JPWO2015022726A1 - 天敵昆虫増殖装置 - Google Patents

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Abstract

設置対象である害虫から保護すべき作物の枝葉に直接容易に設置することが可能で、簡易な構成を有し、害虫の天敵となる天敵昆虫の増殖を効率よく安価に実現することが可能な天敵昆虫増殖装置を提供する。害虫の天敵となる天敵昆虫を増殖させる天敵昆虫増殖装置10を、内部に空間を有する筐体状の本体部11と、本体部11の空間に配設された、天敵昆虫が出入り可能に収容された天敵昆虫収容部12と、本体部11の空間に、天敵昆虫収容部12と並設された、天敵昆虫が産卵可能な産卵部13とから構成する。

Description

本発明は、天敵昆虫増殖装置に関する。さらに詳しくは、設置対象である害虫から保護すべき作物の枝葉に直接容易に設置することが可能で、簡易な構成を有し、害虫の天敵となる天敵昆虫の増殖を効率よく安価に実現することが可能な天敵昆虫増殖装置に関する。
近年、天敵を中心としたIPM(総合的病害虫管理)が注目されている。例えば、ミヤコカブリダニ、スワルスキーカブリダニ、ククメリスカブリダニ等の多食性のカブリダニ類は、防除対象の害虫であるハダニ類やアザミウマ類を餌にする天敵昆虫であるが、カブリダニ類が餌とするのは、上述の防除対象害虫であるハダニ類やアザミウマ類だけではなく、サトウダニ、サヤアシニクダニ等の貯穀害虫や、花粉、かびの胞子等も餌とすることはすでに分かっている。しかし、作物や栽培時期によっては、餌となる花粉や微小昆虫も存在しないことがあり、この場合は、天敵昆虫であるカブリダニ類(以下、「天敵カブリダニ」ということがある)は増殖することができなくなる。そこで、植物体上に貯穀害虫を散布して、天敵カブリダニの餌として活用しようとする試みもなされているが、これら貯穀害虫自体が植物体上で定着することが極めて困難であるので、天敵カブリダニはこれらを餌に利用することがむずかしい。
一方、うどん粉病菌の胞子が蔓延している葉上では、天敵カブリダニが非常によく増殖することもわかっている。また、植物葉上にコメヌカを散布すると、常在菌の胞子が繁殖し、天敵カブリダニはこれを餌として利用し、通常の2〜3倍の増殖をする。ただ、うどん粉病菌は植物病原菌であるために、害虫から保護すべき作物に悪影響を与えるため、利用することはできない。また、コメヌカを散布することで繁殖する常在菌は葉上に繁殖し、保護作物の葉を汚染してしまい、光合成を阻害してしまうために、利用することは困難である。
サトウダニやサヤアシニクダニのような代替餌(餌ダニ)と、それらの餌となるフスマや酵母を、紙コップのなかに天敵カブリダニと一緒にいれることで、天敵カブリダニの増殖を促すことが農家によって行われている例があるが、この方法でも天敵カブリダニはある程度の増殖はするが、餌ダニがカップ内に定着しないことから、増殖程度は限られたものとなってしまい、十分な効果を示すまで天敵カブリダニを増殖させることは困難である。これらの問題を解決するために、コーン茎繊維等の細かい毛をもった植物繊維を産卵場所として使う試みも行われているが、植物体を使うためには、その調達が季節に左右されたり、別途そのための栽培をしなければならない等の制約があり、広く普及できる技術とはなっていない。
また、保湿剤、水、天敵昆虫、天敵昆虫の餌となる餌昆虫、餌昆虫の餌となるカビを培養するための培地及び天敵昆虫の産卵基質を包括する容器で構成されたものも開示されているが、装置が複雑で、実用上、必ずしも使い易いものではなく、また大掛かりな割には、効果の面で必ずしも満足し得るものではなかった(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−325541
本発明は、上述の問題に鑑み、IPM(総合的病害虫管理)の見地から、簡便に、天敵カブリダニの産卵場所、成虫の棲家、必要に応じて餌等を提供することによって天敵昆虫の増殖を図ることを目指して、なされたものであり、設置対象である害虫から保護すべき作物の枝葉に直接容易に設置することが可能で、簡易な構成を有し、害虫の天敵となる天敵昆虫の増殖を効率よく安価に実現することが可能な天敵昆虫増殖装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の天敵昆虫増殖装置が提供される。
[1]害虫の天敵となる天敵昆虫を増殖させる装置であって、内部に空間を有する筐体状の本体部と、前記本体部の前記空間に配設された、天敵昆虫が出入り可能に収容された天敵昆虫収容部と、前記本体部の前記空間に、前記天敵昆虫収容部と並設された、天敵昆虫が産卵可能な産卵部と、を備えた天敵昆虫増殖装置。
[2]前記本体部に連結された、設置対象である害虫から保護すべき作物の枝葉に設置するための設置部を、さらに備えた前記[1]に記載の天敵昆虫増殖装置。
[3]前記天敵昆虫収容部は、ティーバッグ状の袋体内に、前記天敵昆虫単独、又は前記天敵昆虫と前記天敵昆虫の増殖に必要な餌との組み合わせが収容されたものである前記[1]又は[2]に記載の天敵昆虫増殖装置。
[4]前記産卵部は、ティーバッグ状の袋体内に、毛糸、フェルト、麻ひも、麻製根巻きシート、手芸綿、スキマシート又は脱脂綿を塊状に形成したものが収容されたものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
[5]前記本体部は、紙又はプラスチック製のシート状の基材を、短冊状に打ち抜き、組み立てることによって、空間を有する筐体状に形成された前記[1]〜[4]のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
[6]前記設置部は、略4角形状を有し、その4角形状の上辺を除き、他の3辺には前記本体部の前記基材に連結した部分を貫通する連続した切れ込みが形成され、かつ前記他の3辺の切れ込みのうち左右の2辺の切れ込みが互いに対称形又は非対称形の鋸形状を有し、前記4角形状の上辺を残して前記3辺の切れ込みを切り離すことによって、前記設置対象を前記基材との間で着脱可能に挟持し得る舌片を形成し得るように構成された前記[1]〜[5]のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
[7]前記本体部は、前記天敵昆虫が前記空間から外部に出ることが可能な隙間を有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
[8]前記天敵昆虫は、カブリダニ類である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
本発明によれば、設置対象である害虫から保護すべき作物の枝葉に直接容易に設置することが可能で、簡易な構成を有し、害虫の天敵となる天敵昆虫の増殖を効率よく安価に実現することが可能な天敵昆虫増殖装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る天敵昆虫増殖装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る天敵昆虫増殖装置の、天敵昆虫収容部と、天敵昆虫が産卵可能な産卵部との構成を、一部破断して、模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る天敵昆虫増殖装置の、天敵昆虫収容部と、天敵昆虫が産卵可能な産卵部との構成を、一部破断して、模式的に示す斜視図である。なお、図3は、図1における設置部を、円形の貫通孔に変えた場合を示す。 本発明の実施の形態に係る天敵昆虫増殖装置の組み立て前の状態を模式的に示す平面図(展開図)である。
図1〜図4に示すように、本発明の実施の形態に係る天敵昆虫増殖装置10は、害虫の天敵となる天敵昆虫を増殖させる装置であって、内部に空間を有する筐体状の本体部11と、本体部11の空間に配設された、天敵昆虫が出入り可能に収容された天敵昆虫収容部12と、本体部11の空間に、天敵昆虫収容部12と並設された、天敵昆虫が産卵可能な産卵部13と、を備えたもので、必要に応じて設置対象に設置するための設置部14を備えたものである。以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
(本体部11)
本実施の形態に用いられる本体部11は、空間を有する筐体状であり、例えば、円柱形状(底面が楕円、トラック形状であるものを含む)、角柱形状(底面が、三角形、四角形以上の多角形であるものを含む)、及び図1〜図3に示す手提げ袋形状(四角柱の頂上部が直線状に狭まった形状)等を有するものを挙げることができる。なお、底面の大きさは、長方形に換算して、例えば、10〜50×30〜100mm程度の大きさとすることが好ましい。また、図1〜図4に示すように、紙又はプラスチック製のシート状の基材を、短冊状に打ち抜き、空間を有する筐体状に組み立てることによって形成されることができる。なお、打ち抜き方法や組み立て方法については特に制限はない。
このように、空間を有する筐体状とすることで、本体部11に収容される、後述する天敵昆虫収容部12及び産卵部13の生息環境及び産卵環境を改善することができる。すなわち、ある程度の密封空間を形成することが可能なため、湿度を適度に保持すること、日差しによる高温を防止すること、天敵カブリダニに影響の強い化学農薬等の散布に対する隠れ場所(シェルター)を提供すること、ノネズミやナメクジ等の食害を防止すること等が可能となる。このような効果は、後述する天敵昆虫収容部12及び産卵部13の構成と組み合わされることによって、相乗的に増大する。
本実施の形態に用いられる本体部11を構成する基材は、弾力性や可撓性を有するとともに、雨露に晒されることが多いことから防水性や耐候性を有し、一般ゴミとして廃棄可能な材料から構成することが好ましい(本体部に連結する、後述する設置部14も同様である)。例えば、合成紙、紙から構成されてなるものが廃棄時の環境負荷が小さいことから好ましい。具体的には、ミルクカ−トン紙、コートボール紙、両面PE(ポリエチレン)フィルムラミネート紙等を挙げることができる。また、ポリエステル、ポエチレン、ポリスチロ−ル及びポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも一種の合成樹脂、金属箔、又は不織布であってもよい。また、通常0.01〜2.0mm、好ましくは0.1〜0.5mmの厚さを有することが好ましい。
本体部11は、図1〜図4に示すように、天敵昆虫が空間から外部に出ることが可能な隙間21を有することが、天敵昆虫の増殖後の活動のために好ましい。なお、隙間としては、このような隙間21の形状のものや、配置場所に限定されず、他の形状や配置場所であってもよい。
(天敵昆虫収容部12)
本実施の形態に用いられる天敵昆虫収容部12は、本体部11の空間に配設される。具体的には、図2及び図3に示すように、天敵昆虫が出入り可能に収容された、空気路の確保のため、例えば、少なくとも2個の貫通孔(1以上の所定の大きさの開口であってもよい)(図示せず)を有する、例えば、4〜8×4〜8cmの正方形又は長方形のティーバッグ状の袋体内に、天敵昆虫単独、又は天敵昆虫と天敵昆虫の増殖に必要な餌との組み合わせが収容されたものであることが好ましい。このように構成することによって、天敵昆虫の補遺的なエサ場を提供することができるとともに、上述の本体部11が有する機能に加えて、例えば、天敵昆虫の生存に影響を及ぼす化学農薬からのさらなるシェルターを提供すること等ができる。ここで、天敵昆虫としては、ミヤコカブリダニ、スワルスキーカブリダニ、ククメリスカブリダニ等の多食性のカブリダニ類を好適例として挙げることができる。天敵昆虫の増殖に必要な餌としては、例えば、餌ダニ(サトウダニ、サヤアシニクダニ等)、米ぬか、フスマ、酵母、砂糖、胞子等を挙げることができる。保湿剤を加えてもよい。具体的には、スワルスキーカブリダニ250頭に対して、餌ダニ、フスマ、砂糖を、それぞれ500〜2000頭、3.0g、0.15〜0.6g混合したものを挙げることができる。また、アリスタライフサイエンス社製、商品名「スワルスキーパック」を用いてもよい。
(産卵部13)
天敵昆虫、例えば、カブリダニ類は、植物の毛じ等の細毛構造の上で、産卵する習性があることが分かっている。この知見に基づき、本実施の形態に用いられる産卵部13は、天敵昆虫収容部12に用いられるティーバッグ状の袋体と同様の、天敵昆虫が出入り可能で、空気路の確保のため、例えば、少なくとも2個の貫通孔(1以上の所定の大きさの開口であってもよい)(図示せず)を有する、例えば、4〜8×4〜8cmの正方形又は長方形のティーバッグ状の袋体内に、毛糸、フェルト、麻ひも、麻製根巻きシート、手芸綿、スキマシート又は脱脂綿を、例えば、綿あめ状、積層シート状、又は起毛カーペット状等の塊状に形成したものを収容したものから構成され、好適な産卵場所を構成している。ここで塊状とは、例えば、直方体、立方体、多角柱体、袋状体、球体、ラグビーボールのような楕円球体等の外形を有する塊をいい、直方体に換算した場合、30〜60×30〜60cmの大きさで厚さが1〜10mm程度の塊をいう。毛糸の場合は、例えば、直径が1〜5mmのものを複数本束にすることによって上述の形状を有する塊状とすることができる。
(設置部14)
本実施の形態に係る天敵昆虫増殖装置10は、本体部11に連結された、設置対象である害虫から保護すべき作物の枝葉(図示せず)に、設置するための設置部14を、さらに備えていることが好ましい。設置部14によって、設置対象である枝葉等に、直接簡易に吊り下げることができる。なお、使用の態様によっては、例えば、害虫から保護すべき作物の枝葉に、設置部14を用いずに設置してもよい。
このような設置部14としては、例えば、図1に示すように、略4角形状を有し、その4角形状の上辺を除き、他の3辺には本体部11の基材に連結した部分を貫通する連続した切れ込みが形成され、かつ他の3辺の切れ込みのうち左右の2辺の切れ込みが互いに対称形又は非対称形の鋸形状を有し、4角形状の上辺を残して3辺の切れ込みを切り離すことによって、設置対象を基材との間で着脱可能に挟持し得る舌片24を形成し得るように構成されたものを挙げることができる。
また、設置部14としては、例えば、図3に示すように、より簡易な構成として、円形と直線との組み合わせからなる切り込み34を有するものであってもよい。設置部14によって、設置対象である枝葉等に、直接簡易に吊り下げることができる。
(天敵昆虫増殖装置の製造方法)
本実施の形態の天敵昆虫増殖装置10は、例えば、図4に示す展開図に沿って、プラスチック又は紙製のシート状の基材を短冊状に打ち抜き、空間を有する筐体状に組み立てて本体部11を形成する前に、本体部11の内面側の底部に対応する部分に、天敵昆虫収容部12及び産卵部13を配設し、その後、本体部11を、天敵昆虫収容部12及び産卵部13が包含された状態で、空間を有する筐体状に組み立てることによって、天敵昆虫増殖装置10を製造することができる。
また、本実施の形態の天敵昆虫増殖装置10は、天敵昆虫収容部12及び産卵部13を、接着剤又は両面テープ等を用いて、本体部11の内面側の底部に連結する正面部及び背面部の所定個所に、固定した後に、空間を有する筐体状に組み立てることによっても製造することができる。さらに、プラスチック成型品として、例えば、一体的に製造することもできる。
以下に、本発明の天敵昆虫増殖装置を、実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって、いかなる制限を受けるものではない。
(実施例1)
図1に示す天敵昆虫増殖装置10を、図4に示す展開図に沿って、厚さが0.2mmのプラスチック又は紙製のシート状の基材を短冊状に打ち抜き、空間を有する筐体状に組み立てて本体部11を形成する前に、本体部11の底部(40×60mmの長方形)に対応する部分に、天敵昆虫収容部12(6.0〜7.0mmの大きさのティーバッグ形状の袋体に、スワルスキーカブリダニ、餌ダニ、フスマを、それぞれ250〜300頭、1000〜2000頭、3.0g収容したもの)及び産卵部13(6.0〜7.0mmの大きさのティーバッグ形状の袋体に、脱脂綿を30mm×50mmにカットし厚さを5mmにしたものを収容したもの)を、シート状基材を谷折りした両側面内側に向かい合うように配設し、その後、本体部11を、天敵昆虫収容部12及び産卵部13が包含された状態で、空間を有する筐体状に組み立てることによって、天敵昆虫増殖装置10を作製した。
作製した天敵昆虫増殖装置10を、愛媛県伊予市のレモンの栽培ハウスにおいて、5月に、レモンの樹の枝に一樹あたり10個吊り下げた。1ヶ月及び2ヶ月後のスワルスキーカブリダニの個体数及び卵数(装置1個当たりの平均数)をカウントした。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、天敵昆虫として、スワルスキーカブリダニに代えて、ミヤコカブリダニを収容したことを除いて、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、産卵部13における脱脂綿を、30mm×50mmにカットし、厚さを3mmにしたフェルトに変えたことを除いて、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、産卵部13における脱脂綿を、直径が2〜3mmの毛糸を長径が5cmで、短径が5mmの扁平なラグビーボール状にしたものに変えたことを除いて、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、産卵部13を用いず、本体部11中に、天敵昆虫収容部12だけを収納したことを除いて、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2において、産卵部13を用いず、本体部11中に、天敵昆虫収容部12だけを収納したことを除いて、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
Figure 2015022726
10 天敵昆虫増殖装置
11 本体部
12 天敵昆虫収容部
13 産卵部
14 設置部
21 隙間
24 舌片
34 切り込み
[1]害虫の天敵となる天敵昆虫を増殖させる装置であって、内部に空間を有する筐体状の本体部と、前記本体部の前記空間に配設された、袋体内に天敵昆虫が出入り可能に収容された天敵昆虫収容部と、前記本体部の前記空間に、前記天敵昆虫収容部と並設された、前記天敵昆虫が産卵可能な産卵部と、を備え、前記本体部の前記空間は、前記天敵昆虫に化学農薬や食害からの隠れ場所(シェルター)を提供することが可能な程度の密封空間であり、かつ前記天敵昆虫収容部及び前記産卵部は、互いに向かい合うように並設されてなる天敵昆虫増殖装置。
[3]前記天敵昆虫収容部は、ティーバッグ状の第1の袋体内に、前記天敵昆虫単独、又は前記天敵昆虫と前記天敵昆虫の増殖に必要な餌との組み合わせが収容されたものである前記[1]又は[2]に記載の天敵昆虫増殖装置。
[4]前記産卵部は、ティーバッグ状の第2の袋体内に、毛糸、フェルト、麻ひも、麻製根巻きシート、手芸綿、スキマシート又は脱脂綿を塊状に形成したものが収容されたものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
[6]前記設置部は、略4角形状を有し、その4角形状の上辺を除き、他の3辺には前記本体部の前記基材に連結した部分を貫通する連続した切れ込みが形成され、かつ前記他の3辺の切れ込みのうち左右の2辺の切れ込みが互いに対称形又は非対称形の鋸形状を有し、前記4角形状の上辺を残して前記3辺の切れ込みを切り離すことによって、前記設置対象を前記基材との間で着脱可能に挟持し得る舌片を形成し得るように構成された前記[]〜[5]のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
(天敵昆虫収容部12)
本実施の形態に用いられる天敵昆虫収容部12は、本体部11の空間に配設される。具体的には、図2及び図3に示すように、天敵昆虫が出入り可能に収容された、空気路の確保のため、例えば、少なくとも2個の貫通孔(1以上の所定の大きさの開口であってもよい)(図示せず)を有する、例えば、4〜8×4〜8cmの正方形又は長方形のティーバッグ状の第1の袋体内に、天敵昆虫単独、又は天敵昆虫と天敵昆虫の増殖に必要な餌との組み合わせが収容されたものであることが好ましい。このように構成することによって、天敵昆虫の補遺的なエサ場を提供することができるとともに、上述の本体部11が有する機能に加えて、例えば、天敵昆虫の生存に影響を及ぼす化学農薬からのさらなるシェルターを提供すること等ができる。ここで、天敵昆虫としては、ミヤコカブリダニ、スワルスキーカブリダニ、ククメリスカブリダニ等の多食性のカブリダニ類を好適例として挙げることができる。天敵昆虫の増殖に必要な餌としては、例えば、餌ダニ(サトウダニ、サヤアシニクダニ等)、米ぬか、フスマ、酵母、砂糖、胞子等を挙げることができる。保湿剤を加えてもよい。具体的には、スワルスキーカブリダニ250頭に対して、餌ダニ、フスマ、砂糖を、それぞれ500〜2000頭、3.0g、0.15〜0.6g混合したものを挙げることができる。また、アリスタライフサイエンス社製、商品名「スワルスキーパック」を用いてもよい。
(産卵部13)
天敵昆虫、例えば、カブリダニ類は、植物の毛じ等の細毛構造の上で、産卵する習性があることが分かっている。この知見に基づき、本実施の形態に用いられる産卵部13は、天敵昆虫収容部12に用いられるティーバッグ状の第1の袋体と同様の、天敵昆虫が出入り可能で、空気路の確保のため、例えば、少なくとも2個の貫通孔(1以上の所定の大きさの開口であってもよい)(図示せず)を有する、例えば、4〜8×4〜8cmの正方形又は長方形のティーバッグ状の第2の袋体内に、毛糸、フェルト、麻ひも、麻製根巻きシート、手芸綿、スキマシート又は脱脂綿を、例えば、綿あめ状、積層シート状、又は起毛カーペット状等の塊状に形成したものを収容したものから構成され、好適な産卵場所を構成している。ここで塊状とは、例えば、直方体、立方体、多角柱体、袋状体、球体、ラグビーボールのような楕円球体等の外形を有する塊をいい、直方体に換算した場合、30〜60×30〜60cmの大きさで厚さが1〜10mm程度の塊をいう。毛糸の場合は、例えば、直径が1〜5mmのものを複数本束にすることによって上述の形状を有する塊状とすることができる。
(実施例1)
図1に示す天敵昆虫増殖装置10を、図4に示す展開図に沿って、厚さが0.2mmのプラスチック又は紙製のシート状の基材を短冊状に打ち抜き、空間を有する筐体状に組み立てて本体部11を形成する前に、本体部11の底部(40×60mmの長方形)に対応する部分に、天敵昆虫収容部12(60〜70mmの大きさのティーバッグ形状の第1の袋体に、スワルスキーカブリダニ、餌ダニ、フスマを、それぞれ250〜300頭、1000〜2000頭、3.0g収容したもの)及び産卵部13(60〜70mmの大きさのティーバッグ形状の第2の袋体に、脱脂綿を30mm×50mmにカットし厚さを5mmにしたものを収容したもの)を、シート状基材を谷折りした両側面内側に向かい合うように配設し、その後、本体部11を、天敵昆虫収容部12及び産卵部13が包含された状態で、空間を有する筐体状に組み立てることによって、天敵昆虫増殖装置10を作製した。

Claims (8)

  1. 害虫の天敵となる天敵昆虫を増殖させる装置であって、
    内部に空間を有する筐体状の本体部と、
    前記本体部の前記空間に配設された、天敵昆虫が出入り可能に収容された天敵昆虫収容部と、
    前記本体部の前記空間に、前記天敵昆虫収容部と並設された、天敵昆虫が産卵可能な産卵部と、を備えた天敵昆虫増殖装置。
  2. 前記本体部に連結された、設置対象である害虫から保護すべき作物の枝葉に設置するための設置部を、さらに備えた請求項1に記載の天敵昆虫増殖装置。
  3. 前記天敵昆虫収容部は、ティーバッグ状の袋体内に、前記天敵昆虫単独、又は前記天敵昆虫と前記天敵昆虫の増殖に必要な餌との組み合わせが収容されたものである請求項1又は2に記載の天敵昆虫増殖装置。
  4. 前記産卵部は、ティーバッグ状の袋体内に、毛糸、フェルト、麻ひも、麻製根巻きシート、手芸綿、スキマシート又は脱脂綿を塊状に形成したものが収容されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
  5. 前記本体部は、紙又はプラスチック製のシート状の基材を、短冊状に打ち抜き、組み立てることによって、空間を有する筐体状に形成された請求項1〜4のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
  6. 前記設置部は、略4角形状を有し、その4角形状の上辺を除き、他の3辺には前記本体部の前記基材に連結した部分を貫通する連続した切れ込みが形成され、かつ前記他の3辺の切れ込みのうち左右の2辺の切れ込みが互いに対称形又は非対称形の鋸形状を有し、前記4角形状の上辺を残して前記3辺の切れ込みを切り離すことによって、前記設置対象を前記基材との間で着脱可能に挟持し得る舌片を形成し得るように構成された請求項1〜5のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
  7. 前記本体部は、前記天敵昆虫が前記空間から外部に出ることが可能な隙間を有する請求項1〜6のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
  8. 前記天敵昆虫は、カブリダニ類である請求項1〜7のいずれかに記載の天敵昆虫増殖装置。
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