JPWO2015037038A1 - 工作機械及びその加工方法 - Google Patents

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Abstract

割出し装置を駆動させたタレット(60)の割出し動作による回転工具(67)の移動(y1)と、その他に工作物回転装置による工作物の回転、X軸駆動装置による回転工具のX軸方向の移動および、Z軸駆動装置による回転工具または工作物のZ軸方向の移動から選択した少なくとも一つの回転や移動との組み合わせに基づいて、工作物の所定の加工範囲または加工位置に対して回転工具(67)によるYZ平面(952)などの加工を行わせることにより、Y軸駆動装置を備えない工作機械でありながら、Y軸方向に加工範囲を広げた平面加工や、Y軸方向に加工位置を移した穴あけ加工などが可能になる。

Description

本発明は、Y軸機能を持たない工作機械でありながら、回転工具をY軸方向に移動させた加工を可能にした工作機械及びその加工方法に関する。
Y軸加工が可能な工作機械は、Z軸機能及びX軸機能を有し、これらに加えてY軸機能を有することになるため、どうしても機械全体が大型化して価格も高くなってしまう。そこで、従来からY軸機能を持たない工作機械でありながら、Y軸機能と同様な加工を可能にしたものが種々提案されている。
例えば、下記特許文献1の工作機械は、タレットに対してY軸用工具ユニットが設けられ、そのY軸ユニットにエンドミルなどの回転工具が取り付けられている。Y軸用工具ユニットは、タレットの回転軸(C軸)と平行な回転軸によって回転可能に取り付けられ、回転工具は、そのY軸用工具ユニットの回転軸と直交する方向に取り付けられている。そこで加工時には、Y軸用工具ユニットがタレットに同期して回転することにより、回転工具がX軸と平行な姿勢を保ちつつY軸方向に移動し、工作物に対する平面加工が可能になる。
また、別の従来例である下記特許文献2の工作機械は、タレットの外周面上にY軸アタッチメントが回転可能に設けられ、そのY軸アタッチメントに回転工具が取り付けられている。Y軸アタッチメントは、タレットの回転軸(C軸)と直交する回転軸を有し、回転工具の回転軸は、そのY軸アタッチメントの回転軸と平行である。Y軸アタッチメントは、外部からの力を受けて回転し、所定の角度で位置決めできるように構成されている。そこで、Y軸アタッチメントが回転及び位置決めされると、それによって回転工具がY軸方向に移動するため、移動の前後でY軸方向の異なる位置の加工が可能になる。
特開平01−316101号公報 実開平05−051512号公報
こうした従来の工作機械などは、Y軸方向の加工を行うための特別な構造がタレットに付加されている。つまり、タレットに対して回転工具を支持させるためのY軸加工支持装置が備えられている。特許文献1の工作機械ではY軸用工具ユニットが対応し、特許文献2の工作機械ではY軸アタッチメントが対応する。こうしたY軸加工支持装置は、回転工具によるY軸方向の加工を可能にしつつ、工作機械全体の大型化を回避するといった効果を発揮している。しかしながら、Y軸加工支持装置の追加は、その分構造を複雑にしてしまっている。また、Y軸加工支持装置は、回転工具からの反力を支える必要があるため、精度の高い加工を行うには十分な剛性が必要となる。従って、工作機械による加工精度を確保するには、Y軸加工支持装置自体の精度が要求されるため、その点で工作機械の製造コストが高くなってしまうなど、新たな問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、簡易な構成でありながら、回転工具がY軸方向に移動した加工を可能にした工作機械及びその加工方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様における工作機械は、主軸台のチャックによって把持した工作物を回転させる工作物回転装置と、回転工具を取り付けたタレットを前記主軸台の回転軸と平行なZ軸に直交するX軸の方向に沿って移動させるX軸駆動装置と、前記タレットまたは前記主軸台をZ軸方向に移動させるZ軸駆動装置と、前記タレットを回転させて前記回転工具を円周上の任意の位置に位置決めする割出し装置と、前記割出し装置によって位置決めされた任意の位置で前記回転工具に対して回転を与える工具回転装置と、前記工作物回転装置、前記X軸駆動装置、前記Z軸駆動装置、前記割出し装置および前記工具回転装置を制御する制御装置とを有し、前記制御装置が、前記割出し装置による前記回転工具の位置決めのための移動と、前記工作物回転装置による前記工作物の回転、前記X軸駆動装置による前記回転工具のX軸方向の移動および、前記Z軸駆動装置による前記回転工具または前記工作物のZ軸方向の移動から選択した少なくとも一つの回転や移動との組み合わせに基づいて、前記工作物の所定の加工範囲または加工位置に対して前記回転工具による加工を行わせるものであることを特徴とする。
また、本発明の他の態様における工作機械の加工方法は、主軸台のチャックによって把持した工作物を回転させる工作物回転装置と、回転工具を取り付けたタレットを前記主軸台の回転軸と平行なZ軸に直交するX軸の方向に沿って移動させるX軸駆動装置と、前記タレットまたは前記主軸台をZ軸方向に移動させるZ軸駆動装置と、前記タレットを回転させて前記回転工具を円周上の任意の位置に位置決めする割出し装置と、前記割出し装置によって位置決めされた任意の位置で前記回転工具に対して回転を与える工具回転装置とを備えた工作機械の加工方法であり、前記割出し装置によるタレットの回転により前記回転工具を移動させ、前記工作物回転装置による前記工作物の回転、前記X軸駆動装置による前記回転工具のX軸方向の移動および、前記Z軸駆動装置による前記回転工具または前記工作物のZ軸方向の移動から選択した少なくとも一つの回転や移動を行い、前記工作物の所定の加工範囲または加工位置に対して前記回転工具による加工を行わせることを特徴とする。
よって、上記態様の工作機械及びその加工方法によれば、従来例のようにタレットと回転工具との間にY軸方向の加工を可能にするためのY軸加工支持装置などを必要としない。すなわち、上記態様の工作機械及びその加工方法では、タレットの回転によって回転工具がY軸方向に移動し、そのY軸方向と、Z軸駆動装置によるZ軸方向の移動やX軸駆動装置によるX軸方向の移動などの組み合わせにより、Y軸方向に加工範囲を広げた平面加工や、Y軸方向に加工位置を移した穴あけ加工などが可能になる。そして、その実行に当たって特別な構造を必要とせず、工作機械の構成を簡易なものとすることができる。
第1実施形態の工作機械を示した斜視図である。 タレット装置の内部構造を示した断面図である。 工作機械の各構成を示すブロック図である。 YZ平面加工を示した概略の三面図であり、図(A)は平面図、図(B)は正面図、図(C)は側面図である。 YZ平面加工プログラムの加工フローを示した図である。 Y軸方向の穴あけ加工を示した概略の三面図であり、図(A)は平面図、図(B)は正面図、図(C)は側面図である。 第2実施形態の工作機械を示した斜視図である。 一連の穴あけ加工から図(A)、図(B)、図(C)に示す一部分を抜き出して示した概略図である。 穴あけ加工の加工ポイントを示した図である。
1 工作機械
2 主軸台
3 タレット装置
70 制御部
71 演算装置
72 制御装置
75 不揮発性メモリ
753 YZ平面加工部
次に、本発明に係る工作機械及びその加工方法の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、第1実施形態の工作機械を示した斜視図である。この工作機械1は、エンドミルやドリルなどの回転工具、或いはバイトなどの切削工具を保持したタレット60を備えるタレット旋盤である。そして、工作機械1は、タレット60を備えるタレット装置3の他に、不図示の工作物を把持する主軸台2、タレット装置3をZ軸やX軸に沿って移動させるZ軸駆動装置やX軸駆動装置などを備えている。
Z軸とは、把持した工作物を回転させる主軸台2の回転軸(主軸)と平行な軸であり、X軸とは、Z軸に対して直交し、タレット60の工具をZ軸に対して進退させる移動軸である。図1に示す工作機械1の場合、Z軸は、水平であって工作機本体の長手方向であり、X軸は、垂直であって工作機械本体の上下方向である。一方で、Z軸及びX軸に直交する軸がY軸である。工作機械1の場合、Y軸は、水平方向であってZ軸に直交する工作機本体の幅方向である。しかし、この工作機械1は、工具をZ軸及びX軸方向に直線移動させるためのZ軸駆動装置やX軸駆動装置は設けられてはいるものの、工具をY軸方向に直線移動させるためのY軸駆動装置は設けられていない。そうした工作機械1について、以下にその構成を具体的に説明する。
(主軸台)
工作機械1は、基台となるベッド5を備え、そのベッド5に対して主軸台2が固定されている。一方、タレット装置3は、Z軸駆動装置とX軸駆動装置を介して各軸の方向に移動可能に設けられている。ベッド5は、工作物に対する加工によって発生する切り屑を回収するため、上方に開口した箱型の切り屑回収部501が一体に形成されている。主軸台2は、工作物を把持するためのチャック11を備えており、把持した工作物が切り屑回収部501の上に位置するように配置されている。そして、主軸台2には、主軸を中心に工作物を回転させる工作物回転装置が構成されている。
工作物回転装置は、主軸台2の本体内部に、不図示の主軸が軸受によって回転自在に支持され、その主軸とチャック11とが一体に形成されている。主軸は、チャック11の反対側に、主軸台2の本体外部に位置する主軸側プーリ12と一体になって形成され、外部からの回転が伝えられるよう構成されている。すなわち、主軸には主軸用サーボモータ15が設けられ、その出力軸に固定されたモータ側プーリ13と主軸側プーリ12との間にタイミングベルト14が掛け渡されている。これにより、主軸用サーボモータ15の回転出力が、両プーリ12,13とタイミングベルト14からなる回転伝達機構を介して主軸に伝えられるようになっている。
主軸用サーボモータ15は、エンコーダが組み込まれたものであり、後述する制御装置によって、指令信号とフィードバック信号との比較によるフィードバック制御が行われる。そのため、この工作物回転装置は、数値制御によって主軸の回転角度を特定し、工作物を回転させて位置決めを行う割出しが可能である。こうした割出し可能な主軸台2は、いわゆるC軸機能付き主軸台である。そこで、以下において、主軸用サーボモータ15をC軸用サーボモータ15と言い換えることとする。C軸とは主軸回りの回転をいう。なお、この工作機械1では、主軸台2がベッド5に固定されているが、Z軸駆動装置によって主軸台2をZ軸方向に移動させる構成としてもよい。
(Z軸駆動装置)
次に、工作機械1は、タレット装置に取り付けた工具を移動させるためのZ軸駆動装置及びX軸駆動装置が設けられている。特に、工作機械1は、タレット装置3がZ軸駆動装置に搭載され、更にそのZ軸駆動装置がX軸駆動装置に搭載された構成をしている。Z軸駆動装置は、ベース21を有し、そのベース21が昇降可能なX軸スライド33に固定されている。ベース21にはガイド201が形成されており、Z軸スライド22がそのガイド201部分を貫通するようにしてベース21に組み付けられている。そして、Z軸スライド22は、ベース21内を摺動してZ軸に平行な水平方向に移動自在な構成がとられている。
Z軸スライド22は、Z軸方向の片側端部がベース21から突き出しており、片持ち梁のようにタレット装置3が片側端部に固定されている。そのため、Z軸スライド22には曲げモーメントが作用する。曲げモーメントに対する強度を高めるため、Z軸スライド22は、断面係数が大きくなるように縦長の矩形断面の形状で形成されている。更に、そのZ軸スライド22を支えるベース21は、図面手前側に大きく開口した箱形をしている。ガイド201は、そうしたベース21と一体に形成され、Z軸方向に長い所定距離の筒状部を形成している。Z軸スライド22は、そうしたベース21やガイド201に保持されている。
Z軸駆動装置には、Z軸スライド22をZ軸方向に移動させるため、モータの回転出力を直進運動に変換するボールネジ駆動方式が採用されている。ベース21の端部には、上方に突き出すようにして支持板23が固定され、その上端部にZ軸用サーボモータ25が固定されている。一方、ベース21には、タレット装置3とは反対側の端部に軸受26が設けられ、その軸受26に支持されたボールネジがZ軸スライド22内に挿入されている。Z軸スライド22は、内部にボールナットが一体に形成され、そのボールナットとボールネジとが螺設している。こうしたボールネジは、ベース21から突き出した部分にネジ側プーリが固定され、そのネジ側プーリとZ軸用サーボモータ25の回転軸に固定されたモータ側プーリとの間にタイミングベルト27が掛け渡されている。
従って、Z軸用サーボモータ25の駆動によりボールネジが回転し、その回転運動がボールナットの直線運動に変換され、Z軸スライド22がZ軸と平行な方向に移動することとなる。工作機械1では、主軸台2に把持された工作物に対して、タレット装置3の工具を正確に移動させる必要があるため、Z軸スライド22に対する位置制御が行われる。そこで、Z軸駆動装置には検出手段が設けられ、Z軸用サーボモータ23はエンコーダを備えている。
(X軸駆動装置)
次に、こうしたZ軸駆動装置はX軸駆動装置に搭載されている。工作機械1の背部には、ベッド5に固定されたコラム31が起立している。そのコラム31には、前面に垂直方向に延びた2本のガイド32が平行に設けられ、そのガイド32に対してX軸スライド33が摺動自在に取り付けられている。よって、X軸スライド33は、ガイド32に沿った昇降が可能であり、このX軸駆動装置にもモータの回転出力をX軸スライド33の昇降運動に変換させるため、ボールネジ駆動方式が採用されている。
2本のガイド32の間には、上下2か所に設けられた軸受35,36によってボールネジ34が回転自在に支持されている。鉛直方向に配置されたボールネジ34は、X軸スライド33を貫通し、そのX軸スライド33内に固定されているボールナットと螺設している。ボールネジ34は、軸受35を上方に突き抜け、その突き抜けた端部にネジ側プーリ37が固定されている。一方で、コラム31にはX軸用サーボモータ38が取り付けられ、その回転軸にもモータ側プーリ39が固定されている。そして、両プーリ37,39の間にタイミングベルト40が掛け渡されている。
従って、X軸用サーボモータ38の駆動によりボールネジ34が回転し、その回転運動がボールナットの直線運動に変換される。こうしてX軸スライド33の昇降が可能になる。工作機械1では、X軸スライド33が移動する方向、すなわち鉛直方向がX軸方向である。そして、X軸方向においてもタレット装置3に取り付けた工具を正確に移動させる必要があるため、X軸スライド33に対して位置制御が行われる。よって、X軸駆動装置には検出手段が設けられ、X軸用サーボモータ38はエンコーダを備えている。
(タレット装置)
次に、図2は、タレット装置3の内部構造を示した断面図である。これは、特開2007−203449号公報に開示された技術を利用したものであるが、具体的には次の通りである。タレット装置3の構造は、中心部に円筒形状の外軸51が回転自在に軸支され、更にその外軸51を貫通したロッド形状の中軸52が回転自在に軸支されている。そして、外軸51に対して加工用サーボモータ53が組み付けられている。加工用サーボモータ53は、ステータ531とロータ532とから構成され、ロータ532が外軸51の外周面に固定され、ステータ531がボディ50側に固定されたビルトインモータである。
加工用サーボモータ53は、タレット60を回転させることに加え、タレット60に取り付けた回転工具(エンドミル67など)を回転させるための駆動源である。つまり、タレット60の旋回割出しを行う割出し装置の駆動源と、タレット60に取り付けられた回転工具を回転させる工具回転装置の駆動源を、一の加工用サーボモータ53が担っている。割出し装置の回転主軸は外軸51であり、駆動回転装置の回転主軸は中軸52ある。そうした外軸51と中軸52にはそれぞれ回転伝達機構が設けられ、クラッチ機構によって回転を断続させる構成になっている。
クラッチ機構は、外軸51の後端部(図中右端)がキー溝の形成されたスプライン軸となっており、その外軸51後端部には、内周面側にボス部を形成した第1ギヤ551が嵌合している。よって、第1ギヤ551は、外軸51と一体に回転するとともに、その外軸51に対して軸方向(図の左右方向)への移動が可能である。図2では、第1ギヤ551とアイドルギヤ552とが噛み合っているが、第1ギヤ551が軸方向に移動することにより、その噛合状態が解除される。また、第1ギヤ551は端面部分に凹凸部が形成され、中軸52に固定されたクラッチ56にも対応する凹凸部が形成されている。そのため、第1ギヤ551とクラッチ56との凹凸部が軸方向に結合することで、加工用サーボモータ53の回転が外軸51から中軸52へと伝達されることとなる。
第1ギヤ551にはシフター58が設けられている。シフター58は、第1ギヤ551に対して、その回転を妨げることなく軸方向へ力を伝達するものであり、そのシフター58には不図示のエアシリンダが連結されている。そのため、第1ギヤ551は、エアシリンダの伸縮作動によって軸方向への移動が可能な構成になっている。そして、第1ギヤ551が軸方向に移動することにより、図示するような第1ギヤ551とアイドルギヤ552とが噛み合った状態と、図示しないが第1ギヤ551とクラッチ56とが結合した状態との切り換えが行われる。
第1ギヤ551は、割出し装置を構成する回転伝達機構を構成している。その第1ギヤ551には、アイドルギヤ552と第2ギヤ553とが順番に噛み合っている。第2ギヤ553は、ギヤシャフト57の一端部に固定され、他端部には第3ギヤ554が固定されている。ギヤシャフト57は、外軸51や中軸52と平行に配置され、軸受によって回転自在に設けられている。そして、第3ギヤ554が、外軸51や中軸52の回りを回転する大径のリングギヤ555に噛み合っている。ボディ50にはタレット60が軸受を介して回転自在に設けられ、リングギヤ555は、そうしたタレット60に固定されて一体になっている。そのため、加工用サーボモータ53の出力は、こうした回転伝達機構を介して伝達され、タレット60を回転させさせることになる。すなわち、加工用サーボモータ53の駆動により外軸51が回転し、その回転が第1ギヤ551からアイドルギヤ552、第2ギヤ553、第3ギヤ554を介してリングギヤ555及びタレット60へと伝えられる。タレット60の回転による旋回割出しは、A軸回りについて行われるが、そのA軸とは、タレット60の回転軸であり、工作機械1ではX軸と平行である。従って、タレット60に取り付けられた回転工具などは、Y軸及びZ軸に平行なYZ平面上を旋回した位置決めが行われるよう構成されている。
次に、タレット60にはエンドミル67などの回転工具が装着される。他の回転工具としてドリルなども取り付けられているが図面上では省略している。そうした回転工具に対して回転を与えるのが工具回転装置であり、そこには中軸52からの回転を伝達する回転伝達機構が構成されている。中軸52は、図示する位置の第1ギヤ551が図面右側に移動することによりクラッチ56と結合し、加工用サーボモータ53の出力によって回転可能になっている。このとき、第1ギヤ551は、アイドルギヤ552との噛み合いは解除されている。従って、加工用サーボモータ53の回転は、タレット60との間で遮断される一方、タレット60に装着された回転工具にのみ伝達されることとなる。
工具回転装置を構成する回転伝達機構は、中軸52の端部に第1ベベルギヤ556が固定され、その第1ベベルギヤ556が第2ベベルギヤ557と噛み合っている。タレット60の内部には、中軸52と直交する方向に回転伝達軸61が回転自在に設けられ、その一端に第2ベベルギヤ557が固定されている。回転伝達軸61の他端部にはカップリング62が形成され、工具ユニット65の入力軸63が連結できるようになっている。すなわち、工具ユニット65の入力軸63先端の凸部がカップリング62の凹部にはまり込み、回転伝達軸61から入力軸63へと回転が伝えられる。
工具ユニット65は、装着ブロック651内に入力軸63が回転自在に設けられ、入力軸63の先端が突き出している。また、入力軸63には第3ベベルギヤ558が固定され、工具ホルダ66に固定された第4ベベルギヤ559と噛み合っている。装着ブロック651には工具本体部652が一体に形成され、その内部に工具ホルダ66が回転自在に設けられている。そして、その工具ホルダ66にエンドミル67などの回転工具が装着されている。従って、加工用サーボモータ53の回転出力は、クラッチ56を介して中軸52に伝達され、更にその回転が第1〜第4ベベルギヤ556,557,558,559を介して、回転伝達軸61、入力軸63および工具ホルダ66へと伝達され、エンドミル67が回転することとなる。
ところで、タレット60には、工具ユニット65などを装着可能にした装着部601が複数形成されている。工具ユニットは、回転工具だけではなく切削工具を備えたものもあるが、回転工具を備えた工具ユニットを装着する個所には、前述したように回転伝達軸61が設けられ、第1及び第2ベベルギヤ556,557を介して中軸52の回転を出力可能な構成になっている。そのため、加工時にはエンドミル67だけでなく、その他の回転工具も回転が伝えられることになる。そして、本実施形態の工作機械1は、タレット60の回転軸(外軸51)がZ軸と直交し、そのタレット60に取り付けられたエンドミル67などの回転工具も、その回転軸がZ軸と直交する方向を向いている。
(制御回路)
続いて、制御部の構成について説明する。図1に示すように、工作機械1の背部には制御ボックス7が設置され、そこに制御部が構成されている。図3は、工作機械1の各構成を示すブロック図であり、主要な部分について示したものである。工作機械1は、大きく分けて、前述したZ軸駆動装置やX軸駆動装置などの工作機駆動部10と、その工作機駆動部10の各装置に対して駆動制御を行う制御部70とを備えている。制御部70は、工作物に対する工具などの工具経路や加工に必要な作業工程などを工作機駆動部10に対して実行させるためのものである。そして、その制御部70は、演算装置71や制御装置72、ROM73、RAM74、不揮発性メモリ75といった記憶装置などによって構成されている。
演算装置71は、さまざまなデータ処理を行うものであり、制御装置72とともに処理装置を構成している。制御装置72は、工作物に対する工具の加工経路などの指令を数値情報によって行う数値制御部721と、予め定められた加工工程に従って加工指令を行うシーケンス制御部722とを有している。記憶装置であるROM73にはシステムプログラムが格納されている。システムプログラムはバス78を介して演算装置71によって読み出され、そのシステムプログラムに従って制御部70全体の制御が行われる。そしてRAM74は、計算データや表示データが一時的に記憶されるものである。
同じく記憶装置である不揮発性メモリ75には、メイン加工プログラムを記憶したメイン加工部751や各種パラメータを記憶したパラメータ部752等を有している。更に、この不揮発性メモリ75には、YZ平面加工プログラムを記憶したYZ平面加工部753が備えられている。YZ平面加工プログラムは、Y軸駆動装置を備えていない工作機械1において、エンドミル67などの回転工具の動作、移動、速度などを指定し、Y軸及びZ軸に平行なYZ平面上に平面加工を実行させるためのプログラムである。その詳細については後述する。
そして、表示・入力装置76は、液晶表示装置などで構成される表示手段と、キーボードなどで構成される手動入力手段との両機能を持つものであり、オペレータによって、工作物の寸法や工具の選択、或いはプログラムなど各種情報の入力が行われるものである。前記YZ平面加工プログラムは、こうした表示・入力装置76による直接入力によって作成され、或いはプログラミング装置で作成されたものが入力され、不揮発性メモリ75のYZ平面加工部753に格納される。なお、プログラミング装置で作成されたプログラムは、記憶媒体などを介して行われるため、図示しないが、制御部70にはそのためのインターフェースが設けられている。
一方、工作機駆動部10は、前述したように、C軸用サーボモータ15、Z軸用サーボモータ25、X軸用サーボモータ38および加工用サーボモータ53を有している。各サーボモータ15,25,38,53は、各々のサーボアンプ81,82,83,84を介して制御装置72に接続されている。サーボアンプ81,82,83,84は、制御装置72からの指令を受けて、各サーボモータ15,25,38,53を駆動するものであるが、その駆動制御は前述したようにフィードバック制御である。そこで、各サーボモータ15,25,38,53にはエンコーダ85,86,87,88が内蔵され、各々が対応するサーボアンプ81,82,83,84に接続されている。
(加工方法)
続いて工作機械1によるYZ平面加工の加工方法について説明する。先ず、加工に際してオペレータによる情報入力が行われる。情報入力には表示・入力装置76が使用され、オペレータがタッチキーを操作することにより必要な情報入力が行われる。入力される情報としては、工作物の寸法や当該工作物に対する加工範囲、或いはタレット装置3に装着された工具の選択など、加工に当たって必要となる各種情報である。そして、こうした情報は不揮発性メモリ75のパラメータ部752に記憶されることとなる。また、不揮発性メモリ75には各種プログラムが格納され、こうした入力情報に基づいてプログラムが特定される。その不揮発性メモリ75には、YZ平面加工部753にYZ平面加工プログラムが格納されている。そこで、入力された加工情報がYZ平面加工を示すものである場合には、当該加工に対応したYZ平面加工プログラムが読み出され、工作機駆動部10に対する各制御が実行される。
RAM74は、一連の加工制御に当たってワーキングメモリとして使用される。制御部70において必要な信号は、バス78を経由してそのRAM74に転送され、そこから制御装置72によって読み取られる。加工中は、表示・入力装置76にZ軸やX軸の現在位置や移動距離、或いはタレット60の旋回割出し角度など、RAM74に格納されたデータが表示信号に変換され、その表示信号に基づいて各軸の現在位置や移動距離等が表示される。制御装置72では、エンコーダ86から送信される検出信号を受信し、シーケンスプログラムで処理した後、数値制御に基づく指令信号により、工作機駆動部10に対するフィードバック制御が行われる。
例えば、Z軸方向に工具を移動させるには、制御装置72からZ軸用サーボモータ25に対してZ軸の移動指令が出力される。Z軸移動指令はサーボアンプ82に送られ、そのサーボアンプ82によってZ軸移動指令に基づくZ軸用サーボモータ25の駆動が行われる。これにより工具のZ軸方向における位置決めが行われるが、その際、エンコーダ86の検出信号がサーボアンプ82から制御装置72へと送信される。検出信号を受信した制御装置72によって、数値制御に基づく指令信号によるフィードバック制御が行われる。これにより、工具の正確な位置決めが行われる。そして、X軸方向の位置決めも、同じようにX軸用サーボモータ38のフィードバック制御によって実行される。
一方、タレット60の旋回割出しは、図2に示すように、第1ギヤ551がクラッチ56とは分離しており、その状態で加工用サーボモータ53が駆動する。加工用サーボモータ53はロータ532が回転し、それにより外軸51及び第1ギヤ551が回転し、その回転が第1ギヤ551からアイドルギヤ552、第2ギヤ553、第3ギヤ554及びリングギヤ555へと伝えられる。このとき、エンコーダ88からの検出信号がサーボアンプ84を介して制御装置72へと送信されるため、加工用サーボモータ53は、数値制御に基づく指令信号によってフィードバック制御が行われる。これによりタレット60がA軸回りに所定角度回転し、対象となる工具を旋回させて所定位置に位置決めする割出しが行われる。
そして次に、クラッチ機構が切り換えられ、加工用サーボモータ53の出力が回転工具であるエンドミル67に伝えられる。それには、不図示のエアシリンダが伸縮作動し、シフター58を介して第1ギヤ551が軸方向に移動する。第1ギヤ551は、クラッチ56と結合する一方で、アイドルギヤ552との噛み合いが解除される。よって、加工用サーボモータ53の出力は、外軸51と一体となって回転する中軸52へと伝達される。中軸52の回転は、第1及び第2ベベルギヤ556,557を介して直交する回転伝達軸61へと伝えられる。そして、回転伝達軸61の回転は、工具ユニット65の入力軸63へと伝達され、更に第3及び第4ベベルギヤ558,559を介して直交する工具ホルダ66及びエンドミル67に伝えられる。
工作機械1では、このようにして回転の与えられたエンドミル67が、Z軸駆動装置などの駆動により所定のルートをたどって移動し、工作物に対する加工が行われる。そこで、YZ平面加工プログラムの実行により行われる加工であって、特に図4に示すフランジ付ロッド95に対するYZ平面加工について説明する。図4は、YZ平面加工を示した概略の三面図であり、図(A)は平面図、図(B)は正面図、図(C)は側面図である。
先ず、工作機械1は、主軸台2のチャック11にセットされた工作物に対する割出しが行われる。ただし、フランジ付ロッド(以下、単にロッドとする)95の場合は方向性がないため、特にC軸割出しは行われない。一方、工具側では、タレット60の旋回割出しにより対象となった回転工具の選択と位置決めが行われる。YZ平面加工の場合にはエンドミル67が選択され、タレット60の旋回割出しによって、そのエンドミル67が開始位置に配置される。
YZ平面加工の加工方法は、タレット60による複数の旋回割出しが繰り返され、その都度Z軸方向に移動した切削加工が行われる。開始位置とは、そうした複数回行われる切削加工における第1回目の位置を指す。本実施形態の場合、Y軸方向は、図4(B)の実線で示す位置が開始位置である。すなわち、エンドミル67の回転軸がZ軸(ロッド95の回転中心)に直交する位置であり、加工範囲をY軸方向に見た場合の中央位置である。そして、Z軸方向は、ロッド95から所定離れた退避位置である。
次に、X軸用サーボモータ38が駆動してボールネジが回転し、その回転運動がボールナットを介してX軸スライド33の直線運動に変換される。すなわち、X軸スライド33がガイド32を摺動し、X軸方向に沿って下降する。X軸スライド33にはタレット装置3が搭載されており、エンドミル67の先端が工作物の加工平面高さと揃うように位置決めが行われる。X軸方向に関しては、この位置を開始位置とする。そして、加工用サーボモータ53の駆動により、エンドミル67に回転を発生させた加工開始準備が行われる。なお、この開始準備状態までの過程は、タレットによる旋回割出しと、X軸方向の高さ調整とのどちらが先に行われるものであってもよい。
そして次に、Z軸用サーボモータ25が駆動してボールネジが回転し、その回転運動がボールナットを介してZ軸スライド22の直線運動に変換される。すなわち、Z軸スライド22がガイド26を摺動することで、エンドミル67はZ軸と平行な直線移動を行う。そうしたエンドミル67は、ロッド95のフランジ部951をZ軸方向に横切るようにして移動し、エンドミル67の直径に対応する幅の切削溝がフランジ部951に形成される。その後、エンドミル67は、X軸用サーボモータ38とZ軸用サーボモータ25の逆回転により、上昇とロッド95から遠ざかる後退とが行われる。
後退した退避位置では、タレット60による旋回割出しが行われ、エンドミル67がY軸方向に所定距離だけ移動することになる。本実施形態では、図4(A)に示すようにタレット60が8°回転し、それにより、図4(B)に示すようにエンドミル67がY軸方向にy1だけ移動することになる。YZ平面加工では、こうしたエンドミ67に対するY軸方向の移動と、X軸方向の下降やZ軸方向の前進が繰り返され、ロッド95のフランジ部951に切削加工が行われる。
YZ平面加工の場合には、YZ平面の数値情報に応じてエンドミル67の各軸方向の移動がワーク座標系に基づいて制御される。つまり、X軸方向は、エンドミル67の先端が加工平面の高さに揃えられる下降と上昇が制御される。Z軸方向は、少なくともエンドミル67の回転軸がフランジ部951を通過する位置まで移動する前進と、エンドミル67がロッド95から離れる方向に移動する後退とが制御される。そして、Y軸方向は、タレット60の時計方向と反時計方向の回転により、エンドミル67の位置がy1ずつずれるように複数回にわたって移動するよう制御される。
Y軸方向の移動量y1は、エンドミル67の直径よりも小さく設定されている。Y軸方向に見て切削範囲を重複させ、削り残しを無くすためである。また、Z軸方向には、少なくともエンドミル67の回転軸がフランジ部を通過する位置まで移動させる。これも、エンドミル67の最も幅のある部分がフランジ部951を通過することにより、削り残しが無いようにするためである。こうして、エンドミル67は、複数回にわたってY軸方向に移動が繰り返され、その都度、Z軸及びX軸の所定方向に移動した加工と後退とが行われる。そして、エンドミル67がフランジ部951をZ軸方向に通過する度にY軸方向に切削範囲が広がっていき、図4に示すように、フランジ部951に水平なYZ平面952が形成される。
ここで、図5は、ロッド95に対するYZ平面加工を実行するYZ平面加工プログラムの加工フローを示した図である。そこで次に、この加工フローに従ってYZ平面加工の加工方法を説明する。YZ平面加工は、先ず前述したようにエンドミル67が開始位置にセットされる(S1001)。このとき、エンドミル67は、Y軸方向に見た加工範囲の中央に位置し、その回転軸はロッド95の回転中心であるZ軸上にある。そして次に、加工が初回であるか否かの確認が行われる(S1002)。初回である場合には、次のステップS1003を飛ばし、エンドミル67をロッド95に向けてZ軸方向に移動させた加工が行われる(S1004)。そして加工後は、X軸に沿って上昇し、Z軸に沿ってエンドミル67を後退させる(S1005)。
次に、加工完了回数に達しているか否かの確認が行われる(S1006)。このYZ平面加工では、エンドミル67のY軸方向の移動が、タレット60を時計方向に回転させた加工前半と、反時計方向に回転させた加工後半に分けられている。そして、YZ平面952の数値やエンドミル67の移動量y1から、開始位置を基準にした各方向への移動回数が予め決められている。例えば、本実施形態では、時計方向と反時計方向にそれぞれ2回移動することでYZ平面952が形成される。そこで、ステップS1006の確認により、加工完了回数の2回に達していなければ(S1006:NO)、ステップS1003に戻り、タレット60が時計方向に8°回転する。
こうしたエンドミル67のY軸方向移動と加工及び後退(S1003〜S1005)が繰り返され、図4(B)において右側に切削範囲が広がっていく。そして、エンドミル67をY軸方向に2回移動させて加工完了回数に達したならば(S1006:YES)、エンドミル67は後退し、更に開始位置に戻される(S1007)。こうして加工前半が終了し、加工後半に進むことになる。
加工後半のタレット60は、開始位置から反時計方向に8°回転する(S1008)。そして、加工前半の場合と同じように、加工(S1009)と後退(S1010)とが実行され、加工完了回数に達していなければ(S1011:NO)、ステップS1008に戻り、タレット60が反時計方向に8°回転する。従って、加工後半でも、エンドミル67のY軸方向移動と加工及び後退(S1008〜S1010)が繰り返され、図4(B)において左側に切削範囲が広がっていく。そして、エンドミル67をY軸方向に2回移動させて加工完了回数に達したならば(S1011:YES)、エンドミル67は後退して全加工が終了する。
工作機械1は、タレット60を回転させてエンドミル67をY軸方向に段階的に移動させることにより、その都度Y軸方向に切削範囲を広げることで、YZ平面952の加工を可能にしている。ところで、前記YZ平面加工プログラムでは、予めY軸方向の移動回数を設定していたが、各数値の演算処理により非加工部の確認を行うようにしてもよい。例えば、図5に示した加工フローのステップS1006およびステップS1011に代えて、その都度フランジ部951に非加工部分が残っているか否かの確認を、演算処理によって行う。
以上、本実施形態によれば、エンドミル67は、タレット60の回転によりY軸方向に移動し、X軸駆動装置やZ軸駆動装置によってX軸及びZ軸方向に移動する。こうした各軸方向の移動を基に制御装置72が各駆動装置を制御することにより、エンドミル67によって工作物にYZ平面加工を行うことが可能となる。すなわち、工作機械1は、Y軸駆動装置を備えていないため、切削加工中にエンドミル67をY軸方向へ移動させることはできないが、エンドミル67の径に合わせた角度でタレット60を多段階に分けて回転させることにより、工作物に対してY軸方向に切削範囲を広げたYZ平面加工が可能となる。そして、この工作機械1は、従来例のようにY軸加工支持装置を備えていない分、簡易なものとすることができ、また、Y軸駆動装置を備えていないため全体をコンパクトにすることができ、価格も抑えることができる。
(他の加工方法)
ところで、工作機械1では、例えば、先に行ったYZ平面加工の後に、Y軸加工の一つとして穴あけ加工を行うことが可能である。ここで、図6は、Y軸方向の穴あけ加工を示した概略の三面図であり、図(A)は平面図、図(B)は正面図、図(C)は側面図である。この穴あけ加工では、先ず図4に示した場合と同じように、工作物に対してYZ平面加工を行い、その次に、加工したYZ平面上にY軸方向の2か所に穴あけ加工が行われる。
主軸台2のチャック11に把持された工作物は円柱形状のロッド97であり、その端部がエンドミル67の切削加工によって切り欠かれ、その切欠き部970にYZ平面971が形成される。なお、切欠き部970にはZ軸方向に壁面972ができる。壁面972を平面にするためには、タレット60の旋回割出し、すなわちエンドミル67のY軸方向の移動距離が細かく設定される他、タレット60の回転方向も時計方向と反時計方向とが繰り返されるなど複雑になる。なお、ここではYZ平面加工についての詳しい説明は省略する。
YZ平面971の加工後は、タレット60が大きく回転した旋回割出しが行われ、使用する回転工具がエンドミル67からドリル68に交換される。ドリル68は、その回転軸が工作物(ロッド97)の回転中心であるZ軸と直交する開始位置に位置決めされる。そして、そのドリル68によってYZ平面971の2か所に穴あけ加工が行われる。2か所の穴は、Z軸に重なる中心位置からY軸の両方向にy2だけ離れた位置に形成される。そのため、タレット60の回転は、Y軸方向の移動距離がy2となるように、時計方向と反時計方向とに交互に所定角度θとなる。そして、ドリル68は、Z軸駆動装置によりZ軸方向へ所定距離移動し、YZ平面971上の所定位置に位置決される。そこで、ドリル68がX軸方向に下降し、YZ平面971に穴あけ加工が行われる。
よって、ドリル68は、タレット60が回転することによりY軸方向に移動し、Z軸駆動装置によってZ軸方向へ移動するため、各方向の移動を基に制御装置72が各駆動装置を制御することで、Y軸方向に複数の穴を加工することができる。すなわち、工作機械1は、タレット60を任意の角度で回転させることでY軸方向に移動させることができ、その位置でドリル68を駆動させることにより、YZ平面加工だけではなく、Y軸方向の異なる位置に穴あけ加工を行うことが可能である。
<第2実施形態>
前記第1実施形態の工作機械1は、タレットのA軸(回転軸)がZ軸に直交するタレット旋盤であった。次に説明する第2実施形態の工作機械は、タレットの回転軸がZ軸と平行なタレット旋盤である。従って、タレットに取り付けられた回転工具などは、X軸及びY軸に平行なXY平面上を旋回した位置決めが行われるよう構成されている。本実施形態の工作機械は、A軸の方向が異なるものの第1実施形態の工作機械1と共通する構成が多いため、共通する部分については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図7は、そうした第2実施形態の工作機械100を示した斜視図である。
(主軸台)
工作機械100は、基台となるベッド105を備え、そのベッド105に対して主軸台102が固定され、タレット装置103がZ軸駆動装置とX軸駆動装置を介して各方向に移動可能になっている。こうしたベッド105には、工作物の加工によって発生する切り屑を回収するため、上方に開口した箱型の切り屑回収部505が一体に形成されている。主軸台102は、工作物を把持するためのチャック111を備えており、その工作物が切り屑回収部505の上に位置するように配置されている。そして、主軸台102には、水平方向のZ軸を中心に工作物を回転させる工作物回転装置が構成されている。
その工作物回転装置は、主軸台102の本体内部に不図示の主軸が軸受によって回転自在に組み込まれている。主軸には、一端側にチャック111が一体に形成され、他端側には主軸側プーリ113が形成されている。そして、外部からの回転によって主軸に回転が与えられるよう構成されている。つまり、不図示の主軸用サーボモータがベッド105に固定され、出力軸に固定されたモータ側プーリと主軸側プーリ113との間にタイミングベルト114が掛け渡されている。
主軸用サーボモータは、エンコーダが組み込まれたものであり、第1実施形態と同様に、制御装置72によってフィードバック制御が行われる。そのため、工作物回転装置は、数値制御によって主軸の回転角度を特定する割り出しが可能であり、そうした工作物回転装置を備えた主軸台102は、いわゆるC軸機能付き主軸台である。そこで、本実施形態でも主軸用サーボモータをC軸用サーボモータとする。
(Z軸駆動装置)
次に、工作機械100は、タレット装置103を移動させるためのZ軸駆動装置及びX軸駆動装置が設けられている。ベッド105は、手前の切り屑回収部505に向けて案内面506が傾斜したスラント型である。Z軸駆動装置及びX軸駆動装置は、そうしたベッド105の案内面506上に設けられている。ベッド105の案内面506には先ずZ軸駆動装置のZ軸ベース121が固定されている。Z軸ベース121には案内レール211が形成されており、その案内レール211を介してZ軸スライド122が摺動自在に組み付けられている。Z軸ベース121の案内レール211はZ軸と平行であり、案内レール211を摺動するZ軸スライド122はZ軸方向への移動が可能になっている。
Z軸駆動装置は、本実施形態においても、モータの回転出力をZ軸スライド122の直進運動に変換するボールネジ駆動方式が採用されている。そこで、Z軸ベース121の主軸側端部にはZ軸用サーボモータ123が固定され、その出力軸にカップリングを介してボールネジ125が連結されている。ボールネジ125は、2本の案内レール211の間に配置され、軸受を介して回転自在に支持されている。Z軸スライド122にはボールナットが一体に形成されており、ボールネジ125は、そのボールナットを貫通して螺設されている。
従って、Z軸用サーボモータ123の出力によりボールネジ125が回転すれば、その回転を受けた非回転のボールナットを介して、Z軸スライド122に直線運動が与えられることになる。Z軸スライド122の位置は、タレット装置103の工具に対するZ軸方向の位置を決定する。そのため、Z軸用サーボモータ123がエンコーダを備える他、Z軸ベース121にはZ軸スライド122の位置を検出するリニアスケールが設けられている。
(X軸駆動装置)
次に、こうしたZ軸駆動装置にはX軸駆動装置が搭載されている。Z軸スライド122にはX軸ベース131が固定され、そのX軸ベース131には案内レール311が形成されている。そして、X軸スライド132が、その案内レール311を介して摺動自在に取り付けられている。案内レール311はX軸と平行であるため、案内レール311を摺動するX軸スライド132はX軸方向への移動が可能になっている。
X軸駆動装置においても、モータの回転出力をX軸スライド132の直進運動に変換するボールネジ駆動方式が採用されている。X軸ベース131の上方側端部にはX軸用サーボモータ133が固定され、その出力軸にカップリングを介してボールネジが連結されている。ボールネジは、軸受を介して回転自在に支持され、X軸スライド132と一体のボールナットを貫通して螺設されている。従って、X軸用サーボモータの出力によりボールネジが回転すれば、その回転を受けた非回転のボールナットを介して、X軸スライド132に直線運動が与えられることになる。
X軸スライド132の位置は、搭載されたタレット装置103の工具に対するZ軸方向の位置を決定する。そのため、X軸用サーボモータ133がエンコーダを備える他、X軸ベース131にはX軸スライド132の位置を検出するリニアスケールが設けられている。ところで、こうしたX軸スライド132に搭載されたタレット装置103は、第1実施形態と同じ構成をなすものである。そして、工作機械100は、その他にも主要な構成として制御回路などを備えている。タレット装置103や制御回路の構成については、図2に示すタレット装置3や図3に示した制御部70と同様であるため説明は省略する。
(加工方法)
続いて工作機械100によって実行される、穴あけ加工の加工方法について説明する。この穴あけ加工は、Y軸加工の一つとしてXY平面の同一円周上に複数の穴あけを行うものである。図8は、複数の穴あけ加工を行う一連の加工から、図(A)、図(B)、図(C)に示す一部の工程を抜き出して示した概略図である。図面では、工作物とタレットとの位置関係を示している。そして、図8では、本来傾きをもった工作機械100のX軸を水平にした状態で示している。また、工作物とタレットとの位置関係は、図7に示す工作機械100の右側(主軸台102側)から見たものである。
工作物は、放射状に6つの突起部151〜156をもった歯車形状のブロック150であり、穴あけ加工は、突起部151〜156の各々にドリル69による穴あけが行われる。それには先ず、タレット装置103に装着されたドリル69に対して、A軸回転の旋回割出しによる位置決めと、X軸駆動装置によるX軸方向の位置決めとが行われる。そして、Z軸駆動装置によってドリル69がブロック150に向けて前進し、図8(A)に示すように、工作物の第1突起部151に穴あけが行われる。その後は、ドリル69がZ軸方向の後退と前進を繰り返して、残る第2〜第6突起部152〜156に対して穴あけ加工が行われる。
ところで、複数の穴あけ加工を行うためには、各穴あけ毎に、ドリル69の位置と突起部151〜156の位置とをZ軸方向に重ねるための位置決めが必要である。従来の工作機械では、ドリル69は、実際に穴あけを行うためにZ軸方向に移動するだけで、位置決めは主に主軸台102によるC軸回転の割出しによって行われていた。つまり、ドリル69が位置する加工位置に突起部151〜156を順番に移動させていた。しかし、主軸用サーボモータの回転は、小径のモータ側プーリから大径の主軸側プーリ113を介して主軸へと伝えられる。こうした径の異なるプーリ間の回転伝達は、回転トルクが大きくなるものの、その分だけ回転数が落ちてしまう。そのため、主軸のC軸割出しによって位置決めを行っていた従来の加工方法では、位置決めに要する時間が長くなってしまい、その結果、加工時間も長くなり生産性を低下させていた。
そこで、本実施形態では、工作機械100のY軸加工を利用して、位置決めに要する時間を短縮した穴あけ加工方法を提供する。工作機械100は、第1実施形態で示したと同様に図3に示す制御部70を備え、不揮発性メモリ75には、XY平面穴あけ加工プログラムを記憶したXZ平面穴あけ加工部754が備えられている。XY平面穴あけ加工プログラムは、Y軸駆動装置を備えてはいない工作機械100において、X軸及びY軸に平行なXY平面上の複数の位置で穴あけ加工を実行させるためのプログラムである。
XY平面穴あけ加工は、先ず図8(A)に示す第1ポイントp1の位置で第1突起部151に穴あけが行われる。すなわち、第1ポイントp1に、第1突起部151とドリル69とが重ねられる。こうした第1突起部151の加工位置である第1ポイントp1は、C軸とA軸とを結んだ直線上に位置する。C軸とA軸とを結んだ位置を、C軸回転とA軸回転における基準線160とする。
そして、続く第2突起部152の加工位置は、図8(B)に示す第2ポイントp2である。この第2ポイントp2は、主軸が時計方向に角度θ11(=32.7°)だけC軸回転することにより、第2突起部152が移動した位置である。一方、ドリル69の移動は、タレット60が時計方向に角度θ21(=15°)だけA軸回転するとともに、X軸方向には距離x1だけ主軸側に近づいている。よって、従来であれば、主軸が60°のC軸回転を行うところ、この第2工程ではC軸回転が約半分の回転角度になっている。
次に、第3突起部153の加工位置は、図8(C)に示す第3ポイントp3である。この第3ポイントp3は、主軸が時計方向に角度θ12(=24.9°)だけC軸回転することにより、第3突起部153が移動した位置である。一方、ドリル69の移動は、タレット60が時計方向に角度θ22(=15°)だけA軸回転するとともに、X軸方向には距離x2だけ更に主軸側に近づいている。この第3工程では、C軸の回転角が第2工程に比べて更に小さくなっている。よって、第2工程と第3工程の2工程分で、主軸の回転時間を短縮することが可能になる。
その後、第4〜第6突起までの各穴あけ加工が行われる。ところで、第3ポイントp3は、タレット60をそれ以上に主軸側へと近づけることができない位置である。そのため、続く第4〜第6工程での加工位置は第3ポイントp3から変動することはない。よって、タレット60の回転や移動は無く、主軸による割出しのみとなる。すなわち、主軸による60°のC軸割出しにより、第4〜第6突起部154〜156が、順番に第3ポイントp3に位置決めされ、そこで穴あけ加工が行われる。
以上、本実施形態によれば、ドリル69は、タレット60の回転によってY軸方向に移動し、X軸駆動装置によってX軸方向へ移動する。こうした各軸方向の移動を基に制御装置72が各駆動装置を制御することにより、ドリル69に対して、XY平面上の複数の位置に穴あけ加工を行うことが可能となる。特に、本実施形態の加工方法によれば、穴あけ加工に際して加工位置を第1〜第3ポイントp1,p2,p3へと変化させたことにより、主軸のC軸割出しにかかる時間を短縮させることができ、工作物に対して行う複数の穴あけ加工の総時間を短縮することが可能になる。そして、工作機械100は、従来例のようにY軸加工支持装置を備えていない分、簡易なものとすることができ、また、Y軸駆動装置を備えていないため全体をコンパクトにすることができ、価格も抑えることができる。
ところで、本実施形態では、C軸割出しに要する時間を短くするという観点からXY平面上に複数の加工位置を決定してドリル69を移動させている。その一例が、図9に示すように、円周上の3か所に設定した第1〜第3ポイントp1,p2,p3を加工位置としたものである。しかし、加工位置はそれ以外のパターンであってもよい。例えば、第1ポイントp1〜第3ポイントp3の間に6等分した加工位置を設定するようにしてもよい。つまり、第1突起部151〜第6突起部156の加工位置を全て異なる位置にする。これにより、各加工位置に対するC軸割出しに必要な回転角が60°以下になり、時間の短縮になる。
その他にも例えば、図9に示すように、第1ポイントp1から時計方向に進んだ位置を第4ポイントp4とする。第4ポイントp4は、基準線160を挟んで第3ポイントp3と線対称の位置である。すなわち、タレット60がチャック111などに干渉することなくドリル69をXY平面上で移動させることが可能な範囲のY軸方向の上限である。そこで、第4ポイントp4を穴あけ加工の開始ポイントとし、第3ポイントp3を最終ポイントとして、その間を6等分した加工位置を設定し、ドリル69をXY平面上で移動させるようにしてもよい。この場合も、各工程のC軸割出しに必要な回転角が60°以下になり、時間の短縮になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1実施形態では矩形のYZ平面を形成する場合について説明したが、平面の形状はそれ以外の形であってもよい。
また、第2実施形態で示したXY平面への複数の穴あけは、工作物に対する円周上穴あけだけではなく、直線上に並んだものや、不規則な位置にあけるものであってもよい。
また、前記実施形態では、タレット装置3,103について、割出し装置と工具回転装置が一体の構造のものを図2を示して説明したが、別構造のものであってもよい。
また、前記実施形態では、主軸台2,102が固定のものを示したが、その主軸台がZ軸方向に移動するためのZ軸駆動装置を備えるものであってもよい。




Claims (11)

  1. 主軸台のチャックによって把持した工作物を回転させる工作物回転装置と、
    回転工具を取り付けたタレットを前記主軸台の回転軸と平行なZ軸に直交するX軸の方向に沿って移動させるX軸駆動装置と、
    前記タレットまたは前記主軸台をZ軸方向に移動させるZ軸駆動装置と、
    前記タレットを回転させて前記回転工具を円周上の任意の位置に位置決めする割出し装置と、
    前記割出し装置によって位置決めされた任意の位置で前記回転工具に対して回転を与える工具回転装置と、
    前記工作物回転装置、前記X軸駆動装置、前記Z軸駆動装置、前記割出し装置および前記工具回転装置を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、
    前記割出し装置による前記回転工具の位置決めのための移動と、
    前記工作物回転装置による前記工作物の回転、前記X軸駆動装置による前記回転工具のX軸方向の移動および、前記Z軸駆動装置による前記回転工具または前記工作物のZ軸方向の移動から選択した少なくとも一つの回転や移動と
    の組み合わせに基づいて、
    前記工作物の所定の加工範囲または加工位置に対して前記回転工具による加工を行わせるものであることを特徴とする工作機械。
  2. 前記タレットおよび前記回転工具の回転軸が共にZ軸と直交したものであり、
    前記制御装置は、
    前記割出し装置のタレットを所定角度ずつ複数工程に分けて回転させることにより、前記回転工具を所定距離ずつX軸およびZ軸に直交するY軸の方向に移動させ、
    前記各工程毎に、前記Z軸駆動装置を駆動させ前記タレットをZ軸方向に移動させることにより、前記工作物に対してY軸およびZ軸に平行なYZ平面を加工させるものであることを特徴とする、前記請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記タレットおよび前記回転工具の回転軸が共にZ軸と直交したものであり、
    前記制御装置は、
    前記割出し装置のタレットを所定角度回転させることにより、前記回転工具をX軸およびZ軸に直交するY軸の方向に所定距離移動させ、
    前記Z軸駆動装置を駆動させて前記タレットのZ軸方向に移動させることにより、Y軸およびZ軸に平行なYZ平面の所定の加工位置に前記回転工具を移動させ、前記工作物に対して穴あけ加工を行わせるものであることを特徴とする、前記請求項1に記載の工作機械。
  4. 前記タレットおよび前記回転工具の回転軸が共にZ軸と平行なものであり、
    X軸およびZ軸に直交する方向をY軸とした場合に、
    前記制御装置は、
    前記割出し装置のタレットを回転させることによる前記回転工具のY軸方向およびX軸方向の移動と、前記工作物回転装置の回転に伴う被加工部のY軸方向およびX軸方向の移動と、前記X軸駆動装置の駆動による前記タレットのX軸方向の移動との組み合わせに基づいて、X軸およびY軸に平行なXY平面上に、前記回転工具の位置と前記工作物の被加工部の位置とを一致させ、
    前記工作物の被加工部に対して前記回転工具による穴あけ加工を行わせるものであることを特徴とする、前記請求項1に記載の工作機械。
  5. 前記制御装置は、
    前記工作物の被加工部が同一円周上に複数存在する場合に、
    前記回転工具の位置と前記工作物の被加工部の位置とを一致させる加工位置を複数ある前記加工部の一部または全部において異ならせ、
    全ての穴あけ加工を終えるまでの過程において前記工作物回転装置の駆動時間が最も短くなるように決定された前記加工位置に従い、前記工作物に対して前記回転工具による穴あけ加工を行わせるものであることを特徴とする、前記請求項4に記載の工作機械。
  6. 前記割出し装置および前記工具回転装置は一つの加工用モータの出力により各々の回転が発生するものであり、前記加工用モータは円筒形状の外軸を備え、その外軸と同軸に配置された中軸との間に回転の伝達と遮断とを切り換えるクラッチ機構が設けられ、前記外軸の回転により前記割出し装置に回転が伝達され、前記中軸の回転により前記工具回転装置に回転が伝達されるものであって、
    前記クラッチ機構が切れた状態では、前記加工用モータの出力が、回転を伝達する割出し用回転伝達機構を介して前記割出し装置のタレットを回転させ、
    前記クラッチ機構が連結された状態では、前記加工用モータの出力が、回転を伝達する工具用回転伝達機構を介して前記工具回転装置の回転工具を回転さえるものであることを特徴とする、前記請求項1乃至請求項5の何れかに記載の工作機械。
  7. 主軸台のチャックによって把持した工作物を回転させる工作物回転装置と、
    回転工具を取り付けたタレットを前記主軸台の回転軸と平行なZ軸に直交するX軸の方向に沿って移動させるX軸駆動装置と、
    前記タレットまたは前記主軸台をZ軸方向に移動させるZ軸駆動装置と、
    前記タレットを回転させて前記回転工具を円周上の任意の位置に位置決めする割出し装置と、
    前記割出し装置によって位置決めされた任意の位置で前記回転工具に対して回転を与える工具回転装置とを備えた工作機械の加工方法であり、
    前記割出し装置によるタレットの回転により前記回転工具を移動させ、
    前記工作物回転装置による前記工作物の回転、前記X軸駆動装置による前記回転工具のX軸方向の移動および、前記Z軸駆動装置による前記回転工具または前記工作物のZ軸方向の移動から選択した少なくとも一つの回転や移動を行い、
    前記工作物の所定の加工範囲または加工位置に対して前記回転工具による加工を行わせることを特徴とする工作機械の加工方法。
  8. 前記工作機械は、前記タレットおよび前記回転工具の回転軸が共にZ軸と直交したものであり、
    X軸およびZ軸に直交する方向をY軸とした場合に、
    前記割出し装置のタレットを所定角度ずつ複数工程に分けて回転させることにより、前記回転工具を所定距離ずつY軸方向に移動し、前記各工程毎に、前記Z軸駆動装置を駆動させ前記タレットをZ軸方向に移動することにより、前記工作物に対してY軸およびZ軸に平行なYZ平面を加工することを特徴とする、前記請求項7に記載する工作機械の加工方法。
  9. 前記工作機械は、前記タレットおよび前記回転工具の回転軸が共にZ軸と直交したものであり、
    X軸およびZ軸に直交する方向をY軸とした場合に、
    前記割出し装置のタレットを所定角度回転させることにより、前記回転工具をY軸方向に所定距離移動し、前記Z軸駆動装置を駆動させて前記タレットのZ軸方向に移動させることにより、Y軸およびZ軸に平行なYZ平面の所定の加工位置に前記回転工具を移動し、前記工作物に対して穴あけ加工を行うことを特徴とする前記請求項7に記載する工作機械の加工方法。
  10. 前記工作機械は、前記タレットおよび前記回転工具の回転軸が共にZ軸と平行なものであり、
    X軸およびZ軸に直交する方向をY軸とした場合に、
    前記割出し装置のタレットを回転させることによる前記回転工具のY軸方向およびX軸方向の移動と、前記工作物回転装置の回転に伴う被加工部のY軸方向およびX軸方向の移動と、前記X軸駆動装置の駆動による前記タレットのX軸方向の移動との組み合わせに基づいて、X軸およびY軸に平行なXY平面上に、前記回転工具の位置と前記工作物の被加工部の位置とを一致させ、
    前記工作物の被加工部に対して前記回転工具による穴あけ加工を行うことを特徴とする、前記請求項7に記載する工作機械の加工方法。
  11. 前記工作物の被加工部が同一円周上に複数存在する場合に、
    前記回転工具の位置と前記工作物の被加工部の位置とを一致させる加工位置を複数ある前記加工部の一部または全部において異ならせ、
    全ての穴あけ加工を終えるまでの過程において前記工作物回転装置の駆動時間が最も短くなるように決定された前記加工位置に従い、前記工作物に対して前記回転工具による穴あけ加工を行うことを特徴とする、前記請求項7に記載する作機械の加工方法。













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