JPWO2015093429A1 - 蛍光体、発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、紫外から近紫外線の波長領域で効率よく励起され青色発光するサイアロン(SiAlON)蛍光体、当該蛍光体の製造方法、及び当該蛍光体を用いた発光装置に関する。本発明の蛍光体は、一般式:MeaEubAlcSidOeNfで示され、組成比a、b、c、d、e及びfは、a+b=1、0.01<b<0.20、1.65<c<2.50、2.50<d<4.00、3.15<e<4.90、及び、2.80<f<4.30であり、MeはSrとBaのいずれか一方又は双方であり、近紫外又は紫色光で励起した場合に波長450〜485nmの範囲にピークを持つ青色を発光する蛍光体であって、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が90%以上であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が85%以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、紫外から近紫外線の波長領域で効率よく励起され青色発光するサイアロン(SiAlON)系蛍光体、当該蛍光体の製造方法、及び当該蛍光体を用いた発光装置に関する。
化学的安定性、耐熱性、耐久性に優れる蛍光体として、結晶構造が安定である窒化物や酸窒化物の蛍光体が注目されている。なかでも、窒化物、酸窒化物を代表するものとして、サイアロン蛍光体が広く用いられている。
特許文献1には、発光効率に優れたEu付活β型サイアロン蛍光体として、電子スピン共鳴スペクトルによる計測における25℃でのg=2.00±0.02の吸収に対応するスピン密度を2.0×1017個/g以下に制御することが提案されている。スピン密度を制御することにより、母体結晶自体による発光を伴わない光吸収が低減され、発光効率が改善するとされている。特に実施例に具体的に開示されている蛍光体の発光効率は39〜58%にまで改善されたことが示されている。
国際公開第2008/062781号パンフレット
しかし、発光光源からの励起光を効率よく吸収し発光することは、LED用途に限らず、全ての蛍光体用途に要求される特性である。このため、発光効率のさらなる改善が求められている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、サイアロン蛍光体の結晶構造及び光学特性について鋭意検討した結果、蛍光体を構成する元素の組成比を特定の範囲とし、なおかつ、波長700〜800nmでの平均拡散反射率、及び蛍光ピーク波長での拡散反射率を制御することにより、発光効率を著しく改善できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式:MeEuAlSiで示され、組成比a、b、c、d、e及びfは、
a+b=1、
0.01<b<0.20、
1.65<c<2.50、
2.50<d<4.00、
3.15<e<4.90、及び、
2.80<f<4.30であり、
MeはSrとBaのいずれか一方又は双方であり、近紫外又は紫色光で励起した場合に波長450〜485nmの範囲にピークを持つ青色を発光する蛍光体であって、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が90%以上であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が85%以上である蛍光体を提供することを目的とする。
また本発明は、当該蛍光体の製造方法であって、原料を混合する混合工程と、混合工程後の原料を焼成する焼成工程と、焼成工程後の焼成物をアニール処理するアニール工程とを有し、混合工程におけるSr及び/又はBaを供給する原料がこれらのアルミン酸塩である、蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上述の蛍光体と発光光源とを備える発光装置を提供することを目的とする。
本発明の蛍光体は、蛍光体の組成比及び拡散反射率を制御することにより、従前のサイアロン蛍光体よりも高い発光効率を実現することができる。また、本発明の蛍光体の製造方法によれば、上述のような発光特性に優れる蛍光体を再現性良く製造できる。さらに、本発明の発光装置は、上述のような高発光効率の蛍光体を用いることにより、輝度に優れた発光装置を実現できる。
実施例1〜2及び比較例1〜2に記載の蛍光体の励起波長450nm〜800nmにおける拡散反射率(%)を示すグラフである。
<蛍光体>
1.組成
本発明に係る蛍光体は、一般式:MeEuAlSiで表される。当該一般式は蛍光体の組成式を表しており、a〜fは元素の比である。本明細書中、特に記載しない限り、組成比a、b、c、d、e及びfは、a+b=1となるように算出した場合の数値を表す。言うまでもないが、a〜fに正の任意の数値を乗じた元素比も同じ組成式を与える。
a+b=1となるように算出した場合の組成比a、b、c、d、e及びfは、a+b=1、0.01<b<0.20、1.65<c<2.50、2.50<d<4.00、3.15<e<4.90、及び、2.80<f<4.30である。
組成比a〜fが当該範囲を逸脱すると、蛍光体の結晶構造が不安定化し、第二相の形成を助長し、拡散反射率の低下を引き起こす。その結果、母体結晶による非発光吸収が増大し、発光効率が低下してしまう。
なかでも、発光元素であるEuのイオン濃度を表すbは、0.01以下では発光元素イオンの原子数が少ないため十分な発光効率が得られず、0.20以上では第二相の形成が助長されたり、発光元素イオンの原子数が多くなりすぎて、隣接する発光イオン同士による励起エネルギーの再吸収効果である濃度消光と呼ばれる現象を生じる結果、発光強度が低下する場合がある。Euのイオン濃度を表すbは、より好ましくは0.015<b<0.15であり、さらに好ましくは、0.020<b<0.100の範囲である。
また、上記一般式におけるMeは、SrとBaのいずれか一方又は双方である。MeをSrとBaのいずれか一方又は双方としたのは、Me元素として、Baは結晶構造を維持したままSrに対して全ての比率で結晶構造中に固溶置換させることが可能であるためである。
2.拡散反射率
本発明の蛍光体は、上述の組成的特徴を満たすことのほかに、特定の波長領域における拡散反射率が所定の数値範囲にあることを特徴の一つとしている。すなわち、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が90%以上、より好ましくは94%以上であり、かつ、蛍光ピーク波長での拡散反射率が85%以上、より好ましくは87%以上である。
拡散反射率を上記範囲に制御することにより発光効率が著しく向上する理由としては、主に以下のことが考えられる。
すなわち、蛍光体の発光は発光中心となるEu2+イオンの電子遷移により生じることから、一般に、母体結晶による発光を伴わない吸収が少なく、光の透過性が高いほど発光効率は向上する。拡散反射率は蛍光体粉末内での光拡散過程における光の吸収により低下するため、拡散反射率が高いことは光の透過性が高いことを意味する。本発明のように一般式:MeEuAlSiで表される蛍光体は300〜500nmの範囲の光により励起されるので、波長700nmより大きい発光領域での拡散反射率は、蛍光体中のEu2+以外の吸収、つまり母体結晶による発光を伴わない吸収を示す。このため、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が高いほど、母体結晶による発光を伴わない吸収が少なく、光取り出し効率に優れると考えられる。
一方、波長700〜800nmでの拡散反射率とは別に、蛍光ピーク波長での拡散反射率も蛍光特性と密接な関係を示す。蛍光ピーク波長での拡散反射率は、結晶内のEu2+近傍に結晶欠陥が存在することにより低減する。そして、Eu2+周囲に結晶欠陥が存在すると、Eu2+の励起した電子がトラップされ発光が抑制されてしまう。このため、蛍光ピーク波長での拡散反射率が高いほど、発光が抑制されず、発光効率が優れると考えられる。
本発明の蛍光体は、波長700〜800nmでの平均拡散反射率、及び蛍光ピーク波長での拡散反射率の両方を上記所定範囲に制御したことにより、従来の蛍光体よりも発光効率が格段に優れている。
拡散反射率は、蛍光体における結晶欠陥、第二相、可視光を吸収する不純物の存在と密接に関係しており、これらを低減することによって上記範囲に制御できる。
なかでも、蛍光体に含まれる不純物である炭素の含有量を0.06wt%以下、より好ましくは0.04wt%以下に制御する。炭素含有量が0.06wt%を超えると、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が著しく低下し、母体結晶による非発光吸収が増大し、発光効率が低下する傾向がある。本発明の蛍光体に不純物として存在し得る炭素は、蛍光体の原料に含まれるものや、焼成の際に使用する容器等から混入するものが考えられる。
また、蛍光体を製造する際に、アニール処理や酸処理を行うことによっても結晶欠陥が低減されるため、拡散反射率を向上させることができる。
以上のように組成比及び拡散反射率を制御することにより、本発明の蛍光体は、波長300nm以上420nm以下の紫外から近紫外線の光によって励起され、波長450nm以上485nm以下の青色に発光ピーク波長を有し、高い発光効率、具体的には58%以上の発光効率を実現することができる。
<蛍光体の製造方法>
本発明の蛍光体の製造方法は、アルミン酸塩を含む原料を混合する混合工程と、混合工程後の原料を焼成する焼成工程と、焼成工程後にアニール処理するアニール工程とを含む。また、アニール工程後に、酸処理工程をさらに含むことが好ましい。
1.混合工程
混合工程に用いる原料として炭酸ストロンチウムなどの炭素を含む原料を使用すると、原料粉由来の炭素の一部が炭素又は炭化物として蛍光体に含まれることにより、波長700〜800nmにおける平均拡散反射率が低下してしまう傾向がある。このため、特に、Sr及び/又はBaを供給する原料をこれらのアルミン酸塩に限定することにより、蛍光体に含まれる不純物としての炭素の含有量を大幅に低減することができ、高い発光効率を実現することが可能である。
好ましい原料の組合せとして、アルミン酸ストロンチウム粉末及び/又はアルミン酸バリウム粉末と、窒化ケイ素粉末及び/又は酸化シリコン粉末と、酸化アルミニウム粉末及び/又は窒化アルミニウム粉末と、酸化ユーロピウム粉末とを用いることができる。これらの原料の配合割合は、組成比a〜fに基づいて適宜設計することができる。
原料を混合するには、乾式混合する方法や、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法がある。混合装置としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミルを用いることができる。また、必要に応じてフラックスを加えてもよい。フラックスとしては、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、Alのハロゲン化物などが使用可能である。
2.焼成工程
混合粉末を乾燥後、少なくとも混合粉末が接する面が窒化ホウ素からなる坩堝等の容器内に充填し、1気圧以上とした焼成炉内において、空気、アルゴン、又は窒素雰囲気中で、1450〜1750℃で焼成する。焼成温度が1450℃未満であると化合物同士が十分に反応せず、第二相の生成や結晶性の低下を生じ、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が低下する傾向がある。一方、焼成温度が1750℃より高いと、液相を介した反応により焼成物が完全に焼結体となり、これを粉末化する際に行う機械的粉砕等によって結晶性が低下する傾向がある。
焼成工程における最高温度での保持時間は、焼成温度によっても変わるが、通常は1〜20時間である。
3.アニール工程
アニール工程は、焼成炉を用い、焼成炉内を1気圧以上、1300℃以上1650℃以下で行うのが好ましい。アニール工程での雰囲気は、窒素、アルゴン及び水素のうちの一種もしくは二種以上の混合雰囲気を用いることができる。
4.酸処理工程
酸処理工程を行う場合、塩酸、硫酸、硝酸のうちの一種若しくは二種以上の混合溶液又はその混合溶液をイオン交換水で希釈した酸性溶液を用いることができる。酸処理工程を行うことにより、蛍光体の表面に残存した不純物を気化除去することができ、発光効率をさらに向上することができる。
<発光装置>
本発明の発光装置は、発光素子と本発明の蛍光体とを含む。かかる発光装置は、本発明の蛍光体の他に、本発明の蛍光体より長波長に発光ピーク波長を有する蛍光体1種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の蛍光体より長波長に発光ピーク波長を有する蛍光体とは、485nm以上の波長域に発光ピークを有する蛍光体であり、例えば、β−SiAlON:Eu、(Ba,Sr)SiO:Eu、Sr−SiAlON:Eu、α−SiAlON:Eu、(Li,Ca)(Al,Si)(N,O):Ce、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、SrAlSi:Eu、(Ca,Sr)AlSiN:Eu、LaS:Euがある。本発明の蛍光体と併用できる蛍光体は、特に限定されるものではなく、発光装置に要求される輝度や演色性等に応じて適宜選択できる。
発光素子は、好ましくは、340nm以上450nm以下の発光を有する無機発光素子又は有機発光素子である。発光素子は、レーザーダイオード素子やLED素子が好ましい。
発光装置は、液晶TV用バックライト、プロジェクタの光源装置、照明装置、交通信号機又は道路標識等とすることができる。
本発明を以下に示す実施例によってさらに詳しく説明する。表1は、各実施例及び比較例の蛍光体の組成比、拡散反射率、炭素含有量、発光効率を示したものである。
<実施例1>
1.蛍光体の製造
実施例1の蛍光体を、以下の混合工程、焼成工程、アニール工程を経て製造した。
<混合工程>
蛍光体の原料として、SrAl(アルミン酸ストロンチウム)、Si(窒化珪素)、Al(酸化アルミニウム)、及びEu(酸化ユーロピウム)の粉末を用いた。これらを表1記載の組成比になるように秤量し、V型混合機(筒井理化学器械社製S−3)を用いて混合し、混合粉末とした。
<焼成工程>
得られた混合粉末を、蓋付きの円筒型窒化ホウ素製容器(電気化学工業社製N−1グレード)に充填した。混合粉末を充填した窒化ホウ素製坩堝を、炭素繊維形成体を断熱材とした黒鉛ヒーター過熱方式を用いた電気炉にセットし、混合粉末を焼成した。焼成は、ロータリーポンプ及び拡散ポンプにより電気炉の過熱筺体内を真空として、室温から窒素ガスを1気圧まで充填し、室温から1650℃まで毎時500℃の速度で昇温し、1650℃で4時間保持した。焼成物を粉砕し、蛍光体を粉末状にした。
<アニール工程>
得られた焼成物に、窒素雰囲気中(大気圧)、1500℃、8時間のアニール処理を行って実施例1の蛍光体を得た。
2.組成比の分析
組成比a〜fは、得られた蛍光体を以下の方法で分析することにより求めた。すなわち、Me元素、Eu元素、Al及びSiの陽イオン元素についてはICP発光分光分析法により、O及びNの陰イオンについては酸素窒素分析計を用いて、炭素含有量に関してはC/S同時分析計(CS−444LS型)を用いて求めた。
3.拡散反射率の測定
700〜800nmでの平均拡散反射率、及び蛍光ピーク波長での拡散反射率は、日本分光社製紫外可視分光光度計(V−550)に積分球装置(ISV−469)を取り付けた装置で測定した。標準反射板(スペクトラロン)でベースライン補正を行い、蛍光体粉末試料を充填した固体試料ホルダーをセットし、450〜800nmの波長範囲で拡散反射率の測定を行った。
700〜800nmでの平均拡散反射率は、この測定結果のうちの700nmから800nmでの平均値である。蛍光ピーク波長での拡散反射率は、この測定結果のうちの蛍光ピーク波長(469nm付近)での測定結果である。
4.発光効率の測定
蛍光体の発光効率は以下の方法で測定した。大塚電子株式会社製MCPD−7000を用い、その試料部に反射率が99%の標準反射板(Labsphere社製、スペクトラロン)をセットし、波長405nmの励起光のスペクトルを測定した。その際、400〜415nmの波長範囲のスペクトルから励起光フォトン数(Qex)を算出した。次いで、試料部に蛍光体をセットし、得られたスペクトルデータから蛍光フォトン数(Qem)を算出した。蛍光フォトン数は、415〜800nmの範囲で算出した。得られたフォトン数から発光効率(=Qem/Qex×100)を求めた。
実施例1の蛍光体の組成はBa0.93Eu0.07Al1.83Si2.753.283.12であった。実施例1の蛍光体は、発光効率が60%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が95%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が87%であり、炭素含有量が0.04wt%であった。表1には記載しなかったが、その発光ピーク波長は469nm±8nmの範囲内であった。
<実施例2>
実施例2は、アニール工程後に得られた蛍光体を、イオン交換水にて硝酸を希釈した酸性溶液に30〜60分投入して酸処理工程を行ったこと以外は実施例1と同様に製造した。硝酸の希釈率は容量比で12%とした。
実施例2の蛍光体の組成は、Ba0.93Eu0.07Al1.89Si2.843.453.13であった。実施例2の蛍光体は発光効率が67%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が96%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が93%であり、炭素含有量は0.04wt%であった。表1には記載していないが、発光ピーク波長は469nm±8nmの範囲内であった。
<実施例3>
実施例3は、さらにBaAl(アルミン酸バリウム)を原料として配合したこと以外は実施例2と同様に製造した。実施例3の蛍光体の組成は、(Sr,Ba)0.93Eu0.07Al1.83Si2.683.383.12であり、Sr、Baの組成比がSr:Ba=1.00:1.24であった。
実施例3の蛍光体は、発光効率が62%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が94%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が87%であり、炭素含有量が0.02wt%であった。表1には記載しなかったが、その発光ピーク波長は469nm±8nmの範囲内であった。
<実施例4>
実施例4は、さらにBaAl(アルミン酸バリウム)を原料として配合したこと以外は実施例2と同様に製造した。実施例4の蛍光体の組成は、(Sr,Ba)0.93Eu0.07Al2.10Si3.843.954.22であり、Sr、Baの組成比がSr:Ba=1.00:1.19であった。
実施例4の蛍光体は、発光効率が62%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が94%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が88%であり、炭素含有量が0.02wt%であった。表1には記載しなかったが、その発光ピーク波長は469nm±8nmの範囲内であった。
<実施例5>
実施例5は、SrAl(アルミン酸ストロンチウム)の代わりにBaAl(アルミン酸バリウム)を用いたこと以外は実施例2と同様に製造した。実施例5の蛍光体の組成は、Ba0.96Eu0.04Al1.93Si2.993.553.09であった。
実施例5の蛍光体は、発光効率が59%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が95%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が93%であり、炭素含有量が0.03wt%であった。表1には記載しなかったが、その発光ピーク波長は469nm±8nmの範囲内であった。
<比較例1>
比較例1は、アニール処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に製造した。比較例1の蛍光体の組成は、Ba0.93Eu0.07Al1.85Si2.743.503.18であった。比較例1の蛍光体は、発光効率が49%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が94%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が79%であった。表1には記載しなかったが、比較例1の蛍光体の発光ピーク波長は469nm±8nmの範囲内であった。
<比較例2>
比較例2は、SrAl(アルミン酸ストロンチウム)の代わりに炭酸バリウムを用いたこと以外は実施例2と同様に製造した。比較例2の蛍光体の組成はBa0.93Eu0.07Al1.90Si3.053.753.23であった。比較例2の蛍光体は、発光効率が55%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が87%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が84%であり、炭素含有量が0.08wt%であった。
<比較例3>
比較例3は、SrAl(アルミン酸ストロンチウム)の代わりに炭酸バリウム及び炭酸ストロンチウムを用いたこと以外は、実施例2と同様に製造した。比較例3の蛍光体の組成は、(Sr,Ba)0.93Eu0.07Al1.91Si2.893.593.20であり、Sr、Baの組成比がSr:Ba=1.00:1.22であった。比較例3の蛍光体は、発光効率が54%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が86%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が84%であり、炭素含有量が0.10wt%であった。
<比較例4>
比較例4は、さらにBaAl(アルミン酸バリウム)を原料として配合したこと、及びSiの組成比dが本発明に規定する範囲に含まれないこと以外は、実施例2と同様に製造した。比較例4の蛍光体の組成は、(Sr,Ba)0.93Eu0.07Al1.68Si2.493.602.77であり、Sr、Baの組成比がSr:Ba=1.00:2.55であった。比較例4の蛍光体は、発光効率が48%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が83%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が79%であった。
<比較例5>
比較例5は、さらにBaAl(アルミン酸バリウム)を原料として配合したこと、及びEu、Al、Oの組成比b、c、eが本発明に規定する範囲に含まれないこと以外は、実施例2と同様に製造した。比較例5の蛍光体の組成は、(Sr,Ba)0.78Eu0.22Al2.52Si2.994.913.10であり、Sr、Baの組成比がSr:Ba=1.00:2.45であった。比較例5の蛍光体は、発光効率が43%であり、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が80%であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が77%であった。
図1に、実施例1、2及び比較例1、2の蛍光体の拡散反射スペクトルを示す。実施例2は、酸処理を行ったことにより、実施例1よりも拡散反射率が高いことを確認できる。比較例1は、アニール処理を行わなかったことにより、実施例1よりも拡散反射率が低くなり、特にピーク波長付近での拡散反射率が著しく低下したことが認められる。また、比較例2は、原料に炭酸塩を用いたことにより炭素含有量が高く、特に波長700〜800nmでの平均拡散反射率に著しい低下が認められる。
<実施例6>
封止材に混合した実施例1の蛍光体と、発光素子としての発光ダイオードとを用いて発光部材を製造した。この発光部材は、比較例1又は2の蛍光体を用いて同様に製造した発光部材に比べて、高い輝度を示した。
また、この発光部材を用いて発光装置を製造したところ、従来よりも高輝度を実現することができた。

Claims (5)

  1. 一般式:MeEuAlSiで示され、組成比a、b、c、d、e及びfは、
    a+b=1、
    0.01<b<0.20、
    1.65<c<2.50、
    2.50<d<4.00、
    3.15<e<4.90、及び、
    2.80<f<4.30であり、
    MeはSrとBaのいずれか一方又は双方であり、近紫外又は紫色光で励起した場合に波長450〜485nmの範囲にピークを持つ青色を発光する蛍光体であって、波長700〜800nmでの平均拡散反射率が90%以上であり、蛍光ピーク波長での拡散反射率が85%以上である蛍光体。
  2. 炭素含有量が0.06wt%以下である、請求項1に記載の蛍光体。
  3. 請求項1又は2に記載の蛍光体と、発光光源とを有する発光装置。
  4. 請求項1又は2に記載の蛍光体を製造する蛍光体の製造方法であって、原料を混合する混合工程と、混合工程後の原料を焼成する焼成工程と、焼成工程後の焼成物をアニール処理するアニール工程とを有し、混合工程におけるSr及び/又はBaを供給する原料がこれらのアルミン酸塩である、蛍光体の製造方法。
  5. アニール工程後にさらに酸処理工程を有する請求項4記載の蛍光体の製造方法。
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