JPWO2015105052A1 - 通音防水膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(通音性試験)
スピーカー、通音防水膜、マイクの順に並べ、スピーカーと通音防水膜の距離、通音防水膜とマイクの距離を共に10±1mmとし、通音防水膜の通音開口部直径を3.5mmとし、周波数1kHzにおける音圧が80dBとなるよう設定したスピーカーから各周波数のスイープ信号音を出力し、マイクによって検出される音圧を測定する。通音防水膜無しの場合と通音防水膜ありの場合との音圧の差を音響損失とする。
[3]前記合成樹脂の多孔質膜が、合成樹脂と極性有機溶剤を含む合成樹脂溶液を水中で凝固させてなる多孔質膜である、[1]または[2]に記載の通音防水膜。
[4]前記合成樹脂溶液が、合成樹脂と、全固形分に対して1〜75質量%の無機微粒子と、極性有機溶剤を含む、[3]に記載の通音防水膜。
[5]前記無機微粒子は表面が疎水化された無機微粒子である、[4]に記載の通音防水膜。
[7]10%モジュラスが0.3〜2.0N/25mm、且つ、100%モジュラスが0.5〜5.0N/25mmである、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の通音防水膜。
[8]伸度が100〜500%である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の通音防水膜。
[9]JIS L 1096ガーレ法に準拠した通気度が3〜500秒/100mLである、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の通音防水膜。
[11]上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の通音防水膜の製造方法であって、合成樹脂と極性有機溶剤を含む合成樹脂溶液を離型性基材に塗布し、塗布された合成樹脂溶液を水中に浸漬して凝固させる、通音防水膜の製造方法。
以下実施例で得られた通音防水膜の目付(G)[g/m2]および厚み(A)[μm]を測定した。次いで、通音防水膜と同じ原料を用いて目付(G)[g/m2]となる無孔質フィルム素材を別途作製し、厚み(B)[μm]を測定した。これらの測定結果を用いて、次式により通音防水膜多孔質フィルム素材の空隙率を算出した。
通音防水膜の空隙率(%)=100×(A−B)/A
走査型電子顕微鏡(商品名「S−3000N」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、300〜5000倍の垂直断面写真を撮影し、フィルム素材の状態を観察した。10μm以下の孔径を有する微細孔の個数は、1000〜5000倍の垂直断面写真を用いてカウントした。10μmを超える孔径を有する空孔の個数は、300〜1000倍の垂直断面写真を用いてカウントした。得られた像の任意の範囲について100個の孔径を測定して平均値を求め、平均孔径とした。
走査型電子顕微鏡(商品名「S−3000N」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、300〜5000倍の垂直断面写真を撮影し、フィルム素材の厚さを測定した。
JIS L 1092 B法(高水圧法)に従い測定をした。
JIS C 0920に従い測定をし、IPX5およびIPX7のそれぞれについて、保護等級を満たすものを「○」、満たさないものを「×」で表示した。
JIS L 1096に準拠して、幅25mmの試験片を、つかみ間隔50mm、引張速度150mm/minで伸張させることにより、10%、100%の各伸張時の応力値(荷重)、すなわち10%モジュラス値、100%モジュラス値をそれぞれ測定した。なお、測定には株式会社島津製作所製オートグラフAG−ISを使用した。100%伸張する前に破断したものは「破断」と表示した。
JIS L 1096に準拠して、幅25mmの試験片を、つかみ間隔50mm、引張速度150mm/minで伸張し、破断時の伸度を測定した。なお、測定には株式会社島津製作所製オートグラフAG−ISを使用した。
前記通音試験方法に従って測定をした。なお、通音防水膜を直径5mmに打ち抜き、外径5mm、内径3.5mmのリング状の両面テープを用いて筺体開口部を塞ぐように筺体外面に貼付して測定した。
JIS L 1096ガーレ法に従った。なお、測定は100mLの空気が透過する時間を測定し、(秒/100mL)の単位で記録した。通気性がないものは「−」で表示した。
まず、下記処方からなるポリウレタン樹脂溶液を作製した。
<処方1>
クリスボンMP880PS 100質量部
(DIC株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、固形分30質量%)
レザロイドLU2850M 25質量部
(大日精化工業株式会社製、シリカ微粒子分散液、固形分20質量%)
ダイラックブラックL1584 4質量部
(DIC株式会社製、黒顔料、固形分25質量%)
N,N−ジメチルホルムアミド 42質量部
得られる通音防水膜の厚さが30μmとなる塗工厚で塗付した以外は、実施例1と同様にして実施例2の通音防水膜を得た。
得られる通音防水膜の厚さが80μmとなる塗工厚で塗付した以外は、実施例1と同様にして実施例3の通音防水膜を得た。
下記<処方2>のポリウレタン樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4の通音防水膜を得た。
<処方2>
クリスボンMP880PS 100質量部
(DIC株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
レザロイドLU2850M 10質量部
(大日精化工業株式会社製、シリカ微粒子分散液)
ダイラックブラックL1584 4質量部
(DIC株式会社製、黒顔料)
N,N−ジメチルホルムアミド 44質量部
下記<処方3>のポリウレタン樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例5の通音防水膜を得た。
<処方3>
クリスボンMP880PS 100質量部
(DIC株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
レザロイドLU2850M 50質量部
(大日精化工業株式会社製、シリカ微粒子分散液)
ダイラックブラックL1584 4質量部
(DIC株式会社製、黒顔料)
N,N−ジメチルホルムアミド 33質量部
下記<処方4>のポリウレタン樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例6の通音防水膜を得た。
<処方4>
クリスボンMP120 100質量部
(DIC株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、固形分30質量%)
レザロイドLU2850M 25質量部
(大日精化工業株式会社製、シリカ微粒子分散液)
ダイラックブラックL1584 4質量部
(DIC株式会社製、黒顔料)
N,N−ジメチルホルムアミド 48質量部
下記<処方5>のポリウレタン樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例1の通音防水膜を得た。
<処方5>
レザミンCU4330 100質量部
(大日精化工業株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、固形分30質量%)
レザロイドLU2850M 25質量部
(大日精化工業株式会社製、シリカ微粒子分散液)
ダイラックブラックL1584 4質量部
(DIC株式会社製、黒顔料)
N,N−ジメチルホルムアミド 42質量部
下記<処方6>のポリウレタン樹脂溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例2の通音防水膜を得た。
<処方6>
レザミンCU4330 100質量部
(大日精化工業株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
レザロイドLU2850M 120質量部
(大日精化工業株式会社製、シリカ微粒子分散液)
ダイラックブラックL1584 4質量部
(DIC株式会社製、黒顔料)
N,N−ジメチルホルムアミド 10質量部
上記<処方1>のポリウレタン樹脂溶液を、ポリエステル製シリコーン剥離フィルム(藤森工業株式会社製、75E−0010DG−2AS)上に、ナイフオンロールコーターを用いて、得られるフィルム素材の厚さが30μmとなる塗工厚で塗付した。次いで、130℃で10分間熱処理して乾燥した。かくして、比較例3の無孔質膜を得た。
通音防水膜として、PTFE製多孔質フィルム(ゴアテックスジャパン製 透湿測定用補助フィルム 厚さ20μm)を使用した。
Claims (11)
- 合成樹脂の多孔質膜からなる通音防水膜であって、JIS L 1092 B法(高水圧法)による耐水圧が10〜400kPaであり、且つ、下記の通音性試験において、周波数1kHzの音響損失が10dB未満、周波数2kHzの音響損失が5dB未満で、周波数5kHzの音響損失が5dB未満である、通音防水膜。
(通音性試験)
スピーカー、通音防水膜、マイクの順に並べ、スピーカーと通音防水膜の距離、通音防水膜とマイクの距離を共に10±1mmとし、通音防水膜の通音開口部直径を3.5mmとし、周波数1kHzにおける音圧が80dBとなるよう設定したスピーカーから各周波数のスイープ信号音を出力し、マイクによって検出される音圧を測定する。通音防水膜無しの場合と通音防水膜ありの場合との音圧の差を音響損失とする。 - 前記合成樹脂がポリウレタン樹脂である、請求項1に記載の通音防水膜。
- 前記合成樹脂の多孔質膜が、合成樹脂と極性有機溶剤を含む合成樹脂溶液を水中で凝固させてなる多孔質膜である、請求項1または2に記載の通音防水膜。
- 前記合成樹脂溶液が、合成樹脂と、全固形分に対して1〜75質量%の無機微粒子と、極性有機溶剤を含む、請求項3に記載の通音防水膜。
- 前記無機微粒子は表面が疎水化された無機微粒子である、請求項4に記載の通音防水膜。
- JIS C 0920に定められた水の浸入に対する保護等級のIPX5、且つ、IPX7を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の通音防水膜。
- 10%モジュラスが0.3〜2.0N/25mm、且つ、100%モジュラスが0.5〜5.0N/25mmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の通音防水膜。
- 伸度が100〜500%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の通音防水膜。
- JIS L 1096ガーレ法に準拠した通気度が3〜500秒/100mLである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の通音防水膜。
- 受音部又は発音部のための開口を備えた筐体と、前記開口に取り付けられた請求項1〜9のいずれか1項に記載の通音防水膜と、を備える、電気製品。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の通音防水膜の製造方法であって、
合成樹脂と極性有機溶剤を含む合成樹脂溶液を離型性基材に塗布し、
塗布された合成樹脂溶液を水中に浸漬して凝固させる、
通音防水膜の製造方法。
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