JPWO2014167910A1 - 化学強化ガラス板 - Google Patents

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裕介 小林
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    • C03C21/001Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
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Abstract

【解決手段】化学強化による圧縮応力が残留する互いに平行な第1主面および第2主面と、圧縮応力が残留する領域および引張応力が残留する領域が形成される加工面とを有する化学強化ガラス板であって、前記加工面は、前記第1主面に斜めに接続する第1面取り部と、前記第2主面に斜めに接続する第2面取り部とを有し、前記第1面取り部の深さ、および前記第2面取り部の深さがそれぞれ前記化学強化ガラス板の板厚の20%以下であり、前記化学強化ガラス板の内部の引張応力が18MPa以下である、化学強化ガラス板。

Description

本発明は、化学強化ガラス板に関する。
化学強化ガラス板は、例えばガラス板の表面に含まれる小さなイオン半径のイオン(例えばLiイオンやNaイオン)を大きなイオン半径のイオン(例えばKイオン)に置換してなる。化学強化ガラス板の表面には圧縮応力が残留し、傷が付きにくくなるため、強度が向上する。
化学強化ガラス板の量産技術として、化学強化されたガラス板を切断する技術が開発されている。切断面には、圧縮応力が残留する領域と、引張応力が残留する領域とが形成される(例えば特許文献1参照)。
日本国特開2008−247732号公報
従来から、化学強化ガラス板の破損を抑制するため、化学強化ガラス板の角を斜めに削る面取りなどが行われている。
しかしながら、面取りによって、表面に作用する引張応力が強くなることがある。そのため、表面に欠陥(例えば傷、付着物、内包物など)があると、欠陥を起点として亀裂が自然に進展しやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、加工によってガラス板端面に欠陥が入った場合であっても亀裂の自然な伸展を抑制できる、化学強化ガラス板の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態によれば
化学強化による圧縮応力が残留する互いに平行な第1主面および第2主面と、圧縮応力が残留する領域および引張応力が残留する領域が形成される加工面とを有する化学強化ガラス板であって、
前記加工面は、前記第1主面に斜めに接続する第1面取り部と、前記第2主面に斜めに接続する第2面取り部とを有し、
前記第1面取り部の深さ、および前記第2面取り部の深さがそれぞれ前記化学強化ガラス板の板厚の20%以下であり、
前記化学強化ガラス板の内部の引張応力が18MPa以下である、化学強化ガラス板が提供される。
本発明によれば、加工によってガラス板端面に欠陥が入った場合であっても亀裂の自然な伸展を抑制できる、化学強化ガラス板が提供される。
本発明の第1実施形態による化学強化ガラス板を示す平面図である。 図1の化学強化ガラス板の要部を示す側面図である。 図1の化学強化ガラス板の板厚方向における応力分布を示す図である。 試験例7による化学強化前のガラス板の静的疲労破壊試験の結果を示す図である。 本発明の第2実施形態による化学強化ガラス板を示す平面図である。 図5の化学強化ガラス板の曲線部分の曲率半径R1と、σ2/CTが14MPaとなるときのCTとの関係を示す図である。 図5の変形例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。以下の図面において、同一のまたは対応する構成には、同一のまたは対応する符号を付して、説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態による化学強化ガラス板を示す平面図である。図2は、図1の化学強化ガラス板の要部を示す側面図である。
化学強化ガラス板10は、図1に示すように、平面視で矩形状であってよく、丸いコーナ付きの矩形状であってよい。化学強化ガラス板10は、側縁に加工面13を有してよい。
化学強化ガラス板10は、図2に示すように、化学強化による圧縮応力が残留する互いに平行な第1主面11および第2主面12と、圧縮応力が残留する領域13a、13bおよび引張応力が残留する領域13cが形成される加工面13とを有する。
化学強化ガラス板10の製造方法は、例えば、ガラス板を化学強化する化学強化工程と、化学強化したガラス板を切断する切断工程と、切断したガラス板を削る面取り工程とを有する。
化学強化工程では、例えばガラス板の表面に含まれる小さなイオン半径のイオン(例えばLiイオンやNaイオン)を大きなイオン半径のイオン(例えばKイオン)に置換する。ガラス板の表面に圧縮応力が残留し、傷が付いても破損しにくくなるため、強度が向上する。
化学強化されるガラス板のガラスは、アルカリイオンを含むガラスであればよく、例えばアルミノボロシリケートガラスやアルカリアルミノシリケートガラス、ソーダライムガラスのいずれでもよい。
化学強化工程では、ガラス板をイオン交換用の処理液(例えばKNO溶融塩)に浸漬する。処理液の温度や浸漬時間などの調節で、圧縮応力層の厚さ、表面圧縮応力などが調節できる。ガラス板の表面から所定の深さで圧縮応力層が形成され、その反作用で、ガラス板の内部に引張応力層が形成される。
図3は、図1の化学強化ガラス板の板厚方向における応力分布を示す図である。図3において、CS1は第1主面11における圧縮応力、CS2は第2主面12における圧縮応力、DOL1は第1主面11に形成される圧縮応力層の厚さ、DOL2は第2主面12に形成される圧縮応力層の厚さ、tはガラス板の板厚、CTはガラス板内部の引張応力をそれぞれ示す。CS1、CS2、DOL1、DOL2は市販の表面応力計などで測定され、その測定結果と、t(t>DOL1+DOL2)を下記の式に代入して、CTは算出される。
CT=(CS1×DOL1+CS2×DOL2)/{2×(t−DOL1−DOL2)}
図3に示すように、CS1とCS2とが等しく(CS1=CS2)、DOL1とDOL2とが等しくてよい(DOL1=DOL2)。
表面圧縮応力CS1、CS2は、良好な耐傷性のため、例えば500MPa以上であり、700MPa以上であるとより好ましく、850MPa以上であるとさらに好ましい。また、圧縮応力層の厚さDOL1、DOL2は、良好な耐傷性のため、例えば10μm以上である。
表面圧縮応力CS1、CS2、および圧縮応力層の厚さDOL1、DOL2に対応する引張応力CTが生じる。引張応力CTは、処理液の温度や浸漬時間などで調節可能である。
尚、本実施形態の化学強化工程には、イオン交換法が用いられるが、表面結晶化法、脱アルカリ法などが用いられてもよく、複数の方法が用いられてもよい。
切断工程では、化学強化されたガラス板を切断する。例えば、化学強化されたガラス板に対してレーザ光を照射し、ガラス板に対するレーザ光の照射位置を移動させ、レーザ光の照射によって生じる熱応力でガラス板を切断してよい。レーザ光の照射位置の軌跡に沿ってガラス板が切断でき、多数枚取りができる。この方法は、スクライブ線を形成せずにガラス板を切断する方法であって、フルボティカット法とも呼ばれる。
尚、化学強化されたガラス板の切断方法は、スクライブ・ブレイク法などでもよい。スクライブ・ブレイク法は、化学強化されたガラス板の表面にスクライブ線を形成し、スクライブ線を中心にガラス板を折り曲げて、ガラス板を切断する。スクライブ線の形成方法としては、ガラス板の表面に押し付けた状態でカッターホイールを転動させてスクライブ線を形成する方法、ガラス板にレーザ光を照射し熱応力でスクライブ線を形成する方法などがある。
切断されたガラス板の切断面は、圧縮応力が残留する領域と、引張応力が残留する領域との両方を有する。図3から明らかなように、引張応力が残留する領域は、圧縮応力が残留する領域同士の間に形成される。
面取り工程では、切断されたガラス板の破損を低減するため、ガラス板の切断面の角を回転砥石などで斜めに削り取る。切断工程および面取り工程によって加工面13が形成される。加工面13は、第1主面11と第2主面12との中心面を中心に対称であってよい。
加工面13は、図2に示すように、圧縮応力が残留する領域13a、13bと、引張応力が残留する領域13cの両方を有する。
加工面13は、図2に示すように、第1主面11に斜めに接続する第1面取り部14と、第2主面12に斜めに接続する第2面取り部15と、第1面取り部14と第2面取り部15とを接続する端面部16を有する。第1面取り部14および第2面取り部15は、第1主面11および第2主面12に対して斜めの平坦面である。端面部16は、第1主面11および第2主面12に対して、例えば垂直な平坦面である。端面部16は湾曲していても構わない。
第1面取り部14の深さD1、および第2面取り部15の深さD2は、それぞれ、化学強化ガラス板10の板厚tの20%以下である。ここで、「深さ」とは、板厚方向の寸法を意味する。
第1面取り部14の深さD1、および第2面取り部15の深さD2は、それぞれ、化学強化ガラス板10の板厚tの3%以上であってよい。化学強化ガラス板10の板厚tは、例えば0.5mm〜1mmである。
また、第1面取り部14の深さD1は、第1主面11に形成される圧縮応力層の厚さDOL1よりも大きくてよい。同様に第2面取り部15の深さD2は、第2主面12に形成される圧縮応力層の厚さDOL2よりも大きくてよい。
第1面取り部14の深さD1と、第2面取り部15の深さD2とは同じ(D1=D2)であってよい。また、第1面取り部14の深さD1と第1面取り部14の幅W1とは同じ(D1=W1)であってよい。さらに、第2面取り部15の深さD2と第2面取り部15の幅W2とは同じ(D2=W2)であってよい。ここで、「幅」とは、端面部16を垂直面とした際に、その面に対して垂直な方向の寸法を意味する。
加工面13が第1面取り部14および第2面取り部15を有することで、物との接触による破損が抑制できる。一方で、第1面取り部14および第2面取り部15の形成によって、加工面13に作用する引張応力が集中する。
試験例1〜試験例4および参考例1では、板厚1.0mmの化学強化ガラス板(ヤング率80GPa、ポアソン比0.2)の応力分布を有限要素法によるシミュレーションで解析した。シミュレーションに用いたソフトウェアは、エムエスシーソフトフェア株式会社のMarcである。解析では、化学強化ガラス板の中央部での板厚方向の応力分布が図3と同様の応力分布となるように化学強化ガラス板の温度を第1主面からの板厚方向距離に応じて設定することで、化学強化ガラス板の加工面または切断面に作用する引張応力を調べた。圧縮応力層の厚さDOL1、DOL2は40μmとし、板厚tの4%とした。化学強化ガラス板の中央部の板厚方向中心位置における引張応力(CTに相当)は40MPaとした。
表1に、試験例1〜試験例4による加工面13に作用する引張応力、および参考例1による切断面に作用する引張応力を示す。ここで、試験例1〜試験例4における端面部は第1主面11および第2主面12と垂直な垂直面とした。参考例1による切断面は、第1主面11および第2主面12に対して垂直な端面部のみからなり、第1面取り部14および第2面取り部15を有さない。
以下の各表において、D1は第1面取り部14の深さ(D1=D2=W1=W2)、D1/tは化学強化ガラス板10の板厚tに対する第1面取り部14の深さD1の割合を表す。また、σ1/CTは化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTに対する端面部16の板厚方向中心における引張応力σ1の割合、σ2/CTは化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTに対する第1面取り部14と端面部16の第1境界17における引張応力σ2の割合を表す。
Figure 2014167910
試験例1〜試験例4および参考例1における端面部16の板厚方向中心に作用する引張応力σ1は、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTの41%〜47%であった。試験例1〜試験例4では、図2に示すように、第1面取り部14の深さD1が第1主面11に形成される圧縮応力層の厚さDOL1よりも大きく、引張応力が残留する領域13c内に第1面取り部14と端面部16との間に形成される第1境界17がある。第1境界17は尖っているため第1境界17に引張応力が集中し、最大の引張応力が第1境界17に作用する。第1境界17に作用する引張応力σ2は、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTの62%〜78%であった。第2面取り部15と端面部16との間に形成される第2境界18において同様である。よって、第1面取り部14や第2面取り部15が形成されることで、化学強化ガラス板10の加工面13に生じる引張応力が大きくなることがわかる。
尚、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTを20MPaとしたときの、化学強化ガラス板10の加工面13に作用する引張応力も表1と同様であった。σ1/CT、σ2/CTはCTにほとんど依存しないことがわかる。
また、試験例5〜試験例6および参考例2では、板厚0.5mmの化学強化ガラス板の応力分布を有限要素法によるシミュレーションで解析した。解析では、化学強化ガラス板の中央部での板厚方向の応力分布が図3と同様の応力分布となるように化学強化ガラス板の温度を第1主面からの板厚方向距離に応じて設定することで、化学強化ガラス板の加工面または切断面に作用する引張応力を調べた。圧縮応力層の厚さDOL1、DOL2は40μmとし、板厚tの8%とした。化学強化ガラス板の中央部の板厚方向中心位置における引張応力(CTに相当)は40MPaとした。
表2に、試験例5〜試験例6による加工面に作用する引張応力、および参考例2による切断面に作用する引張応力を示す。ここで、試験例5〜試験例6における端面部は第1主面11および第2主面12と垂直な垂直面とした。参考例2による切断面は、第1主面11および第2主面12に対して垂直な端面部のみからなり、第1面取り部14および第2面取り部15を有さない。
Figure 2014167910
試験例5〜試験例6および参考例2における端面部16の板厚方向中心に作用する引張応力σ1は、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTの44%〜48%であった。試験例5〜試験例6では、第1面取り部14の深さD1が第1主面11に形成される圧縮応力層の厚さDOL1よりも大きく、引張応力が残留する領域13c内に第1面取り部14と端面部16との間に形成される第1境界17がある。第1境界17は尖っているため第1境界17に引張応力が集中し、最大の引張応力が第1境界17に作用する。第1境界17に作用する引張応力σ2は、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTの71%〜78%であった。第2面取り部15と端面部16との間に形成される第2境界18において同様である。よって、第1面取り部14や第2面取り部15が形成されることで、化学強化ガラス板10の加工面13に生じる引張応力が大きくなることがわかる。
表1および表2から、第1面取り部14の深さD1および第2面取り部15の深さD2がそれぞれ化学強化ガラス板10の板厚tの20%以下である場合、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTの78%以下の引張応力が加工面13に作用することがわかる。
図4は、試験例7による化学強化前のガラス板の静的疲労破壊試験の結果を示す図である。図4において、横軸は試験片の試験面に加える引張応力σaの常用対数log10σaを、縦軸は試験片の平均破壊時間tfの常用対数log10tfを表す。
試験例7では、4点曲げ試験(荷重点間距離10mm、支持点間距離30mm)により試験片(50mm×50mm×0.78mm)に所定の荷重を加え、所定の荷重を加え続けたときの平均破壊時間(試験回数10回)を調べた。
試験片は、酸化物基準の質量%表示で、SiO:60.9%、Al:12.8%、NaO:12.2%、KO:5.9%、MgO:6.7%、CaO:0.1%、SrO:0.2%、BaO:0.2%、ZrO:1.0%を含むガラスを加工して用意した。
先ず、用意した試験片の試験面に、1.5kgの荷重で押し付けた研磨紙(砥粒の粗さ#400)を20mm/秒の速度で片道20mmの距離を3往復させて、深さ20μm程度の傷を付けた。傷の深さは、試験片の断面をデジタルマイクロスコープ(倍率1000倍)で観察して測定した。ここで、深さとは、試験片の試験面に対して垂直な方向の寸法を意味する。
次いで、試験片の試験面を下向きにして支持点に載せ、試験片の試験面と反対側の面(上面)を荷重点で押した。荷重点は、1.0mm/minの速度で降下させて試験片の上面と接触させた後、所定の荷重まで98N/minの速度で降下させた。
試験片の試験面に加える引張応力σaが24.2MPaの場合、試験片の平均破壊時間tfは1236秒であった。また、試験片の試験面に加える引張応力σaが28.2MPaの場合、試験片の平均破壊時間tfは49秒であった。
一般的に、試験片の試験面に加える引張応力σaの常用対数log10σaと、試験片の平均破壊時間tfの常用対数log10tfとの関係は一次関数で表されることが知られている。試験片の試験面に加える引張応力σaの常用対数log10σaが大きくなるほど、試験片の平均破壊時間tfの常用対数log10tfが小さくなる。
図4において、試験例7の結果から予測される、引張応力σaと平均破壊時間tfとの関係を直線で示す。直線の傾きの絶対値は、疲労定数と呼ばれ、主にガラス板のガラス組成で決まる。試験例7の疲労定数は約21である。
疲労定数が約21のガラスとしては、例えば、酸化物基準のモル百分率表示で、SiO:56%〜69%、Al:6%〜16%、NaO:9%〜22%、KO:0%〜7%、MgO:7%〜14%、ZrO:0%〜0.8%を含むガラスが挙げられる。
試験例7の結果から予測される、引張応力σaと平均破壊時間tfとの関係を表3に示す。
Figure 2014167910
表3から、平均破壊時間tfを一般的に要求される5年以上とするためには、化学強化ガラス板10の加工面13に作用する引張応力を14MPa以下とする必要があることがわかる。
ところで、上述の如く、化学強化ガラス板10の加工面13には、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTの78%の引張応力が最大で作用し得る。
そこで、本実施形態では、化学強化ガラス板10の内部の引張応力CTが18MPa以下とされる。CTが18MPa以下であれば、化学強化ガラス板10の加工面13に作用する引張応力が14MPa以下となり、平均破壊時間tfが5年以上となる。
化学強化ガラス板10の用途は、例えば画像表示装置用のガラス基板またはカバーガラスである。画像表示装置は、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイなどを含み、タッチパネルを含む。尚、化学強化ガラス板10の用途は、多種多様であってよく、例えば太陽電池のカバーガラスなどでもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態の化学強化ガラス板10は、平面視で略矩形状であって、側縁に加工面13を有する。
これに対して、本実施形態の化学強化ガラス板は、貫通孔の壁面としての加工面を有する点で相違する。以下、相違点について主に説明する。
図5は、本発明の第2実施形態による化学強化ガラス板を示す平面図である。図5に示すように、化学強化ガラス板110は、貫通孔の壁面としての加工面113を有する。加工面113は、曲率半径方向外側にガラスが存在する曲線部分(所謂インカーブと呼ばれる部分)113Rを有する。この曲線部分113Rは、例えば図5に示すように板厚方向視で閉じた円形であってよい。尚、加工面113の側面視での形状は、図2に示す加工面13の側面視での形状と同様であるので、図示を省略する。
試験例8〜試験例13では、曲線部分113Rに作用する引張応力と、曲線部分113R(詳細には端面部)の曲率半径R1との関係を調べるため、板厚1.0mmの化学強化ガラス板(ヤング率80GPa、ポアソン比0.2)の応力分布を有限要素法によるシミュレーションで解析した。シミュレーションに用いたソフトウェアは、エムエスシーソフトフェア株式会社のMarcである。解析では、化学強化ガラス板の中央部での板厚方向の応力分布が図3と同様の応力分布となるように化学強化ガラス板の温度を第1主面からの板厚方向距離に応じて設定することで、化学強化ガラス板の加工面に作用する引張応力を調べた。圧縮応力層の厚さDOL1、DOL2は40μmとし、板厚tの4%とした。また、D1/tは5%とし、D1=D2=W1=W2とした。化学強化ガラス板の中央部の板厚方向中心位置における引張応力(CTに相当)は40MPaとした。
表4に、試験例8〜試験例13による加工面113の曲線部分113Rに作用する引張応力を示す。
Figure 2014167910
表4から、曲線部分113Rの曲率半径R1が0.5mm〜10.0mmの場合、σ2/CTが81%〜212%であった。また、曲率半径R1が大きくなるほど、σ2/CTが小さくなった。
第1実施形態で説明したように、平均破壊時間tfを一般的に要求される5年以上とするためには、加工面113に作用する引張応力を14MPa以下とする必要がある。
表5および図6に、曲線部分113Rの曲率半径R1と、σ2/CTが14MPaとなるときのCT(以下、「CT0」と表記する)との関係を示す。
Figure 2014167910
表5および図6から、曲線部分113Rの曲率半径R1が小さくなるほど、CT0が小さくなることがわかる。
図6に、曲線部分113Rの曲率半径R1と、CT0との関係を表す近似式を実線で示す。この近似式は、下記のモデル式に対して表5のデータを最小自乗法で近似したものである。
CT0=A×log10(R1×B)+C
計算の結果、Aは3.18(単位[MPa])、Bは1.0(単位[1/mm])、Cは10.2(単位[MPa])であった。
平均破壊時間tfを一般的に要求される5年以上とするためには、加工面113に作用する引張応力を14MPa以下とする必要がある。そのためには、加工面113がインカーブと呼ばれる曲線部分113Rを有する場合、下記式が成立することが好ましい。
CT≦A×log10(R1×B)+C
0.5≦R1≦10
A=3.18(単位[MPa])
B=1(単位[1/mm])
C=10.2(単位[MPa])
上記式が成立すれば、加工面113に作用する引張応力が14MPa以下となり、平均破壊時間tfが5年以上となる。
図7は、図5の変形例を示す図である。上記第2実施形態による化学強化ガラス板110は貫通孔の壁面としての加工面113を有し、加工面113がインカーブと呼ばれる曲線部分113Rを有する。これに対し、本変形例による化学強化ガラス板210は側縁に加工面213を有し、この加工面213がインカーブと呼ばれる曲線部分213Rを有する。曲線部分213Rは、化学強化ガラス板210の内方に凸の形状を有する。よって、本変形例においても、下記式が成立することが好ましい。
CT≦A×log10(R2×B)+C
0.5≦R2≦10
A=3.18(単位[MPa])
B=1(単位[1/mm])
C=10.2(単位[MPa])
上記式においてlog10R2は曲線部分113Rの曲率半径R2の常用対数を表す。上記式が成立すれば、加工面213に作用する引張応力が14MPa以下となり、平均破壊時間tfが5年以上となる。
以上、化学強化ガラス板の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内で、変形や改良が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、第1面取り部14の深さD1と、第2面取り部15の深さD2とが同じ(D1=D2)であるが異なってもよい。また、第1面取り部14の深さD1と第1面取り部14の幅W1とが異なってもよい。さらに、第2面取り部15の深さD2と第2面取り部15の幅W2とが異なってもよい。第2実施形態、および第2実施形態の変形例において同様である。
また、上記第1実施形態では、加工面13を切断工程と面取り工程とによって形成するが、面取り工程だけで形成することも可能である。例えば、化学強化されたガラス板の側縁部を回転砥石の外周溝に挿入して面取りすることで、加工面13が形成可能である。また、加工面13を切断工程と面取り工程とによって形成する場合、加工面13の端面部16は、切断面のままであってもよいし、切断面を研削して形成されてもよい。第2実施形態、および第2実施形態の変形例において同様である。
また、上記第1実施形態では、引張応力が残留する領域13c内に第1面取り部14と端面部16との間に形成される第1境界17があるが、圧縮応力が残留する領域13a内に第1境界17があってもよい。加工面13に作用する引張応力の最大値が小さくなるので、耐久性が向上する。第2面取り部15と端面部16との間に形成される第2境界18について同様である。第2実施形態、および第2実施形態の変形例において同様である。
また、上記第2実施形態の加工面113はインカーブと呼ばれる曲線部分113Rを有し、曲線部分113Rの形状が円形状であるが、曲線部分113Rの形状は多種多様であってよい。例えば曲線部分の形状は、楕円形状、放物線形状、複数の円弧を組み合わせた形状などであってよい。第2実施形態の変形例において同様である。
本出願は、2013年4月11日に日本国特許庁に出願された特願2013−082592号に基づく優先権を主張するものであり、特願2013−082592号の全内容を本出願に援用する。
10 化学強化ガラス板
11 第1主面
12 第2主面
13 加工面
13a、13b 圧縮応力が残留する領域
13c 引張応力が残留する領域
14 第1面取り部
15 第2面取り部
16 端面部
17 第1境界
18 第2境界

Claims (2)

  1. 化学強化による圧縮応力が残留する互いに平行な第1主面および第2主面と、圧縮応力が残留する領域および引張応力が残留する領域が形成される加工面とを有する化学強化ガラス板であって、
    前記加工面は、前記第1主面に斜めに接続する第1面取り部と、前記第2主面に斜めに接続する第2面取り部とを有し、
    前記第1面取り部の深さ、および前記第2面取り部の深さがそれぞれ前記化学強化ガラス板の板厚の20%以下であり、
    前記化学強化ガラス板の内部の引張応力が18MPa以下である、化学強化ガラス板。
  2. 前記加工面は、曲率半径方向外側にガラスが存在する曲線部分を有し、
    前記化学強化ガラス板の内部の引張応力(CT)(単位[MPa])と、前記曲線部分の曲率半径(R)(単位[mm])とが下記の式を満たす、請求項1に記載の化学強化ガラス板。
    CT≦A×log10(R×B)+C
    0.5≦R≦10
    A=3.18(単位[MPa])
    B=1(単位[1/mm])
    C=10.2(単位[MPa])
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