JP2016004836A - 色素増感型太陽電池用導電性フィルム、色素増感型太陽電池用電極、色素増感型太陽電池および太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感型太陽電池用導電性フィルム、色素増感型太陽電池用電極、色素増感型太陽電池および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】導電膜とプラスチックフィルムとの密着性に優れ、かつ優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池用導電性フィルム、太陽電池用電極、太陽電池、および太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】酸化処理を施したプラスチックフィルム50a(60a)に導電膜10b(30b)を積層してなる色素増感型太陽電池用導電性フィルムであって、25℃の環境下で電解液中に浸漬して1か月維持しても該導電膜の剥離が生じないことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感型太陽電池用導電性フィルム、色素増感型太陽電池用電極、色素増感型太陽電池および太陽電池モジュールに関し、特に、導電膜とプラスチックフィルムとの密着性に優れ、かつ優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池用導電性フィルム、色素増感型太陽電池用電極、色素増感型太陽電池および太陽電池モジュールに関するものである。
近年、自然エネルギーを利用したエネルギーシステムとして、太陽電池に対する関心が益々高まっている。太陽電池は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する発電装置であり、発電時に二酸化炭素等の温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギーの1つとして実用化されている。
こうした太陽電池には様々な種類のものが存在するが、広い照度範囲で安定して発電できることや、大掛かりな設備を必要とすることなく、比較的安価な材料を用いて製造し得ることから、色素増感型太陽電池が最近特に注目を集めている。
図1は、色素増感型太陽電池の概略構成を示している。この図に示した色素増感型太陽電池100は、光電極10と、対向電極(触媒電極)30と、光電極10と対向電極30との間に位置する電解質層20とを備えている(例えば、特許文献1参照)。ここで、光電極10は、支持体10aと、支持体10a上に設けられた導電膜10bと、導電膜10b上に設けられた多孔質半導体微粒子層10cと、増感色素層10dとを有している。一方、対向電極30は、支持体30aと、支持体30a上に設けられた導電膜30bと、導電膜30b上に設けられた触媒層30cとを有する。光電極10の導電膜10bと対向電極30の導電膜30bとは外部の回路40を介して接続されている。
この色素増感型太陽電池100により光エネルギーの電気エネルギーへの変換は以下のように行われる。すなわち、太陽電池100が受光すると、光電極10中の増感色素が光を受けて励起され、増感色素の電子が光電極10から出て、外部の回路40を通って対向電極30に移動し、さらに電解質層20に移動する。こうして、太陽の光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
さて、上記した光電極10および対向電極30に使用される支持体10aおよび支持体30aとしては、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のプラスチックフィルムが汎用されている。こうした支持体10aおよび支持体30aとしてのプラスチックフィルムの表面は、支持体10aと導電膜10bとの、および支持体30aと導電膜30bとの、良好な密着性を確保するために、通常、アクリル樹脂により表面処理が施され、樹脂からなる易接着層が設けられており、導電膜10bおよび導電膜30bはアクリル樹脂層10eおよびアクリル樹脂層30dを介して支持体10aおよび支持体30a上に積層されるのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−16435号公報 特開2005−251506号公報
しかしながら、上述のような色素増感型太陽電池100において、光電極10あるいは対向電極30に電解質層20中の電解液が接触すると、導電膜を通してプラスチックフィルム表面の易接着層の樹脂に達し、当該樹脂が溶解して導電膜10bや導電膜30bが剥がれる問題がある。また、太陽電池により長期間に亘って発電を行うためには、導電膜が高い耐久性を有することも肝要となる。
そこで、本発明の目的は、導電膜とプラスチックフィルムとの密着性に優れ、かつ優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池用導電性フィルム、太陽電池用電極、太陽電池、および太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する方途を鋭意検討する中で、導電膜とプラスチックフィルムとの優れた密着性を実現するために、樹脂によりプラスチックフィルムを表面処理して易接着層の形成を行う限り、上記した電解液による易接着層の樹脂の溶解を防止するのは困難であるとの結論に達した。そこで、本発明者らは、易接着層の樹脂を使用せずにプラスチックフィルムと導電膜との優れた密着性を実現する方途について様々な方法を検討したところ、表面を酸化処理したプラスチックフィルムに導電膜を積層すると、電解質中に1か月放置しても導電膜の剥離が起こらないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)酸化処理を施したプラスチックフィルムに導電膜を積層してなり、かつ25℃の環境下で電解液中に浸漬して1か月維持しても該導電膜の剥離が生じない、色素増感型太陽電池用導電性フィルム。
(2)前記プラスチックフィルムのガラス転移点の温度が60℃以上である、前記(1)記載の導電性フィルム。
(3)前記導電膜が酸化インジウムスズ(ITO)または炭素ナノ構造体からなる、前記(2)記載の導電性フィルム。
(4)前記炭素ナノ構造体がカーボンナノチューブである、前記(3)記載の導電性フィルム。
(5)前記酸化処理がプラズマ処理、コロナ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群から選ばれる少なくとも1種の処理である、前記(1)〜(4)いずれか記載の導電性フィルム。
(6)前記プラスチックフィルムの可視光領域での光透過率が80%以上である、前記(1)〜(5)いずれか記載の導電性フィルム。
(7)前記(1)〜(6)いずれかに記載の導電性フィルムを用いてなる、色素増感型太陽電池用電極。
(8)前記(7)に記載の色素増感型太陽電池用電極を備える、色素増感型太陽電池。
(9)前記(8)に記載の色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなる、太陽電池モジュール。
本発明によれば、導電膜とプラスチックフィルムとの密着性に優れ、かつ優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池用導電性フィルムを得ることができる。
色素増感型太陽電池の概略構成を示す図である。 本発明に係る色素増感型太陽電池の概略構成を示す図である。
(色素増感型太陽電池用導電性フィルム)
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムは、従来のように、支持体であるプラスチックフィルムの表面を、易接着層を形成する樹脂で処理する代わりに酸化処理を施し、導電膜を、前記樹脂を介することなく酸化処理を施したプラスチックフィルム上に積層する点に特徴を有している。これにより、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムは、導電膜とプラスチックフィルムとの密着性に優れたものとなる。具体的に、この導電性フィルムは、25℃の環境下で電解液中に浸漬して1か月維持しても、プラスチックフィルムから導電膜の剥離が生じないという、優れた耐久性を有しており、本発明の色素増感型太陽電池用導電性フィルムを用いてなる色素増感型太陽電池によれば、長期間に亘って安定的に発電を行うことが可能となる。以下、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムの構成について具体的に説明する。
<基材>
本発明においては、導電膜を支持する支持体として、プラスチックフィルムを使用する。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどよりなるフィルムを挙げることができる。
ここで、プラスチックフィルムのガラス転移点の温度は、耐熱性の点から60℃以上であることが好ましい。この要件を満足するプラスチックフィルムの材料としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびシクロオレフィン樹脂等を挙げることができる。
また、プラスチックフィルムの可視光領域での光透過率は、より多くの太陽光を太陽電池内に取り込む点から、80%以上であることが好ましい。ここで、可視光領域とは、光の波長が360〜830nmまでの波長領域を意味している。この要件を満足するプラスチックフィルムの材料としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびシクロオレフィン樹脂等を挙げることができる。
[酸化処理]
上述のように、本発明においては、酸化処理を施したプラスチックフィルム上に導電膜を積層する。このプラスチックフィルムの酸化処理は、プラズマ処理、コロナ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群から選ばれる少なくとも1種の処理により行うことができる。これらの処理により、支持体であるプラスチックフィルムの表面を改質して、プラスチックフィルムと、このプラスチックフィルム上に積層される導電膜との優れた密着性を実現することができる。また、酸化処理を施したプラスチックフィルムの水に対する接触角が60度以下であることが好ましい。以下、上記した4つの処理について具体的に説明する。
[[プラズマ処理]]
まず、プラスチックフィルムのプラズマ処理は、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素、二酸化窒素、酸素、または空気等を含む容器内にプラスチックフィルムを配置し、グロー放電により生ずるプラズマにプラスチックフィルムを曝すことにより行なうことができる。なお、プラズマ発生の放電形式としては、(1)直流放電および低周波放電、(2)ラジオ波放電、(3)マイクロ波放電などを用いることができる。
プラズマ処理は以下の条件の下で行う。まず、処理強度は、プラズマ照射面の単位面積当たりのエネルギー出力を0.05W/cm2以上とする。0.05W/cm2未満では、プラスチックフィルムと導電膜との密着性が不充分になる傾向ある。また、ガス圧力は通常、5〜150Paとする。さらに、処理時間は通常、1〜300分間とする。
[[コロナ処理]]
次いで、コロナ処理について説明する。プラスチックフィルムのコロナ処理は、電極と誘電体との間にプラスチックフィルムを挿入し、電極と誘電体との間に高周波高電圧を印加してコロナ放電を発生させることにより行うことができる。これにより、プラスチックフィルムの表面を改質することができる。
ここで、コロナ放電の出力は、50W/m以上800W/m以下とする。50W/m未満では、プラスチックフィルムと導電膜との密着性が不充分になる傾向ある。一方、800W/mを超えると、密着性に影響がなくなるためである。コロナ放電の出力は、好ましくは100W/m以上500W/m以下である。
[[UV処理]]
続いて、UV処理について説明する。プラスチックフィルムのUV処理では、プラスチックフィルムに紫外線(UV)を照射してプラスチックフィルムの表面を改質する。具体的には、プラスチックフィルムのUV処理では、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、カーボンアークランプ、紫外線レーザー発生装置等の紫外線光源から放射された紫外線を空気中でプラスチックフィルムに照射する。なお、紫外線の照射前に紫外線吸収剤でプラスチックフィルムの表面を処理してもよい。
ここで、プラスチックフィルムに照射する紫外線の波長は、100nm以上500nm以下とする。また、紫外線照射の照射時間は、10秒以上2時間以下とする。10秒未満では、プラスチックフィルムと導電膜との密着性が不充分になる傾向ある。紫外線照射の照射時間は、好ましくは30秒以上1時間以下である。
[[オゾン処理]]
次に、オゾン処理について説明する。プラスチックフィルムのオゾン処理では、プラスチックフィルムとオゾン分子とを接触させることにより、プラスチックフィルムの表面を改質する。具体的には、プラスチックフィルムのオゾン処理は、プラスチックフィルムをオゾンに曝露することによって行われる。曝露方法は、オゾンが存在する雰囲気にプラスチックフィルムを所定時間保持する方法、プラスチックフィルムにオゾン気流を所定時間接触させる方法など、適宜の方法で行うことができる。
ここで、プラスチックフィルムに接触させるオゾンは、空気、酸素ガス、または酸素添加空気等の酸素含有気体をオゾン発生装置に供給することによって発生させることができる。得られたオゾン含有気体を、プラスチックフィルムを保持してある容器、処理槽等に導入して、オゾン処理を行う。
オゾン処理は、例えば、酸素または空気をオゾン発生装置に供給し、濃度1〜200mg/Lのオゾン含有気体を発生させ、かかるオゾン含有気体を、温度0〜80℃の環境下で、流量20〜2000mL/分にて、1分間〜24時間、プラスチックフィルムに供給することにより行うことができる。
以上の処理方法のうち、処理操作の容易性の観点から、プラズマ処理、コロナ処理およびUV処理からなる群から選ばれる少なくとも1種によりプラスチックフィルムを酸化処理することが好ましい。
<導電膜>
導電膜10bの材料は、特に限定されることなく、インジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の酸化物、PEDOT〔ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)〕/PSS(ポリスチレンスルホン酸)などの、ポリチオフェン類やポリアニリン類などの導電性高分子、あるいは天然黒鉛、活性炭、人造黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)などの導電性を有する炭素ナノ構造体を用いることができる。中でも、電解液で腐食されず、耐久性に優れた導電膜が得られることから、前記材料としては、ITOやCNTが好ましい。導電膜は、上記のような材料を用い、公知の方法に従って、酸化処理を施したプラスチックフィルム上に形成することができる。前記導電性高分子の例としては後述のものを含む。
CNTからなる導電膜中のCNTの含有量としては、特に限定されないが、優れた導電性を得る観点から、1.0×10-6〜30mg/cm2の範囲とするのが好ましい。また、CNTからなる導電膜中には、金属ナノ粒子や金属ナノワイヤなどの金属ナノ構造体が含まれていてもよい。
CNTからなる導電膜は、例えば、CNT分散液を調製し、それを所要のプラスチックフィルム上に塗布して乾燥することにより製造することができる。CNT分散液の調製は常法に従えばよく、例えば、溶媒として水やアルコール等を用い、CNT、および所望により、結着剤、導電助剤、分散剤、界面活性剤等といったその他の成分を溶媒中で混合し、CNTを分散させることで、CNT分散液を得ることができる。ここに、CNT分散液中のCNTの含有量は0.001〜10質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.001〜5質量%の範囲である。
前記CNTとしては、特に限定されるものではないが、導電性に優れた導電膜が得られることから、以下の特性を有するCNT(A)を用いるのが好ましい。
具体的には、CNT(A)は、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満であることが好ましく、3σ/Avが0.25超であることがより好ましく、3σ/Avが0.50超であることが更に好ましい。
なお、「カーボンナノチューブの平均直径(Av)」および「カーボンナノチューブの直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径(外径)を測定して求めることができる。そして、CNTの平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
CNT(A)としては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
CNT(A)は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNT(A)は、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。
更に、CNT(A)の平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。
CNT(A)は、合成時における平均長さが100μm以上5000μm以下であることが好ましい。
また、CNT(A)のBET比表面積は、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2500m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることが更に好ましい。更に、CNT(A)が主として開口したものにあっては、BET比表面積が1300m2/g以上であることが好ましい。
なお、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
CNT(A)は、後述のスーパーグロース法によれば、カーボンナノチューブ成長用の触媒層を表面に有する基材上に、基材に略垂直な方向に配向した集合体(CNT配向集合体)として得られるが、当該集合体としての、CNTの質量密度は、0.002g/cm3以上0.2g/cm3以下であることが好ましい。
更に、CNT(A)は、複数の微小孔を有することが好ましい。CNT(A)は、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.40mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。上記のようなマイクロ孔を有することで、CNTの凝集が抑制され、CNTの分散性が高まり、CNTが高度に分散した導電膜を非常に効率的に得ることができる。なお、マイクロ孔容積は、例えば、CNTの調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して求めることができる。
上記特性を有するCNT(A)は、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガス(例えば、アセチレンを50体積%以上含むガス)を用いることにより、効率的に製造することができる。以下、スーパーグロース法により製造されたCNTをSGCNTという場合がある。
(色素増感型太陽電池用電極)
次に、本発明に係る色素増感型太陽電池用電極について説明する。上述のように、太陽電池用電極には、光電極と対向電極が存在するが、本発明に係る色素増感型太陽電池用電極である色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池用対向電極は、上記した本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムを用いることを特徴とするものであり、すなわち、導電膜を支持する支持体として、上述の酸化処理を施したプラスチックフィルムを用いることを特徴とするものである。これ以外の構成は、従来公知のものを使用して形成することができる。以下、本発明に係る色素増感型太陽電池用電極における導電性フィルム以外の構成について説明する。
<色素増感型太陽電池用光電極>
本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルム上に形成する光電極の多孔質半導体微粒子層は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物の粒子(半導体微粒子)を用いて形成することができる。なお、多孔質半導体微粒子層は、プレス法、水熱分解法、泳動電着法、バインダーフリーコーティング法等により、形成することができる。
さらに、多孔質半導体微粒子層の半導体微粒子の表面に吸着して増感色素層を形成する増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、キサンテン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン色素、クマリン色素、リボフラビン色素、ペリレン色素等の有機色素;鉄、銅、ルテニウム等の金属のフタロシアニン錯体やポルフィリン錯体等の金属錯体色素;等が挙げられる。
なお、増感色素層は、例えば、増感色素の溶液中に多孔質半導体微粒子層を浸漬する方法や、増感色素の溶液を多孔質半導体微粒子層上に塗布する方法等により、形成することができる。
<色素増感型太陽電池用対向電極>
本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルム上に形成する対向電極の触媒層は、触媒作用を有する、導電性高分子、炭素ナノ構造体、貴金属粒子、または炭素ナノ構造体と貴金属粒子の両方を含むことが好ましい。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリ(チオフェン−2,5−ジイル)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、ポリ(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4−ジオキシン)(PEDOT)等のポリチオフェン;ポリアセチレンおよびその誘導体;ポリアニリンおよびその誘導体;ポリピロールおよびその誘導体;ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウムクロライド)、ポリ[(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ))−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(3’,7’−ジメチルオクチロキシ)−1,4−フェニレンビニレン)]、ポリ[2−2’,5’−ビス(2’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]−1,4−フェニレンビニレン]等のポリフェニレンビニレン類;等を挙げることができる。中でも、ポリ(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4−ジオキシン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)が好ましい。なお、ポリ(スチレンスルホネート)(PSS)は、PEDOTに対しドーパントとして機能する。
前記炭素ナノ構造体としては、天然黒鉛、活性炭、人造黒鉛、グラフェン、CNTなどを挙げることができる。中でもCNTが好ましく、前記SGCNTがより好ましい。
前記貴金属粒子としては、触媒作用のあるものであれば特に限定されるものではないが、比較的高い触媒作用を有する金属白金、金属パラジウム及び金属ルテニウムの少なくとも一種類から構成することが好ましい。
触媒層の形成は、例えば、前記した導電性高分子、炭素ナノ構造体、貴金属粒子、または炭素ナノ構造体と貴金属粒子の両方を適当な溶媒に溶解または分散させて得られる混合液を、本発明の色素増感型太陽電池用導電性フィルム上に塗布または噴霧し、該混合液の溶媒を乾燥させることにより行うことができる。炭素ナノ構造体や貴金属粒子を用いる場合、混合液に更にバインダーを含有させてもよく、バインダーとしては前記導電性高分子を用いるのが好ましい。また、触媒層の形成は、前記貴金属粒子を蒸着法またはスパッタ法で本発明の色素増感型太陽電池用導電性フィルム上に形成することにより行うこともできる。触媒層をCNTで形成する場合、触媒層は、本発明の色素増感型太陽電池用導電性フィルム上に、前記混合液として前記<導電膜>の項に記載したCNT分散液を塗布または噴霧し、乾燥させることで好適に形成することができるが、本発明の色素増感型太陽電池用導電性フィルムをそのまま本発明の色素増感型太陽電池用対向電極として用いることもできる。
(色素増感型太陽電池)
続いて、本発明に係る色素増感型太陽電池について説明する。図2は、本発明に係る色素増感型太陽電池を示している。なお、図1に示した構成と同じ構成には同じ符号が付されている。図2に示した本発明の色素増感型太陽電池1は、光電極50と、電解質層20と、対向電極60とを備えており、電解質層20は、光電極50と対向電極60との間に位置している。また、光電極50は、支持体50aと、支持体50a上に設けられた導電層10bと、半導体微粒子よりなる多孔質半導体微粒子層10cと、多孔質半導体微粒子層10cの半導体微粒子の表面に吸着した増感色素よりなる増感色素層10dとを備えており、多孔質半導体微粒子層10cおよび増感色素層10dは導電層10b上に形成されている。また、対向電極60は、支持体60aと、支持体60a上に設けられた導電層30bと、導電層30b上に設けられた触媒層30cとを備えている。更に、光電極50の導電層10bと、対向電極60の導電層30bとは外部の回路40を介して接続されている。
ここで、本発明の色素増感型太陽電池1は、光電極50および対向電極60として、上記した本発明に係る色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池用対向電極を用いたことに特徴を有しており、導電膜とプラスチックフィルムとの密着性に優れ、かつ耐久性が優れている。
電解質層20は、通常、支持電解質、酸化還元対(酸化還元反応において可逆的に酸化体および還元体の形で相互に変換しうる一対の化学種)、溶媒等を含有している。
ここで、支持電解質としては、リチウムイオン、イミダゾリウムイオン、4級アンモニウムイオン等の陽イオンを含む塩が挙げられる。
また、酸化還元対としては、酸化された増感色素を還元し得るものであればよく、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、コバルトイオン(III)−コバルトイオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸等が挙げられる。
さらに、溶媒としては、太陽電池の電解質層の形成用溶媒であるアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド、炭酸プロピレン、γ‐ブチロラクトン等が挙げられる。
なお、電解質層20は、その構成成分を含有する溶液(電解液)を光電極50上に塗布したり、光電極50と対向電極60とを有するセルを作製し、その隙間に電解液を注入したりすることで形成することができる。
(太陽電池モジュール)
本発明に係る太陽電池モジュールは、前述した色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなるものである。
ここで、本発明の太陽電池モジュールは、例えば、本発明に係る色素増感型太陽電池を平面状または曲面上に配列し、各電池間に非導電性の隔壁を設けるとともに、各電池の光電極や対向電極を導電性の部材を用いて電気的に接続することで得ることができる。
そして、本発明に係る太陽電池モジュールは、本発明に係る色素増感型太陽電池を用いているので、光電変換効率に優れている。
なお、太陽電池モジュールの形成に使用する色素増感型太陽電池の数は特に限定されず、目的の電圧に応じて適宜決定することができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において作製した色素増感型太陽電池用導電性フィルムにおけるプラスチックフィルムと導電膜との密着性、および導電膜の耐久性は、以下の方法を使用して評価した。
<シート抵抗測定>
低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)−GP MCP−T610」)を使用し、JIS K7194に準拠した方法で以下のように測定した。すなわち、四端子法を用いて、温度25℃、湿度20%RHの環境で、導電性フィルムの、基材上に形成された導電膜の表面抵抗率(シート抵抗)を測定した。
<テープ剥離試験>
導電性フィルムにおけるプラスチックフィルムと導電膜との密着性は、導電性フィルムに2cm幅のポリイミドテープを張り付け、手で引き剥がして導電膜の剥離の有無を確認して評価した。なお、剥離性の評価基準は以下の通りである。
導電膜がテープに付着する場合:○
導電膜がテープに付着しない場合:×
<電解質耐久性試験>
導電膜の耐久性は、ヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.1mol/L、t−ブチルピリジン0.5mol/L、および1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6mol/Lとなるように、これらをメトキシアセトニトリルに溶解して得た電解液に、25℃の環境下で導電性フィルムを1か月浸漬して維持した後、プラスチックフィルムからの導電膜の剥離の有無を目視により確認して評価した。なお、導電膜の耐久性の評価基準は以下の通りである。
導電膜が剥離しない場合:○
導電膜が剥離した場合:×
(実施例1)
<プラスチックフィルムの酸化処理>
まず、A4サイズのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(フィルム厚み125μm、帝人・デュポン社製)を用意し、このフィルムをUV・オゾン洗浄装置(テクノビジョン製UV−312)に導入した。そして、照射距離10mm、処理時間5分の条件下でフィルムに対して酸化処理を施した。
<カーボンナノチューブの合成>
導電膜をカーボンナノチューブで形成するために、国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によってSGCNTを得た。
得られたSGCNTは、窒素吸着によるBET比表面積が804m2/g、水蒸気吸着によるBET比表面積が2.4m2/g、質量密度が0.03g/cm3、マイクロ孔容積が0.44mL/gであった。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNTの直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)が1.9nm、(3σ/Av)が0.58、平均長さが500μmであった。また、得られたSGCNTは、主に単層CNTにより構成されていた。
<色素増感型太陽電池用導電性フィルムの作製>
容量30mLのサンプル瓶に、SGCNTを0.015gと、分散剤としてスチレンスルホン酸ナトリウム/マレイン酸ジナトリウムの共重合体(モノマーのモル比1/1、平均重合度2万)を0.030gと、を量りとり、イオン交換水8g、エタノール2gを加えた後、硝酸を用いてpHを2.5に調整した。これをバス型超音波分散機で2時間処理することで、CNT分散液を得た。
次いで、CNT分散液を、バーコーター(テスター産業社製、SA−203)を用いて#4のワイヤーバーで上記の酸化処理したプラスチックフィルム上に塗布し、塗膜を乾燥することで、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルム(シート抵抗1000Ω/□)を得た。当該フィルムに形成された導電膜の厚さは50nmで、CNT含有量は5.0×10-2mg/cm2であった。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様に、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、ポリエチレンナフタレートフィルムの酸化処理をプラズマ処理により行った。具体的なプラズマ処理の条件は以下の通りである。すなわち、プラズマ処理装置(魁半導体社製、製品名「YHS−G」)を用いたプラズマ処理(電力:100W(単位面積当たりのエネルギー出力:1.28W/cm2)、窒素ガス圧力:50Pa)を1分間行った。その他の条件は実施例1と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様に、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、ポリエチレンナフタレートフィルムの酸化処理をコロナ処理により行った。具体的には、コロナ処理は、コロナ処理装置(春日電気社製、製品名「絶縁性基材用処理ステーション」)を用い、出力:200W/m2sで行った。その他の条件は実施例1と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様に、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、インジウム−スズ酸化物(ITO)を用いてスパッタ処理により導電膜を形成した。得られた導電膜のシート抵抗は15Ω/□であった。その他の条件は実施例1と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様に、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、支持体として、ポリエチレンナフタレートフィルムに代えてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(フィルム厚み125μm、東レ社製)を用いた。その他の条件は実施例1と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様に、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、支持体として、ポリエチレンナフタレートフィルムに代えてシクロオレフィンポリマー(COP)からなるゼオノア(登録商標)フィルム(フィルム厚み200μm、日本ゼオン社製)を用いた。その他の条件は実施例1と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例3と同様に、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、CNT分散液を、バーコーター(テスター産業社製、SA−203)を用いて#44のワイヤーバーで上記の酸化処理したプラスチックフィルム上に塗布し、塗膜を乾燥することで、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルム(シート抵抗100Ω/□)を得た。当該フィルムに形成された導電膜の厚さは500nmで、CNT含有量は5.0×10-1mg/cm2であった。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様に、色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、支持体として、表面に酸化処理や表面コートがされていないA4サイズのポリエチレンナフタレートフィルム(フィルム厚み200μm)を用いた。その他の条件は実施例1と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1と同様に、色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、表面に酸化処理や表面コートがされていないA4サイズのポリエチレンナフタレートフィルム(フィルム厚み200μm)に50nmの厚みのポリエステル樹脂を塗布し、乾燥した後に導電膜を形成した。その他の条件は実施例1と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例2と同様に、色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、ポリエチレンナフタレートフィルムに代えてポリエチレンテレフタレートフィルム(フィルム厚み200μm)を用いた。その他の条件は比較例2と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
(比較例4)
比較例2と同様に、色素増感型太陽電池用導電性フィルムを作製した。ただし、ポリエチレンナフタレートフィルムに代えて前記ゼオノアフィルム(フィルム厚み200μm)を用いた。その他の条件は比較例2と全て同じである。得られた導電性フィルムに対して行ったテープ剥離試験および電解質耐久性試験の結果を表1に示す。
<密着性試験および耐久性試験の結果>
表1から明らかなように、本発明に係る色素増感型太陽電池用導電性フィルム(実施例1〜7)は、プラスチックフィルムと導電膜との密着性が高く、かつ25℃の環境下で導電性フィルムを電解質中に1か月浸漬して維持しても、プラスチックフィルムから導電膜が剥離しないことが分かる。これに対して、比較例については、プラスチックフィルムと導電膜との密着性が低くかつ電解質中での耐久性も悪いか(比較例1)、あるいはプラスチックフィルムと導電膜との密着性がよい場合でも電解質中での耐久性は低いものであった(比較例2〜4)。
Figure 2016004836
本発明によれば、導電膜とプラスチックフィルムとの密着性に優れ、かつ優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池用導電性フィルムを得ることができるため、環境エネルギー分野において有用である。
1,100 色素増感型太陽電池
10,50 光電極
30,60 対向電極
20 電解質層
10a,30a,50a,60a 支持体
10b,30b 導電膜
10c 多孔質半導体微粒子層
10d 増感色素層
10e,30d アクリル樹脂層
30c 触媒層
40 回路

Claims (9)

  1. 酸化処理を施したプラスチックフィルムに導電膜を積層してなり、かつ25℃の環境下で電解液中に浸漬して1か月維持しても該導電膜の剥離が生じない、色素増感型太陽電池用導電性フィルム。
  2. 前記プラスチックフィルムのガラス転移点の温度が60℃以上である、請求項1記載の導電性フィルム。
  3. 前記導電膜が酸化インジウムスズ(ITO)または炭素ナノ構造体からなる、請求項2記載の導電性フィルム。
  4. 前記炭素ナノ構造体がカーボンナノチューブである、請求項3記載の導電性フィルム。
  5. 前記酸化処理がプラズマ処理、コロナ処理、UV処理およびオゾン処理からなる群から選ばれる少なくとも1種の処理である、請求項1〜4いずれか記載の導電性フィルム。
  6. 前記プラスチックフィルムの可視光領域での光透過率が80%以上である、請求項1〜5いずれか記載の導電性フィルム。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の導電性フィルムを用いてなる、色素増感型太陽電池用電極。
  8. 請求項7に記載の色素増感型太陽電池用電極を備える、色素増感型太陽電池。
  9. 請求項8に記載の色素増感型太陽電池が直列および/または並列に接続されてなる、太陽電池モジュール。
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