JPWO2015140924A1 - 多層膜反射鏡、分光装置、および高次高調波の分光方法 - Google Patents

多層膜反射鏡、分光装置、および高次高調波の分光方法 Download PDF

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Abstract

本発明に係る多層膜反射鏡(2A、2B、2)は、第1材料から成る軽元素層(21)と、前記第1材料よりも屈折率の大きい第2材料から成る重元素層(22)とが交互に複数積層され、入射される光のうち一部の波長範囲を選択的に反射する多層膜反射鏡である。前記多層膜反射鏡は、前記波長範囲内において夫々入射角での反射帯域幅(W)が、夫々略等しいことを特徴とする。

Description

本発明は、多層膜反射鏡、分光装置、および高次高調波の分光方法に関し、例えば、極端紫外光波長領域から軟X線波長領域の一部を選択的に取り出すための多層膜反射鏡、当該多層膜反射鏡を備えた分光装置、および当該分光装置を用いて高次高調波から単一次数成分を取り出す高次高調波の分光方法に関する。
一般に、特定の原子・分子から成る媒質中にレーザー光を入射すると、レーザー光と媒質との非線形相互作用により、入射光の整数倍の光子エネルギーを有し、時間的・空間的なコヒーレンスを有する光が発生する現象が知られている。
上記の現象を利用した高次高調波を発生させる高次高調波発生装置として、例えば、1.55eVの光子エネルギーを有するフェムト秒チタンサファイアレーザーを励起光源として120eV程度までのコヒーレント光を発生させる装置がある。この高次高調波発生装置から発生した極端紫外線から軟X線のコヒーレント光は、フェムト秒からアト秒の極短パルス幅を持つことが知られている。上記高次高調波発生装置によれば、高次高調波を発生させるための媒質として希ガスを用いた場合、3.1eVの次数ピーク間隔で2eV程度のエネルギー帯域を持ったコヒーレント光を発生させることができる。
このような高次高調波発生装置から発生したコヒーレント光(高次高調波)は、例えば光電子分光に用いることができる。上記高次高調波発生装置から発生した高次高調波は、励起光である1.55eVから軟X線領域の120eV程度までの波長領域にわたって励起エネルギーの奇数倍の離散的な光子エネルギースペクトルを持つ。そのため、上記高次高調波を光電子分光に用いる場合、単一の高次数成分のみを取り出し、且つ単一の次数成分を取り出すことが可能なエネルギー範囲(波長範囲)を増やす必要があった。
また、特に、上記高次高調波を時間分解光電子分光に利用する場合には、極短パルス幅も重要となる。高次高調波の極短パルス幅を損なうことなく所望の単一次数成分の光を取り出すためには、光学素子に起因する各種の分散を抑制しなければならない。また、パルス光の光子エネルギー帯域とパルス幅との間には反比例の関係があるため、夫々の次数成分に含まれる光子エネルギー帯域を損なうことなく取り出さないと、極短パルス幅が損なわれる虞がある。
上記の分光時の問題を解決するために、従来から、高次高調波から軟X線領域の所望の単一次数成分のみを取り出すための分光装置が種々検討されてきた。
例えば、非特許文献1には、回折格子対、トロイダルミラー、およびスリットを組み合わせた分光装置が開示されている。また、重元素から成る層と軽元素から成る層を所定の周期長で多数積層させた多層膜反射鏡を用いた分光装置も知られている。
Luca Poletto, et al., "Time-delay compensated monochromator for the spectral selection of extreme-ultraviolet high-order laser harmonics" American Institude of Physics,REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS 80, 123109, 15 December 2009.
上記非特許文献1に記載の分光装置によれば、高次高調波ビームの入射角を変えることによって、所望の次数成分のみを取り出すことが可能となる。
しかしながら、上記非特許文献1に記載の分光装置では、所望の次数成分を精度良く取り出すために、極めて精密な光学アライメントが必要であった。例えば、角度分散によるパルス幅の伸延を抑制するために、対向配置する回折格子対とトロイダルミラーを極めて正確に配置しなければならない。また、取り出された高調波ビームの空間形状の劣化を抑えるために、トロイダルミラーを理想的な光学位置からずれないように配置する必要がある。
また、上記非特許文献1に記載の分光装置では、回折格子のブレーズ角および入射角に制限があるため、単一次数成分を取り出すことが可能な波長範囲を広げることが困難であった。更に、取り出された特定の次数成分のパルス幅を確認するために、新たな光学系を付加しなければならないという問題もあった。
一方、多層膜反射鏡を用いた分光装置によれば、低分散に、且つ空間形状を劣化させることなく、軟X線領域の光を取り出すことが可能となる。しかしながら、従来の多層膜反射鏡を用いた分光装置では、単一次数成分を取り出すことが可能な波長範囲を広げるために、複数の多層膜反射鏡を用意する必要があった。以下、このことについて詳細に説明する。
図24乃至および図27に、従来の多層膜反射鏡の反射特性の一例を示す。
図24は、従来のスカンジウムとシリコンからなる多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を示す図である。図25は、図24における入射角10度、30度、50度での光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。また、図26は、炭化ケイ素(シリコンカーバイド)とマグネシウムからなる多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を示す図である。図27は、図26における入射角10度、30度、50度での光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。
図24および26において、横軸は入射角θを表し、縦軸は光子エネルギーを表す。同図では、反射率が高い部分が白色で表され、反射率が低く部分が黒色で表わされている。また、図25および図27において、横軸は光子エネルギーを表し、縦軸は反射率を表す。
図24には、周期長を24nmとし、周期長に対するスカンジウムから成る層の厚さの比率を0.4とし、スカンジウムおよびシリコンの積層ペア数を50とした場合の多層膜反射鏡の反射特性が示されている。また、図26には、周期長を15.2nmとし、周期長に対する炭化ケイ素から成る層の厚さの比率を0.4とし、炭化ケイ素およびマグネシウムの積層ペア数を50とした場合の多層膜反射鏡の反射特性が示されている。
分光装置に搭載されている多層膜反射鏡は、一般に、図24乃至図27に示されるように特定の光子エネルギー成分に対する反射率が最適になるように設計されている。換言すれば、従来の多層膜反射鏡は、高次高調波に含まれる特定の(一つの)次数成分の光を反射し、それ以外の次数成分の光を反射しないように、積層材料、膜厚、および積層数等が選択されている。例えば、上記の2つの多層膜反射鏡は、共に、入射角が10度のときに特定の次数成分に対する反射率が最適になるように設計されている。そのため、図24乃至図27に示されるように、多層膜反射鏡の入射角を10度からずらすと反射プロファイルが大きく変化してしまう。特に、材料の吸収端において反射率が大きく変化するため、特定の入射角(10度)以外において適切な反射特性は得られない。したがって、仮に、上記の多層膜反射鏡に入射する高次高調波ビームの入射角を変えたとしても、反射帯域の広帯域化と反射率の低下により、夫々の入射角で夫々単一の次数成分を取り出すことは困難である。
このような理由から、従来の分光装置では、一種類の多層膜反射鏡によって一つの次数成分の光しか取り出すことができなかった。そのため、従来の分光装置において単一次数成分の取り出し可能な波長範囲を広げるには、分光装置内に反射特性の異なる多層膜反射鏡を多数設け、取り出したい次数成分に応じてそれらを適宜切り替える必要があった。
本発明は、以上のような課題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、一つの多層膜反射鏡によって、高次高調波から複数の単一次数成分を取り出すことにある。
また、本発明の別の目的は、高次高調波から所望の単一次数成分を簡便に取り出すことにある。
また、本発明の別の目的は、品質を低下させることなく、高次高調波から所望の単一次数成分を取り出すことにある。
本発明に係る多層膜反射鏡は、入射光のうち一部の波長範囲を選択的に反射する多層膜反射鏡であって、前記波長範囲内において夫々の入射角での反射帯域幅が、夫々略等しいことを特徴とする。
本発明に係る多層膜反射鏡によれば、ブラッグの回折条件を満たす入射角で高次高調波ビームを入射したとき、複数の単一次数成分を取り出すことが可能となる。
図1は、本発明に係る多層膜反射鏡を備えた分光装置を示す図である。 図2は、本発明に係る多層膜反射鏡の断面構造を模式的に示す図である。 図3は、マグネシウムの30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を例示する図である。 図4は、スカンジウムの30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を例示する図である。 図5は、シリコンの30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を例示する図である。 図6は、アルミニウムの40eVから70eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を例示する図である。 図7は、マグネシウムの40eVから70eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を例示する図である。 図8は、イットリウムの70eVから120eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を例示する図である。 図9は、シリコンの70eVから120eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を例示する図である。 図10は、高調波ビーム10のスペクトルの一例を示す図である。 図11は、励起光1.55eVの高次高調波に対応したマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を表す図である。 図12は、図11における入射角10度、30度、50度での光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。 図13は、図11の反射特性を持つ多層膜反射鏡2A、2Bを分光装置100に適用した場合の反射特性を示す図である。 図14は、励起光1.55eVの高次高調波に対応したアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を表す図である。 図15は、図14における入射角10度、30度、50度での光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。 図16は、励起光1.55eVの高次高調波に対応したイットリウムとモリブデンの積層ペアから成る多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を表す図である。 図17は、図16における入射角10度、30度、50度での光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。 図18は、励起光3.1eVの高次高調波に対応したマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡の光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。 図19は、励起光3.1eVの高次高調波に対応したアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡の光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。 図20は、励起光0.7eVの高次高調波に対応したマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡の光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。 図21は、励起光0.7eVの高次高調波に対応したアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡の光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。 図22は、分光装置100内における多層膜反射鏡2A、2Bの配置例を示す図である。 図23は、分光装置100内における多層膜反射鏡2A、2Bの別の配置例を示す図である。 図24は、従来のスカンジウムとシリコンからなる多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を示す図である。 図25は、図24における入射角10度、30度、50度での光子エネルギーに対する反射率の特性を示す図である。 図26は、従来の炭化ケイ素とマグネシウムからなる多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を示す図である。 図27は、図26における入射角10度、30度、50度での光子エネルギーに対する反射特性を示す図である。
1.実施の形態の概要
本発明に係る代表的な実施の形態について概要を説明する。以下の説明において、括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕(多層膜反射鏡)
本発明に係る多層膜反射鏡(2A、2B、2)は、第1材料から成る軽元素層(21)と、前記第1材料よりも屈折率の大きい第2材料から成る重元素層(22)とが交互に複数積層され、入射される光のうち一部の波長範囲を選択的に反射する多層膜反射鏡である。前記多層膜反射鏡は、前記波長範囲内において夫々の入射角での反射帯域幅(W)が、夫々略等しいことを特徴とする。
これによれば、多層膜反射鏡に対する高次高調波ビームの入射角(θ)を変えることで、上記高次高調波から複数の単一次数成分の光を精度良く取り出すことが可能となる。すなわち、一種類の多層膜反射鏡によって、高次高調波から複数の単一次数成分を取り出すことが可能となる。
また、上記多層膜反射鏡を回転させるだけで複数の単一次数成分の光を容易に取り出すことができるので、従来の回折格子を用いる分光方法のような精密な光学アライメントが不必要となる。すなわち、上記多層膜反射鏡によれば、高次高調波から所望の単一次数成分を簡便に取り出すことが可能となる。
〔2〕(軽元素層および重元素層の特徴)
上記多層膜反射鏡において、夫々の前記入射角での反射帯域幅(W)が、前記高次高調波に含まれる前記波長範囲内の次数成分が持つ光子エネルギー帯域(Ew)よりも広く、且つ前記高次高調波の隣り合う次数成分の光子エネルギー間隔(Es)よりも狭くてもよい。
これによれば、高次高調波に含まれる次数成分のエネルギー帯域を損ねることなく、所望の次数成分の光を取り出すことが可能となる。また、上記多層膜反射鏡を用いて分光を行う場合、多層膜を構成する薄膜材料に起因する光学分散のみを考慮すればよく、極短パルス幅を損なうことなく取り出すことが可能となる。すなわち、上記多層膜反射鏡によれば、品質を低下させることなく、高次高調波から所望の単一次数成分を取り出すことが可能となる。
〔3〕(軽元素層の具体例)
上記〔2〕の多層膜反射鏡において、前記第1材料は、マグネシウム、アルミニウム、およびイットリウムの何れか一つを主成分とする材料であってもよい。
〔4〕(軽元素層および重元素層の組み合わせの具体例1)
上記〔2〕の多層膜反射鏡において、前記第1材料がマグネシウムを主成分とする材料であり、前記第2材料が炭化ケイ素を主成分とする材料であってもよい。
〔5〕(軽元素層および重元素層の組み合わせの具体例1)
上記〔2〕の多層膜反射鏡において、前記第1材料がアルミニウムを主成分とする材料であり、前記第2材料がジルコニウムを主成分とする材料であってもよい。
〔6〕(軽元素層および重元素層の組み合わせの具体例1)
上記〔2〕の多層膜反射鏡において、前記第1材料がイットリウムを主成分とする材料であり、前記第2材料がモリブデンを主成分とする材料であってもよい。
〔7〕(励起光1.55eVの高次高調波に対応した重元素比)
上記〔3〕乃至〔6〕の何れかの多層膜反射鏡において、前記多層膜反射鏡の周期長(D1+D2)に対する前記重元素層の厚さ(D2)の比率が0.1であってもよい。
これによれば、1.55eVの励起光に基づく高次高調波に対して最適な反射特性を有する多層膜反射鏡を実現することが可能となる。
〔8〕(励起光3.1eVの高次高調波に対応した重元素比)
上記〔3〕乃至〔6〕の何れかの多層膜反射鏡において、前記多層膜反射鏡の周期長(D1+D2)に対する前記重元素層の厚さ(D2)の比率が0.15であってもよい。
これによれば、3.1eVの励起光に基づく高次高調波に対して最適な反射特性を有する多層膜反射鏡を実現することが可能となる。
〔9〕(励起光0.7eVの高次高調波に対応した重元素比)
上記〔3〕乃至〔6〕の何れかの多層膜反射鏡において、前記多層膜反射鏡の周期長(D1+D2)に対する前記重元素層の厚さ(D2)の比率が0.05であってもよい。
これによれば、0.7eVの励起光に基づく高次高調波に対して最適な反射特性を有する多層膜反射鏡を実現することが可能となる。
〔10〕(分光装置)
本願発明に係る分光装置(100)は、上記〔2〕乃至〔9〕の何れかの多層膜反射鏡と、前記多層膜反射鏡を調整することにより前記多層膜反射鏡に対する高次高調波ビームの入射角を調整する角度調整機構(2)とを備えることを特徴とする。
これによれば、上述したように、従来の回折格子を用いた分光装置のような精密な光学アライメントが不必要となり、高次高調波から所望の単一次数成分を簡便に取り出すことができる。
また、上記分光装置によれば、一つの次数成分に対する反射率のみ最適化した従来の多層膜反射鏡を備えた分光装置と比べて、高次高調波から単一次数成分を取り出すことが可能な波長範囲を広げることができる。
〔11〕(多層膜反射鏡を複数備えた分光装置)
上記分光装置において、前記多層膜反射鏡を複数有し、前記角度調整機構は、夫々の前記多層膜反射鏡の反射面を平行に保ちつつ、夫々の前記多層膜反射鏡の角度を調整してもよい。
これによれば、上記多層膜反射鏡に入射する高調波ビームの光軸を変えることなく、目的の次数成分の光を取り出すことが可能となる。
〔12〕(分光方法)
本願発明に係る分光方法は、上記〔2〕乃至〔9〕の何れかの多層膜反射鏡を用いて高次高調波から所望の単一次数成分の光を取り出す高次高調波の分光方法であって、上記多層膜反射鏡に高次高調波を入射するステップと、上記多層膜反射鏡を回転させることにより上記多層膜反射鏡に対する前記高次高調波ビームの入射角を調整するステップと、を含むことを特徴とする。
これによれば、上述したように、従来の回折格子を用いた分光装置のような精密な光学アライメントが不必要となり、高次高調波から所望の単一次数成分を簡便に取り出すことができる。
2.実施の形態の詳細
以下、本発明に係る実施の形態について詳述する。
≪分光装置の概要≫
図1に、本発明に係る多層膜反射鏡を備えた分光装置の構成を示す。
同図に示される分光装置100は、入射した高次高調波ビーム10から所定の単一次数成分を取り出すための装置である。前記所定の単一次数成分は、例えば極端紫外光波長領域から軟X線波長領域までの範囲に属する。
高次高調波ビーム10は、図示されない公知の高次高調波発生装置によって、例えば所定の光子エネルギーを有するフェムト秒チタンサファイアレーザーを励起光源として生成される。特に制限されないが、上記励起光源としては、1.55eV,0.7eV,および3.1eV等の光子エネルギーを有するレーザー光を例示することができる。例えば、高調波ビーム10が光子エネルギー1.55eVの励起光に基づいて生成される場合、高次高調波ビーム10は、3.1eVのピーク間隔で2eV程度のエネルギー帯域を持ったコヒーレント光である。
具体的に、分光装置100は、薄膜フィルタ1、多層膜反射鏡2A、2B、および角度調整機構3を備える。
薄膜フィルタ1は、高調波ビーム10に含まれる所定の波長成分の光を透過させ、それ以外の波長成分の光を吸収または反射する光学素子である。薄膜フィルタ1は、後述する多層膜反射鏡2に高調波ビーム10を入射したときに多層膜反射鏡2の周期長によらず表面反射する波長成分の光を反射または吸収して取り除くために設けられる。薄膜フィルタ1を透過する光は、例えば極端紫外光波長領域から軟X線波長領域までの波長成分の光である。
多層膜反射鏡2A、2B(総称する場合は、「多層膜反射鏡2」と表記する。)は、薄膜フィルタ1を介して入射した高調波ビーム10に含まれる所定の単一次数成分の光を、高調波ビーム10の入射角θに応じて反射し、それ以外の次数成分の光を透過または吸収する光学素子である。換言すれば、多層膜反射鏡2は、入射角θを変えることによって、所定の波長範囲に含まれる特定の単一次数成分を選択的に取り出すことができる光学素子である。本実施の形態では、高調波ビーム10の光軸を変えずに所望の次数成分の光を取り出すために2つの多層膜反射鏡2A、2Bを設けているが、分光装置100が備える多層膜反射鏡2の個数は特に制限されない。多層膜反射鏡2の具体的な構成については、後述する。
なお、以下の説明では、多層膜反射鏡2の反射面に対して垂直な軸Yと高調波ビーム10のなす角を“入射角”と称する。
角度調整機構3は、回転可能に保持された多層膜反射鏡2A、2Bを調整することにより、高調波ビーム10の入射角θを調整する機構である。この角度調整機構3によって、2つの多層膜反射鏡2A、2Bは、反射面の平行状態を保ちつつ、高調波ビーム10に対する入射角θが調整される。
≪多層膜反射鏡の構造≫
次に、多層膜反射鏡2の構造について詳細に説明する。
図2は、多層膜反射鏡2の断面構造を模式的に示す図である。同図に示されるように、多層膜反射鏡2は、基板20(例えば石英基板)の上に、軽元素層21と重元素層22とが交互に複数積層された構造を有する。軽元素層21は、第1材料を堆積させることによって形成され、重元素層22は、上記第1材料よりも屈折率の大きい第2材料を堆積させることによって形成される。
(1)軽元素層21について
本発明に係る多層膜反射鏡2は、入射される高次高調波ビーム10の複数の次数成分を含む波長範囲において吸収係数が低くなるような軽元素材料21が用いられる。
具体的には、軽元素層21を構成する上記第1材料として、所定の波長範囲での吸収係数の値がより低い元素を主成分とする材料が用いられる。ここで、上記所定の波長範囲とは、高調波ビーム10に含まれる少なくとも2つの次数成分を含む波長範囲(光子エネルギー範囲)をいう。
例えば、30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲(波長範囲)における次数成分の光を取り出すためには、多層膜反射鏡の軽元素層21を構成する上記第1材料として、30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲において吸収係数が小さい元素が用いられる。この場合の候補元素としては、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sc)、シリコン(Si)等を例示することができる。
図3乃至5に、マグネシウム、スカンジウム、およびシリコンの30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲(波長範囲)における光学定数を夫々示す。図3乃至5において、参照符号201、203、205の定数は、マグネシウム、スカンジウム、およびシリコンの吸収係数(absorption coefficient)を夫々表し、参照符号202、204、206の定数は、マグネシウム、スカンジウム、およびシリコンの屈折率(refractive index)を夫々表す。
図3に示されるように、マグネシウムの吸収係数は、30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲において、比較的安定して低い値となる。一方、図4に示されるように、スカンジウムの吸収係数は35eVを超えたあたりで急激に増大する特性を有する。また、図5に示されるように、シリコンの吸収係数は、30eV付近において急激に変化する特性を示す。したがって、30eVから50eVまでの光子エネルギー範囲における次数成分の光を取り出すための多層膜反射鏡の軽元素層21としては、上記3つの元素の中でマグネシウムが最適な材料であるといえる。
また、40eVから70eVまでの光子エネルギー範囲における次数成分の光を取り出すためには、多層膜反射鏡の軽元素層21を構成する上記第1材料として、40eVから70eVまでの光子エネルギー範囲において吸収係数が小さい元素が用いられる。この場合の候補元素としては、アルミニウム(Al)およびマグネシウム(Mg)等を例示することができる。
図6および7に、アルミニウムおよびマグネシウムの40eVから70eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を夫々示す。図6および9において、参照符号207、209の特性は、アルミニウムおよびマグネシウムの吸収係数を夫々表し、参照符号208、210の特性は、アルミニウムおよびマグネシウムの屈折率を夫々表す。
図6に示されるように、アルミニウムの吸収係数は、40eVから70eVまでの光子エネルギー範囲において、比較的安定して低い値となる。一方、図7に示されるように、マグネシウムの吸収係数は、50eV付近で急激に増大する特性を示す。したがって、40eVから70eVまでの光子エネルギー範囲における次数成分の光を取り出すための多層膜反射鏡の軽元素層21としては、上記2つの元素の中でアルミニウムが最適な材料であるといえる。
また、70eVから120eVまでの光子エネルギー範囲(波長範囲)における次数成分の光を取り出すためには、多層膜反射鏡の軽元素層21を構成する上記第1材料として、70eVから120eVまでの光子エネルギー範囲において吸収係数が小さい元素が用いられる。この場合の候補元素としては、イットリウム(Y)およびシリコン等を例示することができる。
図8および図9、イットリウムおよびシリコンの70eVから120eVまでの光子エネルギー範囲における光学定数を夫々示す。図8および11において、参照符号211、212の定数は、イットリウムおよびシリコンの吸収係数を夫々表し、参照符号213、214の定数は、イットリウムおよびシリコンの屈折率を夫々表す。
図8に示されるように、イットリウムの吸収係数は、70eVから120eVまでの光子エネルギー範囲において、比較的安定して低い値となる。一方、図9に示されるように、シリコンの吸収係数は100eV付近で急激に変化する特性を示す。したがって、70eVから120eVまでの光子エネルギー範囲における次数成分の光を取り出すための多層膜反射鏡の軽元素層21としては、上記2つの元素の中でイットリウムが最適な材料であるといえる。
(2)重元素層22について
一方、重元素層22を構成する上記第2材料としては、下記の元素を用いることができる。例えば、上記第1材料がマグネシウムの場合には、上記第2材料として、炭化ケイ素、ホウ化炭素、白金、またはモリブデンを用いることができる。また、上記第1材料がアルミニウムの場合には、上記第2材料として、ジルコニウム、チタン、炭素、またはホウ化炭素を用いることができる。更に、上記第1材料がイットリウムの場合には、上記第2材料として、モリブデン、またはルテニウムを用いることができる。
(3)重元素比と積層ペア数Nについて
軽元素層21および重元素層22の重元素比と積層数は、高次高調波ビーム10に含まれる上記所定の波長範囲内の夫々の次数成分に対応するブラッグの回折条件を満たす入射角での反射帯域幅が夫々略等しくなるように決定される。
より具体的には、重元素比と積層数Nは、夫々の入射角での反射帯域幅が、高次高調波ビーム10に含まれる上記所定の波長範囲内の次数成分が持つ光子エネルギー帯域幅よりも広く、且つ高次高調波ビーム10の隣り合う次数成分の光子エネルギー間隔よりも狭くなるように、決定される。
ここで、重元素比とは、周期長に対する重元素層22の積層方向の厚さの比率をいう。例えば、軽元素層21の断面方向の長さ(厚さ)をD1とし、重元素層22の断面方向の長さ(厚さ)をD2としたとき、重元素比は“D2/(D1+D2)”で表される。重元素比を調整することで、主に、反射の目的とされる次数成分に対する反射帯域幅と反射率のピーク値を調整することができる。
また、積層ペア数Nとは、軽元素層21および重元素層22からなる一対の積層ペアの個数をいう。更に、上記所定の波長範囲は、上述したように、高調波ビーム10に含まれる少なくとも2つの次数成分を含む波長範囲(光子エネルギー範囲)をいう。積層ペア数Nを調整することで、主に、反射の目的とされる次数成分以外の波長に対する反射率を低下させることが可能となる。
上記のように、重元素比と積層数Nを決定することで、高調波ビーム10から所定の波長範囲における夫々の単一次数成分を、エネルギー帯域を損ねることなく取り出すことが可能となる。以下、このことについて、重元素比と積層数の具体的な数値例を挙げて詳細に説明する。
≪多層膜反射鏡の具体例≫
以下の説明では、光子エネルギー1.55eVのレーザー光を励起光に用いて生成された高次高調波から複数の単一次数成分の光を取り出すための多層膜反射鏡2の具体例を示す。
(1)30eV〜50eVの光子エネルギー範囲に対応した多層膜反射鏡
図10に、高調波ビーム10のスペクトルの一例を示す。同図に示される参照符号300の特性は、公知の高次高調波発生装置によって、光子エネルギー1.55eVのレーザー光を励起光に用いて生成された高調波ビーム10のスペクトルを表す。
ここでは、図10に示されたスペクトルを有する高調波ビーム10から、30eV〜50eVの光子エネルギー範囲における単一次数成分の光を取り出すための多層膜反射鏡として、マグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡を例示する。
上記マグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡において、周期長を24nmとし、重元素比を0.1とし、積層ペア数Nを60とする。この場合の反射特性は、図11および図12のようになる。
図11は、上記のマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡2の入射角に対する反射特性を表す図である。図11において、横軸は入射角θを表し、縦軸は光子エネルギーを表す。同図では、反射率が高い部分が白色で表され、反射率が低く部分が黒色で表わされている。また、図12は、図11の所定の入射角における光子エネルギーに対する反射率の特性を示す図である。図12において、参照符号301〜303の特性は、入射角が10度(degree)、30度、50度のときの光子エネルギーに対する反射率を夫々表す。
図11に示されるように、上記のマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡によれば、入射角θを変化させることで、30eV〜50eVまでの広い光子エネルギー範囲(波長範囲)において高い反射率を得ることができる。また、上記のマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡によれば、図12に示されるように、入射角θが10度から50度までの広い範囲において、夫々の入射角での反射特性のばらつきが小さくなる。換言すれば、夫々の入射角における反射帯域幅Wが略等しくなり、且つ夫々の反射率のピーク値の差が小さくなる。ここで、夫々の反射率のピーク値は、目的とする次数成分を十分に反射することができる値であればよく、例えば、0.2以上であればよい。また、反射帯域幅Wは、2eVより大きく、6eVよりも小さくなるように設計されている。
上記の反射特性を持つマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡を分光装置100の多層膜反射鏡2A、2Bに適用すると、分光装置100の反射特性は図13に示すような特性となる。図13において、参照符号300は、図10と同様に高調波ビーム10のスペクトルを表し、参照符号311〜315は、入射角θを、21.8度、30.6度、37.6度、44.4度、および50度としたときの分光装置100の反射特性を夫々表す。
図13から理解されるように、図10に示さる反射特性を持つ多層膜反射鏡2A、2Bを用いた分光装置100は、1.55eVの励起光に基づく高調波ビーム10に含まれる30eV〜50eVの範囲の高調波成分に対して適切な反射率を有する。すなわち、図13に示されるように、多層膜反射鏡2A、2Bの30eV〜50eVの範囲における特定の波長成分に対する反射帯域幅Wが、上記特定の波長成分に対応する高調波ビーム10に含まれる次数成分の光子エネルギー帯域Ew(=2eV)よりも広く、且つ高調波ビーム10に含まれる隣り合う次数成分の光子エネルギー間隔Es(=6.2eV)よりも狭い。
これにより、上記のマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡を分光装置100の多層膜反射鏡2A、2Bに適用すれば、1.55eVの励起光に基づく高調波ビーム10から、極短パルス幅を劣化させることなく、所望の単一次数成分を取り出すことが可能となる。例えば、30eV〜50eVの範囲における夫々の高調波成分を取り出す場合には、図13に示されるように、入射角θが21.8度、30.6度、37.6度、44.4度、および50度となるように、多層膜反射鏡2Aおよび2Bの角度を調整すればよい。
(2)40eV〜70eVの光子エネルギー範囲に対応した多層膜反射鏡
次に、40eV〜70eVの光子エネルギー範囲に対応した多層膜反射鏡として、アルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡を例示する。
上記のアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡において、周期長は16nmとし、重元素比を0.1とし、積層ペア数Nを60とする。この場合の反射特性は、図14および図15のようになる。
図14は、上記のアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を表す図である。図14において、横軸は入射角θを表し、縦軸は光子エネルギーを表す。また、図15は、図14の所定の入射角における光子エネルギーに対する反射率の特性を示す図である。図15において、参照符号401〜403の特性は、入射角が10度、30度、50度のときの光子エネルギーに対する反射率を夫々表す。
図14に示されるように、上記のアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡によれば、入射角θを変化させることで、40eV〜70eVまでの広い光子エネルギー範囲において高い反射率を得ることができる。また、図15に示されるように、入射角θが10度から50度までの広い範囲において、夫々の入射角での反射特性のばらつきが小さくなる。換言すれば、上記の30eV〜50eVの光子エネルギー範囲に対応した多層膜反射鏡と同様に、夫々の入射角における反射帯域幅Wが略等しくなり、且つ夫々の反射率のピーク値の差が小さくなる。ここで、反射帯域幅Wは、2eVより大きく、6eVよりも小さくなるように設計されている。
したがって、上記のアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡を分光装置100の多層膜反射鏡2A、2Bに適用すれば、上記のマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡の場合と同様に、1.55eVの励起光に基づく高調波ビーム10に含まれる40eV〜70eVの範囲における夫々の高調波成分を、極短パルス幅を劣化させることなく取り出すことが可能となる。
(3)70eV〜120eVの光子エネルギー範囲に対応した多層膜反射鏡
次に、70eV〜120eVの光子エネルギー範囲に対応した多層膜反射鏡として、イットリウムとモリブデンの積層ペアから成る多層膜反射鏡を例示する。
上記のイットリウムとモリブデンの積層ペアから成る多層膜反射鏡において、周期長を9nmとし、重元素比を0.1とし、積層ペア数Nを80とする。この場合の反射特性は、図16および図17のようになる。
図16は、上記のイットリウムとモリブデンの積層ペアから成る多層膜反射鏡の入射角に対する反射特性を表す図である。図16において、横軸は入射角θを表し、縦軸は光子エネルギーを表す。また、図17は、図16の所定の入射角における光子エネルギーに対する反射率の特性を示す図である。図17において、参照符号501〜503の特性は、入射角が10度、30度、50度のときの光子エネルギーに対する反射率を夫々表す。
図16に示されるように、上記のイットリウムとモリブデンの積層ペアから成る多層膜反射鏡によれば、入射角θを変化させることで、70eV〜120eVまでの広い光子エネルギー範囲において高い反射率を得ることができる。また、図17に示されるように、入射角θが10度から50度までの広い範囲において、夫々の入射角での反射特性のばらつきが小さくなる。換言すれば、上記の30eV〜50eVの光子エネルギー範囲に対応した多層膜反射鏡と同様に、夫々の入射角における反射帯域幅Wが略等しくなり、且つ夫々の反射率のピーク値の差が小さくなる。ここで、反射帯域幅Wは、2eVより大きく、6eVよりも小さくなるように設計されている。
したがって、上記のイットリウムとモリブデンの積層ペアから成る多層膜反射鏡を分光装置100の多層膜反射鏡2A、2Bに適用すれば、上記のマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡の場合と同様に、1.55eVの励起光に基づく高調波ビームに含まれる70eV〜120eVの範囲における夫々の高調波成分を、極短パルス幅を劣化させることなく取り出すことが可能となる。
≪多層膜反射鏡の別の具体例≫
以上の説明では、1.55eVの励起光に基づく高調波ビームに対応した多層膜反射鏡の構成を例示したが、上記と同様に、1.55eV以外の励起エネルギーに基づく高調波ビームに対応する多層膜反射鏡についても、重元素比と積層ペア数を適宜選択することで作製することができる。以下に、3.1eVの励起光に基づく高調波ビームに対応した多層膜反射鏡と、0.7eVの励起光に基づく高調波ビームに対応した多層膜反射鏡の具体例を示す。
(1)3.1eVの励起光に基づく高調波ビームに対応した多層膜反射鏡
3.1eVの励起光に基づく高調波ビームに対応した多層膜反射鏡として、30eV〜50eVの光子エネルギー範囲に対応したマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡と、40eV〜70eVの光子エネルギー範囲に対応したアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡を例示する。
上記30eV〜50eVの光子エネルギー範囲に対応したマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡では、例えば、周期長を24nmとし、重元素比を0.15とし、積層ペア数Nを60とする。この場合の多層膜反射鏡の反射特性は、図18のようになる。なお、図18において、横軸は入射角θを表し、縦軸は反射特性を表し、参照符号601〜603は、入射角10度、30度、50度における反射率の特性を夫々表す。
また、上記40eV〜70eVの光子エネルギー範囲に対応したアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡において、例えば、周期長を16nmとし、重元素比を0.15とし、積層ペア数Nを60とする。この場合の多層膜反射鏡の反射特性は、図19のようになる。なお、図19において、横軸は入射角θを表し、縦軸は反射特性を表し、参照符号701〜703は、入射角10度、30度、50度における反射率の特性を夫々表す。
(2)0.7eVの励起光に基づく高調波ビームに対応した多層膜反射鏡
次に、0.7eVの励起光に基づく高調波ビームに対応した多層膜反射鏡として、30eV〜50eVの光子エネルギー範囲に対応したマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡と、40eV〜70eVの光子エネルギー範囲に対応したアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡を例示する。
上記30eV〜50eVの光子エネルギー範囲に対応したマグネシウムとシリコンカーバイドの積層ペアから成る多層膜反射鏡において、例えば、周期長を24nmとし、重元素比を0.05とし、積層ペア数Nを60とする。この場合の多層膜反射鏡の反射特性は、図20のようになる。なお、図20において、横軸は入射角θを表し、縦軸は反射特性を表し、参照符号801〜803は、入射角10度、30度、50度における反射率の特性を夫々表す。
また、上記40eV〜70eVの光子エネルギー範囲に対応したアルミニウムとジルコニウムの積層ペアから成る多層膜反射鏡において、例えば、周期長を16nmとし、重元素比を0.05とし、積層ペア数Nを60とする。この場合の多層膜反射鏡の反射特性は、図21のようになる。なお、図21において、横軸は入射角θを表し、縦軸は反射特性を表し、参照符号901〜903は、入射角10度、30度、50度における反射率の特性を夫々表す。
このように、高次高調波ビームの励起エネルギーの大きさに応じて重元素比を適宜変更することで、異なる励起エネルギーの高次高調波に対しても最適な反射特性を有する多層膜反射鏡を作製することができる。
以上、本実施の形態に係る多層膜反射鏡2によれば、一種類の多層膜反射鏡によって高次高調波から複数の単一次数成分を取り出すことが可能となり、単一次数成分を取り出すことが可能な波長範囲を拡大することができる。
また、本実施の形態のように多層膜反射鏡の積層材料、重元素比、および積層ペア数を最適化することにより、高調波ビームに含まれる次数成分のエネルギー帯域を損ねることなく、所望の次数成分の光を取り出すことが可能となる。更に、上記多層膜反射鏡を用いて分光を行う場合に、多層膜を構成する薄膜材料に起因する光学分散のみを考慮すればよく、極短パルス幅を損なうことなく取り出すことが可能となる。すなわち、多層膜反射鏡2によれば、高調波ビーム10の品質(極短パルス幅と空間形状)を劣化させることなく所望の単一次数成分の光を取り出すことが可能となる。
また、例えば上記の対応する光子エネルギー範囲の異なる3種類の多層膜反射鏡を分光装置100に搭載することで、1.55eVの励起光に基づく高調波ビームから30eV〜120eVまでの広い光子エネルギー範囲における単一次数成分の光を取り出すことが可能となる。すなわち、多層膜反射鏡2によれば、従来の分光装置に比べて、分光装置に搭載すべき多層膜反射鏡の個数を減らすことができる。
≪分光装置100による分光方法≫
次に、分光装置100を用いた高調波ビーム10の分光方法について、図22および図23を用いて説明する。
図22および図23は、分光装置100内における多層膜反射鏡2A、2Bの配置例を示す図である。
分光装置100によって高調波ビーム10から所望の次数成分の光を取り出す際には、入射された高調波ビーム10に含まれる所定の波長成分のピークエネルギーに対してブラッグの回折条件(ブラッグの法則:Bragg‘s law)を満たす入射角θとなるように多層膜反射鏡2A、2Bの角度および位置が調整される。例えば、高調波ビーム10からn次数成分の光を取り出した後に、(n+1)次数成分の光を取り出す場合には、例えば以下に示すように多層膜反射鏡2A、2Bが調整される。
先ず、外部に設けられた高調波発生装置が、高次高調波ビーム10を発生し、発生した高次高調波ビームは光学素子などを経由して分光装置100に導入される。次に、図22に示されるように、n次数成分(波長成分)のピークエネルギーに対してブラッグの回折条件を満たす入射角θ1となるように、角度調整機構3によって多層膜反射鏡2A、2Bの角度および位置が調整される。このとき、多層膜反射鏡2A、2Bは、互いの反射面が平行になるように調整される。これにより、高調波ビーム10に含まれるn次数成分の光が取り出される。
次に、図23に示されるように、(n+1)次数成分のピークエネルギーに対してブラッグの回折条件を満たす入射角θ2となるように、角度調整機構3によって多層膜反射鏡2A、2Bの角度および位置が調整される。このとき、多層膜反射鏡2A、2Bは、互いの反射面が平行になるように調整される。これにより、高調波ビーム10に含まれる(n+1)次数成分の光が取り出される。
以上のように、高次高調波に含まれる複数の単一次数成分に対して反射率が最適化された多層膜反射鏡2を用いることにより、多層膜反射鏡2を回転させる(入射角θを変える)だけで複数の単一次数成分の光を選択的に取り出すことができる。これにより、従来の回折格子を用いた分光装置のような精密な光学アライメントが不要となり、より簡便な方法で分光を行うことが可能となる。
また、2つの多層膜反射鏡2A、2Bを配置し、お互いの反射面が平行になるように多層膜反射鏡2A、2Bの角度を調整することにより、高調波ビーム10の光軸を変えることなく、所望の高次成分の光を取り出すことが可能となる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、励起光1.55eV、3.1eV、および0.7eVの励起光に基づく高次高調波に対応した夫々の多層膜反射鏡の重元素比として、“0.1”、“0.15”、および“0.05”を例示したが、これらの数値は高次高調波ビームの特性に応じて変更可能であることは言うまでもない。例えば、高次高調波の励起エネルギーや、励起パルス幅、励起強度などに応じて発生する高次高調波の特性は夫々であり、反射特性が最適になるように重元素比は0.05から0.2の範囲で選択してもよい。また、例えば、周期長として“24nm”、“16nm”、“9nm”としたが、同様に最適な周期長を任意に選択してもよい。
また、上記の説明において、多層膜反射鏡2の重元素比や積層ペア数として具体的な数値を例示したが、これに限られず、取り出したい次数成分の反射特性が最適になるように種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、取り出したい次数成分以外の波長領域における反射率を低下させるために、積層ペア数を適宜調整してもよい。
また、分光装置100に搭載する同一種類の多層膜反射鏡が2個である場合を例示したが、これに限られず、3個以上であってもよい。
本発明に係る多層膜反射鏡は、高次高調波から単一の次数成分を取り出すための分光装置および分光方法のみならず、その他の装置および方法に広く適用することができる。
100…分光装置、2、2A、2B…多層膜反射鏡、3…角度調整機構、10…高調波ビーム、21…軽元素層、22…重元素層、D1…軽元素層の厚さ、D2…重元素層の厚さ、N…積層ペア数、W…反射帯域幅、Es…光子エネルギー間隔、Ew…光子エネルギー帯域。
本発明に係る多層膜反射鏡は、入射光のうち一部の波長範囲を選択的に反射する多層膜反射鏡であって、夫々の入射角における前記波長範囲に含まれる特定の波長成分に対する反射帯域幅が、入射される、前記特定の波長成分に対応する高次高調波に含まれる夫々の次数成分が持つ光子エネルギー帯域幅よりも広く、且つ前記特定の波長成分に対応する高次高調波に含まれる隣り合う次数成分の光子エネルギー間隔よりも狭いことを特徴とする。
〔1〕(多層膜反射鏡)
本発明に係る多層膜反射鏡(2A、2B、2)は、第1材料から成る軽元素層(21)と、前記第1材料よりも屈折率の大きい第2材料から成る重元素層(22)とが交互に複数積層され、入射される光のうち一部の波長範囲を選択的に反射する多層膜反射鏡である。前記多層膜反射鏡は、夫々の入射角における前記波長範囲に含まれる特定の波長成分に対する反射帯域幅(W)が、入射される、前記特定の波長成分に対応する高次高調波に含まれる夫々の次数成分が持つ光子エネルギー帯域幅(Ew)よりも広く、且つ前記特定の波長成分に対応する高次高調波に含まれる隣り合う次数成分の光子エネルギー間隔(Es)よりも狭いことを特徴とする。
これによれば、多層膜反射鏡に対する高次高調波ビームの入射角(θ)を変えることで、上記高次高調波から複数の単一次数成分の光を高次高調波に含まれる次数成分のエネルギー帯域を損ねることなく、精度良く取り出すことが可能となる。すなわち、一種類の多層膜反射鏡によって、高次高調波から複数の単一次数成分を取り出すことが可能となる。
また、上記多層膜反射鏡を回転させるだけで複数の単一次数成分の光を容易に取り出すことができるので、従来の回折格子を用いる分光方法のような精密な光学アライメントが不必要となる。また、上記多層膜反射鏡を用いて分光を行う場合、多層膜を構成する薄膜材料に起因する光学分散のみを考慮すればよく、極短パルス幅を損なうことなく取り出すことが可能となる。すなわち、上記多層膜反射鏡によれば、高次高調波から所望の単一次数成分を品質を低下させることなく簡便に取り出すことが可能となる。
〔2〕(多層膜反射鏡)
上記多層膜反射鏡前記波長範囲内において夫々の入射角での反射帯域幅(W)が、夫々略等しくてもよい。
〔10〕(分光装置)
本願発明に係る分光装置(100)は、高次高調波から所望の単一次数成分の光を取り出す分光装置であって、第1材料から成る軽元素層と、前記第1材料よりも屈折率の大きい第2材料から成る重元素層とが交互に複数積層され、入射される前記高次高調波のうち一部の波長範囲を入射角に応じて選択的に反射する多層膜反射鏡と、記多層膜反射鏡に対する前記高次高調波の入射角を調整する角度調整機構(2)を備え、前記多層膜反射鏡は、夫々の入射角における前記波長範囲に含まれる特定の波長成分に対する反射帯域幅が、入射される、前記特定の波長成分に対応する高次高調波に含まれる夫々の次数成分が持つ光子エネルギー帯域幅よりも広く、且つ前記特定の波長成分に対応する高次高調波に含まれる隣り合う次数成分の光子エネルギー間隔よりも狭い反射特性を有し、前記角度調整機構によって前記入射角を調整することによって、前記高次高調波に含まれる所望の単一次数成分を選択的に取り出すことを特徴とする。
〔12〕(分光方法)
本願発明に係る分光方法は、上記分光装置を用いて高次高調波から所望の単一次数成分の光を取り出す高次高調波の分光方法であって、前記多層膜反射鏡に高次高調波を入射するステップと、前記多層膜反射鏡を回転させることにより前記多層膜反射鏡に対する前記高次高調波の入射角を調整するステップと、を含むことを特徴とする。

Claims (10)

  1. 第1材料から成る軽元素層と、前記第1材料よりも屈折率の大きい第2材料から成る重元素層とが交互に複数積層され、入射される光のうち一部の波長範囲を選択的に反射する多層膜反射鏡であって、
    前記波長範囲内において夫々の入射角での反射帯域幅が夫々略等しい
    ことを特徴とする多層膜反射鏡。
  2. 請求項1に記載の多層膜反射鏡において、
    夫々の前記入射角での反射帯域幅が、高次高調波ビームに含まれる前記波長範囲内の夫々の次数成分が持つ光子エネルギー帯域幅よりも広く、且つ前記高次高調波の隣り合う次数成分の光子エネルギー間隔よりも狭い
    ことを特徴とする多層膜反射鏡。
  3. 請求項2の多層膜反射鏡において、
    前記第1材料は、マグネシウム、アルミニウム、およびイットリウムの何れか一つを主成分とする材料である、
    ことを特徴とする多層膜反射鏡。
  4. 請求項2の多層膜反射鏡において、
    前記第1材料がマグネシウムを主成分とする材料であり、
    前記第2材料が炭化ケイ素を主成分とする材料である
    ことを特徴とする多層膜反射鏡。
  5. 請求項2の多層膜反射鏡において、
    前記第1材料がアルミニウムを主成分とする材料であり、
    前記第2材料がジルコニウムを主成分とする材料である
    ことを特徴とする多層膜反射鏡。
  6. 請求項2の多層膜反射鏡において、
    前記第1材料がイットリウムを主成分とする材料であり、
    前記第2材料がモリブデンを主成分とする材料である
    ことを特徴とする多層膜反射鏡。
  7. 請求項3乃至6の何れかの多層膜反射鏡において、
    前記多層膜反射鏡の周期長に対する前記重元素層の厚さの比率が0.05から0.2の範囲にある
    ことを特徴とする多層膜反射鏡。
  8. 請求項1または2に記載の多層膜反射鏡と、
    前記多層膜反射鏡を調整することにより、前記多層膜反射鏡に対する高次高調波ビームの入射角を調整する角度調整機構を備える
    ことを特徴とする分光装置。
  9. 請求項8に記載の分光装置において、
    前記多層膜反射鏡を複数有し、
    前記角度調整機構は、夫々の前記多層膜反射鏡の反射面を平行に保ちつつ、夫々の前記多層膜反射鏡の角度を調整する
    ことを特徴とする分光装置。
  10. 請求項1または2に記載の多層膜反射鏡を用いて、高次高調波から所望の単一次数成分の光を取り出す高次高調波の分光方法であって、
    前記多層膜反射鏡に高次高調波を入射するステップと、
    前記多層膜反射鏡を回転させることにより、前記多層膜反射鏡に対する前記高次高調波ビームの入射角を調整するステップと、を含む
    ことを特徴とする高次高調波の分光方法。
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