JPWO2015146886A1 - ガスバリア性フィルムおよびその製造方法、ならびにこれを用いた電子デバイス - Google Patents

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Abstract

高いガスバリア性を有し、高温高湿条件環境下での安定性に優れるガスバリア性フィルムを提供すること。基材の両面に、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を少なくとも1層ずつ有するガスバリア性フィルムであって、ガスバリア層の少なくとも1層は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する、ガスバリア性フィルムである。

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムおよびその製造方法、ならびにこれを用いた電子デバイスに関する。より詳細には、本発明は、高いガスバリア性を有し、高温高湿環境下での安定性に優れるガスバリア性フィルムおよびその製造方法、ならびにこれを用いた電子デバイスに関する。
従来、食品、包装材料、医薬品などの分野で、水蒸気や酸素等のガスの透過を防ぐため、樹脂基材の表面に金属や金属酸化物の蒸着膜等の無機膜を設けた比較的簡易な構造を有するガスバリア性フィルムが用いられてきた。
近年、このような水蒸気や酸素等の透過を防ぐガスバリア性フィルムが、液晶表示素子(LCD)、太陽電池(PV)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの電子デバイスの分野にも利用されつつある。このような電子デバイスに、フレキシブル性と軽くて割れにくいという性質を付与するためには、硬くて割れ易いガラス基板ではなく、高いガスバリア性を有するガスバリア性フィルムが必要となってくる。
電子デバイスに適用可能なガスバリア性フィルムを得るための方策としては、樹脂基材上にプラズマCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法、化学蒸着法)によってフィルムなどの基材上にガスバリア層を形成する方法や、ポリシラザンを主成分とする塗布液を基材上に塗布した後、表面処理(改質処理)を施してガスバリア層を形成する方法が知られている(特開2009−255040号公報、特開2012−148416号公報)。
例えば、特開2009−255040号公報には、高いガスバリア性を得るため、ガスバリア層を厚膜化することと、厚膜化したガスバリア層のクラックを抑制することとの両立を図る目的で、ポリシラザンを含む液体を、湿式塗布法を用いてポリシラザン膜を形成する工程と、そのポリシラザン膜に真空紫外線を照射する工程とを、それぞれ2回以上繰り返して行って、基材上に薄膜を積層する技術について開示されている。
また、特開2012−148416号公報には、蒸着によって形成されたガスバリア層上に、遷移金属化合物を有するポリシラザン膜を積層することで、蒸着によって形成されたガスバリア層の欠陥を覆ってガスバリア性を向上させることが記載されている。
特開昭63−191832号公報には、高硬度で耐熱性、耐酸化性に優れるフィルムの材料として、ポリシラザンとアルミニウムアルコキシドとを加熱反応させてポリアルミノシラザンを得る方法が記載されている。
一方で、特開2012−56101号公報には、基材の両面にポリシラザン系化合物を用いて作製したガスバリア層を有するガスバリア性フィルムが開示されている。
しかしながら、特開2009−255040号公報に記載の方法では、ガスバリア層が、ポリシラザン膜に真空紫外線を照射する工程により作製される場合、ガスバリア層内には、まだ加水分解によってアンモニアを発生しうる未反応(未改質)領域が残留しており、これが高温、高湿環境下で徐々に反応することにより、副生成物が生じ、この副生成物の拡散により、ガスバリア層が変形や破壊を受ける場合があり、その結果、ガスバリア性が徐々に低下するという問題があった。そのため、高温高湿下のような過酷な環境下でもガスバリア性の低下が起こりにくいガスバリア性フィルムが求められている。
さらに、より高いガスバリア性を得るためには、ポリシラザン膜を改質する真空紫外線の光量を増やし、複数のガスバリア層を積層する必要があるが、改質の進行度や積層数、膜厚が大きくなるほど、生産性を低下させると同時に、膜中の内部収縮応力が増大し、フレキシブルガスバリア性フィルムとしての特徴である柔軟性が低下し、屈曲等の物理的ストレスに対する耐久性が低下してしまうという課題があった。
さらに、特開2012−148416号公報に記載の技術では、過酷な環境下で保存した後のガスバリア層の安定性や密着力が不十分であり、かつポリシラザンの未改質部分が残存することで高温高湿環境下での保管後、膜質や層間密着力が大きな劣化を起こし、ガスバリア性が不十分であるという問題があった。
特開昭63−191832号公報に記載の方法についても、基材上にガスバリア層を有するガスバリア性フィルムに適用した際に高温高湿環境下での性能安定性が求められている。
また、特開2012−56101号公報に記載の技術を用いても、有機EL素子のような電子デバイスの封止材など、ハイバリア性が要求されているガスバリア性フィルムにおいて、過酷な環境におかれた前後でのガスバリア性能の安定性が十分なものではなかった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、高いガスバリア性を有し、高温高湿条件環境下での安定性に優れるガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、基材の両面にポリシラザンを含有する塗布液を塗布して乾燥させ、得られた塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を有するガスバリア性フィルムであって、前記ガスバリア層の少なくとも一方は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有するガスバリア性フィルムによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
1.基材の両面に、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を少なくとも1層ずつ有するガスバリア性フィルムであって、
前記ガスバリア層の少なくとも1層は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する、ガスバリア性フィルム。
2.前記長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素が、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ゲルマニウム(Ge)、およびホウ素(B)からなる群より選択される少なくとも1種である、前記1.に記載のガスバリア性フィルム。
3.前記基材の両面に、前記長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有するガスバリア層を少なくとも1層ずつ有する、前記1.または2.に記載のガスバリア性フィルム。
4.蒸着法により形成されるガスバリア層をさらに有し、前記蒸着法により形成されるガスバリア層が、前記ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層に隣接して形成される、前記1.〜3.のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
5.前記蒸着法により形成されるガスバリア層は、前記基材と前記塗膜層との間に形成される、前記4.に記載のガスバリア性フィルム。
6.前記活性エネルギー線が真空紫外線である、前記1.〜5.のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
7.前記基材の厚みが、125μm以下である、前記1.〜6.のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
8.ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得る工程と、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射し改質処理を行ってガスバリア層を得る工程と、によって、基材の両面にガスバリア層を形成することを含む、ガスバリア性フィルムの製造方法であって、
前記塗膜層の少なくとも1層は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する、ガスバリア性フィルムの製造方法。
9.電子デバイス本体と、
前記1.〜7.のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムまたは前記8.に記載の製造方法により得られるガスバリア性フィルムと、
を有する、電子デバイス。
10.前記長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有するガスバリア層が、前記基材の前記電子デバイス本体と反対側の面に設けられる、前記9.に記載の電子デバイス。
本発明のガスバリア性フィルムにおける蒸着ガスバリアの形成に用いられる真空プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。101はプラズマCVD装置であり、102は真空槽であり、103はカソード電極であり、105はサセプタであり、106は熱媒体循環系であり、107は真空排気系であり、108はガス導入系であり、109は高周波電源であり、110は基材であり、160は加熱冷却装置である。 蒸着ガスバリアの形成に用いられる他の製造装置の一例を示す模式図である。1はガスバリア性フィルムであり、2は基材であり、3は蒸着ガスバリア層であり、31は製造装置であり、32は送り出しローラーであり、33、34、35、36は搬送ローラーであり、39、40は成膜ローラーであり、41はガス供給管であり、42はプラズマ発生用電源であり、43、44は磁場発生装置であり、45は巻取りローラーである。 真空紫外線照射装置の一例を表す模式図である。21は装置チャンバであり、22はXeエキシマランプであり、23は外部電極を兼ねるエキシマランプのホルダーであり、24は試料ステージであり、25は層が形成された試料であり、26は遮光板である。
本発明は、基材の両面に、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を少なくとも1層ずつ有するガスバリア性フィルムであって、前記ガスバリア層の少なくとも1層は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する、ガスバリア性フィルムである。
このような構成とすることにより、高いガスバリア性を有し、高温高湿環境のような過酷な条件下でも安定性に優れるガスバリア性フィルムが得られうる。
本発明のガスバリア性フィルムにおける効果発現の詳細なメカニズムは不明であるが、以下のような理由によるものと考えられる。
ポリシラザンを含む塗布液を塗布乾燥し塗膜層を得た後、エキシマランプ等による真空紫外線を照射して改質処理を施しガスバリア層を形成する従来のガスバリア性フィルムの製造方法においては、塗膜層の表面から改質されるため、塗膜層内部に酸素や水分が入っていかず、塗膜層内部や、塗膜層と基材との界面までの酸化が進みにくい。よって、未改質の塗膜層が不安定なまま残ってしまい、特に高温高湿下で保存した後のガスバリア性等の性能が劣化するという問題があった。真空紫外線の照射量を増加させ、改質を行う試みもされているが、真空紫外線を当てるにつれ、塗膜層表面にダングリングボンドが形成され、表面吸収される真空紫外線の量が増え、改質の効率が悪くなるという問題があった。
ポリシラザンを含有する塗布液を塗布乾燥して形成された層であって、第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(以下、単に添加元素とも称する)を含有していない層は、改質処理としてエネルギー線を照射していくと、上述したようにダングリングボンドが増大するためか250nm以下の吸光度が増大していき、層内部までエネルギー線が徐々に侵入しにくくなり層表面しか改質されない。これに対し、理由は明らかではないが、添加元素を含有させると、エネルギー線を照射するにつれ低波長側の吸光度が減少する。このため、塗膜層が添加元素を含んでいれば、真空紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより、塗膜層の表層部分だけではなく、塗膜層の内部まで膜厚方向に改質が均一に行われる。その結果、ガスバリア性が向上するだけでなく、高温高湿環境下でも膜変性しにくく、膜組成の変化しにくい、安定性の高いガスバリア性フィルムが形成されているものと考えられる。
上述のように、基材の一方の表面に特定の添加元素を含むガスバリア層を形成すると、添加元素を含まない場合と比べて、ガスバリア性フィルムの安定性は大幅に向上する。しかしながら、高温高湿環境下での安定性をさらに向上させる目的で複数層のガスバリア層を設けても、積層数に応じた安定性の向上を達成することは容易ではないことがわかった。これは、添加元素の導入によるガスバリア層の水蒸気バリア性および安定性の向上によって、基材のガスバリア層を形成していない側の面からの水蒸気の透過の影響が相対的に大きくなるためと考えられる。本発明のガスバリア性フィルムによれば、基材の両面にガスバリア層を設けることによって、基材の一方の表面のみにガスバリア層を設けたガスバリア性フィルムと比較して、ガスバリア層を形成していない側の面からの水蒸気の透過によるガスバリア性の低下が生じないため、より高いガスバリア性が得られうる。特に、電子デバイスの封止材のような非常に高いガスバリア性が求められる用途では、基材のガスバリア層を形成していない側からの水蒸気の透過の影響は大きくなる。本発明によれば、基材の両面にガスバリア層を有するガスバリア性フィルムにおいて、少なくとも一方の面に添加元素を含有するガスバリア層を設けることによって、片面のみにガスバリア層を形成した場合や、両面に添加元素を含まないガスバリア層を形成した場合と比較して、飛躍的に性能が向上することを見出した。
また、最近、電子デバイスの軽量化や薄膜化に伴って、ガスバリア性フィルムのより一層の軽量化、薄膜化も望まれており、このような要求に応じる手段として、ガスバリア性フィルムの基材の薄膜化が挙げられる。しかしながら、基材を薄くした場合、塗布乾燥による支持体の伸縮、フィルムのカール、これに起因する支持体の劣化やガスバリア性フィルムの割れ等が起こる可能性がある。本発明によれば、基材の両面に塗膜層を設けることにより、カールバランスを改善することができ、これにより、基材を薄くしても支持体の劣化やフィルムのカール等を抑制することができ、ガスバリア性や、高温高湿条件下で保存した後の折り曲げ耐性等に優れたガスバリア性フィルムを得ることができる。よって、本発明のガスバリア性フィルムは、電子デバイスの軽量化や薄膜化に寄与し得る。
なお、上記のメカニズムは推定によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら限定されるものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
[ガスバリア性フィルム]
本発明のガスバリア性フィルムは、基材と、基材の両面に、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を少なくとも1層ずつ有する。本発明のガスバリア性フィルムは、他の部材をさらに含むものであってもよい。本発明のガスバリア性フィルムは、例えば、基材といずれかのガスバリア層との間に、いずれかのガスバリア層の上に、他の部材を有していてもよい。ここで、他の部材としては、特に制限されず、従来のガスバリア性フィルムに使用される部材が同様にしてあるいは適宜修飾して使用できる。具体的には、蒸着法により形成されるガスバリア層、平滑層、アンカーコート層、中間層、保護層、デシカント層(吸湿層)や帯電防止層の機能化層などが挙げられる。上記他の部材は、単独でもまたは2種以上組み合わせて使用してもよい。また、上記他の部材は、単層として存在してもまたは2層以上の積層構造を有していてもよい。
さらに、本発明では、同一の面に複数のガスバリア層が形成されていてもよい。すなわち、本発明のガスバリア性フィルムは、基材の一方の面に複数のガスバリア層が形成される形態、および基材の両面に複数のガスバリア層が形成される形態の双方をも包含する。
〔基材〕
本発明のガスバリア性フィルムの基材(以下、基材ともいう)としては、ガスバリア性を有するガスバリア層を保持することができるものであれば特に限定されるものではない。また、前記基材は、単層として存在してもまたは2層以上の積層構造を有していてもよい。
例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の各樹脂フィルム、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、さらには前記樹脂を2層以上積層して成る樹脂フィルム等を挙げることができる。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が好ましく用いられ、低リタデーションの観点からシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマーおよびポリカーボネート(PC)が好ましい。また、光学的透明性、耐熱性、ガスバリア層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムを好ましく用いることができる。その他にも、耐熱基材としてポリイミド等を用いることも好ましい。これは、耐熱基材(ex.Tg>200℃)を用いることにより、デバイス作製工程で200℃以上の温度での加熱が可能となり、デバイスの大面積化やデバイスの動作効率向上のために必要な透明導電層もしくは金属ナノ粒子によるパターン層の低抵抗化が達成可能となる。すなわちデバイスの初期特性が大幅に改善することが可能となるからである。
基材の厚さは、特に制限されないが、125μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。基材の厚さを125μm以下とすることで、屈曲性に優れたガスバリア性フィルムが得られうる。このように、本発明に係る基材は、従来と比べてより薄いものを用いることができ、電子デバイスの軽量化、薄膜化に寄与し得る。基材の厚さの下限値は特に制限されないが、基材の物理的強度の観点から、好ましくは6μm以上であり、より好ましくは12μm以上である。該基材は、透明導電層、プライマー層、クリアハードコート層等の機能層を有していてもよい。機能層については、上述したもののほか、特開2006−289627号公報の段落番号「0036」〜「0038」に記載されているものを好ましく採用できる。
また、前記基材は、透明であることが好ましい。基材が透明であり、基材上に形成する層も透明であることにより、透明なガスバリア性フィルムとすることが可能となるため、有機EL素子等の透明基板とすることも可能となるからである。
基材は、表面の平滑性が高いものが好ましい。表面の平滑性としては、平均表面粗さ(Ra)が2nm以下であるものが好ましい。下限は特にないが、実用上、0.01nm以上である。必要に応じて、基材のガスバリア層を設ける表面を研摩し、平滑性を向上させておいてもよい。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明のガスバリア性フィルムに用いられる基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
基材の表面には、密着性向上のための公知の種々の処理、例えばコロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、またはプラズマ処理や、後述する平滑層の積層等を行ってもよく、必要に応じて上記処理を組み合わせて行うことが好ましい。
〔ガスバリア層〕
本発明に係るガスバリア性フィルムは、基材の両面に、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し乾燥して塗膜層を得た後、活性エネルギー線を照射し改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を有する。そして、前記ガスバリア層の少なくとも1層は、添加元素として、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する。
当該ガスバリア層は、基材の両面に少なくとも1層ずつあればその層数は特に制限されないが、ガスバリア性の観点から、好ましくは、合わせて3層〜10層であり、より好ましくは合わせて3層〜6層である。
前記ガスバリア層のうち、添加元素を含有するガスバリア層は、少なくとも1層あればよいが、2層以上含まれることが好ましく、特には、基材の両面に、添加元素を含有するガスバリア層が少なくとも1層ずつ含まれていることが好ましい。
添加元素を含有するガスバリア層の積層方向の位置は、特に制限されないが、基材から最も離れた最外層に存在することが好ましい。この形態であれば、改質処理前の添加元素を含む塗膜層が最外層に存在することになり、当該最外層の側から真空紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより、その下部の層の改質が同様に行われる効果が得られる。よって、膜厚方向にほぼ均一に改質され、高温高湿条件下で保存した後でも、ガスバリア性や折り曲げ耐性により優れるガスバリア性フィルムが得られうる。
添加元素を含有するガスバリア層を2層以上有する場合、各添加元素を含有するガスバリア層は、同じ組成であってもよいし異なる組成であってもよい。
添加元素を含有するガスバリア層は、添加元素を含む化合物(以下、単に添加化合物とも称する)を含有する塗膜層に対して活性エネルギー線照射による改質処理を行うことにより形成される。なお、ガスバリア性フィルムが添加元素を含有しないガスバリア層を含む場合、添加元素を含まないガスバリア層は、例えば、添加元素を含有しない塗膜層に対して活性エネルギー線照射による改質処理を行うことにより形成される。
添加元素は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)であれば特に制限されないが、添加元素の例としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)が挙げられる。これらの中でも、高いガスバリア性および高い酸化耐性を有するガスバリア層を得る観点から、アルミニウム、インジウム、ガリウム、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム、およびホウ素からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。より好ましくはアルミニウムまたはホウ素であり、さらに好ましくはアルミニウムである。これら添加元素は、1種単独であってもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
本発明のガスバリア性フィルムにおける添加元素の含有量は、ガスバリア層全体の質量に対して0.001〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%であることがより好ましい。なお、本発明のガスバリア性フィルムが添加元素を含有するガスバリア層を2層以上有する場合は、それぞれの層の添加元素の含有量を合計したものをガスバリア性フィルムにおける添加元素の含有量とする。
以下、塗膜層形成に用いられる塗布液に含まれるポリシラザン、および添加化合物について説明する。
<ポリシラザン>
ポリシラザンとは、ケイ素−窒素結合を有するポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有するSiO、Si、および両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
具体的には、ポリシラザンは、好ましくは下記の構造を有する。
上記一般式(I)において、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R、RおよびRは、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。ここで、アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがある。また、アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。(トリアルコキシシリル)アルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたシリル基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。より具体的には、3−(トリエトキシシリル)プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基などが挙げられる。上記R〜Rに場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基(−OH)、メルカプト基(−SH)、シアノ基(−CN)、スルホ基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO)などがある。なお、場合によって存在する置換基は、置換するR〜Rと同じとなることはない。例えば、R〜Rがアルキル基の場合には、さらにアルキル基で置換されることはない。これらのうち、好ましくは、R、RおよびRは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ビニル基、3−(トリエトキシシリル)プロピル基または3−(トリメトキシシリルプロピル)基である。
また、上記一般式(I)において、nは、整数であり、一般式(I)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。
上記一般式(I)で表される構造を有する化合物において、好ましい態様の一つは、R 、RおよびRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(PHPS)である。
なお、本発明で使用できるポリシラザンの具体的な化合物、改質処理前の塗膜層中におけるポリシラザンの含有量、ポリシラザンを含有する塗布液中に含まれるポリシラザン以外の無機前駆体化合物は、例えば、特開2015−033764号公報の段落「0050」〜「0075」に記載の形態等を適宜採用することができる。
<添加化合物>
添加元素を含むガスバリア層を形成する場合は、添加化合物を添加した塗膜層形成用塗布液を塗布乾燥した塗膜層を形成すればよい。添加化合物の例としては、金属アルコキシド化合物が挙げられる。
金属アルコキシド化合物のさらに具体的な例としては、例えば、ベリリウムアセチルアセトネート、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリn−プロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリn−ブチル、ホウ酸トリtert−ブチル、マグネシウムエトキシド、マグネシウムエトキシエトキシド、マグネシウムメトキシエトキシド、マグネシウムアセチルアセトネート、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリn−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド、アルミニウムトリtert−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジn−ブチレート、アルミニウムジエチルアセトアセテートモノn−ブチレート、アルミニウムジイソプロピレートモノsec−ブチレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムオキサイドイソプロポキサイドトリマー、アルミニウムオキサイドオクチレートトリマー、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムイソプロポキシド、カルシウムアセチルアセトネート、ガリウムメトキシド、ガリウムエトキシド、ガリウムイソプロポキシド、ガリウムアセチルアセトナート、ゲルマニウムメトキシド、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムイソプロポキシド、ゲルマニウムn−ブトキシド、ゲルマニウムtert−ブトキシド、エチルトリエトキシゲルマニウム、ストロンチウムイソプロポキシド、トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム、インジウムイソプロポキシド、インジウムn−ブトキシド、インジウムメトキシエトキシド、スズn−ブトキシド、スズtert−ブトキシド、スズアセチルアセトネート、バリウムジイソプロポキシド、バリウムtert−ブトキシド、バリウムアセチルアセトネート、タリウムエトキシド、タリウムアセチルアセトネート、鉛アセチルアセトネートなどが挙げられる。
これら金属アルコキシド化合物の中でも、反応性、溶解性等の観点から分岐状のアルコキシ基を有する化合物が好ましく、2−プロポキシ基、またはsec−ブトキシ基を有する化合物がより好ましい。また、ガスバリア性能、密着性等の観点から、エトキシ基を有する化合物が好ましい。
さらに、アセチルアセトナート基を有する金属アルコキシド化合物もまた好ましい。アセチルアセトナート基は、カルボニル構造によりアルコキシド化合物の中心元素と相互作用を有するため、取り扱い性が容易になり好ましい。さらに好ましくは上記のアルコキシド基、またはアセチルアセトナート基を複数種有する化合物が反応性や膜組成の観点からより好ましい。
また、金属アルコキシド化合物の中心元素としては、ポリシラザン中の窒素原子と配位結合を形成しやすい元素が好ましく、ルイス酸性が高いAlまたはBがより好ましい。
さらに好ましい金属アルコキシド化合物は、具体的には、マグネシウムエトキシド、ホウ酸トリイソプロピル、アルミニウムトリsec−ブトキシド、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、カルシウムイソプロポキシド、インジウムイソプロポキシド、ガリウムイソプロポキシド、アルミニウムジイソプロピレートモノsec−ブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジn−ブチレート、またはアルミニウムジエチルアセトアセテートモノn−ブチレートである。
金属アルコキシド化合物は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。市販品の具体的な例としては、例えば、AMD(アルミニウムジイソプロピレートモノsec−ブチレート)、ASBD(アルミニウムセカンダリーブチレート)、ALCH(アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート)、ALCH−TR(アルミニウムトリスエチルアセトアセテート)、アルミキレートM(アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート)、アルミキレートD(アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート)、アルミキレートA(W)(アルミニウムトリスアセチルアセトネート)(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、プレンアクト(登録商標)AL−M(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、味の素ファインケミカル株式会社製)、オルガチックスシリーズ(マツモトファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
なお、金属アルコキシド化合物を用いる場合は、ポリシラザンを含む塗布液と不活性ガス雰囲気下で混合することが好ましい。金属アルコキシド化合物が大気中の水分や酸素と反応し、激しく酸化が進むことを抑制するためである。
また、金属アルコキシド化合物以外では、下記に示すような化合物を使用することができる。
・アルミニウム化合物
アノーソクレース、アルミナ、アルミノケイ酸塩、アルミン酸、アルミン酸ナトリウム、アレキサンドライト、アンモニウム白榴石、イットリウム・アルミニウム・ガーネット、黄長石、尾去沢石、オンファス輝石、輝石、絹雲母、ギブス石、サニディン、サファイア、酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、臭化アルミニウム、十二ホウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、白雲母、水酸化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、杉石、スピネル、ダイアスポア、ヒ化アルミニウム、ピーコック(顔料)、微斜長石、ヒスイ輝石、氷晶石、普通角閃石、フッ化アルミニウム、沸石、ブラジル石、ベスブ石、Bアルミナ固体電解質、ペツォッタイト、方ソーダ石、有機アルミニウム化合物、リシア輝石、リチア雲母、硫酸アルミニウム、緑柱石、緑泥石、緑簾石、リン化アルミニウム、リン酸アルミニウム等。
・マグネシウム化合物
亜鉛緑礬、亜硫酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、カーナライト、過塩素酸マグネシウム、過酸化マグネシウム、滑石、頑火輝石、カンラン石、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、蛇紋石、臭化マグネシウム、硝酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、スピネル、普通角閃石、普通輝石、フッ化マグネシウム、硫化マグネシウム、硫酸マグネシウム、菱苦土鉱等。
・カルシウム化合物
アラレ石、亜硫酸カルシウム、安息香酸カルシウム、エジプシャンブルー、塩化カルシウム、塩化水酸化カルシウム、塩素酸カルシウム、灰クロム柘榴石、灰重石、灰鉄輝石、灰簾石、過酸化カルシウム、過リン酸石灰、カルシウムシアナミド、次亜塩素酸カルシウム、シアン化カルシウム、臭化カルシウム、重過リン酸石灰、シュウ酸カルシウム、臭素酸カルシウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、普通角閃石、普通輝石、フッ化カルシウム、フッ素燐灰石、ヨウ化カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、ヨハンセン輝石、硫化カルシウム、硫酸カルシウム、緑閃石、緑簾石、緑簾石、燐灰ウラン石、燐灰石、リン酸カルシウム等。
・ガリウム化合物
酸化ガリウム(III)、水酸化ガリウム(III)、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、ヨウ化ガリウム(III)、リン酸ガリウム等。
・ホウ素化合物
酸化ホウ素、三臭化ホウ素、三フッ化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン、ホウ酸、ホウ酸トリメチル、ホウ砂、ボラジン、ボラン、ボロン酸等。
・ゲルマニウム化合物
有機ゲルマニウム化合物、無機ゲルマニウム化合物、酸化ゲルマニウム等。
・インジウム化合物
酸化インジウム、塩化インジウム等。
<塗膜層形成用塗布液>
塗膜層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ポリシラザンおよび添加化合物を溶解または分散できるものであれば特に制限されないが、ポリシラザンと容易に反応してしまう水および反応性基(例えば、ヒドロキシル基、あるいはアミン基等)を含まず、ポリシラザンに対して不活性の有機溶媒が好ましく、非プロトン性の有機溶媒がより好ましい。具体的には、溶剤としては、非プロトン性溶剤;例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類:例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、モノ−およびポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)などを挙げることができる。上記溶剤は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
塗膜層形成用塗布液におけるポリシラザンの濃度は、特に制限されず、ガスバリア層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、好ましくは0.2〜35質量%程度である。
また、添加化合物を用いる場合の塗膜層形成用塗布液における添加化合物の使用量は、特に制限されないが、ポリシラザンの固形分質量に対して、0.01〜10倍の質量であることが好ましく、0.06〜6倍の質量であることがより好ましい。
塗膜層形成用塗布液は、改質を促進するために、触媒を含有することが好ましい。本発明に適用可能な触媒としては、塩基性触媒が好ましく、特に、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N",N"−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N",N"−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等のアミン触媒、Ptアセチルアセトナート等のPt化合物、プロピオン酸Pd等のPd化合物、Rhアセチルアセトナート等のRh化合物等の金属触媒、N−複素環式化合物が挙げられる。これらのうち、アミン触媒を用いることが好ましい。この際添加する触媒の濃度としては、ポリシラザンに対して、0.01〜2質量%が好ましい。触媒添加量をこの範囲とすることで、反応の急激な進行による過剰なシラノール形成、および膜密度の低下、膜欠陥の増大などを避けることができる。
また、塗膜層形成用塗布液には、必要に応じて下記に挙げる添加剤を用いることができる。例えば、セルロースエーテル類、セルロースエステル類;例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート等、天然樹脂;例えば、ゴム、ロジン樹脂等、合成樹脂;例えば、重合樹脂等、縮合樹脂;例えば、アミノプラスト、特に尿素樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、ポリシロキサン等である。
<塗膜層形成用塗布液を塗布する方法>
本発明において、塗膜層形成用塗布液を塗布する方法は、特に制限されず、従来公知の適切な湿式塗布方法が採用されうる。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗布厚さは、ガスバリア性フィルムの使用目的に応じて適切に設定されうる。例えば、ガスバリア層1層当たりの塗布厚さは、乾燥後の厚さが0.01〜1μmであることが好ましく、0.02〜0.6μmであることがより好ましく、0.04〜0.4μmであることがさらに好ましい。なお、複数の塗膜層の各塗布厚さは、同じであってもよいし異なっていてもよい。
塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。この際、塗膜に含有される有機溶媒は、すべてを乾燥させてもよいが、一部残存させていてもよい。一部の有機溶媒を残存させる場合であっても、好適なガスバリア層が得られうる。なお、残存する溶媒は後に除去されうる。
塗膜層の乾燥温度は、適用する基材によっても異なるが、30〜200℃であることが好ましい。例えば、ガラス転位温度(Tg)が70℃のポリエチレンテレフタレート基材を基材として用いる場合には、乾燥温度は、熱による基材の変形等を考慮して150℃以下に設定することが好ましい。上記温度は、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することによって設定されうる。乾燥時間は短時間に設定することが好ましく、例えば、乾燥温度が150℃である場合には30分以内に設定することが好ましい。また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下、酸素濃度をコントロールした減圧雰囲気下等のいずれの条件であってもよい。
ポリシラザンを含む塗布液を塗布して得られた塗膜層は、改質処理前または改質処理中に水分を除去する工程を含んでいてもよい。水分を除去する方法としては、低湿度環境を維持して除湿する形態が好ましい。低湿度環境における湿度は温度により変化するので、温度と湿度の関係は露点温度の規定により好ましい形態が示される。好ましい露点温度は4℃以下(温度25℃/湿度25%)で、より好ましい露点温度は−5℃(温度25℃/湿度10%)以下であり、維持される時間はガスバリア層の膜厚によって適宜設定することが好ましい。ガスバリア層の膜厚が1.0μm以下の条件においては、露点温度は−5℃以下で、維持される時間は1分以上であることが好ましい。なお、露点温度の下限は特に制限されないが、通常、−50℃以上であり、−40℃以上であることが好ましい。改質処理前、あるいは改質処理中に水分を除去することによって、シラノールに転化したガスバリア層の脱水反応を促進する観点から好ましい形態である。
<塗膜層の改質処理>
本発明における塗膜層の改質処理とは、上記で得られた塗膜層に含まれるポリシラザンの一部または全部が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等へ転化する反応を指し、具体的には本発明のガスバリア性フィルムが全体としてガスバリア性を発現するに貢献できるレベルの無機薄膜を形成する反応を指す。
本発明における改質処理は、塗膜層を形成した後、塗膜層に活性エネルギー線を照射することにより行われる。活性エネルギー線、特に真空紫外線(真空紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性とを有する酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜等を形成することが可能である。
この活性エネルギー線照射により、基材が加熱され、セラミックス化(シリカ転化)に寄与するO、HOや、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身が励起、活性化されるため、ポリシラザンが励起し、ポリシラザンのセラミックス化が促進され、また得られるガスバリア層が一層緻密になる。また、改質処理前の塗膜層の少なくとも1層には、添加元素が含まれているため、塗膜層の表層部だけでなく内部まで膜厚方向に改質が均一に行われる。したがって、高温高湿条件下で保存した後でも、クラックの発生がほとんどなく、層間密着力や折り曲げ耐性に優れ、ガスバリア性がほとんど劣化しないガスバリア性フィルムが得られうる。
活性エネルギー線としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、真空紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が使用可能であるが、電子線または紫外線、真空紫外線が好ましく、紫外線、真空紫外線がより好ましく、真空紫外線が特に好ましい。
真空紫外線照射処理においては、常用されているいずれの紫外線発生装置を使用することも可能である。なお、本発明でいう真空紫外線とは、一般には10〜200nmの波長を有する電磁波を含む紫外光をいう。
真空紫外線の照射は、照射される塗膜層を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
基材としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、例えば、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度が20〜300mW/cm、好ましくは50〜200mW/cmになるように基材−紫外線照射ランプ間の距離を設定し、0.1秒〜10分間の照射を行うことができる。
紫外線または真空紫外線の照射に要する時間は、使用する基材やガスバリア層の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分であり、好ましくは0.5秒〜3分である。
真空紫外線照射による処理は、ポリシラザン内の原子間結合力より大きい、好ましくは100〜200nm、より好ましくは100〜180nmの波長の光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温(約200℃以下)で、無機薄膜の形成を行う方法である。
このような真空紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた真空紫外線を改質前のポリシラザン塗膜層に照射する際には、効率向上と均一な照射とを達成する観点から、発生源からの真空紫外線を反射板で反射させてから改質前のポリシラザン塗膜層に当てることが望ましい。本発明においての真空紫外線源は、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
真空紫外線照射時の反応には、酸素が必要であるが、真空紫外線は、酸素による吸収があるため紫外線照射工程での効率が低下しやすいことから、真空紫外線の照射は、可能な限り酸素濃度および水蒸気濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、真空紫外線照射時の酸素濃度は、300〜10,000体積ppm(1体積%)とすることが好ましく、500〜5,000体積ppmとすることがより好ましい。また、転化プロセスの間の水蒸気濃度は、好ましくは1000〜4000体積ppmの範囲である。
真空紫外線照射において、塗膜層が受ける塗膜面での該真空紫外線の照度は1mW/cm〜10W/cmであると好ましく、30mW/cm〜200mW/cmであることがより好ましく、50mW/cm〜160mW/cmであるとさらに好ましい。1mW/cm以上であれば、高い改質効率が得られうる。また、10W/cm以下であれば、塗膜にアブレーションを生じたり、基材にダメージを与えたりする可能性が低い。
塗膜層における真空紫外線の照射エネルギー量(照射量、積算光量)は、10〜20000mJ/cmであることが好ましく、20〜10000mJ/cmであることがより好ましく、100〜8000mJ/cmであることがさらに好ましい。照射エネルギー量が10mJ/cm以上であれば、改質が十分に進行しうる。また、照射エネルギー量が20000mJ/cm以下であれば、過剰改質によるクラック発生や、基材の熱変形が生じにくい。
また、真空紫外線照射と同時に塗膜層を加熱することも、改質処理を促進するために好ましく用いられる。加熱の方法は、ヒートブロック等の発熱体に基材を接触させ熱伝導により塗膜層を加熱する方法、抵抗線等による外部ヒーターにより雰囲気を加熱する方法、IRヒーターのような赤外領域の光を用いた方法等が挙げられるが、特に制限されない。塗膜層の平滑性を維持できる方法を適宜選択してよい。真空紫外線の照射条件は、適用する基材によっても異なり、当業者により適宜決定されうる。例えば、真空紫外線の照射温度(加熱温度)は、50〜200℃であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましい。照射条件が上記範囲内であると、基材の変形や強度の劣化が生じにくく、基材の特性が損なわれないことから好ましい。照射時間(加熱時間)としては、1秒〜10時間の範囲が好ましく、10秒〜1時間の範囲がより好ましい。
また、改質に用いられる真空紫外光は、CO、COおよびCHの少なくとも一種を含むガスで形成されたプラズマにより発生させてもよい。さらに、CO、COおよびCHの少なくとも一種を含むガス(以下、炭素含有ガスとも称する)は、炭素含有ガスを単独で使用してもよいが、希ガスまたはHを主ガスとして、炭素含有ガスを少量添加することが好ましい。プラズマの生成方式としては容量結合プラズマなどが挙げられる。
好適な形態であるポリシラザンがパーヒドロポリシラザンである場合に、真空紫外線照射でパーヒドロポリシラザンから酸窒化ケイ素、さらには酸化ケイ素が生じると推定される反応機構については、例えば、特開2015−033764号公報の段落「0125」〜「0133」の記載を参照することができる。
シリカ転化率(SiOxにおけるx)の測定方法としては、例えば、XPS法を用いて測定することができる。
ガスバリア層における化学組成は、XPS表面分析装置を用いて、原子組成比を測定することで測定できる。また、ガスバリア層を切断して切断面をXPS表面分析装置で原子組成比を測定することでも測定することができる。
ガスバリア層における化学組成は、ガスバリア層を形成する際に用いるポリシラザン、添加化合物等の種類および量、ならびに塗膜層を改質する際の条件等により、制御することができる。
当該ガスバリア層1層当たりの厚さは、ガスバリア性とフレキシブル性とを両立する観点から、0.01〜1μmであることが好ましく、0.02〜0.6μmであることがより好ましく、0.04〜0.4μmであることがさらに好ましい。ガスバリア層の厚さが0.01μm以上であれば、高いガスバリア性が得られうる。また、1μm以下であれば、十分なフレキシブル性が得られ、膜のひび割れが発生しにくい。本明細書中、ガスバリア層1層当たりの厚さは、JEOL社製透過型電子顕微鏡JEM−2000FXによって測定した厚さとする。
当該ガスバリア層は、塗膜層に真空紫外線などの活性エネルギー線を照射する工程において、ポリシラザンの少なくとも一部が改質されることで、層全体としてSiO (Mは添加元素であり、x、y、wはそれぞれケイ素に対する酸素、窒素、Mの原子比である)の組成で示される酸化窒化ケイ素を含むガスバリア層が形成される。良好なガスバリア性を得るためには、ガスバリア層中には、炭素原子は実質的に存在しないことが好ましく、ガスバリア層の安定性を高めるためには、水素原子は少ないことが好ましい。
ガスバリア層は、組成SiOの分布が所定の条件、すなわち、0.25≦x≦1.1であり、かつ0.4≦y≦0.75であり、0≦w<0.5である領域を、厚さ方向で50nm以上有する条件を満たすことが好ましい。
また、Si、O、Nの結合手の関係から、基本的にはx、yは2x+3y≦4の範囲にあることが好ましい。酸化が完全に進んだy=0の状態においては、塗膜中にシラノール基を含有するようになり、2<x<2.5の範囲となる場合もある。
なお、本発明において、前述したx、y、z、およびwの値について、例えば下記装置および方法を用いて、各構成元素の膜厚方向における元素比(原子比)を測定することによって決定することができる。
XPS分析条件
装置:QUANTERASXM(アルバック・ファイ株式会社製)
X線源:単色化Al−Kα
測定領域:Si2p、C1s、N1s、O1s、Al
スパッタイオン:Ar(2keV)
デプスプロファイル:1分間のスパッタ後に測定を繰り返す。1回の測定は、SiO薄膜標準サンプル換算で、約5nmの厚さ分に相当する。
定量:バックグラウンドをShirley法で求め、得られたピーク面積から相対感度係数法を用いて定量した。
データ処理:MultiPak(アルバック・ファイ株式会社製)
なお、表面の吸着水や有機物汚染の影響があるため、1回目の測定データは除く。
また、本発明のガスバリア層の膜密度は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、ガスバリア層の膜密度は、1.5〜2.6g/cmの範囲にあることが好ましい。この範囲内であれば、膜の緻密さが向上するため、高温高湿条件下での膜の劣化やそれに伴うガスバリア性の低下を防止することができる。
〔蒸着法により形成されるガスバリア層〕
本発明のガスバリア性フィルムは、蒸着法により形成されるガスバリア層(以下、単に蒸着ガスバリア層とも称する)をさらに有していることが好ましい。蒸着ガスバリア層を有することによって、より高いガスバリア性を有するガスバリアフィルムが得られうる。蒸着ガスバリア層は、1層のみを形成してもよく、複数の層を形成してもよい。また、蒸着ガスバリア層は、基材の一方の表面の側に形成してもよく、両面に形成することもできる。
本発明のガスバリア性フィルムにおける蒸着ガスバリア層の積層方向の位置は、特に制限されないが、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層に隣接して形成されることが好ましい。このようにすることで、蒸着ガスバリア層の欠陥を補修することができ、蒸着ガスバリア層との界面の密着性が高められるため、より高性能のガスバリア層が得られうる。また、割れにくいガスバリア性フィルムが得られうる。特には、基材上に蒸着ガスバリア層を形成し、さらに、前記ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を、1層または複数層形成することが好ましい。
ここで述べる、蒸着ガスバリア層の膜厚は、特に制限されないが、50〜600nmであることが好ましく、100〜500nmであることがより好ましい。このような範囲であれば、ガスバリア性能、折り曲げ耐性、断裁加工適性等に優れる。
また、蒸着ガスバリア層の弾性率は、15〜45GPaであることが好ましく、20〜40GPaであることがより好ましい。この範囲であれば、ガスバリア性能、折り曲げ耐性、断裁加工適性が得られる。なお、該弾性率は、ナノインデンテーション法により測定することができる。
蒸着法としては、特に限定されず、公知の薄膜堆積技術を利用することができる。例えば、蒸着法、反応性蒸着法、スパッタ法、反応性スパッタ法、化学気相成長法などが挙げられる。
以下、CVD法のうち、好適な形態である真空プラズマCVD法について具体的に説明する。
図1は、蒸着ガスバリア層の形成に用いられる真空プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。
図1において、真空プラズマCVD装置101は、真空槽102を有しており、真空槽102の内部の底面側には、サセプタ105が配置されている。また、真空槽102の内部の天井側には、サセプタ105と対向する位置にカソード電極103が配置されている。真空槽102の外部には、熱媒体循環系106と、真空排気系107と、ガス導入系108と、高周波電源109が配置されている。熱媒体循環系106内には熱媒体が配置されている。熱媒体循環系106には、熱媒体を移動させるポンプと、熱媒体を加熱する加熱装置と、冷却する冷却装置と、熱媒体の温度を測定する温度センサと、熱媒体の設定温度を記憶する記憶装置とを有する加熱冷却装置160が設けられている。
また、前記蒸着ガスバリア層は、生産性の観点から、ロールツーロール方式で前記基材の表面上に前記蒸着ガスバリア層を形成させることが好ましい。また、このようなプラズマCVD法により蒸着ガスバリア層を製造する際に用いることが可能な装置としては、特に制限されないが、少なくとも一対の成膜ローラーと、プラズマ電源とを備え、かつ前記一対の成膜ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置であることが好ましく、例えば、図2に示す製造装置を用いた場合には、プラズマCVD法を利用しながらロールツーロール方式で製造することも可能となる。
以下、図2を参照しながら、プラズマCVD法による蒸着ガスバリア層の形成方法について、より詳細に説明する。なお、図3は、蒸着ガスバリア層を製造するために好適に利用することが可能な製造装置の一例を示す模式図である。また、以下の説明および図面中、同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図2に示す製造装置31は、送り出しローラー32と、搬送ローラー33、34、35、36と、成膜ローラー39、40と、ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、成膜ローラー39および40の内部に設置された磁場発生装置43、44と、巻取りローラー45とを備えている。また、このような製造装置においては、少なくとも成膜ローラー39、40と、ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、磁場発生装置43、44とが図示を省略した真空チャンバ内に配置されている。さらに、このような製造装置31において前記真空チャンバは図示を省略した真空ポンプに接続されており、かかる真空ポンプにより真空チャンバ内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
このような製造装置の具体的な形態、このような製造装置を用いてプラズマCVD法によって蒸着ガスバリア層を形成する方法、成膜ガス、成膜条件などの具体的な形態は、特開2014−141056号公報の段落「0091」〜「0116」に開示されている形態を適宜参照することができる。
前記ガス供給管41から対向空間に供給される成膜ガス(原料ガス等)としては、原料ガス、反応ガス、キャリアガス、放電ガスが単独または2種以上を混合して用いることができる。蒸着ガスバリア層3の形成に用いる前記成膜ガス中の原料ガスとしては、形成する蒸着ガスバリア層3の材質に応じて適宜選択して使用することができる。このような原料ガスとしては、例えば、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物や炭素を含有する有機化合物ガスを用いることができる。このような有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ヘキサメチルジシラン(HMDS)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、化合物の取り扱い性および得られる蒸着ガスバリア層のガスバリア性等の特性の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。これらの有機ケイ素化合物は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても使用することができる。また、炭素を含有する有機化合物ガスとしては、例えば、メタン、エタン、エチレン、アセチレンを例示することができる。これら有機ケイ素化合物ガスや有機化合物ガスは、蒸着ガスガスバリア層3の種類に応じて適切な原料ガスが選択される。
また、前記成膜ガスとしては、前記原料ガスの他に反応ガスを用いてもよい。このような反応ガスとしては、前記原料ガスと反応して酸化物、窒化物等の無機化合物となるガスを適宜選択して使用することができる。酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。また、窒化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、単独でもまたは2種以上を組み合わせても使用することができ、例えば酸窒化物を形成する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用することができる。
前記成膜ガスとしては、前記原料ガスを真空チャンバ内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いてもよい。さらに、前記成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いてもよい。このようなキャリアガスおよび放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガス;水素を用いることができる。
このような成膜ガスが原料ガスと反応ガスとを含有する場合には、原料ガスと反応ガスとの比率としては、原料ガスと反応ガスとを完全に反応させるために理論上必要となる反応ガスの量の比率よりも、反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことが好ましい。反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことで、形成される蒸着ガスバリア層3によって、優れたバリア性や耐屈曲性を得ることができる点で優れている。また、前記成膜ガスが前記有機ケイ素化合物と酸素とを含有するものである場合には、前記成膜ガス中の前記有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量以下であることが好ましい。
また、真空チャンバ内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5Pa〜50Paの範囲とすることが好ましい。
また、このようなプラズマCVD法において、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間に放電するために、プラズマ発生用電源42に接続された電極ドラム(本実施形態においては、成膜ローラー39および40に設置されている)に印加する電力は、原料ガスの種類や真空チャンバ内の圧力等に応じて適宜調整することができるものであり一概に言えるものでないが、0.1〜10kWの範囲とすることが好ましい。このような印加電力が100W以上であれば、パーティクルが発生を十分に抑制することができ、他方、10kW以下であれば、成膜時に発生する熱量を抑えることができ、成膜時の基材表面の温度が上昇するのを抑制できる。そのため基材が熱負けすることなく、成膜時に皺が発生するのを防止できる点で優れている。
基材2の搬送速度(ライン速度)は、原料ガスの種類や真空チャンバ内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.25〜100m/minの範囲とすることが好ましく、0.5〜20m/minの範囲とすることがより好ましい。ライン速度が0.25m/min以上であれば、基材に熱に起因する皺の発生を効果的に抑制することができる。他方、100m/min以下であれば、生産性を損なうことなく、ガスバリア層として十分な厚みを確保することができる点で優れている。
上記したように、本実施形態のより好ましい態様としては、蒸着ガスバリア層を、図2に示す対向ロール電極を有するプラズマCVD装置(ロールツーロール方式)を用いたプラズマCVD法によって成膜する。これは、対向ロール電極を有するプラズマCVD装置(ロールツーロール方式)を用いて量産する場合に、可撓性(屈曲性)に優れ、機械的強度、特にロールツーロールでの搬送時の耐久性と、ガスバリア性能とが両立するガスバリア層を効率よく製造することができるためである。このような製造装置は、太陽電池や電子部品などに使用される温度変化に対する耐久性が求められるガスバリア性フィルムを、安価でかつ容易に量産することができる点でも優れている。
<蒸着ガスバリア層の改質処理>
蒸着ガスバリア層においては、成膜された膜にエキシマ処理(改質処理)を施してもよい。エキシマ処理(真空紫外線処理)は、公知の方法を用いることができるが、前述した「<塗膜層の改質処理>」の項で述べたような真空紫外線処理が好ましく、さらには100〜180nmの波長の光のエネルギーによる真空紫外線処理が好ましい。
〔平滑層(下地層、プライマー層、ハードコート層)〕
本発明のガスバリア性フィルムは、基材のガスバリア層を有する面、好ましくは基材と第1層目のガスバリア層との間に平滑層(下地層、プライマー層、ハードコート層)を有していてもよい。平滑層は突起等が存在する基材の粗面を平坦化するために、あるいは、基材に存在する突起により、ガスバリア層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。このような平滑層は、いずれの材料で形成されてもよいが、炭素含有ポリマーを含むことが好ましく、炭素含有ポリマーから構成されることがより好ましい。すなわち、本発明のガスバリア性フィルムは、基材と第1層目のガスバリア層との間に、炭素含有ポリマーを含む平滑層をさらに有することが好ましい。
また、平滑層は、炭素含有ポリマー、好ましくは硬化性樹脂を含む。前記硬化性樹脂としては特に制限されず、活性エネルギー線硬化性材料等に対して紫外線等の活性エネルギー線を照射し硬化させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂や、熱硬化性材料を加熱することにより硬化して得られる熱硬化性樹脂等が挙げられる。該硬化性樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
平滑層の平滑性は、JIS B 0601:2001で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、10nm以上、30nm以下であることが好ましい。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が数十μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する粗さである。
平滑層の膜厚としては、特に制限されないが、0.1〜10μmの範囲が好ましい。
〔アンカーコート層〕
基材の表面には、接着性(密着性)の向上を目的として、アンカーコート層を易接着層として形成してもよい。このアンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン・ビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、およびアルキルチタネート等を、1種または2種以上併せて使用することができる。上記アンカーコート剤は、市販品を使用してもよい。具体的には、シロキサン系UV硬化性ポリマー溶液(信越化学工業株式会社製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液)を用いることができる。
《ガスバリア性フィルムの包装形態》
本発明のガスバリア性フィルムは、連続生産しロール形態に巻き取ることができる(いわゆるロール・トゥ・ロール生産)。その際、ガスバリア層を形成した面に保護シートを貼合して巻き取ることが好ましい。特に、本発明のガスバリア性フィルムを有機薄膜デバイスの封止材として用いる場合、表面に付着したゴミ(例えば、パーティクル)が原因で欠陥となる場合が多く、クリーン度の高い場所で保護シートを貼合してゴミの付着を防止することは非常に有効である。併せて、巻取り時に入るガスバリア層表面への傷の防止に有効である。
保護シートとしては、特に限定するものではないが、膜厚100μm程度の樹脂基板に弱粘着性の接着層を付与した構成の一般的な「保護シート」、「剥離シート」を用いることができる。
《ガスバリア性フィルムの水蒸気透過率》
本発明のガスバリア性フィルムの水蒸気透過率は、低いほど好ましいが、例えば、0.001〜0.00001g/m2・24hであることが好ましく、0.0001〜0.00001g/m2・24hであることがより好ましい。
本発明のガスバリア性フィルムにおいては、水蒸気透過率の測定方法は特に制限されないが、本発明では、水蒸気透過率測定方法として、後述の実施例に記載のCa法による測定を行った。
〔ガスバリア性フィルムの製造方法〕
本発明のガスバリア性フィルムの製造方法は、特に制限されない。例えば、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得る工程と、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射し改質処理を行ってガスバリア層を得る工程と、によって、基材の両面にガスバリア層を形成することを含む方法によって製造することができる。ここで、前記塗膜層の少なくとも1層は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する。この際、基材の一方の面に塗膜層を得て改質処理をしてガスバリア層を得た後、他方の面にも同様にしてガスバリア層を形成してもよく、基材の両面に塗布層を形成した後、両面の塗布層に対して改質処理を行ってもよい。
または、第1の基材、および第2の基材を準備し、それぞれ、一方の面に、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を形成し、塗膜層に活性エネルギー線を照射し改質処理を行ってガスバリア層を形成し、その後、第1の基材および第2の基材のガスバリア層を形成していない面同士を接着剤を用いて貼り合わせてガスバリア性フィルムを得ることができる。この際、前記塗膜層の少なくとも1層は、添加元素を含有する。接着剤としては、特に制限されないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等を用いることができる。
〔電子デバイス〕
本発明のガスバリア性フィルムは、空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化するデバイスに好ましく用いることができる。すなわち、本発明は、電子デバイス本体と、本発明のガスバリア性フィルムまたは本発明に係る製造方法により得られるガスバリア性フィルムと、を有する電子デバイスを提供する。
ここで、本発明のガスバリア性フィルムは、添加元素を含むガスバリア層が電子デバイス本体に近い側となるように封止してもよく、基材を挟んで電子デバイス本体と反対側になるように封止してもよい。
前記電子デバイスの例としては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子(LCD)、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池(PV)等の電子デバイスを挙げることができる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、有機EL素子または太陽電池に好ましく用いられ、有機EL素子に特に好ましく用いられる。
本発明のガスバリア性フィルムは、また、デバイスの膜封止に用いることができる。すなわち、デバイス自体を支持体として、その表面に本発明のガスバリア性フィルムを設ける方法である。ガスバリア性フィルムを設ける前にデバイスを保護層で覆ってもよい。
本発明のガスバリア性フィルムは、デバイスの基板や固体封止法による封止のためのフィルムとしても用いることができる。固体封止法とはデバイスの上に保護層を形成した後、接着剤層、ガスバリア性フィルムを重ねて硬化する方法である。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。
<有機EL素子>
ガスバリア性フィルムを用いた有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。
<液晶表示素子>
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明におけるガスバリア性フィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)またはHAN型(Hybrid Aligned Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically
Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、IPS型(In−Plane Switching)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
<太陽電池>
本発明のガスバリア性フィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。本発明のガスバリア性フィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
<その他>
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報に記載の電子ペーパー等が挙げられる。
<光学部材>
本発明のガスバリア性フィルムは、光学部材としても用いることができる。光学部材の例としては円偏光板等が挙げられる。
(円偏光板)
本発明におけるガスバリア性フィルムを基板としλ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角が45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−86554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、下記操作において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で行う。
(比較例1)
《A面側のガスバリア層の作製》
基材として、両面ハードコート層(中間層)付き透明樹脂基材(きもと社製クリアハードコート層(CHC)付ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ハードコート層はアクリル樹脂を主成分としたUV硬化樹脂より構成、PETの厚さ125μm)を準備した。
〔ガスバリア層(ポリシラザン塗膜層)の形成〕
<ポリシラザン含有塗布液の調製>
無触媒のパーヒドロポリシラザン(PHPS)を20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NN120−20)と、1質量%のアミン触媒(N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン)および19質量%のパーヒドロポリシラザンを含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NAX120−20)とを、4:1の割合で混合し、さらにジブチルエーテル溶媒で、塗布液の固形分が10質量%になるように希釈調整した。
<製膜>
上記で調製したポリシラザン含有塗布液を、スピンコーターにて基材の一方の面(A面:本実施例では、有機EL素子が配置される側の面)の上に厚さが250nmになるように塗布して製膜し、2分間放置した後、80℃のホットプレートで1分間追加加熱処理を行い、塗膜層を形成した。
塗膜層を形成した後、下記の装置および方法により、真空紫外線照射処理を施して、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.1)を作製した。
真空紫外線照射装置
エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200
波長172nm、ステージ温度100℃、
積算光量6500mJ/cm、酸素濃度0.1体積%。
<真空紫外線照射条件・照射エネルギーの測定>
真空紫外線照射は、図3に断面模式図で示した装置を用いて行った。
図3において、11は装置チャンバであり、図示しないガス供給口から内部に窒素と酸素とを適量供給し、図示しないガス排出口から排気することで、チャンバ内部から実質的に水蒸気を除去し、酸素濃度を所定の濃度に維持することができる。12は172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプ、13は外部電極を兼ねるエキシマランプのホルダーである。14は試料ステージである。試料ステージ14は、図示しない移動手段により装置チャンバ11内を水平に所定の速度で往復移動することができる。また、試料ステージ14は図示しない加熱手段により、所定の温度に維持することができる。15はポリシラザン塗膜層が形成された試料である。試料ステージが水平移動する際、試料の塗膜層表面と、エキシマランプ管面との最短距離が3mmとなるように試料ステージの高さが調整されている。16は遮光板であり、Xeエキシマランプ12のエージング中に試料の塗布層に真空紫外光が照射されないようにしている。
真空紫外線照射工程で試料塗布層表面に照射されるエネルギーは、浜松ホトニクス社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025 UV POWER METERを用い、172nmのセンサヘッドを用いて測定した。測定に際しては、Xeエキシマランプ管面とセンサヘッドの測定面との最短距離が、3mmとなるようにセンサヘッドを試料ステージ14中央に設置し、かつ、装置チャンバ11内の雰囲気が、真空紫外線照射工程と同一の酸素濃度となるように窒素と酸素とを供給し、試料ステージ14を0.5m/minの速度で移動させて測定を行った。測定に先立ち、Xeエキシマランプ12の照度を安定させるため、Xeエキシマランプ点灯後に10分間のエージング時間を設け、その後試料ステージを移動させて測定を開始した。
この測定で得られた照射エネルギーを元に、試料ステージの移動速度を調整することで6500mJ/cmの照射エネルギーとなるように調整した。尚、真空紫外線照射に際しては、照射エネルギー測定時と同様に、10分間のエージング後に行った。
(比較例2)
《B面側のガスバリア層の作製》
比較例1と同様の手順で基材のA面側にガスバリア層を形成した。
次いで、基材の、ガスバリア層を作製した面と反対側の面(B面:本実施例では、有機EL素子を配置する側と反対側の面)の上に、上記と同様のポリシラザン含有塗布液をスピンコーターにて250nmになるよう製膜し、2分間放置した後、80℃のホットプレートで1分間追加加熱処理を行い、塗膜層を形成した。
塗膜層を形成した後、同様に真空紫外光(エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ステージ温度100℃、積算光量6500mJ/cm、酸素濃度0.1体積%)を照射して、ガスバリア層を形成し、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.2)を得た。
(実施例1)
下記の方法でアルミニウム含有塗布液を調製した。
<アルミニウム含有塗布液の調製>
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NN120−20)と、1質量%のアミン触媒(N,N,N",N"−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン)および19質量%のパーヒドロポリシラザンを含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NAX120−20)とを、4:1の割合(質量比)で混合したもの 2.318g、ALCH(川研ファインケミカル株式会社製、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート) 0.306g、およびジブチルエーテル 12.776gを混合したものを塗布液とした。
上記で得られたアルミニウム含有塗布液により、基材のA面に第1層のガスバリア層となる塗膜層を形成したこと以外は、比較例2と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.3)を作製した。
(実施例2)
上記で得られたアルミニウム含有塗布液により、基材のB面にガスバリア層となる塗膜層を形成したこと以外は、比較例2と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.4)を作製した。
(実施例3)
上記で得られたアルミニウム含有塗布液により、基材のA面に第1層のガスバリア層となる塗膜層を形成し、さらに、基材のB面にも塗膜層を形成したこと以外は、比較例2と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.5)を作製した。
(比較例3)
基材のB面にガスバリア層となる塗膜層を形成する際に、スピン塗布回転数を変化させて膜厚を150nmとしたこと以外は、比較例2と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.6)を作製した。
(実施例4)
基材のB面にガスバリア層となる塗膜層を形成する際に、スピン塗布回転数を変化させて膜厚を150nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.7)を作製した。
(実施例5)
基材のB面にガスバリア層となる塗膜層を形成する際に、スピン塗布回転数を変化させて膜厚を150nmとしたこと以外は、実施例2と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.8)を作製した。
(実施例6)
基材のB面にガスバリア層となる塗膜層を形成する際に、スピン塗布回転数を変化させて膜厚を150nmとしたこと以外は、実施例3と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.9)を作製した。
(比較例4)
基材のB面にガスバリア層となる塗膜層を形成する際に、スピン塗布回転数を変化させて膜厚を50nmとし、塗膜層を形成した後の真空紫外線照射処理の際の積算光量を3000mJ/cmとしたこと以外は、比較例2と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.10)を作製した。
(実施例7)
基材のB面にガスバリア層となる塗膜層を形成する際に、スピン塗布回転数を変化させて膜厚を50nmとし、塗膜層を形成した後の真空紫外線照射処理の際の積算光量を3000mJ/cmとしたこと以外は、実施例2と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.11)を作製した。
(比較例5)
《A面側のガスバリア層の作製》
〔第1層の形成〕
〔蒸着法により形成されるガスバリア層の作製〕
大気圧プラズマ製膜装置(特開2008−56967号の図2に記載、ロールツーロール形態の大気圧プラズマCVD装置)を用いて、大気圧プラズマ法により、ハードコート層(中間層)付き透明樹脂基材(きもと社製クリアハードコート層(CHC)付ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ハードコート層はアクリル樹脂を主成分としたUV硬化樹脂より構成、PETの厚さ125μm、CHCの厚さ6μm)上に、以下の表1の薄膜形成条件で酸炭化珪素(SiOC)から構成されるガスバリア層(100nm)を形成した。このガスバリア層の弾性率E1をナノインテンデーション法により測定したところ、膜厚方向で一様に30GPaであった。
〔第2層の形成〕
比較例1で調製したポリシラザン含有塗布液を用い、スピンコーターにて、上記で作製した第1層の上に、厚さが250nmになるよう成膜し、2分間放置した後、80℃のホットプレートで1分間追加加熱処理を行い、ポリシラザン塗膜層を形成した。その後、上記の装置および方法により、真空紫外線照射を施し、第2層となるガスバリア層を形成した。
〔第3層の形成〕
上記で作製した第2層の上に、上記第2層の形成と同様の方法で、ただし、厚さが40nmになるよう成膜し、ポリシラザン塗膜層を形成した。その後、上記の装置および方法により、真空紫外線照射を施し(ただし、積算光量は3000mJ/cm)、第3層となるガスバリア層を形成した。このようにして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.12)を作製した。
(比較例6)
基材のB面に、サンプル6と同様のガスバリア層を設けたことを除いては、比較例5と同様にして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.13)を作製した。
(実施例8)
サンプル13の第2層をサンプル3の第1層にしたこと以外は、サンプル13と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.14)を作製した。
(実施例9)
サンプル13の第3層を、サンプル3の第1層のアルミニウム含有塗布液を膜厚変化させて厚さが40nmになるよう成膜し、ポリシラザン塗膜層を形成した。その後、上記の装置および方法により、真空紫外線照射を施し(ただし、積算光量は3000mJ/cm )、第3層となるガスバリア層を形成した。このようにして、ガスバリア性フィルム(サンプルNo.15を作製した。
(実施例10)
サンプル14の第3層をサンプル15の第3層にしたこと以外は、サンプル14と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.16)を作製した。
(実施例11)
サンプル13のB面をサンプル8のB面にしたこと以外は、サンプル13と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.17)を作製した。
(実施例12)
サンプル16のB面をサンプル17のB面にしたこと以外は、サンプル16と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.18)を作製した。
(比較例7)
サンプル12のB面に、サンプル12のA面の第1層を第1層として、サンプル13のB面の第1層を第2層として設けたこと以外は、サンプル12と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.19)を作製した。
(実施例13)
サンプル19のA面の第2層をサンプル14のA面の第2層にしたこと以外は、サンプル19と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.20)を作製した。
(実施例14)
サンプル19のA面の第3層をサンプル15のA面の第3層にしたこと以外は、サンプル19と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.21)を作製した。
(実施例15)
サンプル20のA面の第3層をサンプル15のA面の第3層にしたこと以外は、サンプル20と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.22)を作製した。
(実施例16)
サンプル19のB面の第2層をサンプル17のB面の第1層にしたこと以外は、サンプル19と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.23)を作製した。
(実施例17)
サンプル21のB面の第2層をサンプル17のB面の第1層にしたこと以外は、サンプル21と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.24)を作製した。
(実施例18)
サンプル24のA面の第2層をサンプル20のA面の第2層にしたこと以外は、サンプル24と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.25)を作製した。
(比較例8)
サンプル19の基材の厚みを25μmとしたこと以外は、サンプル19と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.26)を作製した。
(実施例19)
サンプル20の基材の厚みを25μmとしたこと以外は、サンプル20と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.27)を作製した。
(実施例20)
サンプル21の基材の厚みを25μmとしたこと以外は、サンプル21と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.28)を作製した。
(実施例21)
サンプル23の基材の厚みを25μmとしたこと以外は、サンプル23と同様のガスバリア性フィルム(サンプルNo.29)を作製した。
(実施例22)
サンプル25のA面の第2層、第3層、およびB面の第2層を作製する際のアルミニウム含有塗布液において、ALCHを同量のガリウム(III)イソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製)とし、同様の厚みとしたこと以外は、サンプル25と同様にしてガスバリア性フィルム(サンプルNo.30)を作製した。
(実施例23)
サンプル25のA面の第2層、第3層、およびB面の第2層を作製する際のアルミニウム含有塗布液において、ALCHを同量のインジウム(III)イソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製)とし、同様の厚みとしたこと以外は、サンプル25と同様にしてガスバリア性フィルム(サンプルNo.31)を作製した。
(実施例24)
サンプル25のA面の第2層、第3層、およびB面の第2層を作製する際のアルミニウム含有塗布液において、ALCHを同量のマグネシウムエトキシド(和光純薬工業株式会社製)とし、同様の厚みとしたこと以外は、サンプル25と同様にしてガスバリア性フィルム(サンプルNo.32)を作製した。
(実施例25)
サンプル25のA面の第2層、第3層、およびB面の第2層を作製する際のアルミニウム含有塗布液において、ALCHを同量のカルシウムイソプロポキシド(SIGMA−ALDRICH社製)とし、同様の厚みとしたこと以外は、サンプル25と同様にしてガスバリア性フィルム(サンプルNo.33)を作製した。
(実施例26)
サンプル25のA面の第2層、第3層、およびB面の第2層を作製する際のアルミニウム含有塗布液において、ALCHを同量のホウ酸トリイソプロピル(和光純薬工業株式会社製)とし、同様の厚みとしたこと以外は、サンプル25と同様にしてガスバリア性フィルム(サンプルNo.34)を作製した。
(比較例9)
サンプル25のA面の第2層、第3層、およびB面の第2層を作製する際のアルミニウム含有塗布液において、ALCHを同量のトリス(ジブチルスルフィド)ロジウムクロライド[Tris(dibutylsulfide)RhCl,Gelest,Inc.製]とし、同様の厚みとしたこと以外は、サンプル25と同様にしてガスバリア性フィルム(サンプルNo.35)を作製した。
《水蒸気バリア性の評価》
上記で作製したガスバリア性フィルムについて、85℃95%RHの高温高湿下に500時間曝したサンプル(DH500時間後)を各々準備した。
水蒸気バリア性の評価は、80nm厚の金属カルシウムをガスバリア性フィルム上に蒸着製膜し、製膜したカルシウムが50%の面積になる時間を50%面積時間として評価することで行った(下記参照)。高温高湿下に500時間曝す前後の50%面積時間を評価し、曝した後の50%面積時間/曝す前の50%面積時間を保持率(%)として算出し、表2〜4に示した。保持率の指標としては70%以上あれば許容とし、70%未満は不適合と判断した。
(金属カルシウム製膜装置)
蒸着装置:日本電子株式会社製、真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
(原材料)
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気バリア性評価試料の作製)
真空蒸着装置(日本電子株式会社製、真空蒸着装置 JEE−400)を用い、作製したガスバリア性フィルムの最外層のガスバリア層表面に、マスクを通して12mm×12mmのサイズで金属カルシウムを蒸着させた。この際、蒸着膜厚は80nmとなるようにした。
その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムを蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移して、アルミニウム蒸着面に封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを張り合わせ、紫外線を照射して樹脂を硬化接着させて本封止することで、水蒸気バリア性評価試料を作製した。
得られた試料を、85℃95%RHの高温高湿下で保存し、保存時間に対して金属カルシウムが腐食して行く様子を観察した。観察は、12mm×12mmの金属カルシウム蒸着面積に対する金属カルシウムが腐食した面積が50%になる時間を観察結果から直線で内挿して求めた。
なお、ガスバリア性フィルム面以外からの水蒸気の透過がないことを確認するために、比較試料としてガスバリア性フィルム試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、同様な85℃、95%RHの高温高湿下保存を行い、1000時間経過後でも金属カルシウム腐食が発生しないことを確認した。
《折り曲げ耐性評価》
各ガスバリア性フィルムを、A面が上になるように、半径が2mmの曲率になるように、180°の角度で500回の屈曲を繰り返した。その後、B面が上になるように、半径が2mmの曲率になるように、180°の角度で500回の屈曲を繰り返した。その後、上記と同様の方法で水蒸気透過率(水蒸気バリア性)を測定し、屈曲前後での水蒸気透過率の変化より、下式に従って耐劣化度を算出し、下記の基準に従って折り曲げ耐性を評価した。
耐劣化度=(屈曲試験後の水蒸気透過率/屈曲試験前の水蒸気透過率)×100(%)
5:耐劣化度が95%以上である、
4:耐劣化度が85%以上95%未満である、
3:耐劣化度が50%以上85%未満である、
2:耐劣化度が10%以上50%未満である、
1:耐劣化度が10%未満である。
この試験を、85℃95%RHの高温高湿下に500時間曝す前のサンプル(即)と、85℃95%RHの高温高湿下に500時間曝した後のサンプル(DH500時間後)との両方で行った。
《有機薄膜電子デバイスの作製》
上記で作製したガスバリア性フィルムを用いて、有機薄膜電子デバイスである有機EL素子(即)を作製した。
また、上記で作製したガスバリア性フィルムのA面に以下の熱水処理を施したガスバリア性フィルムを用いて有機EL素子(熱水処理後)を作製した。
熱水処理
90℃の熱水に上記で作製したガスバリア性フィルムを15分間浸し、自然乾燥後表面が乾いた後、有機EL素子の作製を行った。
〔有機EL素子の作製〕
(第1電極層の形成)
各実施例および比較例で製造した各ガスバリア性フィルムのA面の最外層のガスバリア層上に、厚さ150nmのITO(インジウムスズ酸化物)をスパッタ法により成膜した。次いで、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極層を形成した。なお、パターニングは発光面積が50mm平方となるようなパターンとした。
(正孔輸送層の形成)
第1電極層が形成された各ガスバリア性フィルムの第1電極層の上に、以下に示す正孔輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し、正孔輸送層を形成した。正孔輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、ガスバリア性フィルムの洗浄表面改質処理を、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用し行った。
〈塗布条件〉
塗布工程は大気中、25℃、相対湿度(RH)50%の環境で行った。
〈正孔輸送層形成用塗布液の準備〉
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
〈乾燥および加熱処理条件〉
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置を用い温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
引き続き、正孔輸送層まで形成したガスバリア性フィルムの正孔輸送層上に、以下に示す白色発光層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し発光層を形成した。白色発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが40nmになるように塗布した。
〈白色発光層形成用塗布液〉
ホスト材のH−Aを1.0gと、ドーパント材のD−Aを100mgと、ドーパント材のD−Bを0.2mgと、ドーパント材のD−Cを0.2mgと、を100gのトルエンに溶解し白色発光層形成用塗布液として準備した。
〈塗布条件〉
塗布工程を窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
〈乾燥および加熱処理条件〉
白色発光層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、温度130℃で加熱処理を行い、発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
次に、以下に示す電子輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し電子輸送層を形成した。電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。
〈塗布条件〉
塗布工程は窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、電子輸送層形成用塗布液の塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
〈電子輸送層形成用塗布液〉
電子輸送層は下記化学式E−Aで表される化合物を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール中に溶解し0.5質量%溶液とし電子輸送層形成用塗布液とした。
〈乾燥および加熱処理条件〉
電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、加熱処理部で、温度200℃で加熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
(電子注入層の形成)
次に、形成された電子輸送層上に電子注入層を形成した。まず、基板を減圧チャンバに投入し、5×10−4Paまで減圧した。あらかじめ、真空チャンバにタンタル製蒸着ボートに用意しておいたフッ化セシウムを加熱し、厚さ3nmの電子注入層を形成した。
(第2電極の形成)
第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、形成された電子注入層の上に5×10 −4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、取り出し電極を有するように蒸着法で、発光面積が50mm平方になるようにマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。
(裁断)
第2電極まで形成した各ガスバリア性フィルムを、再び窒素雰囲気に移動し、規定の大きさに、紫外線レーザーを用いて裁断し、有機EL素子を作製した。
(電極リード接続)
作製した有機EL素子に、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製の異方性導電フィルムDP3232S9を用いて、フレキシブルプリント基板(ベースフィルム:ポリイミド12.5μm、圧延銅箔18μm、カバーレイ:ポリイミド12.5μm、表面処理NiAuメッキ)を接続した。
圧着条件:温度170℃(別途熱伝対を用いて測定したACF温度140℃)、圧力2MPa、10秒で圧着を行った。
(封止)
電極リード(フレキシブルプリント基板)を接続した有機EL素子を、市販のロールラミネート装置を用いて封止部材を接着し、有機EL素子を作製した。
なお、封止部材としては、ドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いて、30μm厚のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をラミネートしたもの(接着剤層の厚み1.5μm)を用いた。
ディスペンサを使用して、アルミニウム面に熱硬化性接着剤をアルミ箔の接着面(つや面)に沿って厚み20μmで均一に塗布した。
熱硬化接着剤としては以下のエポキシ系接着剤を用いた。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)
ジシアンジアミド(DICY)
エポキシアダクト系硬化促進剤。
しかる後、封止基板を、取り出し電極および電極リードの接合部を覆うようにして密着・配置して、圧着ロールを用いて圧着条件:圧着ロール温度120℃、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/minで密着封止した。
《有機EL素子の評価》
上記で作製した有機EL素子について、下記の方法に従って、耐久性の評価を行った。
〔耐久性の評価〕
(加速劣化処理)
上記作製した各有機EL素子を、85℃、95%RHの環境下で300時間の加速劣化処理を施した後、加速劣化処理を施していない有機EL素子と共に、下記の黒点に関する評価を行った。
(黒点の評価)
加速劣化処理を施した有機EL素子及び加速劣化処理を施していない有機EL素子に対し、それぞれ1mA/cmの電流を印加し、24時間連続発光させた後、100倍のマイクロスコープ(株式会社モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、黒点の発生面積比率を求め、下式に従って素子劣化耐性率を算出し、下記の基準に従って耐久性を評価した。評価ランクが、○であれば、実用上好ましい特性であると判定した。
素子劣化耐性率=(加速劣化処理を施していない素子で発生した黒点の面積/加速劣化処理を施した素子で発生した黒点の面積)×100(%)
◎:素子劣化耐性率が、98%以上である、
○:素子劣化耐性率が、90%以上、98%未満である、
○△:素子劣化耐性率が、60%以上、90%未満である、
△:素子劣化耐性率が、20%以上、60%未満である、
×:素子劣化耐性率が、20%未満である。
この評価を、熱水処理を行っていないサンプル(即)と、熱水処理を行った後のサンプル(熱水処理後)との両方で行った。
各実施例および各比較例のガスバリア性フィルムの構成および評価結果を下記表2〜4に示す。
上記表2〜4から明らかなように、実施例により作製した本発明のガスバリア性フィルムは、従来と比べて高いガスバリア性を有し、高温高湿条件下で保存した後でも安定性が非常に高く、高いガスバリア性を維持し、折り曲げ耐性に優れる。また、厳しい湿熱環境下でもガスバリア性が維持されるため、有機EL素子の封止フィルムとして用いることでダークスポットの発生を低減させる効果を有する。
具体的には、基材の片面のみにガスバリア層を有する比較例1のガスバリア性フィルムや、添加元素を含むガスバリア層を有していない比較例2〜4のガスバリア性フィルムの高温高湿環境に500時間さらした後のガスバリア性の保持率が0%に近いのに対して、基材の両面にガスバリア層を有し、少なくとも1つのガスバリア層に添加元素を含む実施例1〜7のガスバリア性フィルムは、70%以上の高い保持率を示す。さらに、高温高湿環境下にさらした後であっても高い折り曲げ耐性を示した。
また、実施例1〜3の結果を比較すると、基材の両面に添加元素を含むガスバリア層を有する実施例3のガスバリア性フィルムは、片面のみに添加元素を含むガスバリア層を設けた実施例1、2と比較して保持率が向上した。
基材の片面のみに添加元素を含むガスバリア層を設ける場合、ガスバリア層の積層数が同じであれば、実施例2のように基材の裏側に添加元素を含むガスバリア層を設けるほうが効果が高い。
また、実施例8〜26のように、蒸着ガスバリア層を、ポリシラザンを用いて調製したガスバリア層に隣接して設けることによって、より優れたガスバリア性、折り曲げ耐性、高温高湿環境下での安定性を有するガスバリア性フィルムが得られ、有機EL素子の封止フィルムとして優れた性能を示す。
この場合も、比較例5、6と実施例8〜12の比較、および比較例7〜9と実施例13〜26との比較から、ガスバリア層の積層数が同じであれば、添加元素を含むガスバリア層を有している本発明のガスバリア性フィルムは、添加元素を含まない場合と比較して、高いガスバリア性、折り曲げ耐性を示し、高温高湿環境下の安定性が大幅に向上することが確認された。添加元素としては、アルミニウムの他に、ガリウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、およびホウ素でも同様の効果が得られた(実施例18、22〜26)が、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素以外の金属元素であるロジウムを用いた比較例9のガスバリア性フィルムでは良好な性能が得られないことがわかった。
なお、本出願は、2014年3月24日に出願された日本特許出願第2014−060875号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (10)

  1. 基材の両面に、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層を少なくとも1層ずつ有するガスバリア性フィルムであって、
    前記ガスバリア層の少なくとも1層は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する、ガスバリア性フィルム。
  2. 前記長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素が、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ゲルマニウム(Ge)、およびホウ素(B)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記基材の両面に、前記長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有するガスバリア層を少なくとも1層ずつ有する、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 蒸着法により形成されるガスバリア層をさらに有し、前記蒸着法により形成されるガスバリア層が、前記ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得た後、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射して改質処理を行うことにより得られるガスバリア層に隣接して形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記蒸着法により形成されるガスバリア層は、前記基材と前記塗膜層との間に形成される、請求項4に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記活性エネルギー線が真空紫外線である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記基材の厚みが、125μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
  8. ポリシラザンを含有する塗布液を塗布し塗膜層を得る工程と、前記塗膜層に活性エネルギー線を照射し改質処理を行ってガスバリア層を得る工程と、によって、基材の両面にガスバリア層を形成することを含む、ガスバリア性フィルムの製造方法であって、
    前記塗膜層の少なくとも1層は、長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素(ただし、ケイ素および炭素を除く)を含有する、ガスバリア性フィルムの製造方法。
  9. 電子デバイス本体と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムまたは請求項8に記載の製造方法により得られるガスバリア性フィルムと、
    を有する、電子デバイス。
  10. 前記長周期型周期表の第2族、第13族、および第14族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有するガスバリア層が、前記基材の前記電子デバイス本体と反対側の面に設けられる、請求項9に記載の電子デバイス。
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