JPWO2015152198A1 - 表面プラズモン共鳴蛍光分析方法、表面プラズモン共鳴蛍光分析装置および位置合わせ方法 - Google Patents

表面プラズモン共鳴蛍光分析方法、表面プラズモン共鳴蛍光分析装置および位置合わせ方法 Download PDF

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Abstract

表面プラズモン共鳴蛍光分析方法は、プリズムと、被検出物質を捕捉する捕捉体が固定化された捕捉領域および捕捉体が固定化されていない非捕捉領域を含む金属膜と、を有する分析チップをチップホルダーに設置する。次いで、チップホルダーに設置された分析チップの捕捉領域および非捕捉領域に対応した金属膜の裏面に励起光を照射し、捕捉領域および非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光または励起光の反射光を検出することで、捕捉領域の端部の位置情報を得る。そして、位置情報に基づいてチップホルダーを移動させて、捕捉領域を検出位置に移動させる。最後に、金属膜の裏面に励起光を照射し、蛍光物質から放出された蛍光を検出する。

Description

本発明は、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)を利用して試料液中に含まれる被検出物質を検出する表面プラズモン共鳴蛍光分析方法および表面プラズモン共鳴蛍光分析装置、ならびに試料液中に含まれる被検出物質を検出するときに分析チップを位置合わせする位置合わせ方法に関する。
タンパク質やDNAなどの生体物質を検出する測定において、微量の被検出物質を高感度かつ定量的に検出できれば、即時に患者の状態を把握し治療を行うことが可能となる。このため、微量の被検出物質に起因する微弱な光を、高感度かつ定量的に検出する分析方法および分析装置が求められている。被検出物質を高感度で検出する1つの方法としては、表面プラズモン共鳴蛍光分析(表面プラズモン励起増強蛍光分光(Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy):SPFS)法が知られている。
SPFS法では、金属膜が所定の面上に配置されたプリズムを用いる。そして、プリズムを介して、表面プラズモン共鳴が生じる角度で励起光を金属膜に照射すると、金属膜表面上に局在場光(増強された電場)を発生させることができる。この局在場光により、金属膜上に捕捉された被検出物質を標識する蛍光物質が励起されるため、蛍光物質から放出された蛍光を検出することで、被検出物質の存在またはその量を検出することができる。
SPFS法では、高感度かつ高精度な検出を行うためには、分析チップの位置を高い精度で合わせる必要がある。被検出物質の量(濃度)を正確に検出するためには、励起光の入射角を高精度に調整することが必要であるが、分析チップの位置がずれていると、励起光の入射角を高精度に調整することができない。また、被検出物質を高感度に検出するためには、励起光の照射スポットの形状および位置と金属膜上の反応場の形状および位置とが一致することが好ましいが、分析チップの位置がずれていると、励起光の照射スポットの形状および位置を高精度に調整することができない。一方で、ユーザーに分析チップの位置を高い精度で合わせることを要求することは、ユーザビリティ(使いやすさ)の観点から好ましくない。
SPFS法ではないが、分析チップに光を照射して被検出物質を検出する方法において、分析チップの位置合わせを行う方法がいくつか提案されている。たとえば、特許文献1には、SPR法を利用した検出において、分析チップ(フローセル)に2つの位置確認孔を形成することが開示されている。ユーザーは、この位置確認孔を利用することで分析チップの位置を調整することができる。また、特許文献2には、蛍光物質を利用した検出において、励起光とは別波長の照明光を分析チップ(バイオチップ)に照射し、照明光の反射光または透過光を検出して、分析チップの位置を特定することが開示されている。励起光とは別波長の照明光を利用することで、蛍光物質の退色を防ぎつつ分析チップの位置を特定することができる。
特開2009−288103号公報 特開2007−093250号公報
特許文献1に記載の位置合わせ方法には、2つの位置確認孔を形成しなければならないため、分析チップの製造コストが増大するという問題がある。また、ユーザーが位置合わせをしなければならないため、ユーザビリティが悪いという問題もある。
また、特許文献2に記載の位置合わせ方法には、励起光源とは異なる光源や波長制限フィルターなどを追加しなければならないため、分析装置の製造コストが増大するという問題がある。
本発明の目的は、分析チップおよび分析装置の製造コストの増大を防ぎつつ、分析チップの位置を高い精度で合わせることができる表面プラズモン共鳴蛍光分析方法、表面プラズモン共鳴蛍光分析装置および位置合わせ方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析方法は、被検出物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて発した蛍光を検出して、前記被検出物質の存在またはその量を検出する表面プラズモン共鳴蛍光分析方法であって、入射面、出射面および成膜面を有するプリズムと、前記成膜面上に配置され、その表面に前記被検出物質を捕捉する捕捉体が固定化された捕捉領域および前記捕捉体が固定化されていない非捕捉領域を含む金属膜と、を有する分析チップを、搬送ステージに固定されたチップホルダーに設置する工程と、前記チップホルダーに設置された前記分析チップにおける前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面に前記入射面を介して励起光を照射するとともに、前記捕捉領域および前記非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光を検出し、または前記金属膜の裏面で反射して前記出射面から出射された励起光の反射光を検出し、検出されたプラズモン散乱光または反射光に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程と、前記位置情報に基づいて前記搬送ステージにより前記チップホルダーを移動させて、前記捕捉領域を検出位置に移動させる工程と、前記検出位置に配置された前記捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面に励起光を照射するとともに、前記捕捉体に捕捉されている被検出物質を標識する蛍光物質から放出された蛍光を検出する工程と、を含む。
また、上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析装置は、被検出物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて発した蛍光を検出して、前記被検出物質の存在またはその量を検出する表面プラズモン共鳴蛍光分析装置であって、入射面、出射面および成膜面を有するプリズムと、前記成膜面上に配置され、その表面に前記被検出物質を捕捉する捕捉体が固定化された捕捉領域および前記捕捉体が固定化されていない非捕捉領域を含む金属膜と、を含む分析チップを着脱可能に保持するチップホルダーと、前記チップホルダーを移動させる搬送ステージと、前記チップホルダーに保持された前記分析チップの前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面に前記入射面を介して励起光を照射する励起光照射部と、前記捕捉領域および前記非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光を検出するプラズモン散乱光検出部、または前記金属膜の裏面で反射され前記出射面から出射された励起光の反射光を検出する反射光検出部と、前記プラズモン散乱光検出部または前記反射光検出部の検出結果に基づいて、前記チップホルダーに保持された前記分析チップの前記捕捉領域の端部の位置を特定するとともに、前記搬送ステージにより前記チップホルダーを移動させて、前記分析チップの前記捕捉領域を検出位置に移動させる位置調整部と、前記捕捉体に捕捉されている被検出物質を標識する蛍光物質から放出された蛍光を検出する蛍光検出部と、を有する。
さらに、上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る位置合わせ方法は、表面プラズモン共鳴を利用して、検体に含まれる被検出物質の存在またはその量を検出するときに、前記被検出物質が捕捉された捕捉領域を、前記被検出物質を検出する検出位置に位置合わせする位置合わせ方法であって、入射面、出射面および成膜面を有するプリズムの前記成膜面上に配置され、その表面に前記被検出物質を捕捉する捕捉体が固定化された捕捉領域および前記捕捉体が固定化されていない非捕捉領域を含む金属膜の裏面であって、前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した領域に対して前記入射面を介して励起光を照射するとともに、前記捕捉領域および前記非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光を検出し、または前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面で反射して前記出射面から出射された励起光の反射光を検出し、検出された前記プラズモン散乱光または前記反射光に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程と、前記位置情報に基づいて、前記捕捉領域を検出位置に移動させる工程と、を含む。
本発明によれば、ユーザーの手を煩わせることなく分析チップの高精度な位置合わせを実現することができる。したがって、本発明によれば、製造コストの増大およびユーザビリティの低下を防ぎつつ、被検出物質の高感度かつ高精度な検出を実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るSPFS装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、図1に示されるSPFS装置の動作手順を示すフローチャートである。 図3は、図2に示される位置合わせ工程(S140)内の工程を示すフローチャートである。 図4A、Bは、分析チップにおける捕捉領域の端部の位置情報を得る工程(S141)を説明するための模式図である。 図5Aは、受光センサーによるプラズモン散乱光の検出結果の例を示すグラフであり、図5Bは、捕捉領域および非捕捉領域と、照射スポットと、の位置関係を示す模式図である。 図6A、Bは、受光センサーによるプラズモン散乱光の検出結果の例を示すグラフである。 図7は、本発明の実施の形態2に係るSPFS装置の構成を模式的に示す図である。 図8A、Bは、分析チップにおける捕捉領域の端部の位置情報を得る工程(S141)を説明するための模式図である。 図9Aは、反射光受光センサーによる反射光の検出結果の例を示すグラフであり、図9Bは、捕捉領域および非捕捉領域と、照射スポットと、の位置関係を示す模式図である。 図10A、Bは、反射光受光センサーによる反射光の検出結果の例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析装置(SPFS装置)100の構成を示す模式図である。図1に示されるように、SPFS装置100は、励起光照射ユニット110、応答光検出ユニット130(蛍光検出部)、送液ユニット140、搬送ユニット150および制御部160を有する。SPFS装置100は、搬送ユニット150のチップホルダー154に分析チップ10を装着した状態で使用される。そこで、分析チップ10について先に説明し、その後にSPFS装置100の各構成要素について説明する。
(分析チップの構成)
分析チップ10は、入射面21、成膜面22および出射面23を有するプリズム20と、成膜面22に形成された金属膜30と、成膜面22または金属膜30上に配置された流路蓋40とを有する。通常、分析チップ10は、分析のたびに交換される。
プリズム20は、励起光αに対して透明な誘電体からなる。プリズム20は、入射面21、成膜面22および出射面23を有する。入射面21は、励起光照射ユニット110からの励起光αをプリズム20の内部に入射させる。成膜面22上には、金属膜30が配置されている。プリズム20の内部に入射した励起光αは、金属膜30の裏面で反射する。より具体的には、励起光αは、プリズム20と金属膜30との界面(成膜面22)で反射する。出射面23は、金属膜30の裏面で反射した励起光αをプリズム20の外部に出射させる。
プリズム20の形状は、特に限定されない。本実施の形態では、プリズム20の形状は、台形を底面とする柱体である。台形の一方の底辺に対応する面が成膜面22であり、一方の脚に対応する面が入射面21であり、他方の脚に対応する面が出射面23である。
入射面21は、励起光αが励起光照射ユニット110に戻らないように形成される。励起光αの光源がレーザーダイオード(以下「LD」ともいう)である場合、励起光αがLDに戻ると、LDの励起状態が乱れてしまい、励起光αの波長や出力が変動してしまう。そこで、理想的な増強角を中心とする走査範囲において、励起光αが入射面21に垂直に入射しないように、入射面21の角度が設定される。本実施の形態では、入射面21と成膜面22との角度および成膜面22と出射面23との角度は、いずれも約80°である。
なお、分析チップ10の設計により、共鳴角(およびその極近傍にある増強角)が概ね決まる。設計要素は、プリズム20の屈折率、金属膜30の屈折率、金属膜30の膜厚、金属膜30の消衰係数、励起光αの波長などである。金属膜30に固定化された被検出物質によって共鳴角および増強角がシフトするが、その量は数度未満である。
プリズム20は、複屈折特性を少なからず有する。プリズム20の材料の例には、樹脂およびガラスが含まれる。プリズム20の材料は、好ましくは、屈折率が1.4〜1.6であり、かつ複屈折が小さい樹脂である。
金属膜30は、プリズム20の成膜面22上に配置されている。これにより、成膜面22に全反射条件で入射した励起光αの光子と、金属膜30中の自由電子との間で相互作用(表面プラズモン共鳴)が生じ、金属膜30の表面上に局在場光を生じさせることができる。
金属膜30の材料は、表面プラズモン共鳴を生じさせうる金属であれば特に限定されない。金属膜30の材料の例には、金、銀、銅、アルミ、これらの合金が含まれる。本実施の形態では、金属膜30は、金薄膜である。金属膜30の形成方法は、特に限定されない。金属膜30の形成方法の例には、スパッタリング、蒸着、メッキが含まれる。金属膜30の厚みは、特に限定されないが、30〜70nmの範囲内が好ましい。
金属膜30のプリズム20と対向しない面(金属膜30の表の面)の少なくとも一部には、捕捉領域A1および非捕捉領域A2が配置されている(図5B参照)。捕捉領域A1には、被検出物質を捕捉するための捕捉体が固定化されている。捕捉体を固定化することで、被検出物質を選択的に検出することが可能となる。捕捉領域A1の平面視形状は、特に限定されない。捕捉領域A1の平面視形状の例には、円形や多角形などが含まれる。なお、本実施の形態では、捕捉領域A1の平面視形状は、円形である(図5B参照)。捕捉体の種類は、被検出物質を捕捉することができれば特に限定されない。本実施の形態では、捕捉体は、被検出物質に特異的な抗体またはその断片である。非捕捉領域A2は、捕捉体が固定化されていない捕捉領域A1以外の領域である。たとえば、非捕捉領域A2は、金属膜30そのものであってもよいし、金属膜30の表面に被検出物質の吸着を防止するブロッキング層を有していてもよい。
流路蓋40は、金属膜30上に配置されている。金属膜30がプリズム20の成膜面22の一部にのみ形成されている場合は、流路蓋40は、成膜面22上に配置されていてもよい。流路蓋40の裏面には、流路溝が形成されており、流路蓋40は、金属膜30(およびプリズム20)と共に、液体が流れる流路41を形成する。液体の例には、被検出物質を含む試料液や、蛍光物質で標識された抗体を含む標識液、洗浄液などが含まれる。金属膜30の捕捉領域A1および非捕捉領域A2は、流路41内に露出している。流路41の両端は、流路蓋40の上面に形成された不図示の注入口および排出口とそれぞれ接続されている。流路41内へ液体が注入されると、液体は捕捉領域A1の捕捉体に接触する。
流路蓋40は、金属膜30上から放出される蛍光βおよびプラズモン散乱光γに対して透明な材料からなることが好ましい。流路蓋40の材料の例には、樹脂が含まれる。蛍光βおよびプラズモン散乱光γを外部に取り出す部分が蛍光βおよびプラズモン散乱光γに対して透明であれば、流路蓋40の他の部分は、不透明な材料で形成されていてもよい。流路蓋40は、例えば、両面テープや接着剤などによる接着や、レーザー溶着、超音波溶着、クランプ部材を用いた圧着などにより金属膜30またはプリズム20に接合されている。
図1に示されるように、励起光αは、入射面21からプリズム20内に入射する。プリズム20内に入射した励起光αは、金属膜30に全反射角度(表面プラズモン共鳴が生じる角度)で入射する。このように金属膜30に対して励起光αを表面プラズモン共鳴が生じる角度で照射することで、金属膜30上に局在場光(一般に「エバネッセント光」または「近接場光」とも呼ばれる)を発生させることができる。この局在場光により、金属膜30上に存在する被検出物質を標識する蛍光物質が励起され、蛍光βが出射される。SPFS装置100は、蛍光物質から放出された蛍光βの光量を検出することで、被検出物質の存在または量を検出する。
(SPFS装置の構成)
次に、SPFS装置100の各構成要素について説明する。前述のとおり、SPFS装置100は、励起光照射ユニット110、応答光検出ユニット130、送液ユニット140、搬送ユニット150および制御部160を有する。
励起光照射ユニット110は、チップホルダー154に保持された分析チップ10(金属膜30の裏面)に励起光αを出射する。蛍光βの測定時には、励起光照射ユニット110は、金属膜30に対する入射角が表面プラズモン共鳴を生じさせる角度となるように、金属膜30に対するP波のみを入射面21に向けて出射する。ここで「励起光」とは、蛍光物質を直接または間接的に励起させる光である。たとえば、励起光αは、プリズム20を介して金属膜30に表面プラズモン共鳴が生じる角度で照射されたときに、蛍光物質を励起させる局在場光を金属膜30の表面上に生じさせる光である。本実施の形態に係るSPFS装置100では、励起光αは、分析チップ10の位置決めにも使用される。
励起光照射ユニット110は、励起光αをプリズム20に向けて出射するための構成と、金属膜30の裏面に対する励起光αの入射角度を変更するための構成とを含む。本実施の形態では、励起光照射ユニット110は、光源ユニット111、第1角度調整機構112および光源制御部113を含む。
光源ユニット111は、コリメートされ、かつ波長および光量が一定の励起光αを、金属膜30裏面における照射スポットS(図5B参照)の形状が略円形となるように出射する。光源ユニット111は、例えば、励起光αの光源、ビーム整形光学系、APC機構および温度調整機構(いずれも不図示)を含む。
光源の種類は、特に限定されず、例えばレーザーダイオード(LD)である。光源の他の例には、発光ダイオード、水銀灯、その他のレーザー光源が含まれる。光源から出射される光がビームでない場合は、光源から出射される光は、レンズや鏡、スリットなどによりビームに変換される。また、光源から出射される光が単色光でない場合は、光源から出射される光は、回折格子などにより単色光に変換される。さらに、光源から出射される光が直線偏光でない場合は、光源から出射される光は、偏光子などにより直線偏光の光に変換される。
ビーム整形光学系は、例えば、コリメーターやバンドパスフィルター、直線偏光フィルター、半波長板、スリット、ズーム手段などを含む。ビーム整形光学系は、これらのすべてを含んでいてもよいし、一部を含んでいてもよい。コリメーターは、光源から出射された励起光αをコリメートする。バンドパスフィルターは、光源から出射された励起光αを中心波長のみの狭帯域光にする。光源からの励起光αは、若干の波長分布幅を有しているためである。直線偏光フィルターは、光源から出射された励起光αを完全な直線偏光の光にする。半波長板は、金属膜30にP波成分が入射するように励起光αの偏光方向を調整する。スリットおよびズーム手段は、金属膜30の裏面における照射スポットSの形状が所定サイズの円形となるように、励起光αのビーム径や輪郭形状などを調整する。
APC機構は、光源の出力が一定となるように光源を制御する。より具体的には、APC機構は、励起光αから分岐させた光の光量を不図示のフォトダイオードなどで検出する。そして、APC機構は、回帰回路で投入エネルギーを制御することで、光源の出力を一定に制御する。
温度調整機構は、例えば、ヒーターやペルチェ素子などである。光源から出射される光の波長およびエネルギーは、温度によって変動することがある。このため、温度調整機構で光源の温度を一定に保つことにより、光源から出射される光の波長およびエネルギーを一定に制御する。
第1角度調整機構112は、金属膜30の裏面(プリズム20と金属膜30との界面(成膜面22))への励起光αの入射角を調整する。第1角度調整機構112は、プリズム20を介して金属膜30裏面の所定の位置に向けて所定の入射角で励起光αを照射するために、励起光αの光軸とチップホルダー154とを相対的に回転させる。
たとえば、第1角度調整機構112は、光源ユニット111を励起光αの光軸と直交する軸(図1の紙面に対して垂直な軸)を中心として回動させる。このとき、入射角を変化させても金属膜30上での照射スポットの位置がほとんど変化しないように、回転軸の位置を設定する。回転中心の位置を、入射角の走査範囲の両端における2つの励起光αの光軸の交点近傍(成膜面22上の照射位置と入射面21との間)に設定することで、照射位置のズレを極小化することができる。
金属膜30の裏面に対する励起光αの入射角のうち、プラズモン散乱光γの最大光量を得られる角度が増強角である。増強角またはその近傍の角度に励起光αの入射角を設定することで、高強度の蛍光βを測定することが可能となる。なお、分析チップ10のプリズム20の材料および形状、金属膜30の膜厚、流路41内の液体の屈折率などにより、励起光αの基本的な入射条件が決まるが、流路41内の蛍光物質の種類および量、プリズム20の形状誤差などにより、最適な入射条件はわずかに変動する。このため、測定ごとに最適な増強角を求めることが好ましい。本実施の形態では、金属膜30の法線(図1におけるz軸方向の直線)に対する励起光αの好適な出射角は、約70°である。
光源制御部113は、光源ユニット111に含まれる各種機器を制御して、光源ユニット111の出射光(励起光α)の出射を制御する。光源制御部113は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成される。
応答光検出ユニット130は、被検出物質の検出時において金属膜30の裏面への励起光αの照射によって生じた蛍光βと、分析チップ10の位置決め時および増強角測定時において金属膜30の裏面への励起光αの照射によって生じたプラズモン散乱光γとを検出する。応答光検出ユニット130は、例えば、受光ユニット131、位置切り替え機構132およびセンサー制御部133を含む。
受光ユニット131は、分析チップ10の金属膜30の法線方向(図1におけるz軸方向)に配置される。受光ユニット131は、第1レンズ134、光学フィルター135、第2レンズ136および受光センサー137を含む。
第1レンズ134は、例えば、集光レンズであり、金属膜30上から出射される光を集光する。第2レンズ136は、例えば、結像レンズであり、第1レンズ134で集光された光を受光センサー137の受光面に結像させる。両レンズの間の光路は、略平行な光路になっている。光学フィルター135は、両レンズの間に配置されている。
光学フィルター135は、蛍光成分のみを受光センサー137に導き、高いS/N比で蛍光βを検出するために、励起光成分(プラズモン散乱光γ)を除去する。光学フィルター135の例には、励起光反射フィルター、短波長カットフィルターおよびバンドパスフィルターが含まれる。光学フィルター135は、例えば、所定の光成分を反射する多層膜を含むフィルターであるが、所定の光成分を吸収する色ガラスフィルターであってもよい。
受光センサー137は、蛍光βまたはプラズモン散乱光γを検出する。受光センサー137は、微小量の被検出物質からの微弱な蛍光βまたはプラズモン散乱光γを検出することが可能な、高い感度を有する。受光センサー137は、例えば、光電子増倍管(PMT)やアバランシェフォトダイオード(APD)などである。
位置切り替え機構132は、光学フィルター135の位置を、受光ユニット131における光路上または光路外に切り替える。具体的には、受光センサー137が蛍光βを検出する時には、光学フィルター135を受光ユニット131の光路上に配置し、受光センサー137がプラズモン散乱光γを検出する時には、光学フィルター135を受光ユニット131の光路外に配置する。位置切り替え機構132は、例えば、回転駆動部と、回転運動を利用して光学フィルター135を水平方向に移動させる公知の機構(ターンテーブルやラックアンドピニオンなど)とによって構成される。
センサー制御部133は、受光センサー137の出力値の検出や、検出した出力値による受光センサー137の感度の管理、適切な出力値を得るための受光センサー137の感度の変更、などを制御する。センサー制御部133は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成される。
送液ユニット140は、チップホルダー154に保持された分析チップ10の流路41内に、試料液や標識液、洗浄液などを供給する。送液ユニット140は、薬液チップ141、シリンジポンプ142および送液ポンプ駆動機構143を含む。
薬液チップ141は、試料液や標識液、洗浄液などの液体を収容する容器である。薬液チップ141としては、通常、複数の容器が液体の種類に応じて配置されるか、または複数の容器が一体化したチップが配置される。
シリンジポンプ142は、シリンジ144と、シリンジ144内を往復動作可能なプランジャー145とによって構成される。プランジャー145の往復運動によって、液体の吸引および排出が定量的に行われる。シリンジ144が交換可能であると、シリンジ144の洗浄が不要となる。このため、不純物の混入などを防止する観点から好ましい。シリンジ144が交換可能に構成されていない場合は、シリンジ144内を洗浄する構成をさらに付加することにより、シリンジ144を交換せずに使用することが可能となる。
送液ポンプ駆動機構143は、プランジャー145の駆動装置、およびシリンジポンプ142の移動装置を含む。シリンジポンプ142の駆動装置は、プランジャー145を往復運動させるための装置であり、例えば、ステッピングモーターを含む。ステッピングモーターを含む駆動装置は、シリンジポンプ142の送液量や送液速度を管理できるため、分析チップ10の残液量を管理する観点から好ましい。シリンジポンプ142の移動装置は、例えば、シリンジポンプ142を、シリンジ144の軸方向(例えば垂直方向)と、軸方向を横断する方向(例えば水平方向)との二方向に自在に動かす。シリンジポンプ142の移動装置は、例えば、ロボットアーム、2軸ステージまたは上下動自在なターンテーブルによって構成される。
シリンジ144と分析チップ10との相対的な高さを一定に調整し、分析チップ10内での残液量を一定に管理する観点からは、送液ユニット140は、シリンジ144の先端の位置を検出する装置をさらに有することが好ましい。
送液ユニット140は、薬液チップ141より各種液体を吸引し、分析チップ10の流路41内に供給する。このとき、プランジャー145を動かすことで、分析チップ10中の流路41内を液体が往復し、流路41内の液体が攪拌される。これにより、液体の濃度の均一化や、流路41内における反応(例えば抗原抗体反応)の促進などを実現することができる。このような操作を行う観点から、分析チップ10の注入口は多層フィルムで保護されており、かつシリンジ144がこの多層フィルムを貫通した時に注入口を密閉できるように、分析チップ10およびシリンジ144が構成されていることが好ましい。
流路41内の液体は、再びシリンジポンプ142で吸引され、薬液チップ141などに排出される。これらの動作の繰り返しにより、各種液体による反応、洗浄などを実施し、流路41内の捕捉領域A1に、蛍光物質で標識された被検出物質を配置することができる。
搬送ユニット150は、分析チップ10を測定位置または送液位置に搬送し、固定する。ここで「測定位置」とは、励起光照射ユニット110が分析チップ10に励起光αを照射し、それに伴い発生する蛍光βまたはプラズモン散乱光γを応答光検出ユニット130が検出する位置である。また、「送液位置」とは、送液ユニット140が分析チップ10の流路41内に液体を供給するか、または分析チップ10の流路41内の液体を除去する位置である。搬送ユニット150は、搬送ステージ152およびチップホルダー154を含む。チップホルダー154は、搬送ステージ152に固定されており、分析チップ10を着脱可能に保持する。チップホルダー154の形状は、分析チップ10を保持することが可能であり、かつ励起光αの光路を妨げない形状である。たとえば、チップホルダー154には、励起光αが通過するための開口が設けられている。搬送ステージ152は、チップホルダー154を一方向(図1におけるx軸方向)およびその逆方向に移動させる。搬送ステージ152は、例えば、ステッピングモーターなどで駆動される。
制御部160は、第1角度調整機構112、光源制御部113、位置切り替え機構132、センサー制御部133、送液ポンプ駆動機構143および搬送ステージ152を制御する。また、制御部160は、応答光検出ユニット130の検出結果に基づいて、チップホルダー154に保持された分析チップ10における捕捉領域A1の端部の位置を特定するとともに、搬送ステージ152によりチップホルダー154を移動させて、分析チップ10の捕捉領域A1を適切な測定位置に移動させる位置調整部としても機能する。制御部160は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成される。
次に、SPFS装置100の検出動作(本発明の実施の形態1に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析方法および本発明の実施の形態1に係る位置合わせ方法)について説明する。図2は、SPFS装置100の動作手順の一例を示すフローチャートである。図3〜図5は、位置合わせ工程を説明するための図である。図3は、図2に示される位置合わせ工程(S140)内の工程を示すフローチャートである。
まず、SPFS装置100のチップホルダー154に分析チップ10が設置される(S100)。次いで、制御部160は、搬送ステージ152を操作して、分析チップ10を送液位置に移動させる(S110)。
次いで、制御部160は、送液ユニット140を操作して、薬液チップ141内の試料液を分析チップ10の流路41内に導入する(S120)。流路41内では、抗原抗体反応(1次反応)によって、金属膜30上に被検出物質が捕捉される。この後、流路41内の試料液は除去され、流路41内は洗浄液で洗浄される。なお、分析チップ10の流路41内に保湿剤が存在する場合は、捕捉体が適切に被検出物質を捕捉できるように、試料液を導入する前に流路41内を洗浄して保湿剤を除去する。
次いで、制御部160は、搬送ステージ152を操作して、分析チップ10を測定位置の近くまで移動させる(S130)。
次いで、制御部160は、励起光照射ユニット110、応答光検出ユニット130および搬送ステージ152を操作して、捕捉領域A1の端部の位置情報を得るとともに、得られた位置情報に基づいて捕捉領域A1(分析チップ10)の位置を調整する(S140)。図3に示されるように、この工程では、まず、チップホルダー154に保持された分析チップ10における捕捉領域A1および非捕捉領域A2の直下であって、捕捉領域A1および非捕捉領域A2と同じ形状の領域(金属膜30の裏面の領域)に励起光αを照射するとともに、捕捉領域A1および非捕捉領域A2から放出されたプラズモン散乱光γを検出して、分析チップ10の捕捉領域A1の端部の位置情報を得る(S141)。これにより、測定位置からの捕捉領域A1の位置ずれの程度を特定することができる。次いで、得られた位置情報に基づいて、搬送ステージ152によりチップホルダー154を移動させて、分析チップ10の捕捉領域A1を適切な測定位置に配置する(S142)。
図4Aは、捕捉領域A1の端部の位置情報を得る工程(S141)を説明するための模式図であり、図4Bは、励起光αの入射角度と、プラズモン散乱光γの光量との関係を模式的に示したグラフである。図4Bの実線(L1)は、捕捉領域A1における励起光αの入射角度に対するプラズモン散乱光γの光量の変動を示しており、破線(L2)は、非捕捉領域A2における励起光αの入射角度に対するプラズモン散乱光γの光量の変動を示している。図5Aは、励起光αの照射スポットSの移動距離と、プラズモン散乱光γの光量との関係を模式的に示したグラフであり、図5Bは、捕捉領域A1および非捕捉領域A2と、照射スポットSと、の位置関係を示す模式図である。なお、図5Aの矢印で示された点a〜点fは、図5Bに示されたa〜fに対応している。
ここでは、図4および図5に示されるように、励起光αの入射角度を固定した状態で、励起光αの照射スポットSを金属膜30の裏面を走査させて得られるプラズモン散乱光γの励起光αの、入射角度に対する依存特性を利用する。すなわち、励起光αの入射角度を固定した状態で、励起光αの照射スポットSを金属膜30の裏面を走査して、プラズモン散乱光γの変動により、捕捉領域A1の端部の位置を検出する。具体的には、第1角度調整機構112により励起光αの入射角度を所定の角度となるように調整した状態で、搬送ステージ152を駆動させて分析チップ10を移動することで、励起光αの照射スポットを金属膜30の裏面上を走査させる。ここで、励起光αの入射角度は、捕捉領域A1から放出されるプラズモン散乱光γの光量と、非捕捉領域A2から放出されるプラズモン散乱光γの光量と、が同量でない角度(図4BにおけるL1およびL2が交わらない位置の入射角度)である。たとえば、励起光αの入射角度は、後述する捕捉領域A1における増強角、または非捕捉領域A2における増強角である。なお、図4Bに示されるような励起光αの入射角度に対するプラズモン散乱光γの光量の変動は、捕捉領域A1および非捕捉領域A2に対応する金属膜30の裏面のいずれの部分に励起光αを照射しても得られる。
図5Aおよび図5Bに示されるように、照射スポットSを金属膜30の裏面の一方の端部から他方の端部に向かって走査させると、受光センサー137で受光するプラズモン散乱光γの光量が変化し始める点(図5Aの点bおよび図5Bのb)が存在する。これは、金属膜30の裏面における励起光αの照射スポットSの位置に対応した金属膜30表面の状態が変化したことを意味する。ここで、前述したように、捕捉領域A1に対応する金属膜30の裏面と、非捕捉領域A2に対応する金属膜30の裏面と、に同一の入射角度で励起光αを照射した多くの場合では、捕捉領域A1および非捕捉領域A2から放出されるプラズモン散乱光γの光量が異なる(図4B参照)。この場合は、図4BにおけるP1の入射角度で励起光αを入射した場合の例である。したがって、図5Aにおいてプラズモン散乱光γの光量が増加し始める点(点b)は、図5Bにおいて照射スポットSの走査方向の先端が捕捉領域A1および非捕捉領域A2の境界に到達した点であることが分かる。
次いで、そのまま照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量が徐々に増加する(図5Aの点b〜点c)。これは、照射スポットSにおいて、非捕捉領域A2に対応する部分に対して、捕捉領域A1に対応する部分の割合が徐々に増加するためである。すなわち、金属膜30の裏面において、照射スポットSが非捕捉領域A2に対応する部分から捕捉領域A1に対応する部分に移行していることが分かる。
さらに照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量が一定となる(図5Aの点c〜点d)。これは、照射スポットSの全てが捕捉領域A1に対応する部分の範囲内に位置するためである。
次いで、そのまま照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量が徐々に減少する(図5Aの点d〜点e)。これは、照射スポットSにおいて、非捕捉領域A2に対応する部分に対して、捕捉領域A1に対応する部分の割合が徐々に減少するためである。すなわち、金属膜30の裏面において、照射スポットSが捕捉領域A1に対応する部分から非捕捉領域A2に対応する部分に移行していることが分かる。
最後に、そのまま照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量の減少が停止する(図5Aの点e〜点f)。これは、照射スポットSが、非捕捉領域A2に対応する部分に移行したことが分かる。
図5Bにおいて、捕捉領域A1の端部の位置を特定するには、b、c、d、eのいずれかを使用すればよい。bおよびdは、照射スポットSの走査方向の先端が捕捉領域A1の端部に到達した地点を示している。したがって、励起光αの照射スポットS径を考慮すれば、捕捉領域A1の端部の位置を特定することができ、結果として捕捉領域A1の中心の位置を特定することができる。
また、cおよびeは、励起光αの照射スポットSの走査方向の後端が捕捉領域A1の端部に到達した地点を示している。したがって、励起光αの照射スポットS径を考慮すれば、捕捉領域A1の端部の位置を特定することができ、結果として捕捉領域A1の中心の位置を特定することができる。
なお、bおよびcの中点、またはdおよびeの中点を使用してもよい。bおよびcの中点、またはdおよびeの中点を利用する場合は、励起光αの照射スポットS径を考慮することなく、捕捉領域A1の端部の位置を特定することができ、結果として捕捉領域A1の中心の位置を特定することができる。この場合、励起光αの照射スポットS径の影響を抑制する観点からは、プラズモン散乱光γの光量の中間値を用いて、捕捉領域A1の端部を特定することが好ましい。
このように、分析チップ10の裏面に励起光αを照射するとともに、捕捉領域A1および非捕捉領域A2から放出されるプラズモン散乱光γを検出することで、分析チップ10における捕捉領域A1の位置を特定することができる。
SPFS装置100の動作手順の説明に戻る(図2参照)。次いで、制御部160は、励起光照射ユニット110および応答光検出ユニット130を操作して、適切な測定位置に配置された分析チップ10に励起光αを照射するとともに、励起光αと同一波長のプラズモン散乱光γを検出して、増強角を検出する(S150)。具体的には、制御部160は、励起光照射ユニット110を操作して金属膜30に対する励起光αの入射角を走査しつつ、応答光検出ユニット130を操作してプラズモン散乱光γを検出する。このとき、制御部160は、位置切り替え機構132を操作して、光学フィルター135を受光ユニット131の光路外に配置する。そして、制御部160は、プラズモン散乱光γの光量が最大の時の励起光αの入射角を増強角として決定する。
次いで、制御部160は、励起光照射ユニット110および応答光検出ユニット130を操作して、適切な測定位置に配置された分析チップ10に励起光αを照射するとともに、受光センサー137の出力値(光学ブランク値)を記録する(S160)。このとき、制御部160は、第1角度調整機構112を操作して、励起光αの入射角を増強角に設定する。また、制御部160は、位置切り替え機構132を制御して、光学フィルター135を受光ユニット131の光路内に配置する。
次いで、制御部160は、搬送ステージ152を操作して、分析チップ10を送液位置に移動させる(S170)。
次いで、制御部160は、送液ユニット140を操作して、蛍光物質で標識された2次抗体を含む液体(標識液)を分析チップ10の流路41内に導入する(S180)。流路41内では、抗原抗体反応(2次反応)によって、金属膜30上に捕捉されている被検出物質が蛍光物質で標識される。この後、流路41内の標識液は除去され、流路41内は洗浄液で洗浄される。
次いで、制御部160は、搬送ステージ152を操作して、分析チップ10をS140で決定された適切な測定位置に移動させる(S190)。
次いで、制御部160は、励起光照射ユニット110および応答光検出ユニット130を操作して、適切な測定位置に配置された分析チップ10に励起光αを照射するとともに、捕捉体に捕捉されている被検出物質を標識する蛍光物質から放出された蛍光βを検出する(S200)。制御部160は、検出値から光学ブランク値を引き、被検出物質の量に相関する蛍光強度を算出する。検出された蛍光強度は、必要に応じて、被検出物質の量や濃度などに換算される。
以上の手順により、試料液中の被検出物質の存在またはその量を検出することができる。
なお、増強角の検出(S150)は、1次反応(S120)の前に行ってもよい。この場合は、分析チップ10の測定位置の決定(S130およびS140)は、1次反応(S110およびS120)の前に実施される。また、励起光αの入射角があらかじめ決まっている場合は、増強角の検出(S150)を省略してもよい。この場合も、分析チップ10の測定位置の決定(S130およびS140)は、光学ブランク値の測定(S160)の前に実施される。このように、分析チップ10の測定位置の決定(S130およびS140)は、光学測定(増強角の検出、光学ブランク値の測定または蛍光の検出)を初めて実施する前に実施されることが好ましい。
また、上記の説明では、被検出物質と捕捉体とを反応させる工程(1次反応、S120)の後に、被検出物質を蛍光物質で標識する工程(2次反応、S180)を行った(2工程方式)。しかしながら、被検出物質を蛍光物質で標識するタイミングは、特に限定されない。たとえば、分析チップ10の流路41内に試料液を導入する前に、試料液に標識液を添加して被検出物質を予め蛍光物質で標識しておいてもよい。また、分析チップ10の流路41内に試料液と標識液を同時に注入してもよい。前者の場合は、分析チップ10の流路41内に試料液を注入することで、蛍光物質で標識されている被検出物質が捕捉体により捕捉される。後者の場合は、被検出物質が蛍光物質で標識されるとともに、被検出物質が捕捉体により捕捉される。いずれの場合も、分析チップ10の流路41内に試料液を導入することで、1次反応および2次反応の両方を完了することができる(1工程方式)。このように1工程方式を採用する場合は、抗原抗体反応の前に増強角の検出(S150)が実施され、さらにその前に、分析チップ10の測定位置の決定(S130およびS140)が実施される。
また、位置合わせ工程(S140)を行うタイミングは、被検出物質を蛍光標識した蛍光物質から放出された蛍光を検出する前であれば、1次反応(S120)の前でなくてもよい。たとえば、位置合わせ工程(S140)を1次反応(S120)の後に行ってもよいし、1次反応(S120)の後であって、2次反応(S180)の前であってもよい。
また、励起光αの入射角度は、検出されたプラズモン散乱光γの光量が最大となる捕捉領域A1における増強角(図4BのP1参照)であってもよい。ここでいう増強角は、正確な増強角ではなく、分析チップ10を設計したときにより決まる理論上の角度である。図6Aに示されるように、励起光の増強角を捕捉領域A1における増強角とすると、入射角度を任意の角度とした場合と比較して、プラズモン散乱光γの変動量が大きくなることが分かる(図5Bおよび図6A参照)。よって、捕捉領域A1の端部の位置情報を取得する工程において、捕捉領域A1の端部をより正確に検出することができる。
また、励起光αの入射角度は、検出されたプラズモン散乱光γの光量が最大となる非捕捉領域A2における増強角(図4BのP2参照)であってもよい。この場合、図6Bに示されるように、照射スポットSを金属膜30の裏面の一方の端部から他方の端部に向かって走査させると、受光センサー137で受光するプラズモン散乱光γの光量が低下し始める点(図6Bの点b)が存在する。これは、金属膜30の裏面における励起光の照射スポットSの位置に対応した金属膜30表面の状態が変化したことを意味する。ここで、前述したように、捕捉領域A1に対応する金属膜30の裏面と、非捕捉領域A2に対応する金属膜30の裏面と、に同一の入射角度で励起光αを照射した多くの場合では、捕捉領域A1および非捕捉領域A2から放出されるプラズモン散乱光γの光量が異なる(図4B参照)。したがって、プラズモン散乱光γの光量が増加し始める点は、捕捉領域A1および非捕捉領域A2の境界に該当することが分かる。
次いで、そのまま照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量が徐々に減少する(図6Bの点b〜点c)。これは、照射スポットSにおいて、非捕捉領域A2に対応する部分に対して、捕捉領域A1に対応する部分の割合が徐々に増加するためである。すなわち、金属膜30の裏面において、照射スポットSが非捕捉領域A2に対応するから捕捉領域A1に対応する部分に移行していることが分かる。
さらに照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量が一定となる(図6Bの点c〜点d)。これは、照射スポットSの全てが捕捉領域A1に対応する部分の範囲内に位置するためである。
次いで、そのまま照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量が増加に増加する(図6Bの点d〜点e)。これは、照射スポットSにおいて、非捕捉領域A2に対応する部分に対して、捕捉領域A1に対応する部分の割合が徐々に減少するためである。すなわち、金属膜30の裏面において、照射スポットSが捕捉領域A1に対応するから非捕捉領域A2に対応する部分に移行していることが分かる。
最後に、そのまま照射スポットSを走査し続けると、受光センサー137に入射するプラズモン散乱光γの光量の増加が停止する(図6Bの点e〜点f)。これは、照射スポットSが、非捕捉領域A2に対応する部分に移行したことが分かる。
また、励起光の増強角を捕捉領域A1における増強角とすると、入射角度を任意の角度とした場合と比較して、プラズモン散乱光γの変動量が大きくなることが分かる(図5Aおよび図6B参照)。よって、この場合も捕捉領域A1の端部の位置情報を取得する工程において、捕捉領域A1の端部をより正確に検出することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係るSPFS装置200は、励起光αの反射光δを検出する反射光検出ユニット270を有する点において、実施の形態1に係るSPFS装置100と異なる。そこで、実施の形態1に係るSPFS装置100と同じ構成要素については同一の符番を付し、説明を省略する。
(SPFS装置の構成)
図7は、実施の形態2に係るSPFS装置200の構成を示す図である。図7に示されるように、実施の形態2に係るSPFS装置200は、励起光照射ユニット110、応答光検出ユニット130、送液ユニット140、搬送ユニット150、制御部160に加え、反射光検出ユニット270を有する。
反射光検出ユニット270は、照射スポットSを通る、金属膜30に対する法線を挟んで、励起光照射ユニット110の反対側に配置されている。反射光検出ユニット270は、反射光検出センサー271および第2角度調整機構272を有する。
反射光検出センサー271は、励起光αの反射光δを検出する。反射光検出センサー271の種類は、反射光δを検出可能であれば特に限定されない。たとえば、反射光検出センサー271は、フォトダイオード(PD)である。反射光検出センサー271の受光面の大きさは、反射光δのビーム径よりも大きいことが好ましい。反射光検出センサー271は、励起光αの反射光δが入射する位置に配置される。第2角度調整機構272は、第1角度調整機構112と同様に構成されており、反射光δの角度に応じて反射光検出センサー271の受光面の角度を第1角度調整機構112に連動して調整する。
次に、SPFS装置200の検出動作(本発明の一実施の形態に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析方法および本発明の一実施の形態に係る位置合わせ方法)について説明する。なお、実施の形態2に係るSPFS装置200の検出動作は、位置合わせ工程を除き、実施の形態1と同じであるため、本実施の形態では位置合わせ工程のみ説明する。
図8は、捕捉領域A1の端部の位置情報を得る工程を説明するための模式図である。図8Aは、捕捉領域A1の端部の位置情報を得る工程を説明するための模式図であり、図8Bは、励起光αの入射角度と、反射光δの光量との関係を模式的に示したグラフである。図8Bの実線(L3)は、捕捉領域A1における励起光αの入射角度に対する反射光δの光量の変動を示しており、破線(L4)は、非捕捉領域A2における励起光αの入射角度に対する反射光δの光量の変動を示している。図9Aは、励起光αの照射スポットSの移動距離と、反射光δの光量との関係を模式的に示したグラフであり、図9Bは、捕捉領域A1および非捕捉領域A2と、照射スポットSと、の位置関係を示す模式図である。なお、図9Aの矢印で示された点a〜点fは、図9Bに示されたa〜fに対応している。
ここでは、図8および図9に示されるように、励起光αの入射角度を固定した状態で、励起光αの照射スポットSを金属膜30の裏面を走査させて得られる反射光δの入射角度の依存特性を利用する。すなわち、励起光αの入射角度を固定した状態で、励起光αの照射スポットSを金属膜30の裏面を走査して、反射光δの変動により、捕捉領域A1の端部を検出する。具体的には、図9Aに示されるように、第1角度調整機構112により励起光αの入射角度を所定の角度となるように調整した状態で、搬送ステージ152を駆動させて分析チップ10を移動することで、励起光αの照射スポットSを金属膜30の裏面上を走査させる。ここで、励起光αの入射角度は、捕捉領域A1から放出される反射光の光量と、非捕捉領域から放出される反射光の光量と、が同量でない角度(図8BにおけるL3およびL4が交わらない位置の入射角度)である。たとえば、励起光αの入射角度は、後述する捕捉領域A1における共鳴角、または非捕捉領域A2における共鳴角である。
このとき、照射スポットSを金属膜30の裏面の一方の端部から他方の端部に向かって走査させると、反射光検出センサー271で受光する反射光δの光量が変化し始める点が存在する。これは、金属膜30の裏面における励起光αの照射スポットSの位置に対応した金属膜30表面の状態が変化したことを意味する。ここで、前述したように、捕捉領域A1に対応する金属膜30の裏面と、非捕捉領域A2に対応する金属膜30の裏面と、に同一の入射角度で励起光αを照射した多くの場合では、出射面23から出射される反射光δの光量が異なる(図8B参照)。この場合は、図8BにおけるP3の入射角度で励起光を入射した場合の例である。したがって、反射光δの光量が減少し始める点は、捕捉領域A1および非捕捉領域A2の境界に該当することが分かる。
次いで、そのまま照射スポットSを走査し続けると、反射光検出センサー271に入射する反射光δの光量が徐々に減少する。これは、照射スポットSにおいて、非捕捉領域A2に対応する部分に対して、捕捉領域A1に対応する部分の割合が徐々に増加するためである。すなわち、金属膜30の裏面において、照射スポットSが非捕捉領域A2に対応する部分から捕捉領域A1に対応する部分に移行している途中であることが分かる。
さらに照射スポットSを走査し続けると、反射光検出センサー271に入射する反射光δの光量が一定となる。これは、照射スポットSの全てが捕捉領域A1に対応する部分の範囲内に位置するためである。
次いで、そのまま照射スポットSを走査し続けると、反射光検出センサー271に入射する反射光δの光量が徐々に増加する。これは、照射スポットSにおいて、非捕捉領域A2に対応する部分に対して、捕捉領域A1に対応する部分の割合が徐々に減少するためである。すなわち、金属膜30の裏面において、照射スポットSが捕捉領域A1に対応する部分から非捕捉領域A2に対応する部分に移行していることが分かる。
図9Aのグラフおよび図9Bの説明図において、捕捉領域A1の端部の位置を特定するには、実施の形態1と同様に、点b〜点e、b〜eのいずれかを使用すればよい。
このように、分析チップ10の裏面に励起光αを照射するとともに、出射面23から出射される反射光δを検出することで、分析チップ10における捕捉領域A1端部の位置を特定することができる。
なお、励起光αの入射角度は、検出された反射光δの光量が最小となる捕捉領域A1における共鳴角(図8BのP3参照)であってもよい。ここでいう共鳴角は、正確な共鳴角ではなく、分析チップ10を設計したときにより決まる理論上の角度である。図10Aに示されるように、励起光の入射角度を捕捉領域A1における共鳴角とすると、入射角度を任意の角度とした場合と比較して、反射光δの光量の変動が大きくなることが分かる(図9Aおよび図10A参照)。よって、捕捉領域A1の端部の位置情報を取得する工程において、捕捉領域A1の端部をより正確に検出することができる。
また、励起光αの入射角度は、検出された反射光δの光量が最小となる非捕捉領域A2における共鳴角(図8BのP4参照)であってもよい。この場合、図10Bに示されるように、励起光の共鳴角を非捕捉領域A2における共鳴角とすると、入射角度を任意の角度とした場合と比較して、反射光δの光量の変動が大きくなることが分かる(図9Aおよび図10B参照)。よって、この場合も捕捉領域A1の端部の位置情報を取得する工程において、捕捉領域A1の端部をより正確に検出することができる。
なお、実施の形態1および実施の形態2では、図1および図7におけるX方向にのみ搬送ステージ152が移動するSPFS装置100、200について説明したが、図1および図7におけるY方向(紙面垂直方向)にも搬送ステージが移動する構成であってもよい。この場合、搬送ステージは、チップホルダー154をX方向に移動するX方向移動機構およびチップホルダー154をY方向に移動するY方向移動機構を有する。また、平面方向に移動可能な搬送ステージ152を有するSPFS装置では、照射スポットSを複数方向に走査することができるため、捕捉領域A1の端部の検出精度をさらに高めることができる。
また、上記実施の形態ではSPFS装置について説明したが、本発明に係る分析チップ10の位置合わせ方法は、SPR装置などのSPFS装置以外の分析装置にも適用されうる。なお。SPR装置に適用する場合には、反射光検出ユニット270が不要であるため、装置構成を変えることなく分析チップ10の位置合わせを行うことができる。
本出願は、2014年3月31日出願の特願2014−072266に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明に係る表面プラズモン共鳴蛍光分析方法および表面プラズモン共鳴蛍光分析装置および分析チップの位置決め方法は、被検出物質を高い信頼性で検出することができるため、例えば臨床検査などに有用である。
10 分析チップ
20 プリズム
21 入射面
22 成膜面
23 出射面
30 金属膜
40 流路蓋
41 流路
100、200 SPFS装置
110 励起光照射ユニット
111 光源ユニット
112 第1角度調整機構
113 光源制御部
130 応答光検出ユニット
131 受光ユニット
132 位置切り替え機構
133 センサー制御部
134 第1レンズ
135 光学フィルター
136 第2レンズ
137 受光センサー
140 送液ユニット
141 薬液チップ
142 シリンジポンプ
143 送液ポンプ駆動機構
144 シリンジ
145 プランジャー
150 搬送ユニット
152 搬送ステージ
154 チップホルダー
160 制御部
270 反射光検出ユニット
271 反射光検出センサー
272 第2角度調整機構
α 励起光
β 蛍光
γ プラズモン散乱光
δ 反射光

Claims (11)

  1. 被検出物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて発した蛍光を検出して、前記被検出物質の存在またはその量を検出する表面プラズモン共鳴蛍光分析方法であって、
    入射面、出射面および成膜面を有するプリズムと、前記成膜面上に配置され、その表面に前記被検出物質を捕捉する捕捉体が固定化された捕捉領域および前記捕捉体が固定化されていない非捕捉領域を含む金属膜と、を有する分析チップを、搬送ステージに固定されたチップホルダーに設置する工程と、
    前記チップホルダーに設置された前記分析チップにおける前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面に前記入射面を介して励起光を照射するとともに、前記捕捉領域および前記非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光を検出し、または前記金属膜の裏面で反射して前記出射面から出射された励起光の反射光を検出し、検出されたプラズモン散乱光または反射光に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程と、
    前記位置情報に基づいて前記搬送ステージにより前記チップホルダーを移動させて、前記捕捉領域を検出位置に移動させる工程と、
    前記検出位置に配置された前記捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面に励起光を照射するとともに、前記捕捉体に捕捉されている被検出物質を標識する蛍光物質から放出された蛍光を検出する工程と、
    を含む、表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  2. 前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程では、前記金属膜の裏面に励起光を照射するとともに、前記捕捉領域および前記非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光を検出し、検出されたプラズモン散乱光の、励起光の入射角度に対する依存特性に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  3. 前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程では、所定の入射角度で前記金属膜の裏面上を励起光の照射スポットで走査するとともに、前記捕捉領域および前記非捕捉領域上から放出されたプラズモン散乱光を検出し、検出されたプラズモン散乱光の光量の変動に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る、請求項2に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  4. 前記励起光の入射角度は、検出されたプラズモン散乱光の光量が最大となる前記捕捉領域における増強角である、請求項3に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  5. 前記励起光の入射角度は、検出されたプラズモン散乱光の光量が最大となる前記非捕捉領域における増強角である、請求項3に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  6. 前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程では、前記金属膜の裏面に励起光を照射するとともに、前記出射面から出射された励起光の反射光を検出し、検出された反射光の、励起光の入射角度に対する依存特性に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  7. 前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程では、所定の入射角度で前記金属膜の裏面上を励起光の照射スポットで走査するとともに、前記出射面から出射された励起光の反射光を検出し、検出された反射光の光量の変動に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る、請求項6に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  8. 前記励起光の入射角度は、検出された反射光の光量が最小となる前記捕捉領域における共鳴角である、請求項7に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  9. 前記励起光の入射角度は、検出された反射光の光量が最小となる前記非捕捉領域における共鳴角である、請求項7に記載の表面プラズモン共鳴蛍光分析方法。
  10. 被検出物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて発した蛍光を検出して、前記被検出物質の存在またはその量を検出する表面プラズモン共鳴蛍光分析装置であって、
    入射面、出射面および成膜面を有するプリズムと、前記成膜面上に配置され、その表面に前記被検出物質を捕捉する捕捉体が固定化された捕捉領域および前記捕捉体が固定化されていない非捕捉領域を含む金属膜と、を含む分析チップを着脱可能に保持するチップホルダーと、
    前記チップホルダーを移動させる搬送ステージと、
    前記チップホルダーに保持された前記分析チップの前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面に前記入射面を介して励起光を照射する励起光照射部と、
    前記捕捉領域および前記非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光を検出するプラズモン散乱光検出部、または前記金属膜の裏面で反射され前記出射面から出射された励起光の反射光を検出する反射光検出部と、
    前記プラズモン散乱光検出部または前記反射光検出部の検出結果に基づいて、前記チップホルダーに保持された前記分析チップの前記捕捉領域の端部の位置を特定するとともに、前記搬送ステージにより前記チップホルダーを移動させて、前記分析チップの前記捕捉領域を検出位置に移動させる位置調整部と、
    前記捕捉体に捕捉されている被検出物質を標識する蛍光物質から放出された蛍光を検出する蛍光検出部と、
    を有する、表面プラズモン共鳴蛍光分析装置。
  11. 表面プラズモン共鳴を利用して、検体に含まれる被検出物質の存在またはその量を検出するときに、前記被検出物質が捕捉された捕捉領域を、前記被検出物質を検出する検出位置に位置合わせする位置合わせ方法であって、
    入射面、出射面および成膜面を有するプリズムの前記成膜面上に配置され、その表面に前記被検出物質を捕捉する捕捉体が固定化された捕捉領域および前記捕捉体が固定化されていない非捕捉領域を含む金属膜の裏面であって、前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した領域に対して前記入射面を介して励起光を照射するとともに、前記捕捉領域および前記非捕捉領域から放出されたプラズモン散乱光を検出し、または前記捕捉領域および前記非捕捉領域に対応した前記金属膜の裏面で反射して前記出射面から出射された励起光の反射光を検出し、検出された前記プラズモン散乱光または前記反射光に基づいて、前記捕捉領域の端部の位置情報を得る工程と、
    前記位置情報に基づいて、前記捕捉領域を検出位置に移動させる工程と、
    を含む、位置合わせ方法。
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