JP6685663B2 - 発熱シート - Google Patents

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Description

本発明は、電流が通電することで発熱する発熱シートに関する。
面状の導電性発熱体をラミネートして形成される発熱シートに関する技術として、特許文献1、2に示す技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、炭素繊維混抄紙又は導電性織物などのような面状発熱素材(2)に電極(3)と引出し線(10)をつけた面状発熱素子(1)を、ポリウレタン又はポリブタジエンなどのようなエラストマー(11)の中に密封状に包被して形成される弾性面状発熱体(12)を提供するものであり、面状発熱素材(2)はシリカ膜(4)を含浸硬化させたもの、或いはさらにラミネートフィルム(6)で被覆したものでもよく、弾性面状発熱体(12)はそのままで、或いはシートゴムやチップゴム又はその他の外装材と組合わせて融雪マット又はボードなどのような発熱用製品とされるものである。
また、特許文献2に示す技術は、縦糸の一部に電極用導電体112を織り込んだ網目(メッシュ)状綿織物に炭素系半導体化合物を含浸して焼き付け適度な抵抗値を持たせた、電極用導電体112を有する面状発熱体100に、柔軟性及び防水性に富むポリウレタン樹脂系又は塩化ビニール樹脂系の絶縁フィルムでラミネートして電気絶縁性を付与し、座布団、小型マット、袋状ケースなどの内部に容易に脱着できる形状に裁断して設置し、熱伝導及び遠赤外線放射の両方で人体、ペット用動物などを加温する薄型ヒーターとして、遠赤外線面状発熱体シートを構成し、さらに、24V、12V、9Vなどの低電圧で通電・発熱させるよう抵抗値、構造を工夫することにより感電のリスクを極力軽減すると共に、大きな省電力効果により、電池使用による携帯型暖房器具としての使用も可能とするものである。
特開平10−27675号公報 実用新案登録第3149883号公報
特許文献1、2に示す技術は、面状の発熱体の表面をフィルム等でラミネートする技術であるが、発熱体の表面を直接ラミネートするため、表面及び裏面の双方から放熱され、片面だけを効果的に発熱させることができるものではない。また、特許文献1には、面状発熱体の一面にのみ発泡体を配設する構成が記載されているが、面状発熱体がラミネートされているため、下面側のフィルムに熱が伝導されてしまい上面側の発熱効率が低下してしまうという課題を有する。
本発明は、発熱層とポーラス状の断熱層を積層してラミネートすることで、発熱層の一面側の発熱効率を格段に向上させることができる発熱シート等を提供する。
本発明に係る発熱シートは、電流が通電されることで発熱する発熱層と、前記発熱層の一の面に積層され、負圧の状態でポーラスが維持される断熱層と、前記発熱層及び前記断熱層を高分子化合物の樹脂からなる封止材を介して挟み込んで被覆する被覆層とを備え、前記断熱層が負圧の状態に保持されているものである。
このように、本発明に係る発熱シートにおいては、電流が通電されることで発熱する発熱層と、前記発熱層の一の面に積層され、負圧の状態でポーラスが維持される断熱層と、前記発熱層及び前記断熱層を高分子化合物の樹脂からなる封止材を介して挟み込んで被覆する被覆層とを備え、前記断熱層が負圧の状態に保持されているため、断熱層における負圧の状態となっているポーラスが熱伝導率を低下させ、断熱層が積層されていない他の面側の発熱効率を格段に向上させることができるという効果を奏する。すなわち、消費電力量を抑えて効率よく発熱することが可能になる。
本発明に係る発熱シートは、前記封止材が、アイオノマー系樹脂又はシリコン樹脂からなり、前記封止材に凹部が形成され、当該凹部に対応する大きさで前記被覆層が開口部を有し、当該開口部及び前記凹部にジャンクションボックスがシリコン系の接着剤で固着されるものである。
このように、本発明に係る発熱シートにおいては、前記封止材が、アイオノマー系樹脂又はシリコン樹脂からなり、前記封止材に凹部が形成され、当該凹部に対応する大きさで前記被覆層が開口部を有し、当該開口部及び前記凹部にジャンクションボックスがシリコン系の接着剤で固着されるため、凹部に嵌め込まれるジャンクションボックスをアイオノマー系樹脂やシリコン樹脂と相性がいいシリコン系の接着剤で強固に接着することができ、防水性を格段に向上させることができるという効果を奏する。
また、封止材としてシリコン樹脂を用いた場合は、その難燃性によりシート全体が燃焼してしまうことを防止することができるという効果を奏する。
本発明に係る発熱システムは、前記発熱シートと、前記ジャンクションボックスに配線され、前記発熱層における前記断熱層が積層されていない他の面の表面側に配設される太陽光パネルとを備え、前記太陽光パネルで発電した電力が前記発熱シートに供給されるものである。
このように、本発明に係る発熱システムにおいては、発熱シートと、断熱層が積層されていない面の表面側に配設される太陽光パネルを備え、太陽光パネルで発電した電力が前記発熱シートに供給されるため、例えば寒冷地等における太陽光パネルへの積雪を防止することができると共に、太陽光パネルに積雪してしまった場合であっても発熱シートの熱で効果的に融雪することができるという効果を奏する。
本発明に係る発熱シート生成方法は、電流が通電されることで発熱する発熱層を積層するステップと、前記発熱層の一の面に、負圧の状態でポーラスが維持される断熱層を積層するステップと、前記発熱層及び前記断熱層の表面に熱により溶融するシート状の封止材を積層し、前記封止材の表面に被覆層を積層し、加熱により接着するステップとを含み、前記接着するステップが、前記断熱層が負圧の状態に保持されるように前記被覆層でラミネートするものである。
このように、本発明に係る発熱シート生成方法においては、電流が通電されることで発熱する発熱層を積層するステップと、前記発熱層の一の面に、負圧の状態でポーラスが維持される断熱層を積層するステップと、前記発熱層及び前記断熱層の表面に熱により溶融するシート状の封止材を積層し、前記封止材の表面に被覆層を積層し、加熱により接着するステップとを含み、前記接着するステップが、前記断熱層が負圧の状態に保持されるように前記被覆層でラミネートするため、断熱層における負圧の状態となっているポーラスが熱伝導率を低下させ、断熱層が積層されていない他の面側の発熱効率を格段に向上させることができるという効果を奏する。
本発明に係る発熱シート生成方法は、前記接着するステップが、前記封止材と前記被覆層との間に当該封止材との接着強度が弱い材料からなる小片シートを挿入した状態でラミネートし、前記小片シート及び前記被覆層を当該小片シートのサイズで剥ぎ取るステップと、前記小片シート及び前記被覆層が剥ぎ取られた領域にジャンクションボックスを嵌め込んで固着するステップとを含むものである。
このように、本発明に係る発熱シート生成方法においては、前記封止材と前記被覆層との間に当該封止材との接着強度が弱い材料からなる小片シートを挿入した状態でラミネートし、前記小片シート及び前記被覆層を当該小片シートのサイズで剥ぎ取るステップと、前記小片シート及び前記被覆層が剥ぎ取られた領域にジャンクションボックスを嵌め込んで固着するステップとを含むため、小片シートにより形成された凹部にジャンクションボックスを嵌め込んで強固に接着することができると共に、防水性を高めることができるという効果を奏する。また、小片シートとして被覆層との接着強度が弱い材料を用いることで、当該小片シート及び被覆層を容易に剥ぎ取ることができるという効果を奏する。
本発明に係る発電シートは、太陽光を電気に変換する発電層と、前記発電層を少なくとも90%以上の透過性を有するシリコン樹脂からなる封止材を介して挟み込んで被覆する被覆層とを備えるものである。
このように、本発明に係る発電シートにおいては、太陽光を電気に変換する発電層と、前記発電層を少なくとも90%以上の透過性を有するシリコン樹脂からなる封止材を介して挟み込んで被覆する被覆層とを備えるため、シリコン樹脂の難燃性によりシート全体が燃焼してしまうことを防止すると共に、封止材が90%以上の透過性を有することで、光を十分に吸収することができるという効果を奏する。
本発明に係る発電シートは、前記封止材と前記被覆層との間であって前記発電層の下層側に、アイオノマー系樹脂又はシリコン樹脂からなる封止材で封止された、電流が通電されることで発熱する発熱層と、前記発熱層の下層側に積層され負圧の状態でポーラスが維持される断熱層とを有する発熱体を備えるものである。
このように、本発明に係る発電シートにおいては、封止材と被覆層との間であって前記発電層の下層側に、アイオノマー系樹脂又はシリコン樹脂からなる封止材で封止された、電流が通電されることで発熱する発熱層と、前記発熱層の下層側に積層され負圧の状態でポーラスが維持される断熱層とを有する発熱体を備えるため、シリコン樹脂の難燃性によりシート全体が燃焼してしまうことを防止すると共に、封止材が90%以上の透過性を有することで光を十分に吸収することができ、また、上層部分である太陽光シートに積雪してしまった場合であっても、下層部分である発熱体により効果的に融雪することができるという効果を奏する。
第1の実施形態に係る発熱シートの積層構造を示す図である。 第1の実施形態に係る発熱シートの断面図及び上面図である。 第2の実施形態に係る発熱シートの構造を示す図である。 第2の実施形態に係る発熱シートの製造過程を示す図である。 第3の実施形態に係る発熱システムの構成を示す図である。 第4の実施形態に係る発電シートの第1の断面図である。 第4の実施形態に係る発電シートの第2の断面図である。 実施例における温度測定結果を示す第1の図である。 実施例における温度測定結果を示す第2の図である。 実施例において封止材としてアイオノマー系の樹脂を用いた場合の結果を示す図である。 実施例において封止材としてシリコン系の樹脂を用いた場合の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る発熱シートについて、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る発熱シートの積層構造を示す図、図2は、本実施形態に係る発熱シートの断面図及び上面図である。発熱シート1は、電流が通電されることで発熱する導電繊維からなる布状の発熱体2と、当該発熱体2の一方の面(表面側と裏面側のうち、ここでは裏面側とする)に積層され、真空又は真空に近い負圧の状態でポーラスが維持されるウレタン樹脂からなる平板状の断熱体3と、発熱体2及び断熱体3の表面を覆うように積層されるシート状の封止材4a,4bと、当該封止材をさらに覆うようして積層される外層フィルム5a,5bとを備える。
発熱体2は、電流が通電されることで発熱するシート状(平板状)のものであれば、一般的に知られている発熱体2を用いてもよいが、フレキシブル性を優先するのであれば、例えば、カーボンナノチューブがコーティングされた糸を編み込んだ布性の導電繊維(例えば、CNTEC(登録商標):クラレリビング社)であることが望ましい。また、PTC発熱体やニクロム線等を用いた発熱体であってもよい。この場合、それぞれの発熱体は面状に形成されることが望ましい。
断熱体3は、負圧(理想的には真空)の状態でポーラスが形成されるものであればよく、負圧状態で形状が変形するような軟質のものでもよいし、負圧状態では形状が変形しないような硬質のものでもよい。例えば、ポリウレタンのように負圧状態で形状が変形しやすいものを用いる場合は、厚め(例えば、数cm程度)の板状ポリウレタンを断熱体3とする。減圧されることで厚めの板状ポリウレタンは薄く圧縮されるが、その際にポーラスが維持される程度の減圧とする。すなわち、空気を引き抜いて減圧することで、ポーラスが真空又は真空に近い状態の空気層が形成されるため、熱伝導を抑え保温性を高めることが可能となる。
発熱体2と断熱体3とが積層されたものに対して、その表面及び裏面の全体をシート状の封止材4a,4bで覆うように積層する。さらに、その封止材4a,4bの全体を覆うように外層フィルム5a,5bを積層する。封止材4a,4bは、熱可塑性を有しており、加熱により溶融し、それを冷却して固化することで強固に結合することができる材料(例えば、アイオノマー系樹脂、シリコン樹脂等)を用いることが望ましい。すなわち、外層フィルム5a,5bでラミネートする際に、熱により封止材4a,4bを溶融し、その後、封止材4a,4bを固化させることで、発熱体2及び断熱体3と、外層フィルム5a,5bとの間の空間に封止材4a,4bが充填され、発熱体2及び断熱体と、外層フィルム5a,5bとを強固に接着することができる。このとき、上述したように、断熱体3のポーラスが真空又は真空に近い負圧の状態が保持されるようにラミネートされる。また、封止材4a,4bにシリコン樹脂を用いた場合は、その難燃性により発熱シート1の燃焼を防止することができる。
このように、図1及び図2に示すような本実施形態に係る発熱シート1によれば、発熱体2が発熱した熱を断熱体3の空気層(真空層)が断熱することで、一方の面(断熱体3が積層されていない側の面)の放熱効果を高めることができ、例えば、積雪の融雪等を効率よく行うことが可能になる。また、ガラス等の硬化性が高い素材を用いないことで、シート状のフレキシブルな発熱シートを実現することができ、様々な場所、用途に利用することが可能になる。
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る発熱シートについて、図3及び図4を用いて説明する。本実施形態に係る発熱シートは、前記第1の実施形態に係る発熱シートを改良したものであり、ジャンクションボックス(以下、JBという)の接着方法を工夫することで極めて優れた防水性を実現できるものである。なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と異なる説明は省略する。
図3は、本実施形態に係る発熱シートの構造を示す図である。図3(A)は、発熱シートの上面図、図3(B)は、図3(A)の矢印aから見た場合の断面図である。本実施形態に係る発熱シート1は、前記第1の実施形態における発熱シート1にJB6を設置しているものである。このJB6は、電線の結合、分岐、中継等を行う端子の保護箱であり、発熱シート1の外層フィルム5a,5bに設置する場合には、一般的にシリコン(silicone)接着剤が用いられる。しかしながら、このシリコン接着剤と、一般的に利用されるフッ素系(例えば、一般的に広く用いられるPTFE(Polytetrafluoroethylene))の外層フィルム5a,5bとは接着の相性が悪く、JB6が外層フィルム5a,5bから剥がれてしまうため、防水性や防塵性が良くないという問題があった。
本実施形態においては、図3に示すように、JB6が設置される部分の外層フィルム5aが切り欠かれていると共に、封止材4aにJB6を嵌め込むための凹部7が形成されている。この封止材4aは、シリコン接着剤と接着の相性が良いアイオノマー系のもの又はシリコン樹脂を用いる。図3(B)に示すように、アイオノマー系又はシリコン樹脂の封止材4aの凹部7にシリコン接着剤8を介してJB6が嵌め込まれて強固に接着される。こうすることで、JB6の剥がれを防止することができ、水中においても利用可能となるレベルの防水性を実現することができる。
次に、図3に示す構造の発熱シートを形成する過程について説明する。図4は、本実施形態に係る発熱シートの製造過程を示す図である。まず、図4(A)に示すように、発熱体2と断熱体3とが積層されたものに対して、その表面及び裏面の全体をシート状の封止材4a,4bで覆うように積層し、さらに封止材4a,4bの全体を覆うように外層フィルム5a,5bを積層してラミネートするが、その際に、封止材4aと外層フィルム5aとの間に、封止材4aと接着の相性がよくない小片シート9を挿入する。具体的には、上述したように、封止材4a,4bにアイオノマー系の接着剤又はシリコン樹脂の接着剤を用い、小片シート9にアイオノマー系の接着剤やシリコン樹脂の接着剤と接着の相性が良くないファブリックシート等を用いる。小片シート9のサイズはJB6のサイズに適合するサイズとなっており、JB6の嵌め込み面より一回り大きいサイズのものが用いられる。
図4(A)の積層状態でラミネートすると、図4(B)に示すような構造が形成される。図4(B)において、封止材4aの層に小片シート9による凹部7が形成される。また、小片シート9と封止材4aとの接着の相性が良くないものを用いることで、小片シート9と封止材4aとの境界面は非接着状態(浮いた状態)となっている。
図4(B)の状態で小片シート9に対応する部分を外層フィルム5aと共に切除すると、図4(C)に示すような構造が形成される。小片シート9と封止材4aとは非接着状態であるため、外層フィルム5aに切れ込みを入れることで、切れ込みに対応する領域の小片シート9及び外層フィルム5aを容易に剥がすことができる。そして、図4(D)に示すように、小片シート9及び外層フィルム5aが切除された部分にアイオノマー系又はシリコン樹脂の封止材4aと接着の相性が良好なシリコン接着剤でJB6を固着させることで、JB6を強固に固定することができると共に、シリコンによる高い防水性、防塵性を得ることができる。
このように、本実施形態に係る発熱シートによれば、封止材に凹部が形成され、当該凹部に対応する大きさで外層フィルムが開口部を有し、当該開口部及び凹部にジャンクションボックスがシリコン系の接着剤で固着されるため、凹部に嵌め込まれるジャンクションボックスをアイオノマー系樹脂又はシリコン樹脂と相性がいいシリコン系の接着剤で強固に接着することができ、防水性を格段に向上させることができる。
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る発熱シートを用いた発熱システムについて、図5を用いて説明する。本実施形態に係る発熱システムは、前記各実施形態における発熱シートを利用するものであり、太陽光パネルの背面側に発熱シート1を配設し、太陽光パネルで発電した電力を用いて発熱シート1を発熱するものである。なお、本実施形態において、前記各実施形態と重複する説明は省略する。
図5は、本実施形態に係る発熱システムの構成を示す図である。本実施形態に係る発熱システム10は、太陽光パネル11の背面側(太陽光が照射されない側)に発熱シート1を配設し、太陽光パネル11の配線が発熱シート1のJB6に接続されている。また、太陽光パネル11の配線は、パワーコンディショナー12にも接続されている。つまり、太陽光パネル11で発電した電力は、発熱シート1及びパワーコンディショナー12の双方に出力することができるように接続される。発熱シート1は、発熱体2に対して断熱体3が配置されていない側の面(放熱しやすい側の面)に太陽光パネル11が配置されるように設置される。
JB6では、太陽光パネル11と発熱シート1との接続をON/OFFするスイッチが配設されており、太陽光パネル11を加熱する必要がない場合(例えば、夏場や積雪がない場合)には、スイッチをOFFにして太陽光パネル11からの電力は全てパワーコンディショナー12に出力される。一方、例えば融雪のために太陽光パネル11を加熱する必要がある場合には、スイッチをONにして太陽光パネル11からの電力を発熱シート1に出力する。発熱シート1からの熱により太陽光パネル11に積雪した雪(積雪しようしている雪)を融雪して、太陽光パネル11の発電効率を維持することが可能となる。
なお、太陽光パネル11と発熱シート1との接続のON/OFFは、通信機能により遠隔操作で行うようにしてもよいし、積雪情報と発電量との関係に基づいて、実際の積雪状態を演算で求め、太陽光パネル11に積雪があると判断される場合にのみ発熱シート1に電力が供給されるように通信機能を利用してスイッチのON/OFFを制御するようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る発熱システムによれば、発熱シートの断熱体が積層されていない面の表面側に配設される太陽光パネルを備え、太陽光パネルで発電した電力が前記発熱シートに供給されるため、例えば寒冷地等における太陽光パネルへの積雪を防止することができると共に、太陽光パネルに積雪してしまった場合であっても発熱シートの熱で効果的に融雪することができる。
(本発明の第4の実施形態)
本実施形態に係る発電シートについて、図6及び図7を用いて説明する。本実施形態に係る発電シートは、太陽光を電気に変換する発電層と、当該発電層を透過性を有するシリコン樹脂の封止材で封止したものである。また、例えば、発電層の下層側に上記第1の実施形態における発熱シートと同様の発熱体及び断熱体を備えるものである。なお、本実施形態において、前記各実施形態と重複する説明は省略する。
図6は、本実施形態に係る発電シートの第1の断面図である。図6(A)において、発電シート20は、太陽光を電気に変換するシート状の発電層21と、当該発電層21の表面を覆うように積層されるシート状の封止材4a,4bと、当該封止材4a,4bをさらに覆うようして積層される外層フィルム5a,5bとを備える。
封止材4a,4bは、90%以上の透過性を有するシリコン樹脂で形成されており、また、外層フィルム5a,5bは、例えばフッ素系のものを用いる。つまり、発電層21、封止材4a,4b、及び、外層フィルム5a,5bはいずれもフレキシブルに形状を変化させることができる素材であるため、発電シート20は、様々な場所、用途に利用することが可能である。また、封止材4a,4bは、90%以上の透過性を有するシリコン樹脂で形成されているため、太陽光の光りを十分に透過して効率よく発電することができると共に、その難燃性により発電シート20が燃焼してしまうのを防止することができる。
なお、図6(B)に示すように、太陽電池を外部環境(例えば、水蒸気や酸素等)から保護するためにバリアフィルムを備えるようにしてもよい。
図7は、本実施形態に係る発電シートの第2の断面図である。図7において、発電シート20は、図6における発電シート20の下層側に上記第1の実施形態における発熱シート1の機能を備える構成となっている。図7(A)に示すように、上層から外層フィルム5a、封止材4a、発電層21、封止材4bが積層され、発電機能を備えたシートが形成される。さらに、発熱体2、断熱体3、封止材4b、外層フィルム5bが積層され、発熱機能を備えたシートが形成される。つまり、発電シート20が積雪などにより発電機能を失った場合であっても、発熱機能により積雪した雪を融雪して発電機能を回復することが可能となる。
なお、図6(B)の場合と同様に、図7(B)に示すように太陽電池を外部環境(例えば、水蒸気や酸素等)から保護するためにバリアフィルムを備えるようにしてもよい。
本発明に係る発熱シート及び発電シートについて、以下の実験を行った。
1.発熱シートについての実験
測定対象は以下の通りである。
(1)本発明に係る発熱シートにおいて、1cmの厚みを持った断熱体3を裏面側に積層したもの(以下、第1発熱シートという)。
(2)本発明に係る発熱シートにおいて、2cmの厚みを持った断熱体3を裏面側に積層したもの(以下、第2発熱シートという)。
(3)本発明に係る発熱シートにおいて、断熱体3を有しないもの(以下、第3発熱シートという)。
上記(1)〜(3)の測定対象に対して、(1)と(3)に対して同時に電圧を印加し、また、(2)と(3)に対して同時に電圧を印加し、所定時間経過後(例えば、10分〜20分程度経過後)に電源をOFFにして電圧の印加を停止した。
第3発熱シートについては、上述したように、第1発熱シートとの比較例、第2発熱シートとの比較例としてそれぞれ同一条件で測定を行った。図8及び図9に測定結果を示す。図8は、第1発熱シート及び第3発熱シートの経過時間に対する温度変化を示す図、図9は、第2発熱シート及び第3発熱シートの経過時間に対する温度変化を示す図である。
図8において、第1発熱シートと第3発熱シートを比較すると、第1発熱シートの方が若干温度が高くなっている。これは、断熱体3を挿入したことによる効果と考えられる。しかしながら、表面温度と裏面温度との差は、第1発熱シートも第3発熱シートもそれほど変わらない。すなわち、薄い断熱体3により発熱シート全体の温度は若干上げることができるものの、断熱体3が積層されている裏面側の放熱を抑制しつつ、断熱体3が積層されていない表面側の放熱効果を高めることはできなかった。
これに対して、図9においては、第3発熱シートの表面温度及び裏面温度の差は小さいが、第2発熱シートの表面温度及び裏面温度の差は非常に大きくなっている。これは、厚めの断熱体3を積層したことにより、断熱体3が積層されている裏面側の放熱を抑制しつつ、断熱体3が積層されていない表面側の放熱効果を高めているためである。また、表面側の最高温度は、第3発熱シートに比べて非常に高くなっており、第2発熱シートが一方の面のみに対して非常に効率よく発熱していることが明らかである。さらに、第2発熱シートの表面は、電源を切った後の温度の下降が緩やかであり、長時間に亘って高温状態を維持していることがわかる。つまり、この保温性により消費電力を低減することも可能となっている。
次に、本発明に係る発熱シートの消費電力量の比較実験を行った。測定対象は以下の通りである。
(1)本発明に係る発熱シートと一般的に利用されているニクロム線ヒータとの比較
(2)本発明に係る発熱シートと本発明に係る発熱シートにおいて断熱体3を有しないものとの比較
(3)本発明に係る発熱シートとPTCヒータとの比較
いずれの対象においても、同一の電源を用いて同一の電圧、電力で稼働した。このとき、温度が30度未満になると電源をONにし、温度が35度より大きくなると電源をOFFにする制御を行った。すなわち、発熱シートの温度を常に30度〜35度に維持した場合の消費電力量の比較を行った。以下にその結果を示す。
表1は本願発明とニクロム線ヒータとの比較結果であり、表2は本願発明と本願発明において断熱体を有しないものとの比較結果であり、表3は本願発明とPTCヒータとの比較結果である。いずれも、経時に対する消費電力量の積算値を示している。
表1から明らかなように、現在一般的に利用されているニクロム線ヒータと比較すると本願発明に係る発熱シートの消費電力量は半分以下となっており、少ない消費電力量で効果的に発熱できていることがわかる。また、表2から明らかなように、断熱体3を備えることで、備えない場合に比べて約30%程度消費電力を抑えることが可能である。また、表3から明らかなように、現在主流となりつつあるPTCヒータと比較しても、本願発明の場合は消費電力を6割程度に抑えることが可能となっている。
2.発電シートについての実験
図10及び図11は、封止材4a,4bの燃焼実験の結果を示す図である。図10は、封止材としてアイオノマー系の樹脂を用いた場合の結果を示し、図11は、封止材としてシリコン系の樹脂を用いた場合の結果を示している。図10及び図11から明らかなように、アイオノマー系樹脂の場合は、3分後にはかなり燃焼が進んでいるのに対して、シリコン樹脂の場合は、全く燃焼していない。つまり、封止材としてシリコン樹脂(特に発電シートに用いる場合は透過率が高いもの)を用いた場合は、その難燃性により発熱シートや発電シートの燃焼を防止することができる。
1 発熱シート
2 発熱体
3 断熱体
4a,4b 封止材
5a,5b 外層フィルム
6 JB
7 凹部
8 シリコン接着剤
9 小片シート
10 発熱システム
11 太陽光パネル
12 パワーコンディショナー
20 発電シート
21 発電層

Claims (5)

  1. 電流が通電されることで発熱し、カーボンナノチューブがコーティングされた糸を編み込んだ布性の導電繊維で形成される発熱層と、
    前記発熱層の一の面に直接積層され、負圧の状態でポーラスが維持される断熱層と、
    前記発熱層及び前記断熱層を高分子化合物の樹脂からなる封止材を介して挟み込んで被覆する被覆層とを備え、
    前記断熱層が負圧の状態に保持されていることを特徴とする発熱シート。
  2. 請求項1に記載の発熱シートにおいて、
    前記封止材が、アイオノマー系樹脂又はシリコン樹脂からなり、
    前記封止材に凹部が形成され、当該凹部に対応する大きさで前記被覆層が開口部を有し、当該開口部及び前記凹部にジャンクションボックスがシリコン系の接着剤で固着されることを特徴とする発熱シート。
  3. 請求項2に記載の発熱シートと、
    前記ジャンクションボックスに配線され、前記発熱層における前記断熱層が積層されていない他の面の表面側に配設される太陽光パネルとを備え、
    前記太陽光パネルで発電した電力が前記発熱シートに供給されることを特徴とする発熱システム。
  4. 電流が通電されることで発熱し、カーボンナノチューブがコーティングされた糸を編み込んだ布性の導電繊維で形成される発熱層を積層するステップと、
    前記発熱層の一の面に、負圧の状態でポーラスが維持される断熱層を直接積層するステップと、
    前記発熱層及び前記断熱層の表面に熱により溶融するシート状の封止材を積層し、前記封止材の表面に被覆層を積層し、加熱により接着するステップとを含み、
    前記接着するステップが、前記断熱層が負圧の状態に保持されるように前記被覆層でラミネートすることを特徴とする発熱シート生成方法。
  5. 請求項4に記載の発熱シート生成方法において、
    前記接着するステップが、前記封止材と前記被覆層との間に当該封止材との接着強度が弱い材料からなる小片シートを挿入した状態でラミネートし、
    前記小片シート及び前記被覆層を当該小片シートのサイズで剥ぎ取るステップと、
    前記小片シート及び前記被覆層が剥ぎ取られた領域にジャンクションボックスを嵌め込んで固着するステップとを含むことを特徴とする発熱シート生成方法。
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