JPWO2015189879A1 - 安定化電源装置及びそれを用いた配電システム - Google Patents

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Abstract

設置スペースの確保や配線の取り回しを検討することなく、容易に取り付け可能である安定化電源装置及びそれを用いた配電システムを提供する。安定化電源装置(1)は、複数の電源ユニット(2)、盤本体(3)を備える。複数の電源ユニット(2)の各々は、入力端子(21)、出力端子(22)を有する。盤本体(3)は、取付スペース(31)を有する。複数の電源ユニット(2)は、複数の分岐ブレーカに一対一に対応して設けられる。調節部は、入力端子(21)に入力された入力電圧の大きさを所定の出力範囲に収まるように調節する。調節部にて調節された電圧は、出力電圧として出力端子(22)から出力される。取付スペース(31)には、複数の電源ユニット(2)が取り付けられる。

Description

本発明は、一般に安定化電源装置及びそれを用いた配電システムに関し、より詳細には入力電圧の大きさを所定の出力範囲に収まるように調節して調節後の電圧を出力する、安定化電源装置及びそれを用いた配電システムに関する。
例えば、国や地域によっては電力会社からの電力供給が非常に不安定であり、停電も頻繁に発生することがある。しかし、変動の大きい系統電力を接続機器へそのまま供給すると、機器が正常動作しなくなる可能性がある。そこで、このような電力変動が大きい環境下では機器への入力電力を安定化する安定化電源装置(スタビライザ)が用いられている。安定化電源装置を介して系統電力を機器に供給することで、機器を保護することができる。
この種の安定化電源装置の一例として、供給電圧が規定範囲外になった場合に電気機器との接続を遮断し、さらに電圧が正常値に戻り規定の時間を経た場合に再接続を行う装置が提案されている(例えば文献1:US4707760A参照)。これにより、供給電圧の大きな変動から接続機器を保護することができる。
上記の従来技術は、電力供給する個々の機器に対して設置する保護装置であるため、機器の数だけ装置が必要となる。よって、設置スペースの確保や配線の取り回しが難しいという問題があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されており、設置スペースの確保や配線の取り回しが簡単で、容易に取り付け可能である安定化電源装置及びそれを用いた配電システムを提供することを目的とする。
本発明の安定化電源装置は、複数の分岐ブレーカに対応して設けられ、入力端子に入力される入力電圧の大きさを所定の出力範囲に収まるように調節する調節部を有し、調節部で調節した電圧を出力端子から出力電圧として出力する複数の電源ユニットと、複数の電源ユニットを取り付ける取付スペースを有する盤本体とを備えていることを特徴とする。
本発明の配電システムは、電力系統から供給される電力を分岐して供給することが可能な分電盤と、安定化電源装置と、分電盤及び安定化電源装置の少なくとも一方に電気的に接続されている分散電源とを備え、分散電源は、負荷回路との間の電力供給路に複数の電源ユニットのうち少なくとも1つの電源ユニットを含むように接続されていることを特徴とする。
実施形態1の安定化電源装置の構成図である。 実施形態1の電源ユニットの構成図である。 実施形態1の電源ユニットの回路図である。 実施形態1の接続態様の説明図である。 実施形態1の配電システムのブロック図である。 実施形態1の切替スイッチを有する電源ユニットの構成図である。 実施形態1の安定化電源装置の構成図である。 実施形態1の安定化電源装置と無停電電源装置との説明図である。 実施形態1の蓄電池を用いた安定化電源装置と無停電電源装置との説明図である。 実施形態1の安定化電源装置の構成図である。 実施形態2の接続態様の説明図である。 実施形態3の接続態様の説明図である。 実施形態4の配電システムのブロック図である。 実施形態5の配電システムのブロック図である。 実施形態5の接続態様の説明図である。
(実施形態1)
本実施形態に係る安定化電源装置1の構成を図1に示す。この安定化電源装置1は、複数の電源ユニット2と、盤本体3とを備えている。
複数の電源ユニット2は、複数の分岐ブレーカ63(図4参照)に対応して設けられる。複数の電源ユニット2は、入力端子21に入力される入力電圧の大きさを所定の出力範囲に収まるように調節する調節部23(図2参照)を有し、調節部23で調節した電圧を出力端子22から出力電圧として出力する。盤本体3は、複数の電源ユニット2を取り付ける取付スペース31を有する。
また、安定化電源装置1は、入力端子台4と、出力端子台5とをさらに備えることが好ましい。入力端子台4は、複数の第1の端子41を有する。出力端子台5は、複数の第2の端子51を有する。複数の第1の端子41は、複数の電源ユニット2に一対一に対応し、各々が、対応する電源ユニット2の入力端子21と電気的に接続されている。複数の第2の端子51は、複数の電源ユニット2に一対一に対応し、各々が、対応する電源ユニット2の出力端子22と電気的に接続されている。
また、複数の電源ユニット2の各々は、出力電圧の出力を停止する遮断部24(図2参照)を有することが好ましい。遮断部24は、入力電圧の大きさが許容範囲を逸脱した場合に、出力電圧の出力を停止する。
さらに、複数の電源ユニット2の各々は、上記出力電圧の出力の停止後、所定の復帰時間が経過すると上記出力電圧の出力の再開を行う復帰部25(図2参照)を有することが好ましい。復帰部25は、遮断部24による出力電圧の出力の停止後、所定の復帰時間が経過すると出力電圧の出力の再開を行う。
本実施形態では、複数の電源ユニット2の各々は、入力端子21と、出力端子22と、回路ブロック20とを有している。図2に示すように、回路ブロック20は調節部23と、遮断部24と、復帰部25とを有する。
以下、本実施形態における安定化電源装置1の構成についてより詳細に説明する。ただし、以下に説明する構成は本発明の一例に過ぎず、本発明は下記実施形態に限定されることはなく、設計等に応じて種々の変更が可能である。なお本実施形態では、安定化電源装置1が壁に設置されると仮定して、各構成の配置や方向を説明する。ただし、本実施形態により安定化電源装置1の配置や方向を限定する趣旨ではない。
本実施形態では、安定化電源装置1の盤本体3は例えば合成樹脂製であって、前面が開口した箱状に形成されている。また盤本体3には、開閉可能な扉(図示せず)が取り付けられている。この扉は盤本体3の内部の機器を露出させないためにカバーとして設けられており、盤本体3の内部の機器の点検などのメンテナンス時においては、扉を開けることで盤本体3の内部へのアクセスが可能となる。また、盤本体3の背板には、例えば四隅の各々に取付穴が形成されており、ねじ等による壁への取り付けが可能である。
盤本体3の内部には、背板の上端部に沿って横長の入力端子台4が取り付けられている。また、下端部に沿って横長の出力端子台5が取り付けてある。入力端子台4と出力端子台5との間には、それらと平行に横長の取付スペース31が設けられている。取付スペース31には、その長手方向に沿って例えば1本のDIN(Deutsche Industrie Normen)レールが設けられている。さらに、このDINレールには、複数の電源ユニット2が長手方向に並んで取り付けられている。
本実施形態において、入力端子台4と出力端子台5とは例えば合成樹脂製であって、横長の直方体状に形成されている。入力端子台4は入力端子台4の長手方向に沿って並ぶ複数の第1の端子41を有する。出力端子台5は出力端子台5の長手方向に沿って並ぶ複数の第2の端子51を有する。また、第1の台42と第2の台52とは、四隅の各々に取付穴が形成されている。これにより、入力端子台4と出力端子台5とは、例えばねじ等による盤本体3への取り付けが可能である。
複数の電源ユニット2の各々は、例えば合成樹脂製であって、直方体状に形成されたケース26を有する。ケース26には、取付部(図示せず)と、回路ブロック20と、入力端子21と、出力端子22とが設けられている。上記取付部はケース26の一面に設けられており、この取付部によりDINレールへの取り付けが可能である。回路ブロック20はケース26の内部に収納されており、第3の端子231と第4の端子232とを有する。入力端子21は、ケース26の上板に設けられている。出力端子22は、ケース26の下板に設けられている。さらに、第3の端子231は、入力端子21と電気的に接続される。第4の端子232は、出力端子22と電気的に接続される。また、調節部23と、遮断部24と、復帰部25とは回路ブロック20の一部を構成している。
次に、各電源ユニット2の内部構成について、図3を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では複数の電源ユニット2のうちの1個の電源ユニット2の内部構成について説明するが、複数の電源ユニット2は同様の構成を採用している。
本実施形態の回路ブロック20において、調節部23は、トランス233と、検出部234と、制御部235とを有する。トランス233の一次側と検出部234との各々は、第3の端子231と電気的に接続されている。よって、電源ユニット2に入力された入力電圧は、第3の端子231を介してトランス233の一次側と検出部234との各々に入力される。検出部234は、入力電圧を整流して電圧レベルを分圧する。検出部234は、ダイオードブリッジDBと、直列接続された一対の分圧抵抗R1,R2とを有している。分圧抵抗R1,R2の抵抗値の比率は例えば、R1:R2=99:1である。分圧抵抗R1,R2は、ダイオードブリッジDBのプラス側とマイナス側との間に並列接続されている。
本実施形態において、検出部234は、制御部235に電気的に接続されている。また、分圧抵抗R1,R2の接続点に制御部235が電気的に接続されている。一方、トランス233の一次側コイルの巻線の巻き数をN1とし、二次側コイルの巻線の巻き数をN2とすると、トランス233の巻き数比N2/N1は例えば5/4である。また、本実施形態ではトランス233の二次側は、複数のタップ291〜294を有する。複数のタップ291〜294は、例えば第1のタップ291,第2のタップ292,第3のタップ293,第4のタップ294である。
本実施形態では、第1のタップ291は、第4の端子232の一端と直接接続されており、基準電位を発生する。第2のタップ292は、例えば巻き数比N2/N1が4/5となるタップである。この場合、第1のタップ291と第2のタップ292との間には、トランス233の一次側に入力された電圧の4/5の大きさの電圧が発生する。第3のタップ293は、例えば巻き数比N2/N1が1となるタップである。この場合、第1のタップ291と第3のタップ293との間には、トランス233の一次側に入力された電圧と同じ大きさの電圧が発生する。第4のタップ294は、例えば巻き数比N2/N1が5/4となるタップである。この場合、第1のタップ291と第4のタップ294との間には、トランス233の一次側に入力された電圧の5/4の大きさの電圧が発生する。
また本実施形態では、第2,3,4のタップ292,293,294の各々と第4の端子232との間には、スイッチ要素238が電気的に接続されている。制御部235は、検出部234で検出された電圧の大きさに応じて、スイッチ要素238の各々を制御する。また本実施形態において、制御部235はマイコン(マイクロコンピュータ)を用いて構成されている。スイッチ要素238は、例えばリレーの接点である。
本実施形態において、遮断部24と復帰部25とは、例えばマイコンのプログラムを実行することで実現する。ただし、遮断部24と復帰部25とは、調節部23とは別に設けられていてもよい。
以下、本実施形態における安定化電源装置1の接続態様及び動作について説明する。図4に示すように、本実施形態の安定化電源装置1は、屋内の壁に設置されている分電盤6の下側に設置されている。分電盤6は例えば、電力系統(系統電源)100に接続されている主幹ブレーカ62や複数の分岐ブレーカ63等の各種内器が、キャビネット61に取り付けられている、一般的な住宅用の分電盤である。
安定化電源装置1の複数の電源ユニット2は、第1の端子41を介して、複数の分岐ブレーカ63に一対一に対応して接続される。また複数の電源ユニット2の各々は、第2の端子51を介して、個別の負荷回路7に電気的に接続される。すなわち、複数の電源ユニット2の各々は、複数の分岐ブレーカ63のいずれか1個と負荷回路7との間に電気的に接続される。負荷回路7は、エアコンや照明器具等の機器、コンセント、スイッチ、屋内配線等を含む。
ここで、本実施形態における複数の電源ユニット2の各々は、調節部23により入力電圧を基準電圧の範囲(例えば200〜270V)に収まるように安定化させて、出力電圧として出力する。ただし、入力電圧が許容範囲(例えば180〜290V)を逸脱している場合、すなわち入力電圧が180Vより小さい場合、及び290Vより大きい場合には、遮断部24により出力電圧の出力を停止する。また、遮断部24により出力電圧の出力を停止した後、所定の復帰時間(例えば3分)が経過すると、復帰部25により出力電圧の出力を再開する。
トランス233は、一次側に入力された入力電圧を降圧又は昇圧する。検出部234は、ダイオードブリッジDBにより整流した入力電圧の大きさを、分圧抵抗R1,R2により100分の1程度に分圧する。分圧抵抗R1,R2が分圧した後の電圧は、制御部235であるマイコンの入力ピンに入力される。制御部235は、入力ピンから入力された電圧の最大値を特定し、その最大値(以下、対象電圧という)が許容範囲内にあるか否かを判定する。
その結果、対象電圧が許容範囲外である場合、制御部235はスイッチ要素238を全てオフにする信号をスイッチ要素238へ出力する。これにより、第3の端子231に入力された入力電圧は、出力電圧として出力されず、第4の端子232からの出力電圧の出力は停止する。
反対に、対象電圧が許容範囲内である場合、制御部235は対象電圧が基準電圧の範囲であるか否かを判定する。その結果、対象電圧が基準電圧の範囲内である場合、制御部235はスイッチ要素238のうち、第3のタップ293に対応するスイッチ要素238のみをオンとする信号をスイッチ要素238へ出力する。これにより、第3の端子231に入力された入力電圧は、電圧の大きさを変えずに出力電圧をして第4の端子232から出力される。
また、対象電圧が許容電圧内であり且つ基準電圧の範囲の下限値を下回る場合、制御部235はスイッチ要素238のうち、第4のタップ294に対応するスイッチ要素のみをオンとする信号をスイッチ要素238へ出力する。これにより、第3の端子231に入力された入力電圧は、電圧の大きさが5/4倍に昇圧され、出力電圧として第4の端子232から出力される。
これに対し、対象電圧が許容電圧内であり且つ基準電圧の範囲の上限値を上回る場合、制御部235はスイッチ要素238のうち、第2のタップ292に対応するスイッチ要素のみをオンとする信号をスイッチ要素238へ出力する。これにより、第3の端子231に入力された入力電圧は、電圧の大きさが4/5倍に降圧され、出力電圧として第4の端子232から出力される。
また、対象電圧が許容範囲外である場合において、第4の端子232からの出力電圧の出力が停止すると、制御部235は対象電圧が再び許容範囲内になるまで監視する。そして、対象電圧が許容範囲内となり、且つその後3分間継続して許容範囲内であれば、出力電圧の出力を再開する。
このようにして、調節部23は、複数の電源ユニット2に入力された入力電圧が許容範囲内であれば基準電圧の範囲に収まるように安定化する。また遮断部24は、高電圧時や停電時のように入力電圧が許容範囲を逸脱している場合には、出力電圧の出力を停止して負荷回路7を保護する。さらに復帰部25は、出力電圧の出力を停止した後、所定の復帰時間が経過すると出力電圧の出力を再開する。
ここで、文献1に記載の安定化電源装置のように、個々の機器に対して設置する安定化電源装置(以下、主幹用安定化電源装置という)は、一つの安定化電源装置が正常に機能しない場合でも他の安定化電源装置やその接続機器には影響しないという利点がある。またその一方で、機器の数だけ安定化電源装置が必要であるため、設置スペースの確保や配線の取り回しが難しいという欠点がある。
これに対し、屋内分電盤の主幹ブレーカと系統電源の間に設置される安定化電源装置(以下、住宅用安定化電源装置という)が考えられる。この安定化電源装置は、屋内の全ての機器に対して1台のみ接続される。この安定化電源装置は屋内に1台のみ設置すればよく、個々の機器に対して設置する安定化電源装置に比べて設置が容易であるという利点がある。またその一方で、1台の安定化電源装置が故障すれば、屋内における全ての機器に影響するという欠点がある。また、機器の台数が増え安定化電源装置の電流容量を変える際には、1台の安定化電源装置を丸ごと入れ替える必要がある。さらに、安定化電源装置自体のサイズや重量が比較的大きいという問題がある。
本実施形態の安定化電源装置1は、複数の分岐ブレーカ63の各々に出力電圧を安定化させる複数の電源ユニット2を設けている。これにより、一つの電源ユニットが正常に機能しない場合でも、他の電源ユニットに接続されている負荷回路7には影響がない。また、本実施形態の安定化電源装置1は、盤本体3に上記の複数の電源ユニット2を備えている。これにより、屋内に一台の安定化電源装置1のみを設置すればよいので、容易に設置できる。よって、本実施形態の安定化電源装置1では、上述した主幹用安定化電源装置及び住宅用安定化電源装置の欠点が解消されており、設置スペースの確保や配線の取り回しを検討することなく、容易に取り付けることができる。すなわち、この安定化電源装置1によれば、設置スペースの確保や配線の取り回しが簡単で、容易に取り付け可能である、という利点がある。
次に、本実施形態に係る配電システムについて説明する。
配電システムは、安定化電源装置1と、分電盤6と、分散電源8と、負荷回路7とを備える。分散電源8は、パワーコンディショナ(以後、パワコンと略す。)81と、PV(Photovoltaic)パネル82とを有する。
本実施形態における分散電源8について、図5を参照にして説明する。ただし、パワコン81及びPVパネル82の詳細な構造については、図示並びに説明を省略する。
パワコン81は、インバータ(図示せず)等を有し、直流電力を交流電力に変換する。PVパネル82は、複数の太陽電池セル(図示せず)等を有し、例えば、屋根に設置されて、太陽光によって発電する。PVパネル82には、生成した直流電力を出力する出力ケーブル(図示せず)の一端が接続されている。前記ケーブルの他端は、パワコン81に接続される。
パワコン81は、電力系統100と系統連系しているので、電力系統100の電力が供給される負荷回路7に、PVパネル82によって生成される電力を供給することが可能である。
ところで、例えば、負荷回路7を使用するのに必要な電力が、分散電源8によって生成される電力だけでは不足している場合、不足分の電力は、電力系統100の電力によって、補うことができる。
また、分散電源8によって生成される電力が十分に足りている場合、分散電源8によって生成される電力から、負荷回路7に使用される電力を差し引いた電力は、電力系統(電力系統100)に逆潮流することも可能である。
本実施形態の配電システムについて、図5を参照して説明する。電力系統100から配電システムに入力される電圧が許容範囲内にある期間を供給期間と呼び、電力系統100から入力される電圧が許容範囲外にある期間を遮断期間と呼ぶ。ただし、電力系統100が停電して電力が遮断されている期間は停電期間と呼ぶ。
ここで、配電路101,102,103について、図5を参照して説明する。
配電路101は、複数の分岐ブレーカ63の二次側と安定化電源装置1の複数の第1の端子41とを接続する。配電路102は、パワコン81の出力部811と分電盤6の主幹ブレーカ62とを接続する。配電路103は、パワコン81が後述の自立運転をする場合に利用される配電路であって、パワコン81の出力部812と安定化電源装置1の第2の端子51の各々とを接続する。
パワコン81の自立運転について説明する。パワコン81は、常に電力系統100の電圧を監視している。さらに、パワコン81は、系統連系用の出力部811と自立運転用の出力部812とを有する。パワコン81は、遮断期間、及び停電期間に自立運転を行う。自立運転を行う場合、まず、パワコン81は、電力系統100に逆潮流が発生しないように、電力系統100と解列する。そして、パワコン81は、電力の出力先を系統連系用の出力部811から自立運転用の出力部812に切り換える。系統連系用の出力部811は配電路102と接続されており、自立運転用の出力部812は配電路103と接続されている。パワコン81はこの2つの出力部811,812を切り換えることで、供給期間と、遮断期間及び停電期間とで配電路を切り換えることができる。
供給期間においては、分散電源8によって生成される電力は、配電路102を介して分電盤6の主幹ブレーカ62(図4参照)の一次側に入力される。電力系統100からの電力及び分散電源8によって生成される電力は、ともに配電路101を介し、安定化電源装置1を経て負荷回路7に供給される。
遮断期間においては、電力系統100からの電力は、電源ユニット2の遮断部24(図2参照)によって遮断される。分散電源8によって生成される電力は、配電路103を介して、安定化電源装置1の第2の端子51(図1参照)に入力される。つまり、分散電源8によって生成される電力は、電源ユニット2の回路ブロック20を介さないので、遮断部24によって遮断されることなく負荷回路7に供給される。したがって、電力系統100からの電力が遮断部24によって遮断されても、負荷回路7は継続して使用することができる。
停電期間においては、分散電源8によって生成される電力は、配電路103を介して、安定化電源装置1の第2の端子51に入力されて、負荷回路7へ供給される。したがって、電力系統100が停電等による供給停止の状態であっても、負荷回路7を継続して使用することができる。
このように、パワコン81の自立運転によって、遮断期間及び停電期間のどちらの場合においても、配電路を切り換えて負荷回路7に電力を供給し、負荷回路7を継続して使用することができる。
ただし、安定化電源装置1は、分散電源8を用いた配電システムの一部として利用されなくてもよい。
なお、複数の電源ユニット2は複数の分岐ブレーカ63と負荷回路7との間に設置されていなくてもよい。複数の電源ユニット2は、複数の分岐ブレーカ63に一対一に対応して設置されていればよく、例えば主幹ブレーカ62と複数の分岐ブレーカ63の間に設置されてもよい。
本実施形態では、盤本体3と、入力端子台4と、出力端子台5と、複数の電源ユニット2のケース26とは合成樹脂製であるが、これらは合成樹脂製でなくてもよく、例えば金属製でもよい。また、盤本体3は扉を有していなくてもよい。さらに、取付スペース31には、本実施形態のようにDINレールが設けられていなくてもよく、複数の電源ユニット2をねじ等により固定することが可能な設置盤が設けられていてもよい。その場合、複数の電源ユニット2はそれに対応した取付構造である必要がある。
また、電源ユニット2の回路ブロック20が有するトランス233は、本実施形態のように一次側と二次側とが電気的に絶縁されている絶縁トランスでなくてもよい。トランス233は、一次巻線と二次巻線とが一部を兼用し、一次側と二次側とが電気的に絶縁されていない単巻トランスでもよい。単巻トランスでは、一次巻線と二次巻線との兼用部分である分路巻線のインピーダンスが小さいため、電圧変動が小さい。また、分路巻線では一次巻線と二次巻線との巻き数比N2/N1に応じた電流しか流れないため、絶縁トランスに比べて巻線の線径を小さくすることができる。従って、トランス233を単巻トランスとすることで、トランス233を絶縁トランスとした場合に比べて小型化・軽量化できる可能性がある。
ところで、本実施形態の変形例として、複数の電源ユニット2の各々は、図6に示すように、3つの接続状態を切り替える切替スイッチ27を有していてもよい。3つの接続状態のうち第1の接続状態では、入力端子21と出力端子22との間に調節部23が電気的に接続されている。第2の接続状態では、入力端子21が出力端子22に直接接続されている。第3の接続状態では、入力端子21が出力端子22から電気的に切り離されている。これにより、ユーザは複数の電源ユニット2の各々について、使用/不使用を選択できる。また、分電盤内部のブレーカを扱うことなく、負荷回路7への電力供給を遮断することができる。
なお、この切替スイッチ27は、3つの接続状態のうち少なくとも2つの接続状態を切り替える構成であればよい。また、切替スイッチ27は、入力端子21と第3の端子231との間に電気的に接続されているか、もしくは第4の端子232と出力端子22との間に接続されることが望ましい。この切替スイッチ27により、複数の電源ユニット2の各々を使用するか否か、適宜ユーザが選択することができる。
また、上記の接続態様では、各電源ユニット2は一対の出力端子22を1組だけ有するが、複数の電源ユニット2の各々は、出力端子22を複数有することが望ましい。例えば、定格電流が5Aである負荷回路73が2個接続される場合、各電源ユニット2が1組の出力端子22しか有していなければ、電源ユニット2は2個必要となる。一方で、各電源ユニット2が複数の出力端子22を有していれば、1個の各電源ユニットに負荷回路73を2個接続可能である。よって、各電源ユニット2が複数の出力端子22を有している場合、各電源ユニット2が1組の出力端子22しか有していない場合に比べて、使用できる負荷回路7の数が増え、ユーザの自由度が高まる。
複数の電源ユニット2の各々は、図2に示すように、復帰時間を設定可能な設定部28を有することが望ましい。例えば、複数の電源ユニット2の各々は、操作部281を有している。操作部281は、復帰時間を設定するつまみ又はボタンを有しており、ユーザはこの操作部281にて復帰時間を設定する。ユーザが設定した復帰時間により、制御部235内で設定されている復帰時間が上書きされ、復帰時間は変更される。これによりユーザ自らが、接続している負荷回路7に応じて適切な復帰時間を設定することができる。
ところで、負荷回路7の許容電流の範囲を超える大電流(例えば、落雷による)が電力系統100から流れる場合がある。このような場合、電力系統から流れる大電流が本実施形態の配電システムへと流れてしまい、電源ユニット2の回路ブロック20(図1参照)や負荷回路7が誤動作してしまう可能性がある。安定化電源装置1や負荷回路7の誤動作を防止するために、安定化電源装置1は、図7に示すように、短絡部91を有することが好ましい。短絡部91は、安定化電源装置1に大電流が流れ込んだ場合、第1の端子41(図1参照)と電源ユニット2の入力端子21(図1参照)との間を電気的に短絡させる。短絡部91は、例えばバリスタ等のサージ吸収素子、ヒューズ等の回路部品を用いて構成される。
サージ吸収素子(図示せず)の一端は、グランドに接続される。また、サージ吸収素子のグランドに接続されている端と反対側の端は、第1の端子41と入力端子21との間に電気的に接続される。ゆえに、大電流は回路ブロック20に到達するまでにサージ吸収素子を通ってグランドへ流れるので、短絡部91は、回路ブロック20や負荷回路7を保護することが可能である。なお、ヒューズ(図示せず)は、サージ吸収素子に流れる電流の経路上に電気的に接続される。
また、電力系統100からの電力が停電等により一時的に遮断される場合、及び一時的に電圧が低下する場合、負荷回路7は継続使用するのに十分な電力が保てず停止してしまうことがある。このような事態を回避するために、図8に示すように、負荷回路7に遅延なく自動的に電力を供給する無停電電源装置(以後、UPS(Uninterrupteble Power Supply)と略す。)92を有することが好ましい。UPS92は、詳細な構造についての図示並びに説明を省略する。UPS92は、安定化電源装置1の第1の端子41(図2参照)と電源ユニット2の入力端子21(図1参照)との間に設置される。さらに、UPS92は、長時間の停電等に対応するために、図9に示すように、蓄電池93を接続することが好ましい。この場合、UPS92は、蓄電池93からの直流電力を交流電力に変換し、安定化電源装置1に電力を供給する。したがって、長時間の停電等が発生した場合においても、負荷回路7を継続して使用することができる。
さらに、安定化電源装置1は、図10に示すように、消費電力の表示や過電流保護のために電力を検出する電力検出部94を有することが好ましい。電力検出部94は、安定化電源装置1の第1の端子41と電源ユニット2の入力端子21との間に設置される。電力検出部94は、制御部(図示せず)、通信部(図示せず)等を有する。制御部は、例えばマイコン(マイクロコンピュータ)、抵抗器等の回路部品を用いて構成される。通信部は、有線通信する場合に必要なコネクタ、及び無線通信する場合に必要な無線LAN(Local Area Network)アンテナ等の回路部品を用いて構成される。電力検出部94は、安定化電源装置1に入力される電圧及び電流を監視し、これらの値から制御部によって安定化電源装置1に入力される電力を検出する。電力検出部94は、検出結果(電力値)を送信部によって例えば液晶ディスプレイを用いた表示機器に送信して、ユーザに報知することが可能である。また、電力検出部94は、回路ブロック20(図1参照)や負荷回路7が誤動作してしまう可能性がある大電流を検出した場合、通信部によって負荷回路7に信号を送信して、負荷回路7への電力を遮断することが可能である。
なお、本実施形態において、負荷回路7は、配電システムの構成要件として含まれなくてもよい。また、1つの電源ユニット2に複数の負荷回路7が電気的に接続されてもよい。
さらに、本実施形態において、分散電源8がパワコン81とPVパネル82とを備える例を示したが、これに限らず、分散電源8は蓄電池や燃料電池等を備えてもよい。
ところで、文献1の配電システムにおいて、電力系統100からの供給電圧が規定範囲外、つまり、遮断期間及び停電期間においては、再接続が行われるまで複数の負荷回路7に電力が供給されなくなり、複数の負荷回路7を使用することができなかった。
一方、本実施形態の配電システムでは、分散電源8を用いることによって、遮断期間及び停電期間においても、複数の負荷回路7を継続して使用することができる。
すなわち、本実施形態の配電システムは、電力系統100から供給される電力を分岐して供給することが可能な分電盤6と、安定化電源装置1とを備える。さらに、本実施形態の配電システムは、分電盤6及び安定化電源装置1の少なくとも一方に電気的に接続されている分散電源8を備える。分散電源8は、負荷回路7との間の電力供給路に複数の電源ユニット2のうち少なくとも1つの電源ユニット2を含むように接続されている。
このように、本実施形態の配電システムは、分散電源8と負荷回路7との間の電力供給路に複数の電源ユニット2の少なくとも1つを備える。こうすることで、電力系統100からの電力が遮断されても負荷回路7に電力を供給できる配電システムを提供することができる。しかも、供給期間において、本実施形態の配電システムでは、電力系統100からの電力及び分散電源8によって生成される電力の両方が、電源ユニット2を通るので、安定した電力を負荷回路7に供給することが可能である。
本実施形態の配電システムでは、分散電源8の自立運転によって生成される電力を安定化電源装置1に供給する配線(配電路103)が設けられていることが好ましい。
このように、本実施形態の配電システムでは、配電路103を有することによって、遮断期間及び停電期間でも分散電源8から負荷回路7に電力を供給し、負荷回路7を継続して利用することが可能である。
本実施形態の配電システムでは、複数の分岐ブレーカ63と複数の電源ユニット2とが一対一に対応し、対応する分岐ブレーカ63と電源ユニット2とが、電力系統100と負荷回路7との間で、電気的に直列に接続されていることが好ましい。
これにより、複数の分岐ブレーカ63の各々と複数の電源ユニット2の各々を接続することが容易であるので、安定化電源装置1の施工時、施工効率の向上が期待できる。
本実施形態の配電システムでは、複数の分岐ブレーカ63のうちの1つと複数の電源ユニット2のうちの少なくとも2つの各々とが、電力系統100と負荷回路7との間で、電気的に直列に接続されていることが好ましい。
これにより、本実施形態の配電システムにおいて、1つの電源ユニット2が誤作動を起こした場合でも、同じ分岐ブレーカ63を介した他の電源ユニット2を経た負荷回路7に対して影響を及ぼさない。したがって、より、信頼性の向上が期待できる。
本実施形態の配電システムにおいて、安定化電源装置1は、負荷回路7の許容電流範囲を超える電流が負荷回路7に流れないように電流をグランドへ流す短絡部91を有することが好ましい。
これにより、本実施形態の配電システムは、落雷等の大電流から接続する負荷回路7を保護することが可能である。
本実施形態の配電システムにおいて、安定化電源装置1は、電力系統100の停電時に負荷回路7に電力を供給するUPS92を有することが好ましい。
これにより、本実施形態の配電システムにおいて、電力系統100が一時的な停電又は低電圧の場合でも、電力供給を遅延なく自動で継続することが可能である。したがって、負荷回路7を継続して利用することが可能である。
本実施形態の配電システムにおいて、UPS92は、蓄電池93に接続されていることが好ましい。
これにより、本実施形態の配電システムにおいて、UPS92だけでは足りない電力を補うことが可能である。つまり、長時間の停電及び低電圧時に、負荷回路7を継続して利用することが可能である。
本実施形態の配電システムにおいて、安定化電源装置1は、安定化電源装置1に入力される電力を検出する電力検出部94を有することが好ましい。
これにより、本実施形態の配電システムでは、電力(電圧及び電流)が表示されることで、ユーザに報知することが可能である。
(実施形態2)
本実施形態の安定化電源装置1は、盤本体3が互いに電流容量、出力範囲、復帰時間のうちいずれか1つ以上が異なる2種類以上の電源ユニットから選択された、複数の電源ユニットを取付スペース31に取り付け可能に構成されている点で実施形態1と相違する。
なお、本実施形態に係る安定化電源装置1の構造は、上記を除いて、実施形態1に記載の安定化電源装置の構造と共通している。
図11に示すように、複数の電源ユニット2の各々において、トランス233や切替スイッチ27などの構成要素の電流容量は、電源ユニットが接続されている分岐ブレーカ63の電流容量以上であることが望ましい。例えば、分岐ブレーカの電流容量が10Aであれば、その分岐ブレーカ63に接続する電源ユニットの電流容量は10A以上であることが望ましい。以下、最も電流容量が小さい電源ユニットの構成要素の電流容量を、電源ユニットの電流容量とする。
本実施形態では、負荷回路7として負荷回路71,72,73,74を使用する。負荷回路71,72,73,74の定格電流は順に、1A,3A,5A,10Aである。また、複数の分岐ブレーカ63として、電流容量が異なる分岐ブレーカ631,632,633,634,635,636が分電盤6に取り付けられている。分岐ブレーカ631,632の電流容量は順に、10A,15Aである。
ここで例えば、電流容量が異なる電源ユニット201,202がラインナップされている。電源ユニット201,202の電流容量は順に、15A,20Aである。また、これらの電源ユニット201,202の各々は、電流容量以外の構成が全て同じであり、いずれも取付スペース31に取り付け可能である。
本実施形態では一例として、分岐ブレーカ631に電源ユニット201が取り付けられる。分岐ブレーカ632に電源ユニット202が取り付けられる。また、電源ユニット201からは10Aの電流を取り出すことができるため、電源ユニット201には負荷回路71,72,73が接続される。電源ユニット202からは15Aの電流を取り出すことができるため、電源ユニット202には負荷回路74が接続される。
このように、盤本体3は、互いに電流容量が異なる2種類以上の電源ユニット201,202から選択された複数の電源ユニットを取付スペース31に取り付け可能に構成されていることが好ましい。複数の電源ユニット2の各々の電流容量がユーザにより選択可能であれば、使用する負荷回路7によって複数の分岐ブレーカ63の各々の電流容量に対応した電源ユニットを選択することができる。
次に、複数の電源ユニット2の各々の出力範囲が変わると、負荷回路7で使用可能な電圧範囲が変わる。本実施形態において、複数の電源ユニット2の各々はトランス233の二次側に複数のタップ291〜294を有しており、このタップ数が多くなるほど出力範囲を細かく設定できる。
本実施形態では、負荷回路7としてさらに負荷回路75,76を使用する。負荷回路75は200〜240Vで使用可能であり、負荷回路76は200〜220Vで使用可能である。この場合、負荷回路75を使用するためには、出力範囲が200〜240Vである電源ユニットを取り付ける必要がある。負荷回路76を使用するためには、出力範囲が200〜220Vである電源ユニットを取り付ける必要がある。
ここで例えば、出力範囲の異なる電源ユニット203,204がラインナップされている。電源ユニット203,204の出力範囲は順に、200〜240V,200〜220Vである。また、これらの電源ユニット203,204の各々は、出力範囲以外の構成が全て同じであり、いずれも取付スペース31に取り付け可能である。
本実施形態では一例として、分岐ブレーカ633に電源ユニット203が取り付けられる。分岐ブレーカ634に電源ユニット204が取り付けられる。また、電源ユニット203の出力範囲は200〜240Vであるため、電源ユニット203には負荷回路75が接続される。電源ユニット204の出力範囲は200〜220Vであるため、電源ユニット204には負荷回路76が接続される。
このように、盤本体3は、互いに出力範囲が異なる2種類以上の電源ユニット203,204から選択された複数の電源ユニットを取付スペース31に取り付け可能に構成されていることが好ましい。これにより、ユーザは負荷回路7の仕様に応じて適切な出力範囲の電源ユニットを選択し取り付けることができる。
また、複数の電源ユニット2の各々の復帰時間が変わると、電源ユニットの出力電圧が停止された後に出力が再開されるまでの時間が変わる。すなわち、負荷回路7に接続されている負荷回路7への電力供給が遮断され、負荷回路7の電源がオフとなった後、再び負荷回路7の電源がオンとなるタイミングが変わる。例えば、モータを有する負荷回路7の電源が停電などでオフとなっても、モータが完全停止した後に電源がオンとなるような電源ユニットを用いれば、負荷回路7を正常に動作させることができる。
本実施形態では、負荷回路7としてさらに負荷回路77,78を使用する。負荷回路77は停止後1分の復帰時間で正常に再起動することができる。負荷回路78は停止後3分の復帰時間で正常に再起動することができる。
ここで例えば、復帰時間の異なる電源ユニット205,206がラインナップされている。電源ユニット205,206の復帰時間は順に、1分,3分である。また、これらの電源ユニット205,206の各々は、復帰時間以外の構成が全て同じであり、いずれも取付スペース31に取り付け可能である。
本実施形態では一例として、分岐ブレーカ635に電源ユニット205が取り付けられる。分岐ブレーカ636に電源ユニット206が取り付けられる。また、電源ユニット205の復帰時間は1分であるため、電源ユニット205には負荷回路77が接続される。電源ユニット206の出力範囲は3分であるため、電源ユニット206には負荷回路78が接続される。
このように、盤本体3は、互いに復帰時間が異なる2種類以上の電源ユニット205,206から選択された複数の電源ユニット2を取付スペース31に取り付け可能に構成されていることが好ましい。これにより、ユーザは負荷回路7の仕様に応じて適切な復帰時間の電源ユニットを選択し取り付けることができる。
これにより、停電時などにおいて分岐ブレーカにより電力供給が遮断され、負荷回路77,78の電源が切れた場合でも、十分な復帰時間を経ることで負荷回路77,78を正常に動作させることができる。
(実施形態3)
本実施形態の安定化電源装置1は、盤本体3が分電盤6のキャビネット61に兼用されている点で実施形態1と相違する。なお、本実施形態に係る安定化電源装置1の構造は、上記を除いて、実施形態1に記載の安定化電源装置の構造と共通している。
本実施形態の接続態様を図12に示す。本実施形態の複数の電源ユニット2は、屋内の壁に設置されている住宅用の分電盤6内に設置されている。この分電盤6は、キャビネット61と、電力系統100に接続されている主幹ブレーカ62と、複数の分岐ブレーカ63とを備えている。キャビネット61は、内部に主幹ブレーカ62、複数の分岐ブレーカ63等の各種内器を取り付けるスペースを有するだけでなく、分電スペース64をさらに有する。分電スペース64は、複数の電源ユニット2と、入力端子台4と、出力端子台5とを取り付けるためのスペースであって、実施形態1における取付スペース31に相当する。
例えば、キャビネット61内部において、複数の分岐ブレーカ63は横一列に並んで取り付けられており、分岐ブレーカ63が取り付けられているスペースの下側に、分電スペース64が設けられている。この分電スペース64には上から順に、入力端子台4と、DINレールと、出力端子台5とが設けられており、分電スペース64の横幅は複数の分岐ブレーカ63を取り付けるスペースの横幅とほぼ同じである。
また、複数の電源ユニット2は実施形態1と同様の構成をしており、ケース26の取付部によるDINレールへの取り付けが可能である。よって、DINレールには複数の電源ユニット2が、複数の分岐ブレーカ63に一対一に対応して取り付けられる。
入力端子台4が有する第1の端子41は、複数の電源ユニット2の各々の入力端子21と電気的に接続されている。出力端子台5が有する第2の端子51は、複数の電源ユニット2の各々の出力端子22と電気的に接続されている。よって、実施形態1と同様に、複数の分岐ブレーカの各々に入力される入力電圧は、第1の端子41及び入力端子21を介して複数の電源ユニット2の各々に入力される。また、複数の電源ユニット2の各々から出力される出力電圧は、第2の端子51及び出力端子22を介して負荷回路7へ入力される。
本実施形態の構成によれば、安定化電源装置1の盤本体3と分電盤6のキャビネット61とを兼用することで、分電盤6は複数の電源ユニット2と入力端子台4と出力端子台5とを内蔵し、安定化電源装置1と盤本体3とは一体化される。これにより、安定化電源装置1を分電盤6とは別に設置する場合に比べて、安定化電源装置1及び分電盤6の占有スペースを縮小することができる。また、配線の取り回しもより簡素化され、容易に安定化電源装置1を設置することができる。
なお、本実施形態の構成は、実施形態2と併用可能である。
(実施形態4)
本実施形態の配電システムは、供給期間において、分散電源8によって生成される電力が供給される配電路が異なる点で実施形態1と相違する。なお、本実施形態の配電システムの構成は、実施形態2及び3と併用可能である。また、実施形態1と重複する構成については同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施形態の配電システムについて、図13を参照して説明する。配電路104は、実施形態1の配電路102に代えて適用される。配電路104は、パワコン81の出力と安定化電源装置1の第1の端子41(図1参照)とを接続する。
供給期間においては、分散電源8で生成される電力は、配電路104を介して安定化電源装置1の第1の端子41に入力される。電力系統100からの電力は分電盤6を経て、配電路101を介して、電源ユニット2の第1の端子41に入力される。安定化電源装置1の第2の端子51から出力されたこれらの電力は、負荷回路7に供給される。
これにより、本実施形態の配電システムにおいて、分電盤6にパワコン81の出力からの電力を入力するための入力部が存在しない場合でも、分散電源8からの電力を安定化させて負荷回路7に供給することが可能である。
(実施形態5)
本実施形態の配電システムは、分散電源8によって生成される電力が供給される配電路が異なる点で実施形態1と相違する。なお、本実施形態の配電システムの構成は、実施形態2及び3と併用可能である。また、実施形態1乃至4と重複する構成については同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施形態の配電システムについて、図14及び図15を参照して説明する。
以下では、電源ユニット2として電源ユニット201〜207を使用する。分岐ブレーカ63として、分岐ブレーカ631〜636を使用する。本実施形態において、分岐ブレーカ636は、2つの電源ユニット206,207と電気的に接続されている。電源ユニット206は、分電盤6のキャビネット61と安定化電源装置1の盤本体3との間で、電源ユニット207に電気的に接続されている。
配電路105,106について、図14を参照して説明する。配電路105は、実施形態1の配電路102に代えて適用される。配電路106は、実施形態1の配電路103に代えて適用される。
配電路105は、パワコン81の出力と、電源ユニット207に接続される第2の端子51とを接続する。配電路106は、パワコン81の出力と、電源ユニット206に接続される第2の端子51とを接続する。
供給期間においては、分散電源8で生成される電力は、配電路105を介して電源ユニット207に接続される第2の端子51に入力される。電源ユニット207に接続される第2の端子51から入力される電力は、電源ユニット207の回路ブロック20を介して電源ユニット207に接続される第1の端子41から出力される。電源ユニット207と電源ユニット206は並列接続されているので、電源ユニット207に接続される第1の端子41から出力される電力は、電源ユニット206に接続される第1の端子41に入力される。電力系統100からの電力は分電盤6の分岐ブレーカ636を経て電源ユニット206に供給される。電源ユニット206に接続される第2の端子51から出力される電力は、負荷回路7に供給される。
遮断期間においては、分散電源8で生成される電力は、配電路106を介して安定化電源装置1の電源ユニット206に接続される第2の端子51に入力される。ここで、電力系統100からの電力は、電源ユニット206の遮断部24によって、負荷回路7への供給が遮断される。ただし、分散電源8によって生成される電力は、電源ユニット206の回路ブロック20を通らないので、遮断部24によって遮断されることなく負荷回路7に供給される。
停電期間においては、分散電源8によって生成される電力は、配電路106を介して、電源ユニット206に接続される第2の端子51に入力されて、負荷回路7に供給される。したがって、電力系統100からの電力が供給されない場合でも、負荷回路7を利用することが可能である。
このように、供給期間、本実施形態の配電システムにおいて、分散電源8によって生成される電力は、電源ユニット2に入力されることによって、電圧が基準電圧範囲となるように安定化されるので、より信頼性のある配電システムを構築することが可能である。

Claims (19)

  1. 複数の分岐ブレーカに対応して設けられ、入力端子に入力される入力電圧の大きさを所定の出力範囲に収まるように調節する調節部を有し、前記調節部で調節した電圧を出力端子から出力電圧として出力する複数の電源ユニットと、
    前記複数の電源ユニットを取り付ける取付スペースを有する盤本体とを備えている
    ことを特徴とする安定化電源装置。
  2. 入力端子台と、出力端子台とをさらに備え、
    前記入力端子台は、前記複数の電源ユニットに一対一に対応し、各々が、対応する電源ユニットの前記入力端子と電気的に接続される複数の第1の端子を有し、
    前記出力端子台は、前記複数の電源ユニットに一対一に対応し、各々が、対応する電源ユニットの前記出力端子と電気的に接続される複数の第2の端子を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の安定化電源装置。
  3. 前記盤本体は、互いに電流容量が異なる2種類以上の電源ユニットから選択された前記複数の電源ユニットを前記取付スペースに取り付け可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の安定化電源装置。
  4. 前記盤本体は、互いに前記出力範囲が異なる2種類以上の電源ユニットから選択された前記複数の電源ユニットを前記取付スペースに取り付け可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の安定化電源装置。
  5. 前記複数の電源ユニットの各々は、前記入力端子と前記出力端子との間に前記調節部が電気的に接続されている第1の接続状態と、前記入力端子が前記出力端子に直接接続されている第2の接続状態と、前記入力端子が前記出力端子から電気的に切り離されている第3の接続状態とのうち少なくとも2つの接続状態を切り替える切替スイッチを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の安定化電源装置。
  6. 前記複数の電源ユニットの各々は、前記出力端子を複数有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の安定化電源装置。
  7. 前記盤本体は、分電盤のキャビネットに兼用されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の安定化電源装置。
  8. 前記複数の電源ユニットの各々は、前記出力電圧の出力を停止する遮断部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の安定化電源装置。
  9. 前記複数の電源ユニットの各々は、前記出力電圧の出力の停止後、所定の復帰時間が経過すると前記出力電圧の出力の再開を行う復帰部を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の安定化電源装置。
  10. 前記盤本体は、互いに前記復帰時間が異なる2種類以上の電源ユニットから選択された前記複数の電源ユニットを前記取付スペースに取り付け可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の安定化電源装置。
  11. 前記複数の電源ユニットの各々は、前記復帰時間を設定可能な設定部を有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の安定化電源装置。
  12. 電力系統から供給される電力を分岐して供給することが可能な分電盤と、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の安定化電源装置と、
    前記分電盤及び前記安定化電源装置の少なくとも一方に電気的に接続されている分散電源とを備え、
    前記分散電源は、負荷回路との間の電力供給路に前記複数の電源ユニットのうち少なくとも1つの電源ユニットを含むように接続されていることを特徴とする配電システム。
  13. 前記分散電源の自立運転によって生成される電力を前記安定化電源装置に供給する配線が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の配電システム。
  14. 前記複数の分岐ブレーカと前記複数の電源ユニットとが一対一に対応し、対応する分岐ブレーカと電源ユニットとが、前記電力系統と前記負荷回路との間で、電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の配電システム。
  15. 前記複数の分岐ブレーカのうちの1つと前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも2つの各々とが、前記電力系統と前記負荷回路との間で、電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の配電システム。
  16. 前記安定化電源装置は、前記負荷回路の許容電流範囲を超える電流が前記負荷回路に流れないように前記電流をグランドへ流す短絡部を有することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の配電システム。
  17. 前記安定化電源装置は、前記電力系統の停電時に前記負荷回路に電力を供給する無停電電源装置を有することを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の配電システム。
  18. 前記無停電電源装置は、蓄電池に電気的に接続されていることを特徴とする請求項17に記載の配電システム。
  19. 前記安定化電源装置は、前記安定化電源装置に入力される電力を検出する電力検出部を有することを特徴とする請求項12乃至18のいずれか一項に記載の配電システム。
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