JPWO2014192624A1 - 生体センサ - Google Patents
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Abstract
外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能な生体センサを提供する。生体センサ(1)は、パルス状の駆動信号を生成する駆動信号生成部(97)と、生成された駆動信号に応じて発光する発光素子(10)と、受光した光の強さに応じた検出信号を出力する受光素子(20)及び受光素子(20)から出力される検出信号を増幅する増幅部(30)を有する受光部(5)と、受光部(5)から出力される検出信号から脈波成分を取除いて基線信号を取得するフィルタ部(50)と、受光部(5)により出力される検出信号とフィルタ部(50)により取得された基線信号との差分をとり増幅する差動増幅部(70)とを備える。
Description
本発明は、生体情報を検出する生体センサに関する。
従来から、例えば、血中のヘモグロビンが可視光〜赤外光を吸収する特性を利用して、発光ダイオード(発光素子)から出射され、指等の生体を透過、又は生体に反射した光の強度変化をフォトダイオード(受光素子)により光電脈波信号として取得する光電脈波計やパルスオキシメータが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。ところで、フォトダイオードには、発光ダイオード以外からの外来光(例えば太陽や蛍光灯などの光)が入ることがある。また、発光ダイオードから出射され、生体を透過することなく、又は生体に反射されることなくフォトダイオードに到達する光(迷光)が入ることもある。そのため、本来検出したい光、すなわち生体を透過した光、又は生体によって反射された光に外来光及び迷光が重畳し、検出信号のSN比が低下するおそれがある。
ここで、特許文献1には、脈動分(脈波成分)を除いた非変動(DC)分に対応したレベルの基準電圧を減算して、検出信号のSN比を改善するパルスオキシメータが開示されている。このパルスオキシメータは、第1及び第2の光源(発光素子)と、フォトダイオード(受光素子)とを備えている。フォトダイオードの受光出力(電流信号)は、電流電圧変換回路により基準電圧(Vref1)を基準として電圧信号に変換されて、増幅回路(増幅器)により増幅される。増幅された電圧信号は、A/D変換回路によりデジタル信号に変換されて、演算装置に入力される。演算装置は、上述したデジタル信号に基づいて脈動分(脈波成分)を除いた非変動(DC)分に対応したレベルの基準電圧を算出して作成する。該基準電圧が、電流電圧変換回路に与えられて、受光出力である電流信号から減算される。これにより、脈動分の電圧信号が検出信号として出力される。
特許文献2には、ノイズ成分の変動を考慮して、増幅回路の基準電圧を変化させる脈波増幅装置が開示されている。この脈波増幅装置は、発光素子及び受光素子を有する脈波検知センサと、脈拍パルスを生成する脈拍パルス生成回路と、脈波検知センサの出力をアナログ信号に変換する変換回路と、脈拍パルスに同期してアナログ信号をサンプルホールドし、そのサンプルホールドした値を基準電圧として、アナログ信号に含まれる脈波信号を増幅する増幅回路と、増幅回路から出力される脈波信号のDCレベルを、脈拍パルスに同期して回復させるDCストア回路とを備えている。
特許文献1記載のパルスオキシメータによれば、受光素子に外来光や迷光等が重畳して入射された場合であっても、ノイズ成分が変動しなければ上述した基準電圧を減算することによって、検出信号のSN比を改善することができる。しかしながら、特許文献1記載のパルスオキシメータでは、外来光の変化や人体の動きによる迷光の変化に伴ってノイズ成分が変動する場合に、変動するノイズ成分を除去することが難しい。そのため、外来光等のノイズ成分が変動する場合に、得られる光電脈波信号のSN比が低下するおそれがある。
これに対して、特許文献2記載の脈波増幅装置では、脈拍パルス毎にノイズ成分の変動に応じて、基準電圧を設定して脈波信号を増幅することができる。しかし、脈拍パルスにおける1周期の途中で、ノイズ成分が変動した場合には追従することができない。そのため、外来光等のノイズ成分が変動する場合に、得られる光電脈波信号のSN比が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能な生体センサを提供することを目的とする。
本発明に係る生体センサは、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、駆動信号生成手段により生成された駆動信号に応じて発光する発光素子と、受光した光の強さに応じた検出信号を出力する受光素子と、受光素子から出力される検出信号から脈波成分を取除いて基線信号を取得する基線信号取得手段と、検出信号と基線信号取得手段により取得された基線信号との差分をとる差分取得手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る生体センサによれば、検出信号から脈波成分が取除かれて、残されたノイズ成分が基線信号として取得される。よって、基線信号は、例えば人体の動きや外来光の変化に伴って検出信号に重畳するノイズ成分が変動する場合に、該ノイズ成分の変動に追従して変化する。そのため、検出信号と基線信号との差分をとることにより、ノイズ成分をカットして、検出信号に含まれる光電脈波信号(脈波成分)を検出することができる。よって、外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能となる。
本発明に係る生体センサは、受光素子から出力される検出信号の包絡線を抽出する包絡線抽出手段をさらに備え、駆動信号生成手段がパルス状の駆動信号を生成し、基線信号取得手段が、包絡線抽出手段により抽出された検出信号の包絡線から脈波成分を取除いて基線信号を取得することが好ましい。
この場合、パルス状の駆動信号により発光素子が点滅駆動されるため、常時点灯させる場合と比較して消費電力を低減することができる。また、受光素子から出力される検出信号の包絡線が抽出されることにより、パルス状の検出信号から包絡線を表す連続波形の信号に変換される。そして、検出信号の包絡線から脈波成分が取除かれて、連続波形の基線信号が取得される。つまり、上述した連続波形の基線信号は、脈波成分を除いたノイズ成分なので、該ノイズ成分の変動に追従する。そのため、パルス状の検出信号と基線信号との差分をとることにより、ノイズ成分をカットして、検出信号に含まれるパルス状の光電脈波信号(脈波成分)を取得することができる。
本発明に係る生体センサは、パルス状の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、駆動信号生成手段により生成された駆動信号に応じて発光する発光素子と、受光した光の強さに応じた検出信号を出力する受光素子と、受光素子から出力される検出信号の包絡線を抽出する包絡線抽出手段と、包絡線抽出手段により抽出された検出信号の包絡線から脈波成分を取除いて基線信号を取得する基線信号取得手段と、検出信号の包絡線と基線信号取得手段により取得された基線信号との差分をとる差分取得手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る生体センサによれば、上述したパルス状の駆動信号により発光素子が点滅駆動されるため、常時点灯させる場合と比較して消費電力を低減することができる。また、検出信号の包絡線が抽出されることにより、パルス状の検出信号から包絡線を表す連続波形の信号に変換される。そして、検出信号の包絡線から脈波成分が取除かれて、連続波形状の基線信号が取得される。そのため、連続波形である検出信号の包絡線と基線信号との差分をとることにより、ノイズ成分をカットして、検出信号の包絡線に含まれる連続波形の光電脈波信号(脈波成分)を取得することができる。よって、外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能となる。
本発明に係る生体センサは、受光素子から出力される検出信号のうち、脈波成分を含む所定の周波数以上の検出信号を、選択的に通過させるハイパスフィルタをさらに備え、包絡線抽出手段が、ハイパスフィルタを通過した検出信号の包絡線を抽出することが好ましい。
このようにすれば、ハイパスフィルタにより、受光素子から出力される検出信号のうち、脈波成分を含む所定の周波数以上の検出信号を、選択的に通過させることができる。つまり、脈波成分に比較して時間軸上で変化が少ないノイズ成分が、ハイパスフィルタにより除去される。その結果、検出信号のSN比を向上することができるので、増幅回路の増幅率を大きくすることができる。そして、ハイパスフィルタを通過した検出信号から、該検出信号の包絡線が抽出され、該検出信号の包絡線から脈波成分が取り除かれて基線信号が取得される。そのため、SN比が改善された検出信号及び基線信号からその差分をとることにより、さらにノイズ成分を精度良くカットすることが可能となる。
本発明に係る生体センサでは、包絡線抽出手段が、ダイオードの順方向電圧降下を等価的にゼロにする理想ダイオード回路を有し、受光素子から出力される検出信号を理想ダイオード回路により整流した後、高周波成分を除去して検出信号の包絡線を抽出することが好ましい。
ところで、通常のダイオードを用いて検出信号の包絡線検出を行うと、ダイオードの非線形性の影響により、包絡線出力(脈波波形)が歪んでしまう。しかしながら、この場合には、ダイオードの順方向電圧降下を等価的にゼロにする理想ダイオード回路を用いているため、通常のダイオードが持つ非線形性を解消でき、包絡線出力(脈波波形)が歪むことを防止することが可能となる。
また、本発明に係る生体センサでは、理想ダイオード回路が、受光素子から出力される検出信号が入力される演算増幅器と、アノード端子が演算増幅器の出力端子に接続され、カソード端子が理想ダイオード回路の出力および演算増幅器のフィードバックループに接続されたダイオードとを有していることが好ましい。
このようにすれば、演算増幅器のフィードバックループ内にダイオードを取り込むことで、ダイオードの非線形性や温度特性をループ・ゲイン分の1に圧縮(すなわち改善)することができる。その結果、上記理想ダイオード回路を実現することができる。
本発明に係る生体センサでは、基線信号取得手段が、検出信号のうち、脈波成分が含まれる周波数帯域の検出信号の通過を、選択的に阻止して基線信号を取得する帯域阻止フィルタであることが好ましい。
この場合、帯域阻止フィルタにより、検出信号のうち、脈波成分が含まれる周波数帯域の検出信号の通過が阻止されることにより取除かれて、基線信号が取得される。つまり、基線信号は、脈波成分が取除かれたノイズ成分なので、該ノイズ成分の変動に追従する。よって、検出信号と基線信号との差分をとることにより、ノイズ成分をカットすることができる。
本発明に係る生体センサでは、基線信号取得手段が、検出信号のうち、脈波成分が含まれる周波数未満の検出信号を選択的に通過させて基線信号を取得するローパスフィルタであることが好ましい。
この場合、ローパスフィルタにより、検出信号のうち、脈波成分が含まれる周波数未満の検出信号が通過させられて、基線信号が取得される。すなわち、脈波成分が含まれる周波数以上の検出信号が取除かれる。つまり、基線信号は、脈波成分が取除かれたノイズ成分なので、該ノイズ成分の変動に追従する。よって、検出信号と基線信号との差分をとることにより、ノイズ成分をカットすることができる。
また、本発明に係る生体センサは、基線信号取得手段により取得された基線信号の振幅に基づいて、差分取得手段に入力される信号の振幅を調整する振幅調整手段をさらに備えることが好ましい。
このようにすれば、基線信号の振幅に基づいて、差分取得手段に入力される信号の振幅を調整することができる。そのため、例えば、基線信号の振幅が減衰されて低くなる場合には、受光素子から出力される検出信号の振幅が基線信号の振幅に合わせて低く調整することができる。それにより、検出信号と基線信号との差分をとることによって、効果的にノイズ成分をカットして、光電脈波信号(脈波成分)のSN比をより改善することが可能となる。
本発明によれば、外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を併せて参照して、第1実施形態に係る生体センサ1の構成について説明する。ここで、図1は、生体センサ1の構成を示すブロック図である。また、図2は、生体センサ1を構成する脈波検出部6の回路図である。図3は、生体センサ1の各ノードにおける信号波形を示す図である。
まず、図1〜図3を併せて参照して、第1実施形態に係る生体センサ1の構成について説明する。ここで、図1は、生体センサ1の構成を示すブロック図である。また、図2は、生体センサ1を構成する脈波検出部6の回路図である。図3は、生体センサ1の各ノードにおける信号波形を示す図である。
生体センサ1は、例えば、血中のヘモグロビンの吸光特性を利用して、光電脈波信号を光学的に検出し、例えば脈拍などの生体情報を計測するセンサである。そのため、生体センサ1は、主として発光素子10、受光部5、脈波検出部6、及びマイクロコントローラ90等を備えて構成されている。また、受光部5は、受光素子20及び増幅部30を有し、脈波検出部6は、包絡線抽出部40、フィルタ部50、調整部60、及び差動増幅部70を有している。
発光素子10は、マイクロコントローラ90の出力ポート94から出力されるパルス状の駆動信号に応じて発光する。発光素子10としては、例えば、LED、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)、又は共振器型LED等を用いることができる。
受光素子20は、発光素子10から照射され、例えば指先などの人体100を透過して、又は人体100に反射して入射される光の強さに応じた検出信号を出力する。受光素子20としては、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタ等が好適に用いられる。本実施形態では、受光素子20として、フォトダイオードを用いた。受光素子(フォトダイオード)20は、増幅部30に接続されており、受光素子(フォトダイオード)20で得られた検出信号(光電脈波信号)(図3のノード20aでの出力波形を参照)は増幅部30に出力される。
増幅部30は、受光素子(フォトダイオード)21から出力された電流出力の検出信号(光電脈波信号)(図3のノード20aでの出力波形を参照)を電流−電圧変換して増幅する。そのため、増幅部30は、演算増幅器を含む電流−電圧変換回路及び初段増幅回路で構成されている。増幅部30の出力は、分岐点80において第1経路81と第2経路82とに分岐される。増幅部30の出力端は、第1経路81では包絡線抽出部40を構成するダイオード41のアノード端子に接続されており、第2経路82では調整部60を構成するダイオード61のアノード端子に接続されている。増幅部30で増幅された検出信号は、包絡線抽出部40及び調整部60にそれぞれ出力される。
ここで、図4を参照して、受光素子20から出力される検出信号(光電脈波信号)の成分を説明する。受光素子20に受光される光の中には、発光素子10以外から到来する外来光(例えば太陽や蛍光灯の光など)が含まれる。これは、パルス状ではなく時間軸上で連続した信号となる。一方、発光素子10から発した光であっても、血管以外の部位で反射して、又は直接回り込んで受光素子20に入ると、これもノイズ成分となる。ここで、発光素子10由来のノイズ成分は、脈波信号と同じ周期のパルス状の信号になる。このノイズを、迷光ノイズと呼んでいる。受光素子20により受光され、増幅部30で増幅された検出信号F(t)は、次式(1)で表される。
F(t)=fb(t)*fp(t)+Vb*fp(t)+Vdc・・・(1)
ここで、fb(t)は脈波成分、fp(t)はパルス関数(0又は1の2値)、Vbは脈波成分のない迷光のノイズ成分、Vdcは外来光等のノイズ成分である。
F(t)=fb(t)*fp(t)+Vb*fp(t)+Vdc・・・(1)
ここで、fb(t)は脈波成分、fp(t)はパルス関数(0又は1の2値)、Vbは脈波成分のない迷光のノイズ成分、Vdcは外来光等のノイズ成分である。
包絡線抽出部40は、増幅部30により増幅された検出信号(図3のノード30aでの出力波形を参照)の包絡線を抽出する(図3のノード40aでの出力波形を参照)。そのため、包絡線抽出部40は、ダイオード41、抵抗器42及びコンデンサ43からなる包絡線検波回路で構成されている。より具体的には、ダイオード41のカソード端子に抵抗器42及びコンデンサ43の並列回路が接続されている。また、抵抗器42及びコンデンサ43の並列回路の他端は、グランドに接続されている。そして、並列回路における抵抗器42とコンデンサ43の時定数が、パルス状の高周波成分が取除かれるとともに、出力波形に入力波形の包絡線が抽出されるように設定されている。
より具体的には、包絡線抽出部40では、増幅部30から出力された間欠的なパルス状の検出信号(図3のノード30aでの出力波形を参照)が、ダイオード41により半波整流される。半波整流された検出信号から、抵抗器42及びコンデンサ43の並列回路によって、検出信号の包絡線が抽出される(図3のノード40aでの出力波形を参照)。すなわち、包絡線抽出部40は、図3に示されるように、パルス状の検出信号から、波高値がそのパルス列の包絡線に沿って連続的に変化するアナログ信号に変換する。包絡線抽出部40の出力端は、フィルタ部50に接続されており、包絡線抽出部40により抽出された包絡線信号が、フィルタ部50に入力される。ここで、包絡線抽出部40は、請求の範囲に記載の包絡線抽出手段に相当する。
フィルタ部50は、包絡線信号(図3のノード40aでの出力波形を参照)から、脈波成分を取除いて基線信号(図3のノード50aでの出力波形を参照)を取得する。すなわち、フィルタ部50は、請求の範囲に記載の基線信号取得手段に相当する。ここで、脈波成分は、例えば、脈拍数が1分間に30拍から200拍程度とした場合に、0.5〜3.3Hz程度の周波数となる。この脈波成分を検出信号の包絡線信号から取除く方法としては、例えば、検出信号の包絡線信号のうち、周波数0.5Hz未満の検出信号を選択的に通過させるローパスフィルタを用いることができる。ローパスフィルタを通過した低周波成分は、脈波成分が取り除かれた迷光や外来光等のノイズ成分となる。このノイズ成分の時間軸上の変位を基線信号(ベースライン)とする。
フィルタ部50としては、上述したように、例えば、通過周波数帯域が0.5Hz未満のローパスフィルタを用いることができる。生体センサ1では、フィルタ部50が、演算増幅器(オペアンプ)51を用いた線形アナログフィルタであるサレンキー2次ローパスフィルタ回路で構成されている。
フィルタ部50の出力端は、差動増幅部70を構成する第1抵抗器73と接続されており、第1抵抗器73を介して差動増幅部70を構成する演算増幅器71の入力端子(反転入力(−)端子)と接続されている。フィルタ部50により取得された基線信号が差動増幅部70に出力される。
調整部60は、基線信号(図3のノード50aでの出力波形を参照)の振幅に基づいて、差動増幅部70に入力される第2経路82を通る検出信号(図3のノード30aでの出力波形を参照)の振幅を調整する(図3のノード60aでの出力波形を参照)。ここで、第1経路81で取得された基線信号には、図3のノード40a及びノード50aでの出力波形に示すように、包絡線抽出部40及びフィルタ部50での信号処理により、破線で示された元波形から一定の損失(減衰)が生じる。そのため、生体センサ1では、予め第1経路81における信号の減衰量を調べておき、該減衰量に合わせて第2経路82を通る検出信号に対する差動増幅部70での利得が調整部60により調整される。すなわち、差動増幅部70に対して、第1経路81で取得された基線信号の振幅と第2経路82で調整された検出信号に含まれるノイズ成分の振幅とが揃えられる。ここで、調整部60は、請求の範囲に記載の振幅調整手段に相当する。
より具体的には、調整部60としては、第1経路81における基線信号の減衰量に相当する内部抵抗値を有するダイオード61が、第2経路82に挿入されている。また、ダイオード61のカソード端子は、差動増幅部70を構成する第2抵抗器74と接続されており、第2抵抗器74を介して、差動増幅部70を構成する演算増幅器71の入力端子(非反転入力(+)端子)に接続されている。つまり、第2経路82では、ダイオード71の内部抵抗値が第2抵抗器74の抵抗値に加算されて、演算増幅器71の入力端子(非反転入力(+)端子)に接続されることになる。そのため、演算増幅器71の非反転入力(+)端子に入力される第2経路82で通った検出信号が、基線信号の減衰量に相当する分だけ利得が低く調整される(図3のノード60aでの出力波形を参照)。なお、調整部60としては、差動増幅部70の利得を調整できる抵抗成分を有すればよく、ダイオード61に代えて、例えば、可変抵抗器等を用いて利得を調整してもよい。
差動増幅部70は、第2経路82に設けられた調整部60により調整された検出信号(図3のノード60aでの出力波形を参照)と、第1経路81に設けられたフィルタ部50により取得された基線信号(図3のノード50aでの出力波形を参照)との差分をとって増幅(差動増幅)する(図3のノード70,70aでの出力波形を参照)。そのため、差動増幅部70は、演算増幅器71、第1抵抗器73、第2抵抗器74、及び帰還抵抗器75を含む差動増幅回路で構成されている。差動増幅部70は、請求の範囲に記載の差分取得手段に相当する。
より詳細には、差動増幅部70を構成する演算増幅器71は、第2抵抗器74を介して非反転入力(+)端子に入力される調整された検出信号と、第1抵抗器73を介して反転入力(−)端子に入力される基線信号との差分をとって増幅する。これにより、検出信号に含まれるノイズ成分がカットされて、脈波成分が増幅される。演算増幅器71の出力端子は、マイクロコントローラ90に接続されおり、増幅された脈波成分(光電脈波信号)は、マイクロコントローラ90に出力される。
マイクロコントローラ90は、差動増幅部70により差動増幅された光電脈波信号(脈波成分)を処理してユーザの脈拍などの生体情報を取得する。また、マイクロコントローラ90は、発光素子10に対して駆動信号を出力する。そのため、マイクロコントローラ90は、入力インターフェースとしてのA/Dコンバータ92、及び、A/Dコンバータ92を介して入力される検出信号に対して演算処理を行うCPU95、該CPU95に各処理を実行させるためのプログラムやデータを記憶するROM、演算結果などの各種データを一時的に記憶するRAM、及び、駆動信号を出力する出力ポート94等を有して構成されている。また、マイクロコントローラ90では、ROMに記憶されているプログラムが、CPU95によって実行されることにより、演算部96、駆動信号生成部97の機能が実現される。
A/Dコンバータ92は、差動増幅部70により出力された光電脈波信号(脈波成分)を所定のサンプリング周期でデジタルデータに変換する。デジタル変換された光電脈波信号は、演算部96に出力される。
演算部96は、読み込まれた光電脈波信号を処理して、例えば、脈拍等の生体情報を取得する。なお、取得された脈拍等の生体情報は、外部に出力されたり、或いは、上述したRAMなどに記憶される。
駆動信号生成部97は、発光素子10を駆動するパルス状の駆動信号を生成し、出力ポート94を介して出力する。すなわち、駆動信号生成部97は、請求の範囲に記載の駆動信号生成手段として機能する。駆動信号生成部97は、例えば、駆動信号として、周波数が600Hz程度のパルス波を生成するように設定することができる。
上述した構成を有することにより、本実施形態に係る生体センサ1では、まず、マイクロコントローラ90の駆動信号生成部97により、例えば周波数が600Hzのパルス信号が生成され、出力ポート94から出力される。パルス信号が印加された発光素子10は、該パルス信号に応じて所定波長のパルス光を照射する。発光素子10から照射され、例えば指先などの人体100を透過、又は人体100に反射されたパルス光は、受光素子20に入射し、該受光素子20により電気信号(検出信号)に変換される(図3のノード20aでの出力波形を参照)。受光素子20により変換された検出信号は、増幅部30において、電流−電圧変換されて増幅される(図3のノード30aでの出力波形を参照)。
増幅部30により増幅された検出信号は、分岐点80において第1経路81と第2経路82とに分岐される。第1経路81では、包絡線抽出部40により、検出信号から包絡線が抽出される(図3のノード40aでの出力波形を参照)。すなわち、パルス状の検出信号から、その包絡線が抽出されて、連続波形の包絡線信号が出力される。
包絡線抽出部40によって抽出された包絡線信号から、フィルタ部50により、脈波成分が含まれる周波数の包絡線信号が取除かれて基線信号が取得される(図3のノード50aでの出力波形を参照)。すなわち、フィルタ部50により、脈波成分が含まれる周波数未満の検出信号が選択的に通過されて、基線信号が取得される。
一方、第2経路82では、検出信号が調整部60を通過する。これにより、第1経路81を通って取得された基線信号の減衰量に合わせて、第2経路82で調整された検出信号に対する差動増幅部70の利得が調整される(図3のノード60aでの出力波形を参照)。
差動増幅部70によって、第2経路82で調整された検出信号と第1経路81を通って取得された基線信号との差分がとられて増幅(差動増幅)される(図3のノード70aでの出力波形を参照)。その結果、調整された検出信号に重畳している外来光等のノイズ成分がカットされて、脈波成分が取得され増幅される。よって、最終的に得られる光電脈波信号(脈波成分)のSN比が改善される(図3のノード70aでの出力波形を参照)。ここで、生体センサ1では、単電源用演算増幅器(単電源用オペアンプ)を用いて回路を構成している。そのため、調整された検出信号(図3のノード60aでの出力波形を参照)と基線信号(図3のノード50aでの出力波形を参照)との差分をとっても、差動増幅部70から出力される光電脈波信号(脈波成分)におけるパルス間の出力が、マイナス出力とならずに0Vとして出力される。
差動増幅部70によって、差動増幅された光電脈波信号(脈波成分)は、マイクロコントローラ90に入力される。マイクロコントローラ90に入力された光電脈波信号は、A/Dコンバータ92を介して、演算部96に読み込まれる。そして、演算部96において、光電脈波信号が処理されて、例えば、脈拍等の生体情報が取得される。
以上、本実施形態によれば、受光素子20により受光され、増幅部30により増幅された検出信号から、包絡線抽出部40によって包絡線が抽出される。そして、得られた包絡線信号から、フィルタ部50により脈波成分が取除かれて、基線信号が取得される。よって、基線信号は、例えば人体の動きや外来光の変化に伴って検出信号に重畳するノイズ成分が変動する場合に、該ノイズ成分の変動に追従することができる。そして、差動増幅部70により、第2経路82で調整された検出信号と第1経路81を通った基線信号との差分がとられて増幅される。その結果、ノイズ成分をカットして、検出信号に含まれる光電脈波信号(脈波成分)を取得することができる。よって、外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能となる。
また、本実施形態によれば、パルス状の駆動信号により発光素子10が点滅駆動されるため、常時点灯させる場合と比較して消費電力を低減することができる。また、包絡線抽出部40によって、パルス状の検出信号から包絡線を表す連続波形の包絡線信号(検出信号の包絡線)に変換される。そして、包絡線信号から、フィルタ部50により脈波成分が取除かれて、連続波形の基線信号が取得される。すなわち、基線信号は、脈波成分が除かれたノイズ成分なので、該ノイズ成分の変動に追従する。そのため、差動増幅部70により、パルス状の検出信号と基線信号との差分がとられて増幅されることにより、ノイズ成分がカットされる。よって、外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能となる。
また、本実施形態によれば、フィルタ部50が演算増幅器51を用いたサレンキー2次ローパスフィルタで構成される。サレンキー2次ローパスフィルタによって、包絡線信号のうち、脈波成分が含まれる周波数の検出信号が取除かれる。より具体的には、脈波成分が含まれる周波数未満の検出信号が選択的に通過させられて、基線信号が取得される。基線信号は、脈波成分が取除かれたノイズ成分なので、該ノイズ成分の変動に追従する。よって、調整された検出信号と基線信号との差分をとることにより、ノイズ成分をカットすることができる。
また、本実施形態によれば、基線信号の振幅に基づいて、差動増幅部70に入力される検出信号の振幅が調整される。具体的には、第1経路81を通って取得された基線信号50aの振幅における減衰量に相当する内部抵抗を有するダイオード61が第2経路82に挿入されている。そのため、第2経路82を通る検出信号に対する差動増幅部70の利得が調整される(図3のノード60aでの出力波形を参照)。これにより、差動増幅部70に対して、第2経路82を通で調整された検出信号に含まれるノイズ成分の振幅と第1経路81を通って取得された基線信号の振幅とが揃えられる。よって、調整された検出信号と基線信号との差分をとることにより、効果的にノイズ成分をカットして、最終的に得られる光電脈波信号(脈波成分)のSN比をより改善することが可能となる。
本実施形態によれば、外来光等のノイズ成分をカットするために、デジタル回路である演算処理装置によって作成された基準電圧を、受光素子に近い電流−電圧変換回路にフィードバックさせる必要がない。また、受光部5、包絡線抽出部40、フィルタ部50、及び差動増幅部70は、アナログ回路だけで構成することもできる。すなわち、デジタル回路からノイズが伝搬するおそれが少ない。よって、デジタル回路から伝搬するノイズを低減することが可能となる。
(変形例)
なお、上述した第1実施形態では、フィルタ部50にサレンキー2次ローパスフィルタを用いたが、例えば、図5に示すバンドエリミネーションフィルタ50C(帯域阻止フィルタ)を用いることもできる。バンドエリミネーションフィルタ50Cは、包絡線信号のうち、脈波成分が含まれる周波数帯域(阻止帯域)の信号の通過を選択的に阻止する。すなわち、バンドエリミネーションフィルタ50Cにより、包絡線信号から脈波成分が取除かれて基線信号を取得することができる。なお、バンドエリミネーションフィルタ50Cを用いて、脈波成分を十分に取除くには、脈波成分の基本周波数のみならず、高調波まで除去域に含める方が好ましい。そのために、バンドエリミネーションフィルタは、複数段の構成としてもよい。
なお、上述した第1実施形態では、フィルタ部50にサレンキー2次ローパスフィルタを用いたが、例えば、図5に示すバンドエリミネーションフィルタ50C(帯域阻止フィルタ)を用いることもできる。バンドエリミネーションフィルタ50Cは、包絡線信号のうち、脈波成分が含まれる周波数帯域(阻止帯域)の信号の通過を選択的に阻止する。すなわち、バンドエリミネーションフィルタ50Cにより、包絡線信号から脈波成分が取除かれて基線信号を取得することができる。なお、バンドエリミネーションフィルタ50Cを用いて、脈波成分を十分に取除くには、脈波成分の基本周波数のみならず、高調波まで除去域に含める方が好ましい。そのために、バンドエリミネーションフィルタは、複数段の構成としてもよい。
この場合、バンドエリミネーションフィルタ50Cにより、例えば、脈波成分の周波数を0.5〜3.3Hz程度とした場合に、阻止帯域を0.5〜3.3Hzとして設定することにより、包絡線信号から、脈波成分が含まれる周波数帯域(阻止帯域)の信号の通過が選択的に阻止される。これにより、基線信号を取得することができる。基線信号は、脈波成分が取除かれたノイズ成分なので、該ノイズ成分の変動に追従する。よって、調整された検出信号と基線信号との差分をとることにより、外来光等のノイズ成分をカットすることができる。
なお、上述した第1実施形態では、調整部60として、基線信号における振幅の減衰量に相当する内部抵抗を有するダイオード61を第2経路82に挿入する構成としたが、第1経路に増幅回路を設けて、基線信号における振幅の減衰量分を増幅する構成としてもよい。つまり、予め第1経路における基線信号の減衰量を調べておき、該減衰量を補うように増幅回路により、基線信号が増幅される。これにより、差動増幅部70に対して、第1経路を通った減衰量分を補うように増幅された基線信号の振幅と第2経路を通った増幅部30によって増幅された検出信号に含まれるノイズ成分の振幅とを揃えることができる。よって、差動増幅部70は、増幅された検出信号と減衰量分を補うように増幅された基線信号との差分をとることにより、効果的にノイズ成分をカットして、光電脈波信号(脈波成分)のSN比をより改善することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図6、図7を参照して、第2実施形態に係る生体センサ2の構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る生体センサ1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。図6は、第2実施形態に係る生体センサ2の構成を示すブロック図である。図7は、生体センサ2の各ノードにおける信号波形を示す図である。なお、図6、図7において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
次に、図6、図7を参照して、第2実施形態に係る生体センサ2の構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る生体センサ1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。図6は、第2実施形態に係る生体センサ2の構成を示すブロック図である。図7は、生体センサ2の各ノードにおける信号波形を示す図である。なお、図6、図7において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
生体センサ2は、脈波検出部6に代えて脈波検出部7を備えている。ここで、上述した生体センサ1の脈波検出部6では、増幅部30からの出力が分岐点80で第1経路81と第2経路82とに分岐されていたが、生体センサ2の脈波検出部7では、増幅部30からの出力が分岐されずに包絡線抽出部40に入力され、該包絡線抽出部40からの出力が分岐点80Aで第1経路81Aと第2経路82Aとに分岐されている。脈波検出部7は、上述した分岐位置に加えて、調整部60に代えて、調整部60Aを備えている点、差動増幅部70に代えて、差動増幅部70Aを備えている点で脈波検出部6と異なる。この場合、第1経路81Aでは、上述したフィルタ部50によって、包絡線抽出部40により抽出された包絡線信号(図7のノード40aでの出力波形を参照)から脈波成分が取除かれて、基線信号が取得される(図7のノード50aでの出力波形を参照)。一方、第2経路82Aでは、包絡線抽出部40により抽出された包絡線信号(図7のノード40aでの出力波形を参照)が調整部60Aに出力される。その他の構成は、生体センサ1と同一又は同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
調整部60Aは、上述した基線信号(図7のノード50aでの出力波形を参照)の振幅に基づいて、差動増幅部70Aに入力される第2経路82Aを通る包絡線信号(図7のノード40aでの出力波形を参照)の振幅を調整する(図7のノード60bでの出力波形を参照)。ここで、第1経路81Aで取得される基線信号は、図7のノード50aでの出力波形に示すように、フィルタ部50での信号処理により、破線で示された元波形から一定の損失(減衰)が生じる場合がある。そのため、生体センサ2では、予め第1経路81Aにおける信号の減衰量を調べておき、該減衰量に合わせて第2経路82Aを通った包絡線信号に対する差動増幅部70Aでの利得が、調整部60Aによって調整されている。ここで、調整部60Aは、請求の範囲に記載の振幅調整手段に相当する。なお、調整部60Aとしては、差動増幅部70Aの利得を調整できる抵抗成分を有すればよく、可変抵抗器等の抵抗器を用いることができる。なお、生体センサ2では、フィルタ部50での損失が小さい場合には、基線信号の振幅と包絡線信号に含まれるノイズ成分の振幅が等しくなるので調整部60Aを省略することができる。
差動増幅部70Aは、第2経路82Aで調整された包絡線信号と第1経路81Aを通って取得された基線信号との差分をとって増幅する。そのため、差動増幅部70Aは、差動増幅部70と同様に、演算増幅器71、第1抵抗器73、第2抵抗器53、及び帰還抵抗器75を含む差動増幅回路で構成されている。差動増幅部70Aは、請求の範囲に記載の差分取得手段に相当する。そして、差動増幅部70Aによって差動増幅された脈波成分(光電脈波信号)が、マイクロコントローラ90に出力される。
本実施形態に係る生体センサ2では、まず、マイクロコントローラ90の駆動信号生成部97により、例えば周波数が600Hzのパルス信号が生成され、出力ポート94から出力される。パルス信号が印加された発光素子10は、該パルス信号に応じて所定波長のパルス光を照射する。発光素子10から照射され、例えば指先などの人体100を透過、又は人体100に反射されたパルス光は、受光素子20に入射し、該受光素子20により電気信号(検出信号)に変換される(図7のノード20aでの出力波形を参照)。受光素子20により変換された検出信号は、増幅部30において、電流−電圧変換されて増幅される(図7のノード30aでの出力波形を参照)。
包絡線抽出部40によって、増幅部30により増幅された検出信号から、包絡線が抽出される。すなわち、パルス状の検出信号(図7のノード30aでの出力波形を参照)から、その包絡線が抽出されて、連続波形の包絡線信号(図7のノード40aでの出力波形を参照)が出力される。
包絡線抽出部40により抽出された包絡線信号の出力は、分岐点80Aで第1経路81Aと第2経路82Aとに分岐される。第1経路81Aでは、フィルタ部50により、上述した脈波成分が取除かれて基線信号が取得される(図7のノード50aでの出力波形を参照)。
一方、第2経路82Aでは、包絡線信号が調整部60Aを通過する。これにより、第1経路81Aで取得された基線信号の減衰量に合わせて、第2経路82Aを通った包絡線信号に対する差動増幅部70Aの利得が調整される(図7のノード60bでの出力波形を参照)。
差動増幅部70Aによって、第2経路82Aで調整された包絡線信号と、第1経路81Aで取得された基線信号との差分が増幅(差動増幅)される(図7のノード70bでの出力波形を参照)。その結果、調整された包絡線信号に重畳している外来光等のノイズ成分がカットされ、脈波成分が増幅される。よって、最終的に得られる増幅された光電脈波信号(脈波成分)のSN比が改善される(図7のノード70bでの出力波形を参照)。ここで、生体センサ1では、差動増幅部70から出力される光電脈波信号がパルス状の信号(図3のノード70aでの出力波形を参照)であったが、生体センサ2では、差動増幅部70Aから出力される光電脈波信号が連続波形の信号(図7のノード70bでの出力波形を参照)として出力される。
差動増幅部70Aによって取得された脈波成分(光電脈波信号)は、マイクロコントローラ90に入力される。マイクロコントローラ90に入力された光電脈波信号は、A/Dコンバータ92を介して、演算部96に読み込まれる。そして、演算部96において、光電脈波信号が処理されて、例えば、脈拍等の生体情報が取得される。
本実施形態によれば、上述したパルス状の駆動信号により発光素子10が点滅駆動されるため、常時点灯させる場合と比較して消費電力を低減することができる。また、増幅された検出信号の包絡線が抽出されることによって、パルス状の検出信号から包絡線を表す連続波形の包絡線信号(検出信号の包絡線)に変換される(図7のノード40aでの出力波形を参照)。そして、包絡線信号から脈波成分が取除かれて、連続波形状の基線信号が取得される(図7のノード50aでの出力波形を参照)。そして、利得が調整された連続波形の包絡線信号(図7のノード60bでの出力波形を参照)と基線信号との差分をとり増幅することにより、外来光等のノイズ成分をカットして、調整された包絡線信号に含まれる連続波形の光電脈波信号(脈波成分)を取得する(図7のノード70bでの出力波形を参照)ことができる。よって、外来光等のノイズ成分が変動したとしても、最終的に得られる光電脈波信号のSN比を改善することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、図8、図9を参照して、第3実施形態に係る生体センサ3の構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る生体センサ1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。図8は、生体センサ3の構成を示すブロック図である。図9は、生体センサ3の各ノードにおける信号波形を示す図である。なお、図8、図9において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
次に、図8、図9を参照して、第3実施形態に係る生体センサ3の構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る生体センサ1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。図8は、生体センサ3の構成を示すブロック図である。図9は、生体センサ3の各ノードにおける信号波形を示す図である。なお、図8、図9において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
生体センサ3は、受光素子20により受光され増幅部30により初段増幅された検出信号のうち、脈波成分を含む所定の周波数以上の検出信号を選択的に通過させるハイパスフィルタ31と、ハイパスフィルタ31を通過した検出信号を第2段増幅する増幅部32とをさらに備えている点で、生体センサ1と異なっている。その他の構成は、生体センサ1と同一又は同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
ハイパスフィルタ31は、増幅された検出信号のうち、脈波成分を含む所定の周波数以上の検出信号を、選択的に通過させる(図9のノード32aでの下段の出力波形を参照)。つまり、ハイパスフィルタ31は、増幅された検出信号から、脈波成分を含まない直流成分等の低周波成分を除去する。つまり、検出信号に対して、ハイパスフィルタ31を通過した検出信号(以下「通過検出信号」ともいう)のSN比が改善される。なお、ハイパスフィルタ31としては、例えば、増幅部30と増幅部32との間にコンデンサを介して接続(交流接続)することで構成することができる。
増幅部32は、通過検出信号を増幅する(図9のノード32aでの上段の出力波形を参照)。増幅部32からの出力は、分岐点80において第1経路81と第2経路82とに分岐される。分岐点80で分岐された増幅部32の出力端は、第1経路81上に設けられた包絡線抽出部40、及び、第2経路82上に設けられた調整部60に接続されている。つまり、増幅部32で増幅された通過検出信号は、包絡線抽出部40及び調整部60にそれぞれ出力される。なお、増幅部32としては、演算増幅器を使用した非反転増幅回路を用いることができる。
上述した構成を有することにより、本実施形態に係る生体センサ3では、通過検出信号(図9のノード32aでの出力波形を参照)から、包絡線抽出部40により、検出信号の包絡線が抽出される。そして、フィルタ部50により、脈波成分が除去されて基線信号が取得される(図9のノード50cでの出力波形を参照)。
一方、第2経路82では、通過検出信号(図9のノード32aでの出力波形を参照)が調整部60を通過させられる(図9のノード60cでの出力波形を参照)。これにより、第1経路81を通って取得された基線信号の減衰量に合わせて、第2経路82を通った通過検出信号に対する差動増幅部70の利得が調整される。
差動増幅部70によって、第2経路82で調整された通過検出信号(図9のノード60cでの出力波形を参照)と第1経路81を通って取得された基線信号(図9のノード50cでの出力波形を参照)との差分がとられて増幅(差動増幅)される(図9のノード70cでの出力波形を参照)。その結果、通過検出信号に重畳している外来光等のノイズ成分がカットされて、脈波成分が取得され。よって、最終的に得られる光電脈波信号(脈波成分)のSN比が改善される。
本実施形態によれば、ハイパスフィルタ31により、受光素子20により受光されて増幅部30により増幅された検出信号のうち、脈波成分を含む所定の周波数以上の検出信号を、選択的に通過させることができる。つまり、脈波成分に比較して時間軸上で変化が少ないノイズ成分が、ハイパスフィルタ31により除去される。その結果、ハイパスフィルタ31を通過した通過検出信号のSN比を改善することができる。また、通過検出信号により、SN比が改善されるので、後段の増幅部32における増幅率を大きくすることができる。これにより、例えば、外来光等のノイズ成分によって検出信号が飽和されるのを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、第2経路82で調整される通過検出信号(図9のノード60cでの出力波形を参照)、及び第1経路81を通り取得される基線信号(図9のノード50cでの出力波形を参照)が、ハイパスフィルタ31を通過した通過検出信号から取得されるため、両信号のSN比を改善することができる。そのため、SN比が改善された両信号から、その差分をとって増幅する(図9のノード70cでの出力波形を参照)ことにより、さらにノイズ成分を精度良くカットすることが可能となる。
(第4実施形態)
次に、図10、図11、および図12を参照して、第4実施形態に係る生体センサ4の構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る生体センサ1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。ここで、図10は、第4実施形態に係る生体センサ4の構成を示すブロック図であり、図11は、生体センサ4を構成する脈波検出部6A(包絡線抽出部40A)の回路図である。また、図12は、包絡線抽出部40Aを構成する理想ダイオード回路44のV−I特性を示す図である。なお、図10、図11において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
次に、図10、図11、および図12を参照して、第4実施形態に係る生体センサ4の構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る生体センサ1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。ここで、図10は、第4実施形態に係る生体センサ4の構成を示すブロック図であり、図11は、生体センサ4を構成する脈波検出部6A(包絡線抽出部40A)の回路図である。また、図12は、包絡線抽出部40Aを構成する理想ダイオード回路44のV−I特性を示す図である。なお、図10、図11において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
生体センサ4は、脈波検出部6に代えて脈波検出部6Aを備えている点で、上述した生体センサ1と異なっている。また、この脈波検出部6Aは、包絡線抽出部40に代えて包絡線抽出部40Aを備えている点で、上述した脈波検出部6と異なっている。その他の構成は、生体センサ1と同一又は同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
包絡線抽出部40Aは、増幅部30により増幅された検出信号の包絡線を抽出する。そのため、包絡線抽出部40は、理想ダイオード回路44、抵抗器42及びコンデンサ43からなる包絡線検波回路で構成されている。より具体的には、包絡線抽出部40Aは、ダイオード41の順方向電圧降下を等価的にゼロにする(すなわち、ダイオード41の非線形性を解消する)所謂理想ダイオード回路44を有し、この理想ダイオード回路44の出力に抵抗器42及びコンデンサ43の並列回路が接続されている。また、抵抗器42及びコンデンサ43の並列回路の他端は、グランドに接続されている。
ここで、理想ダイオード回路44は、非反転入力(+)端子が増幅部30と接続され、該増幅部30により増幅された検出信号が入力される演算増幅器(差動増幅器)44aと、アノード端子が演算増幅器44aの出力端子に接続され、カソード端子が理想ダイオード回路の出力および演算増幅器44aのネガティブ・フィードバックループ(反転入力(−)端子)に接続されたダイオード41とを有している。
そのため、包絡線抽出部40Aでは、増幅部30から出力された間欠的なパルス状の検出信号が、理想ダイオード回路44により半波整流される。そして、半波整流された検出信号から、抵抗器42及びコンデンサ43の並列回路によって、高周波成分が除去されて、検出信号の包絡線が抽出される。すなわち、包絡線抽出部40Aは、パルス状の検出信号から、波高値がそのパルス列の包絡線に沿って連続的に変化するアナログ信号に変換する。包絡線抽出部40Aの出力端は、フィルタ部50に接続されており、包絡線抽出部40Aにより抽出された包絡線信号が、フィルタ部50に入力される。
ところで、通常のダイオードを用いて検出信号の包絡線検出(整流)を行うと、図12に破線で示したダイオードの非線形性の影響により、包絡線出力(脈波波形)が歪んでしまう。また一般的に、ダイオードの順方向電圧の温度特性はあまり良くないため(約−2mV/℃程度)、包絡線検出の温度特性が悪化してしまう。これに対して、演算増幅器44aのネガティブ・フィードバック内にダイオード41が配設された理想ダイオード回路44では、ダイオード41が持つ非線形性や温度特性が演算増幅器44aのループ・ゲイン分の1に圧縮されるため、図12に実線で示されるように、実使用範囲において線形に動作する理想的なV−I特性が実現される。そのため、通常のダイオードで問題となる、脈波成分の歪みや温度特性が改善される。
上述したように、包絡線抽出部40Aの出力端はフィルタ部50に接続されており、包絡線抽出部40Aにより抽出された包絡線信号が、フィルタ部50に入力される。なお、フィルタ部50は、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、ダイオード41の順方向電圧降下を等価的にゼロにする理想ダイオード回路44を用いているため、通常のダイオード41が持つ非直線性を解消でき、包絡線出力(脈波波形)が歪むことを防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、演算増幅器44aのネガティブ・フィードバック内にダイオード41を取り込むことで、ダイオード41の非線形性や温度特性をループ・ゲイン分の1に圧縮(改善)することができる。その結果、上記理想ダイオード回路44を実現することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、増幅部30の1段増幅、若しくは、増幅部30と増幅部32との2段増幅をしたが、3段以上の演算増幅器で構成してもよい。
なお、上記実施形態では、パルス状の駆動信号により発光素子10からパルス光を照射して、受光素子20から出力されるパルス状の検出信号から脈波成分を取得したが、連続波形の駆動信号により発光素子10から連続光を照射し、受光素子20から出力される連続波形の検出信号から脈波成分を取得する構成とすることもできる。この場合には、包絡線抽出部40を省略することができる。
なお、上記実施形態では、フィルタ部50として、演算増幅器(オペアンプ)51を使用したサレンキー2次ローパスフィルタを用いて構成したが、脈波成分が含まれる周波数未満の検出信号を選択的に通過させて基線信号を取得するローパスフィルタであればよい。例えば、抵抗器と他端がグランド接続されたコンデンサとからなる1次ローパスフィルタを用いることができる。この場合、演算増幅器(オペアンプ)を用いないため、コストを低減することができる。
また、上記実施形態では、マイクロコントローラ90により差動増幅部70から出力された光電脈波信号(脈波成分)を処理して、ユーザの脈拍などの生体情報を取得したが、差動増幅部70からの出力先はマイクロコントローラ90やA/Dコンバータに限定されない。例えば、他の処理回路、アナログメータ、又は発光装置等であってもよい。
上記第4実施形態では、理想ダイオード回路44を、第1実施形態の生体センサ1(包絡線抽出部40)に適用した場合を例にして説明したが、第2実施形態に係る生体センサ2又は第3実施形態に係る生体センサ3に適用してもよい。また、第2実施形態に係る生体センサ2に理想ダイオード回路を適用する場合には、理想ダイオード回路(演算増幅器)に増幅機能を持たせてもよい。
1,2,3,4 生体センサ
5 受光部
6,6A,7 脈波検出部
10 発光素子
20 受光素子
30 増幅部
31 ハイパスフィルタ
40,40A 包絡線抽出部
41 ダイオード
44 理想ダイオード回路
44a 演算増幅器(オペアンプ)
50 フィルタ部(ローパスフィルタ)
50C バンドエリミネーションフィルタ
60,60A 調整部
61 ダイオード
70,70A 差動増幅部
80,80A 分岐点
81,81A 第1経路
82,82A 第2経路
90 マイクロコントローラ
92 A/Dコンバータ
94 出力ポート
95 CPU
96 演算部
97 駆動信号生成部
5 受光部
6,6A,7 脈波検出部
10 発光素子
20 受光素子
30 増幅部
31 ハイパスフィルタ
40,40A 包絡線抽出部
41 ダイオード
44 理想ダイオード回路
44a 演算増幅器(オペアンプ)
50 フィルタ部(ローパスフィルタ)
50C バンドエリミネーションフィルタ
60,60A 調整部
61 ダイオード
70,70A 差動増幅部
80,80A 分岐点
81,81A 第1経路
82,82A 第2経路
90 マイクロコントローラ
92 A/Dコンバータ
94 出力ポート
95 CPU
96 演算部
97 駆動信号生成部
Claims (9)
- 駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
前記駆動信号生成手段により生成された駆動信号に応じて発光する発光素子と、
受光した光の強さに応じた検出信号を出力する受光素子と、
前記受光素子から出力される検出信号から脈波成分を取除いて基線信号を取得する基線信号取得手段と、
前記検出信号と前記基線信号取得手段により取得された前記基線信号との差分をとる差分取得手段と、を備えることを特徴とする生体センサ。 - 前記受光素子から出力される検出信号の包絡線を抽出する包絡線抽出手段をさらに備え、
前記駆動信号生成手段は、パルス状の駆動信号を生成し、
前記基線信号取得手段は、前記包絡線抽出手段により抽出された前記検出信号の包絡線から脈波成分を取除いて基線信号を取得することを特徴とする請求項1に記載の生体センサ。 - パルス状の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
前記駆動信号生成手段により生成された駆動信号に応じて発光する発光素子と、
受光した光の強さに応じた検出信号を出力する受光素子と、
前記受光素子から出力される検出信号の包絡線を抽出する包絡線抽出手段と、
前記包絡線抽出手段により抽出された前記検出信号の包絡線から脈波成分を取除いて基線信号を取得する基線信号取得手段と、
前記検出信号の包絡線と前記基線信号取得手段により取得された前記基線信号との差分をとる差分取得手段と、を備えることを特徴とする生体センサ。 - 前記受光素子から出力される検出信号のうち、前記脈波成分を含む所定の周波数以上の検出信号を、選択的に通過させるハイパスフィルタをさらに備え、
前記包絡線抽出手段は、前記ハイパスフィルタを通過した検出信号の包絡線を抽出することを特徴とする請求項2項又は3項に記載の生体センサ。 - 前記包絡線抽出手段は、ダイオードの順方向電圧降下を等価的にゼロにする理想ダイオード回路を有し、前記受光素子から出力される検出信号を前記理想ダイオード回路により整流した後、高周波成分を除去して検出信号の包絡線を抽出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の生体センサ。
- 前記理想ダイオード回路は、
前記受光素子から出力される検出信号が入力される演算増幅器と、
アノード端子が前記演算増幅器の出力端子に接続され、カソード端子が前記理想ダイオード回路の出力および前記演算増幅器のフィードバックループに接続されたダイオードと、
を有していることを特徴とする請求項5に記載の生体センサ。 - 前記基線信号取得手段は、前記検出信号のうち、脈波成分が含まれる周波数帯域の検出信号の通過を、選択的に阻止して基線信号を取得する帯域阻止フィルタであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体センサ。
- 前記基線信号取得手段は、前記検出信号のうち、脈波成分が含まれる周波数未満の検出信号を、選択的に通過させて基線信号を取得するローパスフィルタであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体センサ。
- 前記基線信号取得手段により取得された基線信号の振幅に基づいて、前記差分取得手段に入力される信号の振幅を調整する振幅調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の生体センサ。
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