JPWO2014125860A1 - 音声処理装置、音声処理方法、音声処理プログラムおよび音声処理装置の取り付け方法、天井部材、ならびに車両 - Google Patents

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Abstract

音声や雑音の方向によらず、車両の乗員の声を入力して高品質の強調音声を出力するため、車両内部の天井部材またはその付属物に設けられて、車両の乗員の声と車両内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1マイクと、車両内部の天井部材またはその付属物における、車両の乗員からみて第1マイクよりも離れた位置に設けられて、車両の天井部材またはその付属物を利用して、車両の乗員の声を遮断しつつ車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2マイクと、第1信号と第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧手段と、を備えた音声処理装置。

Description

本発明は、所望信号と雑音とが混在する混在音から信号を取得する技術に関する。
上記技術分野において、特許文献1には、2つのマイクの間に遮音体を設けて、音声と雑音とが混在する音空間において、音声を取得する技術が開示されている。
国際公開WO2012/096072号公報
しかしながら、上記文献に記載の技術は、2つのマイクに入る音声の違いが大きくなることを狙ってL字型、または円錐形などの遮音体を設けており、音声や雑音の方向によっては、雑音に対して音声を十分に大きなレベルで取得することができない場合があった。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る音声処理装置は、
車両内部の天井部材またはその付属物に設けられて、前記車両の乗員の声と前記車両内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1マイクと、
前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に設けられて、前記車両の天井部材またはその付属物を利用して、前記車両の乗員の声を遮断しつつ前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2マイクと、
前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧手段と、
を備えた。
上記目的を達成するため、本発明に係る音声処理方法は、
車両内部の天井部材またはその付属物に設けられた第1マイクを用いて、前記車両の乗員の声と前記車両内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1ステップ、
前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に設けられた第2マイクを用いて、前記車両の天井部材またはその付属物を利用して前記車両の乗員の声を遮断しつつ、前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2ステップと、
前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧ステップと、
を含む。
上記目的を達成するため、本発明に係る音声処理プログラムは、
車両内部の天井部材またはその付属物に設けられた第1マイクを用いて、前記車両の乗員の声と前記車両内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1ステップ、
前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に設けられた第2マイクを用いて、前記車両の天井部材またはその付属物を利用して前記車両の乗員の声を遮断しつつ、前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2ステップと、
前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧ステップと、
をコンピュータに実行させる。
上記目的を達成するため、本発明に係る音声処理装置の取り付け方法は、
車両の乗員の声と前記車両の内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1マイクを、前記車両内部の天井部材またはその付属物に取り付けるステップと、
前記車両の天井部材またはその付属物を利用して前記車両の乗員の声を遮断しつつ、前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2マイクを前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に取り付けるステップと、
前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧部に対して前記第1マイクおよび前記第2マイクを接続するステップと、
を含む。
上記目的を達成するため本発明に係る天井部材は、上記音声処理装置を備えた。
上記目的を達成するため本発明に係る車両は、上記音声処理装置を備えた。
本発明によれば、音声や雑音の方向によらず、車両の乗員の声を入力して高品質の強調音声信号を出力できる。
本発明の第1実施形態に係る音声処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る音声処理装置の雑音抑圧部の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第5実施形態に係る音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第6実施形態に係る天井部材および音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第6実施形態に係る天井部材および音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。 本発明の第6実施形態に係る天井部材および音声処理装置のマイク配置を説明するための図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての音声処理装置100について、図1を用いて説明する。音声処理装置100は、車内の雑音を抑圧し、乗員の声を抽出するための装置である。
図1に示すように、音声処理装置100は、第1マイク101と第2マイク102と雑音抑圧部103とを含む。
第1マイク101は、車両150の内部の天井部材またはその付属物に設けられて、車両150の乗員160の声170と車両内部の雑音180とが混在した混在音を入力し、第1信号104を出力する第1マイク101と、
第2マイク102は、車両150の内部の天井部材またはその付属物における、車両150の乗員160からみて第1マイク101よりも離れた位置に設けられて、車両150の天井部材またはその付属物を利用して、車両150の乗員160の声170を遮断しつつ車両内部の雑音180を入力し、第2信号105を出力する。
雑音抑圧部103は、第1信号104と第2信号105とに基づいて、強調音声信号を出力する。
以上の構成によれば、車両の天井部材またはその付属物を利用して、車両の乗員の声を遮断するので、十分な生産性を確保しつつ、車両の乗員の声を入力して高品質の強調音声信号を出力できる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る音声処理装置について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る音声処理装置200の全体構成を説明するための図である。
《全体構成》
図2において、音声処理装置200は、第1マイクとしてのマイク201と、第2マイクとしてのマイク202と、雑音抑圧部203とを含み、音声認識部208と、カーナビゲーション装置209とに接続されている。
マイク201は、車両250の内部の天井部材またはその付属物に設けられて、車両250の乗員260の声270を捉えて、信号X1を出力し、雑音抑圧部203に提供する。マイク202は、車両250の内部の天井部材またはその付属物における、車両250の乗員260からみてマイク201よりも離れた位置に設けられる。そして、マイク202は、車両内部の雑音280を捉えて、信号X2を出力し、雑音抑圧部203に提供する。車両内部の雑音280は、車両内部で発生したエンジン、モーター、エアーコンディショナー、オーディオ、ウインカー、ワイパーなどの雑音の他、車外で発生したロードノイズ、雨音、風音などを含む。
信号X1も、信号X2も、音声信号と雑音信号とが混在した混在信号であるが、信号X1には、音声信号が比較的大きく混在している。一方で、マイク201とマイク202とが捉える雑音280には、大きく違いがないことが望ましい。違う表現を用いれば、信号X1は、音声信号と雑音信号が、信号X2とは異なる割合で混在しており、信号X1は、信号X2に比べて、音声信号の割合が大きくなっている。
雑音抑圧部203は、信号X1と信号X2とに基づいて、強調音声信号207を出力する。音声認識部208は、強調音声信号207に基づいて乗員260の発言内容を認識する。認識された音声によりカーナビゲーション装置209が操作される。乗員260の音声の利用目的は、カーナビゲーション装置209の操作に限定されるものではなく、他の目的、例えば、車内のオーディオやエアーコンディショナーの操作、携帯電話機を介した通話に利用してもよい。
《雑音抑圧部の構成》
図3は、本実施形態に係る雑音抑圧部203の構成を示す図である。雑音抑圧部203は、マイク201からの信号X1に混在すると推定される推定雑音信号Y1を、信号X1から減算する減算器301を有する。雑音抑圧部203は、信号X2に混在すると推定される推定音声信号Y2を、信号X2から減算する減算器303を有する。雑音抑圧部203は、推定雑音信号Y1を減算器303の出力信号である強調雑音信号E2から生成する推定雑音信号生成部である適応フィルタ(NF)302を有する。適応フィルタ302は、強調音声信号E1に基づき変化するパラメータを使って、強調雑音信号E2から推定雑音信号Y1を生成する。強調雑音信号E2は、信号線によりマイク202から伝達された信号X2から、減算器303で推定音声信号Y2を減算した信号である。
雑音抑圧部203は、さらに、推定音声信号Y2を減算器301の出力信号である強調音声信号E1(207)から生成する推定音声信号生成部である適応フィルタ(XF)304を有する。適応フィルタ304は、強調雑音信号E2に基づき変化するパラメータを用いて、強調音声信号E1から推定音声信号Y2を生成する。適応フィルタ304の具体例は国際公開第2005/024787号公報に詳しく記載されている。
乗員260の音声がマイク202に入力され、信号X2に音声信号が混在する場合でも、適応フィルタ304は、音声信号を減算器301において信号X1から誤って除去するのを防ぐことができる。かかる構成により、減算器301は、マイク201から伝達された信号X1から推定雑音信号Y1を減算して、強調音声信号E1を出力する。
なお、雑音抑圧部203は、アナログ回路であっても、デジタル回路であっても、その混在回路であってもよい。雑音抑圧部203がアナログ回路であれば、強調音声信号E1はデジタル制御に使用される場合にはA/D変換器でデジタル信号に変換される。一方、雑音抑圧部203がデジタル回路であれば、マイクからの信号は雑音抑圧部203に入る前にA/D変換器でデジタル信号に変換される。また、アナログ回路とデジタル回路とが混在する場合には、例えば、減算器301や減算器303をアナログ回路で構成し、適応フィルタ302や適応フィルタ304をデジタル回路により制御されるアナログ回路で構成することが考えられる。
また、図3の雑音抑圧部203は本実施形態に好適な回路例の1例に過ぎない。この構成以外でも、信号X1から推定雑音信号Y1を減算して強調音声信号E1を出力する既存の回路が使用可能である。例えば、図3の適応フィルタ304は、拡散した音声をフィルタするために一定レベルを出力する回路への代替も可能である。また、減算器301および/または減算器303は、推定雑音信号Y1や推定音声信号Y2を信号X1や信号X2にそれぞれ積算する係数で表わすことで積算器に代替することも可能である。
《マイクの配置》
図4は、マイク201とマイク202との配置を説明するための図であり、右ハンドルの車内の状況を、助手席から運転席に向かって見た概略断面図である。車両250において、マイク201は、乗員260の上方の車内天井部材401に配置される。具体的には、車内天井部材401または天井部材に付帯する構成物に穿孔され、マイク201が取り付けられる。特に乗員260の前上方に配置された場合、乗員260の音声レベルが高くなり、高品質な強調音声を得ることができる。
フロントガラス402は、通常、車両250の車体天井部材403に接着剤などで固着されている。そして、車内天井部材401は、別途、車体天井部材403に取り付けられている。そのため、フロントガラス402と車内天井部材401の端部との間には、間隙が存在する。マイク202は、その間隙に取り付けられる。これにより、車内天井部材401の端部が、マイク202に対する乗員260の音声270の入力を遮断する。
図5Aは、マイク201とマイク202との配置の一例を説明するための図であり、右ハンドルの車内の状況を、後部座席から運転席に向かって見た概略斜視図である。図5Aにおいては、マイク201は、運転席用と助手席用の2つ設けられている。また、マイク202は、天井部材401に隠れている。マイク201は、乗員の頭上に設けてもよいが、図5Aでは、サンバイザ501を避けて、センターよりに設けられている。なお、マイク201およびマイク202から伸びた配線(不図示)は、Aピラー502を経由して、不図示の電子制御ユニット(ECU:Electric Control Unit)やカーナビゲーションシステム503に接続される。
図5Bは、マイク201とマイク202との配置の他の例を説明するための図である。第1マイクとしてマイク201aを、第2マイクとしてマイク202aを使用する場合、運転席側と助手席側との共用で動作させることが可能である。これは、マイク201aとマイク202aを結ぶ直線に対して、運転席と助手席が対象な配置になっており、マイク201aおよびマイク202bから運転席までの距離と、これらから助手席までの距離がほぼ等しいからである。また、第1マイクとしてマイク201bを、第2マイクとしてマイク202bを使用する場合、マイク201aとマイク202aを用いる場合よりも、マイク201bがより運転席側に近くなるため、運転席側の乗員260の音声レベルが高くなり、運転席用として好適である。同様に第1マイクとしてマイク201cを、第2マイクとしてマイク202cを使用する場合、マイク201cがより助手席側に近くなるため、助手席側の乗員260用として好適である。なお、マイク201bとマイク202b、マイク201cとマイク202cの2つの組合せを併用し、例えばマイク201bとマイク201cとで信号の強い方を自動選択する信号選択部を設けてもよいい。信号強度によりマイクを自動選択する技術については公知の技術であるため、ここでは説明を省略する。
同様に、第1マイクとしてマイク201bを、第2マイクとしてマイク202aを使用し、運転席用とする構成、第1マイクとしてマイク201cを、第2マイクとしてマイク202aを使用し、助手席用とする構成も、それぞれ可能である。さらに、第1マイクとしてマイク201bおよびマイク201cを、第2マイクとしてマイク202aを共用で使用し、マイク201bとマイク201cとで信号の強い方を自動選択する信号選択部を設けてもよい。この場合、マイク202aを共用で使用することで構成要素を少なくすることが可能である。なお、ここでは運転席側と助手席側という表現を用いたが、右ハンドル車を想定したものであり、車種によってはこれに限らない。
本実施形態では、以上の様に、フロントガラスと車内天井部材との間隙に、車内の雑音を捉えるためのマイクを配置したため、従前の車内構成になんら新たな構成を加えることなく、非常に簡易に、高品質の強調音声信号を得ることができる。天井部材にマイクを設置することにより、均質な雑音を全方向から捉えることが可能となる。
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る音声処理装置300について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る音声処理装置300およびその周辺装置の概略構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る音声処理装置300は、上記第2実施形態と比べると、電子制御ユニット(ECU)651内に組み込まれた雑音抑圧モジュール603を用いる点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。特にマイク201、202は、第2実施形態と同じ位置に配置されるものとする。
図6において、電子制御ユニット651は、エンジン制御ユニット652で検知された車両速度を示す信号、ワイパー653の制御信号、車内のエアーコンディショナー654の制御信号を入力し、雑音抑圧モジュール603に渡す。雑音抑圧モジュール603は、車両速度に応じたロードノイズ、ワイパー653の動作に起因するノイズ、雨がフロントガラスにぶつかることに起因するノイズ、エアーコンディショナー654からの送風に起因する風切り音ノイズなどの雑音信号サンプルをあらかじめ備えている。そして、電子制御ユニット651が入力した各種信号に応じて雑音抑圧方法およびその程度を切換え、マイク201およびマイク202を用いて生成された、強調音声信号の品質の向上を図る。
例えば、エアーコンディショナー654が動作中と判断すると、雑音抑圧モジュール603は、マイク201およびマイク202の入力信号から風切り音ノイズを積極的に抑圧する。このとき、マイク201に比べて、マイク202からの入力信号に対して、より多くの風切り音ノイズが混在していると判断して、抑圧の程度を制御してもよい。
また例えば、ワイパー653が動作中と判断すると、雑音抑圧モジュール603は、マイク201およびマイク202の入力信号からワイパー音ノイズおよび雨音ノイズを積極的に抑圧する。このとき、マイク201に比べて、マイク202からの入力信号に対して、より多くのワイパー音ノイズおよび雨音ノイズが混在していると判断して、抑圧の程度を制御してもよい。
なお、電子制御ユニット651は、物理的には、例えばCPU(Central Processing Unit)と、メモリと、入出力インターフェースとを含む。メモリは、例えば、CPUで処理されるプログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、主として制御処理のための各種作業領域として使用するRAM(Random Access Memory)等を含む。これらの要素は、互いにバスを介して接続する。CPUが、ROMに記憶されたプログラム(例えば雑音抑圧モジュール)を実行し、入出力インターフェースを介して受信した信号や、マイクから入力される信号、RAMに展開されるデータ等を処理することで、音声処理装置300としての機能を実現する。
以上、本実施形態によれば、車両の動作に応じて雑音抑圧方法および、またはその程度を変更することにより、より高品質の強調音声信号を得ることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る音声処理装置について、図7、図8を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る音声処理装置に含まれるマイク701、702の取り付け位置を説明するための図である。本実施形態では、サンバイザ501の近傍であって、乗員260に近い位置に、第1マイクとしてのマイク701が取り付けられる。一方、サンバイザ501の近傍であって、乗員260から遠い位置に、第2マイクとしてのマイク702が取り付けられる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
図8に示すように、マイク701は、サンバイザ501の乗員側に設けられる。図8では3つの設置位置候補を例示している。サンバイザ501の最も中心寄りの位置に設置されたマイク701a、マイク702と対向する位置に設置されたマイク701b、乗員260に対向する位置に設置されたマイク701cのいずれかを採用できる。マイク702は、サンバイザ501のクリップ部分751の根本に配置される。クリップ部分751が、乗員260の声を遮断するため、マイク701にはマイク702に比べて音声信号が強く入る。これにより、本実施形態に係るマイク配置によれば、高品質の強調音声信号を得ることができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る音声処理装置について、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る音声処理装置に含まれるマイク901、902の取り付け位置を説明するための図である。本実施形態では、オーバーヘッドコンソール(マップランプ、サングラスホルダを含む)990の近傍であって、乗員260、960に近い位置に、第1マイクとしてのマイク901が取り付けられる。一方、オーバーヘッドコンソール990の近傍であって、乗員260、960から遠い位置に、第2マイクとしてのマイク902が取り付けられる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
マイク902は、オーバーヘッドコンソール990の前方に配置される。オーバーヘッドコンソール990が、乗員260の声を遮断するため、マイク901にはマイク902に比べて音声信号が強く入る。これにより、本実施形態に係るマイク配置によれば、高品質の強調音声信号を得ることができる。
また、マイクの配置については、図5Bと同様に複数の組合せが可能である。つまり、運転席、助手席共用として、マイク901aとマイク902との組合せを用いることができる。また、運転席専用の配置として、マイク901bとマイク902との組合せを用いることができる。さらに、助手席専用の配置としてマイク901cとマイク902との組合せを用いることができる。もちろん、マイク901b、901cおよびマイク902を設置してマイク902を運転席、助手席共用に用いて、運転席用にマイク901bを、助手席用にマイク901cを、切り換えて用いればよい。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態に係る音声処理装置について、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る音声処理装置に含まれるマイク1001、1002の取り付け位置を説明するための図である。本実施形態では、車両内部の天井部材1041の一部(図では例として先端)が下方向に突出して突出部(または隆起部)1042を構成している。ただし、突出部または隆起部1042は、天井部材1041の一部が下方向に隆起して構成される隆起部、または下方向への突起でも構わない。つまり、第1マイクとしてのマイク1001は、乗員260の上方に設けられており、第2マイクとしてのマイク1002に乗員260の声が入りにくいように天井部材1041自体の形状が特殊な形状となっている。この特殊形状では、マイク1001から乗員260を見たときには妨害となる障害物がなく、マイク1002から乗員260を見たときには障害物があるような形状であることを特徴とする。このような形状としてはあらゆる多角形で厚みのある形状が考えられる。特に乗員方向にそのV字形状の開口部を有する天井部材(図11の天井部材1141)やU字形状の開口部を有する天井部材(図12の天井部材1241)は、効果が大きい。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
突出部1042が、乗員260の声を遮断するため、マイク1001にはマイク1002に比べて音声信号が強く入る。これにより、本実施形態に係るマイク配置によれば、高品質の強調音声信号を得ることができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)
は本発明の範疇に含まれる。
この出願は、2013年2月12日に出願された日本出願特願2013−025001を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (12)

  1. 車両内部の天井部材またはその付属物に設けられて、前記車両の乗員の声と前記車両内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1マイクと、
    前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に設けられて、前記車両の天井部材またはその付属物を利用して、前記車両の乗員の声を遮断しつつ前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2マイクと、
    前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧手段と、
    を備えた音声処理装置。
  2. 前記第2マイクは、前記車両の天井部材またはその付属物の下方向への突出部、隆起部、突起を利用して、前記車両の乗員の声を遮断しつつ前記車両内部の雑音を第2信号に変換する請求項1に記載の音声処理装置。
  3. 前記第1マイクを複数備え、
    複数の前記第1マイクから、声を発した乗員により近い位置に配置された前記第1マイクの信号を使用する信号選択手段をさらに備えた、請求項1または2に記載の音声処理装置。
  4. 前記第2マイクは、前記天井部材と前記車両のフロントガラスとの間隙に設けられる請求項1、2または3に記載の音声処理装置。
  5. 前記雑音抑圧手段は、前記車両においてエアーコンディショナーが動作中には、前記第1マイクと前記第2マイクに風切り音が入力されると判断して、前記第1信号と前記第2信号から前記風切り音に起因する信号を抑圧した上で、前記強調音声信号を出力する請求項4に記載の音声処理装置。
  6. 前記第1マイクは、前記天井部材の付属物としての、マップランプ、サンバイザ、サングラスホルダ、またはオーバーヘッドコンソールに設けられる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の音声処理装置。
  7. 前記第2マイクに向かう前記車両の乗員の声を前記天井部材の付属物が遮断する位置に、前記第2マイクが取り付けられる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の音声処理装置。
  8. 車両内部の天井部材またはその付属物に設けられた第1マイクを用いて、前記車両の乗員の声と前記車両内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1ステップ、
    前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に設けられた第2マイクを用いて、前記車両の天井部材またはその付属物を利用して前記車両の乗員の声を遮断しつつ、前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2ステップと、
    前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧ステップと、
    を含む音声処理方法。
  9. 車両内部の天井部材またはその付属物に設けられた第1マイクを用いて、前記車両の乗員の声と前記車両内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1ステップ、
    前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に設けられた第2マイクを用いて、前記車両の天井部材またはその付属物を利用して前記車両の乗員の声を遮断しつつ、前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2ステップと、
    前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧ステップと、
    をコンピュータに実行させる音声処理プログラム。
  10. 車両の乗員の声と前記車両の内部の雑音とが混在した混在音を入力し、第1信号を出力する第1マイクを、前記車両内部の天井部材またはその付属物に取り付けるステップと、
    前記車両の天井部材またはその付属物を利用して前記車両の乗員の声を遮断しつつ、前記車両内部の雑音を入力し、第2信号を出力する第2マイクを前記車両内部の天井部材またはその付属物における、前記車両の乗員からみて前記第1マイクよりも離れた位置に取り付けるステップと、
    前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、強調音声信号を出力する雑音抑圧部に対して前記第1マイクおよび前記第2マイクを接続するステップと、
    を含む車両に対する音声処理装置の取り付け方法。
  11. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の音声処理装置を備えた天井部材。
  12. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の音声処理装置を備えた車両。
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