JPWO2016017513A1 - 赤外線反射フィルム及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、長期間にわたる使用に際しても、優れた密着性及び耐光性(変色耐性)を維持することができる、遮熱性に優れた赤外線反射フィルムと、それを用いた合わせガラスを提供することである。本発明の赤外線反射フィルムは、光線入射側より、少なくとも、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を、この順で積層して構成されていることを特徴とする。
Description
本発明は、赤外線反射フィルムと、それを用いた合わせガラスに関する。さらに詳しくは、優れた密着性及び耐光性(変色耐性)を維持し、かつ遮熱性に優れた赤外線反射フィルム及び合わせガラスに関する。
近年、自動車や建物等において、窓から入り込む外光(太陽光)の影響により、肌が感じる熱さを遮り、車内や屋内のエア・コンディショナーの稼働率を抑え、省エネルギー化することを目的として、高い断熱性又は遮熱性を有する断熱ガラスが市場に流通している。最近では、電気自動車等の普及に伴い、車内の冷房効率を高める観点から赤外線(熱線)反射フィルムの適用が広く検討されている。
例えば、特開2008−24538号公報には、車内・屋内側ガラス/第1の樹脂層/赤外線吸収性物質としてITO(錫ドープ酸化インジウム)などの導電体を含む赤外線反射フィルム/第2の樹脂層/車外・屋外側ガラスが積層された合わせガラスが開示されている。また、特開2010−222233号公報には、赤外線反射層と赤外線吸収層とを有する機能性プラスチックフィルムを、2枚のガラス間に、熱可塑性樹脂接着剤を介して挟持した構成の合わせガラスが開示されている。また、特開2007−148330号公報には、高分子樹脂シートに誘電体多層膜でなる近赤外線反射膜を形成し、中間膜を用いて該近赤外線反射膜が2枚の板ガラスの間に積層されている近赤外線反射合わせガラスが開示されている。
一方、特許文献1には、第1ガラス板/第1中間膜/熱線反射フィルム/第2中間膜/第2ガラス板から構成され、当該第2中間膜がITO(スズドープ酸化インジウム)等の熱遮断機能を有する赤外線吸収剤を含有する断熱合わせガラスが開示されている。
しかしながら、ポリビニルブチラール樹脂より構成されている中間膜に、上記のような赤外線吸収剤を添加すると、当該赤外線吸収剤自身が赤外線を吸収することにより、中間膜内で発熱を発生し、発生した熱が車内側に拡散移動するため、むしろ、遮熱効果が低下するという問題を抱えている。
また、この赤外線吸収剤に起因する発熱により、耐熱性が十分であるとはいえないポリビニルブチラール樹脂が熱劣化を起こし、熱線反射フィルムと第2ガラス板間の接着剤としての機能も低下し、長期間にわたり太陽光線等に晒されると、層間剥離や中間膜の変色を起こすという問題を抱えている。特に、特許文献1に記載されている熱線反射フィルムは、主には、ポリエチレンナフタレート薄膜とポリメチルメタアクリレート薄膜を交互に積層した多層構成であり、このような構成では、中間膜と、ポリエチレンナフタレート又はポリメチルメタアクリレートとが直接接する構成となるため、通常の状態でも密着性が十分とはいえず、加えて、上記のような中間膜が熱劣化を受けた場合、密着性の低下がより顕著に発現するという問題がある。したがって、上記のような赤外線吸収剤に起因する発熱を防止するためには、中間膜への赤外線吸収剤の添加量としては、自ずと制限を受けることになり、所望の遮熱効果を達成することに限界が生じることになる。
加えて、特許文献1で開示されている断熱合わせガラスでは、熱線反射フィルムより光線入射面側に紫外線吸収機能を備えた層が存在しないため、熱線反射フィルム、具体的にはポリエチレンナフタレート又はポリメチルメタアクリレート、あるいはポリビニルブチラール樹脂より構成されている第1中間膜に直接紫外線が到達するため、中間膜が紫外線により変色や膜劣化とそれに伴う密着性の低下を生じやすいという問題も抱えている。
また、特許文献2には、熱吸収板ガラスである第1の合わせガラス構成部材と、熱可塑性樹脂と酸化タングステン粒子を含む中間膜と、第2の合わせガラス構成部材により構成されている合わせガラスが開示されている。さらに、中間膜と、第2の合わせガラス構成部材との間に、更に熱可塑性樹脂と紫外線遮蔽剤を含有する第2の中間膜を形成する構成が記載されている。
特許文献2で開示されている発明においては、遮熱性を高めるとともに、高い耐光性と可視光線透過率を長期間にわたり維持することができるとされている。
しかしながら、特許文献2で開示されている方法においても、熱可塑性樹脂、例えば、ポリビニルブチラール樹脂中に酸化タングステン粒子を直接含有している中間膜が入射光最表面側に配置されているため、赤外線の吸収による発熱が激しくなり、その結果、上記のような密着性の低下や変色を引き起こしやすくなるため、添加量として制限を受けることになる。特に、酸化タングステン粒子は、前記ITO粒子に比較すると、遮熱性に対しては優れた効果を発現するが、その反面、発熱性はより高いという問題を抱えている。したがって、遮蔽性と赤外線吸収による発熱性を考慮すると、自ずとその使用量に制限を受けることになる。
したがって、赤外線吸収による発熱と、それに起因する密着性の低下や変色を防止しながら、遮熱性を向上させることができる赤外線反射フィルムの開発が求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、長期間にわたる使用に際しても、優れた密着性及び耐光性(変色耐性)を維持するとともに、遮熱性に優れた赤外線反射フィルムと、それを用いた合わせガラスを提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、光線入射側より、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜で構成されている赤外線反射フィルムにより、長期間にわたる使用に際しても、優れた密着性及び耐光性(変色耐性)を維持するとともに、遮熱性に優れた赤外線反射フィルムを得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.光線入射側より、少なくとも、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を、この順で積層して構成されていることを特徴とする赤外線反射フィルム。
2.前記第2の中間膜が含有する前記複合タングステン酸化物が、セシウムドープタングステン酸化物であることを特徴とする第1項に記載の赤外線反射フィルム。
3.前記第2の中間膜における前記複合タングステン酸化物の含有量が、当該第2の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の赤外線反射フィルム。
4.前記第1の中間膜が、有機紫外線吸収剤又は金属酸化物微粒子を含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
5.前記第1の中間膜が、ヒンダードアミン系光安定剤を含有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
6.前記第1の中間膜における前記有機紫外線吸収剤の含有量が、当該第1の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内であることを特徴とする第4項又は第5項に記載の赤外線反射フィルム。
7.前記第1の中間膜及び第2の中間膜が含有する前記ポリビニルアセタール系樹脂が、いずれもポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
8.前記誘電多層膜ユニットが、透明基材上の少なくとも一つの面側に、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率の赤外線反射層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率の赤外線反射層とを、交互に積層した赤外線反射層積層体を有する構成の赤外線反射層ユニットであり、前記第1の水溶性バインダー樹脂及び前記第2の水溶性バインダー樹脂が、いずれもポリビニルアルコールであることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
9.前記赤外線反射層ユニットが、前記交互に積層した赤外線反射層積層体を前記透明基材の両面に有することを特徴とする第8項に記載の赤外線反射フィルム。
10.前記透明基材が、ポリエステルフィルムであることを特徴とする第8項又は第9項に記載の赤外線反射フィルム。
11.第1項から第10項までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルムを、2枚の合わせガラス構成部材で挟持して構成されていることを特徴とする合わせガラス。
本発明の上記手段により、長期間にわたる使用に際しても、優れた密着性及び耐光性(変色耐性)を維持するとともに、遮熱性に優れた赤外線反射フィルムと、それを用いた合わせガラスを提供することができる。
本発明の上記目的効果を達成することができた発現機構・作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
従来、誘電多層膜ユニットを有する合わせガラスにおいては、例えば、特許文献1に記載されているような赤外線吸収剤としてITOが用いられてきたが、ITOを中間膜に用いた赤外線反射フィルムでは、遮熱性を上げるためには添加量を増やさなければならず、添加量を増やすことに伴い発熱量が増え、熱に弱い中間膜が劣化するため、十分な遮熱性を達成することは難しい状況にあった。加えて、可視光線透過性(ヘイズ耐性)、耐光性、密着性等にも問題を抱えていた。
本発明では、上記問題を踏まえ、光線入射側より、第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び第2の中間膜とする構成とし、更に、第2の中間膜に複合タングステン酸化物を含有させ、合わせガラスに組み入れた構成とすることにより、外部より室内あるいは車内に入射してくる際に、前記誘電多層膜ユニットで赤外線を反射させるとともに、第2の中間膜が含有している複合タングステン酸化物により、更に透過してきた赤外線を効率的に吸収することで、飛躍的に遮熱効果を発揮させることができ、加えて赤外線吸収剤として複合タングステン酸化物を用いることにより、従来のITOより遮熱効果が高いため、添加量をさらに低減することができ、赤外線吸収剤による発熱を低く抑えることができた。その結果、ポリビニルブチラール樹脂へのダメージを低減でき、耐光性(変色耐性)や密着性を向上することができる。
本発明の赤外線反射フィルムは、光線入射側より、少なくとも、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を、この順で積層して構成されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項11に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、第2の中間膜が含有する複合タングステン酸化物が、セシウムドープタングステン酸化物であることが、より優れた遮熱性を発現させることができる観点から好ましい。
また、第2の中間膜における複合タングステン酸化物の含有量を、第2の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内とすることが、赤外線吸収時に過度の発熱を生じることなく、所望の遮熱性を得ることができる観点から好ましい。
また、第1の中間膜に有機紫外線吸収剤又は金属酸化物微粒子を含有せしめることにより、中間膜の変質及び赤外線反射層ユニットを構成する透明基材の変色を防止することができる観点から好ましい。
また、第1の中間膜が、ヒンダードアミン系光安定剤を含有すること、さらに好ましくは、有機紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を含有することにより、第1の中間膜を構成するポリビニルアセタール系樹脂の紫外線に対する耐光性(変色耐性)を高めることができる点で好ましい態様である。
また、第1の中間膜における有機紫外線吸収剤の含有量を、第1の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内とすることが、より耐光性を高めることができる点で好ましい。
また、第1の中間膜及び第2の中間膜のそれぞれが含有するポリビニルアセタール系樹脂として、いずれもポリビニルブチラール樹脂とすることが、より優れた密着性を得ることができる観点から好ましい。
また、前記誘電多層膜ユニットが、透明基材上の少なくとも一つの面側に、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率の赤外線反射層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率の赤外線反射層とを、交互に積層した赤外線反射層積層体を有する構成の赤外線反射層ユニットであり、前記第1の水溶性バインダー樹脂及び第2の水溶性バインダー樹脂が、いずれもポリビニルアルコールであることが、1)優れた赤外線反射効果を発現することができること、2)赤外線反射層がポリビニルアルコールにより構成されていることにより、隣接する中間膜を構成するポリビニルアセタール系樹脂との相性が良く、優れた密着性を得ることができる、3)赤外線反射層が含有する金属酸化物粒子が、隣接する中間膜にその一部が食い込み、アンカー効果を発現することにより、赤外線反射層ユニットと中間膜との接着が向上する観点から好ましい。
また、赤外線反射層積層体を透明基材の両面に有することが、より優れた赤外線反射効果を発現することができる観点から好ましい。
また、本発明の赤外線反射フィルムにおいては、赤外線反射層ユニットを構成する透明基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが、優れた光透過性とフィルム強度を得ることができる観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《赤外線反射フィルムの基本的な構成》
本発明の赤外線反射フィルムは、光線入射側より、少なくとも、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を、この順で積層して構成されていることを特徴とする。
本発明の赤外線反射フィルムは、光線入射側より、少なくとも、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を、この順で積層して構成されていることを特徴とする。
はじめに、本発明の赤外線反射フィルムを構成する誘電多層膜ユニットの概要について説明する。
本発明でいう誘電多層膜ユニットの代表的な構成としては、水溶性バインダー樹脂と金属酸化物粒子を含有する赤外線反射層が多層積層された赤外線反射層積層体、あるいはポリマー積層体が挙げられる。
本発明に係る誘電多層膜ユニットの一例である赤外線反射層積層体及びポリマー積層体は、赤外線反射能が発現するように、離散的な波長範囲内でスペクトルの透過及び反射機能を利用するものである。例えば、入射光が異なる屈折率を有する2つの材料間、例えば、高屈折率赤外線反射層と低屈折率赤外線反射層間の界面、あるいは屈折率の異なるフィルム間の界面を横切る場合、入射光経路が、それぞれを構成する材料の屈折率の差に応じて変化する。その屈折率差が大きければ大きいほど、入射光の屈折が大きくなるため、異なる屈折率を有する層を利用することによって、優れた赤外線反射効果を得ることができる。なお、誘電多層膜ユニットの構成の詳細については後述する。
なお、本発明でいう光線入射側とは、例えば、発光源が太陽である場合、車体に設ける車窓ガラスでは、車外が光線入射側であり、車内が非光線入射側となる。また、建築物の窓ガラスでは、屋外が光線入射側であり、屋内が非光線入射側となる。また、屋外から一次光線として太陽光が入射した後、車内又は室内で反射し、二次光線となる場合には、二次光線入射側が光線入射側となる。
以下、図を用いて、本発明の赤外線反射フィルムの代表的な構成について説明する。ただし、ここで説明する赤外線反射フィルムは、その一例を示すものであり、これらに限定されるものではない。
図1は、本発明の赤外線反射フィルムの基本的な構成の一例を示す概略断面図を示してある。
図1において、本発明の赤外線反射フィルム1は、光線入射側Lより、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜3A、誘電多層膜ユニットU、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜3Bを、この順で積層して構成されている。
次いで、本発明の赤外線反射フィルム1を構成する誘電多層膜ユニットUの各種形態について、図2〜図4を用いて説明する。
図2は、本発明の赤外線反射フィルム1で、誘電多層膜ユニットUとして金属酸化物粒子を含む赤外線反射層ユニットU1を1ユニット有する構成を示す概略断面図である。
図2において、本発明の赤外線反射フィルム1は、誘電多層膜ユニットUとして赤外線反射層ユニットU1と、その両面に、光線入射側Lにポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜3A、反対側面に本発明の特徴の一つである複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜3Bが配置されている。
さらに、赤外線反射層ユニットU1は、透明基材2上に、一例として、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率の赤外線反射層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率の赤外線反射層とを交互に積層した赤外線反射層積層体MLを有している。赤外線反射層積層体MLは、透明基材2側から赤外線反射層T1〜Tnのn層で構成され、例えば、T1、T3、T5、(中略)、Tn−2、Tnを屈折率が1.10〜1.60の範囲内にある低屈折率層で構成し、T2、T4、T6、(中略)、Tn−1を屈折率が1.80〜2.50の範囲内にある高屈折率層とする構成が一例として挙げられる。本発明でいう屈折率とは、25℃の環境下で測定した値である。
また、本発明においては、赤外線反射層ユニットU1を構成するポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜3Aと接する赤外線反射層Tnが、金属酸化物粒子として二酸化ケイ素を10〜60質量%の範囲内で含有する低屈折率層であることが、外部からの水分の侵入を防止するバリアー層として機能し、赤外線反射層の水分による白濁化を抑制し、かつポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜3Aを貼合する際、赤外線反射層Tnが含有する二酸化ケイ素粒子がポリビニルアセタール系樹脂膜に食い込み、アンカー効果を発現することにより、赤外線反射層ユニットUとポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜3Aとの接着が向上する観点から好ましい。
図3は、本発明の赤外線反射フィルム1の他の一例で、透明基材2の両面に金属酸化物粒子を含む赤外線反射層積層体MLa及び赤外線反射層積層体MLbを配置した赤外線反射層ユニットU2の構成を示す概略断面図である。
図3に示す赤外線反射フィルム1では、上記図2で説明した構成に対し、透明基材2の一方の上面側(光線入射側L)には赤外線反射層積層体MLaを、反対面側には赤外線反射層積層体MLbを設けて赤外線反射層ユニットU2を構成し、光線入射側Lにポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜3Aを、反対側表面には、複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を設けて、赤外線反射フィルム1を構成している。
図3に示す構成においても、低屈折率層と高屈折率層が交互に積層した赤外線反射層積層体MLa、MLbを形成し、加えて、第1の中間膜3Aと、第2の中間膜3Bに接する赤外線反射層Tan、Tbnが、それぞれ金属酸化物粒子として二酸化ケイ素を10〜60質量%の範囲内で含有する低屈折率層であることが好ましい。
本発明の赤外線反射フィルムでは、図2及び図3で示したように、少なくとも水溶性バインダー樹脂及び金属酸化物粒子を含有する反射層を積層した赤外線反射層ユニットを有し、当該赤外線反射層ユニットの両面に、それぞれポリビニルアセタール系樹脂を含有する中間膜3A及び3Bを設けた構成であり、具体的には、透明基材上に、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率層とを交互に積層した赤外線反射層積層体を有する構成である。
図4は、本発明の赤外線反射フィルムの他の一例として、ポリマー積層体により構成される誘電多層膜ユニットを有する構成を示す概略断面図である。
図4に示す赤外線反射フィルム1では、赤外線反射層ユニットU3が、それぞれ構成材料の異なる2種のポリマーフィルムを積層して構成されている。構成の一例としては、第2の中間膜3Bに接する面側から、ポリエチレンナフタレート(以下、PENと略記。)フィルムで形成されているPEN1、ポリメチルメタアクリレート(以下、PMMAと略記。)フィルムで形成されているPMMA1、以下同様に、PEN2、PMMA2、PEN3、PMMA3、(中略)、PENn−1、PMMAn、PENnと積層して赤外線反射層ユニットU3が形成されている。積層されるフィルム総数は150〜1000シートの範囲内であることが好ましい。この赤外線反射層ユニットU3の光線入射側Lにポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜3A、反対側面に複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜3Bを積層して、本発明の赤外線反射フィルム1を構成している。これらポリマー積層体の詳細については、例えば、米国特許公報第6049419号明細書に記載の内容を参考することができる。
本発明の赤外線反射フィルムとしては、上記例示した構成層の他に、必要に応じて、各種機能層を設けてもよい。
本発明の赤外線反射フィルムの総厚としては、特に制限はないが、250〜1500μmの範囲内であり、好ましくは400〜1200μmの範囲内であり、さらに好ましくは600〜1000μmの範囲内であり、特に好ましくは750〜900μmの範囲内である。
本発明の赤外線反射フィルムの光学特性として、JIS R 3106(1998)の「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠した方法で測定される可視光透過率としては、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。また、波長900〜1400nmの領域に反射率が50%を超える領域を有することが好ましい。
《赤外線反射フィルムの各構成材料》
本発明の赤外線反射フィルムは、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜が積層されて構成されていることが特徴である。
本発明の赤外線反射フィルムは、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜が積層されて構成されていることが特徴である。
以下、本発明の赤外線反射フィルムを構成する、第1の中間膜、第2の中間膜、誘電多層膜ユニットの各構成材料について、その詳細を説明する。
[第1の中間膜]
本発明に係る第1の中間膜は、光線入射側表面に配置され、少なくともポリビニルアセタール系樹脂を含有する膜である。
本発明に係る第1の中間膜は、光線入射側表面に配置され、少なくともポリビニルアセタール系樹脂を含有する膜である。
本発明に係る第1の中間膜においては、有機紫外線吸収剤又は金属酸化物微粒子を含有する構成、又は第1の中間膜がヒンダードアミン系光安定剤を含有することが、好ましい態様である。
〔ポリビニルアセタール系樹脂〕
本発明の赤外線反射フィルムにおいては、第1の中間膜が、ポリビニルアセタール系樹脂を含有することを特徴とし、さらに本発明に係るポリビニルアセタール系樹脂膜が、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい態様である。
本発明の赤外線反射フィルムにおいては、第1の中間膜が、ポリビニルアセタール系樹脂を含有することを特徴とし、さらに本発明に係るポリビニルアセタール系樹脂膜が、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい態様である。
本発明に係るポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂(以下、PVA樹脂と略記。)をアルデヒドによりアセタール化して得られるポリビニルアセタール系樹脂であれば良く、特に限定されるものではない。
上記PVA樹脂は、通常ポリ酢酸ビニル樹脂を鹸化することにより得られ、鹸化度が80〜99.8モル%のPVA樹脂が一般的に用いられる。また、本発明で用いられるポリビニルアセタール系樹脂の平均分子量や分子量分布は、特に限定されるものではないが、成形性(造膜性)や物性等を考慮すると、原料となるPVA樹脂として平均重合度が200〜3000のPVA樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは平均重合度が500〜2000のPVA樹脂を用いることである。
PVA樹脂の平均重合度が200以上であれば、得られるポリビニルアセタール系樹脂膜の強度が十分となり、このポリビニルアセタール系樹脂を用いて形成した第1の中間膜により作製した合わせガラスの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性等が十分となる。また、PVA樹脂の平均重合度が3000以下であれば、得られるポリビニルアセタール系樹脂膜の成形性(造膜性)が良好になり、このポリビニルアセタール系樹脂を含む第1の中間膜の剛性が適切な範囲となり、貼合時の加工性などが良好になる。
上記PVA樹脂のアセタール化に適用可能なアルデヒドとしては、炭素数が1〜10のアルデヒドが好ましく、その具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド等が挙げられ、なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド等が好適に用いられ、炭素数が4のn−ブチルアルデヒドが特に好適に用いられる。これらのアルデヒドは、得られるポリビニルアセタール系樹脂に要求される性能に応じて適宜選定されれば良い。また、これらのアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
本発明で用いられるポリビニルアセタール系樹脂は、2種類以上のポリビニルアセタール系樹脂が混合されてなる混合ポリビニルアセタール系樹脂であっても良いし、アセタール化時に2種類以上のアルデヒドを併用した共ポリビニルアセタール系樹脂であっても良い。
また、本発明で用いられるポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、アセタール化度が40〜85モル%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは60〜75モル%の範囲内である。
本発明の赤外線反射フィルムにおいては、上述したポリビニルアセタール系樹脂のなかでも、PVA樹脂をn−ブチルアルデヒドによりブチラール化(アセタール化)して得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、PBV樹脂と略記する場合がある。)が、特に好適に用いられる。
上記ポリビニルアセタール系樹脂層には、通常、可塑剤が添加される。
適用可能な可塑剤としては、ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられている従来公知の可塑剤で良く、特に限定されるものではなく、例えば、一塩基性有機酸エステル系可塑剤、多塩基性有機酸エステル系可塑剤等の有機酸エステル系可塑剤、有機リン酸系可塑剤、有機亜リン酸系可塑剤等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。
ポリビニルアセタール系樹脂に対する可塑剤の添加量は、ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度、アセタール化度、残存アセチル基量等によっても異なり、一概に規定することはできないが、ポリビニルアセタール系樹脂100質量部に対し、可塑剤として20〜100質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜60質量部の範囲内である。
ポリビニルアセタール系樹脂100質量部に対する可塑剤の添加量が20質量部以上であれば、ポリビニルアセタール系樹脂の可塑化が十分となって、成形(造膜)の容易性が向上する。また、ポリビニルアセタール系樹脂100質量部に対する可塑剤の添加量が100質量部以下であれば、可塑剤のブリードアウト(表面への滲み出し)が抑制でき、ポリビニルアセタール系樹脂膜の透明性や接着性を維持でき、ガラス基材と貼合した際の合わせガラスの光学歪みの発生を防止することができる。
本発明に係るポリビニルアセタール系樹脂を含む第1の中間膜の膜厚としては、特に限定されるものではないが、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性や経済性等を考慮すると、実用的には、100〜1000μmの範囲内であり、好ましくは100〜750μmの範囲内であり、より好ましくは、200〜500μmの範囲内であり、さらに好ましくは300〜450μmの範囲内であり、特に好ましくは、350〜400μmの範囲内である。
〔有機紫外線吸収剤〕
本発明の赤外線反射フィルムにおいては、主には、光線入射面側の最表面に配置される第1の中間膜が、200〜400nmの領域で光を吸収する有機系の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。第1の中間膜が有機系の紫外線吸収剤を含有することにより、入射してくる紫外線によるポリビニルアセタール系樹脂や、赤外線反射層ユニットを構成する赤外線反射層や透明基材の劣化を抑制することができる。この有機紫外線吸収剤の可視光領域の透過率は、高いことが好ましい。
本発明の赤外線反射フィルムにおいては、主には、光線入射面側の最表面に配置される第1の中間膜が、200〜400nmの領域で光を吸収する有機系の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。第1の中間膜が有機系の紫外線吸収剤を含有することにより、入射してくる紫外線によるポリビニルアセタール系樹脂や、赤外線反射層ユニットを構成する赤外線反射層や透明基材の劣化を抑制することができる。この有機紫外線吸収剤の可視光領域の透過率は、高いことが好ましい。
本発明に係る第1の中間膜に適用可能な紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系又はサリチル酸フェニルエステル系等の紫外線吸収剤が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
なお、紫外線吸収剤のうちでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、昇華しにくいか、あるいは高沸点で揮発しにくく、赤外線反射フィルムが高温環境下に曝されたときにも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐光性を向上させることができる観点から好ましい。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、例えば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、さらには2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系のものが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾールや2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が、特に好ましい。
これら紫外線吸収剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、BASFジャパン社製のチヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビンシリーズ、あるいは2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては、株式会社ADEKA製のLA31)を好ましく使用できる。
上記紫外線吸収剤は、1種単独、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、本発明においては、第1の中間膜における有機紫外線吸収剤の含有量として、第1の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内であることが好ましい。
紫外線吸収剤の添加方法は、第1の中間膜がポリビニルアセタール系樹脂を溶媒等に溶解して塗布液を調製する方法では、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒、又はこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからポリビニルアセタール系樹脂溶液に添加する方法であっても、又はポリビニルアセタール系樹脂を溶融して、第1の中間膜シートを作製する方法では、ポリビニルアセタール系樹脂と有機紫外線吸収剤を溶融混練した後、押出金型よりシート状に押し出してシート状の第1の中間膜を形成することができる。
〔金属酸化物微粒子〕
本発明に係る第1の中間膜には、紫外線吸収材料として金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。本発明に適用可能な金属酸化物微粒子としては、数平均一次粒子径が1〜100nmの範囲にあり、紫外線防御効果を有する微粒子であり、例えば、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄等が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は、単独で使用しても、あるいは2種以上を組み合わせてもよい。また、金属酸化物微粒子の形状としては、球状、針状、棒状、紡錘状、不定形状、板状など特に限定されず、さらに結晶形についてもアモルファス、ルチル型、アナターゼ型など特に限定されない。
本発明に係る第1の中間膜には、紫外線吸収材料として金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。本発明に適用可能な金属酸化物微粒子としては、数平均一次粒子径が1〜100nmの範囲にあり、紫外線防御効果を有する微粒子であり、例えば、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄等が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は、単独で使用しても、あるいは2種以上を組み合わせてもよい。また、金属酸化物微粒子の形状としては、球状、針状、棒状、紡錘状、不定形状、板状など特に限定されず、さらに結晶形についてもアモルファス、ルチル型、アナターゼ型など特に限定されない。
上記金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子社製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出することができる。
さらに、これらの金属酸化物微粒子は、従来公知の表面処理、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などの方法で、事前に表面処理されていることが好ましい。特に、シリコーン、シラン、フッ素化合物、アミノ酸系化合物、金属石鹸から選ばれる一種以上の表面処理剤により撥水化処理されていることが好ましい。
金属酸化物微粒子は、市販品として入手することが可能であり、微粒子酸化亜鉛としては、例えば、FINEX−25、FINEX−50、FINEX−75(以上、堺化学工業(株)製);MZ500シリーズ、MZ700シリーズ(以上、テイカ(株)製);ZnO−350、スミファインシリーズ(以上、住友大阪セメント(株)製);TYNシリーズ(東洋インキ(株)製)等が挙げられる。微粒子酸化チタンとしては、例えば、TTO−55、TTO−51、TTO−S、TTO−M、TTO−Dシリーズ(以上、石原産業(株)製);JRシリーズ、JAシリーズ(以上、テイカ(株)製);TYTシリーズ(東洋インキ(株)製)等が挙げられる。また、微粒子酸化セリウムとしては、(株)ニッキ又はセイミケミカル(株)から販売されている高純度酸化セリウムを挙げることができる。このうち、特に、金属酸化物微粒子としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛であることが好ましい。
金属酸化物微粒子の使用量は、金属酸化物微粒子の種類、使用条件等により一様ではないが、本発明においては、第1の中間膜における金属酸化物微粒子の含有量として、第1の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内であることが好ましい。
〔ヒンダードアミン系光安定剤〕
本発明に係る第1の中間膜においては、ヒンダードアミン系光安定剤を含有することが、耐光性、特に、構成材料、例えば、ポリビニルアセタール系樹脂や後述する赤外線反射層ユニットを構成する透明基材の変質や変色を防止する観点から好ましい。更には、ヒンダードアミン系光安定剤と、有機紫外線吸収剤又は金属酸化物微粒子とを併用することが好ましい態様である。
本発明に係る第1の中間膜においては、ヒンダードアミン系光安定剤を含有することが、耐光性、特に、構成材料、例えば、ポリビニルアセタール系樹脂や後述する赤外線反射層ユニットを構成する透明基材の変質や変色を防止する観点から好ましい。更には、ヒンダードアミン系光安定剤と、有機紫外線吸収剤又は金属酸化物微粒子とを併用することが好ましい態様である。
本発明に係る第1の中間膜に適用可能なヒンダードアミン光安定剤(HALSともいう。)としては、特に制限はなく、既知の化合物を挙げることができ、例えば、米国特許第4619956号明細書の第5〜第11欄及び米国特許第4839405号明細書の第3〜第5欄に記載されているように、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、又はそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体等が含まれる。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例には、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(4−t−ブチル−2−ブテニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−エチル−4−サリチロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−β(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルマレイネート(maleinate)、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジペート、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1−アリル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−フタレート、1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アセテート、トリメリト酸−トリ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル、1−アクリロイル−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ジブチル−マロン酸−ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジベンジル−マロン酸−ジ−(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジメチル−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)−シラン,トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフィット、トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフェート,N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアミン、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド、1−アセチル−4−(N−シクロヘキシルアセトアミド)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、4−ベンジルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジブチル−アジパミド、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジシクロヘキシル−(2−ヒドロキシプロピレン)、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−p−キシリレン−ジアミン、4−(ビス−2−ヒドロキシエチル)−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリルアミド−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、α−シアノ−β−メチル−β−[N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]−アミノ−アクリル酸メチルエステル等が挙げられる。
第1の中間膜中の光安定剤は、少なくとも1種選択でき、添加する量は、第1の中間膜の質量に対して、0.001〜5.0質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.005〜3.0質量%の範囲内であり、更に好ましくは0.01〜0.8質量%の範囲内である。
〔その他の添加剤〕
本発明に係る第1の中間膜には、必要に応じて、上記説明した以外の添加剤として、例えば、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を含有させることもできる。
本発明に係る第1の中間膜には、必要に応じて、上記説明した以外の添加剤として、例えば、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を含有させることもできる。
〔第1の中間膜の形成方法〕
本発明に係る第1の中間膜の形成方法としては、例えば、
1)ポリビニルアセタール系樹脂と、その他の添加剤、例えば、有機系紫外線吸収剤、金属酸化物微粒子、ヒンダードアミン系光安定剤等を混合した後、適当な溶媒を用いて、ポリビニルアセタール系樹脂とその他の添加剤を溶解、あるいは分散している状態の塗布液を調製した後、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、または米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などにより、誘電多層膜ユニット上に塗布して、第1の中間膜を形成する方法、
2)ポリビニルアセタール系樹脂と、その他の添加剤、例えば、有機系紫外線吸収剤、金属酸化物微粒子、ヒンダードアミン系光安定剤等を混合し、加熱して溶融混練した後、押出金型よりシート状に押し出して、第1の中間膜シートを作製し、これをセパレータフィルム上に貼合して、第1の中間膜付きフィルムを製造する。その後、第1の中間膜付きフィルムの第1の中間膜表面を、誘電多層膜ユニット表面へ貼合機により貼合して、第1の中間膜を形成する方法、
等が挙げられる。
本発明に係る第1の中間膜の形成方法としては、例えば、
1)ポリビニルアセタール系樹脂と、その他の添加剤、例えば、有機系紫外線吸収剤、金属酸化物微粒子、ヒンダードアミン系光安定剤等を混合した後、適当な溶媒を用いて、ポリビニルアセタール系樹脂とその他の添加剤を溶解、あるいは分散している状態の塗布液を調製した後、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、または米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などにより、誘電多層膜ユニット上に塗布して、第1の中間膜を形成する方法、
2)ポリビニルアセタール系樹脂と、その他の添加剤、例えば、有機系紫外線吸収剤、金属酸化物微粒子、ヒンダードアミン系光安定剤等を混合し、加熱して溶融混練した後、押出金型よりシート状に押し出して、第1の中間膜シートを作製し、これをセパレータフィルム上に貼合して、第1の中間膜付きフィルムを製造する。その後、第1の中間膜付きフィルムの第1の中間膜表面を、誘電多層膜ユニット表面へ貼合機により貼合して、第1の中間膜を形成する方法、
等が挙げられる。
[第2の中間膜]
本発明の赤外線反射フィルムにおいては、誘電多層膜ユニットの光線入射側とは反対側の面に、少なくとも複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を有することを特徴とする。
本発明の赤外線反射フィルムにおいては、誘電多層膜ユニットの光線入射側とは反対側の面に、少なくとも複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を有することを特徴とする。
〔複合タングステン酸化物〕
本発明に係る複合タングステン粒子は、赤外線吸収剤として機能し、高い赤外線吸収能を有し、かつ可視光線の透過率が高い特性を備えている。
本発明に係る複合タングステン粒子は、赤外線吸収剤として機能し、高い赤外線吸収能を有し、かつ可視光線の透過率が高い特性を備えている。
本発明に適用可能な複合タングステン酸化物は、下記一般式(I)で表される酸化タングステン系化合物である。
一般式(I)
MxWyOz
上記一般式(I)において、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIから選択される少なくとも1種の元素、Wはタングステン、Oは酸素原子を表し、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0である。
MxWyOz
上記一般式(I)において、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIから選択される少なくとも1種の元素、Wはタングステン、Oは酸素原子を表し、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0である。
上記一般式(I)で表される複合タングステン酸化物は、六方晶、正方晶、立方晶の結晶構造を有する場合が耐久性に優れることから、当該六方晶、正方晶、及び立方晶から選ばれる1つ以上の結晶構造を含むことが好ましい。例えば、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子の場合であれば、好ましいMとして、Cs、Rb、K、Ti、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snの各元素から選択された1種類以上の元素を含む複合タングステン酸化物が挙げられる。
本発明においては、上記複合タングステン酸化物の中でも、金属ドープタングステン酸化物が好ましく、例えば、セシウムドープタングステン酸化物(Cs0.33WO3)、ルビジウムドープタングステン酸化物(Rb0.33WO3)、カリウムドープタングステン酸化物(K0.33WO3)、タリウムドープタングステン酸化物(Tl0.33WO3)等が挙げられる。その中でも、本発明においては、セシウムドープタングステン酸化物(Cs0.33WO3)を用いることが特に好ましい。
本発明に適用する複合タングステン酸化物は、粒子状として使用し、可視光線波長帯域において十分な透明性を確保するため、その平均粒子径が40〜100nmの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が40nm以上であれば、近赤外線吸収能が十分となり、一方、平均粒子径が100nm以下であれば、所望の透明性を得ることができる。さらに好ましい赤外吸収能を発揮させるためには、平均粒子径が40〜80nmの範囲内であることが好ましく、40〜60nmの範囲内であることがさらに好ましい。
なお、本発明でいう複合タングステン酸化物粒子の平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡により撮像し、ランダムに、例えば50個の複合タングステン酸化物粒子を抽出して該粒子径を測定し、これを平均したものである。また、粒子の形状が球形でない場合には、投影面積を円と想定した時の直径で表す。
本発明に係る複合タングステン酸化物の第2の中間膜における含有量としては、第2の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内であることが好ましい。複合タングステン酸化物の含有量が0.01質量%以上であれば、所望の遮熱性(赤外線吸収能)を得ることができ、2.0質量%以下であれば、赤外線吸収による過度の発熱を発生させることがなく、かつ良好な光線透過率を得ることができる。
本発明に係る複合タングステン酸化物の更なる詳細については、例えば、特開2009−114326号公報、特開2010−2825号公報、特開2012-131659号公報、特開20102−148915号公報、特表2009−535248号公報等に記載されている内容を参照することができる。
〔ポリビニルアセタール系樹脂〕
第2の中間膜に適用可能なポリビニルアセタール系樹脂としては、前記第1の中間膜で説明したのと同様のポリビニルアセタール系樹脂を挙げることができ、さらに好ましくはポリビニルブチラール樹脂(PVB樹脂)である。
第2の中間膜に適用可能なポリビニルアセタール系樹脂としては、前記第1の中間膜で説明したのと同様のポリビニルアセタール系樹脂を挙げることができ、さらに好ましくはポリビニルブチラール樹脂(PVB樹脂)である。
〔その他の添加剤〕
本発明に係る第2の中間膜には、必要に応じて、添加剤として、例えば、安定剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を含有させることもできる。特に、紫外線による赤外線反射フィルムの劣化を抑制するためには、紫外線吸収剤の添加は有効である。
本発明に係る第2の中間膜には、必要に応じて、添加剤として、例えば、安定剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を含有させることもできる。特に、紫外線による赤外線反射フィルムの劣化を抑制するためには、紫外線吸収剤の添加は有効である。
〔第2の中間膜の形成方法〕
本発明の赤外線反射フィルムにおける第2の中間膜の形成方法としては、例えば、
1)複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂、及びその他の添加剤を混合した後、適当な溶媒を用いて、ポリビニルアセタール系樹脂溶液中に、複合タングステン酸化物粒子が分散している塗布液を調製した後、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、または米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などにより、誘電多層膜ユニット上に塗布して、第2の中間膜を形成する方法、
2)複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂、及びその他の添加剤を混合し、加熱して溶融混練した後、押出金型よりシート状に押し出して、第2の中間膜シートを作製し、これをセパレータフィルム上に貼合して、第2の中間膜付きフィルムを製造する。その後、第2の中間膜付きフィルムの第2の中間膜表面を、誘電多層膜ユニット表面へ貼合機により貼合して、第2の中間膜を形成する方法、
等が挙げられる。
本発明の赤外線反射フィルムにおける第2の中間膜の形成方法としては、例えば、
1)複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂、及びその他の添加剤を混合した後、適当な溶媒を用いて、ポリビニルアセタール系樹脂溶液中に、複合タングステン酸化物粒子が分散している塗布液を調製した後、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、または米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などにより、誘電多層膜ユニット上に塗布して、第2の中間膜を形成する方法、
2)複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂、及びその他の添加剤を混合し、加熱して溶融混練した後、押出金型よりシート状に押し出して、第2の中間膜シートを作製し、これをセパレータフィルム上に貼合して、第2の中間膜付きフィルムを製造する。その後、第2の中間膜付きフィルムの第2の中間膜表面を、誘電多層膜ユニット表面へ貼合機により貼合して、第2の中間膜を形成する方法、
等が挙げられる。
《誘電多層膜ユニット》
本発明に係る誘電多層膜ユニットとしては、その構成に特に制限はないが、ポリマー積層体又は赤外線反射層ユニットであることが好ましい態様であり、特に水溶性バインダー樹脂と金属酸化物粒子を含有する屈折率の異なる赤外線反射層を積層した赤外線反射層ユニットであることが好ましい。
本発明に係る誘電多層膜ユニットとしては、その構成に特に制限はないが、ポリマー積層体又は赤外線反射層ユニットであることが好ましい態様であり、特に水溶性バインダー樹脂と金属酸化物粒子を含有する屈折率の異なる赤外線反射層を積層した赤外線反射層ユニットであることが好ましい。
[ポリマー積層体]
本発明に係る誘電多層膜ユニットの一つであるポリマー積層体は、第1屈折率を有する第1ポリマー層と、第2屈折率を有する第2ポリマー層とを多数積層して構成される。
本発明に係る誘電多層膜ユニットの一つであるポリマー積層体は、第1屈折率を有する第1ポリマー層と、第2屈折率を有する第2ポリマー層とを多数積層して構成される。
第1ポリマー層及び第2ポリマー層は、互いの上部に積層され、ポリマー積層体を形成する。第1及び第2ポリマー層を構成するポリマー材料としは、ポリエステル、アクリル、ポリエステルアクリルのブレンド又はコポリマー等が挙げられ、例えば、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ナフタレンジカルボンコポリエステル(coPEN)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレン−2,6−ナフタレート(PBN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナフタレンジカルボン酸誘導体、ジオールコポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、シンジオタックポリスチレン樹脂(SPS)等が挙げられ、具体的な第1ポリマー層と第2ポリマー層との組み合わせとしては、PEN/PMMA、PET/PMMA、PEN/coPEN、PEN/SPS、PET/SPS等の組み合わせを挙げることができる。
ポリマー積層体の具体的な構成例としては、前記図4で説明したように、それぞれ素材の異なる2種のポリマーフィルムを積層して構成されている。具体的には、図4に示すように、第2の中間膜3Bに接する面側から、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)フィルムで形成されているPEN1、ポリメチルメタアクリレート(略称:PMMA)フィルムで形成されているPMMA1、PEN2、PMMA2、PEN3、PMMA3、(中略)、PENn−1、PMMAn、PENnと積層して赤外線反射層ユニットU3が形成されている。
積層されるフィルム総数は、特に制限はないが、おおむね150〜1000シートの範囲内であることが好ましい。
これらポリマー積層体の詳細については、米国特許公報第6049419号明細書に記載の内容を参考することができる。
[赤外線反射層ユニット]
本発明の赤外線反射フィルムに適用する誘電多層膜ユニットとしては、下記の示す赤外線反射層ユニットであることが、特に好ましい態様である。
本発明の赤外線反射フィルムに適用する誘電多層膜ユニットとしては、下記の示す赤外線反射層ユニットであることが、特に好ましい態様である。
本発明に係る赤外線反射層ユニットとは、透明基材上の少なくとも一つの面側に、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率の赤外線反射層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率の赤外線反射層とを、交互に積層した赤外線反射層積層体を有する構成あり、第1の水溶性バインダー樹脂及び第2の水溶性バインダー樹脂が、いずれもポリビニルアルコールである。
以下、本発明に係る赤外線反射層ユニットの各構成要素及び作製方法について、その詳細を説明する。
〔透明基材〕
本発明に適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限はなく、ガラス、石英、透明樹脂フィルム等を挙げることができるが、フレキシブル性の付与及び生産適性(製造工程適性)の観点からは、透明樹脂フィルムであることが好ましい。本発明でいう「透明」とは、可視光領域における平均光線透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明に適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限はなく、ガラス、石英、透明樹脂フィルム等を挙げることができるが、フレキシブル性の付与及び生産適性(製造工程適性)の観点からは、透明樹脂フィルムであることが好ましい。本発明でいう「透明」とは、可視光領域における平均光線透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明に係る透明基材の厚さは、20〜200μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは25〜100μmの範囲内であり、更に好ましくは30〜70μmでの範囲内である。透明樹脂フィルムの厚さが20μm以上であれば、取扱い中にシワ等が発生しにくくなり、また厚さが200μm以下であれば、合わせガラス作製時、ガラス基材と貼り合わせる際のガラス曲面への追従性がよくなる。
本発明に係る透明基材は、二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましいが、未延伸又は少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用いることもできる。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。特に、本発明の赤外線反射フィルムを具備した合わせガラスを、自動車のフロントガラスとして用いる際には、延伸フィルムであることがより好ましい。
本発明に係る透明基材は、赤外線反射フィルムのシワの発生や赤外線反射層の割れを防ぐ観点から、150℃における熱収縮率として、0.1〜10.0%の範囲内であることが好ましく、1.5〜5.0%の範囲内であることがより好ましい。
本発明の赤外線反射フィルムに適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限されることはないが、透明樹脂フィルムであることが好ましく、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースフィルム等を用いることができ、好ましくは、ポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムである。
透明基材である透明樹脂フィルムは、従来公知の一般的なフィルム製膜法により製造することができる。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により加熱溶融して、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の透明樹脂フィルムを製造することができる。また、未延伸の透明樹脂フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、透明樹脂フィルムの流れ(縦軸)方向、又は透明樹脂フィルムの流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸透明樹脂フィルムを製造することができる。この場合の延伸倍率は、透明樹脂フィルムの原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向(MD方向)及び横軸方向(TD方向)にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、透明樹脂フィルムは、寸法安定性の観点から、弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は、例えば、ポリエステルフィルムの延伸製膜工程で熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は、処理温度として80〜200℃の温度範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは100〜180℃の温度範囲内である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましい。弛緩処理された透明樹脂フィルムは、オフライン熱処理を施すことにより、耐熱性が向上する。
透明樹脂フィルムは、製膜過程で片面又は両面にインラインで下引層塗布液を塗布して、下引層を形成することが好ましい。本発明においては、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。本発明に有用な下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂及びゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層塗布液中には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層塗布液は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層塗布液の塗布量としては、0.01〜2.0g/m2(乾燥状態)の範囲内であることが好ましい。
[赤外線反射層積層体]
本発明に係る赤外線反射層積層体は、本発明の目的効果である日射に対する優れた断熱効果、電磁波透過性を発現させる観点からは、前記図2に示すように、複数の赤外線反射層を積層した赤外線反射層積層体MLで形成されていることが好ましく、より好ましくは、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率層とを、交互に積層した構成の赤外線反射層積層体である。さらには、前記図3で示すように、交互に積層した赤外線反射層積層体MLa及びMLbを前記透明基材の両面に有する構成とすることが好ましい。
本発明に係る赤外線反射層積層体は、本発明の目的効果である日射に対する優れた断熱効果、電磁波透過性を発現させる観点からは、前記図2に示すように、複数の赤外線反射層を積層した赤外線反射層積層体MLで形成されていることが好ましく、より好ましくは、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率層とを、交互に積層した構成の赤外線反射層積層体である。さらには、前記図3で示すように、交互に積層した赤外線反射層積層体MLa及びMLbを前記透明基材の両面に有する構成とすることが好ましい。
本発明に係る赤外線反射層積層体において、高屈折率層の1層当たりの厚さは、20〜800nmの範囲内であることが好ましく、50〜350nmの範囲内であることがより好ましい。また、低屈折率層の1層当たりの厚さは、20〜800nmの範囲内であることが好ましく、50〜350nmの範囲内であることがより好ましい。
ここで、1層あたりの各層の厚さを測定する場合、高屈折率層と低屈折率層は、これらの間に明確な界面をもっていても、徐々に変化していてもよい。界面が徐々に変化している場合には、それぞれの層が混合し屈折率が連続的に変化する領域中で、最大屈折率−最小屈折率=Δnとした場合、2層間の最小屈折率+Δn/2の地点を層界面とみなす。
本発明において、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層して形成された赤外線反射層積層体の金属酸化物濃度プロファイルは、スパッタ法を用いて表面から深さ方向へエッチングを行い、XPS表面分析装置を用いて、最表面を0nmとして、0.5nm/minの速度でスパッタし、原子組成比を測定することにより作成することができる。また、赤外線反射層積層体を切断して、切断面をXPS表面分析装置で原子組成比を測定することにより求めることも可能である。混合領域において、金属酸化物の濃度が不連続に変化している場合には、電子顕微鏡(TEM)で撮影した断層写真により、その境界を確認することができる。
XPS表面分析装置としては、特に制限はなく、いかなる機種も使用することができるが、例えば、VGサイエンティフィックス社製のESCALAB−200Rを用いることができる。X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定する。
本発明に係る赤外線反射層積層体は、生産性の観点から、好ましい高屈折率層及び低屈折率層の総層数の範囲としては、6〜100層の範囲内であり、より好ましくは8〜40層の範囲内であり、さらに好ましくは9〜30層の範囲内である。
本発明に係る赤外線反射層積層体においては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で赤外線反射率を高くすることができるという観点から好ましい。本発明では、隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差は0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.35以上であり、特に好ましくは0.4以上である。ただし、最表層や最下層に関しては、上記記載した範囲外の屈折率差構成であってもよい。
また、特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、近赤外線反射率として90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、200層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、また故障なく製造することも非常に困難になる。反射率の向上と層数を少なくするという観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.4程度が限界である。
本発明に係る赤外線反射層においては、透明樹脂フィルムに対する密着性の観点から、透明樹脂フィルムに隣接する最下層を低屈折率層とする構成が好ましい。また、ポリビニルアセタール系樹脂膜と隣接する層も、金属酸化物粒子として二酸化ケイ素を10〜60質量%の範囲内で含有する低屈折率層であることが好ましい。
また、本発明において、高屈折率層又は低屈折率層に含まれる第1及び第2の水溶性バインダー樹脂は、ポリビニルアルコールであることが好ましい。また、高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールのケン化度と、低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールのケン化度とは異なることが好ましい。さらに、高屈折率層に含まれる第1の金属酸化物粒子は、酸化チタン粒子であることが好ましく、更には、含ケイ素の水和酸化物で表面処理された酸化チタン粒子であることが好ましい。また、低屈折率層に含まれる第2の金属酸化物粒子としては、シリカ(二酸化ケイ素)粒子であることが好ましい。
〔高屈折率層〕
本発明に係る高屈折率層は、第1の水溶性バインダー樹脂及び第1の金属酸化物粒子を含有し、必要に応じて、硬化剤、その他のバインダー樹脂、界面活性剤、及び各種添加剤等を含んでもよい。
本発明に係る高屈折率層は、第1の水溶性バインダー樹脂及び第1の金属酸化物粒子を含有し、必要に応じて、硬化剤、その他のバインダー樹脂、界面活性剤、及び各種添加剤等を含んでもよい。
本発明に係る高屈折率層の屈折率は、好ましくは1.80〜2.50の範囲内であり、より好ましくは1.90〜2.20の範囲内である。
(第1の水溶性バインダー樹脂)
本発明に係る第1の水溶性バインダー樹脂とは、当該バインダー樹脂が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度で水に溶解させた際、G2グラスフィルタ(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量比率が、総バインダー樹脂量の50質量%以内であるものをいう。
本発明に係る第1の水溶性バインダー樹脂とは、当該バインダー樹脂が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度で水に溶解させた際、G2グラスフィルタ(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量比率が、総バインダー樹脂量の50質量%以内であるものをいう。
本発明に係る第1の水溶性バインダー樹脂の重量平均分子量は、1000〜200000の範囲内であることが好ましい。更には、3000〜40000の範囲内がより好ましい。
本発明でいう重量平均分子量は、公知の方法によって測定することができ、例えば、静的光散乱、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)、飛行時間型質量分析法(TOF−MASS)などによって測定することができ、本発明では一般的な公知の方法であるゲルパーミエーションクロマトグラフィ法によって測定している。
高屈折率層における第1の水溶性バインダー樹脂の含有量は、当該高屈折率層の固形分100質量%に対して、5〜50質量%の範囲内であることが好ましく、10〜40質量%の範囲内であることがより好ましい。
高屈折率層に適用する第1の水溶性バインダー樹脂としては、特に制限はないが、ポリビニルアルコールであることが特に好ましい。また、後述する低屈折率層で使用する水溶性バインダー樹脂も、ポリビニルアルコールであることが好ましい。従って、以下においては、高屈折率層及び低屈折率層で用いるポリビニルアルコールを併せて説明する。
〈ポリビニルアルコール〉
本発明において、高屈折率層と低屈折率層では、それぞれの層でケン化度の異なるポリビニルアルコールを含むことが好ましい。ここで、区別するために、高屈折率層で用いる水溶性バインダー樹脂としてのポリビニルアルコールをポリビニルアルコール(A)とし、低屈折率層で用いる水溶性バインダー樹脂としてのポリビニルアルコールをポリビニルアルコール(B)という。なお、各屈折率層が、ケン化度や重合度が異なる複数のポリビニルアルコールを含む場合には、各屈折率層中で最も含有量の高いポリビニルアルコールをそれぞれ高屈折率層におけるポリビニルアルコール(A)、及び低屈折率層におけるポリビニルアルコール(B)と称する。
本発明において、高屈折率層と低屈折率層では、それぞれの層でケン化度の異なるポリビニルアルコールを含むことが好ましい。ここで、区別するために、高屈折率層で用いる水溶性バインダー樹脂としてのポリビニルアルコールをポリビニルアルコール(A)とし、低屈折率層で用いる水溶性バインダー樹脂としてのポリビニルアルコールをポリビニルアルコール(B)という。なお、各屈折率層が、ケン化度や重合度が異なる複数のポリビニルアルコールを含む場合には、各屈折率層中で最も含有量の高いポリビニルアルコールをそれぞれ高屈折率層におけるポリビニルアルコール(A)、及び低屈折率層におけるポリビニルアルコール(B)と称する。
本発明でいう「ケン化度」とは、ポリビニルアルコール中のアセチルオキシ基(原料の酢酸ビニル由来のもの)とヒドロキシ基との合計数に対するヒドロキシ基の割合のことである。
また、ここでいう「屈折率層中で最も含有量の高いポリビニルアルコール」という際には、ケン化度の差が3mol%以内のポリビニルアルコールは同一のポリビニルアルコールであるとし、重合度を算出する。ただし、重合度1000以下の低重合度ポリビニルアルコールは、異なるポリビニルアルコールとする(仮にケン化度の差が3mol%以内のポリビニルアルコールがあったとしても同一のポリビニルアルコールとはしない)。具体的には、ケン化度が90mol%、ケン化度が91mol%、ケン化度が93mol%のポリビニルアルコールが同一層内にそれぞれ10質量%、40質量%、50質量%含まれる場合には、これら3つのポリビニルアルコールは同一のポリビニルアルコールとし、これら3つの混合物をポリビニルアルコール(A)又は(B)とする。また、上記「ケン化度の差が3mol%以内のポリビニルアルコール」とは、いずれかのポリビニルアルコールに着目した場合に3mol%以内であれば足り、例えば、90mol%、91mol%、92mol%、94mol%のポリビニルアルコールを含む場合には、91mol%のポリビニルアルコールに着目した場合に、いずれのポリビニルアルコールのケン化度の差も3mol%以内なので、同一のポリビニルアルコールとなる。
同一層内にケン化度が3mol%以上異なるポリビニルアルコールが含まれる場合、異なるポリビニルアルコールの混合物とみなし、それぞれに重合度とケン化度を算出する。例えば、PVA203(ケン化度87〜89mol%):5質量%、PVA117(ケン化度98〜99mol%):25質量%、PVA217(ケン化度87〜89mol%):10質量%、PVA220(ケン化度87〜89mol%):10質量%、PVA224(ケン化度87〜89mol%):10質量%、PVA235(ケン化度87〜89mol%):20質量%、PVA245(ケン化度88mol%):20質量%が含まれる場合、最も含有量の多いPVA(ポリビニルアルコール)は、PVA217〜245の混合物であり(PVA217〜245のケン化度の差は3mol%以内なので同一のポリビニルアルコールである)、この混合物がポリビニルアルコール(A)又は(B)となる。そうして、PVA217〜245の混合物(ポリビニルアルコール(A)又は(B))において、重合度が、(1700×0.1+2000×0.1+2400×0.1+3500×0.2+4500×0.7)/0.7=3200であり、ケン化度は、88mol%となる。
ポリビニルアルコール(A)とポリビニルアルコール(B)とのケン化度の絶対値の差は、3mol%以上であることが好ましく、5mol%以上であることがより好ましい。このような範囲であれば、高屈折率層と低屈折率層との層間混合状態が好ましいレベルになるため好ましい。また、ポリビニルアルコール(A)とポリビニルアルコール(B)とのケン化度の差は、離れていれば離れているほど好ましいが、ポリビニルアルコールの水への溶解性の観点から、20mol%以下であることが好ましい。
また、ポリビニルアルコール(A)及びポリビニルアルコール(B)のケン化度は、水への溶解性の観点で、75mol%以上であることが好ましい。さらに、ポリビニルアルコール(A)及びポリビニルアルコール(B)のうち一方がケン化度90mol%以上であり、他方が90mol%以下であることが、高屈折率層と低屈折率層との層間混合状態を好ましいレベルにするために好ましい。ポリビニルアルコール(A)及びポリビニルアルコール(B)のうち一方が、ケン化度95mol%以上であり、他方が90mol%以下であることがより好ましい。なお、ポリビニルアルコールのケン化度の上限は特に限定されるものではないが、通常100mol%未満であり、99.9mol%以下程度である。
また、ケン化度の異なる2種のポリビニルアルコールの重合度は、1000以上のものが好ましく用いられ、特に、重合度が1500〜5000の範囲内のものがより好ましく、2000〜5000の範囲内のものがさらに好ましく用いられる。ポリビニルアルコールの重合度が、1000以上であると塗布膜のひび割れがなく、5000以下であると塗布液が安定するからである。なお、本明細書において、「塗布液が安定する」とは、塗布液が経時的に安定することを意味する。ポリビニルアルコール(A)及びポリビニルアルコール(B)の少なくとも一方の重合度が2000〜5000の範囲内であると、塗膜のひび割れが減少し、特定の波長の反射率が向上するため好ましい。ポリビニルアルコール(A)及びポリビニルアルコール(B)の双方が、2000〜5000であると上記効果はより顕著に発揮できるため好ましい。
本明細書でいう「重合度P」とは、粘度平均重合度を指し、JIS K 6726(1994)に準じて測定され、PVAを完全に再ケン化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](cm3/g)から、下式(1)により求められるものである。
式(1)
P=(〔η〕×103/8.29)(1/0.62)
低屈折率層に含まれるポリビニルアルコール(B)は、ケン化度が75〜90mol%の範囲内で、かつ重合度が2000〜5000の範囲内であることが好ましい。このような特性を備えたポリビニルアルコールを低屈折率層に含有させると、界面混合がより抑制される点で好ましい。これは塗膜のひび割れが少なく、かつセット性が向上するためであると考えられる。
P=(〔η〕×103/8.29)(1/0.62)
低屈折率層に含まれるポリビニルアルコール(B)は、ケン化度が75〜90mol%の範囲内で、かつ重合度が2000〜5000の範囲内であることが好ましい。このような特性を備えたポリビニルアルコールを低屈折率層に含有させると、界面混合がより抑制される点で好ましい。これは塗膜のひび割れが少なく、かつセット性が向上するためであると考えられる。
本発明で用いられるポリビニルアルコール(A)及び(B)は、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。ポリビニルアルコール(A)及び(B)として用いられる市販品の例としては、例えば、株式会社クラレ社製のPVA−102、PVA−103、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−120、PVA−124(以上、ケン化度=98〜99mol%)、PVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−235(以上、ケン化度=87〜89mol%)、日本酢ビ・ポバール株式会社製のJC−25、JC−33(以上、ケン化度=99mol%以上)、JF−03、JF−04、JF−05(以上、ケン化度=98〜99mol%)、JP−03、JP−04(以上、ケン化度=86〜90mol%)、JP−05(ケン化度=87〜89mol%)、JP−45(ケン化度=86.5〜89.5mol%)等が挙げられる。
本発明に係る第1の水溶性バインダー樹脂は、本発明の効果を損なわない限りでは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、一部が変性された変性ポリビニルアルコールを含んでもよい。このような変性ポリビニルアルコールを含むと、膜の密着性や耐水性、柔軟性が改良される場合がある。このような変性ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール、ビニルアルコール系ポリマーが挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報及び同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基やカルボニル基、カルボキシ基などの反応性基を有する反応性基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、ビニルアルコール系ポリマーとして、エクセバール(登録商標、株式会社クラレ製)やニチゴGポリマー(登録商標、日本合成化学工業株式会社製)などが挙げられる。
変性ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなどの特性が異なる2種類以上を併用することもできる。
変性ポリビニルアルコールの含有量は、特に限定されるものではないが、各屈折率の全質量(固形分)に対し、好ましくは1〜30質量%の範囲内である。当該範囲内であれば、本願発明の目的効果がより発揮される。
本発明においては、屈折率の異なる層間では、ケン化度の異なるポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
例えば、高屈折率層に低ケン化度のポリビニルアルコール(A)を用い、低屈折率層に高ケン化度のポリビニルアルコール(B)を用いる場合には、高屈折率層中のポリビニルアルコール(A)が層中の全ポリビニルアルコール類の全質量に対し、40〜100質量%の範囲内で含有されることが好ましく、60〜95質量%の範囲内がより好ましく、低屈折率層中のポリビニルアルコール(B)が低屈折率層中の全ポリビニルアルコール類の全質量に対し、40〜100質量%の範囲内で含有されることが好ましく、60〜95質量%の範囲内がより好ましい。また、高屈折率層に高ケン化度のポリビニルアルコール(A)を用い、低屈折率層に低ケン化度のポリビニルアルコール(B)を用いる場合には、高屈折率層中のポリビニルアルコール(A)が層中の全ポリビニルアルコール類の全質量に対し、40〜100質量%の範囲内で含有されることが好ましく、60〜95質量%の範囲内がより好ましく、低屈折率層中のポリビニルアルコール(B)が低屈折率層中の全ポリビニルアルコール類の全質量に対し、40〜100質量%の範囲内で含有されることが好ましく、60〜95質量の範囲内がより好ましい。含有量が40質量%以上であると、層間混合が抑制され、界面の乱れが小さくなるという効果が顕著に現れる。一方、含有量が100質量%以下であれば、塗布液の安定性が向上する。
(その他のバインダー樹脂)
本発明において、高屈折率層では、ポリビニルアルコール以外の第1の水溶性バインダー樹脂としては、第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率層の塗膜を形成することができれば、いかなるものでも制限なく使用可能である。また、後述する低屈折率層においても、ポリビニルアルコール(B)以外の第2の水溶性バインダー樹脂としては、前記と同様に、第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率層の塗膜を形成することができれば、どのようなものでも制限なく使用可能である。ただし、環境の問題や塗膜の柔軟性を考慮すると、水溶性高分子が好ましい。これらの水溶性高分子は、単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。
本発明において、高屈折率層では、ポリビニルアルコール以外の第1の水溶性バインダー樹脂としては、第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率層の塗膜を形成することができれば、いかなるものでも制限なく使用可能である。また、後述する低屈折率層においても、ポリビニルアルコール(B)以外の第2の水溶性バインダー樹脂としては、前記と同様に、第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率層の塗膜を形成することができれば、どのようなものでも制限なく使用可能である。ただし、環境の問題や塗膜の柔軟性を考慮すると、水溶性高分子が好ましい。これらの水溶性高分子は、単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。
高屈折率層において、水溶性バインダー樹脂として好ましく用いられるポリビニルアルコールとともに、併用する他のバインダー樹脂の含有量は、高屈折率層の固形分100質量%に対して、5〜50質量%の範囲内で用いることもできる。
本発明においては、有機溶媒を用いる必要がなく、環境保全上好ましいことから、バインダー樹脂は水溶性高分子から構成されることが好ましい。すなわち、本発明ではその効果を損なわない限りにおいて、上記ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールに加えて、それ以外の水溶性高分子をバインダー樹脂として用いてもよい。前記水溶性高分子とは、該水溶性高分子が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度に水に溶解させた際、G2グラスフィルター(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量が、加えた該水溶性高分子の50質量%以内であるものをいう。そのような水溶性高分子の中でも、特にゼラチン、セルロース類、増粘多糖類、又は反応性官能基を有するポリマーが好ましい。
以下、これらの水溶性高分子について説明する。
〈ゼラチン〉
本発明に適用可能なゼラチンとしては、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を有し、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。
本発明に適用可能なゼラチンとしては、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を有し、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。
ゼラチンの詳細については、例えば、特開2012-237888号公報の段落番号(
0132)〜同(0157)に記載されているゼラチンを参考にすることができる。
0132)〜同(0157)に記載されているゼラチンを参考にすることができる。
〈ゼラチンの硬化剤〉
ゼラチンを用いる場合、必要に応じて、ゼラチンを用いて塗膜を形成した際に、塗膜を硬化させるため、硬化剤を添加することもできる。
ゼラチンを用いる場合、必要に応じて、ゼラチンを用いて塗膜を形成した際に、塗膜を硬化させるため、硬化剤を添加することもできる。
使用できる硬化剤としては、通常の写真乳剤層の硬膜剤として使用されている公知の化合物を使用でき、例えば、ビニルスルホン化合物、尿素−ホルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、活性オレフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬化剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多価金属塩類などを挙げることができる。
〈セルロース類〉
本発明で用いることのできるセルロース類としては、水溶性のセルロース誘導体が好ましく用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース類であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。その他には、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース、セルロース硫酸エステル等のセルロース誘導体を挙げることができる。
本発明で用いることのできるセルロース類としては、水溶性のセルロース誘導体が好ましく用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース類であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。その他には、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース、セルロース硫酸エステル等のセルロース誘導体を挙げることができる。
〈増粘多糖類〉
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明に適用可能な増粘多糖類の詳細については、例えば、特開2012-237888号公報の段落番号(0171)〜同(0177)、特開2013-125076号公報の段落番号(0078)〜同(0081)等に記載されている増粘多糖類を参考にすることができる。
〈反応性官能基を有するポリマー類〉
本発明に適用可能な水溶性高分子として、反応性官能基を有するポリマー類が挙げられ、例えば、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルピロリドン類及びこれを含有する共重合体が挙げられる。
本発明に適用可能な水溶性高分子として、反応性官能基を有するポリマー類が挙げられ、例えば、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルピロリドン類及びこれを含有する共重合体が挙げられる。
(第1の金属酸化物粒子)
本発明において、高屈折率層に適用可能な第1の金属酸化物粒子としては、屈折率が2.0〜3.0の範囲内にある金属酸化物粒子が好ましい。さらに具体的には、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズなどが挙げられる。また、複数の金属で構成された複合酸化物粒子やコア・シェル状に金属構成が変化するコア・シェル粒子等を用いることもできる。
本発明において、高屈折率層に適用可能な第1の金属酸化物粒子としては、屈折率が2.0〜3.0の範囲内にある金属酸化物粒子が好ましい。さらに具体的には、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズなどが挙げられる。また、複数の金属で構成された複合酸化物粒子やコア・シェル状に金属構成が変化するコア・シェル粒子等を用いることもできる。
透明でより屈折率の高い高屈折率層を形成するため、高屈折率層に、チタン、ジルコニウム等の高屈折率を有する金属の酸化物微粒子、具体的には、酸化チタン微粒子又は酸化ジルコニア微粒子を含有させることが好ましい。これらの中でも、高屈折率層を形成するための塗布液の安定性の観点から、酸化チタン微粒子がより好ましい。また、酸化チタン微粒子の中でも、とくにアナターゼ型よりルチル型(正方晶形)の方が、触媒活性が低いために、高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高くなる等の観点から好ましい。
また、高屈折率層に、第1の金属酸化物粒子としてコア・シェル粒子を用いた場合では、シェル層の含ケイ素の水和酸化物と第1の水溶性バインダー樹脂との相互作用により、高屈折率層と隣接層の層間混合が抑制される効果から、酸化チタン粒子が含ケイ素の水和酸化物で被覆された構造のコア・シェル粒子が好ましい。
本発明において、コア・シェル粒子のコアに用いられる酸化チタン粒子を含む水溶液は、25℃で測定したpHが1.0〜3.0の範囲内であり、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルの表面を、疎水化して有機溶剤に分散可能な状態にしたものを用いることが好ましい。
本発明に係る第1の金属酸化物粒子の含有量が、高屈折率層の固形分100質量%に対して、15〜80質量%の範囲内であると、低屈折率層との屈折率差を付与するという観点で好ましい。さらに、20〜77質量%の範囲内であることがより好ましく、30〜75質量%の範囲内であることがさらに好ましい。なお、当該コア・シェル粒子以外の金属酸化物粒子が、高屈折率層に含有される場合の含有量は、本発明の効果を奏することができる範囲であれば特に限定されるものではない。
本発明においては、高屈折率層に適用する第1の金属酸化物粒子の体積平均粒径は、30nm以下であることが好ましく、1〜30nmの範囲内であることがより好ましく、5〜15nmの範囲内であるのがさらに好ましい。体積平均粒径が1〜30nmの範囲内であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる高屈折率層を形成することができる観点で好ましい。
なお、本発明に係る第1の金属酸化物粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在する粒子状の金属酸化物の集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
さらに、本発明に係る第1の金属酸化物粒子は、単分散性を有していることが好ましい。ここでいう単分散性とは、下記式(2)で求められる単分散度が40%以下であることをいう。この単分散度は、さらに好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%の範囲内である。
式(2)
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100(%)
〈コア・シェル粒子〉
本発明に係る高屈折率層に適用する第1の金属酸化物粒子としては、「含ケイ素の水和酸化物で表面処理された酸化チタン粒子」を用いることが好ましく、このような形態の酸化チタン粒子を「コア・シェル粒子」、あるいは「Si被覆TiO2」と称する場合もある。
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100(%)
〈コア・シェル粒子〉
本発明に係る高屈折率層に適用する第1の金属酸化物粒子としては、「含ケイ素の水和酸化物で表面処理された酸化チタン粒子」を用いることが好ましく、このような形態の酸化チタン粒子を「コア・シェル粒子」、あるいは「Si被覆TiO2」と称する場合もある。
本発明に係るコア・シェル粒子は、酸化チタン粒子が含ケイ素の水和酸化物で被覆されており、好ましくはコアの部分である平均粒径が1〜30nmの範囲内、より好ましくは平均粒径が4〜30nmの範囲内にある酸化チタン粒子の表面を、コアとなる酸化チタンに対して、含ケイ素の水和酸化物の被覆量がSiO2換算として3〜30質量%の範囲内となるように含ケイ素の水和酸化物からなるシェルを被覆した構造である。
すなわち、本発明では、コア・シェル粒子を含有させることで、シェル層の含ケイ素の水和酸化物と第1の水溶性バインダー樹脂との相互作用により、高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制される効果、及びコアとして酸化チタンを用いる場合の酸化チタンの光触媒活性によるバインダーの劣化やチョーキングなどの問題を防げるという効果を奏する。チョーキングとは、形成層の表面を触指した際、粒子粉等が付着する現象である。
本発明において、コア・シェル粒子は、コアとなる酸化チタンに対して、含ケイ素の水和酸化物の被覆量がSiO2として3〜30質量%の範囲内であること好ましく、より好ましくは3〜10質量%の範囲内であり、さらに好ましくは3〜8質量%の範囲内である。被覆量が30質量%以下であれば、高屈折率層の高屈折率化を達成することができ、また、被覆量が3質量%以上であれば、コア・シェル粒子を安定して形成することができる。
さらに、本発明において、コア・シェル粒子の平均粒径は、好ましくは1〜30nmの範囲内であり、より好ましくは5〜20nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜15nmの範囲内である。コア・シェル粒子の平均粒径が1〜30nmの範囲内であれば、近赤外線反射率や、透明性、ヘイズといった光学特性がより向上させることができる。
なお、本発明でいう平均粒径とは、一次平均粒径をいい、透過型電子顕微鏡(TEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。
また、電子顕微鏡から求める場合、一次粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
本発明に適用可能なコア・シェル粒子の製造方法は、公知の方法を採用することができ、例えば、特開平10−158015号公報、特開2000−053421号公報、特開2000−063119号公報、特開2000−204301号公報、特許第4550753号公報などに記載されている方法を参照することができる。
本発明において、コア・シェル粒子に適用可能な含ケイ素の水和酸化物としては、無機ケイ素化合物の水和物、有機ケイ素化合物の加水分解物又は縮合物のいずれでもよく、本発明においては、シラノール基を有する化合物であることが好ましい。
本発明に係る高屈折率層には、コア・シェル粒子以外にも、その他の金属酸化物粒子が含まれていてもよい。その他の金属酸化物粒子を併用する場合には、上記説明したコア・シェル粒子が電荷的に凝集しないよう、各種のイオン性分散剤や保護剤を用いることができる。コア・シェル粒子以外に用いることのできる金属酸化物粒子は、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第2鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズなどが挙げられる。
本発明に係るコア・シェル粒子は、コアである酸化チタン粒子の表面全体を含ケイ素の水和酸化物で被覆したものでもよく、また、コアである酸化チタン粒子の表面の一部を含ケイ素の水和酸化物で被覆したものでもよい。
(硬化剤)
本発明においては、高屈折率層に適用する第1の水溶性バインダー樹脂を硬化させるため、硬化剤を使用することもできる。
本発明においては、高屈折率層に適用する第1の水溶性バインダー樹脂を硬化させるため、硬化剤を使用することもできる。
第1の水溶性バインダー樹脂と共に用いることができる硬化剤としては、当該水溶性バインダー樹脂と硬化反応を起こすものであれば特に制限はない。例えば、第1の水溶性バインダー樹脂として、ポリビニルアルコールを用いる場合では、硬化剤としては、ホウ酸及びその塩が好ましい。
ホウ酸及びその塩以外にも公知のものが使用でき、一般的には、ポリビニルアルコールと反応し得る基を有する化合物、又はポリビニルアルコールが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、適宜選択して用いることができる。
ホウ酸及びその塩以外の硬化剤の具体例としては、エポキシ系硬化剤(例えば、ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(例えば、2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(例えば、1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸及びその塩とは、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸及びそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸及びその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用してもよい。特に好ましいのは、ホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することができないが、両者を混合することで濃厚な水溶液にすることができ、塗布液を濃縮化することができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。
本発明では、ホウ酸及びその塩、又はホウ砂を用いることが本発明の効果を得るためにはより好ましい。ホウ酸及びその塩、又はホウ砂を用いた場合には、金属酸化物粒子と水溶性バインダー樹脂であるポリビニルアルコールのOH基と水素結合ネットワークがより形成しやすく、その結果、高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制され、好ましい近赤外遮断特性が達成されると考えられる。特に、ホウ酸及びその塩を用いて高屈折率層及び低屈折率層の交互積層体を形成する際には、積層体を湿式コーターで塗布した後、一旦塗膜の膜面温度を15℃程度に冷やした後、膜面を乾燥させるセット系塗布プロセスを用いた場合、より好ましく効果を発現することができる。
高屈折率層における硬化剤の含有量は、高屈折率層の固形分100質量%に対して、1〜10質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。
特に、第1の水溶性バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを使用する場合の上記硬化剤の総使用量は、ポリビニルアルコール1g当たり1〜600mgの範囲内が好ましく、ポリビニルアルコール1g当たり100〜500mgの範囲内がより好ましい。
〔低屈折率層〕
本発明に係る低屈折率層は、第2の水溶性バインダー樹脂及び第2の金属酸化物粒子を含有し、更は、硬化剤、表面被覆成分、粒子表面保護剤、バインダー樹脂、界面活性剤等の各種添加剤を含んでもよい。
本発明に係る低屈折率層は、第2の水溶性バインダー樹脂及び第2の金属酸化物粒子を含有し、更は、硬化剤、表面被覆成分、粒子表面保護剤、バインダー樹脂、界面活性剤等の各種添加剤を含んでもよい。
本発明に係る低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.10〜1.60の範囲内であり、より好ましくは1.30〜1.50の範囲内である。
(第2の水溶性バインダー樹脂)
本発明に係る低屈折率層に適用する第2の水溶性バインダー樹脂として、ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。さらに、前記高屈折率層に存在するポリビニルアルコール(A)のケン化度とは異なるポリビニルアルコール(B)が、本発明に係る低屈折率層に用いられることがより好ましい。なお、ここでの第2の水溶性バインダー樹脂の好ましい重量平均分子量等、ポリビニルアルコール(A)及びポリビニルアルコール(B)についての説明は、上記高屈折率層の水溶性バインダー樹脂にて説明されており、ここでは説明を省略する。
本発明に係る低屈折率層に適用する第2の水溶性バインダー樹脂として、ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。さらに、前記高屈折率層に存在するポリビニルアルコール(A)のケン化度とは異なるポリビニルアルコール(B)が、本発明に係る低屈折率層に用いられることがより好ましい。なお、ここでの第2の水溶性バインダー樹脂の好ましい重量平均分子量等、ポリビニルアルコール(A)及びポリビニルアルコール(B)についての説明は、上記高屈折率層の水溶性バインダー樹脂にて説明されており、ここでは説明を省略する。
低屈折率層における第2の水溶性バインダー樹脂の含有量は、低屈折率層の固形分100質量%に対して、20〜99.9質量%の範囲内であることが好ましく、25〜80質量%の範囲内であることがより好ましい。
本発明に係る低屈折率層において適用が可能な、ポリビニルアルコール以外の水溶性バインダー樹脂としては、第2の金属酸化物粒子を含有した低屈折率層が塗膜を形成することができればどのようなものでも制限なく使用可能である。ただし、環境の問題や塗膜の柔軟性を考慮すると、水溶性高分子が好ましい。これらの水溶性高分子は単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。
低屈折率層において、第2の水溶性バインダー樹脂として好ましく用いられるポリビニルアルコールとともに、併用する他のバインダー樹脂の含有量は、低屈折率層の固形分100質量%に対して、0〜10質量%の範囲内で用いることもできる。
本発明に係る熱線遮断フィルムの低屈折率層においては、水溶性高分子としては、具体的には、セルロース類、増粘多糖類及び反応性官能基を有するポリマー類等を挙げることができる。これらセルロース類、増粘多糖類及び反応性官能基を有するポリマー類等の水溶性高分子は、上述した高屈折率層で説明した水溶性高分子と同様のものが用いられるため、ここでは説明を省略する。
(第2の金属酸化物粒子)
本発明に係る低屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子としては、シリカ(二酸化ケイ素)を用いることが好ましく、具体的な例として合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。これらのうち、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることがより好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカゾルを用いることがさらに好ましい。また、屈折率をより低減させるためには、低屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子として、粒子の内部に空孔を有する中空微粒子を用いることができ、特にシリカ(二酸化ケイ素)の中空微粒子が好ましい。
本発明に係る低屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子としては、シリカ(二酸化ケイ素)を用いることが好ましく、具体的な例として合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。これらのうち、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることがより好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカゾルを用いることがさらに好ましい。また、屈折率をより低減させるためには、低屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子として、粒子の内部に空孔を有する中空微粒子を用いることができ、特にシリカ(二酸化ケイ素)の中空微粒子が好ましい。
低屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子(好ましくは二酸化ケイ素)は、その平均粒径が3〜100nmの範囲内であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmの範囲内であることがより好ましく、3〜40nmの範囲内であることがさらに好ましく、3〜20nmであることが特に好ましく、4〜10nmの範囲内であることがもっとも好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
低屈折率層に適用する金属酸化物粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは低屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
本発明で用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、及び国際公開第1994/26530号などに記載されているものである。
このようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、Mg又はBa等で処理された物であってもよい。
低屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子として、中空粒子を用いることもできる。中空粒子を用いる場合には、平均粒子空孔径が、3〜70nmの範囲内であるのが好ましく、5〜50nmの範囲内がより好ましく、5〜45nmの範囲内がさらに好ましい。なお、中空粒子の平均粒子空孔径とは、中空粒子の内径の平均値である。本発明において、中空粒子の平均粒子空孔径は、上記範囲であれば、十分に低屈折率層の屈折率が低屈折率化される。
平均粒子空孔径は、電子顕微鏡観察で、円形、楕円形、又は実質的に円形もしくは楕円形として観察できる空孔径を、ランダムに50個以上観察し、各粒子の空孔径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。なお、ここでいう粒子の空孔径とは、円形、楕円形又は実質的に円形もしくは楕円形として観察できる空孔の外縁を、2本の平行線で挟んだ距離のうち、最小の距離を意味する。
本発明に係る第2の金属酸化物粒子は、表面被覆成分により表面コーティングされていてもよい。特に、本発明に係る第1の金属酸化物粒子としてコア・シェル状ではない金属酸化物粒子を用いる際に、第2の金属酸化物粒子の表面をポリ塩化アルミニウムなどの表面被覆成分によりコーティングすると、第1の金属酸化物粒子と凝集しにくくなる。
低屈折率層における第2の金属酸化物粒子の含有量は、低屈折率層の固形分100質量%に対して、0.1〜70質量%の範囲内であることが好ましく、30〜70質量%の範囲内であることがより好ましく、45〜65質量%での範囲内あることがさらに好ましい。
(硬化剤)
本発明に係る低屈折率層において、前記高屈折率層と同様に、硬化剤を含むことができる。当該硬化剤としては、低屈折率層に含まれる第2の水溶性バインダー樹脂と硬化反応を起こすものであれば、特に制限されない。特に、低屈折率層に適用する第2の水溶性バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを用いた場合の硬化剤としては、ホウ酸及びその塩、又はホウ砂が好ましい。また、ホウ酸及びその塩以外にも公知のものが使用できる。
本発明に係る低屈折率層において、前記高屈折率層と同様に、硬化剤を含むことができる。当該硬化剤としては、低屈折率層に含まれる第2の水溶性バインダー樹脂と硬化反応を起こすものであれば、特に制限されない。特に、低屈折率層に適用する第2の水溶性バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを用いた場合の硬化剤としては、ホウ酸及びその塩、又はホウ砂が好ましい。また、ホウ酸及びその塩以外にも公知のものが使用できる。
低屈折率層における硬化剤の含有量は、低屈折率層の固形分100質量%に対して、1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、2〜6質量%の範囲内であることがより好ましい。
特に、第2の水溶性バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを使用する場合の上記硬化剤の総使用量は、ポリビニルアルコール1g当たり1〜600mgの範囲内が好ましく、ポリビニルアルコール1g当たり100〜600mgの範囲内がより好ましい。
また、硬化剤の具体例などは、上述した高屈折率層で説明した硬化剤と同様の化合物を挙げることができる。
〔各屈折率層におけるその他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層及び低屈折率層には、上記説明した以外に、必要に応じて各種の添加剤を用いることができる。また、各屈折率層における添加剤の含有量は、高屈折率層の固形分100質量%に対して、0〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る高屈折率層及び低屈折率層には、上記説明した以外に、必要に応じて各種の添加剤を用いることができる。また、各屈折率層における添加剤の含有量は、高屈折率層の固形分100質量%に対して、0〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
(界面活性剤)
本発明においては、高屈折率層及び低屈折率層の少なくとも1層が、さらに界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、両性イオン系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれの種類も使用することができる。より好ましくは、ベタイン系両性イオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩系アニオン性界面活性剤、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、又はフッ素系カチオン性界面活性剤が好ましい。
本発明においては、高屈折率層及び低屈折率層の少なくとも1層が、さらに界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、両性イオン系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれの種類も使用することができる。より好ましくは、ベタイン系両性イオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩系アニオン性界面活性剤、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、又はフッ素系カチオン性界面活性剤が好ましい。
本発明に係る界面活性剤の添加量としては、高屈折率層用塗布液又は低屈折率層用塗布液の全質量を100質量%としたとき、0.005〜0.30質量%の範囲内であることが好ましく、0.01〜0.10質量%の範囲内であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
本発明に係る高屈折率層及び低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、及び特開昭62−261476号公報等に記載されている紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、及び特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
本発明に係る高屈折率層及び低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、及び特開昭62−261476号公報等に記載されている紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、及び特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
〔赤外線反射層積層体の形成方法〕
本発明に係る赤外線反射層積層体の形成方法は、湿式塗布方式を適用して形成することが好ましく、更には、透明基材上に、第1の水溶性バインダー樹脂及び第1の金属酸化物粒子を含む高屈折率層用塗布液と、第2の水溶性バインダー樹脂及び第2の金属酸化物粒子を含む低屈折率層用塗布液とを、湿式塗布する工程を含む製造方法が好ましい。
本発明に係る赤外線反射層積層体の形成方法は、湿式塗布方式を適用して形成することが好ましく、更には、透明基材上に、第1の水溶性バインダー樹脂及び第1の金属酸化物粒子を含む高屈折率層用塗布液と、第2の水溶性バインダー樹脂及び第2の金属酸化物粒子を含む低屈折率層用塗布液とを、湿式塗布する工程を含む製造方法が好ましい。
湿式塗布方法は、特に制限されず、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、又は米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。また、複数の層を重層塗布する方式としては、逐次重層塗布方式でもよいし、同時重層塗布方式でもよい。
以下、本発明の好ましい製造方法(塗布方法)であるスライドホッパー塗布法による同時重層塗布方法について詳細に説明する。
(溶媒)
高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液を調製するために適用可能な溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、又はその混合溶媒が好ましい。
高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液を調製するために適用可能な溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、又はその混合溶媒が好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でも又は2種以上混合して用いてもよい。
環境面及び湿式塗布適性などから、塗布液の溶媒としては、特に、水、又はメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルと水との混合溶媒が好ましい。
(塗布液の濃度)
高屈折率層用塗布液中の水溶性バインダー樹脂の濃度は、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。また、高屈折率層用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
高屈折率層用塗布液中の水溶性バインダー樹脂の濃度は、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。また、高屈折率層用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
低屈折率層用塗布液中の水溶性バインダー樹脂の濃度は、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。また、低屈折率層用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
(塗布液の調製方法)
高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、水溶性バインダー樹脂、金属酸化物粒子、及び必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、攪拌混合して調製する方法が挙げられる。この際、水溶性バインダー樹脂、金属酸化物粒子、及び必要に応じて用いられるその他の添加剤の添加順も特に制限されず、撹拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。必要に応じて、さらに溶媒を用いて、適当な塗布液粘度に調整される。
高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、水溶性バインダー樹脂、金属酸化物粒子、及び必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、攪拌混合して調製する方法が挙げられる。この際、水溶性バインダー樹脂、金属酸化物粒子、及び必要に応じて用いられるその他の添加剤の添加順も特に制限されず、撹拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。必要に応じて、さらに溶媒を用いて、適当な塗布液粘度に調整される。
本発明においては、コア・シェル粒子を添加、分散して調製した水系の高屈折率層塗布液を用いて、高屈折率層を形成することが好ましい。このとき、前記コア・シェル粒子としては、25℃で測定したpHが4.0〜7.5の範囲内で、かつ粒子のゼータ電位が負であるゾルとして、高屈折率層塗布液に添加して調製することが好ましい。
(塗布液の粘度)
スライドホッパー塗布法により同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の40〜45℃における粘度は、5〜300mPa・sの範囲内が好ましく、10〜250mPa・sの範囲内がより好ましい。また、スライド型カーテン塗布法により同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の40〜45℃における粘度は、5〜1200mPa・sの範囲内が好ましく、25〜500mPa・s内の範囲内がより好ましい。
スライドホッパー塗布法により同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の40〜45℃における粘度は、5〜300mPa・sの範囲内が好ましく、10〜250mPa・sの範囲内がより好ましい。また、スライド型カーテン塗布法により同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の40〜45℃における粘度は、5〜1200mPa・sの範囲内が好ましく、25〜500mPa・s内の範囲内がより好ましい。
また、高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の15℃における粘度は、100mPa・s以上が好ましく、100〜30000mPa・sの範囲内がより好ましく、3000〜30000mPa・sの範囲内がさらに好ましく、10000〜30000mPa・sの範囲内が特に好ましい。
(塗布及び乾燥方法)
塗布及び乾燥方法は、特に制限されないが、高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液を30℃以上に加温して、基材上に高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃の温度範囲に一旦冷却し(セットともいう。)、その後、10℃以上の温度で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
塗布及び乾燥方法は、特に制限されないが、高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液を30℃以上に加温して、基材上に高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃の温度範囲に一旦冷却し(セットともいう。)、その後、10℃以上の温度で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
高屈折率層用塗布液及び低屈折率層用塗布液の塗布膜厚(湿潤膜厚)は、上記で示したような好ましい乾燥時の厚さ(乾燥膜厚)となるように塗布すればよい。
ここで、前記セットとは、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間及び各層内における物質の流動性を低下させる工程のことを意味する。冷風を塗布膜に表面から当てて、塗布膜の表面に指を押し付けたときに指に何もつかなくなった状態を、セット完了の状態と定義する。
塗布した後、冷風を当ててからセットが完了するまでの時間(セット時間)は、5分以内であることが好ましく、2分以内であることが好ましい。また、下限の時間は特に制限されないが、45秒以上の時間をとることが好ましい。セット時間が短すぎると、層中の成分の混合が不十分となる場合がある。一方、セット時間が長すぎると、金属酸化物粒子の層間拡散が進み、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が不十分となる懸念がある。なお、高屈折率層と低屈折率層との間の熱線遮断フィルムユニットの高弾性化が素早く起こるのであれば、セットさせる工程は設けなくてもよい。
セット時間は、水溶性バインダー樹脂の濃度や金属酸化物粒子の濃度を調整し、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ゲランガム等の各種公知のゲル化剤など、他の成分を添加することにより調整することができる。
冷風の温度は、0〜25℃の範囲内であることが好ましく、5〜10℃の範囲内であることがより好ましい。また、塗膜が冷風に晒される時間は、塗膜の搬送速度にもよるが、10〜120秒の範囲内であることが好ましい。
〔赤外線反射層ユニットUのその他の構成層〕
本発明に係る赤外線反射層ユニットUにおいては、透明基材上に、高屈折率層及び低屈折率層の他に、さらなる機能の付加を目的として、例えば、導電性層、帯電防止層、ガスバリアー層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、接着層、本発明に係る高屈折率層及び低屈折率層等の赤外線反射層積層体以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)などの機能層を有していてもよい。
本発明に係る赤外線反射層ユニットUにおいては、透明基材上に、高屈折率層及び低屈折率層の他に、さらなる機能の付加を目的として、例えば、導電性層、帯電防止層、ガスバリアー層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、接着層、本発明に係る高屈折率層及び低屈折率層等の赤外線反射層積層体以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)などの機能層を有していてもよい。
[赤外線反射フィルムの製造方法]
本発明の赤外線反射フィルムの製造方法は、上記説明した赤外線反射層ユニットの両面に、それぞれポリビニルアセタール系樹脂を含有する中間膜を付与して製造することができる。
本発明の赤外線反射フィルムの製造方法は、上記説明した赤外線反射層ユニットの両面に、それぞれポリビニルアセタール系樹脂を含有する中間膜を付与して製造することができる。
具体的な製造方法としては、透明基材である透明樹脂フィルム上に、単層あるいは、図2、図3に示すように、高屈折率層と低屈折率層とを、交互に積層した赤外線反射層積層体を湿式塗布方式で塗布して、赤外線反射層ユニットを形成する。
次いで、形成した赤外線反射層ユニットの両面に、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する中間膜を、塗布方式又は貼合方式で付与する。貼合方法としては、例えば、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する中間膜を貼合して形成した赤外線反射フィルムを、一対の対向ローラーで構成されているニップローラー等を用いて、1〜50MPaの範囲内の圧力で貼合して製造することができる。貼合の際、必要に応じて、加熱処理を施してもよい。
次いで、作製した赤外線反射フィルムは、そのままの構成でロール状に積層してもよいし、あるいは、ポリビニルアセタール系樹脂膜上にさらにセパレートフィルムを付与した後、ロール状に積層してもよい。
《合わせガラスの製造方法》
本発明の合わせガラスは、誘電多層膜ユニットの両面にそれぞれポリビニルアセタール系樹脂を含む中間膜を有する赤外線反射フィルムを、2枚のガラス構成部材で挟持して作製する。
本発明の合わせガラスは、誘電多層膜ユニットの両面にそれぞれポリビニルアセタール系樹脂を含む中間膜を有する赤外線反射フィルムを、2枚のガラス構成部材で挟持して作製する。
本発明の合わせガラスの製造方法で製造される合わせガラスは、入射光側から、一方のガラス構成部材、赤外線反射層フィルム1(第1の中間膜3A/誘電多層膜ユニットU/第2の中間膜3B)、他方のガラス基材の順で配置される。なお、2枚のガラス基材は、同一の種類のガラス基材であってもよく、異なった種類のガラス基材であってもよい。
(合わせガラスの構成)
以下、本発明の合わせガラスの代表的な構成を、図を交えて説明する。
以下、本発明の合わせガラスの代表的な構成を、図を交えて説明する。
図5は、先の図2で示した本発明の赤外線反射フィルム1を、合わせガラス構成部材G1及びG2で挟持して合わせガラス10を構成した概略断面図である。
図5は、誘電多層膜ユニットとして、前記図2で説明した構成である、透明基材2上に、高屈折率の赤外線反射層と低屈折率の赤外線反射層とを交互に積層した赤外線反射層積層体MLを有する赤外線反射層ユニットU1と、その両面に第1の中間膜3Aと第2の中間膜3Bが配置されている本発明の赤外線反射フィルムの両面を、合わせガラス構成部材G1及びG2で挟持した構成の合わせガラス10の一例を示している。
図6は、先の図3で示した透明基材2の両面に赤外線反射層積層体MLa及びMLbを有する赤外線反射層ユニットU2と、その両面に第1の中間膜3Aと第2の中間膜3Bが配置されている本発明の赤外線反射フィルム1の両面を、合わせガラス構成部材G1及びG2で挟持して合わせガラス10を構成している概略断面図である。
図7は、先の図4で示したポリマー積層体により構成される赤外線反射層ユニットU3を有する本発明の赤外線反射フィルム1を、合わせガラス構成部材G1及びG2で挟持した合わせガラス10の構成を示す概略断面図である。
本発明に係る合わせガラス構成部材は、平板状の合わせガラス構成部材であっても、また車のフロントガラスに使用されるような曲面状のガラス構成部材であってもよい。
本発明に係る合わせガラス構成部材は、特に、車の窓ガラスとして用いられる場合において、可視光透過率が70%以上であることが好ましい。なお、可視光透過率は、例えば、分光光度計(日立製作所株式会社製、U−4000型)を用いて、JIS R 3106(1998)「板ガラス類の透過率・反射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠して、測定することができる。
本発明の合わせガラスの日射熱取得率は、60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましい。この範囲であれば、より効果的に外部からの熱線を遮断することができる。なお、日射熱取得率は、例えば、上記と同様に、分光光度計(日立製作所株式会社製、U−4000型)を用いて、JIS R 3106(1998)「板ガラス類の透過率・反射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠して求めることができる。
(カラス構成部材)
本発明に係る合わせガラス構成部材G1及びG2としては、無機ガラス(以下、単にガラスともいう。)及び有機ガラス(樹脂グレージング)が挙げられる。無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、及び、グリーンガラス等の着色ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラス(樹脂グレージング)としては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。本発明においては、外部から衝撃が加わって破損した際の安全性の観点からは、無機ガラスであることが好ましい。
本発明に係る合わせガラス構成部材G1及びG2としては、無機ガラス(以下、単にガラスともいう。)及び有機ガラス(樹脂グレージング)が挙げられる。無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、及び、グリーンガラス等の着色ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラス(樹脂グレージング)としては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。本発明においては、外部から衝撃が加わって破損した際の安全性の観点からは、無機ガラスであることが好ましい。
無機ガラスの種類は、特に限定されないが、通常、ソーダライムシリカガラスが好適に用いられる。この場合、無色透明ガラスであってよく、有色透明ガラスであってもよい。
また、2枚のガラス基材のうち、入射光に近い車外側又は屋外側のガラス基材は、無色透明ガラスであることが好ましい。また、入射光側から遠い車内側又は屋内側のガラス基材は、グリーン系有色透明ガラス又は濃色透明ガラスであることが好ましい。グリーン系有色透明ガラスは、紫外線吸収性能及び赤外線吸収性能を有することが好ましい。これらを用いることにより、屋外側においてできるだけ日射エネルギーを反射することができ、さらに合わせガラスの日射透過率を小さくすることができるからである。
グリーン系有色透明ガラスは、特に限定されないが、例えば、鉄を含有するソーダライムシリカガラスが好適に挙げられ、ソーダライムシリカ系の母ガラスに、Fe2O3換算で、全鉄0.3〜1質量%の範囲内で含有するソーダライムシリカガラスである。さらに、近赤外領域の波長の光の吸収は、全鉄のうちの2価の鉄による吸収が支配的であるため、FeO(2価の鉄)の質量が、Fe2O3換算で、全鉄の20〜40質量%であることが好ましい。
紫外線吸収性能を付与するためには、ソーダライムシリカ系の母ガラスにセリウム等を加える方法が挙げられる。具体的には、以下に示す組成のソーダライムシリカガラスを用いるのが好ましい。SiO2:65〜75質量%、Al2O3:0.1〜5質量%、Na2O+K2O:10〜18質量%、CaO:5〜15質量%、MgO:1〜6質量%、Fe2O3換算した全鉄:0.3〜1質量%、CeO2換算した全セリウム又はTiO2:0.5〜2質量%。
また、濃色透明ガラスは、特に限定されないが、例えば、鉄を高濃度で含有するソーダライムシリカガラスが好適に挙げられる。
本発明の合わせガラスを車両等の車窓に用いる場合、車内側ガラス基材及び車外側ガラス基材の厚さは、ともに1.5〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。この場合、車内側ガラス基材及び車外側ガラス基材を等しい厚さにすることも、異なる厚さにすることもできる。合わせガラスを自動車窓に用いるにあたっては、例えば、車内側ガラス基材及び車外側ガラス基材を、ともに2.0mmの厚さにしたり、2.1mmの厚さにしたりすることが挙げられる。また、合わせガラスを自動車窓に用いるにあたっては、例えば、車内側ガラス基材の厚さを2.0mm未満、車外側ガラス板の厚さを2mm以上とすることで、合わせガラスの総厚さを小さくし、かつ車外側からの外力に抗することができる。車内側ガラス基材及び車外側ガラス基材は、平板状でも湾曲状でもよい。車両、特に自動車窓は湾曲していることが多いため、車内側ガラス基材及び車外側ガラス基材の形状は湾曲形状であることが多い。この場合、赤外線反射層積層体は車外側ガラス基材の凹面側に設けられる。さらに、必要に応じて3枚以上のガラス基材を用いることもできる。
本発明の合わせガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、合わせガラス構成部材G1及びG2の間に、本発明の赤外線反射フィルムを挟持した後、押圧ロール(ニップロールともいう。)に通したり、又はゴムバックに入れて減圧吸引したりして、合わせガラス構成部材G1及びG2と、本発明の赤外線反射フィルムとの間に残留する空気を脱気する。その後、約70〜110℃で予備接着して積層体を得る。次に、積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120〜150℃及び1〜1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。
上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記合わせガラスは、建築用又は車両用の合わせガラスであることが好ましい。上記合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、各構成要素の後の括弧内に記載の数字は、各図における符号を示す。
《赤外線反射フィルムの作製》
[赤外線反射フィルム1の作製]
透明基材として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、両面昜接着処理、略称:PET)を用い、PETの両面に、それぞれ厚さが380μmのポリビニルブチラール膜(略称:PVB、平均重合度1700、ブチラール化度68.5mol%、ヒドロキシ基量30.6mol%、アセチル基量0.9mol%、)のドープを塗設した後、第1の中間膜1(光線入射側3A)と第2の中間膜1(3B)を形成した後、一対のニップローラー間を、貼合圧力が10MPa、貼合温度が10℃の条件で貼合して、赤外線反射フィルム1を作製した。
《赤外線反射フィルムの作製》
[赤外線反射フィルム1の作製]
透明基材として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、両面昜接着処理、略称:PET)を用い、PETの両面に、それぞれ厚さが380μmのポリビニルブチラール膜(略称:PVB、平均重合度1700、ブチラール化度68.5mol%、ヒドロキシ基量30.6mol%、アセチル基量0.9mol%、)のドープを塗設した後、第1の中間膜1(光線入射側3A)と第2の中間膜1(3B)を形成した後、一対のニップローラー間を、貼合圧力が10MPa、貼合温度が10℃の条件で貼合して、赤外線反射フィルム1を作製した。
[赤外線反射フィルム2の作製]
上記赤外線反射フィルム1の作製において、第2の中間膜1(3B)に代えて、ポリビニルブチラールに赤外線吸収剤としてセシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm、IR1と称す。)を0.02質量%含有したドープを用いて第2の中間膜2を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム2を作製した。
上記赤外線反射フィルム1の作製において、第2の中間膜1(3B)に代えて、ポリビニルブチラールに赤外線吸収剤としてセシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm、IR1と称す。)を0.02質量%含有したドープを用いて第2の中間膜2を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム2を作製した。
[赤外線反射フィルム3の作製]
上記赤外線反射フィルム2の作製において、透明基材であるPETに代えて、下記のポリマー積層体により構成される赤外線反射層積層体(U3)である誘電多層膜ユニット2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム3を作製した。
上記赤外線反射フィルム2の作製において、透明基材であるPETに代えて、下記のポリマー積層体により構成される赤外線反射層積層体(U3)である誘電多層膜ユニット2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム3を作製した。
(誘電多層膜ユニット2の作製)
米国特許公報第6049419号明細書の実施例の例3に記載の方法に従って、ポリエチレンナフタレート(PEN)とポリメタクアリレート(PMMA)を交互に積層した総数が224層で、厚さ100μmの図4に記載の構成の赤外線反射層積層体(U3)である誘電多層膜ユニット2を作製した。
米国特許公報第6049419号明細書の実施例の例3に記載の方法に従って、ポリエチレンナフタレート(PEN)とポリメタクアリレート(PMMA)を交互に積層した総数が224層で、厚さ100μmの図4に記載の構成の赤外線反射層積層体(U3)である誘電多層膜ユニット2を作製した。
[赤外線反射フィルム4の作製]
上記赤外線反射フィルム2の作製において、透明基材(2)であるPETの光線入射面側に、下記の水溶性バインダー樹脂と金属酸化物粒子を含む赤外線反射層を積層した図2に示す構成の赤外線反射層積層体(ML)を設けて誘電多層膜ユニット(U1)3を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム4を作製した。
上記赤外線反射フィルム2の作製において、透明基材(2)であるPETの光線入射面側に、下記の水溶性バインダー樹脂と金属酸化物粒子を含む赤外線反射層を積層した図2に示す構成の赤外線反射層積層体(ML)を設けて誘電多層膜ユニット(U1)3を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム4を作製した。
〔誘電多層膜ユニット(U1)3の作製〕
(赤外線反射層形成用塗布液の調製)
〈1〉低屈折率層用塗布液L1の調製
10質量%の第2の金属酸化物粒子としてのコロイダルシリカ(二酸化ケイ素、日産化学工業株式会社製、スノーテックス(登録商標)OXS)水溶液680部と、4.0質量%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−103:重合度300、ケン化度98.5mol%)水溶液30部と、3.0質量%のホウ酸水溶液150部とを混合し、分散した。純水を加え、全体として1000部のコロイダルシリカ分散液L1を調製した。
(赤外線反射層形成用塗布液の調製)
〈1〉低屈折率層用塗布液L1の調製
10質量%の第2の金属酸化物粒子としてのコロイダルシリカ(二酸化ケイ素、日産化学工業株式会社製、スノーテックス(登録商標)OXS)水溶液680部と、4.0質量%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−103:重合度300、ケン化度98.5mol%)水溶液30部と、3.0質量%のホウ酸水溶液150部とを混合し、分散した。純水を加え、全体として1000部のコロイダルシリカ分散液L1を調製した。
次いで、得られたコロイダルシリカ分散液L1を45℃に加熱し、その中に4.0質量%の第2の水溶性バインダー樹脂としてポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製、JP−45:重合度4500、ケン化度86.5〜89.5mol%)水溶液760部とを、順次、攪拌しながら添加した。その後、1質量%のベタイン系界面活性剤(川研ファインケミカル株式会社製、ソフダゾリン(登録商標)LSB−R)水溶液40部を添加し、低屈折率層用塗布液L1を調製した。
〈2〉低屈折率層用塗布液L2の調製
上記低屈折率層用塗布液L1の調製において、第2の金属酸化物粒子である二酸化ケイ素(コロイダルシリカ)の固形分量を50質量%に変更した以外は同様にして、赤外線反射層積層体の最表層の形成に用いる低屈折率層用塗布液L2を調製した。
上記低屈折率層用塗布液L1の調製において、第2の金属酸化物粒子である二酸化ケイ素(コロイダルシリカ)の固形分量を50質量%に変更した以外は同様にして、赤外線反射層積層体の最表層の形成に用いる低屈折率層用塗布液L2を調製した。
〈3〉高屈折率層用塗布液H1の調製
〈3.1〉コア・シェル粒子の調製
〈3.2〉コア部を構成するルチル型酸化チタンの調製
水中に、酸化チタン水和物を懸濁させ、TiO2に換算した時の濃度が100g/Lになるように、酸化チタンの水性懸濁液を調製した。10L(リットル)の該懸濁液に、30Lの水酸化ナトリウム水溶液(濃度10モル/L)を撹拌しながら加えた後、90℃に加熱し、5時間熟成させた。次いで、塩酸を用いて中和し、濾過後水を用いて洗浄した。
〈3.1〉コア・シェル粒子の調製
〈3.2〉コア部を構成するルチル型酸化チタンの調製
水中に、酸化チタン水和物を懸濁させ、TiO2に換算した時の濃度が100g/Lになるように、酸化チタンの水性懸濁液を調製した。10L(リットル)の該懸濁液に、30Lの水酸化ナトリウム水溶液(濃度10モル/L)を撹拌しながら加えた後、90℃に加熱し、5時間熟成させた。次いで、塩酸を用いて中和し、濾過後水を用いて洗浄した。
なお、上記反応(処理)において、原料である酸化チタン水和物は、公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解処理によって得られたものである。
純水中に、上記塩基処理したチタン化合物をTiO2に換算した時の濃度が20g/Lになるように、懸濁させた。その中に、TiO2量に対し0.4モル%のクエン酸を攪拌しながら加えた。その後、加熱し、混合ゾル液の温度が95℃になるところで、塩酸濃度が30g/Lになるように濃塩酸を加えた、液温を95℃に維持しながら、3時間攪拌させ、酸化チタンゾル液を調製した。
上記のように、得られた酸化チタンゾル液のpH及びゼータ電位を測定したところ、25℃におけるpHは1.4であり、ゼータ電位は+40mVであった。また、マルバーン社製ゼータサイザーナノにより粒径測定を行ったところ、単分散度は16%であった。
さらに、酸化チタンゾル液を105℃で3時間乾燥させ、酸化チタンの粉体微粒子を得た。日本電子データム株式会社製、JDX−3530型を用いて、該粉体微粒子をX線回折測定し、ルチル型の酸化チタン微粒子であることが確認された。また、該微粒子の体積平均粒径は10nmであった。
そして、純水4kgに、得られた体積平均粒径10nmのルチル型の酸化チタン微粒子を含む20.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液を添加して、コア粒子となるゾル液を得た。
〈3.3〉シェル被覆によるコア・シェル粒子の調製
2kgの純水に、10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液0.5kgを加え、90℃に加熱した。次いで、SiO2に換算した時の濃度が2.0質量%であるように調製したケイ酸水溶液1.3kgを徐々に添加し、オートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、さらに濃縮して、コア粒子としてはルチル型構造を有する酸化チタンであり、被覆層としてはSiO2であるコア・シェル粒子(平均粒径:10nm)のゾル液(固形分濃度20質量%)を得た。
2kgの純水に、10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液0.5kgを加え、90℃に加熱した。次いで、SiO2に換算した時の濃度が2.0質量%であるように調製したケイ酸水溶液1.3kgを徐々に添加し、オートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、さらに濃縮して、コア粒子としてはルチル型構造を有する酸化チタンであり、被覆層としてはSiO2であるコア・シェル粒子(平均粒径:10nm)のゾル液(固形分濃度20質量%)を得た。
〈3.4〉高屈折率層用塗布液の調製
上記で得られた固形分濃度20.0質量%の第1の金属酸化物粒子としてのコア・シェル粒子を含むゾル液28.9部と、1.92質量%のクエン酸水溶液10.5部と、10質量%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−103:重合度300、ケン化度98.5mol%)水溶液2.0部と、3質量%のホウ酸水溶液9.0部とを混合して、コア・シェル粒子分散液H1を調製した。
上記で得られた固形分濃度20.0質量%の第1の金属酸化物粒子としてのコア・シェル粒子を含むゾル液28.9部と、1.92質量%のクエン酸水溶液10.5部と、10質量%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−103:重合度300、ケン化度98.5mol%)水溶液2.0部と、3質量%のホウ酸水溶液9.0部とを混合して、コア・シェル粒子分散液H1を調製した。
次いで、コア・シェル分散液H1を撹拌しながら、純水16.3部及び第1の水溶性バインダーとして5.0質量%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−124:重合度2400、ケン化度98〜99mol%)水溶液33.5部を加えた。更に、1質量%のベタイン系界面活性剤(川研ファインケミカル株式会社製、ソフダゾリン(登録商標)LSB−R)水溶液0.5部を添加し、純水を用いて全体として1000部の高屈折率層用塗布液H1を調製した。
〔誘電多層膜ユニット(U1)3の作製〕
下記の方法に従って図2に記載の構成からなる赤外線反射層ユニット(U1)である誘電多層膜ユニット3を作製した。
下記の方法に従って図2に記載の構成からなる赤外線反射層ユニット(U1)である誘電多層膜ユニット3を作製した。
重層塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、上記調製した低屈折率層用塗布液L1、低屈折率層用塗布液L2及び高屈折率層用塗布液H1を45℃に保温しながら、透明基材(2)である45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、両面昜接着処理、略称:PET)の一方の面側に、高屈折率層H1及び低屈折率層L1、L2のそれぞれの乾燥時の膜厚が147nmになるように塗布して、赤外線反射層積層体(ML)を形成した。
具体的には、PETフィルム(2)の一方の面上が低屈折率層L1(T1)となり、その上に高屈折率層H1(T2)が積層され、この構成で交互に8層ずつ計16層を積層し、16層目の高屈折率層H1上に、二酸化ケイ素含有率が50質量%の低屈折率層L2(Tn)が形成される構成で、17層の同時重層塗布を行った。
塗布直後、5℃の冷風を吹き付けてセットさせた。このとき、表面を指でふれても指に何もつかなくなるまでの時間(セット時間)は5分であった。
セット完了後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、PETフィルム(2)の片面に17層から構成され、総厚が2.5μmである赤外線反射層積層体(ML)を有する赤外線反射層ユニット(U1)である誘電多層膜ユニット3を作製した。
なお、各構成要素の後に、括弧内で表示した符号は、図2に記載の符号を表す。
[赤外線反射フィルム5の作製]
上記赤外線反射フィルム4の作製において、第1の中間膜1(ポリビニルブチラール膜単独)に代えて、下記第1の中間膜2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム5を作製した。
上記赤外線反射フィルム4の作製において、第1の中間膜1(ポリビニルブチラール膜単独)に代えて、下記第1の中間膜2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム5を作製した。
(第1の中間膜2の形成)
ポリビニルブチラール樹脂に、有機紫外線吸収剤として、UV1(Tinuvin326、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−P−クレゾール、BASFジャパン社製)を、0.50質量%添加したドープを用いて、厚さが380μmの第1の中間膜2を形成した。
ポリビニルブチラール樹脂に、有機紫外線吸収剤として、UV1(Tinuvin326、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−P−クレゾール、BASFジャパン社製)を、0.50質量%添加したドープを用いて、厚さが380μmの第1の中間膜2を形成した。
[赤外線反射フィルム6の作製]
上記赤外線反射フィルム5の作製において、第1の中間膜の添加剤として、UV1に代えて、同量の金属酸化物微粒子である微粒子酸化チタン(TTO−55、石原産業社製、名称:UV2)を用いて、第1の中間膜3を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム6を作製した。
上記赤外線反射フィルム5の作製において、第1の中間膜の添加剤として、UV1に代えて、同量の金属酸化物微粒子である微粒子酸化チタン(TTO−55、石原産業社製、名称:UV2)を用いて、第1の中間膜3を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム6を作製した。
[赤外線反射フィルム7の作製]
上記赤外線反射フィルム5の作製において、第1の中間膜の添加剤として、更に、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)として、Tinuvin292(70〜80%:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、20〜30%:メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、BASFジャパン社製)を、第1の中間膜の全質量の0.5質量%となるように添加した以外は同様にして、第1の中間膜4を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム7を作製した。
上記赤外線反射フィルム5の作製において、第1の中間膜の添加剤として、更に、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)として、Tinuvin292(70〜80%:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、20〜30%:メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、BASFジャパン社製)を、第1の中間膜の全質量の0.5質量%となるように添加した以外は同様にして、第1の中間膜4を形成した以外は同様にして、赤外線反射フィルム7を作製した。
[赤外線反射フィルム8の作製]
上記赤外線反射フィルム5の作製において、誘電多層膜ユニットとして、誘電多層膜ユニット3に代えて、赤外線反射フィルム3の作製で用いたポリマー積層体により構成される誘電多層膜ユニット2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム8を作製した。
上記赤外線反射フィルム5の作製において、誘電多層膜ユニットとして、誘電多層膜ユニット3に代えて、赤外線反射フィルム3の作製で用いたポリマー積層体により構成される誘電多層膜ユニット2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム8を作製した。
[赤外線反射フィルム9の作製]
上記赤外線反射フィルム7の作製において、誘電多層膜ユニットとして、誘電多層膜ユニット3に代えて、赤外線反射フィルム3の作製で用いたポリマー積層体により構成される誘電多層膜ユニット2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム9を作製した。
上記赤外線反射フィルム7の作製において、誘電多層膜ユニットとして、誘電多層膜ユニット3に代えて、赤外線反射フィルム3の作製で用いたポリマー積層体により構成される誘電多層膜ユニット2を用いた以外は同様にして、赤外線反射フィルム9を作製した。
[赤外線反射フィルム10〜23の作製]
上記赤外線反射フィルム5の作製において、第1の中間膜における紫外線吸収剤UV1の添加量、誘電多層膜ユニットにおける総積層数、第2の中間膜における赤外線吸収剤IR1の添加量を、表1に記載の条件に変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム10〜23を作製した。
上記赤外線反射フィルム5の作製において、第1の中間膜における紫外線吸収剤UV1の添加量、誘電多層膜ユニットにおける総積層数、第2の中間膜における赤外線吸収剤IR1の添加量を、表1に記載の条件に変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム10〜23を作製した。
[赤外線反射フィルム24の作製]
上記赤外線反射フィルム5の作製において、透明基材(2)であるPETフィルムの両面に、赤外線反射層積層体(ML)と同様の構成の2つの赤外線反射層積層体(MLa、MLb、各17層構成)を形成し、それぞれの最表層(Tan、Tbn)における二酸化ケイ素の含有率を54質量%に変更して図3に記載の構成とし、第1の中間膜及び第2の中間膜貼合時の貼合圧力を50MPaに変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム24を作製した。
上記赤外線反射フィルム5の作製において、透明基材(2)であるPETフィルムの両面に、赤外線反射層積層体(ML)と同様の構成の2つの赤外線反射層積層体(MLa、MLb、各17層構成)を形成し、それぞれの最表層(Tan、Tbn)における二酸化ケイ素の含有率を54質量%に変更して図3に記載の構成とし、第1の中間膜及び第2の中間膜貼合時の貼合圧力を50MPaに変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム24を作製した。
[赤外線反射フィルム25及び26の作製]
上記赤外線反射フィルム24の作製において、2つの赤外線反射層積層体(MLa、MLb)の総層数を、表1に記載の条件に変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム25及び26を作製した。
上記赤外線反射フィルム24の作製において、2つの赤外線反射層積層体(MLa、MLb)の総層数を、表1に記載の条件に変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム25及び26を作製した。
[赤外線反射フィルム27の作製]
前記赤外線反射フィルム3の作製において、第2の中間膜における赤外線吸収剤として、本発明に係る複合タングステン酸化物であるセシウムドープタングステン酸化物粒子に代えて、同量のATO微粒子(略称:IR2、超微粒子アンチモンドープスズ酸化物、住友金属鉱山社製)に変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム27を作製した。
前記赤外線反射フィルム3の作製において、第2の中間膜における赤外線吸収剤として、本発明に係る複合タングステン酸化物であるセシウムドープタングステン酸化物粒子に代えて、同量のATO微粒子(略称:IR2、超微粒子アンチモンドープスズ酸化物、住友金属鉱山社製)に変更した以外は同様にして、赤外線反射フィルム27を作製した。
[赤外線反射フィルム28の作製]
下記第1の中間膜9と、第2の中間膜8を積層して、図8に記載の構成の赤外線反射フィルム28を作製した。
下記第1の中間膜9と、第2の中間膜8を積層して、図8に記載の構成の赤外線反射フィルム28を作製した。
(第1の中間膜9)
ポリビニルブチラール樹脂に、複合タングステン酸化物であるセシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm)を0.02質量%含有するドープを用いて、第1の中間膜(3B)9を形成した。
ポリビニルブチラール樹脂に、複合タングステン酸化物であるセシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm)を0.02質量%含有するドープを用いて、第1の中間膜(3B)9を形成した。
(第2の中間膜8)
ポリビニルブチラール樹脂に、UV1(Tinuvin326、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−P−クレゾール、BASFジャパン社製)を、0.50質量%添加したドープを用いて、第2の中間膜(3A)8を形成した。
ポリビニルブチラール樹脂に、UV1(Tinuvin326、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−P−クレゾール、BASFジャパン社製)を、0.50質量%添加したドープを用いて、第2の中間膜(3A)8を形成した。
上記作製した各赤外線反射フィルムの主要構成(第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、第2の中間膜)を、表1に示す。
なお、表1に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下のとおりである。
(中間膜)
〈バインダー〉
PVB:ポリビニルブチラール(表1には記載していない)
〈紫外線吸収材料:第1の中間膜〉
UV1:有機紫外線吸収剤(Tinuvin326、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−P−クレゾール、BASFジャパン社製)
UV2:金属酸化物微粒子(微粒子酸化チタン、TTO−55、石原産業社製)
IR1:セシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm)
〈光安定剤:第1の中間膜〉
HALS:Tinuvin292(70〜80%:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、20〜30%:メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、BASFジャパン社製)
〈赤外線吸収剤:第2の中間膜〉
IR1:セシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm)
IR2:ATO微粒子(超微粒子アンチモンドープ酸化スズ、住友金属鉱山社製)
(誘電多層膜ユニット)
〈基材〉
PET:ポリエチレンテレフタレート
〈バインダー〉
PVA:ポリビニルアルコール
《合わせガラスの作製》
〔合わせガラス1の作製〕
光線入射側より、合わせガラス構成部材(G1)である室外側ガラスとして、厚さ3mmの平面状のクリアガラス(可視光透過率Tv:91%、日射透過率Te:86%)と、上記作製した赤外線反射フィルム1と、合わせガラス構成部材(G2)である室内側ガラスとして、厚さ3mmの平面状のグリーンガラス(可視光透過率Tv:81%、日射透過率Te:63%)をこの順で積層し、各合わせガラス構成部材のエッジ部からはみ出した各中間膜の余剰部分を除去した後、140℃で30分間加熱し、加圧脱気して合わせ処理を行い、合わせガラス1を作製した。
〈バインダー〉
PVB:ポリビニルブチラール(表1には記載していない)
〈紫外線吸収材料:第1の中間膜〉
UV1:有機紫外線吸収剤(Tinuvin326、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−P−クレゾール、BASFジャパン社製)
UV2:金属酸化物微粒子(微粒子酸化チタン、TTO−55、石原産業社製)
IR1:セシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm)
〈光安定剤:第1の中間膜〉
HALS:Tinuvin292(70〜80%:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、20〜30%:メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、BASFジャパン社製)
〈赤外線吸収剤:第2の中間膜〉
IR1:セシウムドープタングステン酸化物粒子(住友金属鉱山社製、Cs0.33WO3、平均粒径80nm)
IR2:ATO微粒子(超微粒子アンチモンドープ酸化スズ、住友金属鉱山社製)
(誘電多層膜ユニット)
〈基材〉
PET:ポリエチレンテレフタレート
〈バインダー〉
PVA:ポリビニルアルコール
《合わせガラスの作製》
〔合わせガラス1の作製〕
光線入射側より、合わせガラス構成部材(G1)である室外側ガラスとして、厚さ3mmの平面状のクリアガラス(可視光透過率Tv:91%、日射透過率Te:86%)と、上記作製した赤外線反射フィルム1と、合わせガラス構成部材(G2)である室内側ガラスとして、厚さ3mmの平面状のグリーンガラス(可視光透過率Tv:81%、日射透過率Te:63%)をこの順で積層し、各合わせガラス構成部材のエッジ部からはみ出した各中間膜の余剰部分を除去した後、140℃で30分間加熱し、加圧脱気して合わせ処理を行い、合わせガラス1を作製した。
〔合わせガラス2〜28の作製〕
上記合わせガラス1の作製において、赤外線反射フィルム1に代えて、上記作製した赤外線反射フィルム2〜28を用いた以外は同様にして、合わせガラス2〜28を作製した。
上記合わせガラス1の作製において、赤外線反射フィルム1に代えて、上記作製した赤外線反射フィルム2〜28を用いた以外は同様にして、合わせガラス2〜28を作製した。
《合わせガラスの評価》
上記作製した各合わせガラスについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
上記作製した各合わせガラスについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
〔作製直後の合わせガラスの評価〕
(日射熱取得率(TTS)の測定)
分光光度計(積分球使用、株式会社日立製作所製、U−4000型)を用い、合わせガラス1〜28の300〜2500nmの波長領域において、5nmおきに透過率及び反射率を測定した。次に、JIS R 3106(1998)に記載の方法に従い、透過率及び反射率の各測定値と日射反射重価係数との演算処理を行って、日射熱取得率(TTS)を求めた。
(日射熱取得率(TTS)の測定)
分光光度計(積分球使用、株式会社日立製作所製、U−4000型)を用い、合わせガラス1〜28の300〜2500nmの波長領域において、5nmおきに透過率及び反射率を測定した。次に、JIS R 3106(1998)に記載の方法に従い、透過率及び反射率の各測定値と日射反射重価係数との演算処理を行って、日射熱取得率(TTS)を求めた。
(ヘイズの測定)
上記作製した各合わせガラスについて、ヘイズメータ−(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて、ヘイズ(%)を測定した。
上記作製した各合わせガラスについて、ヘイズメータ−(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて、ヘイズ(%)を測定した。
(密着性の評価)
上記作製した各合わせガラスについて、各合わせガラス構成部材と赤外線反射フィルム1との密着状態を目視観察し、密着不良により白濁領域の面積を測定し、下記の基準に従って、密着性を評価した。
上記作製した各合わせガラスについて、各合わせガラス構成部材と赤外線反射フィルム1との密着状態を目視観察し、密着不良により白濁領域の面積を測定し、下記の基準に従って、密着性を評価した。
○:白濁領域に面積が、5%未満である
○△:白濁領域に面積が、5%以上、10%未満である
△:白濁領域に面積が、10%以上、20%未満である
×:白濁領域に面積が、20%以上、50%未満である
××:白濁領域に面積が、50%以上である
(可視光透過率の測定)
分光光度計(積分球使用、株式会社日立製作所製、U−4000型)を用い、合わせガラスの波長550nmにおける透過率を測定し、これを可視光透過率(%)とした。
○△:白濁領域に面積が、5%以上、10%未満である
△:白濁領域に面積が、10%以上、20%未満である
×:白濁領域に面積が、20%以上、50%未満である
××:白濁領域に面積が、50%以上である
(可視光透過率の測定)
分光光度計(積分球使用、株式会社日立製作所製、U−4000型)を用い、合わせガラスの波長550nmにおける透過率を測定し、これを可視光透過率(%)とした。
〔強制劣化処理後の合わせガラスの評価:耐久性の評価〕
(強制劣化処理)
上記作製した各合わせガラスを、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社、照射光源:キセノンランプ、放射照度:60W/m2、放射環境:50℃、55%RH)を用いて1000時間の処理を行った。
(強制劣化処理)
上記作製した各合わせガラスを、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社、照射光源:キセノンランプ、放射照度:60W/m2、放射環境:50℃、55%RH)を用いて1000時間の処理を行った。
(各評価項目)
上記強制劣化処理を施した各合わせガラスについて、上記で記載した作製直後に行った方法と同様にして、日射熱取得率(TTS)の測定、ヘイズの測定、密着性の評価及び可視光透過率の測定と、下記の方法に従って、変色耐性(ΔE)の評価を行った。
上記強制劣化処理を施した各合わせガラスについて、上記で記載した作製直後に行った方法と同様にして、日射熱取得率(TTS)の測定、ヘイズの測定、密着性の評価及び可視光透過率の測定と、下記の方法に従って、変色耐性(ΔE)の評価を行った。
〈変色耐性の評価〉
作製直後及び上記強制劣化後の合わせガラスについて、それぞれの透過色(L*、a*、b*)を、JIS Z8722及びJIS Z8729に準拠して、色差計(「SQ2000」、日本電色工業(株)製)により、C/2光源を用いて測定した。
作製直後及び上記強制劣化後の合わせガラスについて、それぞれの透過色(L*、a*、b*)を、JIS Z8722及びJIS Z8729に準拠して、色差計(「SQ2000」、日本電色工業(株)製)により、C/2光源を用いて測定した。
次いで、測定した上記強制劣化処理後のL2 *、a2 *、b2 *と、作製直後のL1 *、a1 *、b1 *を用い、下式に従ってΔEを測定した。
ΔE=〔(L2 *−L1 *)2+(a2 *−a1 *)2+(b2 *−b1 *)2〕1/2
以上により得られた結果を、表2に示す。
以上により得られた結果を、表2に示す。
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の赤外線反射フィルムを用いて作製した合わせガラスは、比較例に対し、優れた日射熱取得率、ヘイズ耐性、密着性、可視光透過性を有し、かつキセノン光照射による強制劣化処理後でも、上記の優れた特性が維持されているとともに、変色耐性が良好であることがわかる。
本発明の赤外線反射フィルム及びそれを用いた合わせガラスは、優れた密着性及び耐光性(変色耐性)を維持するとともに、遮熱性に優れ、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等の窓ガラス用の合わせガラスとして、好適に利用できる。
1 赤外線反射フィルム
2 透明基材
3A 第1の中間膜
3B 第2の中間膜
10 合わせガラス
G1、G2 合わせガラス構成部材
L 光線入射側
ML、MLa、MLb 赤外線反射層積層体
PEN1〜PENn ポリエチレンナフタレートフィルム
PMMA1〜PMMAn ポリメチルメタアクリレートフィルム
T1〜Tn、Ta1〜Tan、Tb1〜Tbn 赤外線反射層
U 誘電多層膜ユニット
U1 赤外線反射層ユニット(単一ユニット構成)
U2 赤外線反射層ユニット(2ユニット構成)
U3 赤外線反射層ユニット(ポリマー積層体)
2 透明基材
3A 第1の中間膜
3B 第2の中間膜
10 合わせガラス
G1、G2 合わせガラス構成部材
L 光線入射側
ML、MLa、MLb 赤外線反射層積層体
PEN1〜PENn ポリエチレンナフタレートフィルム
PMMA1〜PMMAn ポリメチルメタアクリレートフィルム
T1〜Tn、Ta1〜Tan、Tb1〜Tbn 赤外線反射層
U 誘電多層膜ユニット
U1 赤外線反射層ユニット(単一ユニット構成)
U2 赤外線反射層ユニット(2ユニット構成)
U3 赤外線反射層ユニット(ポリマー積層体)
Claims (11)
- 光線入射側より、少なくとも、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する第1の中間膜、誘電多層膜ユニット、及び複合タングステン酸化物とポリビニルアセタール系樹脂を含有する第2の中間膜を、この順で積層して構成されていることを特徴とする赤外線反射フィルム。
- 前記第2の中間膜が含有する複合タングステン酸化物が、セシウムドープタングステン酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記第2の中間膜における前記複合タングステン酸化物の含有量が、当該第2の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記第1の中間膜が、有機紫外線吸収剤又は金属酸化物微粒子を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記第1の中間膜が、ヒンダードアミン系光安定剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記第1の中間膜における前記有機紫外線吸収剤の含有量が、当該第1の中間膜全質量に対し0.01〜2.0質量%の範囲内であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記第1の中間膜及び第2の中間膜が含有する前記ポリビニルアセタール系樹脂が、いずれもポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記誘電多層膜ユニットが、透明基材上の少なくとも一つの面側に、第1の水溶性バインダー樹脂と第1の金属酸化物粒子を含有する高屈折率の赤外線反射層と、第2の水溶性バインダー樹脂と第2の金属酸化物粒子を含有する低屈折率の赤外線反射層とを、交互に積層した赤外線反射層積層体を有する構成の赤外線反射層ユニットであり、前記第1の水溶性バインダー樹脂及び第2の水溶性バインダー樹脂が、いずれもポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記赤外線反射層ユニットが、前記交互に積層した赤外線反射層積層体を前記透明基材の両面に有することを特徴とする請求項8に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記透明基材が、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の赤外線反射フィルム。
- 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の赤外線反射フィルムを、2枚の合わせガラス構成部材を挟持してなることを特徴とする合わせガラス。
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