JPWO2015030184A1 - 分散質分析方法、及び分散質分析装置 - Google Patents

分散質分析方法、及び分散質分析装置 Download PDF

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Abstract

演算部(40)が、第1分散質の体積磁化率を取得する。また、演算部(40)が、第1分散質とは異なる第2分散質の体積磁化率を取得する。その後、演算部(40)が、第1分散質の体積磁化率と、第1分散質の体積と、第2分散質の体積磁化率と、第2分散質の体積と、第2分散質に含まれる表面物質が占める体積と、表面物質の体積磁化率との関係に基づいて、表面物質が占める体積を取得する。

Description

本発明は、体積磁化率を用いて、分散質(例えば、粒子)を個々に分析する分散質分析方法及び分散質分析装置に関する。
昨今、粒子製造技術の向上に伴い、粒子の高機能化が進展している。このため、粒子を正確に評価するための分析技術の発展が産業分野から望まれている。
粒子は様々な分野で使用されている。例えば、電池材料、化粧品、医薬品、ゴム、樹脂、食品添加物、塗料、及び顔料のような日常生活で目にするあらゆる製品に粒子が利用されている。しかし、粒子の評価方法は発展途上にある。
例えば、分散剤として広く使われているシリカゲル粒子の表面には、種々の化学的修飾が施されている。具体的には、シリカゲル粒子の表面が修飾分子で修飾されている。この修飾分子により、疎水性などの機能がシリカゲル粒子に付与される。表面が修飾された粒子の評価には、顕微ラマン分光法による元素分析、又は電子顕微鏡による元素分析が、利用されている。しかし、これらの評価法は、1回の測定に非常に長い時間を必要とする。例えば、1粒子の測定に1時間程度かかる。
このため、顕微ラマン分光法及び電子顕微鏡による元素分析は、産業分野における品質管理等には利用できなかった。産業分野では、数をこなす必要があるためである。さらに、顕微ラマン分光法及び電子顕微鏡による元素分析では、修飾分子の表面被覆率などの重要項目の測定ができなかった。修飾分子の表面被覆率は、粒子の表面積に対して修飾分子が占める面積の割合を示す。その他の粒子評価項目である粒子の表面積や、粒子に形成されている細孔の直径等についても、顕微ラマン分光法及び電子顕微鏡による元素分析では、測定できなかった。
粒子の表面積の測定、及び粒子に形成されている細孔の直径の測定には、一般的に、水銀圧入法、又はBET法が利用されている。BET法では、窒素ガス等の不活性ガスが使用される。しかし、水銀圧入法、及びBET法は、溶液中の粒子を測定対象にすることができない。このため、水銀圧入法、及びBET法では、溶液中で膨潤する高分子粒子の表面積等について、実際の使用環境である溶液中での正確な値を求めることができない。さらに、水銀圧入法、及びBET法では、1粒子ごとの測定ができない。
修飾分子の表面被覆率は、修飾分子の反応量から求めることができる。修飾分子の反応量は、粒子表面を修飾するために使用された修飾分子の量と、残滓として残った修飾分子の量との比較により、推定される。しかし、この測定方法では、表面被覆率のバラツキ等が十分に評価できなかった。このため、正確な表面被覆率の測定は困難であった。
一方、本発明者らは、過去に、空隙率測定装置を提案した(特許文献1)。この空隙率測定装置は、体積磁化率(単位体積当たりの磁化率)を用いて、分散媒中に分散された分散質の個々の空隙率、及び個々の分散質の空隙部分の体積を測定するものである。この空隙率測定装置において、分散媒は、液体であってもよいし、気体であってもよい。また、分散質は、例えば、微粒子であってもよいし、細胞であってもよい。
国際公開第2013/021910号
本発明者らは、体積磁化率を用いた新規な手法を見出した。この新規な手法によれば、分散質の表面を覆う物質が占める体積を分散質ごとに測定することが可能となる。そして本発明者らは、分散質の表面を覆う物質が占める体積を用いて、分散質の表面積や、分散質に形成されている各細孔の直径の平均値、各細孔の深さの平均値、各細孔の体積の平均値及び細孔の個数を、分散質ごとに測定可能な手法を見出した。さらに本発明者らは、上記した新規な手法を応用して、修飾分子の表面被覆率を分散質ごとに測定可能な手法を見出した。
本発明の目的は、分散質の表面を覆う物質が占める体積を分散質ごとに測定可能な分散質分析方法及び分散質分析装置を提供することである。
また本発明の他の目的は、分散質の表面積や、分散質に形成されている各細孔の直径の平均値、各細孔の深さの平均値、各細孔の体積の平均値及び細孔の個数を分散質ごとに測定可能な分散質分析方法及び分散質分析装置を提供することである。
また本発明の更に他の目的は、修飾分子の表面被覆率を分散質ごとに測定可能な分散質分析方法及び分散質分析装置を提供することである。
本発明に係る分散質分析方法は、
第1分散質の体積磁化率を取得する工程と、
前記第1分散質とは異なる第2分散質の体積磁化率を取得する工程と、
前記第1分散質の体積磁化率と、前記第1分散質の体積と、前記第2分散質の体積磁化率と、前記第2分散質の体積と、前記第2分散質に含まれる表面物質が占める体積と、前記表面物質の体積磁化率との関係に基づいて、前記表面物質が占める体積を取得する工程と
を包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法において、
前記第1分散質の体積磁化率を取得する工程は、
第1分散媒に磁場が生成されている期間に、前記第1分散媒中における前記第1分散質の動きを測定する工程と、
前記第1分散質の動きの測定結果から、前記第1分散質の磁気泳動速度を取得する工程と、
前記第1分散質の磁気泳動速度から、前記第1分散質の体積磁化率を取得する工程と
を包含し、
前記第2分散質の体積磁化率を取得する工程は、
第2分散媒に磁場が生成されている期間に、前記第2分散媒中における前記第2分散質の動きを測定する工程と、
前記第2分散質の動きの測定結果から、前記第2分散質の磁気泳動速度を取得する工程と、
前記第2分散質の磁気泳動速度から、前記第2分散質の体積磁化率を取得する工程と
を包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法は、前記表面物質が占める体積を、前記表面物質を構成する表面分子の分子長で割ることで、前記第1分散質の表面積を取得する工程をさらに包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法は、
前記表面物質が占める体積を、前記表面物質を構成する表面分子の分子長で割ることで、前記第1分散質の表面積を取得する工程と、
前記第1分散質の体積磁化率と、前記第1分散質の本体部分の体積磁化率と、前記第1分散媒の体積磁化率との関係に基づいて、前記第1分散質の空隙率を取得する工程と、
前記空隙率と、前記第1分散質の空隙部分の体積と、前記第1分散質の体積との関係に基づいて、前記第1分散質の空隙部分の体積を取得する工程と、
前記第1分散質の空隙部分の体積と前記第1分散質の表面積との比に基づいて、前記第1分散質に形成されている各細孔の直径の平均値を取得する工程と
をさらに包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法は、前記第1分散質の空隙部分の体積と、前記表面物質が占める体積と、前記各細孔の直径の平均値と、前記表面分子の分子長との関係に基づいて、前記各細孔の深さの平均値を取得する工程をさらに包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法は、前記各細孔の直径の平均値と、前記各細孔の深さの平均値とに基づいて、前記各細孔の体積の平均値を取得する工程をさらに包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法は、前記第1分散質の空隙部分の体積と、前記各細孔の体積の平均値とに基づいて、前記第1分散質に形成されている細孔の個数を取得する工程をさらに包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法は、
前記表面物質が占める体積と、前記表面物質を構成する表面分子の密度と、前記表面分子の分子量と、アボガドロ定数とに基づいて、前記表面分子の個数を取得する工程と、
前記表面分子の個数と前記表面分子の断面積とに基づいて、前記表面分子が占める面積を取得して、前記第1分散質の表面積に対して前記表面分子が占める面積の割合を取得する工程と
をさらに包含してもよい。
本発明に係る分散質分析方法において、前記第2分散質は、前記第1分散質と前記第1分散質の表面を覆う前記表面物質とを含んでもよい。
本発明に係る分散質分析装置は、
演算部を備え、
前記演算部が、
第1分散質の体積磁化率を取得し、
前記第1分散質とは異なる第2分散質の体積磁化率を取得し、
前記第1分散質の体積磁化率と、前記第1分散質の体積と、前記第2分散質の体積磁化率と、前記第2分散質の体積と、前記第2分散質に含まれる表面物質が占める体積と、前記表面物質の体積磁化率との関係に基づいて、前記表面物質が占める体積を取得してもよい。
本発明に係る分散質分析装置は、
磁場を生成する磁場生成部と、
前記磁場生成部によって分散媒に磁場が生成されている期間に、前記分散媒中の分散質の動きを測定する分散質測定部と
を更に備え、
前記分散質測定部が、前記第1分散質の動きと、前記第2分散質の動きとを測定し、
前記演算部が、
前記第1分散質の動きの測定結果から、前記第1分散質の磁気泳動速度を取得し、
前記第1分散質の磁気泳動速度から、前記第1分散質の体積磁化率を取得し、
前記第2分散質の動きの測定結果から、前記第2分散質の磁気泳動速度を取得し、
前記第2分散質の磁気泳動速度から、前記第2分散質の体積磁化率を取得してもよい。
本発明に係る分散質分析装置において、前記第2分散質は、前記第1分散質と前記第1分散質の表面を覆う前記表面物質とを含んでもよい。
本発明によれば、分散質の表面を覆う物質が占める体積を分散質ごとに測定することが可能となる。また本発明によれば、分散質の表面積や、分散質に形成されている各細孔の直径の平均値、各細孔の深さの平均値、各細孔の体積の平均値及び細孔の個数を分散質ごとに測定することが可能となる。また本発明によれば、修飾分子の表面被覆率を分散質ごとに測定することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る分散質分析装置の模式図である。 本発明の実施の形態において第1分散質の体積磁化率を取得するための処理フローを示す図である。 本発明の実施の形態において第2分散質の体積磁化率を取得するための処理フローを示す図である。 本発明の実施の形態において第1分散質の表面が表面物質で覆われている状況を想定した模式図である。 本発明の実施の形態において細孔径を取得するための処理フローを示す図である。 本発明の実施の形態における円筒形状の細孔のモデルを示す模式図である。 本発明の実施の形態において第1分散質の表面全面が表面物質で被覆された状況を想定した場合の細孔の模式図である。 本発明の実施の形態において修飾前の分散質の体積磁化率を取得するための処理フローを示す図である。 本発明の実施の形態において修飾後の分散質の体積磁化率を取得するための処理フローを示す図である。 本発明の実施の形態における修飾分子の模式図である。 (a)及び(b)は本発明の実施の形態に係る分散質分析方法を説明するための模式図である。 (a)及び(b)は本発明の実施の形態に係る分散質分析装置における分散質の体積磁化率と、分散媒の体積磁化率と、分散質の移動方向との関係を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る分散質分析装置の模式図である。 本発明の実施の形態に係る分散質分析装置の他例1の模式図である。 本発明の実施の形態に係る分散質分析装置の他例2の模式図である。 本発明の実施の形態に係る分散質分析装置の他例3の模式図である。
以下、図1〜図16を参照して、本発明に係る分散質分析方法及び分散質分析装置の実施形態を説明する。本発明は、以下に説明する実施形態の構成ならびに図面に記載される構成に限定されることを意図せず、当該構成と均等な構成も含む。
[分散質分析装置の基本構成]
図1は、本実施形態の分散質分析装置10の模式図である。分散質分析装置10は、磁場生成部20と、分散質測定部30と、演算部40とを備える。磁場生成部20の近傍には分散媒fに分散質pが分散された分散系Dが配置されている。分散系Dは、例えば、管状部材に入れられている。磁場生成部20によって分散系Dに磁場が生成される場合、分散質pは所定の方向に移動する。このような現象は磁気泳動とも呼ばれる。磁場生成部20は、超電導磁石、磁気回路、又は永久磁石などを含む。
分散質測定部30は、磁場生成部20によって分散系Dに磁場が生成されている期間に、分散媒f中における分散質pの動きを測定する。なお、以下の説明において、分散質測定部30を単に測定部30と記載することがある。
図1は、分散媒f中に1つの分散質pが存在している様子を示しているが、分散媒fに複数の分散質pが存在していてもよい。分散媒fは液体であってもよく、気体であってもよい。例えば、分散媒fはアセトンであってもよく、アセトニトリルであってもよい。あるいは、分散媒fはメタノールであってもよく、水であってもよい。あるいは、分散媒fは、例えば空気であってもよい。また、分散質pは微粒子であってもよい。あるいは、分散質pは細胞(例えば、赤血球)であってもよい。分散質pの直径は10nm以上であり、100nm以上100μm以下であることが好ましい。
分散質pの比重が分散媒fの比重に対して2倍以上であると、分散質pの沈降が比較的早い。この場合、分散媒fを比重の比較的高いものに変更するか、又は、ポンプ等によって分散媒fを流動させることが好ましい。また、分散系Dの延びている方向を鉛直方向に一致させて、分散質pの重力落下に対する磁場による速度変化を測定することが好ましい。この場合、分散系Dの延びている方向は、磁場生成部20による磁気泳動方向に一致する。なお、分散系Dの延びている方向を鉛直方向に一致させることに加えて、ポンプ等によって分散媒fを流動させてもよい。
分散質pの体積磁化率は分散媒fの体積磁化率とは異なるため、磁場の生成により、分散質pは所定の方向に移動する。分散質pの移動の程度は、磁場の大きさに応じて変化する。
演算部40は、分散質pの表面積、分散質pの空隙率、分散質pの空隙部分の体積、分散質pに形成されている各細孔の直径の平均値、分散質pに形成されている各細孔の深さの平均値、分散質pに形成されている各細孔の体積の平均値、及び分散質pに形成されている細孔の個数を取得できる。これらの取得に先立ち、演算部40は、分散質pの表面を覆う表面物質が占める体積を取得する。また、分散質Pの表面が修飾分子で修飾されている場合、演算部40は、修飾分子の表面被覆率を取得できる。修飾分子の表面被覆率の取得に先立ち、演算部40は、修飾分子が占める体積を取得する。演算部40として、例えば、パーソナルコンピュータの演算部が用いられる。
[表面物質が占める体積の取得]
演算部40は、分散質pの表面を覆う表面物質が占める体積を取得するために、第1分散質及び第2分散質の体積磁化率を取得する。第2分散質は、第1分散質(分散質p)の表面が表面物質で覆われたものに対応する。したがって、第1分散質の表面は、第2分散質に含まれる表面物質によって覆われていない。
表面物質としては、非イオン性の界面活性剤、陽イオン性の界面活性剤、又は陰イオン性の界面活性剤等の吸着性の高い物質が用いられる。界面活性剤が使用される場合、第1分散質の表面全面が界面活性剤で被覆されるように、第1分散質の表面の性状に応じて、非イオン性の界面活性剤、陽イオン性の界面活性剤、及び陰イオン性の界面活性剤のうちの一つが選択される。なお、表面物質は、特に限定されるものではなく、第1分散質の表面全面を覆うことが可能な物質であればよい。例えば、表面物質は、第1分散質の表面全面を覆うことが可能な修飾分子であってもよい。
ここで、図1を参照して、分散質分析装置10による分散質pの磁気泳動速度vpの取得の概要を説明する。演算部40は、測定部30の測定結果から分散質pの磁気泳動速度vpを取得する。例えば、演算部40は、測定部30によって測定された分散質pの位置を示す位置情報の時間的な変化から、分散質pの磁気泳動速度vpを取得してもよい。その一例として、測定部30は、所定の時間ごとに分散質pを撮像し、演算部40は、それらの撮像結果から分散質pの磁気泳動速度vpを取得してもよい。その後、演算部40は、分散質pの磁気泳動速度vpから分散質pの体積磁化率χpを取得する。分散質pの動きは、分散質pの体積磁化率χp、及び分散媒fの体積磁化率χfに応じて決定される。なお、体積磁化率は、電子状態に依存するパラメータであり、物理学的に信頼性の高い指標である。このようにして、分散質分析装置10は、分散質pの磁気泳動速度vpを取得する。
したがって、第1分散質(分散質p)の体積磁化率の取得時には、第1分散媒f1に第1分散質p1が分散された第1分散系が用意され、第2分散質の体積磁化率の取得時には、第2分散媒f2に第2分散質p2が分散された第2分散系が用意される。
まず、図2を参照して、第1分散質p1の体積磁化率χp1が取得される際の分散質分析装置10の動作を説明する。図2は第1分散質p1の体積磁化率χp1を取得するための処理フローを示す。図2に示すように、まず、測定部30によって第1分散質p1の動きが測定される(ステップS1)。次いで、第1分散質p1の動きの測定結果に基づき、演算部40によって第1分散質p1の磁気泳動速度vp1が取得される(ステップS2)。次いで、演算部40によって第1分散質p1の体積磁化率χp1が取得される(ステップS3)。
続いて、図3を参照して、第2分散質p2の体積磁化率χp2が取得される際の分散質分析装置10の動作を説明する。図3は第2分散質p2の体積磁化率χp2を取得するための処理フローを示す。図3に示すように、まず、測定部30によって第2分散質p2の動きが測定される(ステップS11)。次いで、第2分散質p2の動きの測定結果に基づき、演算部40によって第2分散質p2の磁気泳動速度vp2が取得される(ステップS12)。次いで、演算部40によって第2分散質p2の体積磁化率χp2が取得される(ステップS13)。なお、第2分散媒f2は、第1分散媒f1と同じ種類であることが望ましいが、異なっていてもよい。
その後、演算部40は、第1分散質p1の体積磁化率χp1と、第1分散質p1の体積Vp1と、第2分散質p2の体積磁化率χp2と、第2分散質p2の体積Vp2と、第2分散質p2に含まれる表面物質sが占める体積Vsと、表面物質sの体積磁化率χsとの関係に基づいて、表面物質sが占める体積Vsを取得する。第1分散質p1の体積Vp1は、例えば、第1分散媒f1中の第1分散質p1が撮像された画像から第1分散質p1の径を求め、第1分散質p1の形状を球形と仮定して取得してもよい。又は、第1分散質p1の体積Vp1は、第1分散質p1の径にカタログ値を使用して、第1分散質p1の形状を球形と仮定して取得されてもよい。又は、第1分散質p1の体積Vp1として、第1分散質p1の体積のカタログ値が使用されてもよい。第2分散質p2の体積Vp2は、例えば、第2分散媒f2中の第2分散質p2が撮像された画像から第2分散質p2の径を求め、第2分散質p2の形状を球形と仮定して取得してもよい。表面物質sの体積磁化率χsは、パスカルの法則に基づき、表面物質sの構造式から推定できる。あるいは、表面物質sの体積磁化率χsは、SQUID素子、又は磁気天秤などを用いて、グラム単位で実測できる。
第2分散質p2の体積磁化率χp2の取得時には、第2分散媒f2に分散された複数の第2分散質p2のうちから1個の第2分散質p2が任意に選択されて、選択された第2分散質p2の体積磁化率χp2が取得されてもよい。又は、複数の第2分散質p2のうちから所定数の第2分散質p2が任意に選択され、選択された第2分散質p2の個々の体積磁化率χp2が取得されて、それらの体積磁化率χp2の平均値が取得されてもよい。又は、複数の第2分散質p2の全ての体積磁化率χp2が個々に取得されて、それらの体積磁化率χp2の平均値が取得されてもよい。
第1分散質p1の体積磁化率χp1の取得時には、ターゲットの第1分散質p1の体積磁化率χp1が取得される。これにより、ターゲットの第1分散質p1の表面が表面物質sで覆われている状況を想定した場合に該表面物質sが占める体積Vsが取得できる。したがって、表面物質sが占める体積Vsを第1分散質p1ごとに取得することができる。又は、複数の第1分散質p1のうちから所定数の第1分散質p1が任意に選択され、選択された第1分散質p1の個々の体積磁化率χp1が取得されて、それらの体積磁化率χp1の平均値が取得され、これにより、第1分散質p1の表面が表面物質sで覆われている状況を想定した場合に該表面物質sが占める体積Vsが取得されてもよい。又は、複数の第1分散質p1の全ての体積磁化率χp1が個々に取得されて、それらの体積磁化率χp1の平均値が取得され、これにより、第1分散質p1の表面が表面物質sで覆われている状況を想定した場合に該表面物質sが占める体積Vsが取得されてもよい。
なお、第1分散質p1、及び第2分散質p2は、分散媒に分散されて膨潤してもよい。
[表面積の取得]
図4を参照して説明するように、演算部40は、表面物質sが占める体積Vsを取得した後、第1分散質p1の表面積を取得する。第1分散質p1の表面積は、表面物質sを構成する分子が最密充填構造を取って第1分散質p1の表面全面に単層膜を形成するものと仮定して求める。
図4は第1分散質p1の表面が表面物質sで覆われている状況を想定した模式図であり、第1分散質p1の一部を切り出して示している。つまり、図4は、第2分散質p2の一部を切り出して拡大した模式断面図である。
図4に示すように、表面物質sを構成する分子(表面分子)smが最密充填構造を取って第1分散質p1の表面全面に単層膜を形成するものと仮定した場合、第1分散質p1の表面全面を覆う表面物質sが占める体積Vsを、表面分子smの分子長t1で割ることで、第1分散質p1の表面積を取得することができる。したがって、演算部40は、先に取得した表面物質sが占める体積Vsを、表面分子smの分子長t1で割って、第1分散質p1の表面積を取得する。分子長t1は、ファンデルワールス半径を用いて算出されてもよい。
なお、取得される表面積の値が、より確からしくなるように、複数種類の表面物質をそれぞれ用いて求めた表面積が比較されてもよい。例えば、表面物質として陽イオン性の界面活性剤が使用される場合、複数種類の陽イオン性の界面活性剤をそれぞれ用いて求めた表面積が比較されてもよい。又は、複数種類の分散媒をそれぞれ用いて求めた表面積が比較されてもよい。
[細孔径の取得]
図5、及び図6を参照して説明するように、第1分散質p1(分散質p)が多孔質の場合、演算部40は、第1分散質p1に形成されている各細孔の直径の平均値(細孔径)を取得することもできる。
図5は細孔径を取得するための処理フローを示す。細孔径が取得される場合、図5に示すように、演算部40は、まず、第1分散質p1の体積磁化率χp1と、第1分散質p1の本体部分(実質部分)の体積磁化率χd1と、第1分散媒f1の体積磁化率χf1との関係に基づいて、第1分散質p1の空隙率を取得する(ステップS21)。第1分散質p1の体積磁化率χp1は、第1分散質p1の各細孔に第1分散媒f1が侵入している状態における体積磁化率であり、第1分散質p1の本体部分の体積磁化率χd1は、第1分散質p1の各細孔に分散媒が侵入していない状態における体積磁化率である。第1分散質p1の本体部分の体積磁化率χd1、及び第1分散媒f1の体積磁化率χf1には、文献値が使用される。分散質分析装置10は、1つの分散質pの動きから、分散質pの空隙率を直接的に求めることができ、分散質p毎の空隙率を測定することができる。
次いで、図5に示すように、演算部40は、第1分散質p1の空隙率と、第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeと、第1分散質p1の体積Vp1との関係に基づいて、第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeを取得する(ステップS22)。第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeの値は、第1分散質p1に形成されている各細孔の体積の合計値である。
次いで、図5に示すように、演算部40は、第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeと第1分散質p1の表面積との比に基づいて、細孔径を取得する(ステップS23)。第1分散質p1が多孔質の場合、第1分散質p1の表面積は、第1分散質p1に形成されている各細孔の内面の面積の合計値に等しいと推定できる。したがって、第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeと第1分散質p1の表面積との比は、第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeと、各細孔の内面の面積の合計値との比(比表面積)に等しいと推定される。本実施形態において各細孔の形状は、同形の円筒形状に仮定される。
図6は円筒形状の細孔31のモデルを示す模式図である。細孔31が円筒の場合、細孔31の体積(円筒の容積)αと円筒の側面の面積βとの比は、上記した比表面積に等しいと考えられる。つまり、図6に示すように、円筒の半径がsr、円筒の高さがhとすると、細孔31の体積αは“πsr2h”であり、円筒の側面の面積βは“2πsrh”であるので、細孔31の体積αと円筒の側面の面積βとの比“β/α”は“2/sr”となり、この比“β/α”が、上記した比表面積の値と等しいと考えられる。したがって、細孔径を取得することができる。本実施形態において細孔径(各細孔の直径の平均値)は、円筒形状の同形の細孔31が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。
なお、分散質分析装置10で測定される空隙率は、単純に分散質pの形状のみによって規定されるものではなく、分散質pと、分散質pが分散された分散媒fとの関係をも示す指標である。例えば、仮に分散質pが同じものであっても、分散媒fが異なることにより、空隙率は異なる値を示すことがある。このため、空隙率により、分散質p内に浸透した分散媒fの状況を把握することができる。
[細孔深さの取得]
図7を参照して説明するように、演算部40は、さらに、第1分散質p1に形成されている各細孔の深さの平均値を取得することもできる。各細孔の深さの平均値が取得される場合、演算部40は、第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeと、表面物質sが占める体積Vsと、細孔径(各細孔の直径の平均値)と、表面分子smの分子長t1との関係に基づいて、各細孔の深さの平均値(細孔深さ)を取得する。
図7は、第1分散質p1の表面全面が表面物質sで被覆された状況を想定した場合の細孔31の模式図である。つまり、図7は、第2分散質p2の細孔の模式断面図である。ここでは前述したように、各細孔31の形状が同形の円筒形状であると仮定している。つまり、本実施形態において各細孔の深さの平均値(細孔深さ)は、円筒形状の同形の細孔31が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。
図7に示すように、細孔31が円筒の場合、円筒の内面が表面物質sで被覆される。第1分散質p1の細孔31の体積α1は、前述したように“πsr2h”であるので、第1分散質p1の表面全面が表面物質sで被覆された状況を想定した場合、細孔31の体積α2は、すなわち第2分散質p2の細孔の体積は、“π(sr−t1)2(h−t1)”となる。ここで、“t1”は、表面物質sを構成する表面分子smの分子長である。
細孔31の内面を覆う表面物質sの体積α3は“α1−α2”で求めることができるので、細孔31の内面を覆う表面物質sの体積α3と、第1分散質p1の細孔31の体積α1との比(体積比)α3/α1は、“(α1−α2)/α1”となる。そして、細孔31が円筒の場合、表面物質sが占める体積Vsと第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeとの比Vs/Vporeは、上記した体積比α3/α1に等しいと考えられるので、比Vs/Vporeと比α3/α1との間に以下の式で示す関係が成立する。
Vs/Vpore=(α1−α2)/α1
上記式において、表面物質sが占める体積Vs、及び第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeは既に取得されている。また、細孔径“2sr”も既に取得されている。よって、各細孔の深さの平均値を示す円筒の高さh(細孔深さ)を求めることができる。
[細孔体積の取得]
演算部40は、さらに、各細孔の体積の平均値を取得することもできる。ここでは前述したように、各細孔31の形状が同形の円筒形状であると仮定している。つまり、本実施形態において各細孔の体積の平均値(細孔体積)は、円筒形状の同形の細孔31が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。各細孔の体積の平均値が取得される場合、演算部40は、細孔31の体積(円筒の容積)αを求める式を用い、細孔径(各細孔の直径の平均値)と、細孔深さ(各細孔の深さの平均値)hとに基づいて、各細孔の体積の平均値(細孔体積)を取得する。
[細孔数の取得]
演算部40は、さらに、第1分散質p1に形成されている細孔の個数を取得することができる。細孔の個数が取得される場合、演算部40は、第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeを細孔体積(各細孔の体積の平均値)で割ることにより、細孔の個数(細孔数)を取得する。したがって、本実施形態において細孔の個数(細孔数)は、円筒形状の同形の細孔31が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。
[修飾分子の表面被覆率の取得]
演算部40は、さらに、修飾分子mの表面被覆率を取得することができる。修飾分子mの表面被覆率の取得に先立ち、演算部40は、修飾分子mが占める体積Vmを取得する。
修飾分子mが占める体積Vmを取得するために、修飾前の分散質pbが分散媒fbに分散された分散系と、修飾後の分散質pa、すなわち分散質pが分散媒faに分散された分散系が用意される。ここで、修飾前の分散質pbは上記した第1分散質p1に相当し、修飾後の分散質paは上記した第2分散質p2に相当し、修飾分子mは上記した表面物質sを構成する表面分子smに相当する。よって、修飾前の分散質pbと、修飾後の分散質paと、修飾分子mとの関係は、第1分散質p1と第2分散質p2と表面分子smとの関係に等しい。
したがって、図8、及び図9を参照して説明するように、演算部40は、第1分散質p1及び第2分散質p2の体積磁化率の取得と同様にして、修飾前の分散質pb及び修飾後の分散質paの体積磁化率を取得できる。また演算部40は、表面物質sが占める体積Vsの取得と同様にして、修飾分子mが占める体積Vmを取得できる。
なお、修飾前の分散質pb、及び修飾後の分散質paは、分散媒に分散されて膨潤してもよい。また、分散媒fbは、分散媒faと同じ種類であることが望ましいが、異なっていてもよい。
図8は修飾前の分散質pbの体積磁化率χpbを取得するための処理フローを示す。修飾前の分散質pbの体積磁化率χpbの取得時には、図8に示すように、まず、測定部30によって修飾前の分散質pbの動きが測定される(ステップS31)。次いで、修飾前の分散質pbの動きの測定結果に基づき、演算部40によって修飾前の分散質pbの磁気泳動速度vpbが取得される(ステップS32)。次いで、演算部40によって修飾前の分散質pbの体積磁化率χpbが取得される(ステップS33)。
図9は修飾後の分散質paの体積磁化率χpaを取得するための処理フローを示す。図9に示すように、まず、修飾後の分散質paの体積磁化率χpaの取得時には、測定部30によって修飾後の分散質paの動きが測定される(ステップS41)。次いで、修飾後の分散質paの動きの測定結果に基づき、演算部40によって修飾後の分散質paの磁気泳動速度vpaが取得される(ステップS42)。次いで、演算部40によって修飾後の分散質paの体積磁化率χpaが取得される(ステップS43)。
その後、演算部40は、修飾前の分散質pbの体積磁化率χpbと、修飾前の分散質pbの体積Vpbと、修飾後の分散質paの体積磁化率χpaと、修飾後の分散質paの体積Vpaと、修飾後の分散質paに含まれる修飾分子mが占める体積Vmと、修飾分子mの体積磁化率χmとの関係に基づいて、修飾分子mが占める体積Vmを取得する。修飾分子mの体積磁化率χmは、パスカルの法則に基づき、修飾分子mの構造式から推定できる。あるいは、修飾分子mの体積磁化率χmは、SQUID素子、又は磁気天秤などを用いて、グラム単位で実測できる。
修飾分子mが占める体積Vmを取得した演算部40は、修飾分子mが占める体積Vmと、修飾分子mの密度dmと、修飾分子mの分子量M.Wと、アボガドロ定数Naとに基づいて、修飾後の分散質paに含まれる修飾分子mの個数を取得する。修飾分子mの密度dmには、分散質を修飾する際に使用された修飾分子mの試料の密度が用いられる。この試料の密度と同じ密度で、修飾分子mが分散質の表面に配置される。修飾分子mが占める体積Vmと修飾分子mの密度dmとの積は、修飾後の分散質paに含まれる修飾分子mの質量を示し、その修飾分子mの質量を修飾分子mの分子量M.Wで割った値と、アボガドロ定数Naとの積の値が、修飾分子mの個数を示す。
次いで、演算部40は、修飾分子mの個数と修飾分子mの断面積Smとに基づいて、修飾分子mが占める面積を取得して、修飾前の分散質pbの表面積Sbに対して修飾分子mが占める面積の割合(修飾分子の表面被覆率)を取得する。この取得された値は、修飾後の分散質paにおける修飾分子の表面被覆率と等しい。図10は、分散質pの表面に配置された修飾分子mの模式図であり、分散質pの一部を切り出して示している。図10に示すように修飾分子mは分散質pの表面に立設している。よって、修飾分子mの個数と修飾分子mの断面積Smとの積の値が、修飾分子mが占める面積を示す。修飾分子mの断面積Smは、ファンデルワールス半径から算出することができる。また、修飾前の分散質pbの表面積Sbは、第1分散質p1の表面積の取得と同様にして、求めることができる。
以上のように、本実施形態の分散質分析装置によれば、分散質pを破壊することなく分散質pの内部及び表面の情報を得ることができる。また本実施形態の分散質分析装置によれば、分散媒fに分散された複数の分散質pの均一性を調べることができる。
以下、本実施形態の分散質分析方法を説明する。
[体積磁化率の測定方法]
図11(a)、及び図11(b)は、本実施形態の分散質分析方法を説明するための模式図である。図11(a)、及び図11(b)を参照して、分散質pの体積磁化率χpの測定方法について説明する。
まず、図11(a)に示すように、分散媒fに磁場が生成されている期間に、分散媒f中における分散質pの動きを測定する。
次に、図11(b)に示すように、分散質pの動きの測定結果から、分散質pの磁気泳動速度vpが取得され、分散質pの磁気泳動速度vpから、分散質pの体積磁化率χpが取得される。
なお、分散質pはインクトナーに用いられる磁性粒子であってもよい。また、分散質pは化粧品(例えば、ファウンデーション)に用いられる材料であってもよく、DDS(ドラッグデリバリーシステム)に適用される材料であってもよい。なお、上述したように、分散質pは細胞であってもよい。分散質pが細胞の場合、分散質pの形状が時間とともに変化することがある。
ここで、図12(a)、及び図12(b)を参照して、分散質pの動きを説明する。図12(a)、及び図12(b)は、本実施形態の分散質分析装置における分散質の体積磁化率と、分散媒の体積磁化率と、分散質の移動方向との関係を説明するための模式図である。例えば、磁場生成部20はポールピースによって強い磁場、及び大きな磁場勾配を生成することが好ましい。
図12(a)に示すように、分散質pの体積磁化率χpが分散媒fの体積磁化率χfよりも小さい場合、分散質pは磁場から遠ざかる方向に移動する。なお、分散質pは磁石(超電導磁石、磁気回路、又は永久磁石など)の端部の近傍において力を受ける。例えば、分散質pは磁石の端部の近傍から±200μm程度の範囲で力を受ける。
図12(b)に示すように、分散質pの体積磁化率χpが分散媒fの体積磁化率χfよりも大きい場合、分散質pは磁場に近づく方向に移動する。
図13は本実施形態の分散質分析装置10の模式図である。図13に示した分散質分析装置10において分散系Dの入れられたセルCは磁場生成部20の近傍に配置されている。例えば、測定対象の分散質pを含む溶媒(溶液)を導入するためのセルCは、ガラスキャピラリであり、キャピラリの軸方向に直交する断面が約100μmのほぼ正方形状に構成されている。分散質pは、キャピラリ内に、溶媒に分散した状態で毛細管現象又はポンプによって導入される。
測定部30は、拡大部32、及び撮像部34を有している。例えば、拡大部32は対物レンズを含み、撮像部34は電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)を含む。分散質pは、拡大部32によって適当な倍率で拡大されて、撮像部34で撮影される。なお、撮像部34は一般に分散質pの位置だけでなく、その径も併せて測定可能である。よって、撮像部34は分散質pの径を測定してもよい。但し、撮像部34は分散質pの径を測定しなくてもよい。例えば、撮像部34は分散質pから散乱する光を検出することによって分散質pの位置を測定してもよい。
演算部40は、測定部30の測定結果に基づいて磁気泳動速度vpを求める。分散質pの磁気泳動速度vpは以下の式(1)ように表される。
Figure 2015030184
上記式(1)において、χpは分散質pの体積磁化率であり、χfは分散媒fの体積磁化率であり、rは分散質pの半径であり、ηは分散媒fの粘性率であり、μoは真空の透磁率であり、Bは磁束密度であり、(dB/dx)は磁束密度の勾配である。なお、上記式(1)は、キャピラリ(セルCの一例)の軸方向において分散質pと分散媒fとに作用する磁気力の差と、粘性抵抗力とがほぼ等しいことから導かれる。
上述したように、分散質pの磁気泳動方向は、分散質pの体積磁化率χp、及び分散媒fの体積磁化率χfに応じて決定される。また、上記の式(1)から理解されるように、分散質pの磁気泳動速度vpは、磁束密度B及び/又は磁束密度の勾配(dB/dx)に依存して変化する。
演算部40は、測定部30の測定結果から求めた磁気泳動速度vpを利用して、分散質pの体積磁化率χpを取得する。
[分散質の表面積の測定方法]
分散質pの表面積の測定のために、上述したように、分散質pである第1分散質p1の他に、分散質pの表面が表面物質sで覆われた第2分散質p2が用意される。第2分散質p2は、例えば、分散質pの表面に界面活性剤を吸着させることにより得ることができる。
演算部40は、上記した体積磁化率の測定方法に基づいて、第1分散質p1の体積磁化率χp1、及び第2分散質p2の体積磁化率χp2を取得する。
その後、演算部40は、第2分散質p2に含まれる表面物質sが占める体積Vsを取得する。この体積Vsは、第1分散質p1が表面物質sで覆われている状況を想定した場合に該表面物質sが占める体積に相当する。
分散質pが多孔質の場合、分散質pには分散媒fの充填された空隙部分があり、分散質pは、本体部分(実質部分)と、空隙部分とに分けられる。また、体積磁化率と体積との積には加成性があり、分散質pの体積磁化率χpと体積Vpとの積の値は、分散質pを構成する各成分の体積磁化率と体積との積の合計値に等しい。したがって、以下の式(2)、及び式(3)の関係が成立する。
χp2×Vp2=χd2×Vd2+χs×Vs+χpore2×Vpore2・・・(2)
χp1×Vp1=χd1×Vd1+χpore1×Vpore1・・・(3)
上記式(2)において、χp2は第2分散質p2の体積磁化率、Vp2は第2分散質p2の体積、χd2は第2分散質p2の本体部分の体積磁化率、Vd2は第2分散質p2の本体部分の体積、χsは表面物質sの体積磁化率、Vsは表面物質sが占める体積、χpore2は第2分散質p2の空隙部分の体積磁化率、Vpore2は第2分散質p2の空隙部分の体積である。また、上記式(3)において、χp1は第1分散質p1の体積磁化率、Vp1は第1分散質p1の体積、χd1は第1分散質p1の本体部分の体積磁化率、Vd1は第1分散質p1の本体部分の体積、χpore1は第1分散質p1の空隙部分の体積磁化率、Vpore1は第1分散質p1の空隙部分の体積である。
第1分散系の分散媒f1と第2分散系の分散媒f2とが同じ種類の場合、上記の式(2)及び式(3)において、“χd2×Vd2”と“χd1×Vd1”とは等しくなる。また、第1分散質p1と第2分散質p2との間で空隙部分の体積(細孔の体積)の差が無視できるほど小さい場合、“χpore2×Vpore2”と“χpore1×Vpore1”とも等しいとみなすことができる。よって、“式(2)−式(3)”から、以下の式(4)の関係が成立する。
χp2×Vp2−χp1×Vp1=χs×Vs・・・(4)
したがって、第1分散質p1の体積磁化率χp1と、第1分散質p1の体積Vp1と、第2分散質p2の体積磁化率χp2と、第2分散質p2の体積Vp2と、第2分散質p2に含まれる表面物質sが占める体積Vsと、表面物質sの体積磁化率χsとの関係に基づいて、演算部40は、表面物質sが占める体積Vsを取得することができる。表面物質sの体積磁化率χsは、パスカルの法則に基づき、表面物質sの構造式から推定できる。あるいは、表面物質sの体積磁化率χsは、SQUID素子、又は磁気天秤などを用いて、グラム単位で実測できる。
なお、第1分散質p1には、大きさが既知の材料を用いてもよく、あるいは、第1分散質p1の直径を測定し、第1分散質p1の形状を球形と仮定して、第1分散質p1の体積Vp1を求めてもよい。例えば、第1分散質p1の直径は測定部30を用いて測定してもよい。なお、測定部30が第1分散質p1の直径を直接的に測定する場合、図14に示すように、分散質分析装置10は光源50を有することが好ましい。第2分散質p2の体積Vp2は、第2分散質p2の直径を測定し、第2分散質p2の形状を球形と仮定して求めてもよい。
あるいは、凸レンズと平板ガラスとの間、又は、平板ガラスと平板ガラスとの間に形成される空隙によって第1分散質p1をトラップさせて、第1分散質p1の直径を測定してもよい。このとき、2つの光学部材の間における光の干渉が利用される。あるいは、ブラウン運動を行う第1分散質p1からの散乱光を利用して第1分散質p1の直径を測定してもよい。第2分散質p2の直径も同様に測定することが可能である。
なお、図13及び図14に示した分散質分析装置10では、分散系Dが導入されるキャピラリCは垂直に配置されていたが、本発明はこれに限定されない。図15に示すように、分散質分析装置10において、キャピラリCは水平に配置されてもよい。例えば、磁場生成部20は磁束密度3Tの磁場を生成する。
表面物質sが占める体積Vsが取得された後、演算部40は、体積Vsを、表面物質sを構成する分子(表面分子)smの分子長t1で割ることで、表面分子smが占める面積を取得する。表面分子smは分散質p(第1分散質p1)の表面全面を覆っているので、表面分子smが占める面積は、分散質pの表面積を示す。この演算は、表面物質sを構成する表面分子smが最密充填構造を取って分散質pの表面全面に単層膜を形成すると仮定することで成立する(図4を参照)。
[分散率の空隙率の測定方法]
分散質pが多孔質の場合、分散質pには分散媒fの充填された空隙部分があり、分散質pは、本体部分(実質部分)と、空隙部分とに分けられる。この場合、分散質pの空隙率は、以下の式(5)で表される。
空隙率=Vpore/Vp=Vpore/(Vd+Vpore)・・・(5)
上記式(5)において、Vpは分散質pの体積であり、Vdは分散質pの本体部分の体積であり、Vporeは分散質pの空隙部分の体積である。
また、上記式(5)から明らかなように、分散質pの体積Vpは、分散質pの本体部分の体積Vdと、空隙部分の体積Vporeとの和で表される。つまり、以下の式(6)の関係が成立する。
Vp=Vd+Vpore・・・(6)
また、体積磁化率と体積との積には加成性があり、分散質pの体積磁化率χpと体積Vpとの積の値は、分散質pを構成する各成分の体積磁化率と体積との積の合計値に等しい。したがって、分散質pの体積磁化率χpと体積Vpとの積の値は、分散質pの本体部分の体積磁化率χdと体積Vdとの積と、分散質pの空隙部分の体積磁化率χporeと体積Vporeとの積を合計した値に等しい。つまり、以下の式(7)の関係が成立する。
χpVp=χdd+χporepore・・・(7)
したがって、上記の式(5)、式(6)及び式(7)より、以下の式(8)の関係が成立する。
空隙率=Vpore/(Vd+Vpore)=Vpore/Vp=(χp−χd)/(χpored)・・・(8)
分散質pの空隙部分に分散媒fが充填されている場合、分散質pの空隙部分の体積磁化率χporeは分散媒fの体積磁化率χfに等しいので、上記の式(8)は、以下の式(9)に変換できる。
空隙率=(χp−χd)/(χfd)・・・(9)
分散質pの本体部分の体積磁化率χd、及び分散媒fの体積磁化率χfには、文献値が使用される。よって、分散質pの体積磁化率χpが測定されることにより、上記の式(9)で表される分散質pの体積磁化率χpと、分散質pの本体部分の体積磁化率χdと、分散媒fの体積磁化率χfとの関係に基づいて、演算部40は分散質pの空隙率を求めることができる。
[分散質pの空隙部分の体積の測定方法]
上記の式(5)によれば、空隙率が測定されることにより、分散質pの空隙部分の体積Vporeを求めることができる。即ち、体積Vporeは、以下の式(10)で表される。
Vpore=空隙率×Vp・・・(10)
よって、演算部40は、上記の式(10)で表される分散質pの空隙部分の体積Vporeと、分散質pの空隙率と、分散質pの体積Vpとの関係に基づいて、分散質pの空隙部分の体積Vporeを取得できる。
[細孔径の測定方法]
分散質pの表面積、及び分散質pの空隙部分の体積Vporeが測定されることにより、分散質pに形成されている各細孔の直径の平均値(細孔径)を求めることができる。上述したように、各細孔の直径の平均値は、円筒形状の同形の細孔が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。
具体的には、分散質pが多孔質の場合、分散質pの表面積は、分散質pに形成されている各細孔の内面の面積の合計値に等しいと推定できる。したがって、分散質pの空隙部分の体積Vporeと分散質pの表面積との比は、分散質pの空隙部分の体積Vporeと、各細孔の内面の面積の合計値との比(比表面積)に等しいと推定される。一方、各細孔の形状が同形の円筒形状であると仮定された場合、細孔半径srを用いて、細孔の体積(円筒の容積)αは以下の式(11)で表され、円筒の側面の面積βは以下の式(12)で表される(図6を参照)。
α=πsr2h・・・(11)
β=2πsrh・・・(12)
したがって、細孔の体積αと円筒の側面の面積βとの比“β/α”は、以下の式(13)で表される。
β/α=2/sr・・・(13)
この式(13)で表される比“β/α”が、上記した比表面積の値と等しいと考えられる。つまり、以下の式(14)の関係が成立する。
β/α=2/sr=分散質pの表面積/Vpore・・・(14)
よって、半径srは、以下の式(15)で表される。
sr=2(Vpore/分散質pの表面積)・・・(15)
細孔径は“2sr”であるので、分散質pの表面積、及び分散質pの空隙部分の体積Vporeが測定されることにより、演算部40は、上記の式(15)に基づいて、細孔径を取得できる。
[細孔深さの測定方法]
円筒形状の同形の細孔が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定されて、分散質pに形成されている各細孔の深さの平均値が取得される。つまり、各細孔の深さの平均値(細孔深さ)は、上述したように、円筒形状の同形の細孔が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。
具体的には、各細孔の形状が同形の円筒形状であると仮定された場合、表面物質sで分散質pの表面全面が被覆される前の細孔の体積(円筒の容積)α1は、以下の式(16)で表される(図6参照)。
α1=πsr2h・・・(16)
一方、表面物質sで分散質pの表面全面が被覆された後の細孔の体積(円筒の容積)α2は、以下の式(17)で表すことができる(図7参照)。
α2=π(sr−t1)2(h−t1)・・・(17)
上記式(17)において、“t1”は、上述したように、表面物質sを構成する表面分子smの分子長である。
したがって、細孔の内面を覆う表面物質sの体積α3は、以下の式(18)で表すことができる。
α3=α1−α2・・・(18)
したがって、細孔の内面を覆う表面物質sの体積α3と、表面物質sで分散質pの表面全面が被覆される前の細孔の体積α1との比(体積比)α3/α1は、以下の式(19)で表すことができる。
α3/α1=(α1−α2)/α1・・・(19)
細孔が円筒の場合、表面物質sが占める体積Vsと第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeとの比Vs/Vporeは、上記した体積比α3/α1に等しいと考えられる。したがって、以下の式(20)の関係が成立する。
Vs/Vpore=(α1−α2)/α1・・・(20)
表面物質sが占める体積Vs、及び第1分散質p1の空隙部分の体積Vporeを求める演算については既に説明されている。よって、Vs/Vporeは求めることができる。Vs/Vporeを“A”と定義すると、上記式(20)は、以下の式(21)に変換することができる。
A=(α1−α2)/α1・・・(21)
したがって、上記した式(16)、式(17)、及び式(21)より、以下の式(22)の関係が成立する。
Figure 2015030184
上記の式(22)により、各細孔の深さの平均値を示す円筒の高さhは、以下の式(23)から求めることができる。
Figure 2015030184
よって、演算部40は、分散質pの空隙部分の体積Vporeと、表面物質sが占める体積Vsと、細孔径と、表面分子smの分子長t1との関係に基づいて、分散質pに形成されている各細孔の深さの平均値(細孔深さ)を取得できる。
[細孔体積の測定方法]
円筒形状の同形の細孔が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定されて、分散質pに形成されている各細孔の体積の平均値が取得される。つまり、各細孔の体積の平均値(細孔体積)は、上述したように、円筒形状の同形の細孔が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。
具体的には、各細孔の形状が同形の円筒形状であると仮定された場合、細孔の体積は、“πsr2h”で計算できるので、細孔径(各細孔の直径の平均値)と、細孔深さ(各細孔の深さの平均値)とが取得されることで、演算部40は、各細孔の体積の平均値(細孔体積)を取得できる。
[細孔数の測定方法]
分散質pの空隙部分の体積Vporeを、細孔体積(各細孔の体積の平均値)で割ることにより、細孔の個数を求めることができる。よって、細孔体積が取得されることにより、演算部40は、細孔の個数(細孔数)を取得できる。上述したように、本実施形態において細孔の個数(細孔数)は、円筒形状の同形の細孔が分散質pに均一に分散して存在しているものと仮定して取得される値を示す。
[修飾分子の表面被覆率の測定方法]
分散質pの表面が修飾分子mで修飾されている場合、本実施形態の分散質分析装置10は、分散質pの表面を修飾している修飾分子mが占める割合(修飾分子の表面被覆率)を取得できる。修飾分子mの表面被覆率の取得に先立ち、演算部40は、修飾分子mが占める体積Vmを取得する。
修飾分子mが占める体積Vmを取得するために、修飾前の分散質pbが分散媒fbに分散された分散系と、分散質p、すなわち修飾後の分散質paが分散媒faに分散された分散系が用意される。本実施形態の分散質分析装置10は、上記した体積磁化率の測定方法に基づき、修飾前の分散質pbの体積磁化率χpbと修飾後の分散質paの体積磁化率χpaを取得する。
その後、演算部40は、修飾後の分散質paにおいて修飾分子mが占める体積Vmを取得する。上述したように、分散質が多孔質の場合、分散質には分散媒の充填された空隙部分があり、分散質は、本体部分(実質部分)と、空隙部分とに分けられる。また、体積磁化率と体積との積には加成性があり、分散質の体積磁化率と体積との積の値は、分散質を構成する各成分の体積磁化率と体積との積の合計値に等しい。したがって、以下の式(24)、及び式(25)の関係が成立する。
χpa×Vpa=χda×Vda+χm×Vm+χporea×Vporea・・・(24)
χpb×Vpb=χdb×Vdb+χporeb×Vporeb・・・(25)
上記式(24)において、χpaは修飾後の分散質paの体積磁化率、Vpaは修飾後の分散質paの体積、χdaは修飾後の分散質paの本体部分の体積磁化率、Vdaは修飾後の分散質paの本体部分の体積、χmは修飾分子mの体積磁化率、Vmは修飾分子mが占める体積、χporeaは修飾後の分散質paの空隙部分の体積磁化率、Vporeaは修飾後の分散質paの空隙部分の体積である。また、上記式(25)において、χpbは修飾前の分散質pbの体積磁化率、Vpbは修飾前の分散質pbの体積、χdbは修飾前の分散質pbの本体部分の体積磁化率、Vdbは修飾前の分散質pbの本体部分の体積、χporebは修飾前の分散質pbの空隙部分の体積磁化率、Vporebは修飾前の分散質pbの空隙部分の体積である。
修飾前の分散質pbが分散された分散系の分散媒fbと、修飾後の分散質paが分散された分散系の分散媒faとが同じ種類の場合、上記の式(24)及び式(25)において、“χda×Vda”と“χdb×Vdb”とは等しくなる。また、修飾前後で空隙部分の体積(各細孔の体積の合計値)の変化が無視できるほど小さい場合、“χporea×Vporea”と“χporeb×Vporeb”とも等しいとみなすことができる。よって、“式(24)−式(25)”から、以下の式(26)の関係が成立する。
χpa×Vpa−χpb×Vpb=χm×Vm・・・(26)
したがって、修飾後の分散質paの体積磁化率χpaと、修飾後の分散質paの体積Vpaと、修飾前の分散質pbの体積磁化率χpbと、修飾前の分散質pbの体積Vpbと、修飾分子mが占める体積Vmと、修飾分子mの体積磁化率χmとの関係に基づいて、演算部40は、修飾分子mが占める体積Vmを取得することができる。修飾分子mの体積磁化率χmは、パスカルの法則に基づき、修飾分子mの構造式から推定できる。あるいは、修飾分子mの体積磁化率χmは、SQUID素子、又は磁気天秤などを用いて、グラム単位で実測できる。
修飾分子mが占める体積Vmを取得した演算部40は、下記の式(27)に基づいて、修飾後の分散質paに含まれる修飾分子mの個数(分子数n)を取得する。
n=Vm×dm×(1/M.W)×Na・・・(27)
上記式(27)において、Vmは修飾分子mが占める体積であり、dmは修飾分子mの密度であり、M.Wは修飾分子mの分子量であり、Naはアボガドロ定数である。また、上記の式(27)において、修飾分子mが占める体積Vmと修飾分子mの密度dmとの積は、修飾後の分散質paに含まれる修飾分子mの質量を示し、その修飾分子mの質量を修飾分子mの分子量M.Wで割った値は、修飾分子mのモル数を示す。よって、修飾分子mのモル数とアボガドロ定数Naとの積の値が、修飾分子mの個数(分子数n)である。なお、修飾分子mの密度dmには、分散質を修飾する際に使用された修飾分子mの試料の密度が用いられる。この試料の密度と同じ密度で、修飾分子mが分散質の表面に配置される。
次いで、演算部40は、下記の式(28)に基づいて、修飾分子mの表面被覆率を取得する。
表面被覆率=n×Sm×(1/Sb)×100・・・(28)
上記式(28)において、Smは修飾分子mの断面積であり、Sbは修飾前の分散質pbの表面積、すなわち分散質pa(分散質p)の表面積である。また、上記の式(28)において、分子数n(修飾分子mの個数)と修飾分子mの断面積Smとの積は、修飾分子mが占める面積を示す。したがって、修飾分子mが占める面積を、修飾前の分散質pbの表面積Sbで割ることで、分散質pの表面積に対して修飾分子mが占める面積の割合(修飾分子の表面被覆率)を求めることができる。上述したように、修飾分子mは分散質pの表面に立設している(図10を参照。)。よって、修飾分子mの個数と修飾分子mの断面積Smとの積の値が、修飾分子mが占める面積を示す。修飾分子mの断面積Smは、ファンデルワールス半径から算出することができる。また、修飾前の分散質pbの表面積Sbは、上記した分散質の表面積の測定方法によって求めることができる。
なお、化学分析においてしばしば用いられる高速液体クロマトグラフィーでは、充填剤として一般に、粒子表面に疎水コート(直鎖炭化水素オクタデシル基)が施されたシリカゲル粒子が用いられる。高速液体クロマトグラフィーは、医薬品、食品、工業製品、公衆衛生などの分野で広く利用されている。本実施形態の分散質分析装置10を用いて、オクタデシル修飾によって粒子表面が疎水処理されたシリカゲル(ODS)粒子を分析することができる。
例えば、ODS粒子をアセトンに分散させ、表面物質sとして界面活性剤TritonX−100を使用して、界面活性剤が吸着する前のODS粒子(第1分散質p1)の平均体積磁化率χp1と、界面活性剤が吸着した後のODS粒子(第2分散質p2)の平均体積磁化率χp2とを測定した結果、平均体積磁化率χp1は“−9.40×10-6”と求められ、平均体積磁化率χp2は“−8.40×10-6”と求められた。よって、界面活性剤の吸着前後での平均体積磁化率の変化量は、“1.00×10-6”であった。なお、ここでは、平均体積磁化率を求めるために、2000個のODS粒子が使用された。
そして、前記した式(4)を用いて界面活性剤の吸着体積(界面活性剤が占める体積)Vsを求めた結果、界面活性剤の吸着体積Vsは“3.82×10-17[m3]”と求められた。したがって、ODS粒子の体積に対して界面活性剤の吸着体積Vsが占める割合は14.2%であった。ここでは、界面活性剤が吸着する前のODS粒子(第1分散質p1)の平均粒子体積Vp1、及び界面活性剤が吸着した後のODS粒子(第2分散質p2)の平均粒子体積Vp2は、“2.68×10-16[m3]”であり、界面活性剤の体積磁化率χsは、“−7.00×10-6”であった。
次に、界面活性剤の分子長をファンデルワールス半径から計算し、界面活性剤の吸着体積(占有体積)Vsから界面活性剤の吸着面積を算出した。界面活性剤TritonX−100の分子長は“1nm”であるので、1粒子当たりの吸着面積(ODS粒子の表面積)は、“3.82×10-8[m2]”と求められた。また、比表面積は“2.38×108[m]”と求められた。一方、窒素ガスをODS粒子に吸着させて、BET法により、ODS粒子の空隙部分の体積、及びODS粒子の表面積を求めた結果、空隙部分の体積は“1[mlg-1]”と求められ、表面積は“300[m2-1]”と求められた。したがって、BET法により、比表面積は“3.00×108[m]”と求められた。この値は、本実施形態の手法に基づいて求めた比表面積“2.38×108[m]”に近い値である。よって、本実施形態の手法の妥当性が理解される。
また、ODS粒子の空隙部分の体積は“1.60×10-16[m3]”と求められた。一方、上述したようにODS粒子の表面積は“3.82×10-8[m2]”と求められた。よって、上記した式(15)により細孔径は“16nm”と求められた。これに対して、窒素ガスをODS粒子に吸着させて、BET法により、細孔径を求めた結果、細孔径は“14nm”と求められた。この値は、本実施形態の手法に基づいて求めた細孔径“16nm”に近い値である。よって、本実施形態の手法の妥当性が理解される。
また、本実施形態の分散質分析装置10を用いて、シリカゲル粒子を分析することができる。例えば、表面物質sとして界面活性剤TritonX−100を使用して、シリカゲル粒子をアセトンに分散させて分析した結果、界面活性剤が吸着する前のシリカゲル粒子については、その平均粒子径が“5.81μm”と求められ、その平均体積磁化率χp1が“−9.36×10-6”と求められ、その空隙部分の体積Vporeが“6.17×10-17[m3]”と求められた。一方、界面活性剤が吸着した後のシリカゲル粒子については、その平均粒子径が“5.62μm”と求められ、その平均体積磁化率χp2が“−8.92×10-6”と求められ、その空隙部分の体積Vporeが“6.25×10-17[m3]”と求められた。シリカゲル粒子の形状を球形とみなすことで、界面活性剤の吸着体積Vsは“1.75×10-17[m3]”と求められた。また、界面活性剤TritonX−100の分子長は“1nm”であるので、細孔径は“13.3nm”と求められた。また、界面活性剤の吸着体積Vsとシリカゲル粒子の空隙部分の体積Vporeとの比Aは、“0.283”と求められた。この結果、各細孔の深さの平均値hは“120nm”と求められ、各細孔の体積の平均値は“1.68×10-23[m3]”と求められ、細孔の個数は“3.68×107個”と求められた。
また、本実施形態の分散質分析装置10を用いて、ODS粒子におけるオクタデシル基の表面被覆率を測定できる。この場合、表面処理前のシリカゲル粒子が修飾前の分散質pb(比較対象)となり、細孔内に溶媒(アセトン)を含んだシリカゲル粒子(比較対象)の平均体積磁化率χpbは“−9.22×10-6”と求められ、オクタデシル基の体積磁化率χmは、パスカルの法則を用いてオクタデシル基の分子構造から“−8.01×10-6”と求められた。一方、ODS粒子の平均体積磁化率χpaは、上記したように“−9.40×10-6”と求められた。ここでは、修飾前のシリカゲル粒子の平均粒子体積Vpb、及びODS粒子の平均粒子体積Vpaは、“2.68×10-16[m3]”であり、オクタデシル基の密度dmは、“9.60×108[gm-3]”であった。
オクタデシル基の分子量M.Wは“256[gmol-1]”であり、アボガドロ定数Naは“6.02×1023[分子mol-1]”であるので、1粒子当たりのオクタデシル基の分子数nは“1.37×1019個”と求められる。そして、オクタデシル基の断面積Smは、ファンデルワールス半径から算出すると、“1.12×10-8[m2]”であり、上述したようにODS粒子の表面積は“3.82×10-8[m2]”であるので、1粒子当たりのオクタデシル基の表面被覆率は、“29.3%”と求められた。これに対して、粒子表面を修飾するために使用されたオクタデシル基の量と、残滓として残ったオクタデシル基の量との比較により算出したオクタデシル基の表面被覆率は、“26%”であった。この値は、本実施形態の手法に基づいて求めた表面被覆率“29.3%”に近い値である。よって、本実施形態の手法の妥当性が理解される。
以上のように、本実施形態によれば、個々の分散質の表面積、細孔径(各細孔の直径の平均値)等を測定できる。さらに本実施形態によれば、分散質の表面が修飾されている場合に、修飾分子の表面被覆率を測定できる。したがって、本実施形態によれば、分散質の特性のバラツキを評価することができるので、製品のバラツキや、製品のロットブレの低減化を図ることが可能となる。例えば、高速液体クロマトグラフィーの充填剤や、接着剤、化粧品、医薬品、インク顔料のような粒子製品の歩留まりの改善を図ることが可能となる。特に、本実施形態によれば、個々の分散質における表面被覆率の測定が可能となるので、接着剤や、インク顔料、抗体修飾された医薬品原料分離用樹脂など、分散質の表面の機能が大きな役割を果たす製品の品質向上を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態において、磁気泳動させた分散質の動きを測定することにより分散質の体積磁化率を取得する分散質分析装置10が説明されたが、本発明はこれに限定されない。図16に示すように、分散質分析装置10は、演算部40と入力部60とを備えた構成であってもよい。入力部60は、MMI(Man Machine Interface)やポインティングデバイスなどで構成することができ、具体的には、例えば、マウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、キーボード、コントローラなどが含まれる。図16に示す分散質分析装置10において、演算部40には、入力部60を介して分散質の体積磁化率を示すデータが入力される。更に分散質分析装置10は、表示部70を備えてもよい。表示部70に、入力部60を介して入力された数値(分散質の体積磁化率)が表示されることで、利便性が向上する。表示部70は、例えば液晶ディスプレイのような表示装置で構成することができる。図16に示す分散質分析装置10は、例えば、パーソナルコンピュータであり得る。
また、本実施の形態において、分散質の体積磁化率は、磁気泳動させた分散質の動きを測定することにより取得されたが、分散質の体積磁化率を取得する方法は、これに限定されない。分散質の体積磁化率は、SQUID素子(例えば、日本カンタム・デザイン社製の磁気特性測定装置:型番MPMS3)、又は磁気天秤(例えば、SSL社製の磁気天秤:型番MSB−AUTO)などを用いて取得されてもよい。SQUID素子、又は磁気天秤などを用いて取得された分散質の体積磁化率は、図16に示す分散質分析装置10において、入力部60を介して演算部40に入力されてもよい。あるいは、分散質の体積磁化率は、文献値から取得されてもよい。文献値から取得された分散質の体積磁化率も同様に、図16に示す分散質分析装置10において、入力部60を介して演算部40に入力されてもよい。
また、本実施の形態において、分散質は粒子や細胞であったが、分散質はこれらに限定されるものではく、例えば、分散質は板状の物質であってもよい。
本発明は、分散質の表面積や、分散質に形成されている各細孔の直径の平均値、修飾分子の表面被覆率等を分散質ごとに測定することができ、化粧品分野や、医療品分野、環境分野などで使用されるナノ粒子の製造に適用可能である。
10 分散質分析装置
20 磁場生成部
30 分散質測定部
31 細孔
32 拡大部
34 撮像部
40 演算部
50 光源
p 分散質
f 分散媒
D 分散系
C セル
s 表面物質
sm 表面分子
m 修飾分子

Claims (12)

  1. 第1分散質の体積磁化率を取得する工程と、
    前記第1分散質とは異なる第2分散質の体積磁化率を取得する工程と、
    前記第1分散質の体積磁化率と、前記第1分散質の体積と、前記第2分散質の体積磁化率と、前記第2分散質の体積と、前記第2分散質に含まれる表面物質が占める体積と、前記表面物質の体積磁化率との関係に基づいて、前記表面物質が占める体積を取得する工程と
    を包含する、分散質分析方法。
  2. 前記第1分散質の体積磁化率を取得する工程は、
    第1分散媒に磁場が生成されている期間に、前記第1分散媒中における前記第1分散質の動きを測定する工程と、
    前記第1分散質の動きの測定結果から、前記第1分散質の磁気泳動速度を取得する工程と、
    前記第1分散質の磁気泳動速度から、前記第1分散質の体積磁化率を取得する工程と
    を包含し、
    前記第2分散質の体積磁化率を取得する工程は、
    第2分散媒に磁場が生成されている期間に、前記第2分散媒中における前記第2分散質の動きを測定する工程と、
    前記第2分散質の動きの測定結果から、前記第2分散質の磁気泳動速度を取得する工程と、
    前記第2分散質の磁気泳動速度から、前記第2分散質の体積磁化率を取得する工程と
    を包含する、請求項1に記載の分散質分析方法。
  3. 前記表面物質が占める体積を、前記表面物質を構成する表面分子の分子長で割ることで、前記第1分散質の表面積を取得する工程をさらに包含する、請求項1又は2に記載の分散質分析方法。
  4. 前記表面物質が占める体積を、前記表面物質を構成する表面分子の分子長で割ることで、前記第1分散質の表面積を取得する工程と、
    前記第1分散質の体積磁化率と、前記第1分散質の本体部分の体積磁化率と、前記第1分散媒の体積磁化率との関係に基づいて、前記第1分散質の空隙率を取得する工程と、
    前記空隙率と、前記第1分散質の空隙部分の体積と、前記第1分散質の体積との関係に基づいて、前記第1分散質の空隙部分の体積を取得する工程と、
    前記第1分散質の空隙部分の体積と前記第1分散質の表面積との比に基づいて、前記第1分散質に形成されている各細孔の直径の平均値を取得する工程と
    をさらに包含する、請求項2に記載の分散質分析方法。
  5. 前記第1分散質の空隙部分の体積と、前記表面物質が占める体積と、前記各細孔の直径の平均値と、前記表面分子の分子長との関係に基づいて、前記各細孔の深さの平均値を取得する工程をさらに包含する、請求項4に記載の分散質分析方法。
  6. 前記各細孔の直径の平均値と、前記各細孔の深さの平均値とに基づいて、前記各細孔の体積の平均値を取得する工程をさらに包含する、請求項5に記載の分散質分析方法。
  7. 前記第1分散質の空隙部分の体積と、前記各細孔の体積の平均値とに基づいて、前記第1分散質に形成されている細孔の個数を取得する工程をさらに包含する、請求項6に記載の分散質分析方法。
  8. 前記表面物質が占める体積と、前記表面物質を構成する表面分子の密度と、前記表面分子の分子量と、アボガドロ定数とに基づいて、前記表面分子の個数を取得する工程と、
    前記表面分子の個数と前記表面分子の断面積とに基づいて、前記表面分子が占める面積を取得して、前記第1分散質の表面積に対して前記表面分子が占める面積の割合を取得する工程と
    をさらに包含する、請求項3に記載の分散質分析方法。
  9. 前記第2分散質は、前記第1分散質と前記第1分散質の表面を覆う前記表面物質とを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分散質分析方法。
  10. 演算部を備え、
    前記演算部が、
    第1分散質の体積磁化率を取得し、
    前記第1分散質とは異なる第2分散質の体積磁化率を取得し、
    前記第1分散質の体積磁化率と、前記第1分散質の体積と、前記第2分散質の体積磁化率と、前記第2分散質の体積と、前記第2分散質に含まれる表面物質が占める体積と、前記表面物質の体積磁化率との関係に基づいて、前記表面物質が占める体積を取得する、分散質分析装置。
  11. 磁場を生成する磁場生成部と、
    前記磁場生成部によって分散媒に磁場が生成されている期間に、前記分散媒中の分散質の動きを測定する分散質測定部と
    を更に備え、
    前記分散質測定部が、前記第1分散質の動きと、前記第2分散質の動きとを測定し、
    前記演算部が、
    前記第1分散質の動きの測定結果から、前記第1分散質の磁気泳動速度を取得し、
    前記第1分散質の磁気泳動速度から、前記第1分散質の体積磁化率を取得し、
    前記第2分散質の動きの測定結果から、前記第2分散質の磁気泳動速度を取得し、
    前記第2分散質の磁気泳動速度から、前記第2分散質の体積磁化率を取得する、請求項10に記載の分散質分析装置。
  12. 前記第2分散質は、前記第1分散質と前記第1分散質の表面を覆う前記表面物質とを含む、請求項10又は11に記載の分散質分析方法。
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