JPWO2015159919A1 - 発光用紙、偽造防止媒体および包装容器 - Google Patents

発光用紙、偽造防止媒体および包装容器 Download PDF

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Abstract

発光強度が高く、外観上の違和感も生じさせない発光用紙、偽造防止媒体および包装容器を提供する。発光用紙(1)は、紙パルプ繊維(2)と、応力発光材料(3)とを含み、紙パルプ繊維(2)と応力発光材料(3)とは、少なくとも一部分において接触するように配置されている。応力発光材料(3)は、外部負荷により紙パルプ繊維(2)を変形させる変形応力が発生したときに、変形応力に応じた発光強度で所定波長の光を発光する。

Description

本発明の実施形態は、発光用紙、偽造防止媒体および包装容器に関する。
応力により発光する応力発光材料は、実用化に向けた種々の開発が行われている(特許文献1,2参照)。特に、応力発光材料は、偽造防止を図る必要のある紙幣や有価証券などの偽造防止媒体への適用が検討されている。
また、米国では、薬のパッケージに偽造防止機能を設けることが法制化される予定になっており、他の国でも、同様の機能が法制化される可能性がある。
特開2007−55144号公報 特開2003−253261号公報
紙幣などの公的な偽造防止媒体は別として、民間で利用される用紙類に偽造防止機能を持たせる場合、できるだけ低コストで、真贋を正しく判定できるのが望ましい。
応力発光材料を含む用紙を作製する場合、紙パルプ繊維に応力発光材料を混入させる必要があるが、応力発光材料が応力により発光したとしても、紙パルプ繊維があるために、用紙の発光強度が弱くなるおそれがある。また、応力発光材料は、応力による発光を行う前に、外部からの光エネルギーを蓄積しておく必要がある。この場合も、応力発光材料の周囲に紙パルプ繊維があると、十分な光エネルギーが応力発光材料に蓄積されないおそれがある。蓄積された光エネルギーが少ないと、応力発光材料の発光強度が弱くなってしまう。
また、偽造防止を図る観点では、用紙に応力発光材料が含まれていることが見た目ではわからないことが望ましい。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光強度が高く、外観上の違和感も生じさせない発光用紙、偽造防止媒体および包装容器を提供することにある。
本の実施形態によれば、紙パルプ繊維と、応力発光材料と、を含み、
前記紙パルプ繊維と前記応力発光材料とは、少なくとも一部分において接触するように配置されており、
前記応力発光材料は、外部負荷により前記紙パルプ繊維を変形させる変形応力が発生したときに、前記変形応力に応じた発光強度で所定波長の光を発光する発光用紙が提供される。
当該発光用紙は、前記紙パルプ繊維の密度が相違する少なくとも2つの領域を有してもよく、
前記2つの領域のうち、前記紙パルプ繊維の密度がより小さい領域は、前記紙パルプ繊維の密度がより大きい領域に比べて、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光してもよい。
前記紙パルプ繊維の密度がより小さい領域の外形形状は、任意の情報を表す形状であってもよい。
当該発光用紙の表面の一部には、当該表面の乱反射を抑制する可視光透過性インキが付着された領域が設けられてもよく、
前記領域は、その他の前記表面に比べて、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光してもよい。
当該発光用紙には、紙厚が互いに相違する少なくとも2つの領域が設けられてもよく、
前記2つの領域のうち、紙厚がより薄い領域は、紙厚がより厚い領域に比べて、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光してもよい。
前記紙厚がより薄い領域の外形形状は、任意の情報を表す形状であってもよい。
当該発光用紙は、前記応力発光材料を含まずに前記紙パルプ繊維を含む第1領域と、前記応力発光材料および前記紙パルプ繊維を含む第2領域と、を含んでもよい。
前記第1領域の紙厚は、前記第2領域の紙厚よりも大きくてもよい。
前記第2領域の外形形状は、任意の情報を表す形状であってもよい。
サイジング剤を含み、
前記サイジング剤の色調と、前記応力発光材料の色調との色差は、0.5以下であってもよい。
前記応力発光材料は、針状または帯状の形状を有し、かつ前記紙パルプ繊維の1/10乃至1/2の長さを持ち、かつ前記紙パルプ繊維と互いに交差するように配置されてもよい。
前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維に積層されてもよい。
前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維を被覆してもよい。
前記応力発光材料は、当該発光用紙に対する前記外部負荷に対して、応力集中係数αが2以上の部位を有してもよい。
本発明の他の一態様では、紙パルプ繊維と、応力発光材料と、を含む偽造防止媒体であって、
前記偽造防止媒体は、少なくとも2つの領域を備え、
前記応力発光材料は、外部負荷により前記紙パルプ繊維を変形させる変形応力が発生したときに、前記2つの領域のうち一方では他方より、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光する偽造防止媒体が提供される。
本発明の他の一態様では、紙パルプ繊維と、応力発光材料と、を含む包装容器であって、
開封のためのミシン目またはシール部材を備え、
前記ミシン目を破るとき、または前記シール部材を剥離するときの外部負荷により前記紙パルプ繊維を変形させる変形応力が発生したときに、前記ミシン目または前記シール部材における前記応力発光材料は、前記変形応力に応じた発光強度で発光する包装容器が提供される。
本発明の第1の実施形態による発光用紙1の断面図。 第1の実施形態による発光用紙1の製紙工程を示す工程図。 本発明の第2の実施形態による発光用紙1の断面図。 本発明の第3の実施形態による発光用紙1の断面図。 第3の実施形態による発光用紙1の製紙工程を示す工程図。 第1手法を説明する図。 第1手法を説明する図。 透かしインキを印刷した紙パルプ繊維2の平面図。 図7AのA−A線断面図。 紙パルプ繊維層に凹部を形成した場合の平面図。 図8AのA−A線断面図。 テープを貼り付けた場所に開口部を形成した平面図。 図9Aに続く工程を示す平面図。 図9Bに続く工程を示す平面図。 図9Cに続く工程を示す平面図。 包装容器の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態による発光用紙1の断面図である。図1の発光用紙1は、紙パルプ繊維2と応力発光材料3とを含んでいる。より具体的には、応力発光材料3は、針状または帯状の形状を有する。以下では、このような形状を有する応力発光材料3をML繊維5と呼ぶ。MLは、メカニカル・ルミネッセンス(Mechanical Luminescence)の略である。
ML繊維5は、典型的には、紙パルプ繊維2の1/10〜1/2の長さを持っている。紙パルプ繊維2として代表的な針葉樹パルプ繊維の場合、1.0〜6.0mmの長さを持っており、ML繊維5の長さは、0.1mm〜3.0mm程度である。
ML繊維5は、例えばユウロピウムを発光中心として添加したアルミン酸ストロンチウムを含んでおり、この場合は応力により緑色の発光を行う。あるいは、マンガンを発光中心として添加した硫化亜鉛を含んでおり、この場合は応力により黄橙色の発光を行う。
図1に示すように、発光用紙1内で紙パルプ繊維2とML繊維5との少なくとも一部が互いに接触している。図1では、紙パルプ繊維2とML繊維5との接触部分を符号4で表している。発光用紙1にかかる外力負荷は、発光用紙1内の紙パルプ繊維2に伝達され、紙パルプ繊維2が互いに引っ張られたり、曲げられたりして変形する。紙パルプ繊維2が変形すると、紙パルプ繊維2に接触しているML繊維5も変形し、ML繊維5は変形応力に応じた発光強度で、所定の波長の光を発光する。
一般に、紙パルプ繊維2とML繊維5の長さが長いほど、両者は交差あるいは絡みやすくなって、応力を受けやすくなる。また、紙パルプ繊維2が長いほど、応力による光が紙パルプ繊維2の長手方向に伝搬しやすくなることから光強度が高くなるが、短手方向の光強度は弱くなる。逆に、紙パルプ繊維2が短い場合には、紙パルプ繊維2の長手方向と短手方向の光強度の差は小さくなる。
図2は第1の実施形態による発光用紙1の製紙工程を示す工程図である。まず、パルプ化工程が行われる(ステップS1)。この工程では、例えば、木材から樹皮を除去してチップ状に粉砕し、水酸化ナトリウムや塩化ナトリウムの水溶液中で高温加熱処理を行い、化学的に木材をパルプ化する。
次に、パルプ漂白工程が行われる(ステップS2)。この工程では、二酸化塩素などの漂白剤で、ステップS1で作製したパルプを漂白する。
次に、パルプの精選および脱水工程が行われる(ステップS3)。この工程では、パルプの中に含まれている未離解繊維や塵を、クリーナ等で除去してから脱水し、パルプシートを形成する。
次に、第1原料調整工程として、融解および叩解が行われる(ステップS4)。この工程では、パルプシートを、パルパー等を用いて、再び水に融解し、パルプが十分な量の水に均一に混ざった状態で、2枚の金属の刃の間にパルプの融解液を通すなどして、パルプを適切なサイズにカットするとともに、毛羽立たせ(フィブリル化し)、繊維同士を結びつきやすくする。
上述したステップS1〜S4の工程を経て、紙パルプ繊維2を含む懸濁液が得られる。
次に、第2原料調整工程として、紙パルプ繊維2を含む懸濁液の中に、応力発光材料3とサイジング剤等が添加される(ステップS5)。
紙パルプ繊維2に対する応力発光材料3の割合は、例えば、紙パルプ繊維2の100%に対して10〜300%とし、具体的な割合は、本発明の発光用紙1の使用目的により設定される。応力発光材料3の割合が、10%未満では、発光用紙1に所定の外部負荷を与えた程度では、視認できるほどの十分な発光が得られず、300%を超えると、発光用紙1の剛性が強くなり過ぎたり、発光用紙1の比重が大きくなり過ぎることになる。
もちろん、発光用紙1の剛性を敢えて強くする用途であれば、応力発光材料3を、300%以上の割合で含めることも可能であるが、紙パルプ繊維2に伝わった変形圧力が、応力発光材料3へ伝達する効率が低下する。
応力発光材料3は、例えば、多面体構造の複数の分子によって形成される母体結晶の空間に、アルカリ金属イオン、及び/または、アルカリ土類金属イオンが、挿入された基本構造を有していてもよい。応力発光材料3の発光中心として、ユウロピウム(Eu)等の希土類金属イオンを用いることができる。なお、応力発光材料3は、応力により発光する材料であればよく、その具体的な材料は、上述したものに限定されない。
応力発光材料3の応力集中係数は、大きいほど望ましく、少なくとも2以上が望ましい。応力発光材料」の応力集中係数を2以上とするためには、繊維状の外形をした応力発光材料の一部に、例えば、その直径の1/10〜1/5の深さの凹みや切欠きを設けることで得られる。
また、応力発光材料3の耐水性を向上するため、応力発光材料3に表面処理を施すことも好適である。この表面処理は、適宜な量の表面処理剤を、適宜な有機溶媒(有機溶剤)に、常温、または、加温して溶解させ、その溶解液に、目的に応じた適宜な量の、上記した応力発光材料3を添加し、デゾルバーやミキサー等の適宜な撹拌装置を用いて、適宜な時間、撹拌した後、適宜な条件下で乾燥させることにより得られる。このとき、応力発光材料3の形状を壊さず、維持するように条件を設定する必要がある。また、有機溶媒の水分含有量を調節することが、さらに好ましく、その水分含有量は、0.5%未満とする。水分含有量が0.5%以上の場合には、溶液中の水分で応力発光材料3の発光特性が低下する。
さらに、耐水性をさらに向上させる目的で、上記した溶解液に添加する応力発光材料3の表面を、予め防水性シリカ層などで被覆しておくことも好適である。この被膜の厚さは、0.1μm〜10μmとなるように設定する。
サイジング剤とは、発光用紙1を製紙する段階で、紙としての印刷適性、平滑性、耐摩擦性、バリヤ性、耐折強度、破裂強度、耐油性、耐薬品性等の性能を向上させるために使用する材料の総称である。サイジング剤には、歩留剤、濾水向上剤、紙力増強剤、粘剤、サイズ剤、嵩高剤、フィラー、及び、塗工用薬品などがある。このうち、サイズ剤とは、紙に印刷用インキを付着させたときに、インキ溶剤の紙への浸透を抑制し、裏移りや滲みを防止、ある程度の耐水性を持たせる材料である。フィラーは、紙を不透明にして裏抜けを防止したり、白色度や平滑性などを持たせるために配合または塗布される鉱物性の粉末である。
上述したステップS5の工程では、発光用紙1の用途に応じて、サイズ剤やフィラーなどの各種のサイジング剤が適量ずつ添加される。
サイジング剤は、発光用紙1の色調に影響するため、サイジング剤の色調と応力発光材料3の色調との色差を、例えば0.5以下にすることで、発光用紙1の外観上、応力発光材料3が目立たなくなる。
上述した図2のステップS5の工程により、紙パルプ繊維2、応力発生材料およびサイジング剤などを含むパルプ懸濁液が得られる。次に、第1抄紙工程として、ワイヤリングおよび搾水工程が行われる(ステップS6)。これにより、水分を含んだ湿紙が得られる。この工程では、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維または青銅繊維などで織られた網(ワイヤ)を、連続して回転できるように帯状したものの上に、上述したパルプ懸濁液を、所定の濃度、速度および角度で、網の幅方向に均一に供給し、ワイヤ上に所定の厚さの塗膜を形成する。次に、ワイヤ上で搾水して発光用紙1用の湿紙を形成する。後述するように、発光用紙1に透かしを入れる場合は、この湿紙に、凹凸の付いたローラを押しつけて、ローラの凸部で押された部分の繊維を周囲に逃がして、湿紙の表面に凹凸を付ける。
次に、第2抄紙工程として、乾燥およびプレス処理が行われる(ステップS7)。この工程では、ワイヤから湿紙を剥離してフェルトに移動させ、プレス機にて、数本のロールで圧力をかけてさらに水分を絞るロールプレス処理が行われる。これにより、密度の高い湿紙が得られる。
その後、湿紙は、スチームにより加熱する多数のシリンダドラムに巻き付けられながら移動し、乾燥される。
最後に、加工および仕上げ工程が行われる(ステップS8)。この工程では、発光用紙1の用途に応じて、サイズプレス処理、艶出し等の塗工処理、カレンダ処理などが行われる。塗工処理やカレンダ処理は、別の専用装置にて行ってもよい。
上述した工程で作製される本の実施形態による発光用紙1は、手漉き方法でも作製できるが、大量に生産するためには、図2に示す製紙工程を実施可能な抄紙機、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式、ヤンキー方式など各方式の抄紙機が用いられる。また、マシンカレンダー処理機を追加することもできる。
本の実施形態による発光用紙1の厚さやサイズは任意であり、厚さは例えば5μm〜500μmであり、サイズはA系列やB系列等の任意のサイズである。
このように、第1の実施形態による発光用紙1では、紙パルプ繊維2と、応力発光材料3からなるML繊維5とが少なくとも一部分において接触されるように配置されているため、発光用紙1に外力負荷がかかったときに、紙パルプ繊維2とML繊維5の双方が外力により変形し、応力発光材料3からなるML繊維5は、変形応力に応じた発光強度で所定波長の光を発光する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、応力発光材料3を微粒子状にして、紙パルプ繊維2に積層させるものである。
図3は本発明の第2の実施形態による発光用紙1の断面図である。図3の発光用紙1は、紙パルプ繊維2に積層されたサイジング剤6の微粒子と、同じく紙パルプ繊維2に積層された応力発光材料3の微粒子とを有する。以下では、応力発光材料3の微粒子を、ML微粒子7と呼ぶ。
応力発光材料3およびサイジング剤6の具体的な材料は第1の実施形態と同様である。応力発光材料3からなるML微粒子7は、最大直径で、0.1μm〜50μm、好適には、5.0μm〜20μmである。あるいは、ML微粒子7は、平均粒径D50で、0.05μm〜20μm、好適には、0.5μm〜10μmである。ML微粒子7は、例えば、応力発光材料3の平板や塊を、物理的に粉砕して微粒子化される。
第2の実施形態による発光用紙1は、図2と同様の工程にて作製される。ただし、ステップS5の第2原料調整工程の内容が第1の実施形態とは相違している。
紙パルプ繊維2に応力発光材料3の微粒子を積層する最も単純な積層方法では、図2のステップS5において、網目状紙パルプ繊維2の上に、上記した所定の形状の応力発光材料3を、液化石油ガスに分散させたスプレー溶液(応力発光材料3/液化石油ガスの重量比率が、10/100〜50/100)とし、電動スプレーやエアースプレーを用いて、そのスプレー溶液を吹き付けて、応力発光材料3を、その紙パルプ繊維2の表面(おもて面、及び/または、裏面。以下、同様。)に付着させる。
応力発光材料3の微粒子(平均粒径D50で、0.05〜5.0μm)、さらには、適宜な界面活性剤等で表面処理して、スプレー溶液中に浮遊し易くしたり、紙パルプ繊維2の接触面での結合を強くしたものを用いてもよい。
いずれにしても、少なくとも、紙パルプ繊維2の重量に対して、付着した応力発光材料3の重量の比が、100/1〜100/30、好適には、100/5〜100/10とする。
他の積層方法としては、上述した網目状紙パルプ繊維2を、一旦、乾燥させ、予め準備した、浸漬溶液(ディッピング液)に浸して、網目状紙パルプ繊維2の表面に、その浸漬溶液を付着させ、乾燥する。このときの浸漬溶液(ディッピング液)として、透明な樹脂に、所定の形状の応力発光材料3を分散したもの、さらには、透明な樹脂に、応力発光材料3を組成とする微粒子を分散したものを、適宜な溶剤に溶解して適宜な流動性をもたせたものを用いることができる。
ここで、透明な樹脂とは、可視光透過率が高い樹脂であり、例えば、ナトリウム原子のD線(590nm)における透過率が50%以上、好ましくは80%以上である。
透明な樹脂にML微粒子7を分散させ、さらに所定の溶剤を加えて流動性を調整する。この際、紙パルス繊維への浸透を抑制するため、比較的高粘度とする。
あるいは、ML微粒子7が分散された透明な樹脂の薄膜を紙パルプ繊維2の表面に積層する代わりに、網目状の紙パルプ繊維2をいったん乾燥させ、その表面に、ML微粒子7を含むインキ組成物を印刷またはコーティングしてもよい。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、応力発光材料3の耐水性を向上させる処理が必要に応じて行われる。
このように、第2の実施形態では、微粒子状の応力発光材料3を紙パルプ繊維2に積層するため、発光用紙1の全域に応力発光材料3を均一に分散させることができ、発光用紙1のどの部分に外部負荷がかかっても、変形応力に応じた発光を行うことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、紙パルプ繊維2を応力発光材料3で被覆するものである。
図4は本発明の第3の実施形態による発光用紙1の断面図である。図4の発光用紙1では、紙パルプ繊維2の表面を応力発光材料3が被覆している。以下では、応力発光材料3で被覆された紙パルプ繊維2をML被覆紙パルプ繊維8と呼ぶ。図4に示すように、ML被覆紙パルプ繊維8同士は、交差しており、より望ましくは絡み合っている。よって、発光用紙1に外部負荷がかかると、ML被覆紙パルプ繊維8が変形し、変形応力に応じた発光強度でML被覆紙パルプ繊維8が発光する。
図5は第3の実施形態による発光用紙1の製紙工程を示す工程図である。図5は、図2のステップS4とS5の間に、応力発光材料3の被覆工程が設けられている(ステップS9)。ステップS9では、応力発光材料3の微粒子、または、応力発光材料3を組成とする微粒子を用いて、ML被覆紙パルプ繊維8を作製する。その際、スプレー方式、ディッピング方式、印刷方式、またはコーティング方式を用いて、応力発光材料3の微粒子、または、応力発光材料3を組成とする微粒子、または、これらの微粒子を透明な樹脂に分散したもので、紙パルプ繊維2を被覆する。
最も単純な被覆方法としては、予め、準備した紙パルプ繊維2の上に、応力発光材料3の微粒子(平均粒径D50で、0.05〜5.0μm)を、液化石油ガス(液化プロパンガスや、ジメチルエタン)に分散させたスプレー溶液(微粒子/液化石油ガスの重量比率を、10/100〜50/100とする。)とし、電動スプレーやエアースプレーを用いて、そのスプレー溶液を吹き付けて、応力発光材料3の微粒子を、その紙パルプ繊維2の表面に付着させ、ML被覆紙パルプ繊維8とする。
紙パルプ繊維2としては、図5に示した製紙工程の中の第1原料調整工程を終えた段階の紙パルプ繊維2の状態、すなわち、それぞれの紙パルプ繊維2の太さや長さが定まり、それらが多量の水分を含んで湿紙と呼ばれる状態、または、その湿紙を、一旦、乾燥させて、いわば、網目状となっている状態のものを用いる。いずれも、網状、且つ、シート状の紙パルプ繊維2(以下、網目状紙パルプ繊維2と呼ぶ)となっている。このとき、応力発光材料3の微粒子を適宜な界面活性剤等で表面処理して、スプレー溶液中に浮遊し易くしたり、紙パルプ繊維2の表面に付着し易くすることも好適である。
このスプレー溶液を、紙パルプ繊維2の表面の全面に吹き付けても良いし、その一部に吹き付けても良いが、少なくとも、紙パルプ繊維2の重量に対して、付着した応力発光材料3の微粒子の重量の比が、100/5〜100/20とする。
そして、このML被覆紙パルプ繊維8同士が交差する際、その交差する部位(所定の部位。)において、それらの部位の最表面にある応力発光材料3の微粒子同士が、互いに、変形応力を強く受け、強く発光することとなる。
他の被覆方法としては、上記した網目状紙パルプ繊維2を、一旦、乾燥させ、予め準備した、浸漬溶液(ディッピング液)に浸して、網目状紙パルプ繊維2の表面に、その浸漬溶液を付着させ、乾燥して、ML被覆紙パルプ繊維8を作製する。
このときの浸漬溶液(ディッピング液)として、応力発光材料3の微粒子(平均粒径D50で、0.05〜5.0μm)を、所定の溶剤、すなわち、高級アルコール、トルエン、キシレン、シクロヘキサノンなどの、沸点が100度以上と高く、蒸発しにくい溶剤(常温蒸気圧が非常に小さいという意味。)、または、不揮発性溶剤に、微粒子/溶剤の重量比で、10/100〜50/100としたもの、または、透明な樹脂に、応力発光材料3を組成とする微粒子を分散したものを、適宜な溶剤に溶解して流動性をもたせたものを用いることができる。
このように、第3の実施形態では、紙パルプ繊維2を応力発光材料3で被覆するため、発光用紙1に外部負荷がかかった場合に、紙パルプ繊維2が変形すると、それに合わせて応力発光材料3も変形するようになり、紙パルプ繊維2全体を均等に光らせることができる。
(第4の実施形態)
応力発光材料3は、蓄光した光エネルギを利用して、応力を受けたときに発光する。よって、応力発光材料3の発光強度を向上させるには、事前に応力発光材料3に十分な光量の光を照射して、その光エネルギを蓄光させなければならない。発光用紙1に含まれる応力発光材料3の蓄光性能を向上させるには、発光用紙1の透過率を上げる必要がある。発光用紙1の透過率が高くなると、発光用紙1の内部にまで届く光の量が増えて、応力発光材料3の蓄光量が増大する。
発光用紙1の透過率を向上させる手法として、発光用紙1の一部に透かしを入れることが有効である。発光用紙1内の透かしが入った領域(以下、透かし領域)は、透かしが入っていない領域に比べて、紙パルプ繊維2の密度が小さい。すなわち、透かし領域は、単位面積当たりの紙パルプ繊維2の量が少ないため、外部光が透過しやすくなり、透かし領域内の応力発光材料3に外部光が届きやすくなり、透かしが入っていない領域よりも、応力発光材料3の蓄光能力が向上する。よって、透かし領域内の応力発光材料3は、透かしが入っていない領域内の応力発光材料3よりも、より高い発光強度が得られる。
また、発光用紙1に外部負荷がかかったときに、透かし領域内の応力発光材料3が発光すると、紙パルプ繊維2の密度が小さいことから、発光した光が紙パルプ繊維2によって妨げられにくくなり、発光用紙1の表面まで届く光の割合が増えて、より明るく視認されることになる。
このように、発光用紙1に部分的に透かしを入れると、透かし領域内の応力発光材料3は、透かしが入っていない領域内の応力発光材料3よりも、明るく発光することになる。
発光用紙1に透かしを入れる手法としては、複数の手法が考えられる。以下では、代表的な第1〜第4手法を順に説明する。
図6Aおよび図6Bは第1手法を説明する図である。第1手法は、図6Aのように、ローラ面に凹凸が形成されたローラを、湿潤させた紙パルプ繊維2に押しつけると、ローラの凸部で押された部分の繊維が凸部の周囲に逃げて、紙パルプ繊維2の表面に凹凸11が形成される。なお、紙パルプ繊維2には、予め応力発光材料3を含有させておく。紙パルプ繊維2の表面に形成された凹凸11の形状は、数字、記号、画像などの何らかの情報を表すものでもよい。情報の内容に合わせて、予めローラ面に凹凸を形成しておけば、任意の情報を紙パルプ繊維2の表面に転写可能である。
次に、図6Bのように、紙パルプ繊維2の凹凸面を上方から押しつけて平坦化することで、凸部だった領域12は紙パルプ繊維2の密度がより高くなる。すなわち、凸部だった領域12は、凹部だった領域13よりも、紙パルプ繊維2の密度が高くなる。このように、紙パルプ繊維2のシート上に、密度の高い領域12と低い領域13とが同時に形成できる。このうち、当初は凹部であった密度の低い領域13は、紙パルプ繊維2の密度が低くて透過率が高いため、透かし領域として使用可能である。
図7Aおよび図7Bは第2手法を説明する図である。第2手法は、応力発光材料3を含む紙パルプ繊維2の表面上の任意の領域を透かし領域として設定し、この透かし領域に透かしインキ14を印刷する。図7Aは透かしインキ14を印刷した紙パルプ繊維2の平面図、図7Bは図7AのA−A線断面図である。透かしインキ14は、透明な、すなわち可視光透過性を有するインキであり、紙パルプ繊維2の表面に形成されている微小な凹凸をなくして平坦にする作用を行う。これにより、紙パルプ繊維2の表面での乱反射が起きにくくなり、透かしインキ14を印刷した領域は、透過率が向上し、透かして見えるようになる。
よって、透かしインキ14を印刷した領域は、その他の領域よりも、外光の透過率が向上し、応力発光材料3の蓄光性能を向上させることができるとともに、応力発光材料3の発光強度を高くすることができる。
また、透かしインキ14は、通常のインキと同様に、紙パルプ繊維2の表面上の任意の場所に印刷できるため、上述した第1例よりも、透かし領域の形成場所、形状およびサイズについての自由度が高くなる。さらに、透かしインキ14により、任意の情報を印刷できるため、任意の情報を応力発光材料3で光らせることができる。
図8Aおよび図8Bは第3手法を説明する図である。第3手法は、応力発光材料3を含む紙パルプ繊維2を含む層(以下、紙パルプ繊維層)15と、その上のコート層16とを、透かし領域の形成場所、形状およびサイズに合わせて、深さ方向に所定量だけ除去して、凹部18を形成するものである。
図8Aは紙パルプ繊維層15の両面にコート層16,17を積層し、一方のコート層16側に凹部18を形成した場合の平面図、図8Bは図8AのA−A線断面図である。
紙パルプ繊維層15のうち、凹部18を形成した箇所は、紙パルプ繊維2の厚さが薄くなっているため、紙パルプ繊維2の密度が小さくなり、応力発光材料3の発光強度が高くなる。凹部18の形成箇所では、紙パルプ繊維2だけでなく、応力発光材料3もその一部が除去されてしまうが、紙パルプ繊維2の量が減った効果により、透過率が向上し、凹部18での応力発光材料3の発光強度を高くすることができる。
紙パルプ繊維2層の表面付近を物理的に削って凹部18を形成する具体的な手法としては、例えば、切削用のレーザを用いることができる。レーザ光の照射方向を二次元走査する機構を設ければ、紙パルプ繊維2層の表面上の任意の場所にレーザ光を照射でき、紙パルプ繊維2に形成される凹部18の形状を任意に調整できる。よって、凹部18の形状を、文字、記号または画像を表す形状とすることも可能である。
図9A〜図9Dは第4手法を説明する図である。第4手法は、透かし領域をそれ以外の領域よりも薄くするとともに、透かし領域のみに応力発光材料3を設けるものである。例えば、二槽のシリンダパッドを備えた円網抄紙機において、一槽目の円網シリンダの同一円周表面上に、例えば1cm×1cmサイズのテープを1cm間隔で貼り付けて、網目を塞いだ状態で、この円網シリンダを用いて、第1紙層20を形成する。これにより、図9Aに示すように、テープを貼り付けた場所に開口部21が形成される。
次に、図9Bに示すように、スレッド22の巻き出し装置を用いて、第1紙層20における開口部21のある周辺部分に、応力発光材料3を含むスレッド22を形成する。
次に、図9Cおよび図9Dに示すように、二槽目の円網シリンダをそのまま使用して、スレッド22が形成された第1紙層20の上に、第2紙層23を形成する。図9Cは第2紙層23を形成した面側の平面図、図9Dはその反対側の平面図である。図9Dに示すように、開口部21が形成された箇所からは、スレッド22が露出しており、第1紙層20がない分、薄くなっており、透かし領域として利用可能である。透かし領域には、第1紙層20がないため、透過率が高くなっており、応力発光材料3は、蓄光性能が向上するとともに、発光強度が高くなる。
図9Aの例では、一列に等間隔でテープを円網シリンダに貼り付けており、最終的に一列に並ぶ透かし領域が形成されるが、テープのサイズや貼る場所を適宜調整することで、任意の形状およびサイズの透かし領域を形成できる。よって、透かし領域で、任意の文字、記号または画像を形成することも可能となる。
このように、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、図8B、および図9A〜図9Dに示す第1〜第4手法によれば、任意の形状およびサイズの透かし領域を形成できるため、例えば、偽造防止を目的として、任意のコード情報や画像の形状を有する透かし領域を形成できる。よって、本の実施形態は、偽造防止媒体に適用可能である。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、薬のパッケージなどの包装容器に適用した例である。薬などの模造品が出回るおそれがある物を収納する包装容器は、開封したときに、正規品か模造品かを簡易に判別できる仕組みを設けるのが望ましい。今後、薬などでは、このような仕組みを包装容器に備えることが法制化される可能性もある。
図10は例えば薬を収納するパッケージに利用可能な包装容器30の一例を示す図である。この包装容器30は、上述した第1〜第4の実施形態で説明した発光用紙1を少なくとも部分的に使用している。図10の包装容器30は、上蓋31が二重構造になっており、上蓋31を最初に開口する際に、上蓋31のミシン目32を人間の指で破り、次に、上蓋31の内側の舌部33を上方に持ち上げて開口するようになっている。
この包装容器30のミシン目32部分は、上述した発光用紙1になっており、ミシン目32を破ると、そのときの変形応力にて、応力発光材料3が発光する。よって、ミシン目32を破る際に光れば、正規の包装容器30に入れられた正規の薬であると認識することができる。例えば、薬の模造品を製造した第三者が、模造した薬を、模造した包装容器に入れて販売しようとしても、ミシン目部分が発光用紙1でない限りは、ミシン目32を破ったときに光らない。よって、本実施形態によれば、薬を分析することなく、ミシン目32が光るかどうかによって、薬が模造品かどうかを判断することができる。
このように、第5の実施形態によれば、包装容器30のミシン目32に応力発光材料3を組み込むことで、包装容器30に収納された物が正規品であるか否かを簡易に判別できるようになる。
なお、包装容器30のミシン目32に応力発光材料3を設ける代わりに、包装容器30にシールを取り付けて、このシールに応力発光材料3を設けて、シールを剥がしたときに発光するようにしてもよい。
以下に説明する実施例1〜5は、第1の実施形態に対応するものである。
(実施例1)
針葉樹材(ニドマツと、トドマツの混合材)チップを、リファイナーによって解繊し、濾水度600mlの未漂白機械パルプの第1懸濁液を得た。この第1懸濁液を、酢酸緩衝液でpH4.0に調整し、またパルプ濃度を3%に調整した後、シングルディスクリファイナ−(叩解機)で、濾水度が300mlになるまで叩解し、紙パルプ繊維2を含む、第2懸濁液とした。このときの紙パルプ繊維2は、平均太さが30μm、平均長さが3.0mmであった。
これとは別に、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、所定の成形型に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成して、いったん厚さ100μmのごく薄い板状としたものを、細かく粉砕して、断面の平均直径50μm程度、平均長さが3.0mmの形状の応力発光材料3を得た。
そして、上記の第2懸濁液の紙パルプ繊維2の100部に対して、この応力発光材料3の60部を混入させ、第3懸濁液とした。
さらに、この第3懸濁液に、適宜なサイジング剤6を1部添加して、角型手抄きシートマシンにて、坪量60g/m2となるように湿紙を作製し、ドラム式乾燥器にて、120℃×2分乾燥し、20℃50%条件で、24時間調湿した後、50mm×100mmサイズに断裁して、坪量60g/m2である、実施例1の発光用紙1を得た。
この発光用紙1に対する外力負荷として、手の指で押し当てたところ、発光用紙1が変形し、緑色に発光し、目視にて視認することができ、この発光用紙1の真正性を確認できた。
(実施例2)
実施例1の紙パルプ繊維2を含む第2懸濁液を手漉きにて第1湿紙とし、この上に、実施例1の応力発光を懸濁液状としたものを用いて第2湿紙として重ね、この操作を、3回繰り返して、多層の湿紙としたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2の発光用紙1を得た。
この実施例2の発光用紙1を、実施例1と同様に評価した所、実施例1より発光が強く視認された。
このことは、紙パルプ繊維2と応力発光材料3が互いに交差した状態で含まれている効果であると考えられ、実際に、実施例2の発光用紙1の断面を、実施例1のものと、顕微鏡観察にて、比較したところ、交差した状態が多く観察された。
(実施例3)
実施例2において、応力発光材料3の形状を、平均厚さ20μm、平均横幅30μm(厚さ/横幅比=1/3)、平均長さが1.0mmの帯状の応力発光材料3としたこと以外は、実施例2と同様にして、本発明の実施例3の発光用紙1を得た。
この実施例3の発光用紙1を実施例2と同様にして評価した所、実施例2と同様の良好な結果を得た。
(実施例4)
実施例3において、針状の応力発光材料3のほぼ中央部位に、帯の幅を1/2とする切り込みを帯の両側に入れたこと以外は、実施例3と同様にして、本発明の実施例4の発光用紙1を得た。この実施例4の発光用紙1を実施例3と同様にして評価した所、より発光が強く観察されたこと以外は、実施例3と同様の良好な結果を得た。このときの、応力発光材料3の帯の切り込み部位は、応力集中係数αが2以上であることは明らかであった。
(実施例5)
サイジング剤6として、粒径1〜10μmのサイズで、実施例1の応力発光材料3の色調との色差が、0.4である色調を持つ、カオリン(白土)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例5の発光用紙1を得た。
この発光用紙1の外観を観察したところ、単なる白い紙と認識できるのみであって、この紙の中に、応力発光材料3が混入しているとは想像できなかったこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(比較例1)
実施例1において、応力発光材料3を含めず用紙を作製し、比較例1とした。この比較例1を、実施例1と同様に評価した所、何らの発光も生じず、この用紙が真正なものでないと判断できた。
以下に説明する実施例6〜10は、第2の実施形態に対応するものである。
(実施例6)
針葉樹材(エゾマツと、トドマツの混合材)チップを、リファイナーによって解繊し、濾水度600mlの未漂白機械パルプの第1懸濁液を得た。この第1懸濁液を、酢酸緩衝液でpH4,0に調整し、またパルプ濃度を3%に調整した後、シングルディスクリファイナ−(叩解機)で、濾水度が300mlになるまで叩解し、適宜な混入タイプのサイジング剤6を適宜な割合で添加し、紙パルプ繊維2を含む、第2懸濁液とした。このときの紙パルプ繊維2は、平均太さが30μm、平均長さが3.0mmであった。
これとは別に、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、所定の成形型に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成して、一旦、厚さ100μmのごく薄い板状としたものを、細かく粉砕して、断面の平均直径50μm程度、平均長さが3.0mmの形状の応力発光材料3を得た。
ここで、成形型を所定の成形型としたのは、その成形型の内側の形状(型形状)に合わせて材料を100%充填しても、上記の焼成によって、材料が収縮し、その成形型の内側の形状(型の形状)より、かなり小さい形状となるため、この収縮も見込んで成形型の内側の形状(型形状)を定めたことを意味している。
さらに、上記した、第2懸濁液を用いて、角型手抄きシートマシンにて、坪量60g/m2となるように湿紙を作製し、この湿紙の上から、上記の応力発光材料3を、積層タイプのサイジング剤6と位置付けて、紙パルプ繊維2の100部に対して、応力発光材料3の5部の割合で、その湿紙の表面に、直接、均一に振り掛けて積層した。
次いで、ドラム式乾燥器にて、120℃×2分間の乾燥処理、及び、ロールプレス処理を施し、20℃50%条件で、24時間調湿した後、100mm×200mmサイズに断裁して、坪量60g/m2である、本発明の実施例6の発光用紙1を得た。
この実施例6の発光用紙1に対する所定の外力負荷として、手の指で押し当てたところ、発光用紙1が変形して緑色に発光し、目視にて視認することができ、この発光用紙1の真正性を確認できた。
(実施例7)
実施例6の応力発光材料3に加えて、その応力発光材料3と同様の形状を持つ酸化アルミニウムを、紙パルプ繊維2の100部に対して、酸化アルミニウムが2部の割合で、その応力発光材料3と混ぜ、実施例6と同様にして、応力発光材料3と酸化アルミニウムの混合物を、湿紙上に振り掛けたこと以外は、実施例6と同様にして、本発明の実施例7の発光用紙1を得た。
このとき、応力発光材料3の体積弾性率と、酸化アルミニウムの体積弾性率は、ほぼ同一であり、いずれも、300GPaであった。
この実施例7の発光用紙1を、実施例6と同様にして評価した所、より発光が強く観察されたこと以外は、実施例6と同様の良好な結果を得た。
(実施例8)
実施例6において、応力発光材料3の形状を、平均厚さ20μm、平均横幅30μm(厚さ/横幅比=1/3)、平均長さが1.0mmの帯状の応力発光材料3としたこと以外は、実施例6と同様にして、本発明の実施例8の発光用紙1を得た。
この実施例8の発光用紙1を、実施例6と同様にして評価した所、実施例6とほぼ同様の良好な結果を得た。
(実施例9)
実施例8において、針状の応力発光材料3のほぼ中央部位に、帯の幅を1/2とする切り込みを帯の両側に入れたこと以外は、実施例8と同様にして、本発明の実施例9の発光用紙1を得た。
この実施例9の発光用紙1を実施例8と同様にして評価した所、より発光が強く観察されたこと以外は、実施例8と同様の良好な結果を得た。このときの、応力発光材料3である帯の中央部位(切り込みを入れた部位)は、応力集中係数αが2以上となる部位であることは明らかであった。
(実施例10)
実施例7において、混入タイプのサイジング剤6を使用せず、且つ、実施例7の酸化アルミニウムに替えて、積層タイプのサイジング剤6として、粒径が、1〜10μmのサイズで、実施例6の応力発光材料3の色調との色差が、0.4である色調を持つ、カオリン(白土)を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、本発明の実施例10の発光用紙1を得た。
この発光用紙1の外観を観察したところ、単なる白い紙と認識できるのみであって、この紙の中に、応力発光材料3が混入しているとは想像できなかったこと以外は、実施例6と同様の良好な結果を得た。
(比較例2)
実施例6において、応力発光材料3を含めず用紙を作製し、比較例2とした。この比較例2を、実施例6と同様に評価した所、何らの発光も生じず、この用紙が真正なものでないと判断できた。
以下に説明する実施例11〜14は、第3の実施形態に対応するものである。
(実施例11)
針葉樹材(エゾマツと、トドマツの混合材)チップを、リファイナーによって解繊し、濾水度600mlの未漂白機械パルプの第1懸濁液を得た。この第1懸濁液を、酢酸緩衝液でpH4,0に調整し、またパルプ濃度を3%に調整した後、シングルディスクリファイナ−(叩解機)で、濾水度が300mlになるまで叩解し、紙パルプ繊維2を含む、第2懸濁液とした。このときの紙パルプ繊維2は、平均太さが30μm、平均長さが3.0mmであった。
次いで、図5のステップS5の被覆工程において、PET繊維で織られた網(ワイヤー)上に、その第2懸濁液を、そのワイヤーの幅方向に均一に、適宜な速度及び角度で供給して、網の上で、搾水し、60度の熱風で乾燥し、その紙パルプ繊維2を、そのワイヤー上で、一旦、網状、且つ、シート状として、水分含有率が25%の網目状の紙パルプ繊維2を得た。
これとは別に、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、所定の成形型に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成して、一旦、応力発光材料3の材料となる、厚さ100μmのごく薄い板状としたものを、衝撃式粉砕機を用いて細かく粉砕し、分級装置にて分級して、平均粒径D50=1.5μmの応力発光材料3の微粒子とした。
ここで、成形型を所定の成形型としたのは、その成形型の内側の形状(型形状)に合わせて材料を100%充填しても、上記の焼成によって、材料が収縮し、その成形型の内側の形状(型の形状)より、かなり小さい形状となるため、この収縮も見込んで成形型の内側の形状(型形状)を定めたことを意味している。
次いで、この応力発光材料3の微粒子を、液化プロパンガスに、重量比で1/10で分散し、応力発光材料3の微粒子を含むスプレー液とした。
そして、この応力発光材料3の微粒子を、ワイヤー上にある、水分を含んだ網目状の紙パルプ繊維2の上から、電動式スプレーガンを用いて、応力発光材料3の微粒子を含むスプレー液を噴霧し、網目状の紙パルプ繊維2の表面に、応力発光材料3の微粒子を付着させた後、40度で1時間風乾後、80度の熱風乾燥を施して、応力発光材料3の微粒子を網目状の紙パルプ繊維2の表面に固着させた。この操作を、網目状の紙パルプ繊維2の表面、及び、裏面から施した。この段階で、その固着した応力発光材料3の微粒子が、紙パルプ繊維2を被覆する応力発光材料3となる。
このとき、紙パルプ繊維2と、その表面に固着した応力発光材料3の微粒子の重量比は、100/15であり、この状態で、その紙パルプ繊維2は、その表面の一部が応力発光材料3で被覆された、網目状のML被覆紙パルプ繊維8となっていた。
この網目状としたML被覆紙パルプ繊維8を、ワイヤーから取り出して、水槽に戻し、網目をほぐして、ML被覆紙パルプ繊維8の第3懸濁液とした後、その第3懸濁液に、さらに、ML被覆紙パルプ繊維8100部に対して、適宜なサイジング剤6を1部加え、角型手抄きシートマシンにて、坪量60g/m2となるように湿紙を作製し、ドラム式乾燥器にて、120℃×2分乾燥し、20℃50%条件で、24時間調湿した後、縦100mm×横200mmサイズに断裁して、坪量60g/m2である、本発明の実施例11の発光用紙1を得た。
この実施例11の発光用紙1に対する所定の外力負荷として、手の指で押し当てたところ、発光用紙1が変形して緑色に発光し、目視にて視認することができ、この発光用紙1の真正性を確認できた。
(実施例12)
実施例12は、実施例11と以下の点で異なる。平均粒径D50=1.5μmの応力発光材料3の微粒子を、透明性を有するアクリル樹脂(透過率95%)に、重量比で50/100の割合で分散した応力発光材料3分散樹脂を、酢酸イソブチル/イソブタノール=1/1混合液に溶解したディッピング液を準備した。また、図5の製紙工程におけるステップS9の被覆工程を除いた、パルプ化工程〜第2抄紙工程:乾燥&プレス処理(ステップS1〜S8)まで進めた後の、網目状の紙パルプ繊維2を、上記したディッピング液中を、1m/分の速度で通過させ、80度30分の熱風乾燥を施して、その網目状の紙パルプ繊維2の表面に、厚さ2μmの応力発光材料3分散樹脂被膜を被覆し、紙パルプ繊維2の表面のほぼ全面を、樹脂分散型の応力発光材料3で被覆して、ML被覆紙パルプ繊維8とした。これ以外は、実施例11と同様である。
その後、加工&仕上げ工程を施して、縦100mm×横200mmサイズで、坪量60g/m2の本発明の実施例12の発光用紙1を得た。
この実施例12の発光用紙1、実施例11と同様に評価したところ、より強度の大きい発光が得られ、視認性、及び、真正性判定性により優れていると思われたこと以外は、実施例11と同様の良好な結果を得た。
(実施例13)
実施例12において、図5のステップs9の被覆工程として、後述する応力発光材料3の分散樹脂インキ組成物を用いて、ステンレススクリーン印刷にて、縦100μm×横100μmの星(☆)形が、200μm周期で、縦及び横に並んだ印刷デザイン層を、網目状の紙パルプ繊維2の上に施して、乾燥後の厚さ3μmの樹脂分散型の応力発光材料3の被覆層とし、ML被覆紙パルプ繊維8とした。
このことは、網目(メッシュ)状の被印刷物の上に、デザイン印刷を施しているため、網目(メッシュ)部分に、印刷層が形成され、網目(メッシュ)の隙間には、印刷層が形成されない(残らないという意味)こととなるため、その残った印刷層は、そのデザインが分断された部分デザインとなる。
本実施例13においては、そのデザイン、すなわち、星形が、分断されて形成されている。そもそも、星形の5つの鋭角の部分と、その間の5つの鈍角の部分には応力が集中するが、さらに、上記した分断によって、その分断面にも応力が集中する。
従って、紙パルプ繊維2の上を被覆している分断星形を、その上面と下面に持ち、高さ3μmの、いわば、変形五角柱となっている応力発光材料3の形状は、応力集中箇所において、応力集中係数αが2以上、さらには、10以上となる形状である。
応力発光材料3の分散樹脂インキ組成物は、以下の材料を含んでいる。応力発光材料3の微粒子(平均粒径D50=2.5μm)が10部。アクリル樹脂(透過率95%)が20部。トルエンが20部。酢酸エチルが30部。エタノールが20部。
以上のこと以外は、実施例12と同様にして、本発明の実施例13の発光用紙1を得た。
この実施例13の発光用紙1を、実施例12と同様に評価したところ、さらに強度の大きい発光が得られ、視認性、及び、真正性判定性が、さらに優れていると思われたこと以外は、実施例12と同様の良好な結果を得た。
(実施例14)
サイジング剤6として、粒径1〜10μmのサイズで、実施例1の応力発光材料3の色調との色差が、0.4である色調を持つ、カオリン(白土)を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、本発明の実施例14の発光用紙1を得た。
この発光用紙1の外観を観察したところ、単なる白い紙と認識できるのみであって、この紙の中に、応力発光材料3、さらには、このML被覆紙パルプ繊維8が混入しているとは想像できなかったこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(比較例3)
実施例1において、応力発光材料3を含めず用紙を作製し、比較例3とした。この比較例3を、実施例1と同様に評価したところ、何らの発光も生じず、この用紙が真正なものでないと判断できた。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 発光用紙、2 紙パルプ繊維、3 応力発光材料、5 ML繊維、6 サイジング剤、7 ML微粒子、8 ML被覆紙パルプ繊維、11 凹凸、14 透かしインキ、15 紙パルプ繊維層、16,17 コート層、18 凹部、20 第1紙層、21 開口部、22 スレッド、23 第2紙層

Claims (16)

  1. 紙パルプ繊維と、応力発光材料と、を含み、
    前記紙パルプ繊維と前記応力発光材料とは、少なくとも一部分において接触するように配置されており、
    前記応力発光材料は、外部負荷により前記紙パルプ繊維を変形させる変形応力が発生したときに、前記変形応力に応じた発光強度で所定波長の光を発光する発光用紙。
  2. 当該発光用紙は、前記紙パルプ繊維の密度が相違する少なくとも2つの領域を有し、
    前記2つの領域のうち、前記紙パルプ繊維の密度がより小さい領域は、前記紙パルプ繊維の密度がより大きい領域に比べて、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光する請求項1に記載の発光用紙。
  3. 前記紙パルプ繊維の密度がより小さい領域の外形形状は、任意の情報を表す形状である請求項2に記載の発光用紙。
  4. 当該発光用紙の表面の一部には、当該表面の乱反射を抑制する可視光透過性インキが付着された領域が設けられ、
    前記領域は、その他の前記表面に比べて、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光する請求項1に記載の発光用紙。
  5. 当該発光用紙には、紙厚が互いに相違する少なくとも2つの領域が設けられ、
    前記2つの領域のうち、紙厚がより薄い領域は、紙厚がより厚い領域に比べて、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光する請求項1に記載の発光用紙。
  6. 前記紙厚がより薄い領域の外形形状は、任意の情報を表す形状である請求項5に記載の発光用紙。
  7. 当該発光用紙は、前記応力発光材料を含まずに前記紙パルプ繊維を含む第1領域と、前記応力発光材料および前記紙パルプ繊維を含む第2領域と、を含む請求項1に記載の発光用紙。
  8. 前記第1領域の紙厚は、前記第2領域の紙厚よりも大きい請求項7に記載の発光用紙。
  9. 前記第2領域の外形形状は、任意の情報を表す形状である請求項7または8に記載の発光用紙。
  10. サイジング剤を含み、
    前記サイジング剤の色調と、前記応力発光材料の色調との色差は、0.5以下である請求項1乃至9のいずれかに記載の発光用紙。
  11. 前記応力発光材料は、針状または帯状の形状を有し、かつ前記紙パルプ繊維の1/10乃至1/2の長さを持ち、かつ前記紙パルプ繊維と互いに交差するように配置される請求項1乃至10のいずれかに記載の発光用紙。
  12. 前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維に積層される請求項1乃至10のいずれかに記載の発光用紙。
  13. 前記応力発光材料は、前記紙パルプ繊維を被覆する請求項1乃至10のいずれかに記載の発光用紙。
  14. 前記応力発光材料は、当該発光用紙に対する前記外部負荷に対して、応力集中係数αが2以上の部位を有する請求項1乃至13のいずれかに記載の発光用紙。
  15. 紙パルプ繊維と、応力発光材料と、を含む偽造防止媒体であって、
    前記偽造防止媒体は、少なくとも2つの領域を備え、
    前記応力発光材料は、外部負荷により前記紙パルプ繊維を変形させる変形応力が発生したときに、前記2つの領域のうち一方では他方より、同一の前記変形応力に対してより高い発光強度で発光する偽造防止媒体。
  16. 紙パルプ繊維と、応力発光材料と、を含む包装容器であって、
    開封のためのミシン目またはシール部材を備え、
    前記ミシン目を破るとき、または前記シール部材を剥離するときの外部負荷により前記紙パルプ繊維を変形させる変形応力が発生したときに、前記ミシン目または前記シール部材における前記応力発光材料は、前記変形応力に応じた発光強度で発光する包装容器。
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