JPWO2015141768A1 - 非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、非移行型のプラズマアーク用トーチ - Google Patents

非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、非移行型のプラズマアーク用トーチ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015141768A1
JPWO2015141768A1 JP2016508783A JP2016508783A JPWO2015141768A1 JP WO2015141768 A1 JPWO2015141768 A1 JP WO2015141768A1 JP 2016508783 A JP2016508783 A JP 2016508783A JP 2016508783 A JP2016508783 A JP 2016508783A JP WO2015141768 A1 JPWO2015141768 A1 JP WO2015141768A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torch
plasma arc
welding
power supply
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016508783A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6487417B2 (ja
Inventor
勝則 和田
勝則 和田
周平 金丸
周平 金丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Nippon Sanso Corp filed Critical Taiyo Nippon Sanso Corp
Publication of JPWO2015141768A1 publication Critical patent/JPWO2015141768A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6487417B2 publication Critical patent/JP6487417B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K10/00Welding or cutting by means of a plasma
    • B23K10/02Plasma welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/16Arc welding or cutting making use of shielding gas
    • B23K9/167Arc welding or cutting making use of shielding gas and of a non-consumable electrode
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/24Features related to electrodes
    • B23K9/28Supporting devices for electrodes
    • B23K9/29Supporting devices adapted for making use of shielding means
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/24Generating plasma
    • H05H1/26Plasma torches
    • H05H1/28Cooling arrangements
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/24Generating plasma
    • H05H1/26Plasma torches
    • H05H1/32Plasma torches using an arc
    • H05H1/34Details, e.g. electrodes, nozzles
    • H05H1/341Arrangements for providing coaxial protecting fluids
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/24Generating plasma
    • H05H1/26Plasma torches
    • H05H1/32Plasma torches using an arc
    • H05H1/34Details, e.g. electrodes, nozzles
    • H05H1/3423Connecting means, e.g. electrical connecting means or fluid connections
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/24Generating plasma
    • H05H1/26Plasma torches
    • H05H1/32Plasma torches using an arc
    • H05H1/34Details, e.g. electrodes, nozzles
    • H05H1/3447Rod-like cathodes
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/24Generating plasma
    • H05H1/26Plasma torches
    • H05H1/32Plasma torches using an arc
    • H05H1/34Details, e.g. electrodes, nozzles
    • H05H1/3457Nozzle protection devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)

Abstract

非移行型のプラズマアークシステムであって、陰極としての非消耗電極(101)と、冷却液(W)の循環により冷却されると共に、被加工物に対してプラズマアークを放出する陽極としてのインサートチップとを備える非移行型のプラズマアーク用トーチ(1)を備え、プラズマアーク用トーチ(1)は、被加工物との間でアークを発生させる非消耗電極(101)と、アークによって生じた被加工物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズル(105)とを備えるTIG溶接用トーチ(100)を流用したものからなり、プラズマアーク用トーチ(1)は、トーチノズル(105)の周囲を囲んだ状態で、TIG溶接用トーチ(100)に対して着脱自在に取り付けられると共に、インサートチップとして機能するアタッチメント(51)を備えることで、非移行型のプラズマアークを安価且つ容易に利用する。

Description

本発明は、非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、非移行型のプラズマアーク用トーチに関する。
本願は、2014年3月19日に、日本に出願された特願2014−056528号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
金属や非鉄金属などを母材として用いた構造物(被加工物)の溶接には、従来よりTIG溶接(Tungsten Inert Gas welding)又はプラズマアーク溶接等のGTAW(Gas Tungsten Arc welding)と呼ばれる非消耗電極式のガスシールドアーク溶接が用いられている。
TIG溶接では、非消耗電極とトーチノズルとを備えるTIG溶接用トーチを使用し、非消耗電極(−)と被加工物(+)との間でアークを発生させて、このアークの熱により被加工物を溶かして溶融池(プール)を形成しながら溶接が行われる。また、溶接中は電極の周囲を囲むトーチノズルからシールドガスを放出し、このシールドガスで大気(空気)を遮断しながら溶接が行われる。
これに対して、プラズマアーク溶接では、非消耗電極と、水冷のインサートチップ(拘束ノズルとも言う。)と、シールドキャップとを備えるプラズマアーク用トーチを使用し、非消耗電極とインサートチップとの間で電気的にプラズマ化されたプラズマガス(作動ガスとも言う。)を流す。このとき発生するプラズマ流(プラズマジェット)をインサートチップで絞り込み、インサートチップの内壁形状によるウォール効果(プラズマ流の気流の流れを安定させる効果)や、インサートチップを冷却することで得られるサーマルピンチ効果(プラズマ流を周囲から冷却することで緊縮し高温となる効果)を利用して、エネルギー密度が高められたプラズマアークを発生させる。また、プラズマアークは、シールドキャップから放出されるシールドガスによるサーマルピンチ効果を受けて更に絞り込まれる。
プラズマアーク溶接では、このようにエネルギー密度が高く、アーク形状が円柱状に絞り込まれたプラズマアークを熱源として溶接が行われる。また、プラズマアークには、移行型と非移行型とがある。移行型のプラズマアークは、非消耗電極(−)と被加工物(+)との間で電流を流す方式であり、導電性の被加工物に対してのみ適用が可能である。一方、非移行型のプラズマアークは、非消耗電極(−)とインサートチップ(+)との間で電流を流す方式であり、非導電性の被加工物に対しても適用が可能である。さらに、プラズマアークは、上述した溶接の用途に限らず、例えば、被加工物に対するロウ付けや、接合、切断、溶射、溶融炉などにも利用されている。
ところで、プラズマアークシステムが備えるプラズマアーク用トーチ及び電源装置は、TIG溶接用システムが備えるTIG溶接用トーチ及び電源装置に比べて一般的に高価である。一方、プラズマアークトーチ本体に取り付けた取替部品を取り替えることで、TIG溶接用トーチ又はプラズマアーク用トーチとして使用できる兼用トーチが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、TIG溶接用トーチとして使用する場合と、プラズマアーク用トーチとして使用する場合とで、それぞれ別々の取替部品を用意する必要がある。また、電源装置として、比較的高価なプラズマアーク用の電源装置が用いられている。
また、従来、被加工物(母材)を溶接する非消耗電極式溶接法として、TIG溶接法やプラズマ溶接法が用いられている。プラズマ溶接法は、TIG溶接法と比較して、熱集中性が優れているため、ビード幅を狭く、高速に溶接することが可能で、かつ歪の少ない溶接法である。
プラズマ溶接法には、プラズマアーク方式(移行式プラズマ)や、プラズマジェット方式(非移行式プラズマ)等がある。
一般的に、プラズマアーク方式の溶接システム(プラズマアーク方式の溶接機)は、トーチと、マイナス端子がトーチを構成する電極と接続され、かつプラス端子が被加工物と電気的に接続された主電源と、配線を介して、電源と電気的に接続されたパイロットアーク電源と、パイロットアーク電源とトーチを構成するインサートチップ(「拘束ノズル」ともいう)とを接続する配線に設けられた切替スイッチと、パイロットアークを発生させる高周波装置と、を有する。
プラズマアーク方式のプラズマ溶接システムを用いる場合、比較的溶け込みの大きい溶接を行うことが可能となる。
プラズマジェット方式のプラズマ溶接システム(プラズマジェット方式のプラズマ溶接機)を用いる場合、トーチを構成する電極を主電源のマイナス端子と接続させ、該主電源のプラス端子とトーチを構成するインサートチップとをプラス電極で接続させる。
プラズマジェット方式では、被加工物に電流が流れないため、溶射の熱源や炉の熱源にも使用されている。
特許文献2に開示された複合方式のプラズマ溶接システムは、トーチと、電源装置(以下、「複合方式用のプラズマ電源装置」という)と、を有する。複合方式用のプラズマ電源装置は、メインアーク電源(「主電源」ともいう)と、パイロットアーク電源と、高周波装置と、を有した構成とされている。
メインアーク電源(主電源)は、マイナス端子がトーチを構成する電極と接続され、プラス端子が被加工物と電気的に接続されている。パイロットアーク電源は、メインアーク電源及びインサートチップと電気的に接続されている。
上記構成とされた複合方式のプラズマ溶接システムは、非常に低電流でも安定したプラズマを得ることが可能であるため、TIG溶接法では難しい極薄板の溶接が可能となる。
ところで、TIG溶接システム(TIG溶接機)を構成する電源装置(以下、「TIG用電源装置」という)としては、溶接電源及び高周波装置が用いられ、非常に簡便な構成とされている。
このように、TIG用電源装置と比較して、プラズマ電源装置が高価であるため、プラズマ溶接システムのコストを高くする要因となっている。
このため、プラズマ溶接システムの溶接性能が良くても、初期投資時のコストが高いというデメリットにより、深い溶け込みを得ることの可能なプラズマ溶接システムを採用しにくいという問題があった。
実開昭56−126981号公報 特開昭63−194867号公報
本発明のその1は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、非移行型のプラズマアークを安価且つ容易に利用できる非移行型のプラズマアークシステム、並びに、そのような非移行型のプラズマアークシステムにおいて、TIG溶接用トーチを非移行型のプラズマアークに変換する変換用アダプタキット、及びそのような変換用アダプタキットを備える非移行型のプラズマアーク用トーチを提供することを目的とする。
また、本発明のその2は、溶接システムへの初期投資を抑制した上で、深い溶け込みを得ることの可能な溶接システム及びプラズマ溶接方法を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明のその1は以下の手段を提供する。
(1) 陰極としての非消耗電極と、冷却液の循環により冷却されると共に、被加工物に対してプラズマアークを放出する陽極としてのインサートチップとを備える非移行型のプラズマアーク用トーチと、前記プラズマアーク用トーチに電力とガスとを供給する電源装置とを備え、前記プラズマアーク用トーチは、被加工物との間でアークを発生させる非消耗電極と、前記アークによって生じた被加工物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルとを備えるTIG溶接用トーチを流用したものからなり、前記プラズマアーク用トーチは、前記トーチノズルの周囲を囲んだ状態で、前記TIG溶接用トーチに対して着脱自在に取り付けられると共に、前記インサートチップとして機能するアタッチメントを備えることを特徴とする非移行型のプラズマアークシステム。
(2) 前記プラズマアーク用トーチは、前記アタッチメントの周囲を囲んだ状態で、前記アタッチメントに対して絶縁した状態で取り付けられると共に、前記プラズマアークの外側からシールドガスを放出するシールドキャップを備えることを特徴とする前記(1)に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
(3) 前記アタッチメントは、前記トーチノズルの先端側の周囲を囲む給電ノズルを備え、前記プラズマアーク用トーチは、前記非消耗電極を軸線方向に移動させることによって、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも内側に引き込んだ状態と、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも外側に突き出した状態とに切り替わることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
(4) 前記アタッチメントは、前記トーチノズルの先端側の周囲を囲んだ状態で、軸線方向に移動自在に支持された給電ノズルを備え、前記プラズマアーク用トーチは、前記給電ノズルを軸線方向に移動させることによって、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも内側に引き込んだ状態と、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも外側に突き出した状態とに切り替わることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
(5) 前記電源装置は、TIG溶接用電源装置を流用したものからなることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか一項に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
(6) 前記電源装置は、前記プラズマアーク用トーチを使用する場合と、前記TIG溶接用トーチを使用する場合とで、前記電力の供給を切り替える切替機構を備えることを特徴とする前記(1)〜(5)の何れか一項に記載のプラズマアークシステム。
(7)前記プラズマアーク用トーチのみを用いる溶接又はTIG溶接トーチのみを用いる溶接が可能であることを特徴とする(6)のプラズマアークシステム。
(8)前記電源装置はプラズマアーク用トーチ用電源とTIG溶接トーチ用電源の少なくとも2台の電源装置からなることを特徴とする(6)のプラズマアークシステム。その電源装置仕様については、下記本発明のその2である(15)〜(23)に記載されているものも使用することが可能である。
(9) 前記プラズマアーク用トーチに接続されて、前記アタッチメント内を流れる冷却液を循環させる冷却装置を備えることを特徴とする前記(1)〜(8)の何れか一項に記載のプラズマアークシステム。
(10) 被加工物との間でアークを発生させる非消耗電極と、前記アークによって生じた被加工物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルとを備えるTIG溶接用トーチを、陰極としての非消耗電極と、冷却液の循環により冷却されると共に、被加工物に対してプラズマアークを放出する陽極としてのインサートチップとを備える非移行型のプラズマアーク用トーチに変換する変換用アダプタキットであって、前記トーチノズルの周囲を囲んだ状態で、前記TIG溶接用トーチに対して着脱自在に取り付けられると共に、前記インサートチップとして機能するアタッチメントを備えることを特徴とする変換用アダプタキット。
(11) 前記アタッチメントの周囲を囲んだ状態で、前記アタッチメントに対して絶縁した状態で取り付けられると共に、前記プラズマアークの外側からシールドガスを放出するシールドキャップを備えることを特徴とする前記(10)に記載の変換用アダプタキット。
(12) 前記アタッチメントは、軸線方向に移動自在に支持された給電ノズルを備えることを特徴とする前記(10)又は(11)に記載の変換用アダプタキット。
(13) 被加工物との間でアークを発生させる非消耗電極と、前記アークによって生じた被加工物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルとを備えるTIG溶接用トーチと、前記(10)〜(12)の何れか一項に記載の変換用アダプタキットとを備えることを特徴とする非移行型のプラズマアーク用トーチ。
(14) TIG溶接用電源装置に接続されて使用されることを特徴とする前記(13)に記載の非移行型のプラズマアーク用トーチ。
また、上記課題を解決するため、本発明のその2は以下の溶接システムおよびプラズマ溶接方法を提供する。
(15)電極、該電極の外周を囲むように配置されたインサートチップ、前記電極と該インサートチップとの間に配置され、センターガスが供給されるセンターガス供給用流路、前記インサートチップの外周を囲むように配置されたシールドキャップ、及び該シールドキャップと前記インサートチップとの間に配置され、アウターガスが供給されるアウターガス供給用流路を有するプラズマ溶接用トーチと、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子が前記インサートチップと電気的に接続され、かつマイナス端子が前記電極と電気的に接続された第1の溶接電源、及びTIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子が被加工物と電気的に接続され、かつマイナス端子が前記電極と接続された第2の溶接電源よりなる電源装置と、を有することを特徴とする溶接システム。
(16)前記第1の溶接電源は、高周波装置または高電圧装置を有し、前記第2の溶接電源は、前記第1の溶接電源から溶接電流が供給されている間のみ、溶接電流を供給する電源であり、かつ高周波装置または高電圧装置を有することを特徴とする(15)に記載の溶接システム。
(17)前記第1及び第2の溶接電源は、同じ種類の溶接電源であることを特徴とする(15)又は(16)に記載の溶接システム。
(18)前記第1及び第2の溶接電源は、異なる種類の溶接電源であることを特徴とする(15)又は(16)に記載の溶接システム。
(19)前記インサートチップは、前記電極を冷却する冷却水を流すための冷却水用流路を有することを特徴とする(15)ないし(18)のうち、いずれか1項記載の溶接システム。
(20)TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子がプラズマ溶接用トーチのインサートチップと電気的に接続され、マイナス端子が前記プラズマ溶接用トーチの電極と電気的に接続された第1の溶接電源から電流を供給することで、前記電極と前記インサートチップとの間に、非移行式のプラズマジェットアークを発生させるプラズマジェットアーク発生工程と、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子が被加工物と電気的に接続され、マイナス端子が前記電極と接続された第2の溶接電源から電流を供給すると共に、前記被加工物と前記電極との間に、移行式のプラズマアークを発生させることで、前記被加工物の溶接を行う溶接工程と、を有することを特徴とするプラズマ溶接方法。
(21)TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子がプラズマ溶接用トーチのインサートチップと電気的に接続され、マイナス端子が前記プラズマ溶接用トーチの電極と電気的に接続された第1の溶接電源から電流を供給することで、前記電極と前記インサートチップとの間に、非移行式のプラズマジェットアークを発生させるプラズマジェットアーク発生工程と、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子が被加工物と電気的に接続され、マイナス端子が前記電極と接続された第2の溶接電源から電流を供給すると共に、該第2の溶接電源を構成する高周波装置による高周波スタート方式、或いは前記高周波装置に替えて該第2の溶接電源を構成する高電圧装置による高電圧スタート方式によって、前記被加工物と前記電極との間に、移行式のプラズマアークを発生させることで、前記被加工物の溶接を行う溶接工程と、を有することを特徴とするプラズマ溶接方法。
(22)前記溶接工程では、前記プラズマジェットアークの発生を継続させた状態で、前記被加工物の溶接を行うことを特徴とする(20)又は(21)に記載のプラズマ溶接方法。
(23)前記プラズマジェットアークは、4A以上500A以下の電流を前記第1の溶接電源が供給することで発生させることを特徴とする(20)ないし(22)のうち、いずれか1項記載のプラズマ溶接方法。
以上のように、本発明のその1によれば、非移行型のプラズマアークを安価且つ容易に利用できる非移行型のプラズマアークシステム、並びに、そのような非移行型のプラズマアークシステムにおいて、TIG溶接用トーチを非移行型のプラズマアークに変換する変換用アダプタキット、及びそのような変換用アダプタキットを備える非移行型のプラズマアーク用トーチを提供することが可能である。
また、本発明のその2によれば、溶接システムへの初期投資を抑制した上で、溶接する際に深い溶け込みを得ることがでる。
TIG溶接用トーチの一例の側面図である。 TIG溶接用トーチの一例の要部断面図である。 非移行型のプラズマアーク用トーチ及び変換用アダプタキットの一例を示す図であり、図1Aと1Bに示すTIG溶接用トーチに変換用アダプタキットが取り付けられた状態を示す図である。 非移行型のプラズマアーク用トーチ及び変換用アダプタキットの一例を示す図であり、図1Aと1Bに示すTIG溶接用トーチから変換用アダプタキットが取り外された状態を示す図である。 変換用アダプタキットの一例を示す図であり、X軸方向の一方側から見た図である。 変換用アダプタキットの一例を示す図であり、Y軸方向の一方側から見た図である。 変換用アダプタキットの一例を示す図であり、Z軸方向の一方側から見た図である。 変換用アダプタキットの一例を示す図であり、Z軸方向の他方側から見た図である。 非移行型のプラズマアークシステムの一構成例を示す模式図である。 プラズマアークシステムの別の構成例を示す模式図である。 プラズマアーク用トーチを二重ノズル構造のTIG溶接用トーチとして使用する場合の図1Aと1Bに示すTIG溶接用トーチに変換用アダプタキットが取り付けられた状態を示す図である。 プラズマアーク用トーチを二重ノズル構造のTIG溶接用トーチとして使用する場合のプラズマアークシステムの構成例を示す模式図である。 変換用アダプタキットの他例を示す図であり、X軸方向の一方側から見た図である。 変換用アダプタキットの他例を示す図であり、Z軸方向の一方側(基端側)から見た図である。 変換用アダプタキットの他例を示す図であり、非消耗電極の先端が引き込んだ状態を示す断面図である。 変換用アダプタキットの他例を示す図であり、非消耗電極の先端が突き出した状態を示す断面図である。 実施例1において溶接を行った後の重ね継手のビード外観を示す写真である。 実施例2−1において鋼板の表面に対するプラズマ処理の有無を示す写真である。 実施例2−2においてガラス板の表面に対するプラズマ処理の有無を示す写真である。 実施例3−1の条件でSUS304の板材を溶接した溶接結果を示す写真である。 実施例3−1の条件でSUS304の板材を溶接した溶接結果を示す写真である。 実施例3−2において用いたプラズマ溶射ノズルを示す模式図である。 実施例3−2において溶射を行った後の母材の外観を示す写真である。 実施例3−2において溶射を行った後の母材の外観を示す写真である。 実施例3−2において溶射を行った後の母材断面を示す顕微鏡写真である。 実施例3−2において溶射を行った後の母材断面を示す顕微鏡写真である。 プラズマアーク用トーチを構成する汎用TIGトーチを示す図である。 プラズマアーク用トーチ組み立て状態(カバーなし)を示す図である。 プラズマアーク用トーチの組み立て状態(カバー付き)を示す図である。 プラズマアーク用トーチの各構成部品を示す分解図である。
本発明のその2の実施の形態に係る溶接システムの概略構成を模式的に示す図である。 実験例、及び実施例3,4の条件でSUS304の板材を溶接したときの板材の表面及び裏面の写真である。
以下、本発明のその1を適用した非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、及び非移行型のプラズマアーク用トーチについて、図面を参照して詳細に説明する。
(非移行型のプラズマアーク用トーチ及び変換用アダプタキット)
先ず、本発明のその1を適用した非移行型のプラズマアーク用トーチ及び変換用アダプタキットの一例について説明する。
本発明のその1を適用したプラズマアーク用トーチは、TIG溶接用トーチを流用したものからなり、本発明を適用した変換用アダプタキットを用いて、TIG溶接用トーチを非移行型のプラズマアーク用トーチに変換したものからなる。したがって、本発明を適用したプラズマアーク用トーチでは、従来より使用されている汎用のTIG溶接用トーチを流用することができ、TIG溶接用電源装置に接続して使用することが可能となっている。
具体的には、先ず、図1A,1Bに示すTIG溶接用トーチ100について説明する。
なお、図1Aは、TIG溶接用トーチ100の側面図であり、図1Bは、TIG溶接用トーチ100の要部断面図である。
TIG溶接用トーチ100は、図1A,1Bに示すように、陰極としての非消耗電極101と、非消耗電極101を内側に挿入した状態で支持するコレット102と、非消耗電極101を先端側から突出させた状態でコレット102を内側に保持するコレットボディ103と、コレットボディ103が取り付けられるトーチボディ104と、非消耗電極101の周囲を囲んだ状態でコレットボディ103に取り付けられると共に、シールドガスを放出するトーチノズル105と、トーチボディ104とトーチノズル105との間に配置される前側ガスケット106と、トーチボディ104との間に後側ガスケット107を配置した状態で取り付けられるトーチキャップ108と、トーチボディ104が取り付けられると共に、使用者が把持するハンドル109とを概略備えている。
非消耗電極101は、例えばタングステンなどの融点の高い金属材料を用いて形成された長尺状の電極棒からなる。非消耗電極101の先端は、トーチノズル105の先端よりも外側に突き出した状態となっている。
コレット102は、例えば銅又は銅合金などの電気伝導性及び熱伝導性に優れた金属材料を用いて形成された概略円筒状の部材からなる。このコレット102は、軸線方向に貫通する貫通孔102aを有し、この貫通孔102aの内側に挿入された非消耗電極101を軸線方向にスライド可能に支持する。また、コレット102の先端側には、複数のスリット102bが周方向に並んで設けられている。これら複数のスリット102bは、コレット102の先端から軸線方向の中途部に亘って直線状に切り欠かれている。これにより、各スリット102bの間の先端部分102cが縮径方向に弾性変形可能となっている。
また、コレット102の先端部には、漸次縮径されたテーパー部102dが設けられている。一方、コレット102の基端部には、その周囲よりも拡径された拡径部102eが設けられている。
コレットボディ103は、銅又は銅合金などの電気伝導性及び熱伝導性に優れた材料を用いて形成された概略円筒状の部材からなる。このコレットボディ103は、軸線方向に貫通する貫通孔103aを有し、この貫通孔103aの基端側から挿入されたコレット102を内側に保持する。また、コレットボディ103の貫通孔103aは、トーチボディ104側から供給されたシールドガスが流れる流路を形成している。また、コレットボディ103の先端部は、貫通孔103aと共に漸次縮径されており、貫通孔103aの先端部からは非消耗電極101のみを突出させることが可能となっている。さらに、コレットボディ103の先端側には、シールドガスを噴出される複数の噴出孔103bが周方向に並んで設けられている。そして、このコレットボディ103は、その基端側を螺合によってトーチボディ104に着脱自在に取り付けることが可能となっている。
トーチボディ104は、上述したコレット102やコレットボディ103よりも熱伝導率が低い導電性金属材料、例えば軟鋼やステンレス鋼などの鋼材又は真鍮等を用いて形成された本体金具(図示せず。)を有し、この本体金具が絶縁樹脂により被覆された構造を有している。
本体金具は、コレットボディ103及びコレット102を介して非消耗電極101に電力を供給する給電部を形成するものであり、また、その内側がコレットボディ103に向かってシールドガスを供給する流路を形成している。
本体金具は、概略円筒状に形成された部分の一端側(先端側)にコレットボディ103と、それとは反対側(後端側)にトーチキャップ108とを、それぞれ螺合により着脱自在に取り付けることが可能となっている。また、本体金具は、この円筒部分の中途部から下方に向かって概略管状に延長された部分の先端に接続部を有し、この接続部に第1のパワーケーブルCを着脱自在に接続することが可能となっている。
第1のパワーケーブルCは、いわゆる空冷式のパワーケーブルであり、このパワーケーブルCの内側には、例えば、本体金具(給電部)に電力を供給するための給電ケーブルや、本体金具(流路)にシールドガスや後述するプラズマガスを含むガスを供給するためのガスホースが設けられている。
トーチノズル105は、上記コレットボディ103の噴出孔103bから噴出されたシールドガスの整流を行うものである。トーチノズル105は、耐熱性に優れたセラミックなどを用いて概略円筒状に形成されると共に、その先端側が漸次縮径されたノズル形状を有している。そして、このトーチノズル105は、コレットボディ103の外周部に螺合により着脱自在に取り付けることが可能となっている。また、前側ガスケット106は、このトーチノズル105とトーチボディ104との間に挟み込まれた状態で取り付けられている。
トーチキャップ108は、後側ガスケット107と共にトーチボディ104の後端側を封止するものであり、非消耗電極101の後端側を内側に収納するように概略キャップ状に形成されている。また、トーチキャップ108は、トーチボディ104の本体金具に螺合等により着脱自在に取り付けられている。また、トーチキャップ108は、トーチボディ104に取り付けられたとき、その先端部がコレット102の基端部に当接しながら、コレット102を先端側に向かって押圧する。このとき、コレットボディ103の貫通孔103aに挿入されたコレット102の先端面(テーパー部102d)が貫通孔103aの先端面に押し付けられることによって、このコレット102の先端部分102cが縮径方向に弾性変形する。これにより、コレット102の先端部分102cが非消耗電極101を挟持し、この非消耗電極101をコレット102内に固定した状態とすることができる。また、コレット102に対して非消耗電極101を軸線方向にスライドさせた後、このトーチキャップ108による固定操作を行うことで、トーチノズル105の先端からの非消耗電極101の突出量を調整することができる。
ハンドル109は、使用者が把持する部分であり、例えば概略パイプ状に形成されて、トーチボディ104の延長部分に取り付けられている。そして、第1のパワーケーブルC は、このハンドル109の内側を通して上記トーチボディ104の接続部に接続可能となっている。
以上のような構造を有するTIG溶接用トーチ100では、トーチノズル105の先端からシールドガスとして、例えばアルゴン(Ar)に水素(H)を添加した混合ガスや、アルゴン(Ar)にヘリウム(He)を添加した混合ガス等を放出しながら、非消耗電極2と被加工物との間でアークを発生させて溶接が行われる。
次に、図2A,2Bに示す本発明を適用した非移行型のプラズマアーク用トーチ1、並びに図3A〜3Dに示す変換用アダプタキット50について説明する。
なお、図2Aは、プラズマアーク用トーチ1の要部を拡大したものであり、上記TIG溶接用トーチ100に取り付けられた変換用アダプタキット50を示す。図2Bは、上記TIG溶接用トーチ100に対して変換用アダプタキット50が取り外された状態を示す。
図3A〜3Dは、変換用アダプタキット50の構成図であり、3Aは、変換用アダプタキット50をX軸方向の一方側から見た図を示し、3Bは、変換用アダプタキット50をY軸方向の一方側から見た図を示し、3Cは、変換用アダプタキット50をZ軸方向の一方側(基端側)から見た図を示し、3Dは、変換用アダプタキット50をZ軸方向の他方側(先端側)から見た図を示す。
変換用アダプタキット50は、図2A,2B及び図3A〜3Dに示すように、上記TIG溶接用トーチ100に装着されることによって、上記TIG溶接用トーチ100を非移行型のプラズマアーク用トーチ1に変換するものである。具体的に、この変換用アダプタキット50は、上記トーチノズル105の周囲を囲んだ状態で、上記TIG溶接用トーチ100に対して着脱自在に取り付けられるアタッチメント51を備えている。
アタッチメント51は、冷却水(冷却液)Wの循環により冷却されると共に、被加工物に対してプラズマアークPAを放出する水冷のインサートチップとして機能するものである。具体的に、このアタッチメント51は、例えば導電性の金属材料等を用いて概略円筒状に形成された本体部52を有している。本体部52は、軸線方向に貫通する貫通孔52aを有し、この貫通孔52aの基端側から上記トーチノズル105を挿入した状態で、固定ネジ53等の固定手段を用いて上記トーチノズル105の外周部に固定される。又は、固定ネジ53等の固定手段を用いることなく、上記トーチノズル105の外周部に嵌め込むことで、上記トーチノズル105の外周部に固定することもできる。
また、本体部52の内部には、冷却水Wが流れるウォータージャケット(水路)54が設けられている。本体部52の外周部には、ウォータージャケット54に冷却水Wを供給するための入側の接続部55aと、ウォータージャケット54から冷却水Wを排出するための出側の接続部55bとが設けられている。
アタッチメント51は、この本体部52に第2のパワーケーブルCを着脱自在に接続することが可能となっている。第2のパワーケーブルCは、いわゆる水冷式のパワーケーブルであり、この第2のパワーケーブルCの内側には、例えば、本体部52に電力を供給するための給電ケーブルや、本体部52の内部で冷却水(冷却液)を循環させるための冷却ホースが設けられている。
本体部52の先端には、トーチノズル105の先端側の周囲を囲む給電ノズル56が設けられている。給電ノズル56は、例えば導電性の金属材料等を用いて概略円筒状に形成されると共に、その先端部が内側に向かって絞り込まれた形状を有している。給電ノズル56は、その基端側を貫通孔52aの内側に挿入した状態で、本体部52の内周面に螺合によって取り付けられている。また、上記トーチノズル105は、貫通孔52aの内側に挿入されたとき、給電ノズル56の基端部に当接されることによって位置決めがなされている。また、非消耗電極101の先端は、給電ノズル56の先端よりも内側に引き込んだ状態となっている。
アタッチメント51には、シールドキャップ57が絶縁キャップ(絶縁部)58を介して取り付けられている。シールドキャップ57は、本体部52や給電ノズル56ほど熱の影響を受けないため、例えばステンレス鋼などの金属材料等を用いて概略円筒状に形成されると共に、その先端部が内側に向かって絞り込まれた形状を有している。シールドキャップ57は、アタッチメント51の周囲を囲んだ状態で、絶縁キャップ58の外周部に螺合によって取り付けられている。絶縁キャップ58は、絶縁材料等を用いて概略円筒状の部材からなる。絶縁キャップ58は、本体部52の外周部に螺合によって取り付けられている。これにより、シールドキャップ57は、アタッチメント51に対して絶縁キャップ58により絶縁された状態で取り付けられている。
本体部52の内部には、シールドガスSGが流れる流路が形成されている。さらに、シールドキャップ57及び絶縁キャップ58の内側には、シールドガスSGが流れる流路が形成されている。本体部52の外周部には、シールドガスSGを供給するための接続部59が設けられている。アタッチメント51は、この接続部59にシールドガスSGを供給するガスホースGHを着脱自在に接続することが可能となっている。
また、本体部52とシールドキャップ57との間には、シールドキャップ57から放出されるシールドガスSGを整流するガスレンズ(整流部)60が配置されている。このガスレンズ60は、金属製のメッシュ部材からなり、リング状に形成されて本体部52を挿通させた状態でシールドキャップ57の内側に保持されている。なお、ガスレンズ60は、必ずしも必要なものではなく、場合によって省略することも可能である。
以上のような構造を有するプラズマアーク用トーチ1では、上記トーチノズル105の先端からプラズマガス(作動ガス)PGを放出しながら、陰極(−)としての上記非消耗電極101と、陽極(+)としてのアタッチメント(インサートチップ)51との間で電気的にプラズマ化されたプラズマガスPGを流す。このとき発生するプラズマ流(プラズマジェット)を給電ノズル56で絞り込み、給電ノズル56の内壁形状によるウォール効果や、本体部52を冷却することで得られるサーマルピンチ効果を利用して、エネルギー密度が高められたプラズマアークPAを発生させる。また、プラズマアークPAは、シールドキャップ57から放出されるシールドガスSGによるサーマルピンチ効果を受けて更に絞り込まれる。
プラズマガスPG及びシールドガスSGとしては、特に限定されるものではなく、例えばアルゴン(Ar)や、ヘリウム(He)等の不活性ガスや、アルゴン(Ar)に水素(H)を添加した混合ガス、アルゴン(Ar)にヘリウム(He)を添加した混合ガス等を用いることができる。さらに、不活性ガスに窒素(N)を添加したものや可燃性ガスを用いることができる。また、シールドガスSGについては、例えば炭酸ガス(CO)や、不活性ガスに酸素(O)や炭酸ガス(CO)等の酸化性ガスを添加したものや可燃性ガスを用いてもよい。
これにより、プラズマアーク用トーチ1を用いたプラズマアーク溶接では、エネルギー密度が高く、アーク形状が円柱状に絞り込まれたプラズマアークPAを熱源として溶接が行われる。
以上のように、本実施形態では、TIG溶接用トーチ100に変換用アダプタキット50を取り付けることによって、TIG溶接用トーチ100をプラズマアーク用トーチ1に容易に変換することができる。また、このプラズマアーク用トーチ1を用いて、非移行型のプラズマアークを安価且つ容易に利用することが可能である。
なお、上記変換用アダプタキット50については、上述した絶縁キャップ58を介して金属製のシールドキャップ57が本体部52に取り付けられたアタッチメント51の構造に限らず、例えば、絶縁キャップ58を省略し、金属製のシールドキャップ57を本体部52に直接取り付けた構造とすることも可能である。また、絶縁キャップ58を省略し、セラミック等の絶縁材料からなるシールドキャップ57を本体部52に直接取り付けた構造や、耐熱ゴムや耐熱樹脂などを用いてアタッチメント51の全体(但し、ネジ部などを除く。)を絶縁する構造、塗装やセラミック溶射処理を施すことによってアタッチメント51の全体を絶縁する構造等とすることも可能である。
(非移行型のプラズマアークシステム)
次に、本発明のその1を適用した非移行型のプラズマアークシステムの一例について説明する。
図4は、本発明のその1を適用した非移行型のプラズマアークシステム500の一構成例を示す模式図である。
プラズマアークシステム500は、図4に示すように、上記プラズマアーク用トーチ1と、上記プラズマアーク用トーチ1と接続されて、電力並びにプラズマガスPG及びシールドガスSGの供給を行う電源装置501と、上記プラズマアーク用トーチ1と接続されて、上記アタッチメント(インサートチップ)51内を流れる冷却水Wを循環させる冷却装置502とを概略備えている。
プラズマアークシステム500では、電源装置501として、TIG溶接用電源装置が用いられている。すなわち、本実施形態のプラズマアークシステム500では、TIG溶接用トーチ100と共に、TIG溶接用電源装置が流用可能となっている。なお、電源装置501としては、TIG溶接用電源装置を流用する場合に限らず、プラズマアーク用電源装置を用いてもよい。冷却装置502については、特に限定されるものではなく、従来より公知のものを使用することができる。
プラズマアークシステム500では、非消耗電極101と電源装置501の負極端子(−)との間が第1のパワーケーブルC内の給電ケーブルEを介して電気的に接続されている。また、アタッチメント51と電源装置501の正極端子(+)との間が第2のパワーケーブルC内の給電ケーブルEを介して電気的に接続されている。
プラズマアークシステム500では、上記プラズマアーク用トーチ1に空冷式パワーケーブルC内のライナーLHを介してプラズマガスPGを供給することが可能となっている。また、上記プラズマアーク用トーチ1にガスホースGHを介してシールドガスSGを供給することが可能となっている。
プラズマアークシステム500では、電源装置501に接続された第2のパワーケーブルC内の冷却ホースCHが入側の接続部55a(図4において図示せず。)と接続されている。また、冷却装置502に接続された冷却ホースCHが出側の接続部56a(図4において図示せず。)と接続されている。また、電源装置501と冷却装置502との間を連結する冷却ホースCHが設けられている。そして、プラズマアークシステム500では、これら冷却ホースCH,CH,CHを介してアタッチメント51(本体部52)と冷却装置502との間で冷却水Wを循環させながら冷却を行うことが可能となっている。
プラズマアークシステム500では、第1のパワーケーブルC、第2のパワーケーブルC、ガスホースGH、及び冷却ホースCHを、1本の集合ケーブルCAに集合したものを用いている。なお、プラズマアークシステム500で使用されるケーブル類やホース類については、上記構成のものに必ずしも限定されるものではなく、適宜変更を加えてもよい。
以上のような構造を有するプラズマアークシステム500では、TIG溶接用トーチ100に変換用アダプタキット50を取り付けることによって変換されたプラズマアーク用トーチ1と共に、TIG溶接用電源装置を流用した電源装置501を用いて、非移行型のプラズマアークを安価且つ容易に利用することが可能である。
なお、本発明のその1は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図5に示すプラズマアークシステム500Aのように、プラズマアーク用トーチ1を使用する場合と、TIG溶接用トーチ100を使用する場合とで、電力の供給を切り替える切替機構503を備えた構成としてもよい。
具体的に、この切替機構503は、電源装置501の正極端子(+)と電気的に接続された第1の給電ケーブルEと、アタッチメント51と電気的に接続する第2の給電ケーブルEと、被加工物Sと電気的に接続する第3の給電ケーブルEとの間に配置されて、第1の給電ケーブルEと第2の給電ケーブルEとの間と、第1の給電ケーブルEと第3の給電ケーブルEとの間で接点の接続を切り替える。
すなわち、非移行型のプラズマアーク用トーチ1を使用する場合は、第1の給電ケーブルE及び第2の給電ケーブルEを介してアタッチメント51と電源装置501の正極端子(+)との間を接続するように切替機構503を切り替える。一方、TIG溶接用トーチ100を使用する場合は、第1の給電ケーブルE及び第3の給電ケーブルEを介して被加工物Sと電源装置501の正極端子(+)との間を接続するように切替機構503を切り替える。
これにより、非移行型のプラズマアーク用トーチ1を使用する場合と、TIG溶接用トーチ100を使用する場合で、電源装置501との接続を容易に切り替えることが可能である。
また、上記プラズマアーク用トーチ1は、図6及び図7に示すように、二重ノズル構造のTIG溶接用トーチとして使用することも可能である。この場合、第1の給電ケーブルE及び第3の給電ケーブルEを介して被加工物Sと電源装置501の正極端子(+)との間を電気的に接続する。また、上記プラズマアーク用トーチ1において、上述した非消耗電極101の先端が給電ノズル56の先端よりも内側に引き込んだ状態から、非消耗電極101の先端が給電ノズル56の先端よりも外側に突き出した状態とする。これにより、上記プラズマアーク用トーチ1を二重ノズル構造のTIG溶接用トーチとして使用することが可能である。なお、二重ノズル構造のTIG溶接用トーチとして使用する場合は、給電ノズル(インナーノズルという。)56からプラズマガスPGの代わりに第1のシールドガスSGを放出し、シールドキャップ(アウターノズルという。)57から第2のシールドガスSGを放出する。
すなわち、変換用アダプタキット50は、TIG溶接用トーチ100に取り付けることによって、TIG溶接用トーチ100を二重ノズル構造のTIG溶接用トーチに変換する機能を有している。一方、プラズマアーク用トーチ1から変換用アダプタキット50を取り外すことで、TIG溶接用トーチ100に容易に変換することができる。
電源装置501として、TIG溶接用電源装置を用いた場合、TIG溶接用電源装置が備える機能をプラズマアークに適用することが可能である。例えば、TIG溶接用電源装置では、周波数が0.1〜500Hz程度の直流パルス制御を用いている。この直流パルス制御は、アーク熱のコントロールなどに適している。また、TIG溶接用電源装置では、周波数が30〜400Hz程度の交流周波数制御を用いている。この交流周波数制御は、クリーニング作用を必要とする用途に適している。さらに、TIG溶接用電源装置では、周波数が0.1〜20Hz程度の直流パルス制御と交流周波数制御とを組み合わせた制御を用いている。この制御では、非消耗電極101の消耗を抑える効果などがある。
また、例えば図8A〜8Dに示す変換用アダプタキット50Aのように、給電ノズル56Aが本体部52Aに対して軸線方向に移動自在に支持されたアタッチメント51Aを備えた構成とすることも可能である。なお、図8Aは、変換用アダプタキット50AをX軸方向の一方側から見た図を示し、図8Bは、変換用アダプタキット50AをZ軸方向の一方側(基端側)から見た図を示し、図8Cは、変換用アダプタキット50Aにおいて非消耗電極101の先端が引き込んだ状態の断面図を示し、図8Dは変換用アダプタキット50Aにおいて非消耗電極101の先端が突き出した状態の断面図を示す。また、以下の説明では、上記変換用アダプタキット50と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
具体的に、このアタッチメント51Aにおいて、本体部52Aは、固定部61と、可動部62とに分割された構成を有している。このうち、固定部61は、上述した貫通孔52aを含む部分である。一方、可動部62は、上述したウォータージャケット(水路)54、入側の接続部55a、出側の接続部55b、給電ノズル56A、シールドキャップ57、絶縁キャップ58、接続部59及びガスレンズ60を含む部分である。
固定部61は、貫通孔52aの基端側から上記トーチノズル105を挿入した状態で、固定ネジ53等の固定手段を用いて上記トーチノズル105の外周部に固定される。また、固定部61には、可動部62を収納する収納凹部63と、可動部62の外周面に取り付けられた一対のガイドネジ64a,64bを案内する一対のガイドスリット65a,65bとが設けられている。
可動部62は、一対のガイドスリット65a,65bの内側に一対のガイドネジ64a,64bが係合された状態で、収納凹部63の内側に収納されている。また、収納凹部63の内側には、可動部62を先端側に向かって付勢する圧縮コイルバネ66が収納されている。
これにより、アタッチメント51Aでは、一対のガイドスリット65a,65bの内側で一対のガイドネジ64a,64bを相対移動(スライド)させながら、固定部61に対して可動部62を軸線方向に移動させることが可能となっている。また、アタッチメント51Aでは、圧縮コイルバネ66の付勢に抗して可動部62を収納凹部63の内側に押し込むことが可能である。さらに、アタッチメント51Aでは、ガイドネジ64a,64bを締め込むことによって、可動部62を固定部61に固定することが可能である。
以上のような変換用アダプタキット50Aが装着されたプラズマアーク用トーチ1では、固定部61に対して給電ノズル56Aを含む可動部62を軸線方向に移動させることによって、図8Cに示す非消耗電極101の先端が給電ノズル56Aの先端よりも内側に引き込んだ状態と、図8Dに示す非消耗電極101の先端が給電ノズル56Aの先端よりも外側に突き出した状態とに切り替えることができる。
これにより、非消耗電極101の先端が給電ノズル56Aの先端よりも内側に引き込んだ状態では、プラズマアークを熱源とした溶接等を行うことができる。一方、非消耗電極101の先端が給電ノズル56の先端よりも外側に突き出した状態では、プラズマアーク用トーチ1を二重ノズル構造のTIG溶接用トーチに変換することができる。
なお、プラズマアークの用途については、上述した溶接に限らず、例えば、被加工物に対するロウ付けや、金属、樹脂、ガラス等の接合、ガスバーナーの代替としての切断、溶射などの表面加工処理や表面改質処理、溶融炉などの熱源、その他の熱源及びプラズマ発生源として幅広く利用することが可能である。
また、上記実施形態では、変換用アダプタキット50,50Aを用いて、TIG溶接用トーチ100を非移行型のプラズマアーク用トーチ1に変換して使用する場合について説明したが、上記非移行型のプラズマアーク用トーチ1については、陰極(−)としての非消耗電極と陽極(+)としての被加工物との間で電流を流す移行型のプラズマアーク用トーチとして使用することも可能である。
また、上記プラズマアーク用トーチ1は、図14A〜14Dに示すように、汎用TIGトーチ(図14A)と分解図(図14D)で示す各構成部品とを備える(完成図1(図14B)又は完成図2(図14C))。完成図1は、カバーなしの組み立て状態図を示す(図14B)。完成図2は、カバー付きの組み立て状態図を示す(図14C)。
図14Dの分解図において、電極センター矯正セラミック151は非消耗電極101を絶縁状態で中心に誘導するガイドである。ノズル153は本体部先端に設置される外側のシールドノズルである。インシュレータ155はシールドガス漏洩を目的に設置される部品である。アタッチメント固定リング157は、本体部52とインシュレーター155を接続するリングである。本体絶縁カバー159は、本体部52を絶縁するカバーであり、カバー161はハンドル109を覆うカバーである。
以下、図面を参照して本発明のその2を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明のその2の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の溶接システムの寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図15は、本発明のその2の実施の形態に係る溶接システムの概略構成を模式的に示す図である。図15では、説明の便宜上、プラズマ溶接用トーチ212を構成するインサートチップ222及びシールドキャップ224を断面で図示する。また、図15では、溶接システム210の構成要素以外の構成を点線で図示する。
図15を参照するに、本実施の形態の溶接システム210は、プラズマ溶接用トーチ212と、電源装置213と、配線216〜219と、を有する。
プラズマ溶接用トーチ212は、電極221と、インサートチップ222と、センターガス供給用流路223と、シールドキャップ224と、アウターガス供給用流路225と、を有する。
電極221は、一方向に延在した非消耗電極であり、先鋭形状とされた先端部221Aを有する。先端部221Aは、インサートチップ222内に完全に収容されている。電極221は、融点の高い金属材料で構成されている。
電極221の材料としては、例えば、タングステンや、タングステンに酸化物(例えば、酸化トリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム等)を添加した材料を用いることができる。
インサートチップ222は、電極221との間に隙間が介在されるように(言い換えれば、センターガス供給用流路223が形成可能なように)、電極221の外周を囲むように配置された筒状の部材である。
インサートチップ222は、その内部に冷却水を供給可能な冷却水用流路222Aを有する。冷却水用流路222Aは、冷却水用流路222A内に電極221を冷却する冷却水を供給するとともに、電極221の冷却に寄与した冷却水を回収する冷却水循環部231と接続されている。
インサートチップ222の先端部の形状は、インサートチップ222の基端から先端に向かう方向に対して縮径された形状とされている。
インサートチップ222の先端は、インサートチップ222の外部に電極221から発生したプラズマアークを噴出させるインサートチップ孔222Bを有する。
電極221において発生したプラズマアークは、インサートチップ222によってウォール効果及びサーマルピンチ効果を受けるため、絞られてエネルギー密度の高いアークとなり、インサートチップ孔222Bから噴出する。
センターガス供給用流路223は、電極221の外面とインサートチップ222の内面とで区画された略筒状の空間である。センターガス供給用流路223は、センターガス供給ライン233を介して、センターガス供給源232と接続されている。
センターガス供給源232からセンターガス供給用流路223にセンターガスが供給されると、電極221の先端部221Aにセンターガスが供給される。該センターガスとしては、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスを用いることができる。
なお、図15には図示していないが、センターガス供給ライン233には、センターガスの流量を測定する流量計やセンターガスの流量を調整する流量調整用バルブが設けられている。
シールドキャップ224は、インサートチップ222との間に隙間が介在されるように(言い換えれば、アウターガス供給用流路225が形成可能なように)、インサートチップ222の外周を囲むように配置された筒状の部材である。シールドキャップ224の先端部の形状は、縮径された形状とされている。
アウターガス供給用流路225は、インサートチップ222の外面とシールドキャップ224の内面とで区画された略筒状の空間である。アウターガス供給用流路225は、アウターガス供給ライン36を介して、アウターガス供給源235と接続されている。
アウターガス供給源235からアウターガス供給用流路225にアウターガスが供給されると、プラズマ溶接用トーチ212の先端側にアウターガスが供給される。
該アウターガスとしては、例えば、アルゴンガスやヘリウムガス等の不活性ガス単体、アルゴンガスと水素ガスとを混合させた混合ガス、アルゴンガスとヘリウムガスとを混合させた混合ガス、アルゴンガスとヘリウムガスと水素ガスとを混合させた混合ガス、アルゴンと酸素や二酸化炭素からなる酸化性ガスを混合させた混合ガス、アルゴンやヘリウム等の不活性ガスに窒素を混合させた混合ガス等を用いることができる。
なお、図15には図示していないが、アウターガス供給ライン36には、アウターガスの流量を測定する流量計やアウターガスの流量を調整する流量調整用バルブが設けられている。
電源装置213は、第1の溶接電源214と、第1の溶接電源214から溶接電流が供給されている間のみ、溶接電流を供給する電源である第2の溶接電源215と、で構成されている。
第1の溶接電源214は、高周波装置または高電圧装置を有した構成とされている。第2の溶接電源215は、高周波装置または高電圧装置を有した構成とされている。
電源装置213は、高周波装置を有する第1の溶接電源214と、高周波装置を有する第2の溶接電源215と、で構成してもよい。つまり、第1及び第2の溶接電源214,215として、同じ種類の溶接電源を用いてもよい。
この場合、第1及び第2の溶接電源214,215として、同じ種類の溶接電源を用いることが可能となる。これにより、共通の部品を用いることが可能となり、第1及び第2の溶接電源214,215が故障した際の予備電源の管理を容易に行うことができる。
また、第1及び第2の溶接電源214,215として、同じ種類の溶接電源を用いることで、溶接電源の操作方法が同じになるため、第1及び第2の溶接電源214,215の誤操作を抑制することができる。
電源装置213は、高電圧装置を有する第1の溶接電源214と、高電圧装置を有する第2の溶接電源215と、で構成してもよい。つまり、第1及び第2の溶接電源214,215として、同じ種類の溶接電源を用いてもよい。
この場合、第1及び第2の溶接電源214,215として、同じ高周波装置を用いた場合と同様な効果を得ることができる。
また、電源装置213は、高周波装置を有する第1の溶接電源214と、高電圧装置を有する第2の溶接電源215と、で構成してもよいし、或いは、高電圧装置を有する第1の溶接電源214と、高周波装置を有する第2の溶接電源215と、で構成してもよい。つまり、第1及び第2の溶接電源214,215として、異なる種類の溶接電源を用いてもよい。
上記説明したように、電源装置213は第1の溶接電源214と、第1の溶接電源214から溶接電流が供給されている間のみ、溶接電流を供給する電源である第2の溶接電源215と、で構成されている。
一方、従来のプラズマ電源装置を構成する高周波装置は、パイロットアーク発生させるためだけに使用される高周波装置または高電圧装置を有した構成とされている。
つまり、従来のプラズマ溶接電源では、パイロットアーク電源及び高周波装置によって、パイロットアークを発生させ、該パイロットアークに導かれてメインアークが電極と母材と間に移行する。
したがって、従来のプラズマ電源装置では、メインアーク発生の為に、高周波装置を使用しない。一方、本願発明において、例えば、第1及び第2の溶接電源214,215が高周波装置を有する場合、第1の溶接電源を構成する高周波装置によりパイロットアークを発生させ、その後、第1及び第2の溶接電源を構成する高周波装置(2つの高周波装置)により、パイロットアークをメインアークとして、より確実に電極から母材へ移行させる(移行式)ことができる。
つまり、本願発明では、第1及び第2の溶接電源214,215に設けられた高周波装置を使用することによって、パイロットアークをメインアークにスムーズに移行させることができる。
第1の溶接電源214は、一般的な従来のプラズマ電源装置(具体的には、プラズマアーク電源、パイロットアーク電源、及び高周波装置よりなる電源装置)ではなく、一般的なTIG溶接システムで使用される安価な溶接電源である。
第1の溶接電源214としては、例えば、アーク形成用の高周波装置や、アーク形成用の高電圧装置、或いは、直流出力電流、初期電流、クレータ電流、ガスプリフロー時間、ガスアフター時間、電流アップスロープ時間、電流ダウンスロープ時間、パルス周波数、及びパルス幅等の調整可能な溶接電源を用いることができる。
第1の溶接電源214の仕様としては、例えば、直流出力電流が4A〜500A、初期電流が10A〜500A、クレータ電流が10A〜500A、ガスプリフロー時間が0秒〜30秒、ガスアフター時間が0秒〜30秒、アップスロープ時間が0秒〜10秒、電流出力が0秒〜10秒、ダウンスロープ時間が0秒〜10秒、電流出力が0秒〜10秒、パルス周波数が0.1Hz〜500Hz、パルス幅が5%〜95%を用いることができる。
なお、第1の溶接電源214として、例えば、交流と直流との併用が可能な交直両用の溶接電源を用いてもよい。この場合には、交直両用の溶接電源の直流の機能のみを用いる。
第1の溶接電源214は、プラス端子214Aと、マイナス端子214Bと、を有する。プラス端子214Aは、配線216の一端と接続されている。プラス端子214Aは、配線216を介して、インサートチップ222と電気的に接続されている。
マイナス端子214Bは、配線217の一端と接続されている。マイナス端子214Bは、配線217を介して、電極221と電気的に接続されている。
上記構成とされた第1の溶接電源214は、非移行式のプラズマ溶接を行う際の溶接電源として機能する。
第2の溶接電源215は、一般的な従来のプラズマ電源装置(具体的には、プラズマアーク電源、パイロットアーク電源、及び高周波装置よりなる電源装置)ではなく、一般的なTIG溶接システムで使用される安価な溶接電源である。
第2の溶接電源215としては、先に説明した第1の溶接電源214と同様なもの(具体的には、アーク形成用の高周波装置や、アーク形成用の高電圧装置、或いは、直流出力電流、初期電流、クレータ電流、ガスプリフロー時間、ガスアフター時間、電流アップスロープ時間、電流ダウンスロープ時間、パルス周波数、及びパルス幅等の調整が可能で、かつこれらの範囲が上述した範囲内とされた溶接電源)を用いることができる。
なお、第2の溶接電源215として、例えば、交流と直流との併用が可能な交直両用の溶接電源を用いてもよい。この場合、被加工物211の材料としてステンレスや鉄等を用いる際には、交直両用の溶接電源の直流の機能のみを用いて溶接を行う。また、アルミや銅合金などの溶接は交流の機能を用いる。
第2の溶接電源215は、プラス端子215Aと、マイナス端子215Bと、を有する。プラス端子215Aは、配線218の一端と接続されている。プラス端子215Aは、配線218を介して、被加工物211と電気的に接続されている。
マイナス端子215Bは、配線219の一端と接続されている。マイナス端子215Bは、配線219を介して、電極221と電気的に接続されている。
上記構成とされた第2の溶接電源215は、移行式のプラズマ溶接を行う際の溶接電源として機能する。
上記構成とされた電源装置213(第1及び第2の溶接電源214,215よりなる溶接電源)は、例えば、一般的な従来のプラズマ電源装置の価格の1/10〜1/3程度のものを用いることができる。これにより、溶接システム210の低コスト化を図ることができる。
このように、一般的な従来のプラズマ電源装置(具体的には、プラズマアーク電源、パイロットアーク電源、及び高周波装置よりなる電源装置)よりも安価な電源装置213を有することで、第1の溶接電源214から供給される電流により発生させられるプラズマジェットアークと、第2の溶接電源215から供給される電流により発生させられるプラズマアークと、の相乗効果により、被加工物211の溶け込みを増大させることが可能となる。これにより、従来のプラズマ溶接システムと同等以上の溶け込みを得ることができるとともに、溶接速度を向上させることができる。
本実施の形態の溶接システム210では、第1の溶接電源214と第2の溶接電源215とが設置され、第1及び第2の溶接電源214,215から供給される電気エネルギーが合わさって、母材の溶接が行われる。
また、溶接する母材や溶接条件によって、より多くの溶接電流の供給が必要な場合があるが、本発明のその2では、このような場合でも、汎用のTIG溶接電源の自由な組み合わせによって対応することができる。
しかも、汎用のTIG溶接電源に標準的に設置される高周波装置を常時使用することで、メインアークを安定して維持することが可能となる。
つまり、本発明のその2では、非移行式と移行式との相乗効果により、必要な溶け込み深さを確保することができる。また、溶接電流を高めに設定することにより、従来のプラズマ溶接よりも深い溶け込みを得ることができ、かつ溶接作業の高速化を実現できる。
一方、従来のプラズマアーク式溶接システムでは、主電源からの電気エネルギーのみが母材の溶接に用いられので、溶接母材や溶接条件によって、より多くの溶接電流の供給が必要な場合、溶接電源の追加等が必要となる。
本実施の形態の溶接システムは、プラズマ溶接用トーチ212と、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子214Aがインサートチップ222と電気的に接続され、マイナス端子214Bが電極221と電気的に接続された第1の溶接電源214、及びTIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子215Aが被加工物211と電気的に接続され、マイナス端子215Bが電極221と接続された第2の溶接電源215よりなる電源装置213と、を有する。
これにより、従来のプラズマ溶接システムの高価な電源装置よりも安価な電源装置213を用いて、第1の溶接電源214から供給される電流により発生させられるプラズマジェットアークと、第2の溶接電源215から供給される電流により発生させられるプラズマアークと、の相乗効果により、被加工物211の溶け込みを増大させることが可能となる。
つまり、溶接システム210への初期投資を抑制した上で、従来のプラズマ溶接システムと同等以上の溶け込み深さを得ることができる。
なお、上記構成とされた溶接システム210は、非キーホール溶接やキーホール溶接等に用いることができる。
次いで、図15を参照して、本実施の形態の溶接システム210を用いた第1のプラズマ溶接方法について説明する。
本実施の形態の第1のプラズマ溶接方法は、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子14Bがプラズマ溶接用トーチ212のインサートチップ222と電気的に接続され、マイナス端子214Bがプラズマ溶接用トーチ212の電極221と電気的に接続された第1の溶接電源214から電流を供給することで、電極221とインサートチップ222との間に、非移行式のプラズマジェットアークを発生させるプラズマジェットアーク発生工程と、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子215Aが被加工物211と電気的に接続され、マイナス端子215Bが電極221と接続された第2の溶接電源215から電流を供給すると共に、被加工物211と電極221との間に、移行式のプラズマアークを発生させることで、被加工物211の溶接を行う溶接工程と、を有する。
上記プラズマジェットアーク発生工程では、始めに、センターガス供給用流路223にセンターガスを供給する。センターガスとしては、上述したガスを用いることができる。
センターガスの流量は、目的に応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、0.1〜5L/minの範囲内で設定することができる。
このとき、アウターガス供給用流路225には、アウターガスを供給してもよいし、アウターガスを供給しなくてもよい。
次いで、第1の溶接電源214を用いて、電極221とインサートチップ222との間に電流を供給することで、電極221の先端部221Aの下方に非移行式のプラズマジェットアークを発生させる。
このとき、第1の溶接電源214が、電極221とインサートチップ222との間に供給する電流の大きさは、例えば、溶接電源の性能範囲から4A以上500A以下の範囲内で適宜選択することができる。
第1の溶接電源214が、電極221とインサートチップ222との間に供給する電流の大きさが4Aよりも小さいと、パイロットアークが不安定となる恐れがある。一方、第1の溶接電源214が、電極221とインサートチップ222との間に供給する電流の大きさが500Aよりも大きいと、安価に販売されているTIG溶接電源では対応できなくなりコストアップになってしまう。
したがって、第1の溶接電源214が、電極221とインサートチップ222との間に供給する電流の大きさを4A以上500A以下とすることで、溶接電源の導入コストを抑制することができる。
また、第1の溶接電源214が供給する電流は、例えば、20A以上500A以下とすることが好ましい。
このように、第1の溶接電源214が供給する電流を20A以上500A以下とすることで、プラズマジェットアークが安定するとともに、より深い溶け込みを得ることができる。
上記溶接工程では、プラズマジェットアーク発生工程においてアウターガス供給用流路225にアウターガスを供給しなかった場合には、アウターガス供給用流路225にアウターガスを供給する。
なお、プラズマジェットアーク発生工程において、アウターガス供給用流路225にアウターガスを供給した場合には、アウターガスの供給を継続させる。アウターガスは、溶融部を大気から遮断する機能を有する。
次いで、溶接工程において、プラズマジェットアーク及びプラズマアークを用いて被加工物211を溶接する場合を例に挙げて、その手法について説明する。
この場合、アウターガスの供給を維持し、プラズマジェットアークの発生を継続(第1の溶接電源214からの電流の供給を継続)させた状態で、第2の溶接電源215から電極221と被加工物211との間に電流を供給することで、プラズマジェットアーク及びプラズマアークを発生させて被加工物211の溶接を行う。
このとき、第2の溶接電源215が供給する電流は、第1の溶接電源214が供給する電流よりも小さくても、大きくてもよい。
溶接工程において、第2の溶接電源215が供給する電流は、例えば、4A以上500A以下の範囲内で適宜選択することができる。
なお、溶接工程において、プラズマアークのみを用いて被加工物211を溶接することも可能である。
この場合、この場合、アウターガスの供給を維持し、第2の溶接電源215から電極221と被加工物211との間に電流を供給してから、プラズマジェットアークの発生を停止(第1の溶接電源214からの電流の供給を停止)させた状態で、プラズマアークのみで被加工物211の溶接を行う。
この溶接工程において、第2の溶接電源215が供給する電流は、例えば、4A以上500A以下の範囲内で適宜選択することができる。
なお、被加工物211の材料がアルミニウム合金やCu合金等の場合、クリーニング処理が必要となるため、第2の溶接電源215が供給する電流としては、交流のアーク波形のものを用いるとよい。
ここでの「クリーニング処理」とは、プラスイオンが衝突することで母材の表面の酸化膜を除去する処理のことをいう。クリーニング処理では、電極側をプラスにすると、電極が消耗するので、第2の溶接電源215として直流電源(電極が正極)を利用することができない。そこで、第2の溶接電源215が供給する電流として、交流のアーク波形を用いることで、電極の消耗を抑制した上で、酸化膜を除去することができる。
また、上記溶接システム210は、第2の溶接電源215を用いることなく、第1の溶接電源214のみを用いて、予熱が必要な母材に対し、予熱用として用いても良く、目的の予熱温度に達した後に、第2の溶接電源215を用いて、メインアークへ移行することもできる。その他に溶接、ろう付け、はんだ付け、溶射等を行ってもよいし、その他の熱源(例えば、炉の熱源・後熱処理の熱源・ガラスの熱加工など、その他多くの熱源)として利用してもよい。
また、汎用のTIGトーチ(例えば、特願2014−056528に開示されたトーチ)を用いた構成のプラズマトーチを用いてもよい。
第2の溶接電源215のみを用い、プラズマ溶接用トーチ212のインサートチップ孔222Bを電極221よりも大きくし、その電極221をインサートチップ222Bの先端から突出させることで、TIG溶接用として用いてもよい。また、プラズマ溶接用トーチ212に替えて、TIG溶接用トーチを用いてもよい。
本実施の形態の第1のプラズマ溶接方法によれば、上記説明したプラズマジェットアーク発生工程、及び被加工物211の溶接を行う溶接工程を有することで、従来のプラズマ溶接システムの高価な電源装置よりも安価な電源装置213を用いて、第1の溶接電源214から供給される電流により発生させられるプラズマジェットアークと、第2の溶接電源215から供給される電流により発生させられるプラズマアークと、の相乗効果により、被加工物211の溶け込みを増大させることが可能となる。つまり、第1の溶接電源214から供給される電流(電気エネルギー)を、メインアークの移行を安定させるために利用することが可能となる。
したがって、溶接システム210への初期投資を抑制した上で、従来のプラズマ溶接システムと同等以上の溶け込み深さを得ることができる。
なお、特許文献2に開示されたパイロットアーク用の直流電源は、アーク発生目的の電流を供給するが、該電流は一般的に低電流であるため、本実施の形態で説明した第1の溶接電源214のようにメインアークの安定移行に貢献することができない。
次に、図15を参照して、本実施の形態の溶接システム210を用いた第2のプラズマ溶接方法について説明する。
本実施の形態の第2のプラズマ溶接方法は、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子214Aがプラズマ溶接用トーチ212のインサートチップ222と電気的に接続され、マイナス端子214Bがプラズマ溶接用トーチ212の電極221と電気的に接続された第1の溶接電源214を用いて、電極221とインサートチップ222との間に、非移行式のプラズマジェットアークを発生させるプラズマジェットアーク発生工程と、TIG溶接システムに使用される溶接電源であり、プラス端子215Aが被加工物211と電気的に接続され、マイナス端子215Bが電極221と接続された第2の溶接電源215から電流を供給すると共に、第2の溶接電源215を構成する高周波装置による高周波スタート方式、或いは該高周波装置に替えて第2の溶接電源215を構成する高電圧装置による高電圧スタート方式によって、被加工物211と電極221との間に、移行式のプラズマアークを発生させることで、被加工物211の溶接を行う溶接工程と、を有する。
本発明のその2において、「高周波スタート方式」とは、アークスタートの際に高周波を用いたスタート方式のことをいい、「高電圧スタート方式」とは、アークスタートの際に高電圧を用いたスタート方式のことをいう。
本実施の形態の第2のプラズマ溶接方法は、溶接工程において、第2の溶接電源215を構成する高周波装置による高周波スタート方式、或いは該高周波装置に替えて第2の溶接電源215を構成する高電圧装置による高電圧スタート方式によって、被加工物211と電極221との間に、移行式のプラズマアークを発生させることで、被加工物211の溶接を行うことが異なる以外は、先に説明した第1のプラズマ溶接方法と同様な手法で行うことができ、第1のプラズマ溶接方法と同様な効果を得ることができる。
また、本実施の形態の第2のプラズマ溶接方法は、第1の溶接電源214から供給される電流の数値が小さくても(例えば、5A程度でも)、第2の溶接電源215を構成する高周波装置または高電圧装置を利用して、安定したメインアーク移行を実現することができる点が、先に説明した第1のプラズマ溶接方法とは異なる。
第2のプラズマ溶接方法では、第2の溶接電源215を構成する高周波装置または高電圧装置を利用して、安定したメインアーク移行を行い、第1のプラズマ溶接方法では、メインアーク移行を安定的に行うために第1の溶接電源214から供給される電流(電気エネルギー)を利用している。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1では、実際に上記プラズマアーク用トーチ1を用いて溶接を行った。その溶接条件は以下のとおりである。
被加工物の材質:冷間圧延鋼板(SPCC)、板厚1.6mm、2枚
溶接の種類:重ね継手
プラズマガス:93%Arガスと7%Hガスの混合ガス、流量10L/min
非消耗電極:タングステン電極棒、直径4mm
給電ノズル:内径5mm
ろう材:リン銅ろう
電流:180A
そして、溶接後の写真を図9に示す。
図9中の囲み部分Qに示すように、溶接部分は、溶接欠陥のない美しい仕上がりとなった。
(実施例2−1)
実施例2−1では、実際に上記プラズマアーク用トーチ1を用いて、鋼板の表面に対してプラズマ処理(表面改質処理)を行った。その処理条件は以下のとおりである。
鋼板の材質:ステンレス鋼(SUS304)、板厚0.7mm
プラズマガス:100%Arガス、流量5L/min
給電ノズル:内径5mm
電流:100A
そして、プラズマ処理後の写真を図10に示す。なお、図10中の左側(L)は、プラズマ処理無しの場合であり、図10中の右側(R)は、プラズマ処理有りの場合である。
図9に示すように、プラズマ処理によって鋼板の表面における濡れ性が向上した。
(実施例2−2)
実施例2−2では、実際に上記プラズマアーク用トーチ1を用いて、ガラス板の表面に対してプラズマ処理(表面改質処理)を行った。その処理条件は以下のとおりである。
ガラス板の材質:フロートガラス、板厚2mm
プラズマガス:100%Arガス、流量5L/min
給電ノズル:内径5mm
電流:50A
そして、プラズマ処理後の写真を図11に示す。なお、図11中の左側(L)は、プラズマ処理無しの場合であり、図11中の右側(R)は、プラズマ処理有りの場合である。
図11に示すように、プラズマ処理によってガラス板の表面における濡れ性が向上した。
(実施例3−1)
実施例3−1は、本発明のその1の図5に示す本発明のプラズマアダプタを取り付けた装置を用いた実施例です。溶接結果の表ビードと裏ビードを図12A、図12Bに示す。従来の溶接に比較して、良好なビード外観が得られた。また、本発明のその2(TIG溶接機2台)の図15のシステムを本発明その1のプラズマアダプタを取り付けた場合も同様の結果が得られた。その処理条件は以下のとおりである。
鋼板の材質:ステンレス鋼(SUS304)、板厚1mm
パイロットガス(センターガス):100%Arガス、流量1.5L/min
シールドガス(アウターガス):93%Arガスと7%H2ガスの混合ガス、流量7L/min
電極径:Φ2.4
拘束ノズル内径:Φ2
溶接速度:60cm/min
溶接電流:30A
(実施例3−2)
実施例3−2はプラズマ溶射例です。図5のシールドガス(アウターノズル)は無い状態で実施した例です。
溶射母材ブラスト処理材にZn−2%Al粉末、Znワイヤを溶射した。図13Aは実施の用いたプラズマ溶射ノズルを示す。図13B、図13Cは其々、溶射後の母材の外観を示す。図13D、図13Eは其々、溶射断面を示す。其々、溶射後の母材断面を顕微鏡で確認し、健全に溶射されていることを確認した。亜鉛アルミニウム・プラズマ溶射条件は以下のとおりである。
電流電圧:300A 44V(13.2kW)
プラズマガス:93%Arガスと7%H2ガスの混合ガス、流量20L/min
溶射材:(1)Zn−2%Al粉末、粒度:53μm
(2)Znワイヤ、φ1.3mm
溶射距離: 100mm 程度
母材: ブラスト処理材
(発明のその2の実験例)
実験例では、図15に示す溶接システム210を用いて、被加工物211として、SUS304よりなる厚さ3mmの板材に対して、アークを噴出させ、プラズマ溶接用トーチ212を所定の方向に移動させることで、被加工物211の溶接処理を行った。
具体的には、実験例では、第1の溶接電源214から20Aの電流を供給することで、プラズマジェットアークを発生させた。次いで、第2の溶接電源215から100Aの電流を供給し、1秒経過後、第1の溶接電源214からの電流の供給を停止させ、第2の溶接電源のプラズマアークをSUS304の板材に噴出させることで、被加工物211の溶接処理を行った。しかしながら、溶接の途中からプラズマアークを維持できない場合があった。
このとき、溶接システム210の構成を下記構成とした。
電源装置213を構成する第1の溶接電源214としては、パナソニック製のTIG用の溶接電源であるYC−300BP4(型番)を用いた。電源装置213を構成する第2の溶接電源215としては、パナソニック製のTIG用の溶接電源であるYC−500BP4(型番)を用いた。
一般的なプラズマ溶接システムで使用する電源装置(出力電流範囲が10〜350Aクラス)を350万円とすると、実験例で使用した電源装置213(第1及び第2の溶接電源214,215よりなる電源装置)は、プラズマ溶接システムで使用する電源装置の1/2程度であった。
電極221としては、外径3.2mmとされたタングステン電極を用いた。電極221の先端は、インサートチップ222の先端から5mm内側に配置した。インサートチップ222のインサートチップ孔222Bの直径は、3.5mmとした。
また、溶接条件は、下記条件を用いた。
センターガス供給用流路223に供給するセンターガスとしては、流量が3L/minとされ、7%Hを含むアルゴンガスを用いた。アウターガスとしては、流量が7L/minとされ、7%Hを含むアルゴンガスを用いた。
また、プラズマ溶接用トーチ212の移動速度は、45cm/minとした。溶接処理する区間は、10cmとした。
その後、溶接処理された被加工物211の表面及び裏面の状態を観察するとともに、カメラで撮影した。このとき撮影した写真を図16に示す。
図16は、実験例、及び実施例3,2の条件でSUS304の板材を溶接したときの板材の表面及び裏面の写真である。
表1に、図16に示す写真から判断した溶け込み深さの評価結果を示す。
表1では、溶け込み深さがかなり深く、裏ビードが連続して、かつはっきりと表れたものを「++」と評価し、溶け込み深さがやや浅く、裏ビードが一部に表れたものを「+」とし、溶接の途中でアークの維持が困難となったものを「−」と評価した。
(実施例3)
実施例3では、上述した実験例で使用した溶接システム210と同じ装置を用いて、第1の溶接電源214から20Aの電流を供給させたまま、第2の溶接電源215から100Aの電流を供給させることで、溶接を行った。実験例1では、第1の溶接電源214のオン状態を継続させたこと以外は、実験例と同じ溶接条件を用いた。
そして、溶接処理後、溶接処理された被加工物211の表面及び裏面の状態を観察した。
この結果を表1に示す。実施例3では、最後まで安定したアークが得られた。
(実施例4)
実施例4では、上述した実験例で使用した溶接システム210と同じ装置を用いて、第1の溶接電源214から供給する電流を100Aに変更し、かつ第1の溶接電源214から100Aの電流を供給させたまま、第2の溶接電源215から100Aの電流を供給させることで、溶接を行った。実施例4では、第1の溶接電源214から供給する電流を100Aに変更させたこと以外は、実施例3と同様な処理を行った。
そして、溶接処理後、溶接処理された被加工物211の表面及び裏面の状態を観察した。
この結果を表1に示す。実施例4では、実施例3のときと同様に最後まで安定したアークが得られ、さらに深い溶け込みとなり、非常に良好な結果が得られた。
(実験例、及び実施例3,4の結果のまとめ)
汎用的なTIG溶接電源を用いた場合、第1の溶接電源214から溶接電流が供給されていない状態で、第2の溶接電源215から溶接電流が供給されている被加工物211の溶接を行う場合において、アークの維持が困難になる場合があることが判った。
第1の溶接電源214から溶接電流が供給されている状態で、第2の溶接電源215から溶接電流が供給されている状態にして被加工物211の溶接を行うと、アークの維持が可能であることが判った。
そして、第1及び第2の溶接電源214,215をオン状態とし、第1及び第2の溶接電源214,215から供給する電流を高くすることで、さらに深い溶け込みを得ることができることが確認できた。
本発明のその1は、非移行型のプラズマアークを安価且つ容易に利用できる非移行型のプラズマアークシステム、並びに、そのような非移行型のプラズマアークシステムにおいて、TIG溶接用トーチを非移行型のプラズマアークに変換する変換用アダプタキット、及びそのような変換用アダプタキットを備える非移行型のプラズマアーク用トーチを提供することが可能である。
本発明のその2は、溶接システムへの初期投資を抑制した上で、深い溶け込みを得ることの可能な溶接システム及びプラズマ溶接方法に適用可能である。
1…プラズマアーク用トーチ 50…変換アダプタキット 51,51A…アタッチメント 52,52A…本体部 53…固定ネジ(固定手段) 54…ウォータージャケット(水路) 55a…入側の接続部 55b…出側の接続部 56…給電ノズル 57…シールドキャップ 58…絶縁キャップ(絶縁部) 59…接続部 60…ガスレンズ(整流部) 61…固定部 62…可動部 63…収納凹部 64a,64b…ガイドネジ
65a,65b…ガイドスリット 66…圧縮コイルバネ 100…TIG溶接用トーチ 101…非消耗電極 102…コレット 103…コレットボディ 104…トーチボディ 105…トーチノズル 106…前側ガスケット 107…後側ガスケット 108…トーチキャップ 109…ハンドル 110…本体金具 151…電極センター矯正セラミック 153…ノズル 155…インシュレーター 157…アタッチメント固定リング 159…本体絶縁カバー 161…カバー 170…ワイヤ 172…ワイヤガイド 500,500A…プラズマアークシステム 501…電源装置(TIG用電源装置) 502…冷却装置 503…切替機構 PG…プラズマガス SG…シールドガス PA…プラズマアーク W…冷却水(冷却液) S…被加工物 C…第1のパワーケーブル C…第2のパワーケーブル CA…集合ケーブル E,E…給電ケーブル LH…ライナー GH…ガスホース CH,CH,CH…冷却ホース
210…溶接システム、211…被加工物、212…プラズマ溶接用トーチ、213…電源装置、214…第1の溶接電源、214A,215A…プラス端子、214B,215B…マイナス端子、215…第2の溶接電源、216〜219…配線、221…電極、221A…先端部、222…インサートチップ、222A…冷却水用流路、222B…インサートチップ孔、223…センターガス供給用流路、224…シールドキャップ、225…アウターガス供給用流路、231…冷却水循環部、232…センターガス供給源、233…センターガス供給ライン、235…アウターガス供給源、236…アウターガス供給ライン

Claims (14)

  1. 非移行型のプラズマアーク用トーチと、
    前記プラズマアーク用トーチに電力とガスとを供給する電源装置とを備える非移行型のプラズマアークシステムであって、
    前記プラズマアーク用トーチは、陰極としての非消耗電極と、冷却液の循環により冷却されると共に、被加工物に対してプラズマアークを放出する陽極としてのインサートチップとを備え
    前記プラズマアーク用トーチは、
    前記被加工物との間でアークを発生させる前記非消耗電極と、前記アークによって生じた前記被加工物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルとを備えるTIG溶接用トーチを流用したものと、
    前記トーチノズルの周囲を囲んだ状態で、前記TIG溶接用トーチに対して着脱自在に取り付けられると共に、前記インサートチップとして機能するアタッチメントと
    を備えることを特徴とする非移行型のプラズマアークシステム。
  2. 前記プラズマアーク用トーチは、前記アタッチメントの周囲を囲んだ状態で、前記アタッチメントに対して絶縁した状態で取り付けられると共に、前記プラズマアークの外側からシールドガスを放出するシールドキャップを備えることを特徴とする請求項1に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
  3. 前記アタッチメントは、前記トーチノズルの先端側の周囲を囲む給電ノズルを備え、
    前記プラズマアーク用トーチは、前記非消耗電極を軸線方向に移動させることによって、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも内側に引き込んだ状態と、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも外側に突き出した状態とに切り替わることを特徴とする請求項1又は2に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
  4. 前記アタッチメントは、前記トーチノズルの先端側の周囲を囲んだ状態で、軸線方向に移動自在に支持された給電ノズルを備え、
    前記プラズマアーク用トーチは、前記給電ノズルを軸線方向に移動させることによって、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも内側に引き込んだ状態と、前記非消耗電極の先端が前記給電ノズルの先端よりも外側に突き出した状態とに切り替わることを特徴とする請求項1又は2に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
  5. 前記電源装置は、TIG溶接用電源装置を流用したものからなることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
  6. 前記電源装置は、前記プラズマアーク用トーチを使用する場合と、前記TIG溶接用トーチを使用する場合とで、前記電力の供給を切り替える切替機構を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
  7. 前記プラズマアーク用トーチのみを用いる溶接又はTIG溶接トーチのみを用いる溶接が可能であることを特徴とする請求項6のプラズマアークシステム。
  8. 前記電源装置はプラズマアーク用トーチ用電源とTIG溶接トーチ用電源の少なくとも2台の電源装置からなることを特徴とする請求項6のプラズマアークシステム。
  9. 前記プラズマアーク用トーチに接続されて、前記アタッチメント内を流れる冷却液を循環させる冷却装置を備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の非移行型のプラズマアークシステム。
  10. TIG溶接用トーチを非移行型のプラズマアーク用トーチに変換する変換用アダプタキットであって、
    前記TIG溶接用トーチは、被加工物との間でアークを発生させる非消耗電極と、前記アークによって生じた前記被加工物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルとを備え、
    前記非移行型のプラズマアーク用トーチは、陰極としての非消耗電極と、冷却液の循環により冷却されると共に、被加工物に対してプラズマアークを放出する陽極としてのインサートチップとを備え、
    前記トーチノズルの周囲を囲んだ状態で、前記TIG溶接用トーチに対して着脱自在に取り付けられると共に、前記インサートチップとして機能するアタッチメントを備えることを特徴とする変換用アダプタキット。
  11. 前記アタッチメントの周囲を囲んだ状態で、前記アタッチメントに対して絶縁した状態で取り付けられると共に、前記プラズマアークの外側からシールドガスを放出するシールドキャップを備えることを特徴とする請求項10に記載の変換用アダプタキット。
  12. 前記アタッチメントは、軸線方向に移動自在に支持された給電ノズルを備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の変換用アダプタキット。
  13. TIG溶接用トーチと、
    請求項10〜12の何れか一項に記載の変換用アダプタキットとを備えることを特徴とする非移行型のプラズマアーク用トーチであって、
    前記TIG溶接用トーチは、被加工物との間でアークを発生させる非消耗電極と、前記アークによって生じた被加工物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルとを備えることを特徴とする非移行型のプラズマアーク用トーチ。
  14. TIG溶接用電源装置に接続されて使用されることを特徴とする請求項13に記載の非移行型のプラズマアーク用トーチ。
JP2016508783A 2014-03-19 2015-03-19 非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、非移行型のプラズマアーク用トーチ Active JP6487417B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014056528 2014-03-19
JP2014056528 2014-03-19
PCT/JP2015/058206 WO2015141768A1 (ja) 2014-03-19 2015-03-19 非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、非移行型のプラズマアーク用トーチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015141768A1 true JPWO2015141768A1 (ja) 2017-04-13
JP6487417B2 JP6487417B2 (ja) 2019-03-20

Family

ID=54144730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016508783A Active JP6487417B2 (ja) 2014-03-19 2015-03-19 非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、非移行型のプラズマアーク用トーチ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10131013B2 (ja)
JP (1) JP6487417B2 (ja)
MY (1) MY181317A (ja)
SG (1) SG11201607731QA (ja)
WO (1) WO2015141768A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6539039B2 (ja) 2014-12-08 2019-07-03 大陽日酸株式会社 溶接装置及びプラズマ溶接方法
JP6522968B2 (ja) * 2015-01-30 2019-05-29 株式会社小松製作所 プラズマトーチ用絶縁ガイド、及び交換部品ユニット
RU2750597C2 (ru) * 2016-06-15 2021-06-29 Джинан Юниарк Уэлдинг Текнолоджи Лимитед, КНР Сварочная горелка tig
JP6989117B2 (ja) * 2017-12-26 2022-01-05 株式会社豊電子工業 プラズマトーチ及び金属粗材の溶解方法
KR102070760B1 (ko) * 2018-01-30 2020-01-29 삼성중공업 주식회사 가변형 용접토치
JP7309369B2 (ja) * 2019-01-21 2023-07-18 日鉄溶接工業株式会社 溶接装置、溶接方法、及びプラズマ/放電溶接変換器
US20220287170A1 (en) * 2019-02-01 2022-09-08 Kjellberg-Stiftung Plasma torch
JP6578078B1 (ja) * 2019-02-15 2019-09-18 大陽日酸株式会社 Tig溶接用トーチ
CN114430935A (zh) 2019-09-27 2022-05-03 株式会社富士 等离子体发生装置及等离子体处理方法
KR102330779B1 (ko) * 2020-05-19 2021-11-24 주식회사 가나코넥 티그 용접 및 플라즈마 용접이 가능한 용접 토치
JP7478025B2 (ja) 2020-05-21 2024-05-02 株式会社ダイヘン 溶接トーチ
US11979974B1 (en) 2020-06-04 2024-05-07 Inno-Hale Ltd System and method for plasma generation of nitric oxide
JP7176780B2 (ja) * 2020-10-26 2022-11-22 株式会社ムラタ溶研 スポット溶接用の狭窄ノズル付きtig溶接トーチ
CN112935491A (zh) * 2021-04-12 2021-06-11 兰州理工大学技术工程学院 一种水冷焊枪
CN114147326A (zh) * 2021-12-22 2022-03-08 黄培 一种钨极氩弧焊焊枪
CN115383270B (zh) * 2022-09-27 2024-03-26 江苏大学 一种双相不锈钢件气流再压缩等离子弧焊接装置及其焊接工艺

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4932578Y1 (ja) * 1969-08-01 1974-09-03
JPS57206572A (en) * 1981-06-15 1982-12-17 Tokushu Denkyoku Kk Build up welding method by plasma arc and torch
JPS62244574A (ja) * 1986-04-18 1987-10-24 Koike Sanso Kogyo Co Ltd プラズマ加工方法及びその装置
JP2001105148A (ja) * 1999-10-05 2001-04-17 Komatsu Ltd プラズマアークスポット溶接装置及び方法
JP2013043181A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Taiyo Nippon Sanso Corp 溶接トーチ及びプラズマ溶接方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4911743A (ja) 1972-05-17 1974-02-01
JPS55136567A (en) 1979-04-11 1980-10-24 Teisan Kk Plasma arc stabilizing equipment
JPS56126981U (ja) * 1980-02-22 1981-09-26
JPH0669629B2 (ja) 1987-02-06 1994-09-07 日鐵溶接工業株式会社 プラズマト−チのパイロツトア−ク発生方法
JPH0825015B2 (ja) 1987-09-18 1996-03-13 株式会社日立製作所 プラズマ切断方法及びその装置
JP2548954B2 (ja) * 1987-10-01 1996-10-30 大阪電気株式会社 プラズマ・tig切換えトーチ
JPH0270386A (ja) 1988-09-02 1990-03-09 Hitachi Ltd 高放射性鋼構造物の切断装置およびその切断方法
FR2772297B1 (fr) * 1997-12-11 2000-01-14 Soudure Autogene Francaise Procede et dispositif de soudage a l'arc plasma a polarite variable
JP2003112262A (ja) 2001-10-03 2003-04-15 Hitachi Metals Ltd 間隔保持部材および電極ホルダ並びにそれらを用いるプラズマトーチ
FI20031331A (fi) * 2003-09-17 2005-03-18 Tomion Oy Jäähdytetty plasmapoltin ja menetelmä polttimen jäähdyttämiseksi
US8324524B2 (en) * 2008-03-26 2012-12-04 Taiyo Nippon Sanso Corporation Plasma welding process and outer gas for use in the plasma welding process
JP5302558B2 (ja) 2008-03-26 2013-10-02 大陽日酸株式会社 プラズマ溶接法およびこれに用いられるアウターガス
US20100258534A1 (en) 2009-04-08 2010-10-14 Russell Vernon Hughes Method of converting a gas tungsten arc welding system to a plasma welding system
JP5901111B2 (ja) * 2010-10-07 2016-04-06 大陽日酸株式会社 溶接ガス及びプラズマ溶接方法
US9737954B2 (en) * 2012-04-04 2017-08-22 Hypertherm, Inc. Automatically sensing consumable components in thermal processing systems

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4932578Y1 (ja) * 1969-08-01 1974-09-03
JPS57206572A (en) * 1981-06-15 1982-12-17 Tokushu Denkyoku Kk Build up welding method by plasma arc and torch
JPS62244574A (ja) * 1986-04-18 1987-10-24 Koike Sanso Kogyo Co Ltd プラズマ加工方法及びその装置
JP2001105148A (ja) * 1999-10-05 2001-04-17 Komatsu Ltd プラズマアークスポット溶接装置及び方法
JP2013043181A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Taiyo Nippon Sanso Corp 溶接トーチ及びプラズマ溶接方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6487417B2 (ja) 2019-03-20
WO2015141768A1 (ja) 2015-09-24
MY181317A (en) 2020-12-21
US10131013B2 (en) 2018-11-20
SG11201607731QA (en) 2016-11-29
US20170087659A1 (en) 2017-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6487417B2 (ja) 非移行型のプラズマアークシステム、変換用アダプタキット、非移行型のプラズマアーク用トーチ
JP5863952B2 (ja) 半自動溶接システム、変換用アダプタキット、及び溶接用トーチ
JP5178963B2 (ja) 溶接用トーチ及びアダプタキット
US10730130B2 (en) Field former for use in welding applications
JP2019162646A (ja) 溶接装置
JP5795506B2 (ja) プラズマ溶接方法
JP6578078B1 (ja) Tig溶接用トーチ
JP6913715B2 (ja) Tig溶接方法
WO2018227196A1 (en) Welding torch, with two contact tips and a plurality of liquid cooling assemblies for conducting currents to the contact tips
JPWO2015163346A1 (ja) 溶接用トーチ及び取付治具
JP6526885B1 (ja) Tig溶接用トーチ
US11897062B2 (en) Systems, methods, and apparatus to preheat welding wire
WO2016093216A1 (ja) 溶接装置及びプラズマ溶接方法
JP6818172B1 (ja) 溶接用トーチ
JP7228556B2 (ja) Tig溶接方法
JP2017119297A (ja) プラズマアーク用トーチ
US7297900B2 (en) Bypass weld torch
JP6366098B2 (ja) 溶接用トーチ及び変換用アダプタキット
JP2024004688A (ja) アフターシールド治具及び溶接装置
KR101707396B1 (ko) 플라스마 전극, 그를 포함한 용접토치 및 그를 이용한 플라스마 하이브리드 용접장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171219

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6487417

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250