JPWO2014136595A1 - 構造体、配線基板及び電子装置 - Google Patents

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Abstract

互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、第1の導体プレーン及び第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路(103)と、第1の伝送線路(103)の他端と第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビア(104)と、第1の伝送線路(103)と同じ層に形成され、第1の伝送線路(103)と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路(105)と、第2の伝送線路(105)の他端と第1または第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビア(106)とを備える構造体。

Description

本発明は、マイクロ波、ミリ波利用装置に用いられる構造体、およびそれを備える配線基板、およびそれを用いた電子装置に関する。
複数の導体プレーンが存在する電子機器では、例えば、デジタル回路のスイッチング時に回路に流れ込む電流により磁場が誘起されたり、スイッチング時に生じる電圧変動により電場が誘起されたりして電磁波が生じる。この電磁波は、導体プレーンにより構成される平行平板線路を伝搬する電磁ノイズとなる。電磁ノイズは回路の動作を不安定にしたり、機器の無線性能を劣化させたりするなどの問題をもたらす。つまり、電磁ノイズを抑える技術を確立することにより、回路の安定性や機器の無線性能を向上させることができる。
上記問題を解決するために用いられてきた従来手法として、デカップリングキャパシタを導体プレーン間に挿入する方法や、大きな島状導体プレーンを作成することを避ける方法等がある。しかし、これらの手法には、以下のような問題点がある。
デカップリングキャパシタを用いた手法では、キャパシタの不可避な寄生インダクタンスにより自己共振周波数を数百MHzといった高周波にするのは困難である。そのため、通常デカップリングキャパシタを用いた手法は数百MHz程度までの周波数にしか適用できず、近年無線通信で用いられているような高周波数帯(例えば2.4GHzや5.2GHz帯)には対応できない。
また、大きな島状導体プレーンを作成することを避ける手法では、導体プレーンを小さくすることにより、導体プレーンの共振を高周波数側にシフトさせることを原理としている。しかし、実際には、同電位の導体プレーンは直流的に接続する必要がある。この接続部を広くとると、小さい導体プレーンでなくなってしまうため、接続部は細くする必要がある。しかし、接続部を細くすることにより該当箇所の自己インダクタンスが増加しスイッチング時の電流流入時の電圧降下が大きくなる。そのため、導体プレーンを小さくするにも実用的な限界がある。
これらの問題点を解決する手法として、例えば特許文献1に挙げられた手法がある。特許文献1に記載の構造はEBG(electromagnetic bandgap)特性を有する構造(以下、EBG構造と記載)であり、電源プレーン間の電磁波ノイズの伝搬の抑制を目的としている。EBG構造を用いることにより、GHz帯に電磁ノイズ抑制効果を設けることができる。また、さらに導体プレーンを小さな島に分割する手法のように電源プレーンに細工をしていないため、電源プレーン自身の自己インダクタンスの増加を招くこともない。
関連する技術が、特許文献3及び4に開示されている。
米国特許第7215007号明細書 特開2010−10183号公報 特開2010−199881号公報 特開2011−165824号公報
近年の電子機器に搭載される無線機能は、複数の周波数帯に対応している場合が多い。また、電子機器において電磁波障害は様々な周波数で問題になる。そのため、EBG構造において、広帯域なバンドギャップ特性が得られるのが望ましい。
しかしながら、特許文献1に記載したEBG構造では、バンドギャップの帯域が構造パラメータの調整以外では、制御ができないという課題があった。特許文献1に記載のEBG構造は、導体パッチのキャパシタンスと導体ロッドのインダクタンスよりなる直列回路部のインピーダンスがインダクタンスとして振る舞う周波数帯においてEBG特性を持つ。この帯域は、構造のパラメータを調整することにより、ある程度は制御可能である。しかし、パラメータ調整のみでは、基本的な動作原理は変わらないため、広帯域なバンドギャップ特性を得るためには、サイズを大きくしたり、実用性を損なう実装構造としなければならない。例えば、導体パッチのキャパシタンスを大きくするには、導体パッチを大きくすればよいが、これはサイズの肥大化につながる。
本発明の目的は、上記課題を考慮し、EBG構造においてバンドギャップを広帯域化することにある。
本発明によれば、
互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備えることを特徴とする構造体が実現される。
また、本発明によれば、上記構造体を有する配線基板が実現される。
また、本発明によれば、上記配線基板を有する電子装置が実現される。
本発明によれば、EBG構造においてバンドギャップを広帯域化することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本実施形態の構造体の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の一例を示す断面図である。 参考例のEBG構造の等価回路図である。 本実施形態の構造体の原理を説明するための図である。 本実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の一例を示す平面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、複数の図面に共通して現れる構成要素については共通の符号を付し、適宜説明を省略する。
<作用>
まず、本実施形態の作用について説明する。
問題となる電磁波ノイズは、電源・GNDプレーンにより構成される平行平板線路を伝搬する電磁波である。以下、本実施形態がどのように作用し、この電磁ノイズを抑制するか、また電磁ノイズを抑制するバンドギャップ帯をどのように広帯域化するのかを説明する。
本実施形態に係る構造体は、特許文献1において導体パッチと導体パッチと対向する導体プレーンによって実現されていたシャント部のキャパシタンスが、オープンスタブとして機能する伝送線路により実現されている点、またオープンスタブとして機能する第1の伝送線路と同層で並走している第2の伝送線路が、第1の伝送線路の入力インピーダンスの周波数特性を変化させている点が特徴である。
第2の伝送線路が存在しない場合、オープンスタブとして振る舞う第1の伝送線路の入力インピーダンス特性は、スタブの長さ(伝送線路長)により決定される。オープンスタブの入力インピーダンスが直列共振状態となる共振周波数を境に、周波数に対し周期的にインダクタンス性となるため、スタブ長を調整することで所望の周波数帯にバンドギャップを生じさせることができる。
本実施形態の上記第1の伝送線路と並走する第2の伝送線路は、第1の伝送線路と電場または磁場、あるいはその双方を介して結合する程度近接して並走しており、第1の伝送線路が形成するオープンスタブの入力インピーダンスの周波数特性に影響を与える。具体的には、オープンスタブの共振周波数に影響を与え、周期的に現れるオープンスタブの入力インピーダンスが直列共振状態となる周波数を2つに分裂させるように機能する。このことが原因となり、第2の伝送線路がない構造と比較し広帯域なバンドギャップ特性が得られる。
<第1の実施形態>
まず、本発明に係る構造体の第1の実施の形態の構成について、図1乃至図26、図38及び図39に基づいて説明する。図38に本実施形態の斜視図の一例を、図1に本実施形態の平面図の一例を、図2、3に本実施形態の断面図の一例を示す。図2は図1におけるA−A´の断面図であり、図3は図1におけるB−B´の断面図である。また、図1は図2、3におけるC−C´の平面図である。
図1乃至図3に示すように、本実施形態の構造体は、第1の導体プレーン101、第2の導体プレーン102、第1の伝送線路103、第1の導体ビア104、第2の伝送線路105、第2の導体ビア106を有している。
第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、互いに異なる層に配置されている。第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、互いに平行に配置されていてもよい。第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、第1の誘電体層108を挟んで互いに対向している。z方向に構造体を観察すると、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、少なくとも一部が互いに重なり合っている。
第1の伝送線路103は、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102とは異なる層に形成されている。図示する例の場合、z方向に第1の導体プレーン101、第2の導体プレーン102及び第1の伝送線路103がこの順に並ぶように配置されている。第1の伝送線路103は、第2の誘電体層109を挟んで第2の導体プレーン102に対向しており、一端が開放端となっている。z方向に構造体を観察すると、第2の導体プレーン102及び第1の伝送線路103は、少なくとも一部が互いに重なり合っている。
第1の導体ビア104は、第1の伝送線路103の他端(開放端と反対側の端部)と第1の導体プレーン101とを接続している。なお、第1の伝送線路103の他端は、先端部分のみならず、その付近をも含む概念である。すなわち、第1の導体ビア104は第1の伝送線路103の他端側の先端と接続してもよいし、他端側の先端付近であって先端と異なる部分と接続してもよい。第1の導体ビア104は、第2の導体プレーン102とは絶縁された状態となっている。
第2の伝送線路105は、第1の伝送線路103と同じ平面(同じ層)に形成され、一端が開放端となっている。第1の伝送線路103と第2の伝送線路105は、少なくとも一部が互いに並走している。例えば、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105は、少なくとも一部が互いに略平行に延伸していてもよい。
第2の導体ビア106は、第2の伝送線路105の他端(開放端と反対側の端部)と第2の導体プレーン102とを接続している。なお、第2の伝送線路105の他端は、先端部分のみならず、その付近をも含む概念である。すなわち、第2の導体ビア106は第2の伝送線路105の他端側の先端と接続してもよいし、他端側の先端付近であって先端と異なる部分と接続してもよい。第2の導体ビア106は、第1の導体プレーン101とは絶縁された状態となっている。
本実施形態に係る構造体は、例えば、プリント配線基板内に形成されており、EBG特性を有している。この構造体の単位構造107は、互いに並走する第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105と、当該第1の伝送線路103と接続する第1の導体ビア104と、当該第2の伝送線路105と接続する第2の導体ビア106と、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102の中の平面視(z方向に観察)で当該第1の伝送線路103、第2の伝送線路105、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106と重なる部分を含む一部領域と、を含んでいる。
より詳しく説明すると、構造体は、第1の誘電体層108と、第1の誘電体層108の厚さ方向の一方側(図2、3中、上側)に積層された第2の誘電体層109と、を備えている。第1の導体プレーン101は、第1の誘電体層108の厚さ方向の他方側(図2、3中、下側)に配置されている。第2の導体プレーン102は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109との間に配置されている。また、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106は、厚さ方向に延伸しており、第2の誘電体層109の一方側(図2、3中、上側。第1の誘電体層108と対峙していない面側。)から第1の誘電体層108の他方側(図2、3中、下側。第2の誘電体層109と対峙していない面側。)にかけて延設されている。また、第2の誘電体層109の厚さ方向の一方側(図2、3中、上側。第1の誘電体層108と対峙していない面側)に第1の伝送線路103、第2の伝送線路105が配置されている。本実施形態では、第1の導体ビア104は、第1の伝送線路103の他端と第1の導体プレーン101を接続し、第2の導体ビア106は第2の伝送線路105の他端と第2の導体プレーン102を接続するように設けられている。
第1の伝送線路103は、第2の導体プレーン102と対向する平面に配設され、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。第1の伝送線路103は、一端(図2における右側の端部)が開放端となっており、オープンスタブとして機能するように構成されている。第1の伝送線路103の他端(図2における左側の端部)と第1の導体プレーン101とは厚さ方向に延伸された第1の導体ビア104を介して電気的に接続されている。第2の導体プレーン102には、第1の導体ビア104に対応する位置に第1のクリアランス110が設けられており、この第1のクリアランス110によって第1の導体ビア104と第2の導体プレーン102とが電気的に切り離されて電気的に接触していない状態となっている。
また、第2の伝送線路105は、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路となっており、第1の伝送線路103と同じ平面に形成されている。第2の伝送線路105は、第2の導体プレーン102と対向する平面に配設され、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。第2の伝送線路105は、一端(図3における左側の端部)が開放端となっている。他端(図3における右側の端部)は、第1の導体プレーン101と、厚さ方向に延伸された第2の導体ビア106を介して電気的に接続されている。第2の伝送線路105は、一端がショート、一端がオープンの共振器として振る舞う。第1の導体プレーンには、第2の導体ビア106に対応する位置に第2のクリアランス111が設けられており、この第2のクリアランス111によって、第2の導体ビア106と第1の導体プレーン101とが電気的に切り離されて、電気的に接触していない状態となっている。第1の伝送線路103、第2の伝送線路105、第1の導体ビア104、第2の導体ビア106により、単位構造107が構成される。
次に上記した構造体の基本的な動作原理を説明する。図4は、特許文献2に記載のEBG構造の等価回路図である。図4のような等価回路で記述される導波路構造においては、シャント部304がインダクタンス性を示す周波数帯が、大まかなバンドギャップとなる。本実施形態は、特許文献2に記載の構造に、第2の伝送線路105により構成される共振器が追加された構成をとる。この共振器がオープンスタブ(第1の伝送線路103)と電磁場を介して結合することにより、図4のオープンスタブ(第1の伝送線路103)の入力インピーダンスの周波数応答が変化し、バンドギャップの広帯域化が可能となる。第1の伝送線路103と新たに追加された共振器(第2の伝送線路105)の電磁場的な結合を大きくするために、第1の伝送線路103と、第1の伝送線路103と並走する第2の伝送線路105の間の距離が近い必要がある。具体的には、(1)第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の間に他の構造物(例えばシグナルビアや信号線等)が存在しない、(2)第1の伝送線路103や第2の伝送線路105が配設される平面と第2の導体プレーン102との間隔をhとした際、互いに並走する第1の伝送線路103と第2の伝送線路105間の間隔(最短距離)が2h以内である、の少なくとも一方の条件を満たすのが好ましい。(2)の条件は、互いに並走する第1の伝送線路103と第2の伝送線路105との間隔が2h以下である部分を有する、と換言することができる。この際、並走する部分が長いほど第1の伝送線路103と第2の伝送線路105により構成される共振器との電磁場的な結合が大きくなり、本発明の効果をより顕著に得ることができる。そのため、第2の伝送線路の長さをLとした際、望ましくは、L/4、また、さらに望ましくはL/2以上の並走部分がある事が好ましい。なお、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105間の間隔(最短距離)が1.5h以内の条件を満たすのがより好ましい。
また、図1のように第1の伝送線路103の他端であり、第1の導体ビア104が接続されている端部が、第2の伝送線路の開放端と同じ側に設けられていることが望ましい。すなわち、第1の伝送線路103の開放端から他端に向かう方向を第1の方向とし、第2の伝送線路105の開放端から他端に向かう方向を第2の方向とすると、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の互いに並走する部分は、第1及び第2の方向が互いに逆(略180°反対方向)を向いていることが望ましい。この条件も、第1の伝送線路103と新たに追加された共振器(第2の伝送線路105)の電磁場的な結合を大きくするためである。また、この際、新たに追加された共振器(第2の伝送線路105)は、第1の伝送線路103の長さに起因する共振周波数と近い共振周波数を持つように設計される。
具体的には、例えば、第2の伝送線路105が第1の伝送線路103の長さと同一程度の長さや、1/3程度の長さを持つような場合が相当する。例えば、第2の伝送線路105の長さを第1の伝送線路103の長さの1/(2n−1)程度の長さとしてもよい(nは自然数)。この際、第2の伝送線路105の長さは、厳密に先に記述したような長さである必要はない。例えば、第1の伝送線路103の長さをLとしたとき、第2の伝送線路105の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下や、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下のように幅を持った値に収まっていれば良い。
また、上記では、第1の伝送線路103の長さを基準にして、第2の伝送線路105の長さを規定したが、第1の伝送線路103にキャパシタやインダクタンスを付加する構造が取り付けられたり、第2の伝送線路105と第1の伝送線路103の実効誘電率が異なっている際には、第1の伝送線路103の長さを基準にして単純に第2の伝送線路105の長さを規定することはできない。こうした場合には、第1の伝送線路103が直列共振状態となる共振周波数を考慮し、第2の伝送線路の長さを規定したり、第2の伝送線路105にキャパシタやインダクタンスを設けて第2の伝送線路105の共振周波数を設計する必要が生じる。
以下、新たに追加された共振器が元のオープンスタブ(第1の伝送線路103)の入力インピーダンスの周波数応答をどのように変化させるかを説明する。
新たに追加された共振器は、第1の伝送線路103であるオープンスタブと磁場、電場もしくはその両方を介して結合する。また、第1の伝送線路103であるオープンスタブは、バンドギャップが始まる周波数付近では近似的に直列共振器の等価回路モデルとして記述することができる。そのため、本実施形態の構造では、バンドギャップが始まる周波数帯付近において、図4のオープンスタブの入力インピーダンスZinを、図5の等価回路の入力インピーダンスに置き換えることにより記述される。
図5の等価回路は、第1の伝送線路103であるオープンスタブを表す等価回路モデルに、第2の伝送線路105による新たに追加された共振器が相互インダクタンスL、相互キャパシタンスCで結合した構成となっている。図5中の交流電源は、本実施形態では、第1の伝送線路103であるオープンスタブを励振する電磁ノイズと想定され、抵抗R、Rは、導体損や誘電体損によるロスを等価回路モデル化したものである。
図7は図5の等価回路において、L=L、C=C、R=R、L=0.5nH、C=0Fとし、磁場による結合のみを考慮した際の、Zinの虚部のグラフである。この際、2つの共振器(第1の伝送線路103による共振器と第2の伝送線路105による共振器)の共振周波数は同じである。
図6は図7を計算した際のパラメータにおいてLの値を0とし、2つの共振器間の結合をなくした際のZinの虚部のグラフであり、特許文献2に記載の構造のオープンスタブの入力インピーダンスの虚部に対応している。Zinの虚部が0になる周波数は、結合がない場合(図6)では単一であったのに対し、結合がある場合(図7)では、2つに分裂していることが分かる。本実施形態の構造における大まかなバンドギャップ周波数は、Zinとビアによるインピーダンスの和Zin+jωLviaの周波数特性により見積もれる。
図8及び図9に、Lvia=1nHとした際のZin+jωLviaの虚部の周波数特性を示す。図8及び図9はそれぞれ図6及び図7に示した入力インピーダンスZinにjωLviaを足したものである。先ほど述べたようにシャント部のインピーダンスZin+jωLviaがインダクタンス性となる周波数帯がバンドギャップ周波数帯となる。図8及び図9から分かるとおり、図9では、新たな共振器の存在が原因となり、バンドギャップの下端周波数が低周波化し、結果、バンドギャップ帯域が拡大していることが分かる。
図10乃至図12に、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102を励振した時の本実施形態の構造体を実装した評価基板の実測結果を示す。これらの実測結果は、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102により構成される平行平板線路の伝搬特性(S21の絶対値)を表す。図10は、第2の伝送線路105、第2の導体ビア106がない構造体の伝搬特性の測定結果であり、リファレンスとなる測定結果である。図11及び図12が本実施形態の構造体を実装した評価基板の伝搬特性の測定結果である。図11は、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の距離が130μmの場合であり、図12は第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の距離が100μmとした構造に対する測定結果である。評価基板のその他の構造パラメータは、第1の誘電体層108の厚み500μm、第2の誘電体層109の厚み100μm、第1の伝送線路103の線路幅130μm、第2の伝送線路105の線路幅130μm、第1の伝送線路103の線路長6mm、第2の伝送線路105の線路長6mmとなっており、基板材料は、FR4である。リファレンスとなる測定結果(図10)のバンドギャップ帯を図10乃至図12すべてにおいて影で示す。これらの図から分かる通り、図11及び図12では、図10と比較し、バンドギャップ帯域が広帯域化していることが分かる。図11と図12の比較では、伝送線路間の距離が近い図12の方が、伝送線路同間の結合がより強く起こり、バンドギャップの開始周波数がより低周波数化している。これらより、本実施形態が現実の基板においても正しく動作することが分かる。
なお、上記した本実施形態では、図2及び図3に示すように、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の配設される平面の上部に構造がない場合を示したが、本実施形態は、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の配設される平面の上部に構造があってもよい。例えば、図13及び図14示すように、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の配設される平面の上部に、誘電体層(第3の誘電体層901)を設けてもよい。この第3の誘電体層901を設けることにより、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の実効比誘電率を増加させることができる。オープンスタブの入力インピーダンスの周波数依存性は、オープンスタブを伝搬する電磁波の波長に影響を受ける。そのため、第3の誘電体層901がある構造では、ない構造と比較し、より短い伝送線路長で同一の帯域にバンドギャップを設けることが可能である。したがって、小型化が可能となる。
本実施形態の構造体の小型化を目的にする場合、第3の誘電体層901として誘電率の大きな誘電体材料を用いることが好ましい。ただし、構造の小型化を目的としない際には、どのような誘電体材料を用いてもよい。つまり、更に上部に層を積層していく場合は、どのような誘電体材料でも良い。また、例えば、図15及び図16に示すように、第3の誘電体層901の上部にさらに、第3の導体プレーン1001があってもよい。この場合、第3の導体プレーン1001により、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105が遮蔽されるため、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105からの不要な電磁放射を抑えることができる。また、当然、さらに上部、または、下部に誘電体層、導体層が積層されていてもよい。
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106として、貫通ビアを用いる場合を示したが、非貫通のビアを用いてもよい。この場合、図3に対応した単位構造の断面図は、図17のようにすることができる。この場合の本実施形態の構造体の斜視図の一例を図39に示す。この場合、第1の導体プレーン101にクリアランス111を設ける必要がないため、クリアランスからの不要な電磁放射を抑えることができる。
また、第1の伝送線路103は一端が開放端になっており、他端が第1の導体ビア104に接続されていれば、どのような配置・形状でも本実施形態の本質的な効果に何ら影響を与えるものではない。本実施形態では、図1に示すように、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105が周囲のクリアランス等と干渉しないようにx軸と平行に配置した場合を示したが、x軸、y軸と一定の角度を持つように配置されていてもよいし、全く乱雑に配置してもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が直線形状の場合を示したが、例えば、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105を図18に示すようなミアンダ形状や、図19に示すようなスパイラル形状としてもよい。この場合、小さい実装面積で伝送線路長を確保することが可能となる。また、全く不規則に引き回した形状にしてもよい。この場合、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105を、別の構造物(例えば別の単位構造の伝送線路等)を避けて配設することもできる。
また、上記した本実施形態では、第2の伝送線路105の伝送線路長が、第1の伝送線路103の伝送線路長に比較的近い場合について記述してきた。このような場合には、第1の伝送線路103の第n共振周波数と、第2の伝送線路105の第n共振周波数(nは自然数)が一致する為、第1バンドギャップ、第2バンドギャップ等、全てのバンドギャップ帯において、バンドギャップの広帯域化の効果が得られる。本実施形態の効果を得るためには、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の伝送線路が必ずしも比較的近い長さとなっている必要はなく、第2の伝送線路105の伝送線路長を、第1の伝送線路103の伝送線路長と比べて短くした構成や、長くした構成とすることもできる。
図20は、第2の伝送線路105を第1の伝送線路103の伝送線路長と比較し短くした場合の単位構造の一例の図である。この際、第2の伝送線路105の伝送線路長を、第1の伝送線路103の第n共振(nは自然数)に対応した長さである第1の伝送線路103の長さの1/(2n−1)程度に合わせておくことにより、第nバンドギャップ以降のバンドギャップに対して広帯域化の効果を得ることができる。nを2以上とした場合、第2の伝送線路105の長さがn=1の場合である第1の伝送線路103の長さと同程度より短くすることができるため、本実施形態の効果をより狭い実装面積で得ることが可能となる。上記では、第1の伝送線路103の長さを基準にして、第2の伝送線路105の長さを規定したが、第1の伝送線路103にキャパシタやインダクタンスを付加する構造が取り付けられたり、第2の伝送線路105と第1の伝送線路103の実効誘電率が異なっている際には、第1の伝送線路103の長さを基準にして単純に第2の伝送線路105の長さを規定することはできない。こうした場合には、第1の伝送線路103が直列共振状態となる共振周波数を考慮し、第2の伝送線路105の長さを規定したり、第2の伝送線路105にキャパシタやインダクタンスを設けて第2の伝送線路105の共振周波数を設計する必要が生じる。
また、1つの第1の伝送線路103に複数の第2の伝送線路105が並走するように配置することができる。例えば、第1の伝送線路103に並走している第2の伝送線路105Aに加えて、さらに第2の伝送線路105Bが第1の伝送線路103もしくは第2の伝送線路105Aに並走した形で設けられた構成も考えることができる。
図21は、第1の伝送線路103に第2の伝送線路105A及び第2の伝送線路105Bが並走している場合の一例の図である。この際、第2の伝送線路105Bは、一端が開放端となっており、他端に第2の導体ビア106Bが設けられ第2の導体プレーン102と電気的に接続されている。第1の伝送線路103の共振周波数に対して、近接した共振周波数を持つ2つの第2の伝送線路105A及び105Bが、第1の伝送線路103に並走している場合、1つの第2の伝送線路105のみが並走していた場合には2つに分裂していた単一の共振周波数が、3つに分裂することになり、さらなるバンドギャップの広帯域化が可能となる。
また、図21では、第2の伝送線路105Aと第2の導体プレーン102を接続する第2の導体ビア106A、および第2の伝送線路105Bと第2の導体プレーン102を接続する第2の導体ビア106Bが、別々に存在している場合を示したが、図22に示すように、同一の第2の導体ビア106で、第2の伝送線路105Aおよび第2の伝送線路105Bを第2の導体プレーン102と電気的に接続してもよい。この際、2つの第2の伝送線路105A及び105Bは、共有している第2の導体ビア106の箇所で接続されたような構成となる。
また、さらに、3つ以上の第2の伝送線路105が1つの第1の伝送線路103と並走して配設されている構成も考えることができる。この際、3つ以上の第2の伝送線路105のそれぞれは一端が開放端となっており、他端は第2の導体ビア106と接続し、第2の導体プレーン102と電気的に接続されている。なお、第2の導体ビア106は、3つ以上の第2の伝送線路105のうちのいくつかで共有していても良い。この場合、第1の伝送線路103と近接した共振周波数をもつ並走した第2の伝送線路105の数だけ、単一の共振周波数が分裂することとなり、さらなるバンドギャップの広帯域化が可能となる。この際、並走している多数の第2の伝送線路105は、第1の伝送線路103の伝送線路長と近い伝送線路長を持つ必要はない。例えば、第2共振である、第1の伝送線路103の長さの1/3に近い長さ等を持っていてもよい。
上記では、第1の伝送線路103の長さを基準にして、第2の伝送線路105の長さを規定したが、第1の伝送線路103にキャパシタやインダクタンスを付加する構造が取り付けられたり、第2の伝送線路105と第1の伝送線路103の実効誘電率が異なっている際には、第1の伝送線路103の長さを基準にして単純に第2の伝送線路105の長さを規定することはできない。こうした場合には、第1の伝送線路103が直列共振状態となる共振周波数を考慮し、第2の伝送線路103の長さを規定したり、第2の伝送線路105にキャパシタやインダクタンスを設けて第2の伝送線路105の共振周波数を設計する必要が生じる。
また、上記した本実施形態では、第1の導体ビア104と接続される伝送線路がただ1つの第1の伝送線路103である場合について、記述してきた。これに対し、1つの第1の導体ビア104に複数の第1の伝送線路103を接続することができる。図23に示す例では、第1の導体ビア104に第1の伝送線路103A、及び、第1の伝送線路103Bを接続している。第1の伝送線路103A及び103Bは、一端が開放端であり、他端が第1の導体ビア104と接続されている。第1の伝送線路103A及び103Bは、各々、第2の伝送線路105A及び105Bと並走している。
第1の伝送線路103A及び103Bの伝送線路長が異なる場合には、第1の伝送線路103Aの長さに起因したバンドギャップ群と、第1の伝送線路103Bの長さに起因した別のバンドギャップ群を生じることになる。こうした場合には、第1の伝送線路103Aに並走する第2の伝送線路105Aだけでなく、第1の伝送線路103Bと並走する第2の伝送線路105Bが設けられた構成とすることができる。並走する第2の伝送線路105Bは、一端が開放端となっており、他端が第2の導体ビア106Bを介して第2の導体プレーン102と接続されている。並走する第2の伝送線路105Bにより構成される共振器は、第1の伝送線路103Bと近い共振周波数を持つ。例えば、並走する第2の伝送線路105Bの長さが第1の伝送線路103Bの長さの1/(2n−1)程度の場合である。この際、並走する第2の伝送線路105Bは、第1の伝送線路103Bに起因するバンドギャップ群を広げるように動作する。
また、本実施形態の第1の伝送線路103に、図24のようにキャパシタンスを付加するような構造体1801が取り付けられた構成も考えることができる。こうした構成では、キャパシタンスを付加する構造体1801により、第1の伝送線路103に起因する共振周波数が変化し、バンドギャップ周波数も変化する。こうした場合では、第2の伝送線路105の伝送線路長は、第1の伝送線路103の長さを基準に単純に決定することはできない。第1の伝送線路103が構成する共振器の共振周波数を考慮し、それと第2の伝送線路105が構成する共振器の共振周波数が近い値となるように第2の伝送線路105の長さ等のパラメータを設計する必要がある。こうした構成の場合、キャパシタンスを付加する構造体1801により、第1の伝送線路103の電気長が延長する為、構造の小型化が可能となる。また、ここでは、第1の伝送線路103側にキャパシタンスを付加する構造体1801が取り付けられた構成について示したが、図25に示すように第2の伝送線路105側にキャパシタンスを付加する構造体1901が取り付けられている構成も考えることができる。上記では、キャパシタンスを伝送線路に付加した構成について記述したが、インダクタンスを付加した構成も当然考えることができる。
また、上記した本実施形態では、第1の伝送線路103と第1の導体ビア104との接続端と、第2の伝送線路105の開放端が同一の側にある場合について記述してきたが、図26のように第1の伝送線路103の開放端と第2の伝送線路105の開放端が同一の側にある構成も考えることができる。すなわち、第1の伝送線路103の開放端から他端に向かう方向を第1の方向とし、第2の伝送線路105の開放端から他端に向かう方向を第2の方向とすると、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の互いに並走する部分は、第1及び第2の方向が互いに同じ方向を向いていてもよい。
また、図1には単位構造107が全て同一の構成をしているような場合を一例として示したが、上記に記したような様々な構成の単位構造が混在していても良い。また、当然、上記した様々な構成の組み合わせによって実現される単位構造も考えることができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る構造体の第2の実施の形態の構成について、図27乃至30、図40及び図41に基づいて説明する。図27乃至30は本実施形態の構造体の単位構造の断面図の一例である。図40及び図41は本実施形態の構造体の単位構造の斜視図の一例である。なお、本実施形態の構造体は、上述した第1の実施形態の構造体の変形例であり、上述した第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。本実施形態も第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
本実施形態の構造体は、図27及び図28の断面図に示すように、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102とで挟まれた領域に設けられている点が第1の実施形態とは異なる。この場合の本実施形態の構造体の斜視図の一例を図40に示す。詳しく説明すると、本実施形態の構造体は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109とが積層しており、第1の誘電体層108の第2の誘電体層109と対峙していない面側に第1の導体プレーン101が配設され、第2の誘電体層109の第1の誘電体層108と対峙していない面側に第2の導体プレーン102が配設されている。すなわち、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102により、第1の誘電体層108及び第2の誘電体層109が挟まれている。そして、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109に挟まれた中間層に、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が配設されている。第1の伝送線路103は第2の導体プレーン102と対向する平面に配設されて、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。この第1の伝送線路103は、第1の実施形態における第1の伝送線路103と同様に、その一端がオープン端となっており、オープンスタブとして機能する。第1の伝送線路103の他端は、第1の導体ビア104を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。さらに、第1の伝送線路103と同一の層に第1の伝送線路103と並走するように設けられた第2の伝送線路105の一端はオープン端となっており、他端は第2の導体ビア106を介して第2の導体プレーン102と電気的に接続されている。この際、第2の伝送線路105を含んで構成される共振器の共振周波数が第1の伝送線路103の長さに起因する共振周波数と近い共振周波数を持つように設計する。例えば、第2の伝送線路105が第1の伝送線路103の長さの、1/(2n−1)程度の長さを持つように設計する。
本実施形態における単位構造107の配置、および第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の配置・形状、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106の配置は上述した第1の実施形態と同様である。
本実施形態の構造体では、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102によって遮蔽されるため、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105から外部へ放射する不要な電磁波を低減することができる。
なお、本実施形態では、図27及び図28に示すように、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106が貫通ビアの場合を示したが、第1の導体ビア104は第1の導体プレーン101と、第2の導体ビア106は第2の導体プレーン102と電気的に接続されていれば、必ずしも貫通ビア(第1の誘電体層108及び第2の誘電体層109を貫通するビア。以下同様。)である必要はない。例えば、図29及び図30に示すように、非貫通ビアである第1の導体ビア104´、第2の導体ビア106´が設けられていても本実施形態の効果に何ら影響を与えない。この場合の本実施形態の構造体の斜視図の一例を図41に示す。
図29及び図30に示す構造体の場合は、第2の導体プレーン102及び第1の導体プレーン101にクリアランス110及び111を設ける必要がないため、クリアランス110及び111の部分から外部への電磁波放射を無くすことができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る構造体の第3の実施形態の構成について、図31乃至図33、及び、図42に基づいて説明する。図31及び図32は本実施形態の構造体の単位構造の断面図である。図42は、本実施形態の構造体の単位構造の斜視図の一例である。なお、本実施形態の構造体は、上述した第1の実施形態の構造体の変形例であり、上述した第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。本実施形態も第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
本実施形態の構造体は、図31、図32及び図42に示すように、第2の伝送線路105が第1の導体プレーン101と電気的に接続し、第2の導体プレーン102とは絶縁している点で、第1の実施形態と異なる。すなわち、第2の伝送線路105の他端に設けられた第2の導体ビア106が、第1の導体プレーン101と第2の伝送線路105の他端を電気的に接続するように設けられている。
詳しく説明すると、本実施形態の構造体は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109とが積層しており、第1の誘電体層108の第2の誘電体層109と対峙していない面側に第1の導体プレーン101が配設され、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109との間に第2の導体プレーン102が配設されている。そして、第2の誘電体層109の第1の誘電体層108と対峙していない面側に、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が配設されている。第1の伝送線路103は第2の導体プレーン102と対向する平面に配設されて、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。この第1の伝送線路103は、第1の実施の形態における第1の伝送線路103と同様に、その一端がオープン端となっており、オープンスタブとして機能する。第1の伝送線路103の他端は、第1の導体ビア104を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。第1の伝送線路103と同一の層に第1の伝送線路103と並走するように設けられた第2の伝送線路105の一端はオープン端となっている。第2の伝送線路105の他端は第2の導体ビア106を介して、第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。この第2の導体ビアの接続関係が第1の実施の形態と異なる。
本実施の形態における単位構造107の配置、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の配置・形状、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106の配置は、第2の導体ビア106の接続関係が異なる点と以降追記する事項を除き、上述した第1の実施の形態と同様である。
本実施形態の構造体では、第2の伝送線路105と第2の導体ビア106が、第1の伝送線路103及び第1の導体ビア104と同様の接続関係を持っているため、第2の伝送線路105と第2の導体ビア106のみでもEBGとしての特性を持つ。つまり、EBGとしての特性を持つ第1の伝送線路103及び第1の導体ビア104のペアと、第2の伝送線路105及び第2の導体ビア106のペアが近接して配置され、電磁場を介し結合しバンドギャップが広帯域化することになる。双方のペアがそれぞれEBGとしての特性をもともと持っていたことが原因となり、第1及び第2の実施の形態に記載した構造よりもノイズ抑制効果を大きくとることができる。
また、本実施形態の構造体では、第1及び2の実施形態の構造体とは異なり、図1のy軸方向に伝搬する電磁波に対しては、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105との電磁場を介した結合が生じず、バンドギャップ帯の広帯域化の効果が得られない。これは、y軸方向に伝搬する電磁波が第1の伝送線路103による共振器と第2の伝送線路105による共振器を同位相で励振してしまうことが原因である。励振箇所は、導体ビアの位置である。そこで、図33に示すように、第1の単位構造107Aとは別の第2の単位構造107Bを設け、第1の単位構造107Aの第1の導体ビア104Aと第2の導体ビア106Aを結んだ直線と、第2の単位構造107Bの第1の導体ビア104Cと第2の導体ビア106Cを結んだ直線のなす角θ(θは、0°から90°となる側の角を採用)が大きい値となるようにすることで、x−y面内の任意の方向に伝搬する電磁波に対して、EBGにおいてバンドギャップ帯の広帯域化を実現することができる。ここで、大きい値とは、例えば45度以上とすれば良い。この際、y軸方向に伝搬する電磁波に対しては、第2の単位構造107Bが「バンドギャップ帯が広帯域化されたEBG」として動作し、x軸方向に伝搬する電磁波に対しては、第1の単位構造107Aが「バンドギャップ帯が広帯域化されたEBG」として動作する。
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る構造体の第4の実施形態の構成について、図34乃至図37、図43及び図44に基づいて説明する。図34乃至図37は本実施形態の構造体の単位構造の断面図の一例である。図43及び図44は本実施形態の構造体の単位構造の斜視図の一例である。なお、本実施形態の構造体は、上述した第1の実施形態を元とする第3の実施形態の構造体の変形例であり、上述した第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。本実施形態も第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
本実施形態の構造体は、図34、図35及び図43に示すように、第2の伝送線路105が第1の導体プレーン101と電気的に接続し、第2の導体プレーン102とは絶縁している点で、第1の実施形態と異なる。すなわち、第2の伝送線路105の他端に設けられた第2の導体ビア106が、第1の導体プレーン101と第2の伝送線路105の他端を電気的に接続するように設けられている。また、本実施形態の構造体は、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102とで挟まれた領域の内側に設けられている点が第3の実施の形態とは異なる。
詳しく説明すると、本実施形態の構造体は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109とが積層しており、第1の誘電体層108の第2の誘電体層109と対峙していない面側に第1の導体プレーン101が配設され、第2の誘電体層109の第1の誘電体層108と対峙していない面側に第2の導体プレーン102が配設されている。すなわち、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102により、第1の誘電体層108及び第2の誘電体層109が挟まれている。そして、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109に挟まれた中間層に、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が配設されている。第1の伝送線路103は第2の導体プレーン102と対向する平面に配設されて、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。この第1の伝送線路103は、第1の実施の形態における第1の伝送線路103と同様に、その一端がオープン端となっており、オープンスタブとして機能する。第1の伝送線路103の他端は、導体ビア104を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。さらに、第1の伝送線路103と同一の層に第1の伝送線路103と並走するように設けられた第2の伝送線路105の一端はオープン端となっており、他端は第2の導体ビア106を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。なお、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106は、第2の導体プレーン102と絶縁されている。この際、第2の伝送線路105を含んで構成される共振器の共振周波数が第1の伝送線路103の長さに起因する共振周波数と近い共振周波数を持つように設計する。例えば、第2の伝送線路105が第1の伝送線路103の長さの、1/(2n−1)程度の長さを持つように設計する。
本実施形態における単位構造107の配置、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の配置・形状、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106の配置は、以降追記する事項を除き、上述した第1及び第3の実施形態と同様である。
本実施の形態の構造体では、第3の実施の形態に記載した効果に加えて、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102によって遮蔽されるため、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105から外部へ放射する不要な電磁波を低減することができる。
なお、本実施形態では、図34、図35及び図43に示すように、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106が貫通ビアの場合を示したが、第1の導体ビア104は第1の導体プレーン101及び第1の伝送線路103を電気的に接続し、第2の導体ビア106は第1の導体プレーン101と第2の伝送線路105を電気的に接続できればよく、必ずしも貫通ビアである必要はない。例えば、図36、図37及び図44に示すように、非貫通ビアの第1の導体ビア104´及び第2の導体ビア106´が設けられていても本実施形態の効果に何ら影響を与えない。
図36、図37及び図44に示す構造体の場合は、第2の導体プレーン102にクリアランス110及び111を設ける必要がないため、クリアランス110及び111の部分から外部への電磁波放射を無くすことができる。
上述したような構造体を有する配線基板や、当該配線基板を有する電子機器によれば、同様の作用効果を実現することができる。
<<付記>>
以下、参考形態の例を付記する。
1. 互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備えることを特徴とする構造体。
2. 1に記載の構造体において、
前記第1の導体プレーン、前記第2の導体プレーン、前記第1の伝送線路、前記第2の伝送線路、前記第1の導体ビア、及び、前記第2の導体ビアは、EBG構造を構成している構造体。
3. 1又は2に記載の構造体において、
1つの前記第1の伝送線路に複数の前記第2の伝送線路が並走していることを特徴とする構造体。
4. 1から3のいずれかに記載の構造体において、
前記第2の導体ビアは、前記第2の導体プレーンと前記第2の伝送線路を接続していることを特徴とする構造体。
5. 1から4のいずれかに記載の構造体において、
前記第1の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第1の方向とし、前記第2の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第2の方向とすると
前記第1及び前記第2の伝送線路の互いに並走する部分は、前記第1及び前記第2の方向が互いに逆を向いていることを特徴とする構造体。
6. 1から5のいずれかに記載の構造体において、
前記第2の導体プレーンと第1の伝送線路が配設された層との間隔をhとすると、
互いに並走する前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路との間隔が2h以下である部分を有することを特徴とする構造体。
7. 1から6のいずれかに記載の構造体において、
前記第1の伝送線路の長さをLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下であることを特徴とする構造体。
8. 1から6のいずれかに記載の構造体において、
前記第1の伝送線路の長さLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下であることを特徴とする構造体。
9. 互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備える構造体を有する配線基板。
9−2. 9に記載の配線基板において、
前記第1の導体プレーン、前記第2の導体プレーン、前記第1の伝送線路、前記第2の伝送線路、前記第1の導体ビア、及び、前記第2の導体ビアは、EBG構造を構成している配線基板。
9−3. 9又は9−2に記載の配線基板において、
1つの前記第1の伝送線路に複数の前記第2の伝送線路が並走していることを特徴とする配線基板。
9−4. 9から9−3のいずれかに記載の配線基板において、
前記第2の導体ビアは、前記第2の導体プレーンと前記第2の伝送線路を接続していることを特徴とする配線基板。
9−5. 9から9−4のいずれかに記載の配線基板において、
前記第1の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第1の方向とし、前記第2の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第2の方向とすると
前記第1及び前記第2の伝送線路の互いに並走する部分は、前記第1及び前記第2の方向が互いに逆を向いている配線基板。
9−6. 9から9−5のいずれかに記載の配線基板において、
前記第2の導体プレーンと第1の伝送線路が配設された層との間隔をhとすると、
互いに並走する前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路との間隔が2h以下である部分を有することを特徴とする配線基板。
9−7. 9から9−6のいずれかに記載の配線基板において、
前記第1の伝送線路の長さをLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下であることを特徴とする配線基板。
9−8. 9から9−6のいずれかに記載の配線基板において、
前記第1の伝送線路の長さLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下であることを特徴とする配線基板。
10. 互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備える構造体を有する配線基板を備える電子装置。
10−2. 10に記載の電子装置において、
前記第1の導体プレーン、前記第2の導体プレーン、前記第1の伝送線路、前記第2の伝送線路、前記第1の導体ビア、及び、前記第2の導体ビアは、EBG構造を構成している電子装置。
10−3. 10又は10−2に記載の電子装置において、
1つの前記第1の伝送線路に複数の前記第2の伝送線路が並走していることを特徴とする電子装置。
10−4. 10から10−3のいずれかに記載の電子装置において、
前記第2の導体ビアは、前記第2の導体プレーンと前記第2の伝送線路を接続していることを特徴とする電子装置。
10−5. 10から10−4のいずれかに記載の電子装置において、
前記第1の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第1の方向とし、前記第2の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第2の方向とすると
前記第1及び前記第2の伝送線路の互いに並走する部分は、前記第1及び前記第2の方向が互いに逆を向いている電子装置。
10−6. 10から10−5のいずれかに記載の電子装置において、
前記第2の導体プレーンと第1の伝送線路が配設された層との間隔をhとすると、
互いに並走する前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路との間隔が2h以下である部分を有することを特徴とする電子装置。
10−7. 10から10−6のいずれかに記載の電子装置において、
前記第1の伝送線路の長さをLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下であることを特徴とする電子装置。
10−8. 10から10−6のいずれかに記載の電子装置において、
前記第1の伝送線路の長さLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下であることを特徴とする電子装置。
この出願は、2013年3月8日に出願された日本出願特願2013−047034号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、マイクロ波、ミリ波利用装置に用いられる構造体、およびそれを備える配線基板、およびそれを用いた電子装置に関する。
複数の導体プレーンが存在する電子機器では、例えば、デジタル回路のスイッチング時に回路に流れ込む電流により磁場が誘起されたり、スイッチング時に生じる電圧変動により電場が誘起されたりして電磁波が生じる。この電磁波は、導体プレーンにより構成される平行平板線路を伝搬する電磁ノイズとなる。電磁ノイズは回路の動作を不安定にしたり、機器の無線性能を劣化させたりするなどの問題をもたらす。つまり、電磁ノイズを抑える技術を確立することにより、回路の安定性や機器の無線性能を向上させることができる。
上記問題を解決するために用いられてきた従来手法として、デカップリングキャパシタを導体プレーン間に挿入する方法や、大きな島状導体プレーンを作成することを避ける方法等がある。しかし、これらの手法には、以下のような問題点がある。
デカップリングキャパシタを用いた手法では、キャパシタの不可避な寄生インダクタンスにより自己共振周波数を数百MHzといった高周波にするのは困難である。そのため、通常デカップリングキャパシタを用いた手法は数百MHz程度までの周波数にしか適用できず、近年無線通信で用いられているような高周波数帯(例えば2.4GHzや5.2GHz帯)には対応できない。
また、大きな島状導体プレーンを作成することを避ける手法では、導体プレーンを小さくすることにより、導体プレーンの共振を高周波数側にシフトさせることを原理としている。しかし、実際には、同電位の導体プレーンは直流的に接続する必要がある。この接続部を広くとると、小さい導体プレーンでなくなってしまうため、接続部は細くする必要がある。しかし、接続部を細くすることにより該当箇所の自己インダクタンスが増加しスイッチング時の電流流入時の電圧降下が大きくなる。そのため、導体プレーンを小さくするにも実用的な限界がある。
これらの問題点を解決する手法として、例えば特許文献1に挙げられた手法がある。特許文献1に記載の構造はEBG(electromagnetic bandgap)特性を有する構造(以下、EBG構造と記載)であり、電源プレーン間の電磁波ノイズの伝搬の抑制を目的としている。EBG構造を用いることにより、GHz帯に電磁ノイズ抑制効果を設けることができる。また、さらに導体プレーンを小さな島に分割する手法のように電源プレーンに細工をしていないため、電源プレーン自身の自己インダクタンスの増加を招くこともない。
関連する技術が、特許文献3及び4に開示されている。
米国特許第7215007号明細書 特開2010−10183号公報 特開2010−199881号公報 特開2011−165824号公報
近年の電子機器に搭載される無線機能は、複数の周波数帯に対応している場合が多い。また、電子機器において電磁波障害は様々な周波数で問題になる。そのため、EBG構造において、広帯域なバンドギャップ特性が得られるのが望ましい。
しかしながら、特許文献1に記載したEBG構造では、バンドギャップの帯域が構造パラメータの調整以外では、制御ができないという課題があった。特許文献1に記載のEBG構造は、導体パッチのキャパシタンスと導体ロッドのインダクタンスよりなる直列回路部のインピーダンスがインダクタンスとして振る舞う周波数帯においてEBG特性を持つ。この帯域は、構造のパラメータを調整することにより、ある程度は制御可能である。しかし、パラメータ調整のみでは、基本的な動作原理は変わらないため、広帯域なバンドギャップ特性を得るためには、サイズを大きくしたり、実用性を損なう実装構造としなければならない。例えば、導体パッチのキャパシタンスを大きくするには、導体パッチを大きくすればよいが、これはサイズの肥大化につながる。
本発明の目的は、上記課題を考慮し、EBG構造においてバンドギャップを広帯域化することにある。
本発明によれば、
互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備えることを特徴とする構造体が実現される。
また、本発明によれば、上記構造体を有する配線基板が実現される。
また、本発明によれば、上記配線基板を有する電子装置が実現される。
本発明によれば、EBG構造においてバンドギャップを広帯域化することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本発明の第1の実施形態の構造体の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の一例を示す断面図である。 参考例のEBG構造の等価回路図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の原理を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の効果を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第3の本実施形態の構造体の一例を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態の構造体の単位構造の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、複数の図面に共通して現れる構成要素については共通の符号を付し、適宜説明を省略する。
<作用>
まず、本実施形態の作用について説明する。
問題となる電磁波ノイズは、電源・GNDプレーンにより構成される平行平板線路を伝搬する電磁波である。以下、本実施形態がどのように作用し、この電磁ノイズを抑制するか、また電磁ノイズを抑制するバンドギャップ帯をどのように広帯域化するのかを説明する。
本実施形態に係る構造体は、特許文献1において導体パッチと導体パッチと対向する導体プレーンによって実現されていたシャント部のキャパシタンスが、オープンスタブとして機能する伝送線路により実現されている点、またオープンスタブとして機能する第1の伝送線路と同層で並走している第2の伝送線路が、第1の伝送線路の入力インピーダンスの周波数特性を変化させている点が特徴である。
第2の伝送線路が存在しない場合、オープンスタブとして振る舞う第1の伝送線路の入力インピーダンス特性は、スタブの長さ(伝送線路長)により決定される。オープンスタブの入力インピーダンスが直列共振状態となる共振周波数を境に、周波数に対し周期的にインダクタンス性となるため、スタブ長を調整することで所望の周波数帯にバンドギャップを生じさせることができる。
本実施形態の上記第1の伝送線路と並走する第2の伝送線路は、第1の伝送線路と電場または磁場、あるいはその双方を介して結合する程度近接して並走しており、第1の伝送線路が形成するオープンスタブの入力インピーダンスの周波数特性に影響を与える。具体的には、オープンスタブの共振周波数に影響を与え、周期的に現れるオープンスタブの入力インピーダンスが直列共振状態となる周波数を2つに分裂させるように機能する。このことが原因となり、第2の伝送線路がない構造と比較し広帯域なバンドギャップ特性が得られる。
<第1の実施形態>
まず、本発明に係る構造体の第1の実施の形態の構成について、図1乃至図26、図38及び図39に基づいて説明する。図38に本実施形態の斜視図の一例を、図1に本実施形態の平面図の一例を、図2、3に本実施形態の断面図の一例を示す。図2は図1におけるA−A´の断面図であり、図3は図1におけるB−B´の断面図である。また、図1は図2、3におけるC−C´の平面図である。
図1乃至図3に示すように、本実施形態の構造体は、第1の導体プレーン101、第2の導体プレーン102、第1の伝送線路103、第1の導体ビア104、第2の伝送線路105、第2の導体ビア106を有している。
第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、互いに異なる層に配置されている。第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、互いに平行に配置されていてもよい。第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、第1の誘電体層108を挟んで互いに対向している。z方向に構造体を観察すると、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102は、少なくとも一部が互いに重なり合っている。
第1の伝送線路103は、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102とは異なる層に形成されている。図示する例の場合、z方向に第1の導体プレーン101、第2の導体プレーン102及び第1の伝送線路103がこの順に並ぶように配置されている。第1の伝送線路103は、第2の誘電体層109を挟んで第2の導体プレーン102に対向しており、一端が開放端となっている。z方向に構造体を観察すると、第2の導体プレーン102及び第1の伝送線路103は、少なくとも一部が互いに重なり合っている。
第1の導体ビア104は、第1の伝送線路103の他端(開放端と反対側の端部)と第1の導体プレーン101とを接続している。なお、第1の伝送線路103の他端は、先端部分のみならず、その付近をも含む概念である。すなわち、第1の導体ビア104は第1の伝送線路103の他端側の先端と接続してもよいし、他端側の先端付近であって先端と異なる部分と接続してもよい。第1の導体ビア104は、第2の導体プレーン102とは絶縁された状態となっている。
第2の伝送線路105は、第1の伝送線路103と同じ平面(同じ層)に形成され、一端が開放端となっている。第1の伝送線路103と第2の伝送線路105は、少なくとも一部が互いに並走している。例えば、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105は、少なくとも一部が互いに略平行に延伸していてもよい。
第2の導体ビア106は、第2の伝送線路105の他端(開放端と反対側の端部)と第2の導体プレーン102とを接続している。なお、第2の伝送線路105の他端は、先端部分のみならず、その付近をも含む概念である。すなわち、第2の導体ビア106は第2の伝送線路105の他端側の先端と接続してもよいし、他端側の先端付近であって先端と異なる部分と接続してもよい。第2の導体ビア106は、第1の導体プレーン101とは絶縁された状態となっている。
本実施形態に係る構造体は、例えば、プリント配線基板内に形成されており、EBG特性を有している。この構造体の単位構造107は、互いに並走する第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105と、当該第1の伝送線路103と接続する第1の導体ビア104と、当該第2の伝送線路105と接続する第2の導体ビア106と、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102の中の平面視(z方向に観察)で当該第1の伝送線路103、第2の伝送線路105、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106と重なる部分を含む一部領域と、を含んでいる。
より詳しく説明すると、構造体は、第1の誘電体層108と、第1の誘電体層108の厚さ方向の一方側(図2、3中、上側)に積層された第2の誘電体層109と、を備えている。第1の導体プレーン101は、第1の誘電体層108の厚さ方向の他方側(図2、3中、下側)に配置されている。第2の導体プレーン102は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109との間に配置されている。また、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106は、厚さ方向に延伸しており、第2の誘電体層109の一方側(図2、3中、上側。第1の誘電体層108と対峙していない面側。)から第1の誘電体層108の他方側(図2、3中、下側。第2の誘電体層109と対峙していない面側。)にかけて延設されている。また、第2の誘電体層109の厚さ方向の一方側(図2、3中、上側。第1の誘電体層108と対峙していない面側)に第1の伝送線路103、第2の伝送線路105が配置されている。本実施形態では、第1の導体ビア104は、第1の伝送線路103の他端と第1の導体プレーン101を接続し、第2の導体ビア106は第2の伝送線路105の他端と第2の導体プレーン102を接続するように設けられている。
第1の伝送線路103は、第2の導体プレーン102と対向する平面に配設され、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。第1の伝送線路103は、一端(図2における右側の端部)が開放端となっており、オープンスタブとして機能するように構成されている。第1の伝送線路103の他端(図2における左側の端部)と第1の導体プレーン101とは厚さ方向に延伸された第1の導体ビア104を介して電気的に接続されている。第2の導体プレーン102には、第1の導体ビア104に対応する位置に第1のクリアランス110が設けられており、この第1のクリアランス110によって第1の導体ビア104と第2の導体プレーン102とが電気的に切り離されて電気的に接触していない状態となっている。
また、第2の伝送線路105は、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路となっており、第1の伝送線路103と同じ平面に形成されている。第2の伝送線路105は、第2の導体プレーン102と対向する平面に配設され、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。第2の伝送線路105は、一端(図3における左側の端部)が開放端となっている。他端(図3における右側の端部)は、第1の導体プレーン101と、厚さ方向に延伸された第2の導体ビア106を介して電気的に接続されている。第2の伝送線路105は、一端がショート、一端がオープンの共振器として振る舞う。第1の導体プレーンには、第2の導体ビア106に対応する位置に第2のクリアランス111が設けられており、この第2のクリアランス111によって、第2の導体ビア106と第1の導体プレーン101とが電気的に切り離されて、電気的に接触していない状態となっている。第1の伝送線路103、第2の伝送線路105、第1の導体ビア104、第2の導体ビア106により、単位構造107が構成される。
次に上記した構造体の基本的な動作原理を説明する。図4は、特許文献2に記載のEBG構造の等価回路図である。図4のような等価回路で記述される導波路構造においては、シャント部304がインダクタンス性を示す周波数帯が、大まかなバンドギャップとなる。本実施形態は、特許文献2に記載の構造に、第2の伝送線路105により構成される共振器が追加された構成をとる。この共振器がオープンスタブ(第1の伝送線路103)と電磁場を介して結合することにより、図4のオープンスタブ(第1の伝送線路103)の入力インピーダンスの周波数応答が変化し、バンドギャップの広帯域化が可能となる。第1の伝送線路103と新たに追加された共振器(第2の伝送線路105)の電磁場的な結合を大きくするために、第1の伝送線路103と、第1の伝送線路103と並走する第2の伝送線路105の間の距離が近い必要がある。具体的には、(1)第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の間に他の構造物(例えばシグナルビアや信号線等)が存在しない、(2)第1の伝送線路103や第2の伝送線路105が配設される平面と第2の導体プレーン102との間隔をhとした際、互いに並走する第1の伝送線路103と第2の伝送線路105間の間隔(最短距離)が2h以内である、の少なくとも一方の条件を満たすのが好ましい。(2)の条件は、互いに並走する第1の伝送線路103と第2の伝送線路105との間隔が2h以下である部分を有する、と換言することができる。この際、並走する部分が長いほど第1の伝送線路103と第2の伝送線路105により構成される共振器との電磁場的な結合が大きくなり、本発明の効果をより顕著に得ることができる。そのため、第2の伝送線路の長さをLとした際、望ましくは、L/4、また、さらに望ましくはL/2以上の並走部分がある事が好ましい。なお、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105間の間隔(最短距離)が1.5h以内の条件を満たすのがより好ましい。
また、図1のように第1の伝送線路103の他端であり、第1の導体ビア104が接続されている端部が、第2の伝送線路の開放端と同じ側に設けられていることが望ましい。すなわち、第1の伝送線路103の開放端から他端に向かう方向を第1の方向とし、第2の伝送線路105の開放端から他端に向かう方向を第2の方向とすると、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の互いに並走する部分は、第1及び第2の方向が互いに逆(略180°反対方向)を向いていることが望ましい。この条件も、第1の伝送線路103と新たに追加された共振器(第2の伝送線路105)の電磁場的な結合を大きくするためである。また、この際、新たに追加された共振器(第2の伝送線路105)は、第1の伝送線路103の長さに起因する共振周波数と近い共振周波数を持つように設計される。
具体的には、例えば、第2の伝送線路105が第1の伝送線路103の長さと同一程度の長さや、1/3程度の長さを持つような場合が相当する。例えば、第2の伝送線路105の長さを第1の伝送線路103の長さの1/(2n−1)程度の長さとしてもよい(nは自然数)。この際、第2の伝送線路105の長さは、厳密に先に記述したような長さである必要はない。例えば、第1の伝送線路103の長さをLとしたとき、第2の伝送線路105の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下や、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下のように幅を持った値に収まっていれば良い。
また、上記では、第1の伝送線路103の長さを基準にして、第2の伝送線路105の長さを規定したが、第1の伝送線路103にキャパシタやインダクタンスを付加する構造が取り付けられたり、第2の伝送線路105と第1の伝送線路103の実効誘電率が異なっている際には、第1の伝送線路103の長さを基準にして単純に第2の伝送線路105の長さを規定することはできない。こうした場合には、第1の伝送線路103が直列共振状態となる共振周波数を考慮し、第2の伝送線路の長さを規定したり、第2の伝送線路105にキャパシタやインダクタンスを設けて第2の伝送線路105の共振周波数を設計する必要が生じる。
以下、新たに追加された共振器が元のオープンスタブ(第1の伝送線路103)の入力インピーダンスの周波数応答をどのように変化させるかを説明する。
新たに追加された共振器は、第1の伝送線路103であるオープンスタブと磁場、電場もしくはその両方を介して結合する。また、第1の伝送線路103であるオープンスタブは、バンドギャップが始まる周波数付近では近似的に直列共振器の等価回路モデルとして記述することができる。そのため、本実施形態の構造では、バンドギャップが始まる周波数帯付近において、図4のオープンスタブの入力インピーダンスZinを、図5の等価回路の入力インピーダンスに置き換えることにより記述される。
図5の等価回路は、第1の伝送線路103であるオープンスタブを表す等価回路モデルに、第2の伝送線路105による新たに追加された共振器が相互インダクタンスL、相互キャパシタンスCで結合した構成となっている。図5中の交流電源は、本実施形態では、第1の伝送線路103であるオープンスタブを励振する電磁ノイズと想定され、抵抗R、Rは、導体損や誘電体損によるロスを等価回路モデル化したものである。
図7は図5の等価回路において、L=L、C=C、R=R、L=0.5nH、C=0Fとし、磁場による結合のみを考慮した際の、Zinの虚部のグラフである。この際、2つの共振器(第1の伝送線路103による共振器と第2の伝送線路105による共振器)の共振周波数は同じである。
図6は図7を計算した際のパラメータにおいてLの値を0とし、2つの共振器間の結合をなくした際のZinの虚部のグラフであり、特許文献2に記載の構造のオープンスタブの入力インピーダンスの虚部に対応している。Zinの虚部が0になる周波数は、結合がない場合(図6)では単一であったのに対し、結合がある場合(図7)では、2つに分裂していることが分かる。本実施形態の構造における大まかなバンドギャップ周波数は、Zinとビアによるインピーダンスの和Zin+jωLviaの周波数特性により見積もれる。
図8及び図9に、Lvia=1nHとした際のZin+jωLviaの虚部の周波数特性を示す。図8及び図9はそれぞれ図6及び図7に示した入力インピーダンスZinにjωLviaを足したものである。先ほど述べたようにシャント部のインピーダンスZin+jωLviaがインダクタンス性となる周波数帯がバンドギャップ周波数帯となる。図8及び図9から分かるとおり、図9では、新たな共振器の存在が原因となり、バンドギャップの下端周波数が低周波化し、結果、バンドギャップ帯域が拡大していることが分かる。
図10乃至図12に、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102を励振した時の本実施形態の構造体を実装した評価基板の実測結果を示す。これらの実測結果は、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102により構成される平行平板線路の伝搬特性(S21の絶対値)を表す。図10は、第2の伝送線路105、第2の導体ビア106がない構造体の伝搬特性の測定結果であり、リファレンスとなる測定結果である。図11及び図12が本実施形態の構造体を実装した評価基板の伝搬特性の測定結果である。図11は、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の距離が130μmの場合であり、図12は第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の距離が100μmとした構造に対する測定結果である。評価基板のその他の構造パラメータは、第1の誘電体層108の厚み500μm、第2の誘電体層109の厚み100μm、第1の伝送線路103の線路幅130μm、第2の伝送線路105の線路幅130μm、第1の伝送線路103の線路長6mm、第2の伝送線路105の線路長6mmとなっており、基板材料は、FR4である。リファレンスとなる測定結果(図10)のバンドギャップ帯を図10乃至図12すべてにおいて影で示す。これらの図から分かる通り、図11及び図12では、図10と比較し、バンドギャップ帯域が広帯域化していることが分かる。図11と図12の比較では、伝送線路間の距離が近い図12の方が、伝送線路同間の結合がより強く起こり、バンドギャップの開始周波数がより低周波数化している。これらより、本実施形態が現実の基板においても正しく動作することが分かる。
なお、上記した本実施形態では、図2及び図3に示すように、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の配設される平面の上部に構造がない場合を示したが、本実施形態は、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の配設される平面の上部に構造があってもよい。例えば、図13及び図14示すように、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の配設される平面の上部に、誘電体層(第3の誘電体層901)を設けてもよい。この第3の誘電体層901を設けることにより、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105の実効比誘電率を増加させることができる。オープンスタブの入力インピーダンスの周波数依存性は、オープンスタブを伝搬する電磁波の波長に影響を受ける。そのため、第3の誘電体層901がある構造では、ない構造と比較し、より短い伝送線路長で同一の帯域にバンドギャップを設けることが可能である。したがって、小型化が可能となる。
本実施形態の構造体の小型化を目的にする場合、第3の誘電体層901として誘電率の大きな誘電体材料を用いることが好ましい。ただし、構造の小型化を目的としない際には、どのような誘電体材料を用いてもよい。つまり、更に上部に層を積層していく場合は、どのような誘電体材料でも良い。また、例えば、図15及び図16に示すように、第3の誘電体層901の上部にさらに、第3の導体プレーン1001があってもよい。この場合、第3の導体プレーン1001により、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105が遮蔽されるため、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105からの不要な電磁放射を抑えることができる。また、当然、さらに上部、または、下部に誘電体層、導体層が積層されていてもよい。
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106として、貫通ビアを用いる場合を示したが、非貫通のビアを用いてもよい。この場合、図3に対応した単位構造の断面図は、図17のようにすることができる。この場合の本実施形態の構造体の斜視図の一例を図39に示す。この場合、第1の導体プレーン101にクリアランス111を設ける必要がないため、クリアランスからの不要な電磁放射を抑えることができる。
また、第1の伝送線路103は一端が開放端になっており、他端が第1の導体ビア104に接続されていれば、どのような配置・形状でも本実施形態の本質的な効果に何ら影響を与えるものではない。本実施形態では、図1に示すように、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105が周囲のクリアランス等と干渉しないようにx軸と平行に配置した場合を示したが、x軸、y軸と一定の角度を持つように配置されていてもよいし、全く乱雑に配置してもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が直線形状の場合を示したが、例えば、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105を図18に示すようなミアンダ形状や、図19に示すようなスパイラル形状としてもよい。この場合、小さい実装面積で伝送線路長を確保することが可能となる。また、全く不規則に引き回した形状にしてもよい。この場合、第1の伝送線路103、第2の伝送線路105を、別の構造物(例えば別の単位構造の伝送線路等)を避けて配設することもできる。
また、上記した本実施形態では、第2の伝送線路105の伝送線路長が、第1の伝送線路103の伝送線路長に比較的近い場合について記述してきた。このような場合には、第1の伝送線路103の第n共振周波数と、第2の伝送線路105の第n共振周波数(nは自然数)が一致する為、第1バンドギャップ、第2バンドギャップ等、全てのバンドギャップ帯において、バンドギャップの広帯域化の効果が得られる。本実施形態の効果を得るためには、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105の伝送線路が必ずしも比較的近い長さとなっている必要はなく、第2の伝送線路105の伝送線路長を、第1の伝送線路103の伝送線路長と比べて短くした構成や、長くした構成とすることもできる。
図20は、第2の伝送線路105を第1の伝送線路103の伝送線路長と比較し短くした場合の単位構造の一例の図である。この際、第2の伝送線路105の伝送線路長を、第1の伝送線路103の第n共振(nは自然数)に対応した長さである第1の伝送線路103の長さの1/(2n−1)程度に合わせておくことにより、第nバンドギャップ以降のバンドギャップに対して広帯域化の効果を得ることができる。nを2以上とした場合、第2の伝送線路105の長さがn=1の場合である第1の伝送線路103の長さと同程度より短くすることができるため、本実施形態の効果をより狭い実装面積で得ることが可能となる。上記では、第1の伝送線路103の長さを基準にして、第2の伝送線路105の長さを規定したが、第1の伝送線路103にキャパシタやインダクタンスを付加する構造が取り付けられたり、第2の伝送線路105と第1の伝送線路103の実効誘電率が異なっている際には、第1の伝送線路103の長さを基準にして単純に第2の伝送線路105の長さを規定することはできない。こうした場合には、第1の伝送線路103が直列共振状態となる共振周波数を考慮し、第2の伝送線路105の長さを規定したり、第2の伝送線路105にキャパシタやインダクタンスを設けて第2の伝送線路105の共振周波数を設計する必要が生じる。
また、1つの第1の伝送線路103に複数の第2の伝送線路105が並走するように配置することができる。例えば、第1の伝送線路103に並走している第2の伝送線路105Aに加えて、さらに第2の伝送線路105Bが第1の伝送線路103もしくは第2の伝送線路105Aに並走した形で設けられた構成も考えることができる。
図21は、第1の伝送線路103に第2の伝送線路105A及び第2の伝送線路105Bが並走している場合の一例の図である。この際、第2の伝送線路105Bは、一端が開放端となっており、他端に第2の導体ビア106Bが設けられ第2の導体プレーン102と電気的に接続されている。第1の伝送線路103の共振周波数に対して、近接した共振周波数を持つ2つの第2の伝送線路105A及び105Bが、第1の伝送線路103に並走している場合、1つの第2の伝送線路105のみが並走していた場合には2つに分裂していた単一の共振周波数が、3つに分裂することになり、さらなるバンドギャップの広帯域化が可能となる。
また、図21では、第2の伝送線路105Aと第2の導体プレーン102を接続する第2の導体ビア106A、および第2の伝送線路105Bと第2の導体プレーン102を接続する第2の導体ビア106Bが、別々に存在している場合を示したが、図22に示すように、同一の第2の導体ビア106で、第2の伝送線路105Aおよび第2の伝送線路105Bを第2の導体プレーン102と電気的に接続してもよい。この際、2つの第2の伝送線路105A及び105Bは、共有している第2の導体ビア106の箇所で接続されたような構成となる。
また、さらに、3つ以上の第2の伝送線路105が1つの第1の伝送線路103と並走して配設されている構成も考えることができる。この際、3つ以上の第2の伝送線路105のそれぞれは一端が開放端となっており、他端は第2の導体ビア106と接続し、第2の導体プレーン102と電気的に接続されている。なお、第2の導体ビア106は、3つ以上の第2の伝送線路105のうちのいくつかで共有していても良い。この場合、第1の伝送線路103と近接した共振周波数をもつ並走した第2の伝送線路105の数だけ、単一の共振周波数が分裂することとなり、さらなるバンドギャップの広帯域化が可能となる。この際、並走している多数の第2の伝送線路105は、第1の伝送線路103の伝送線路長と近い伝送線路長を持つ必要はない。例えば、第2共振である、第1の伝送線路103の長さの1/3に近い長さ等を持っていてもよい。
上記では、第1の伝送線路103の長さを基準にして、第2の伝送線路105の長さを規定したが、第1の伝送線路103にキャパシタやインダクタンスを付加する構造が取り付けられたり、第2の伝送線路105と第1の伝送線路103の実効誘電率が異なっている際には、第1の伝送線路103の長さを基準にして単純に第2の伝送線路105の長さを規定することはできない。こうした場合には、第1の伝送線路103が直列共振状態となる共振周波数を考慮し、第2の伝送線路103の長さを規定したり、第2の伝送線路105にキャパシタやインダクタンスを設けて第2の伝送線路105の共振周波数を設計する必要が生じる。
また、上記した本実施形態では、第1の導体ビア104と接続される伝送線路がただ1つの第1の伝送線路103である場合について、記述してきた。これに対し、1つの第1の導体ビア104に複数の第1の伝送線路103を接続することができる。図23に示す例では、第1の導体ビア104に第1の伝送線路103A、及び、第1の伝送線路103Bを接続している。第1の伝送線路103A及び103Bは、一端が開放端であり、他端が第1の導体ビア104と接続されている。第1の伝送線路103A及び103Bは、各々、第2の伝送線路105A及び105Bと並走している。
第1の伝送線路103A及び103Bの伝送線路長が異なる場合には、第1の伝送線路103Aの長さに起因したバンドギャップ群と、第1の伝送線路103Bの長さに起因した別のバンドギャップ群を生じることになる。こうした場合には、第1の伝送線路103Aに並走する第2の伝送線路105Aだけでなく、第1の伝送線路103Bと並走する第2の伝送線路105Bが設けられた構成とすることができる。並走する第2の伝送線路105Bは、一端が開放端となっており、他端が第2の導体ビア106Bを介して第2の導体プレーン102と接続されている。並走する第2の伝送線路105Bにより構成される共振器は、第1の伝送線路103Bと近い共振周波数を持つ。例えば、並走する第2の伝送線路105Bの長さが第1の伝送線路103Bの長さの1/(2n−1)程度の場合である。この際、並走する第2の伝送線路105Bは、第1の伝送線路103Bに起因するバンドギャップ群を広げるように動作する。
また、本実施形態の第1の伝送線路103に、図24のようにキャパシタンスを付加するような構造体1801が取り付けられた構成も考えることができる。こうした構成では、キャパシタンスを付加する構造体1801により、第1の伝送線路103に起因する共振周波数が変化し、バンドギャップ周波数も変化する。こうした場合では、第2の伝送線路105の伝送線路長は、第1の伝送線路103の長さを基準に単純に決定することはできない。第1の伝送線路103が構成する共振器の共振周波数を考慮し、それと第2の伝送線路105が構成する共振器の共振周波数が近い値となるように第2の伝送線路105の長さ等のパラメータを設計する必要がある。こうした構成の場合、キャパシタンスを付加する構造体1801により、第1の伝送線路103の電気長が延長する為、構造の小型化が可能となる。また、ここでは、第1の伝送線路103側にキャパシタンスを付加する構造体1801が取り付けられた構成について示したが、図25に示すように第2の伝送線路105側にキャパシタンスを付加する構造体1901が取り付けられている構成も考えることができる。上記では、キャパシタンスを伝送線路に付加した構成について記述したが、インダクタンスを付加した構成も当然考えることができる。
また、上記した本実施形態では、第1の伝送線路103と第1の導体ビア104との接続端と、第2の伝送線路105の開放端が同一の側にある場合について記述してきたが、図26のように第1の伝送線路103の開放端と第2の伝送線路105の開放端が同一の側にある構成も考えることができる。すなわち、第1の伝送線路103の開放端から他端に向かう方向を第1の方向とし、第2の伝送線路105の開放端から他端に向かう方向を第2の方向とすると、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の互いに並走する部分は、第1及び第2の方向が互いに同じ方向を向いていてもよい。
また、図1には単位構造107が全て同一の構成をしているような場合を一例として示したが、上記に記したような様々な構成の単位構造が混在していても良い。また、当然、上記した様々な構成の組み合わせによって実現される単位構造も考えることができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る構造体の第2の実施の形態の構成について、図27乃至30、図40及び図41に基づいて説明する。図27乃至30は本実施形態の構造体の単位構造の断面図の一例である。図40及び図41は本実施形態の構造体の単位構造の斜視図の一例である。なお、本実施形態の構造体は、上述した第1の実施形態の構造体の変形例であり、上述した第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。本実施形態も第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
本実施形態の構造体は、図27及び図28の断面図に示すように、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102とで挟まれた領域に設けられている点が第1の実施形態とは異なる。この場合の本実施形態の構造体の斜視図の一例を図40に示す。詳しく説明すると、本実施形態の構造体は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109とが積層しており、第1の誘電体層108の第2の誘電体層109と対峙していない面側に第1の導体プレーン101が配設され、第2の誘電体層109の第1の誘電体層108と対峙していない面側に第2の導体プレーン102が配設されている。すなわち、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102により、第1の誘電体層108及び第2の誘電体層109が挟まれている。そして、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109に挟まれた中間層に、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が配設されている。第1の伝送線路103は第2の導体プレーン102と対向する平面に配設されて、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。この第1の伝送線路103は、第1の実施形態における第1の伝送線路103と同様に、その一端がオープン端となっており、オープンスタブとして機能する。第1の伝送線路103の他端は、第1の導体ビア104を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。さらに、第1の伝送線路103と同一の層に第1の伝送線路103と並走するように設けられた第2の伝送線路105の一端はオープン端となっており、他端は第2の導体ビア106を介して第2の導体プレーン102と電気的に接続されている。この際、第2の伝送線路105を含んで構成される共振器の共振周波数が第1の伝送線路103の長さに起因する共振周波数と近い共振周波数を持つように設計する。例えば、第2の伝送線路105が第1の伝送線路103の長さの、1/(2n−1)程度の長さを持つように設計する。
本実施形態における単位構造107の配置、および第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の配置・形状、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106の配置は上述した第1の実施形態と同様である。
本実施形態の構造体では、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102によって遮蔽されるため、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105から外部へ放射する不要な電磁波を低減することができる。
なお、本実施形態では、図27及び図28に示すように、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106が貫通ビアの場合を示したが、第1の導体ビア104は第1の導体プレーン101と、第2の導体ビア106は第2の導体プレーン102と電気的に接続されていれば、必ずしも貫通ビア(第1の誘電体層108及び第2の誘電体層109を貫通するビア。以下同様。)である必要はない。例えば、図29及び図30に示すように、非貫通ビアである第1の導体ビア104´、第2の導体ビア106´が設けられていても本実施形態の効果に何ら影響を与えない。この場合の本実施形態の構造体の斜視図の一例を図41に示す。
図29及び図30に示す構造体の場合は、第2の導体プレーン102及び第1の導体プレーン101にクリアランス110及び111を設ける必要がないため、クリアランス110及び111の部分から外部への電磁波放射を無くすことができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る構造体の第3の実施形態の構成について、図31乃至図33、及び、図42に基づいて説明する。図31及び図32は本実施形態の構造体の単位構造の断面図である。図42は、本実施形態の構造体の単位構造の斜視図の一例である。なお、本実施形態の構造体は、上述した第1の実施形態の構造体の変形例であり、上述した第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。本実施形態も第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
本実施形態の構造体は、図31、図32及び図42に示すように、第2の伝送線路105が第1の導体プレーン101と電気的に接続し、第2の導体プレーン102とは絶縁している点で、第1の実施形態と異なる。すなわち、第2の伝送線路105の他端に設けられた第2の導体ビア106が、第1の導体プレーン101と第2の伝送線路105の他端を電気的に接続するように設けられている。
詳しく説明すると、本実施形態の構造体は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109とが積層しており、第1の誘電体層108の第2の誘電体層109と対峙していない面側に第1の導体プレーン101が配設され、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109との間に第2の導体プレーン102が配設されている。そして、第2の誘電体層109の第1の誘電体層108と対峙していない面側に、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が配設されている。第1の伝送線路103は第2の導体プレーン102と対向する平面に配設されて、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。この第1の伝送線路103は、第1の実施の形態における第1の伝送線路103と同様に、その一端がオープン端となっており、オープンスタブとして機能する。第1の伝送線路103の他端は、第1の導体ビア104を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。第1の伝送線路103と同一の層に第1の伝送線路103と並走するように設けられた第2の伝送線路105の一端はオープン端となっている。第2の伝送線路105の他端は第2の導体ビア106を介して、第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。この第2の導体ビアの接続関係が第1の実施の形態と異なる。
本実施の形態における単位構造107の配置、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の配置・形状、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106の配置は、第2の導体ビア106の接続関係が異なる点と以降追記する事項を除き、上述した第1の実施の形態と同様である。
本実施形態の構造体では、第2の伝送線路105と第2の導体ビア106が、第1の伝送線路103及び第1の導体ビア104と同様の接続関係を持っているため、第2の伝送線路105と第2の導体ビア106のみでもEBGとしての特性を持つ。つまり、EBGとしての特性を持つ第1の伝送線路103及び第1の導体ビア104のペアと、第2の伝送線路105及び第2の導体ビア106のペアが近接して配置され、電磁場を介し結合しバンドギャップが広帯域化することになる。双方のペアがそれぞれEBGとしての特性をもともと持っていたことが原因となり、第1及び第2の実施の形態に記載した構造よりもノイズ抑制効果を大きくとることができる。
また、本実施形態の構造体では、第1及び2の実施形態の構造体とは異なり、図1のy軸方向に伝搬する電磁波に対しては、第1の伝送線路103と第2の伝送線路105との電磁場を介した結合が生じず、バンドギャップ帯の広帯域化の効果が得られない。これは、y軸方向に伝搬する電磁波が第1の伝送線路103による共振器と第2の伝送線路105による共振器を同位相で励振してしまうことが原因である。励振箇所は、導体ビアの位置である。そこで、図33に示すように、第1の単位構造107Aとは別の第2の単位構造107Bを設け、第1の単位構造107Aの第1の導体ビア104Aと第2の導体ビア106Aを結んだ直線と、第2の単位構造107Bの第1の導体ビア104Cと第2の導体ビア106Cを結んだ直線のなす角θ(θは、0°から90°となる側の角を採用)が大きい値となるようにすることで、x−y面内の任意の方向に伝搬する電磁波に対して、EBGにおいてバンドギャップ帯の広帯域化を実現することができる。ここで、大きい値とは、例えば45度以上とすれば良い。この際、y軸方向に伝搬する電磁波に対しては、第2の単位構造107Bが「バンドギャップ帯が広帯域化されたEBG」として動作し、x軸方向に伝搬する電磁波に対しては、第1の単位構造107Aが「バンドギャップ帯が広帯域化されたEBG」として動作する。
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る構造体の第4の実施形態の構成について、図34乃至図37、図43及び図44に基づいて説明する。図34乃至図37は本実施形態の構造体の単位構造の断面図の一例である。図43及び図44は本実施形態の構造体の単位構造の斜視図の一例である。なお、本実施形態の構造体は、上述した第1の実施形態を元とする第3の実施形態の構造体の変形例であり、上述した第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。本実施形態も第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
本実施形態の構造体は、図34、図35及び図43に示すように、第2の伝送線路105が第1の導体プレーン101と電気的に接続し、第2の導体プレーン102とは絶縁している点で、第1の実施形態と異なる。すなわち、第2の伝送線路105の他端に設けられた第2の導体ビア106が、第1の導体プレーン101と第2の伝送線路105の他端を電気的に接続するように設けられている。また、本実施形態の構造体は、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102とで挟まれた領域の内側に設けられている点が第3の実施の形態とは異なる。
詳しく説明すると、本実施形態の構造体は、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109とが積層しており、第1の誘電体層108の第2の誘電体層109と対峙していない面側に第1の導体プレーン101が配設され、第2の誘電体層109の第1の誘電体層108と対峙していない面側に第2の導体プレーン102が配設されている。すなわち、第1の導体プレーン101と第2の導体プレーン102により、第1の誘電体層108及び第2の誘電体層109が挟まれている。そして、第1の誘電体層108と第2の誘電体層109に挟まれた中間層に、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が配設されている。第1の伝送線路103は第2の導体プレーン102と対向する平面に配設されて、第2の導体プレーン102をリターンパスとする伝送線路である。この第1の伝送線路103は、第1の実施の形態における第1の伝送線路103と同様に、その一端がオープン端となっており、オープンスタブとして機能する。第1の伝送線路103の他端は、導体ビア104を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。さらに、第1の伝送線路103と同一の層に第1の伝送線路103と並走するように設けられた第2の伝送線路105の一端はオープン端となっており、他端は第2の導体ビア106を介して第1の導体プレーン101と電気的に接続されている。なお、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106は、第2の導体プレーン102と絶縁されている。この際、第2の伝送線路105を含んで構成される共振器の共振周波数が第1の伝送線路103の長さに起因する共振周波数と近い共振周波数を持つように設計する。例えば、第2の伝送線路105が第1の伝送線路103の長さの、1/(2n−1)程度の長さを持つように設計する。
本実施形態における単位構造107の配置、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105の配置・形状、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106の配置は、以降追記する事項を除き、上述した第1及び第3の実施形態と同様である。
本実施の形態の構造体では、第3の実施の形態に記載した効果に加えて、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105が、第1の導体プレーン101及び第2の導体プレーン102によって遮蔽されるため、第1の伝送線路103及び第2の伝送線路105から外部へ放射する不要な電磁波を低減することができる。
なお、本実施形態では、図34、図35及び図43に示すように、第1の導体ビア104及び第2の導体ビア106が貫通ビアの場合を示したが、第1の導体ビア104は第1の導体プレーン101及び第1の伝送線路103を電気的に接続し、第2の導体ビア106は第1の導体プレーン101と第2の伝送線路105を電気的に接続できればよく、必ずしも貫通ビアである必要はない。例えば、図36、図37及び図44に示すように、非貫通ビアの第1の導体ビア104´及び第2の導体ビア106´が設けられていても本実施形態の効果に何ら影響を与えない。
図36、図37及び図44に示す構造体の場合は、第2の導体プレーン102にクリアランス110及び111を設ける必要がないため、クリアランス110及び111の部分から外部への電磁波放射を無くすことができる。
上述したような構造体を有する配線基板や、当該配線基板を有する電子機器によれば、同様の作用効果を実現することができる。
<<付記>>
以下、参考形態の例を付記する。
1. 互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備えることを特徴とする構造体。
2. 1に記載の構造体において、
前記第1の導体プレーン、前記第2の導体プレーン、前記第1の伝送線路、前記第2の伝送線路、前記第1の導体ビア、及び、前記第2の導体ビアは、EBG構造を構成している構造体。
3. 1又は2に記載の構造体において、
1つの前記第1の伝送線路に複数の前記第2の伝送線路が並走していることを特徴とする構造体。
4. 1から3のいずれかに記載の構造体において、
前記第2の導体ビアは、前記第2の導体プレーンと前記第2の伝送線路を接続していることを特徴とする構造体。
5. 1から4のいずれかに記載の構造体において、
前記第1の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第1の方向とし、前記第2の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第2の方向とすると
前記第1及び前記第2の伝送線路の互いに並走する部分は、前記第1及び前記第2の方向が互いに逆を向いていることを特徴とする構造体。
6. 1から5のいずれかに記載の構造体において、
前記第2の導体プレーンと第1の伝送線路が配設された層との間隔をhとすると、
互いに並走する前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路との間隔が2h以下である部分を有することを特徴とする構造体。
7. 1から6のいずれかに記載の構造体において、
前記第1の伝送線路の長さをLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下であることを特徴とする構造体。
8. 1から6のいずれかに記載の構造体において、
前記第1の伝送線路の長さLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下であることを特徴とする構造体。
9. 互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備える構造体を有する配線基板。
9−2. 9に記載の配線基板において、
前記第1の導体プレーン、前記第2の導体プレーン、前記第1の伝送線路、前記第2の伝送線路、前記第1の導体ビア、及び、前記第2の導体ビアは、EBG構造を構成している配線基板。
9−3. 9又は9−2に記載の配線基板において、
1つの前記第1の伝送線路に複数の前記第2の伝送線路が並走していることを特徴とする配線基板。
9−4. 9から9−3のいずれかに記載の配線基板において、
前記第2の導体ビアは、前記第2の導体プレーンと前記第2の伝送線路を接続していることを特徴とする配線基板。
9−5. 9から9−4のいずれかに記載の配線基板において、
前記第1の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第1の方向とし、前記第2の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第2の方向とすると
前記第1及び前記第2の伝送線路の互いに並走する部分は、前記第1及び前記第2の方向が互いに逆を向いている配線基板。
9−6. 9から9−5のいずれかに記載の配線基板において、
前記第2の導体プレーンと第1の伝送線路が配設された層との間隔をhとすると、
互いに並走する前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路との間隔が2h以下である部分を有することを特徴とする配線基板。
9−7. 9から9−6のいずれかに記載の配線基板において、
前記第1の伝送線路の長さをLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下であることを特徴とする配線基板。
9−8. 9から9−6のいずれかに記載の配線基板において、
前記第1の伝送線路の長さLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下であることを特徴とする配線基板。
10. 互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備える構造体を有する配線基板を備える電子装置。
10−2. 10に記載の電子装置において、
前記第1の導体プレーン、前記第2の導体プレーン、前記第1の伝送線路、前記第2の伝送線路、前記第1の導体ビア、及び、前記第2の導体ビアは、EBG構造を構成している電子装置。
10−3. 10又は10−2に記載の電子装置において、
1つの前記第1の伝送線路に複数の前記第2の伝送線路が並走していることを特徴とする電子装置。
10−4. 10から10−3のいずれかに記載の電子装置において、
前記第2の導体ビアは、前記第2の導体プレーンと前記第2の伝送線路を接続していることを特徴とする電子装置。
10−5. 10から10−4のいずれかに記載の電子装置において、
前記第1の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第1の方向とし、前記第2の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第2の方向とすると
前記第1及び前記第2の伝送線路の互いに並走する部分は、前記第1及び前記第2の方向が互いに逆を向いている電子装置。
10−6. 10から10−5のいずれかに記載の電子装置において、
前記第2の導体プレーンと第1の伝送線路が配設された層との間隔をhとすると、
互いに並走する前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路との間隔が2h以下である部分を有することを特徴とする電子装置。
10−7. 10から10−6のいずれかに記載の電子装置において、
前記第1の伝送線路の長さをLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下であることを特徴とする電子装置。
10−8. 10から10−6のいずれかに記載の電子装置において、
前記第1の伝送線路の長さLとすると、
前記第2の伝送線路の長さは、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下であることを特徴とする電子装置。
この出願は、2013年3月8日に出願された日本出願特願2013−047034号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
101 第1の導体プレーン
102 第2の導体プレーン
103、103A、103B 第1の伝送線路
104 第1の導体ビア
105、105A、105B 第2の伝送線路
106、106A、106B 第2の導体ビア
107、107A、107B 単位構造
108 第1の誘電体層
109 第2の誘電体層
110、111 クリアランス
304 シャント部
901 第3の誘電体層
1001 第3の導体プレーン
1801、1901 キャパシタンスを付加する構造体

Claims (10)

  1. 互いに対向して異なる層に配置された第1及び第2の導体プレーンと、
    前記第1の導体プレーン及び前記第2の導体プレーンと異なる層に形成されており、前記第2の導体プレーンに対向しており、一端が開放端となっている第1の伝送線路と、
    前記第1の伝送線路の他端と前記第1の導体プレーンとを接続している第1の導体ビアと、
    前記第1の伝送線路と同じ層に形成され、前記第1の伝送線路と並走しており、一端が開放端となっている第2の伝送線路と、
    前記第2の伝送線路の他端と前記第1または前記第2の導体プレーンとを電気的に接続する第2の導体ビアとを備えることを特徴とする構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体において、
    前記第1の導体プレーン、前記第2の導体プレーン、前記第1の伝送線路、前記第2の伝送線路、前記第1の導体ビア、及び、前記第2の導体ビアは、EBG(electromagnetic bandgap)構造を構成している構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の構造体において、
    1つの前記第1の伝送線路に複数の前記第2の伝送線路が並走していることを特徴とする構造体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の構造体において、
    前記第2の導体ビアは、前記第2の導体プレーンと前記第2の伝送線路を接続していることを特徴とする構造体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の構造体において、
    前記第1の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第1の方向とし、前記第2の伝送線路の前記開放端から前記他端に向かう方向を第2の方向とすると
    前記第1及び前記第2の伝送線路の互いに並走する部分は、前記第1及び前記第2の方向が互いに逆を向いていることを特徴とする構造体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の構造体において、
    前記第2の導体プレーンと前記第1の伝送線路が配設された層との間隔をhとすると、
    互いに並走する前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路との間隔が2h以下である部分を有することを特徴とする構造体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の構造体において、
    前記第1の伝送線路の長さをLとすると、
    前記第2の伝送線路の長さは、(L−L/8)以上(L+L/8)以下であることを特徴とする構造体。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の構造体において、
    前記第1の伝送線路の長さLとすると、
    前記第2の伝送線路の長さは、(L/3−L/8)以上(L/3+L/8)以下であることを特徴とする構造体。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の構造体を有する配線基板。
  10. 請求項9に記載の配線基板を有する電子装置。
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