方法における研磨条件の一つとして、研磨における線速度が挙げられる。一般に研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、チタン合金材料の大きさ、チタン合金材料の数等が線速度に影響するが、線速度が大きい場合はチタン合金材料にかかる摩擦力が大きくなるため、エッジが機械的に研磨される作用が大きくなる。また、摩擦によって摩擦熱が発生し、研磨用組成物による化学的作用が大きくなることがある。本発明による研磨方法における線速度は特に限定されないが、10m/分以上300m/分以下であることが好ましく、より好ましくは30m/分以上200m/分以下である。この範囲であれば、十分な研磨速度が得られ、また、チタン合金材料の摩擦による研磨パッドの破損を抑制でき、さらにチタン合金材料への摩擦が十分に伝わり、所謂チタン合金材料が滑る状態を防ぐことができ、十分に研磨することができる。
上記の本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物を用いた研磨方法で使用される研磨パッドは、例えばポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等の材質の違いの他、その硬度や厚みなどの物性の違い、更に砥粒を含むもの、砥粒を含まないものがあるが、後者を使用することが好ましい。
本発明の他の一形態に係る研磨方法における研磨条件の一つとして、チタン合金材料研磨用組成物の供給量が挙げられる。供給量は研磨するチタン合金材料の種類や、研磨装置、研磨条件によっても異なるが、チタン合金材料研磨用組成物が、チタン合金材料と研磨パッドとの間にムラ無く全面に供給されるのに十分な量であればよい。チタン合金材料研磨用組成物の供給量が少ない場合は、チタン合金材料研磨用組成物がチタン合金材料全体に供給されないことや、チタン合金材料研磨用組成物が乾燥凝固しチタン合金材料表面に欠陥を生じさせることがある。逆に供給量が多い場合は、経済的でないことの他、過剰な研磨用組成物、特に水等の媒体により摩擦が妨げられ研磨が阻害されることがある。
本発明の他の一形態に係る研磨方法においては、研磨工程前に別の研磨用組成物を用いた予備研磨工程を有することができる。チタン合金材料表面に加工ダメージや輸送時の傷などを有する場合、それらの傷を一つの工程で鏡面化するには多くの時間が掛かり、不経済なうえ平滑性を損ねるなどの虞がある。予備研磨工程によりチタン合金材料表面の傷を除去しておくことにより、本発明の研磨方法による研磨に要する研磨時間を短縮することができ、優れた鏡面を効率的に得ることが期待できる。予備研磨工程に用いる予備研磨用組成物は、本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物に比べて、より研磨力の強いものを用いることが好ましい。具体的には、本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物に用いる砥粒よりも、より硬度の高く、粒子サイズの大きい砥粒を使用することが好ましい。
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物を用いてチタン合金材料を研磨する際には、一度研磨に使用されたチタン合金材料研磨用組成物を回収し、再度研磨に使用することができる。チタン合金材料研磨用組成物の再使用する方法の一例として、研磨装置から排出されたチタン合金材料研磨用組成物をタンク内に回収し、再度研磨装置内へ循環させて使用する方法が挙げられる。チタン合金材料研磨用組成物を循環使用することは、廃液として排出されるチタン合金材料研磨用組成物の量を減らすことで環境負荷が低減できる点と、使用するチタン合金材料研磨用組成物の量を減らすことでチタン合金材料の研磨にかかる製造コストを抑制できる点で有用である。
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物を循環使用する際には、研磨により消費・損失された金属溶解性向上剤、砥粒(例えば、アルミナ粒子)、および必要に応じて他の成分の一部または全部を組成物調整剤として循環使用中に添加することができる。
この場合、組成物調整剤としては金属溶解性向上剤、砥粒(例えば、アルミナ粒子)、および必要に応じて他の成分の一部または全部を任意の混合比率で混合したものとしてもよい。組成物調整剤を追加で添加することにより、チタン合金材料研磨用組成物が再利用されるのに好適な組成に調整され、研磨が好適に維持される。組成物調整剤に含有される金属溶解性向上剤、砥粒(例えば、アルミナ粒子)、および必要に応じて他の成分の濃度は任意であり、特に限定されないが、循環タンクの大きさや研磨条件に応じて適宜調整されるのが好ましい。
本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。また、本発明の一形態に係るチタン合金材料研磨用組成物は、チタン合金材料研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って、例えば10倍以上に希釈することによって調製されてもよい。
本発明のその他の一形態に係るチタン合金材料を前記研磨方法で研磨する工程を含む研磨済チタン合金材料の製造方法によって製造される、研磨済チタン合金材料の算術平均粗さRaとしては、70nm以下であることが好ましく、65nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることがよりさらに好ましく、30nm以下であることが特に好ましい。算術平均粗さは、非接触表面形状測定器を用いて測定することができる。測定方法の詳細は実施例に記載する。
次に、実施例および比較例を挙げて、さらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに何ら限定されるわけではない。
砥粒としてα−アルミナ(粒子径(D50)2.7μm、測定機:マルチサイザーIII型 ベックマン・コールター社製)を用意した。比較例1においては、砥粒を水で希釈することで、砥粒をチタン合金材料研磨用組成物の全質量に対して14質量%含むチタン合金材料研磨用組成物を調整した。実施例1〜4、および比較例2においては、砥粒を水で希釈し、さらに表1の化合物をチタン合金材料研磨用組成物の全質量に対して表1に記載のpHとなるよう加えることで、砥粒をチタン合金材料研磨用組成物の全質量に対して14質量%含むチタン合金材料研磨用組成物を調整した。
ここで、実施例および比較例にて使用した化合物の種類を表1中の「化合物」として記載し、作製したチタン合金材料研磨用組成物のpHを表1中の「pH」として記載した。
また、チタン(Ti)、およびチタン合金材料であるTi−6Al−4Vを用意した。Ti−6Al−4Vは、チタン合金材料の全質量に対してアルミニウムが6質量%、およびバナジウムが4質量%含まれており、残りはチタン、および極微量の不可避不純物よりなる。さらに、Ti−6Al−4Vの副成分の1つであるアルミニウム(Al)を単体で用意した。
実施例1〜4、ならびに比較例1および2の各チタン合金研磨用組成物にて使用した、各化合物によるチタン合金材料中のチタン(Ti)とアルミニウム(Al)とのエッチングレート比を求め、各化合物が金属溶解性向上剤であるか否かを確認した。また、実施例および比較例の各チタン合金材料研磨用組成物を用いて、チタン、およびチタン合金材料の研磨速度を求めた。さらに、各チタン合金材料研磨用組成物による研磨後のチタン合金材料の表面粗さを測定した。
各測定方法および結果は以下に示す。
<エッチングレート比>
エッチングレート比より、実施例1〜4、ならびに比較例1および2の各チタン合金研磨用組成物にて使用した、各化合物によるチタン合金材料中に存在する主成分のチタン、および副成分の金属元素を溶解させる機能を確認した。
エッチング用基板として、純アルミニウム、および純チタン(各32×32×2mm)をそれぞれ1枚ずつ用意した。また、エッチング溶液として、純水に各化合物を、表1に記載の各チタン合金研磨用組成物のpHと同じ値となるよう含有させたものを用意した。各基板を250mL容器に1枚ずつ入れ、エッチング溶液150mLに浸漬し、60℃にて24時間静置後、基板を取り出し、エッチング前後の質量差から各エッチングレートを算出した。ここで、エッチング前後の質量差は1日(24時間)あたりのエッチングレートを表す。そして、これらの各エッチングレートの測定結果を用いて、AlのエッチングレートをTiのエッチングレートで除することで、エッチングレート比を求めた。この結果を表1の「Al/Ti エッチングレート比」に示す。このエッチングレート比が1より大きいときは、化合物は、チタンよりも高い溶解度でチタン合金材料の副成分である金属元素(ここではアルミニウム)を溶解させる機能を有する、金属溶解性向上剤であるとした。
<研磨速度>
上記チタン、およびチタン合金材料を、実施例1〜4、ならびに比較例1および2の各チタン合金材料研磨用組成物を用いて、片面研磨機にて研磨した。具体的には、保持具でチタン合金材料を保持し、チタン合金材料研磨用組成物を供給しながらチタン合金材料の片面に研磨布(研磨パッド)を貼付した定盤を押しつけ、定盤を回転させることにより、表2に示す条件でチタン合金材料を研磨した。
研磨工程前の各チタン、およびチタン合金材料の質量、および研磨工程後の各研磨済チタン、および研磨済チタン合金材料の質量を測定し、研磨工程前後の質量差から各研磨速度を算出した。この結果をそれぞれ表1の「Ti 研磨速度」、および「Ti−6Al−4V 研磨速度」に示す。
<算術平均粗さRa>
実施例1〜4、ならびに比較例1および2の各チタン合金研磨用組成物を用いて研磨された研磨済チタン合金材料について、非接触表面形状測定器(レーザー顕微鏡VK−X200、キーエンス社製)を用いて、測定エリアサイズを248×213μmとして、算術平均粗さRaを求めた。この結果を表1の「Ra」に示す。
なお、表1の比較例1および2のエッチングレート測定においては、アルミニウムおよびチタンのエッチングは確認されなかったことから、表1のエッチングレート比にてエッチングなしと記載した。
表1に示すように、実施例1〜4のチタン合金材料に対する研磨速度は、比較例1および2よりも大きい値となった。また、実施例は、比較例と比べてRaが小さい値となった。この結果から、各実施例では、チタン合金材料の研磨速度が速く、且つ平滑性が高く高光沢な表面を有する研磨済チタン合金材料を得ることができることが分かる。他方、比較例では、研磨速度が遅く、表面の荒れも大きくなった。
本出願は、2014年8月7日に出願された日本特許出願番号2014−161790号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として組み入れられている。

Claims (8)

  1. チタン合金材料を研磨するためのチタン合金材料研磨用組成物であって、前記チタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在するチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物、および砥粒を含有する、チタン合金材料研磨用組成物。
  2. 前記化合物は、酸性化合物、またはその塩である、請求項1に記載のチタン合金材料研磨用組成物。
  3. 前記化合物は、有機酸化合物、またはその塩である、請求項1または2に記載のチタン合金材料研磨用組成物。
  4. 前記砥粒は、金属酸化物である、請求項1から3のいずれか1項に記載のチタン合金材料研磨用組成物。
  5. 前記砥粒は、アルミナである、請求項1から4のいずれか1項に記載のチタン合金材料研磨用組成物。
  6. 前記チタン以外の金属元素の少なくとも1種が、アルミニウムであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のチタン合金材料研磨用組成物。
  7. チタン合金材料中にチタン合金材料の全質量に対して0.5質量%より多い含有量で存在するチタン以外の金属元素の少なくとも1種を、チタンよりも高い溶解度で溶解させる機能を有する化合物、および砥粒を混合する工程を含む、チタン合金材料研磨用組成物の製造方法。
  8. 研磨パッドとチタン合金材料との間に請求項1〜6のいずれか1項に記載のチタン合金材料研磨用組成物、または請求項7に記載の製造方法により得られたチタン合金材料研磨用組成物を供給することと、
    前記研磨パッドを前記チタン合金材料に押し当てることと、
    前記研磨パッドおよび/または前記チタン合金材料を回転または移動させて前記チタン合金材料を研磨することと、
    を含む、研磨済チタン合金材料の製造方法。
JP2016539871A 2014-08-07 2015-05-01 チタン合金材料研磨用組成物 Active JP6415569B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014161790 2014-08-07
JP2014161790 2014-08-07
PCT/JP2015/063149 WO2016021254A1 (ja) 2014-08-07 2015-05-01 チタン合金材料研磨用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016021254A1 true JPWO2016021254A1 (ja) 2017-05-25
JP6415569B2 JP6415569B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=55263537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016539871A Active JP6415569B2 (ja) 2014-08-07 2015-05-01 チタン合金材料研磨用組成物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20170216993A1 (ja)
JP (1) JP6415569B2 (ja)
CN (1) CN106574170A (ja)
TW (1) TW201606062A (ja)
WO (1) WO2016021254A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2734500B2 (es) * 2018-11-12 2020-06-03 Drylyte Sl Uso de un HCl en electrolitos secos para pulir Ti y otras superficies de metales y aleaciones a través de transporte iónico
CN112326631B (zh) * 2020-10-12 2023-11-07 宁波江丰电子材料股份有限公司 一种溶解钨钛合金样品的方法
CN112229833B (zh) * 2020-10-12 2023-12-29 宁波江丰电子材料股份有限公司 一种溶解钼铌合金样品的方法
CN115874170B (zh) * 2022-12-07 2024-03-26 西南交通大学 一种长效抗菌钛/钛合金材料及其制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0392263A (ja) * 1989-09-01 1991-04-17 Kobe Steel Ltd チタン合金基板の鏡面仕上げ方法
JPH06170721A (ja) * 1992-12-03 1994-06-21 Nkk Corp チタン材の研磨方法
JPH09225813A (ja) * 1996-02-22 1997-09-02 Neos Co Ltd チタン系材料の水溶性表面加工剤及びその表面加工方法
JP2009259950A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Hitachi Chem Co Ltd Cmp用研磨液及びこれを用いた基板の研磨方法
WO2013077281A1 (ja) * 2011-11-25 2013-05-30 株式会社 フジミインコーポレーテッド 合金材料の研磨方法及び合金材料の製造方法
WO2014013977A1 (ja) * 2012-07-17 2014-01-23 株式会社 フジミインコーポレーテッド 合金材料研磨用組成物及びそれを用いた合金材料の製造方法
WO2014106944A1 (ja) * 2013-01-04 2014-07-10 株式会社 フジミインコーポレーテッド 合金材料の研磨方法及び合金材料の製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2393447B (en) * 2002-08-07 2006-04-19 Kao Corp Polishing composition
CN1788061A (zh) * 2003-05-15 2006-06-14 昭和电工株式会社 抛光组合物和抛光方法
CN101058712B (zh) * 2003-06-13 2010-06-02 日立化成工业株式会社 金属用研磨液以及研磨方法
US20090094901A1 (en) * 2006-04-24 2009-04-16 Hitachi Chemical Co. Ltd. CMP Polishing Liquid and Polishing Method
WO2009005143A1 (ja) * 2007-07-05 2009-01-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. 金属膜用研磨液及び研磨方法
CN103547651A (zh) * 2011-03-30 2014-01-29 福吉米株式会社 研磨用组合物以及使用其的研磨方法和半导体器件的制造方法
US20140054266A1 (en) * 2012-08-24 2014-02-27 Wiechang Jin Compositions and methods for selective polishing of platinum and ruthenium materials
JPWO2014054611A1 (ja) * 2012-10-03 2016-08-25 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨方法及び合金材料の製造方法
WO2014069043A1 (ja) * 2012-10-31 2014-05-08 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物
JP2015203080A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0392263A (ja) * 1989-09-01 1991-04-17 Kobe Steel Ltd チタン合金基板の鏡面仕上げ方法
JPH06170721A (ja) * 1992-12-03 1994-06-21 Nkk Corp チタン材の研磨方法
JPH09225813A (ja) * 1996-02-22 1997-09-02 Neos Co Ltd チタン系材料の水溶性表面加工剤及びその表面加工方法
JP2009259950A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Hitachi Chem Co Ltd Cmp用研磨液及びこれを用いた基板の研磨方法
WO2013077281A1 (ja) * 2011-11-25 2013-05-30 株式会社 フジミインコーポレーテッド 合金材料の研磨方法及び合金材料の製造方法
WO2014013977A1 (ja) * 2012-07-17 2014-01-23 株式会社 フジミインコーポレーテッド 合金材料研磨用組成物及びそれを用いた合金材料の製造方法
WO2014106944A1 (ja) * 2013-01-04 2014-07-10 株式会社 フジミインコーポレーテッド 合金材料の研磨方法及び合金材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6415569B2 (ja) 2018-10-31
US20170216993A1 (en) 2017-08-03
CN106574170A (zh) 2017-04-19
TW201606062A (zh) 2016-02-16
WO2016021254A1 (ja) 2016-02-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6415569B2 (ja) チタン合金材料研磨用組成物
JP6151711B2 (ja) 研磨用組成物
JP6756460B2 (ja) 研磨方法及びセラミック製部品の製造方法
WO2016103576A1 (ja) 研磨用組成物、研磨方法、及びセラミック製部品の製造方法
JP2016094510A (ja) 研磨用組成物およびそれを用いた基板の製造方法
JPWO2015019820A1 (ja) 研磨用組成物
WO2014054611A1 (ja) 研磨方法及び合金材料の製造方法
US10920104B2 (en) Abrasive, polishing composition, and polishing method
WO2017169154A1 (ja) 研磨用組成物セット、前研磨用組成物、及びシリコンウェーハの研磨方法
WO2016136177A1 (ja) 研磨用組成物、研磨方法及び硬脆材料基板の製造方法
JP6622963B2 (ja) 合金材料の研磨方法及び合金材料の製造方法
JP2018075700A (ja) 物品の製造方法
JP2017183478A (ja) シリコンウェーハの研磨方法及び研磨用組成物セット
WO2016194614A1 (ja) 研磨用組成物、研磨方法、及び製造方法
JP6760880B2 (ja) マグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法
JPWO2018088370A1 (ja) 研磨用組成物及びシリコンウェーハの研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6415569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250