JPWO2014185357A1 - カップ状部材のプレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

カップ状部材のプレス成形方法は、第一の上工具(2)及び第二の上工具(3)を第一の下工具(5)に接近させる方向に相対移動させることにより、素材(1)を第一の下工具(5)の下工具孔部(5a)に押し込み、素材(1)を折り曲げる第一工程と、第三の上工具(4)を第一の下工具(5)に接近させる方向に相対移動させて、素材(1)の筒端部(1d)を押し込むことにより、素材(1)の一部を上工具傾斜部(3a)と孔部傾斜部(5c)との間に形成された隙間に流動させ、この部分を増肉する第二工程と、第二の金型を用いて、前記第二工程で増肉された部分を、カップ状部材の中心軸L1に対して略直交する方向に延在する形状にプレス成形する第三工程と、を有する。

Description

本発明は、カップ状部材のプレス成形方法に関する。
カップ状部材は、底部と底部から連続して立ち上がった縦壁部を有する形状の部材であり、容器及び回転部材などの用途で広く機械部品として用いられる。このようなカップ状部材の底部及び縦壁部の肉厚については、使用される用途によっては一定ではなく、特定の部位について部分的に肉厚を変化させる場合があるある。縦壁部の肉厚を変化させる方法については、例えば、特許文献1〜8や非特許文献1に開示されるような多くの方法が提示されている。
一方で、底部の肉厚を部分的に変化させる方法については、例えば特許文献9に板状の素材から肉厚差のある底部を有するカップ状部材の成形方法が開示されているが、上述した縦壁部の肉厚を変化させる方法に比べて開示例は少ない。
特開昭61−140327号公報 特開平07−155888号公報 特開平07−256377号公報 特開2000−24745号公報 特開2000−288642号公報 特開2000−317565号公報 特開2001−47175号公報 特開2009−248092号公報 特開2010−172916号公報
「自動車技術」、社団法人自動車技術会、1996年、Vol.50、No.12、p.31−37
特許文献9は、板状の素材から分割金型を用いて肉厚差のある底部を有するカップ状部材を成形する成形方法が開示されている。しかしながら、この成形方法は5工程を有するために数多くの金型が必要になり、金型コストの増加や多くの金型の交換作業に伴う生産性の低下が懸念される。
本発明のカップ状部材のプレス成形方法は、平板状の素材をカップ状部材に成形する際に、前記カップ状部材の底部厚さを部分的に増加させる、カップ状部材のプレス成形方法において、互いに中心軸が同軸上に配置される、円柱状の第一の上工具と、前記第一の上工具の外周に沿って配置され、先端面が下方に向かうに従って前記中心軸に接近するように傾斜した上工具傾斜部によって形成された筒状の第二の上工具と、前記第二の上工具の外周に沿って配置される筒状の第三の上工具と、前記第一の上工具、前記第二の上工具及び前記第三の上工具の進入を許容する孔部であって、この孔部が前記孔部内に進入する前記第三の上工具に沿って延びる孔部縦壁部と、前記孔部縦壁部の下端部に連設し、下方に向かうにしたがって前記中心軸に接近するように傾斜した孔部傾斜部と、前記孔部傾斜部の下端部に連設し、前記中心軸に直交する方向に延びる孔部底面部とから形成される第一の下工具と、を有する第一の金型を用いて、前記第一の上工具及び前記第二の上工具を前記第一の下工具に接近させる方向に相対移動させることにより、前記素材を前記第一の下工具の前記孔部に押し込み、前記素材を折り曲げる第一工程と、前記第三の上工具を前記第一の下工具に接近させる方向に相対移動させて、前記素材の上端部を押し込むことにより、前記素材の一部を前記上工具傾斜部と前記孔部傾斜部との間に形成された隙間に流動させ、この部分を増肉する第二工程と、を実施し、前記第一の金型とは異なる第二の金型を用いて、前記第二工程で増肉された部分を、カップ状部材の中心軸に対して略直交する方向に延在する形状にプレス成形する第三工程、を実施することを特徴とする。
本願発明によれば、肉厚差のある底部を有するカップ状部材のプレス成形方法を簡素化することが可能となる。
粗成形工程で用いられる金型の概略図である。 仕上げ成形工程で用いられる金型の概略図である。 粗成形工程で用いられる金型の動作説明図である(待機状態)。 粗成形工程で用いられる金型の動作説明図である(第一工程の挟圧工程)。 粗成形工程で用いられる金型の動作説明図である(第一工程の折り曲げ工程)。 粗成形工程で用いられる金型の動作説明図である(第二工程)。 仕上げ成形工程で用いられる金型の動作説明図である(待機状態)。 仕上げ成形工程で用いられる金型の動作説明図である(第三工程)。 仕上げ成形工程で用いられる金型の動作説明図である(第三工程)。 第2実施形態で用いられる金型の概略図である。 第2実施形態で用いられる金型の動作説明図である(増肉工程)。 第3実施形態で用いられる金型の概略図である(n−1回目の増肉処理)。 第3実施形態で用いられる金型の概略図である(n回目の増肉処理)。 第5実施形態の粗成形工程で用いられる金型の動作説明図である。 比較例の一例として用いられる金型の動作説明図である(成形前)。 比較例の一例として用いられる金型の動作説明図である(成形後)。
まず、比較例について説明する。図8A及び図8Bは比較例の金型の動作説明図である。図8Aは成形前の状態を示し、図8Bは成形後の状態を示している。 図8Aに示すように、比較例の金型は、第一の上工具37、第二の上工具38、第三の上工具39、下工具40を有する。
平板状の素材から底部の肉厚(底部厚さ)を部分的に変化させたカップ状部材の成形方法として、少工程かつ簡略な方法は次の通りである。まず、下工具40の上部に平板状の素材1を設置する。次に、図8Bに示すように、第一の上工具37、第二の上工具38及び第三の上工具39を下降させることで、下工具40の孔部40a内にカップ状部材を成形する。このとき、第三の上工具39で縦壁上端部を押し込むことにより、底部の肉厚を変化させる部分に材料を流動させることができる。このように、第二の上工具38と、下工具40の孔部40aとの間に形成される隙間に材料を充満させて所定の底部の肉厚を部分的に変化させる。しかしながら、この場合、図8Bに示すように、縦壁下端部と底部との接続部Pが略直角形状であるために、この部分を材料が通過するときの抵抗が大きくなってしまう。すなわち、縦壁上縁部を第三の上工具39で押し込み、底部の肉厚を変化させる部分に材料を流動させるために必要な荷重が過大となり、プレス成形装置の荷重容量が制約となり実用上成形できない場合が生じる。
本発明は、かかる課題に対して、プレス荷重を実用上問題のない程度にまで低減させ、かつ可能な限り少工程で、平板状の素材から底部の肉厚を部分的に変化させたカップ状部材を成形する成形方法を提供する。
図面を参照しながら、上記課題を解決するための本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態のプレス成形方法は、粗成形工程と、仕上げ成形工程とを含む。粗成形工程は、請求項1に記載された第一工程及び第二工程を有する。仕上げ成形工程は、請求項1に記載された第三工程を有する。
図1は、粗成形工程を有効に実施するための金型の概略断面図である。粗成形工程に用いる金型(第一の金型に相当する)は、第一の上工具2、第二の上工具3、第三の上工具4、第一の下工具5を含む。工具2〜5は互いに中心軸が同軸上であって、中心軸L1に対して軸対称に配置されている。第一の下工具5は、中心軸L1に対して軸対称なノックアウト部材6を有する。
また、工具2〜5及びノックアウト部材6は、それぞれ図示しない駆動機構(例えば、モータや油圧装置)に連結されており、各駆動機構が動作することにより、独立して中心軸L1方向に昇降移動する。図示しないコントローラは、各駆動機構の駆動を制御することにより、工具2〜5及びノックアウト部材6の昇降動作を制御する。コントローラには、CPU、MPUを用いることができる。金型、駆動機構及びコントローラによってプレス成形装置が構成される。
なお、ノックアウト部材6は、移動不能な固定形式であってもよい。また、後述する他の工具においても、第一の金型と同様の駆動機構が設けられている。
第一の上工具2は、円柱状に形成されている。第二の上工具3は、筒状に形成されており、その内周面は第一の上工具2の外周に沿って配置されている。第二の上工具3の先端面(下端面)は、下方に向かうに従って中心軸L1に接近するように傾斜した上工具傾斜部3aにより形成されている。第三の上工具4は、筒状に形成されており、第二の上工具3の外周に沿って配置される。
第一の下工具5は、第一の上工具2、第二の上工具3及び第三の上工具4の進入を許容する下工具孔部5aを有する。下工具孔部5aは、下工具孔部5aに進入する第三の上工具4の外周面に沿って延びる孔部縦壁部5bと、孔部縦壁部5bの下端部に連設し、下方に向かうに従って中心軸L1に接近するように傾斜する孔部傾斜部5cと、孔部傾斜部5cの下端部に連設し、中心軸L1に直交する方向に延びる孔部底面部5dとから形成されている。孔部底面部5dの中心軸L1周りには、中心軸L1方向に延びる底面孔部5eが形成されている。底面孔部5eの内側には、ノックアウト部材6が配置されている。ノックアウト部材6の先端面(上端面)は、孔部底面部5dに対して略面一となる位置に配置されている。なお、孔部底面部5d及びノックアウト部材6の先端面によって、請求項1に記載の「孔部底面部」が形成される。ただし、ノックアウト部材6は第一の下工具5に一体的に構成してもよい。
ここで、図1に示すように、孔部底面部5dと孔部傾斜部5cとのなす角度(鋭角側)をA1としたときに、角度A1は20°以上60°以下に設定することが好ましい。角度A1の限定理由は後述する。また、図1に示すように、上工具傾斜部3aと水平面とのなす角度も、角度A1と略同一にすることが好ましい。
図2は、仕上げ成形工程を有効に実施するための金型の概略図である。仕上げ成形工程に用いる金型(第二の金型に相当する)は、第一の仕上げ上工具7、第二の仕上げ上工具8、第三の仕上げ上工具9、第一の仕上げ下工具10を含む。工具7〜10は互いに中心軸が同軸上であって、中心軸L2に対して軸対称に配置されている。第一の仕上げ下工具10は、中心軸L2に対して軸対称なノックアウト部材11を有する。
第一の仕上げ上工具7は、円柱状に形成されている。第二の仕上げ上工具8は、筒状に形成されており、その内周面は第一の仕上げ上工具7の外周に沿って配置されている。第二の仕上げ上工具8の先端面は、中心軸L2に対して直交する方向に延びる平坦部8aにより形成されている。第三の仕上げ上工具9は、筒状に形成されており、第二の仕上げ上工具8の外周に沿って配置される。
第二の仕上げ上工具8は、上述した第二の上工具3の上工具傾斜部3aが省略された形状である。
第一の仕上げ下工具10は、第一の仕上げ上工具7、第二の仕上げ上工具8及び第三の仕上げ上工具9の進入を許容する孔部10aを有する。孔部10aは、孔部10aに進入する第三の仕上げ上工具9の外周面に沿って延びる孔部縦壁部10bと、孔部縦壁部10bの下端部に連設し、中心軸L2に対して略直交する方向に延びる孔部底面部10dとから形成されている。孔部底面部10dの中心軸L2周りには、中心軸L2方向に延びる底面孔部10eが形成されている。底面孔部10eの内側には、第一の下工具5のノックアウト部材6と略同一寸法に形成されたノックアウト部材11が配置されている。ノックアウト部材11の先端面は、孔部底面部10dに対して略面一となる位置に配置されている。孔部10aの孔部縦壁部10bは、上述した第一の下工具5の孔部縦壁部5bと略同一内径に形成される。
第一の仕上げ下工具10は、上述した第一の下工具5の孔部傾斜部5cが省略された形状である。
次に、図3A〜図3Dを参照しながら、本実施形態の粗成形工程について説明する。図3A〜図3Dは、粗成形工程で用いられる図1に示す金型の動作説明図である。まず、図3Aに示すように図示していない金型の駆動機構により第一の上工具2、第二の上工具3及び第三の上工具4を、素材1を第一の下工具5の上部に設置するのに支障がない高さまで上昇させる。次に、円板形状をした平板状の素材1を第一の下工具5の上部に設置する。このとき、第二の下工具5のノックアウト部材6は、先端面が第一の下工具5の孔部底面部5dと略面一となるように設置する。
次に、図3Bに示すように、第一の上工具2を矢印方向に下降させて、素材1を折り曲げながら下工具孔部5aに押し込み、素材1の底中央部1aを第一の上工具2と第一の下工具5との間で挟圧する(第一工程の挟圧工程に相当する)。したがって、素材1が下工具孔部5a内で位置決めされた状態で固定される。
ここでは、第一の上工具2を下降させる場合について説明したが、この場合に限られず、第一の上工具2と第一の下工具5とが接近する方向に相対移動できればよい。例えば、変形例として、第一の上工具2を下降させずに、第一の下工具5を上昇させてもよい。また、第一の上工具2を下降させながら、第一の下工具5を上昇させてもよい。ただし、これらの変形例を実施する場合、素材1の底中央部1aが第一の上工具2と第一の下工具5とによって挟まれる前に、金型の他の部分で金型間に挟圧されないように、金型相互の位置を制御しておく必要がある。
図3Bに図示する工程を完了するタイミングは、工具の移動位置、プレス荷重(荷重値)などから判別することができる。例えば、コントローラは、図3Aの待機位置から図3Bの完了位置に到達するまでの第一の上工具2の移動ストローク量を予め記憶しておき、記憶した移動ストローク量に達した時に第一の上工具2を停止させてもよい。また、コントローラは、図3Bの完了位置に到達した際に金型に加わるプレス荷重を予め記憶しておき、記憶したプレス荷重に達した時に第一の上工具2を停止させてもよい。
次に、図3Cに示すように、素材1から離隔している第二の上工具3を、上工具傾斜部3aと、第一の下工具5の孔部傾斜部5cとの間の隙間が所定の間隔Tとなる位置まで矢印方向に下降させる。第二の上工具3を下降させることで、第二の上工具3の上工具傾斜部3aの形状に応じて素材1を折り曲げて、底中央部1a、底外縁部1b及び素材縦壁部1cからなる形状にプレス成形する(第一工程の折り曲げ工程に相当する)。底中央部1aとは、素材1のうち中心軸L1に対して直交する方向に延在する部分である。底外縁部1bとは、素材1のうち上工具傾斜部3a及び孔部傾斜部5cに挟まれた領域に位置する部分である。素材縦壁部1cは、素材1のうち中心軸L1方向に延びる部分である。
ここで、所定の隙間Tは、後述する図3Dの第二工程において、底外縁部1bを増肉可能なサイズに設定しておく必要がある。つまり、所定の隙間Tは、増肉前の素材1の板厚よりも大きくしておく必要がある。
図3Cに図示する工程を完了するタイミングは、工具の移動位置、プレス荷重などから判別することができる。その具体的な方法は上述したので、その説明を省略する。
その後、図3Dに示すように、第三の上工具4を矢印方向に下降させる。第三の上工具4で素材縦壁部1cの上端部である筒端部1dを押し込むことにより、素材縦壁部1cから上工具傾斜部3aと孔部傾斜部5cとの間に材料を流動させ、底外縁部1bの肉厚を増加させる(第二工程に相当する)。このとき、第二の上工具3の外周面と第一の下工具5の孔部縦壁部5cとによって素材1の素材縦壁部1cが素材1の板厚方向(中心軸L1に対して直交する方向)に拘束される。
ここで、第二の上工具3の外周面とは、中心軸L1と平行な方向に形成された第二の上工具3の端面である。第一の下工具5の内周面とは、中心軸L1と平行な方向に形成された第一の下工具5の内周側端面のことである。
また、第二の上工具3は第一の上工具2に対して独立して昇降する。したがって、第二の上工具3の上工具傾斜部3aと第一の下工具5の孔部傾斜部5cとの間に形成される隙間を任意に変更することができる。隙間を変更することで素材1の底外縁部1bの肉厚を容易に増減させることができる。
なお、孔部底面部5dと孔部傾斜部5cとのなす角度A1が10°未満の場合は、素材1の素材縦壁部1cから材料を流動させて底外縁部1bの肉厚を増加させるときのプレス荷重が過剰に大きくなる。そのため、上述したように角度A1は20°以上に設定するのが好ましい。
ここでは、第二の上工具3及び第三の上工具4を下降させる場合について説明したが、この場合に限られず、第二の上工具3及び第三の上工具4と、第一の下工具5とが相対的に移動できればよい。例えば、変形例として、第一の上工具2及び第一の下工具5を上昇させてもよい。また、第二の上工具3及び第三の上工具4を下降させながら、第一の上工具2及び第一の下工具5を上昇させてもよい。
図3Dに図示する工程を完了するタイミングは、工具の移動位置、プレス荷重などから判別することができる。その具体的な方法は上述したので、その説明を省略する。
その後、第一の上工具2、第二の上工具3及び第三の上工具4を上昇させて、第一の下工具5のノックアウト部材6を上昇させることで、下工具孔部5aから中間部材としての素材1を取り外すことができる。
次に、図4A〜図4Cを参照しながら、本実施形態の仕上げ成形工程について説明する。図4A〜図4Cは、仕上げ成形工程で用いられる図2に示す金型の動作説明図である。
まず、図4Aに示すように図示していない金型の駆動機構により第一の仕上げ上工具7、第二の仕上げ上工具8及び第三の仕上げ上工具9を、粗成形工程で成形された素材1を第一の仕上げ下工具10の孔部10a内に設置するのに支障がない高さまで上昇させる。次に、素材1を第一の仕上げ下工具10の孔部10a内に設置する。このとき、第一の仕上げ下工具10のノックアウト部材11は、先端面が第一の仕上げ下工具10の孔部底面部10dと略同一となるように設置する。
次に、図4Bに示すように、第一の仕上げ上工具7を矢印方向に下降させて、素材1の底中央部1aを第一の仕上げ上工具7と第一の仕上げ下工具10との間で挟圧する。これにより、素材1が孔部10a内に位置決めして固定される。
ここでは、第一の仕上げ上工具7を下降させる場合について説明したが、この場合に限られず、第一の仕上げ上工具7と第一の仕上げ下工具10とが接近する方向に相対移動できればよい。例えば、変形例として、第一の仕上げ上工具7を下降させずに、第一の仕上げ下工具10を上昇させてもよい。また、第一の仕上げ上工具7を下降させながら、第一の仕上げ下工具10を上昇させてもよい。
ただし、これらの変形例を実施する場合、素材1の底中央部1aが第一の仕上げ上工具7と第一の仕上げ下工具10とによって挟まれる前に、金型の他の部分で金型間に挟圧されないように、金型相互の位置を制御しておく必要がある。
次に、図4Cに示すように、素材1から離隔している第二の仕上げ上工具8を、平坦部8aと第一の仕上げ下工具10との間の隙間が所定の隙間となる位置まで下降させる。ここで、所定の隙間とは、所望する素材1の底外縁部1bの厚みであることが好ましい。底外縁部1bは第二の仕上げ上工具8の平坦部8aによって孔部底面部10dまで押し込まれる。したがって、底外縁部1bが素材1の中心軸L2に対して略直交する方向に延在され、底中央部1aと共に素材1の底部として構成される。
このとき、粗成形工程における孔部底面部5dと孔部傾斜部5cとのなす角度A1が60°を超える場合は、仕上げ成形工程において、第二の仕上げ上工具8を下降させた場合に、第二の仕上げ上工具8と第一の仕上げ下工具10との間で底外縁部1bが座屈してしまう。そのため、角度A1は60°以下に設定するのが好ましい。
次に、第三の仕上げ上工具9を下降させる。第三の仕上げ上工具9で素材縦壁部1cの上端部である筒端部1dを押し込むことにより、素材1を所定の形状に仕上げることができる。
ここでは、第二の仕上げ上工具8と第三の仕上げ上工具9とを順番に下降させる場合について説明したが、この場合に限られず、第二の仕上げ上工具8と第三の仕上げ上工具9とを同時に下降させてもよい。
その後、第一の仕上げ上工具7、第二の仕上げ上工具8及び第三の仕上げ上工具9を上昇させて、第一の仕上げ下工具10のノックアウト部材11を上昇させることで、孔部10aから成形されたカップ状部材を取り外すことができる。仕上げ成形工程により成形されたカップ状部材は、底部のうち底外縁部1bが底中央部1aよりも厚く成形される。
なお一般に、素材1の最終製品形状は、素材1の体積に対応する、第一の上工具2、第二の上工具3、第三の上工具4、第一の下工具5の隙間(容積)で決定される。すなわち、第一の上工具2、第二の上工具3、第三の上工具4、第一の下工具5によって閉塞される空間の容積によって、素材の最終製品形状が決定される。
また、粗成形工程において、プレス荷重がプレス成形装置の荷重限界を超える場合には、コントローラはプレス荷重が予め定めた限界荷重値となった時点で成形を中断して、後続する仕上げ成形工程に移行してもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、図3Dの増肉工程(第二工程)実施後、直ちに仕上げ成形工程(第三工程)に移行した。本実施形態は、第二工程と第三工程との間で増肉処理を1回行う。図5Aは、この増肉処理に用いられる金型(第三の金型に相当する)の概略断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成は、適宜その説明を省略する。
増肉処理に用いる金型は、第四の上工具12、第五の上工具13、第六の上工具14、第二の下工具15を含む。工具12〜15は互いに中心軸が同軸上であって、中心軸L3に対して軸対称に配置されている。第二の下工具15は、中心軸l3に対して軸対称なノックアウト部材16を有する。
第四の上工具12は、円柱状に形成されており、第一の上工具2と同一形状に形成することができる。第五の上工具13は、筒状に形成されており、先端面が下方に向かうにしたがって中心軸L3に接近するように傾斜した上工具傾斜部13aにより形成されている。
ここで、第五の上工具13の上工具傾斜部13aと水平面とのなす角度をA2としたときに、角度A2は、第二の上工具3の角度A1(図1参照)よりも小さい。なお、角度A2は、20°以上60°以下が好ましい。この理由は、上述した通りであり、その説明を省略する。第六の上工具14は、筒状に形成されており、第五の上工具13の外周に沿って配置される。
第二の下工具15は、第四の上工具12、第五の上工具13及び第六の上工具14の進入を許容する下工具孔部15aを有する。下工具孔部15aは、下工具孔部15aに進入する第六の上工具14の外周面に沿って延びる孔部縦壁部15bと、孔部縦壁部15bの下端部に連設し、下方に向かうに従って中心軸L3に接近するように傾斜する孔部傾斜部15cと、孔部傾斜部15cの下端部に連設し、中心軸L3に直交する方向に延びる孔部底面部15dとから形成されている。孔部底面部15dの中心軸L3周りには、中心軸L3方向に延びる底面孔部15eが形成されている。底面孔部15eの内側には、ノックアウト部材16が配置されている。ノックアウト部材16の先端面は、孔部底面部15dに対して略面一となる位置に配置されている。孔部底面部15dと孔部傾斜部15cとのなす角度(鋭角側)は、上述した上工具傾斜部13aと水平面とのなす角度A2と略同一である。なお、孔部底面部15d及びノックアウト部材16の先端面によって、請求項4に記載の「孔部底面部」が形成される。ただし、ノックアウト部材16は第二の下工具15に一体的に構成してもよい。
上述した第1実施形態の図3Dの増肉工程において、プレス荷重が荷重限界を超えた場合に金型を、図5Aに示す金型にかえて、さらに増肉処理を行う。具体的には、第四の上工具12と第二の下工具15とで素材1を挟圧した状態で、第五の上工具13を下降させる。その後、図5Bに示すように、第六の上工具14を矢印方向に下降させ、第六の上工具14で素材縦壁部1cの上端部である筒端部1dを押し込むことにより、素材縦壁部1cから上工具傾斜部13aと孔部傾斜部15cとの間に材料を流動させ、底外縁部1bをさらに増肉させる。
このように、角度A2を角度A1(図1参照)よりも小さくすることで、プレス荷重が小さなプレス成形装置であっても、増肉処理を二回に分けて実施することにより、目標増肉量を満足させることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態では、図3Dの増肉工程(第二工程)実施後、直ちに仕上げ成形工程(第三工程)に移行した。本実施形態では、第二工程と第三工程との間で増肉処理を複数回行う再増肉処理工程を実施する。図6Aは、n−1回目(ただし、nは2以上の整数である)の再増肉処理工程において用いられる金型の概略断面図である。図6Bは、n回目の再増肉処理工程において用いられる金型の概略断面図である。つまり、図6A及び図6Bは、連続する任意の二工程でそれぞれ用いられる金型の断面図である。
図6Aに示す金型(第n+1の金型に相当する)は、第(3×n−2)の上工具22、第(3×n−1)の上工具23、第(3×n)の上工具24、第nの下工具25を含む。工具22〜25は互いに中心軸が同軸上であって、中心軸Ln−1に対して軸対称に配置されている。第(3×n−2)の上工具22は、円柱状に形成されており、第一の上工具2と同一形状に形成することができる。第(3×n−1)の上工具23は、筒状に形成されており、先端面が下方に向かうに従って中心軸Ln−1に接近するように傾斜した上工具傾斜部23aにより形成されている。第(3×n)の上工具24は、筒状に形成されており、第(3×n−1)の上工具23の外周に沿って配置される。第nの下工具25は、第(3×n−2)の上工具22、第(3×n−1)の上工具23及び第(3×n)の上工具24の進入を許容する下工具孔部25aを有する。下工具孔部25aは、下工具孔部25aに進入する第(3×n)の上工具24の外周面に沿って延びる孔部縦壁部25bと、孔部縦壁部25bの下端部に連設し、下方に向かうにしたがって中心軸Ln−1に接近するように傾斜する孔部傾斜部25cと、孔部傾斜部25cの下端部に連設し、中心軸Ln−1に直交する方向に延びる孔部底面部25dとから形成されている。孔部底面部25dの中心軸Ln−1周りには、中心軸Ln−1方向に延びる底面孔部25eが形成されている。底面孔部25eの内側には、ノックアウト部材26が配置されている。ノックアウト部材26の先端面は、孔部底面部25dに対して略面一となる位置に配置されている。なお、ノックアウト部材26は第nの下工具25に一体的に構成してもよい。
図6Bに示す金型(第n+2の金型に相当する)は、第(3×(n+1)−2)の上工具32、第(3×(n+1)−1)の上工具33、第(3×(n+1))の上工具34、第n+1の下工具35を含む。工具32〜35は互いに中心軸が同軸上であって、中心軸Lnに対して軸対称に配置されている。第(3×(n+1)−2)の上工具32は、円柱状に形成されており、第一の上工具2と同一形状に形成することができる。第(3×(n+1)−1)の上工具33は、筒状に形成されており、先端面が下方に向かうに従って中心軸Lnに接近するように傾斜した上工具傾斜部33aにより形成されている。第(3×(n+1))の上工具34は、筒状に形成されており、第(3×(n+1)−1)の上工具33の外周に沿って配置される。第n+1の下工具35は、第(3×(n+1)−2)の上工具32、第(3×(n+1)−1)の上工具33及び第(3×(n+1))の上工具34の進入を許容する下工具孔部35aを有する。下工具孔部35aは、下工具孔部35aに進入する第(3×(n+1))の上工具34の外周面に沿って延びる孔部縦壁部35bと、孔部縦壁部35bの下端部に連設し、下方に向かうにしたがって中心軸Lnに接近するように傾斜する孔部傾斜部35cと、孔部傾斜部35cの下端部に連設し、中心軸Lnに直交する方向に延びる孔部底面部35dとから形成されている。孔部底面部35dの中心軸Ln周りには、中心軸Ln方向に延びる底面孔部35eが形成されている。底面孔部35eの内側には、ノックアウト部材36が配置されている。ノックアウト部材36の先端面は、孔部底面部35dに対して略面一となる位置に配置されている。なお、ノックアウト部材36は第n+1の下工具35に一体的に構成してもよい。
ここで、図6A及び図6Bを比較参照して、孔部傾斜部25c(上工具傾斜部23a)の水平面に対する角度をAn−1、孔部傾斜部35c(上工具傾斜部33a)の水平面に対する角度をAnとしたとき、角度Anは角度An−1よりも小さい。つまり、再増肉処理工程では、角度が段階的に小さくなるため、プレス荷重が小さなプレス成形装置であっても、増肉処理を複数回に分けて実施することにより、目標増肉量を満足させることができる。なお、再増肉処理工程において実施される増肉処理の回数は、複数であればよく、金型の大きさ、荷重限界、目標増肉量などの観点から適宜の値に定めることができる。なお、角度An及び角度An−1は、20°以上60°以下が好ましい。この理由は、上述した通りであり、その説明を省略する。
(第4実施形態)
第2実施形態及び第3実施形態では、第二工程と第三工程との間で異なる金型を用いて増肉処理又は再増肉処理を行う場合について説明した。本実施形態では、第二工程と第三工程との間で、第二工程で用いた同じ金型により増肉処理工程を実施する。ここでは、第1実施形態の図1に示す金型を用いる場合について説明するが、第2実施形態及び第3実施形態でも同様に実施することができる。
図3A〜図3Dで示す粗成形工程が終了した後、第二の上工具3を僅かに上昇させる。すなわち、第二の上工具3の上工具傾斜部3aと、第一の下工具5の孔部傾斜部5cとの間の隙間が粗成形工程(或いは前回の増肉処理工程または前回の再増肉処理工程)のときの間隔Tよりも大きく設定する。
次に、第三の上工具4を上昇させた後に、下降させる。第三の上工具4で素材縦壁部1cの上端部である筒端部1dを押し込むことにより、素材縦壁部1cから上工具傾斜部3aと孔部傾斜部5cとの間に材料を流動させ、底外縁部1bの肉厚を増加させることができる。また、必要に応じて、さらに第二の上工具3の上工具傾斜部3aと、第一の下工具5の孔部傾斜部5cとの間の隙間を大きくした上で、第二の上工具3及び第三の上工具4による増肉処理工程を繰り返し実施してもよい。
ここでは、第二の上工具3及び第三の上工具4を下降させる場合について説明したが、この場合に限られず、第二の上工具3及び第三の上工具4と、第一の下工具5とが相対的に移動できればよい。
その後、第一の上工具2、第二の上工具3及び第三の上工具4を上昇させて、第一の下工具5のノックアウト部材6を上昇させることで、下工具孔部5aから中間部材としての素材1を取り外すことができる。取り外した素材1は、仕上げ成形工程(或いは第2実施形態の増肉処理工程または第3実施形態の再増肉処理工程)で用いられる金型に設置される。
このように、同じ金型を用いて上工具傾斜部3aと孔部傾斜部5cとの間の隙間を前回よりも大きく設定することで、プレス荷重が小さなプレス成形装置であっても、増肉処理を複数回に分けて実施することにより、目標増肉量を満足させることができる。
(第5実施形態)
第1実施形態の粗成形工程では、まず第一の上工具2を下降させて、素材1の底中央部1aを第一の上工具2と第一の下工具5との間で挟圧し、次に第二の上工具3を下降させる場合について説明した。本実施形態では、第一の上工具2及び第二の上工具3を同時に下降させる場合について説明する。
まず、図3Aに示すように素材1を第一の下工具5の上部に設置する。その後、図7に示すように第一の上工具2の先端面を素材1の底中央部1aに当接させると共に、第二の下工具5のノックアウト部材6を上昇させることで、素材1の底中央部1aを第一の上工具2とノックアウト部材6との間で挟圧する。したがって、素材1が第一の上工具2とノックアウト部材6との間で位置決めされる。
次に、素材1を第一の上工具2とノックアウト部材6との間で挟圧した状態で、第一の上工具2、第二の上工具3及びノックアウト部材6を同時に下降させる。したがって、第一の上工具2及び第二の上工具3は、素材1を下工具孔部5aに押し込みながら、第一の上工具2及び第二の上工具3の形状に応じて折り曲げる。したがって、図3Dに示すように素材1が、底中央部1a、底外縁部1b及び素材縦壁部1cからなる形状にプレス成形される。
この工程を完了するタイミングは、工具の移動位置、プレス荷重などから判別することができる。その具体的な方法は上述したので、その説明を省略する。
ここでは、第一の上工具2及び第二の上工具3を下降させる場合について説明したが、この場合に限られず、第一の上工具2及び第二の上工具3と、第一の下工具5とが接近する方向に相対移動できればよい。
このように、第一の上工具2及び第二の上工具3を同時に下降させる場合でも、第1実施形態と同様に、粗成形工程を実施することができる。また、ここでは、ノックアウト部材6を上昇させることで、素材1の底中央部1aを第一の上工具2とノックアウト部材6との間で挟圧する場合について説明したが、この場合に限られず、ノックアウト部材6を上昇させることなく、第一の上工具2及び第二の上工具3を同時に下降させてもよい。すなわち、第1実施形態で説明した挟圧工程と折り曲げ工程とが同時であってもよい。
なお、プレス成形装置のコントローラがプレス荷重を検出する方法としては、プレス成形装置に備えられた荷重センサーを用いる方法が一般的である。しかし、本発明はこの場合に限られず、例えば、実験或いはシミュレーションにより、プレス成形装置が成形を開始してから上述した工具が荷重限界を超えるまでの時間または工具の変位量が予めわかっている場合には、コントローラはこの時間をカウントしたり、工具の変位量を測定したりすることで、荷重限界を超える前に成形を終了させてもよい。つまり、コントローラは、成形完了の判断条件として必ずしもプレス荷重とプレス成形装置の荷重限界とを直接比較する必要はなく、プレス成形装置の荷重限界を超える前に成形を完了させることができれば、いかなる方法を用いてもよい。
なお、素材1の材質としては鋼、アルミニウム、銅などの金属、或いはこれらの合金など、塑性加工が可能な公知の各種の材質を採用できる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更などが可能であり、上述した実施形態を適時組み合わせてもよい。
本発明は、底部厚さを部分的に増加させるカップ状部材をプレス成形する場合に利用することができる。

Claims (7)

  1. 平板状の素材をカップ状部材に成形する際に、前記カップ状部材の底部厚さを部分的に増加させる、カップ状部材のプレス成形方法において、
    互いに中心軸が同軸上に配置される、円柱状の第一の上工具と、前記第一の上工具の外周に沿って配置され、先端面が下方に向かうに従って前記中心軸に接近するように傾斜した上工具傾斜部によって形成された筒状の第二の上工具と、前記第二の上工具の外周に沿って配置される筒状の第三の上工具と、前記第一の上工具、前記第二の上工具及び前記第三の上工具の進入を許容する孔部であって、この孔部が前記孔部内に進入する前記第三の上工具に沿って延びる孔部縦壁部と、前記孔部縦壁部の下端部に連設し、下方に向かうにしたがって前記中心軸に接近するように傾斜した孔部傾斜部と、前記孔部傾斜部の下端部に連設し、前記中心軸に直交する方向に延びる孔部底面部とから形成される第一の下工具と、を有する第一の金型を用いて、
    前記第一の上工具及び前記第二の上工具を前記第一の下工具に接近させる方向に相対移動させることにより、前記素材を前記第一の下工具の前記孔部に押し込み、前記素材を折り曲げる第一工程と、
    前記第三の上工具を前記第一の下工具に接近させる方向に相対移動させて、前記素材の上端部を押し込むことにより、前記素材の一部を前記上工具傾斜部と前記孔部傾斜部との間に形成された隙間に流動させ、この部分を増肉する第二工程と、を実施し、
    前記第一の金型とは異なる第二の金型を用いて、前記第二工程で増肉された部分を、カップ状部材の中心軸に対して略直交する方向に延在する形状にプレス成形する第三工程、を実施することを特徴とするカップ状部材のプレス成形方法。
  2. 前記第一工程では、
    前記第一の上工具を前記第一の下工具に接近させる方向に相対移動させることにより、前記素材を前記第一の下工具の前記孔部に折り曲げながら押し込み、前記第一の上工具及び前記孔部底面部で挟圧する挟圧工程と、
    前記第二の上工具を前記第一の下工具に接近させる方向に相対移動させ、前記第二の上工具の形状に応じて前記素材をさらに折り曲げる折り曲げ工程と、を実施することを特徴とする請求項1に記載のカップ状部材のプレス成形方法。
  3. 前記孔部傾斜部と前記孔部底面部とのなす角度をAとしたとき、
    20°≦角度A≦60°
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカップ状部材のプレス成形方法。
  4. 互いに中心軸が同軸上に配置される、円柱状の第四の上工具と、前記第四の上工具の外周に沿って配置され、先端面が下方に向かうに従って前記中心軸に接近するように傾斜した上工具傾斜部によって形成された筒状の第五の上工具と、前記第五の上工具の外周に沿って配置される筒状の第六の上工具と、前記第四の上工具、前記第五の上工具及び前記第六の上工具の進入を許容する孔部であって、この孔部が前記孔部内に進入する前記第六の上工具に沿って延びる孔部縦壁部と、前記孔部縦壁部の下端部に連設し、下方に向かうにしたがって前記中心軸に接近するように傾斜した孔部傾斜部と、前記孔部傾斜部の下端部に連設し、前記中心軸に直交する方向に延びる孔部底面部とから形成される第二の下工具と、を有し、前記第五の上工具における上工具傾斜部の傾斜する角度が前記第二の上工具における上工具傾斜部の傾斜する角度よりも小さい、第三の金型を用いて、
    前記第四の上工具と前記第二の下工具とで前記素材を挟圧した状態で前記第五の上工具を前記第二の下工具に接近させる方向に相対移動させた後に、前記第六の上工具を前記第二の下工具に接近させる方向に相対移動させて、前記素材の上端部を押し込むことにより、前記素材の一部を前記上工具傾斜部と前記孔部傾斜部との間に形成された隙間に流動させ、この部分をさらに増肉する増肉工程を、前記第二工程と前記第三工程との間に実施することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のカップ状部材のプレス成形方法。
  5. 前記第二工程と前記第三工程との間で増肉処理を複数回実施する再増肉処理工程を有し、
    前記再増肉処理工程において、n−1回目(ただし、nは2以上の整数である)の増肉処理は、互いに中心軸が同軸上に配置される、円柱状の第(3×n−2)の上工具と、前記第(3×n−2)の上工具の外周に沿って配置され、先端面が下方に向かうに従って前記中心軸に接近するように傾斜した上工具傾斜部によって形成された筒状の第(3×n−1)の上工具と、前記第(3×n−1)の上工具の外周に沿って配置される筒状の第(3×n)の上工具と、前記第(3×n−2)の上工具、前記第(3×n−1)の上工具及び前記第(3×n)の上工具の進入を許容する孔部であって、この孔部が前記孔部内に進入する前記第(3×n)の上工具に沿って延びる孔部縦壁部と、前記孔部縦壁部の下端部に連設し、下方に向かうにしたがって前記中心軸に接近するように傾斜した孔部傾斜部と、前記孔部傾斜部の下端部に連設し、前記中心軸に直交する方向に延びる孔部底面部とから形成される第nの下工具と、を有する第n+1の金型を用いて、前記第(3×n−2)の上工具と前記第nの下工具とで前記素材を挟圧した状態で前記第(3×n−1)の上工具を前記第nの下工具に接近させる方向に相対移動させた後に、前記第(3×n)の上工具を前記第nの下工具に接近させる方向に相対移動させて、前記素材の上端部を押し込むことにより、前記素材の一部を前記上工具傾斜部と前記孔部傾斜部との間に形成された隙間に流動させ、この部分をさらに増肉する処理であり、
    n回目の増肉処理は、互いに中心軸が同軸上に配置される、円柱状の第(3×(n+1)−2)の上工具と、前記第(3×(n+1)−2)の上工具の外周に沿って配置され、先端面が下方に向かうに従って前記中心軸に接近するように傾斜した上工具傾斜部によって形成された筒状の第(3×(n+1)−1)の上工具と、前記第(3×(n+1)−1)の上工具の外周に沿って配置される筒状の第(3×(n+1))の上工具と、前記第(3×(n+1)−2)の上工具、前記第(3×(n+1)−1)の上工具及び前記第(3×(n+1))の上工具の進入を許容する孔部であって、この孔部が前記孔部内に進入する前記第(3×(n+1))の上工具に沿って延びる孔部縦壁部と、前記孔部縦壁部の下端部に連設し、下方に向かうにしたがって前記中心軸に接近するように傾斜した孔部傾斜部と、前記孔部傾斜部の下端部に連設し、前記中心軸に直交する方向に延びる孔部底面部とから形成される第(n+1)の下工具と、を有し、前記第(3×(n+1)−1)の上工具における上工具傾斜部の傾斜する角度が前記第(3×n−1)の上工具における上工具傾斜部の傾斜する角度よりも小さい第n+2の金型を用いて、前記第(3×(n+1)−2)の上工具と前記第(n+1)の下工具とで前記素材を挟圧した状態で前記第(3×(n+1)−1)の上工具を前記第(n+1)の下工具に接近させる方向に相対移動させた後に、前記第(3×(n+1))の上工具を前記第(n+1)の下工具に接近させる方向に相対移動させて、前記素材の上端部を押し込むことにより、前記素材の一部を前記上工具傾斜部と前記孔部傾斜部との間に形成された隙間に流動させ、この部分をさらに増肉する処理であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のカップ状部材のプレス成形方法。
  6. 前記第一工程及び前記第二工程の少なくとも何れかの工程の完了を予め定められた、工具の位置で判断することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のカップ状部材のプレス成形方法。
  7. 前記第一工程及び前記第二工程の少なくとも何れかの各工程の完了を予め定められた、プレス成形装置の荷重値で判断することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のカップ状部材のプレス成形方法。
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