JPWO2015159665A1 - 炭素被覆面状ヒータ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

導電性カーボン素材を使用する炭素被覆面状ヒータについて、低廉なコストで安全性・耐久性に優れたものとする。シート状繊維構成体の繊維表面にその繊維よりも小径の導電性カーボン素材を付着させてなる導電性シートであるカーボン塗布紙(2A)を備えてカーボン塗布紙(2A)に通電することで発熱する炭素被覆面状ヒータ(1A)において、そのカーボン塗布紙(2A)の表裏両面に非導電性樹脂による樹脂コート層(3B,3A)が形成されており、その非導電性樹脂がカーボン塗布紙(2A)に浸透して樹脂コート層(3B,3A)に挟まれた中間部分が脱気された状態にて表裏及び中間部分の非導電性樹脂が硬化したことにより、そのカーボン塗布紙(2A)を有した中間部分が空気を含まない状態で密封されて内外防水性及び内外絶縁性を有したものとされていることを特徴とするものとした。

Description

本発明は、炭素被覆面状ヒータ及びその製造方法に関し、殊に、繊維構成体の繊維表面に導電性カーボン素材を付着してなる導電性シートの表裏に、樹脂コート層を備えた炭素被覆面状ヒータ、及びその製造方法に関する。
近年、カーボングラファイトやカーボンナノチューブ等の微細な導電性カーボン素材を、紙や布などの繊維表面に付着させて導電性シートや面状ヒータを作成する技術が普及している。例えば特許第4502182号公報には、カーボンブラックやカーボングラファイトを分散した溶液を繊維布帛に塗布して面状ヒータを得る技術が開示されており、特開平8−31553号公報には、紙パルプ中にカーボン短繊維を拡散混入して面状ヒータとする技術も開示されている。
このように、繊維表面に微細な導電性カーボン素材を付着させるだけで面状ヒータを作成することができるが、紙の場合は低コストであるものの水に弱く、強度が低いことに加え漏電しやすいという難点があり、布帛の場合は比較的強度が高いものの漏電しやすいという難点は共通している。そのため、両者とも面状ヒータの発熱体表面を防水性のある絶縁シートで被覆する等の対策が講じられている。
しかしながら、前述した面状ヒータは、繊維表面に付着させた導電性カーボンに通電して発熱させる方式であるため、温度が過剰に上昇した場合に繊維が発火して火災事故を招く畏れがある。また、導電性カーボンは空気に触れることで酸化しやすいことから、表面を絶縁シートで被覆していても繊維の空隙に空気が存在してこれが出入り可能であるため、経年使用による劣化も懸念される。
一方、天然に存在するグラファイトを圧延したり有機合成フィルムを無酸素下で焼成したりしてもグラファイトシートが得られ、これを面状ヒータとして使用することができる。このグラファイトシートは、劣化には比較的強いものの機械的強度が低いことから、特開2006−134672号公報に記載されているように、軸組布の補強シートを重ねその上下に絶縁フィルムを重ねて、これを上下1対のパネル状ブロックの間に樹脂で接着・固定して発熱ブロックとすることが行われている。
斯かる構成としたことで、機械的強度と耐久性を備えた面状ヒータにすることができる。しかしながら、グラファイトシートは発火や劣化の心配は少ないものの、前述した繊維構成体によるものと比べてコスト高となりやすく、紙を用いたものと比べるとその差が顕著である。また、機械的強度を高める目的でパネル状ブロック等の硬質板に挟装する構成であるため、一層コスト高になりやすいことに加え、面状ヒータとしての形状の自由度に乏しいものとなりやすい。
特許第4502182号公報 特開平8−31553号公報 特開2006−134672号公報
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、導電性カーボン素材を使用する炭素被覆面状ヒータについて、低廉なコストで安全性・耐久性に優れたものとすることを課題とする。
そこで、本発明は、シート状繊維構成体の繊維表面にその繊維よりも小径の導電性カーボン素材を付着させてなる導電性シートを備え、この導電性シートに通電することで発熱する炭素被覆面状ヒータにおいて、その導電性シートの表裏両面に非導電性樹脂による樹脂コート層が形成されており、その非導電性樹脂が導電性シートに浸透して樹脂コート層に挟まれた中間部分が脱気された状態にて表裏及び中間部分の非導電性樹脂が硬化したことにより、その導電性シートを有した中間部分が空気を含まない状態で密封されて内外防水性及び内外絶縁性を有したものとされている、ことを特徴とするものとした。
このように、布や紙などのシート状繊維構成体の繊維表面に導電性カーボン素材を付着させてなる導電性シートの表裏に非導電性の樹脂コート層を設けたことで、機械的強度が高まるとともに防水性と絶縁性を有したものとなるところ、本発明において、繊維構成体からなる導電性シートに非導電性樹脂を浸透させながら脱気させて内外の樹脂コート層で挟まれた部分に空気を含まない構成としたことにより、繊維構成体である中間の導電性シートを介して表裏の樹脂コート層が一体化するため、過剰なコストアップを伴うことなく機械的強度が一層高まるとともに優れた防水性と絶縁性を実現したものとなり、且つ、中間部分の空気を除いて密封したことで導電性シートが燃焼したり劣化したりする心配のないものとなる。
また、この炭素被覆面状ヒータにおいて、その表裏の樹脂コート層の少なくともいずれかが繊維強化樹脂からなり、全体として1個のFRP成形体を構成していることを特徴としたものとすれば、導電性シートの繊維構成体もFRPの強化繊維とともに樹脂コート層と一体化しながら機械的強度に一層優れたものとなって、亀裂や破断による防水性の低下や絶縁性の低下を招きにくいものとなり、且つ、強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグシートを使用すれば、製作手順も極めて容易なものとなる。
さらに、上述した炭素被覆面状ヒータにおいて、その非導電性樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴としたものとすれば、耐熱性に優れた面状ヒータを短時間で容易に作成できるようになることに加え、FRP成形体の製造方法・製造設備をそのまま適用可能なものとなる。
さらにまた、上述した炭素被覆面状ヒータにおいて、その導電性カーボン素材は、カーボンブラック、カーボンマイクロファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴としたものとすれば、面状ヒータとして薄く作成しやすいことに加え、優れたエネルギー効率と迅速な加熱の立ち上がりを実現しやすいものとなる。
加えて、上述した炭素被覆面状ヒータにおいて、その繊維構造体が紙であることを特徴としたものとすれば、これに導電性カーボン素材を分散させた溶液を塗布して乾燥させるだけの簡易な手順により、均一な発熱性に優れた導電性シートを低コストで得られ、且つ、様々な形状に加工しやすいことに加え、塗布濃度を変更するだけで設定温度の変更も容易に行えるものとなる。
また加えて、上述した炭素被覆面状ヒータにおいて、その導電性シートの一方の面側には、遠赤外線を反射する熱反射シートがその導電性シートに対し平行且つ電気的に接続しない状態で配設されており、前記熱反射シートを配設していない側に向かって遠赤外線を反射することを特徴としたものとすれば、面状ヒータとして過剰に厚くすることなく所望する方向に加熱機能を集中させやすいものとなる。
さらに加えて、上述した炭素被覆面状ヒータにおいて、その導電性シートの所定位置に所定部分を重ねながらヒータ回路の一部を構成する電極を備えており、その電極はテープ状の導電素材からなりヒータ回路の端部側になる部分のみが外部に露出して接続端子となることを特徴としたものとすれば、面状ヒータとしての薄さを損なうことなくヒータ回路を形成しやすいものとなる。
そして、所定形状の一方の型の内面又は所定の平面に、未硬化の熱硬化性樹脂中に強化繊維を有したプリプレグシートを配置し、その上に導電性シートと電極を配置した後、その導電性シートの上に、未硬化の熱硬化性樹脂中に強化繊維を有した他のプリプレグシートを重ね、その上から他方の型の内面又は所定の押圧体の表面を密着させながら押圧又は/及びその中間部分を吸引して、導電性シートに熱硬化性樹脂を含浸させながら両プリプレグシートに挟まれた中間部分を脱気させるとともに、所定温度で所定時間加熱することで所定形状のFRP成形体を得る、ことを特徴とする上述した炭素被覆面状ヒータの製造方法とすれば、機械的強度と安全性・耐久性に優れた炭素被覆面状ヒータを低コストで製造することが可能となる。
繊維構成体からなる導電性シートに非導電性樹脂を浸透させながら脱気させ、内外の樹脂コート層で挟まれた中間部分から空気を除いた本発明によると、導電性カーボン素材を使用した炭素被覆面状ヒータを、低廉なコストで安全性・耐久性に優れたものとすることが可能となる。
本発明における実施の形態の炭素被覆面状ヒータを製造する方法の手順を示す説明図である。 図1の手順で作成した炭素被覆面状ヒータの平面図である。 図2のA−A線に沿う拡大した部分断面図である。 図2のB−B線に沿う拡大した部分断面図である。 図2の炭素被覆面状ヒータ2枚を纏めて電源線に接続した場合の一例を示す平面図である。 図5のC−C線に沿う拡大した部分縦断面図である。 図2の炭素被覆面状ヒータ1枚を電源線に接続した場合の一例を示す平面図である。 図7の接続部の構造を説明するための拡大した部分縦断面図である。 導電性シートの下方に熱反射シートを配設した応用例としての炭素被覆面状ヒータの構造を説明するための拡大した部分縦断面図である。 (A),(B),(C)はカーボン塗布紙に対する電極の貼付方式のパターンを示す平面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。尚、本発明において、紙とは植物繊維その他の繊維を膠着させて薄く平らに成形したものであって、直径100μm以下の繊維の細長い繊維であれば、鉱物、金属、動物由来の物質や合成樹脂など、様々な種類の原料を用いて作成したものが含まれる。
図1は、本実施の形態である炭素被覆面状ヒータを製造する手順を示した説明図である。本実施の形態においては、被覆する導電性カーボン素材の化学的特質を発揮させるのに好適な非導電性のシート状繊維構成体として、パルプを主原料とした1辺30〜40cm程度の正方形の紙2枚を使用し、導電性カーボン素材としてカーボンナノチューブを用いた場合を説明する。
先ず、カーボンナノチューブを均一に分散してなる塗布液を、紙の片面に刷毛又は印刷により均一に塗布し、これを乾燥させて導電性シートであるカーボン塗布紙を作成する。次に、このカーボン塗布紙の所定位置にテープ状の電極を貼り付けてヒータ回路を形成してから、未硬化の熱硬化性樹脂中にグラスファイバーによる強化繊維を有してなるプリプレグシート(少なくとも硬化後は非導電性のもの)の上に載せる。
そして、そのカーボン塗布紙の上に前述と同様のプリプレグシートを重ね、所定の加圧手段でプレス、或いは2枚の平板で挟んだ状態でバッグに入れて吸引して上下から押圧することにより、カーボン塗布紙にプリプレグシートの熱硬化性樹脂を含浸させながら、排出チューブ等を介して空気やデブリ等の不要物を外部に排出させ、上下のプリプレグシートに挟まれた中間部を脱気して全体を一体化させる。
最後に、所定温度で所定時間加熱することで熱硬化性樹脂を硬化させ、一枚の硬質ボードとなった炭素被覆面状ヒータを得る。尚、加熱条件によっては、プレス又は吸引による脱気工程を、加熱工程と同時又は一部を同時進行させて行うことも可能である。
図2は、上述した方法で製造した炭素被覆面状ヒータ1Aの平面図である。本実施の形態では、非導電性のシート状繊維構成体である紙の繊維表面に、その繊維よりも小径の導電性カーボン素材であるカーボンナノチューブを塗布して付着させてなるカーボン塗布紙2A,2Aを備え、電極5a,5b,5cを介して通電することにより発熱するものであり、導電性シートとなったカーボン塗布紙2A,2Aの表裏両面に、非導電性樹脂による樹脂コート層3A,3Bが形成されている。
そして、この炭素被覆面状ヒータ1Aは、そのカーボン塗布紙2A,2Aにプリプレグシート由来の熱硬化性樹脂が浸透して、樹脂コート層3A,3Bに挟まれた中間部分が脱気された状態にて表裏及び中間部分の非導電性樹脂が硬化したことにより、カーボン塗布紙2A,2Bを有した中間部分が空気を含まない状態で密封されている点が特徴部分となっている。
即ち、機械的強度が低く水にも弱いパルプ紙を基体としたカーボン塗布紙2A,2Aであっても、その表裏両面を完全に非導電性の樹脂コート層3A,3Bで覆ったことにより、優れた防水性・絶縁性を発揮するものとなる。また、カーボン塗布紙2A,2Aが、空気を含まない状態で樹脂内部に密封されたことにより発火や酸化を生じにくくなるため、安全性・耐久性にも優れたものとなっている。
さらに、繊維構成体からなるカーボン塗布紙2A,2Bに、樹脂コート層3A,3Bとなるプリプレグシートの非導電性樹脂が含浸しながら脱気された状態で硬化した構成であるため、このカーボン塗布紙2A,2AがFRPの強化繊維と同様に表裏の非導電性樹脂と一体化した結果、全体として1個のFRP成形体を構成しており、薄くても極めて機械的強度に優れている。
尚、ヒータ回路を構成する通電手段としての電極5a,5b,5cは、導電性金属を薄いテープ状にしたものを、図のように一部をカーボン塗布紙2A,2Aの所定位置に載せた状態にして導電性接着剤等で貼り付けて配置され、その回路の端部側が片面を外部に露出して接続端子51,52とされており、この部分が接続部4を構成している。また、樹脂コート層3A,3Bが幅方向に延設された縁部の四隅には、掛止孔30a,30b,30c,30dが開口している。
図2のA−A線に沿う断面図を拡大した図3を参照しながら、本実施の形態を詳細に説明する。この炭素被覆面状ヒータ1Aは、上述したようにFRP成形体を作成するのとほぼ同様の工程で作成されたものであって、その厚さも一般的なFRP成形体とほぼ同様であり、図では説明のためにやや厚めに表現しているが、実際には1〜2mm程度の厚さとしている。
そして、そのカーボン塗布紙2Aの表裏には、グラスファイバー31,32を網目状に配置したプリプレグシートによる樹脂コート層3A,3Aが形成されているが、カーボン塗布紙2Aのない縁部ではこれらが上下に一体化しており、また、カーボン塗布紙2Aのある中間部分でも、電極5bを貼付した部分以外は、非導電性樹脂がカーボン塗布紙2Aの繊維間に含浸して、表裏の非導電性樹脂による樹脂コート層3A,3Bと一体化したものとなっている。
一方、図4は図2の炭素被覆面状ヒータ1AにおけるB−B線に沿う接続部4の断面図を示しているが、カーボン塗布紙2Aの上から幅方向に延設された電極5bは、接続部4で一方の面を露出しており、この部分が電源線に接続するための接続端子51となっている。尚、この接続部4を形成する方法としては、2枚目のプリプレグシートを重ねる際に、接続部4で露出させたい部分だけ上側のプリプレグシートの凸部を短くして、重ねた状態で露出した下側の凸部の上にマスキングテープを載せ、加熱・硬化させてからそのマスキングテープを剥離すれば良い。
本発明で用いる導電性シートとしては、上述した実施の形態におけるパルプを用いた紙に限定されず、非導電性の繊維構成体シートとして、適度な薄さ、耐久性、耐熱性を備えたものであれば、多種多様なものを使用することができる。例えば、様々な繊維素材を用いた布や不織布を用いることができ、また、ガラスや鉱石等の無機素材を原料とした繊維からなる紙や布も使用することができ、この場合は耐熱性・防火性に優れたものになる。さらに、繊維を分散した液に導電性カーボン素材を均一に分散させてから、抄紙してそのまま導電性シートとしても良い。
尚、本発明に用いる導電性カーボン素材としては、上述したカーボンナノチューブに限定されず、カーボンブラック、カーボンマイクロファイバー(短繊維)、カーボンナノホーンのいずれであっても良い。しかし、製造時の作業性、導電性、熱伝導性、エネルギー効率の観点から、被覆する繊維よりも小径のものが好ましく、これに加え繊維径が少なくとも8μm以下のものがさらに好ましく、殊にカーボンナノチューブが好適である。また、樹脂コート層3A,3Aを構成する非導電性樹脂としては、ヒータの想定温度に応じた耐熱性を備えていることが必須であり、150度以上の耐熱性を発揮するフェノール樹脂が好適と考えられるものの、このような熱硬化性樹脂に限定されるものではなく、導電性シートへの含浸時に未硬化の状態で所定の浸透性を発揮可能なものであれば、様々な樹脂を使用することができる。
図5は、本実施の形態の炭素被覆面状ヒータ1Aを2枚纏めて電源線に接続した場合の一例を示している。この例では2枚の炭素被覆面状ヒータ1Aを2つの接続部を有した接続具7Aで電気的に接続しており、C−C線に沿う拡大した断面図である図6に示すように、両接続部4,4を左右の挿入口7a,7bから挿入してバネ端子7cの弾性面を接続端子51,52表面に各々押圧して電源線に接続している。尚、図示は省略するが、接続具7Aの挿入口7a,7bを有した薄肉の部分と接続部4,4の露出部分を一緒に覆うようにして、防水テープを複数回捲いて防水処理を施しておくことが、漏電防止の観点で好ましい。
図7は、炭素被覆面状ヒータ1Aの1枚を電源線に接続する場合の一例を示しており、1つの接続部を有した接続具7Bを使用するものとしている。この場合、図8の拡大した部分縦断面図に示すように、接続具7Bの接続部も炭素被覆面状ヒータ1Aの接続部4と同様の構成となっており、図のように接続端子51,71のある薄い部分を重ね合わせながら、防水テープ等でその部分を捲いて固定する方式となっている。
図9は、上述した炭素被覆面状ヒータ1Aの応用例としての炭素被覆面状ヒータ1Bを部分縦断面図で示している。この例では、導電性シートであるカーボン塗布紙2Cの下方に、樹脂コート層3Aを介しながら、熱反射シート8がカーボン塗布紙2Cに対し平行且つ電気的に接続しない状態で配置されている点を特徴としており、その下方にも樹脂コート層3Cを備えたものとなっている。
即ち、カーボン塗布紙自体は、表裏両面方向にほぼ均一の量の遠赤外線を放射する機能を有しているが、面状ヒータとして使用する場合は一方の面側だけを暖房したいケースが多いことから、一方の面側に遠赤外線の放射を集中させる目的で熱反射シート8を配置したものである。この場合、熱反射シート8としては、アルミ蒸着フィルムやアルミホイル等が好適であるが、これが外部に露出している場合、比較的短期間で腐食して熱反射能が低下してしまうため、FRPの中に封入してその耐久性を確保している。
このように、照射する遠赤外線に方向性を持たせた炭素被覆面状ヒータ1Bは、床暖房、壁暖房のほか、風呂場やトイレに掛けて使用する場合にも好適であり、薄くても強度・防水性に優れている特性から、例えば畳の中に配設したり屋根や通路の融雪シートとして配設したり、或いは融雪ブロックや融雪タイル内に発熱手段として内装する用途にも適している。また、FRP成形体と同様の方法・手順で作成できることから、通常のFRP製品にそのままヒータ機能を持たせることも可能であり、例えばスタジアムや公園等の屋外にあるFRPシートの座面をそのままヒータにしたりバスタブの壁面を部分的にヒータにして保温機能を追加したりするなど、その用途は極めて多様である。
尚、熱反射シート8をカーボン塗布紙2Aの下面に直接配置した場合には、これが電気的な短絡の原因になりやすいことに加え、カーボン塗布紙2Aへの非導電性樹脂の含浸及び樹脂コート層との一体化を損ないやすくなる懸念もあるため、プリプレグシートを1枚介装した配置としている。また、熱反射シート8と樹脂コート層3A,3Bとの接着性が低く各層間の接続力が低下して機械的強度の低下を招く畏れがある場合には、熱反射シート8に複数の小孔を均一に形成しておくことで、接続力を高めることができる。
さらに、図示は省略するが前述した炭素被覆面状ヒータ1Bの変形例として、熱反射シート8の代わりにシート状の太陽電池を配置することで、ソーラーパネルを兼ねた面状ヒータとすることもできる。この場合、樹脂コート層は透光性の高いものを使用し、カーボン塗布紙も樹脂を含浸した状態で所定の透光性を有したものを使用すれば良い。例えば、カーポートの屋根やビニールハウスの上面部分を構成するボードやシートに代えてこれを使用することにより、通常時はソーラー発電手段として使用しながら、冬期の積雪時には融雪手段として使用することも可能になる。
尚、上述した実施の形態におけるカーボン塗布紙2Aへの電極の貼付については、図10(A)に示すように一対の対向する長辺の幅総てに亘ってテープ状の電極5d,5eを設けた場合を説明したが、図10(B)に示すように、方形のカーボン塗布紙2Aにおける対角位置の角部のみに電極5f,5gを貼付したり、図10(C)に示すように細長い短冊状のカーボン塗布紙2Dの両短辺に小片状の電極5h,5iを貼付したりしてもよく、これにより抵抗値の減少が達成されるとともに電極の劣化を防止しやすいものとなる。また、塗布液は紙の片側面だけではなく両面に塗布してもよく、これにより一層導電性に優れたカーボン塗布紙を得ることができる。さらに、図2、図5、図7において、樹脂コート層3A,3Bはほぼ透明であるため、外部から内部が透けて見える表現としている。
以上、述べたように、導電性カーボン素材を使用する炭素被覆面状ヒータについて、本発明により、低廉なコストで安全性・耐久性に優れたものすることが可能となった。
1A,1B 炭素被覆面状ヒータ、2A,2C,2D カーボン塗布紙、3A,3B,3C 樹脂コート層、4 接続部、5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h,5i 電極、7A,7B 接続具、8 熱反射シート、31,32 グラスファイバー、51,52,71 接続端子

Claims (8)

  1. シート状繊維構成体の繊維表面に前記繊維よりも小径の導電性カーボン素材を付着させてなる導電性シートを備え、該導電性シートに通電することで発熱する炭素被覆面状ヒータにおいて、前記導電性シートの表裏両面に非導電性樹脂による樹脂コート層が形成されており、前記非導電性樹脂が前記導電性シートに浸透して前記樹脂コート層に挟まれた中間部分が脱気された状態にて表裏及び中間部分の前記非導電性樹脂が硬化したことにより、前記導電性シートを有した中間部分が空気を含まない状態で密封されて内外防水性及び内外絶縁性を有したものとされている、ことを特徴とする炭素被覆面状ヒータ。
  2. 前記表裏の樹脂コート層の少なくともいずれかが繊維強化樹脂からなり、全体として1個のFRP成形体を構成している、ことを特徴とする請求項1に記載した炭素被覆面状ヒータ。
  3. 前記非導電性樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載した炭素被覆面状ヒータ。
  4. 前記導電性カーボン素材は、カーボンブラック、カーボンマイクロファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの群から選ばれた少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1,2または3に記載した炭素被覆面状ヒータ。
  5. 前記繊維構成体は紙であることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載した炭素被覆面状ヒータ。
  6. 前記導電性シートの一方の面側には、遠赤外線を反射する熱反射シートが前記導電性シートに対し平行且つ電気的に接続しない状態で配設されており、前記熱反射シートを配設していない側に向かって遠赤外線を反射する、ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載した炭素被覆面状ヒータ。
  7. 前記導電性シートの所定位置に所定部分を重ねながらヒータ回路の一部を構成する電極を備えており、該電極はテープ状の導電素材からなり前記ヒータ回路の端部側になる部分のみが外部に露出して接続端子となる、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載した炭素被覆面状ヒータ。
  8. 所定形状の一方の型の内面又は所定の平面に、未硬化の熱硬化性樹脂中に強化繊維を有したプリプレグシートを配置し、その上に前記導電性シートと電極を配置した後、前記導電性シートの上に未硬化の熱硬化性樹脂中に強化繊維を有した他のプリプレグシートを重ね、その上から他方の型の内面又は所定の押圧体の表面を密着させながら押圧又は/及び前記中間部分を吸引して、前記導電性シートに前記熱硬化性樹脂を含浸させながら前記両プリプレグシートに挟まれた中間部分を脱気させるとともに、所定温度で所定時間加熱することで所定形状のFRP成形体を得る、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7に記載した炭素被覆面状ヒータの製造方法。
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