JPWO2015045396A1 - 色素増感型太陽電池および太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感型太陽電池および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

光電極、電解質層および対向電極をこの順に有する色素増感型太陽電池において、前記光電極が、支持体と、前記支持体上に形成された、導電膜としてのカーボンナノチューブ層(1)とを有する一方、前記対向電極が、支持体と、前記支持体上に形成され、導電膜を兼ねることができる、触媒層としてのカーボンナノチューブ層(2)とを有し、前記カーボンナノチューブ層(1)、(2)にそれぞれ、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が0.60>3σ/Av>0.20の関係を満足するカーボンナノチューブを用いる。

Description

本発明は、耐久性に優れるとともに、量産化にも適した色素増感型太陽電池に関するものである。
また、本発明は、上記の色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなる太陽電池モジュールに関するものである。
近年、Si系の太陽電池等に代わる太陽電池として、色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池といった有機系太陽電池が注目されている。
なかでも、色素増感型太陽電池は、Si系の太陽電池等に比べて軽量化が期待でき、広い照度範囲で安定して発電できることや、大掛かりな設備を必要とすることなく、比較的安価な材料を用いて製造し得ることから、特に注目を集めている。
この色素増感型太陽電池は、通常、図1に示すような、光電極10、電解質層20および対向電極30がこの順に並んでなる構造を有する。そして、色素増感型太陽電池は、光電極10中の増感色素が光を受けて励起されると、増感色素の電子が取り出され、取り出された電子が、光電極10から出て、外部の回路40を通って対向電極30に移動し、さらに電解質層20に移動するという仕組みとなっている。
なお、図1中、符号10aが光電極基板、10bが多孔質半導体微粒子層、10cが増感色素層、10dおよび30aが支持体、10eおよび30cが導電膜、30bが触媒層である。
ここで、色素増感型太陽電池においては、光電極の多孔質半導体微粒子層10bにまで電解質が浸透することになるので、光電極の導電膜10eは、電解質と接触することとなる。光電極の導電膜10eには、通常、導電性や透明性に優れるインジウム−スズ酸化物(以下、ITOともいう)が用いられるが、ITOは十分な耐食性を有しているとは言えない。このため、ITOは、時間の経過とともに、電解質中に含まれる酸化還元対や電解質溶媒によって腐食され、これにより、電極としての機能、特に導電性が劣化し、ひいては色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率が低下するという耐久性の問題があった。
このような問題を解決するための技術として、例えば、特許文献1には、透明電極(光電極)において、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、ITOなどの第2金属酸化物からなる導電膜としての第2透明電極層との間に、第2金属酸化物よりも化学的耐久性の高い第1金属酸化物からなる第1透明電極層を設け、この第1透明電極層を第2透明電極層の保護層として活用することにより、電極の腐食を防止しようとする技術が開示されている。
特開2006−278299号公報
ここで、特許文献1の技術では、第1金属酸化物として比較的化学的耐久性に優れるフッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOともいう)などが用いられており、加熱処理を行うことにより、かような第1金属酸化物からなる第1透明電極層を形成している。しかしながら、第1透明電極層を形成する際の加熱処理を、ITOなどからなる第2透明電極層が形成された状態で行うと、第2透明電極層の酸化劣化が進行して、導電性の劣化を招くこととなる。
このため、太陽電池セルの製造に先立ち、まず電池基材とは異なる耐熱基板上に多孔質層、第1透明電極層をこの順に積層し、その上で、さらに第2透明電極層を積層した色素増感型太陽電池用積層体(以下、単に積層体という)を製造することで、ITOなどからなる第2透明電極層の酸化劣化を防止している。
しかしながら、この積層体を太陽電池セルに組み込む際には、積層体の第2透明電極層に電池基材を接合するとともに、この積層体から耐熱基板を剥離する工程が必要となる。このため、特許文献1の技術は、ロールツーロール方式での製造を行うことができないなど、製造性に劣り、量産化の点で問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するために開発されたものであって、耐久性に優れるのは言うまでもなく、量産化にも適した色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
さて、発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意検討を行った。
その結果、色素増感型太陽電池の光電極の導電膜として、所定の特性を有するカーボンナノチューブ(以下、CNTともいう)を含むカーボンナノチューブ層を適用したところ、導電性や透明性を低下させることなく、電極の腐食を防止でき、ひいては電池としての耐久性も向上できるとの知見を得た。
また、発明者は、光電極の導電膜として形成するカーボンナノチューブ層が、CNTを分散させた分散液を塗布・乾燥して形成でき、その塗布性は良好で、ロールツーロール方式での高速塗布・加工フィルムの製造も容易であるとの知見を得た。
そこで、発明者は、上記の知見に基づき、光電極の導電膜以外の部分に対するカーボンナノチューブ層の適用可能性について、さらに研究を進めた。
その結果、対向電極の導電膜や触媒層にもカーボンナノチューブ層を適用することができ、これにより、対向電極において十分な導電性や触媒活性が得られるのは言うまでもなく、耐久性や製造性が一層向上し、量産化を行う上でも非常に有利になるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.光電極、電解質層および対向電極をこの順に有する色素増感型太陽電池であって、
前記光電極が、支持体と、前記支持体上に形成された、導電膜としてのカーボンナノチューブ層(1)とを有する一方、前記対向電極が、支持体と、前記支持体上に形成され、導電膜を兼ねることができる、触媒層としてのカーボンナノチューブ層(2)とを有し、
前記カーボンナノチューブ層(1)、(2)をそれぞれ構成するカーボンナノチューブが、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が0.60>3σ/Av>0.20を満たすものである、色素増感型太陽電池。
2.前記対向電極が、前記支持体と、前記カーボンナノチューブ層(2)と、の間に、導電膜としてカーボンナノチューブ層(3)または複合金属酸化物層を有し、
前記カーボンナノチューブ層(3)を構成するカーボンナノチューブが、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が0.60>3σ/Av>0.20を満たすものである、前記1記載の色素増感型太陽電池。
3.前記対向電極の前記カーボンナノチューブ層(2)を構成するカーボンナノチューブが金属ナノ粒子を担持してなるものである前記1または2記載の色素増感型太陽電池。
4.前記1〜3いずれかに記載の色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなる太陽電池モジュール。
本発明によれば、耐久性に優れるとともに、量産化にも適した色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、量産化に伴い、上記の色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなる太陽電池モジュールを、安価に製造することが可能になる。
従来の色素増感型太陽電池の概略構成を示す図である。 本発明の一例となる色素増感型太陽電池の概略構成を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の色素増感型太陽電池は、例えば、図2に示すように、光電極10、電解質層20および対向電極30をこの順に有する。そして、光電極10は、光電極基板10aと、多孔質半導体微粒子層10bと、増感色素層10cとを有する。光電極基板10aは、支持体10dと、前記支持体10d上に形成された、導電膜としてのカーボンナノチューブ層(1)10fとを有する。また、対向電極30は、支持体30aと、前記支持体30a上に直接的または間接的に形成され、導電膜を兼ねることができる、触媒層としてのカーボンナノチューブ層(2)30dとを有する。
このように、本発明の色素増感型太陽電池では、光電極において、導電膜としてカーボンナノチューブ層(1)を、また対向電極において、導電膜を兼ねることができる、触媒層としてのカーボンナノチューブ層(2)を設けることで、腐食等を防止して、耐久性を高めている。
また、これらのカーボンナノチューブ層は、CNTを分散させたCNT分散液を塗布・乾燥することで形成でき、その塗布性は良好で、かつ加工性の精度も大幅に向上し、ロールツーロール方式での高速塗布・加工フィルムの製造も容易となる。このため、製造性が向上し、色素増感型太陽電池の量産化の点で非常に有利となる。
特に、対向電極の支持体上に直接カーボンナノチューブ層(2)を設け、これに導電膜と触媒層としての機能を兼備させる場合には、製造製が一層向上するので、色素増感型太陽電池の量産化の点でさらに有利になる。
ここに、カーボンナノチューブ層(1)、(2)の厚さは、特に限定されないが、導電性や透明性の観点からは、1nm〜0.1mmの範囲とすることが好ましい。また、カーボンナノチューブ層(1)、(2)中のCNTの含有量も、特に限定されないが、導電性や透明性の観点からは、1.0×10-6〜30mg/cm2の範囲とすることが好ましい。
なお、カーボンナノチューブ層(1)、(2)の形成に使用するCNT分散液の調製は常法に従えばよい。例えば、溶媒として水やアルコール等を用い、CNT、および必要に応じて結着剤、導電助剤、分散剤、界面活性剤等といったその他の成分を溶媒中で混合し、CNTを分散させることで、CNT分散液を得ることができる。ここに、CNT分散液中のCNTの含有量は0.001〜10質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.001〜5質量%の範囲である。
そして、本発明では、カーボンナノチューブ層(1)、(2)を構成するCNTとして、以下の特性を満足するCNTを用いることが重要である。
0.60>3σ/Av>0.20
カーボンナノチューブ層(1)、(2)を構成するCNTは、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が0.60>3σ/Av>0.20の関係を満足する必要がある。
というのは、上記の関係を満足させることで、カーボンナノチューブ層(1)、(2)において、透明性や導電性を低下させることなく、優れた耐久性が得られ、さらに対向電極のカーボンナノチューブ層(2)では、優れた触媒活性も得られ易くなるからである。好ましくは0.60>3σ/Av>0.25、より好ましくは0.60>3σ/Av>0.50である。
なお、「3σ」とは、CNTの直径の(標本)標準偏差(σ)に3を乗じた直径分布を指す。そして、「平均直径(Av)」および「直径の標準偏差(σ)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いてCNT100本の直径を測定して求めることができる(後述する平均長さも、同様の方法で長さの測定を行い、その平均値として求められる。)。また、CNTの「直径」とは、当該CNTの外径を意味する。さらに、本発明で使用するCNTとしては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
また、本発明では、上記の特性に加え、以下の特性を満足するCNTを用いることが好適である。
平均直径(Av):0.5〜15nm
CNTの平均直径(Av)は、0.5〜15nmの範囲とすることが好ましい。というのは、CNTの平均直径(Av)を上記の範囲とすることにより、カーボンナノチューブ層(1)、(2)において、透明性や導電性を低下させることなく、優れた耐久性が得られ、さらに対向電極のカーボンナノチューブ層(2)では、優れた触媒活性も得られ易くなるからである。より好ましくは1〜10nmの範囲である。
平均長さ:0.1μm〜1cm
CNTの平均長さは、0.1μm〜1cmの範囲とすることが好ましい。というのは、CNTの平均長さを上記の範囲とすることにより、カーボンナノチューブ層(1)、(2)において、透明性や導電性を低下させることなく、優れた耐久性が得られ、さらに対向電極側では、優れた触媒活性も得られ易くなるからである。より好ましくは0.1μm〜1mmの範囲である。
比表面積:100〜2500m2/g
CNTの比表面積は、100〜2500m2/gの範囲とすることが好ましい。というのは、CNTの比表面積を上記の範囲とすることにより、カーボンナノチューブ層(1)、(2)において、透明性や導電性を低下させることなく、優れた耐久性が得られ、さらに対向電極側では、優れた触媒活性も得られ易くなるからである。より好ましくは400〜1600m2/gの範囲である。
なお、CNTの比表面積は、窒素ガス吸着法により求めることができる。
質量密度:0.002〜0.2g/cm3
CNTの質量密度は、0.002〜0.2g/cm3の範囲とすることが好ましい。というのは、CNTの質量密度を上記の範囲とすることにより、カーボンナノチューブ層(1)、(2)において、透明性や導電性を低下させることなく、優れた耐久性が得られ、さらに対向電極側では、優れた触媒活性も得られ易くなるからである。なお、CNTの質量密度は、後述のCNTの製造方法により直接的に得られるCNT配向集合体として測定した値である。
また、CNTは、単層のものであっても、多層のものであってもよいが、触媒活性や導電性を向上させる観点から、単層から5層のものが好ましく、単層のものがより好ましい。
さらに、CNTは、表面にカルボキシル基等の官能基が導入されたものであってもよい。官能基の導入は、過酸化水素や硝酸等を用いる公知の酸化処理法により行うことができる。
加えて、CNTは、複数の微小孔を有することが好ましい。CNTは、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.4mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。CNTが上記のようなマイクロ孔を有することは、触媒活性や導電性を向上させる観点から好ましい。なお、マイクロ孔容積は、例えば、CNTの調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、 式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して容易に求めることができる。
なお、以上の特性を有するCNTは、例えば、表面にCNT製造用触媒層を有する基材(以下、「CNT製造用基材」ということがある。)上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤を存在させることで、CNT製造用触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガス(例えば、アセチレンを50質量%以上含むガス)を用いることにより、効率的に製造することができる。
以上、カーボンナノチューブ層(1)、(2)を構成するCNTの特性について説明したが、本発明では、対向電極において、支持体とカーボンナノチューブ層(2)との間に、導電膜としてカーボンナノチューブ層(3)または複合金属酸化物層を設けることができる。
この場合、対向電極における導電膜と触媒層の機能分離を図ることができ、触媒活性と導電性を一層向上させることができる。
例えば、支持体とカーボンナノチューブ層(2)との間に、カーボンナノチューブ層(3)を設ける場合、以下の特性となるCNTをそれぞれ用いることが好適である。これにより、カーボンナノチューブ層(2)では、触媒活性を高めることができる一方、カーボンナノチューブ層(3)では、導電性を高めることできる。なお、以下に示す特性以外については、前述したCNTの特性と同じにすればよい。
・カーボンナノチューブ層(2)(厚さ:1nm〜0.1μm)に用いるCNT
平均長さ:0.1μm〜1cm
比表面積:600〜1600m2/g
質量密度:0.002〜0.1g/cm3
・カーボンナノチューブ層(3)(厚さ:0.1〜100μm)に用いるCNT
平均長さ:0.1μm〜1cm
比表面積:400〜1200m2/g
質量密度:0.002〜0.1g/cm3
また、支持体とカーボンナノチューブ層(2)との間に複合金属酸化物層を設ける場合には、この複合金属酸化物層にインジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等が用いることができるが、なかでもインジウムスズ酸化物(ITO)を用いることが好ましい。
なお、複合金属酸化物層の厚さは0.01〜100μmとすることが好ましい。
さらに、対向電極の支持体とカーボンナノチューブ層(2)との間に、カーボンナノチューブ層(3)を設ける場合には、カーボンナノチューブ層(2)とカーボンナノチューブ層(3)の合計厚さを、前記した、カーボンナノチューブ層(2)とカーボンナノチューブ層(3)の各々の最低厚さの合計厚さから100μmの範囲とすることが好ましい。
というのは、カーボンナノチューブ層(2)とカーボンナノチューブ層(3)の合計厚さが100μmを超えると貼りあわせ時の精度が悪くなり、一方、下限値未満になると導電性に劣る傾向があるからである。より好ましくは上限値は10μmである。
加えて、対向電極のカーボンナノチューブ層(2)が導電膜を兼ねる触媒層として機能する場合、また触媒層のみとして機能する場合(別途導電膜としてカーボンナノチューブ層(3)または複合金属酸化物層を設ける場合)のいずれであっても、当該カーボンナノチューブ層(2)に金属ナノ粒子を担持させることができ、これにより、触媒効果の向上が期待できる。
ここに、この金属ナノ粒子としては、周期律表第6族〜第14族の金属のナノ粒子が挙げられる。
周期律表第6族〜第14族の金属としては、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Sn、Sb、W、Re、Ir、Pt、Au、Pb等が挙げられる。なかでも、汎用性の高い酸化還元触媒が得られることから、Fe、Co、Ni、Ag、W、Ru、Pt、Au、Pdが好ましい。
上記金属は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、触媒効果の向上の観点から、金属ナノ粒子の平均粒径は好ましくは0.5〜15nmであり、粒径の標準偏差は好ましくは1.5nm以下である。
さらに、金属ナノ粒子の担持量は特に限定されないが、カーボンナノチューブ100質量部あたり、1質量部以上が好ましい。金属ナノ粒子の担持量が1質量部以上であることで、より優れた触媒活性が得られる。金属ナノ粒子の担持量は多ければ多いほど触媒活性は高くなると考えられるが、CNTの担持能や経済性を考慮すれば、金属ナノ粒子の担持量の上限は、CNT100質量部あたり、通常、30,000質量部以下とすることが好ましい。
なお、金属ナノ粒子をCNTに担持させる方法は特に限定されず、例えば、CNTの存在下で、金属前駆体を還元して金属ナノ粒子を生成させる公知の方法を利用して、金属ナノ粒子をCNTに担持させることができる。
具体的には、水やアルコール、CNT、及び分散剤を含有する分散液を調製し、次いで金属前駆体を添加後、溶媒を留去し、さらに水素気流下に加熱して金属前駆体を還元することで、生成した金属ナノ粒子がCNTに担持されてなる金属ナノ粒子担持体を効率よく得ることができる。ここで、分散液に添加する金属前駆体の添加量は、特に限定されないが、金属ナノ粒子がCNTに担持されてなる金属ナノ粒子担持体を効率よく得る観点から、金属前駆体を添加した後の分散液中の含有量が、好ましくは1.0×10-10〜1.0×10-8質量%となるように添加するのが好適である。
さらに、導電性を向上させるため、光電極におけるカーボンナノチューブ層(1)や対向電極のカーボンナノチューブ層(3)に金属ナノ構造体を含有させてもよい。また、対向電極のカーボンナノチューブ層(2)が導電膜を兼ねる触媒層として機能する場合には、カーボンナノチューブ層(2)に金属ナノ構造体を含有させてもよい。
ここに、上記した金属ナノ構造体は、金属又は金属化合物からなる微小構造体であり、ここでは導電体として用いられる。
金属ナノ構造体を構成する金属や金属化合物としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、銅、銀、白金、金等の金属;酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物;アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の金属複合酸化物;等が挙げられる。
これらの中でも、優れた導電性および透明性が得られやすいことから、金、銀、銅または白金が好ましい。
また、金属ナノ構造体としては、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤ、金属ナノロッド、金属ナノシート等が挙げられる。
このうち、金属ナノ粒子は、ナノメートルスケールの平均粒子径を有する粒子状構造体である。金属ナノ粒子の平均粒子径(一次粒子の平均粒子径)は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmである。平均粒子径が上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
なお、金属ナノ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択された100個の金属ナノ粒子の粒子径を測定することで、算出することができる。また、以下に説明する他の金属ナノ構造体の大きさも、同様の方法により求めることができる。
金属ナノ粒子は、例えば、有機錯体を多価アルコールで還元することで金属ナノ粒子を合成するポリオール法、還元剤を含む逆ミセル溶液と、金属塩を含む逆ミセル溶液を混合することで金属ナノ粒子を合成する逆ミセル法等の公知の方法を用いて得ることができる。
また、金属ナノワイヤは、ナノメートルスケールの平均直径を有し、アスペクト比(長さ/直径)が、10以上の線状の構造体である。金属ナノワイヤの平均直径は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmである。また、金属ナノワイヤの平均長さは、特に限定されないが、好ましくは3μm以上である。
平均直径と平均長さが上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
金属ナノワイヤは、例えば、前駆体表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤを引き出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法(特開2004−223693号公報)や、金属複合化ペプチド脂質からなるナノファイバを還元する方法(特開2002−266007号公報)等の公知の方法を用いて得ることができる。
金属ナノロッドは、ナノメートルスケールの平均直径を有し、アスペクト比(長さ/直径)が、1以上10未満の円柱状構造体である。ナノロッドの平均直径は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmである。また、ナノロッドの平均長さは、特に限定されないが、好ましくは10〜3000nmである。
平均直径と平均長さが上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
金属ナノロッドは、例えば、電解法、化学還元法、光還元法等の公知の方法を用いて得ることができる。
金属ナノシートは、ナノメートルスケールの厚みを有するシート状構造体である。金属ナノシートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは1〜10nmである。また、金属ナノシートの大きさは、特に限定されないが、好ましくは一辺の長さが0.1〜10μmである。厚みや一辺の長さが上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
金属ナノシートは、層状化合物を剥離する方法、化学的気相成長法、水熱法等の公知の方法を用いて得ることができる。
これらの中でも、優れた導電性および透明性が得られやすいことから、金属ナノワイヤを用いることが好ましい。
なお、金属ナノ構造体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、各カーボンナノチューブ層中の金属ナノ構造体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.0001〜0.05mg/cm2の範囲である。
本発明の色素増感型太陽電池における上記した以外の構成については、従来公知のものを使用することができ、例えば、光電極および対向電極の支持体としては、透明樹脂基材やガラス基材が用いることができ、特に透明樹脂基材を用いることができる。
このような透明樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)等の合成樹脂が挙げられる。
また、光電極の多孔質半導体微粒子層10bに用いる半導体微粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物の粒子が挙げられる。なお、多孔質半導体微粒子層は、プレス法、水熱分解法、泳動電着法、バインダーフリーコーティング法等により、形成することができる。
さらに、多孔質半導体微粒子層の表面に吸着されてなる増感色素層10cに用いる増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、キサンテン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン色素、クマリン色素、リボフラビン色素、ペリレン色素等の有機色素;鉄、銅、ルテニウム等の金属のフタロシアニン錯体やポルフィリン錯体等の金属錯体色素;等が挙げられる。
なお、増感色素層は、例えば、増感色素の溶液中に多孔質半導体微粒子層を浸漬する方法や、増感色素の溶液を多孔質半導体微粒子層上に塗布する方法等により、形成することができる。
加えて、電解質層20は、通常、支持電解質、酸化還元対(酸化還元反応において可逆的に酸化体および還元体の形で相互に変換しうる一対の化学種)、溶媒等を含有しており、支持電解質としては、リチウムイオン、イミダゾリウムイオン、4級アンモニウムイオン等の陽イオンを含む塩が挙げられる。
また、酸化還元対としては、酸化された増感色素を還元し得るものであれば、よく、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、コバルトイオン(III)−コバルトイオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸等が挙げられる。
さらに、溶媒としては、太陽電池の電解質層の形成用溶媒であるアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド、炭酸プロピレン等が挙げられる。
なお、電解質層は、その構成成分を含有する溶液(電解液)を光電極上に塗布したり、光電極と対向電極を有するセルを作製し、その隙間に電解液を注入することで形成することができる。
次に、本発明の太陽電池モジュールについて説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、前述した色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなるものである。
そして、本発明の太陽電池モジュールは、例えば、本発明の色素増感型太陽電池を平面状または曲面上に配列し、各電池間に非導電性の隔壁を設けるとともに、各電池の光電極や対向電極を導電性の部材を用いて電気的に接続することで得ることができる。
なお、用いる色素増感型太陽電池の数は特に限定されず、目的の電圧に応じて適宜決定することができる。
(カーボンナノチューブの合成)
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によってCNT配向集合体を得た。
得られたCNT配向集合体は、BET比表面積が800m2/g、質量密度が0.03g/cm3、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のCNTの直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、(3σ/Av)が0.58であった。また、得られたCNT配向集合体は、主に単層CNTにより構成されていた。
実施例1
30mLガラス容器に、水5g、エタノール1gを入れ、さらに上記のようにして得たCNT配向集合体を0.0025g加えて混合し、バス型超音波洗浄機(BRANSON社製、5510J−MT(42kHz、180W)を用いて、2時間分散処理を行い、CNT分散液を得た。
このCNT分散液を塗布・乾燥することにより、光電極の透明基材(支持体)上に厚さ0.05μmのカーボンナノチューブ層(1)を、対向電極の透明基材(支持体)上に厚さ0.5μmのカーボンナノチューブ層(2)をそれぞれ形成し、色素増感型太陽電池を製造した。
なお、上記以外の構成については、従来の色素増感型太陽電池と同様とした。
実施例2
対向電極の透明基材(支持体)と、カーボンナノチューブ層(2)との間に、カーボンナノチューブ層(3)を形成した以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を製造した。
なお、カーボンナノチューブ層(3)の形成には、以下のCNTを用いたことを除き、実施例1と同様の条件で得られたCNT分散液を使用した。
・カーボンナノチューブ層(3)のCNT(主に単層CNT)
平均直径(Av):3.3nm
直径分布(3σ):1.9nm
BET比表面積:600m2/g、
質量密度:0.03g/cm3
また、カーボンナノチューブ層(2)とカーボンナノチューブ層(3)との合計厚さは1.1μm(カーボンナノチューブ層(2)の厚さ:0.1μm、カーボンナノチューブ層(3)の厚さ:1μm)であった。
実施例3
対向電極の透明基材(支持体)と、カーボンナノチューブ層(2)との間に、厚さ10μmのITOからなる複合金属酸化物層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を製造した。
実施例4
実施例1で調整したCNT分散液に、さらにジニトロジアンミン白金(II)[Pt(NH32(NO22]硝酸水溶液を化合物濃度が2mMになるように添加・混合し、80℃で溶媒を蒸発させ、250℃で水素ガスを用いて2時間還元処理を行い、白金粒子担持CNTを得た。この白金粒子担持CNTをエタノール中に分散させ、金属ナノ粒子含有CNT分散液を得た。
この金属ナノ粒子含有CNT分散液を用いて、対向電極の透明基材(支持体)上に、白金ナノ粒子を担持したCNTを有するカーボンナノチューブ層(2)を形成し、色素増感型太陽電池を製造した。なお、上記以外の構成については、実施例1と同様とした。
実施例5
実施例4で調製したCNT分散液を用いて、対向電極の透明基材(支持体)上に、白金ナノ粒子を担持したCNTを有するカーボンナノチューブ層(2)を形成した以外は、実施例2と同様にして、色素増感型太陽電池を製造した。
比較例1
実施例1で調整したCNT分散液を用いて、光電極の透明基材(支持体)上に、カーボンナノチューブ層を形成する一方、対向電極の触媒層に白金薄膜、対向電極の導電膜にインジウムスズ酸化物(ITO)を用いた色素増感型太陽電池を製造した。なお、上記以外の構成については、実施例1と同様とした。
従来例1
対向電極の触媒層に白金薄膜、光電極および対向電極の導電膜にインジウムスズ酸化物(ITO)を用いる従来型の色素増感型太陽電池を製造した。なお、上記以外の構成については、実施例1と同様とした。
上記のようにして得られた各色素増感型太陽電池について、以下のようにしてその性能と耐久性、製造性を評価した。
[性能評価]
光源として、150Wキセノンランプ光源にAM1.5Gフィルタを装着した擬似太陽光照射装置(PEC−L11型、ペクセル・テクノロジーズ社製)光源を用いた。光量は、1sun(AM1.5G、100mWcm-2(JIS C 8912のクラスA))に調整した。上記方法により得られた色素増感型太陽電池をソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続した。
電流電圧特性は、1sunの光照射下、バイアス電圧を、0Vから0.8Vまで0.01V単位で変化させながら出力電流を測定した。出力電流の測定は、各電圧ステップにおいて、電圧を変化後、0.05秒後から0.15秒後の値を積算することで行った。バイアス電圧を、逆方向に0.8Vから0Vまでステップさせる測定も行い、順方向と逆方向の測定の平均値を光電流とした。
上記の測定により、開放電圧(V)、曲線因子およびエネルギー変換効率(%)を算出した。
[耐久性の評価]
また、耐久性の評価として、上記した1sunの照射条件で10000時間の連続照射を行った後、上記と同様の方法で、各色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率を測定し、連続照射前後のエネルギー変換効率を比較することにより、その耐久性を評価した。
[製造性の評価]
また、製造性については、電池製造に要する時間につき、従来例1の電池製造に要した時間を100%として、以下のように4段階で評価した。
◎:50%未満の時間で製造可
○:50%以上75%未満の時間で製造可
△:75%以上100%未満の時間で製造可
×:100%以上の時間で製造可
Figure 2015045396
表1より、実施例1〜5では、色素増感型太陽電池として十分な性能が得られるとともに、10000時間の連続照射後でもエネルギー変換効率の低下はほとんど見られず、耐久性にも優れていた。また、実施例1と2は、製造性に特に優れていた。
一方、比較例1と従来例1では、10000時間の連続照射後のエネルギー変換効率が大幅に低下しており、十分な耐久性が得られなかった。また、製造性にも劣っていた。
10 光電極
10a 光電極基板
10b 多孔質半導体微粒子層
10c 増感色素層
10d 支持体
10e 導電膜
10f カーボンナノチューブ層(1)
20 電解質層
30 対向電極
30a 支持体
30b 触媒層
30c 導電膜
30d カーボンナノチューブ層(2)
40 外部の回路

Claims (4)

  1. 光電極、電解質層および対向電極をこの順に有する色素増感型太陽電池であって、
    前記光電極が、支持体と、前記支持体上に形成された、導電膜としてのカーボンナノチューブ層(1)とを有する一方、前記対向電極が、支持体と、前記支持体上に形成され、導電膜を兼ねることができる、触媒層としてのカーボンナノチューブ層(2)とを有し、
    前記カーボンナノチューブ層(1)、(2)をそれぞれ構成するカーボンナノチューブが、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が0.60>3σ/Av>0.20を満たすものである、色素増感型太陽電池。
  2. 前記対向電極が、前記支持体と、前記カーボンナノチューブ層(2)と、の間に、導電膜としてカーボンナノチューブ層(3)または複合金属酸化物層を有し、
    前記カーボンナノチューブ層(3)を構成するカーボンナノチューブが、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が0.60>3σ/Av>0.20を満たすものである、請求項1記載の色素増感型太陽電池。
  3. 前記対向電極の前記カーボンナノチューブ層(2)を構成するカーボンナノチューブが金属ナノ粒子を担持してなるものである請求項1または2記載の色素増感型太陽電池。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなる太陽電池モジュール。
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